JP2007167821A - 水素吸着材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】体積が大きく且つ水素ガス吸着能に優れた水素吸着材を得る。
【解決手段】基材12、金属塩及び有機化合物を溶媒に添加し、金属イオンと有機配位子との反応結合体である錯体の粒子14を前記基材12の表面に析出させる。これにより、錯体結合基材10が形成される。この錯体結合基材10を溶媒ごと撹拌すれば、錯体結合基材10、10同士が絡み合いないし結合し、大粒径化して大体積の水素吸着材20が得られるに至る。
【選択図】図2

Description

本発明は、水素ガスを吸着するための水素吸着材及びその製造方法に関する。
近年における環境保護への関心の高まりから、燃料電池を搭載した燃料電池車が着目されている。燃料電池車は燃料電池を走行駆動源とするので、ガソリンや軽油を燃焼させる必要がなく、従って、炭化水素ガスやNOx、SOx等を排出することがないからである。
燃料電池を運転するに際しては、燃料ガス、例えば、水素ガスを供給する必要がある。このため、燃料電池には水素貯蔵タンクが付設される。この水素貯蔵タンクにおける水素貯蔵量が多いほど燃料電池の運転時間を長期化することができるので、容器内に水素吸着材を収容して水素貯蔵タンクを構成することが種々検討されている。この場合、水素吸着材が水素を吸着保持するので、水素吸着材が収容されていない場合に比して多くの水素を貯留することができるからである。
この種の水素吸着材として、近時、金属−有機骨格構造体が特に着目されている(例えば、特許文献1参照)。金属−有機骨格構造体は、金属原子又は金属イオンを有機分子又は有機イオンが囲繞するように配位結合した錯体の1種であり、ゲスト分子が存在しない場合であっても安定な多孔性骨格構造を維持する。水素ガスは、この多孔性骨格構造内に吸着される。
金属−有機骨格構造体は、特許文献2に記載されるように、その粉末を基材に接触させ、例えば、ペレットに圧縮成形されて水素吸着材として供される。
米国特許出願公開第2003/0148165号明細書 米国特許出願公開第2003/0222023号明細書
上記したように、金属−有機骨格構造体は多孔性骨格構造を有する。このため、その粉末に対して過度に大きな成形圧を付与して圧縮成形を行うと、該多孔性骨格構造が圧潰されることがある。このような事態が生じると、水素ガスを吸着保持することが困難となる。換言すれば、水素ガス吸着量が低下する。
しかも、特許文献2記載の従来技術では、水素ガスの吸着作用に何ら寄与しないバインダや増粘剤を多量に添加するようにしている。このため、ペレットの体積を大きくしても、水素ガスの吸着可能量を大きくすることは容易ではない。
このように、従来技術においては、単位体積当たりの水素ガス吸着量が大きな水素吸着材を得ることが容易ではないという不具合が顕在化している。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、単位体積当たりの水素ガス吸着量が大きく、しかも、体積が大きな水素吸着材及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明に係る水素吸着材は、基材と、前記基材の表面に析出して水素ガスを吸着可能な複数個の錯体とを具備する錯体結合基材が形成されていることを特徴とする。
この錯体結合基材においては、複数個の錯体の粒子が基材に結合することで大粒径化する。このため、体積が大なる錯体の結合体ないし集合体、すなわち、水素吸着材を、圧縮成形工程を経ることなく作製することができる。従って、水素ガスを吸着するための吸着サイトが圧潰されることがない。しかも、本発明においては、基材がバインダとしても機能するので、バインダを別途添加する必要は特にない。従って、水素ガス吸着能に寄与しないバインダ等を多量に使用する必要がない。
以上のような理由から、単位体積当たりの水素ガス吸着能に優れた水素吸着材を構成することができる。
基材の好適な例としては、分子同士が直線状に結合して形成された線状分子を有する物質を挙げることができる。この場合、錯体結合基材同士を絡み合わせないし結合させることにより、体積が一層大きな水素吸着材とすることも可能である。
基材の別の好適な例としては、高分子又は炭素材のいずれかからなるシート材を挙げることができる。この場合、水素吸着材を任意の形状に変形することができるという利点がある。
また、本発明は、基材の表面に水素ガスを吸着可能な錯体が複数個析出した錯体結合基材を有する水素吸着材の製造方法であって、
前記基材、金属塩及び有機化合物を含有する溶媒を調製する工程と、
前記溶媒中で前記金属塩と前記有機化合物とを反応させて錯体として前記基材の表面に析出させ、錯体結合基材を形成する工程と、
前記錯体結合基材と前記溶媒とを分離する工程と、
を有することを特徴とする。
このような過程を経ることにより、圧縮成形工程を経ることなく、且つバインダ等を多量に添加することなく、大粒径化した水素吸着材を容易に作製することができる。従って、得られた水素吸着材においては、単位体積当たりの水素ガス吸着量が大きくなる。
上記したように、基材としては、分子同士が直線状に結合して形成された線状分子を有する物質を使用することができる。この場合、前記錯体結合基材を溶媒中で撹拌することが好ましい。これにより錯体結合基材同士が絡み合うので、大粒径化が容易となる。
溶媒は、錯体を析出させる際に使用した溶媒であってもよいし、別の溶媒であってもよい。
又は、高分子又は炭素材のいずれかからなるシート材を基材として使用するようにしてもよい。
本発明によれば、基材の表面に錯体の粒子を複数個析出させるようにしているので、前記粒子の大粒径化が容易となり、結局、圧縮成形工程を経ることなく大体積の水素吸着材を作製することができる。また、本発明においては、バインダ等を多量に使用する必要も特にないので、水素ガス吸着作用を営む錯体の相対的な割合を著しく大きくすることができる。
すなわち、単位体積当たりの水素ガス吸着量が大きな水素吸着材を得ることができるという効果が達成される。
以下、本発明に係る水素吸着材及びその製造方法につき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る水素吸着材を構成する錯体結合基材10の構造を模式的に示した概略構造説明図である。この錯体結合基材10においては、線状分子からなる基材12の表面に錯体の粒子14が複数個析出している。換言すれば、粒子14は、基材12の表面に結合している。
基材12の材質である線状分子は、分子同士が線状に結合して延在する物質からなる。この種の物質の好適な例としては線状高分子が挙げられ、より具体的には、ポリエチレン、塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、熱可塑性エラストマー等が例示される。又は、カーボンナノチューブや気相成長炭素繊維等であってもよい。
この場合、粒子14を構成する錯体は、金属原子又は金属イオンを有機分子又は有機イオンが囲繞して配位結合した金属−有機骨格構造体からなる。この種の金属−有機骨格構造体の好適な例としては、[M2(4,4’−ビピリジン)3(NO34](ただし、MはCo、Ni、Znのいずれか)、[M2(1,4−ベンゼンジカルボキシレートアニオン)2](ただし、MはCu、Znのいずれか)、[Fe2(トランス−4,4’−アゾピリジン)4(NCS)4]等が挙げられる。
又は、その一般式がM4O(芳香族ジカルボキシレートアニオン)3で表されるものであってもよい。Mの好適な例としては、Zn、Mg、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Al、Ru、Rh、Pd、Ag、Ptが挙げられる。また、芳香族ジカルボキシレートアニオンに代え、芳香族ジカルボキシレートアニオンの芳香環中に存在するHの少なくとも1つが官能基に置換された芳香族ジカルボキシレートアニオン誘導体で構成されたものであってもよい。
芳香族ジカルボキシレートアニオン又はその誘導体の好適な例としては、1,4−ベンゼンジカルボキシレートアニオン、2−ブロモ−1,4−ベンゼンジカルボキシレートアニオン、2−アミノ−1,4−ベンゼンジカルボキシレートアニオン、2,5−プロピル−1,4−ベンゼンジカルボキシレートアニオン、2,5−ペンチル−1,4−ベンゼンジカルボキシレートアニオン、シクロブテン−1,4−ベンゼンジカルボキシレートアニオン、1,4−ナフタレンジカルボキシレートアニオン、2,6−ナフタレンジカルボキシレートアニオン、4,4’−ビフェニルジカルボキシレートアニオン、4,5,9,10−テトラヒドロピレン−2,7−ジカルボキシレートアニオン、ピレン−2,7−ジカルボキシレートアニオン、4,4”−テルフェニルジカルボキシレートアニオン等が挙げられる。各々の構造式は、下記の通りである。
Figure 2007167821
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図2に、本実施の形態に係る水素吸着材20の構造を模式的に示した概略構造説明図を示す。この図2から諒解されるように、水素吸着材20は、複数個の錯体結合基材10(図1参照)が互いに接触ないし結合することで構成される。すなわち、錯体結合基材10同士は、いわゆる絡み合った状態でもよいし、別個の錯体結合基材10、10に析出した錯体(粒子14)同士が物理的ないし化学的に結合することで連結した状態であってもよい。
すなわち、本実施の形態によれば、錯体結合基材10同士を結合ないし集合させることで、体積が大なる水素吸着材20を、圧縮成形を行うことなく形成することができる。この水素吸着材20の基本構成単位である錯体結合基材10においては、粒子14を構成する錯体(金属−有機骨格構造体)の多孔性骨格構造が圧潰されていないため、優れた水素ガス吸着能を示す水素吸着材となる。
しかも、本実施の形態によれば、水素ガス吸着能の発現に寄与しないバインダ等を多量に用いることなく水素吸着材を作製することができる。このため、単位体積当たりの水素ガス吸着量が大きな水素吸着材とすることができる。
この水素吸着材20は、以下のようにして作製することができる。先ず、基材12として、ポリエチレン、塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、熱可塑性エラストマー、カーボンナノチューブ、気相成長炭素繊維等の線状分子と、錯体(金属−有機骨格構造体)を形成するための金属イオン源及び有機配位子源とを溶媒に添加する。
金属イオン源、有機配位子源としては、それぞれ、金属塩、有機化合物を選定すればよい。具体的な金属塩としては、例えば、Zn塩である硝酸亜鉛四水和物:Zn(NO32・4H2Oが挙げられ、一方、有機化合物の具体例としては、2,6−ナフタレンジカルボン酸が挙げられる。
また、溶媒としては、金属塩及び有機化合物の双方を溶解可能な液体が選定される。好適な例としては、N,N’−ジエチルフォルムアミド、ジメチルフォルムアミド、N−メチルピロリドンが挙げられる。金属塩及び有機化合物の双方が溶媒に溶解されることに伴って、図3に示すように、金属イオンM+と有機配位子L-が遊離し、この状態で基材12(線状分子)の周囲を囲繞するように存在する。
その後、金属イオンM+と有機配位子L-との反応が進行し、図4に示すように、基材12の表面から錯体の粒子14が析出し始める。析出を進行させることにより、錯体結合基材10が得られる。析出の進行に伴い、粒子14、14同士が互いに結合して粒成長を起こし、その結果、大粒子となることもある。
ここで、反応時間は、温度によって設定すればよい。すなわち、室温であれば数日〜数週間放置し、85〜105℃であれば20〜72時間とすればよい。勿論、室温で数日間放置した後、85〜105℃で数時間〜数十時間保持するようにしてもよい。いずれの場合においても、加熱する際には密閉ベッセルを使用することが好ましい。
このようにして得られた錯体結合基材10を濾過等によって溶媒から分離し、濾過残留物に含まれた溶媒を揮発除去して、水素吸着材とするようにしてもよいが、錯体結合基材10を溶媒中で撹拌するようにしてもよい。この撹拌は、分離前に前記溶媒を撹拌するか、又は、前記溶媒から分離された後の錯体結合基材10が添加された別の溶媒を撹拌することで実施することができる。
この撹拌により、錯体結合基材10、10同士の絡み合いないし結合が容易に進行する。ここで、基材12の表面に析出・成長した粒子14の大きさは一様ではなく、このため、多数の粒子14が結合した基材12の表面には凹凸が形成された状態となっている。錯体結合基材10、10同士は、この凹凸の係合によって容易に絡み合う。
複数個の錯体結合基材10同士が絡み合いないし結合した集合体を、濾過等によって溶媒から分離し、濾過残留物に含まれた溶媒を揮発除去すれば、その模式的な構造が図2に示される水素吸着材20が得られるに至る。
上記から諒解されるように、本実施の形態では、水素吸着材20を作製する際に圧縮成形工程を得ることがない。従って、錯体結合基材10を構成する金属−有機骨格構造体の多孔性骨格構造が圧潰されることがない。しかも、バインダ等を多量に添加する必要が特にないので、基材12と粒子14のみで水素吸着材を構成することもできる。
ここで、粒子14は、基材12の略全表面を被覆するように析出・成長する。従って、水素吸着材20中の基材12の割合は、粒子14が占める割合に比して著しく小さい。換言すれば、水素吸着材20の大部分は水素ガスの吸着作用を営む粒子14であり、基材12の割合は極僅かであるので、基材12が存在することによって水素吸着材20の単位体積当たりの水素ガス吸着量が過度に小さくなることはない。
以上のような理由から、水素ガス吸着能に優れた水素吸着材20を得ることができる。
さらに、錯体の粒子14が基材12の表面に存在する核を起点に析出しているので、粒子14と基材12との結合力が大きい。従って、錯体結合基材10は、機械的に安定である。
なお、上記した実施の形態では、基材12の材質として線状分子を選定しているが、高分子又は炭素材からなるシート材であってもよい。高分子の好適な例としては、ポリエチレン、塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。また、炭素材からなるシート材の具体例としては、カーボンペーパー、カーボンマット、カーボン不織布、カーボン織物が挙げられる。
シート材を基材として用いた場合、シート状の水素吸着材が得られる。このような水素吸着材は、例えば、該水素吸着材をロール状に巻回して円筒形状容器に収容したり、容器の内側形状に合致するように裁断した後に該容器内に収容したりする等、容器の形状に合わせて容易に変形させることができるという利点がある。従って、粉末状の金属−有機骨格構造体を容器に収容する場合に比して、収容が著しく容易となる。
純度90%以上の単層カーボンナノチューブ1mgを、1000mlのN,N’−ジエチルフォルムアミド(DEF)に添加した。この添加溶液に対し真空引きを行って脱泡することでカーボンナノチューブから空気を離脱させるとともに、該カーボンナノチューブの間隙にDEFを浸入させた。なお、この操作を行う間、超音波振動、及びスターラを用いての撹拌によって、カーボンナノチューブをDEF全体に分散させた。
真空引きが施された上記の添加溶液に対し、1.2gの2,6−ナフタレンジカルボン酸と、11gのZn(NO32・4H2Oとを添加して溶解した。この溶液を密閉容器に封入した後、95℃で20時間保持した。これにより、前記カーボンナノチューブの表面にZn4O(2,6−ナフタレンジカルボキシレートアニオン)3・(DEF)6の粒子が析出した錯体結合基材を得た。
そして、密閉容器を室温と平衡温度になるまで静置し、濾過操作して前記錯体結合基材をDEFから分離した。濾過残留物を別のDEFに添加した後、このDEFを撹拌した。この撹拌により錯体結合基材同士が集合して大粒径化し、錯体結合基材のバルク体が得られた。
このバルク体をクロロホルム(CHCl3)中に24時間浸漬し、Zn4O(2,6−ナフタレンジカルボキシレートアニオン)3・(DEF)6のゲスト分子であるDEFをCHCl3に置換した。
その後、濾過操作によってバルク体とクロロホルムとを分離し、濾過残留物を室温で12時間放置してクロロホルムを揮発除去した。これにより、単層カーボンナノチューブの表面にZn4O(2,6−ナフタレンジカルボキシレートアニオン)3が析出した錯体結合基材のバルク体が生成した。
以上の操作を繰り返し行い、50gの前記バルク体を得た。これを実施例1とする。
このバルク体につき電子顕微鏡及び画像処理法によって平均粒径を求めたところ、500μmであった。また、77Kにおける窒素吸着量から比表面積を測定したところ、1455m2/gであった。
1000mlのDEFを貯留した容器内に、50mm×50mm×厚さ0.3mmのカーボンペーパーを位置決め固定した。この状態で真空引きを行い、前記カーボンペーパーから空気を離脱させるとともに、該カーボンペーパーの間隙にDEFを浸入させた。
真空引きが施された前記DEFに対し、カーボンペーパーが浸漬された状態のまま、1.2gの2,6−ナフタレンジカルボン酸と11gのZn(NO32・4H2Oとを添加して溶解した。この溶液を密閉容器に封入した後、95℃で20時間保持した。これにより、前記カーボンペーパーの表面にZn4O(2,6−ナフタレンジカルボキシレートアニオン)3・(DEF)6の粒子が析出した錯体結合基材を得た。
そして、密閉容器を室温と平衡温度になるまで静置し、濾過操作して前記錯体結合基材をDEFから分離した。濾過残留物を別のDEFに添加した後、このDEFを撹拌することで洗浄した。
濾過残留物、すなわち、錯体結合基材を別のDEFに添加し、さらに、このDEFに対して、1.2gの2,6−ナフタレンジカルボン酸と11gのZn(NO32・4H2Oを添加して溶解した。この溶液を密閉容器に封入した後、95℃で20時間保持した。
その後、密閉容器を室温と平衡温度になるまで静置し、濾過操作して前記錯体結合基材をDEFから分離した。濾過残留物を別のDEFに添加した後、このDEFを撹拌した。
以上の操作を繰り返し、カーボンペーパーの表面にZn4O(2,6−ナフタレンジカルボキシレートアニオン)3・(DEF)6の粒子を密に析出させた。そして、この錯体結合基材をクロロホルム(CHCl3)中に24時間浸漬し、Zn4O(2,6−ナフタレンジカルボキシレートアニオン)3・(DEF)6のゲスト分子であるDEFをCHCl3に置換した。
錯体結合基材をクロロホルムから取り出すことで両者を分離し、錯体結合基材を室温で12時間放置してクロロホルムを揮発除去した。これにより、カーボンペーパーの表面に50gのZn4O(2,6−ナフタレンジカルボキシレートアニオン)3が析出した錯体結合基材を得た。これを実施例2とする。
このシート状錯体結合基材バルク体につき実施例1と同様にして比表面積を求めたところ、1430m2/gであった。
比較のため、粉末状のZn4O(2,6−ナフタレンジカルボキシレートアニオン)3を合成した。すなわち、1.2gの2,6−ナフタレンジカルボン酸と、11gのZn(NO32・4H2Oとを、1000mlのDEFに溶解した。この溶液を密閉容器に封入した後、95℃で20時間保持した。これにより、Zn4O(2,6−ナフタレンジカルボキシレートアニオン)3・(DEF)6の粒子をDEF中に析出させた。
その後、密閉容器を室温(25℃)と平衡温度になるまで静置し、濾過操作して前記粒子をDEFから分離した。濾過残留物をDEFで洗浄し、前記粒子の凝集体を得た。
この凝集体を室温でクロロホルム(CHCl3)中に24時間浸漬し、Zn4O(2,6−ナフタレンジカルボキシレートアニオン)3・(DEF)6のゲスト分子であるDEFをCHCl3に置換した。さらに、室温で12時間放置してクロロホルムを揮発除去し、Zn4O(2,6−ナフタレンジカルボキシレートアニオン)3とした。
以上の操作を個別に繰り返し行い、合計で50gの粉末状Zn4O(2,6−ナフタレンジカルボキシレートアニオン)3を得た。この粉末状Zn4O(2,6−ナフタレンジカルボキシレートアニオン)3に対し、プレス成形機による圧縮成形を施してペレットとした。加圧力は300kgf/m2とした。これを比較例とする。
比較例のZn4O(2,6−ナフタレンジカルボキシレートアニオン)3につき、実施例と同様にして電子顕微鏡及び画像処理法によって平均粒径を求めた。その結果は20μmであり、実施例1の僅か1/25であった。また、77Kにおける窒素吸着量から比表面積を測定したところ、203m2/gであり、実施例1、2の約1/7であった。
以上の結果から、基材の表面に錯体を析出・成長させることによって粒径、すなわち、体積が大なる錯体結合基材が得られること、また、そのようにして作製された錯体結合基材が優れた水素ガス吸着能を示すことが明らかである。
本実施の形態に係る水素吸着材を構成する錯体結合基材の構造を模式的に示す概略構造説明図である。 本実施の形態に係る水素吸着材の構造を模式的に示す概略構造説明図である。 基材の周囲に金属イオンと有機配位子が遊離して存在する状態を模式的に示す概略模式図である。 基材の表面に粒子が析出した状態を模式的に示す概略模式図である。
符号の説明
10…錯体結合基材 12…基材
14…粒子 20…水素吸着材

Claims (7)

  1. 基材と、前記基材の表面に析出して水素ガスを吸着可能な複数個の錯体とを具備する錯体結合基材が形成されていることを特徴とする水素吸着材。
  2. 請求項1記載の水素吸着材において、前記基材は、分子同士が直線状に結合して形成された線状分子を有する物質であることを特徴とする水素吸着材。
  3. 請求項1記載の水素吸着材において、前記基材は、高分子又は炭素材のいずれかからなるシート材であることを特徴とする水素吸着材。
  4. 基材の表面に水素ガスを吸着可能な錯体が複数個析出した錯体結合基材を有する水素吸着材の製造方法であって、
    前記基材、金属塩及び有機化合物を含有する溶媒を調製する工程と、
    前記溶媒中で前記金属塩と前記有機化合物とを反応させて錯体として前記基材の表面に析出させ、錯体結合基材を形成する工程と、
    前記錯体結合基材と前記溶媒とを分離する工程と、
    を有することを特徴とする水素吸着材の製造方法。
  5. 請求項4記載の製造方法において、前記基材として、分子同士が直線状に結合して形成された線状分子を有する物質を使用することを特徴とする水素吸着材の製造方法。
  6. 請求項5記載の製造方法において、前記錯体結合基材を溶媒中で撹拌することを特徴とする水素吸着材の製造方法。
  7. 請求項4記載の製造方法において、前記基材として、高分子又は炭素材のいずれかからなるシート材を使用することを特徴とする水素吸着材の製造方法。
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