JP2007163754A - 反射防止用コーティング剤及び反射防止膜 - Google Patents

反射防止用コーティング剤及び反射防止膜 Download PDF

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Abstract

【課題】耐擦傷性に優れるため、ディスプレイ表示画面への反射防止膜の張り合わせの際や反射防止膜の汚れを拭き取る際に反射防止膜に傷がつきにくく、表示画像が見にくくなることのない反射防止膜を得ることができる反射防止用コーティング剤、及び、反射防止膜を提供する。
【解決手段】平均粒子径が50〜200nmであり、かつ、少なくとも表面がポリオルガノシロキサン化合物又はフッ素化合物からなる微粒子と、バインダー成分とを含有する反射防止用コーティング剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐擦傷性に優れる反射防止膜を得ることができる反射防止用コーティング剤、及び、反射防止膜に関する。
パソコン、ワープロ、携帯電話等に用いる液晶ディスプレイや、その他種々の商業ディスプレイ等は、極めて広範な分野で利用されている。これらのディスプレイにはガラスやプラスチック等の透明基板が用いられており、これらの透明基板を通して物体や文字、図形等の視覚情報を認知している。
これらディスプレイの実用上の問題点として、表示面の反射による視認性の悪化が挙げられる。すなわち、室内外を問わずに外光が入射するような環境下で使用した場合に、外光等の入射光が透明基板の表面で反射することにより、内部の視覚情報が見えにくくなる。
このような透明基板の反射を防止する方法をしては、従来、ガラスやプラスチックの表面に透明な微粒子を含むコーティング剤層を形成し、凹凸状の表面により外光を乱反射させる方法、或いはガラスやプラスチックの表面に低屈折率の反射防止層を形成する方法等があった。
例えば、特許文献1には、ゾルゲル法により調整されたシリケート系コーティング剤中にシリカ分散液を混合し、その混合液をガラス基板状に塗布して焼成することで表面にシリカ粒子或いはシリカ粒子の凝集体による凹凸を有する反射防止膜を得られることが記載されている。
また、例えば、特許文献2には、透明材料中に独立した微少空孔を分散させてその透明材料自身の屈折率より低い屈折率にすることにより多孔構造を有する反射防止層を形成しうることが記載されている。
しかしながら、このような従来の表面に凹凸を有する反射防止膜や低屈折率層を単層で形成した反射防止層は、透明基板の反射を防止することはできるものの擦過等により表面に傷がつきやすく、ディスプレイ表示画面への反射防止フィルムの張り合わせの際や、反射防止フィルムの汚れを拭き取る際に傷が付き表示画像が見にくくなるといった問題があった。
特開平09−101518号公報 特開2002−317152号公報
本発明者らは、上記現状に鑑み、耐擦傷性に優れる反射防止膜を得ることができる反射防止用コーティング剤、及び、反射防止膜を提供することを目的とする。
本発明は、平均粒子径が50〜200nmであり、かつ、少なくとも表面がポリオルガノシロキサン化合物又はフッ素化合物からなる微粒子と、バインダー成分とを含有する反射防止用コーティング剤である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、特定範囲の平均粒子径を有し、かつ、表面が低表面張力の特定の物質からなる微粒子と、バインダー成分とを含有する反射防止用コーティング剤を用いることにより、耐擦傷性に優れる反射防止膜を得ることができ、更に、上記微粒子とバインダー成分の屈折率を所定の範囲内に調整することで、充分な低屈折率を示し優れた反射防止効果を奏する反射防止膜を得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の反射防止コーティング剤は、平均粒子径が50〜200nmであり、かつ、少なくとも表面がポリオルガノシロキサン化合物又はフッ素化合物からなる微粒子(以下、滑り性付与微粒子ともいう)を含有する。
上記滑り性付与微粒子は、本発明の反射防止コーティング剤を用いてなる反射防止膜に優れた耐擦傷性を付与する微粒子であり、平均粒子径の下限は50nmであり、上限は200nmである。
上記滑り性付与粒子は、一般的な反射防止膜の厚さである100nm程度と比較して、同程度かやや大きい平均粒子径を持つため、本発明の反射防止用コーティング剤を用いて反射防止膜を形成した際に、該反射防止膜の表面に低表面張力であるポリオルガノシロキサン化合物又はフッ素化合物からなる上記滑り性付与粒子が部分的に露出することとなる。その結果、本発明の反射防止コーティング剤を用いてなる反射防止膜は、表面の滑り性が高く、優れた耐擦傷効果を有するものとなる。
上記滑り性付与微粒子の平均粒子径が50nm未満であると、反射防止膜を形成した際に、上記滑り性付与微粒子が反射防止膜内部に埋没してしまい滑り性付与微粒子のポリオルガノシロキサン化合物又はフッ素化合物表面による耐擦傷効果が発現せず、200nmを超えると、本発明の反射防止用コーティング剤を用いて形成した反射防止膜に、レイリー散乱に起因する白化現象が起こることがあり、透明性を必要とする場合に不都合となる。好ましい下限は70nm、好ましい上限は150nmである。
上記滑り性付与微粒子は、粒子径のCV値の好ましい上限が20%である。上記CV値が20%を超えると、粒子径が200nmを超える粗大粒子の比率が高くなり、本発明の反射防止用コーティング剤を用いてなる反射防止膜のヘイズが高くなってしまう場合がある。
上記滑り性付与微粒子は、屈折率の上限が1.40であることが好ましい。1.40を超えると、本発明の反射防止用コーティング剤を用いてなる反射防止膜全体の屈折率を押し上げてしまい、その結果、充分な反射防止効果が得られなくなってしまう場合がある。より好ましい上限は1.35、更に好ましい上限は1.30である。
なお、本明細書において、「屈折率」とは、下記のようにして求める値を意味する。
まず、屈折率を求めようとする微粒子と屈折率既知の重合性化合物とを用いて薄膜を作製する。この際、光波長550nmに最低反射率を有する薄膜を作製することが好ましい。
得られた薄膜について、光波長380〜770nmの光の入射角5°での片面反射スペクトルを測定する。
得られた反射スペクトルについて、光学特性解析ソフト(例えば、ジェー・エー・ウーラム・ジャパン社製「WVASE32」) を用いて薄膜の屈折率を見積もる。
得られた薄膜の光波長550nmにおける屈折率の値と、屈折率既知の重合性化合物の屈折率の値とを用い、上記微粒子と屈折率既知の重合性化合物の体積比から、微粒子の屈折率を算出する。
上記滑り性付与微粒子の内部形状としては、その平均粒子径が上述の範囲内であれば特に限定はされず、例えば、空隙を有さない中実微粒子であってもよいし空隙を有する中空微粒子であってもよいが、低屈折率を達成しやすいことから、中空微粒子であることが好ましい。
上記滑り性付与微粒子が中空微粒子である場合、単孔構造を有することが好ましい。単孔構造であることにより、空隙内部は密閉性に優れたものとなり、反射防止膜とした場合に空隙内にバインダー等の他成分が侵入して滑り性付与微粒子の空隙率が低下することを防止できる。また、反射防止膜全体の強度を向上させることができる。なお、本明細書において、「単孔構造を有する」とは、多孔質状等の複数の空隙を有する場合を含まず、外殻層と、ただ一つの空隙とを有することを意味する。
上記滑り性付与微粒子が中空微粒子である場合、空隙率の好ましい下限は10%である。10%未満であると、屈折率を充分に低くできない場合がある。より好ましい下限は30%、更に好ましい下限は50%である。上記空隙率の上限としては特に限定されないが、微粒子の形状維持やある程度の強度確保という観点から、好ましい上限は90%、より好ましい上限は80%である。
また、上記滑り性付与微粒子の構造としては、少なくとも表面がポリオルガノシロキサン化合物又はフッ素化合物からなるものであれば特に限定されず、例えば、微粒子自体がポリオルガノシロキサン化合物又はフッ素化合物からなるものであってもよく、ポリオルガノシロキサン化合物及びフッ素化合物以外からなる微粒子(以下、基材粒子ともいう)表面を、ポリオルガノシロキサン化合物又はフッ素化合物で表面処理したものであってもよい。
上記滑り性付与微粒子自体がポリオルガノシロキサン化合物又はフッ素化合物からなる場合、その合成方法としては特に限定されず、例えば、構造内部にビニル基又は(メタ)アクリル基を有するオルガノシロキサン化合物、若しくは、含フッ素系モノマーと、非重合性有機溶剤とを用いた乳化重合、滴下型の乳化重合、ソープフリー重合、マイクロエマルジョン重合、ミニエマルジョン重合、マイクロサスペンジョン重合;構造内部にエポキシ基やイソシアネート基、ウレイド基、アミノ基、メルカプト基、ハロゲン基を有するオルガノシロキサン化合物を用いた界面重合等が挙げられ、適宜の重合方法を用いて合成することができる。
なお、上記オルガノシロキサン化合物や含フッ素系モノマー、非重合性有機溶剤等の配合量を適宜調整することで、得られる滑り性付与微粒子を中実構造や中空構造とすることができる。
上記構造内部にビニル基、又は、(メタ)アクリル基を有するオルガノシラン化合物としては特に限定されず、例えば、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、p−スチリルメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニル基又は、(メタ)アクリル基変性ポリジメチルシロキサン化合物(市販品としては、例えば、X−22−164A、X−22−164B、X−22−164C、X−22−174DX、X−24−8201、X−22−2426、X−22−2404(以上、いずれも信越化学工業社製)、サイラプレーンFM−7711、FM−7721、FM−7725、FM−0711、FM−0721、FM−0725、FM−0701、FM−0701T(以上、いずれもチッソ社製))等が挙げられるが、滑り性の観点からビニル基、又は、(メタ)アクリル基変性ポリジメチルシロキサン化合物が好ましく、より好ましくは数平均分子量3000以上のビニル基、又は、(メタ)アクリル基変性ポリジメチルシロキサン化合物である。
上記含フッ素系モノマーとしては特に限定されず、例えば、フルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等のフルオロオレフィン類;トリフルオロエチルメタクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等の下記一般式(1)で表される(メタ)アクリル酸の一部分若しくは完全フッ素化アルキルエステル誘導体類;(メタ)アクリル酸の一部分若しくは完全フッ素化ビニルエーテル類等が挙げられる。
Figure 2007163754
式中、Rは水素原子、メチル基、又は、フッ素原子を表し、m、nは自然数を表す。
上記非重合性有機溶剤としては、上記構造内部にビニル基又は(メタ)アクリル基を有するオルガノシロキサン化合物、若しくは、含フッ素系モノマーと混和し、かつ、重合温度において液状であるものであれば特に限定されないが、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、デカン、ヘキサデカン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、1,4―ジオキサン、塩化メチル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等の有機溶剤等が好適である。
上記構造内部にエポキシ基を有するオルガノシラン化合物としては特に限定されず、例えば、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、エポキシ基変性ポリジメチルシロキサン化合物(市販品としては、例えば、信越化学工業社製KF−1001,KF−101,KF−102,KF−105、X−22−2000,X−22−163A,X−22−163B,X−22−163C、X−22−169AS,X−22−169B,X−22−173−DX、X−22−3667,X−22−4741)等が挙げられるが、滑り性の観点からエポキシ基変性ポリジメチルシロキサン化合物が好ましく、より好ましくは数平均分子量3000以上のエポキシ基変性ポリジメチルシロキサン化合物である。
上記構造内部にイソシアネート基を有するオルガノシラン化合物としては特に限定されず、例えば、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
上記構造内部にウレイド基を有するオルガノシラン化合物としては特に限定はされず、例えば、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
上記構造内部にアミノ基を有するオルガノシラン化合物としては特に限定されず、例えば、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミンN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、特殊アミノシラン、アミノ基変性ポリジメチルシロキサン化合物(市販品としては、例えば、KF−393、KF−858、KF−859、KF−860、KF−861、KF−864、KF−865、KF−867、KF−868、KF−869、KF−880、KF−8003、KF−8002、KF−8004、KF−8005、KF−8008、KF−8010、KF−8012、X−22−3939A、X−22−3908A、X−22−161A、X−22−161B、X−22−1660B−3、KF−857、KF−862、KF−8001(以上、いずれも信越化学工業社製)、サイラプレーンFM−3311、FM−3321、FM−3325(以上、いずれもチッソ社製))等が挙げられ、滑り性の観点からアミノ基変性ポリジメチルシロキサン化合物が好ましく、より好ましくは数平均分子量3000以上のエポキシ基変性ポリジメチルシロキサン化合物である。
上記構造内部にメルカプト基を有するオルガノシラン化合物としては特に限定されず、例えば、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプト基変性ポリジメチルシロキサン化合物(市販品としては、例えば、KF−2002、KF−2004、X−22−167B(以上、いずれも信越化学工業社製))等が挙げられ、滑り性の観点からメルカプト基変性ポリジメチルシロキサン化合物が好ましく、より好ましくは数平均分子量3000以上のメルカプト基変性ポリジメチルシロキサン化合物である。
上記構造内部にハロゲン基を有するオルガノシラン化合物としては特に限定はされず、例えば、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記オルガノシラン化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、ビニル基、又は、(メタ)アクリル基を有するオルガノシラン化合物、エポキシ基を有するオルガノシラン化合物又はアミノ基を有するオルガノシラン化合物が好ましい。このようなオルガノシラン化合物を含有することで、滑り性に優れかつ強固な滑り性付与微粒子を作製することができるからである。
また、上記構造の滑り性付与微粒子を合成する際には、樹脂成分を併用してもよい。上記樹脂成分を併用することで、得られる滑り性付与微粒子が耐アルカリ性に優れたものとなる。
上記樹脂成分としては特に限定されず、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、クミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1.6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル樹脂、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル樹脂、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン含有ビニル樹脂、アリルメタクリレート、ジアリルフタレート、ジアリルマレート、ジアリルフマレート、ジアリルサクシネート、トリアリルイソシアヌレート等のアリル樹脂、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ジビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ナイロン樹脂及びエポキシ樹脂、若しくは、それらの完全又は部分フッ素化物等が挙げられる。なかでも、完全又は部分フッ素化物であることが好ましい。完全又は部分フッ素化物を用いることで、上記滑り性付与微粒子の滑り性を良好に発現することが可能であり、また、中空構造とした場合に、後述する極性媒体等の気孔内部への浸入を好適に抑制することが可能となるからである。
上記樹脂成分を併用する場合、その配合量としては特に限定されないが、上記オルガノシロキサン化合物又はフッ素化合物100重量部に対して、好ましい下限は1重量部、好ましい上限は90重量部である。1重量部未満であると、上記滑り性付与微粒子に充分な耐アルカリ性を付与できないことがあり、90重量部を超えると、本発明の反射防止用コーティング剤を用いてなる反射防止膜の耐擦傷性が不充分となることがある。より好ましい下限は10重量部、より好ましい上限は50重量部である。
上記滑り性付与微粒子の構造が基材粒子の表面を上記ポリオルガノシロキサン化合物又はフッ素化合物で表面処理したものである場合、上記基材粒子の構造としては特に限定されず、例えば、中実構造であってもよく、中空構造であってもよいが、上記滑り性付与粒子に低屈折率を達成しやすいことから、中空構造であることが好ましい。
上記基材粒子としては、上述のポリオルガノシロキサン化合物又はフッ素化合物以外からなるものであり、例えば、無機系微粒子であってもよく有機系微粒子であってもよい。
上記基材粒子が無機系微粒子の場合、その原料としては特に限定されず種々の無機成分を用いることができ、例えば、シリカ、アルミナ等が挙げられる。なかでも、耐熱性、耐溶剤性、強度及び屈折率の観点から、シリカが好適であり、特に中空シリカを用いることが好ましい。
上記基材粒子が有機系微粒子である場合、その原料としては特に限定されず、例えば、上述した樹脂成分と同様のものが挙げられる。
また、上記有機系微粒子が中空構造である場合、外殻層は、上記樹脂成分の中でも後述する親油性反応成分と親水性反応成分とが反応してなる樹脂であることが好ましい。外殻層が親油性反応成分と親水性反応成分とを反応させてなる樹脂からなることにより、内部に空隙を有する有機系粒子(以下、中空基材粒子ともいう)を好適に作製することができる。なお、上記外殻層は、単層であってもよく、複数の層が積層された構造であってもよい。
上記親油性反応成分と親水性反応成分とを反応させてなる樹脂からなる外殻層を有する中空基材粒子の製造方法としては特に限定されないが、後述する親油性反応成分と親水性反応成分とを用いた微粒子の製造方法により好適に製造することができる。このような製造方法を用いることにより、単孔構造を有する中空基材粒子を好適に製造することができ、また、所望の空隙率を好適に達成することができる。
上記親油性反応成分としては特に限定されず、例えば、ポリイソシアネート、エポキシプレポリマー、酸ハロゲン化物等が挙げられる。なかでも、エポキシプレポリマーであることが好ましい。上記親油性反応成分としてエポキシプレポリマーを用いる場合、上記中空基材粒子は、エポキシ樹脂を含有することとなる。エポキシ樹脂を含有することで上記中空基材粒子は、耐熱性、耐溶剤性、強度に優れたものとなり、このような中空基材粒子を用いて得られる滑り性付与微粒子を含有する本発明の反射防止用コーティング剤は、反射防止層を成形した場合に破壊され難くなる。
上記エポキシ樹脂のなかでも、クレゾールノボラック型、フェノールノボラック型、ジシクロペンタジエン型、ナフタレン型、ビスナフトール型、フルオレン型、トリフェノールメタン型、テトラフェノールエタン型、グリシジルアミン型、特殊多官能型等を用いると、耐熱性を向上させることができる。
上記エポキシプレポリマーは親油性を有し、アミンやポリカルボン酸、酸無水物と反応して樹脂を与える。上記エポキシプレポリマーとしては特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型、レゾルシン型、ビスフェノールF型、テトラフェニルメタン型、ノボラック型、ポリアルコール型、ポリグリコール型、グリセリントリエーテル型、グリシジルエーテル型、グリシジルエステル型、グリシジルアミン型、脂肪族型、脂環式型、アミノフェノール型、ヒダトイン型、イソシアヌレート型、ビフェノール型、ビフェニレン型、ナフタレン型、ビスナフトール型、又は、これらの水添加物、フッ素化物、臭素化物、リン含有化物、ケイ素含有化等が挙げられる。
また、上記エポキシプレポリマーのなかでも、高い熱分解温度が要求される局面においては、臭素化物、フッ素化物等のハロゲン化エポキシプレポリマー、リン含有エポキシプレポリマー、ケイ素含有エポキシプレポリマー、フェノール・ビフェニレン型エポキシプレポリマー等が好適に用いられる。
また、上記エポキシプレポリマーのなかでも、エポキシ当量の上限が500のエポキシプレポリマーを用いると、架橋度の高い樹脂層が得られ、上記中空樹脂微粒子は、耐熱性、耐溶剤性、強度に優れた樹脂を得ることができる。より好ましい上限は200である。
上記エポキシ当量の上限が200のエポキシプレポリマーとしては特に限定されず、例えば、エポトートYD115、エポトートYD127、エポトートYD128(商品名 東都化成社製)、エピコート825、エピコート827、エピコート828(商品名 ジャパンエポキシレジン社製)、EPICLON 840、EPICLON 850(商品名 大日本インキ化学社製)等のビスフェノールA型エポキシ樹脂;エポトートYDF−170、エポトートYDF−175S(商品名 東都化成社製)、エピコート806、エピコート807(商品名 ジャパンエポキシレジン社製)、EPICLON 830、EPICLON 835(商品名 大日本インキ化学社製)等のビスフェノールF型エポキシ樹脂;エポトートYDPN−638、エポトートYDCN−701、エポトートYDCN−702、エポトートYDCN−703、エポトートYDCN−704、エポトートYDCN−500(商品名 東都化成社製)、エピコート152、エピコート154(商品名 ジャパンエポキシレジン社製)、EPICLON N−655、EPICLON N−740、EPICLONN−770、EPICLON N−775、EPICLON N−865(商品名 大日本インキ化学社製)等のノボラック型エポキシ樹脂;エポトートYH−434、エポトートYH434−L(商品名 東都化成社製)、エピコート1031S、エピコート1032H60、エピコート604、エピコート630(商品名 ジャパンエポキシレジン社製)、EPICLON 430(商品名 大日本インキ化学社製)、TETRAD−X、TETRAD−C(商品名 三菱ガス化学社製)等の特殊多官能タイプ;エピコートYX4000、エピコートYL6121H、エピコートYL6640、エピコートYL6677(商品名 ジャパンエポキシレジン社製)等のビフェニル型エポキシ樹脂;エポトートYH−300、エポトート−YH301、エポトートYH−315、エポトートYH−324、エポトートYH−325(商品名 東都化成社製)等の脂肪族ポリグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;エポトートYDC−1312、エポトートYSLV−80XY(商品名 東都化成社製)等の結晶性エポキシ樹脂;EPICLON HP−4032、EPICLON EXA−4700(商品名 大日本インキ化学社製)等のナフタレン型エポキシ樹脂;エピコート191P、エピコートYX310(商品名 ジャパンエポキシレジン社製)、EPICLON HP−820(商品名 大日本インキ化学社製)等の特殊機能型エポキシ樹脂;EPICLON 725(商品名 大日本インキ化学社製)等の反応性希釈剤等が挙げられる。
また、EXA4701(商品名、いずれも大日本インキ化学社製)、ESN355、ESN375(商品名、いずれも新日鐵化学社製)等のナフタレン型エポキシ樹脂も好適に用いることができる。
上記エポキシ当量が200を超えるエポキシプレポリマーとしては特に限定されないが、上記エポキシ当量が200を超え、500以下のエポキシプレポリマーとしては、例えば、エポトートYD134、エポトートYD011(商品名、いずれも東都化成社製)、エピコート801、エピコート1001(商品名、いずれもジャパンエポキシレジン社製)、EPICLON860、EPICLON1050、EPICLON1055(商品名、いずれも大日本インキ化学社製)等のビスフェノールA型エポキシ樹脂;エポトートYDF−2001(商品名、東都化成社製)等のビスフェノールF型エポキシ樹脂;EPICLON N−660、EPICLON N−665、EPICLON N−670、EPICLON N−673、EPICLON N−680、EPICLON N−695(商品名、いずれも大日本インキ化学社製)等のノボラック型エポキシ樹脂;エピコート157S70(商品名、ジャパンエポキシレジン社製)、EPICLON5500(商品名、大日本インキ化学社製)等の特殊多官能タイプ;エポトートYDB−360、エポトートYDB−400、エポトートYDB405(商品名、いずれも東都化成社製)、EPICLON152、EPICLON153(商品名、いずれも大日本インキ化学社製)等の臭素化エポキシ樹脂;エポトートYD−171(商品名、東都化成社製)、エピコート871(商品名、ジャパンエポキシレジン社製)、EPICLONTSR−960、EPICLON TSR−601(商品名、いずれも大日本インキ化学社製)等の可とう性エポキシ樹脂;エポトートST−3000(商品名、東都化成社製)、エピコートYX8000、エピコートYX8034(商品名、いずれもジャパンエポキシレジン社製)等の水添型エポキシ樹脂;EPICLON HP−7200(商品名、大日本インキ化学社製)等のジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂等、又は、これらのフッ素化物;ESN165、SN175、ESN185、ESN195(商品名、いずれも新日鐵化学社製)等のナフタレン型エポキシ樹脂等が挙げられる。なかでも、フッ素化物であることが好ましい。フッ素化物を用いることで、後述する極性媒体等の気孔内部への浸入を抑制することが可能である。
また、エポキシ当量500を超えるエポキシプレポリマーとしては、例えば、エポトートYD−012、エポトートYD−013、エポトートYD―014、エポトートYD−017、エポトートYD−019(商品名、いずれも東都化成社製)、エピコート1002、エピコート1003、エピコート1055、エピコート1004、エピコート1007、エピコート1009、エピコート1010(商品名、いずれもジャパンエポキシレジン社製)、EPICLON3050、EPICLON4050、EPICLON AM−020−P、EPICLON AM−030−P、EPICLON AM−040−P、EPICLON 7050、EPICLON HM−091、EPICLON HM−101(商品名、いずれも大日本インキ化学社製)等のビスフェノールA型エポキシ樹脂;エポトートYDF−2004(商品名、東都化成社製)、エピコート4004P、エピコート4007P、エピコート4010P、エピコート4110、エピコート4210(商品名、いずれもジャパンエポキシレジン社製)等のビスフェノールF型エポキシ樹脂;エポトートYDB−405(商品名、東都化成社製)、EPICLON1123P−75M(商品名、大日本インキ化学社製)等の臭素化エポキシ樹脂;エポトートYD−172(商品名、東都化成社製)、エピコート872(商品名、ジャパンエポキシレジン社製)、EPICLON1600−75X(商品名、大日本インキ化学社製)等の可とう性エポキシ樹脂;エポトートST−4000D(商品名、東都化成社製)等の水添型エポキシ樹脂;EPICLON5800(商品名、大日本インキ化学社製)等の多官能型エポキシ樹脂等、又は、これらのフッ素化物等が挙げられる。なかでも、フッ素化物であることが好ましい。フッ素化物を用いることで、後述する極性媒体等の気孔内部への浸入を抑制することが可能である。
これらのエポキシプレポリマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ポリイソシアネートは、親油性を有し、水、アミン、ポリオール、ポリカルボン酸等の親水性反応成分と反応して樹脂を与える。上記ポリイソシアネートとしては特に限定されず、例えば、ビュレット型、アダクト型、イソシアヌレート型等が挙げられる。
なお、上記ポリイソシアネート、ポリオール、ポリカルボン酸とは、1分子内に該官能基を複数有する化合物を意味する。
上記酸ハロゲン化物としては特に限定されず、例えば、アジポイルジクロライド、フタロイルジクロライド、テレフタロイルジクロライド、1,4−シクロヘキサンジカルボニルクロライド等の二塩基酸ハロゲン化物が挙げられる。
上記親油性反応成分として上述したようなものを用いることにより、上記中空基材粒子は、耐熱性、耐溶剤性、強度等に優れたものとなる。
上記親水性反応成分としては特に限定されず、上記親油性反応成分と反応して樹脂が生成されるように、上記親油性反応成分に合わせて適宜決定される。
具体的には、例えば、上記親油性反応成分としてポリイソシアネートを用いる場合には、上記親水性反応成分としては、水、アミン、ポリオール、及び、ポリカルボン酸からなる群より選択される少なくとも1種が好適に用いられる。
この場合、ポリイソシアネートと水及び/又はアミンとが反応することによりポリウレアが生成され、ポリイソシアネートとポリオールとが反応することによりポリウレタンが生成され、ポリイソシアネートとポリカルボン酸とが反応することによりポリアミドが生成される。
上記親油性反応成分としてエポキシプレポリマーを用いる場合、上記親水性反応成分としては、アミン、ポリカルボン酸及びポリチオール等が好適に用いられる。
上記エポキシ化合物と、アミン、ポリカルボン酸、ポリチオール等が反応することにより、エポキシ重合体が形成される。
上記アミンとしては特に限定はされず、例えば、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、フェニレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチルアミノプロピルアミン、テトラエチレンペンタミン等のポリアミン;2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸付加物等のイミダゾール;ピペラジン、2−メチルピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン等のピペラジン系化合物;エポキシ樹脂のアミノ付加物等のアミノ基含有プレポリマー等が挙げられる。
上記ポリカルボン酸としては特に限定はされず、例えば、シュウ酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マロン酸、コハク酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸、(o−、m−、p−)ベンゼンジカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸、メチルメタクリル酸等のいずれかを10重量%以上含むポリマー共重合体等が挙げられる。
上記ポリオールとしては特に限定されず、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、o−ジヒドロキシメチルベンゼン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、1,1,1−トリメチロールプロパン;ポリビニルアルコール、ポリヒドロキシメタクリレート、ポリエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシアルキレングリコール等のヒドロキシル基含有ポリマー等が挙げられる。
また、例えば、上記親油性反応成分として酸ハロゲン化物を用いる場合には、上記親水性反応成分としては、アミン、ポリオールが好適に用いられる。
この場合、酸ハロゲン化物とアミン、ポリオールとが反応することによりナイロン、ポリエステルが生成される。
上記中空基材粒子を製造する方法としては特に限定されないが、上記親油性反応成分と親水性反応成分とを反応させる製造方法であることが好ましく、具体的には、上記親油性反応成分を含有する親油性反応溶液を調製する工程と、上記親水性反応成分を含有する親水性反応溶液を調製する工程と、乳化剤を添加する工程と、上記親油性反応溶液及び親水性反応溶液のうち、一方の反応溶液を他方の反応溶液中に分散させた分散液を調製する工程と、上記親油性反応成分と親水性反応成分を反応させる工程とを有する方法により好適に中空基材粒子を製造することができる。
上記親油性反応液を調製する工程としては、上述した親油性反応成分と、その他の親油性成分とを混合することが好ましい。上記その他の親油性反応成分としては、例えば、非重合性化合物が挙げられる。
上記非重合性化合物は、極性媒体中で安定した重合性液滴を形成したり、親油性反応成分と親水性反応成分との反応速度を制御したりする役割を有する。また、上記親油性反応成分に非重合性化合物を配合することにより、後述する工程により未反応の親油性反応成分を内包する樹脂微粒子を調製したときに、該樹脂微粒子には非重合性化合物も内包されることになり、非重合性化合物と未反応の親油性反応成分とを内包する樹脂微粒子から非重合性化合物及び未反応の親油性反応成分を除くことで、樹脂微粒子を中空状にする役割を有する。
上記非重合性化合物としては、上記親油性反応成分と親水性反応成分との反応温度において液状であり、親油性反応成分と混合でき、親油性反応成分と反応せず、かつ、加熱等により容易に蒸散させることができるものであれば特に限定はされず、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ヘプタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、エイコサン、酢酸エチル、塩化メチル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ステアリル(メタ)アクリレート等の有機溶剤等が好適である。上記非重合性化合物は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記非重合性化合物の中でも、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ヘプタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、エイコサン、ステアリル(メタ)アクリレート等の炭素数8〜20程度の高級アルカンや長鎖状の疎水性化合物は、極性媒体中で重合性液滴が合一することを効果的に抑制することができるため、これらと上記非重合性化合物とを適宜併用して用いると、ナノメートルオーダーの重合性液滴を安定して形成することができる。
上記非重合性化合物の配合量としては。上記親油性反応成分90重量部に対して好ましい下限は10重量部、好ましい上限は1000重量部である。10重量部未満であると、得られる中空基材粒子の空隙率が低くなり充分な低屈折率を実現できないことがあり、1000重量部を超えると、非重合性化合物を除いたときに粒子形状が保てず中空基材粒子が得られなかったり、得られた中空基材粒子の強度が極端に劣ったりすることがある。
ナノメートルオーダーの重合性液滴を安定して形成することを目的として、炭素数8〜20程度の高級アルカンや長鎖状の疎水性化合物をそれら以外の非重合性化合物と併用して用いる場合には、その配合比は、親油性反応成分と非重合性化合物の合計量100重量部に対し好ましい下限が0.1重量部である。0.1重量部未満であると、重合性液滴の合一を効果的に抑制することができないことがある。
上記親水性反応溶液を調製する工程としては、上述した親水性反応成分を極性媒体と混合することが好ましい。上記極性媒体としては特に限定はされず、例えば、水、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。
上記親水性反応溶液及び親油性反応溶液のうち、一方の反応溶液を他方の反応溶液中に分散させた重合性液滴の分散液を調製する工程では、上記親油性反応溶液を上記親水性反応溶液に分散させることが好ましい。
上記分散液を調製する方法としては特に限定はされず、従来公知の方法を用いることができ、例えば、高せん断力の乳化装置を用いることでナノメートルオーダーの分散液を調製することができる。上記高せん弾力の乳化装置としては、例えば、オムニミキサー、超音波ホモジナイザー、マイクロフルイダイザー等が挙げられる。
上記乳化液を添加する工程としては、上記親水性反応溶液に添加してもよく、上記親油性反応溶液に添加してもよく、更に、上記親水性反応溶液及び親油性反応溶液のうち、一方の反応溶液を他方の反応溶液中に分散させた重合性液滴の分散液を調製する工程で分散液を調製する際に添加してもよい。
上記乳化剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、高級アルコール硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸カリウム、アルケニルコハク酸ジカリウム、アルカンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性乳化剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレエート等のノニオン性乳化剤、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、椰子アルキルアンモニウムクロライド、牛脂アルキルアンモニウムクロライド、ベヘニルアンモニウムクロライド、テトラデシルジメチルベンジンアンモニウムクロライド、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジアシロキシエチルN−ヒドロキシエチルN−メチルアンモニウムメトサルフェート、N,N−塩化ジポリオキシエチレン−N−ステアリル−N−メチルアンモニウム、N−塩化牛脂アルキルN,N,N’,N’,N−ペンタメチルプロピレンジアンモニウムジクロライド、N−塩化ジデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ジ椰子アルキルアンモニウムクロライド、ジ硬化牛脂アルキルアンモニウムクロライド、ジオレイルアンモニウムクロライド、椰子アルキルポリエチレンオキサイド付加型アンモニウムクロライド、オレイルアルキルポリエチレンオキサイド付加型アンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ベンザルコリウムクロリド、ステアラミドプロピルジメチルアミド、アルキルベンジルメチルアンモニウムクロライド、1−ヒドロキシエチル2−アルキルイミダゾリン等のカチオン性乳化剤、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等の両性乳化剤、部分ケン化ポリ酢酸ビニル、セルロース誘導体、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、マリアリム、ポリスチレンスルホン酸等の高分子分散剤や、セチルアルコール等の分散助剤が挙げられる。
上記乳化剤を上記親水性反応溶液、又は、上記親油性反応溶液に配合する場合、配合量としては特に限定されないが、上記親水性反応溶液100重量部に対して好ましい下限は0.01重量部、好ましい上限は10重量%である。
上記親油性反応溶液及び親水性反応溶液のうち、一方の反応溶液を他方の反応溶液中に分散させた分散液を調製する工程において、上記親油性反応溶液と親水性反応溶液との配合比としては特に限定はされないが、上記親水性反応溶液100重量部に対して上記親油性反応溶液の好ましい下限は1重量部、好ましい上限は100重量部である。
上記親水性反応成分と親油性反応成分とを反応させる工程においては、上記分散液の界面で上記親油性反応成分と上記親水性反応成分を反応させることにより、樹脂成分を含有する外殻層を形成することができる。
上記親水性反応成分と親油性反応成分とを反応させる方法としては特に限定されないが、例えば、上記分散液を加熱して上述した親油性反応成分と親水性反応成分との反応温度とし、反応させて外殻層を生じさせる方法が挙げられる。このとき、反応は、上記分散液の界面付近においてのみ起こり、生成した外殻を有し、未反応の油成分(及び、上記非重合性有機溶剤等)を内包する樹脂微粒子が形成される。
その後、上記樹脂微粒子の内包する未反応の油成分等を除去することで、中空基材粒子を合成することができる。
上記樹脂微粒子の内包する未反応の油成分等を除去する方法としては特に限定されず、例えば、得られた樹脂微粒子の分散液に窒素、空気等の気体を吹き込む方法;系全体を減圧する方法;内包する油成分と混合可能な溶媒中において上記油成分を抽出除去する方法等が挙げられる。
更に、温度条件を微粒子内部の未反応の油成分の沸点以上とすることで、内包する未反応の油成分を樹脂微粒子から除くこともできる。
上記中空基材粒子は、粒子の外殻層が2層構造を有するものであってもよい。このような、外殻が2層構造を有する中空基材粒子には、種々の機能を持たせることができる。
このような中空基材粒子は、外殻層が最外層と内側層との2層から構成されていることが好ましく、上記最外層と内側層とは密着した状態であることが好ましい。これは、電子顕微鏡(日本電子社製、「JEM−1200EXII」)等で確認することができる。
上記外殻層が2層構造を有する中空基材粒子は、親油性反応成分と、親水性反応成分と、親油性反応成分及び親水性反応成分とは反応しない他の親油性反応成分とを用いた方法により好適に製造することができる。このような方法により製造された中空基材粒子の最外層は、上記親油性反応成分と親水性反応成分とが反応して構成され、内側層は、上記親油性反応成分及び親水性反応成分とは反応しない他の親油性反応成分が反応して構成されている。このような構造の中空基材粒子は、最外層及び内側層の構成を調整することで、低屈折率と粒子強度の両方を達成することができる。
上記親油性反応成分及び上記親水性反応成分としては特に限定されず、例えば、上述した中空基材粒子の製造方法において説明した親油性反応成分及び親水性反応成分と同様のものが挙げられる。
上記他の親油性反応成分としては、上記親油性反応成分及び親水性反応成分と反応しないものであれば特に限定されないが、反応成分の選択の広さ、取扱いの簡便さ等の点からラジカル重合性のモノマーが好適に用いられる。
上記ラジカル重合性のモノマーとしては特に限定されず、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、クミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等の極性基含有(メタ)アクリル系モノマー、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン等の芳香族ビニルモノマー、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン含有モノマー、ビニルピリジン、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、イタコン酸、フマル酸、エチレン、プロピレン、ポリジメチルシロキサンマクロモノマー等の単官能性モノマー、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジアリルマレート、ジアリルフマレート、ジアリルサクシネート、トリアリルイソシアヌレート、ジビニルベンゼン、ブタジエン等の多官能性モノマー等が挙げられる。
これらの他の親油性反応成分は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記他の親油性反応成分としてラジカル重合性モノマーを用いる場合は、反応触媒としてラジカル重合開始剤を含有することが好ましい。
上記ラジカル重合開始剤としては特に限定されず、例えば、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−sec−ブチルパーオキシカーボネート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾネート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、及び、ベンゾイルパーオキサイド等の各種ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシカーボネート、パーオキシエステル等の有機系過酸化物;2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、VPS−0501(商品名、和光純薬工業社製)、VPS−1001(商品名、和光純薬工業社製)等のアゾ系開始剤;レドックス開始剤等が挙げられる。
また、上記他の親油性反応成分としては、含フッ素系モノマーを用いてもよい。含フッ素系モノマーを用いることで、上述した極性媒体等の空隙内部への浸入を抑制することが可能である。
上記含フッ素系モノマーとしては特に限定されず、例えば、上述したものと同様のものが挙げられる。
上記基材粒子表面をポリオルガノシラン化合物又はフッ素化合物で表面処理する方法としては特に限定はされず、上記基材粒子が表面に有している官能基に応じて、エポキシ基、イソシアネート基、ウレイド基、アミノ基、メルカプト基、ビニル基、(メタ)アクリル基等を有するシランカップリング剤、変性シリコーンオイル等のオルガノシロキサン化合物、フッ素化合物等を適宜表面処理剤として用いることができる。なかでも、エポキシ基、アミノ基、ビニル基、(メタ)アクリル基を有する変性シリコーンオイルが好適に用いられる。
上記エポキシ基、アミノ基、ビニル基、(メタ)アクリル基を有する変性シリコーンオイルの分子量としては特に限定されないが、好ましい下限は400、好ましい上限は10万である。400未満であると、表面処理されて得られる滑り性付与粒子の滑り性付与効果が充分でないことがあり、分子量が10万を超えると、粘度が高くなり取扱い性に劣ることがある。より好ましい下限は1000、より好ましい上限は5万であり、更に好ましい下限は3000、更に好ましい上限は1万である。
本発明の反射防止用コーティング剤において、上記滑り性付与微粒子の配合量としては特に限定されないが、後述するバインダー成分100体積部に対して好ましい下限は1体積部、好ましい上限は900体積部である。1体積部未満であると、本発明の反射防止用コーティング剤を用いて得られる反射防止膜に耐擦傷性を充分に付与できないことがあり、900体積部を超えると、反射防止膜とした場合に膜強度が劣ることがあり、また、上記滑り性付与微粒子の屈折率が充分に低く無い場合は膜の屈折率が高くなることがある。
本発明の反射防止用コーティング剤は、バインダー成分を含有する。
上記バインダー成分を含有することにより、例えば、本発明の反射防止用コーティング剤を用いて反射防止膜を作製する場合、本発明の反射防止用コーティング剤を所望の形状に成型し、簡便に反射防止膜を作製することができる。
上記バインダー成分は、透明であり、成膜可能な材料であれば特に限定されず、例えば、各種有機系材料や無機系材料、重合可能なモノマー溶液が挙げられる。
上記有機系材料としては特に限定されず、例えば、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブタノイルセルロース、アセチルプロピオニルセルロースアセテート、ニトロセルロース等のセルロース誘導体;ポリアミド、ポリカーボネート;ポリエチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン1,2−ジフェノキシエタン−4,4−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリメチルメタクリレート、又は、これらの各種含フッ素体等の比較的低屈折率の透明樹脂等が挙げられる。
なお、上記バインダーとして透明樹脂を用いる場合には、ガラス転移温度が上記滑り性付与微粒子のガラス転移温度よりも低いものを用いることが好ましい。これにより、充分な膜強度を得ることができる。
上記無機系材料としては特に限定されず、例えば、各種元素のアルコキシド、有機酸の塩、配位性化合物と結合した配位化合物が挙げられ、具体的には、例えば、チタンテトラエトキシド、チタンテトラ−i−プロポキシド、チタンテトラ−n−プロポキシド、チタンテトラ−n−ブトキシド、チタンテトラ−sec−ブトキシド、チタンテトラ−tert−ブトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリ−i−プロポキシド、アルミニウムトリブトキシド、アンチモントリエトキシド、アンチモントリブトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトラ−i−プロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−プロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド、ジルコニウムテトラ−sec−ブトキシド、ジルコニウムテトラ−tert−ブトキシド等の金属アルコレート化合物;ジ−イソプロポキシチタニウムビスアセチルアセトネート、ジブトキシチタニウムビスアセチルアセトネート、ジエトキシチタニウムビスアセチルアセトネート、ビスアセチルアセトンジルコニウム、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウムジ−n−ブトキシドモノエチルアセトアセテート、アルミニウムジ−i−プロポキシドモノメチルアセトアセテート、トリ−n−ブトキシドジルコニウムモノエチルアセトアセテート等のキレート化合物;炭酸ジルコニールアンモニウム又はジルコニウムを主成分とする活性無機ポリマー等が挙げられる。
上記重合可能なモノマー溶液における重合可能なモノマーとしては、透明なものであれば特に限定されず、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、クミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等の極性基含有(メタ)アクリル系モノマー;スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン等の芳香族ビニルモノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン含有モノマー;ビニルピリジン、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、イタコン酸、フマル酸、エチレン、プロピレン等が挙げられる。
これらのモノマーは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記重合可能なモノマー溶液は、本発明の反射防止用コーティング剤を用いてなる反射防止膜の膜強度を向上させる目的で多官能モノマーを含有してもよい。
上記多官能モノマーとしては特に限定されず、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のテトラ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のヘキサ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジアリルマレート、ジアリルフマレート、ジアリルサクシネート、トリアリルイソシアヌレート等のジ又はトリアリル化合物;ジビニルベンゼン、ブタジエン等のジビニル化合物等が挙げられる。
これらの多官能モノマーは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記バインダー成分として重合可能なモノマー溶液を用いる場合は、重合開始剤を含有することが好ましい。
上記重合開始剤としては特に限定はされず、熱硬化型のものでもよく、光硬化型のものであってもよい。このような重合開始剤としては、熱硬化型のものとしては、例えば、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−sec−ブチルパーオキシカーボネート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾネート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、及び、ベンゾイルパーオキサイド等の各種ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシカーボネート、パーオキシエステル等の有機系過酸化物;2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、VPS−0501(商品名、和光純薬工業社製)、VPS−1001(商品名、和光純薬工業社製)等のアゾ系開始剤;レドックス開始剤等が挙を用いることができる。
また、光硬化型のものとしては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、α−アミロキシムエステル類、テトラメチルチュウラムモノサルファイド、チオキサントン類等を用いることができる。また、上記光硬化型の硬化剤を用いる場合、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルスルフィン等を混合して用いることができる。これらの重合開始剤はそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記重合開始剤の配合量としては特に限定されないが、上記重合可能なモノマー溶液中のモノマー成分100重量部に対して好ましい下限は0.1重量部、好ましい上限は100重量部である。0.1重量部未満であると、反射防止膜を形成する場合に硬化が不充分となってしまう場合があり、100重量部を超えると、重合開始剤の分解副生生物により得られる反射防止膜の強度や耐溶剤性が低下する場合がある。
上記重合可能なモノマー成分中のモノマー成分と上記重合開始剤等との各所定量を配合、混合することにより、上記バインダー成分を得ることができる。
上記混合する方法としては特に限定されず、例えば、ディスパー、ホモジナイザー、スターラー、ボールミル、超音波等の適宜の混合方法を用いることができる。
上記バインダー成分は、適宜溶媒を含有してもよい。このような溶媒としては特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、2−メトキシエタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール等のグリコールエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、等の脂肪族炭化水素、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、N−メチルピロリドン、ジメチルホルミアミド、ジミチルスルフォキシド、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。これらの溶媒は1種のみで用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の反射防止用コーティング剤は、上記滑り性付与微粒子の他に平均粒子径が100nm以下であり、かつ、屈折率が1.35以下の低屈折微粒子を含有していてもよい。
このような低屈折微粒子を用いることで、滑り性付与粒子の屈折率が充分に低くない場合においても、本発明のコーティング剤を用いてなる反射防止膜の屈折率を低く保つことができる。
上記低屈折微粒子としては上述の粒子径及び屈折率を満たす物であれば特に限定されないが、中空シリカ、上述の中空樹脂粒子が好適である。
上記低屈折粒子の配合量としては特に限定されないが、上記バインダー成分100重量部に対して、好ましい下限は10重量部、好ましい上限は900重量部である。10重量部未満であると、上記低屈折粒子を添加する効果を充分に得ることができないことがあり、900重量部を超えると、得られる反射防止膜の膜強度が劣ることがある。より好ましい下限は50重量部であり、より好ましい上限は400重量部である。
本発明の反射防止用コーティング剤は、上記滑り性付与微粒子と上記バインダー成分と、必要に応じて添加される上記平均粒子径100nm以下の低屈折微粒子及び後述する添加剤の各所定量を混合することで得ることができる。
本発明の反射防止用コーティング剤は、上記滑り性付与微粒子及びバインダー成分以外に、必要に応じて適宜光拡散剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤、酸化防止剤、難燃剤等の添加剤を含有してもよい。
上記添加剤を含有する場合の配合量としては特に限定されないが、反射防止性能を阻害しない観点から、上記バインダー成分100重量部に対して好ましい上限は100重量部である。
上記添加剤は、上記バインダー成分を調製する際に添加されてもよいし、本発明の反射防止用コーティング剤を調製する際に添加されてもよい。
本発明の反射防止用コーティング剤は、上記バインダー成分中に上記滑り性付与微粒子が懸濁したエマルジョン状態であってもよく、適宜揮発性溶媒に希釈したものであってもよい。
上記揮発性溶媒としては特に限定されないが、組成物の安定性、濡れ性、揮発性等から、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、2−メトキシエタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ジイソプロピルエーテル等のエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコールエーテル類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;ハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド等が好適に用いられる。これらの揮発性溶媒は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
本発明の反射防止用コーティング剤は、成膜体の屈折率の好ましい上限が1.40である。1.40を超えると、反射防止膜を作製した場合に、充分に低い屈折率が得られず、結果、充分な反射防止効果が得られないことがある。より好ましい上限は1.37、更に好ましい上限は1.35である。下限としては特に限定されないが、好ましい下限は1.25である。
なお、本明細書において成膜体の屈折率とは、基材上に成膜した膜体について分光光度計(島津製作所社製、「UV−3101PC」)を用いて、光の入射角5°での光波長380〜780nmの片面の反射率スペクトルを測定し、得られた反射スペクトルについて、光学特性解析ソフト(例えば、ジェー・エー・ウーラム・ジャパン社製「WVASE32」)を用いて見積もることにより得られる値を意味する。
上記成膜体の成膜方法としては特に限定されないが、例えば、後述する反射防止膜の製造方法と同様の方法で成膜することができる。
マトリックス樹脂と、該マトリックス樹脂中に分散された平均粒子径が50〜200nmであり、かつ、少なくとも表面がポリオルガノシロキサン化合物又はフッ素化合物からなる微粒子とからなる反射防止膜もまた、本発明の1つである。
本発明の反射防止用コーティング剤を用いて、反射防止膜を作製することができる。このような本発明の反射防止用コーティング剤を用いてなる反射防止膜もまた、本発明の1つである。
すなわち、本発明の反射防止膜は、上述した本発明の反射防止用コーティング剤を膜状に成膜することで得ることができる。
本発明の反射防止膜の構造としては特に限定されず、例えば、本発明の反射防止用コーティング剤からなる層のみからなる単層構造であってもよく、基材層上に本発明の反射防止用コーティング剤からなる層が形成された積層構造であってもよい。なかでも、上記基材層上に本発明の反射防止用コーティング剤からなる層が形成された積層構造であることが好ましい。基材層を有することにより、本発明の反射防止膜の機械的強度が向上し、取扱い性に優れたものとなるからである。
本発明の反射防止膜を製造する方法としては特に限定されず、例えば、上記単層構造である場合、本発明の反射防止用コーティング剤を離型フィルム等上に塗工し硬化させた後に、上記離型フィルムを剥離する方法等が挙げられ、上記積層構造である場合、後述する基材層上に本発明の反射防止用コーティング剤を直接塗工した後、硬化させる方法や、本発明の反射防止用コーティング剤からなる膜を基材上に貼り付ける方法等が挙げられる。
なお、上記離型フィルム上や基材層上に塗工する本発明のコーティング剤の厚さとしては、本発明のコーティング剤に含有される滑り性付与微粒子の平均粒子径と同じか小さいことが好ましい。このような厚さとすることで、製造する本発明の反射防止膜の表面に後述するような滑り性付与微粒子からなる凹凸が形成され、本発明の反射防止膜の耐擦傷性が優れたものとなるからである。
本発明の反射防止用コーティング剤を上記離型フィルムや基材層上に塗工する方法としては特に限定されず、例えば、ディップコーティング法、スピンコーティング法、フローコーティング法、スプレーコーティング法、ロールコーティング法、グラビアロールコーティング法、エアドクターコーティング法、プレードコーティング法ワイヤードクターコーティング法、ナイフコーティング法、リバースコーティング法、トランスファロールコーティング法、マイクログラビアコーティング法、キスコーティング法、キャストコーティング法、スロットオリフィスコーティング法、カレンダーコーティング法、ダイコーティング法等が挙げられる。
上記離型フィルムや基材層上に塗工した本発明の反射防止用コーティング剤を硬化させる方法としては、上記重合性化合物に含有される重合開始剤を活性化させ、重合性組成物を硬化させればよく特に限定されないが、例えば、上記重合開始剤が熱硬化型の開始剤である場合には加熱すればよく、上記重合開始剤が熱硬化型の開始剤の場合は光照射を行えばよい。
上記加熱する方法又は光照射する方法としては特に限定はされず、従来公知の方法を用いることができる。
上記基材層を構成する材料としては特に限定されないが、透明であることが好ましく、そのような材料としては、例えば、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブタノイルセルロース、アセチルプロピオニルセルロースアセテート、ニトロセルロース等のセルロース誘導体;ポリアミド、ポリカーボネート、特公昭48−40414号公報に記載されたポリエステル(特にポリエチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン1,2−ジフェノキシエタン−4,4−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリメチルメタクリレート、又は、これらの各種含フッ素体等の比較的低屈折率の透明樹脂等が挙げられる。
上記基材層の厚さとしては特に限定されないが、好ましい下限は40μm、好ましい上限は200μmである。40μm未満であると、本発明の反射防止膜は機械的強度が劣ることがあり、200μmを超えると、本発明の反射防止膜の透明性が劣り、内部の視覚情報が見えにくくなることがある。
本発明の反射防止膜が上記基材層を有する場合、上記反射防止用コーティング剤を用いた層を上記基材層上に直接作製してもよいし、上記反射防止用コーティング剤を用いた層を別個に作製し、従来公知の種々の方法により、上記基材上に積層させてもよい。
また、本発明の反射防止層の厚さ(d)nmとしては特に限定されないが、反射防止膜の屈折率をnとし、測定に用いた光波長(λ)nmとした場合、n・d=λ/4の関係が成り立つことが望ましい。
なお、上記反射防止膜の厚さ(d)は、反射防止膜の反射率の測定により得られる光波長380〜780nmの片面の反射率スペクトルを、光学特性計算ソフト(ジェー・エー・ウーラム・ジャパン株式会社製「WVASE32」)を用いて解析することにより測定することができる。
本発明の反射防止膜は、その表面が上記滑り性付与微粒子に由来するポリオルガノシロキサン化合物又はフッ素化合物からなる凹凸形状を有することが好ましい。表面にポリオルガノシロキサン又はフッ素化合物からなる凹凸形状を有することにより、優れた耐擦傷性が得られる。これは、反射防止膜表面に表面張力の低いポリオルガノシロキサン化合物又はフッ素化合物表面が露出することにより、擦過に対する摩擦抵抗が低減するためである。
本発明の反射防止膜表面のポリオルガノシロキサン化合物又はフッ素化合物からなる表面凹凸の数としては特に限定されないが、反射防止膜1μm当たりの凹凸の存在個数の好ましい下限は1個、好ましい上限は500個未満である。1個未満であると、目的である滑り性付与による耐擦傷性効果が充分に得られないことがあり、500個以上であると、滑り性付与粒子の割合が多すぎ、滑り性は付与されるものの、膜自体の強度が劣る場合がある。より好ましい下限は10個、より好ましい上限は100個未満である。
本発明の反射防止膜表面から突出した上記滑り性付与微粒子の高さとしては特に限定されないが、好ましい下限は上記滑り性付与微粒子の粒子径の1%、好ましい上限は上記滑り性付与微粒子の粒子径の50%である。1%未満であると、本発明の反射防止膜に充分な耐擦傷性を付与することができないことがあり、50%を超えると、上記滑り性付与微粒子が脱落しやすくなる。より好ましい下限は2%、より好ましい上限は20%である。
なお、ここでいう本発明の反射防止膜表面とは、上記滑り性付与微粒子由来のポリオルガノシロキサン化合物又はフッ素化合物の凹凸間における本発明の反射防止層の表面を意味する。
本発明の反射防止膜は、静摩擦係数と動摩擦係数とが0.3以下であることが好ましい。静摩擦係数、動摩擦係数が0.3を超えると、擦過により本発明の反射防止膜に傷が付きやすくなる。より好ましい上限は0.1、更に好ましい上限は0.05である。
本発明の反射防止膜は、超純水の接触角の下限が100°であることが好ましい。超純水の接触角が100°未満であると、本発明の反射防止膜表面の極性が高いために摩擦抵抗が高くなり、耐擦傷性が劣る場合があり、また、本発明の反射防止膜表面に汚れが付きやすいといった問題がある。
本発明の反射防止膜は、超純水及びn−ヘキサデカンの転落角の上限が30°であることが好ましい。転落角が30°を超えると、本発明の反射防止膜表面に汚染物質が付着しやすくなる傾向にある。より好ましい上限は20°である。
本発明の反射防止膜は、550nmの光の屈折率の上限が1.40であることが好ましい。1.40を超えると、本発明の反射防止膜に充分な反射防止効果が得られないことがある。より好ましい上限は1.37、更に好ましい上限は1.35である。
本発明の反射防止膜は、ヘイズの好ましい上限が1.0%である。ヘイズが1.0%を超えると、本発明の反射防止膜の外観が白っぽくなることがある。より好ましい上限は0.5%、更に好ましい上限は0.3%である。好ましい下限としては特に限定されないが、検出限界であることが好ましい。
本発明は、少なくとも表面が低表面張力のポリオルガノシロキサン化合物又はフッ素化合物からなる微粒子を含有するため、反射防止膜としたときに、その表面から上記微粒子の一部が突出して凹凸が形成されるようにすることで、優れた耐擦傷性を有することができる反射防止用コーティング剤、及び、反射防止膜を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)滑り性付与微粒子の調製
反応性シリコーン成分としてサイラプレーンFM−7721(チッソ社製)40重量部と、非重合性有機溶剤としてトルエン50重量部及びヘキサデカン10重量部とを混合・攪拌した混合溶液の全量を、水溶性乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2重量部、セチルアルコール6重量部、開始剤として過硫酸アンモニウム2重量部を含有するイオン交換水390重量部に添加し、超音波ホモジナイザーにて60分強制乳化して、平均粒子径108nmの重合性液滴が分散した分散液を調製した。
攪拌機、ジャケット、還流冷却器及び温度計を備えた20L容の重合器を用い、重合器内を減圧して容器内の脱酸素を行った後、窒素置換して内部を窒素雰囲気とし、得られた分散液を投入し、重合器を80℃まで昇温して重合を開始した。4時間重合し、その後1時間の熟成期間をおいた後、重合器を室温まで冷却した。得られたスラリーを分画分子量1万のセルロース膜を用いて透析し、過剰な界面活性剤や無機塩類を除去し、更に濾過して凝集粒子及び不溶分を除去してシリコーン樹脂微粒子を得た。
得られたシリコーン樹脂微粒子を、真空乾燥して平均粒子径112nmの滑り性付与微粒子を得た。
(2)反射防止用コーティング剤の調製、及び、反射防止膜の作製
重合性化合物100体積部としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート用い、これに得られた滑り性付与微粒子100体積部と、希釈溶媒としてメチルエチルケトン800体積部と、開始剤としてイルガキュア814(商品名:チバスペシャリティーケミカルズ社製)とを添加し反射防止フィルム用コーティング剤を調製した。
得られた反射防止用コーティング剤をトリアセチルセルロースフィルム上に重合硬化物の反射率が550nmで最低値を取るようにバーコーターを用いて塗布した後、120Wの高圧水銀ランプを20cmの距離から紫外線を180秒照射し、反射防止膜を得た。反射防止膜の厚さは98nmであり、反射防止膜表面には滑り性付与微粒子に由来する表面凹凸が存在していた。
(実施例2)
エポキシプレポリマー成分としてエピコート828(ジャパンエポキシレジン社製)40重量部と非重合性有機溶剤としてトルエン60重量部とを混合・攪拌した混合溶液の全量を、アミン成分としてエチレンジアミン10重量部、水溶性乳化剤としてラウリルトリメチルアンモニウムクロライド2重量部を含有するイオン交換水390重量部に添加し、超音波ホモジナイザーにて60分強制乳化して、平均粒子径92nmの重合性液滴が分散した分散液を調製した。
攪拌機、ジャケット、還流冷却器及び温度計を備えた20L容の重合器を用い、重合器内を減圧して容器内の脱酸素を行った後、窒素置換して内部を窒素雰囲気とし、得られた分散液を投入し、重合器を80℃まで昇温して重合を開始した。4時間重合し、その後1時間の熟成期間をおいた後、重合器を室温まで冷却した。得られたスラリーを分画分子量1万のセルロース膜を用いて透析し、過剰な界面活性剤や無機塩類を除去し、更に濾過して凝集粒子及び不溶分を除去して基材粒子を得た。
得られた基材粒子を、真空乾燥して樹脂微粒子を得た後10重量部をメチルエチルケトン90重量部中に再分散し、樹脂微粒子のメチルエチルケトン分散液を作製した。
得られた基材粒子の分散液95重量部に表面処理剤として片末端エポキシ変性シリコーンオイル(信越化学工業社製「X−22−173DX」)5重量部を加え攪拌を行いながら60℃で4時間反応を行った。得られた粒子を遠心分離により洗浄し、未反応のシリコーンオイルを取り除いた後に、真空乾燥を行い平均粒子径が98nmの基材粒子表面がシリコーン被覆された滑り性付与微粒子を得た。
得られた基材粒子表面がシリコーン被覆された滑り性付与微粒子を用いた以外は、実施例1と同様の方法により反射防止用コーティング剤を調製し、反射防止膜を得た。得られた反射防止膜の厚さは94nmであり、反射防止膜表面には滑り性付与微粒子に由来する表面凹凸が存在していた。
(実施例3)
(1)滑り性付与微粒子の調製
反応性シリコーン成分としてサイラプレーンFM−7721(チッソ社製)90重量部と非重合性有機溶剤としてヘキサデカン10重量部とを混合・攪拌した混合溶液の全量を、水溶性乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2重量部、セチルアルコール6重量部、開始剤として過硫酸アンモニウム2重量部を含有するイオン交換水390重量部に添加し、超音波ホモジナイザーにて60分強制乳化して、平均粒子径120nmの重合性液滴が分散した分散液を調製した。
攪拌機、ジャケット、還流冷却器及び温度計を備えた20L容の重合器を用い、重合器内を減圧して容器内の脱酸素を行った後、窒素置換して内部を窒素雰囲気とし、得られた分散液を投入し、重合器を80℃まで昇温して重合を開始した。4時間重合し、その後1時間の熟成期間をおいた後、重合器を室温まで冷却した。得られたスラリーを分画分子量1万のセルロース膜を用いて透析し、過剰な界面活性剤や無機塩類を除去し、更に濾過して凝集粒子及び不溶分を除去してシリコーン樹脂微粒子を得た。
得られたシリコーン樹脂微粒子を、真空乾燥して平均粒子径132nmの滑り性付与微微粒子を得た。
(2)反射防止用コーティング剤の調製、及び、反射防止膜の作製
重合性化合物100体積部としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート用い、これに得られた滑り性付与微粒子20体積部と低屈折粒子として平均粒子径60nm、屈折率1.30中空シリカ微粒子80体積部、希釈溶媒としてメチルエチルケトン800体積部、及び、開始剤としてイルガキュア814(商品名:チバスペシャリティーケミカルズ社製)を添加し反射防止用コーティング剤を調製した。
得られた反射防止用コーティング剤をトリアセチルセルロースフィルム上に重合硬化物の反射率が550nmで最低値を取るようにバーコーターを用いて塗布した後、120Wの高圧水銀ランプを20cmの距離から紫外線を180秒照射し、反射防止膜を得た。反射防止膜の厚さは98nmであり、反射防止膜表面には滑り性付与微粒子に由来する表面凹凸が存在していた。
(比較例1)
滑り性付与粒子を添加せず、重合性化合物100重量部に対して、低屈折粒子として平均粒子径60nm、屈折率1.30中空シリカ微粒子を100重量部用いた以外は、実施例1と同様の方法により反射防止用コーティング剤を調製し、反射防止膜を得た。フィルムの厚さは103nmであり、反射防止膜表面には中空シリカ微粒子に由来する表面凹凸が形成されていなかった。
(評価)
実施例1〜3で得られた滑り性付与微粒子、比較例1で用いた中空シリカ、並びに、実施例1〜3、比較例1で得られた反射防止性コーティング剤、及び、反射防止膜について以下の方法により評価を行った。結果を表1に示す。
(1)反射防止膜の反射率の測定
実施例1〜3及び比較例1において作製した反射防止膜の表面を♯400のサンドペーパーで荒らした後、艶消しの黒色塗料を塗布し、その後分光光度計(島津製作所社製、「UV−3101PC」)を用いて、光の入射角5°での光波長380〜780nmの片面の反射率スペクトルを測定した。得られた反射率スペクトルの光波長550nmにおける反射率の値を反射防止膜の反射率として用いた。
(2)反射防止膜の屈折率の測定
反射防止膜の反射率の測定により得られた光波長380〜780nmの片面の反射率スペクトルを、光学特性計算ソフト(ジェー・エー・ウーラム・ジャパン社製「WVASE32」)を用いて解析し、反射防止膜の屈折率を算出した。
(3)反射防止膜の透過率及びヘイズの測定
反射防止膜をヘイズメーター(東京電色社製、「TC−H3PDK」)を用いて全光線透過率及びヘイズを測定した。
(4)反射防止膜の耐擦傷性
反射防止膜表面をスチールウール「日本スチールウール社製、(ボンスター♯0000:)」により250g/cmで20回擦り、傷の有無を目視にて観察し、下記の基準で判定した。
○:傷なし
△:僅かに傷あり
×:傷あり
(5)反射防止膜の摩擦係数測定
自動摩擦・摩耗解析装置(DFPM−SS型:協和界面科学社製)を用いて、JIS K 7125に準拠してサファイアを用いた点接触、加重200g、速度1.7mm/s、ストローク50.0mm条件における各反射防止膜の静摩擦係数及び動摩擦係数を測定した。
(6)反射防止膜の接触角測定
接触角計(CA―X型:協和界面科学社製)を用いて20℃、65%RHにおける1.8μLの液滴を作り、これを試料表面に接触させた際の接触角を測定した。測定液体としては超純水「日本ミリポア社製、Milli−Q Gradient」を使用した。
(7)反射防止膜の転落角の測定
転落角計(CA−X型:協和界面科学社製)を用いて20℃、65%RHにおける63μLの液滴を針先に作り、これを水平な試料表面状に接触させて液滴を作った。次いで、この試料を徐々に傾斜し、液滴か滑り始めた角度を測定した。測定液体としては超純水「日本ミリポア社製、Milli−Q Gradient」を使用した。
(8)微粒子の平均粒子径及び粒子径のCV値の測定
動的光散乱式粒度分布計(Particle Sizing Systems社製、「Nicomp model 380ZLS−S」)を用いて、各実施例及び比較例で得られた微粒子の体積平均粒子径及び粒子径のCV値を測定した。
(9)微粒子の屈折率及び中空度の測定
反射防止膜の屈折率の値の測定方法と同様にして、微粒子を使用しない重合性化合物のみの屈折率を測定し、反射防止膜に添加した重合性化合物と微粒子の体積添加率比とから各微粒子の屈折率を算出した。
また、算出された微粒子の屈折率の値と、中空部分を除いた組成から計算される微粒子の屈折率の値とを用いて微粒子の中空度を算出した。こうして算出した中空度は電子顕微鏡(日本電子社製、「JEM−1200EXII」)で観察された微粒子の粒子径及びフィルムの厚さから計算される粒子中空度とも良い一致を示した。
Figure 2007163754
本発明によれば、耐擦傷性に優れる反射防止膜を得ることができる反射防止用コーティング剤、及び、反射防止膜を提供することができる。

Claims (8)

  1. 平均粒子径が50〜200nmであり、かつ、少なくとも表面がポリオルガノシロキサン化合物又はフッ素化合物からなる微粒子と、バインダー成分とを含有することを特徴とする反射防止用コーティング剤。
  2. 微粒子の屈折率が1.40以下であることを特徴とする請求項1記載の反射防止用コーティング剤。
  3. 微粒子が中空構造を有することを特徴とする請求項1又は2記載の反射防止用コーティング剤。
  4. 更に、平均粒子径が100nm以下であり、かつ、屈折率が1.35以下の微粒子を含有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の反射防止用コーティング剤。
  5. 請求項1、2、3又は4記載の反射防止用コーティング剤を用いてなることを特徴とする反射防止膜。
  6. 表面に微粒子由来のポリオルガノシロキサン化合物又はフッ素化合物からなる凹凸を有することを特徴とする請求項5記載の反射防止膜。
  7. 動摩擦係数と静摩擦係数とが0.3以下であることを特徴とする請求項5又は6記載の反射防止膜。
  8. 水の接触角が100°以上であることを特徴とする請求項5、6又は7記載の反射防止膜。
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