JP2007144867A - インクジェットプリンタ - Google Patents
インクジェットプリンタ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007144867A JP2007144867A JP2005344138A JP2005344138A JP2007144867A JP 2007144867 A JP2007144867 A JP 2007144867A JP 2005344138 A JP2005344138 A JP 2005344138A JP 2005344138 A JP2005344138 A JP 2005344138A JP 2007144867 A JP2007144867 A JP 2007144867A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- print medium
- movement
- ball
- conveyance
- amount
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Ink Jet (AREA)
- Handling Of Sheets (AREA)
- Controlling Sheets Or Webs (AREA)
- Delivering By Means Of Belts And Rollers (AREA)
Abstract
【課題】印刷媒体の存在及び移動状態を直接的に検出することにより印刷媒体の位置を直接的に検出してインク滴吐出タイミングを正確なものとする。
【解決手段】例えばラインヘッド型インクジェットプリンタで第1インクジェットヘッド2と第2インクジェットヘッド3とを印刷媒体1の搬送方向に並べて配設する場合、第1インクジェットヘッド2の下方で印刷媒体1を搬送する第1搬送ベルト6及び第2インクジェットヘッド3の下方で印刷媒体1を搬送する第2搬送ベルト7の夫々をノズル列方向に隙間を持たせて配設し、この隙間に、球体25が印刷媒体1の搬送ベルト側の表面に接触して回転するボール式センサ23を配設する。ボール式センサ23は、球体25の回転状態から印刷媒体1の搬送方向への移動量及びそれと直交方向への移動量を検出するので、それらを用いてインク吐出タイミングと蛇行制御を行う。
【選択図】図1
【解決手段】例えばラインヘッド型インクジェットプリンタで第1インクジェットヘッド2と第2インクジェットヘッド3とを印刷媒体1の搬送方向に並べて配設する場合、第1インクジェットヘッド2の下方で印刷媒体1を搬送する第1搬送ベルト6及び第2インクジェットヘッド3の下方で印刷媒体1を搬送する第2搬送ベルト7の夫々をノズル列方向に隙間を持たせて配設し、この隙間に、球体25が印刷媒体1の搬送ベルト側の表面に接触して回転するボール式センサ23を配設する。ボール式センサ23は、球体25の回転状態から印刷媒体1の搬送方向への移動量及びそれと直交方向への移動量を検出するので、それらを用いてインク吐出タイミングと蛇行制御を行う。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば複数色の液体インクの微小なインク滴を複数のノズルから吐出してその微粒子(インクドット)を印刷媒体上に形成することにより、所定の文字や画像を描画するようにしたインクジェットプリンタに関するものである。
このようなインクジェットプリンタは、一般に安価で且つ高品質のカラー印刷物が容易に得られることから、パーソナルコンピュータやデジタルカメラなどの普及に伴い、オフィスのみならず一般ユーザにも広く普及してきている。
このようなインクジェットプリンタは、一般に、インクカートリッジと印字ヘッドとが一体的に備えられたキャリッジなどと称される移動体が印刷媒体上をその搬送方向と交差する方向に往復しながらその印字ヘッドのノズルから液体インク滴を吐出(噴射)して印刷媒体上に微小なインクドットを形成することで、当該印刷媒体上に所定の文字や画像を描画して所望の印刷物を作成するようになっている。そして、このキャリッジに黒色(ブラック)を含めた4色(イエロー、マゼンタ、シアン)のインクカートリッジと各色毎の印字ヘッドを備えることで、モノクロ印刷のみならず、各色を組み合わせたフルカラー印刷も容易に行えるようになっている(更に、これらの各色に、ライトシアンやライトマゼンタなどを加えた6色や7色、或いは8色のものも実用化されている)。
このようなインクジェットプリンタは、一般に、インクカートリッジと印字ヘッドとが一体的に備えられたキャリッジなどと称される移動体が印刷媒体上をその搬送方向と交差する方向に往復しながらその印字ヘッドのノズルから液体インク滴を吐出(噴射)して印刷媒体上に微小なインクドットを形成することで、当該印刷媒体上に所定の文字や画像を描画して所望の印刷物を作成するようになっている。そして、このキャリッジに黒色(ブラック)を含めた4色(イエロー、マゼンタ、シアン)のインクカートリッジと各色毎の印字ヘッドを備えることで、モノクロ印刷のみならず、各色を組み合わせたフルカラー印刷も容易に行えるようになっている(更に、これらの各色に、ライトシアンやライトマゼンタなどを加えた6色や7色、或いは8色のものも実用化されている)。
また、このようにキャリッジ上のインクジェットヘッドを印刷媒体の搬送方向と交差する方向に往復させながら印刷を実行するようにしたタイプのインクジェットプリンタでは、1頁全体をきれいに印刷するためにインクジェットヘッドを10回程度から数十回以上も往復運動させる必要があるため、他の方式の印刷装置、例えば電子写真技術を用いたレーザプリンタ、複写機などに比べて大幅に印刷時間がかかるといった欠点がある。
これに対し、印刷媒体の幅と同じ寸法の長尺のインクジェットヘッド(一体である必要はない)を配置してキャリッジを使用しないタイプのインクジェットプリンタでは、インクジェットヘッドを印刷媒体の幅方向に移動させる必要がなく、所謂1パスでの印刷が可能となるため、前記レーザプリンタと同様な高速な印刷が可能となる。なお、前者方式のインクジェットプリンタを一般に「マルチパス(シリアル)型インクジェットプリンタ」、後者方式のインクジェットプリンタを一般に「ラインヘッド型インクジェットプリンタ」と呼んでいる。
ところで、この種のインクジェットプリンタで高画質の印刷を行うためには、インク滴を印刷媒体の目標位置に正確に吐出する必要がある。そこで、下記特許文献1及び2に記載されるインクジェットプリンタでは、エンコーダによって印刷媒体搬送用の搬送ベルトの移動量を検出するのではなく、印刷媒体の搬送方向への位置を直接検出することにより、その位置情報に従ってインク滴吐出タイミングを決定することで、印刷媒体と搬送ベルトとの間にズレが生じても印刷媒体に対して正確にインク滴を吐出することを可能としている。
特開平4−226379号公報
特開平6−122238号公報
より一層、インク滴を印刷媒体の目標位置の正確に吐出するためには、印刷媒体の搬送方向と交差する方向への移動、所謂蛇行を制御しなければならない。しかしながら、前記特許文献に記載されるインクジェットプリンタは、何れも印刷媒体の搬送方向への位置を検出すると言うだけのものであり、印刷媒体の搬送方向と交差する方向への移動量を検出することはできない。もし、このようなインクジェットプリンタにおいて、印刷媒体の搬送方向と交差する方向への移動量を検出しようとするならば、そのための移動量検出センサを別途設ける必要があり、コスト面、構造面で不利になると同時に、レイアウト面でも制約を受ける。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、同一のセンサで印刷媒体の搬送方向への移動量及び搬送方向と交差する方向への移動量情報を得て、インク吐出タイミングの決定と蛇行制御を行うことを可能とするインクジェットプリンタを提供することを目的とするものである。
[発明1]上記課題を解決するために、発明1のインクジェットプリンタは、搬送ベルトに印刷媒体を載置して搬送し、その印刷媒体にインク滴を吐出して印刷を行うインクジェットプリンタにおいて、回転自在な球体を印刷媒体の表面に接触し、その球体の回転状態から当該印刷媒体の存在及び移動状態を検出するボール式センサと、前記ボール式センサで検出された印刷媒体の存在及び移動状態に基づいて当該印刷媒体の移動量及び移動方向を検出する印刷媒体検出手段とを備え、前記ボール式センサは、印刷媒体の表面に接触回転する球体の回転状態から少なくとも直交する2方向の移動状態を検出し、前記印刷媒体検出手段は、前記ボール式センサで検出された印刷媒体の移動状態から前記搬送ベルトによる印刷媒体の搬送方向への移動量及び印刷媒体の搬送方向と直交方向への移動量を検出し、インク吐出タイミングの決定と蛇行制御を同一ボール式センサの信号を用いて行うことを特徴とするものである。
この発明1に係るインクジェットプリンタによれば、ボール式センサの球体を印刷媒体の表面に接触し、その球体の回転状態から当該印刷媒体の存在及び移動状態を検出し、そのボール式センサで検出された印刷媒体の存在及び移動状態に基づいて当該印刷媒体の移動量及び移動方向を直接検出する構成とし、且つ印刷媒体の表面に接触回転する球体の回転状態から少なくとも直交する2方向の移動状態をボール式センサで検出し、その検出された印刷媒体の移動状態から搬送ベルトによる印刷媒体の搬送方向への移動量及び印刷媒体の搬送方向と直交方向への移動量を検出し、インク吐出タイミングの決定と蛇行制御を同一ボール式センサの信号を用いて行う構成としたため、同一のセンサで印刷媒体の搬送方向への移動量及び搬送方向と交差する方向への移動量情報を得て、インク吐出タイミングの決定と蛇行制御を行うことができる。
[発明2]発明2のインクジェットプリンタは、前記発明1のインクジェットプリンタにおいて、前記搬送ベルトに隙間を形成し、その搬送ベルトの隙間から印刷媒体の搬送ベルト側の表面に前記ボール式センサの球体を接触することを特徴とするものである。
この発明2に係るインクジェットプリンタによれば、搬送ベルトに隙間を形成し、その搬送ベルトの隙間から印刷媒体の搬送ベルト側の表面にボール式センサの球体を接触する構成としたため、印刷面が平滑な光沢印刷媒体でも、その反対側の表面にボール式センサの球体が接触し、滑ることなく確実に回転することで、印刷媒体の搬送方向への移動量及び印刷媒体の搬送方向と直交方向への移動量を確実に検出することができる。
この発明2に係るインクジェットプリンタによれば、搬送ベルトに隙間を形成し、その搬送ベルトの隙間から印刷媒体の搬送ベルト側の表面にボール式センサの球体を接触する構成としたため、印刷面が平滑な光沢印刷媒体でも、その反対側の表面にボール式センサの球体が接触し、滑ることなく確実に回転することで、印刷媒体の搬送方向への移動量及び印刷媒体の搬送方向と直交方向への移動量を確実に検出することができる。
[発明3]発明3のインクジェットプリンタは、前記発明1又は2のインクジェットプリンタにおいて、前記搬送ベルトによる印刷媒体の搬送方向に沿って前記ボール式センサを複数配設し、前記印刷媒体検出手段は、前記複数のボール式センサのうち、印刷媒体が接触している部位の1つのボール式センサの出力だけを選択して少なくとも前記印刷媒体の搬送方向への移動量を検出することを特徴とするものである。
この発明3に係るインクジェットプリンタによれば、搬送ベルトによる印刷媒体の搬送方向に沿ってボール式センサを複数配設し、それら複数のボール式センサのうち、印刷媒体が接触している部位の1つのボール式センサの出力だけを選択して少なくとも印刷媒体の搬送方向への移動量を検出する構成としたため、搬送されている印刷媒体の位置を連続的に検出することが可能となる。
次に、本発明のインクジェットプリンタの第1実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態のインクジェットプリンタの概略構成図であり、図1aは、その平面図、図1bは正面図である。図1において、印刷媒体1は、図の右上方から左下方に向けて図の矢印方向に搬送され、その搬送途中の印字領域で印字される、ラインヘッド型インクジェットプリンタである。但し、本実施形態のインクジェットヘッドは一カ所だけでなく、二カ所に分けて配設されている。
図1は、本実施形態のインクジェットプリンタの概略構成図であり、図1aは、その平面図、図1bは正面図である。図1において、印刷媒体1は、図の右上方から左下方に向けて図の矢印方向に搬送され、その搬送途中の印字領域で印字される、ラインヘッド型インクジェットプリンタである。但し、本実施形態のインクジェットヘッドは一カ所だけでなく、二カ所に分けて配設されている。
図中の符号2は、印刷媒体1の搬送方向上流側に設けられた第1インクジェットヘッド、符号3は、同じく下流側に設けられた第2インクジェットヘッドであり、第1インクジェットヘッド2の下方には印刷媒体1を搬送するための第1搬送部4が設けられ、第2インクジェットヘッド3の下方には第2搬送部5が設けられている。第1搬送部4は、印刷媒体1の搬送方向と交差する方向(以下、ノズル列方向とも称す)に所定の間隔をあけて配設された4本の第1搬送ベルト6で構成され、第2搬送部5は、同じく印刷媒体1の搬送方向と交差する方向(ノズル列方向)に所定の間隔をあけて配設された4本の第2搬送ベルト7で構成される。
4本の第1搬送ベルト6と同じく4本の第2搬送ベルト7とは、互いに交互に隣り合うように配設されている。本実施形態では、これらの搬送ベルト6,7のうち、ノズル列方向右側2本の第1搬送ベルト6及び第2搬送ベルト7と、ノズル列方向左側2本の第1搬送ベルト6及び第2搬送ベルト7とを区分する。即ち、ノズル列方向右側2本の第1搬送ベルト6及び第2搬送ベルト7の重合部に右側駆動ローラ8Rが配設され、ノズル列方向左側2本の第1搬送ベルト6及び第2搬送ベルト7の重合部に左側駆動ローラ8Lが配設され、それより上流側に右側第1従動ローラ9R及び左側第1従動ローラ9Lが配設され、下流側に右側第2従動ローラ10R及び左側第2従動ローラ10Lが配設されている。これらのローラは、一連のように見られるが、実質的には図1aの中央部分で分断されている。そして、ノズル列方向右側2本の第1搬送ベルト6は右側駆動ローラ8R及び右側第1従動ローラ9Rに巻回され、ノズル列方向左側2本の第1搬送ベルト6は左側駆動ローラ8L及び左側第1従動ローラ9Lに巻回され、ノズル列方向右側2本の第2搬送ベルト7は右側駆動ローラ8R及び右側第2従動ローラ10Rに巻回され、ノズル列方向左側2本の第2搬送ベルト7は左側駆動ローラ8L及び左側第2従動ローラ10Lに巻回されており、右側駆動ローラ8Rには右側電動モータ11Rが接続され、左側駆動ローラ8Lには左側電動モータ11Lが接続されている。従って、右側電動モータ11Rによって右側駆動ローラ8Rを回転駆動すると、ノズル列方向右側2本の第1搬送ベルト6で構成される第1搬送部4及び同じくノズル列方向右側2本の第2搬送ベルト7で構成される第2搬送部5は、互いに同期し且つ同じ速度で移動し、左側電動モータ11Lによって左側駆動ローラ8Lを回転駆動すると、ノズル列方向左側2本の第1搬送ベルト6で構成される第1搬送部4及び同じくノズル列方向左側2本の第2搬送ベルト7で構成される第2搬送部5は、互いに同期し且つ同じ速度で移動する。但し、右側電動モータ11Rと左側電動モータ11Lの回転速度を異なるものとすると、ノズル列方向左右の搬送速度を変えることができ、具体的には右側電動モータ11Rの回転速度を左側電動モータ11Lの回転速度よりも大きくすると、ノズル列方向右側の搬送速度を左側よりも大きくすることができ、左側電動モータ11Lの回転速度を右側電動モータ11Rの回転速度よりも大きくすると、ノズル列方向左側の搬送速度を右側よりも大きくすることができる。
第1インクジェットヘッド2及び第2インクジェットヘッド3は、例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の6色の各色毎に、印雑媒体1の搬送方向にずらして配設されている。各インクジェットヘッド2,3には、図示しない各色のインクタンクからインク供給チューブを介してインクが供給される。各インクジェットヘッド2,3には、印刷媒体1の搬送方向と交差する方向に、複数のノズルが形成されており(即ちノズル列方向)、それらのノズルから同時に必要箇所に必要量のインク滴を吐出することにより、印刷媒体1上に微小なインクドットを形成出力する。これを各色毎に行うことにより、第1搬送部4及び第2搬送部5で搬送される印刷媒体1を一度通過させるだけで、所謂ワンパスによる印刷を行うことができる。即ち、これらのインクジェットヘッド2,3の配設領域が印字領域に相当する。
インクジェットヘッドの各ノズルからインクを吐出出力する方法としては、静電方式、ピエゾ方式、膜沸騰インクジェット方式などがある。静電方式は、アクチュエータである静電ギャップに駆動信号を与えると、キャビティ内の振動板が変位してキャビティ内に圧力変化を生じ、その圧力変化によってインク滴がノズルから吐出出力されるというものである。ピエゾ方式は、アクチュエータであるピエゾ素子に駆動信号を与えると、キャビティ内の振動板が変位してキャビティ内に圧力変化を生じ、その圧力変化によってインク滴がノズルから吐出出力されるというものである。膜沸騰インクジェット方式は、キャビティ内に微小ヒータがあり、瞬間的に300℃以上に加熱されてインクが膜沸騰状態となって気泡が生成し、その圧力変化によってインク滴がノズルから吐出出力されるというものである。本発明は、何れのインク出力方法も適用可能である。
第1インクジェットヘッド2のインク滴吐出用ノズルは第1搬送部4の4本の第1搬送ベルト6の間にだけ形成されており、第2インクジェットヘッド3のインク滴吐出用ノズルは第2搬送部5の4本の第2搬送ベルト7の間にだけ形成されている。これは、後述するクリーニング部によって各インクジェットヘッド2,3をクリーニングするためであるが、このようにすると、どちらか一方のインクジェットヘッドだけでは、ワンパスによる全面印刷を行うことができない。そのため、互いに印字できない部分を補うために第1インクジェットヘッド2と第2インクジェットヘッド3とを印刷媒体1の搬送方向にずらして配設しているのである。
第1インクジェットヘッド2の下方に配設されているのが当該第1インクジェットヘッド2をクリーニングする第1クリーニングキャップ12、第2インクジェットヘッド3の下方に配設されているのが当該第2インクジェットヘッド3をクリーニングする第2クリーニングキャップ13である。各クリーニングキャップ12,13は、何れも第1搬送部4の4本の第1搬送ベルト6の間、及び第2搬送部5の4本の第2搬送ベルト7の間を通過できる大きさに形成してある。これらのクリーニングキャップ12,13は、例えばインクジェットヘッド2,3の下面、即ちノズル面に形成されているノズルを覆い且つ当該ノズル面に密着可能な方形有底のキャップ体と、その底部に配設されたインク吸収体と、キャップ体の底部に接続されたチューブポンプと、キャップ体を昇降する昇降装置とで構成されている。そこで、昇降装置によってキャップ体を上昇してインクジェットヘッド2,3のノズル面に密着する。その状態で、チューブポンプによってキャップ体内を負圧にすると、インクジェットヘッド2,3のノズル面に開設されているノズルからインク滴や気泡が吸い出され、インクジェットヘッド2,3をクリーニングすることができる。クリーニングが終了したら、クリーニングキャップ12,13を下降する。場合によっては、ワイパでノズル面をなでて各ノズルのメニスカス(meniscus:インク液面を意味する)を整えるようにしてもよい。
第1従動ローラ9R,9Lの上流側には、給紙部15から供給される印刷媒体1の給紙タイミングを調整すると共に当該印刷媒体1のスキューを補正する、二個一対のゲートローラ14が設けられている。スキューとは、搬送方向に対する印刷媒体1の捻れである。また、給紙部15の上方には、印刷媒体1を供給するためのピックアップローラ16が設けられている。なお、図中の符号17は、ゲートローラ14を駆動する電動モータである。
駆動ローラ8R,8Lの下方にはベルト帯電装置19が配設されている。このベルト帯電装置19は、駆動ローラ8R,8Lを挟んで第1搬送ベルト6及び第2搬送ベルト7に当接する帯電ローラ20と、帯電ローラ20を第1搬送ベルト6及び第2搬送ベルト7に押し付けるスプリング21と、帯電ローラ20に電荷を付与する電源22とで構成されており、帯電ローラ20から第1搬送ベルト6及び第2搬送ベルト7に電荷を付与してそれらを帯電する。一般に、これらのベルト類は、中・高抵抗体又は絶縁体で構成されているので、ベルト帯電装置によって帯電すると、その表面に印加された電荷が、同じく高抵抗体又は絶縁体で構成される印刷媒体1に誘電分極を生じせしめ、その誘電分極によって発生する電荷とベルト表面の電荷との間に生じる静電気力でベルトに印刷媒体1を吸着することができる。なお、帯電手段としては、所謂電荷を降らせるコロトロンなどでもよい。
従って、このインクジェットプリンタによれば、ベルト帯電装置19で第1搬送ベルト6及び第2搬送ベルト7の表面を帯電し、その状態でゲートローラ14から印刷媒体1を給紙し、図示しない拍車やローラで構成される紙押えローラで印刷媒体1を第1搬送ベルト6に押し付けると、前述した誘電分極の作用によって印刷媒体1は第1搬送ベルト6の表面に吸着される。この状態で、電動モータ11R,11Lによって駆動ローラ8R,8Lを回転駆動すると、その回転駆動力が第1搬送ベルト6を介して第1従動ローラ9R,9Lに伝達される。
このようにして印刷媒体1を吸着した状態で第1搬送ベルト6を搬送方向下流側に移動し、印刷媒体1を第1インクジェットヘッド2の下方に移動し、当該第1インクジェットヘッド2に形成されているノズルからインク滴を吐出して印字を行う。この第1インクジェットヘッド2による印字が終了したら、印刷媒体1を搬送方向下流側に移動して第2搬送部5の第2搬送ベルト7に乗り移らせる。前述したように、第2搬送ベルト7もベルト帯電装置19によって表面が帯電しているので、前述した誘電分極の作用によって印刷媒体1は第2搬送ベルト7の表面に吸着される。
この状態で、第2搬送ベルト7を搬送方向下流側に移動し、印刷媒体1を第2インクジェットヘッド3の下方に移動し、当該第2インクジェットヘッドに形成されているノズルからインク滴を吐出して印字を行う。この第2インクジェットヘッドによる印字が終了したら、印刷媒体1を更に搬送方向下流側に移動し、図示しない分離装置で印刷媒体1を第2搬送ベルト7の表面から分離しながら排紙部に排紙する。
また、第1及び第2インクジェットヘッド2,3のクリーニングが必要なときには、前述したように第1及び第2クリーニングキャップ12,13を上昇して第1及び第2インクジェットヘッド2,3のノズル面にキャップ体を密着し、その状態でキャップ体内を負圧にすることで第1及び第2インクジェットヘッド2,3のノズルからインク滴や気泡を吸い出してクリーニングし、然る後、第1及び第2クリーニングキャップ12,13を下降する。
また、第1搬送ベルト6間の隙間又は第2搬送ベルト7間の隙間で且つ各搬送ベルト6,7の表面直下、即ち印刷媒体1の搬送ベルト側表面直下には、当該印刷媒体1の搬送ベルト側表面に接触して回転し、その移動量と移動方向とを検出するボール式センサ23が配設されている。本実施形態では、ノズル列方向左側2本の第1搬送ベルト6の間で且つ第1インクジェットヘッド2の印刷媒体搬送方向手前側の1カ所、並びにノズル列方向左側の第2搬送ベルト7の左側で且つ第2インクジェットヘッド3の印刷媒体搬送方向先方側の1カ所に、計2個のボール式センサ23が配設されている。
このボール式センサ23は、例えば図2に示すように、印刷媒体1の表面に接触し、当該印刷媒体1の移動に伴って回転する、例えばゴム製の球体(ボール)25と、この球体25に接触し且つ互いに軸線が直交するように配設された二本の回転軸26と、それら回転軸26に取付けられ、一定角度毎にエンコーダコードが設けられたコードホイール27と、コードホイール27のエンコーダコードを読取るエンコーダセンサ28とを備えて構成される。本実施形態では、二本の回転軸26の軸線を印刷媒体搬送方向及びその直交方向、即ちノズル列方向に一致させ、夫々のコードホイール27のエンコーダコードを読取ることにより、印刷媒体1の搬送方向への移動量及び印刷媒体1の搬送方向と直交方向、即ちノズル列方向への移動量を検出できるように構成した。なお、本実施形態では、移動量情報を2相パルスで出力する場合について説明する。即ち、エンコーダパルスからなる2相パルスは、互いに位相がずれており、移動体、即ち印刷媒体に移動方向によって位相のずれ方が変わるようになっている。
インクジェットプリンタ内には、自身を制御するための制御装置が設けられている。この制御装置は、例えば図3に示すように、例えばパーソナルコンピュータ、デジタルカメラ等のホストコンピュータ60から入力された印刷データに基づいて、印刷装置や給紙装置等を制御することにより印刷媒体に印刷処理を行うものである。そして、ホストコンピュータ60から入力された印刷データを受取る入力インタフェース部61と、この入力インタフェース部61から入力された印刷データに基づいて印刷処理を実行する例えばマイクロコンピュータで構成される制御部62と、駆動信号COMを形成する駆動信号発生回路70と、クロック信号SCKを出力する発振回路71と、制御部62からの制御信号及び駆動信号発生回路70からの駆動信号COM及び発振回路71からのクロック信号SCKをインクジェットヘッド2,3及び右左電動モータ11R,11Lへの駆動信号に変換する出力インタフェース部63と、ボール式センサ23の出力をボール式センサ選択回路24を介して読み込んだり、制御部62からのリセット信号resetをボール式センサ選択回路24に出力したりするための入出力インタフェース部64とを備えて構成される。
制御部62は、印刷処理等の各種処理を実行するCPU(Central Processing Unit)62aと、入力インタフェース61を介して入力された印刷データ或いは当該印刷データ印刷処理等を実行する際の各種データを一時的に格納し、或いは印刷処理等のアプリケーションプログラムを一時的に展開するRAM(Random Access Memory)62cと、CPU62aで実行する制御プログラム等を格納する不揮発性半導体メモリで構成されるROM(Read-Only Memory)62dとを備えている。この制御部62は、入力インタフェース部61を介してホストコンピュータ60から印刷データ(画像データ)を入手すると、CPU62aが、この印刷データに所定の処理を実行して、この処理データ及び各種センサからの入力データに基づいて、出力インタフェース部63及び入出力インタフェース部64に制御信号を出力する。その結果、出力インタフェース部63からは、右側電動モータ11Rに向けて右側モータ駆動信号DMR、左側電動モータ11Lに向けて左側モータ駆動信号DML、インクジェットヘッド2,3に向けて画素データSI及び波形パターンデータSP及びラッチ信号LAT及びチャンネル信号CH及び駆動信号COM及びクロック信号SCKが夫々出力される。
また、インクジェットヘッド2,3は、出力インタフェース部63から出力される画素データSI及び波形パターンデータSPをクロック信号SCKに基づいて順次記憶する第1〜第3シフトレジスタ81〜83、第1〜第3シフトレジスタ81〜83の記憶内容をラッチ信号LATに基づいてラッチする第1及び第2ラッチ回路84,85、ラッチ信号LAT及びチャンネル信号CHに基づいてラッチされた内容の解読タイミングを設定する制御ロジック回路86、制御ロジック回路86で設定された解読タイミングで第1及び第2ラッチ回路84,85にラッチされた内容を解読するデコーダ87、デコーダ87で解読された信号の電圧を高めるレベルシフタ88、レベルシフタ88の出力で開閉されるスイッチ回路89、スイッチ回路89から出力される駆動信号COMで駆動し、キャビティ内のインクを加圧してインク滴を吐出するためのアクチュエータとしての圧電振動子90を備えて構成される。
ボール式センサ選択回路24は、図4に示すような構成となっている。ここでは、前述した2つのボール式センサ23のうち、印刷媒体搬送方向に対して手前側のボール式センサ23を第1ボール式センサ23、先方側のボール式センサ23を第2ボール式センサとし、第1ボール式センサ23から出力される印刷媒体搬送方向の移動量の2相パルス信号をXa1,Xb1、ノズル列方向の移動量の2相パルス信号をYa1,Yb1とし、第2ボール式センサ23から出力される印刷媒体搬送方向の移動量の2相パルス信号をXa2,Xb2、ノズル列方向の移動量の2相パルス信号をYa2,Yb2とする。なお、各パルス信号は、対象物、この場合は印刷媒体1が所定量移動する毎に1パルスずつ出力される。
第1ボール式センサ23の印刷媒体搬送方向の移動量の2相パルス信号Xa1,Xb1のうち、一方のパルス信号Xa1は第1カウンタCNT1に入力され、第1カウンタCNT1の出力cnt1は第1コンパレータCOMP1に入力され、第1コンパレータCOMP1の出力qc1は2つのアンドゲートAND1a,AND1bに入力され、一方のアンドゲートAND1aには第1ボール式センサ23の印刷媒体搬送方向の移動量の一方のパルス信号Xa1が入力され、他方のアンドゲートAND1bには第1ボール式センサ23の印刷媒体搬送方向の移動量の他方のパルス信号Xb1が入力され、一方のアンドゲートAND1aの出力が第1オアゲートORAに入力され、他方のアンドゲートAND1bの出力が第2オアゲートORBに入力される。第1カウンタCNT1のリセット端子resにはリセット信号resetが入力される。また、第1コンパレータCOMP1には定数mが入力される。
第2ボール式センサ23の印刷媒体搬送方向の移動量の2相パルス信号Xa2,Xb2はのうち、一方のパルス信号Xa2はスイッチSWaを介して第2カウンタCNT2に入力され、第2カウンタCNT2の出力cnt2は第2コンパレータCOMP2に入力され、第2コンパレータCOMP2の出力qc2は2つのアンドゲートAND2a,AND2bに入力され、一方のアンドゲートAND2aにはスイッチSWaの出力inXa2が入力され、他方のアンドゲートAND2bには第2ボール式センサ23の印刷媒体搬送方向の移動量の他方のパルス信号Xb2がスイッチSWbを介して入力され、一方のアンドゲートAND2aの出力が前記第1オアゲートORAに入力され、他方のアンドゲートAND2bの出力が前記第2オアゲートORBに入力される。第2カウンタCNT2のリセット端子resにはリセット信号resetが入力される。また、第2コンパレータCOMP2には定数nが入力される。また、第1コンパレータCOMP1の出力は、インバータINVを介してスイッチSWa,SWbのON/OFF信号として入力されている。
そして、第1オアゲートORAの出力XA及び第2オアゲートORBの出力XBが、夫々、印刷媒体1の搬送方向への移動量として制御部62に読込まれる。なお、第1及び第2カウンタCNT1、CNT2のリセット端子resは何れもアクティブHiである。また、第1〜第3ボール式センサ23のノズル列方向への移動量である2相パルス信号Ya1〜Ya3,Yb1〜Yb3は随時、制御部62に読込まれる。
このボール式センサ選択回路24の回路動作を図5に示す。ホストコンピュータ60からインクジェットプリンタ制御装置に印刷命令が送信されると、制御部62からパルス信号であるリセット信号resetをボール式センサ選択回路24に送信する。リセット信号resetがHiレベルであるとき、第1及び第2カウンタCNT1、CNT2がリセットされる。また、第1及び第2カウンタCNT1、CNT2がリセットされると、第1及び第2カウンタCNT1、CNT2の出力cnt1、cnt2が0になるので、第1及び第2コンパレータCOMP1、COMP2の出力qc1、qc2は全てHiレベルになる。
前述のリセット動作によって第1コンパレータCOMP1の出力がHiレベルになると、インバータINVの出力invがLowレベルになるので、スイッチSWa,SWbがOFF状態となり、このスイッチSWa,SWbがOFFの状態では、仮に第2ボール式センサ23の印刷媒体搬送方向への移動量を示す2相パルス信号Xa2、Xb2が出力されたとしても、そのうちの一方のパルス信号Xa2は第2カウンタCNT2でカウントされないし、他方のパルス信号Xb2も他方のアンドゲートAND2bに出力されない。そして、印刷媒体1に第1ボール式センサ23の球体25が接触して回転すると、当該第1ボール式センサ23の印刷媒体搬送方向への移動量を示す2相パルス信号Xa1,Xb1のうちの一方のパルス信号Xa1が第1カウンタCNT1でカウントされる。
第1カウンタCNT1の出力cnt1が第1コンパレータCOMP1の設定値である定数mに達するまでの間、当該第1コンパレータCOMP1の出力qc1はHiレベルのままであり、インバータINVの出力invはLowレベルのままであるから、スイッチSWa,SWbもOFF状態に維持され、第2ボール式センサ23の印刷媒体搬送方向への移動量を示す2相パルス信号Xa2、Xb2は何れも遮断され続ける。これに対し、アンドゲートAND1a,AND1bの一方の入力端子には第1コンパレータCOMP1のHiレベルの出力qc1が入力され続けるので、それらアンドゲートAND1a,AND1bの出力は第1ボール式センサ23の印刷媒体搬送方向への移動量を示す2相パルスXa1,Xb1がHiレベルになる度にHiレベルとなり、それが第1オアゲートORAの出力XA及び第2オアゲートORBの出力XB、即ち印刷媒体1の搬送方向への移動量として制御部62に出力される。
この状態から、第1カウンタCNT1の出力cnt1が第1コンパレータCOMP1の設定値である定数mに達すると、当該第1コンパレータCOMP1の出力qc1がLowレベルになり、アンドゲートAND1a,AND1bからの出力もLowレベルになる。これに対し、インバータINVで反転された第1コンパレータCOMP1の出力qc1はHiレベルとなるのでスイッチSWa,SWbがON状態となり、第2ボール式センサ23の印刷媒体搬送方向への移動量を示す2相パルスXa2が第2カウンタCNT2でカウントされ始める。
第2カウンタCNT2の出力cnt2が第2コンパレータCOMP2の設定値である定数nに達するまでの間、当該第2コンパレータCOMP2の出力qc2はHiレベルのままである。従って、アンドゲートAND2a,AND2bの一方の入力端子には第2コンパレータCOMP2のHiレベルの出力qc2が入力され続けるので、それらアンドゲートAND2a,AND2bの出力は第2ボール式センサ23の印刷媒体搬送方向への移動量を示す2相パルスXa2,Xb2がHiレベルになる度にHiレベルとなり、それが第1オアゲートORAの出力XA及び第2オアゲートORBの出力XB、即ち印刷媒体1の搬送方向への移動量として制御部62に出力される。
この状態から、第2カウンタCNT2の出力cnt2が第2コンパレータCOMP2の設定値である定数nに達すると、当該第2コンパレータCOMP2の出力qc2がLowレベルになり、アンドゲートAND2a,AND2bからの出力もLowレベルになる。
従って、第1コンパレータCOMP1の設定値である定数mを第1ボール式センサ23と第2ボール式センサ23の距離に相当する、当該第1ボール式センサ23からの印刷媒体搬送方向への移動量を示す2相パルス信号数とし、第2コンパレータCOMP2の設定値である定数nを、第2ボール式センサ23に印刷媒体1の搬送方向先端が到達したとき、つまり第1ボール式センサ23からの印刷媒体搬送方向への移動量を示す2相パルス信号数が第1コンパレータCOMP1の定数mに達したときの第2インクジェットヘッド5の印刷媒体搬送方向先方端のノズルから印刷媒体1の搬送方向後端までの距離に相当する、第2ボール式センサ23からの印刷媒体搬送方向への移動量を示す2相パルス信号数とすれば、印刷媒体1の搬送方向先端部が2つのボール式センサ23上を順番に通過するたびに、当該印刷媒体1の搬送方向移動量を検出するボール式センサ23を、第1から第2に切り換えて一つずつ選択し、印刷媒体1の搬送方向最後端が搬送方向最後のノズルを通過したときに移動検出を終了することができる。
従って、第1コンパレータCOMP1の設定値である定数mを第1ボール式センサ23と第2ボール式センサ23の距離に相当する、当該第1ボール式センサ23からの印刷媒体搬送方向への移動量を示す2相パルス信号数とし、第2コンパレータCOMP2の設定値である定数nを、第2ボール式センサ23に印刷媒体1の搬送方向先端が到達したとき、つまり第1ボール式センサ23からの印刷媒体搬送方向への移動量を示す2相パルス信号数が第1コンパレータCOMP1の定数mに達したときの第2インクジェットヘッド5の印刷媒体搬送方向先方端のノズルから印刷媒体1の搬送方向後端までの距離に相当する、第2ボール式センサ23からの印刷媒体搬送方向への移動量を示す2相パルス信号数とすれば、印刷媒体1の搬送方向先端部が2つのボール式センサ23上を順番に通過するたびに、当該印刷媒体1の搬送方向移動量を検出するボール式センサ23を、第1から第2に切り換えて一つずつ選択し、印刷媒体1の搬送方向最後端が搬送方向最後のノズルを通過したときに移動検出を終了することができる。
例えば図6aは、搬送ベルトBの幅方向端部にリニアエンコーダLEを取付け、これを光学式センサで読み取って印刷媒体1の位置を検出するものであるが、例えば本実施形態のように印刷媒体1を搬送ベルトBに吸着して搬送する場合、印刷媒体1を給紙したり排紙したりするときのように印刷媒体1と搬送ベルトBとの接触面積が小さいと印刷媒体1の吸着力が弱く、印刷媒体1を目標位置に載置(吸着)できない恐れがある。このように印刷媒体1を搬送ベルトBの目標位置に正確に載置できないと、図6bに示すように、破線で示すインクドット目標位置に対して実線の位置にインクドットが形成されてしまう。このようなインクドットのズレは、単色では分かりにくいが、複数の色を所謂重ね打ちすると目立ってしまい、印刷画質の劣化につながる。
これに対して、本実施形態では、印刷媒体1の存在及び移動状態(移動方向と移動量)をボール式センサ23で直接的に検出するため、搬送ベルトに対して印刷媒体1が目標位置に載置されていなくても、印刷媒体1の位置を正確に検出することができ、インクドットのズレを防止して印刷画質を確保することができる。
次に、第1及び第2ボール式センサ23のノズル列方向への移動量である2相パルス信号Ya1〜Ya2,Yb1〜Yb2を用いた所謂印刷媒体1の蛇行制御について図7のフローチャートを用いて説明する。この蛇行制御では、第1及び第2ボール式センサ23の2相パルス信号Ya1〜Ya2,Yb1〜Yb2から印刷媒体1のノズル列方向への移動量を検出し、その移動量が0になるように右左電動モータ11R,11Lへの駆動信号を設定し、出力する。
次に、第1及び第2ボール式センサ23のノズル列方向への移動量である2相パルス信号Ya1〜Ya2,Yb1〜Yb2を用いた所謂印刷媒体1の蛇行制御について図7のフローチャートを用いて説明する。この蛇行制御では、第1及び第2ボール式センサ23の2相パルス信号Ya1〜Ya2,Yb1〜Yb2から印刷媒体1のノズル列方向への移動量を検出し、その移動量が0になるように右左電動モータ11R,11Lへの駆動信号を設定し、出力する。
この演算処理は、所定サンプリング時間毎にタイマ割込処理され、まずステップS1で第1及び第2ボール式センサ23の2相パルス信号Ya1〜Ya2,Yb1〜Yb2から印刷媒体1のノズル列方向への移動量を読込む。
次にステップS2に移行して、ステップS1で読込まれた印刷媒体1のノズル列方向への移動量から印刷媒体1の蛇行量を算出する。
次にステップS2に移行して、ステップS1で読込まれた印刷媒体1のノズル列方向への移動量から印刷媒体1の蛇行量を算出する。
次にステップS3に移行して、ステップS2で算出された印刷媒体1の蛇行量を補正する印刷媒体搬送方向の左右の搬送ベルト6,7の駆動速度補正量を算出する。
次にステップS4に移行して、ステップS3で算出された左右ベルト駆動速度補正量を加味した左右電動モータ回転速度を算出する。
次にステップS5に移行して、ステップS4で算出された左右電動モータ回転速度を達成するためのモータ駆動信号を創成出力してからメインプログラムに復帰する。
次にステップS4に移行して、ステップS3で算出された左右ベルト駆動速度補正量を加味した左右電動モータ回転速度を算出する。
次にステップS5に移行して、ステップS4で算出された左右電動モータ回転速度を達成するためのモータ駆動信号を創成出力してからメインプログラムに復帰する。
この演算処理によれば、第1及び第2ボール式センサ23の2相パルス信号Ya1〜Ya2,Yb1〜Yb2から印刷媒体1のノズル列方向への移動量を読込み、読込まれた印刷媒体1のノズル列方向への移動量から印刷媒体1の蛇行量を算出し、算出された印刷媒体1の蛇行量を補正する印刷媒体搬送方向の左右の搬送ベルト6,7の駆動速度補正量を算出し、算出された左右ベルト駆動速度補正量を加味した左右電動モータ回転速度を算出し、算出された左右電動モータ回転速度を達成するためのモータ駆動信号を創成出力することにより、印刷媒体1のノズル列方向への移動量、即ち蛇行量を直接的に検出して、それを補正するモータ駆動信号が創成出力されるので、印刷媒体1の蛇行を適切且つ迅速に修正することが可能となる。
このように、本実施形態のインクジェットプリンタによれば、ボール式センサ23の球体25を印刷媒体1の表面に接触し、その球体25の回転状態から当該印刷媒体1の存在及び移動状態を検出し、そのボール式センサ23で検出された印刷媒体1の存在及び移動状態に基づいて当該印刷媒体1の移動量及び移動方向を直接検出するようにすると共に、印刷媒体1の表面に接触回転する球体25の回転状態から少なくとも直交する2方向の移動状態をボール式センサ23で検出し、その検出された印刷媒体1の移動状態から印刷媒体1の搬送方向への移動量及び印刷媒体1の搬送方向と直交方向への移動量を検出し、インク吐出タイミングの決定と蛇行制御を同一ボール式センサ23の信号を用いて行うようにしたため、同一のセンサ23で印刷媒体1の搬送方向への移動量及び搬送方向と交差する方向への移動量情報を得て、インク吐出タイミングの決定と蛇行制御を行うことができる。
また、第1及び第2搬送ベルト6,7に隙間を形成し、その第1及び第2搬送ベルト6,7の隙間から印刷媒体1の搬送ベルト側の表面にボール式センサ23の球体25を接触する構成としたため、印刷面が平滑な光沢印刷媒体でも、その反対側の表面にボール式センサ23の球体25が接触し、滑ることなく確実に回転することで、印刷媒体1の搬送方向への移動量及び印刷媒体1の搬送方向と直交方向への移動量を確実に検出することができる。
また、第1及び第2搬送ベルト6,7による印刷媒体1の搬送方向に沿ってボール式センサ23を複数配設し、それら複数のボール式センサ23のうち、印刷媒体1が接触している部位の1つのボール式センサ23の出力だけを選択して少なくとも印刷媒体1の搬送方向への移動量を検出するようにしたため、搬送されている印刷媒体1の位置を連続的に検出することが可能となる。
なお、前記実施形態では、ボール式センサ23を印刷媒体搬送方向に沿って2つ設けた場合についてのみ詳述したが、ボール式センサ23の配設数はこれに限定されるものではない。例えば図8は、第1インクジェットヘッド2の印刷媒体搬送方向手前側及び先方側の2カ所と第2インクジェットヘッド3の印刷媒体搬送方向先方側1カ所の計3個、図9は4つの第1インクジェットヘッド2の夫々の側方4カ所及び4つの第2インクジェットヘッド3の夫々の側方4カ所の計8個、ボール式センサ23を配設した実施形態である。但し、何れの場合も、2つのボール式センサ23間の距離は、少なくとも印刷媒体1の搬送方向長さより小さくする必要がある。
また、前記実施形態では所謂ラインヘッド型インクジェットプリンタを対象として本発明のインクジェットプリンタを適用した例についてのみ詳述したが、本発明のインクジェットプリンタは、マルチパス型プリンタを始めとして、あらゆるタイプのインクジェットプリンタを対象として適用可能である。
1は印刷媒体、2は第1インクジェットヘッド、3は第2インクジェットヘッド、4は第1搬送部、5は第2搬送部、6は第1搬送ベルト、7は第2搬送ベルト、8R,8Lは駆動ローラ、9R,9Lは第1従動ローラ、10R,10Lは第2従動ローラ、11R,11Lは電動モータ、19はベルト帯電装置、23はボール式センサ、24はボール式センサ選択回路、25は球体、26は回転軸、27はコードホイール、28はエンコーダセンサ
Claims (3)
- 搬送ベルトに印刷媒体を載置して搬送し、その印刷媒体にインク滴を吐出して印刷を行うインクジェットプリンタにおいて、回転自在な球体を印刷媒体の表面に接触し、その球体の回転状態から当該印刷媒体の存在及び移動状態を検出するボール式センサと、前記ボール式センサで検出された印刷媒体の存在及び移動状態に基づいて当該印刷媒体の移動量及び移動方向を検出する印刷媒体検出手段とを備え、前記ボール式センサは、印刷媒体の表面に接触回転する球体の回転状態から少なくとも直交する2方向の移動状態を検出し、前記印刷媒体検出手段は、前記ボール式センサで検出された印刷媒体の移動状態から前記搬送ベルトによる印刷媒体の搬送方向への移動量及び印刷媒体の搬送方向と直交方向への移動量を検出し、インク吐出タイミングの決定と蛇行制御を同一ボール式センサの信号を用いて行うことを特徴とするインクジェットプリンタ。
- 前記搬送ベルトに隙間を形成し、その搬送ベルトの隙間から印刷媒体の搬送ベルト側の表面に前記ボール式センサの球体を接触することを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
- 前記搬送ベルトによる印刷媒体の搬送方向に沿って前記ボール式センサを複数配設し、前記印刷媒体検出手段は、前記複数のボール式センサのうち、印刷媒体が接触している部位の1つのボール式センサの出力だけを選択して少なくとも前記印刷媒体の搬送方向への移動量を検出することを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットプリンタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005344138A JP2007144867A (ja) | 2005-11-29 | 2005-11-29 | インクジェットプリンタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005344138A JP2007144867A (ja) | 2005-11-29 | 2005-11-29 | インクジェットプリンタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007144867A true JP2007144867A (ja) | 2007-06-14 |
Family
ID=38206842
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005344138A Pending JP2007144867A (ja) | 2005-11-29 | 2005-11-29 | インクジェットプリンタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007144867A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7971948B2 (en) | 2008-01-16 | 2011-07-05 | Seiko Epson Corporation | Liquid jet apparatus and printing apparatus |
US7976126B2 (en) | 2007-12-25 | 2011-07-12 | Seiko Epson Corporation | Liquid jet head, line type liquid jet head, printer, line type printer and film forming apparatus |
US7984957B2 (en) | 2006-07-20 | 2011-07-26 | Seiko Epson Corporation | Liquid jet apparatus, printing apparatus, and method of adjusting phase of drive pulse |
US7984956B2 (en) | 2006-07-24 | 2011-07-26 | Seiko Epson Corporation | Liquid jet apparatus and printing apparatus |
US8336979B2 (en) | 2007-01-12 | 2012-12-25 | Seiko Epson Corporation | Liquid jetting device |
JP2013071395A (ja) * | 2011-09-29 | 2013-04-22 | Riso Kagaku Corp | 印刷装置 |
US8430466B2 (en) | 2006-01-17 | 2013-04-30 | Seiko Epson Corporation | Head drive device of inkjet printer and ink jet printer |
CN109094205A (zh) * | 2018-09-07 | 2018-12-28 | 合肥海闻自动化设备有限公司 | 彩色印刷用自动供料机构 |
-
2005
- 2005-11-29 JP JP2005344138A patent/JP2007144867A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8430466B2 (en) | 2006-01-17 | 2013-04-30 | Seiko Epson Corporation | Head drive device of inkjet printer and ink jet printer |
US7984957B2 (en) | 2006-07-20 | 2011-07-26 | Seiko Epson Corporation | Liquid jet apparatus, printing apparatus, and method of adjusting phase of drive pulse |
US7984956B2 (en) | 2006-07-24 | 2011-07-26 | Seiko Epson Corporation | Liquid jet apparatus and printing apparatus |
US8336979B2 (en) | 2007-01-12 | 2012-12-25 | Seiko Epson Corporation | Liquid jetting device |
US7976126B2 (en) | 2007-12-25 | 2011-07-12 | Seiko Epson Corporation | Liquid jet head, line type liquid jet head, printer, line type printer and film forming apparatus |
US7971948B2 (en) | 2008-01-16 | 2011-07-05 | Seiko Epson Corporation | Liquid jet apparatus and printing apparatus |
JP2013071395A (ja) * | 2011-09-29 | 2013-04-22 | Riso Kagaku Corp | 印刷装置 |
CN109094205A (zh) * | 2018-09-07 | 2018-12-28 | 合肥海闻自动化设备有限公司 | 彩色印刷用自动供料机构 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5003457B2 (ja) | 印刷装置 | |
JP2007069555A (ja) | インクジェットプリンタ | |
JP4321600B2 (ja) | インクジェットプリンタ | |
US8277041B2 (en) | Ink-jet recording apparatus | |
JP2007144867A (ja) | インクジェットプリンタ | |
US20050194730A1 (en) | Image forming apparatus | |
JP2003103857A (ja) | インクジェット記録装置 | |
JP5163092B2 (ja) | インクジェットプリンタのリニアエンコーダ記録方法 | |
JP2009006545A (ja) | 流体噴射装置及び流体噴射装置における流体噴射制御方法 | |
JP2008023943A (ja) | インクジェットプリンタ | |
JP2008200972A (ja) | インクジェットプリンタ | |
JP2004351837A (ja) | 画像形成装置 | |
JP2007276147A (ja) | インクジェットプリンタ | |
JP4251214B2 (ja) | インクジェットプリンタ | |
JP2005177989A (ja) | インクジェット記録装置及びそのインクジェット記録方法 | |
JP2007076872A (ja) | インクジェットプリンタ | |
JP2007175907A (ja) | インクジェットプリンタ | |
JP4862574B2 (ja) | インクジェットプリンタ | |
JP4826363B2 (ja) | インクジェットプリンタ | |
JP2007210143A (ja) | インクジェットプリンタ | |
JP2008297091A (ja) | 画像形成装置および画像形成方法 | |
JP2007062238A (ja) | 画像形成装置 | |
JP2007276915A (ja) | インクジェットプリンタ | |
JP2007217072A (ja) | インクジェットプリンタ | |
JP4684462B2 (ja) | プリント装置 |