JP2007152907A - スクラッチ隠蔽層付印刷物、スクラッチ隠蔽層付印刷物の製造方法及び隠蔽方法 - Google Patents
スクラッチ隠蔽層付印刷物、スクラッチ隠蔽層付印刷物の製造方法及び隠蔽方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007152907A JP2007152907A JP2005355218A JP2005355218A JP2007152907A JP 2007152907 A JP2007152907 A JP 2007152907A JP 2005355218 A JP2005355218 A JP 2005355218A JP 2005355218 A JP2005355218 A JP 2005355218A JP 2007152907 A JP2007152907 A JP 2007152907A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- confidential information
- color
- concealment
- scratch
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Credit Cards Or The Like (AREA)
Abstract
【課題】機密情報を不正に読取られることを防止できるスクラッチ隠蔽層付印刷物であって、簡易で効率よく作製することができるスクラッチ隠蔽層付印刷物等を提供する。
【解決手段】基材1と、機密情報層2と、保護層3と、隠蔽層4と、から形成されているスクラッチ隠蔽層付印刷物Sにおいて、前記機密情報層2の色と、前記隠蔽層4の色と、が同一色であることを特徴とするスクラッチ隠蔽層付印刷物Sにより、上記課題を解決する。同一色とは、環境光下において目視によって同一色と判断できる色であることが好ましい。
【選択図】図1
【解決手段】基材1と、機密情報層2と、保護層3と、隠蔽層4と、から形成されているスクラッチ隠蔽層付印刷物Sにおいて、前記機密情報層2の色と、前記隠蔽層4の色と、が同一色であることを特徴とするスクラッチ隠蔽層付印刷物Sにより、上記課題を解決する。同一色とは、環境光下において目視によって同一色と判断できる色であることが好ましい。
【選択図】図1
Description
本発明は、隠蔽性を備えたスクラッチ隠蔽層付印刷物であって、簡易で効率よく作製することができるスクラッチ隠蔽層付印刷物等に関する。
従来から、スクラッチ隠蔽層付印刷物、例えばスクラッチくじ等においては、「当り」、「はずれ」などに相当する絵柄や文字、番号などの情報(機密情報)を隠蔽するため、機密情報を覆うように隠蔽性の高い隠蔽層が形成されている。具体的な構造としては、印刷用紙等の上に隠蔽する必要のある機密情報層が形成され、当該機密情報層を覆うように銀インキ等からなる隠蔽層が形成されている。
このような構造により形成されたスクラッチ隠蔽層付印刷物は、隠蔽層を硬貨や爪などで引掻いてはがし取ることにより、機密情報層の内容を知ることができるようになっており、ゲーム性のあるものとして広く用いられている。
しかしながら、スクラッチ隠蔽層付印刷物の印刷用紙の裏面より強力な光をあてる等の方法により、機密情報層の内容を不正に読み取られるという問題が発生していた。
そこで現在では、機密情報を不正に読み取られることを防止するために様々なスクラッチ隠蔽層付印刷物が提案されている。
例えば、特許文献1には、スクラッチ隠蔽層付印刷物の印刷用紙に黒インキコート層や、白インキコート層を設けたプラスチックフィルムを張り込むことによって、機密情報を不正に読み取られることを防止する技術が開示されている。
特開2000−6567号公報
しかしながら、特許文献1に記載のスクラッチ隠蔽層付印刷物においては、機密情報を不正に読取られることを防止できるものの、印刷用紙にプラスチックフィルムを張り込むという複雑な工程を有し、それに伴って、コストも大幅にかかるという問題が生じていた。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、機密情報を不正に読取られることを防止できるスクラッチ隠蔽層付印刷物であって、簡易で効率よく作製することができるスクラッチ隠蔽層付印刷物等を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、基材と、機密情報層と、保護層と、隠蔽層と、から形成されているスクラッチ隠蔽層付印刷物において、前記機密情報層の色と、前記隠蔽層の色と、が同一色であることを特徴とする。
これによれば、スクラッチ隠蔽層付印刷物の基材に隠蔽層を有する側又は隠蔽層を有しない側から強力な光をあてた場合にも、スクラッチ隠蔽層付印刷物の機密情報層の色と隠蔽層の色とを同一色にすることにより、機密情報層の色と隠蔽層の色とが重なって、機密情報が隠蔽層側や基材側より透けて見えることがなく、機密情報を不正に読取られることを防止できる。
また、従来より機密情報層を隠蔽するための隠蔽層に用いられてきた墨インキや銀インキなどの隠蔽率の高い特定のインキを用いずに、通常のカラーインキを隠蔽層として利用することができるため、特殊な印刷、例えば、銀インキのシルクスクリーン印刷等を行う必要がなく、また、フィルムを張り込むなど複雑な工程を入れなくてよいため、安価で効率よくスクラッチ隠蔽層付き印刷物を作製することができる。
更に、上述のように、通常のカラーインキを用いて隠蔽層を形成することにより、スクラッチ隠蔽層付印刷物の表面(隠蔽層)に絵柄等を付与することができ、意匠性の高いスクラッチ隠蔽層付印刷物を作製することができる。
上記課題を解決するための請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のスクラッチ隠蔽層付印刷物において、前記同一色とは、環境光下において目視によって同じ色と判断できる色であることを特徴とする。
これによれば、機密情報層と隠蔽層の色を物理的に同一でなくても、環境光下において目視によって同じ色と判断できる色(同程度)にすることにより、基材に隠蔽層を有する側又は隠蔽層を有しない側から強力な光をあてた場合にも、機密情報層の色と隠蔽層の色とが重なって、機密情報が隠蔽層側や基材側より透けて見えることがなく、機密情報を不正に読取られることを防止できる。
上記課題を解決するための請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のスクラッチ隠蔽層付印刷物において、前記隠蔽層が複数の層により形成される場合には、前記隠蔽層を形成している層の少なくとも一層の色と、前記機密情報層の色と、が同一色であることを特徴とする。
これによれば、スクラッチ隠蔽層付印刷物の基材に隠蔽層を有する側又は隠蔽層を有しない側から強力な光をあてた場合にも、スクラッチ隠蔽層付印刷物の機密情報層の色と隠蔽層を形成している層の少なくとも一層の色とを同一色にすることにより、機密情報層の色と隠蔽層の色とが重なって、機密情報が隠蔽層側や基材側より透けて見えることがなく、機密情報を不正に読取られることを防止できる。
更に、隠蔽層を形成している複数の層のうち、機密情報層の色と同一色にした層以外の層をも通常のカラーインキにより形成することによって、スクラッチ隠蔽層付印刷物の表面に絵柄等を付与することができ、意匠性の高いスクラッチ隠蔽層付印刷物を作製することができる。
上記課題を解決するための請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のスクラッチ隠蔽層付印刷物において、前記隠蔽層のうち、前記機密情報層に近接する前記隠蔽層の色と、前記機密情報層の色と、が同一色であることを特徴とする。
これによれば、スクラッチ隠蔽層付印刷物の基材に隠蔽層を有する側又は隠蔽層を有しない側から強力な光をあてた場合にも、スクラッチ隠蔽層付印刷物の機密情報層の色と隠蔽層のうち、機密情報層に近接する隠蔽層の色とを同一色にすることにより、機密情報層の色と隠蔽層の色とが重なって、機密情報が隠蔽層側や基材側より透けて見えることがなく、機密情報を不正に読取られることを防止できる。
更に、隠蔽層を形成している複数の層のうち、機密情報層に近接する層より上側の複数の層をも通常のカラーインキにより形成することによって、機密情報層に近接する層より上側の複数の層全体にデザインを施すことができる。これにより、機密情報層に近接する層より上側の複数の層全体にデザインを施すことができるため、例えば、隠蔽層のうち機密情報層と同一の色である層が機密情報層に近接する層以外に形成されているよりも、より簡便に、安価にスクラッチ隠蔽層付印刷物を作製することができる。更に、機密情報層に近接する層より上側の複数の層のデザインの自由度が増し、意匠性を向上することができる。
上記課題を解決するための請求項5に記載の発明は、基材上に機密情報層を形成し、前記機密情報層上に保護層を形成し、前記保護層上に、前記機密情報層の色と同一色である隠蔽層を形成することを特徴とする。
これによれば、スクラッチ隠蔽層付印刷物の基材に隠蔽層を有する側又は隠蔽層を有しない側から強力な光をあてた場合にも、スクラッチ隠蔽層付印刷物の機密情報層の色と隠蔽層の色とを同一色にすることにより、機密情報層の色と隠蔽層の色とが重なって、機密情報が隠蔽層側や基材側より透けて見えることがなく、機密情報を不正に読取られることを防止できる。
上記課題を解決するための請求項6に記載の発明は、基材上に形成された機密情報層上に、保護層を形成し、前記保護層上に、前記機密情報層の色と同一色である隠蔽層を形成することを特徴とする。
これによれば、スクラッチ隠蔽層付印刷物の基材に隠蔽層を有する側又は隠蔽層を有しない側から強力な光をあてた場合にも、スクラッチ隠蔽層付印刷物の機密情報層の色と隠蔽層の色とを同一色にすることにより、機密情報層の色と隠蔽層の色とが重なって、機密情報が隠蔽層側や基材側より透けて見えることがなく、機密情報を不正に読取られることを防止できる。
本発明によれば、スクラッチ隠蔽層付印刷物の基材に隠蔽層を有する側又は隠蔽層を有しない側から強力な光をあてた場合にも、スクラッチ隠蔽層付印刷物の機密情報層の色と隠蔽層の色とを同一色にすることにより、機密情報層の色と隠蔽層の色とが重なって、機密情報が隠蔽層側や基材側より透けて見えることがなく、機密情報を不正に読取られることを防止できる。
また、従来より機密情報層を隠蔽するための隠蔽層に用いられてきた墨インキや銀インキなどの隠蔽率の高い特定のインキを用いずに、通常のカラーインキを隠蔽層として利用することができるため、特殊な印刷、例えば、銀インキのシルクスクリーン印刷等を行う必要がなく、また、フィルムを張り込むなど複雑な工程を入れなくてよいため、安価で効率よくスクラッチ隠蔽層付き印刷物を作製することができる。
更に、上述のように、通常のカラーインキを用いて隠蔽層を形成することにより、スクラッチ隠蔽層付印刷物の表面(隠蔽層)に絵柄等を付与することができ、意匠性の高いスクラッチ隠蔽層付印刷物を作製することができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態のスクラッチ隠蔽層付印刷物を示す概略断面図である。
図1は、本発明の第1実施形態のスクラッチ隠蔽層付印刷物を示す概略断面図である。
本発明のスクラッチ隠蔽層付印刷物Sは、図1に示すように、基材1と、機密情報層2と、保護層3と、隠蔽層5と、を必須の構成として備えている。なお、保護層3と隠蔽層5の間に必須の構成要素ではないが、剥離層4が形成されていることが好ましい。
ここで、このような層構成を備えるスクラッチ隠蔽層付印刷物Sにおいて、機密情報層の色と、前記隠蔽層の色と、が同一色であることに特徴を有している。以下、スクラッチ隠蔽層付印刷物Sの層構成について詳細に説明する。
(1)層構成について
まず、基材1について説明する。
まず、基材1について説明する。
基材1は、スクラッチ隠蔽層付印刷物Sを作製する際に基材となり、その上に後述する各層が形成されるものである。
基材1の材料としては、上質紙、中質紙、コート紙、合成紙、含浸紙、ラミネート紙、金属蒸着紙、印刷用塗工紙、記録用塗工紙等の紙、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等のプラスチックフィルム、金属箔、あるいはそれらの複合体等が用いられ、用途等に応じて適宜選択すればよい。
基材1の厚みは用途によって異なるが、例えば0.03mm〜1mm程度が好ましい。
次に、基材1上に形成される機密情報層2について説明する。
機密情報層2は、任意の文字、数字、記号、アルファベット等、各種パターン等の隠蔽すべき情報が印刷された層であり、例えば、スクラッチくじの場合には、「当り」若しくは「はずれ」等の当選情報が印刷された層である。
機密情報層2を形成する材料は、例えばバインダーとなる樹脂に何らかの着色剤を含有せしめることで構成されていてもよい。バインダー樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂等を用いることができる。また、着色剤としては、公知の着色剤、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、酸化鉄、鉄黄、群青、メタリック顔料、パール顔料等を用いることができる。
機密情報層2は、上述のバインダー樹脂及び着色剤を分散・混合させたインキを用いて形成(印刷)される。このインキの溶媒は特に限定されず、水、アルコール等の従来公知の溶媒を用いることができる。また、バインダー樹脂、着色層、インキの溶媒等の混合割合も特に限定されず、機密情報層2を適切に形成(印刷)できる混合割合とすればよい。機密情報層2用のインキには、これらの基本的な構成に加えて、他の添加物を添加することができる。また、上述のインキ以外にも、後述する印刷方法によっては、トナー(着色粉末)やインクリボン等を使用することができる。
機密情報層2の形成方法(印刷方法)は、特に限定されるものでないが、例えば、サーマルヘッドによる感熱リボン転写方式、インキジェット方式、レーザー等によるトナー転写方式あるいはドットインパクト方式等が挙げられる。機密情報層2の厚みは用途によって異なる。
次に、機密情報層2上に形成される保護層3について説明する。
保護層3は、機密情報層2を覆うように形成され、隠蔽層5を削り落とす際に、機密情報層2が剥離しないように機密情報層2を保護する層である。
保護層3を形成する材料は、フェノール樹脂、キシレン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ケトン樹脂、アルキッド樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂、またはポリウレタン樹脂等が用いられる。
保護層3は、上述のバインダー樹脂を含有するインキ組成物を分散・混合させたインキやOPニスを用いて印刷または塗布される。このインキの溶媒は特に限定されず、水、アルコール等の従来公知の溶媒を用いることができる。また、バインダー樹脂とインキの溶媒等の混合割合も特に限定されず、保護層3を適切に形成できる混合割合とすればよい。保護層3用のインキには、これらの基本的な構成に加えて、他の添加物を添加することができる。
保護層3の形成方法は、特に限定されるものでないが、例えば、印刷加工法で形成することが好ましい。印刷加工方法としては、オフセット印刷法、シルクスクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法等が挙げられる。保護層3の厚みは用途によって異なる。
次に、保護層3上に形成される剥離層4について説明する。剥離層4は、隠蔽層5を削り落とす際に、隠蔽層5に剥離性を持たせるための層である。
なお、上記保護層3が隠蔽層5を剥離するため必要な機能(剥離性)を備えている場合には、剥離層4は必須の構成要素ではないが、ここでは剥離層4が形成されているものとして説明する。
剥離層4を形成する材料としては、例えばポリウレタン/アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ニトロセルロース樹脂に添加剤としてシリコンやワックス(ポリエチレンワックス等)を5%以下添加した剥離ニス等が用いられる。
剥離層4の形成方法としては、特に限定されるものでないが、スクリーン印刷、グラビア印刷方式、フレキソ印刷法等が挙げられる。剥離層4の厚みは用途によって異なる。
次に、剥離層4上に形成される隠蔽層5について説明する。
隠蔽層5は、機密情報層2により示される情報を隠蔽するための層であり、機密情報層2を覆うように形成される層である。
このような隠蔽層5を形成する材料は、例えばバインダーとなる樹脂に何らかの着色剤を含有せしめることで構成されていてもよい。バインダー樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂等が好ましい。また、着色剤としては、公知の着色剤、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、酸化鉄、鉄黄、群青、メタリック顔料、パール顔料等を用いることができる。
隠蔽層5は、上述のバインダー樹脂及び着色剤を分散・混合させたインキまたは塗工液を用いて印刷または塗布される。このインキまたは塗工液の溶媒は特に限定されず、水、アルコール等の従来公知の溶媒を用いることができる。また、バインダー樹脂、着色層、インキまたは塗工液の溶媒等の混合割合も特に限定されず、隠蔽層5を適切に形成できる混合割合とすればよい。隠蔽層5用のインキまたは塗工液には、これらの基本的な構成に加えて、他の添加物を添加することができる。また、上述のインキや塗工液以外にも、後述する印刷方法によっては、トナー(着色粉末)やインクリボン等を使用することができる。
隠蔽層5の形成方法としては、特に限定されるものではないが、例えばグラビアオフセット印刷、シルクスクリーン印刷、フレキソ印刷等が挙げられる。
隠蔽層5は、機密情報層2を隠蔽するための役割を果たすものであるため、隠蔽層5の設ける位置、大きさは、機密情報層2の情報が判別できないような位置、大きさである必要がある。具体的には、隠蔽層5は、機密情報層2を覆うように基材1の全面や、機密情報層2が形成され得る位置にベタ塗りで形成することが好ましい。しかし、機密隠蔽層2がスクラッチ隠蔽層付印刷物の表面、裏面から見て透過しない位置、大きさであればよいため、隠蔽層5の形状は、機密情報層2を覆うように基材1の全面等にベタ塗りで形成される場合のみでなく、例えば、ストライプ模様や格子模様などの絵柄、文字、あるいは漫画のキャラクターや芸能人の似顔絵などのパターンであってもよい。
隠蔽層5の厚みは用途によって異なる。
(2)機密情報層の色と隠蔽層の色について
ここで、本発明は、機密情報層2の色と、隠蔽層5の色と、が同一色であることに特徴を有している。
ここで、本発明は、機密情報層2の色と、隠蔽層5の色と、が同一色であることに特徴を有している。
同一色とは、機密情報層の色と、隠蔽層の色と、が物理的に同一の場合のみに限らず、同程度の場合をも含むものとする。なお、機密情報層2と隠蔽層5との材料については上述したとおりであり、着色剤及びバインダー樹脂を含むインキ、ないしはトナーを用いる。
(I)色の同一について
(i) 同一のインキを用い、同一の形成方法で機密情報層2と隠蔽層5とを形成することにより、物理的に同一の色で機密情報層2と隠蔽層5とを形成することができる。各層を同一のトナーを用いて同一の印刷方法で形成した場合も同様である。
(i) 同一のインキを用い、同一の形成方法で機密情報層2と隠蔽層5とを形成することにより、物理的に同一の色で機密情報層2と隠蔽層5とを形成することができる。各層を同一のトナーを用いて同一の印刷方法で形成した場合も同様である。
(ii) 同一の着色剤を用い、バインダー樹脂に対して同じ比率で当該着色剤を添加したインキを機密情報層2と隠蔽層5とをそれぞれ形成するために用いることにより、物理的に同一の色で機密情報層2と隠蔽層5とを形成することができる。このとき、バインダー樹脂や各層の形成方法が異なっていてもよい。
このように、スクラッチ隠蔽層付印刷物Sにおける機密情報層2と隠蔽層5との色を物理的に同一にすることにより、基材1に隠蔽層5を有する側又は隠蔽層5を有しない側から強力な光をあてた場合にも、機密情報層の色と隠蔽層の色とが重なって、機密情報が隠蔽層側や基材側より透けて見えることがなく、機密情報を不正に読取られることを防止できる。
(II)色の同程度について
(i) 互いに同一又は類似の色を有する着色剤(物理的には異なる)を含み、その他の成分が同一であるインキを用い、同一の形成方法で機密情報層2と隠蔽層5とをそれぞれ形成することにより、同程度の色を有する機密情報層2と隠蔽層5とを形成することができる。各層を類似する色を有するトナーを用いて同一の印刷方法で形成した場合も同様である。
(i) 互いに同一又は類似の色を有する着色剤(物理的には異なる)を含み、その他の成分が同一であるインキを用い、同一の形成方法で機密情報層2と隠蔽層5とをそれぞれ形成することにより、同程度の色を有する機密情報層2と隠蔽層5とを形成することができる。各層を類似する色を有するトナーを用いて同一の印刷方法で形成した場合も同様である。
(ii) 同一又は類似の色を有する着色剤(物理的には異なる)を用い、バインダー樹脂に対して同じ比率で当該着色剤を添加したインキを機密情報層2と隠蔽層5とをそれぞれ形成するために用いることにより、同程度の色を有する機密情報層2と隠蔽層5とを形成することができる。このとき、バインダー樹脂や各層の形成方法が異なっていてもよい。
(iii) 環境光下において目視(人の目による観察)によりほぼ同じ色と判断できる場合には、同程度の色を有する機密情報層2と隠蔽層5とが形成されているということができる。
なお、この環境光とは、空間の至る所に散乱され、測定室内全体に適度な明るさを与える程度の状態をいう。より具体的には、実際に測色を行なう測定環境(測定室内)の照明光が測定室内にある物体によって反射した光等の間接光をいい、更にスクラッチ隠蔽層付印刷物Sの位置によっては、照明光からスクラッチ隠蔽層付印刷物Sに直接照射された直接光を含む場合もあるものとする。
(iv) 機密情報層と隠蔽層のそれぞれの色差の差が3以内であり同程度の色と判断できる場合にも、同程度の色を有する機密情報層2と隠蔽層5が形成されているということができる。
ここでは国際照明委員会(CIE)が定めた1976CIELab空間を用いるものとする。
具体的には、従来より用いられている図示しない分光測色器を用いて、機密情報層2と、隠蔽層5のそれぞれの色彩信号(L*a*b)を測定し、その値を用いて、機密情報層2と隠蔽層5のそれぞれの色差(ΔE)を導き出し、それぞれの色差の差が3以内である場合に、本発明では同程度の色と定義する。
なお、色差とは以下の数式1によって導き出されるものである。
(第2実施形態)
図2乃至図4は、本発明の第2実施形態のスクラッチ隠蔽層付印刷物Sを示す概略断面図である。第2実施形態のスクラッチ隠蔽層付印刷物は、第1実施形態とほぼ同様の構成を有するが、図2乃至図4に示すように、隠蔽層6が複数の層(6a〜6d)により形成されている点で、第1実施形態のスクラッチ隠蔽層付印刷物と異なる。
図2乃至図4は、本発明の第2実施形態のスクラッチ隠蔽層付印刷物Sを示す概略断面図である。第2実施形態のスクラッチ隠蔽層付印刷物は、第1実施形態とほぼ同様の構成を有するが、図2乃至図4に示すように、隠蔽層6が複数の層(6a〜6d)により形成されている点で、第1実施形態のスクラッチ隠蔽層付印刷物と異なる。
第2実施形態のスクラッチ隠蔽層付印刷物Sは、図2に示すように、基材1と、機密情報層2と、保護層3と、複数の層から形成されている隠蔽層6と、を必須の構成として備えている。なお、当該スクラッチ隠蔽層付印刷物Sは、任意に設けられる層として、保護層3と隠蔽層6との間に剥離層4が設けられていることが好ましい。
ここで、基材1と、機密情報層2と、保護層3と、剥離層4については、第1実施形態において説明したものと同様であるため、以下に第1実施形態と異なる部分である隠蔽層6について説明する。なお、隠蔽層6の材料、形成方法も上記に説明した第1実施形態の隠蔽層5と同様である。第2実施形態の隠蔽層6は、複数の層により形成されており、
隠蔽層6を形成している層の少なくとも一層の色が、機密情報層2の色と、同一色であることを特徴とする。機密情報層2と同一色の隠蔽層6の一層は、機密情報層2の情報が判別できないよう、機密情報層2上にべた塗りで形成される必要がある。
隠蔽層6を形成している層の少なくとも一層の色が、機密情報層2の色と、同一色であることを特徴とする。機密情報層2と同一色の隠蔽層6の一層は、機密情報層2の情報が判別できないよう、機密情報層2上にべた塗りで形成される必要がある。
具体的には、隠蔽層6を形成している層(6a〜6d)の少なくとも一層の色が、機密情報層2と同一色であれば本発明の効果を有するため、例えば、図2に示すように、隠蔽層6bが機密情報層2と同一色であってもよい。この隠蔽層6b以外の隠蔽層6a、6c、6dはそれぞれ意匠性の高いスクラッチ隠蔽層付印刷物Sを作製するために絵柄や模様等を施す着色層としての役割を果たすために用いられることになる。
これにより、光の透過などによる機密情報の不正な読取を防止することができかつ、複数の層を用いて意匠性の高いスクラッチ隠蔽層付印刷物を作製することができる。
更に、第2実施形態の隠蔽層6においては、隠蔽層6を形成している層の少なくとも一層の色が、機密情報層2の色と、同一色であることを特徴とするが、図3に示すように、特に、隠蔽層6のうち、機密情報層2に近接する隠蔽層6aの色が、機密情報層2の色と、同一色であることがより好ましい。ここで、近接とは、隠蔽層5の中で最も機密情報層2に近い層、具体的には隠蔽層6のうち図3の6aに示す層をいう。
上記と同様に、この隠蔽層6a以外の隠蔽層6b、6c、6dはそれぞれ意匠性の高いスクラッチ隠蔽層付印刷物Sを作製するために絵柄や模様等を施す着色層としての役割を果たすために用いられることになる。よって、隠蔽層6aの上の3層(隠蔽層6b、6c、6d)は、普通の着色層乃至は絵柄層としてフルカラー印刷により形成されることができるので、簡便な工程で本発明の効果を有するスクラッチ隠蔽層付印刷物を作製することができる。
なお、機密情報層2と同一色である隠蔽層6aは、図3に示すように、機密隠蔽層2を覆うような部分、すなわち、機密情報が形成されうる位置(領域)のみに形成してもよい。また、同様の隠蔽層6aは、図4に示すように、機密隠蔽層2による機密情報が形成されうる位置(領域)を含み、これよりも広範囲である基材1全体に形成してもよい。
以上説明したように、スクラッチ隠蔽層付印刷物の基材に隠蔽層を有する側又は隠蔽層を有しない側から強力な光をあてた場合にも、スクラッチ隠蔽層付印刷物の機密情報層の色と隠蔽層の色とを同一色にすることにより、機密情報層の色と隠蔽層の色とが重なって、機密情報が隠蔽層側や基材側より透けて見えることがなく、機密情報を不正に読取られることを防止できる。
また、従来より機密情報層を隠蔽するための隠蔽層に用いられてきた墨インキや銀インキなどの隠蔽率の高い特定のインキを用いずに、通常のカラーインキを隠蔽層として利用することができるため、特殊な印刷、例えば、銀インキのシルクスクリーン印刷等を行う必要がなく、また、フィルムを張り込むなど複雑な工程を入れなくてよいため、安価で効率よくスクラッチ隠蔽層付き印刷物を作製することができる。
更に、上述のように、通常のカラーインキを用いて隠蔽層を形成することにより、スクラッチ隠蔽層付印刷物の表面(隠蔽層)に絵柄等を付与することができ、意匠性の高いスクラッチ隠蔽層付印刷物を作製することができる。
1・・・基材
2・・・機密情報層
3・・・保護層
4・・・剥離層
5、6、6a、6b、6c、6d・・・隠蔽層
S・・・スクラッチ隠蔽層付印刷物
2・・・機密情報層
3・・・保護層
4・・・剥離層
5、6、6a、6b、6c、6d・・・隠蔽層
S・・・スクラッチ隠蔽層付印刷物
Claims (6)
- 基材と、機密情報層と、保護層と、隠蔽層と、から形成されているスクラッチ隠蔽層付印刷物において、
前記機密情報層の色と、前記隠蔽層の色と、が同一色であることを特徴とするスクラッチ隠蔽層付印刷物。 - 請求項1に記載のスクラッチ隠蔽層付印刷物において、
前記同一色とは、環境光下において目視によって同一色と判断できる色であることを特徴とするスクラッチ隠蔽層付印刷物。 - 請求項1又は請求項2に記載のスクラッチ隠蔽層付印刷物において、
前記隠蔽層が複数の層により形成される場合には、前記隠蔽層を形成している層の少なくとも一層の色と、前記機密情報層の色と、が同一色であることを特徴とするスクラッチ隠蔽層付印刷物。 - 請求項3に記載のスクラッチ隠蔽層付印刷物において、
前記隠蔽層のうち、前記機密情報層に近接する前記隠蔽層の色と、前記機密情報層の色と、が同一色であることを特徴とするスクラッチ隠蔽層付印刷物。 - 基材上に機密情報層を形成し、前記機密情報層上に保護層を形成し、前記保護層上に、前記機密情報層の色と同一色である隠蔽層を形成することを特徴とするスクラッチ隠蔽層付印刷物の製造方法。
- 基材上に形成された機密情報層上に、保護層を形成し、前記保護層上に、前記機密情報層の色と同一色である隠蔽層を形成することを特徴とする隠蔽方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005355218A JP2007152907A (ja) | 2005-12-08 | 2005-12-08 | スクラッチ隠蔽層付印刷物、スクラッチ隠蔽層付印刷物の製造方法及び隠蔽方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005355218A JP2007152907A (ja) | 2005-12-08 | 2005-12-08 | スクラッチ隠蔽層付印刷物、スクラッチ隠蔽層付印刷物の製造方法及び隠蔽方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007152907A true JP2007152907A (ja) | 2007-06-21 |
Family
ID=38237845
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005355218A Pending JP2007152907A (ja) | 2005-12-08 | 2005-12-08 | スクラッチ隠蔽層付印刷物、スクラッチ隠蔽層付印刷物の製造方法及び隠蔽方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007152907A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010032871A (ja) * | 2008-07-30 | 2010-02-12 | Sahara:Kk | 画像表示パネル |
JP5031124B1 (ja) * | 2011-09-15 | 2012-09-19 | 株式会社Cbjスクラッチ | スクラッチ印刷物、スクラッチ印刷用媒体及びその製造方法 |
JP2013001078A (ja) * | 2011-06-21 | 2013-01-07 | Kobayashi Create Co Ltd | 2次元コード付き帳票 |
JP2017024252A (ja) * | 2015-07-22 | 2017-02-02 | 富士ゼロックス株式会社 | 画像形成装置、印刷物およびプログラム |
JP2017077654A (ja) * | 2015-10-20 | 2017-04-27 | 大日本印刷株式会社 | スクラッチシート |
JP7524642B2 (ja) | 2020-07-13 | 2024-07-30 | Toppanホールディングス株式会社 | 秘密情報形成体の製造方法 |
-
2005
- 2005-12-08 JP JP2005355218A patent/JP2007152907A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010032871A (ja) * | 2008-07-30 | 2010-02-12 | Sahara:Kk | 画像表示パネル |
JP2013001078A (ja) * | 2011-06-21 | 2013-01-07 | Kobayashi Create Co Ltd | 2次元コード付き帳票 |
JP5031124B1 (ja) * | 2011-09-15 | 2012-09-19 | 株式会社Cbjスクラッチ | スクラッチ印刷物、スクラッチ印刷用媒体及びその製造方法 |
JP2013075508A (ja) * | 2011-09-15 | 2013-04-25 | Cbj Scratch:Kk | スクラッチ印刷物、スクラッチ印刷用媒体及びその製造方法 |
JP2017024252A (ja) * | 2015-07-22 | 2017-02-02 | 富士ゼロックス株式会社 | 画像形成装置、印刷物およびプログラム |
JP2017077654A (ja) * | 2015-10-20 | 2017-04-27 | 大日本印刷株式会社 | スクラッチシート |
JP7524642B2 (ja) | 2020-07-13 | 2024-07-30 | Toppanホールディングス株式会社 | 秘密情報形成体の製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
MX2007005455A (es) | Mascara de patron de fluorescencia de sustrato para incluir informacion en documentos impresos. | |
CN105283320A (zh) | 正式文件的安全保护方法和装置以及被如此保护的正式文件 | |
JP2007152907A (ja) | スクラッチ隠蔽層付印刷物、スクラッチ隠蔽層付印刷物の製造方法及び隠蔽方法 | |
JP5186655B2 (ja) | 真偽判別可能な情報担持体 | |
JP3917244B2 (ja) | 秘密情報隠蔽カード | |
JP2023507147A (ja) | 隠蔽された磁気ストリップを含む電子ドキュメントを作成する方法、及びその方法により得られる電子ドキュメント | |
JP4756248B2 (ja) | 偽造防止貼付体 | |
JP5533731B2 (ja) | 潜像印刷物 | |
JP2007130884A (ja) | 印刷物、印刷物の製造方法及び隠蔽方法 | |
JP2005305844A (ja) | スクラッチカード | |
JP2007130883A (ja) | 印刷物、印刷物の製造方法及び隠蔽方法 | |
JPH0732729A (ja) | スクラッチ発色印刷方法及びスクラッチ発色印刷体 | |
JP6372051B2 (ja) | スクラッチ印刷物、及び、スクラッチ印刷方法 | |
JP2005119097A (ja) | 印刷物 | |
JP4372474B2 (ja) | 感熱印字用シートおよびその製造方法 | |
JP3451151B2 (ja) | 印刷方法 | |
JP6060593B2 (ja) | スクラッチ隠蔽層付印刷物 | |
JPH09290589A (ja) | 偽造防止及びデザイン効果を有したスクラッチシート | |
JP2002067480A (ja) | 記録用シート | |
JP2004025698A (ja) | 情報カード | |
JP6578885B2 (ja) | スクラッチシート | |
JP2007062356A (ja) | 偽造防止印刷物 | |
JP2008137252A (ja) | 抽選券及び抽選券の製造方法 | |
JP6544190B2 (ja) | スクラッチシート | |
JP2010082879A (ja) | スクラッチカード |