JP2007165616A - 充填4配位結合化合物および充填4配位結合化合物を含む熱電変換素子 - Google Patents

充填4配位結合化合物および充填4配位結合化合物を含む熱電変換素子 Download PDF

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堅剛 岸本
Takeshi Koyanagi
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Abstract

【課題】
新規な熱電素子となり得る化合物及び同化合物を含む熱電素子を提供する。
【解決手段】
周期律表1A族金属が充填された、1B族元素、2A族又は2B族元素、3B族元素、4B族元素、5B族元素及び6B族元素のうち周期律表における3種類の族に属する元素よりなり、且つそれら3種類の元素の有する価電子数の和が8となる組み合わせから選ばれた充填4配位結合化合物及び該化合物を含む熱電素子。
特に好適な化合物はNaZnIn1−XSbである。
【選択図】なし

Description

本発明は、充填4配位結合化合物および充填4配位結合化合物を含む熱電変換素子に関する。
ゼーベック効果を利用した熱電変換素子は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換することを可能とする。その性質を利用し、産業・民生用プロセスや移動体から排出される排熱を有効な電力に変換することができるため、環境問題に配慮した省エネルギー技術として注目されている。
ゼーベック効果を利用した熱電変換素子に用いられる熱電変換材料の性能指数ZTは、下記式(A)で表すことができる。
ZT=α2σT/κ (A)
ここで、α、σ、κ及びTは、それぞれ、ゼーベック係数、電気伝導度、熱伝導度及び測定温度を表す。
上記式(A)から明らかなように、熱電変換素子の性能を向上させるためには、素子に用いられる材料のゼーベック係数、電気伝導度を大きくすること、及び熱伝導度を小さくすることが重要である。
一方、性能指数ZTにおけるZは、有効質量(m*)、移動度(μ)及び熱伝導度(κ)との間に式(B)で表される比例関係を有する。
Z∝m*3/2μ/κ (B)
上記式(B)から、Zを向上させるためには有効質量と移動度とを大きくすること、及び熱伝導率を小さくすることが重要であることがわかる。
高い性能指数を示す熱電変換材料として、従来から、ビスマス・テルル系材料、シリコ
ン・ゲルマニウム系材料、鉛・テルル系材料などが知られている。さらに、アルミニウム
をドープした酸化亜鉛粉を成形、焼成してなる熱電変換材料が知られている(例えば、特
許文献1参照。)。
特開2002‐118296号
本発明は、熱電変換素子に好適な、新規充填4配位結合化合物を提供することを目的とする。さらに本発明は、充填4配位結合化合物を含む熱電変換素子を提供することを目的とする。
そこで、本発明は、それぞれ以下の発明よりなる。すなわち、
1.周期律表(以下「周期律表」の表現を省略する場合もある。)1A族金属が充填された、1B族元素、2A族又は2B族元素、3B族元素、4B族元素、5B族元素及び6B族元素のうち3族種の元素よりなり、且つそれらの元素の有する価電子数の和が8となる組合せから選ばれた充填4配位結合化合物である。
また上記発明よりなる充填4配位結合化合物を含む熱電変換素子の発明でもある。
2.下記組成式(1)で表される上記第1項に記載の充填4配位結合化合物である。
1−XF (1)
(但し、Aは周期律表1A族金属、Cは第2A族又は2B族元素、Dは3B族元素、Fは5B族元素をそれぞれ表し、Xは0<X<1の数を表す。)
また、上記発明よりなる充填4配位結合化合物を含む熱電変換素子の発明でもある。
3.下記組成式(2)で表される上記第1項に記載の充填4配位結合化合物である。
DE1−X (2)
(但し、Aは周期律表1A族金属、Dは3B族元素、Eは4B族元素、Fは5B族元素をそれぞれ表し、Xは0<X<1の数を表す。)
また上記発明よりなる充填4配位結合化合物を含む熱電変換素子の発明でもある。
4.下記組成式(3)で表される上記第1項に記載の充填4配位結合化合物である。
1−XG (3)
(但し、Aは周期律表1A族金属、Bは1B族元素、Cは2A族又は2B族元素、Gは6B族元素をそれぞれ表し、Xは0<X<1の数を表す。)
また、上記発明よりなる充填4配位結合化合物を含む熱電変換素子の発明でもある。
5.下記組成式(4)で表される上記第1項に記載の充填4配位結合化合物である。
CF1−X (4)
(但し、Aは周期律表1A族金属、Cは2A族又は2B族元素、Fは5B族元素、Gは6B族元素をそれぞれ表し、Xは0<X<1の数を表す。)
また、上記発明よりなる充填4配位結合化合物を含む熱電変換素子の発明でもある。
6.下記組成式(5)で表される上記第1項に記載の充填4配位結合化合物である。
NaZnIn1−XSb (5)
また、上記充填4配位結合化合物を含む熱電変換素子の発明でもある。
なお、上記第1〜6項において、充填4配位結合化合物を含む熱電変換素子とは、該充填4配位結合化合物と1A族金属が充填されていない4配位結合化合物或いは更に他の化合物が混入又は混合されていてもよい熱電素子を意味するものであり、一般にモル数比で10%以上、好ましくは20%以上は1A族金属が充填された4配位結合化合物よりなるものである。
本発明によれば、熱電特性を発現可能な充填4配位結合化合物を提供できる。
また、本発明によれば、本発明の充填4配位結合化合物を用いた熱電変換素子を提供できる。
本発明は、充填4配位結合化合物及び該充填4配位結合化合物を含む熱電変換素子である。
以下に順次それらを詳細に説明する。
本発明による充填4配位結合化合物は、基本的に、充填元素として、1A族金属、たとえばLi、Na、K、Rbなどのアルカリ金属が、特定の4配位結合を有する化合物の結晶構造の中に取り込まれた形態の化合物である。この場合、1A族金属は、それを囲む4配位結合化合物との間に強くは結合しておらず、鳥籠の中の鳥のような関係にあることが特徴である。
また、特定の4配位結合化合物とは、1B族元素、2A族又は2B族元素、3B族元素、4B族元素、5B族元素及び6B族元素のうち3族種(すなわち、これらの元素のうち、周期律表における3種類の族)よりなり、且つ価電子数が合計8になる元素の組み合わせよりなる化合物であることが必須である。
これらの化合物はまた、充填される1A族金属の当量Xを(0<X<1)とするとき、3種の元素の当量の和は2となる関係となることが好ましい。
また、上記Xは、0<X<1の関係であることも一般に好ましい条件となる。何故なら、X=0では、移動度が非常に高く、熱電変換素子にとっては有利な点もあるが、同時に熱伝導率も非常に高くなるため、熱電変換素子としては必ずしも適さない。
また、X=1の場合は、MgAgAsタイプの結晶構造となり、やはり熱伝導率が高いため、同様に熱電変換素子として必ずしも適さない。このため、Xの範囲は0<X<1、特に0.1≦X≦0.9の範囲が好ましい。
以下に本発明において好ましい充填4配位結合化合物の組成の例を一般式により数例示す。
なお、各式とも、記号A、B、C、D、E、F及びGは次のものを表す。
Aは周期律表1A族金属
Bは周期律表1B族元素
Cは周期律表2A族又は2B族元素
Dは周期律表3B族元素
Eは周期律表4B族元素
Fは周期律表5B族元素
Gは周期律表6B族元素
以上により、本発明の充填4配位結合化合物として、次の組成式の化合物があげられる。
まず、充填4配位結合化合物として、下記組成式(1)で表される化合物があげられる。
1−XF (1)
組成式(1)においてX=0であれば、これは通常のIII‐V族化合物半導体である。これは、移動度が非常に高く熱電変換素子にとっては有利な点ももつが、同時に熱伝導率も非常に高いため、熱電変換素子としては適さない。本発明の充填4配位結合化合物1は、III‐V族化合物半導体の結晶中の空隙に原子Aが部分的に充填された構造となっている。充填された原子Aはイオン化しているが、まわりの原子とは強くは結合しない。そのため、母体の結晶とは異なる振動数で熱振動する。そして、結晶を伝わる熱伝導を担うフォノンを散乱する。その結果、その化合物の熱伝導率が低減される。移動度は依然として高い値を保持するため、この充填4配位結合化合物(1)は高性能な熱電変換材料になる。ところで、原子Aが充填されると、それから1個の電子が供給される。そのため、キャリア密度は1021〜1022cm‐3程度となってしまう。そうなると、金属的な特性を示すことになり、ゼーベック係数が小さくなり、熱電変換素子としては適さない。それに対して、原子Dをそれよりも1個価電子が少ない原子Cで置換することでキャリア補償し、半導体化する。半導体化したものは高性能な熱電変換素子となる。
充填4配位結合化合物(1)において、Xの好ましい範囲は0.1≦X<1であり、特に好ましいのは0.1≦X≦0.9である。
充填4配位結合化合物(1)において、Aで表される1A族元素は特に限定されるものではないが、Li、Na、Kが好ましく、特にNaが好ましい。
Cで表される2A族元素又は2B族元素は特に限定されるものではないが、Mg、Zn、Cdが好ましく、特にMgが好ましい。
Dで表される3B族元素は特に限定されるものではないが、Al、Ga、Inが好ましく、特にInが好ましい。
Fで表される5B族元素は特に限定されるものではないが、P、As、Sbが好ましく、特にSbが好ましい。
次に、下記組成式(2)で表される充填4配位結合化合物も好ましい例としてあげられる。
CE1−X(0<X<1) (2)
組成式(2)においてX=0であれば、これは通常のIII‐V族化合物半導体である。これは、移動度が非常に高く熱電変換素子にとっては有利な点ももつが、同時に熱伝導率も非常に高いため、熱電変換素子としては適さない。本発明の充填4配位結合化合物(2)は、III‐V族化合物半導体の結晶中の空隙に原子Aが部分的に充填された構造となっている。充填された原子Aはイオン化しているが、まわりの原子とは強くは結合しない。そのため、母体の結晶とは異なる振動数で熱振動する。そして、結晶を伝わる熱伝導を担うフォノンを散乱する。その結果、その化合物の熱伝導率が低減される。移動度は依然として高い値を保持するため、この充填4配位結合化合物(2)は高性能な熱電変換材料になる。ところで、原子Aが充填されると、それから1個の電子が供給される。そのため、キャリア密度は1021〜1022cm‐3程度となってしまう。そうなると、金属的な特性を示すことになり、ゼーベック係数が小さくなり、熱電変換素子としては適さない。それに対して、原子Fをそれよりも1個価電子が少ない原子Eで置換することでキャリア補償し、半導体化する。半導体化したものは高性能な熱電変換素子となる。
充填4配位結合化合物(2)において、Xの好ましい範囲は0.1≦X<1であり、特に好ましいのは0.1≦X≦0.9である。
充填4配位結合化合物(2)において、Aで表される1A族元素は特に限定されるものではないが、Li、Na、Kが好ましく、特にNaが好ましい。
Dで表される3B族元素は特に限定されるものではないが、Al、Ga、Inが好ましく、特にInが好ましい。
Eで表される4B族元素は特に限定されるものではないが、Si、Ge、Snが好ましく、特にGeが好ましい。
Fで表される5B族元素は特に限定されるものではないが、P、As、Sbが好ましく、特にSbが好ましい。
次に、下記組成式(3)で表される、充填4配位結合化合物も好ましい例としてあげることができる。
1‐XG(0<X<1) (3)
組成式(3)においてX=0であれば、これは通常のII‐VI族化合物半導体である。これは、移動度が非常に高く熱電変換素子にとっては有利な点ももつが、同時に熱伝導率も非常に高いため、熱電変換素子としては適さない。本発明の充填4配位結合化合物3は、II‐VI族化合物半導体の結晶中の空隙に原子Aが部分的に充填された構造となっている。充填された原子Aはイオン化しているが、まわりの原子とは強くは結合しない。そのため、母体の結晶とは異なる振動数で熱振動する。そして、結晶を伝わる熱伝導を担うフォノンを散乱する。その結果、その化合物の熱伝導率が低減される。移動度は依然として高い値を保持するため、この充填4配位結合化合物(3)は高性能な熱電変換材料になる。ところで、原子Aが充填されると、それから1個の電子が供給される。そのため、キャリア密度は1021〜1022cm‐3程度となってしまう。そうなると、金属的な特性を示すことになり、ゼーベック係数が小さくなり、熱電変換素子としては適さない。それに対して、原子Cをそれよりも1個価電子が少ない原子Bで置換することでキャリア補償し、半導体化する。半導体化したものは高性能な熱電変換素子となる。
充填4配位結合化合物(3)において、Xの好ましい範囲は0.1≦x<1であり、特に好ましいのは0.1≦X≦0.9である。
充填4配位結合化合物3において、Aで表される1A族元素は特に限定されるものではないが、Li、Na、Kが好ましく、特にNaが好ましい。
Bで表される1B族元素は特に限定されるものではないが、Cu、Ag、Auが好ましく、特にAgが好ましい。
Cで表される2A族元素又は2B族元素は特に限定されるものではないが、Mg、Zn、Cdが好ましく、特にMgが好ましい。
Gで表される6B族元素は特に限定されるものではないが、S、Se、Teが好ましく、特にTeが好ましい。
次に、下記組成式(4)で表される充填4配位結合化合物も好ましい例としてあげることができる。
CF1‐X(0<X<1) (4)
組成式(4)においてX=0であれば、これは通常のII‐VI族化合物半導体である。これは、移動度が非常に高く熱電変換素子にとっては有利な点ももつが、同時に熱伝導率も非常に高いため、熱電変換素子としては適さない。本発明の充填4配位結合化合物4は、II‐VI族化合物半導体の結晶中の空隙に原子Aが部分的に充填された構造となっている。充填された原子Aはイオン化しているが、まわりの原子とは強くは結合しない。そのため、母体の結晶とは異なる振動数で熱振動する。そして、結晶を伝わる熱伝導を担うフォノンを散乱する。その結果、その化合物の熱伝導率が低減される。移動度は依然として高い値を保持するため、この充填4配位結合化合物4は高性能な熱電変換材料になる。ところで、原子Aが充填されると、それから1個の電子が供給される。そのため、キャリア密度は1021〜1022cm‐3程度となってしまう。そうなると、金属的な特性を示すことになり、ゼーベック係数が小さくなり、熱電変換素子としては適さない。それに対して、原子Gをそれよりも1個価電子が少ない原子Fで置換することでキャリア補償し、半導体化する。半導体化したものは高性能な熱電変換素子となる。
充填4配位結合化合物(4)において、Xの好ましい範囲は0.1≦X<1であり、特に好ましいのは0.1≦X≦0.9である。
充填4配位結合化合物(4)において、Aで表される1A族元素は特に限定されるものではないが、Li、Na、Kが好ましく、特にNaが好ましい。
Cで表される2A族又は2B族元素は特に限定されるものではないが、Mg、Zn、Cdが好ましく、特にMgが好ましい。
Fで表される5B族元素は特に限定されるものではないが、P、As、Sbが好ましく、特にSbが好ましい。
Gで表される6B族元素は特に限定されるものではないが、S、Se、Teが好ましく、特にTeが好ましい。
更に具体的化合物を示すと次の組成式(6)をあげることができる。
NaZnIn1−XSb (6)
ここで、Xは0<X<1であり、特に0.1≦X<1更には、0.1≦X≦0.9である。
以上、熱電変換素子として好ましい例を示したが、勿論本発明は、これらの例に限定されるものではない。
次に、本発明の熱電素子について説明する。
本発明の熱電変換素子は、本発明の充填4配位結合化合物を含むものである。本発明の熟電変換素子は、本発明の充填4配位結合化合物又はこれに他の熱電性物質等を混合して焼結する焼結工程を経て製造することができるが、この方法に限定されるものではない。
焼結工程においては、放電プラズマ焼結法、ホットプレス焼結法、熱間等方圧加圧焼結
法等を用いて焼結することができる。
放電プラズマ焼結法を用いる場合の焼結条件としては、温度は300〜950℃が好ましく、300〜700℃がより好ましい。焼結時問は、20〜120分が好ましく、30〜90分がより好ましい。圧力は、25〜40MPaが好ましく、30〜40MPaがより好ましい。
本発明の充填4配位結合化合物の生成は、X線回折により確認することができる。具体的には、焼成後のサンプルがX線回折により充填4配位結合化合物相のみを示すものであれば、充填4配位結合化合物が合成されたことが確認できる。
以下、本発明を、実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例により限定されるものではない。
〈熱電変換素子1(Na0.3Zn0.3In0.7Sb1)の製造〉
Na0.3Zn0.3In0.7Sb1の組成比になるように、0.207グラムのNaと0.589グラムのZnと2.411グラムのInと3.653グラムのSbを秤量した。それをNbるつぼに入れた。それをアルゴン雰囲気中でステンレス管に封入した。それを電気炉で、600℃で1時間溶融した。得られた合金をアルゴン雰囲気中のグローブボックスで106μm以下にメノウ乳鉢で粉砕した。その粉砕粉を、放電プラズマ焼結装置を使って焼結した。焼結条件は、焼結温度400℃、雰囲気アルゴン0.6気圧、焼結保持時間30minとした。以上の工程により、熱電変換素子1を製造した。X線回折測定を行い、その回折パターンをシミュレーションした理論値を比較した結果、熱電変換素子1は充填4配位結合化合物Na0.3Zn0.3In0.7Sb1になっていることを確認した。その焼結体試料の熱伝導率を測定したところ、Naを充填していないInSb化合物に比べて、非常に低い値を示すことがわかった。
〈熱電変換素子2(Na0.3In1Ge0.3Sb0.7)の製造〉
Na0.3In1Ge0.3Sb0.7の組成比になるように、0.207グラムのNaと3.445グラムのInと0.654グラムのGeと2.557グラムのSbを秤量した。それをNbるつぼに入れた。それをアルゴン雰囲気中でステンレス管に封入した。それを電気炉で、600℃で1時間溶融した。得られた合金をアルゴン雰囲気中のグローブボックスで106μm以下にメノウ乳鉢で粉砕した。その粉砕粉を、放電プラズマ焼結装置を使って焼結した。焼結条件は、焼結温度400℃、雰囲気アルゴン0.6気圧、焼結保持時間30minとした。以上の工程により、熱電変換素子2を製造した。X線回折測定を行い、その回折パターンをシミュレーションした理論値を比較した結果、熱電変換素子2は充填4配位結合化合物Na0.3In1Ge0.3Sb0.7になっていることを確認した。その焼結体試料の熱伝導率を測定したところ、Naを充填していないInSb化合物に比べて、非常に低い値を示すことがわかった。
〈熱電変換素子3(Na0.3Cu0.3Zn0.7Te1)の製造〉
Na0.3Cu0.3Zn0.7Te1の組成比になるように、0.207グラムのNaと0.572グラムのCuと1.374グラムのZnと3.828グラムのTeを秤量した。それをNbるつぼに入れた。それをアルゴン雰囲気中でステンレス管に封入した。それを電気炉で、700℃で1時間溶融した。得られた合金をアルゴン雰囲気中のグローブボックスで106μm以下にメノウ乳鉢で粉砕した。その粉砕粉を、放電プラズマ焼結装置を使って焼結した。焼結条件は、焼結温度400℃、雰囲気アルゴン0.6気圧、焼結保持時間30minとした。以上の工程により、熱電変換素子3を製造した。X線回折測定を行い、その回折パターンをシミュレーションした理論値を比較した結果、熱電変換素子3は充填4配位結合化合物Na0.3Cu0.3Zn0.7Te1になっていることを確認した。その焼結体試料の熱伝導率を測定したところ、Naを充填していないZnTe化合物に比べて、非常に低い値を示すことがわかった。
〈熱電変換素子4(Na0.3Zn1Sb0.3Te0.7)の製造〉
Na0.3Zn1Sb0.3Te0.7の組成比になるように、0.207グラムのNaと1.962グラムのZnと1.096グラムのSbと2.680グラムのTeを秤量した。それをNbるつぼに入れた。それをアルゴン雰囲気中でステンレス管に封入した。それを電気炉で、700℃で1時間溶融した。得られた合金をアルゴン雰囲気中のグローブボックスで106μm以下にメノウ乳鉢で粉砕した。その粉砕粉を、放電プラズマ焼結装置を使って焼結した。焼結条件は、焼結温度400℃、雰囲気アルゴン0.6気圧、焼結保持時間30minとした。以上の工程により、熱電変換素子4を製造した。X線回折測定を行い、その回折パターンをシミュレーションした理論値を比較した結果、熱電変換素子4は充填4配位結合化合物Na0.3Zn1Sb0.3Te0.7になっていることを確認した。その焼結体試料の熱伝導率を測定したところ、Naを充填していないZnTe化合物に比べて、非常に低い値を示すことがわかった。
本発明の充填4配位結合化合物は、優れた熱電素子となる。このため、自動車エンジンからの排熱回収や、工場における排熱回収等、様々な熱を電気エネルギーに変換回収することは勿論、逆に電気エネルギーを熱として利用することも可能であり、種々の比較的低温熱源としても利用することができる。

Claims (12)

  1. 周期律表1A族金属が充填された、1B族元素、2A族又は2B族元素、3B族元素、4B族元素、5B族元素及び6B族元素のうち3族種の元素よりなり、且つそれらの元素の有する価電子数の和が8となる組合せから選ばれた元素よりなる充填4配位結合化合物。
  2. 請求項1に記載の充填4配位化合物を含むことを特徴とする熱電変換素子。
  3. 下記組成式(1)で表される請求項1に記載の充填4配位結合化合物。
    1−XF (1)
    但し、Aは周期律表1A族金属、Cは第2A族又は2B族元素、Dは3B族元素、Fは5B族元素をそれぞれ表し、Xは0<X<1の数を表す。
  4. 請求項3に記載の充填4配位結合化合物を含むことを特徴とする熱電変換素子。
  5. 下記組成式(2)で表される請求項1に記載の充填4配位結合化合物。
    DE1−X (2)
    但し、Aは周期律表1A族金属、Dは3B族元素、Eは4B族元素、Fは5B族元素をそれぞれ表し、Xは0<X<1の数を表す。
  6. 請求項5に記載の充填4配位結合化合物を含むことを特徴とする熱電変換素子。
  7. 下記組成式(3)で表される請求項1に記載の充填4配位結合化合物。
    1−XG (3)
    但し、Aは周期律表1A族金属、Bは1B族元素、Cは2A族又は2B族元素、Gは6B族元素をそれぞれ表し、Xは0<X<1の数を表す。
  8. 請求項7に記載の充填4配位結合化合物を含むことを特徴とする熱電変換素子。
  9. 下記組成式(4)で表される請求項1に記載の充填4配位結合化合物。
    CF1−X (4)
    但し、Aは周期律表1A族金属、Cは2A族又は2B族元素、Fは5B族元素、Gは6B族元素をそれぞれ表し、Xは0<X<1の数を表す。
  10. 請求項9に記載の充填4配位結合化合物を含むことを特徴とする熱電変換素子。
  11. 下記組成式(5)で表される請求項1に記載の充填4配位結合化合物。
    NaZnIn1−XSb (5)
  12. 請求項11に記載の充填4配位結合化合物を含むことを特徴とする熱電変換素子。
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