JP2007156753A - 車車間通信システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】前方カメラ5によって撮像した車両の前方環境の画像に基づいて抽出された交通情報を他車両より受信した車両2は、受信した交通情報の情報価値が所定価値以上であると判定された場合(S123:YES)に、受信した交通情報を液晶ディスプレイ6に表示する(S124)ように構成する。
【選択図】図17
Description
そこで、従来より車両間で無線通信により情報を交換する車車間通信システムについて提案されている。例えば、特開2001−283381号公報には、自車両の周辺の画像を撮影する運転支援用カメラを設け、運転支援用カメラで撮像した画像を他車両に無線で送信することにより、道路・交差点上に生じた異常事象の発生を他車両に対して事前に送信することが可能な車車間通信システムについて記載されている。
上記システムによれば、複数の車両間で情報の共有を行うことができるので、自車両からでは認識できない情報を他車両から提供された情報に基づいて運転者が把握することが可能となり、より適切に走行を行うことが可能となる。
一方で、単に文字情報のみを送信することにより、複数の車両間で情報の共有を行う場合では、運転者は車両周辺に関する情報を十分に得ることができず、適切な走行を行うことが依然として困難となっていた。
また、各車両で取得した交通情報の中には他車両の走行に対して影響がほとんど生じない交通情報も含まれている。そして、そのような交通情報についても一律に送信することとすると、車両間の通信回数が非常に多くなり、制御装置の処理負担が大きくなっていた。しかしながら、各車両で取得した交通情報が他車両にとって必要な交通情報であるか否かを判定することは難しく、必要な交通情報のみを選別して送信することが可能な新たな車車間通信システムが望まれていた。
ここで、「交通情報」とは車両が道路を走行する際において走行に影響を与える情報であり、具体的には車両の周囲に位置する走行車両、駐車車両、右折車両、歩行者、自転車、路上障害物、工事中の看板等の対象物の位置や種類に関する情報である。
また、「情報価値」とは交通情報が他車両に送信及び提供すべき情報としての価値を有しているか否かの判定基準とするパラメータやフラグを意味する。
先ず、第1実施形態に係る車車間通信システム1の概略構成について図1及び図2を用いて説明する。図1は第1実施形態に係る車車間通信システム1の概略構成図である。図2は第1実施形態に係る車車間通信システム1の特に車両2を示す概略構成図である。
図1に示すように、第1実施形態に係る車車間通信システム1は、道路上を走行する複数の車両2によって構成され、各車両2に設けられた通信装置(交通情報送信手段、交通情報受信手段)3によって車両2の間で相互に情報通信が可能となっている。
また、通信装置3によって車両間で送受信される情報としては、後述するように車両2に備え付けられた前方カメラ5で撮像した車両2の前方環境の画像から抽出された交通情報や車両の現在位置に関する情報等がある。
ここで、車速センサ15は、車両2の車輪に取り付けられたアクティブ車輪速センサからなり、車輪の回転速度を検出して車両ECU10に速度信号を出力する。
また、操舵角センサ16は、ステアリング装置の内部に取り付けられており、ステアリングコラムシャフトの回転量を光学センサ等で検出する。そして、ステアリングホイールを転舵した場合の舵角を検出して操舵角信号を車両ECU10に出力する。
更に、ジャイロセンサ17は車両2の旋回角を検出して、車両ECU10に旋回角信号を出力する。尚、ジャイロセンサ17としては、例えば、ガスレートジャイロ、振動ジャイロ等が使用される。
その結果、車両ECU10は車速センサ15の出力信号に基づいて車両2の現在の車速を検出し、操舵角センサ16の出力信号に基づいて車両2の舵角を検出する。また、ジャイロセンサ17によって検出された旋回角を積分することにより、自車方位を検出することができる。
図3において、車両2の制御系は、通信処理ECU7と、車両ECU10の各制御手段を基本にして構成され、各制御手段に対して前記した各周辺機器が接続されている。
ここで、第1価値設定テーブル22Aは、前方カメラ5で撮像した画像で検出された対象物の状態(具体的には対象物の種類と位置)と、送信する送信対象となる他車両の状態(具体的には他車両の自車両に対する相対的な走行位置)とに基づいて交通情報の情報価値(送信すべき情報としての価値を有しているか否か)を設定するテーブルである。
例えば、撮像した画像から検出された対象物が「自車両の進行方向に対して左側の路肩に駐車された駐車車両」であって、送信対象となる他車両が「自車両と反対車線を走行する車両」であった場合には、検出された対象物に関する交通情報は他車両にとって有効な交通情報でない(他車両の走行に影響を与える対象物でない)ので、情報価値に対して加点は行われない。
また、撮像した画像から検出された対象物が「自車両の進行方向に対して左側の路肩に駐車された駐車車両」であって、送信対象となる他車両が「自車両と同一車線の後方を走行する車両」であった場合には、検出された対象物に関する交通情報は他車両にとって有効な交通情報であるので、情報価値に対して3点を加点する。
また、撮像した画像から検出された対象物が「自車両の進行方向に対して右側の路肩に駐車された駐車車両」であって、送信対象となる他車両が「自車両と反対車線を走行する車両」であった場合には、検出された対象物に関する交通情報は他車両にとって有効な交通情報であるので、情報価値に対して3点を加点する。
また、撮像した画像から検出された対象物が「自車両の進行方向に対して右側の路肩に駐車された駐車車両」であって、送信対象となる他車両が「自車両と同一車線の後方を走行する車両」であった場合には、検出された対象物に関する交通情報は他車両にとって有効な交通情報でないので、情報価値に対して加点は行われない。
また、撮像した画像から検出された対象物が「自車両の進行方向に対して左側の路肩を歩行する歩行者」であって、送信対象となる他車両が「自車両と反対車線を走行する車両」であった場合には、検出された対象物に関する交通情報は他車両にとって有効な交通情報でないので、情報価値に対して加点されない。
また、撮像した画像から検出された対象物が「自車両の進行方向に対して左側の路肩を歩行する歩行者」であって、送信対象となる他車両が「自車両と同一車線の後方を走行する車両」であった場合には、検出された対象物に関する交通情報は他車両にとって有効な交通情報であるので、情報価値に対して5点を加点する。
また、撮像した画像から検出された対象物が「自車両の進行方向に対して右側の路肩を歩行する歩行者」であって、送信対象となる他車両が「自車両と反対車線を走行する車両」であった場合には、検出された対象物に関する交通情報は他車両にとって有効な交通情報であるので、情報価値に対して5点を加点する。
また、撮像した画像から検出された対象物が「自車両の進行方向に対して右側の路肩を歩行する歩行者」であって、送信対象となる他車両が「自車両と同一車線の後方を走行する車両」であった場合には、検出された対象物に関する交通情報は他車両にとって有効な交通情報でないので、情報価値に対して加点は行われない。
ここで、第2価値設定テーブル22Bは、前方カメラ5で撮像した画像で検出された対象物に関する交通情報を送信する送信対象となる他車両の状態(具体的には他車両の走行速度や車種や運転者の情報等)に基づいて交通情報の情報価値(送信及び提供すべき情報としての価値を有しているか否か)を設定するテーブルである。
例えば、撮像した画像から検出された対象物に関する交通情報を送信する送信対象となる他車両が「0km/h以上で20km/h未満の走行速度で走行する車両」であった場合には、当該他車両に送信する交通情報の情報価値に対して1点を加点する。
また、撮像した画像から検出された対象物に関する交通情報を送信する送信対象となる他車両が「20km/h以上で40km/h未満の走行速度で走行する車両」であった場合には、当該他車両に送信する交通情報の情報価値に対して2点を加点する。
また、撮像した画像から検出された対象物に関する交通情報を送信する送信対象となる他車両が「40km/h以上の走行速度で走行する車両」であった場合には、当該他車両に送信する交通情報の情報価値に対して3点を加点する。
また、撮像した画像から検出された対象物に関する交通情報を送信する送信対象となる他車両が「乗用車(軽自動車、セダン、ワゴンを含む)の車両」であった場合には、当該他車両に送信する交通情報の情報価値に対して1点を加点する。
また、撮像した画像から検出された対象物に関する交通情報を送信する送信対象となる他車両が「標準積載量4t未満のトラックの車両」であった場合には、当該他車両に送信する交通情報の情報価値に対して2点を加点する。
また、撮像した画像から検出された対象物に関する交通情報を送信する送信対象となる他車両が「標準積載量4t以上のトラックの車両」であった場合には、当該他車両に送信する交通情報の情報価値に対して3点を加点する。
また、撮像した画像から検出された対象物に関する交通情報を送信する送信対象となる他車両が「運転者の年齢が21歳以下の車両」であった場合には、当該他車両に送信する交通情報の情報価値に対して2点を加点する。
また、撮像した画像から検出された対象物に関する交通情報を送信する送信対象となる他車両が「運転者の年齢が65歳以上の車両」であった場合には、当該他車両に送信する交通情報の情報価値に対して3点を加点する。
また、撮像した画像から検出された対象物に関する交通情報を送信する送信対象となる他車両が「車両と同一の県内であって同一の市町村外に位置する車両」であった場合には、当該他車両に送信する交通情報の情報価値に対して1点を加点する。
また、撮像した画像から検出された対象物に関する交通情報を送信する送信対象となる他車両が「車両と同一の県外に位置する車両」であった場合には、当該他車両に送信する交通情報の情報価値に対して2点を加点する。
ここで、位置座標は前記したように前方カメラ5で撮像した撮像画像41における対象物の画像と、自車両2の現在位置から特定される。
一方、対象物の種類は前記したようにパターンマッチング処理により予め定められたいずれかの種類(例えば、走行車両、駐車車両、右折車両、歩行者、自転車、路上障害物、工事中の看板)に特定され、記憶される。また、特に車両に関しては車種(軽自動車、セダン、ワゴン、トラック等)についても特定される。尚、具体的に対象物の種類(車両の車種を含む)については、対象物の種類を特定するコード(数字)によって交通情報テーブル23Aに記憶されており、例えば「1」が歩行者、「2」がセダンの駐車車両、「3」がトラックの駐車車両、「4」が・・・のように特定される。また、車車間で交通情報を通信する際において特に対象物の種類の送受信に関しては、これらのコードを送受信することにより行う。従って、コードと対象物の種類を対応付けた対応テーブルを送信側車両と受信側車両のそれぞれに記憶させる必要がある。
尚、交通情報テーブル23Aには、対象物の種別や車両の車種を特定するコード(数字)の代わりに、対象物の種別や車両の車種を特定するシンボルやパターン(例えば、歩行者は○、セダンの駐車車両は□)を記憶し、それらのシンボルやパターンを送受信することによって交通情報を送受信することとしても良い。また、対象物の色や大きさについても撮像画像41から認識させ、記憶することとしても良い。
また、対象物の位置座標を検出する方法としては、上記した撮像画像に基づいて検出する方法以外にも、例えば、車両2にミリ波を発信するミリ波レーダを設け、対象物によって反射されたミリ波を測定することにより車両2から対象物までの距離を検出し、更に車両2の現在位置から対象物の位置座標を検出することとしても良い。
具体的には、検出された対象物の画像サイズを、前記S5で算出された自車両から対象物の距離に応じて定まる拡大率または縮小率で、拡大又は縮小を行う。そして、サイズを調整した対象物の画像を、ROM22に記憶された各テンプレート画像とのパターンマッチングを施すことにより、画像中に検出された対象物の種類を算定する。更に、その後の対象物の撮像画像41における移動方向と移動速度から、対象物が車両である場合の車両の走行状態(駐車車両、走行車両、右折車両)と送信側車両に対する対象物の相対位置(左側路肩、右側路肩等)についても検出する。尚、ROM22に記憶されたいずれのテンプレート画像ともマッチングしなかった場合には、検出された対象物は交通情報として他車両に送信する必要はないと判定され、当該車車間通信処理プログラムを終了する。
具体的に、“送信側車両に対する他車両の相対位置”と“他車両の現在位置の住所”は他車両に備え付けられたGPS11の検出結果を受信し、更に前記S4で検出した自車位置と地図DB13に記憶された地図情報とを参照して取得する。
また、“走行速度”は他車両に備え付けられた車速センサ15の検出結果を受信することによって取得する。
また、“車種”と“運転者の年齢”は予め他車両のRAM23に記憶された記憶情報を受信することによって取得する。
ここで、図9は道路を走行中の所定のタイミングにおける自車両51と、自車両51の周囲(例えば自車位置を中心とした半径1kmの範囲)を走行する他車両52〜58との位置関係を示した模式図である。前記S9の処理では、自車両51は他車両52〜58のそれぞれと通信を行うことにより、他車両52〜58の状態を取得する。その際、特に他車両53、55は対向車線を走行する車両であることが取得され、他車両56、57は同一車線後方を走行する車両であることが取得される。
そして、送信対象となる他車両があると判定された場合(S11:YES)には、S12へと移行する。一方、送信対象となる他車両が無いと判定された場合(S11:NO)には、現時点で交通情報を送信する必要のある他車両は無いと判定され、他車両に対して当該対象物に係る情報を送信することなく、当該車車間通信処理プログラムを終了する。
ただし、異なる複数の他車両から所定間隔(例えば30秒)以内で、それぞれ交通情報が送信された場合には、送信されたそれぞれの交通情報を同時に液晶ディスプレイ6に表示するように構成することが望ましい。
図13に示す対象物区間70では、複数の駐車車両が自車両の前方に位置する路肩の所定区間に連続して駐車されていることを示している。このように対象物が連続して位置する場合に、その対象物をセグメントで表示することによって、対象物マークを連続して重畳して表示するよりも、運転者に分かり易く表示することが可能となる。
そして、図14に示す対象物移動エリア71は、歩行者が自車両の前方の所定エリア内を歩行していることを示している。また、対象物移動エリア72は、自転車が自車両の前方の所定エリア内を走行していることを示している。また、対象物移動エリア73は、走行車両が自車両の前方の所定エリア内を走行していることを示している。
また、図15(B)では、対象物マーク81の示す対象物に関する交通情報が対象物マーク82の示す対象物に関する交通情報より情報価値が高い場合に、情報価値の低い交通情報である対象物マーク82を表示しないようにする。それによって、運転者に対してより重要な情報を分かり易く報知することが可能となる。
尚、上記表示パターン以外にも、情報価値の高い交通情報の示す対象物のマークの色を他のマークと変更したり、マークの周囲に枠を追加することによって、情報価値の高い交通情報を他の交通情報より強調して表示させるようにしても良い。
また、他車両から交通情報が送信されると、液晶ディスプレイ6に自車両周辺の地図を表示するとともに、表示された地図上に自車両の周辺に係る交通情報(具体的には対象物の種類と位置に関する情報)を表示する(S23)ので、運転者は他車両で撮像した画像に基づいた自車周辺の交通情報を得ることができる。従って、道路が渋滞して自車の前後に近接して他の車両が走行又は停車している場合や、見通しの悪い道路を走行する場合等の限られた情報の中で運転を行う必要がある状況下でも、表示された交通情報を参照することにより運転者は適切な走行を行うことが可能となる。
また、受信した交通情報は高い情報価値が付加された交通情報を優先して表示する(図15(A)及び(B)参照)ので、多数の交通情報が出力された場合であっても、運転者は必要な交通情報を容易に把握することが可能となる。
更に、送信する交通情報の選別は交通情報を構成する対象物の状態と送信対象となる他車両の状態に基づいて行われるので、対象物の状態と他車両の状態とに応じた適確な情報の選別が可能となる。
次に、第2実施形態に係る車車間通信システムについて図16及び図17に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図15の第1実施形態に係る車車間通信システム1等の構成と同一符号は、前記第1実施形態に係る車車間通信システム1等の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
ただし、第1実施形態に係る車車間通信システム1が、前方カメラ5で撮像した画像から抽出した交通情報を送信側車両から受信側車両へと送信する際に、RAM23に記憶された交通情報の情報価値が所定価値以上であるか否かを判定し(S12)、所定価値以上であると判定された交通情報のみを受信側車両と通信を行うことにより交通情報を送信する(S13)のに対して、第2実施形態に係る車車間通信システムでは、送信側車両は交通情報を情報価値とともに通信装置3で通信可能な通信可能エリアに対して一律に送信する一方、交通情報を受信した通信可能エリア内の受信側車両が情報価値が所定価値以上であるか否かを判定し、所定価値以上であると判定された交通情報のみを出力する点で前記第1実施形態に係る車車間通信システム1と異なっている。
その後、S112においては、通信装置3によって通信可能なエリア(例えば車両2から半径1km以内のエリア)に対して、前記S108において交通情報テーブル23Aに記憶された交通情報の内容に関わらず全ての交通情報及び付加された情報価値を送信する。その後、送信された交通情報及び情報価値は交通情報テーブル23Aから削除される。
更に、第2実施形態に係る車車間通信システムでは他車両から送信された交通情報に関し、所定距離内(例えば20m以内)に同一種類の対象物(例えば駐車車両や歩行者)に係る位置情報が3以上ある場合には、その連続して位置する対象物の始点と終点の位置座標をそれぞれ特定する。尚、始点と終点の位置座標の特定は送信する車両側で行う(例えば、図16のS107やS108の処理で行う)こととしても良い。
そして、前記S122の処理で液晶ディスプレイ6に対して表示された交通情報は、所定時間(例えば30秒間)経過するまで、又は次に交通情報が他車両から送信されるまでの間、継続して表示される。
ただし、異なる複数の他車両から所定間隔(例えば30秒)以内で、それぞれ交通情報が送信された場合には、送信されたそれぞれの交通情報を同時に液晶ディスプレイ6に表示するように構成することが望ましい。尚、上記S123が出力価値判定手段の処理に相当する。
また、交通情報の表示では、液晶ディスプレイ6に自車両周辺の地図を表示するとともに、表示された地図上に自車両の周辺に係る交通情報(具体的には対象物の種類と位置に関する情報)を表示することにより行うので、運転者は他車両で撮像した画像に基づいた自車周辺の交通情報を得ることができる。
更に、受信した交通情報は高い情報価値が付加された交通情報を優先して表示する(図15(A)及び(B)参照)ので、多数の交通情報が出力された場合であっても、運転者は必要な交通情報を容易に把握することが可能となる。
次に、第3実施形態に係る車車間通信システムについて図18乃至図20に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図15の第1実施形態に係る車車間通信システム1等の構成と同一符号は、前記第1実施形態に係る車車間通信システム1等の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
ただし、第1実施形態に係る車車間通信システム1が、前方カメラ5で撮像した画像中に対象物を検出した場合(S3:YES)に、続けて画像から抽出した交通情報を送信側車両から受信側車両へと送信する(S13)のに対して、第3実施形態に係る車車間通信システムでは、前方カメラ5で撮像した画像中に対象物を検出した場合に画像から抽出した交通情報をRAMに対して累積記憶し、送信可能範囲に他車両が位置した場合に、他車両に対して、その時点までに累積記憶された交通情報を送信する点で前記第1実施形態に係る車車間通信システム1と異なっている。
尚、対象物の位置座標を検出する方法としては、上記した撮像画像に基づいて検出する方法以外にも、例えば、車両2にミリ波を発信するミリ波レーダを設け、対象物によって反射されたミリ波を測定することにより車両2から対象物までの距離を検出し、更に車両2の現在位置から対象物の位置座標を検出することとしても良い。
具体的には、検出された対象物の画像サイズを、前記S305で算出された自車両から対象物の距離に応じて定まる拡大率または縮小率で、拡大又は縮小を行う。そして、サイズを調整した対象物の画像を、ROM22に記憶された各テンプレート画像とのパターンマッチングを施すことにより、画像中に検出された対象物の種類を算定する。更に、その後の対象物の撮像画像41における移動方向と移動速度から、対象物が車両である場合の車両の走行状態(駐車車両、走行車両、右折車両)と送信側車両に対する対象物の相対位置(左側路肩、右側路肩等)についても検出する。尚、ROM22に記憶されたいずれのテンプレート画像ともマッチングしなかった場合には、検出された対象物は交通情報として他車両に送信する必要はないと判定され、当該車車間通信処理プログラムを終了する。
具体的に、“送信側車両に対する他車両の相対位置”と“他車両の現在位置の住所”は他車両に備え付けられたGPS11の検出結果を受信し、更に自車両に備え付けられたGPS11で検出した自車位置と地図DB13に記憶された地図情報とを参照して取得する。
また、“走行速度”は他車両に備え付けられた車速センサ15の検出結果を受信することによって取得する。
また、“車種”と“運転者の年齢”は予め他車両のRAM23に記憶された記憶情報を受信することによって取得する。
その後、S314では前記S306で検出された対象物の状態と、前記S312で取得された交通情報を送信する送信対象となる他車両の状態とに基づいて前記S313で読み出した交通情報の情報価値を送信対象となる他車両毎に第1価値設定テーブル22A(図4参照)及び第2価値設定テーブル22B(図5参照)を用いて設定する。例えば、前記S6で交通情報を構成する対象物が左側路肩に駐車された駐車車両であることが検出され、且つ、送信対象となる他車両が同一車線の後方を45km/hで走行する乗用車であって、年齢35歳の運転者が運転し、また他車両の現在位置の住所が送信側の車両の県外である場合には、9点が当該他車両に対して送信する交通情報の情報価値として設定される。
ただし、異なる複数の他車両から所定間隔(例えば30秒)以内で、それぞれ交通情報が送信された場合には、送信されたそれぞれの交通情報を同時に液晶ディスプレイ6に表示するように構成することが望ましい。
また、他車両から交通情報が送信されると、液晶ディスプレイ6に自車両周辺の地図を表示するとともに、表示された地図上に自車両の周辺に係る交通情報(具体的には対象物の種類と位置に関する情報)を表示する(S323)ので、運転者は他車両で撮像した画像に基づいた自車周辺の交通情報を得ることができる。従って、道路が渋滞して自車の前後に近接して他の車両が走行又は停車している場合や、見通しの悪い道路を走行する場合等の限られた情報の中で運転を行う必要がある状況下でも、表示された交通情報を参照することにより運転者は適切な走行を行うことが可能となる。
また、受信した交通情報は高い情報価値が付加された交通情報を優先して表示する(図15(A)及び(B)参照)ので、多数の交通情報が出力された場合であっても、運転者は必要な交通情報を容易に把握することが可能となる。
更に、送信する交通情報の選別は交通情報を構成する対象物の状態と送信対象となる他車両の状態に基づいて行われるので、対象物の状態と他車両の状態とに応じた適確な情報の選別が可能となる。
例えば、第1乃至第3実施形態では、他車両から送信された交通情報を受信した際に、受信した交通情報を液晶ディスプレイ6に表示するように構成されているが、受信した時点では交通情報を表示せず、交通情報を構成する対象物の位置に所定距離(例えば50m)まで接近した際に表示するようにしても良い。
2 車両
3 通信装置
5 前方カメラ
6 液晶ディスプレイ
7 通信処理ECU
8 現在地検出部
11 GPS
21 CPU
22 ROM
23 RAM
41 撮像画像
65〜69 対象物マーク
70 対象物区間
71〜73 対象物移動エリア
Claims (4)
- 道路上を走行する複数の車両間において情報の通信を行う車車間通信システムにおいて、
前記車両は、
車両の周辺を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像した画像から車両の周辺に係る交通情報を抽出する交通情報抽出手段と、
他車両の状態を取得する状態取得手段と、
前記状態取得手段により取得された他車両の状態に基づいて前記交通情報抽出手段により抽出された交通情報に情報価値を設定する価値設定手段と、
前記価値設定手段によって設定された情報価値を付加した前記交通情報を前記他車両に対して送信する交通情報送信手段と、
他車両から送信された交通情報を受信する交通情報受信手段と、
前記交通情報受信手段によって受信した交通情報と前記交通情報に付加された情報価値に基づいて車両の周辺に係る交通情報を出力する交通情報出力手段と、
を有することを特徴とする車車間通信システム。 - 前記車両は前記価値設定手段によって設定された情報価値が所定価値以上であるか否かを判定する出力価値判定手段を有し、
前記交通情報出力手段は前記出力価値判定手段によって所定価値以上の情報価値であると判定された場合に前記情報価値が設定された交通情報を出力することを特徴とする請求項1に記載の車車間通信システム。 - 前記交通情報出力手段は高い情報価値が付加された交通情報を優先して出力することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車車間通信システム。
- 前記車両は前記撮像手段により撮像した画像から車両の周辺に位置する対象物の状態を検出する対象物状態検出手段を備え、
前記価値設定手段は前記他車両の状態とともに前記対象物状態検出手段により検出された対象物の状態に基づいて前記交通情報抽出手段により抽出された交通情報に情報価値を設定することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の車車間通信システム。
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