JP2007169830A - ポリエステル系繊維の難燃加工剤と難燃加工方法 - Google Patents

ポリエステル系繊維の難燃加工剤と難燃加工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリエステル系繊維への後加工によって耐久性にすぐれる難燃性を付与することができる難燃加工剤と、そのような難燃加工剤を用いてポリエステル系繊維に耐久性にすぐれる難燃性を付与することができる難燃加工方法を提供する。
【解決手段】本発明によれば、特定の環状ホスファゼン化合物を、ジスチレン化フェノールエチレンオキサイド付加物、ジスチレン化フェノールエチレンオキサイド付加物スルホン化物のアルカリ金属塩、およびビス(トリスチレン化フェノールエチレンオキサイド付加物)琥珀酸エステルスルホン化物のアルカリ金属塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤の存在下に、水中に乳化又は分散させてなるポリエステル系繊維の難燃加工剤が提供される。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリエステル系繊維のための難燃加工剤と難燃加工方法に関し、詳しくは、ハロゲン系化合物を用いることなく、後加工によって耐久性に優れる難燃性をポリエステル系繊維に付与することができる環状ホスファゼン化合物を用いた難燃加工剤とこのような難燃加工剤を用いるポリエステル系繊維の難燃加工方法に関する。
従来、ポリエステル系繊維、特に、布帛に浴中吸尽法やパディング法のような後加工によって難燃性能を付与するための方法が種々知られている。例えば、難燃剤として、ハロゲン系化合物、代表的には、特許文献1に記載のように、1,2,5,6,9,10−ヘキサブロモシクロドデカン(HBCD)のような臭素化シクロアルカンを難燃剤として分散剤にて水に分散させてなる難燃加工剤をポリエステル系繊維布帛に付着させる方法が知られている。
しかしながら、このように、ポリエステル系繊維にハロゲン化合物を付着させて難燃性能を付与する方法によれば、そのポリエステル系繊維が燃焼したとき、有害なハロゲン化ガスが発生し、これが環境に有害な影響を及ぼす等の間題がある。そこで、このようなハロゲン系化合物に代えて、特許文献2〜5に記載のように、ハロゲンを含まないリン系化合物からなる難燃剤として、種々のホスファゼン化合物が提案されている。しかし、従来から知られているホスファゼン化合物の多くは常温で液体であるので、これをポリエステル系繊維に付与しても、ブリードアウトするので、難燃剤として用いるに適しない。
一方、特許文献6に記載のように、架橋ホスファゼン化合物は常温で固体である利点を有するが、この架橋ホスファゼン化合物を難燃剤としてポリエステル系繊維に付与するには、架橋ホスファゼン化合物を溶剤に溶解し、溶液としてこれを用いる方法によるか、又は乳化物として、浴中吸尽法又はパディング法にて付与しなければならない。
しかし、前者の架橋ホスファゼン化合物を溶剤に溶解し溶液とした難燃加工剤を用いてポリエステル系繊維を処理すれば、溶剤が大気中に放出されて、環境汚染を惹起するおそれがある。他方、架橋ホスファゼン化合物を乳化物として用いる方法によれば、界面活性剤を用いることが必要となるが、一般に、架橋ホスファゼン化合物は乳化が困難である。
また、特許文献7および8に記載のように、環状ホスファゼン化合物化合物を、ノニオン界面活性剤、例えば、ジスチレン化フェノールエチレンオキサイド付加物、またはアニオン界面活性剤、例えば、[スチレン化フェノールエチレンオキサイド付加物のスルホン化物のアルカリ金属塩、またはビス(トリスチレン化フェノールエチレンオキサイド付加物)コハク酸エステルスルホン化物のアルカリ金属塩]の存在下に、水中に乳化又は分散することができても、乳化物が安定でなく、経時的に破壊して、架橋によって分子量の大きくなっている架橋ホスファゼン化合物が析出してしまう不具合がある。
このように、乳化物が不安定であるときは、吸尽法にて難燃剤をポリエステル系繊維に付与する際に、付着むらが生じたり、また、パディング法にて付与する際には、乳化物の破壊が起こり、付着むらが生じたり、また、機械や装置類を汚染するほか、ポリエステル系繊維の外観を損なう問題もある。
特公昭53−8840号公報 特開平8−291467号公報 特開平10−298188号公報 特開平11−189977号公報 特開平11−189978号公報 特開2003−138420号公報 特開2005−307396号公報 特開2005−330607号公報
本発明者らは、従来のポリエステル系繊維の難燃加工における上述した問題を解決するために鋭意研究した結果、ある種の環状ホスファゼン化合物を特に選択した界面活性剤を用いて水中に乳化して分散させ、又は湿式粉砕して分散させることによって、安定な乳化物又は分散液を得ることができ、更に、このような環状ホスファゼン化合物の乳化物又は分散液を難燃加工剤として用いることによって、ポリエステル系繊維に耐久性に優れる難燃性を付与することができることを見出して、本発明に至ったものである。
従って、本発明は、ポリエステル系繊維への後加工によって耐久性に優れる難燃性を付与することができる難燃加工剤と、そのような難燃加工剤を用いてポリエステル系繊維に耐久性に優れる難燃性を付与することができる難燃加工方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、一般式(1)
Figure 2007169830
(式中、nは3〜15の整数を示し、Aは(a)炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基、シアノ基およびヒドロキシル基から選ばれる少なくとも1種の基が置換されていてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基、または、(b)炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基およびアリール基から選ばれる少なくとも1種の基が置換されていてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基を示し、2n個のAの全てが(a)、又は少なくとも1つは(a)である。)で表される環状ホスファゼン化合物を、ノニオン界面活性剤およびアニオン界面活性剤からなる群から選択された少なくとも1種の界面活性剤の存在下に水中に乳化して分散させ、又は湿式粉砕して分散させてなることを特徴とするポリエステル系繊維の難燃加工剤を得ることができる。
本発明によれば、一般式(2)
Figure 2007169830
(式中、cは平均で1〜3の数を示し、dは平均で5〜30の数を示す。)で表されるノニオン界面活性剤、
および一般式(3)

Figure 2007169830

(式中、Mは、水素イオン、アルカリ金属イオン又はアンモニウムイオンを示し、cは平均で1〜3の数を示し、dは平均で5〜30の数を示す。)で表されるアニオン界面活性剤
および一般式(4)
Figure 2007169830
(式中、M+ は、水素イオン、アルカリ金属イオン又はアンモニウムイオンを示し、gおよびhはそれぞれ平均で1〜3の数を示し、iおよびjはそれぞれ平均で5〜30の数を示す。)で表されるアニオン界面活性剤を用いることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル系繊維の難燃加工剤を得ることができる。
本発明によれば、上記難燃加工剤を用いてポリエステル系繊維を難燃加工することを特徴とするポリエステル系繊維の難燃加工方法が提供される。
本発明によれば、上記難燃加工剤をポリエステル系繊維に付着させ、乾燥させた後、170〜220℃の温度で熱処理し難燃加工することを特徴とするポリエステル系繊維の難燃加工方法が提供される。
本発明によれば、上記難燃加工剤をポリエステル系繊維に110〜140℃の温度で吸尽させる方法により難燃加工することを特徴とするポリエステル系繊維の難燃加工方法が提供される。
本発明によれば、上記難燃加工剤をポリエステル系繊維にエステル又はフタルイミドからなる固着剤を用いる方法により難燃加工することを特徴とするポリエステル系繊維の難燃加工方法が提供される。
本発明によれば、上記難燃加工剤をポリエステル系繊維がレギュラーポリエステル繊維糸とカチオン可染ポリエステル繊維糸とからなる混織布帛であることを特徴とするポリエステル系繊維の難燃加工方法が提供される。
また、本発明によれば、上記方法にてポリエステル系繊維を難燃加工してなる難燃性ポリエステル系繊維が提供される。
本発明によれば、特定の環状ホスファゼン化合物を特に選択した界面活性剤を用いて水中に乳化して分散させ、又は湿式粉砕して分散させることによって、特定の環状ホスファゼン化合物を安定な乳化物又は分散液として得ることができ、これを難燃加工剤として用いて、ポリエステル系繊維に難燃加工を施すことによって、耐久性にすぐれる難燃性を付与することができる。
本発明において、ポリエステル系繊維とは、少なくともポリエステル繊維を含む繊維と、そのような繊維を含む糸、綿、編織物や不織布等の布帛をいい、好ましくは、ポリエステル繊維、これよりなる糸、綿、編織物や不織布等の布帛をいう。
本発明において、上記ポリエステル繊維としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレナフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート、ポリエチレンテレフタレート/5−ソジオスルホイソフタレート、ポリエチレンテレフタレート/ポリオキシベンゾイル、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート等を挙げることができるが、これら例示に限定されるものではなく、更に、難燃性化合物をポリエステルの製造時にポリエステル中に共重合させたもの、また、重合時又は製糸時に難燃性化合物をブレンドした難燃原糸であってもよい。
本発明による難燃性ポリエステル系繊維は、例えば、座席シート、シートカバー、カーテン、壁紙、天井クロス、カーペット、緞帳、建築養生シート、テント、帆布等に好適に用いられる。
本発明において、難燃剤として用いる環状ホスファゼン化合物は、一般式(1)
Figure 2007169830
(式中、nは3〜15の整数を示し、Aは(a)炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基、シアノ基およびヒドロキシル基から選ばれる少なくとも1種の基が置換されていてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基、または、(b)炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基およびアリール基から選ばれる少なくとも1種の基が置換されていてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基を示し、2n個のAの全てが(a)、又は少なくとも1つは(a)である。)で表される環状ホスファゼン化合物である。
このような環状ホスファゼン化合物は、例えば、非特許文献1および2等の公知文献に記載されている。
PHOSPHORUS−NITROGEN COMPOUNDS、H.R.ALLCOCK著、1972年刊、ACADEMIC PRESS社 PHOSPHAZENES、A WORLDWIDE INSIGHT、M.GLERIA、R.DE JAEGER著、2004年刊、NO3A SCIENCE PUBLISHERS INC.社
上記式(1)で表される環状ホスファゼン化合物は、上記各文献に記載されているように、環状ホスホニトリルジハライドを原料として製造することが出来る。この原料の環状ホスホニトリルジハライドは、通常、重合度が3から15程度の環状化合物および鎖状化合物の混合物として得られる。従って、環状ホスホニトリルジハライドは、重合度が3から15程度の環状化合物および鎖状化合物の混合物から上記各文献に記載されているように、溶媒への溶解度の差を利用して鎖状化合物を除き、環状化合物として使用するか、又は、上記各文献に記載されているように、環状ホスホニトリルジハライドの重合度が3から15の混合物を蒸留又は再結晶によって分離して得ることができる。
本発明の環状ホスファゼン化合物の原料である環状ホスホニトリルジハライドとしては、例えば、ヘキサフルオロシクロトリホスファゼン(3量体)、オクタフルオロシクロテトラホスファゼン(4量体)、デカフルオロシクロペンタホスファゼン(5量体)、又はドデカフルオロシクロヘキサホスファゼン(6量体)、ヘキサフルオロシクロトリホスファゼン(3量体)およびオクタフルオロシクロテトラホスファゼン(4量体)の混合物、重合度が3から15の環状ホスホニトリルジフルオリドの混合物、又は、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン(3量体)、オクタクロロシクロテトラホスファゼン(4量体)、デカクロロシクロペンタホスファゼン(5量体)、又はドデカクロロシクロヘキサホスファゼン(6量体)、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン(3量体)およびオクタクロロシクロテトラホスファゼン(4量体)の混合物、重合度が3から15の環状ホスホニトリルジクロリドの混合物等を挙げることができる。この中でも、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン(3量体)、オクタクロロシクロテトラホスファゼン(4量体)、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン(3量体)およびオクタクロロシクロテトラホスファゼン(4量体)の混合物、又は、重合度が3から15の環状ホスホニトリルジクロリドの混合物であるものが好ましい。更にその中でも、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン(3量体)、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン(3量体)およびオクタクロロシクロテトラホスファゼン(4量体)の混合物、又は、重合度が3から15の環状ホスホニトリルジクロリドの混合物であるものが特に好ましい。
本発明の一般式(1)の環状ホスファゼン化合物としては、2n個のAの全てが炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基、シアノ基およびヒドロキシル基から選ばれる少なくとも1種の基が置換されていてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基である化合物[化合物群A]と、2n個のAの少なくとも1つは炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基、アリール基およびシアノ基から選ばれる少なくとも1種の基が置換されていてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基で、残りのAは、炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基およびアリール基から選ばれる少なくとも1種の基が置換されていてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基で表される環状ホスファゼン化合物[化合物群B]を挙げることができる。
[化合物群A]
本発明の一般式(1)の環状ホスファゼン化合物としては、2n個のAの全てが炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基、シアノ基およびヒドロキシル基から選ばれる少なくとも1種の基が置換されていてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基である化合物、例えば、ヘキサフェノキシシクロトリホスファゼン、ヘキサキス(4−メチルフェノキシ)シクロトリホスファゼン、ヘキサキス(3,4−ジメチルフェノキシ)シクロトリホスファゼン、ヘキサキス(2−アリルフェノキシ)シクロトリホスファゼン、ヘキサキス(4−アリルオキシフェノキシ)シクロトリホスファゼン、ヘキサキス(4−シアノフェノキシ)シクロトリホスファゼン、ヘキサキス(4−ヒドロキシフェノキシ)シクロトリホスファゼン、およびこれらシクロトリホスファゼンと下記、オクタフェノキシシクロテトラホスファゼン、オクタキス(4−メチルフェノキシ)シクロテトラホスファゼン、オクタキス(3,4−ジメチルフェノキシ)シクロテトラホスファゼンオクタキス(2−アリルフェノキシ)シクロテトラホスファゼン、オクタキス(4−アリルオキシフェノキシ)シクロテトラホスファゼン、オクタキス(4−シアノフェノキシ)シクロテトラホスファゼン、オクタキス(4−ヒドロキシフェノキシ)シクロテトラホスファゼンのシクロテトラホスファゼンの混合物、およびフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、3,4−ジメチルフェノキシ基、2−アリルフェノキシ基、4−アリルオキシフェノキシ基、4−シアノフェノキシ基、4−ヒドロキシフェノキシ基が置換した環状ホスホニトリル(重合度が3から15)の混合物等を挙げることができ、また、これらの化合物の混合物を挙げることができる。
これらの化合物のうち、ヘキサフェノキシシクロトリホスファゼン、ヘキサキス(4−シアノフェノキシ)シクロトリホスファゼン、ヘキサキス(4−ヒドロキシフェノキシ)シクロトリホスファゼン、ヘキサフェノキシシクロトリホスファゼンとオクタフェノキシシクロテトラホスファゼンの混合物、ヘキサキス(4−シアノフェノキシ)シクロトリホスファゼンとオクタキス(4−シアノフェノキシ)シクロテトラホスファゼンの混合物、ヘキサキス(4−ヒドロキシフェノキシ)シクロトリホスファゼンとオクタキス(4−ヒドロキシフェノキシ)シクロテトラホスファゼンの混合物、フェノキシ基、または4−シアノフェノキシ基、4−ヒドロキシフェノキシ基が置換した環状ホスホニトリル(重合度が3から15)の混合物が好ましく、ヘキサフェノキシシクロトリホスファゼン、ヘキサフェノキシシクロトリホスファゼンとオクタフェノキシシクロテトラホスファゼンの混合物、フェノキシ基が置換した環状ホスホニトリル(重合度が3から15)の混合物が特に好ましい。
また、本発明の一般式(1)の環状ホスファゼン化合物は、2n個のAの全てが炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基、シアノ基およびヒドロキシル基から選ばれる少なくとも1種の基が置換されていてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基であり、これらアリールオキシ基は、単一でなく混合されて置換しても良い。例えば、トリフェノキシトリス(4−メチルフェノキシ)シクロトリホスファゼン、トリフェノキシトリス(4−ヒドロキシフェノキシ)シクロトリホスファゼン、トリフェノキシトリス(4−シアノフェノキシ)シクロトリホスファゼン、トリフェノキシトリス(4−メチルフェノキシ)シクロトリホスファゼンとテトラフェノキシテトラキス(4−メチルフェノキシ)シクロテトラホスファゼンの混合物、トリフェノキシトリス(4−ヒドロキシフェノキシ)シクロトリホスファゼンとテトラフェノキシテトラキス(4−ヒドロキシフェノキシ)シクロテトラホスファゼンの混合物、トリフェノキシトリス(4−シアノフェノキシ)シクロトリホスファゼンとテトラフェノキシテトラキス(4−シアノフェノキシ)シクロテトラホスファゼンの混合物、フェノキシ基と4−メチルフェノキシ基が混合置換した環状ホスホニトリル(重合度が3から15)の混合物、フェノキシ基と4−ヒドロキシフェノキシ基が混合置換した環状ホスホニトリル(重合度が3から15)の混合物、フェノキシ基と4−シアノフェノキシ基が混合置換した環状ホスホニトリル(重合度が3から15)の混合物を挙げることができ、また、これらの化合物の混合物を挙げることができる。
これらの化合物のうち、トリフェノキシトリス(4−メチルフェノキシ)シクロトリホスファゼン、トリフェノキシトリス(4−ヒドロキシフェノキシ)シクロトリホスファゼン、トリフェノキシトリス(4−シアノフェノキシ)シクロトリホスファゼン、フェノキシ基と4−メチルフェノキシ基が混合置換した環状ホスホニトリル(重合度が3から15)の混合物、フェノキシ基と4−ヒドロキシフェノキシ基が混合置換した環状ホスホニトリル(重合度が3から15)の混合物、フェノキシ基と4−シアノフェノキシ基が混合置換した環状ホスホニトリル(重合度が3から15)の混合物が好ましく、トリフェノキシトリス(4−メチルフェノキシ)シクロトリホスファゼン、トリフェノキシトリス(4−ヒドロキシフェノキシ)シクロトリホスファゼン、トリフェノキシトリス(4−シアノフェノキシ)シクロトリホスファゼンが特に好ましい。
[化合物群B]
また、本発明の一般式(1)の環状ホスファゼン化合物としては、2n個のAの少なくとも1つは炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基、アリール基およびシアノ基から選ばれる少なくとも1種の基が置換されていてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基で、残りのAは、炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基およびアリール基から選ばれる少なくとも1種の基が置換されていてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基で表される環状ホスファゼン化合物、例えば、フェノキシ基とメトキシ基が混合置換したシクロトリホスファゼン、フェノキシ基とエトキシ基が混合置換したシクロトリホスファゼン、フェノキシ基とn−プロポキシ基が混合置換したシクロトリホスファゼン、フェノキシ基とアリルオキシ基が混合置換したシクロトリホスファゼン、フェノキシ基とベンジルオキシ基が混合置換したシクロトリホスファゼン、4−メチルフェノキシ基とメトキシ基が混合置換したシクロトリホスファゼン、4−メチルフェノキシ基とエトキシ基が混合置換したシクロトリホスファゼン、4−メチルフェノキシ基とn−プロポキシ基が混合置換したシクロトリホスファゼン、4−メチルフェノキシ基とアリルオキシ基が混合置換したシクロトリホスファゼン、4−メチルフェノキシ基とベンジルオキシ基が混合置換したシクロトリホスファゼン、3,4−ジメチルフェノキシ基とメトキシ基が混合置換したシクロトリホスファゼン、3,4−ジメチルフェノキシ基とエトキシ基が混合置換したシクロトリホスファゼン、3,4−ジメチルフェノキシ基とn−プロポキシ基が混合置換したシクロトリホスファゼン、3,4−ジメチルフェノキシ基とアリルオキシ基が混合置換したシクロトリホスファゼン、3,4−ジメチルフェノキシ基とベンジルオキシ基が混合置換したシクロトリホスファゼン、2−アリルフェノキシ基とメトキシ基が混合置換したシクロトリホスファゼン、2−アリルフェノキシ基とエトキシ基が混合置換したシクロトリホスファゼン、2−アリルフェノキシ基とn−プロポキシ基が混合置換したシクロトリホスファゼン、2−アリルフェノキシ基とアリルオキシ基が混合置換したシクロトリホスファゼン、2−アリルフェノキシ基とベンジルオキシ基が混合置換したシクロトリホスファゼン、4−アリルオキシフェノキシ基とメトキシ基が混合置換したシクロトリホスファゼン、4−アリルオキシフェノキシ基とエトキシ基が混合置換したシクロトリホスファゼン、4−アリルオキシフェノキシ基とn−プロポキシ基が混合置換したシクロトリホスファゼン、4−アリルオキシフェノキシ基とアリルオキシ基が混合置換したシクロトリホスファゼン、4−アリルオキシフェノキシ基とベンジルオキシ基が混合置換したシクロトリホスファゼン、4−シアノフェノキシ基とメトキシ基が混合置換したシクロトリホスファゼン、4−シアノフェノキシ基とエトキシ基が混合置換したシクロトリホスファゼン、4−シアノフェノキシ基とn−プロポキシ基が混合置換したシクロトリホスファゼン、4−シアノフェノキシ基とアリルオキシ基が混合置換したシクロトリホスファゼン、4−シアノフェノキシ基とベンジルオキシ基が混合置換したシクロトリホスファゼン、4−ヒドロキシフェノキシ基とメトキシ基が混合置換したシクロトリホスファゼン、4−ヒドロキシフェノキシ基とエトキシ基が混合置換したシクロトリホスファゼン、4−ヒドロキシフェノキシ基とn−プロポキシ基が混合置換したシクロトリホスファゼン、4−ヒドロキシフェノキシ基とアリルオキシ基が混合置換したシクロトリホスファゼン、4−ヒドロキシフェノキシ基とベンジルオキシ基が混合置換したシクロトリホスファゼンを挙げることができる。
また、上記シクロトリホスファゼンと下記シクロテトラホスファゼンの混合物、シクロテトラホスファゼンとしては、例えば、フェノキシ基とメトキシ基が混合置換したシクロテトラホスファゼン、フェノキシ基とエトキシ基が混合置換したシクロテトラホスファゼン、フェノキシ基とn−プロポキシ基が混合置換したシクロテトラホスファゼン、フェノキシ基とアリルオキシ基が混合置換したシクロテトラホスファゼン、フェノキシ基とベンジルオキシ基が混合置換したシクロテトラホスファゼン、4−メチルフェノキシ基とメトキシ基が混合置換したシクロテトラホスファゼン、4−メチルフェノキシ基とエトキシ基が混合置換したシクロテトラホスファゼン、4−メチルフェノキシ基とn−プロポキシ基が混合置換したシクロテトラホスファゼン、4−メチルフェノキシ基とアリルオキシ基が混合置換したシクロテトラホスファゼン、4−メチルフェノキシ基とベンジルオキシ基が混合置換したシクロテトラホスファゼン、3,4−ジメチルフェノキシ基とメトキシ基が混合置換したシクロテトラホスファゼン、3,4−ジメチルフェノキシ基とエトキシ基が混合置換したシクロテトラホスファゼン、3,4−ジメチルフェノキシ基とn−プロポキシ基が混合置換したシクロテトラホスファゼン、3,4−ジメチルフェノキシ基とアリルオキシ基が混合置換したシクロテトラホスファゼン、3,4−ジメチルフェノキシ基とベンジルオキシ基が混合置換したシクロテトラホスファゼン、2−アリルフェノキシ基とメトキシ基が混合置換したシクロテトラホスファゼン、2−アリルフェノキシ基とエトキシ基が混合置換したシクロテトラホスファゼン、2−アリルフェノキシ基とn−プロポキシ基が混合置換したシクロテトラホスファゼン、2−アリルフェノキシ基とアリルオキシ基が混合置換したシクロテトラホスファゼン、2−アリルフェノキシ基とベンジルオキシ基が混合置換したシクロテトラホスファゼン、4−アリルオキシフェノキシ基とメトキシ基が混合置換したシクロテトラホスファゼン、4−アリルオキシフェノキシ基とエトキシ基が混合置換したシクロテトラホスファゼン、4−アリルオキシフェノキシ基とn−プロポキシ基が混合置換したシクロテトラホスファゼン、4−アリルオキシフェノキシ基とアリルオキシ基が混合置換したシクロテトラホスファゼン、4−アリルオキシフェノキシ基とベンジルオキシ基が混合置換したシクロテトラホスファゼン、4−シアノフェノキシ基とメトキシ基が混合置換したシクロテトラホスファゼン、4−シアノフェノキシ基とエトキシ基が混合置換したシクロテトラホスファゼン、4−シアノフェノキシ基とn−プロポキシ基が混合置換したシクロテトラホスファゼン、4−シアノフェノキシ基とアリルオキシ基が混合置換したシクロテトラホスファゼン、4−シアノフェノキシ基とベンジルオキシ基が混合置換したシクロテトラホスファゼン、4−ヒドロキシフェノキシ基とメトキシ基が混合置換したシクロテトラホスファゼン、4−ヒドロキシフェノキシ基とエトキシ基が混合置換したシクロテトラホスファゼン、4−ヒドロキシフェノキシ基とn−プロポキシ基が混合置換したシクロテトラホスファゼン、4−ヒドロキシフェノキシ基とアリルオキシ基が混合置換したシクロテトラホスファゼン、4−ヒドロキシフェノキシ基とベンジルオキシ基が混合置換したシクロテトラホスファゼン等を挙げることができる。
また、一般式(1)の環状ホスファゼン化合物として、2n個のAの少なくとも1つは、フェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、3,4−ジメチルフェノキシ基、2−アリルフェノキシ基、4−アリルオキシフェノキシ基、4−シアノフェノキシ基、または4−ヒドロキシフェノキシ基で置換し、残りのAは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、アリルオキシ基、またはベンジルオキシ基で置換した環状ホスホニトリル(重合度が3から15)の混合物等を挙げることができる。
本発明の一般式(1)の環状ホスファゼン化合物としては、シクロトリホスファゼン、シクロテトラホスファゼン、および環状ホスホニトリル(重合度が3から15)の混合物の置換基としては、2n個のAの少なくとも1つは、フェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、3,4−ジメチルフェノキシ基、2−アリルフェノキシ基、4−アリルオキシフェノキシ基、4−シアノフェノキシ基、または4−ヒドロキシフェノキシ基等のアリールオキシ基であり、残りのAは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、アリルオキシ基、またはベンジルオキシ基等のアルコキシ基であるが、2種類以上のアリールオキシ基と1種類のアルコキシ基を置換した化合物、1種類のアリールオキシ基と2種類以上のアルコキシ基を置換した化合物、又は、2種類以上のアリールオキシ基と2種類のアルコキシ基を置換した化合物を挙げることができる。
これらの化合物としては、フェノキシ基、4−メチルフェノキシ基とメトキシ基が混合置換したシクロトリホスファゼン、フェノキシ基、4−メチルフェノキシ基とn−プロポキシ基が混合置換したシクロトリホスファゼン、フェノキシ基、4−シアノフェノキシ基とメトキシ基が混合置換したシクロトリホスファゼン、フェノキシ基、4−シアノフェノキシ基とn−プロポキシ基が混合置換したシクロトリホスファゼン、フェノキシ基、4−ヒドロキシフェノキシ基とメトキシ基が混合置換したシクロトリホスファゼン、フェノキシ基、4−ヒドロキシフェノキシ基とn−プロポキシ基が混合置換したシクロトリホスファゼン、およびこれらシクロトリホスファゼンと下記、フェノキシ基、4−メチルフェノキシ基とメトキシ基が混合置換したシクロテトラホスファゼン、フェノキシ基、4−メチルフェノキシ基とn−プロポキシ基が混合置換したシクロテトラホスファゼン、フェノキシ基、4−シアノフェノキシ基とメトキシ基が混合置換したシクロテトラホスファゼン、フェノキシ基、4−シアノフェノキシ基とn−プロポキシ基が混合置換したシクロテトラホスファゼン、フェノキシ基、4−ヒドロキシフェノキシ基とメトキシ基が混合置換したシクロテトラホスファゼン、フェノキシ基、4−ヒドロキシフェノキシ基とn−プロポキシ基が混合置換したシクロテトラホスファゼンの混合物等を挙げることができる。
これらの化合物のうち、一般式(1)の環状ホスファゼン化合物として、2n個のAの少なくとも1つは、フェノキシ基、4−シアノフェノキシ基、または4−ヒドロキシフェノキシ基で置換し、残りのAは、メチル基、またはn−プロピル基で置換した環状ホスホニトリル(重合度が3から15)の混合物等が好ましく、フェノキシ基、4−シアノフェノキシ基とメトキシ基が混合置換したシクロトリホスファゼン、フェノキシ基、4−シアノフェノキシ基とn−プロポキシ基が混合置換したシクロトリホスファゼン、およびこれらシクロトリホスファゼンと下記、フェノキシ基、4−シアノフェノキシ基とメトキシ基が混合置換したシクロテトラホスファゼン、フェノキシ基、4−シアノフェノキシ基とn−プロポキシ基が混合置換したシクロテトラホスファゼンの混合物等が特に好ましく、また、一般式(1)の環状ホスファゼン化合物として、2n個のAの少なくとも1つは、フェノキシ基と4−シアノフェノキシ基で置換し、残りのAは、メチル基、またはn−プロピル基で置換した環状ホスホニトリル(重合度が3から15)の混合物が特に好ましい。
本発明の環状ホスファゼン化合物[化合物群A]および[化合物群B]は、前記環状ホスホニトリルジハライド、例えば、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン(3量体)、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン(3量体)およびオクタクロロシクロテトラホスファゼン(4量体)の混合物、又は、重合度が3から15の環状ホスホニトリルジクロリドの混合物を原料として、非特許文献1および2等の公知文献に記載されている方法に従って製造することが出来る。このための方法としては、下記のいずれかの方法を採用することができる。
本発明の環状ホスファゼン化合物である[化合物群A]は、環状ホスホニトリルジハライドと、フェノール、4−メチルフェノール、3,4−ジメチルフェノール、2−アリルフェノール、4−アリルオキシフェノール、4−シアノフェノール、および4−ヒドロキシフェノール等のフェノール類の少なくとも一つの化合物のアルカリ金属塩とを反応させることで製造することが出来る。
この方法による場合、フェノール類のアルカリ金属塩の使用量は、通常、環状ホスホニトリルジハライドの活性ハロゲン原子の量の1.0〜2.0当量に設定するのが好ましく、1.05〜1.3当量に設定するのがより好ましい。当該使用量が1.0当量未満の場合は、活性ハロゲン原子の一部が残留し、目的とするヒドロキシル基含有環状ホスファゼン化合物が所要の効果を示さない可能性がある。一方、当該使用量が2.0当量を超える場合は、反応生成物の分離・精製が困難になるおそれがあり、また、不経済である。
また、本発明の環状ホスファゼン化合物[化合物群A]は、環状ホスホニトリルジハライドと、フェノール、4−メチルフェノール、3,4−ジメチルフェノール、2−アリルフェノール、4−アリルオキシフェノール、4−シアノフェノール、および4−ヒドロキシフェノール等のフェノール類の少なくとも一つの化合物を、ハロゲン化水素を捕捉する塩基の存在下で反応させることで製造することが出来る。
この方法による場合、フェノール類の使用量は、環状ホスホニトリルジハライドの活性ハロゲン原子の量の1.0〜2.0当量に設定するのが好ましく、1.05〜1.3当量に設定するのがより好ましい。当該使用量が1.0当量未満の場合は、活性ハロゲン原子の一部が残留し、目的とするヒドロキシル基含有環状ホスファゼン化合物が所要の効果を示さない可能性がある。一方、当該使用量が2.0当量を超える場合は、反応生成物の分離・精製が困難になるおそれがあり、また、不経済である。また、塩基の使用量は、環状ホスホニトリルジハライドの活性ハロゲン原子の量の1.0〜2.1当量に設定するのが好ましく、1.1〜1.4当量に設定するのがより好ましい。当該使用量が1.0当量未満の場合は、活性ハロゲン原子の一部が残留し、目的とするヒドロキシル基含有環状ホスファゼン化合物が所要の効果を示さない可能性がある。一方、当該使用量が2.1当量を超える場合は、反応生成物の分離・精製が困難になるおそれがあり、また、不経済である。
本発明の環状ホスファゼン化合物[化合物群B]は、環状ホスホニトリルジハライドと、フェノール、4−メチルフェノール、3,4−ジメチルフェノール、2−アリルフェノール、4−アリルオキシフェノール、4−シアノフェノール、および4−ヒドロキシフェノール等のフェノール類の少なくとも一つの化合物と、メタノール、エタノール、n−プロパノール、アリルアルコールおよびベンジルアルコール等のアルコール類の少なくとも一つの化合物とを反応させて製造することが出来る。
本発明の環状ホスファゼン化合物[化合物群B]は、環状ホスホニトリルジハライドと、フェノール、4−メチルフェノール、3,4−ジメチルフェノール、2−アリルフェノール、4−アリルオキシフェノール、4−シアノフェノール、および4−ヒドロキシフェノール等のフェノール類の少なくとも一つの化合物のアルカリ金属塩を反応させた後、メタノール、エタノール、n−プロパノール、アリルアルコールおよびベンジルアルコール等のアルコール類の少なくとも一つの化合物のアルカリ金属塩とを反応させて製造することが出来る。また、この逆に、環状ホスホニトリルジハライドと、上記アルコール類の少なくとも一つの化合物のアルカリ金属塩を反応させた後、上記フェノール類の少なくとも一つの化合物のアルカリ金属塩を反応させて製造することが出来る。また、環状ホスホニトリルジハライドに、上記アルコール類の少なくとも一つの化合物のアルカリ金属塩と上記フェノール類の少なくとも一つの化合物のアルカリ金属塩とを混合し同時に反応させて製造することが出来る。
本発明の環状ホスファゼン化合物[化合物群B]は、環状ホスホニトリルジハライドと、フェノール、4−メチルフェノール、3,4−ジメチルフェノール、2−アリルフェノール、4−アリルオキシフェノール、4−シアノフェノール、および4−ヒドロキシフェノール等のフェノール類の少なくとも一つの化合物とハロゲン化水素を捕捉する塩基の存在下で反応させ後、メタノール、エタノール、n−プロパノール、アリルアルコールおよびベンジルアルコール等のアルコール類の少なくとも一つの化合物とハロゲン化水素を捕捉する塩基の存在下で反応させて製造することが出来る。また、この逆に、環状ホスホニトリルジハライドと、上記アルコール類の少なくとも一つの化合物とハロゲン化水素を捕捉する塩基の存在下で反応させた後、上記フェノール類の少なくとも一つの化合物とハロゲン化水素を捕捉する塩基の存在下で反応させて製造することが出来る。また、環状ホスホニトリルジハライドに、上記フェノール類の少なくとも一つの化合物と上記アルコール類の少なくとも一つの化合物とを同時に、ハロゲン化水素を捕捉する塩基の存在下で反応させて製造することが出来る。
上述の環状ホスホニトリルジハライドとフェノール類、又はフェノール類およびアルコール類との反応は、上述のいずれの方法についても、無溶媒で実施することができ、また、溶媒を使用して実施することもできる。溶媒を使用する場合、溶媒の種類は、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されるものではないが、通常、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジエトキシエタンおよびジフェニルエーテル等のエーテル系、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン、キシレン、エチルベンゼンおよびイソプロピルベンゼン等の芳香族炭化水素系、クロロホルムおよび塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素系、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、ウンデカンおよびドデカン等の脂肪族炭化水素系、ピリジン等の複素環式芳香族炭化水素系、第三級アミン系並びにシアン化合物系等の有機溶媒を用いるのが好ましい。このうち、分子内にエーテル結合を有し、かつ、フェノール類およびアルコール類、およびそれらのアルカリ金属塩の溶解度が高いエーテル系の有機溶媒および水との分離が容易である芳香族炭化水素系の有機溶媒を用いるのが特に好ましい。
上述の各方法において用いられるアルカリ金属塩は、通常、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩およびセシウム塩が好ましい。特に、リチウム塩およびナトリウム塩が好ましい。このようなアルカリ金属塩は、フェノール類またはアルコール類と、金属リチウム、金属ナトリウム若しくは金属カリウム等との脱水素反応、または、フェノール類またはアルコール類と、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物との混合物からの脱水反応によって得ることができる。
また、上述の各方法において用いられる塩基は、特に限定されるものではないが、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、ジイソプロピルアニリン、ピリジン、4,4−ジメチルアミノピリジン、4,4−ジエチルアミノピリジンおよび4−ジイソプロピルアミノピリジン等の脂肪族若しくは芳香族アミン類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物等が好ましい。特に、トリエチルアミン、ピリジンおよび水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物が好ましい。
本発明によるポリエステル系繊維の難燃加工剤は、このような特定の環状ホスファゼン化合物をノニオン界面活性剤およびアニオン界面活性剤からなる群から選択された少なくとも1種の界面活性剤の存在下に水中に乳化して分散させ、又は湿式粉砕して分散させてなるものである。
本発明によるポリエステル系繊維の難燃加工剤に使用されるノニオン界面活性剤としては、一般式(2)
Figure 2007169830
(式中、cは平均で1〜3の数を示し、dは平均で5〜30の数を示す。)で表される化合物を挙げることができる。
本発明によるポリエステル系繊維の難燃加工剤に使用されるアニオン界面活性剤としては、一般式(3)

Figure 2007169830

(式中、Mは、水素イオン、アルカリ金属イオン又はアンモニウムイオンを示し、cは平均で1〜3の数を示し、dは平均で5〜30の数を示す。)および一般式(4)
Figure 2007169830
(式中、M+ は、水素イオン、アルカリ金属イオン又はアンモニウムイオンを示し、gおよびhはそれぞれ平均で1〜3の数を示し、iおよびjはそれぞれ平均で5〜30の数を示す。)で表される化合物を挙げることができる。
ここに、本発明において、上記環状ホスファゼン化合物を乳化して水に分散させるとは、環状ホスファゼン化合物を加熱溶融させ、液体とした状態で、水中において、界面活性剤を乳化剤として用いて、その存在下に機械的に激しく撹拌して、上記環状ホスファゼン化合物を微細な液滴として水中に分散させることをいう。ここに、本発明によれば、環状ホスファゼン化合物を乳化させるに際して、前述した界面活性剤を用いることによって、乳化物が常温に至った後も、環状ホスファゼン化合物が可溶化されており、かくして、安定な乳化物を得ることができる。上記機械的な撹拌のためには、例えば、通常の撹拌機のほか、ホモジナイザーやコロイドミルが用いられる。
通常であれば、環状ホスファゼン化合物は常温では固体であるので、得られた乳化物においては、環状ホスファゼン化合物は、徐々に再結晶し、固体化するので、乳化物は不安定となり、遂には、環状ホスファゼン化合物の凝集や沈殿が起こるが、本発明によれば、前記界面活性剤を用いることによって、乳化物が常温に至った後も、環状ホスファゼン化合物が可溶化されているので、安定な乳化物を得ることができる。
他方、上記環状ホスファゼン化合物を湿式粉砕して水に分散させるとは、環状ホスファゼン化合物を固体のまま、界面活性剤を分散剤として用いて、粉砕して、微細な固体の粒子として水中に分散させることをいう。このように、環状ホスファゼン化合物を固体のまま、湿式粉砕して分散させるには、上述した乳化の場合よりも強力な機械的撹拌が必要であるので、ホモジナイザーやコロイドミルのほか、ガラスビーズやジルコニアビーズのような粉砕媒体を用いるビーズミルが用いられる。
本発明において用いる前記一般式(2)で表される界面活性剤、スチレン化フェノールエチレンオキサイド付加物は、フェノール1モル部にスチレンを1〜3モル部付加してスチレン化フェノールを得、このスチレン化フェノール1モル部にエチレンオキサイドを5〜30モル部付加させることによって得ることができる。
前記一般式(3)で表される界面活性剤、スチレン化フェノールエチレンオキサイド付加物の硫酸エステル塩は、上記スチレン化フェノールエチレンオキサイド付加物を硫酸エステル化した後、アルカリ金属水酸化物やアンモニア等のアルカリにて中和することによって得ることができる。上記アルカリ金属水酸化物としては、例えば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムが好ましく用いられる。従って、前記一般式(3)で表される界面活性剤、スチレン化フェノールエチレンオキサイド付加物の硫酸エステル塩において、M+ はアルカリ金属イオン又はアンモニウムイオンを示し、上記アルカリ金属イオンは、好ましくは、ナトリウムイオン又はカリウムイオンである。
前記一般式(4)で表される界面活性剤、スチレン化フェノールエチレンオキサイド付加物のスルホ琥珀酸エステルは、上記一般式(2)で表される界面活性剤、スチレン化フェノールエチレンオキサイド付加物2モル部をスルホマレイン酸1モル部に反応させることによって得ることができる。一般式(4)で表される界面活性剤、スチレン化フェノールエチレンオキサイド付加物のスルホ琥珀酸エステルにおいても、M+ はアルカリ金属イオン又はアンモニウムイオンを示し、上記アルカリ金属イオンは、好ましくは、ナトリウムイオン又はカリウムイオンである。
これらの界面活性剤のいずれにおいても、フェノール1モル部当たりのエチレンオキサイドの平均付加モル数が5より少なくても、また、30より多くても、得られる環状ホスファゼン化合物の乳化物又は分散液の安定性が悪くなる。
本発明による難燃加工剤において、環状ホスファゼン化合物の含有量は、通常、5〜60重量%の範囲であり、好ましくは、10〜50重量%の範囲である。難燃加工剤中の環状ホスファゼン化合物の含有量が5重量%よりも少ないときは、ポリエステル系繊維に難燃性を付与するに際して、徒に多量の難燃加工剤を必要とし、他方、環状ホスファゼン化合物の含有量が60重量%を越える乳化物や分散液は、これを安定なものとして調製することが困難である。
更に、本発明によれば、環状ホスファゼン化合物の乳化物又は分散液を調製するに際して、前記界面活性剤は、特に限定されるものではないが、通常、環状ホスファゼン化合物100重量部に対して、5〜30重量部の範囲で用いられる。環状ホスファゼン化合物100重量部に対して、界面活性剤の使用量が5重量部よりも少ないときは、得られる乳化物又は分散液の安定性が悪くなるおそれがあり、他方、30重量部よりも多いときは、十分な難燃性をポリエステル系繊維に付与することができず、また、吸尽法にて処理した場合に吸尽率を低下させるおそれがある。特に、本発明においては、環状ホスファゼン化合物を水中に乳化させるには、好ましくは、環状ホスファゼン化合物100重量部に対して、界面活性剤10〜30重量部が用いられ、他方、環状ホスファゼン化合物を湿式粉砕し、分散させるには、環状ホスファゼン化合物100重量部に対して、好ましくは、界面活性剤5〜10重量部が用いられる。
特に、本発明によれば、環状ホスファゼン化合物を水中に乳化して分散させるには、前記一般式(3)で表される界面活性剤、スチレン化フェノールエチレンオキサイド付加物の硫酸エステル塩が好ましく用いられ、他方、環状ホスファゼン化合物を水中に湿式粉砕して分散させるには、前記一般式(2)で表される界面活性剤、スチレン化フェノールエチレンオキサイド付加物又は前記一般式(4)で表される界面活性剤、スチレン化フェノールエチレンオキサイド付加物のスルホ琥珀酸エステルが好ましく用いられる。
本発明による難燃加工剤を製造する方法は特に限定されるものではないが、例えば、環状ホスファゼン化合物の乳化物を得るには、環状ホスファゼン化合物と上記界面活性剤を混合し、加熱溶融して均一な混合物を調製し、この混合物を加熱した水中に徐々に加えることによって、環状ホスファゼン化合物を微細な液滴として、加熱した水中に乳化分散させればよい。また、別の方法として、環状ホスファゼン化合物を加熱溶融させ、これを界面活性剤を含む加熱した水中に徐々に加えることによって、環状ホスファゼン化合物を水中に乳化分散させてもよい。このようにして、環状ホスファゼン化合物を水中に微細に乳化、分散させた後、更に、分散安定剤として、例えば、ポリビニルアルコールを溶解させることによって、難燃加工剤の安定性を一層、高めることができる。
他方、環状ホスファゼン化合物を湿式粉砕し、分散させて水分散液を得るには、一つの方法として、例えば、環状ホスファゼン化合物と上記界面活性剤とからなる混合物を、ジルコニアビーズを粉砕媒体として水中にて撹拌して、環状ホスファゼン化合物を粉砕し、水中に分散させればよい。
本発明による難燃加工剤は、その性能が阻害されない範囲において、必要に応じて、前述したポリビニルアルコールのほか、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン糊等の分散安定剤、難燃加工剤の難燃性を高めるための難燃助剤、耐光堅牢度を高めるための紫外線吸収剤や酸化防止剤等を含んでいてもよい。更に、必要に応じて、従来より知られている難燃剤や界面活性剤を含んでいてもよい。
本発明による難燃加工剤を用いて、ポリエステル系繊維を難燃加工し、難燃性を付与するには、難燃剤である環状ホスファゼン化合物のポリエステル系繊維への付着量は、繊維の種類によって異なるが、通常、0.03〜30重量%、好ましくは、0.3〜20重量%の範囲である。環状ホスファゼン化合物のポリエステル系繊維への付着量が0.03重量%よりも少ないときは、ポリエステル系繊維に十分な難燃性を付与することができず、他方、30重量%を越えるときは、難燃加工後の繊維の風合いが粗硬になる等の不具合を生じる。
本発明による難燃加工剤をポリエステル系繊維に付与して、難燃加工する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、パディング法、スプレー法、コーティング法等によって、難燃加工剤をポリエステル系繊維に付着させ、170〜220℃の温度で熱処理して、環状ホスファゼン化合物を繊維に固着させる方法を挙げることができる。より詳細には、例えば、パディング法によるときは、本発明による難燃加工剤にポリエステル系繊維を浸漬して、所定の付着量になるようにマングル等で絞った後、例えば、60〜130℃の範囲の温度で乾燥し、次いで、必要に応じて、例えば、150〜210℃、好ましくは、170〜200℃の範囲の温度で数秒から数分間、乾熱処理を行うのである。
また、本発明による難燃加工剤をポリエステル系繊維に付与して、難燃加工する別の方法として、浴中処理によることができる。この方法によるときは、例えば、難燃加工剤中にポリステル系繊維を浸漬し、110〜140℃の温度で浴中処理して、環状ホスファゼン化合物を繊維に固着させる。この方法によるときは、例えば、液流染色機、ビーム染色機、チーズ染色機等のパッケージ染色機を用いることができる。
本発明によれば、このような浴中処理によって、難燃加工剤をポリエステル系繊維に付与して、難燃加工する際には、難燃剤をポリエステル系繊維に安定に多量に固着させるために、固着剤を用いてもよい。ここに、この固着剤としては、従来よりポリエステル繊維のキャリヤー染色において用いられている染色キャリヤーが好ましく用いられる。従って、このような固着剤として、例えば、o−フェニルフェノール、p−フェニルフェノール等のフェニルフェノール類、クレソチン酸メチル等のクレソチン酸エステル類、o−ジクロロベンゼン、1,3,5−トリクロロベンゼン等のクロロベンゼン類、ビフェニル、メチルビフェニル等の(アルキル置換)ビフェニル類、ジフェニルオキシド、1−メチルナフタレン、2−メチルナフタレン等のアルキル置換ナフタレン類、安息香酸メチル、安息香酸ブチル、安息香酸フェニル、安息香酸ベンジル等の安息香酸エステル類、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、テレフタル酸ジメチル等のフタル酸エステル類、フタル酸イミド等を挙げることができる。なかでも、本発明においては、主として、環境負荷と効果の観点から、安息香酸エステル類やフタルイミドが好ましく用いられる。
本発明において、このような固着剤を用いる場合、固着剤は、難燃加工するポリエステル系繊維に対して、重量基準にて、0.1〜10%owf(on the weight of fiber)、好ましくは、1.0〜5.0%owfの範囲で用いられる。
本発明によれば、このような固着剤を難燃剤を含む処理液中に乳化分散させるために、界面活性剤として、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ソルビトール、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキルフェニルエーテル等を適宜に用いることができる。
近年、ポリエステル系繊維の多様化、高級化によって、レギュラーポリエステル繊維糸とカチオン可染ポリエステル繊維糸とを混織した布帛が普及しつつあるが、固着剤を用いる浴中処理によってポリエステル系繊維を難燃加工する方法は、このようなカチオン可染ポリエステル混織布帛の場合に好適である。
このように、本発明による難燃加工剤を用いて、カチオン可染ポリエステル混織布帛を難燃加工する場合、上記固着剤は、カチオン可染ポリエステル混織布帛に対して、重量基準にて、0.1〜10%owf(on the weight of fiber)、好ましくは、1.0〜5.0%owfの範囲で用いられる。固着剤の使用割合がカチオン可染ポリエステル混織布帛に対して0.1%owfよりも少ないときは、カチオン可染ポリエステル混織布帛に十分な量の難燃剤を固着することができないおそれがあり、他方、固着剤の使用割合がカチオン可染ポリエステル混織布帛に対して10%owfよりも多いときは、難燃処理したカチオン可染ポリエステル混織布帛に固着剤が残留して、難燃性を阻害するおそれがある。
本発明において、カチオン可染ポリエステル混織布帛とは、カチオン可染ポリエステル繊維糸とレギュラーポリエステル繊維糸との混織による布帛を意味し、カチオン可染ポリエステル繊維糸のみからなる布帛をも含めることとする。
ここに、混率とは、カチオン可染ポリエステル混織布帛中に含まれるカチオン可染ポリエステル繊維糸の重量基準による割合(重量%)をいう。
カチオン可染ポリエステル混織布帛には、そのポリエステル繊維を形成するポリエステルの分子中にカチオン染料による染色を容易にするために、例えば、前述したように、5−ソジオスルホイソフタレートのようなスルホン酸基を有するジカルボン酸モノマー成分がポリエステル分子中に組み込まれている。このようなスルホン酸基を有するモノマー成分を含まないポリエステル分子からなる繊維がレギュラーポリエステル繊維である。このようなカチオン可染ポリエステル混織布帛は、レギュラーポリエステル系繊維に比較して、燃焼後に燃焼残渣を生じやすく、また、燃焼後に生じた燃焼残渣が所謂「蝋燭の芯」の役割をして、レギュラーポリエステルのドリップを阻害し燃焼を継続するので、その難燃化が困難であるとされている。
即ち、カチオン可染ポリエステル繊維糸は融点約246℃、5%重量減少温度(熱分析による)が約373℃であり、レギュラーポリエステル繊維糸は融点約256℃、5%重量減少温度(熱分析による約400℃であるので、カチオン可染ポリエステル混織布帛が燃焼した場合、カチオン可染ポリエステル繊維糸の分解温度がレギュラーポリエステル繊維糸の分解温度よりも低く、燃焼残渣がレギュラーポリエステル繊維糸の分解前に形成され、その結果として、燃焼残渣が「蝋燭の芯」の役割をするとみられる。
このようなカチオン可染ポリエステル混織布帛、特に、混率が25%以上のものは、レギュラーポリエステル系繊維に比較して、従来、難燃化が困難であるといわれている。例えば、従来より知られているリン系の難燃剤、例えば、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)では、リン含有量が低く、通常、5〜11%の範囲であり、従って、カチオン可染ポリエステル混織布帛に付与することができる難燃性能に限界がある。しかし、環状ホスファゼン化合物は、リン含有量が12%以上であって、従来のリン系難燃剤に比べてリン含有量が高いが、反面、分子量が大きく、カチオン可染ポリエステル混織布帛内での分散性が悪いので、浴中加工によって、十分な量の環状ホスファゼン化合物をカチオン可染ポリエステル混織布帛に付与することが困難である。
ここに、本発明によれば、上記固着剤を用いて浴中処理することによって、環状ホスファゼン化合物のカチオン可染ポリエステル混織布帛内での分散性を高めることによって、満足すべき難燃性能を有するに足りる量の環状ホスファゼン化合物をカチオン可染ポリエステル混織布帛に付与することができる。しかし、本発明においては、環状ホスファゼン化合物を難燃剤として用いてレギュラーポリエステル系繊維を難燃加工する場合にも、必要に応じて、上述した固着剤を用いてもよい。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。用いた試料ポリエステル繊維布帛は下記のとおりであり、それらの難燃性能およびその耐久性の評価は、以下のようにして行った。また、実施例および比較例において、「部」は固形分換算した重量部である。
(難燃性能)
難燃加工した布帛の初期の難燃性能(図1中、「初期」として示す。)と共に、これを下記の条件で5回水洗濯又は5回ドライクリーニング(DC)したもの(図1中、それぞれ「洗濯5回後」と「DC5回後」として示す。)について、JIS L 1091 A−1法(ミクロバーナー法)およびJIS L 1091 D法(コイル法)にて難燃性能を評価した。ミクロバーナー法においては、1分間加熱、着炎後3秒加熱共に、残炎が3秒以内、残塵が5秒以内、炭化面積が30cm2以内のときを○とし、これらの条件に満たないものを×とした。コイル法においては、接炎回数が3回以上であれば、難燃性にすぐれるといえる。
(水洗濯)
JIS K 3371に従って、弱アルカリ性第1種洗剤を1g/Lの割合で用い、浴比1:40として、60℃±2℃で15分間水洗濯した後、40℃±2℃で5分間のすすぎを3回行ない、遠心脱水を2分間行ない、その後、60℃±5℃で熱風乾燥する1サイクルを5サイクル行った。
(DC)
試料1gにつき、テトラクロロエチレン12.6mL、チャージソープ0.265g(チャージソープの重量組成はノニオン系界面活性剤(ノニルフェニルエーテルのエチレンオキシド10モル付加物)/アニオン系界面活性剤(ジオクチル琥珀酸ナトリウム塩)/水=10/10/1)を用いて、30℃±2℃で15分間の処理を1サイクルとし、これを5サイクル行った。
(試料ポリエステル繊維布帛A)
経糸としてフルダルポリエステル繊維(酸化チタン3.5%含有)からなる84デシテックス36フィラメントのポリエステル繊維を用い、緯糸として黒原着ポリエステル繊維からなる167デシテックス48フィラメントのポリエステル繊維を用いて、密度縦360本/2.54cm×横100本/2.54cm、両面朱子織とした織物に通常の方法によって精練、プレセットを施したものを試料ポリエステル繊維布帛Aとした。
(試料ポリエステル繊維布帛B)
経糸としてカチオン可染エステル繊維からなる84デシテックス36フィラメントのポリエステル繊維を用い、緯糸として黒原着ポリエステル繊維からなる167デシテックス48フィラメントのポリエステル繊維を用いて、密度縦360本/2.54cm×横100本/2.54cm、両面朱子織とした織物に通常の方法によって精練、プレセットを施したものを試料ポリエステル繊維布帛Bとした。このカチオン可染ポリエステル混織布帛の混率は57.6%である。
(環状ホスファゼン化合物Pの製造)
PHOSPHORUS−NITROGEN COMPOUNDS、H.R.ALLCOCK著、1972年刊、151頁、ACADEMIC PRESS社に記載されている方法に従い、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン81%とオクタクロロシクロテトラホスファゼン19%とのシクロホスファゼン混合物を用いて[N=P(OCと[N=P(OCとの混合物(白色固体/融点:65〜112℃)を得た。この環状ホスファゼン化合物の酸価は、0.01mgKOH/g以下、残存加水分解性塩素は0.01%以下であった。
(環状ホスファゼン化合物Cの製造)
撹拌機、温度計、還流冷却管、水分離用受器および窒素導入管を備えた2リットルのフラスコ中に
4−シアノフェノール1.30モル(154.9g)、フェノール1.30モル(122.3g)、96%水酸化ナトリウム2.60モル(108.3g)及びトルエン1000mlを添加した。この混合物を加熱還流し、系から水を除き、シアノフェノール及びフェノールのナトリウム塩のトルエン溶液を調製した。
このシアノフェノール及びフェノールのナトリウム塩のトルエン溶液に、1ユニットモル(115.9g)のジクロロホスファゼンオリゴマー(3量体89%、4量体7%、5量体以上の環状化合物4%の混合物)を含む20%トルエン溶液580gを撹拌しながら内温20℃以下で滴下した。この混合溶液を8時間還流した後、反応混合物に2%水酸化ナトリウム水溶液を添加し2回洗浄した。次に有機層を希硫酸で中和した後、水洗を2回行い有機層を濾過し、濃縮(条件:80℃、3hPa以下、8時間)して、250gの微黄色粘性液体を得た。使用したジクロロホスファゼンオリゴマーから算出した収率は98%であった。H−NMRスペクトル、31P−NMRスペクトルおよびTOF−MSで合成できていることを確認した。この環状ホスファゼン化合物の酸価は、0.01mgKOH/g以下、残存加水分解性塩素は0.01%以下であった。
(難燃加工剤Aの調製)
上記環状ホスファゼン化合物P30重量部とトリスチレン化フェノールエチレンオキサイド10モル付加物の硫酸エステルのアンモニウム塩5重量部を混合し、この混合物を130℃まで加熱して、均一な溶融物を得た。この溶融物を95℃の水65重量部に撹拌しながら徐々に加えて、環状ホスファゼン化合物を乳化させ、微細に分散させて、難燃加工剤Aを均一な乳化物として得た。
(難燃加工剤の安定性の評価方法)
この難燃加工剤Aを温度20℃で静置して、目視にて安定性を調べたところ、凝集や沈殿が起こらず、1か月以上安定であった。
(難燃加工剤Bの調製)
上記環状ホスファゼン化合物P50重量部とトリスチレン化フェノールエチレンオキサイド10モル付加物の硫酸エステルのアンモニウム塩5重量部を混合し、この混合物を130℃まで加熱して、均一な溶融物を得た。この溶融物を95℃の水40重量部に撹拌しながら徐々に加えて、環状ホスファゼン化合物を乳化させ、微細に分散させた後、更に、分散安定剤として、ポリビニルアルコールの20%水溶液5重量部を加えて均一化して、難燃加工剤Bを均一な乳化物として得た。この難燃加工剤Bについて、実施例1と同様にして安定性を調べたところ、1か月以上安定であった。
(難燃加工剤Cの調製)
上記環状ホスファゼン化合物C30重量部とトリスチレン化フェノールエチレンオキサイド10モル付加物の硫酸エステルのアンモニウム塩5重量部を混合し、この混合物を130℃まで加熱して、均一な溶融物を得た。この溶融物を95℃の水65重量部に撹拌しながら徐々に加えて、環状ホスファゼン化合物を乳化させ、微細に分散させて、難燃加工剤Cを均一な乳化物として得た。この難燃加工剤Cについて、実施例1と同様にして安定性を調べたところ、1か月以上安定であった。
比較例1(難燃加工剤Dの調製)
上記環状ホスファゼン化合物P30重量部とソルビタンモノステアレートエチレンオキサイド10モル付加物5重量部を混合し、130℃まで加熱して、均一な溶融物を得た。この溶融物を95℃の水65重量部に撹拌しながら徐々に加えて乳化させることを試みたが、溶融物が著しく凝集して、均一な乳化物を得ることができなかった。
比較例2(難燃加工剤Eの調製)
上記環状ホスファゼン化合物C30重量部とソルビタンモノステアレートエチレンオキサイド10モル付加物5重量部を混合し、130℃まで加熱して、均一な溶融物を得た。この溶融物を95℃の水65重量部に撹拌しながら徐々に加えて乳化させることを試みたが、溶融物が著しく凝集して、均一な乳化物を得ることができなかった。
(難燃加工剤Fの調製)
上記環状ホスファゼン化合物P30重量部とジスチレン化フェノールエチレンオキサイド10モル付加物5重量部を混合し、130℃まで加熱して、均一な溶融物を得た。この溶融物を95℃の水65重量部に撹拌しながら徐々に加えて、環状ホスファゼン化合物を乳化させ、微細に分散させて、難燃加工剤Dを均一な乳化物として得た。この難燃加工剤Fについて、実施例1と同様にして安定性を調べたところ、5時間まで安定であった。
(難燃加工剤Gの調製)
上記環状ホスファゼン化合物C30重量部とジスチレン化フェノールエチレンオキサイド10モル付加物5重量部を混合し、130℃まで加熱して、均一な溶融物を得た。この溶融物を95℃の水65重量部に撹拌しながら徐々に加えて、環状ホスファゼン化合物を乳化させ、微細に分散させて、難燃加工剤Dを均一な乳化物として得た。この難燃加工剤Gについて、実施例1と同様にして安定性を調べたところ、4時間まで安定であった。
比較例3(難燃加工剤Hの調製)
上記環状ホスファゼン化合物P30重量部とノニルフェノールエチレンオキサイド10モル付加物5重量部を混合し、この混合物を130℃まで加熱して、均一な溶融物を得た。この溶融物を95℃の水65重量部に撹拌しながら徐々に加えて乳化させることを試みたが、溶融物が著しく凝集して、均一な乳化物を得ることができなかった。
比較例4(難燃加工剤Iの調製)
上記環状ホスファゼン化合物C30重量部とノニルフェノールエチレンオキサイド10モル付加物5重量部を混合し、この混合物を130℃まで加熱して、均一な溶融物を得た。この溶融物を95℃の水65重量部に撹拌しながら徐々に加えて乳化させることを試みたが、溶融物が著しく凝集して、均一な乳化物を得ることができなかった。
比較例5(難燃加工剤Jの調製)
上記環状ホスファゼン化合物C30重量部とラウリルアルコールエチレンオキサイド9モル付加物5重量部を混合し、この混合物を130℃まで加熱して、均一な溶融物を得た。この溶融物を95℃の水65重量部に撹拌しながら徐々に加えて乳化させることを試みたが、溶融物が著しく凝集して、均一な乳化物を得ることができなかった。
比較例6(難燃加工剤Kの調製)
上記環状ホスファゼン化合物P30重量部とラウリルアルコールエチレンオキサイド9モル付加物5重量部を混合し、この混合物を130℃まで加熱して、均一な溶融物を得た。この溶融物を95℃の水65重量部に撹拌しながら徐々に加えて乳化させることを試みたが、溶融物が著しく凝集して、均一な乳化物を得ることができなかった。
比較例7(難燃加工剤Lの調製)
難燃剤1,2,5,6,9,10−ヘキサブロモシクロドデカン40重量部、ジオクチルスルホ琥珀酸ナトリウム3.5重量部とシリコーン系消泡剤0.1重量部を水25重量部と混合し、これを直径0.8mmのガラスビーズを充填したミルに仕込み、上記難燃剤を平均粒子径が0.5umなるまで粉砕し、105℃の温度で30分間乾燥させたときの不揮発分濃度が40%となるように調整して、難燃加工剤Lを得た。
比較例8(難燃加工剤Mの調製)
難燃剤としてレゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)45重量部と界面活性剤トリスチレン化フェノールエチレンオキサイド10モル付加物硫酸エステルのアンモニウム塩7.5重量部とを混合し、95℃まで加熱して、均一な溶融物を得た。この溶融物を95℃の水47.5重量部に撹拌しながら徐々に加えて、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)を乳化させ、微細に分散させて、難燃加工剤Mを均一な乳化物として得た。この難燃加工剤Lについて、実施例1と同様にして安定性を調べたところ、1か月以上安定であった。
試料ポリエステル繊維布帛Aを分散染料(スミカロンブルーE−RPD)0.3%owf(On the Weight of Fiber)、難燃加工剤Aを環状ホスファゼン化合物として1.5%owf、浴比1:15となるように配合した処理液中に浸漬し、130℃で45分間、浴中処理し、通常の還元洗浄を行い、水洗後、乾燥し、170℃で1分間熱処理を行った。
試料ポリエステル繊維布帛Aを分散染料(スミカロンブルーE−RPD)0.3%owf、難燃加工剤Bを環状ホスファゼン化合物として1.5%owf、浴比1:15となるように配合した混合処理液中に浸漬し、130℃で45分間、浴中処理し、通常の還元洗浄を行い、水洗後、乾燥し、170℃で1分間熱処理を行った。
試料ポリエステル繊維布帛Aを分散染料(スミカロンブルーE−RPD)0.3%owf、難燃加工剤Cを環状ホスファゼン化合物として1.5%owf、浴比1:15となるように配合した処理液中に浸漬し、130℃で45分間、浴中処理し、通常の還元洗浄を行い、水洗後、乾燥し、170℃で1分間熱処理を行った。
試料ポリエステル繊維布帛Bを分散染料(スミカロンブルーE−RPD)0.3%owf、難燃加工剤Aを環状ホスファゼン化合物として5.0%owf、キャリヤーとしてブチルベンゾエート2%owf、浴比1:15となるように配合した処理液中に浸漬し、130℃で45分間、浴中処理し、通常の還元洗浄を行い、水洗後、乾燥し、170℃で1分間熱処理を行った。
比較例9
試料ポリエステル繊維布帛Aを分散染料(スミカロンブルーE−RPD)0.3%owf、難燃加工剤Lを難燃剤として1.5%owf、浴比1:15となるように配合した混合処理液中に浸漬し、130℃で45分間処理し、通常の還元洗浄を行い、水洗後、乾燥し、170℃で1分間熱処理を行った。
比較例10
試料ポリエステル繊維布帛Bを分散染料(スミカロンブルーE−RPD)0.3%owf、難燃加工剤Lを難燃剤として5.0%owf、浴比1:15となるように配合した処理液中に浸漬し、130℃で45分間、浴中処理し、通常の還元洗浄を行い、水洗後、乾燥し、170℃で1分間熱処理を行った。
比較例3
試料ポリエステル繊維布帛Bを分散染料(スミカロンブルーE−RPD)0.3%owf、難燃加工剤Mを難燃剤として5.0%owf、固着剤として安息香酸ブチル2%owf、浴比1:15となるように配合した処理液中に浸漬し、130℃で45分間、浴中処理し、通常の還元洗浄を行い、水洗後、乾燥し、170℃で1分間熱処理を行った。
上記実施例および比較例において難燃加工したポリエステル繊維布帛の難燃性能を図1に示す。図1に示す結果から明らかなように、本発明による難燃加工剤を用いて、ポリエステル系繊維に難燃加工を施すことによって、従来の1,2,5,6,9,10−ヘキサブロモシクロドデカンを用いる場合に比べ同等以上の難燃性を付与することができる。
難燃加工した布帛の難燃性能

Claims (8)

  1. 一般式(1)
    Figure 2007169830
    (式中、nは3〜15の整数を示し、Aは(a)炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基、シアノ基およびヒドロキシル基から選ばれる少なくとも1種の基が置換されていてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基、または、(b)炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基およびアリール基から選ばれる少なくとも1種の基が置換されていてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基を示し、2n個のAの全てが(a)、又は少なくとも1つは(a)である。)で表される環状ホスファゼン化合物を、ノニオン界面活性剤およびアニオン界面活性剤からなる群から選択された少なくとも1種の界面活性剤の存在下に水中に乳化して分散させ、又は湿式粉砕して分散させてなることを特徴とするポリエステル系繊維の難燃加工剤。
  2. 一般式(2)
    Figure 2007169830
    (式中、cは平均で1〜3の数を示し、dは平均で5〜30の数を示す。)で表されるノニオン界面活性剤、
    および一般式(3)

    Figure 2007169830

    (式中、Mは、水素イオン、アルカリ金属イオン又はアンモニウムイオンを示し、cは平均で1〜3の数を示し、dは平均で5〜30の数を示す。)で表されるアニオン界面活性剤および一般式(4)
    Figure 2007169830
    (式中、M+ は、水素イオン、アルカリ金属イオン又はアンモニウムイオンを示し、gおよびhはそれぞれ平均で1〜3の数を示し、iおよびjはそれぞれ平均で5〜30の数を示す。)で表されるアニオン界面活性剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤を用いることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル系繊維の難燃加工剤。
  3. 請求項1および2に記載の難燃加工剤を用いてポリエステル系繊維を難燃加工することを特徴とするポリエステル系繊維の難燃加工方法。
  4. 請求項3に記載のポリエステル系繊維の難燃加工方法において、難燃加工剤をポリエステル系繊維に付着させ、乾燥させた後、170〜220℃の温度で熱処理する方法。
  5. 請求項3に記載のポリエステル系繊維の難燃加工方法において、難燃加工剤をポリエステル系繊維に110〜140℃の温度で吸尽させる方法。
  6. 請求項5に記載のポリエステル系繊維の難燃加工方法において、安息香酸エステル又はフタルイミドからなる固着剤を用いる方法。
  7. ポリエステル系繊維がレギュラーポリエステル繊維糸とカチオン可染ポリエステル繊維糸とからなる混織布帛である請求項6に記載の方法。
  8. 請求項3から7のいずれかに記載の方法にてポリエステル系繊維を難燃加工してなる難燃性ポリエステル系繊維。
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