JP2007146200A - アルミニウム材料に対するスポット溶接性に優れた溶融アルミニウムめっき鋼板 - Google Patents
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Abstract
【課題】アルミニウム材料とのスポット溶接性に優れ、490N級以上の高強度溶融アルミニウムめっき鋼板を提供する。
【解決手段】C:0.05〜0.18%,Si:1.50%以下,Mn:0.8〜2.5%,P:0.05%以下,S:0.02%以下,Mg:0.001〜0.02%,sol.Al:0.005%以下,N:0.0030〜0.0150%を含む鋼材を基材とし、微細なマグネシウム酸化物が分散したAlN濃化層が基材/めっき層の界面に生成した溶融アルミニウムめっき鋼板である。基材は、Ti及び/又はNb:0.02〜0.1%,Mo:0.3%以下,B:0.0030%以下の一種又は二種以上を含むことができる。
【選択図】なし
【解決手段】C:0.05〜0.18%,Si:1.50%以下,Mn:0.8〜2.5%,P:0.05%以下,S:0.02%以下,Mg:0.001〜0.02%,sol.Al:0.005%以下,N:0.0030〜0.0150%を含む鋼材を基材とし、微細なマグネシウム酸化物が分散したAlN濃化層が基材/めっき層の界面に生成した溶融アルミニウムめっき鋼板である。基材は、Ti及び/又はNb:0.02〜0.1%,Mo:0.3%以下,B:0.0030%以下の一種又は二種以上を含むことができる。
【選択図】なし
Description
本発明は、自動車用補強部材として好適で、アルミニウム,アルミニウム合金等のアルミニウム材料とのスポット溶接性に優れ、490N/mm2以上の強度を有する溶融アルミニウムめっき鋼板に関する。
自動車の車体重量を軽量化するため、ボンネット,ルーフ,フェンダー等にアルミニウム,アルミニウム合金等のアルミニウム材料が使用されている。鋼製部品で構成されるボディにボルト締め,リベット等の機械的固着でアルミニウム材料が接合されているが、機械的固着には穴開け加工等の工数が余分にかかり、費用の嵩む組立て工程になりやすい。
機械的固着に代わる接合法として、生産性向上を考慮したアルミニウム材料とのスポット溶接法が種々提案されている。しかし、通常のスポット溶接では、アルミニウム材料と鉄系材料の界面に硬くて脆い金属間化合物が生成し、接合強度が著しく低下する。そこで、アルミニウム系インサート材を挟んでアルミニウム,アルミニウム合金等薄板と軟鋼板とをスポット溶接する方法(特許文献1),アルミニウム材料の融点以下の融点を有する金属又は合金をコーティングした後で鋼材をアルミニウム材料とスポット溶接する方法(特許文献2)等による接合強度の向上が検討されている。
特開昭56-117888号公報
特開平4-251676号公報
インサート材を使用する方法では、工程が煩雑化し製造コストが高くなる。
Al,Al-Zn-Al-Si,Zn等の被覆層で鉄系材料を予めコーティングしても、硬くて脆い金属間化合物の生成が避けられず、接合強度が低下しがちである。
他方、近年の自動車用材料の軽量化に対応し、アルミニウム材料/鉄系材料の接合構造体が種々の部位で使用されるようになってきており、アルミニウム材料とのスポット溶接性に優れた高強度材の要求が一段と高まっている。しかし、従来の鉄系材料は大半が引張強度440N級以下であり、スポット溶接で形成された継手の接合強度も十分でない。
Al,Al-Zn-Al-Si,Zn等の被覆層で鉄系材料を予めコーティングしても、硬くて脆い金属間化合物の生成が避けられず、接合強度が低下しがちである。
他方、近年の自動車用材料の軽量化に対応し、アルミニウム材料/鉄系材料の接合構造体が種々の部位で使用されるようになってきており、アルミニウム材料とのスポット溶接性に優れた高強度材の要求が一段と高まっている。しかし、従来の鉄系材料は大半が引張強度440N級以下であり、スポット溶接で形成された継手の接合強度も十分でない。
本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、基材からのFe拡散を抑制するAlNを基材/めっき層の界面に濃化させることにより、スポット溶接の際に金属間化合物の生成を防止し、490N級以上の引張強さを有する溶融アルミニウムめっき鋼板を提供することを目的とする。
本発明は、質量比でC:0.05〜0.18%,Si:1.50%以下,Mn:0.8〜2.5%,P:0.05%以下,S:0.02%以下,Mg:0.001〜0.02%,sol.Al:0.005%以下,N:0.0030〜0.0150%を含む組成の鋼板を基材に使用している。基材は、必要に応じTi及び/又はNb:0.02〜0.1%,Mo:0.3%以下,B:0.0030%以下を含むこともできる。
基材と溶融アルミニウムめっき層との界面にはAlNが濃化し、微細なマグネシウム酸化物が分散している。
基材と溶融アルミニウムめっき層との界面にはAlNが濃化し、微細なマグネシウム酸化物が分散している。
アルミニウム材料と鉄系材料とをスポット溶接する際、鉄系材料の表面をアルミニウム化しておけばアルミニウム材料との親和性が増し、スポット溶接性の向上が予想される。しかし、単にアルミニウムめっき層を設けただけではスポット溶接時に高温に曝される接合界面に硬くて脆い金属間化合物が生成し、高い溶接強度が得られない。
本発明者等は、スポット溶接性に悪影響を及ぼす金属間化合物について種々調査・検討した結果、スポット溶接時に基材からめっき層界面へのFe拡散を抑制できると、脆い金属間化合物の生成量が減少し、溶接強度が上昇することを見出した。そして、バリア層としてAlNが濃化した表層に改質することにより、基材表層へのFe拡散が抑えられることを解明した。
本発明者等は、スポット溶接性に悪影響を及ぼす金属間化合物について種々調査・検討した結果、スポット溶接時に基材からめっき層界面へのFe拡散を抑制できると、脆い金属間化合物の生成量が減少し、溶接強度が上昇することを見出した。そして、バリア層としてAlNが濃化した表層に改質することにより、基材表層へのFe拡散が抑えられることを解明した。
AlNが濃化した界面にする上では、溶融アルミニウムめっき層のAlと鋼中のNとを反応させる必要がある。そのため、十分量のNを鋼中に固溶させ、Nの固溶状態が維持されるようにsol.Alを低く規制している。また、AlNの濃化に必要なN量を確保するため、Mgを添加している。かかる合金設計の下で、基材に含まれる合金成分,含有量を次のように定めている。
〔C:0.05〜0.18%〕
強度向上に有効な合金成分であり、490級を得るためには少なくとも0.05%以上のCが必要である。しかし、0.18%を超える過剰量のCが含まれるとスポット溶接部の硬さが急激に上昇し、溶接割れが発生する場合がある。そのため、0.05〜0.18%(好ましくは、0.05〜0.14%)でC含有量を選定する。
〔C:0.05〜0.18%〕
強度向上に有効な合金成分であり、490級を得るためには少なくとも0.05%以上のCが必要である。しかし、0.18%を超える過剰量のCが含まれるとスポット溶接部の硬さが急激に上昇し、溶接割れが発生する場合がある。そのため、0.05〜0.18%(好ましくは、0.05〜0.14%)でC含有量を選定する。
〔Si:1.50%以下〕
マトリックスに固溶して強度を向上させる合金成分であるが、めっき性,溶接性に悪影響を及ぼすので1.50%(好ましくは、0.80%)を上限とした。Siを添加した鋼種では、連続溶融アルミニウムめっきに先立ってFe,Fe-B等をプレめっきしておくとSi起因のめっき欠陥が防止される。
〔Mn:0.8〜2.5%〕
強度向上に有効な合金成分であり、0.8%以上で添加効果がみられるが、2.5%を超える過剰添加は延性,スポット溶接性低下の原因になる。好ましくは、0.8〜2.1%の範囲でMn含有量が定められる。
マトリックスに固溶して強度を向上させる合金成分であるが、めっき性,溶接性に悪影響を及ぼすので1.50%(好ましくは、0.80%)を上限とした。Siを添加した鋼種では、連続溶融アルミニウムめっきに先立ってFe,Fe-B等をプレめっきしておくとSi起因のめっき欠陥が防止される。
〔Mn:0.8〜2.5%〕
強度向上に有効な合金成分であり、0.8%以上で添加効果がみられるが、2.5%を超える過剰添加は延性,スポット溶接性低下の原因になる。好ましくは、0.8〜2.1%の範囲でMn含有量が定められる。
〔P:0.05%以下〕
強度向上に寄与する合金成分であるが、0.05%を超える過剰量のPは低温靭性に悪影響を及ぼす。
〔S:0.02%以下〕
不純物元素であり、S含有量が低いほど加工性に有利であるが、0.02%以下であれば本発明の趣旨が損なわれない。
強度向上に寄与する合金成分であるが、0.05%を超える過剰量のPは低温靭性に悪影響を及ぼす。
〔S:0.02%以下〕
不純物元素であり、S含有量が低いほど加工性に有利であるが、0.02%以下であれば本発明の趣旨が損なわれない。
〔Mg:0.001〜0.02%〕
脱酸剤として添加される成分であり、Mg脱酸に伴いAl添加量が低減できるので、スポット溶接時に生成するAlNに必要なN量の確保が容易になる。その結果、加工性に悪影響を及ぼさない程度までN含有量を低減でき、しかも基材/めっき層の界面ではAlN濃化が促進される。このような効果は0.001%以上のMg添加でみられるが、0.02%で飽和し、過剰添加は鋼材コストを上昇させるだけである。好ましくは、0.002〜0.01%の範囲でMg含有量を定める。
脱酸剤として添加される成分であり、Mg脱酸に伴いAl添加量が低減できるので、スポット溶接時に生成するAlNに必要なN量の確保が容易になる。その結果、加工性に悪影響を及ぼさない程度までN含有量を低減でき、しかも基材/めっき層の界面ではAlN濃化が促進される。このような効果は0.001%以上のMg添加でみられるが、0.02%で飽和し、過剰添加は鋼材コストを上昇させるだけである。好ましくは、0.002〜0.01%の範囲でMg含有量を定める。
〔sol.Al:0.005%以下〕
脱酸剤として添加される成分であるが、本成分系ではMg脱酸も併用しているので、0.005%以下の範囲で補足的に添加される。Alは脱酸反応に寄与する他、鋼中のNと結合してAlNを生成する。そのため、Alを過剰添加すると、スポット溶接時にAlN層の形成に必要なN量が不足しがちでFe拡散の抑止効果が十分に発揮されなくなり、溶接強度が低下する。このようなことから、Al添加量を可能な限り低く設定することが好ましく、Al含有量の上限を0.005%とした。
脱酸剤として添加される成分であるが、本成分系ではMg脱酸も併用しているので、0.005%以下の範囲で補足的に添加される。Alは脱酸反応に寄与する他、鋼中のNと結合してAlNを生成する。そのため、Alを過剰添加すると、スポット溶接時にAlN層の形成に必要なN量が不足しがちでFe拡散の抑止効果が十分に発揮されなくなり、溶接強度が低下する。このようなことから、Al添加量を可能な限り低く設定することが好ましく、Al含有量の上限を0.005%とした。
〔固溶N:0.0030〜0.0150%〕
本成分系では、Mg添加によってAl含有量の低減を可能にしているので、スポット溶接時に基材/めっき層の界面に濃化するAlNに必要なN量の確保が容易になる。すなわち、低い固溶N量であってもFeの拡散防止に有効なAlN濃化層が形成されるため、加工性に悪影響を及ぼさない程度に固溶N量を低減できる。有効なAlN濃化層の生成には0.0030%以上の固溶Nが必要であるが、0.0150%を超える過剰量は製鋼工程でスラブ表面にピンホールが生成し、製造条件が不安定化する原因である。加工性の劣化が問題視される用途では、固溶N量の上限を0.0100%とする。
なお、本件明細書でいう固溶N量は、窒化物等として固定されているNを除き、マトリックスに固溶しているNの量をいう。固溶N量は、たとえば次の方法で測定できる。(1)sol.N(塩酸に可溶な形態のNであり、固溶NやAlNとなっているNを含む)をJIS G1228の蒸留中和滴定法で定量し、(2)AlNをBr-アルコールで抽出して蒸留中和滴定法で定量し、(3)sol.N値とAlN値との差として固溶N量を算出する。
本成分系では、Mg添加によってAl含有量の低減を可能にしているので、スポット溶接時に基材/めっき層の界面に濃化するAlNに必要なN量の確保が容易になる。すなわち、低い固溶N量であってもFeの拡散防止に有効なAlN濃化層が形成されるため、加工性に悪影響を及ぼさない程度に固溶N量を低減できる。有効なAlN濃化層の生成には0.0030%以上の固溶Nが必要であるが、0.0150%を超える過剰量は製鋼工程でスラブ表面にピンホールが生成し、製造条件が不安定化する原因である。加工性の劣化が問題視される用途では、固溶N量の上限を0.0100%とする。
なお、本件明細書でいう固溶N量は、窒化物等として固定されているNを除き、マトリックスに固溶しているNの量をいう。固溶N量は、たとえば次の方法で測定できる。(1)sol.N(塩酸に可溶な形態のNであり、固溶NやAlNとなっているNを含む)をJIS G1228の蒸留中和滴定法で定量し、(2)AlNをBr-アルコールで抽出して蒸留中和滴定法で定量し、(3)sol.N値とAlN値との差として固溶N量を算出する。
〔Ti及び/又はNb:0.02〜0.1%〕
必要に応じて添加される合金成分であり、鋼材の高強度化に加え、ナゲットの組織微細化,スポット溶接熱影響部の軟化抑制に寄与する。鋼中のCを固定して鋼板の延性を改善する作用も呈する。このような効果は、Ti,Nbの一種又は二種を合計で0.02%添加することにより顕著になるが、0.1%で飽和する。0.1%を超えて過剰添加しても増量に見合った性質改善効果が得られず、鋼材コストの上昇,再結晶温度の上昇,延性低下の原因となる。そのため、Ti及び/又はNbの添加量を合計で0.02〜0.1%(好ましくは、0.02〜0.06%)の範囲で定める。
必要に応じて添加される合金成分であり、鋼材の高強度化に加え、ナゲットの組織微細化,スポット溶接熱影響部の軟化抑制に寄与する。鋼中のCを固定して鋼板の延性を改善する作用も呈する。このような効果は、Ti,Nbの一種又は二種を合計で0.02%添加することにより顕著になるが、0.1%で飽和する。0.1%を超えて過剰添加しても増量に見合った性質改善効果が得られず、鋼材コストの上昇,再結晶温度の上昇,延性低下の原因となる。そのため、Ti及び/又はNbの添加量を合計で0.02〜0.1%(好ましくは、0.02〜0.06%)の範囲で定める。
〔Mo:0.3%以下,B:0.0030%以下〕
何れも強度上昇に有効な成分であり、必要に応じて添加される。添加効果はMo:0.05%以上,B:0.0005%以上で顕著になる。しかし、0.3%を超えるMoの過剰添加は、鋼材コストを上昇させるだけではなく、強度・延性バランス,ひいては加工性の低下につながる。また、0.0030%を超えるB添加は、鋼材コストの上昇に加え、鋼中のNを消費して有効Nを低減するため十分なAlN濃化層の生成が阻害され、スポット溶接時に基材/めっき層の界面にAl-Fe金属間化合物が生成する反応を促進させる。そのため、添加する場合にはMo:0.3%(好ましくは、0.2%),B:0.0030%(好ましくは、0.0020%)を上限とする。
AlNの濃化量や厚みは必ずしも明確でないが、アルミニウム合金との界面からナノオーダの範囲において素材中心部の固溶Nの少なくとも2倍以上で濃化していることがFeの拡散抑制に有効であると考えられる。
何れも強度上昇に有効な成分であり、必要に応じて添加される。添加効果はMo:0.05%以上,B:0.0005%以上で顕著になる。しかし、0.3%を超えるMoの過剰添加は、鋼材コストを上昇させるだけではなく、強度・延性バランス,ひいては加工性の低下につながる。また、0.0030%を超えるB添加は、鋼材コストの上昇に加え、鋼中のNを消費して有効Nを低減するため十分なAlN濃化層の生成が阻害され、スポット溶接時に基材/めっき層の界面にAl-Fe金属間化合物が生成する反応を促進させる。そのため、添加する場合にはMo:0.3%(好ましくは、0.2%),B:0.0030%(好ましくは、0.0020%)を上限とする。
AlNの濃化量や厚みは必ずしも明確でないが、アルミニウム合金との界面からナノオーダの範囲において素材中心部の固溶Nの少なくとも2倍以上で濃化していることがFeの拡散抑制に有効であると考えられる。
成分・組成を表1に示す鋼材を溶製した後、スラブに連続鋳造した。均熱炉でスラブを1250℃に40分加熱した後、仕上げ温度:880℃,平均冷却速度:25℃/秒,巻取り温度:620℃の熱延条件下で板厚:2mmの熱延板とした。熱延板を酸洗し、冷間圧延率:50%で板厚:1.0mmまで冷間圧延した。
各冷延鋼板をめっき原板に使用し、3g/m2のFeめっきを施して連続溶融アルミニウムめっきラインに通板した。連続溶融アルミニウムめっきラインでは、焼鈍温度:830℃で還元焼鈍し、Al-9%Siの溶融めっき浴に送り込んで、引き上げ直後のガスワイピングでめっき目付け量を120g/m2に調整した。次いで、圧下率:2%で調質圧延し、巻き取ったコイルを450℃×10時間で低温焼鈍した。
得られた溶融アルミニウムめっき鋼板を機械試験にかけ、引張強さTS,全伸びT.Elを測定した。また、次の条件でアルミニウム合金とスポット溶接し、JIS Z3137(スポット溶接継手の引張試験方法)に準じた十字引張試験に供し、十字引張破断強度でスポット溶接性を評価した。鉄系材料/アルミニウム材料の接合体では、鉄系材料のTS≧490N/mm2,TS×T.El≧14000,十字引張強さ≧1000Nが合格(○)と判定される。
表2の調査結果にみられるように、試験No.1は、C含有量が少ないため強度が低く、Mg無添加のため十字引張強さも満足できる値が得られなかった。試験No.2は、Mn含有量が少ないため強度が低く、N含有量が少ないため十字引張強さも低下していた。試験No.3は、過剰量のAl含有のため十字引張強さが低い値であった。
これに対し、本発明に従った試験No.4〜12では、490N以上の強度が得られ、1000N以上の十字引張強さをもち、アルミニウム合金とスポット溶接しても十分な接合強度が得られた。
これに対し、本発明に従った試験No.4〜12では、490N以上の強度が得られ、1000N以上の十字引張強さをもち、アルミニウム合金とスポット溶接しても十分な接合強度が得られた。
以上に説明したように、基材/めっき層の界面にAlN濃化層を形成することにより、スポット溶接時に高温加熱されても基材から表層へのFe拡散が抑えられ、硬くて脆い合金層の生成が抑制されるため、高い接合強度で溶融アルミニウムめっき鋼板がアルミニウム材料にスポット溶接される。得られた溶融アルミニウムめっき鋼板/アルミニウム材料の接合構造体は、アルミニウム材料の軽量性,耐食性を活用しながら490N級以上の高強度を有するので自動車用構造部材を初めとして広汎な分野で使用される。
Claims (4)
- C:0.05〜0.18%,Si:1.50%以下,Mn:0.8〜2.5%,P:0.05%以下,S:0.02%以下,Mg:0.001〜0.02%,sol.Al:0.005%以下,固溶N:0.0030〜0.0150%を含み残部が不純物を除きFeの組成をもつ鋼板を基材とし、溶融アルミニウムめっき層と基材との界面にAlNが濃化し微細なマグネシウム酸化物が分散していることを特徴とするアルミニウム材料に対するスポット溶接性に優れた溶融アルミニウムめっき鋼板。
- C:0.05〜0.18%,Si:1.50%以下,Mn:0.8〜2.5%,P:0.05%以下,S:0.02%以下,Mg:0.001〜0.02%,sol.Al:0.005%以下,固溶N:0.0030〜0.0150%,Ti及び/又はNb:0.02〜0.1%を含み、残部が不純物を除きFeの組成をもつ鋼板を基材とし、溶融アルミニウムめっき層と基材との界面にAlNが濃化し微細なマグネシウム酸化物が分散していることを特徴とするアルミニウム材料に対するスポット溶接性に優れた溶融アルミニウムめっき鋼板。
- C:0.05〜0.18%,Si:1.50%以下,Mn:0.8〜2.5%,P:0.05%以下,S:0.02%以下,Mg:0.001〜0.02%,sol.Al:0.005%以下,固溶N:0.0030〜0.0150%を含み、更にMo:0.3%以下,B:0.0030%以下の少なくとも一種を含み、残部が不純物を除きFeの組成をもつ鋼板を基材とし、溶融アルミニウムめっき層と基材との界面にAlNが濃化し微細なマグネシウム酸化物が分散していることを特徴とするアルミニウム材料に対するスポット溶接性に優れた溶融アルミニウムめっき鋼板。
- C:0.05〜0.18%,Si:1.50%以下,Mn:0.8〜2.5%,P:0.05%以下,S:0.02%以下,Mg:0.001〜0.02%,sol.Al:0.005%以下,固溶N:0.0030〜0.0150%,Ti及び/又はNb:0.02〜0.1%を含み、更にMo:0.3%以下,B:0.0030%以下の少なくとも一種を含み、残部が不純物を除きFeの組成をもつ鋼板を基材とし、溶融アルミニウムめっき層と基材との界面にAlNが濃化し微細なマグネシウム酸化物が分散していることを特徴とするアルミニウム材料に対するスポット溶接性に優れた溶融アルミニウムめっき鋼板。
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---|---|---|---|---|
WO2008146919A1 (ja) | 2007-05-31 | 2008-12-04 | Meiji Seika Kaisha, Ltd. | リンコサミド誘導体及びこれを有効成分とする抗菌剤 |
CN111270126A (zh) * | 2020-03-10 | 2020-06-12 | 阳春新钢铁有限责任公司 | 一种铌钛氮和钛氮复合微合金化hrb400e钢筋及其生产方法 |
-
2005
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CN111270126A (zh) * | 2020-03-10 | 2020-06-12 | 阳春新钢铁有限责任公司 | 一种铌钛氮和钛氮复合微合金化hrb400e钢筋及其生产方法 |
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