JP2007144429A - 下向きすみ肉サブマージアーク溶接用ボンドフラックス - Google Patents

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雅哉 齋藤
Shigeo Oyama
繁男 大山
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Abstract

【課題】 サブマージアーク溶接用ボンドフラックスを使用するすみ肉溶接、特に開先加工無しの深溶込み下向きすみ肉サブマージアーク溶接において、上記従来技術の問題点を解決し、溶融型フラックスに相当する良好なビード外観および溶接作業性を得ると共に、良好な溶接金属の機械性能を得ることができる下向きすみ肉サブマージアーク溶接用ボンドフラックスを提供する。
【解決手段】 質量%で、SiO2:5〜15%、MgO:12〜25%、CaO:3〜13%、CaF2:1〜7%、Al23:8〜20%、TiO2:16〜25%、B23:0.1〜0.5%、ZrO2:5〜15%、Mn:0.5〜1.0%、Si:0.2〜3.0%、Fe:1.0〜6.0%を含有し、その他はCO2、アルカリ金属酸化物および不可避不純物であることを特徴とする下向きすみ肉サブマージアーク溶接用ボンドフラックス。また、Nb:0.02%以下およびV:0.01%以下の1種または2種を2Nb+Vで0.01〜0.04%含有することも特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、下向きすみ肉サブマージアーク溶接用ボンドフラックスに係り、特に鉄骨および橋梁等に多く使用されるビルトH材(3枚の鋼板を断面形状がH型となるように組み合わせてすみ肉溶接により接合した骨材)からなる柱、梁および桁の下向きすみ肉に使用した場合に優れたビード形状、溶接作業性、溶込み深さおよび機械性能の溶接金属を得ることができる下向きすみ肉サブマージアーク溶接用ボンドフラックスに関するものである。
下向きすみ肉サブマージアーク溶接によって形成されるすみ肉溶接継手は、溶込み深さ、必要脚長の確保、並びにビード形状の平滑性および溶接金属の母材とのなじみ性が良好であることが要求されている。また、最近では溶接金属の良好な機械性能が要求される傾向がある。従来、下向きすみ肉サブマージアーク溶接には、ボンドフラックスよりも高速溶接が可能な溶融型フラックスが多く使用されている。しかし、溶融型フラックスは溶接金属の所定の機械性能を得ること、または脚長を大きくすること、大入熱による溶接能率を上げることについては不十分であった。
そこで、これらの点を考慮し溶接作業性および機械性能が良好なボンドフラックスが検討されている。例えば、下向きすみ肉サブマージアーク溶接用ボンドフラックスが特開平7−100689号公報(特許文献1)に、すみ肉溶接も含む多目的溶接用ボンドフラックスが特開平11−347788号公報(特許文献2)、特開平8−99191号公報(特許文献3)および特開平11−354010号公報(特許文献4)等に開示されているが、SiO2含有量が多く、溶接金属の酸素量が高くなり靭性が低下するという問題がある。
また、すみ肉溶接専用のボンドフラックスが特開2002−331390号公報(特許文献5)に開示されているが、高速すみ肉溶接用でありビルトH材の溶接においては深い溶込みを得るため速度を落として溶接した場合、SiO2が多く靭性が低下すると共に、スラグの粘性が高いためビード形状が不良となる。
さらに、良好な靭性を得ることができるボンドフラックスが特開2000−107885号公報(特許文献6)、極厚H型鋼用のボンドフラックスが特開平10−29041号公報(特許文献7)および特開平9−319146号公報(特許文献8)等に開示されているが、Fe含有量が多く、開先加工無しの深溶込み下向きすみ肉溶接方法では溶接金属量が過剰となるためビード形状が劣化し、スラグ剥離性が不良となるという問題がある。
特開平7−100689号公報 特開平11−347788号公報 特開平8−99191号公報 特開平11−354010号公報 特開2002−331390号公報 特開2000−107885号公報 特開平10−29041号公報 特開平9−319146号公報
本発明は、サブマージアーク溶接用ボンドフラックスを使用するすみ肉溶接、特に開先加工無しの深溶込み下向きすみ肉サブマージアーク溶接において、上記従来技術の問題点を解決し、溶融型フラックスに相当する良好なビード外観および溶接作業性を得ると共に、良好な溶接金属の機械性能を得ることができる下向きすみ肉サブマージアーク溶接用ボンドフラックスを提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するものであり、その発明の要旨とするところは、以下の通りである。
(1)質量%で、SiO2:5〜15%、MgO:12〜25%、CaO:3〜13%、CaF2:1〜7%、Al23:8〜20%、TiO2:16〜25%、B23:0.1〜0.5%、ZrO2:5〜15%、Mn:0.5〜1.0%、Si:0.2〜3.0%、Fe:1.0〜6.0%を含有し、その他はCO2、アルカリ金属酸化物および不可避不純物であることを特徴とする下向きすみ肉サブマージアーク溶接用ボンドフラックス。
(2)さらに、Nb:0.02%以下およびV:0.01%以下の1種または2種を2Nb+Vで0.01〜0.04%含有することを特徴とする前記(1)記載の下向きすみ肉サブマージアーク溶接用ボンドフラックスにある。
本発明の下向すみ肉サブマージアーク溶接用ボンドフラックスによれば、特にビルトH材などの開先加工無しの下向きすみ肉溶接においても深溶込みが得られ、良好な溶接作業性、ビード形状および優れた機械的性質を得ることができ、溶接能率の向上および高品質の溶接部を得ることができる。
本発明者らは、まず下向きすみ肉サブマージアーク溶接に使用される従来の種々のフラックスについて検討したが、優れたビード形状、作業性、機械性能のいずれをも満足できるフラックスを得ることはできなかった。例えば、溶融型フラックスにおいては、シールド効果が不十分なため溶接金属の酸素量が高くなり、所定の機械性能を得ることができなかった。また、ボンドフラックスにおいてはSiO2が高く、溶接金属の酸素量が高くなり、所定の靭性を得ることができなかった。また、スラグの粘性が高く、ビード形状が凸になると共にスラグ剥離性が不十分であった。
そこでフラックスの成分組成について種々検討した結果、ボンドフラックスにSiを加え、SiO2を低くすることによって、スラグ剥離性およびビード形状が良好で且つ溶接金属の酸素量を抑えて良好な機械性能を得られることを見出した。
一般に、開先加工無しの深溶込み下向すみ肉サブマージアーク溶接においては、溶込み深さを得るため大入熱で溶接を行うが、大入熱の溶接は良好な溶接金属靭性が得られない。これは、溶接金属中のオーステナイト粒界に粗大な粒界フェライト(初析フェライト)が析出するためであり、高い焼入れ性を確保し粒界フェライトの析出を抑えることが必要となる。また、オーステナイト粒内では粗粒で硬く脆いセメンタイトが生成されるため溶接金属靭性を低下させる。
そこで、粗大な粒界フェライトを抑制するため、オーステナイトの粗大化を抑制する元素としてSi、Nb、Vの検討を行なった。また、粗大な粒界フェライトの生成を抑制する元素として、Bのオーステナイト粒界偏析作用を利用した。また、オーステナイト粒内の粗粒なセメンタイトを抑制し、アシキュラーフェライトの生成を促進するため、Si、Nb、Vの適正量の添加による焼入れ性向上およびTi源となるTiO2の適正量の添加により、アシキュラーフェライトの生成核となるTiを含む酸化物の利用が有効であった。さらに上記に加え、これまでFeは少量含有では溶着効率の向上および溶接アークの集中性には効果が不十分とされていたが、開先加工無しの深溶込み下向きすみ肉サブマージアーク溶接においては、少量の含有によって溶込み深さの向上および良好なビード幅が得られることを見出した。
以下、本発明におけるボンドフラックスの成分組成の限定理由について説明する。
SiO2は、高粘性の性質を有し、溶接作業性、ビード形状、溶接金属の機械性能に影響する。その含有量が5質量%(以下、%という。)未満の場合、スラグの粘性が不足するためビード形状が不良となりビードの蛇行、アンダカットが発生する。一方、15%を超えるとスラグの粘性が高くなりすぎるため下向すみ肉溶接においてはビード趾端部がオーバラップとなりスラグ剥離性も劣化する。さらに、溶接金属の酸素量が高くなるため、溶接金属の靭性が劣化する。
MgOは、溶接金属の酸素量を低減するのに有効な成分であり、高融点、高粘性の性質を有している。MgOが12%未満の場合、溶接金属の酸素量が高くなり靭性が低下すると共に、スラグの粘性が不足するため、ビードの蛇行やアンダカットが発生する。一方、MgOが25%を超えると、フラックスの融点が高くなり、フラックスの溶融性が低下するため、十分なビード幅が得られず、スラグの粘性も高くなるため、下向きすみ肉溶接においてはビード趾端部がオーバラップとなる。
CaOは、溶接金属の酸素量、融点およびスラグの流動性を調整するために重要な成分である。CaOが3%未満では溶接金属の酸素量が高くなり、靭性が劣化する。また、スラグの流動性が劣化し、ビード趾端部がオーバラップとなり、母材とのなじみが劣化し、ビード形状が凸型になる。一方、13%を超えるとスラグの凝固温度が高くなり、アンダカットが発生しやすくなり、スラグ剥離性が劣化する。
CaF2は、低融点、低粘性の性質を有しており、大電流の溶接条件での溶接時にビードを平滑に保つのに有効な成分であり、溶接時に一部が分解し弗素ガスを発生する。弗素ガスは溶接時にシールド効果があり、溶接金属の酸素を低減し、靭性を向上させる。CaF2が1%未満ではビード形状の向上、靭性の向上に効果がなく、7%を超えるとスラグの流動性が過剰となり、アンダカットが発生しやすく、スラグ剥離性が劣化する。
Al23は、スラグの粘性、凝固温度を調整するのに有効な成分である。Al23が8%未満であるとスラグの粘性が不足するため、アンダカットが発生しやすくなる。一方、20%を超えるとスラグの粘性が過剰となり、ビード形状が凸型となる。
TiO2は、ビード表面の平滑性を得るのに効果があり、さらに溶融時に還元されて溶接金属中にTiを含む酸化物として歩留まり、アシキュラーフェライトの核となって靭性の向上に非常に有効な成分である。TiO2が16%未満であるとビードの平滑性、靭性の向上に効果がなく、25%を超えるとスラグが焼付き、スラグ剥離性が劣化する。
23は、溶接熱で還元され、Bとして溶接金属中に歩留まり、オーステナイト粒界に偏析し粗大な粒界フェライトの生成を抑制して、溶接金属の靭性の向上に非常に有効な成分である。B23が0.1%未満では靭性向上の効果が得られず、0.5%を超えると高温割れが発生し易くなる。
ZrO2は、スラグの粘性を増加する。ZrO2が5%未満となるとスラグの粘性が不足するため、ビード趾端部にアンダカットが発生する。一方、15%を超えるとスラグの粘性が高くなりすぎてビード趾端部がオーバラップとなりビード形状が凸型となる。さらに、溶接金属の酸素量が高くなって、溶接金属の靭性が劣化する。
Mnは、焼入れ性を向上させて、強度および靭性を高めるのに有効な成分である。その含有量が0.5%未満であると大入熱溶接時の焼入れ性が不足し、靭性が低下する。1%を超えると焼入れ性が過剰となり、溶接金属の強度が高くなり靭性が低下する。なお、Mn源としては金属Mn、Fe−Mnの1種または2種を使用することができる。
Siは、焼入れ性を向上させると共に、溶接時に酸素と結合しスラグアウトすることで脱酸成分として有効な成分であり、溶接金属の強度および靭性を高める。Si含有量が0.2%未満であると脱酸効果が得られず靭性が低下する。一方、3.0%を超えると溶接金属の硬さが過剰となり靭性が劣化する。なお、Si源としては金属Si、Fe−Siの1種または2種を使用することができる。
Feは、アークの集中性、溶着効率の向上に効果がある。Feが1.0%未満の場合、アークの集中性が弱く開先加工無しの深溶込み下向きすみ肉溶接においては、溶込み深さが不十分となる。また、溶接金属量も不足して十分なビード幅が得られない。一方、6.0%を超えるとアークの集中力が過剰となるため溶接時の吹上げが激しくなり溶接作業性が劣化する。溶接金属量も過剰となるためビード形状が凸型となり、ビードの脚長も過剰となりビード外観が劣化する。
本発明の成分としてさらに、Nb0.02%以下およびV0.01%以下の1種または2種を2Nb+Vで0.01〜0.04%含むことにより、溶接金属の焼入れ性を増し靭性を向上させる。2Nb+Vが0.01%未満の場合、溶接金属の焼入れ性が不足し靭性が低下する。一方、2Nb+Vが0.04%超、Nbが0.02%超、またはVが0.01%を超えると溶接金属の焼入れ性が過剰となり、強度が過剰となるため靭性が低下する。なお、上記成分以外の成分組成として、MgCO3やCaCO3等の金属炭酸塩のCO2およびフラックス製造時に用いる水ガラスからのK2O、Na2OおよびLi2O等のアルカリ金属酸化物を含み、その他は不可避不純物である。
以下、実施例により本発明の効果を詳細に説明する。
表1に示す化学成分の板厚26mmのウェブ材と板厚36mmのフランジ材とを、図1に示す1000mm長さの開先加工無しで、フランジ鋼板S2を水平面に対して55°傾斜させて、フランジ鋼板S2の表面中央部に対して垂直となるように、ウェブ鋼板S1の端面を当接させて組み立てた開先に、表2に示すワイヤと表3に示す種々の成分組成のボンドフラックスを組合わせて、表4に示す溶接条件で2電極による1パス盛りの開先加工無し深溶込み下向きすみ肉サブマージアーク溶接を実施した。溶接後、スラグ剥離性、ビード形状、ビード趾端部、ビード幅、溶込み深さおよび溶接金属の靭性を調査した。
Figure 2007144429
Figure 2007144429
Figure 2007144429
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溶接作業性の評価は、スラグ剥離性、ビード形状、ビード趾端部の欠陥の有無、溶込み深さを調査した。スラグ剥離性については、ハンマーまたはタガネを用いてスラグを軽打して簡単にスラグが剥離すれば良好とし○、軽打でスラグが剥離しなければ劣るとし△、軽打でスラグが剥離せず剥離後にスラグの焼付きが見られる場合を×とした。ビード外観については、ビード表面が均一で美しいビード形状であれば良好とし○、軽度の凸型となる物を△とし、過度の凸型となるものについては×とした。
ビード趾端部の欠陥評価については、アンダカットやオーバラップなどの溶接欠陥が全くなければ○とし、0.3mm未満のアンダカットあるいはオーバラップがある場合は△とし、0.3mm以上のアンダカットあるいはオーバラップがある場合は×とした。溶込み深さは図2に示すように両面を溶接した場合に、最初に溶接した溶接金属M1と後から溶接した溶接金属M2の溶接金属の溶込み部が接触する、完全溶込みの場合は○とし、溶込み部が接触しない場合は×とした。
靭性は、図2に示す溶接金属部のビード表面下7mmを中心としてシャルピー衝撃試験片(JIS Z3111 4号)を採取し、靭性の評価は0℃におけるシャルピー衝撃試験により行い、各々繰返し数3本の平均により評価した。なお、シャルピー吸収エネルギーは、100J以上であれば良好とした。それらの結果を表5にまとめて示す。
Figure 2007144429
表5中溶接記号1〜10が本発明例、溶接記号11〜32は比較例である。本発明例である溶接記号1〜10は、組合わせたフラックス記号A1〜A10の各成分の量が適量であるので、溶接金属のシャルピー吸収エネルギーが100J以上の良好な値が得られた。また、スラグ剥離性が良く、ビード形状は平滑で滑らかであり、アンダカット、オーバラップのないビード趾端部および十分なビード幅が得られ、良好な溶接作業性とビード外観が得られた。また、溶込み深さは両側の溶接金属が接触する良好な完全溶込みが得られるなど、極めて満足な結果であった。
比較例中溶接記号11は、フラックス記号B1のSiO2が低いためスラグの粘性が不足しビード趾端部にアンダカットが発生し、溶接金属の焼入れ性が劣りシャルピー吸収エネルギーが低値となった。
溶接記号12は、フラックス記号B2のSiO2が高いのでスラグの粘性が高くなり、ビード趾端部にオーバラップが発生し、ビード形状が凸型となった。また、溶接金属の酸素量が高くなりシャルピー吸収エネルギーが低値であった。
溶接記号13は、フラックス記号B3のMgOが低いので、溶接金属の酸素量が高くなりシャルピー吸収エネルギーが低値であった。また、スラグの粘性が低下しビード趾端部にアンダカットが発生した。
溶接記号14は、フラックス記号B4のMgOが高いので粘性が高くなり、ビードが凸型となり、趾端部にオーバラップが発生し、十分なビード幅を得ることができなかった。
溶接記号15は、フラックス記号B5のCaOが低いのでスラグの流動性が不足し、ビード外観が不良となり、溶接金属の酸素量が増加し、溶接金属のシャルピー吸収エネルギーが低値であった。
溶接記号16は、フラックス記号B6のCaOが高いので流動性が過剰となり、ビード趾端部にアンダカットが発生しスラグの剥離性が不良となった。
溶接記号17は、フラックス記号B7のCaF2が低いのでスラグの流動性が不足となり、ビード趾端部にオーバラップが発生した。また、2Nb+Vが低いので焼入れ性が不足しシャルピー吸収エネルギーを改善する効果がなかった。
溶接記号18は、フラックス記号B8のCaF2が高いのでスラグの流動性が過剰となり、アンダカットが発生しスラグ剥離性が劣化した。
溶接記号19は、フラックス記号B9のAl23が低いのでスラグの粘性が不足し、アンダカットが発生した。
溶接記号20は、フラックス記号B10のAl23が高いのでスラグの粘性が過剰となり、オーバラップが発生した。
溶接記号21は、フラックス記号B11のTiO2が低いので溶接金属中のTiを含んだ酸化物が不足し、溶接金属のアシキュラーフェライトが減少し粗大な粒界フェライトが増加してシャルピー吸収エネルギーが低値であった。
溶接記号22は、フラックス記号B12のTiO2が高いのでスラグの流動性が過剰となりアンダカットが発生し、スラグ剥離性が劣化した。また、NbおよびVが高いので焼入れ性が過剰となりシャルピー吸収エネルギーが低値であった。
溶接記号23は、フラックス記号B13のB23が低いので溶接金属中へのBの歩留まりが低下し、オーステナイト粒界への偏析作用が得られず、粗大な粒界フェライトが発生しシャルピー吸収エネルギーが低値であった。
溶接記号24は、フラックス記号B14のB23が高いので溶接金属中のB量が高くなり、高温割れが発生した。また、Nbが高いので、焼入れ性が過剰となりシャルピー吸収エネルギーが低値であった。
溶接記号25は、フラックス記号B15のZrO2が低いのでアンダカットが発生した。
溶接記号26は、フラックス記号B16のZrO2が高いので、シャルピー吸収エネルギーが低値であった。また、スラグの粘性が過剰となりオーバラップが発生し、ビード形状が凸型となり、ビード幅が不良となった。
溶接記号27は、フラックス記号B17のMnが低いので溶接金属の焼入れ性が不足となり、シャルピー吸収エネルギーが低値であった。
溶接記号28は、フラックス記号B18のMnが高いので溶接金属の強度が過剰となりシャルピー吸収エネルギーが低値であった。
溶接記号29は、フラックス記号B19のSiが低いので焼入れ性が不足し、シャルピー吸収エネルギーが低値であった。
溶接記号30は、フラックス記号B20Siが高いので溶接金属の強度が過剰となりシャルピー吸収エネルギーが低値であった。
溶接記号31は、フラックス記号B21のFeが低いので溶着量が不足し、ビード幅が不足した。また、溶接アークの集中性が弱くなり十分な溶込みが得られなかった。また、Vが高いので、焼入れ性が過剰となりシャルピー吸収エネルギーが低値であった。
溶接記号32は、フラックス記号B22のFeが高く溶着量が過剰となり、ビードが凸型になり、スラグ剥離性が劣化した。また、溶接時に溶接アークの集中性が強く、吹上げが多く溶接作業性が劣化した。さらに、2Nb+Vが高いので焼入れ性が過剰となりシャルピー吸収エネルギーが低値であった。
本発明の実施例に用いた開先加工無し下向きすみ肉試験板の開先形状を示す断面図である。 下向きすみ肉溶接の溶接金属の溶け込み状態を示す断面図である。
符号の説明
S1 ウェブ鋼板
S2 フランジ鋼板
M1 最初に溶接した溶接金属
M2 後から溶接した溶接金属
a シャルピー衝撃試験片


特許出願人 日鐵住金溶接工業株式会社
代理人 弁理士 椎 名 彊 他1


Claims (2)

  1. 質量%で、SiO2:5〜15%、MgO:12〜25%、CaO:3〜13%、CaF2:1〜7%、Al23:8〜20%、TiO2:16〜25%、B23:0.1〜0.5%、ZrO2:5〜15%、Mn:0.5〜1.0%、Si:0.2〜3.0%、Fe:1.0〜6.0%を含有し、その他はCO2、アルカリ金属酸化物および不可避不純物であることを特徴とする下向きすみ肉サブマージアーク溶接用ボンドフラックス。
  2. さらに、Nb:0.02%以下およびV:0.01%以下の1種または2種を2Nb+Vで0.01〜0.04%含有することを特徴とする請求項1記載の下向きすみ肉サブマージアーク溶接用ボンドフラックス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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