JP2007162164A - 炭素繊維の酸化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】炭素繊維をより低温で酸素存在下に酸化する方法、及びその酸素存在下の加熱による酸化方法を使用する、炭素繊維の経済的に有利な廃棄方法を提供する。
【解決手段】(a)酸素並びに(b)アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物からなる群より選ばれた1種以上の化合物の存在下に、外径500nm以下の炭素繊維を加熱する、炭素繊維の重量減少を伴う炭素繊維の酸化方法、及びこれを利用した炭素繊維の廃棄方法である。
【選択図】図6

Description

本発明は、炭素繊維の酸化方法およびこれを使用した廃棄方法に関する。
炭素繊維は、従来よりその優れた力学特性や高い導電性などの特性を有するため、各種複合材料に用いられている。
ところで、炭素繊維の中でも、カーボンナノチューブ(以下、「CNT」とも記する。)に代表されるカーボンナノ構造体などの微細炭素繊維が、近年開発され、各種の分野において特に注目を集めている。
カーボンナノ構造体を構成するグラファイト層は、通常では、規則正しい六員環配列構造を有し、その特異な電気的性質とともに、化学的、機械的および熱的に安定した性質を持つ物質である。従って、このような微細炭素繊維は単体として、あるいは、例えば、各種樹脂、セラミックス、金属等の固体材料、あるいは燃料油、潤滑剤等の液体材料中に分散配合して複合体とすることにより、優れた特性を発揮することができるためである。
ところで、このような微細炭素繊維(以下、炭素繊維という)は、上述のように熱的に極めて安定な性質を有するため、炭素繊維を酸素により酸化する場合又は酸素存在下の加熱により炭素繊維を廃棄する場合にはかなりの高温が必要であり、この酸化温度を低下させることが経済的な観点より望ましいことであった。
なお、特許文献1には、レーヨン系、ポリアクリルニトリル系およびメソフェースピッチ系などの一般的な炭素繊維の高強度、高弾性率、高熱伝導度および低電気抵抗性を良好に維持したまま、樹脂材料との濡れ性を改善する目的上において、炭素繊維の表面を酸化する方法として、硝酸塩溶液中に炭素繊維を配し、この炭素繊維内に配置された陽極電極と、硝酸塩溶液中に配置された陰極電極との間に電圧を印加する酸化処理方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、あくまで炭素繊維の濡れ性改善を目的とした表面処理で、炭素繊維の重量減少ないしは廃棄等を目的とした酸化処理方法とは本来的に異なるものである。
特開平11−256567号公報
本発明の目的は、炭素繊維をより低温で酸素存在下に酸化する方法、及びその酸素存在下の加熱による酸化方法を使用する、炭素繊維の経済的に有利な廃棄方法を提供することである。
本発明は、(a)酸素並びに(b)アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物からなる群から選ばれてなる1種以上の化合物の存在下に、外径500nm以下の炭素繊維を加熱する、炭素繊維の重量減少を伴う炭素繊維の酸化方法を提供するものである。
更に、本発明は、上記の炭素繊維の酸化方法を使用する炭素繊維の廃棄方法を提供するものである。
更に、本発明は、外径500nm以下の炭素繊維及び(b)アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物からなる群から選ばれてなる1種以上の化合物を含有し、(a)酸素存在下に酸化に供される又は(a)酸素存在下に加熱による廃棄に供される組成物を提供するものである。
本発明によれば、酸素存在下における炭素繊維の酸化処理において、その処理温度を低下させることができ、極めて簡便かつ経済的に有利な炭素繊維の酸化方法を提供し、そしてその酸化方法を使用した炭素繊維の廃棄方法を提供することができる。
以下、本発明を実施形態に基づき、詳細に説明する。
〔炭素繊維の酸化方法〕
本発明の酸化方法は、(a)酸素並びに(b)アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物からなる群から選ばれてなる1種以上の化合物の存在下に、炭素繊維を加熱することを特徴とし、炭素繊維の重量減少を伴うものである。
本発明の酸化方法は、外径500nm以下の炭素繊維に適用される。炭素繊維の外径がこの範囲より大きい場合には酸化効率が低下する。
本発明の酸化方法において使用される(a)酸素としては、酸化処理温度等の他の条件等によっても左右されるが、酸素を含有する、好ましくは、体積比にて0.1%以上、より好ましくは0.5〜50%程度含有する酸素含有ガスであればいずれでも使用することが可能である。特に、空気を使用することが経済性の観点より最も好ましいが、場合によっては酸素と不活性ガス、例えば、窒素、Ar、He等との混合ガス雰囲気を使用することもできる。この他、純酸素、空気に酸素を添加してなる酸素富化ガス等の使用ももちろん可能である。
本発明においては、酸化助剤として、上述したように(b)少なくとも1種のアルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物が使用されるが、この(b)化合物としては、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属の、例えば金属塩、金属酸化物又は金属水酸化物が含まれる。
金属塩としては、無機酸塩又は有機酸塩が使用され得る。例えば、無機酸塩として、Li、Na、K、Mg又はCa等の塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩又は炭酸塩等が例示され、有機酸塩としてLi、Na、K、Mg又はCa等の酢酸塩等が例示される。この中でも経済性及び酸化開始温度低下の効率の観点より、Na、Kの塩を使用することが好ましい。この場合において、(b)化合物としてNaClを用いる場合には海水を使用してもよい。
また、金属酸化物としては、LiO、NaO、KO、MgO、CaO等が例示されるが、この中でも経済性及び酸化開始温度低下の効率の観点より、Na、Kの酸化物を使用することが好ましい。
さらに、金属水酸化物として、LiOH、NaOH、KOH、Mg(OH)、Ca(OH)等が例示されるが、この中でも経済性及び酸化開始温度低下の効率の観点より、Na、Kの水酸化物を使用することが好ましい。
本発明においては、炭素繊維100質量部に対し(b)化合物(複数種の化合物を用いる場合はその合計量として)を好ましくは0.01〜50質量部、より好ましくは0.01〜40質量部用いる。炭素繊維100質量部に対し(b)成分を50質量部を超えて使用しても炭素繊維の酸化開始温度が顕著に低下しないので、炭素繊維100質量部に対し(b)成分を0.01〜40質量部使用することが、本発明が所望する炭素繊維の酸化開始温度の低下効果を達成する観点及び経済性の観点より好ましい。
炭素繊維と(b)成分を混合する方法として、例えば、炭素繊維と(b)成分の水溶液とを混合してもよい。
酸化処理は400〜800℃の温度にて行うことが好ましい。この範囲の温度にて酸化を行えば、炭素繊維の酸化を効率的に、かつ経済的観点より有利に炭素繊維の酸化を行うことができる。また、400℃以上の酸化温度により(b)化合物として塩化物を使用した場合においてもダイオキシンの発生が抑制される。
なお、本発明の酸化処理方法において、処理される炭素繊維の重量減少の程度としては、特に限定されるものではなく、また、酸化の目的等によっても異なってくるが、例えば、処理前の炭素繊維の質量に対し、50質量%以上、より好ましくは80〜100質量%の質量減少を対象とするものであることが望ましい。
また、本発明の酸化方法は、後述するような炭素繊維の廃棄といった目的に好適に用いられるものであるが、もちろんこれらの例示した用途に何ら限定されるものではない。
〔炭素繊維の廃棄方法〕
上述の炭素繊維の重量減少を伴う酸化方法を使用して炭素繊維を廃棄することができる。この場合において炭素繊維は燃焼後に、二酸化炭素となるが、発生した二酸化炭素は、例えばアルカリ水溶液等に吸収され回収される。
〔組成物〕
本発明に係る組成物は、外径500nm以下の炭素繊維及び(b)アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物からなる群より選ばれてなる1種以上を化合物を含有してなる、(a)酸素存在下に酸化に供される又は(a)酸素存在下の加熱による廃棄に供される組成物である。
外径500nm以下の炭素繊維を酸素存在下に酸化あるいは加熱により廃棄するには、予めこのような組成物を調製しておくことによって、その酸化処理ないし廃棄処理を有利に進めることができる。
この組成物は、例えば、炭素繊維に対し、前記(b)化合物の水溶液を、浸漬、噴霧、コーティング等の適当な方法にて付着させ、必要に応じ、自然乾燥あるいは加熱、例えば200℃以下、好ましくは110〜180℃程度で強制乾燥させることにより調製することができる。
また、廃棄処理する場合には、必要に応じ、この組成物中に含まれる炭素繊維を、適当な裁断・粉砕装置等を用いて、より微細な粉体まで粉砕処理することも可能である。
〔好ましい炭素繊維〕
本発明の酸化方法は外径500nm以下の炭素繊維であれば適用されるが、炭素繊維として実用性の面より0.4nm以上であることが好ましい。
例えば、本発明の酸化方法又は廃棄方法は、外径が好ましくは15〜100nmの炭素繊維から構成される3次元ネットワーク状の炭素繊維構造体であって、前記炭素繊維構造体は、前記炭素繊維が複数延出する態様で、当該炭素繊維を互いに結合する粒状部を有しており、かつ当該粒状部は前記炭素繊維の成長過程において形成されてなるものであることを特徴とする炭素繊維構造体に適用することができる。
このような炭素繊維構造体は、好ましくは面積基準の円相当平均径が50〜100μmである。
このような炭素繊維構造体は、好ましくは嵩密度が0.0001〜0.05g/cmである。
このような炭素繊維構造体は、好ましくはラマン分光分析法で測定されるI/I比が、0.2以下である。
このような炭素繊維構造体は、好ましくは、前記炭素繊維の結合箇所において、前記粒状部の粒径が、前記炭素繊維の外径よりも大きいものである。
このような炭素繊維構造体は、炭素源として分解温度の異なる少なくとも2つ以上の炭素化合物を用いて生成されることができるものである。
このような炭素繊維構造体は、例えば、図3に示すSEM写真または図4(a)および(b)に示すTEM写真に見られるように、外径15〜100nmの炭素繊維から構成される3次元ネットワーク状の炭素繊維構造体であって、前記炭素繊維構造体は、前記炭素繊維が複数延出する態様で、当該炭素繊維を互いに結合する粒状部を有するものである。
炭素繊維構造体を構成する炭素繊維の外径を、好ましくは15〜100nmの範囲のものとするのは、外径がこの範囲において、樹脂等のマトリックスへ改質剤、添加剤として使用された場合、高い導電性が得られるためである。この外径範囲のもので、筒状のグラフェンシートが軸直角方向に積層したもの、すなわち多層であるものは、曲がりにくく、弾性、すなわち変形後も元の形状に戻ろうとする性質が付与されるため、炭素繊維構造体が一旦圧縮された後においても、樹脂等のマトリックスに配された後において、疎な構造を採りやすくなる。
なお、2400℃以上でアニール処理すると、積層したグラフェンシートの面間隔が狭まり真密度が1.89g/cmから2.1g/cmに増加するとともに、炭素繊維の軸直交断面が多角形状となり、この構造の炭素繊維は、積層方向および炭素繊維を構成する筒状のグラフェンシートの面方向の両方において緻密で欠陥の少ないものとなるため、曲げ剛性(EI)が向上する。
加えて、該微細炭素繊維は、その外径が軸方向に沿って変化するものであることが望ましい。このように炭素繊維の外径が軸方向に沿って一定でなく、変化するものであると、樹脂等のマトリックス中において当該炭素繊維に一種のアンカー効果が生じるものと思われ、マトリックス中における移動が生じにくく分散安定性が高まるものとなる。
そして、このような炭素繊維構造体においては、このような所定外径を有する微細炭素繊維が3次元ネットワーク状に存在するが、これら炭素繊維は、当該炭素繊維の成長過程において形成された粒状部において互いに結合され、該粒状部から前記炭素繊維が複数延出する形状を呈しているものである。このように、微細炭素繊維同士が単に絡合しているものではなく、粒状部において相互に強固に結合されているものであることから、樹脂等のマトリックス中に配した場合に当該構造体が炭素繊維単体として分散されることなく、嵩高な構造体のままマトリックス中に分散配合されることができる。また、このような炭素繊維構造体においては、当該炭素繊維の成長過程において形成された粒状部によって炭素繊維同士が互いに結合されていることから、その構造体自体の電気的特性等も非常に優れたものであり、例えば、一定圧縮密度において測定した電気抵抗値は、微細炭素繊維の単なる絡合体、あるいは微細炭素繊維同士の接合点を当該炭素繊維合成後に炭素質物質ないしその炭化物によって付着させてなる構造体等の値と比較して、非常に低い値を示し、マトリックス中に分散配合された場合に、良好な導電パスを形成できることができる。
さらに、特に限定されるわけではないが、この粒状部の粒径は、図2に示すように、前記微細炭素繊維の外径よりも大きいことが望ましい。このように炭素繊維相互の結合点である粒状部の粒径が十分に大きなものであると、当該粒状部より延出する炭素繊維に対して高い結合力がもたらされ、樹脂等のマトリックス中に当該炭素繊維構造体を配した場合に、ある程度のせん弾力を加えた場合であっても、3次元ネットワーク構造を保持したままマトリックス中に分散させることができる。なお、本明細書でいう「粒状部の粒径」とは、炭素繊維相互の結合点である粒状部を1つの粒子とみなして測定した値である。
また、このような炭素繊維構造体は、面積基準の円相当平均径が50〜100μm、程度であることが望ましい。ここで面積基準の円相当平均径とは、炭素繊維構造体の外形を電子顕微鏡などを用いて撮影し、この撮影画像において、各炭素繊維構造体の輪郭を、適当な画像解析ソフトウェア、例えばWinRoof(商品名、三谷商事株式会社製)を用いてなぞり、輪郭内の面積を求め、各繊維構造体の円相当径を計算し、これを平均化したものである。
複合化される樹脂等のマトリックス材の種類によっても左右されるため、全ての場合において適用されるわけではないが、この円相当平均径は、樹脂等のマトリックス中に配合された場合における当該炭素繊維構造体の最長の長さを決める要因となるものであり、概して、円相当平均径が50〜100μmの場合に、導電性が十分に発揮され、かつマトリックス中へ混練等によって配合する際に大きな粘度上昇が起こらず、混合分散あるいは成形性が良好であるため好ましい。
さらに、このような炭素繊維構造体は、3次元ネットワーク状に存在する炭素繊維が粒状部において互いに結合され、該粒状部から前記炭素繊維が複数延出する形状を呈しており、このため当該構造体は炭素繊維が疎に存在した嵩高な構造を有するが、具体的には、例えば、その嵩密度が0.0001〜0.05g/cm、より好ましくは0.001〜0.02g/cmであることが望ましい。嵩密度が0.05g/cm以下の場合に、少量添加によって、樹脂等のマトリックスの物性を改善することができるため好ましい。
また、このような炭素繊維構造体は、3次元ネットワーク状に存在する炭素繊維がその成長過程において形成された粒状部において互いに結合されていることから、上記したように構造体自体の電気的特性等も非常に優れたものであるが、例えば、一定圧縮密度0.8g/cmにおいて測定した粉体抵抗値が、0.02Ω・cm以下、より望ましくは、0.001〜0.010Ω・cmであることが好ましい。粉体抵抗値が0.02Ω・cm以下の場合に、樹脂等のマトリックスに配合された際に、良好な導電パスを形成することができるため好ましい。
また、このような炭素繊維構造体は、高い強度および導電性を有する上から、炭素繊維を構成するグラフェンシート中における欠陥が少ないことが望ましく、具体的には、例えば、ラマン分光分析法で測定されるI/I比が、0.2以下、より好ましくは0.1以下であることが望ましい。ここで、ラマン分光分析では、大きな単結晶の黒鉛では1580cm−1付近のピーク(Gバンド)しか現れない。結晶が有限の微小サイズであることや格子欠陥により、1360cm−1付近にピーク(Dバンド)が出現する。このため、DバンドとGバンドの強度比(R=I1360/I1580=I/I)が上記したように所定値以下であると、グラフェンシート中における欠陥量が少ないことが認められるためである。
上記したような所期の形状を有する炭素繊維構造体は、特に限定されるものではないが、例えば、次のようにして調製することができる。
基本的には、遷移金属超微粒子を触媒として炭化水素等の有機化合物をCVD法で化学熱分解して繊維構造体(以下、中間体という)を得、これをさらに高温熱処理する。
原料有機化合物としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素、一酸化炭素(CO)、エタノール等のアルコール類などが使用できる。特に限定されるわけではないが、本発明に係る繊維構造体を得る上においては、炭素源として、分解温度の異なる少なくとも2つ以上の炭素化合物を用いることが好ましい。なお、本明細書において述べる「少なくとも2つ以上の炭素化合物」とは、必ずしも原料有機化合物として2種以上のものを使用するというものではなく、原料有機化合物としては1種のものを使用した場合であっても、繊維構造体の合成反応過程において、例えば、トルエンやキシレンの水素脱アルキル化(hydrodealkylation)などのような反応を生じて、その後の熱分解反応系においては分解温度の異なる2つ以上の炭素化合物となっているような態様も含むものである。雰囲気ガスには、アルゴン、ヘリウム、キセノン等の不活性ガスや水素を用いることができる。
また、触媒としては、鉄、コバルト、モリブデンなどの遷移金属あるいはフェロセン、酢酸金属塩などの遷移金属化合物と硫黄あるいはチオフェン、硫化鉄などの硫黄化合物の混合物を使用する。
第一中間体の合成は、通常行われている炭化水素等のCVD法を用い、原料となる炭化水素および触媒の混合液を蒸発させ、水素ガス等をキャリアガスとして反応炉内に導入し、800〜1300℃の温度で熱分解する。これにより、外径が15〜100nmの繊維相互が、前記触媒の粒子を核として成長した粒状体によって結合した疎な三次元構造を有する炭素繊維構造体(第一中間体)が複数集まった数cmから数十cmの大きさの集合体を合成する。
原料となる炭化水素の熱分解反応は、主として触媒粒子ないしこれを核として成長した粒状体表面において生じ、分解によって生じた炭素の再結晶化が当該触媒粒子ないし粒状体より一定方向に進むことで、繊維状に成長する。しかしながら、本発明に係る炭素繊維構造体を得る上においては、このような熱分解速度と成長速度とのバランスを意図的に変化させる、例えば上記したように炭素源として分解温度の異なる少なくとも2つ以上の炭素化合物を用いることで、一次元的方向にのみ炭素物質を成長させることなく、粒状体を中心として三次元的に炭素物質を成長させる。もちろん、このような三次元的な炭素繊維の成長は、熱分解速度と成長速度とのバランスにのみ依存するものではなく、触媒粒子の結晶面選択性、反応炉内における滞留時間、炉内温度分布等によっても影響を受け、また、前記熱分解反応と成長速度とのバランスは、上記したような炭素源の種類のみならず、反応温度およびガス温度等によっても影響受けるが、概して、上記したような熱分解速度よりも成長速度の方が速いと、炭素物質は繊維状に成長し、一方、成長速度よりも熱分解速度の方が速いと、炭素物質は触媒粒子の周面方向に成長する。従って、熱分解速度と成長速度とのバランスを意図的に変化させることで、上記したような炭素物質の成長方向を一定方向とすることなく、制御下に多方向として、本発明に係るような三次元構造を形成することができるものである。なお、生成する中間体において、繊維相互が粒状体により結合された前記したような三次元構造を容易に形成する上では、触媒等の組成、反応炉内における滞留時間、反応温度、およびガス温度等を最適化することが望ましい。
触媒および炭化水素の混合ガスを800〜1300℃の範囲の一定温度で加熱生成して得られた第一中間体は、炭素原子からなるパッチ状のシート片を貼り合わせたような(生焼け状態の、不完全な)構造を有し、ラマン分光分析をすると、Dバンドが非常に大きく、欠陥が多い。また、生成した第一中間体は、未反応原料、非繊維状炭化物、タール分および触媒金属を含んでいる。
従って、このような第一中間体からこれら残留物を除去し、欠陥が少ない所期の炭素繊維構造体を得るために、適切な方法で2400〜3000℃の高温熱処理する。
すなわち、例えば、この第一中間体を800〜1200℃で加熱して未反応原料やタール分などの揮発分を除去して得られた第二中間体を2400〜3000℃の高温でアニール処理することによって所期の構造体を調製し、同時に繊維に含まれる触媒金属を蒸発させて除去する。なお、この際、物質構造を保護するために不活性ガス雰囲気中に還元ガスや微量の一酸化炭素ガスを添加してもよい。
前記第二中間体を2400〜3000℃の範囲の温度でアニール処理すると、炭素原子からなるパッチ状のシート片は、それぞれ結合して複数のグラフェンシート状の層を形成する。
また、このような高温熱処理前もしくは処理後において、炭素繊維構造体の円相当平均径を数cmに解砕処理する工程と、解砕処理された炭素繊維構造体の円相当平均径を50〜100μmに粉砕処理する工程とを経ることで、所望の円相当平均径を有する炭素繊維構造体を得る。なお、解砕処理を経ることなく、粉砕処理を行っても良い。また、本発明に係る炭素繊維構造体を複数有する集合体を、使いやすい形、大きさ、嵩密度に造粒する処理を行っても良い。さらに好ましくは、反応時に形成された上記構造を有効に活用するために、嵩密度が低い状態(極力繊維が伸びきった状態でかつ空隙率が大きい状態)で、アニール処理するとさらに樹脂への導電性付与に効果的である。
このような微細炭素繊維構造体は、
A)嵩密度が低い、
B)樹脂等のマトリックスに対する分散性が良い、
C)導電性が高い、
D)熱伝導性が高い、
E)摺動性が良い、
F)化学的安定性が良い、
G)熱的安定性が高い、
などの特性があり、これらを活かして樹脂、セラミックス、金属等の固体材料に対する複合材フィラーとして、あるいは、燃料、潤滑剤等の液体に対する添加剤として広い範囲に利用できる。
なお、以下において、各物性値は次のようにして測定した。
<面積基準の円相当平均径>
まず、粉砕品の写真をSEMで撮影する。得られたSEM写真において、炭素繊維構造体の輪郭が明瞭なもののみを対象とし、炭素繊維構造体が崩れているようなものは輪郭が不明瞭であるために対象としなかった。1視野で対象とできる炭素繊維構造体(60〜80個程度)はすべて用い、3視野で約200個の炭素繊維構造体を対象とした。対象とされた各炭素繊維構造体の輪郭を、画像解析ソフトウェア WinRoof(商品名、三谷商事株式会社製)を用いてなぞり、輪郭内の面積を求め、各繊維構造体の円相当径を計算し、これを平均化した。
<嵩密度の測定>
内径70mmで分散板付透明円筒に1g粉体を充填し、圧力0.1Mpa、容量1.3リットルの空気を分散板下部から送り粉体を吹出し、自然沈降させる。5回吹出した時点で沈降後の粉体層の高さを測定する。このとき測定箇所は6箇所とることとし、6箇所の平均を求めた後、嵩密度を算出した。
<ラマン分光分析>
堀場ジョバンイボン製LabRam800を用い、アルゴンレーザーの514nmの波長を用いて測定した。
<X線回折>
粉末X線回折装置(JDX3532、日本電子製)を用いて、アニール処理後の炭素繊維構造体を調べた。Cu管球で40kV、30mAで発生させたKα線を用いることとし、面間隔の測定は学振法(最新の炭素材料実験技術(分析・解析編)、炭素材料学会編)に従い、シリコン粉末を内部標準として用いた。
<粉体抵抗および復元性>
CNT粉体1gを秤取り、樹脂製ダイス(内寸40リットル、10W、80Hmm)に充填圧縮し、変位および荷重を読み取る。4端子法で定電流を流して、そのときの電圧を測定し、0.9g/cmの密度まで測定したら、圧力を解除し復元後の密度を測定した。粉体抵抗については、0.5、0.8および0.9g/cmに圧縮したときの抵抗を測定することとする。
以下、本発明を実施例に基づき、より具体的に説明する。
(合成例1)
CVD法によって、トルエンを原料として微細炭素繊維を合成した。
触媒としてフェロセン及びチオフェンの混合物を使用し、水素ガスの還元雰囲気で行った。トルエン、触媒を水素ガスとともに380℃に加熱し、生成炉に供給し、1250℃で熱分解して、炭素繊維構造体(第一中間体)を得た。この第一中間体をトルエン中に分散して電子顕微鏡用試料調製後に観察したSEMおよびTEM写真を図1及び2に示す。
合成された第一中間体を窒素中で900℃で焼成して、タールなどの炭化水素を分離し、第二中間体を得た。この第二中間体のラマン分光測定のR値は0.98であった。
さらにこの第二中間体をアルゴン中で2600℃で高温熱処理し、得られた炭素繊維構造体の集合体を気流粉砕機にて粉砕し、炭素繊維構造体(アニール品という)を得た。
得られた炭素繊維構造体をトルエン中に超音波で分散して電子顕微鏡用試料調製後に観察したSEMおよびTEM写真を図3、4に示す。
また、得られた炭素繊維構造体をそのまま電子顕微鏡用試料ホルダーに載置して観察したSEM写真を図5に、またその粒度分布を表1に示した。
また、得られた炭素繊維構造体の円相当平均径は、72.8μm、嵩密度は0.0032g/cm、ラマンI/I比値は0.090、面間隔は3.383オングストローム、粉体抵抗値は0.0083Ω・cm、復元後の密度は0.25g/cmであった。
なお、合成例1で測定した各種物性値を表1及び2にまとめた。
(実施例1)
NaClの水溶液の中に、合成例1で得られた炭素繊維構造体(アニール品)を浸漬し、ホットスターラーで水分を蒸発させたあと、オーブンにて乾燥した。その後、炭素繊維構造体(アニール品)を乳鉢で擦り、よく混合させた。なお、炭素繊維構造体(アニール品)とNaClとの質量比が図6及び図7に示したとおり100:0.05、100:0.1、100:0.5、100:1、100:5、100:10になるように、NaClの水溶液のNaCl濃度を決めた。
熱重量/示差熱分析装置(マックサイエンス製TG−DTA)を用い、Ar99体積%とO1体積%の混合ガスを125ml/分の流速で流通させながら、10℃/分の速度で昇温し、TGとDTAを測定した。その結果を図6及び図7に示した。図6の酸化開始温度は、以下の実施例2に記載するように接線法により求めた。
実施例1において、下記の比較例1と比較して酸化開始温度、最大発熱ピークを示す温度がいずれも低下していた。
(比較例1)
炭素繊維構造体(アニール品)をNaCl水溶液による浸漬処理しないこと以外は実施例1と同様の方法で、炭素繊維構造体(アニール品)のTGとDTA測定結果を図6及び図7に示した。
(実施例2)
合成例1の炭素繊維構造体(アニール品)及び合成例1の炭素繊維構造体(第二中間体)を用い、下記の金属化合物について、酸化開始温度の低下効果を測定した。
炭素繊維構造体と金属化合物の質量比は100/10とした。実施例1と同じ要領にて金属化合物で処理した炭素繊維構造体を得た。
熱重量/示差熱分析装置(マックサイエンス製TG−DTA)を用い、空気を100ml/分で流通させながら、10℃/分の速度で昇温した。NaClを用いたときのTG−DTA曲線を図8に示した。酸化開始温度は図8に示したように接線法で求めた。測定結果を表3に示した。
(比較例2)
金属化合物処理しないこと以外は実施例2と同様にして、合成例1の炭素繊維構造体(アニール品)及び合成例1の炭素繊維構造体(第二中間体)を用い、TGとDTAを測定した。その結果を表4に示した。
(実施例3)
実施例1において、NaCl水溶液のかわりに、海水(採取場所:新潟県直江津港の海面付近)を用いて実施例1と同様の試験を行った。
その結果、合成例1で得られた炭素繊維構造体(アニール品)100質量部に対してNaClが1質量部となるように処理した場合の酸化開始温度は625℃であり、NaClが0.1質量部となるように処理した場合の酸化開始温度は630℃であった。
合成例1の炭素繊維構造体の第一中間体のSEM写真である。 合成例1の炭素繊維構造体の第一中間体のTEM写真である。 合成例1の炭素繊維構造体(アニール品)のSEM写真である。 (a)(b)は、それぞれ合成例1の炭素繊維構造体(アニール品)のTEM写真である。 合成例1の炭素繊維構造体(アニール品)のSEM写真である。 実施例1における、合成例1で得られた炭素繊維構造体(アニール品)のNaCl存在下のTG曲線である。 実施例1における、合成例1で得られた炭素繊維構造体(アニール品)のNaCl存在下のDTA曲線である。 実施例2における、合成例1で得られた炭素繊維構造体(アニール品)のNaCl存在下のTG−DTA曲線である。

Claims (13)

  1. (a)酸素並びに(b)アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物からなる群より選ばれた1種以上の化合物の存在下に、外径500nm以下の炭素繊維を加熱する、炭素繊維の重量減少を伴う炭素繊維の酸化方法。
  2. (b)化合物が金属塩、金属酸化物又は金属水酸化物である請求項1に記載の炭素繊維の酸化方法。
  3. (b)化合物が無機酸塩又は有機酸塩である請求項1又は2に記載の炭素繊維の酸化方法。
  4. 無機酸塩がLi、Na、K、Mg又はCaの塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩又は炭酸塩であり、有機酸塩がLi、Na、K、Mg又はCaの酢酸塩である請求項3に記載の炭素繊維の酸化方法。
  5. 炭素繊維100質量部に対する(b)化合物の量が0.01〜50質量部である請求項1〜4に記載の炭素繊維の酸化方法。
  6. 炭素繊維を加熱する温度が400〜800℃である請求項1〜5のいずれかに1つに記載の炭素繊維の酸化方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の炭素繊維の酸化方法を使用する炭素繊維の廃棄方法。
  8. 外径500nm以下の炭素繊維及び(b)アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物からなる群より選ばれてなる1種以上を化合物を含有してなる、(a)酸素存在下に酸化に供される又は(a)酸素存在下の加熱による廃棄に供される組成物。
  9. (b)化合物が金属塩、金属酸化物又は金属水酸化物である請求項8に記載の組成物。
  10. (b)化合物が無機酸塩又は有機酸塩である請求項9に記載の組成物。
  11. 無機酸塩がLi、Na、K、Mg又はCaの塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩又は炭酸塩であり、有機酸塩がLi、Na、K、Mg又はCaの酢酸塩である請求項10に記載の組成物。
  12. 炭素繊維100質量部に対する(b)化合物の量が0.01〜50質量部である請求項7〜10のいずれか1つに記載の組成物。
  13. 炭素繊維の酸化温度又は廃棄温度が400〜800℃である請求項8〜12のいずれか1つに記載の組成物。
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