JP2007142114A - レーザダイシング方法およびレーザダイシング装置 - Google Patents

レーザダイシング方法およびレーザダイシング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ウェハの厚さやウェハ内の不純物濃度によることなく、良好な改質層の形成を容易に行うことのできるレーザダイシング方法およびレーザダイシング装置を提供する。
【解決手段】支持基板に注入された不純物濃度の想定される範囲内における消衰係数を予め測定機器を通じて測定し、これを不純物濃度の2次関数として近似しておく。そして、貼り合せSOIウェハ10を構成する支持基板の内部に改質層を形成すべく、集光レンズ30にて集光されたレーザ光を同貼り合せSOIウェハ10の割断予定線に沿ってレーザ光を照射する。ただしその際、貼り合せSOIウェハ10のレーザ光の入光面から同レーザ光の集光点までの深さと貼り合せSOIウェハ10の消衰係数に基づき求められた同ウェハ10の吸収係数との乗数を指数とするネピア数の指数関数に比例するように、レーザ光源40のレーザ光出力を同深さに応じて可変設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザダイシング方法およびレーザダイシング装置に関する。
ウェハのダイシング技術として近年、例えば特許文献1に見られるように、レーザを用いたダイシング技術が注目されている。同文献1に記載の技術では、レーザ光の照射に起因して脆弱化した改質層を、割断予定線上のウェハの内部に垂直に成長させるようにしている。すなわち、レーザ光を照射することで多光子吸収による光学的損傷を生じさせ、それにより熱歪みを誘起してクラックを形成することで、ウェハ内部に割断し易い、脆弱な改質層を形成している。こうしたダイシング技術では、ブレードダイシングやレーザ切断などによる旧来のダイシング技術に比して、切り代の縮小や加工時間の短縮、切りくずや熱だれの低減などが可能である。
特許第3408805号公報
このように、レーザダイシングは優れたダイシング手法ではあるが、例えば厚さが600μm以上のいわゆる厚手の貼り合せSOI(Silicon On Insulator)ウェハをこうしたレーザダイシングにてダイシングしようとすると、次のような問題が生じる。
すなわち、上述のような厚手の貼り合せSOIウェハでは、厚い単結晶シリコン層でレーザ光が吸収されてしまうため、この貼り合せSOIウェハ深部まで十分な強度のレーザ光を到達させることが困難となり、改質層の形成が不十分となる虞がある。また、貼り合せSOIウェハのSOI層に作り込まれたバイポーラトランジスタなどの電気的な特性を改善すべくその内部に高濃度の不純物注入層が形成されていると、レーザ光の吸収量が著しく多くなり、貼り合せSOIウェハ深部への改質層の形成が一層困難となる。そして、貼り合せSOIウェハの深部を十分に改質させるには、同一の箇所にレーザ光を幾度も繰り返し照射しなければならず、加工時間の増大を招いてしまう。
なお、上記貼り合せSOIウェハに限らず、イオン注入などで製造されたSOIウェハやバルクシリコンウエハなどであっても、その厚さが厚いウェハ、あるいはその内部に高い濃度の不純物注入層が形成されているウェハにおいては、そのレーザダイシングにかかるこうした実情も概ね共通したものとなっている。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ウェハの厚さやウェハ内の不純物濃度によることなく、良好な改質層の形成を容易に行うことのできるレーザダイシング方法およびレーザダイシング装置を提供することにある。
こうした目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、レーザ光源から出力されたレーザ光を割断予定線に沿ったウェハの内部に集光させて改質層を形成する照射工程と、前記改質層の形成された割断予定線に沿って前記ウェハを複数のチップに割断する割断工程とを備えるレーザダイシング方法として、前記照射工程でのレーザ光の照射に際しての前記レーザ光源のレーザ光出力を、前記ウェハの前記レーザ光の入光面から同レーザ光の集光点までの深さに応じて、該深さが深いほど大きくなるように可変設定することとした。
また、請求項6に記載の発明では、ウェハが載置される載置台と、レーザ光を出力するレーザ光源と、その出力されたレーザ光を集光させる集光用光学素子と、前記ウェハに対する前記集光用光学素子によるレーザ光の集光点の位置を相対的に変位させる変位機構とを備え、前記レーザ光源の出力するレーザ光を割断予定線に沿った前記ウェハの内部に集光させて同ウェハ内部に改質層を形成するレーザダイシング装置として、前記レーザ光の照射に際しての前記レーザ光源のレーザ光出力を、前記ウェハの前記レーザ光の入光面から同レーザ光の集光点までの深さに応じて、該深さが深いほど大きくなるように可変制御するレーザ光出力制御手段を備えることとした。
レーザ光の入光面から集光点までの深さが深くなるほど、集光点に到達するまでのレーザ光の吸収量は多くなるが、上記方法および上記構成では、上記深さが深くなり、レーザ光の吸収量が多くなるほど、レーザ光出力が大きくされる。そのため、ウェハ深部のレーザ光の集光量の不足による改質層の形成不良が抑制されるようになる。したがって、上記方法および上記構成によれば、ウェハが厚かったり、不純物濃度が高かったりした場合であれ、良好な改質層の形成を容易に行うことができる。
ところで、ウェハの支持基板に注入された不純物濃度が高いほど、同支持基板を透過する間のレーザ光の吸収量は大きくなる。その点、上記請求項1に記載の方法において、請求項2に記載の発明では、前記集光点での前記ウェハ内の不純物濃度が高いほど、前記集光点の深さが同一のときの前記レーザ光源のレーザ光出力を大きく設定するようにしたため、支持基板の不純物濃度が高い場合であれ、これをより好適に改質することができるようになる。
なお、ウェハ内部を透過することで減衰したレーザ光の強度Iは、下式(1)で表わされる。下式(1)において、「I」はウェハの入光面におけるレーザ光の強度を、「α」は同ウェハの吸収係数を、「y」は上記入光面からレーザ光の集光点までの深さを、それぞれ示している。なお下式(1)の「e」は、ネピア数、すなわち自然対数の底を示している。
Figure 2007142114
また上記吸収係数αは、下式(2)にて求められる。下式(2)において、「π」は円周率を、「k」はウェハの消衰係数を、「λ」は照射されるレーザ光の波長をそれぞれ示している。
Figure 2007142114
上式(1)に示されるように、集光点に到達するレーザ光の強度Iは、上記深さyを指数とした指数関数の逆数に比例する。そこで、請求項3に記載の方法では、レーザ光源から出力されたレーザ光を割断予定線に沿ったウェハの内部に集光させて改質層を形成する照射工程と、前記改質層の形成された割断予定線に沿って前記ウェハを複数のチップに割断する割断工程とを備えるレーザダイシング方法として、前記照射工程でのレーザ光の照射に際しての前記レーザ光源のレーザ光出力を、前記ウェハの前記レーザ光の入光面から同レーザ光の集光点までの深さに応じて、該深さを指数とする指数関数に比例するように可変設定することとした。また、請求項7に記載の発明では、ウェハが載置される載置台と、レーザ光を出力するレーザ光源と、その出力されたレーザ光を集光させる集光用光学素子と、前記ウェハに対する前記集光用光学素子によるレーザ光の集光点の位置を相対的に変位させる変位機構とを備え、前記レーザ光源の出力するレーザ光を割断予定線に沿った前記ウェハの内部に集光させて同ウェハ内部に改質層を形成するレーザダイシング装置として、前記ウェハの前記レーザ光の入光面から同レーザ光の集光点までの深さを指数とする指数関数に比例するように、前記レーザ光の照射に際しての前記レーザ光源のレーザ光出力を、前記深さに応じて可変制御するレーザ光出力制御手段を備えることとした。
そのため、ウェハ内部を透過する間のレーザ光強度の減衰度合に応じて、その減衰分を補うようにレーザ光出力を増大させることが可能となり、その厚さが厚いウェハであれ、良好な改質層の形成を容易に行うことができる。
さらに請求項4に記載の方法では、レーザ光源から出力されたレーザ光を割断予定線に沿ったウェハの内部に集光させて改質層を形成する照射工程と、前記改質層の形成された割断予定線に沿って前記ウェハを複数のチップに割断する割断工程とを備えるレーザダイシング方法として、前記ウェハの前記レーザ光の入光面から同レーザ光の集光点までの深さ(y)と前記ウェハの吸収係数(α)との乗数(αy)を指数とするネピア数eの指数関数に比例するように、前記照射工程でのレーザ光の照射に際しての前記レーザ光源のレーザ光出力を可変設定することとした。
また請求項8に記載の発明では、ウェハが載置される載置台と、レーザ光を出力するレーザ光源と、その出力されたレーザ光を集光させる集光用光学素子と、前記ウェハに対する前記集光用光学素子によるレーザ光の集光点の位置を相対的に変位させる変位機構とを備え、前記レーザ光源の出力するレーザ光を割断予定線に沿った前記ウェハの内部に集光させて同ウェハ内部に改質層を形成するレーザダイシング装置として、前記ウェハの前記レーザ光の入光面から同レーザ光の集光点までの深さ(y)と前記ウェハの吸収係数(α)との乗数(αy)を指数とするネピア数eの指数関数に比例するように、前記レーザ光の照射に際しての前記レーザ光源のレーザ光出力を前記深さ(y)に応じて可変制御するレーザ光出力制御手段を備えることとした。
すなわち、これら方法及び装置では、レーザ光源のレーザ光出力Pを、下式(3)に示されるように設定している。下式(3)の「P」は定数である。
Figure 2007142114
そのため、照射するレーザ光出力の上記深さに応じた増大度合を、上式(1)で示されるようなウェハ内部でのレーザ光強度の減衰度合と一致させることができ、その深さに拘わらず集光点でのレーザ光の強度を一律とすることができる。なお上記定数Pの値を、貼り合せSOIウェハのレーザ光入光面に集光点を設定したときに、その集光点において改質層の形成に望ましいレーザ光強度の得られるようなレーザ光出力の値となるようにレーザ光出力の可変設定、可変制御を行えば、ウェハの全深さに渡って良好な改質層が形成されるようになる。
なお、上記各レーザダイシング方法あるいはレーザダイシング装置は、例えば請求項5あるいは請求項9に記載の発明によるように、前記ウェハが、支持基板上に絶縁膜を介してSOI層の形成されたSOIウェハに適用して特に有効である。
以下、本発明にかかるレーザダイシング方法およびレーザダイシング装置について、そのダイシング対象を貼り合せSOIウェハとした場合について、図1〜図9を参照して説明する。
本実施の形態では、以下に詳述するように、支持基板に注入された不純物濃度の想定される範囲内における消衰係数を予め測定機器を通じて測定し、これを不純物濃度の2次関数として近似しておく。そして、貼り合せSOIウェハを構成する支持基板の内部に改質層を形成すべく、集光レンズにて集光されたレーザ光を同貼り合せSOIウェハの割断予定線に沿ってレーザ光を照射する。ただしその際、貼り合せSOIウェハのレーザ光の入光面から同レーザ光の集光点までの深さと貼り合せSOIウェハの消衰係数に基づき求められた同ウェハの吸収係数との乗数を指数とするネピア数eの指数関数に比例するように、レーザ光源のレーザ光出力を同深さyに応じて可変設定する。
図1は、本実施の形態のレーザダイシング方法に用いられるレーザダイシング装置の全体構成を示したものである。まず、この図1を参照して、ここで使用するレーザダイシング装置の構成について説明する。
同図1に示されるように、本実施の形態のレーザダイシング装置は、大きくは、
・支持基板上に絶縁膜を介してSOI層となるシリコンウェハを貼り合せて形成された本実施の形態においてダイシングの対象とする貼り合せSOIウェハ10をその上面に載置する載置台21。
・載置台21のX軸方向の位置を可変とするX軸ステージ20a、載置台21のY軸方向の位置を可変とするY軸ステージ20b、および載置台21のZ軸方向の位置を可変とするZ軸ステージ20cを有して構成されるステージ(変位機構)20。
・載置台21上に載置された貼り合せSOIウェハ10を構成する支持基板の内部に、集光レンズ(集光用光学素子)30を介してレーザ光を照射するレーザ光源40。
・貼り合せSOIウェハ10に関する情報を入力部60から取り込み、ステージ20の各軸ステージ20a〜20cの位置制御やレーザ光源40のレーザ光出力制御などを行う制御部(レーザ光出力制御手段)50。
等々を有して構成されている。
ここで、上記各軸ステージ20a〜20cは、制御部50からの指令を受けた例えば図示しないステッピングモータを通じて、上記各軸上での位置が可変とされる。そして、制御部50を通じたX軸ステージ20aおよびY軸ステージ20bの位置制御により、上記貼り合せSOIウェハ10の割断予定線に沿ってレーザ光が照射されることとなる。なお、これらX軸ステージ20aおよびY軸ステージ20bによる位置の変位速度は、およそ毎秒30[cm]となっている。またZ軸方向は、上記貼り合せSOIウェハ10の表面に垂直な方向であり、制御部50を通じたZ軸ステージ20cの位置制御により、同ウェハ10のレーザ光の入光面から同レーザ光の集光点までの深さが可変とされる。
ちなみに、レーザ光源40としては、例えばYAGレーザが採用されており、この波長は1.064[μm]となっている。そして、このレーザ光源40は、制御部50からの指令を受けて、周波数がおよそ80[KHz]のレーザ光を照射することが可能となっている。こうして照射されたレーザ光は、図1中に示されるように、光路Lをたどり、集光レンズ30で集光される。
また、制御部50には、貼り合せSOIウェハ10のレーザ光によるダイシングに際し必要となる貼り合せSOIウェハ10に関する情報が入力部60を介して入力される。そして制御部50は、この入力された情報に基づき、貼り合せSOIウェハ10の割断予定線の座標の算出、開始基点の座標の算出の他、上記各軸ステージ20a〜20cの位置制御、レーザ光源40によるレーザ光の照射制御などを実行する。なお、こうした貼り合せSOIウェハ10に関する情報としては、例えば、貼り合せSOIウェハ10の直径、テラス領域の幅、チップサイズ、SOI層の層厚、絶縁膜の膜厚、オリエンテーションフラットの幅、支持基板の厚さ、および支持基板に注入された不純物濃度などがある。
図2は、本実施の形態においてダイシング対象とする貼り合せSOIウェハについて、その側面断面構造例を示したものである。次に、この図2を参照して、本実施の形態においてダイシング対象とする貼り合せSOIウェハについて説明する。
同図2に示されるように、この貼り合せSOIウェハ10は、例えば酸化シリコンSiOからなる絶縁膜10cを介して、単結晶シリコンSiからなるSOI層10bが支持基板10a上に貼り合わされて形成されており、このSOI層10bに例えばトランジスタなどの素子が形成されている。このように形成することで、素子周囲の絶縁性が高められ、素子の寄生容量の低減やリーク電流の削減が図られている。
また、本実施の形態では、図2に示されるように、SOI層10b中のトランジスタなどの素子が組み込まれていない領域を割断予定線CLとしており、この割断予定線CL直下の部分をレーザ光の照射対象としている。この貼り合せSOIウェハ10のレーザダイシングにあっては、レーザ光源40(図1)から照射されて集光レンズ30(図1)を透過したレーザ光が、光路Lをたどり、支持基板10a内部の集光点Cに集光することとなる。そして、このシリコンウェハ10の割断予定線CL直下の単結晶シリコンSiがレーザ光照射により改質され、こうして改質層が形成された後、SOIウェハ10は各チップ毎に割断されることとなる。
図3は、本実施の形態にかかるダイシング装置を通じてダイシングする貼り合せSOIウェハの平面構造および割断予定線を例示したものである。次に、この図3を参照して、レーザダイシング装置を通じて実行されるレーザ光の照射処理について説明する。
先の制御部50(図1)に入力される貼り合せSOIウェハ10に関する情報が、例えば、貼り合せSOIウェハ10の直径、テラス領域の幅、貼り合せSOIウェハ10に形成されたオリエンテーションフラットの幅、テラス領域の幅、チップサイズ、SOI層10bの層厚、絶縁膜10cの膜厚、支持基板10aの厚さ、および支持基板に注入された不純物濃度などであることは上述の通りである。貼り合せSOIウェハ10が載置台21上の所定の位置に載置されると、制御部50は、図3に示されるように、オリエンテーションフラットに接して且つ平行なX軸を決定し、貼り合せSOIウェハ10の左端に接して且つ同X軸に直交するようなY軸を決定する。そして、これらX軸とY軸との交点を原点OとしてX−Y平面を決定し、この原点OからX−Y平面に直交する方向をZ軸とする。こうしてX−Y−Z直交座標系が設定されることとなる。
こうしてX−Y−Z直交座標系が設定されると、制御部50は、この設定された直交座標系に対して、上記入力されたチップサイズの情報に基づき先の原点Oを基準として割断予定線の座標を算出する。また制御部50は、同じく上記設定された直交座標系に対して、上記入力されたテラス領域の幅の情報に基づきテラス領域における割断予定線の座標を算出する。なお、テラス領域とは、図3に示されるように、貼り合せSOIウェハの外周部に位置するSOI層10bの形成されていない領域である。また、このようにして算出される割断予定線は、同図3に示されるように、上記X軸あるいはY軸に平行な格子状をなしている。
次に制御部50は、上記設定された直交座標系に対して、SOI層10bの層厚、絶縁膜10cの膜厚、および支持基板10aの厚さに基づきレーザ光照射を開始する開始基点S0の(X、Y、Z)座標を算出する。この際、開始基点S0の(X、Y)座標は、図3に示されるように、例えば貼り合せSOIウェハ10の外縁と上記割断予定線の格子点とが一致する箇所あるいは上記テラス領域内に設定されており、開始基点S0のZ座標は、例えば貼り合せSOIウェハ10を構成する支持基板10a内部において、改質層の形成予定領域の最下部に設定されている。
こうして制御部50は、上記集光レンズ30を介したレーザ光の集光点Cを、各軸ステージ20a〜20cの位置制御を通じて開始基点S0、S1、S2、…、Snの(X、Y、Z)座標に設定し、(X、Z)座標を固定した上でY軸方向の割断予定線に沿ったレーザ光照射を行い、上記貼り合せSOIウェハ10内部に改質層を形成する。
また制御部50は、レーザ光の集光点Cが貼り合せSOIウェハ10の外縁に到達した際に、X軸ステージ20aおよびY軸ステージ20bの位置制御を通じて、例えばレーザ光の集光点Cを開始基点S1に移行させる。そして、この開始基点S1から派生するY軸方向の割断予定線に沿ったレーザ光照射を同様に実行する。このような一連のレーザ光照射を、開始基点S0、S1、S2、…、Snから派生するY軸方向のすべての割断予定線に沿って実施する。その後、制御部50は、レーザ光の集光点Cを開始基点S0に再び設定し、Y軸方向の場合と同様に、開始基点S0、S1、S2、…、Snから派生するX軸方向のすべての割断予定線に沿ったレーザ光照射を実行する。こうして、貼り合せSOIウェハ10に設定されたY軸方向の割断予定線およびX軸方向の割断予定線のすべてに対しレーザ光の照射を実施した後、Z軸ステージ20cの位置制御を通じてZ軸方向上方にレーザ光の集光点Cを移動させる。そして同様に、Y軸方向のレーザ光照射およびX軸方向のレーザ光照射を繰り返すこととなる。
ところで、レーザ光源40から照射されたレーザ光は、貼り合せSOIウェハ10の内部を透過するに従って徐々に吸収され、その強度が弱められる。そして貼り合せSOIウェハ10内部を透過することで減衰したレーザ光の強度Iは、下式(4)にて表わされる。下式(4)において、「I」は貼り合せSOIウェハ10の入光面におけるレーザ光の強度を、「α」は同ウェハ10の吸収係数を、「y」は上記入光面からレーザ光の集光点Cまでの深さ(図2参照)を、それぞれ示している。なお下式(4)の「e」は、ネピア数、すなわち自然対数の底を示している。
Figure 2007142114
こうした貼り合せSOIウェハ10のレーザ光入射面から集光点Cまでの深さyとレーザ光の相対強度(I/I)との関係を、貼り合せSOIウェハ10の支持基板10aに注入された不純物濃度の別に、図4に示す。ここで、同図4において曲線C1〜C7は、不純物濃度Nが「1.0×1015[1/cm3 ]」、「1.5×1018[1/cm3 ]」、「3.0×1018[1/cm3 ]」、「6.0×1018[1/cm3 ]」、「1.0×1019[1/cm3 ]」、「3.0×1019[1/cm3 ]」、および「5.0×1019[1/cm3 ]」である場合の、上記深さyとレーザ光の相対強度との関係をそれぞれ示している。すなわち、同曲線C1〜C7はその順に、不純物濃度Nが高くなっている。また、こうした不純物は、貼り合せSOIウェハ10のSOI層10bに作り込まれるバイポーラトランジスタなどの電気的な特性を改善すべく、その内部に注入されるものである。
同図4に示されるように、いずれの曲線C1〜C7であれ、貼り合せSOIウェハ10のレーザ光入射面から集光点Cまでの深さyが深くなるほど、レーザ光の相対強度(I/I)は減衰する傾向にあり、レーザ光入射面から集光点Cまでの深さyが同一である場合には、不純物濃度Nの大きい曲線ほど、レーザ光の相対強度(I/I)は小さくなっている。さらに、不純物濃度Nの大きい曲線ほど、レーザ光の相対強度(I/I)の減衰度合は大きくなっている。
図5に、これらの関係を、両対数表を用いてより詳細に示す。同図5は、レーザ光入射面から集光点Cまでの深さの別に、貼り合せSOIウェハ10の支持基板10aに注入された不純物濃度Nとレーザ光の相対強度(I/I)との関係を示したものである。同図5において曲線D1〜D13は、同深さyが「3[μm]」、「10[μm]」、「20[μm]」、「50[μm]」、「100[μm]」、「200[μm]」、「400[μm]」、「600[μm]」、「800[μm]」、「1000[μm]」、「1500[μm]」、「2000[μm]」、および「3000[μm]」である場合の、上記不純物濃度Nとレーザ光の相対強度との関係をそれぞれ示している。すなわち、曲線D1〜D13はその順に、同深さyが深くなっている。
同図5に示されるように、いずれの曲線D1〜D13であれ、不純物濃度Nが大きくなるほど、レーザ光の相対強度(I/I)は減衰し、また、同一の不純物濃度Nである場合には、同深さが深い場合の曲線ほど、レーザ光の相対強度(I/I)は小さくなる傾向にある。
具体的には、例えば曲線D8からわかるように、不純物濃度Nが「2.0×1019[1/cm3 ]」である場合、上記深さyが「600[μm]」よりも深い箇所(曲線D9〜D13参照)におけるレーザ光強度Iは、レーザ光入射面でのレーザ光強度Iの「1%」以下までに減衰することとなる。また、同じく曲線D8からわかるように、不純物濃度Nが「1.0×1018[1/cm3 ]」以下である場合、上記深さyが「600[μm]」におけるレーザ光強度Iは、レーザ光入射面でのレーザ光強度Iのほぼ「50%」と一定となっている。
このように、概して、レーザ光の入射面から集光点Cまでの深さy(図2)が深くなるほど、集光点Cに到達するまでのレーザ光の吸収量は多くなり、同様に、貼り合せSOIウェハ10の支持基板10aに注入された不純物濃度が高いほど、集光点Cに到達するまでのレーザ光の吸収量は多くなる。そのため、その厚手の貼り合せSOIウェハ10、あるいは不純物濃度の高い貼り合せSOIウェハ10では、その厚い支持基板10aあるいは、高い不純物濃度の支持基板10aでレーザ光の多くが吸収され、同貼り合せSOIウェハ10の深部まで十分な強度のレーザ光を到達させることは難しい。
そこで、上記制御部50は、レーザ光の入射面から集光点Cまでの深さyが深い場合、あるいは不純物濃度が高い場合、上記集光レンズ30の集光点CのZ座標に拘わらず集光点Cでのレーザ光の強度を一律とすべく、以下で説明するレーザ光源40のレーザ光出力制御も併せて行っている。
なお、上式(4)中の上記吸収係数αは、下式(5)で表される。下式(5)において、「π」は円周率を、「k」は貼り合せSOIウェハの消衰係数を、「λ」は照射されるレーザ光の波長をそれぞれ示している。
Figure 2007142114
上式(5)からわかるように、採用するレーザ光の波長λおよびダイシング対象とする貼り合せSOIウェハ10の消衰係数kが取得されていれば、簡単な演算を通じて吸収係数αを取得することができる。ここで、上述のように、本実施の形態のレーザダイシング装置では、そのレーザ光源40としてYAGレーザを採用しているため、レーザ光の波長については1.064[μm]として既知である。また、図6中、黒点「・」にて示すように、消衰係数kについては、上記不純物濃度Nに依存してその値が変化するため、上記貼り合せSOIウェハ10のレーザダイシングに先立ち、まず、例えばエリプソメトリー装置などの測定機器を通じて上記不純物濃度Nの想定される範囲内における消衰係数kを予め測定し、下式(6)に示す例えば上記不純物濃度Nの2次関数として近似しておく。そして、本実施の形態では、以下で説明するレーザ光源40のレーザ光出力制御の際、上記制御部50での演算を通じて同消衰係数kを取得するようにしている。
Figure 2007142114
図7は、上記貼り合せSOIウェハ10のレーザ入光面から集光点Cまでの深さyとレーザ光の相対出力値(P/P)との関係を示したものである。なお、同図7において、曲線E1〜E3は、上記不純物濃度Nが「1.0×1019[1/cm3 ]」、「3.0×1018[1/cm3 ]」、および「1.0×1015[1/cm3 ]」である場合の、上記不純物濃度Nとレーザ光の相対出力値との関係をそれぞれ示しており、曲線E1〜E3はその順に、不純物濃度Nが低くなっている。次に、この図7を参照して、本実施の形態にかかるダイシング装置が実行するレーザ光出力制御について説明する。
上述した通り、レーザ光の入射面から集光点Cまでの深さyが深くなるほど、集光点Cに到達するまでのレーザ光の吸収量は多くなり、同様に、貼り合せSOIウェハ10の支持基板10aに注入された不純物濃度が高いほど、集光点Cに到達するまでのレーザ光の吸収量は多くなる。そして、その減衰するレーザ光の強度Iは上式(4)にて表される。
そこで、本実施の形態のダイシング装置では、レーザ光を照射する際に、ダイシング対象とする貼り合せSOIウェハ10の上記不純物濃度N、および上記深さyに応じて、下式(7)に示す態様で、レーザ光源40のレーザ光出力Pを制御するようにしている。
Figure 2007142114
ここで、上記(7)の「P」は定数であり、貼り合せSOIウェハ10のレーザ光入光面に集光点Cを設定したときに、その集光点Cにおいて改質層の形成に望ましいレーザ光強度の得られるようなレーザ光出力Pの値となるようにその値を設定している。
具体的には、
(イ)例えば曲線E2に示されるように、上記不純物濃度Nが「3.0×1018[1/cm3 ]」の貼り合せSOIウェハ10において、上記深さyが「600[μm]」に位置する箇所を改質する際には、上記深さyが「200[μm]」に位置する箇所を改質する際の2倍にレーザ光出力を設定する。
(ロ)また、例えば曲線E1に示されるように、上記不純物濃度Nが「1.0×1019[1/cm3 ]」の貼り合せSOIウェハ10において、上記深さyが「600[μm]」に位置する箇所を改質する際には、上記深さyが「200[μm]」に位置する箇所を改質する際の3倍のレーザ光出力を設定する。
等々の設定態様により、照射するレーザ光出力の上記深さyに応じた増大度合を、上式(4)で示されるような貼り合せSOIウェハ10内部でのレーザ光強度の減衰度合と一致させることができ、その深さに拘わらず、集光点Cでのレーザ光の強度を一律とすることができる。これにより、同ウェハ10の全深さに渡って良好な改質層が形成されるようになる。
図8は、本実施の形態のレーザダイシング方法における処理手順を示したものであり、図9は、ダイシング処理中に実行されるレーザ光の照射工程での処理手順を示したものである。次に、これら図8および図9を参照して、本実施の形態のレーザダイシング方法を総括する。
本実施の形態のダイシング処理に先立ち、まず、上記不純物濃度Nの想定される範囲内における消衰係数kを、例えばエリプソメトリー装置などの周知の測定機器を通じて予め測定し、例えば上記不純物濃度Nの2次関数として近似しておく。そして、同図8に示されるように、ステップS100の工程として、貼り合せSOIウェハ10に関する情報を、入力部60を介して制御部50に入力する。ここで、制御部50に入力される貼り合せSOIウェハ10に関する情報としては、貼り合せSOIウェハ10の直径「5inch」、テラス領域の幅「5[mm]」、チップサイズ「数[mm]」、SOI層10bの層厚「20[μm]」、絶縁膜10cの膜厚「2[μm]」、オリエンテーションフラットの幅「数[cm]」、支持基板の厚さ「600[μm]」、および支持基板10aの不純物濃度「3.0×1018(1/cm3)」などである。
続くステップS200の工程としてレーザ光の照射工程を行う。レーザ光の照射工程の開始にあっては、図9に示されるように、まず、ステップS201の処理として、先のステップS100の工程にて制御部50に入力された上記貼り合せSOIウェハ10に関する情報に基づき、座標軸(X−Y−Z)、すなわち直交座標系が決定される。そしてステップS202の処理として、貼り合せSOIウェハ10の外形やオリエンテーションフラットに基づき、Y軸方向の割断予定線およびX軸方向の割断予定線の座標(X−Y平面)が算出される。そして続くステップS203の処理として、レーザ光源40から照射するレーザ光出力の初期値が先の式(7)に従い設定される。
このようにしてレーザ光出力の初期値が設定された後、ステップS204の処理として、Y軸方向の割断予定線に沿ってレーザ光を照射することで、貼り合せSOIウェハ10を構成する支持基板10aの内部に良好な改質層が形成される。そして、続くステップS205の判断処理を通じて、Y軸方向の割断予定線に沿ったレーザ光の照射がすべて実施されるまで、ステップS204の処理にかかるレーザ光の照射は繰返し実行されることとなる。
一方、続くステップS206の処理として、X軸方向の割断予定線に沿ってレーザ光を照射することで、貼り合せSOIウェハ10を構成する支持基板10aの内部に良好な改質層が形成される。なおここでも、続くステップS207の判断処理を通じて、X軸方向の割断予定線に沿ったレーザ光の照射がすべて実施されるまで、先のステップS206の処理にかかるレーザ光の照射は繰返し実行されることとなる。
こうしてX−Y平面に対するレーザ光照射がすべて終了すると、続くステップS208の処理として、レーザ光の集光点Cを、貼り合せSOIウェハ10の上表面方向(Z軸方向)へ所定量、例えば「数十[μm]」だけ上方へ移動させる。続くステップS209の処理においては、ステップS208の処理にて移動したレーザ光の集光点Cの位置、すなわち、上記レーザ光の入光面から集光点Cまでの深さyに応じて、先の(7)式に従って、レーザ光の出力Pを再び設定する。そして、ステップS210の判断処理を通じて、レーザ光の集光点Cが支持基板10a内部の改質層の形成領域の最上部に到達するまで、すなわち、支持基板10a内部の改質層が十分な厚さとなり、貼り合せSOIウェハ10の割断が容易となるまで、上記ステップS204の処理〜ステップS210の処理が繰返し実行されることとなる。
こうして改質層が十分に形成されると、先の図8に示されるように、ステップS300の工程として、貼り合せSOIウェハ10の割断工程に移行する。この割断工程においては、例えば貼り合せSOIウェハ10の裏面に予め密着された樹脂シートを引き伸ばすなどすることにより、上述のように形成された改質層を起点として、同貼り合せSOIウェハ10を上記割断予定線に沿って各チップ毎に割断する。
以上説明したように、本実施の形態のレーザダイシング方法およびレーザダイシング装置によれば、以下のような優れた効果が得られるようになる。
(1)貼り合せSOIウェハ10のレーザ光の入光面から同レーザ光の集光点Cまでの深さyと貼り合せSOIウェハの消衰係数kに基づき求められた同ウェハ10の吸収係数αとの乗数を指数とするネピア数eの指数関数に比例するように、すなわち、先の式(7)に従って、レーザ光源40のレーザ光出力Pを同深さyに応じて可変設定することとした。これにより、照射するレーザ光出力Pの同深さyに応じた増大度合を、先の式(4)で示されるような同ウェハ10内部でのレーザ光強度Iの減衰度合と一致させることができ、その深さに拘わらず集光点Cでのレーザ光の強度を一律とすることができる。
(2)また、レーザ光出力Pの上記深さyに応じた可変設定の際、先の式(7)中、定数Pの値を、貼り合せSOIウェハ10のレーザ光入光面に集光点Cを設定したときに、その集光点Cにおいて改質層の形成に望ましいレーザ光強度の得られるようなレーザ光出力の値となるように設定した。これにより、貼り合せSOIウェハ10の全深さに渡って良好な改質層が形成されるようになる。
なお、本発明にかかるレーザダイシング方法およびレーザダイシング装置は、上記実施の形態にて例示した方法あるいは装置に限定されるものではなく、同実施の形態を適宜変更した例えば次のような形態として実施することもできる。
・上記実施の形態では、支持基板10a内部の改質層形成領域の最下部からX−Y平面上の割断予定線に沿ったレーザ光照射を行い、最上部に到達するまでこれを繰返し行っていたが、レーザ光照射態様はこれに限られない。支持基板10a内部の改質層形成領域の最上部からX−Y平面上の割断予定線に沿ったレーザ光照射を行い、最下部に到達するまでこれを繰返し行うこととしてもよい。あるいは、支持基板10aの表面に垂直な方向(Z軸方向)に改質層を成長させた後、平行な方向(X−Y平面)に改質層を成長させることとしてもよい。要は、支持基板10a内部の改質層形成予定領域の全域に渡って、改質層を的確に形成することができれば、そのレーザ光の照射態様は任意である。
・上記実施の形態では、レーザ光出力Pの上記深さyに応じた可変設定の際、先の式(7)中、定数Pの値を、貼り合せSOIウェハ10のレーザ光入光面に集光点Cを設定したときにその集光点Cにおいて改質層の形成に望ましいレーザ光強度の得られるようなレーザ光出力の値となるように設定したが、これに限られない。要は、貼り合せSOIウェハ10のレーザ光入光面に集光点Cを設定したときにその集光点Cにおいて改質層が十分に形成されるようなレーザ光出力の値であれば、定数Pの値は任意である。
・また、こうしたレーザ光の照射に際してのレーザ光源40のレーザ光出力Pを、貼り合せSOIウェハ10のレーザ光の入光面から同レーザ光の集光点Cまでの深さyに応じて、該深さyを指数とする指数関数に比例するように可変設定することとしてもよい。あるいは、貼り合せSOIウェハ10の支持基板10aのレーザ集光点での不純物濃度Nが高いほど、同集光点Cの深さyが同一のときのレーザ光源40のレーザ光出力Pを大きく設定することとしてもよい。またあるいは、同貼り合せSOIウェハ10のレーザ光の入光面から同レーザ光の集光点Cまでの深さyに応じて、該深さyが深いほど大きくなるように可変設定することとしてもよい。
・上記実施の形態では、貼り合せSOIウェハ10をそのダイシング対象としていたが、これに限られず、他にもイオン注入などで製造されたSOIウェハやバルクシリコンウエハなどもそのダイシング対象とすることができる。要は、その厚さが厚いウェハ、あるいはその内部に高い濃度の不純物注入層が形成されているウェハであっても、この発明の適用によって上記に準じた効果を得ることができる。
本発明にかかるレーザダイシング装置の一実施の形態についてその全体構成を示すブロック図。 同実施の形態の装置において、ダイシング対象とする貼り合せSOIウェハの側面構造およびレーザ光照射態様を示す断面図。 同実施の形態の装置において、ダイシング対象とする貼り合せSOIウェハの平面構造および割断予定線の一例を示す平面図。 貼り合せSOIウェハのレーザ光入射面から集光点までの深さyとレーザ光の相対強度(I/I)との関係を示す図。 貼り合せSOIウェハの支持基板に注入された不純物濃度Nとレーザ光の相対強度(I/I)との関係を示す図。 貼り合せSOIウェハの支持基板に注入された不純物濃度Nと同貼り合せSOIウェハの消衰係数との関係を近似曲線にて示す図。 同実施の形態の装置を通じて制御する集光点の深さyに対するレーザ光出力の相対値(P/P)との関係を示す図。 同実施の形態の装置を用いた本発明にかかるレーザダイシング方法の一実施の形態として、そのダイシング処理の処理手順を示すフローチャート。 上記ダイシング処理中に実施されるレーザ光の照射処理の処理手順を示すフローチャート。
符号の説明
10…貼り合せSOIウェハ、10a…支持基板、10b…SOI層、10c…絶縁膜、20…ステージ、20a…X軸ステージ、20b…Y軸ステージ、20c…Z軸ステージ、21…載置台、30…集光レンズ(集光用光学素子)、40…レーザ光源、50…制御部(レーザ光出力制御手段)、60…入力部。

Claims (9)

  1. レーザ光源から出力されたレーザ光を割断予定線に沿ったウェハの内部に集光させて改質層を形成する照射工程と、前記改質層の形成された割断予定線に沿って前記ウェハを複数のチップに割断する割断工程とを備えるレーザダイシング方法であって、
    前記照射工程でのレーザ光の照射に際しての前記レーザ光源のレーザ光出力を、前記ウェハの前記レーザ光の入光面から同レーザ光の集光点までの深さに応じて、該深さが深いほど大きくなるように可変設定する
    ことを特徴とするレーザダイシング方法。
  2. 前記集光点での前記ウェハ内の不純物濃度が高いほど、前記集光点の深さが同一のときの前記レーザ光源のレーザ光出力を大きく設定する
    請求項1に記載のレーザダイシング方法。
  3. レーザ光源から出力されたレーザ光を割断予定線に沿ったウェハの内部に集光させて改質層を形成する照射工程と、前記改質層の形成された割断予定線に沿って前記ウェハを複数のチップに割断する割断工程とを備えるレーザダイシング方法であって、
    前記照射工程でのレーザ光の照射に際しての前記レーザ光源のレーザ光出力を、前記ウェハの前記レーザ光の入光面から同レーザ光の集光点までの深さに応じて、該深さを指数とする指数関数に比例するように可変設定する
    ことを特徴とするレーザダイシング方法。
  4. レーザ光源から出力されたレーザ光を割断予定線に沿ったウェハの内部に集光させて改質層を形成する照射工程と、前記改質層の形成された割断予定線に沿って前記ウェハを複数のチップに割断する割断工程とを備えるレーザダイシング方法であって、
    前記ウェハの前記レーザ光の入光面から同レーザ光の集光点までの深さ(y)と前記ウェハの吸収係数(α)との乗数(αy)を指数とするネピア数eの指数関数に比例するように、前記照射工程でのレーザ光の照射に際しての前記レーザ光源のレーザ光出力を可変設定する
    ことを特徴とするレーザダイシング方法。
  5. 前記ウェハは、支持基板上に絶縁膜を介してSOI層の形成されたSOIウェハである
    請求項1〜4のいずれか一項に記載のレーザダイシング方法。
  6. ウェハが載置される載置台と、レーザ光を出力するレーザ光源と、その出力されたレーザ光を集光させる集光用光学素子と、前記ウェハに対する前記集光用光学素子によるレーザ光の集光点の位置を相対的に変位させる変位機構とを備え、前記レーザ光源の出力するレーザ光を割断予定線に沿った前記ウェハの内部に集光させて同ウェハ内部に改質層を形成するレーザダイシング装置において、
    前記レーザ光の照射に際しての前記レーザ光源のレーザ光出力を、前記ウェハの前記レーザ光の入光面から同レーザ光の集光点までの深さに応じて、該深さが深いほど大きくなるように可変制御するレーザ光出力制御手段を備える
    ことを特徴とするレーザダイシング装置。
  7. ウェハが載置される載置台と、レーザ光を出力するレーザ光源と、その出力されたレーザ光を集光させる集光用光学素子と、前記ウェハに対する前記集光用光学素子によるレーザ光の集光点の位置を相対的に変位させる変位機構とを備え、前記レーザ光源の出力するレーザ光を割断予定線に沿った前記ウェハの内部に集光させて同ウェハ内部に改質層を形成するレーザダイシング装置において、
    前記ウェハの前記レーザ光の入光面から同レーザ光の集光点までの深さを指数とする指数関数に比例するように、前記レーザ光の照射に際しての前記レーザ光源のレーザ光出力を、前記深さに応じて可変制御するレーザ光出力制御手段を備える
    ことを特徴とするレーザダイシング装置。
  8. ウェハが載置される載置台と、レーザ光を出力するレーザ光源と、その出力されたレーザ光を集光させる集光用光学素子と、前記ウェハに対する前記集光用光学素子によるレーザ光の集光点の位置を相対的に変位させる変位機構とを備え、前記レーザ光源の出力するレーザ光を割断予定線に沿った前記ウェハの内部に集光させて同ウェハ内部に改質層を形成するレーザダイシング装置において、
    前記ウェハの前記レーザ光の入光面から同レーザ光の集光点までの深さ(y)と前記ウェハの吸収係数(α)との乗数(αy)を指数とするネピア数eの指数関数に比例するように、前記レーザ光の照射に際しての前記レーザ光源のレーザ光出力を前記深さ(y)に応じて可変制御するレーザ光出力制御手段を備える
    ことを特徴とするレーザダイシング装置。
  9. 前記ウェハは、支持基板上に絶縁膜を介してSOI層の形成されたSOIウェハである
    請求項6〜8のいずれか一項に記載のレーザダイシング装置。
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