JP2007136902A - 熱転写受容シート - Google Patents

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Abstract

【課題】熱転写プリンターに適し、高濃度で高画質の画像が得られ、印画画像の経時によるニジミの無い優れた画像保存性を有し、かつ受容層表面でのクラック発生がなく、種々の環境下で取り扱い性の良好な熱転写受容シートを提供する。
【解決手段】シート状支持体の少なくとも一面に、バリア層、および画像受容層が順次に積層された熱転写受容シートにおいて、前記バリア層が、シラノール変性ポリビニルアルコールと、粒子平均長径が0.1〜20μmであり、かつアスペクト比(層状化合物の粒子平均長径/厚さの比)が5〜5000である膨潤性無機層状化合物とを主成分とする熱転写受容シート。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インクリボンと重ね合わせサーマルヘッドをデバイスとしてインクリボンの色材を熱転写することにより画像を形成するプリンターに使用する熱転写受容シート(以下、単に、受容シートともいう。)に関するものである。更に詳しくは、サーマルプリンター、特に染料熱転写プリンターに適し、銀塩写真類似画像が得られ、高い画像保存性を有し、優れた取り扱い性を有する受容シートに関するものである。
近年、サーマルプリンター、特に鮮明なフルカラー画像がプリント可能な染料熱転写プリンターが注目されている。染料熱転写プリンターは、インクリボン(インクシートとも呼ばれる。)の染料を含む染料層と、受容シートの染料染着性樹脂を含む画像受容層(以下、単に、受容層ともいう。)とを重ねあわせ、サーマルヘッド等から供給される熱により、インクリボン染料層の所要個所の染料を所定濃度だけ受容層に転写して画像を形成するものである。インクリボンは、イエロー、マゼンタ及びシアンの3色、あるいはこれにブラックを加えた4色の染料層からなる。フルカラー画像は、インクリボンの各色の染料を受容シートに順に繰り返し転写することによって得られる。染料熱転写方式は高画質な画像記録が可能であること、また、昨今のデジタルカメラの普及に伴い、デジタルプリント可能な方式として、銀塩写真からの置き換えが進みつつある。
受容シートにおいて、断熱性、平滑性、クッション性は、サーマルヘッドからの熱を効率よく印画に使用するために必要な特性であり、印画した画像の画質や、画像の濃度に大きく影響する。詳細には、画像を印画する際、サーマルヘッドにインクリボンを介して受容シートが接触し、反対側からプラテンロールと称するゴムロールで押さえつけられる。クッション性の良好な受容シートはゴムロールからの抑えられる圧力によって、インクリボンと隙間なく完全に密着し、ムラなくインクを転写できるため画質が良くなるが、クッション性の劣る受容シートは密着したインクリボンとの間に隙間ができ、その隙間においてインクが転写不良となり、画像にムラが生じる。従って、クッション性は、受容シートにおいて最も重要な品質の1つである。例えば、画質を向上させる目的で、好適な中間層(気泡層)に含まれる中空粒子の大きさが開示されている(例えば、特開平9−99651号公報(特許文献1)参照。)。
受容シートは、受容層に転写した染料が時間とともに下層に染み込み、支持体などの中で拡散し(以下、「ニジミ」ともいう)、画像が不鮮明となり、画像保存性が不十分であるといった欠点を有する。この欠点は、記録画像の濃度や画質などを改善するために基材上に中空・発泡粒子を用いた中間層を設け、受容シートにクッション性などを与えるような構成(例えば、特開平1−27996号公報(特許文献2)、特開昭63−87286号公報(特許文献3)等参照。)では、一層顕在化しうる。従って、特に中空・発泡粒子を含む中間層を設けた受容シートにおいては、ニジミを防止するために、高いバリア性のある層(バリア層)が必須となる。
また、受容層塗料成分や受容層塗料中の溶媒の浸透を防止する目的で、中空粒子を含有する中間層上に、特定の粒子平均長径とアスペクト比を有する膨潤性無機層状化合物を含有するバリア層が提案されている(例えば、特開平6−227159号公報(特許文献4)、特開2004−284347号公報(特許文献5)等参照。)。しかしながら、このようなバリア層は耐折曲げ性や隣接する塗工層との接着性が不十分であることに起因して、画像保存性が必ずしも十分でなく更なる改良が求められている。
近年、銀塩写真からの置き換えが進む中で、高濃度・高画質、高画像保存性の受容シートが求められており、より高度な技術が要求されている。
特開平9−99651号公報(第2頁) 特開平1−27996号公報(第1頁) 特開昭63−87286号公報(第1頁) 特開平6−227159号公報(第2頁) 特開2004−284347号公報(第2頁)
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は受容シートにおいて、高濃度で高画質の画像が得られ、印画画像の経時によるニジミの無い優れた画像保存性を有し、かつ受容層表面でのクラック発生がなく、種々の環境下で取り扱い性の良好な受容シートを提供することにある。
本発明は、以下の各発明を包含する。
(1)シート状支持体の少なくとも一面に、バリア層、および画像受容層が順次に積層された熱転写受容シートにおいて、前記バリア層が、シラノール変性ポリビニルアルコールと、粒子平均長径が0.1〜20μmであり、かつアスペクト比(層状化合物の粒子平均長径/厚さの比)が5〜5000である膨潤性無機層状化合物とを主成分とすることを特徴とする熱転写受容シート。
(2)前記バリア層が、シラノール変性ポリビニルアルコール100質量部に対して、膨潤性無機層状化合物を1〜100質量部の比率で含有する(1)項に記載の熱転写受容シート。
(3)前記膨潤性無機層状化合物が、膨潤性粘土系鉱物、膨潤性合成スメクタイト、および膨潤性合成マイカからなる群から選ばれる少なくとも1種である(1)項または(2)項に記載の熱転写受容シート。
(4)前記シート状支持体とバリア層の間に、中空粒子を含有する中間層がさらに設けられた(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載の熱転写受容シート。
(5)前記中空粒子の、平均粒径が0.3〜20μmであり、かつ体積中空率が45〜97%である(4)項に記載の熱転写受容シート。
本発明の受容シートは、高濃度で高画質の画像が得られ、印画画像の経時によるニジミの無い優れた画像保存性を有し、かつ受容層表面でのクラック発生がなく、種々の環境下で取り扱い性の良好な受容シートである。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明の受容シートは、シート状支持体上に、少なくともバリア層、受容層を順次に設けた構成を有し、必要により、シート状支持体上とバリア層の間に中空粒子を含有す中間層を設けてもよい。
(バリア層)
本発明のバリア層は、シート状支持体(もしくは、中空粒子を含有する中間層上)に設けられ、特定の膨潤性無機層状化合物と接着剤樹脂とを主成分とする。膨潤性無機層状化合物は結晶性が非常に高く、熱転写染料を通過させないので、膨潤性無機層状化合物をシート状支持体に、平行に敷き詰め、さらに、多数積層し、同時に接着剤樹脂で膨潤性無機層状化合物同士やシート状支持体と結着させることで、良好なニジミ防止効果、バリア性が発現される。
膨潤性無機層状化合物としては、グラファイト、リン酸塩系誘導体型化合物(リン酸ジルコニウム系化合物等)、カルコゲン化物、ハイドロタルサイト類化合物、リチウムアルミニウム複合水酸化物、粘土系鉱物、合成スメクタイト、合成マイカ等が挙げられる。本発明において、膨潤性無機層状化合物としては、膨潤性粘土系鉱物、膨潤性合成スメクタイト、膨潤性合成マイカが、バリア発現性、価格、入手の容易さなどから好ましく使用される。
粘土系鉱物は一般に、シリカの四面体層の上部に、アルミニウムやマグネシウム等を中心金属にした八面体層を有する2層構造を有するタイプと、シリカの四面体層が、アルミニウムやマグネシウム等を中心金属にした八面体層を両側から狭んでなる3層構造を有するタイプに分類される。前者の2層構造タイプとしては、カオリナイト族、アンチゴライト族等を挙げることができ、後者の3層構造タイプとしては、層間カチオンの数によってスメクタイト族、バーミキュライト族、マイカ族等を挙げることができる。
これらの粘土系鉱物として、具体的には、カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロイサイト、アンチゴライト、クリソタイル、パイロフィライト、モンモリロナイト、ヘクトライト、テトラシリリックマイカ、ナトリウムテニオライト、マーガライト、タルク、バーミキュライト、ザンソフィライト、緑泥石等を挙げることができる。その他の例については、白水晴雄著、「粘土鉱物学」、1988年、(株)朝倉書店などの文献を参照することができる。
上記の粘土系鉱物の中でもより膨潤しやすいという観点から3層構造タイプのスメクタイト族、バーミキュライト族、マイカ族の粘土系鉱物が好ましく、スメクタイト族がより好ましい。上記のスメクタイト族の膨潤性粘土系鉱物の具体例としては、ベントナイト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、鉄サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイト等が挙げられ、より好ましくは、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライトである。
これら膨潤性無機層状化合物は天然品の膨潤性粘土系鉱物以外にも、合成品、加工処理品(例えばシランカップリング剤の表面処理品)のいずれであってもよく、例えば、合成スメクタイトとしては、式Na0.1〜1.0Mg2.4〜2.9Li0.0〜0.6Si3.5〜4.09.0〜10.6(OH及び/又はF)1.5〜2.5で示されるものが挙げられる。合成スメクタイトや合成マイカの製造方法には、水熱反応法(特開平6−345419号公報参照)、固相反応法、熔融法(特開平5−270815号公報参照。)の3つの合成方法がある。
水熱反応法は、珪酸塩、マグネシウム塩、アルカリ金属イオン、アルカリ金属塩、フッ素イオンなど各種原料を含んだ水溶液あるいは水性スラリーをオートクレーブやパイプリアクターの中で100〜400℃の高温、高圧化のもとで反応させ、合成させる方法である。水熱反応法では、結晶の成長が遅いため一般に大きな粒子のものが得られず、粒子径が10〜100nmのものがほとんどである。しかしながら、水熱反応においても、低濃度、低温、長時間の条件で合成すれば粒子径が1μm以上の大きな粒子を製造することは可能である。しかしながら、この場合、製造コストが極端に高くなるといった問題がある。
固相反応法はタルクと珪フッ化アルカリと他の原料とともに400〜1,000℃の範囲で数時間反応させ、合成マイカを製造する方法である。固相反応は原料のタルクの構造を残したまま元素移動を起こしてマイカが生成される(トポタキシー)ため、得られる合成マイカの品質が原料のタルクの物性やその不純物に依存したり、元素移動を完全にコントロールできないため、合成マイカの純度や結晶化度が低い場合がある。
熔融法は、無水珪酸、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、珪フッ化カリウム、炭酸カリウム、その他の原料をマイカの熔融点(例えば1,500℃)以上で熔融後、徐冷結晶化し、合成マイカや合成スメクタイトを製造する方法である。また、加熱方法の違いにより、外熱式熔融法と内熱式熔融法がある。外熱式熔融法は、原料を入れたルツボを熔融点以上の温度の室に入れて昇温後、熔融点以下の温度の室に移動させて製造する方法であるが、ルツボの費用等が高コストとなる。内熱式熔融法は黒鉛(炭素)電極や金属電極を備えた容器中で通電により原料を加熱熔融させた後、冷却させる方法であり、熔融合成法においては内熱式熔融法が一般的である。熔融合成法は冷却結晶化した塊を粉砕、粉級することにより粒子径をコントロールした合成品を製造することができる。熔融合成法は原料として純度が高い原料を使用することができ、熔融化するため原料が均一に混合できるため、結晶化度が高く、粒子径が大きく、純度の高い合成マイカや合成スメクタイトを製造することができるといった利点がある。
合成膨潤性無機層状化合物としては、例えば、ナトリウム四珪素雲母(NaMg2.5Si10、熔融法)、ナトリウムテニオライト(NaMgLiSi10、熔融法)、リチウムテニオライト(LiMgLiSi10、熔融法)などの膨潤性合成マイカ、或はナトリウムヘクトライト(Na0.33Mg2.67Li0.33Si4.010(OH又はF)2、水熱反応法又は熔融法)、リチウムヘクトライト(Li0.33Mg2.67Li0.33Si4.010(OH又はF)、水熱反応法又は熔融法)、サポナイト(Na0.33Mg2.67AlSi4.010(OH)、水熱反応法)などの膨潤性合成スメクタイトが挙げられる。
これらの各種膨潤性無機層状化合物の中でも、ナトリウム四珪素雲母、ナトリウムテニオライト、リチウムテニオライト等の膨潤性合成マイカ、ナトリウムヘクトライト、リチウムヘクトライト、サポナイト等の膨潤性合成スメクタイト、及びモンモリロナイト、ベントナイト、ヘクトライト等の膨潤性粘土系鉱物がより好ましく使用される。これらの中でもナトリウム四珪素雲母が特に好ましく、熔融合成法により、所望の粒子径、アスペクト比、結晶性のものが得られる。
これらの膨潤性無機層状化合物は、市販品のものを使用することもできる。例えば一般にナトリウムベントナイトと呼ばれる天然のベントナイトや、クニピア(:商品名、天然モンモリロナイト、クニミネ工業製)、ベンゲル(:商品名、天然ベントナイト、ホージュン社製)、スメクトン(:商品名、合成サポナイト、クニミネ工業社製)、ラポナイト(:商品名、合成ヘクトライト、ラポルテ社製)、DMA−350、DMA−80E(:商品名、2種類とも合成マイカ、ナトリウム四珪素雲母、トピー工業製)、等を挙げることができ、これらは単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明で好ましく使用される膨潤性無機層状化合物は、水中で容易に膨潤、劈開及び分散する膨潤性無機層状化合物である。膨潤性無機層状化合物の溶媒への「膨潤・劈開」性の程度は、「膨潤・劈開」試験により評価することができる。膨潤性無機層状化合物の膨潤性は、約5ml/2g以上が好ましく、より好ましくは約20ml/2g以上である。
膨潤性試験を詳述する。試験容器として100mlメスシリンダーを用い、溶媒100mlに対して、膨潤性無機層状化合物2gをゆっくり加えて静置した後、23℃、24hr後の膨潤性無機層状化合物分散層と上澄み層との界面の目盛から、膨潤性無機層状化合物分散層の体積を読む。この数値(ml/2g)が大きい程、膨潤性が高く好ましい。溶媒としては、好ましくは水が使用される。
また該膨潤性無機層状化合物の劈開性は、約5ml以上が好ましく、より好ましくは約20ml以上である。劈開測定用の溶媒としては、膨潤性無機層状化合物の密度より小さい密度を有する溶媒が使用され、好ましくは、水が用いられる。
劈開性試験を詳述する。膨潤溶媒1,500mlに、潤性無機層状化合物30gをゆっくり加え、分散機(商品名:デスパーMH−L、浅田鉄工(株)製、羽根径52mm、回転数3100rpm、容器容量3L、底面−羽根間の距離28mm)にて周速8.5m/secで90分間分散した後(溶媒の温度:23℃)、分散液100mlをとり、メスシリンダーに入れて60分静置後、膨潤性無機層状化合物分散層と上澄み層との界面から、膨潤性無機層状化合物分散層の体積を読む。
本発明で使用される膨潤性無機層状化合物としては、そのアスペクト比が5〜5,000のものが用いられ、好ましくはアスペクト比が100〜5,000で、より好ましくはアスペクト比が300〜5,000である。アスペクト比が5未満では、画像のニジミが生じることがあり、一方アスペクト比が5,000を超えると、画像の均一性が劣ることがある。アスペクト比(Z)とはZ=L/aなる関係で示されるものであり、Lは膨潤性無機層状化合物の水中での粒子平均長径(レーザー回折式粒度分布計で測定。堀場製作所製、粒度分布計LA−910を使用、体積分布50%のメジアン径)であり、aは膨潤性無機層状化合物の厚みである。厚みは、バリア層の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)による写真観察によって求めた値である。
本発明で使用される膨潤性無機層状化合物の粒子平均長径は0.1〜20μmであり、0.3〜18μmが好ましく、0.5〜16μmがより好ましい。粒子平均長径が0.1μm未満では、アスペクト比が小さくなると共に、シート状支持体(もしくは、中間層)上に平行に敷き詰めることが困難になり、画像のニジミを完全には防止できない。また粒子平均長径が20μmを超えて大きくなると、バリア層から膨潤性無機層状化合物が突き出てしまい、バリア層の表面に凹凸が発生し、受容層表面の平滑度が低下して画質が悪化する傾向がある。
本発明において、バリア層の接着剤樹脂としては、シラノール変性ポリビニルアルコールを主成分として含有する。シラノール変性ポリビニルアルコールはポリビニルアルコール成分に起因する良好なバリア性、シラノール変性成分による柔軟性、接着性などを兼ね備え、画像のニジミ改善効果も顕著であり、バリア層用樹脂として有効である。さらに、シラノール変性ポリビニルアルコールを使用することにより、バリア層とシート状支持体(もしくは、中間層)及び受容層との接着性、あるいはバリア層の耐折曲げ性の面でも優れた効果が得られる。
シラノール変性ポリビニルアルコールは、従来公知の合成方法で製造可能であり、ビニルトリメトキシシランと酢酸ビニルをメタノール中などで共重合し、次いで水酸化ナトリウムを触媒とするメタノリシスによって酢酸ビニルを鹸化して目的の重合物を得ることができる。シラノール変性ポリビニルアルコールとしては、鹸化度85%以上、分子中のシラノール基の含有量が単量体単位として、0.05〜3モル%が好ましい。
シラノール変性ポリビニルアルコールを含有して調製されたバリア層用塗工液の粘度は、適度に低い方が好ましく、膨潤性無機層状化合物が均一に分散されるため、鮮明な画像が得られる。シラノール変性ポリビニルアルコール類の重合度としては、好ましくは200〜3000のものが使用される。このようなシラノール変性ポリビニルアルコールとしては、市販品を使用することも可能であり、R−1130,R−2105、R−2130(以上、クラレ製)等が市販されている。
また本発明の効果を妨げない範囲で、各種の水溶性樹脂及び水分散性樹脂などの水性高分子化合物を上記シラノール変性ポリビニルアルコールと適宜併用することも可能である。併用可能な水溶性樹脂としては、デンプン、変性デンプン、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、チオール変性ポリビニルアルコール、エチレンービニルアルコール共重合体などの変性ポリビニルアルコール、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体塩、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩、スチレン−アクリル酸共重合体塩、エチレン−アクリル酸共重合体塩等の樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂などが挙げられ、また水分散性樹脂としては、びスチレン−ブタジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステル樹脂系ラテックス、メタアクリル酸エステル系共重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体ラテックス、ポリエステルポリウレタンアイオノマー、ポリエーテルポリウレタンアイオノマーなどが挙げられる。
またバリア層を構成する材料として、各種の無機、有機の顔料、ワックス類、金属石鹸等が使用でき、さらに必要に応じて、紫外線吸収剤、蛍光染料、撥油剤、消泡剤、粘度調節剤、架橋剤、硬化剤等各種添加剤を所望の効果を損なわない範囲で使用が可能である。
本発明において、バリア層の主成分であるシラノール変性ポリビニルアルコールと膨潤性無機層状化合物の配合比は、シラノール変性ポリビニルアルコール100質量部に対して、膨潤性無機層状化合物1〜100質量部が好ましい。より好ましくは、2〜50質量部である。シラノール変性ポリビニルアルコール100質量部に対して膨潤性無機層状化合物の配合量が1質量部未満の場合には、バリア層の効果が十分に得られないことがあり、また100質量部を超えるとバリア層の接着強度が低下するおそれがあり、好ましくない。
なお、バリア層の全接着剤樹脂質量に対して、シラノール変性ポリビニルアルコールの質量は50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは55質量%以上、最も好ましくは60質量%以上である。
またバリア層の固形分塗工量は、0.1〜10g/mであることが好ましく、より好ましくは0.5〜5g/mである。バリア層の固形分塗工量が0.1g/m未満であると、バリア層が十分に成膜せず、所望する画像のニジミ防止効果が発揮できないことがある。また、固形分塗工量が10g/mを超えると、ニジミ防止効果が飽和し、シート状支持体(もしくは、中空粒子を含有する中間層)の断熱性向上効果を阻害することがあり、好ましくない。
(シート状支持体)
本発明における受容シートの支持体としては、例えば、セルロースパルプを主成分とする紙が使用される。具体的な紙類の例としては、上質紙(酸性紙、中性紙)、中質紙等の非塗工紙、コート紙、アート紙、キャスト塗被紙等の塗工紙、グラシン紙、樹脂ラミネート紙、合成樹脂含浸紙、板紙等が挙げられる。また表面の平滑化のためにカレンダー処理を施すことも可能である。また、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリスチレンなどを主成分とした延伸フィルムや、ポリオレフィン、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂を主成分とする多孔質単層延伸フィルム又は多孔質多層延伸フィルム(たとえば、合成紙、低密度ポリエステルフィルム)等の多孔質フィルムと紙類等とを積層貼着させた複合体等が適宜用いられる。
本発明において、セルロースパルプを主成分とするシート状支持体(紙支持体)が好ましく使用され、コスト的にも有利であり、得られる受容シートの風合いが銀塩写真用印画紙に近く、優れた本発明の効果が得られる。
本発明で使用されるシート状支持体としては、20〜300μmの厚さを有することが好ましい。シート状支持体の厚さが20μm未満では、受容シートの機械的強度、剛度等が不十分となり、印画の際に生じる受容シートのカールを十分に防止できないことがある。また、厚さが300μmを超えると、プリンター中に収容可能な受容シートの枚数低下を招いたり、また所定枚数を収容しようとすると、受容シート収容部の容積増大が必要となり、プリンターのコンパクト化を困難にする等の問題が生じるおそれがある。
(中間層)
本発明において、セルロースパルプを主成分とするシート状支持体上に、中空粒子を含有する中間層を設けた構成が好ましい。この中間層を設けることにより、受容シートに断熱性、クッション性を付与することが可能となる。本発明の中間層において使用される発泡性中空粒子は、例えばn−ブタン、i−ブタン、ペンタン、ネオペンタン等の低沸点炭化水素を核として、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メタクリル酸メチル、スチレン、塩化ビニリデン、塩化ビニル等のモノマーの単独重合体樹脂、あるいはこれらの共重合体樹脂を殻として、マイクロカプセル化し発泡性中空粒子としたものである。
また本発明の中間層で使用されるマイクロカプセル状の中空粒子は、マイクロカプセル形成重合法により得られ、重合体形成性材料(シェル形成材料)をシェル(壁)として、芯部に揮発性液体(気孔形成用材料)を含有するマイクロカプセルを乾燥して、気孔形成用材料を揮発逃散させ、中空芯部を形成させたものである。重合体形成性材料としては、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体、メラミン樹脂等の硬い樹脂が好ましく使用され、揮発性液体としては、例えば水等が使用される。
本発明の中間層で使用される中空粒子の体積中空率は、45〜97%が好ましく、更に好ましくは50〜95%であり、最も好ましくは55〜85%である。中空粒子の体積中空率が45%未満では得られる中間層の断熱性が不足し充分な濃度が得られないことがある。また、体積中空率が97%を超えると、中空粒子の殻厚が薄くなり、中空粒子が潰れやすくなり、断熱性低下などの弊害が起こることがある。なお、中空粒子の体積中空率は、中空粒子の分散液の体積比重、固形分濃度、および、中空粒子殻を構成する樹脂の真比重から求めることができる。
本発明で使用される中空粒子の平均粒子径としては、中間層形成後、0.3〜20μmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜18μmである。例えば、発泡性中空粒子を使用する場合には、予め発泡させた粒子を用いて中間層用塗料を調製し中間層を形成する方法と、未発泡状態の粒子を用いて中間層用塗料を調製し中間層を塗工後、粒子を加熱して発泡させ中間層を形成する方法等の何れを用いてもよい。該中間層において、発泡後の中空粒子の平均粒子径が20μmを超えると、平滑性が低下して画質が悪化することがある。また、発泡後の中空粒子の平均粒子径が0.3μm未満では、充分な断熱性が得られず、印画濃度が低下することがある。なお、中空粒子の平均粒子径は、前述の膨潤性無機層状化合物と同様にレーザー回折式粒度分布計を用いて測定可能である。
本発明において、中間層形成の際に使用される接着剤樹脂としては、前記バリア層の場合と同様な水溶性樹脂、水分散性樹脂、変性ポリビニルアルコールなどの水性高分子化合物が好ましく使用される。水溶性樹脂の中では完全鹸化ポリビニルアルコール、部分鹸化ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール類などが好ましく、また、水分散性樹脂のうちではアクリル酸エステル樹脂系ラテックスが好ましく使用される。また、上記水性高分子化合物は単独又は2種以上を混合して用いることもできる。
本発明において、中間層の構成材料である中空粒子と接着剤樹脂との配合比は、接着剤樹脂100質量部に対し、中空粒子10〜300質量部が好ましい。より好ましくは、50〜250質量部である。ちなみに、接着剤樹脂100質量部に対し、中空粒子が10質量部未満では、充分な断熱性が得られず、印画した画像の濃度の低下、画質の低下が起こることがある。また、接着剤樹脂100質量部に対し、中空粒子が300質量部を超えると、塗膜の強度が低下し、塗膜が剥がれたり、塗膜にひび割れが入ったりすることがある。
また、中間層を構成する材料として、各種の無機、有機の顔料、ワックス類、金属石鹸等が使用でき、さらに必要に応じ紫外線吸収剤、蛍光染料、撥油剤、消泡剤、粘度調節剤等各種添加剤を所望の効果を損なわない範囲で使用が可能である。
中間層の固形分塗工量は、1〜50g/mであることが好ましく、より好ましくは5〜25g/mである。中間層の固形分塗工量が1g/m未満であると、十分な断熱性やクッション性が得られず、濃度が低下したり、画質が悪化することがある。また、固形分塗工量が50g/mを超えると、断熱性、クッション性の効果が飽和し、経済的に好ましくないなどの弊害が起きることがある。
本発明の受容シートは、必要に応じて中間層の形成時に中間層塗料のシート状支持体への浸透を防止するなどの目的で予め下塗り層を設けることができる。
(受容層)
本発明の受容シートは、シート状支持体上に、少なくともバリア層、受容層を順次に設けた構成を有するが、受容層としては公知の受容層が適用できる。受容層を形成する樹脂としては、インクリボンから移行する染料との親和性が高く、染料染着性の良い樹脂が使用される。このような染料染着性樹脂としてはポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル共重合体、ポリビニルアセタール樹脂、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体樹脂、アクリル樹脂などを用いることができる。
またプリントの際にサーマルヘッドの加熱によって、受容層がインクリボンと融着することを防止するために、樹脂中に架橋剤、滑り剤、及び離型剤等の1種以上が添加されていることが好ましい。また必要に応じて、上記樹脂中に蛍光染料、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料等の1種以上を添加してもよい。これらの添加剤は受容層の形成成分と混合して塗工してもよいし、受容層とは別の被覆層として受容層の上及び/又は下に塗工されていてもよい。
受容層の固形分塗工量は、好ましくは1〜15g/m程度であり、より好ましくは2〜10g/mである。受容層の塗工量が1g/m未満では受容層がシート状支持体表面を完全に覆うことができず、画質が低下することや、サーマルヘッドの加熱によりインクリボンと受容層が接着してしまう融着トラブルが発生することがある。一方塗工量が15g/mを超えると効果が飽和して不経済であるばかりでなく、受容層塗膜の強度が不足することや、受容層の厚みが増大することによりシート状支持体層(もしくは、中間層)の断熱効果が十分に発揮できず、印画濃度が低下することがある。
(裏面層)
本発明の受容シートには、シート状支持体の裏面(受容層が設けられている側とは反対側の面)に受容シートの帯電防止、受容シートのカール矯正、印画時のプリンター内での受容シートの重送防止などの目的で裏面層が設けられていてもよい。裏面層は接着剤として有効な樹脂を主成分とし、架橋剤、帯電防止剤、融着防止剤、無機及び/又は有機顔料等を含有することが好ましい。
本発明の裏面層には、接着剤として有効な裏面層形成用樹脂が用いられる。この樹脂は裏面層とシート状支持体との接着強度向上、受容層面の傷付き防止、受容層面と接触する裏面層への染料の移行防止に有効なものである。このような樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂等、及びこれらの樹脂の反応硬化物を用いることができる。また裏面層には、シート状支持体と裏面層との接着性を向上させるため、適宜のポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物等の架橋剤を裏面層塗料中に配合してもよい。
本発明の裏面層には、静電気防止の為に導電性樹脂や導電性無機顔料等の帯電防止剤が添加されることが好ましい。導電性樹脂としては例えばカチオン型、アニオン型、ノニオン型、両性型の導電性樹脂が挙げられる。カチオン型導電性樹脂としては、例えばポリエチレンイミン、カチオン性モノマーを含むアクリル系重合体、カチオン変性アクリルアミド重合体、及びカチオン澱粉等が特に好ましく使用される。また導電性無機顔料としては、酸化物及び/又は硫化物などの化合物半導体顔料および前記化合物半導体顔料を被覆した無機顔料等が挙げられる。
本発明の裏面層には、有機または無機フィラー等の摩擦係数調整剤を必要に応じて配合することができる。有機フィラーとしては、ナイロンフィラー、セルロースフィラー、尿素樹脂フィラー、スチレン樹脂フィラー、アクリル樹脂フィラー等を使用することができる。無機フィラーとしては、シリカ、硫酸バリウム、カオリン、クレー、タルク、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛等を用いることができる。
裏面層には必要に応じて、滑剤、離型剤等の融着防止剤を含有することも可能である。例えば、融着防止剤としては、非変性及び変性シリコーンオイル、シリコーンブロック共重合体及びシリコーンゴム等のシリコーン系化合物、リン酸エステル化合物、脂肪酸エステル化合物、フッ素化合物等が挙げられる。また従来公知の消泡剤、分散剤、有色顔料、蛍光染料、蛍光顔料、紫外線吸収剤等を適宜選択して使用してもよい。
裏面層の固形分塗工量は0.3〜10g/mの範囲内にあることが好ましい。更に好ましくは1〜8g/mである。裏面層の固形分塗工量が0.3g/m未満であると、受容シートが擦れた時の傷付き防止性が十分に発揮されず、また塗工欠陥が発生することがある。一方固形分塗工量が10g/mを超えると、効果が飽和して不経済である。
上記バリア層、受容層、裏面層、及びその他中間層等の塗工層を形成する方法としては、エアーナイフコーター、バリバーブレードコーター、ピュアブレードコーター、ロッドブレードコーター、ショートドウェルコーター、カーテンコーター、ダイコーター、グラビアコーター、ロールコーター、スプレーコーター、ディップコーター、バーコーター、コンマコーター、オフセットロールコーター、リバースロールコーター、リップコーター、スライドビードコーター等の各種塗布装置を用いて、各々調製された塗工液を塗布して形成する。乾燥が必要な場合は、塗布を行う上記の装置に組み合わせた従来の方法で行うことができる。また、放射線による硬化が必要な場合には、紫外線照射装置、電子線照射装置等の放射線照射装置を適宜使用し、硬化することができる。
(ラベルタイプ受容シート)
さらに本発明の受容シートにおいては、シート状支持体の片面に、少なくともバリア層、受容層を順次に積層し、さらにシート状支持体の他の面に粘着層を設けた構成からなる受容シート部と、剥離シート基材の片面に剥離層を設けた構成からなる剥離シート部とを貼着積層した構成としてもよい。この構成は、粘着層と剥離層との間で粘着剥離可能であり、いわゆるシールタイプまたは、ラベルタイプの受容シートである。従って、更なる態様において、本発明はシールタイプまたはラベルタイプ(以下、「ラベルタイプ」と総称する。)の受容シートを提供する。
ラベルタイプの受容シートとしては、全体の厚さが100〜300μmであることが好ましい。ラベルタイプ受容シート全体の厚さが100μm未満では、受容シートの機械的強度、剛度等が不十分となり、印画の際に生じる受容シートのカールを十分に防止できないことがある。また、厚さが300μmを超えると、プリンター中に収容可能な受容シートの枚数低下を招いたり、また所定枚数を収容しようとすると、受容シート収容部の容積増大が必要となり、プリンターのコンパクト化を困難にする等の問題が生じる。
(粘着層)
本発明のラベルタイプの受容シートにおいて、粘着層に使用される粘着剤用樹脂としては、アクリル系、ゴム系、シリコーン系等の公知の粘着剤用樹脂が挙げられる。これらの粘着剤用樹脂の中でも、アクリル系樹脂が好ましく用いられる。アクリル系樹脂としては2−エチルヘキシルアクリレート、ブチルアクリレート、エチルアクリレート等を主成分とし、これと他の(メタ)アクリル酸エステル(非官能性及び各種の官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル)の1種以上、あるいは更にその他の共重合可能なモノマー等を共重合して得られる樹脂が好ましく用いられる。これらの粘着剤用樹脂に対して、ロジン等の各種の粘着付与剤、イソシアネート系、エポキシ系等の架橋剤、老化防止剤、安定剤、オイル等の軟化剤、充填剤、顔料、着色剤等を必要に応じて添加できる。これらは必要に応じて2種以上併用して使用することも可能である。
また粘着層の固形分塗工量は5〜30g/mであることが好ましく、7〜25g/mであることがより好ましい。粘着層は、バーコーター、グラビアコーター、コンマコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ダイコーター、カーテンコーター、リップコーター、及びスライドビードコーター等から選ばれたコーターを使用し、常法に従って粘着層用塗工液を塗工、乾燥して形成することができる。
粘着層の形成順序については、粘着層用塗工液を、剥離シート基材上に設けられた剥離層等の剥離面上に塗工、乾燥して粘着層を形成した後、粘着層面と、受容層を有するシート状支持体面とを対向させ積層して貼り合わせてもよいし、受容層を有するシート状支持体の反対面に粘着層用塗工液を塗工、乾燥して粘着層を形成した後、この粘着層面と、剥離シートの剥離面とを対向させ、積層して貼り合わせてもよい。
(剥離シート基材)
本発明のラベルタイプ受容シートにおいて使用される剥離シート基材としては、前記受容シートのシート状支持体と同様の基材が使用可能である。中でも、少なくとも片面にポリオレフィン樹脂などの熱可塑性樹脂層を設けたラミネート紙、ポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート)等の合成樹脂を主成分とするフィルムが好ましく用いられる。剥離シート基材の厚さは20〜200μmの範囲が好ましく、更に好ましくは50〜150μmである。
(剥離層)
本発明のラベルタイプ受容シートにおいて、剥離シート基材上に剥離層を設ける。前記剥離層には公知の離型剤が含有される。離型剤としてはエマルジョン型、溶剤型、或いは無溶剤型のシリコーン樹脂、フッ素樹脂等が好ましく用いられる。この場合、剥離層の固形分塗工量が0.1〜3g/mになるように、更に好ましくは0.3〜1.5g/mとなるように、前記剥離シート基材上に剥離層塗液を塗工、乾燥後、熱硬化、電子線あるいは紫外線硬化等によって硬化させ、剥離層を形成する。剥離層の形成方法は特に限定されるものではないが、例えばバーコーター、ダイレクトグラビアコーター、オフセットグラビアコーター、エアーナイフコーター等のコーターを適宜使用して、剥離層塗液を剥離シート基材上に塗工し、乾燥して形成する。
ラベルタイプの受容シートにおいて、剥離シート部の剥離層を設けた面とは反対側の面上に裏面層を設けてもよい。剥離シート部の裏面層は、前記受容シートの裏面層と同様に形成され、ラベルタイプ受容シートを構成する受容シート部の裏面層形成は省略される。
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、勿論本発明はこれに限定されるものではない。なお実施例中の「部」及び「%」はすべて「質量部」及び「質量%」を示す。
実施例1
「中間層の形成」
シート状支持体として、厚さ150μmのアート紙(商品名:OK金藤N、174.4g/m、王子製紙製)を使用し、その片面に下記組成の中間層用塗工液−1を、固形分塗工量が18g/mになるように塗工乾燥して中間層を形成した。
中間層用塗工液−1
アクリロニトリル及びメタクリロニトリルを主成分とする共重合体からなる
既発泡中空粒子(平均粒子径3.2μm、体積中空率85%) 45部
ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製) 10部
スチレン−ブタジエンラテックス(商品名:PT1004、日本ゼオン製) 45部
水 250部
「バリア層の形成」
更に上記中間層上に下記組成のバリア層用塗工液−1を、固形分塗工量が2g/mになるように塗工乾燥してバリア層を形成した。
バリア層用塗工液−1
膨潤性粘土系鉱物(商品名:クニピアF、クニミネ工業製、主成分:
モンモリロナイト、粒子平均長径2μm、アスペクト比400) 10部
シラノール変性ポリビニルアルコール(商品名:R2105、クラレ製、
重合度500、鹸化度99%) 90部
水 1100部
「受容層の形成」
更に上記バリア層上に下記組成の受容層用塗工液−1を、固形分塗工量が5g/mになるように塗工乾燥し、受容層を形成した。
受容層用塗工液−1
ポリエステル樹脂(商品名:バイロン200、東洋紡製) 100部
シリコーンオイル(商品名:KF393、信越化学工業製) 3部
ポリイソシアネート(商品名:タケネートD−140N、三井武田ケミカル製) 5部
トルエン/メチルエチルケトン=1/1(質量比)混合液 400部
「受容シートの形成」
次にシート状支持体の受容層を設けた側とは反対側の面上に下記組成の裏面層用塗工液−1を、乾燥後の固形分塗工量が3g/mになるように塗工乾燥して裏面層を形成し、その後50℃で48時間エージングして、受容シートを得た。
裏面層用塗工液−1
ポリビニルアセタール樹脂(商品名:エスレックKX−1、積水化学工業製) 40部
ポリアクリル酸エステル樹脂(商品名:ジュリマーAT613、日本純薬製) 20部
ナイロン樹脂粒子(商品名:MW330、神東塗料製) 10部
ステアリン酸亜鉛(商品名:Z−7−30、中京油脂製) 10部
カチオン型導電性樹脂(商品名:ケミスタット9800、三洋化成製) 20部
水/イソプロピルアルコール=2/3(質量比)混合液 400部
実施例2
実施例1のバリア層の形成において、バリア層用塗工液−1の代わりに、バリア層用塗工液−2を使用した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
バリア層用塗工液−2
膨潤性合成スメクタイト(商品名:NHT−8、トピー工業製、主成分:
ナトリウムヘクトライト、粒子平均長径8μm、アスペクト比800) 10部
シラノール変性ポリビニルアルコール(商品名:R2105、クラレ製) 90部
水 1100部
実施例3
実施例1のバリア層の形成において、バリア層用塗工液−1の代わりに、バリア層用塗工液−3を使用した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
バリア層用塗工液−3
膨潤性合成マイカ(商品名;NTS−10、トピー工業製、主成分:
ナトリウム4珪素雲母、粒子平均長径12μm、アスペクト比2400) 10部
シラノール変性ポリビニルアルコール(商品名:R2105、クラレ製) 90部
水 1100部
実施例4
実施例1のバリア層の形成において、バリア層用塗工液−1の代わりに、バリア層用塗工液−4を使用した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
バリア層用塗工液−4
膨潤性合成マイカ(商品名;NTS−10、トピー工業製、主成分:
ナトリウム4珪素雲母、粒子平均長径12μm、アスペクト比2400) 10部
シラノール変性ポリビニルアルコール(商品名:R1130、クラレ製
重合度1700、鹸化度98%) 90部
水 1100部
実施例5
実施例2の中間層の形成において、中間層用塗工液−1の代わりに、中間層用塗工液−2を使用した以外は、実施例2と同様にして受容シートを得た。
中間層用塗工液−2
アクリロニトリル及びメタクリロニトリルを主成分とする共重合体からなる
既発泡中空粒子(平均粒子径3.5μm、体積中空率60%) 60部
ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製) 10部
スチレン−ブタジエンラテックス(商品名:PT1004、日本ゼオン製) 30部
水 250部
実施例6
(受容シート部の形成)
中間層の形成において、シート状支持体として、アート紙(商品名:OK金藤N、坪量174.4g/m、王子製紙製)の代わりに、アート紙(商品名:OK金藤N、坪量104.7g/m、王子製紙製)を使用した以外は、実施例1と同様にして中間層を形成した。
以下、実施例1と同様にして、前記中間層上に、バリア層、受容層を順次形成し、受容シート部を得た。更にその後50℃で48時間エージングして、受容層の硬化を行った。但し、裏面層の形成は省略した。
(剥離シート基材の形成)
厚さ67μmの上質紙(商品名:OK上質紙、坪量52.3g/m、王子製紙製)の両面に、二酸化チタンを配合した低密度ポリエチレン(商品名:ユカロンLK50、三菱化学製)を各々20μmとなるように溶融押出しコーテイングし、剥離シート基材を得た。
(剥離シート部の形成)
次に上記で得た剥離シート基材の一方の面に、グラビアコーターを使用して、シリコーン系離型剤(商品名:KS830、信越化学工業製)を乾燥後の塗工量が0.5g/mとなるように塗工、乾燥して剥離層塗工シートを形成した。
(裏面層塗工剥離シート部の形成)
次いで、前記剥離層塗工シートの剥離層が設けられていない面に、メイヤーバーコーターを用い、裏面層用塗工液−1(実施例1で調整)を乾燥後の塗工量が2g/mとなるように塗工、乾燥して、裏面層塗工剥離シートを形成した。
(ラベルタイプ受容シートの形成)
アクリル系粘着剤(商品名:PE115E、固形分濃度23%、日本カーバイド製)400部、硬化剤(商品名:CK101、固形分濃度75%、日本カーバイド製)3部を混合攪拌し、粘着層塗液を得た。次いで前記裏面層塗工剥離シートの剥離層上に、グラビアコーターを用い、乾燥後の塗工量が15g/mとなるように、粘着層塗液を塗工、乾燥して、粘着層塗工剥離シートを得た。
次に、前記粘着層塗工剥離シートの粘着層面と、前記受容シート部のシート状支持体面(受容層の反対面)とを重ね合わせて貼着積層し、ラベルタイプの受容シートを形成した。
比較例1
実施例1のバリア層の形成において、バリア層用塗工液−1の代わりに、バリア層用塗工液−5を使用した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
バリア層用塗工液−5
スチレン−アクリル共重合体樹脂
(商品名:ポリマロン326、荒川化学工業製) 100部
水 1100部
比較例2
実施例1のバリア層の形成において、バリア層用塗工液−1の代わりに、バリア層用塗工液−6を使用した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
バリア層用塗工液−6
重質炭酸カルシウム(商品名:ソフトン2200、備北粉化工業製、
粒子平均長径1μm、アスペクト比2) 10部
シラノール変性ポリビニルアルコール(商品名:R2105、クラレ製) 90部
水 1100部
比較例3
実施例1のバリア層の形成において、バリア層用塗工液−1の代わりに、バリア層用塗工液−7を使用した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
バリア層用塗工液−7
膨潤性粘土鉱物(商品名:クニピアF、クニミネ工業製、主成分:
モンモリロナイト、粒子平均長径2μm、アスペクト比400) 10部
完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA117、クラレ製、
重合度1700、鹸化度99%) 90部
水 1100部
評価
上記の各実施例及び比較例で得られた受容シートについて、それぞれ下記の方法により評価を行い、得られた結果を表1に示す。
「印画品質」(印画濃度、画像均一性)
市販の熱転写ビデオプリンター(商品名:UP−DR100、ソニー社製)を用いて、厚さ6μmのポリエステルフィルムの上にイエロー、マゼンタ、シアン3色それぞれの昇華性染料をバインダーと共に含むインク層を設けたインクリボンを順次に受容シートに接触させ、サーマルヘッドで段階的にコントロールされた加熱を施すことにより、所定の画像を受容シートに熱転写させ、各色の中間調の単色及び色重ねの画像をプリントした。
受容シート上に転写された印加エネルギー別の記録画像について、マクベス反射濃度計(商品名:RD−914、Kollmorgen社製)を用いて、その反射濃度を測定した。印加エネルギーの低い方から15ステップ目に相当する高階調部の濃度を印画濃度として表1に表示した。
更に光学濃度(黒)が0.3に相当する階調部分の記録画像の均一性を、濃淡むら及び白抜けの有無について目視評価した。評価結果の良好なものを○、普通のものを△、濃淡むら及び白抜けの欠陥の著しいものを×と表示した。
「印画後保存性」(画像のニジミ)
市販の熱転写ビデオプリンター(商品名:UP−DR100、ソニー社製)を用いて、厚さ6μmのポリエステルフィルムの上にイエロー、マゼンタ、シアン3色それぞれの昇華性染料をバインダーと共に含むインク層を設けたインクリボンを順次に受容シートに接触させ、サーマルヘッドで段階的にコントロールされた加熱を施すことにより、所定の画像を受容シートに熱転写させ、黒色及び、青色の細線の画像をプリントした。次いで、印画後保存性の促進試験として、温度50℃、相対湿度95%の環境下で、画像をプリントしたシートを2週間放置した。画像のニジミ率は下記(1)式に従って算出した。
ニジミ率=(放置後の細線の太さ)/(放置前の細線の太さ)×100 (1)
ニジミ率が、110%未満を○、110%以上130%未満を△、130%以上を×として評価した。
「クラック試験」
白紙の受容シートを0℃環境下で直径11mmの鉄パイプに巻きつけた時に、受容層面におけるクラックの状況について目視により、下記の基準で判定した。
◎:受容層面にクラックが全く発生せず優秀。
○:受容層面にごくわずかにクラックが発生するが、実用上問題なし。
×:受容層面にクラックが多発し、商品価値が劣る。
Figure 2007136902
本発明の受容シートは、各種熱転写プリンターに適しており、高濃度、高画質であり、印画画像の経時によるニジミが無く、高画像保存性を有し、受容層表面でのクラック発生がなく、種々の環境下での取り扱い性が良好で、かつ安価で、実用的に価値の高いものである。


Claims (5)

  1. シート状支持体の少なくとも一面に、バリア層、および画像受容層が順次に積層された熱転写受容シートにおいて、前記バリア層が、シラノール変性ポリビニルアルコールと、粒子平均長径が0.1〜20μmであり、かつアスペクト比(層状化合物の粒子平均長径/厚さの比)が5〜5000である膨潤性無機層状化合物とを主成分とすることを特徴とする熱転写受容シート。
  2. 前記バリア層が、シラノール変性ポリビニルアルコール100質量部に対して、膨潤性無機層状化合物を1〜100質量部の比率で含有する請求項1に記載の熱転写受容シート。
  3. 前記膨潤性無機層状化合物が、膨潤性粘土系鉱物、膨潤性合成スメクタイト、および膨潤性合成マイカからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1または2に記載の熱転写受容シート。
  4. 前記シート状支持体とバリア層の間に、中空粒子を含有する中間層がさらに設けられた請求項1〜3のいずれかに記載の熱転写受容シート。
  5. 前記中空粒子の、平均粒径が0.3〜20μmであり、かつ体積中空率が45〜97%である請求項4に記載の熱転写受容シート。


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