JP2009274415A - ノズルプレート及び液体吐出ヘッド - Google Patents

ノズルプレート及び液体吐出ヘッド Download PDF

Info

Publication number
JP2009274415A
JP2009274415A JP2008130569A JP2008130569A JP2009274415A JP 2009274415 A JP2009274415 A JP 2009274415A JP 2008130569 A JP2008130569 A JP 2008130569A JP 2008130569 A JP2008130569 A JP 2008130569A JP 2009274415 A JP2009274415 A JP 2009274415A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nozzle
liquid
resin layer
hole
nozzle plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008130569A
Other languages
English (en)
Inventor
Isao Doi
勲 土井
Shigeto Omori
滋人 大森
Nahomi Kubo
奈帆美 久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2008130569A priority Critical patent/JP2009274415A/ja
Publication of JP2009274415A publication Critical patent/JP2009274415A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

【課題】ノズルプレートのノズル孔が形成されている樹脂部に亀裂、断裂が生じないようにすることによって、耐久性の良いノズルプレートを提供する。
【解決手段】吐出口から液体を液滴として吐出されるノズルを有し、静電吸引方式の液体吐出ヘッドに用いられるノズルプレートにおいて、前記吐出口を開口とする第1の孔が形成された樹脂層と、前記樹脂層に重ねられ、前記第1の孔に連通する該第1の孔より径が大きい第2の孔が形成されたシリコン板と、を有し、前記樹脂層の前記第2の孔を覆う部分における形状変形指数Cは、所定の式を満足する。
【選択図】図3

Description

本発明は、ノズルプレートに関する。
近年、インクジェット方式記録ヘッドによる画質の高精細化の進展及び工業用途における適用範囲の拡大に伴い、微細パターン形成及び高粘度のインク吐出の要請がますます強まっており、これらの課題を解決するための液体吐出装置、及びその製造方法の開発が進んでいる(例えば、特許文献1参照)。
その中でも、上記の要請に応え、微小化されたノズルから低粘度のみならず高粘度の液滴を吐出させる技術として、ノズル内の液体を帯電させ、ノズルと液滴の着弾を受ける対象物となる各種の基材との間に形成される電界から受ける静電吸引力により吐出させるいわゆる静電吸引方式の液滴吐出技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
更に、この液滴吐出技術と、ピエゾ素子の変形や液体内部での気泡の発生による圧力を利用して液滴を吐出する技術とを組み合わせた、いわゆる電界アシスト方式を用いた液滴吐出装置の開発が進んでいる。
この電界アシスト方式は、メニスカス形成手段と静電吸引力を用いてノズルの吐出口に液体のメニスカスを***させることにより、メニスカスに対する静電吸引力を高め、液表面張力に打ち勝ってメニスカスを液滴化し吐出する方法である。
電界アシスト方式においては、このように圧力と静電吸引力の合力によりノズルから液滴を形成し、形成された液滴を静電吸引力により基材に対して飛翔させるため、例えば直径が5μmから10μm程度といった微小な吐出口から吐出される微小な液滴に対してその着弾性は、従来のピエゾ方式やサーマル方式より優れている。
従来のピエゾ方式やサーマル方式ではメニスカスを形成し液滴を飛翔させ基材に着弾させるための全エネルギーをピエゾ素子の変形等による圧力で賄わなければならない。これに対して、電界アシスト方式で必要となる発生圧力を生じさせるのに必要なエネルギーはメニスカスを形成し液滴を形成するだけのエネルギーだけで済むので、ピエゾ素子等の圧電アクチュエータからなる圧力発生手段の駆動電圧は従来方式に比べて低電圧で済むという利点がある。
特開2005−249436号公報 特開2006−110757号公報
微小液滴の吐出による高精度記録を目的とする電界アシスト方式インクジェット記録ヘッドにおいては、インクと記録媒体との間の絶縁性を高めるために吐出口を開口とするノズル孔が形成される板(ノズルプレート若しくはノズルプレートの一部)が、例えば特許文献1に記載されているように、樹脂で構成される場合がある。
微小液滴の吐出に対応するため、ノズル孔径(吐出口を開口とする孔の直径)を5μmから10μm程度に小さくすると、射出抵抗が大きくなり、この射出抵抗に対抗して良好に射出するためには射出圧を大きくする必要がある。しかし、樹脂のヤング率は、金属やシリコン(Si)より2桁程度小さいため、射出圧を大きくすると、ノズルが形成されている樹脂部に亀裂破断が生じてしまい、良好な吐出がなされず記録品質が低下するという課題があった。
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、ノズルプレートのノズル孔が形成されている樹脂部に亀裂、断裂が生じないようにすることによって、耐久性の良いノズルプレート及び液体吐出ヘッドを提供することである。
上記の課題は、以下の構成により解決される。
1. 吐出口から液体が液滴として吐出されるノズルを有し、静電吸引方式の液体吐出ヘッドに用いられるノズルプレートにおいて、
前記吐出口を開口とする第1の孔が形成された樹脂層と、
前記樹脂層に重ねられ、前記第1の孔に連通する該第1の孔より径が大きい第2の孔が形成されたシリコン板と、を有し、
前記樹脂層の前記第2の孔を覆う部分の変形状態を示す形状変形指数Cは、以下の式を満足することを特徴とするノズルプレート。
C≦k1×d×10−23
但し、
5μm≦d≦10μm
d:第1の孔の直径(μm)
k1=0.3(1/μm)
C=k2×D/(E×t)(m/Pa)
k2=0.0069
D:第2の孔の直径(m)
E:樹脂層のヤング率(Pa)
t:樹脂層の厚み(m)
2. 前記樹脂層の体積抵抗率は、1015Ωm以上であることを特徴とする1に記載のノズルプレート。
3. 前記樹脂層の吸水率は、0.3%以下であることを特徴とする1又は2に記載のノズルプレート。
4. 1乃至3の何れか一項に記載のノズルプレートと、
前記ノズルプレートと貼り合わせることで、前記ノズルに連通するキャビティとなる空間が形成されたボディプレートと、
前記キャビティの容積を変化させることにより該キャビティ内の液体に圧力を発生させる圧力発生手段と、
前記ノズル及び前記キャビティ内の液体と基材間に静電電圧を印加して静電吸引力を発生させる静電電圧発生手段と、を備えることを特徴とする液体吐出ヘッド。
本発明のノズルプレート及び液体吐出ヘッドによれば、ノズルプレートのノズル孔が形成されている樹脂部に亀裂、断裂が生じないようにすることによって、耐久性を良好とすることができる。
本発明を図示の実施の形態に基づいて説明するが、本発明は該実施の形態に限らない。
図1は、本実施形態に係る静電吸引力を用いた電界アシスト方式の液体吐出装置1の全体構成を示す断面模式図である。尚、本発明に係わる液体吐出ヘッド2は、いわゆるシリアル方式或いはライン方式等の各種の液体吐出装置に適用可能である。
液体吐出装置1は、インク等の帯電可能な液体Lの液滴Qを吐出する後述するノズル5が形成された液体吐出ヘッド2と、液体吐出ヘッド2のノズル5に対向する対向面を有するとともにその対向面で液滴Qの着弾を受ける基材Kを支持する対向電極3とを備えている。
液体吐出ヘッド2の対向電極3に対向する側には、複数のノズル5が形成されたノズルプレート4が備えられている。
各ノズル5は、図1に示すように、ノズルプレート4を穿孔することにより形成されており、後述するキャビティ20から液体Lが供給される液体供給口9と連通する第2の孔である大径部(液体供給口側)10と、大径部10の底面の一部に連通されている第1の孔である小径部(吐出口側)12との2段構造である。また、大径部10のノズル径は、小径部12のノズル径より大きくなるように構成されている。尚、大径部10及び小径部12の開口断面形状は、円形である。
小径部12は、吐出面6の吐出口11を開口としており、吐出口11から対向電極3に対して液滴Qを吐出する。
ノズルプレート4は、シリコン層41と、例えば熱硬化性フッ素ポリマーで形成される樹脂層42とから積層構造をなしている。各ノズル5の小径部12は、樹脂層42を穿孔して形成され、大径部10は、シリコン層41を穿孔して形成されている。
樹脂層42を形成する熱硬化性フッ素ポリマーは、体積抵抗率1015Ωm以上、比誘電率3以下、ガラス転移温度350℃以上という物性値を有しており、例えば、Asahi Low−K polymer(旭硝子(株))等を用いることができる。
ノズルプレート4をこのような積層構造とすることにより、ノズルプレート4は、シリコン層41により平滑性及び剛性が得られ、樹脂層42のノズル先端部に電界を集中させることができる。
樹脂層42の液体Lの吸水率は0.3%以下としている。これにより、液体Lの物性に影響を受けずに長時間安定して強力な静電吸引力を発生させることができる。
樹脂層42は、ノズル5の周辺への電界集中を高め、より強力な静電吸引力を発生させることができるように厚さ5μm以上に形成されている。
ノズルプレート4の吐出面6には、好ましい形態として吐出口11からの液体Lの滲み出しを抑制するための撥液層61が吐出口11を除く吐出面6全面に設けられている。撥液層61は、例えば、液体Lが水性であれば撥水性を有する材料が用いられ、液体Lが油性であれば撥油性を有する材料を用いることが好ましい。一般に、FEP(四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン)、PTFE(ポリテトラフロロエチレン)、フッ素シロキサン、フルオロアルキルシラン、アモルファスパーフルオロ樹脂等のフッ素樹脂等が用いられることが多く、塗布や蒸着等の方法で吐出面6に成膜されている。
撥液層61と前記樹脂層42との臨界面には、撥液層61の密着性を向上させるためにSiOからなる中間層(図示しない)を設けてもよい。
液体吐出ヘッド2は、ノズルプレート4の対向電極3に対向する吐出面6からノズル5が突出しないフラットな吐出面を有するヘッドとして構成されている。
ノズルプレート4の吐出面6と反対側の面には、例えばNiP等の導電素材よりなりノズル5内の液体Lを帯電させるための帯電用電極14が層状に設けられている。本実施形態では、帯電用電極14は、ノズル5の大径部10の内周面15まで延設されており、ノズル内の液体Lに接している。
また、帯電用電極14は、静電電圧発生手段である静電電圧電源16に接続されている。単一の帯電用電極14がすべてのノズル5内の液体Lに接触しているため、静電電圧電源16により帯電用電極14と対向電極3との間に静電電圧が印加されると、全ノズル5内の液体Lが同時に帯電され、液体吐出ヘッド2と対向電極3との間、特に液体Lと基材Kとの間に静電吸引力が発生されるようになっている。
帯電用電極14の背後には、ボディプレート19が設けられている。ボディプレート19の前記各ノズル5の大径部10の開口端に面する部分には、それぞれ開口端にほぼ等しい内径を有する略円筒状の空間が形成されており、各空間は、吐出される液体Lを一時貯蔵するためのキャビティ20とされている。
ボディプレート19の背後には、可撓性を有する金属薄板やシリコン等よりなる可撓層21が設けられており、可撓層21によりキャビティ20が外界と画されている。
尚、ボディプレート19の可撓層21との境界部には、キャビティ20に液体Lを供給するための流路(図示しない)が形成されている。具体的には、ボディプレート19は、シリコン基板をエッチング加工して共通流路及び共通流路とキャビティ20とを結ぶ流路とが設けられている。共通流路には、外部の液体タンク(図示しない)から液体Lを供給する供給管(図示しない)が連絡されており、供給管に設けられた供給ポンプ(図示しない)により或いは液体タンクの配置位置による差圧により流路やキャビティ20、ノズル5等の液体Lに所定の供給圧力が付与されるようになっている。
可撓層21の外面の各キャビティ20に対応する部分には、それぞれ圧力発生手段としての圧電素子アクチュエータであるピエゾ素子22が設けられており、ピエゾ素子22には、ピエゾ素子22に駆動電圧を印加して該素子を変形させるための駆動電圧電源23が接続されている。ピエゾ素子22は、駆動電圧電源23からの駆動電圧の印加により変形して、ノズル内の液体Lに圧力を生じさせてノズル5の吐出口11に液体Lのメニスカスを形成させるようになっている。尚、圧力発生手段は、本実施形態のような圧電素子アクチュエータのほかに、例えば、サーマル方式等を採用することも可能である。
駆動電圧電源23及び帯電用電極14に静電電圧を印加する前記静電電圧電源16は、それぞれ動作制御手段24に接続されており、それぞれ動作制御手段24による制御を受けるようになっている。
動作制御手段24は、CPU25やROM26、RAM29等が図示しないBUSにより接続されて構成されたコンピュータからなっており、CPU25は、ROM26に格納された制御プログラムに基づいて静電電圧電源16、各駆動電圧電源23等を駆動させてノズル5の吐出口11から液体Lを吐出させるようになっている。
液体吐出ヘッド2の下方には、基材Kを支持する平板状の対向電極3が液体吐出ヘッド2の吐出面6に平行に所定距離離間されて配置されている。対向電極3と液体吐出ヘッド2との離間距離は、0.1〜3.0mm程度の範囲内で適宜設定される。
対向電極3は接地されており、常時接地電位に維持されている。そのため、前記静電電圧電源16から帯電用電極14に静電電圧が印加されると、ノズル5の吐出口11の液体Lと対向電極3の液体吐出ヘッド2に対向する対向面との間に電界が生じるようになっている。また、帯電した液滴Qが基材Kに着弾すると、対向電極3はその電荷を接地により逃がすようになっている。
対向電極3又は液体吐出ヘッド2には、液体吐出ヘッド2と基材Kとを相対的に移動させて位置決めするための図示しない位置決め手段が取り付けられており、これにより液体吐出ヘッド2の各ノズル5から吐出された液滴Qは、基材Kの表面に任意の位置に着弾させることが可能とされている。
液体吐出装置1による吐出を行う液体Lは、水等の無機液体、メタノール等の有機液体及び高電気伝導率の物質(銀粉等)が多く含まれるような導電性ペースト等が使用される。
本発明の液体吐出ヘッド2における液体Lの吐出原理について図1、図2を用いて説明する。
静電電圧電源16から帯電用電極14に静電電圧を印加し、ノズル5の吐出口11の液体Lと対向電極3の液体吐出ヘッド2に対向する対向面との間に電界を生じさせる。また、駆動電圧電源23からピエゾ素子22に駆動電圧を印加してピエゾ素子22を変形させ、それにより液体Lに生じた圧力でノズル5の吐出口11に液体Lのメニスカスを形成させる。
本実施形態のように、ノズルプレート4の絶縁性が高くなると、図2にシミュレーションによる等電位線で示すように、ノズルプレート4の内部に、吐出面6に対して略垂直方向に等電位線が並び、ノズル5の小径部12の液体Lや液体Lのメニスカス部分に向かう強い電界が発生する。
特に、図2でメニスカスMの先端部では等電位線が密になっていることから分かるように、メニスカス先端部では非常に強い電界集中が生じる。そのため、電界の静電力によってメニスカスが引きちぎられてノズル内の液体Lから分離されて液滴Qとなる。更に、液滴Qは静電力により加速され、対向電極3に支持された基材Kに引き寄せられて着弾する。その際、液滴Qは、静電力の作用でより近い所に着弾しようとするため、基材Kに対する着弾の際の角度等が安定し正確に行われる。
これまでの液滴の吐出実験により、液滴を安定に吐出させるためには、メニスカス先端部の電界強度が1.5×10V/m(1.5kV/mm)以上であることが必要であることが分かっている。また、ノズルプレート4の体積抵抗率が体積抵抗率1015Ωm以上の場合に、メニスカス先端部の電界強度が1.5×10V/m以上になることが分かっている。このため、樹脂層42をなす樹脂材料の体積抵抗率は、1015Ωm以上であることが好ましい。理論上、体積抵抗率が1015Ωm未満のノズルプレート4でも、静電電圧を非常に大きくすればノズル5から液滴Qが吐出される可能性はあるが、電極間でのスパークの発生等により基材Kが損傷する可能性がある。
また、メニスカス先端部の電界強度は、樹脂層42の厚さ及び比誘電率に依存し、メニスカス先端部の電界強度を1.5×10V/m程度以上とするためには、樹脂層42の厚さは5μm以上、比誘電率は3以下であることが好ましいことが分かっている。
これまで、説明したように、ピエゾ素子22を駆動して可撓層21を変形させて、ノズル5内の液体Lに圧力を加えることにより、吐出口11に液体Lのメニスカスが形成される。メニスカスが形成されるように加えられる圧力により、小径部12が形成されている樹脂層42の大径部10の開口を覆う部分である蓋421が、図3に点線で示すように***した状態に変形する。この蓋421の変形は、通常、加えられた圧力がなくなれば点線で示す状態から元の状態に戻る。しかし、場合によっては、***時に蓋421に亀裂が生じたり、破断したりしてしまうことがある。蓋421に亀裂、破断等が生じてしまうと、以降のメニスカスの形成が良好に行われなくなり、液滴の吐出が良好にできなくなってしまい基材Kへの記録品質が低下する。
上記の亀裂、破断は、蓋421の変形が弾性変形範囲を超え、塑性変形を起こす領域に入ることにより生じるものと推測される。
蓋421において亀裂、破断が生じるには、小径部12の直径d、大径部10の直径D、蓋421をなす樹脂層42のヤング率E及び蓋421の厚みに相当する樹脂層42の厚みtに一定の関係があることを得ることができた。以下、式(1)に示すように、形状変形指数Cが小径部12の直径dで定まる数値以下であると、亀裂、破断が生じないことが分かった。樹脂層42は、Asahi Low−K polymer(旭硝子(株))(ヤング率E=3.5GPa)を使用して形成した。
C≦k1×d×10−23 (1)
但し、
5μm≦d≦10μm
d:小径部(第1の孔)の直径(μm)
k1=0.3(1/μm)
C=k2×D/(E×t)(m/Pa) (2)
k2=0.0069
D:大径部(第2の孔)の直径(m)
E:樹脂層のヤング率(Pa)
t:樹脂層の厚み(m)
形状変形指数Cは、圧力を蓋421に加えた場合、蓋421の変形状態を示すものであって、ある圧力を加えた状態で蓋421の***量h(図3参照)を測定し、これを単位圧力当たりに換算したものとした。この形状変形指数Cがある値を超えないようにすることにより蓋421に亀裂、破断が生じない。尚、***量hは、図3に示すように、小径部12の吐出口の近傍で測定した。
樹脂層42の厚みt、直径Dを適宜変えて、一定の圧力をかけて、吐出面を基準として蓋421の***量hを測定した。こうした実験により得たデータを検討した結果、形状変形指数Cは、以下の関係があることが分かった。
(a)直径Dの6乗に比例する。
(b)厚みtの3乗の逆数に比例する。
(c)ヤング率Eの逆数に比例する。
単位圧力当たりの***量に、上記の関係(a)、(b)、(c)が最も合うように係数k2を決定し、これを式(2)とした。
小径部12の直径dが5μmから10μmの範囲において、形状変形指数Cが小径部12の直径dと式(1)の関係を満たす場合、蓋421に亀裂、破断が生じないことが分かった。小径部の直径dが小さくなり5μm未満の場合、液滴の形成が困難となり良好な吐出ができなくなり、また、10μmを超えるとメニスカスM(図2参照)が正常に形成され難くなるため、良好な吐出ができなくなってしまう。
次に、本実施形態の液体吐出ヘッド2のノズルプレート4の形成方法について説明する。
まず、図4(a)に示すように、例えば厚さ200μmの両面鏡面のウェハの上面(A面)及び下面(B面)に、例えば厚さ2μmの酸化膜(熱酸化膜)32がそれぞれ形成されたシリコン層41に相当するシリコン基板30を用意する。
次に、図4(b)に示すように、シリコン基板30のA面の酸化膜32を除去し、スピンコート法により樹脂層42として相当する熱硬化性フッ素ポリマー層を形成する。
次に、樹脂層42上に酸化膜33をTEOS(テトラエトキシシラン)ガスを用いたCVD法等を用いて形成し、リソグラフィー技術を用いて、図4(c)に示すように、酸化膜33に開口部341を形成する。また、B面の酸化膜32には開口部361を形成する。
次に、A面において、図4(d)に示すように、酸化膜33をマスクとして、シリコン基板30に達するまで樹脂層42にエッチングを施すことで熱硬化性フッ素ポリマー層に開口部342を形成し、その後、酸化膜33の除去を行う。
次に、図5(a)に示すように、シリコン基板30のB面が上側となるように、シリコン基板30のA面をシリコンからなるダミーウェハ50の上にクールグリース(図示しない)等を用いて固定する。
次に、図5(b)に示すように、酸化膜32をマスクとして、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合プラズマ)法により、開口部361を介してシリコン基板30を異方性エッチングする。そして、シリコン基板30を貫通するまで最終的に掘り下げて開口部362を形成する。
次に、図5(c)に示すように、酸化膜32を反応性イオンエッチングで除去し、必要に応じて表面処理を行った後、これをノズルプレート4として使用する。上記開口部362は、ノズル5の大径部10に相当し、開口部342はノズル5の小径部12に相当する。
尚、上記では、開口部342を最初に形成し、その後開口部362を形成しているが、B面に開口部362を形成した後に、A面の樹脂層42に開口部342を形成してもよい。
以上のようにして作製されたノズルプレート4に帯電用電極14を形成し、別途成型したボディプレート19を、帯電用電極14を介して陽極接合法により接合することで液体吐出ヘッド2を形成する。
この接合は、以下のように行う。まず、帯電用電極14付きのノズルプレート4とボディプレート19とを接触させる。次に、この状態で350℃〜450℃に加熱し、ノズルプレート4とボディプレート19の間にリーク電流が流れる寸前の電圧を印加することにより、ノズルプレート4及びボディプレート19を接合する。ノズルプレート4とボディプレート19とが接合されることによって、ノズル5に接続する液体流路が形成される。
更に、液体流路が形成された後に、ピエゾ素子22を付設し、動作制御手段24の取り付け、必要な配線接続及びパッケージング等が行われ、液体吐出ヘッド2が完成する。
図4、図5を用いて上記で説明したノズルの形成方法に従ってノズルプレート4を製造した。製造に際して、小径部12に相当する開口部342を設ける樹脂層42は、Asahi Low−K polymer(旭硝子(株))(ヤング率E=3.5GPa)を使用し、また、小径部12の直径d、大径部10の直径D、樹脂層41の厚みtを適宜変更した。こうして得たノズルプレート4を用いて、液体吐出ヘッド2を製造し、液体吐出を1000万回(ピエゾ素子の駆動周波数30kHz)行い、亀裂、破断の有無を確認した。ノズルプレート4の吐出面6と対向電極3の対向面との距離は1.0mmとし、印加する静電電圧は電極間の電界の電界強度が実用的な値である1.5kV/mmより1.5kVとした。この結果を表1から表3に示す。式(1)の項目は、式(1)に適合している場合は○印、適合していない場合は×印としている。
Figure 2009274415
Figure 2009274415
Figure 2009274415
表1から表3の結果より、式(1)に示す形状変形指数Cが小径部の直径dで決まる値以下であれば、亀裂、破断が生じないことが分かる。すなわち、表1のd=5μmの場合はC≦1.5×10−23(以下、単位省略)、表2のd=7μmの場合はC≦2.1×10−23、表3のd=10μmの場合はC≦3×10−23では亀裂、破断が生じていない。
尚、小径部の直径dが5μmから10μmの範囲においては、上記の条件式(1)を満たす範囲において、良好に液滴吐出を行うことができる。一方、小径部の直径dが5μm未満の場合、液滴の形成が困難となり、また、10μmを超えるとメニスカスが正常に形成され難くなって良好な吐出ができなかった。
本実施形態に係る液体吐出装置の全体構成を示す断面模式図である。 シミュレーションによるノズルの吐出口付近の電位分布を示す模式図である。 小径部周辺部の変形を説明する図である。 本実施形態に係る液体吐出ヘッドの形成工程の一部を示す断面図である。 本実施形態に係る液体吐出ヘッドの形成工程の一部を示す断面図である。
符号の説明
1 液体吐出装置
2 液体吐出ヘッド
3 対向電極
4 ノズルプレート
41 シリコン層
42 樹脂層
5 ノズル
6 吐出面
61 撥液層
9 液体供給口
10 大径部
11 吐出口
12 小径部
14 帯電用電極
15 内周面
16 静電電圧電源(静電電圧発生手段)
19 ボディプレート
20 キャビティ
21 可撓層
22 ピエゾ素子(圧力発生手段)
23 駆動電圧電源
24 動作制御手段
25 CPU
26 ROM
29 RAM
30 シリコン基板
32、33 酸化膜
42 樹脂層
421 蓋
d、D 直径
K 基材
L 液体
M メニスカス

Claims (4)

  1. 吐出口から液体が液滴として吐出されるノズルを有し、静電吸引方式の液体吐出ヘッドに用いられるノズルプレートにおいて、
    前記吐出口を開口とする第1の孔が形成された樹脂層と、
    前記樹脂層に重ねられ、前記第1の孔に連通する該第1の孔より径が大きい第2の孔が形成されたシリコン板と、を有し、
    前記樹脂層の前記第2の孔を覆う部分の変形状態を示す形状変形指数Cは、以下の式を満足することを特徴とするノズルプレート。
    C≦k1×d×10−23
    但し、
    5μm≦d≦10μm
    d:第1の孔の直径(μm)
    k1=0.3(1/μm)
    C=k2×D/(E×t)(m/Pa)
    k2=0.0069
    D:第2の孔の直径(m)
    E:樹脂層のヤング率(Pa)
    t:樹脂層の厚み(m)
  2. 前記樹脂層の体積抵抗率は、1015Ωm以上であることを特徴とする請求項1に記載のノズルプレート。
  3. 前記樹脂層の吸水率は、0.3%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のノズルプレート。
  4. 請求項1乃至3の何れか一項に記載のノズルプレートと、
    前記ノズルプレートと貼り合わせることで、前記ノズルに連通するキャビティとなる空間が形成されたボディプレートと、
    前記キャビティの容積を変化させることにより該キャビティ内の液体に圧力を発生させる圧力発生手段と、
    前記ノズル及び前記キャビティ内の液体と基材間に静電電圧を印加して静電吸引力を発生させる静電電圧発生手段と、を備えることを特徴とする液体吐出ヘッド。
JP2008130569A 2008-05-19 2008-05-19 ノズルプレート及び液体吐出ヘッド Pending JP2009274415A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008130569A JP2009274415A (ja) 2008-05-19 2008-05-19 ノズルプレート及び液体吐出ヘッド

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008130569A JP2009274415A (ja) 2008-05-19 2008-05-19 ノズルプレート及び液体吐出ヘッド

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009274415A true JP2009274415A (ja) 2009-11-26

Family

ID=41440266

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008130569A Pending JP2009274415A (ja) 2008-05-19 2008-05-19 ノズルプレート及び液体吐出ヘッド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009274415A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021019693A1 (ja) 2019-07-30 2021-02-04 コニカミノルタ株式会社 ノズルプレート、ノズルプレートの製造方法及びインクジェットヘッド
WO2022044245A1 (ja) 2020-08-28 2022-03-03 コニカミノルタ株式会社 ノズルプレート及びインクジェットヘッド

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021019693A1 (ja) 2019-07-30 2021-02-04 コニカミノルタ株式会社 ノズルプレート、ノズルプレートの製造方法及びインクジェットヘッド
WO2022044245A1 (ja) 2020-08-28 2022-03-03 コニカミノルタ株式会社 ノズルプレート及びインクジェットヘッド

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2018505074A (ja) マルチノズル印字ヘッド
WO2006067966A1 (ja) 液体吐出ヘッド、液体吐出装置および液体吐出方法
JP4893823B2 (ja) 液体吐出ヘッド及び液体吐出装置
JP2007055241A (ja) ノズルプレート及びその製造方法、並びに液滴吐出ヘッド及びその製造方法
JP5332275B2 (ja) シリコン製ノズル基板の製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法、及び液滴吐出装置の製造方法
JP2009119724A (ja) シリコン製ノズル基板、シリコン製ノズル基板を備えた液滴吐出ヘッド、液滴吐出ヘッドを搭載した液滴吐出装置、及びシリコン製ノズル基板の製造方法
JP2008273079A (ja) ノズル基板の製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出装置の製造方法
JP2009274415A (ja) ノズルプレート及び液体吐出ヘッド
JP2007175992A (ja) ノズルプレートの製造方法及びノズルプレート、液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出ヘッド、並びに液滴吐出装置の製造方法及び液滴吐出装置
JP2009107314A (ja) ノズルプレート、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置並びにノズルプレートの製造方法
JP2007331127A (ja) 液滴吐出装置、画像形成装置、画像形成方法および液滴吐出装置の製造方法
JP4807060B2 (ja) ノズルプレート、ノズルプレートの製造方法及び液体吐出ヘッド
JP2010241064A (ja) ノズル基板、及びそれを備えた液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置
JP2007181971A (ja) 液体吐出ヘッド及び液体吐出ヘッドの製造方法
JP4844114B2 (ja) 液体吐出ヘッドの製造方法及び液体吐出ヘッド
JP2010241063A (ja) 液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置、及び、ノズル基板の製造方法
JP2007210115A (ja) ノズルプレート製造方法及びノズルプレート
JP2005119044A (ja) 液滴吐出ヘッド及び液滴吐出ヘッド製造方法並びに液滴吐出装置、電界発光表示パネル製造装置、マイクロアレイ製造装置及びカラーフィルタ製造装置
JP2010172819A (ja) ノズル基板、液滴吐出ヘッド、及び液滴吐出装置
JP2007276307A (ja) 液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置、液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出装置の製造方法
JP2007216396A (ja) ノズルプレート、ノズルプレート製造方法及び液体吐出ヘッド
JP2010149375A (ja) ノズル基板の製造方法及び液滴吐出ヘッドの製造方法
JP2008055874A (ja) 液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置
JP2007152871A (ja) ノズルプレート、ノズルプレートの製造方法及び液体吐出ヘッド
JP2011000893A (ja) シリコン製ノズル基板、シリコン製ノズル基板を備えた液滴吐出ヘッド、液滴吐出ヘッドを搭載した液滴吐出装置、及びシリコン製ノズル基板の製造方法