JP2007152871A - ノズルプレート、ノズルプレートの製造方法及び液体吐出ヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】静電吸引方式の液滴吐出技術を用い、低い印加電圧で微小なノズルから正確で安定した液体の吐出が可能なフラットな吐出面を有するノズルプレート及びこのノズルプレートの製造方法並びにこのノズルプレートを用いた液体吐出ヘッドを提供する。
【解決手段】吐出孔から液体が液滴として吐出されるノズルを有し液体吐出ヘッドに用いられるノズルプレートにおいて、体積抵抗率が1015Ω・m以上のガラスからなり、ノズルの吐出孔が形成されている第1の面がフラットであり、吐出孔を一方の開口とする小径部と該小径部の他方の開口に通じ前記第1の面の反対の第2の面に開口を持つ大径部とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ノズルプレート、このノズルプレートの製造方法及びこのノズルプレートを用いた液体吐出ヘッドに関する。
近年、インクジェット記録方法での画質の高精細化の進展および工業用途における適用範囲の拡大に伴い、微細パターン形成および高粘度のインク吐出の要請がますます強まっている。これらの課題を従来のインクジェット記録方法で解決しようとすると、ノズルの微小化や高粘度のインク吐出による液吐出力の向上を図る必要が生じ、それに伴ってインクの吐出のための駆動電圧が高くなり、ヘッドや装置のコストが非常に高価になってしまうため、実用に適う装置は実現されていない。
そこで、上記要請に応え、微小化されたノズルから低粘度のみならず高粘度の液滴を吐出させる技術として、ノズル内の液体を帯電させ、ノズルと液滴の着弾を受ける対象物となる各種の基材との間に形成される電界から受ける静電吸引力により吐出させるいわゆる静電吸引方式の液滴吐出技術が知られている(特許文献1参照)。
しかし、静電吸引方式の液滴吐出技術において液滴吐出面がフラットな液体吐出ヘッドを用いる場合、ノズル内の液体や吐出孔部分のメニスカスへの電界集中の程度が小さく、必要な静電吸引力を得るために液体吐出ヘッドと基材との間に印加する電圧として非常に高い電圧を印加する必要があった。
そこで、この液滴吐出技術と、ピエゾ素子の変形や液体内部での気泡の発生による圧力を利用して液滴を吐出する技術とを組み合わせた、いわゆる電界アシスト法を用いた液滴吐出装置の開発が進んでいる(例えば、特許文献2〜5参照)。この電界アシスト法は、メニスカス形成手段と静電吸引力を用いてノズルの吐出孔に液体のメニスカスを***させることにより、メニスカスに対する静電吸引力を高め、液表面張力に打ち勝ってメニスカスを液滴化し吐出する方法である。
国際公開第03/070381号パンフレット 特開平5−104725号公報 特開平5−278212号公報 特開平6−134992号公報 特開2003−53977号公報
しかしながら、電界アシスト法を用いたこれらの液体吐出装置は、従来のピエゾ方式やサーマル方式を用いたインクジェット記録法に比べ、吐出効率は良いが、電界による静電吸引力が最大限に活用されていないため、メニスカスの形成や液滴の吐出が効率的に行われておらず、微細パターン形成および高粘度のインク吐出の要請に応えようとすると、従来のインクジェット記録法と同様に、インクの吐出のための駆動電圧を高くする必要が生じ、ヘッドや装置のコストが高価になってしまうという問題があった。また、静電吸引力を高めるために印加電圧を上げると、ヘッドと基材間とで絶縁破壊が発生してしまい装置を駆動できない場合が生じるという問題もあった。
電界アシスト法を用いたこれらの液体吐出装置において、液体を吐出するノズルが設けられた液体吐出ヘッドとしてフラットな液体吐出ヘッドを用いた場合、構造が単純であるために生産性に優れ、また、液体吐出ヘッドのクリーニング時における吐出面のワイピングの際にワイパにノズルが引っ掛からないという大きな利点がある。
しかし、フラットな液体吐出ヘッドは、ピエゾ素子の変形等で圧力を発生させてノズルの吐出孔に液体のメニスカスを***させ、***させたメニスカスに選択的に電界集中させて静電吸引力により液体を吐出させる電界アシスト法を用いた液体吐出装置の場合でも、電界集中が小さいためにメニスカスを形成するうえで静電吸引力によるメニスカスを引き出す作用が小さく、結果的にピエゾ素子等の圧電素子アクチュエータよりなる圧力発生手段に高い電圧を印加する必要があるという問題があった。
なお、本発明において、フラットなノズルやノズルプレート、液体吐出ヘッドとは、ノズルプレートの吐出面からのノズルの突出が30μm以下のものを意味し、上記のワイピングの際に破損等の支障を生じることがなく、ノズルの突出が小さく突出による電界集中効果が期待できないものをいう。
そこで、このフラットな液体吐出ヘッドの問題点を解消するため、電界アシスト法を用いた液体吐出装置では、液体吐出ヘッドのノズルプレートから吐出面側にノズルを避雷針状に突出させ、ノズルの突起先端に電界を集中させてノズルの吐出効率を高めた液体吐出ヘッドが用いられることが多い。
しかし、液体吐出ヘッドのノズルプレートから吐出面側に高さ数十μm程度の避雷針状のノズルを多数立設させなければならないため、構造が複雑になり生産性が低下する。また、液体吐出ヘッドのクリーニング時に立設されたノズルが折れるなど操作性に劣るという問題があった。
また、近年、インクジェット記録法を利用した産業用のパターニングの応用が広く考えられている。その理由は、インクジェット記録法を利用することで、直接、基板等にパターニングが可能となるという大きな利点が生じるからである。従来は、基板にパターニングする場合、リソグラフィ工程が必要であり、リソグラフィ工程を利用しない場合には、印刷等が考えられるが、印刷工程では一般に版が必要であり、またその版の洗浄等の工程も必要である。これらに対して、インクジェット記録法によるパターニングは、リソグラフィ工程や版等が不要になり、工程が非常に簡単になる。このようなパターニングにおいては、着弾径が30μm以下とする高精細化が望まれおり、これに応えるには、インクジェットヘッドから吐出されるインク液滴の液滴の直径を概ね15μm以下とする必要があるとされている。
そこで、本発明は、微小なノズルから正確で安定した液体の吐出が可能なフラットな吐出面を有するノズルプレート及びこのノズルプレートの製造方法並びにこのノズルプレートを用いた液体吐出ヘッドを提供することを目的とする。
上記目的は、以下の手段の何れかによって達成される。
1. 吐出孔から液体が液滴として吐出されるノズルを有し液体吐出ヘッドに用いられるノズルプレートにおいて、
体積抵抗率が1015Ω・m以上のガラスからなり、
前記ノズルの吐出孔が形成されている第1の面がフラットであり、
前記吐出孔を一方の開口とする小径部と該小径部の他方の開口に通じ前記第1の面の反対の第2の面に開口を持つ大径部とを有することを特徴とするノズルプレート。
2. 前記大径部の径は、前記小径部の径より大きい径であることを特徴とする1に記載のノズルプレート。
3. 前記第1の面の上には撥液層が設けられていることを特徴とする1又は2に記載のノズルプレート。
4. 前記液体吐出ヘッドは、静電吸引方式の液体吐出ヘッドであることを特徴とする1乃至3にいずれか一つに記載のノズルプレート。
5. 吐出孔から液体を液滴として吐出するノズルを有し液体吐出ヘッドに用いられるノズルプレートの製造方法において、
体積抵抗率が1015Ω・m以上のガラス基板に、該ガラス基板の第1の面に前記吐出孔を一方の開口とする小径部と該小径部の他方の開口に通じ前記第1の面の反対の第2の面に開口を持つ大径部とで構成される前記ノズルを形成する工程であって、
前記ガラス基板の第1の面にフォトリソグラフィ処理を行い前記吐出孔のパターンマスクを形成する工程と、
前記吐出孔のパターンマスクを用いてドライエッチング処理を行い所望の前記小径部の持つ長さよりも長い小径部を形成する工程と、を有する第1の工程と、
前記第1の面の反対の第2の面にフォトリソグラフィ処理により前記大径部のパターンマスクを形成する工程と、
前記大径部のパターンマスクを用いてサンドブラスト法又はサンドブラスト法に加えてドライエッチング法により所望の長さの前記大径部を形成する工程と、を有する第2の工程と、を有することを特徴とするノズルプレートの製造方法。
6. 前記第1の工程は、
前記ガラス基板の第1の面に金属膜を設ける工程と、
前記金属膜にフォトリソグラフィ処理及びエッチング処理を行い前記吐出孔の金属膜のパターンマスクを形成する工程と、
前記吐出孔の金属膜のパターンマスクを用いてドライエッチング処理を行い所望の前記小径部の持つ長さよりも長い小径部を形成する工程と、
前記金属膜を除去する工程と、を有することを特徴とする5に記載のノズルプレートの製造方法。
7. 前記第1の面の上に撥液層を設ける撥液処理工程を有することを特徴とする5又は6に記載のノズルプレートの製造方法。
8. 前記液体吐出ヘッドは、静電吸引方式の液滴吐出ヘッドであることを特徴とする5乃至7の何れか一つに記載のノズルプレートの製造方法。
9. 吐出孔から液体を液滴として吐出するノズルを有するノズルプレートと、
前記ノズルプレートと貼り合わせることで、前記ノズルにそれぞれ連通するキャビティとなるキャビティ溝が形成されたボディープレートとを備え、
前記ノズル内の液体と前記ノズルプレートの液滴を吐出する面に対向して設けられた基材との間に形成される電界から受ける静電吸引力により液滴を吐出し基材に着弾させる液体吐出ヘッドにおいて、
前記ノズルプレートは、1乃至4の何れか一つに記載のノズルプレート又は5乃至8の何れか一つに記載のノズルプレートの製造方法により製造されるノズルプレートであって、
前記吐出孔から吐出される液体と前記基材間に静電電圧が印加されて静電吸引力を発生させる静電電圧印加手段を備えていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
10. 前記ノズル内の液体に圧力を印加して、メニスカスを形成する圧力発生手段を備えていることを特徴とする9に記載の液体吐出ヘッド。
請求項1に記載の発明によれば、まずノズルプレートがガラスからなっていることから次のような効果がある。微細な加工が高精度に行なわれることができることから、吐出孔が微小な径で複数であっても形状の揃った孔とされることができるため吐出される液滴が揃うことになり高い記録品質とすることができる。また、樹脂に比較して高い剛性が確保されていることから、液体が吐出される際にノズル内の液体に加わる圧力によるノズル壁の変形が生じにくいことから吐出速度の低下を招くことなく効率良く液体が吐出されることができる。更に吐出される液体をほとんど吸収することがないことから、吐出される液体の吸収による体積抵抗率の低下をほとんど生じることがほとんどないため、以下に述べる高い体積抵抗率を維持することができる。
また、ノズルプレートを成すガラスの体積抵抗率が1015Ω・m以上としているため、吐出孔が形成されている面がフラットであってもノズル内の液体に電界を印加することで、強い電界を吐出部周辺の液体に生じさせることを可能とされることから、微小な液滴が吐出されることが可能とされる静電吸引方式の液体吐出ヘッドに利用されることが可能となる。また吐出面がフラットであるため製造が容易であるとともにヘッドの清掃時のワイピング等によるノズルが損傷されることもないことから液体の吐出状態が安定して長寿命であるノズルプレートを提供できる。
請求項5に記載の発明によれば、上記の効果を持つノズルプレートの製造方法を提供することができることに加え、次の効果がある。ノズルプレートのノズルを形成するに際、高精度が要求され、加工による損傷を避けたい小径部周辺と高精度が要求されず加工による損傷が懸念されない大径部部分との2つに分け、小径部周辺にはドライエッチング法を、大径部分はサンドブラスト法をとするそれぞれに適切な加工方法を選択することができる。従って、必要な機能や精度を十分に確保しながら生産性の良いノズルプレートの製造方法を提供することができる。
請求項9に記載の発明によれば、本液体吐出ヘッドは、上記の効果を有するノズルプレートを持ち、静電電圧印加手段を備えていることから、次のような効果がある。まず、微小な径で複数であっても形状の揃った吐出孔から液体を吐出することができることから、吐出される液滴による高精細で高品質なパターンを形成することができる。また、生産性の良いノズルプレートを用いることから生産性の良い液体吐出ヘッドを提供することができる。
また、ノズルプレートは、体積抵抗率が1015Ω・m以上とされていることから、吐出孔が形成されている面がフラットであっても静電電圧印加手段により実用的な範囲での静電電圧をノズル内の液体に電界を印加することで、強い電界を吐出部周辺の液体に生じさせることが可能とすることができることから、微小な液滴を効率良く吐出することができる静電吸引方式の液体吐出ヘッドとすることができる。また吐出面がフラットであることから、製造が容易であるとともに液体吐出ヘッドの清掃時のワイピング等によるノズルの損傷が発生することもないことから液体の吐出状態が安定して長寿命である液体吐出ヘッドを提供できる。
以下、本発明に係る液体吐出ヘッドの実施形態に関して、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態の一例である液体吐出ヘッド2を用いて構成した液体吐出装置1の全体構成を示す断面図である。図1の液体吐出ヘッド2は、いわゆるシリアル方式或いはライン方式等の各種の液体吐出装置に適用可能である。
液体吐出装置1は、インク等の帯電可能な液体Lの液滴Dを吐出するノズル10が形成された液体吐出ヘッド2と、動作制御手段4と、液体吐出ヘッド2のノズル10に対向する対向面を有するとともにその対向面で液滴Dの着弾を受ける基材Kを支持する対向電極3とを備えている。
液体吐出ヘッド2は、ノズルプレート11とボディープレート19とから構成され、またノズルプレート11の対向電極3に対向する吐出面12からノズル10が突出されない、或いはノズル10が30μm程度しか突出しないフラットな吐出面を有するヘッドとして構成とされている(例えば、後述する図4(C)参照)。
各ノズル10は、ノズルプレート11に穿孔されて形成されており、各ノズル10には、それぞれノズルプレート11の吐出面12に吐出孔13を有する小径部14とその背後に位置する大径の大径部15との2段構造とされている。本実施形態の一例である液体吐出ヘッド2において、ノズル10の小径部14は円筒状に、大径部15は断面円形で対向電極3側がより小径とされたテーパ状に形成されており、小径部14の吐出孔13の内部直径(以下、ノズル径と称する。)が8μm、大径部15の小径部14から最も離れた側の開口端の内部直径が100μmとなるように構成されている。
ここで、ノズルプレート11の製造に関して説明する。図2は図1のノズルプレート11を製造する工程の概略を断面図でもって模式的に示した図であり、完成したノズルプレートは図2(b4)にノズルプレート2−1bとして示している。このノズルプレート2−1bの製造は以下で説明する小径部2−4を形成する第1の工程と大径部2−7を形成する第2の工程の2つの工程を有しており、この2つの工程の順番は入れ替えても良い。
ノズルプレート2−1bとなる基材2−1は、体積抵抗率は1015Ω・m以上のガラスとする。体積抵抗率に関しては以降で説明する。尚、体積抵抗率が1015Ω・m以上のガラスを、以降、高抵抗ガラスと称する。具体的な高抵抗ガラスの材料としては、例えば石英、合成石英等の高純度ガラス材料が挙げられる。
まず、第1の工程とする小径部2−4の形成に関して図2(A)に沿って説明する。本実施形態では、高抵抗ガラスである石英基板(概体積抵抗率1016Ω・m)に吐出孔を持つ小径部を形成する。
最初に、石英基板2−1の片面上に公知のスパッタリング法によりマスクとする金属膜2−2を形成する。ここで、使用する金属は、Cr、Ni、Al、Cu、Pt、Mo、Ti等が挙げられるが、これらに限定される必要はなく次に説明するエッチングレート比を考慮してマスクとして使用できればよい。金属の膜厚は、石英基板に形成する小径部の長さ(深さ)と石英と金属膜とのエッチングレート比(石英と金属膜とが除去される比率で、エッチング選択比とも言う。)とにより適宜決めれば良い。例えば、金属膜をCrとする場合、このエッチングレート比は10から30程度であり、石英基板に深さ10μmの孔をエッチングにて設ける場合、エッチングレート比を20とするとCr膜の厚みは0.5μmとすれば良い。実際には、予め実験等を行い使用する金属及び厚みを決めれば良い。尚、本実施形態では、マスクをエッチング処理による加工精度をより良くするために金属膜としているが、公知のドライフィルム等のフォトレジスト膜とすることができる。
次に、この金属膜2−2の上に、公知のフォトリソグラフィ技術により吐出孔13及び小径部14を形成するためのフォトレジストパターン2−3’を形成する。次に、このフォトレジストパターン2−3’をマスクとして、塩素ガスを用いた公知の反応性ドライエッチング法を用いてマスクされてない金属膜を除去してパターニングされた金属膜2−2’を形成する。この後、公知の酸素プラズマによるアッシング法によりレジストパターン2−3’の除去を行う。次は、上記でパターンニングされた金属膜2−2’をエッチング加工用マスクとして、CF4ガスを用いた公知の反応性ドライエッチング法を用いて、図1におけるノズルプレート11の小径部14の所望の長さ(円筒形状の孔の深さ)より深い小径部となる孔2−4を形成する(図2(a5))。本実施形態では、所望の長さは、図1における小径部14の長さである20μmであり、この小径部14を形成する工程で形成する小径部となる孔2−4の長さは25μmとしている。最後に、金属膜2−2’を除去することで石英基板2−1aを得て小径部の形成が終了する。
次に、第2の工程とする大径部2−6の形成に関して図2(B)に沿って説明する。大径部2−6の形成は、小径部となる孔2−4が形成された石英基板2−1aを用い、孔2−4に連通するように形成する。形成する大径部2−6の直径は、孔2−4の径より大きく且つ隣接する大径部2−6の例えばノズル内の液体への加圧力の干渉等が問題とならないような隔壁の強度が確保される厚みを持つことができる径とするのが好ましく、小径部となる孔2−4が複数の場合は、そのピッチも考慮して適宜決めれば良い。
まず、石英基板2−1aの小径部となる孔2−4を設けた面の反対面上に、公知のフォトリソグラフィ技術(レジスト塗布、露光、現像)により大径部2−6を設けるためのフォトレジストパターン2−5’を形成する(図2(b2))。次に、フォトレジストパターン2−5’をマスクとして、サンドブラスト法を用いて大径部2−6を所望の深さとなるように穴を形成する。この結果、小径部となる孔2−4の長さを所望の長さ以上としていることで、大径部2−6を所望の深さに形成すると大径部2−6と小径部となる孔2−4とは貫通し、所望のノズルが完成する(図2(b3))。最後に、フォトレジストパターン2−5’を除去することでノズルプレート2−1bが完成する(図2(b4))。
ここで、小径部の所望の長さは本実施形態においては、20μmとしており、この長さは大径部2−6の穴の底の厚みでもある。従って、微小な噴射粒により加工を行うサンドブラスト法を用いて、この大径部2−6を形成する場合、この底部に微小なクラックが生じる場合があり、歩留まりの低下を招く場合がある。これに対して、サンドブラスト法による大径部2−6の形成を微小なクラックの発生が懸念されない厚みまでとし、それ以降からCF4ガスを用いた公知の反応性ドライエッチング法を用いて所望の深さとするのが好ましい。
尚、大径部2−6の形成は、必要なエッチングレート比をもつマスク材料が無いことから深い穴の形成が困難であり、またガラスのエッチングレートが遅いため加工時間が非常に長く必要となることから精密な加工を得意とする上記のドライエッチング法のみでは対応できない。
ここで、先に述べた通り、小径部となる吐出孔2−4を形成する第1の工程と大径部2−6を形成する第2の工程の順序は入れ替えても良い。すなわち、まず図3(C)に示す様に、大径部2−6を上記と同じサンドブラスト法又はサンドブラスト法の後にドライエッチング法を用いて石英基板2−1に形成する(図3(c4))。次に図3(D)に示す様に、大径部が形成された石英基板2−1cに小径部となる孔2−4を上記と同じドライエッチング法を用いて所望の長さより長い孔を形成すれば良い。
上記の石英基板へのノズル加工終了後、石英基板の吐出孔を形成した側の面に撥液層を設けた後、ダイサー等を用いて個々のノズルプレートに分離する。
尚、実際の加工では石英基板を、例えばシリコンやガラスの基板を台板として、この台板上にグリースまたは粘着性がグリース程度の粘着性が比較的弱い粘着剤を用いて仮固定すると作業性が良くなるので好ましい。仮固定の方法の具体例としては、例えばクールグリース(商品名)等の熱伝導性グリースや熱伝導性粘着シートを用いることが挙げられる。
ここで、撥液層に関して説明する。図1に示すノズルプレート11の吐出孔13が存在する面に撥液層28を設けるのが好ましい。撥液層28を設けることで、吐出孔13から液体Lが吐出面12に馴染むことでの染み出しや広がりを抑制することができる。具体的には、例えば液体Lが水性であれば撥水性を有する材料が用いられ、液体Lが油性であれば撥油性を有する材料が用いられるが、一般に、FEP(四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン)、PTFE(ポリテトラフロロエチレン)、フッ素シロキサン、フルオロアルキルシラン、アモルファスパーフルオロ樹脂等のフッ素樹脂等が用いられることが多く、塗布や蒸着等の方法で吐出面12に成膜されている。膜厚の厚みは、特に限定されるものではないが、概ね0.1μmから3μmとするのが好ましい。
なお、撥液層28は、ノズルプレート11の吐出面12に直接成膜してもよいし、撥液層28の密着性を向上させるために中間層を介して成膜することも可能である。本実施形態の一例である図1に示すノズルプレート11の撥液層28は厚み0.2μmの四フッ化エチレンとしている。
なお、ノズルプレート11のノズル10の形状は図1及び図2で示す形状に限定されず、例えば、図4(A)〜(D)に示すように、形状が異なる種々のノズル10を用いることが可能である。また、ノズル10は、断面円形状に形成する代わりに、断面多角形状や断面星形状等としてもよい。尚、断面形状が円でない場合、例えば、小径より大きい大径とは小径部の断面積を同じ面積の円形に置き換えた場合の直径より、大径部の断面積を同じ面積の円形に置き換えた場合の直径が大きいことを示している。
次に図1で示すように、完成したノズルプレート11のボディープレート19と接合される面及び大径部15の内周面17に、例えばNiP、Pt,Au等の導電素材よりなるノズル内の液体Lを帯電させるための静電電圧印加手段である帯電用電極16を層状に設ける。このように層状に帯電用電極16を設けることで、単一の帯電用電極16がノズルプレート上のすべての大径部15内の液体に接触することになり、静電電圧電源18から帯電用電極16に静電電圧が印加されると、全ての大径部15内の液体Lが同時に帯電され、液体吐出ヘッド2と対向電極3との間、特に液体Lと基材Kとの間に静電吸引力が発生されるようにすることができる。
この帯電用電極16を設ける方法は特に限定されるものではなく、公知の真空蒸着法、スパッタリング法等を用いれば良い。また、導電素材としては、液体に接することで腐食等を生じないものを適宜選択すれば良い。
図1に示す液体吐出ヘッド2の帯電用電極16の背後には、シリコンからなるボディープレート19が設けられている。ボディープレート19の各ノズル10の大径部15の開口端に面する部分には、それぞれ開口端にほぼ等しい内径を有する略円筒状の空間が形成されており、各空間は、吐出される液体Lを一時貯蔵するためのキャビティ20とされている。
ボディープレート19には、キャビティ20に液体Lを供給するための図示しない流路が形成されている。具体的には、シリコン基板に公知のフォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いてキャビティ20、共通流路、および共通流路とキャビティ20とを結ぶ流路を設けることができる。
共通流路には、外部の図示しない液体タンクから液体Lを供給する図示しない供給管が連絡されており、供給管に設けられた図示しない供給ポンプにより或いは液体タンクの配置位置による差圧により流路やキャビティ20、ノズル10等の液体Lに所定の供給圧力が付与されるようになっている。
各キャビティ20に対応する背面部分には、圧力発生手段としての圧電素子アクチュエータであるピエゾ素子22がそれぞれ設けられており、ピエゾ素子22には、ピエゾ素子22に駆動電圧を印加してピエゾ素子22を変形させるための駆動電圧電源23が接続されている。ピエゾ素子22は、駆動電圧電源23からの駆動電圧の印加により変形して、ノズル内の液体Lに圧力を生じさせてノズル10の吐出孔13に液体Lのメニスカスを形成させるようになっている。ここで、上記で述べたように吐出孔13の存在するフラットな吐出面に撥液層28が設けてあることで、ノズルの吐出孔13部分に形成される液体のメニスカスが吐出孔13の周囲の吐出面12に広がることによるメニスカス先端部への電界集中の低下を効果的に防止することができる。なお、圧力発生手段は、本実施形態のような圧電素子アクチュエータのほかに、例えば、静電アクチュエータやサーマル方式等を採用することも可能である。
駆動電圧電源23および帯電用電極16に静電電圧を印加する静電電圧電源18は、それぞれ動作制御手段4に接続されており、それぞれ動作制御手段4による制御を受けるようになっている。
動作制御手段4は、本実施形態ではCPU25やROM26やRAM27等が図示しないBUSにより接続されて構成されたコンピュータからなっており、CPU25は、ROM26に格納された電源制御プログラムに基づいて静電電圧電源18および各駆動電圧電源23を駆動させてノズル10の吐出孔13から液体Lを吐出させるようになっている。
液体吐出ヘッド2の下方には、基材Kを支持する平板状の対向電極3が液体吐出ヘッド2の吐出面12に平行に所定距離離間されて配置されている。対向電極3と液体吐出ヘッド2との離間距離は、0.1〜3mm程度の範囲内で適宜設定される。
本実施形態では、対向電極3は接地されており、常時接地電位に維持されている。そのため、静電電圧電源18から帯電用電極16に静電電圧が印加されると、ノズル10の吐出孔13の液体Lと対向電極3の液体吐出ヘッド2に対向する対向面との間に電界が生じるようになっている。また、帯電した液滴Dが基材Kに着弾すると、対向電極3はその電荷を接地により逃がすようになっている。
なお、対向電極3または液体吐出ヘッド2には、液体吐出ヘッド2と基材Kとを相対的に移動させて位置決めするための図示しない位置決め手段が取り付けられており、これにより液体吐出ヘッド2の各ノズル10から吐出された液滴Dは、基材Kの表面に任意の位置に着弾させることが可能とされている。
液体吐出装置1による吐出を行う液体Lは、例えば、無機液体としては、水、COCl2、HBr、HNO3、H3PO4、H2SO4、SOCl2、SO2Cl2、FSO3Hなどが挙げられる。
また、有機液体としては、メタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、tert−ブタノール、4−メチル−2−ペンタノール、ベンジルアルコール、α−テルピネオール、エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどのアルコール類;フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾールなどのフェノール類;ジオキサン、フルフラール、エチレングリコールジメチルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、エピクロロヒドリンなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−4−ペンタノン、アセトフェノンなどのケトン類;ギ酸、酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸などの脂肪酸類;ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−3−メトキシブチル、酢酸−n−ペンチル、プロピオン酸エチル、乳酸エチル、安息香酸メチル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、炭酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、セロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、アセト酢酸エチル、シアノ酢酸メチル、シアノ酢酸エチルなどのエステル類;ニトロメタン、ニトロベンゼン、アセトニトリル、プロピオニトリル、スクシノニトリル、バレロニトリル、ベンゾニトリル、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、o−トルイジン、p−トルイジン、ピペリジン、ピリジン、α−ピコリン、2,6−ルチジン、キノリン、プロピレンジアミン、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素、N−メチルピロリドンなどの含窒素化合物類;ジメチルスルホキシド、スルホランなどの含硫黄化合物類;ベンゼン、p−シメン、ナフタレン、シクロヘキシルベンゼン、シクロヘキセンなどの炭化水素類;1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,1,2−テトラクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ペンタクロロエタン、1,2−ジクロロエチレン(cis−)、テトラクロロエチレン、2−クロロブタン、1−クロロ−2−メチルプロパン、2−クロロ−2−メチルプロパン、ブロモメタン、トリブロモメタン、1−ブロモプロパンなどのハロゲン化炭化水素類などが挙げられる。また、上記各液体を二種以上混合して用いてもよい。
さらに、高電気伝導率の物質(銀粉等)が多く含まれるような導電性ペーストを液体Lとして使用し、吐出を行う場合には、前述した液体Lに溶解又は分散させる上記の物質としては、ノズル10で目詰まりを発生するような粗大粒子を除けば、特に制限されない。
ここで、液体吐出ヘッド2における液体Lの吐出原理について図1が示す液体吐出装置1を用いて説明する。
液体吐出装置1では、静電電圧電源18から液体Lに対する静電電圧印加手段である帯電用電極16に静電電圧を印加し、ノズル10の吐出孔13の液体Lと対向電極3の液体吐出ヘッド2に対向する対向面との間に電界を生じさせる。また、駆動電圧電源23からピエゾ素子22に駆動電圧を印加してピエゾ素子22を変形させ、それにより液体Lに生じた圧力でノズル10の吐出孔13に液体Lのメニスカスを形成させる。
本実施形態のように、ノズルプレート11の絶縁性が高くなると、図5にシミュレーションによる等電位線4−1で示すように、ノズルプレート11の内部に、吐出面12に対して略垂直方向に等電位線4−1が並び、ノズル10の小径部14の液体Lや液体Lのメニスカス部分に向かう強い電界が発生する。
特に、図5でメニスカスの先端部では等電位線4−1が密になっていることから分かるように、メニスカス先端部では非常に強い電界集中が生じる。そのため、電界の静電力によってメニスカスが引きちぎられてノズル内の液体Lから分離されて液滴Dとなる。さらに、液滴Dは静電力により加速され、対向電極3に支持された基材Kに引き寄せられて着弾する。その際、液滴Dは、静電力の作用でより近い所に着弾しようとするため、基材Kに対する着弾の際の角度等が安定し正確に行われる。
発明者らが、図6に示す液体吐出装置1’を使用して電極間の電界の電界強度が実用的な値である1.5kV/mmとなるように構成し、各種の絶縁体でノズルプレート11’を形成して下記の実験条件に基づいて行った実験では、ノズル10’から液滴D’が吐出される場合と吐出されない場合があった。
[実験条件]
ノズルプレート11’の吐出面12’と対向電極3’の対向面との距離:1.0mm
ノズルプレート11’の厚さ:125μm
ノズル径:10μm
静電電圧:1.5kV
駆動電圧:20V
実験に使用した液体吐出ヘッド2’のノズル10’には4°のテーパ角を持っている。このテーパ角は、ノズル10’の断面において、吐出面12’に対する垂線から吐出面12’から離れる方向に広がる角度を示している。
この液体吐出装置1’による実験で、液滴D’がノズルから安定に吐出されたすべての場合について、メニスカス先端部の電界強度を求めた。実際には、メニスカス先端部の電界強度を直接測定することが困難であるため、電界シミュレーションソフトウエアである「PHOTO−VOLT」(商品名、株式会社フォトン製)によるシミュレーションにより算出した。ここでの電界強度は、電流分布解析モードによる、電圧印加後300秒後の電界強度を言う。その結果、すべての場合においてメニスカス先端部の電界強度は1.5×107V/m以上であった。また、この実験において、液滴D’がノズルから安定して吐出されない場合についても、上記と同様のシミュレーションによりメニスカス先端部の電界強度を算出した。その結果、1.5×107V/m未満であった。
また、上記の実験条件と同様のパラメータを同ソフトウエアに入力してメニスカス先端部の電界強度を計算した結果、図7に示すように、電界強度はノズルプレート11’に用いる絶縁体の体積抵抗率に強く依存することが分かった。また、ノズル10’から液滴D’を安定に吐出させるためにはメニスカス先端部の電界強度が1.5×107V/m以上であることが必要であることが上記の実験より得られていることから、図7から明らかなように、ノズルプレート11’の体積抵抗率は1015Ω・m以上であればよいことが分かった。
ノズルプレート11’の体積抵抗率とメニスカス先端部の電界強度との関係が図7のような特徴的な関係になるのは、ノズルプレート11’の体積抵抗率が低いと、静電電圧を印加してもノズルプレート11’内で等電位線が図5に示したように吐出面12に対して略垂直方向に並ぶような状態にはならず、ノズル10’内の液体L’および液体L’のメニスカスへの電界集中が十分に行われないためであると考えられる。
理論上、体積抵抗率が1015Ω・m未満のノズルプレート11’でも、静電電圧を非常に大きくすればノズル10’から液滴D’が吐出される可能性はあるが、電極間でのスパークの発生等により基材K’が損傷される可能性があるため、静電電圧を非常に大きくすることは好ましくない。
なお、図7に示したようなメニスカス先端部の電界強度のノズルプレート11’の体積抵抗率に対する特徴的な関係は、ノズル径を種々に変化させてシミュレーションを行った場合でも同様に得られており、どの場合も体積抵抗率が1015Ω・m以上の場合にメニスカス先端部の電界強度が1.5×107V/m以上になることが分かっている。
一方、体積抵抗率が1015Ω・m以上の絶縁体を用いてノズルプレート11’を作製しても、ノズル10’から液滴D’が吐出されない場合がある。発明者らの行った実験結果である表1に示すように、液体L’として水などの導電性溶媒を含有する液体を用いた場合、ノズルプレート11’の液体の吸収率が0.6%以下であることが必要であることが分かった。
表1の実験に関して、以下に説明する。図6に示す液体吐出ヘッド2’のノズルプレート11’を表1に示す種々の材料を用いて実際に作製し、ノズル10’の吐出孔13’から液滴D’が吐出されるか否かを基材K’に吐出させて確認し、表1において吐出できた場合を○印、できなかった場合を×印で示している。
吐出される液体L’として導電性の液体2種類と絶縁性の液体1種類の3種類とした。液体L1は、水52質量%、エチレングリコールおよびプロピレングリコールをそれぞれ22質量%、染料(CIアシッドレッド1)3質量%、界面活性剤1質量%含有する導電性の液体として調製し、液体L2は、エタノールに染料(同上)を3質量%含有する導電性の液体として調整し、液体L3は、テトラデカンにAg粒子を分散させ、絶縁性溶媒に帯電可能な粒子を分散した液体として調製した。
なお、体積抵抗率は、JISC2151に準拠し、シート状被測定物の面間に電圧を印加した場合の電気抵抗値より算出した。また、ノズルプレート11’の液体の吸収率は、23℃の使用対象である液体L’にノズルプレート11’または代用のシート状被測定物を24時間浸漬し、浸漬前後のノズルプレート11’または被測定物の質量変化率より算出した。液体L’が水溶性インクである場合には、ASTMD570に準拠した吸水率で代用することも可能である。
上記の液体L1〜L3に対する実験結果は上記の表1のようになった。なお、表1の吸収率の欄は、上段が水に対する吸収率(吸水率)、下段がエタノールに対する吸収率を表している。また、吐出の有無の後の「あり」は液体吸収防止層を設けた場合を示し、「なし」は液体吸収防止層を設けない場合を示している。ここで、図8は、図6のノズルプレート11’に液体吸収防止層8−1を設けた例を示している。この液体吸収防止層8−1は、吸収率が0.6%以下でない材料からなるノズルの内周面から液体が吸収されることで体積抵抗率が低下することを防止するために設けられている。
表1の結果から、液体L1や液体L2のように導電性溶媒を含有する場合、液体の吸収率が低くても体積抵抗率が1015Ω・m未満の材料ではノズル10’から液体L’は吐出されないことが分かる。これは、上記のシミュレーションによる結果と同じ結果を示している。また、体積抵抗率が1015Ω・m以上の材料であればノズル10’から液体Lが吐出され得るが、吸収率が少なくとも0.6%以下でなければ液体Lは吐出されないことが分かる。
また、液体L3のように絶縁性溶媒に帯電可能な粒子を分散した液体を吐出する場合には、体積抵抗率が1015Ω・m以上の材料であればすべてノズル10’から液体が吐出され得ることが分かる。
上記の結果は次のように考えられる。まず、ノズルプレート11’が液体L’中から導電性溶媒を吸収すると導電性の液体である水分子等の分子が本来絶縁性であるノズルプレート11’内に存在することになるため、結果的にノズルプレート11’の電気伝導度が高くなり、特に液体L’に接する局部の実効的な体積抵抗率の値が低下し、図7に示す関係に従ってメニスカス先端部の電界強度が弱まり、液体L’の吐出に必要な電界集中が得られなくなるためと考えられる。
また、表1の液体L3の様に、絶縁性溶媒に帯電可能な粒子を分散した液体を用いた場合には、ノズルプレート11’は、その液体に対する吸収率に係わりなく体積抵抗率が1015Ω・m以上であれば液体Lを吐出することが分かった。これは、絶縁性溶媒がノズルプレート11’内に吸収されても絶縁性溶媒の電気伝導度が低いためノズルプレート11’の電気伝導度が大きく変化せず、実効的な体積抵抗率が低下しないためであると考えられる。
なお、溶液L3のAg粒子の様に絶縁性溶媒に分散されている帯電可能な粒子は、例えば、電気伝導度が極めて大きな金属粒子であってもノズルプレート11’には吸収されないため、ノズルプレート11’の電気伝導度を高めることはない。なお、先の絶縁性溶媒とは、単体では静電吸引力により吐出されない溶媒をいい、具体的には、例えば、キシレンやトルエン、テトラデカン等が挙げられる。また、導電性溶媒とは、電気伝導度が10-10S/cm以上の溶媒をいう。
ここで、本実施形態のノズルプレート11’は、体積抵抗率1.0×1016Ω・m程度の高抵抗ガラスである石英を使用している。また、石英はほとんど液体の吸収性を持たないので、吐出する液体による電気導電度の低下を考慮する必要はない。従って、吐出される液体が上記の液体L1、液体L2、液体L3の様な無機液体、有機液体又は高電気伝導率の物質(銀粉等)が多く含まれるような溶液を使用する場合であっても、吐出に必要な体積抵抗率1.0×1015Ω・m以上は維持されることになり、常に安定した液体の吐出を可能とすることができる。
また、本実施形態の例としているノズルプレート11のように、小径部と大径部といった段差を持つノズルを用いたシミュレーションにおいて、ノズルプレート11の厚みを10μm、20μm、50μm、100μmとするパラメータとして、ノズル径を変化させた場合のメニスカス先端部の電界強度を図9に示す。この時の小径部の長さは10μmとしている。
図9より、ノズル径が小さくなる程、またノズルプレートの厚みが厚くなる程メニスカス先端部の電界強度が大きくなることが分かる。
ノズル10から液滴Dが安定に吐出させるためにはメニスカス先端部の電界強度が1.5×107V/m以上であることが必要なことから、例えばノズルプレートの厚みを10μmとする場合は、ノズル径を2μm未満にすることで液滴Dを安定して吐出させることができる。さらに、例えばノズルプレートの厚みを20μmとする場合は、ノズル径を3μm未満に、ノズルプレートの厚みを50μmとする場合は、ノズル径を5μm未満に、ノズルプレートの厚みを100μmとする場合は、ノズル径を7μm未満にすることで液滴Dを安定に吐出させることができる。
また、小径部14の長さを、5μm、10μm、15μm、20μmとするパラメータとしてノズル径を変化させた場合のメニスカス先端部の電界強度を図10に示す。この時のノズルプレート11の厚みは、100μmとしている。図10より、ノズル径が小さくなる程、また小径部の長さが長くなる程メニスカス先端部の電界強度が大きくなることが分かる。
ノズル10から液滴Dを安定に吐出させるためにはメニスカス先端部の電界強度は上記と同じく1.5×107V/m以上であることが必要なことから、小径部長さを5μmとする場合は、ノズル径を6μm未満にすることで液滴Dを安定に吐出することができる。さらに、例えば小径部長さを10μmとする場合は、ノズル径を7μm未満に、小径部長さを15μmとする場合は、ノズル径を8μm未満に、小径部長さを20μmとする場合は、ノズル径を9μm未満にすることで液滴Dを安定に吐出させることができる。
従って、上記の図9及び図10におけるシミュレーションの結果により、所望のノズル径に対してノズルの小径部の長さ及びノズルプレートの厚みを適宜決めれば良い。
尚、図9、図10におけるシミュレーションにおいて、ノズル孔の角度は5°としているが、このノズル孔の先端部の角度の影響は小さく、液滴を安定に吐出する条件への依存性は大きくない。
次に本実施形態の液体吐出ヘッド2の駆動に関して図1及び図11を用いて説明する。液体吐出装置1の動作制御手段4は、静電電圧電源18から帯電用電極16に一定の静電電圧Vcを印加させる。これにより、液体吐出ヘッド2の各ノズル10には常時一定の静電電圧Vcが印加され、液体吐出ヘッド2と対向電極3との間に電界が生じる。
また、動作制御手段4は、液滴Dを吐出させるべきノズル10ごとに、そのノズル10に対応する駆動電圧電源23からピエゾ素子22に対してパルス状の駆動電圧Vdを印加させる。このような駆動電圧Vdが印加されると、ピエゾ素子22が変形してノズル内部の液体Lの圧力を上げ、ノズル10の吐出孔13では、図11(A)の状態からメニスカスが***し始め、図11(B)のようにメニスカスが大きく***した状態となる。
すると、前述したように、メニスカス先端部に高度な電界集中が生じて電界強度が非常に強くなり、メニスカスに対して静電電圧Vcにより形成された電界から強い静電力が加わる。この強い静電力による吸引とピエゾ素子22による圧力とにより図11(C)のようにメニスカスが引きちぎられて液滴Dが形成される。液滴Dは、電界で加速されて対向電極方向に吸引され、対向電極3に支持された基材Kに着弾する。
その際、液滴Dには空気の抵抗等が加わるが、前述したように、静電力の作用で液滴Dはより近い所に着弾しようとするため、基材Kに対する着弾方向がぶれることなく安定し、基材Kに正確に着弾する。
液体吐出装置1では、静電電圧電源18から帯電用電極16に印加される一定の静電電圧Vcは1.5kVに設定されており、駆動電圧電源23からピエゾ素子22に印加されるパルス状の駆動電圧Vdは20Vに設定されている。
以上のように、本実施形態の液体吐出ヘッド2によれば、液体吐出ヘッド2は、フラットな吐出面12を有するヘッドとされているため、図示を省略するが、液体吐出ヘッド2のクリーニング時に吐出面12にブレードやワイパ等の部材が接触してもノズル10が損傷する等の事態が生じることがなく、操作性に優れる。
また、液体吐出ヘッド2の製造においてノズル10の突起等の微細構造を形成する必要がなく構造が単純であるから、容易に製造することが可能で生産性に優れる。
さらに、ノズル10が形成されるノズルプレート11として、高抵抗ガラスとしていることで、帯電用電極16に印加する静電電圧が1.5kV程度の低い電圧であっても、ピエゾ素子22の変形によりノズル10の吐出孔部分に形成される液体Lのメニスカスに電界を集中することができ、メニスカスの先端部の電界強度を液滴Dが安定的に吐出される1.5×107V/m以上とすることが可能となる。また、ガラスからなるノズルプレートは樹脂に比較してより高い剛性が確保されていることから、液体を吐出する際のピエゾ素子22の変形によりノズル内の液体に加わる圧力によるノズル壁の変形が生じにくいことから圧力損失が少ないため吐出速度の低下を招くことなく効率良く液体を吐出することができる。
このように、本実施形態の液体吐出ヘッド2は、フラットなヘッドでありながら、ノズルが突出されたヘッドと同様の電界集中をメニスカス先端部に効果的に生じさせることができるため、低電圧の静電電圧の印加でも効率良くかつ正確に液体を吐出することが可能となる。
なお、本実施形態では、ピエゾ素子22の変形により形成されたメニスカスを静電吸引力で分離して液滴化し、静電電圧Vcによる電界で加速して基材Kに着弾させる構成としているが、この他にも、静電電圧を選択的に各ノズルに印加可能な構成とすることで非吐出ノズルの帯電用電極には静電電圧を印加せず、吐出するノズルの帯電電極のみに静電電圧を印加する方法、あるいは静電電圧を選択的に各ノズルに印加可能な構成として全てのノズルの帯電用電極に吐出に至らない一定のバイアス電圧を印加し、吐出するノズルのみに吐出を可能とする電圧を重畳させて吐出させる方法としても良い。
また、本実施形態では、圧力発生手段をピエゾ素子22とする場合について示したが、圧力発生手段はこの機能を有するものであればよく、この他にも、例えば、ノズル10やキャビティ20の内部の液体Lを加熱するなどして気泡を生じさせ、その圧力を用いるように構成することも可能である。
また、本実施形態の液体吐出ヘッド2を用いた液体吐出装置1では、対向電極3を接地する場合について述べたが、例えば、電源から対向電極3に電圧を印加して、帯電用電極16との電位差が1.5kV等の所定の電位差になるようにその電源を動作制御手段4で制御するように構成することも可能である。
ノズルプレートを製造しこれを液体吐出ヘッドに使用した例を以下で説明する。
(実施例1)
本実施例は、ノズル径を8μm、ノズルの小径部の長さを20μm、ノズルプレートの厚みを150μmとしたノズルプレートを例として図2に沿って具体的に説明する。
まず、基材は石英ガラス基板(厚み150μm、直径76mm、メーカー公称体積抵抗値1016Ω・m)とした。次に、石英基板2−1の片面上に公知のスパッタリング法によりマスクとする膜厚1μmのAl膜2−2を形成した。本実施例での石英とAl膜とのエッチングレート比は、予め行った実験より30とした。
次に、このAl膜の上に、公知のフォトリソグラフィ技術により吐出孔及び小径部を形成するためのフォトレジストパターン2−3’を形成した。次に、このフォトレジストパターン2−3’をマスクとして、塩素ガスを用いた公知の反応性ドライエッチング法を用いてマスクされてないAl膜を除去してパターニングされたCr膜2−2’を形成した。この後、公知の酸素プラズマによるアッシング法によりレジストパターン2−3’の除去を行った。次に、上記でパターンニングされたAl膜2−2’をエッチング加工用マスクとして、CF4ガスを用いた公知の反応性ドライエッチング法を用いて、小径部14の所望の長さ(円筒形状の孔の深さ)20μmより深い約25μmの小径部となる孔2−4を形成した(図2(a5))。最後に、Al膜2−2’を除去することで石英基板2−1aを得た(図2(a6))。
次に、大径部2−6を、上記の石英基板2−1aを用い、孔2−4にほぼ同心状態で連通するように形成した。形成する大径部2−6の直径は100μmとした。まず、石英基板2−1aの小径部15となる孔2−4を設けた面の反対面上に、厚み50μmのドライフィルムレジストを用いて公知のフォトリソグラフィ技術(露光、現像)により大径部2−7を設けるためのフォトレジストパターン2−5’を形成した(図2(b2))。次に、フォトレジストパターン2−5’をマスクとして、サンドブラスト法を用いて大径部2−6を深さ100μmとなるように穴を形成した。この後、CF4ガスを用いた公知の反応性ドライエッチング法を用いて更に30μmほど穴の形成を行い、所望の深さ130μm大径部2−7を形成し、この結果小径部と大径部とは貫通状態となっている(図2(b3))。最後に、フォトレジストパターン2−5’を除去しノズルプレート2−1cを完成させた(図2(b4))。
次に大径部15の内周面17に、帯電用電極16として、厚み約0.3μmのNiP膜を公知のスパッタリングにより設け、さらに吐出孔2−4のある面に真空蒸着により4フッ化エチレンの厚み0.2μmの撥液層を形成し、ダイサーを用いて個々のノズルプレートに分離した。
次にボディープレートを製造した。シリコン基板を用いて、公知のフォトリソグラフィ技術(レジスト塗布、露光、現像)及び異方性ドライエッチング技術を用いて、ノズルにそれぞれ連通する複数のキャビティとなるキャビティ溝、このキャビティにそれぞれ連通する複数のインク供給路となるインク供給溝及びこのインク供給に連通する共通インク室となる共通インク室溝、並びにインク供給口を形成した。
次に、図1に示すように、これまでに用意したノズルプレートとボディープレートとを接着剤を用いて貼り合わせ、更にボディープレート19の各キャビティ20の背面に圧力発生手段であるピエゾ素子22を取り付けて液滴吐出ヘッド2とした。この液滴吐出ヘッド2を、図1に示す液体吐出装置1の様に対向電極3に対向した位置に設置し、各ピエゾ素子22と各駆動電圧電源23、静電電圧電源18と帯電用電極16、各駆動電圧電源23及び静電電圧電源18と動作制御手段4とを接続して液体吐出装置1とした。尚、対向電極3及び静電電圧電源18のマイナス端子は接地した。
静電電圧電源18から印加する静電電圧Vcを1.5kV、各ピエゾ素子22に供給される各駆動電圧電源23からの駆動電圧Vdを20Vとし、吐出する液体を上記の液体L1、液体L2、液体L3として液滴吐出ヘッド2を動作させたところ、安定して吐出できることを確認した。
(実施例2)
ノズル径、ノズルの小径部の長さ及びノズルプレートの厚みを、シミュレーションで得られた図9及び図10に示されるメニスカスの先端部の電界強度が1.5×107V/m以上となる条件で種々変えたノズルプレートを製造し、後は上記の実施例1と同じ条件とする液体吐出装置を構成して、上記の液体L1の吐出の有無を基材Kに吐出させて確認した。また、電界強度が1.5×107V/m未満となるノズルプレートも参考のために製造し、上記の液体L1の吐出の有無を基材Kに吐出させて確認した。実験の結果を表2に示す。
表2において、液体の吐出状態を示す○印は、静電電圧1.5kVの印加により安定した吐出状態が確認されたことを示している。また、液体の吐出状態を示す△印は、静電電圧1.5kVの印加では、液滴の吐出は確認できなかったが、更に高電圧を印加することにより吐出が確認されたことを示している。
表2の結果から、電界強度がシミュレーションにより1.5×107V/m以上となるノズル径、ノズルの小径部の長さ及びノズルプレート厚みの条件を満たすノズルプレートを有する液体吐出ヘッドからは何れも安定した液滴の吐出が確認された。一方、電界強度が1.5×107V/m未満となるノズルプレートを有する液体吐出ヘッドにおいては、シミュレーションと同一の印加電圧では液滴の吐出は確認されず、液滴を吐出させるためには更に高い電圧の印加が必要であった。
これらのことより、シミュレーションによる結果が実機による吐出実験結果と同じ結果であることがわかる。
本実施形態における液体吐出ヘッドを断面及び液体吐出装置の全体構成を示す図である。 本実施形態におけるノズルプレートの製造工程の一例を断面図で説明する図である。 本実施形態におけるノズルプレートの製造工程の一例を断面図で説明する図である。 形状が異なるノズルの変形例を断面図で示す図である。 シミュレーションによるノズルの吐出孔付近の電位分布を模式的に示す図である。 実機による実験を行った液体吐出装置の全体構成を示す図である。 ノズルプレートの体積抵抗率とメニスカス先端部の電界強度との関係を示す図である。 液体吸収防止層を設けたノズルプレートの例の断面を示す図である。 ノズル径とメニスカス先端部の電界強度との関係をノズルプレートの厚みをパラメータとして示す図である。 ノズル径とメニスカス先端部の電界強度との関係をノズルの小径部の長さをパラメータとして示す図である。 本実施の形態で示す一例の液体吐出ヘッドの駆動例に関して説明する図である。
符号の説明
1 液体吐出装置
2 液体吐出ヘッド
3 対向電極
4 動作制御手段
10 ノズル
11 ノズルプレート
12 吐出面
13 吐出孔
14 小径部
15 大径部
16 帯電用電極
17 大径部の内周面
18 静電電圧電源
19 ボディープレート
20 キャビティ
22 ピエゾ素子
23 駆動電圧電源
25 CPU
26 ROM
27 RAM
28 撥液層
D 液滴
K 基材
L 液体

Claims (10)

  1. 吐出孔から液体が液滴として吐出されるノズルを有し液体吐出ヘッドに用いられるノズルプレートにおいて、
    体積抵抗率が1015Ω・m以上のガラスからなり、
    前記ノズルの吐出孔が形成されている第1の面がフラットであり、
    前記吐出孔を一方の開口とする小径部と該小径部の他方の開口に通じ前記第1の面の反対の第2の面に開口を持つ大径部とを有することを特徴とするノズルプレート。
  2. 前記大径部の径は、前記小径部の径より大きい径であることを特徴とする請求項1に記載のノズルプレート。
  3. 前記第1の面の上には撥液層が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のノズルプレート。
  4. 前記液体吐出ヘッドは、静電吸引方式の液体吐出ヘッドであることを特徴とする請求項1乃至3にいずれか一項に記載のノズルプレート。
  5. 吐出孔から液体を液滴として吐出するノズルを有し液体吐出ヘッドに用いられるノズルプレートの製造方法において、
    体積抵抗率が1015Ω・m以上のガラス基板に、該ガラス基板の第1の面に前記吐出孔を一方の開口とする小径部と該小径部の他方の開口に通じ前記第1の面の反対の第2の面に開口を持つ大径部とで構成される前記ノズルを形成する工程であって、
    前記ガラス基板の第1の面にフォトリソグラフィ処理を行い前記吐出孔のパターンマスクを形成する工程と、
    前記吐出孔のパターンマスクを用いてドライエッチング処理を行い所望の前記小径部の持つ長さよりも長い小径部を形成する工程と、を有する第1の工程と、
    前記第1の面の反対の第2の面にフォトリソグラフィ処理により前記大径部のパターンマスクを形成する工程と、
    前記大径部のパターンマスクを用いてサンドブラスト法又はサンドブラスト法に加えてドライエッチング法により所望の長さの前記大径部を形成する工程と、を有する第2の工程と、を有することを特徴とするノズルプレートの製造方法。
  6. 前記第1の工程は、
    前記ガラス基板の第1の面に金属膜を設ける工程と、
    前記金属膜にフォトリソグラフィ処理及びエッチング処理を行い前記吐出孔の金属膜のパターンマスクを形成する工程と、
    前記吐出孔の金属膜のパターンマスクを用いてドライエッチング処理を行い所望の前記小径部の持つ長さよりも長い小径部を形成する工程と、
    前記金属膜を除去する工程と、を有することを特徴とする請求項5に記載のノズルプレートの製造方法。
  7. 前記第1の面の上に撥液層を設ける撥液処理工程を有することを特徴とする請求項5又は6に記載のノズルプレートの製造方法。
  8. 前記液体吐出ヘッドは、静電吸引方式の液滴吐出ヘッドであることを特徴とする請求項5乃至7の何れか一項に記載のノズルプレートの製造方法。
  9. 吐出孔から液体を液滴として吐出するノズルを有するノズルプレートと、
    前記ノズルプレートと貼り合わせることで、前記ノズルにそれぞれ連通するキャビティとなるキャビティ溝が形成されたボディープレートとを備え、
    前記ノズル内の液体と前記ノズルプレートの液滴を吐出する面に対向して設けられた基材との間に形成される電界から受ける静電吸引力により液滴を吐出し基材に着弾させる液体吐出ヘッドにおいて、
    前記ノズルプレートは、請求項1乃至4の何れか一項に記載のノズルプレート又は請求項5乃至8の何れか一項に記載のノズルプレートの製造方法により製造されるノズルプレートであって、
    前記吐出孔から吐出される液体と前記基材間に静電電圧が印加されて静電吸引力を発生させる静電電圧印加手段を備えていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  10. 前記ノズル内の液体に圧力を印加して、メニスカスを形成する圧力発生手段を備えていることを特徴とする請求項9に記載の液体吐出ヘッド。
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