JP2007154016A - インクジェット用インクセット及びインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット用インクセット及びインクジェット記録方法 Download PDF

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勉 岩本
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Abstract

【課題】本発明の目的は、記録メディアへの多様性があり、フェザリング、ブリードが防止され、基材への接着性が高く印字品質の高いインクジェット用インクを提供することである。さらに、インク吸収性のないフィルムや明度の低い記録媒体に対しても、ベタ部すじやバンディングのない高精細な画像が得られるインクジェット用インクセットとそれを用いたインクジェット記録方法を提供することである。
【解決手段】少なくとも色剤と、水と、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物と、を含有したカラーインクと白インクからなるインクジェット用インクセットにおいて、該白インクの表面張力が該カラーインクの表面張力より高いことを特徴とするインクジェット用インクセット。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット用インク及びそれを用いたインクジェット記録方法に関するものであり、普通紙記録に際してフェザリングが良好で、さらにインク吸収性の少ない、又はインク吸収性のない媒体に対してはビーディングやカラーブリード等のない記録に適するインクジェット用インク及びそれを用いたインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方法は、比較的簡単な装置で、高精細な画像の記録が可能であり、各方面で急速な発展を遂げている。また、使用される用途も多岐にわたり、それぞれの目的にあった記録媒体あるいはインクが使用される。
特に、近年では記録速度の大幅な向上がみられ、軽印刷用途にも耐え得る性能を持つプリンタの開発も行われている。
しかしながら、インクジェットプリンタにおいてその性能を引き出すためにはインクの吸収性を付与したインクジェット専用紙が必要である。
インクの吸収性があまり無いコート紙やアート紙、もしくは吸収性の全くないプラスチックフイルム上に記録する際には、異色インク液体同士が記録媒体上で混ざり色濁りを起こすいわゆるブリード等の課題があり、インクジェットに対して記録媒体の多様性をもたせる上で課題となっていた。
上記の課題において、室温において固体のワックス等を素材とするホットメルト型インク組成物を用い、加熱等により液化し、何らかのエネルギーを加えて噴射させ、記録媒体上に付着しつつ冷却固化して記録ドットを形成するホットメルト型インクジェット記録方法が提案されている。
このインクは室温で固体であるために取り扱い時に汚れることが無く、また、溶融時のインク蒸発量が実質無いためノズルの目詰まりがない。さらに、付着後直ちに固化するため色にじみも少なく、紙質に関係なく良好な印刷品質を提供するインク組成物が提案されている(特許文献1、2参照)。
しかしながらこのような方法で記録された画像は、インクドットが柔らかいワックス状であるため、ドットの盛り上がりに起因する品質の劣化や、擦過性能の不足等の課題があった。
一方、紫外線を露光することにより硬化するインクジェット記録用インクが開示されている(特許文献3参照)。また、顔料が必須に含有され、かつ重合性材料として三官能以上のポリアクリレートが必須とされており、かつ、ケトン、アルコールを主溶剤とするいわゆる非水系インクが提案されている(特許文献4参照)。
また、水系の紫外線重合モノマーを用いたインクが提案されている(特許文献5参照)。
これらの方法では、インク自身を硬化成分により硬化させるため非吸収性の媒体に対しても記録が可能となったが、色剤以外の硬化成分が多量に含有し、かつ揮発しないため記録面がインクドットにより盛り上がり、画質、特に光沢の不自然さを生じさせた。
さらに、従来公知の硬化成分に対しては安全上の懸念点があり、たとえ安全性をクリアしたとしても物質選択の狭さがあり素材、物性の自由な設計を行えないという課題があった。
ところで、透明な記録媒体(基材)に反射画像を形成する方法として、白インクとカラーインクを用いて印刷を行う場合、まず透明基材上に白インクで白地を形成した上からイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどのカラーインクで画像を形成し、最終画像を印字面から見る「表刷り」と、透明基材上にカラーインクで画像を形成した上から白インクを重ね、最終画像を透明基材を介して見る「裏刷り」と呼ばれる方法がある。
インクジェット記録方式でも白インクとカラーインクを用いることにより、同様にこれらの画像を作製することが可能であり、インクジェット用白インクは透明な記録媒体や明度が低い記録媒体に対して良好な視認性を有し、特にカラーインクと併用することで、白色媒体に記録するときと同様の鮮明なフルカラー画像を得ることができる有効な方法である。
その場合、ドットにより画像を作製するインクジェット記録方法においては、より高精細な画像を作製するために、カラーインクは基材上で解像度に合わせたドットサイズを保つ必要がある。特に表刷りのような白インクの上にカラーインクをのせる場合、白インクの特性によってカラーインクのドット径が左右される。カラーインクのドット径が解像度に合わせたドットサイズより小さくなってしまうと、ドット間に隙間が発生し、画像欠陥となる。
一方、インク吸収性のないフィルムや金属などの記録媒体に固着し、印字できるインクジェット用インクとして、着色剤(色材)、紫外線硬化剤、光重合開始剤等を含んでなる紫外線硬化型インク組成物がある。これらの着色剤として白色顔料である酸化チタンを用いた紫外線硬化型インクジェット用白色インクが提案されている(例えば、特許文献6、7参照。)。しかし、これらはカラーインクと組み合わせて用いることを前提としておらず、白インクとカラーインクを用いて視認性のある鮮明なフルカラー画像を得るための、最適な組み合わせに関して記載されていない。
米国特許第4,391,369号明細書 米国特許第4,484,948号明細書 米国特許第4,228,438号明細書 特公平5−64667号公報 特開平7−224241号公報 特開2000−336295号公報(特許請求の範囲) 特開2001−207098号公報(実施例)
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、記録メディアへの多様性があり、フェザリング、ブリードが防止され、基材への接着性が高く印字品質の高いインクジェット用インクを提供することである。
さらに、インク吸収性のないフィルムや明度の低い記録媒体に対しても、ベタ部すじやバンディングのない高精細な画像が得られるインクジェット用インクセットとそれを用いたインクジェット記録方法を提供することである。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
1.少なくとも色剤と、水と、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物と、を含有したカラーインクと白インクからなるインクジェット用インクセットにおいて、該白インクの表面張力が該カラーインクの表面張力より高いことを特徴とするインクジェット用インクセット。
2.インクジェット記録装置により記録媒体上に、先に1に記載の白インクを噴射し、活性エネルギー線を照射して硬化させた後、1に記載のカラーインクを該記録媒体上の白インク層の上から噴射して、活性エネルギー線を照射して硬化させ、画像を形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
3.前記白インクの表面張力が、カラーインクの中で最も表面張力の高いインクより0.5〜5mN/m高いことを特徴とする1または2に記載のインクジェット用インクセット。
4.前記白インクが着色剤として酸化チタンを含有していることを特徴とする1〜3の何れか1項に記載のインクジェット用インクセット。
5.前記カラーインク及び白インクの表面張力が20〜60mN/mであることを特徴とする1〜4の何れか1項に記載のインクジェット用インクセット。
6.前記高分子化合物をインク全質量に対して、0.8〜5.0質量%含有することを特徴とする1〜5の何れか1項に記載のインクジェット用インクセット。
7.前記親水性主鎖がポリ酢酸ビニルのケン化物であり、かつケン化度が77〜99%、重合度が200〜4000であることを特徴とする1〜6の何れか1項に記載のインクジェット用インクセット。
8.前記親水性主鎖に対する前記側鎖の変性率が0.8モル%以上4モル%以下であることを特徴とする1〜7の何れか1項に記載のインクジェット用インクセット。
9.インクジェット記録ヘッドより、1〜8のいずれか1項に記載のインクジェット用インクセットを用い記録媒体上にインクを噴射し、該記録媒体上に印刷を行う画像形成方法であって、該インクが着弾した後、0.001〜1.0秒の間に活性光線を照射することを特徴とするインクジェット記録方法。
10.インクジェット記録ヘッドより、1〜8のいずれか1項に記載のインクジェット用インクセットを記録媒体上に吐出し、活性エネルギー線を照射後、乾燥させることを特徴とするインクジェット記録方法。
本発明によれば、記録メディアへの多様性があり、フェザリング、ブリードが防止され、基材への接着性が高く印字品質の高いインクジェット用インクを提供することができる。
さらに、インク吸収性のないフィルムや明度の低い記録媒体に対しても、ベタ部すじやバンディングのない高精細な画像が得られるインクジェット用インクセットとそれを用いたインクジェット記録方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明するが、本発明はこれらに限定されない。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明のカラーインクと白インクからなるインクジェット用インクセットは、少なくとも色剤と、水と、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物を含有させるが、本発明に用いられる高分子化合物は硬化感度が高く、少量で十分であり、インクの大部分が水等の乾燥成分からなるため、硬化乾燥後のドットが盛り上がることがなく、画質表面は平滑で光沢性に優れた画像が提供できる。
又、インク吸収性のないフィルムや明度の低い記録媒体に対して、白インクを先に記録媒体上に吐出硬化させた後、該白インク層上にカラーインクを吐出印画し硬化させる方法は、良好な視認性を有し、白色媒体に記録するときと同様の鮮明なフルカラー画像を得ることができる有効な方法である。この時、白インクの表面張力がカラーインクの表面張力よりも低い場合には、白インクの上にカラーインクをのせると、インク滴の濡れ性が悪く、ドットが埋まらず画像欠陥となる。本発明の、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物を含有するインクにおいて、白インクの表面張力をカラーインクの表面張力よりも高くすることで、白インクの上にカラーインクを印字する場合に、カラーインクのドットの濡れ性が良くなり、カラーインクの解像度に合わせた最適なドット径で着弾するため、ベタ部でのすじやバンディングもない高精細な画像を得られることを見出し、本発明に至った次第である。
さらに、カラーインクの印字後、活性エネルギー線照射時の硬化感度は、白インク層による活性エネルギー線の反射により、さらに硬化感度が上昇し、ラインヘッド等の高速印字にも対応可能となることが判明した。
〔インクの表面張力〕
本発明で規定するインクの表面張力値は、表面張力計(例えば、協和界面科学製:CBVP−Z)を用いて、白金プレート法により温度25℃における静的表面張力値(mN/m)として求めることができる。また、活性光線の照射により硬化したインクの表面張力値は、硬化後のインク画像面に水、沃化メチレン及びニトロメタンによる各々の接触角を測定した後、日本接着学会誌、8巻、131頁(1972)に記載の計算式に従って計算し、インク画像の固体表面張力値(mN/m)を求めることができる。
本発明において、上記で規定する出射前のインクの表面張力と、活性光線の照射により硬化したインクの表面張力を本発明で規定する条件とする手段としては特に制限はないが、界面活性剤の種類や添加量、あるいは上記説明した顔料分散剤の種類や添加量、重合性成分の種類や添加量、重合開始剤の種類や添加量を適宜調整することにより、実現することができる。
本発明のカラーインクと白インクの表面張力は20〜60mN/mに調整されることが好ましく、特に好ましくはカラーインクでは25〜45mN/m、白インクでは30〜50mN/mである。
表面張力が20mN/mよりも小さいと、インクジェット用ヘッドの吐出ノズルの先端面へインクが濡れ広がりやすくなり、出射曲がりやサテライト(微小な余滴)が発生したり、あるいはノズル欠の原因となることがある。一方、60mN/mよりも大きいと、記録メディア、特にインク吸収性のないフィルムや明度の低い記録媒体の表面張力値は低いため、インク滴の接触角が大きくなり、記録メディアへの濡れ性が悪く、付着性及び接着性が悪くなることがある。
本発明において、白インクの表面張力が、カラーインクの中で最も表面張力の高いインクより0.5〜5mN/m高いことが好ましい。0.5mN/mよりも小さいと、白インクの表面張力に対しカラーインクの表面張力は、ほぼ同等に近くなり、インクの固体表面への湿潤張力が小さくなるので、接触角が大きくなり固体表面への濡れ性が悪くなることがある。一方、5mN/mよりも大きいと、逆にインクの固体表面への湿潤張力が大きくなり、そのため固体表面への接触角が小さくなりすぎて、濡れ広がりが必要以上に大きくなりカラーインクのドット径が解像度に合わせたドットサイズより大きくなって、高精細な画像が得られなくなることがある。
〈活性エネルギー線架橋性高分子化合物〉
本発明に係る親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物とは、ポリ酢酸ビニルのケン化物、ポリビニルアセタール、ポリエチレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、または前記親水性樹脂の誘導体、ならびにこれらの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種の親水性樹脂に対して、側鎖に光二量化型、光分解型、光重合型、光変性型、光解重合型等の変性基を導入したものである。光重合型の架橋性基が感度、生成される画像の性能の観点から望ましい。
親水性主鎖においては、側鎖の導入に対する簡便性や、取り扱いの観点からポリ酢酸ビニルのケン化物が好ましく、その重合度は200以上4000以下が好ましく、200以上2000以下がハンドリングの観点からより好ましい。主鎖に対する側鎖の変性率は0.3モル%以上4モル%以下が好ましく、0.8モル%以上4モル%以下が反応性の観点からより好ましい。0.3モル%より小さいと架橋性が不足し本発明の効果が小さくなり、4モル%より大きいと架橋密度が大きくなり硬くてもろい膜となり、膜の強度が落ちてしまう。
光二量化型の変性基としては、ジアゾ基、シンナモイル基、スチルバゾニウム基、スチルキノリウム基等を導入したものが好ましく、例えば、特開昭60−129742号公報等の公報に記載された感光性樹脂(組成物)が挙げられる。
特開昭60−129742号公報記載の感光性樹脂は、ポリビニルアルコール構造体中にスチルバゾニウム基を導入した下記一般式(1)で表される化合物である。
Figure 2007154016
式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を表し、A-はカウンターアニオンを表す。
特開昭56−67309号公報記載の感光性樹脂は、ポリビニルアルコール構造体中に、下記一般式(2)で表される2−アジド−5−ニトロフェニルカルボニルオキシエチレン構造、または、下記一般式(3)で表され、4−アジド−3−ニトロフェニルカルボニルオキシエチレン構造を有する樹脂組成物である。
Figure 2007154016
また、下記一般式(4)で表される変性基も好ましく用いられる。
Figure 2007154016
式中、Rはアルキレン基または芳香族環を表す。好ましくはベンゼン環である。
光重合型の変性基としては、例えば、特開2000−181062号、特開2004−189841号に示される下記一般式(5)で表される樹脂が反応性との観点から好ましい。
Figure 2007154016
式中、R2はメチル基または水素原子を表し、nは1または2を表し、Xは−(CH2m−COO−または−O−を表し、Yは芳香族環または単結合手を表し、mは0〜6までの整数を表す。
また、特開2004−161942号公報に記載されている光重合型の下記一般式(6)で表される変性基を、従来公知の水溶性樹脂に用いることも好ましい。
Figure 2007154016
式中、R3はメチル基または水素原子を表し、R4は炭素数2〜10の直鎖状または分岐状のアルキレン基を表す。
このような活性エネルギー線架橋型の樹脂は、インク全質量に対して0.8質量%から5.0質量%含有することが、好ましい。0.8質量%以上存在することで、架橋効率が向上し、架橋後のインク粘度の急激な上昇によりビーディングやカラーブリードがより好ましくなる。5.0質量%以下の場合は、インク物性やインクヘッド内状態に悪影響しにくくなり、出射性やインク保存性の観点で好ましい。
本発明の活性エネルギー線架橋型の樹脂においては、元々ある程度の重合度をもった主鎖に対して側鎖間で架橋結合を介して架橋をするため、一般的な連鎖反応を介して重合する活性エネルギー線硬化型の樹脂に対して光子一つ当たりの分子量増加効果が著しく大きい。一方、従来公知の活性エネルギー線硬化型の樹脂においては架橋点の数は制御不可能であるため硬化後の膜の物性をコントロールすることができず、硬くてもろい膜となりやすい。
本発明に用いられる樹脂においては架橋点の数は親水性主鎖の長さと、側鎖の導入量で完全に制御でき、目的に応じたインク膜の物性制御が可能である。
さらに、従来公知の活性エネルギー線硬化型インクが色剤以外のほぼ全量が硬化性分であり、そのため硬化後のドットが盛り上がり、光沢に代表される画質に劣ることに対し、本発明に用いられる樹脂においては必要量が少量ですみ、乾燥成分が多いため乾燥後の画質の向上が図られ、かつ定着性も良い。
(光重合開始剤、増感剤)
本発明においては、光重合開始剤や増感剤を添加するのも好ましい。これらの化合物は溶媒に溶解、または分散した状態か、もしくは感光性樹脂に対して化学的に結合されていてもよい。
適用される光重合開始剤、光増感剤について特に制限はなく、従来公知の物を用いることができる。
適用される光重合開始剤、光増感剤について特に制限はないが、水溶性の物が混合性、反応効率の観点から好ましい。特に4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(HMPK)、チオキサントンアンモニウム塩(QTX)、ベンゾフェノンアンモニウム塩(ABQ)が水系溶媒への混合性という観点で好ましい。
さらに、樹脂との相溶製の観点から下記一般式(7)で表される4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(n=1、HMPK)や、そのエチレンオキシド付加物(n=2〜5)がより好ましい。
Figure 2007154016
式中、nは1〜5の整数を表す。
また、他には一例としベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ビス−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン、ビス−N,N−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類。チオキサトン、2、4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、イソプロポキシクロロチオキサントン等のチオキサントン類。エチルアントラキノン、ベンズアントラキノン、アミノアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン類。アセトフェノン類。ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル類。2,4,6−トリハロメチルトリアジン類、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール2量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体の2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体、ベンジルジメチルケタール、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、フェナントレンキノン、9,10−フェナンスレンキノン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等ベンゾイン類、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、ビスアシルフォスフィンオキサイド、及びこれらの混合物等が好ましく用いられ、上記は単独で使用しても混合して使用してもかまわない。
これらの光重合開始剤に加え、促進剤等を添加することもできる。これらの例として、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
これらの光重合開始剤は親水性主鎖に対して、側鎖にグラフト化されていても好ましい。
(活性エネルギー線、照射方法)
本発明でいう活性エネルギー線とは、例えば電子線、紫外線、α線、β線、γ線、エックス線等が上げられるが、人体への危険性や、取り扱いが容易で、工業的にもその利用が普及している電子線や紫外線が好ましい。
電子線を用いる場合には、照射する電子線の量は0.1〜30Mradの範囲が望ましい。0.1Mrad未満では十分な照射効果が得られず、30Mradを越えると支持体等を劣化させる可能性があるため、好ましくない。
紫外線を用いる場合は、光源として例えば0.1kPaから1MPaまでの動作圧力を有する低圧、中圧、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプや紫外域の発光波長を持つキセノンランプ、冷陰極管、熱陰極管、LED等従来公知の物が用いられる。
(インク着弾後の光照射条件)
活性光線の照射条件として、インク着弾後0.001〜1.0秒の間に活性光線が照射されることが好ましく、より好ましくは0.001〜0.5秒である。高精細な画像を形成するためには、照射タイミングができるだけ早いことが特に重要となる。
本発明の光照射条件としては、インクジェット記録装置により記録媒体上に、先に白インクを噴射し、該インクが着弾した後、0.001〜1.0秒の間に活性光線を照射して硬化させた後、カラーインクを該記録媒体上の白インク層の上から噴射して、該インクが着弾した後、0.001〜1.0秒の間に活性エネルギー線を照射して硬化させる方法が好ましい。
(ランプの設置)
活性光線の照射方法として、その基本的な方法が特開昭60−132767号に開示されている。これによると、ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射は、インク着弾後、一定時間を置いて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。米国特許第6,145,979号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されている。本発明の画像形成方法においては、これらの何れの照射方法も用いることができる。
〔着色剤〕
本発明のインクジェット用インクに用いられる色材としては、染料または顔料を用いることが好ましい。
(染料)
本発明で用いることのできる染料としては、特に制限はなく、酸性染料、直接染料、反応性染料等の水溶性染料、分散染料等が挙げられる。
以下、本発明のインクジェット用インクに適用可能な染料の具体例を列挙するが、本発明では、これら例示する染料にのみ限定されるものではない。
[水溶性染料]
本発明で用いることのできる水溶性染料としては、例えば、アゾ染料、メチン染料、アゾメチン染料、キサンテン染料、キノン染料、フタロシアニン染料、トリフェニルメタン染料、ジフェニルメタン染料等を挙げることができる。
〈C.I.アシッドイエロー〉
1、3、11、17、18、19、23、25、36、38、40、42、44、49、59、61、65、67、72、73、79、99、104、110、114、116、118、121、127、129、135、137、141、143、151、155、158、159、169、176、184、193、200、204、207、215、219、220、230、232、235、241、242、246、
〈C.I.アシッドオレンジ〉
3、7、8、10、19、24、51、56、67、74、80、86、87、88、89、94、95、107、108、116、122、127、140、142、144、149、152、156、162、166、168、
〈C.I.アシッドレッド〉
88、97、106、111、114、118、119、127、131、138、143、145、151、183、195、198、211、215、217、225、226、249、251、254、256、257、260、261、265、266、274、276、277、289、296、299、315、318、336、337、357、359、361、362、364、366、399、407、415、
〈C.I.アシッドバイオレット〉
17、19、21、42、43、47、48、49、54、66、78、90、97、102、109、126、
〈C.I.アシッドブルー〉
1、7、9、15、23、25、40、62、72、74、80、83、90、92、103、104、112、113、114、120、127、128、129、138、140、142、156、158、171、182、185、193、199、201、203、204、205、207、209、220、221、224、225、229、230、239、249、258、260、264、278、279、280、284、290、296、298、300、317、324、333、335、338、342、350、
〈C.I.アシッドグリーン〉
9、12、16、19、20、25、27、28、40、43、56、73、81、84、104、108、109、
〈C.I.アシッドブラウン〉
2、4、13、14、19、28、44、123、224、226、227、248、282、283、289、294、297、298、301、355、357、413、 〈C.I.アシッドブラック〉
1、2、3、24、26、31、50、52、58、60、63、107、109、112、119、132、140、155、172、187、188、194、207、222、
〈C.I.ダイレクトイエロー〉
8、9、10、11、12、22、27、28、39、44、50、58、79、86、87、98、105、106、130、132、137、142、147、153、
〈C.I.ダイレクトオレンジ〉
6、26、27、34、39、40、46、102、105、107、118、
〈C.I.ダイレクトレッド〉
2、4、9、23、24、31、54、62、69、79、80、81、83、84、89、95、212、224、225、226、227、239、242、243、254、
〈C.I.ダイレクトバイオレット〉
9、35、51、66、94、95、
〈C.I.ダイレクトブルー〉
1、15、71、76、77、78、80、86、87、90、98、106、108、160、168、189、192、193、199、200、201、202、203、218、225、229、237、244、248、251、270、273、274、290、291、
〈C.I.ダイレクトグリーン〉
26、28、59、80、85、
〈C.I.ダイレクトブラウン〉
44、106、115、195、209、210、222、223、
〈C.I.ダイレクトブラック〉
17、19、22、32、51、62、108、112、113、117、118、132、146、154、159、169、
〈C.I.ベイシックイエロー〉
1、2、11、13、15、19、21、28、29、32、36、40、41、45、51、63、67、70、73、91、
〈C.I.ベイシックオレンジ〉
2、21、22、
〈C.I.ベイシックレッド〉
1、2、12、13、14、15、18、23、24、27、29、35、36、39、46、51、52、69、70、73、82、109、
〈C.I.ベイシックバイオレット〉
1、3、7、10、11、15、16、21、27、39、
〈C.I.ベイシックブルー〉
1、3、7、9、21、22、26、41、45、47、52、54、65、69、75、77、92、100、105、117、124、129、147、151、
〈C.I.ベイシックグリーン〉
1、4、
〈C.I.ベイシックブラウン〉
1、
〈C.I.リアクティブイエロー〉
2、3、7、15、17、18、22、23、24、25、27、37、39、42、57、69、76、81、84、85、86、87、92、95、102、105、111、125、135、136、137、142、143、145、151、160、161、165、167、168、175、176、
〈C.I.リアクティブオレンジ〉
1、4、5、7、11、12、13、15、16、20、30、35、56、64、67、69、70、72、74、82、84、86、87、91、92、93、95、107、
〈C.I.リアクティブレッド〉
2、3、5、8、11、21、22、23、24、28、29、31、33、35、43、45、49、55、56、58、65、66、78、83、84、106、111、112、113、114、116、120、123、124、128、130、136、141、147、158、159、171、174、180、183、184、187、190、193、194、195、198、218、220、222、223、228、235、
〈C.I.リアクティブバイオレット〉
1、2、4、5、6、22、23、33、36、38、
〈C.I.リアクティブブルー〉
2、3、4、5、7、13、14、15、19、21、25、27、28、29、38、39、41、49、50、52、63、69、71、72、77、79、89、104、109、112、113、114、116、119、120、122、137、140、143、147、160、161、162、163、168、171、176、182、184、191、194、195、198、203、204、207、209、211、214、220、221、222、231、235、236、
〈C.I.リアクティブグリーン〉
8、12、15、19、21、
〈C.I.リアクティブブラウン〉
2、7、9、10、11、17、18、19、21、23、31、37、43、46、
〈C.I.リアクティブブラック〉
5、8、13、14、31、34、39、
〈C.I.フードブラック〉
1、2、
等を挙げることができる。
更に、染料として、下記一般式(8)で表される化合物または一般式(9)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2007154016
上記一般式(8)において、R1は水素原子または置換可能な置換基を表し、水素原子またはフェニルカルボニル基が好ましい。R2は異なってもよく水素原子または置換可能な置換基を表し、水素原子が好ましい。R3は水素原子または置換可能な置換基を表し、水素原子またはアルキル基が好ましい。R4は水素原子または置換可能な置換基を表し、水素原子、アリールオキシ基が好ましい。R5は異なってもよく水素原子または置換可能な置換基を表し、スルホン酸基が好ましい。nは1〜4の整数を表し、mは1〜5の整数を表す。
上記一般式(9)において、Xはフェニル基またはナフチル基を表し、置換可能な置換基で置換されていてもよく、スルホン酸基またはカルボキシル基で置換されていることが好ましい。Yは水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、アンモニウムイオンまたはアルキルアンモニウムイオンを表す。Reは異なってもよく水素原子またはナフタレン環に置換可能な置換基を表す。qは1または2を表す。pは1〜4の整数を表す。ただし、q+p=5である。Zは置換可能な置換基を表し、カルボニル基、スルホニル基または下記一般式(10)で表される基を表し、特に、下記一般式(10)で表される基が好ましい。
Figure 2007154016
上記一般式(10)において、W1、W2はそれぞれ異なっていてもよいハロゲン原子、アミノ基、水酸基、アルキルアミノ基またはアリールアミノ基を表し、ハロゲン原子、水酸基またはアルキルアミノ基が好ましい。
[分散染料]
また、分散染料としては、アゾ系分散染料、キノン系分散染料、アントラキノン系分散染料、キノフタロン系分散染料等種々の分散染料を用いることができ、以下にその具体的化合物を挙げる。
〈C.I.Disperse Yellow〉
3、4、5、7、9、13、23、24、30、33、34、42、44、49、50、51、54、56、58、60、63、64、66、68、71、74、76、79、82、83、85、86、88、90、91、93、98、99、100、104、108、114、116、118、119、122、124、126、135、140、141、149、160、162、163、164、165、179、180、182、183、184、186、192、198、199、202、204、210、211、215、216、218、224、227、231、232、
〈C.I.Disperse Orange〉
1、3、5、7、11、13、17、20、21、25、29、30、31、32、33、37、38、42、43、44、45、47、48、49、50、53、54、55、56、57、58、59、61、66、71、73、76、78、80、89、90、91、93、96、97、119、127、130、139、142、
〈C.I.Disperse Red〉
1、4、5、7、11、12、13、15、17、27、43、44、50、52、53、54、55、56、58、59、60、65、72、73、74、75、76、78、81、82、86、88、90、91、92、93、96、103、105、106、107、108、110、111、113、117、118、121、122、126、127、128、131、132、134、135、137、143、145、146、151、152、153、154、157、159、164、167、169、177、179、181、183、184、185、188、189、190、191、192、200、201、202、203、205、206、207、210、221、224、225、227、229、239、240、257、258、277、278、279、281、288、298、302、303、310、311、312、320、324、328、
〈C.I.Disperse Violet〉
1、4、8、23、26、27、28、31、33、35、36、38、40、43、46、48、50、51、52、56、57、59、61、63、69、77、
〈C.I.Disperse Green〉
9、
〈C.I.Disperse Brown〉
1、2、4、9、13、19、
〈C.I.Disperse Blue〉
3、7、9、14、16、19、20、26、27、35、43、44、54、55、56、58、60、62、64、71、72、73、75、79、81、82、83、87、91、93、94、95、96、102、106、108、112、113、115、118、120、122、125、128、130、139、141、142、143、146、148、149、153、154、158、165、167、171、173、174、176、181、183、185、186、187、189、197、198、200、201、205、207、211、214、224、225、257、259、267、268、270、284、285、287、288、291、293、295、297、301、315、330、333、
〈C.I.Disperse Black〉
1、3、10、24
等が挙げられる。
《顔料》
本発明に使用できる顔料としては、従来公知の有機及び無機顔料が使用できるが、アニオン性顔料である。例えばアゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料や、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサンジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロニ顔料等の多環式顔料や、酸性染料型レーキ等の染料レーキや、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、カーボンブラック等の無機顔料が挙げられる。
具体的な有機顔料を以下に例示する。
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
[白色インク用顔料]
本発明に係る白インクに用いられる着色剤としては、無機及び/または有機の白色顔料を用いることができる。無機の白色顔料としては、硫酸バリウム等のアルカリ土類金属の硫酸塩、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩、微粉ケイ酸、合成ケイ酸塩等のシリカ類、ケイ酸カルシウム、アルミナ、アルミナ水和物、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、クレイ等が挙げられる。隠蔽性や着色力の点から酸化チタンが好ましい。
有機白色顔料としては、特開平11−129613号公報に示される有機化合物塩や特開平11−140365号公報、特開2001−234093号公報に示されるアルキレンビスメラミン誘導体が挙げられる。上記白色顔料の具体的な商品としては、ShigenoxOWP、ShigenoxOWPL、ShigenoxFWP、ShigenoxFWG、ShigenoxUL、ShigenoxU(以上、ハッコールケミカル社製、何れも商品名)などが挙げられる。
〔酸化チタン〕
酸化チタンには、アナターゼ型、ルチル型及びブルーカイト型の3つの結晶形態があるが、汎用なものとしてはアナターゼ型とルチル型に大別できる。アナターゼ型は比重が小さく小粒径化しやすく、一方ルチル型は屈折率が大きく隠蔽性が高い。本発明においては、いずれを用いてもよいが、それぞれの特徴を生かし、用途に応じて選択することが好ましい。比重が小さく小粒径化しやすいアナターゼ型を用いることで、より分散安定性やインク保存性、出射性が良好になる。また、異なる結晶形態を2種以上用いてもよく、アナターゼ型と着色力の高いルチル型を併用することで酸化チタンの添加量を減らすことができ、インクの保存性や出射性が良好になる。
酸化チタンの表面処理方法としては、水系処理、気相処理等が行われるが、表面処理剤としては一般的にアルミナ・シリカ処理が使用され、未処理、アルミナ処理、アルミナ・シリカ処理のものがある。
顔料の分散方法としては、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の各種分散機を用いることができる。また、顔料分散体の粗粒分を除去する目的で、遠心分離装置を使用すること、フィルターを使用することも好ましい。
本発明に係るインクにおいては、顔料表面にスルホン酸、カルボン酸等の極性基をペンダントした自己分散顔料、あるいは高分子分散剤を用いて分散した顔料が好ましい。
本発明において、高分子分散剤としては、特に制限はなく、水溶性樹脂または非水溶性樹脂が用いられる。これらの高分子としては、例えば、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、メタクリル酸、メタクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマル酸、フマル酸誘導体から選ばれた単一の単量体からなる重合体、あるいは2種以上の単量体からなる共重合体およびこれらの塩を挙げることができる。またポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体、ゼラチン、ポリエチレングリコールなどの水溶性高分子も用いることができる。
これら水溶性樹脂のインク全量に対する含有量としては、0.1〜10質量%が好ましく、更に好ましくは、0.3〜5質量%である。また、これらの水溶性樹脂は二種以上併用することも可能である。
本発明のインクジェット用インクに使用する顔料分散体の平均粒径は、500nm以下が好ましく200nm以下がより好ましく、10nm以上、200nm以下であることが好ましく、10nm以上、150nm以下がより好ましい。顔料分散体の平均粒径が500nmを越えると、分散が不安定となり。また、顔料分散体の平均粒径が10nm未満になっても顔料分散体の安定性が悪くなりやすく、インクの保存安定性が劣化しやすくなる。
顔料分散体の粒径測定は、光散乱法、電気泳動法、レーザードップラー法等を用いた市販の粒径測定機器により求めることが出来る。また、透過型電子顕微鏡による粒子像撮影を少なくとも100粒子以上に対して行い、この像をImage−Pro(メディアサイバネティクス製)等の画像解析ソフトを用いて統計的処理を行うことによっても求めることが可能である。
顔料の分散方法としては、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等各種を用いることができる。
〈水溶性溶媒〉
本発明において、溶媒としては、水性液媒体が好ましく用いられ、前記水性液媒体としては、水及び水溶性有機溶剤等の混合溶媒が更に好ましく用いられる。好ましく用いられる水溶性有機溶剤の例としては、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド)等が挙げられる。
〈界面活性剤〉
本発明のインクに好ましく使用される界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。
これらの界面活性剤は顔料の分散剤としても用いることが出来、特にアニオン性及びノニオン性界面活性剤を好ましく用いることができる。
〈各種添加剤〉
本発明においては、その他に従来公知の添加剤を含有することができる。例えば蛍光増白剤、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤、水溶性多価金属塩、酸塩基、緩衝液等pH調整剤、酸化防止剤、表面張力調整剤、非抵抗調整剤、防錆剤、無機顔料等である。
〈記録用紙〉
紙には、塗工紙、非塗工紙があり、塗工紙としては、1m2あたりの塗工量が片面20g前後のアート紙、1m2あたりの塗工量が片面10g前後のコート紙、1m2あたりの塗工量が片面5g前後の軽量コート紙、微塗工紙、マット調仕上げのマットコート紙、ダル調仕上げのダルコート紙、新聞用紙などを挙げることが出来る。非塗工紙としては、化学パルプ100%使用の印刷用紙A、化学パルプ70%以上使用の印刷用紙B、化学パルプ40%以上70%未満使用の印刷用紙C、化学パルプ40%未満使用の印刷用紙D、機械パルプを含有しカレンダー処理を行ったグラビア用紙などを挙げることが出来る。更に詳しくは、「最新紙加工便覧」紙加工便覧編集委員会編、テックタイムス発行、「印刷工学便覧」日本印刷学会編、などに詳細に記載されている。
普通紙とは、非塗工用紙、特殊印刷用紙及び情報用紙の一部に属す、80〜200μmの非コート紙が用いられる。本発明で用いられる普通紙としては、例えば、上級印刷紙、中級印刷紙、下級印刷紙、薄様印刷紙、微塗工印刷用紙、色上質紙等特殊印刷用紙、フォーム用紙、PPC用紙、その他情報用紙等があり、具体的には下記する用紙及びこれらを用いた各種の変性/加工用紙があるが、本発明は特にこれらに限定されるものではない。上質紙及び色上質紙、再生紙、複写用紙・色もの、OCR用紙、ノーカーボン紙・色もの、ユポ60、80、110ミクロン、ユポコート70、90ミクロン等の合成紙、その他片面アート紙68kg、コート紙90kg、フォームマット紙70、90、110kg、発泡PET38ミクロン、みつおりくん(以上、小林記録紙)、OK上質紙、ニューOK上質紙、サンフラワー、フェニックス、OKロイヤルホワイト、輸出上質紙(NPP、NCP、NWP、ロイヤルホワイト)OK書籍用紙、OKクリーム書籍用紙、クリーム上質紙、OK地図用紙、OKいしかり、きゅうれい、OKフォーム、OKH、NIP−N(以上、新王子製紙)、金王、東光、輸出上質紙、特需上質紙、書籍用紙、書籍用紙L、淡クリーム書籍用紙、小理教科書用紙、連続伝票用紙、上質NIP用紙、銀環、金陽、金陽(W)、ブリッジ、キャピタル、銀環書籍、ハープ、ハープクリーム、SKカラー、証券用紙、オペラクリーム、オペラ、KYPカルテ、シルビアHN、エクセレントフォーム、NPIフォームDX(以上、日本製紙)、パール、金菱、ウスクリーム上質紙、特製書籍用紙、スーパー書籍用紙、書籍用紙、ダイヤフォーム、インクジェットフォーム(以上、三菱製紙)、金毯V、金毯SW、白象、高級出版用紙、クリーム金毯、クリーム白象、証券・金券用紙、書籍用紙、地図用紙、複写用紙、HNF(以上、北越製紙)しおらい、電話帳表紙、書籍用紙、クリームしおらい、クリームしおらい中ラフ、クリームしおらい大ラフ、DSK(以上、大昭和製紙)、せんだいMP上質紙、錦江、雷鳥上質、掛紙、色紙原紙、辞典用紙、クリーム書籍、白色書籍、クリーム上質紙、地図用紙、連続伝票用紙(以上、中越パルプ)、OP金桜(チューエツ)、金砂、参考書用紙、交換証用紙(白)、フォーム印刷用紙、KRF、白フォーム、カラーフォーム、(K)NIP、ファインPPC、紀州インクジェット用紙(以上、紀州製紙製)、たいおう、ブライトフォーム、カント、カントホワイト、ダンテ、CM用紙、ダンテコミック、ハイネ、文庫本用紙、ハイネS、ニューAD用紙、ユトリロエクセル、エクセルスーパーA、カントエクセル、エクセルスーパーB、ダンテエクセル、ハイネエクセル、エクセルスーパーC、エクセルスーパーD、ADエクセル、エクセルスーパーE、ニューブライトフォーム、ニューブライトNIP(以上、大王製紙製)、日輪、月輪、雲嶺、銀河、白雲、ワイス、月輪エース、白雲エース、雲岑エース(以上、日本紙業製)、たいおう、ブライトフォーム、ブライトニップ(以上、名古屋パルプ)、牡丹A、金鳩、特牡丹、白牡丹A、白牡丹C、銀鳩、スーパー白牡丹A、淡クリーム白牡丹、特中質紙、白鳩、スーパー中質紙、青鳩、赤鳩、金鳩Mスノービジョン、スノービジョン、金鳩スノービジョン、白鳩M、スーパーDX、はまなすO、赤鳩M、HKスーパー印刷紙(以上、本州製紙製)、スターリンデン(A・AW)、スターエルム、スターメイプル、スターローレル、スターポプラ、MOP、スターチェリーI、チェリーIスーパー、チェリーIIスーパー、スターチェリーIII、スターチェリーIV、チェリーIIIスーパー、チェリーIVスーパー(以上、丸住製紙製)、SHF(以上、東洋パルプ製)、TRP(以上、東海パルプ製)等が挙げられる。
〈各種フィルム〉
各種フィルムとしては、一般的に使用されているものはすべて使用できる。例えば、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルムなどがある。また、写真用印画紙であるレジンコートペーパーや合成紙であるユポ紙なども使用できる。
〈各種インクジェット用記録媒体〉
各種インクジェット用記録媒体としては、基材に吸収性支持体や非吸収性支持体を用いて、表面にインク受容層が形成されたものである。インク受容層としては、コート層、膨潤層、微細空隙層からなるものがある。
膨潤層は水溶性ポリマーからなるインク受容層が膨潤することでインクを吸収する。微細空隙層は2次粒径が20〜200nm程度の無機あるいは有機微粒子とバインダーからなり、100nm程度の微細な空隙がインクを吸収する。
近年は、基材に、紙基材の両面をオレフィン樹脂で被覆したRCペーパーを用いて上記微細空隙層を設けたインクジェット記録媒体が、写真画像の面で好んで用いられている。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、実施例中で「%」は、特に断りのない限り質量%を表す。また、特に断りない限り、実施例中の「部」は「質量部」を示す。
実施例1
〈高分子化合物1の合成〉
グリシジルメタクリレートを56g、p−ヒドロキシベンズアルデヒドを48g、ピリジンを2g、及びN−ニトロソ−フェニルヒドロキシアミンアンモニウム塩を1g、それぞれ反応容器に入れ、80℃の湯浴中で8時間攪拌した。
次に、重合度300、ケン化度88%のポリ酢酸ビニルケン化物の45gをイオン交換水225gに分散した後、この溶液にリン酸を4.5gと上記反応で得られたp−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ベンズアルデヒドをポリ酢酸ビニルケン化物に対して変性率が3モル%になる条件で添加し、90℃で6時間攪拌した。得られた溶液を室温まで冷却した後、塩基性イオン交換樹脂を30g加えて1時間攪拌した。次いで、イオン交換樹脂を濾過し、ここに光重合開始剤として、イルガキュア2959(チバスペシャリティケミカルズ社製)を、15%水溶液100gに対して0.1gの割合で混合し、その後イオン交換水にて希釈して高分子化合物1の12%水溶液を得た。
〈高分子化合物2の合成〉
高分子化合物1の合成においてポリ酢酸ビニルケン化物の架橋基変性率を0.4mol%に変更した以外は高分子化合物1と同様にして高分子化合物2の12%水溶液を得た。
〈高分子化合物3の合成〉
高分子化合物1の合成においてポリ酢酸ビニルケン化物の架橋基変性率を4.5mol%に変更した以外は高分子化合物1と同様にして高分子化合物2の12%水溶液を得た。
〈高分子化合物4の合成〉
高分子化合物1の合成においてポリ酢酸ビニルケン化物の重合度を180に変更した以外は高分子化合物1と同様にして高分子化合物4の12%水溶液を得た。
〈高分子化合物5の合成〉
高分子化合物1の合成においてポリ酢酸ビニルケン化物の重合度を4500に変更した以外は高分子化合物1と同様にして高分子化合物5の5%水溶液を得た。
〈インクの作製〉
〔顔料分散液の調製〕
(イエロー顔料分散液)
以下の各添加剤を混合し、0.5mmのジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、イエロー顔料の含有量が10%のイエロー顔料分散液を調製した。
C.I.ピグメントイエロー74 95g
デモールC(花王(株)製) 65g
エチレングリコール 100g
イオン交換水 120g
(マゼンタ顔料分散液の調製)
以下の各添加剤を混合し、0.5mmのジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、マゼンタ顔料の含有量が10%のマゼンダ顔料分散液を調製した。このマゼンタ顔料分散液に含まれるマゼンタ顔料粒子の平均粒径は83nmであった。なお、粒径測定はマルバーン社製ゼータサイザ1000HSにより行った。
C.I.ピグメントレッド122 10部
ジョンクリル61(アクリルスチレン系樹脂分散剤、ジョンソン社製) 3部
グリセリン 15部
イオン交換水 72部
(シアン顔料分散液)
以下の各添加剤を混合し、0.5mmのジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、シアン顔料の含有量が10%のシアン顔料分散液を調製した。
C.I.ピグメントブルー15:3 100g
デモールC 68g
ジエチレングリコール 100g
イオン交換水 125g
(ホワイト顔料分散液)
以下の各添加剤を混合し、0.5mmのジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、白色顔料の含有量が20%のホワイト顔料分散液を調製した。
C.I.ピグメントホワイト6(アナターゼ型酸化チタン、平均粒径0.16μm)
120g
ジョンクリル62(アクリルスチレン系樹脂分散剤、ジョンソンポリマー株式会社製) 59g
レベノールWX(花王株式会社製) 3g
ジエチレングリコール 100g
イオン交換水 300g
以下、顔料タイプのインクセット(Y,M,Cの3色)1〜7を作製した。
〈インクセット1の作製〉
以下によりイエローインクY1、マゼンタインクM1、シアンインクC1からなるインクセット1を作製した。
(イエローインクY1の作製)
イエロー顔料分散液 30部
高分子化合物1の12%の水溶液 17部
グリセリン 7部
エチレングリコール 15部
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 2部
オルフィンe1010(日信化学社製) 0.2部
以上にイオン交換水を加え全量を100部とし、イエローインクY1を作製した。
(マゼンタインクM1の作製)
イエローインクY1の作製においてイエロー顔料分散液をマゼンダ顔料分散液に変更した以外はイエローインクY1と同様にしてマゼンダインクM1を作製した。
(シアンインクC1の作製)
イエローインクY1の作製においてイエロー顔料分散液をシアン顔料分散液に変更した以外はイエローインクY1と同様にしてシアンインクC1を作製した。
〈インクセット2の作製〉
以下によりイエローインクY2、マゼンタインクM2とシアンインクC2からなるインクセット2を作製した。
(イエローインクY2の作製)
上記イエローインクY1の作製において、高分子化合物1の12%水溶液に代えて、高分子化合物2の12%水溶液を用いた以外は同様にして、イエローインクY2を作製した。
(マゼンタインクM2の作製)
イエローインクY2の作製においてイエロー顔料分散液をマゼンダ顔料分散液に変更した以外はイエローインクY2と同様にしてマゼンダインクM2を作製した。
(シアンインクC2の作製)
イエローインクY2の作製においてイエロー顔料分散液をシアン顔料分散液に変更した以外はイエローインクY2と同様にしてシアンインクC2を作製した。
〈インクセット3の作製〉
以下によりイエローインクY3、マゼンタインクM3とシアンインクC3からなるインクセット3を作製した。
(イエローインクY3の作製)
上記イエローインクY1の作製において、高分子化合物1の12%水溶液に代えて、高分子化合物3の12%水溶液を用いた以外は同様にして、イエローインクY3を作製した。
(マゼンタインクM3の作製)
イエローインクY3の作製においてイエロー顔料分散液をマゼンダ顔料分散液に変更した以外はイエローインクY3と同様にしてマゼンダインクM3を作製した。
(シアンインクC3の作製)
イエローインクY3の作製においてイエロー顔料分散液をシアン顔料分散液に変更した以外はイエローインクY3と同様にしてシアンインクC3を作製した。
〈インクセット4の作製〉
以下によりイエローインクY4、マゼンタインクM4とシアンインクC4からなるインクセット4を作製した。
(イエローインクY4の作製)
上記イエローインクY1の作製において、高分子化合物1の12%水溶液に代えて、高分子化合物4の12%水溶液を用いた以外は同様にして、イエローインクY4を作製した。
(マゼンタインクM4の作製)
イエローインクY4の作製においてイエロー顔料分散液をマゼンダ顔料分散液に変更した以外はイエローインクY4と同様にしてマゼンダインクM4を作製した。
(シアンインクC4の作製)
イエローインクY4の作製においてイエロー顔料分散液をシアン顔料分散液に変更した以外はイエローインクY4と同様にしてシアンインクC4を作製した。
〈インクセット5の作製〉
以下によりイエローインクY5、マゼンタインクM5とシアンインクC5からなるインクセット5を作製した。
(イエローインクY5の作製)
イエロー顔料分散液 30部
高分子化合物5の5%の水溶液 40部
グリセリン 7部
エチレングリコール 15部
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 2部
オルフィンe1010(日信化学社製) 0.2部
以上にイオン交換水を加え全量を100部とし、イエローインクY5を作製した。
(マゼンタインクM5の作製)
イエローインクY5の作製においてイエロー顔料分散液をマゼンダ顔料分散液に変更した以外はイエローインクY5と同様にしてマゼンダインクM5を作製した。
(シアンインクC5の作製)
イエローインクY5の作製においてイエロー顔料分散液をシアン顔料分散液に変更した以外はイエローインクY5と同様にしてシアンインクC5を作製した。
〈インクセット6の作製〉
以下によりイエローインクY6、マゼンタインクM6とシアンインクC6からなるインクセット6を作製した。
(イエローインクY6の作製)
イエロー顔料分散液 30部
高分子化合物1の12%の水溶液 4.2部
グリセリン 7部
エチレングリコール 15部
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 2部
オルフィンe1010(日信化学社製) 0.2部
以上にイオン交換水を加え全量を100部とし、イエローインクY6を作製した。
(マゼンタインクM6の作製)
イエローインクY6の作製においてイエロー顔料分散液をマゼンダ顔料分散液に変更した以外はイエローインクY6と同様にしてマゼンダインクM6を作製した。
(シアンインクC6の作製)
イエローインクY6の作製においてイエロー顔料分散液をシアン顔料分散液に変更した以外はイエローインクY6と同様にしてシアンインクC6を作製した。
〈インクセット7の作製〉
以下によりイエローインクY7、マゼンタインクM7とシアンインクC7からなるインクセット7を作製した。
(イエローインクY7の作製)
イエロー顔料分散液 30部
高分子化合物1の12%の水溶液 43部
グリセリン 7部
エチレングリコール 15部
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 2部
オルフィンe1010(日信化学社製) 0.2部
以上にイオン交換水を加え全量を100部とし、イエローインクY7を作製した。
(マゼンタインクM7の作製)
イエローインクY7の作製においてイエロー顔料分散液をマゼンダ顔料分散液に変更した以外はイエローインクY7と同様にしてマゼンダインクM7を作製した。
(シアンインクC7の作製)
イエローインクY7の作製においてイエロー顔料分散液をシアン顔料分散液に変更した以外はイエローインクY7と同様にしてシアンインクC7を作製した。
〈ホワイトインクW1〜W6の作製〉
ホワイト顔料分散液 30部
高分子化合物1の12%の水溶液 17部
グリセリン 7部
エチレングリコール 15部
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 2部
イオン交換水 20部
上記インク組成に、界面活性剤オルフィンe1010(日信化学社製)を0.05〜0.5部の間で適宜添加し、残部はイオン交換水を添加攪拌して、表面張力が異なる6種類のホワイトインク(W1〜W6)を調製した。
以上作製した、Y,M,Cの3色インクセット1〜7とホワイトインクW1〜W6のインクの組み合わせ及び各インクの組み合わせにおけるホワイトインクとカラーインクの表面張力差を表1に示す。これらのインクの組み合わせに対して、下記の評価を行った。
(ビーディング耐性の評価)
ノズル口径25μm、駆動周波数12kHz、ノズル数128、ノズル密度180dpi(dpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。)であるピエゾ型ヘッドを用い、最大記録密度720×720dpiのオンデマンド型のインクジェットプリンタを使用し、アート紙(王子製紙製 OK金藤+)に5cm×5cmのマゼンタベタをプリント及び目視観察し、下記の基準に従ってビーディング耐性の評価を行った。
なお、各インクを連続吐出し、着弾した後0.1秒後に、ピエゾ型ヘッドの両端に配置した120W/cmメタルハライドランプ(日本電池社製 MAL 400NL、電源電力3kW・hr)を照射した。
◎:均一な画像である
○:よく見るとわかるまだら状のノイズが5箇所未満存在する
△:よく見るとわかるまだら状のノイズが10箇所未満存在する
×:はっきりとしたまだら状のノイズが10箇所以上存在する
××:まだら状のノイズが20箇所以上存在する
このうち、×、××は製品として問題があるレベルである。
(ブリード耐性の評価)
ノズル口径25μm、駆動周波数12kHz、ノズル数128、ノズル密度180dpiであるピエゾ型ヘッドを用い、最大記録密度720×720dpiのオンデマンド型のインクジェットプリンタを使用し、アート紙(王子製紙製 OK金藤+)にマゼンダベタ地の上に巾200μmの黒細線をプリントした後、目視観察し、下記の基準に従ってブリード耐性の評価を行った。
なお、各インクを連続吐出し、着弾した後0.1秒後に、ピエゾ型ヘッドの両端に配置した120W/cmメタルハライドランプ(日本電池社製 MAL 400NL、電源電力3kW・hr)を照射した。
◎:細線とベタの境界線がはっきりしている
○:わずかに境界がにじんでいる箇所があるが、実用上問題のない品質である
△:境界部ににじみが認められるが、実用上許容限界内の品質である
×:境界部で明らかなにじみの発生が認められ、線幅が1.5倍ほどとなり、実用上問題となる品質である
××:細線とベタ部の境界が不明瞭な品質であり、ブリード耐性が極めて乏しい。
(ベタ部すじの評価)
上記インクジェット記録装置によって、記録媒体(ポリエチレンテレフタレートフィルム)上へ白インクを印字硬化させた後、該白インクの上にカラーインクの画像を出力し、活性エネルギー線照射を行い硬化させて後、画像のベタ部を目視観察し、以下の基準でベタ部すじの評価を行った。
◎:すじがなく良好
○:すじが若干あるが、高精細印字に問題ない
△:すじがあるが、なんとか使用可能なレベル
×:すじが目立ち、使用不可のレベル
(ベタ部バンディングの評価)
上記インクジェット記録装置によって、記録媒体(ポリエチレンテレフタレートフィルム)上へ白インクを印字硬化させた後、該白インクの上にカラーインクの画像を出力し、活性エネルギー線照射を行い硬化させて後、画像のベタ部を目視観察し、以下の基準でベタ部バンディングの評価を行った。
◎:バンディングがなく良好
○:バンディングが若干あるが、高精細印字に問題ない
△:バンディングがあるが、なんとか使用可能なレベル
×:バンディングが目立ち、使用不可のレベル
各評価結果を表2に示す。
Figure 2007154016
Figure 2007154016
表2より、本発明のインク組成物セットは、ビーディング耐性、ブリーディング耐性、ベタ部すじ、ベタ部バンディングのいずれの評価においても優れていることは明らかである。
以上より、本発明によれば、記録メディアへの多様性があり、フェザリング、ブリードが防止され、さらに、インク吸収性のないフィルムや明度の低い記録媒体に対しても、ベタ部すじやバンディングのない高精細な画像が得られるインクジェット用インクセットとそれを用いたインクジェット記録方法を提供することができた。

Claims (10)

  1. 少なくとも色剤と、水と、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物と、を含有したカラーインクと白インクからなるインクジェット用インクセットにおいて、該白インクの表面張力が該カラーインクの表面張力より高いことを特徴とするインクジェット用インクセット。
  2. インクジェット記録装置により記録媒体上に、先に請求項1に記載の白インクを噴射し、活性エネルギー線を照射して硬化させた後、請求項1に記載のカラーインクを該記録媒体上の白インク層の上から噴射して、活性エネルギー線を照射して硬化させ、画像を形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
  3. 前記白インクの表面張力が、カラーインクの中で最も表面張力の高いインクより0.5〜5mN/m高いことを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット用インクセット。
  4. 前記白インクが着色剤として酸化チタンを含有していることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のインクジェット用インクセット。
  5. 前記カラーインク及び白インクの表面張力が20〜60mN/mであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のインクジェット用インクセット。
  6. 前記高分子化合物をインク全質量に対して、0.8〜5.0質量%含有することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のインクジェット用インクセット。
  7. 前記親水性主鎖がポリ酢酸ビニルのケン化物であり、かつケン化度が77〜99%、重合度が200〜4000であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のインクジェット用インクセット。
  8. 前記親水性主鎖に対する前記側鎖の変性率が0.8モル%以上4モル%以下であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のインクジェット用インクセット。
  9. インクジェット記録ヘッドより、請求項1〜8のいずれか1項に記載のインクジェット用インクセットを用い記録媒体上にインクを噴射し、該記録媒体上に印刷を行う画像形成方法であって、該インクが着弾した後、0.001〜1.0秒の間に活性光線を照射することを特徴とするインクジェット記録方法。
  10. インクジェット記録ヘッドより、請求項1〜8のいずれか1項に記載のインクジェット用インクセットを記録媒体上に吐出し、活性エネルギー線を照射後、乾燥させることを特徴とするインクジェット記録方法。
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