JP2007132967A - 焦点検出装置及び方法、並びに、撮像装置 - Google Patents

焦点検出装置及び方法、並びに、撮像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】被写体からの光(光源)に対応して、撮像光学系の焦点状態を高精度に検出することができる焦点検出装置及び撮像装置を提供する。
【解決手段】被写体によって反射された光を一対の受光素子アレイにより受光し、前記一対の受光素子アレイからの信号の位相差を求め、前記位相差に応じて焦点調節駆動をするための焦点情報を検出する焦点検出手段と、前記一対の信号を得る際の前記受光素子アレイにおける領域を決定する決定手段と、前記受光素子アレイと同一の光束に含まれる光を受光して、所定の分光感度の信号を出力するエリア受光素子と、前記決定手段により決定された受光素子アレイの領域に対応した前記エリア受光素子の領域を選択する選択手段と、前記選択手段により選択されたエリア受光素子の領域からの出力に基づいて、前記焦点検出手段による焦点情報を補正する補正手段とを有することを特徴とする焦点検出装置を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、一般には、撮像装置に係り、特に、撮像光学系の焦点状態を検出する焦点検出装置を有する撮像装置に関する。
デジタルカメラやビデオカメラに代表される撮像装置の撮像レンズの焦点状態を検出する際に、TTL(Through The Lens)位相差方式を利用した焦点検出装置が従来から使用されている。TTL位相差方式は、撮像レンズの瞳を一対の領域に分割して、分割された瞳領域を通過する光束が形成する一対の像の相対的な位置変化を検出することで、撮像レンズの焦点状態を検出する。
図11は、従来の焦点検出装置1000の構成を示す概略断面図である。図11において、フィールドレンズ1010は、撮像レンズILの射出瞳を一対の2次結像レンズ1020の瞳面に結像させる。これにより、2次結像レンズ1020に入射する光束は、撮像レンズILの射出瞳上において等しい面積の異なる位置の領域から射出されたものとなる。2次結像レンズ1020は、撮像レンズILがフィールドレンズ1010近傍に結像した空中像を、一対の受光素子(光電変換素子)1030上に再結像する。
図12は、受光素子1030上に結像される像の相対的な位置変化を説明するための図である。図12(a)は、撮像レンズILが合焦状態にある(即ち、撮像レンズILの結像点が予定結像面にある)場合を示している。図12(b)は、撮像レンズILが前ピンである(即ち、撮像レンズILの結像点が予定結像面の前段にある)場合を示している。図12(c)は、撮像レンズILが後ピンである(即ち、撮像レンズILの結像点が予定結像面の後段にある)場合を示している。図12(a)の合焦状態の結像位置を中心として、図12(b)及び図12(c)では、像の相対位置が互いに逆方向に移動している。即ち、合焦状態の結像位置を基準として、相対的に移動する像の移動方向及び相対位置のずれ量を検出することにより、撮像レンズILの焦点ずれの方向及びデフォーカス量(焦点ずれ量)を検出することができる。
撮像レンズは、一般に、色収差などの収差を含んでおり、光の波長が異なると、フィールドレンズの近傍に結像される空中像の結像位置が変化してしまう。そこで、撮像レンズは、400nm乃至700nmの可視光領域において、種々の収差を補正するように構成されている。しかし、焦点検出用受光素子は、一般に、可視光領域から近赤外領域までの感度を有するP−N接合型フォトダイオードであるため、上述の焦点検出装置は、正確な焦点状態を検出することができない。赤外光領域では、撮像レンズの色収差が良好に補正されていないため、被写体を太陽光で照明する場合と、色温度の低い光源で照明する場合、又は、色温度の高い光源で照明する場合とでは、可視光に対する近赤外光の相対的な割合が異なる。これにより、フィールドレンズの近傍に結像される空中像の結像位置が変化してしまうからである。そこで、被写体を照明する光源を判別し、判別した光源に応じて焦点検出誤差を補正する必要がある。これらの技術に関しては、従来から幾つか提案されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。なお、近赤外領域の感度を有さない焦点検出用受光素子を用いることも考えられるが、焦点検出用の補助光源にはパワーの大きな近赤外光のLEDが使用されるため、焦点検出用受光素子の感度は近赤外領域まで有することが好ましい。
図13は、特許文献1が提案するTTL位相差方式の焦点検出装置に用いられるイメージセンサーチップ1100を示す概略平面図である。図13において、1110乃至1140は、不要な光束を遮断するための図示しない十字型の視野マスクによって形成される視野マスク像である。PX1及びPX2は、視野マスク像1110及び1120のX軸方向の矩形領域に配置されるイメージセンサーアレイである。PY1及びPY2は、視野マスク像1130及び1140のY軸方向の矩形領域に配置されるイメージセンサーアレイである。従って、イメージセンサーアレイPX1及びPX2、イメージセンサーアレイPY1及びPY2に形成される像信号のずれ量を検出することで、撮像レンズのデフォーカス量を検出することができる。
一方、視野マスク像1110のY軸方向の矩形領域のうちX軸よりも上の領域にはカラーセンサーCY1が配置され、視野マスク像1120のY軸方向の矩形領域のうちX軸よりも下の領域にはカラーセンサーCY2が配置される。また、視野マスク像1130のX軸方向の矩形領域のうちY軸よりも左の領域にはカラーセンサーCX1が配置され、視野マスク像1140のX軸方向の矩形領域のうちY軸よりも右の領域にはカラーセンサーCX2が配置される。換言すれば、カラーセンサーCX1及びCX2、及び、カラーセンサーCY1及びCY2は、対物レンズの光軸OAに対して点対称に配置される。これにより、撮像レンズの1次結像面上において、図14に示すように、像IPXと、像IPYと、カラーセンサーCX1及びCX2の投影像ICX1及びICX2と、カラーセンサーCY1及びCY2の投影像ICY1及びICY2とが結像する。なお、像IPXは、イメージセンサーアレイPX1の投影像とイメージセンサーアレイPX2の投影像とが重なることで形成される。像IPYは、イメージセンサーアレイPY1の投影像とイメージセンサーアレイPY2の投影像とが重なることで形成される。カラーセンサーCX1及びCX2の投影像ICX1及びICX2は水平方向の焦点検出領域内(IPX)に結像され、カラーセンサーCY1及びCY2の投影像ICY1及びICY2は垂直方向の焦点検出領域内(IPY)に結像される。従って、従来ように焦点検出領域と赤外光検出領域とがずれないと特許文献1に記載されている。ここで、図14は、撮像レンズの1次結像面上における投影像の位置関係を示す図である。
図15は、カラーセンサーC(カラーセンサーCは、カラーセンサーCX1、CX2、CY1及びCY2を総括するものとする。)の構成を示す概略断面図である。カラーセンサーCは、図15(a)に示すように、分光感度特性の異なる2種類のフォトセンサーM1及びM2を複数個並設して構成される。フォトセンサーM1及びM2は、図15(b)及び(c)に示すように、PN接合構造のフォトダイオードである。フォトセンサーM2は、フォトセンサーM1に比べてP層が深くなっている。従って、フォトセンサーM2は、図16に示すように、フォトセンサーM1よりも長波長側(赤外光側)での感度が高くなっている。これにより、フォトセンサーM1及びM2に入射する光が、図17に示すように、700nm以上の波長成分を含まない光(L1)の場合には、フォトセンサーM1とフォトセンサーM2との出力の差は小さく、その比は1に近い値となる。ここで、図16は、フォトセンサーに入射する光の波長と相対感度との関係を示すグラフである。図17は、フォトセンサーに入射する光の波長と相対出力との関係を示すグラフである。
一方、フォトセンサーM1及びM2に入射する光が、700nm以上の赤外光成分を多く含む光(L2)の場合には、フォトセンサーM2の出力がフォトセンサーM1の出力よりも大きくなり、その比は1から離れた値となる。そこで、フォトセンサーM1の出力の総和ΣM1とフォトセンサーM2の出力の総和ΣM2との比をとれば、カラーセンサーCに入射する光に含まれている赤外光の割合を検出することができる。なお、図15に示すように、複数個のフォトセンサーM1及びM2を交互に並べてカラーセンサーCを形成することにより、カラーセンサーCに入射する被写体のパターンに起因する影響を低減している。カラーセンサーCを、図18に示すように、1つづつのフォトセンサーM1及びM2で構成すると、斜めに傾いた明暗パターンの光束が入射する場合、フォトセンサーM2に入射する光量がフォトセンサーM1に入射する光量よりも多くなる。従って、入射する光が赤外光をほとんど含まない光であったとしてもフォトセンサーM1の出力とフォトセンサーM2の出力とに差が生じ、その比があたかも赤外光を多く含んだ光源であるかのような値となり、誤った判定がなされてしまう。そこで、特許文献1では、複数のフォトセンサーM1及びM2を交互に並べてカラーセンサーCを構成し、複数のフォトセンサーM1の出力の総和ΣM1と複数のフォトセンサーM2の出力の総和ΣM2との比を求めている。これにより、被写体のパターンに起因する影響を低減することができる。ここで、図18は、斜めに傾いた明暗パターンの光束が入射する場合のフォトセンサーM1及びM2を示す図である。
図19は、特許文献2が提案する焦点検出用の検出モジュール1200を示す概略斜視図である。図19において、フォトセンサアレイ1210及び1220は、図11に示す受光素子(光電変換素子)1030に対応する。一対の色温度検出用フォトダイオード1230及び1240は、略平行に隣接して並んでいる。焦点検出モジュール1200は、図示しない2つの再結像レンズによって、フォトセンサアレイ1210及び1220、及び、色温度検出用フォトダイオード1230及び1240の上に被写体像が形成されるように構成されている。
図20は、検出モジュール1200に用いられるフォトセンサアレイ、赤外カットフィルター、色温度検出用フォトダイオード及び色温度検出用フォトダイオードの上に形成される色素フィルターの分光感度特性を示している。なお、赤外カットフィルターは、フォトセンサアレイに入射する赤外光をカットする。
図20において、PDは、フォトセンサアレイ及び色温度検出用フォトダイオードに用いられるフォトダイオードの分光感度特性を示している。IRは、赤外カットフィルターの分光感度特性を示している。YFは、黄色色素フィルターの分光感度特性を示している。RFは、色温度検出用フォトダイオードに用いられる赤色色素フィルターの分光感度特性を示している。
色温度検出用フォトダイオード1230及び1240の分光感度特性は、分光感度特性PDに色素フィルターの分光感度特性YF又はRFをそれぞれかけたものになる。従って、分光感度特性の異なる色温度検出用フォトダイオード1230及び1240bの出力の比から異なる色温度の光源を検出し、焦点検出結果を補正することができる。
特許第2900390号 特許第2555681号
上述したように、特許文献1は、分光感度の異なる2種類のフォトダイオードを用いて赤外光の有無を検出し、光源の色温度に起因する主点検出誤差を補正している。また、分光感度の異なるフォトダイオードを交互に配置し、光が斜めに入射するような場合の誤検出を極力少なくするように構成されている。
また、特許文献2は、異なる構造のフォトダイオードを使用し、分光感度特性に違いをもたせるのではなく、2つのペアになったフォトダイオード上に異なる分光感度特性を有する色素フィルターを配置している。これにより、2つのフォトダイオードの分光感度特性を異ならせることができ、その出力比を検出することによって光源の色温度を検出し、検出された分光感度特性に応じて焦点検出結果を補正している。
しかしながら、特許文献1は、図11から明らかなように、光源検出用の受光素子は交互に配置されてはいるが、焦点検出方向(基線長)に対して垂直方向に配置されているのみである。従って、被写体と背景の色温度が異なるような場合、例えば、被写体は蛍光灯で照明され、背景に室外の風景などがあるような複雑な構図では、被写体からはみ出た光源検出用センサーに背景光が入射することを防止することができない。換言すれば、焦点検出用センサーで検出した被写***置の光源とは異なる背景光が入射し、実際に焦点検出用センサーに入射している光源の種類を誤検出してしまう。これにより、焦点検出結果を補正できなかったり、過補正したり、或いは、逆方向に補正をしてしまったりすることが発生してしまう。
また、特許文献2は、特許文献1と同様に、斜めの被写体に対する課題を解決するものであり、例えば、異なる分光感度のセンサーを交互に配置することを開示していない。従って、被写体の状況(斜めなど)や複数の光源が混在する場合での撮影において、検出精度が落ちることが予想される。また、光源検出用センサーが受光素子の同一方向(即ち、線対称)に配置されているため、視差によって誤検出する可能性があり、かかる誤検出を検出することは、このような線対称の配置では容易ではない。
そこで、本発明は、被写体からの光(光源)に対応して、撮像光学系の焦点状態を高精度に検出することができる焦点検出装置及び撮像装置を提供することを例示的目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の技術的特徴としては、被写体によって反射された光を一対の受光素子アレイにより受光し、前記一対の受光素子アレイからの信号の位相差を求め、前記位相差に応じて焦点調節駆動をするための焦点情報を検出する焦点検出ステップと、前記一対の信号を得る際の前記受光素子アレイにおける領域を決定する決定ステップと、前記受光素子アレイと同一の光束に含まれる光を受光して、所定の分光感度の信号を出力するエリア受光素子の領域を、前記決定ステップで決定された受光素子アレイにおける領域に応じて選択する選択ステップと、前記選択ステップで選択されたエリア受光素子の領域からの出力に基づいて、前記焦点情報を補正する補正ステップとを有することを特徴とする。
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施例によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、撮像光学系の焦点状態を高精度に検出することができる焦点検出装置及び方法、並びに、撮像装置を提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の一側面としての撮像装置について説明する。なお、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。図1は、本発明の撮像装置1の構成を示す概略断面図である。
撮像装置1は、被写体からの光を、撮像レンズを介して撮像素子に結像し、被写体を撮像する撮像装置であり、本実施形態では、デジタルスチルカメラとして具現化される。
撮像装置1は、図1に示すように、撮像レンズ10と、主ミラー20と、ファインダー光学系30と、サブミラー40と、撮像素子50と、焦点検出装置60と、補助光手段70と、制御部80とを有する。なお、主ミラー20、ファインダー光学系30、サブミラー40、撮像素子50、焦点検出装置60、補助光手段70及び制御部80は、カメラ本体を構成し、図示しないマウント部を介して撮像レンズ10を着脱可能とする。従って、撮像レンズ10は、必ずしも撮像装置1の構成要素となるわけではない。
撮像レンズ10は、被写体を撮像するための交換型の撮像レンズであり、焦点調整レンズなどの撮像光学系を備えている。撮像レンズ10は、後述する制御部80によって、焦点調整レンズを介して焦点(状態)が調整される。
主ミラー20は、半透過性を有するミラーで構成され、撮像レンズ10を透過した光の一部を反射して後述する焦点板32に導光すると共に、撮像レンズ10を透過した光の一部を透過して後述するサブミラー40に導光する。主ミラー20は、撮像光路上への挿脱が可能なように構成され、ファインダー観察時には撮像光路上の所定の位置に配置され、撮像時には撮像光路外に退避する。
ファインダー光学系30は、撮像する被写体を観察するための光学系であり、本実施形態では、焦点板32と、ペンタプリズム34と、接眼レンズ36とを有する。換言すれば、ファインダー光学系30は、撮像される被写体の画像を擬似的にユーザーに提供する。
焦点板32は、主ミラー20で反射された撮像レンズ10からの光(被写体像)を拡散してペンタプリズム34に射出する。ペンタプリズム34は、互いに45度の2つの反射面と、入射光と射出光に直角の2つの屈折面を含み、焦点板32で拡散された光を反射し、接眼レンズ36に導光する。接眼レンズ36は、アイピースとも呼ばれ、ファインダー光学系30において、最終的に像を結ぶ機能を有する。接眼レンズ36は、例えば、光像を拡大する。
サブミラー40は、主ミラー20を透過した光を反射し、焦点検出装置60に導光する。サブミラー40は、撮像光路上への挿脱が可能なように構成され、ファインダー観察時には撮像光路上の所定の位置に配置され、撮像時には撮像光路外に退避する。
撮像素子50は、規則的に配列された画素を有し、撮像レンズ10によって結像される被写体からの光を受光し、画像信号に変換する(光電変換)機能を有する。撮像素子50は、例えば、受光した光を画像毎に電気信号に変換し、その受光量に応じた電荷をそれぞれ蓄積して、その電荷を読み出すタイプのエリア(2次元)センサーで構成される。また、撮像素子50は、CMOSセンサーやCCDで構成される。なお、撮像素子50からの出力信号は、図示しないA/D変換器や画像処理回路にて所定の処理が施されて画像データとなる。そして、かかる画像データは、制御部80に含まれる記録制御手段により図示しない記録手段である半導体メモリ、光ディスク及び磁気テープ等の記録媒体に記録される。
焦点検出装置60は、TTL位相差方式を利用して、撮像レンズ10の焦点状態を検出する。つまり、まず被写体によって反射された光を一対の受光素子アレイにより受光する。そして、一対の受光素子アレイからの信号を相対的にシフトして、一対の受光素子アレイからの信号の相関量の変移から位相差を求め、位相差に応じて焦点調節駆動をするための焦点情報を検出する。具体的には、焦点検出装置60は、サブミラー40で反射された撮像レンズ10からの光束を分割して少なくとも一対の像を形成し、かかる一対の像を光電変換して得られる信号に基づいて、撮像レンズ10の焦点状態を検出する。焦点検出装置60は、本実施形態では、フィールドレンズと、2次結像レンズと、図2乃至図6を参照して後述する受光素子600とを有する。なお、フィールドレンズ及び2次結像レンズは、図11に示すフィールドレンズ及び2次結像レンズと同様な機能及び動作を示すため、ここでの詳細な説明は省略する。
図2は、焦点検出装置60の受光素子600の配置を示す概略平面図である。図2(a)は、半導体基板上の受光素子600の配置を示している。図2(b)は、焦点検出装置60の1次結像面上の受光素子600の配置を示している。図2(a)において、610A及び610Bは、焦点検出用の受光素子アレイであり、フォトダイオードを1次元的に配置して構成される。受光素子アレイ610Aは、A像(基準部)を示している。受光素子アレイ610Bは、B像(参照部)を示している。焦点検出装置60は、受光素子アレイ610A及び610Bに形成される被写体像の間隔を検出することによって、撮像レンズ10のデフォーカス量を検出することが可能である。
620A及び620Bは、光源の種類を判別するための受光素子群であり、フォトダイオードを2次元的に配置して構成される。受光素子群620A及び620Bは、本実施形態では、3行×12列に配置されている。受光素子群620A及び620Bにおいて、列方向の長さは、焦点検出用のA像(受光素子アレイ610A)及びB像(受光素子アレイ610B)の焦点検出方向の長さに略等しく配置されている。また、行方向の長さは、焦点検出用のフォトダイオードの焦点検出方向に対して、垂直方向の長さに等しく設定されている。
図2(a)に示すR、G、B及びIRは、光源検出用の受光素子群620A及び620Bの上に形成されているカラーフィルターの種類(それぞれが異なる分光感度を持つフィルターである)を表している。詳細には、Rは赤色領域、Gは緑色領域、Bは青色領域、IRは近赤外領域を、それぞれ透過するフィルターが形成されていることを示している。本実施形態では、R、G、B及びIRのカラーフィルターが配置される画素の数は、図2に示すように、略均等に配置されている。但し、R、G、B及びIRのカラーフィルターの感度は、フィルター及びフォトダイオードの分光感度特性によって異なる。従って、例えば、所定の光源(太陽光)などで各カラーフィルター(各画素)の総出力ΣR、ΣG、ΣB及びΣIRが等しくなるように、画素の割合を決めるのが好ましい。
受光素子群(A像カラーフィルター部)620A及び受光素子群(B像カラーフィルター部)620Bは、受光素子アレイ(A像)610A及び受光素子アレイ(B像)610Bの中心に対して、点対称に配置される。これは、誤検出を防止するためである。受光素子群620A及び620Bは、1次結像面上において、図2(b)に示すように、受光素子アレイ610A及び610Bの上下に投影される。従って、視差の違いによって、受光素子群620A又は620Bが、被写体から外れて背景光を受光した場合、受光素子群620A又は620Bの出力の違いを検出することによって、誤検出を検知し防止することが可能となる。特に、焦点検出用の受光素子アレイ610A及び610Bに対しての受光素子アレイ(本実施形態では、受光素子群620A及び620B)の視差が生じる場合には、かかる配置は、有効に機能(誤検出防止)する。
図3は、焦点検出装置60の受光素子600の全体を示す概略ブロック図である。図2において、630は、AFリニア回路ブロックである。AFリニア回路ブロック630は、フォトダイオードアレイ及び信号処理回路で構成され、本実施形態では、A像部と、B像部とを有する。
A像部及びB像部は、一対のフォトダイオードアレイ(受光素子アレイ)及び光電変換回路、及び、一対のエリア上に配置されたフォトダイオード群(受光素子群)及び光電変換回路で構成される。換言すれば、A像部は、受光素子アレイ610A及び受光素子群620Aを、B像部は、光素子アレイ610B及び受光素子群620Bを有する。
受光素子アレイ610A及び610B、及び、受光素子群620A及び620Bの配置は、図2を参照して説明したとおりである。また、光素子アレイ610A及び610B、及び、受光素子群620A及び620Bは、それぞれ、物体からの反射光を受光するフォトダイオード、かかるフォトダイオードの蓄積電荷を電圧に変換するアンプなどから構成される。
位相差方式の焦点検出装置においては、被写体からの反射光が、視差を有する一対の受光光学系によって、それぞれフォトダイオード上に結像される。かかる被写体像のずれ量から、被写体までの距離(焦点)、或いは、撮像レンズ10のデフォーカス量を検出することができる。本実施形態では、受光素子アレイ610A及び610Bの像のずれ量から、撮像レンズ10のデフォーカス量を検出することができる。
640は、アナログ回路ブロックであり、AGC(オートゲインコントロール)回路641と、AGC(オートゲインコントロール)回路642と、信号増幅回路643と、基準電圧発生回路644と、中間電圧発生回路645とを有する。
AGC回路641は、AFリニア回路ブロック630からの像信号に基づいて、A像部及びB像部の受光素子アレイ610A及び610Bの蓄積時間を制御する。AGC回路642は、AFリニア回路ブロック630からの像信号に基づいて、A像部及びB像部の受光素子群620A及び620Bの蓄積時間を制御する。信号増幅回路643は、AFリニア回路ブロック630からの(受光素子アレイ610A及び610B、及び、受光素子群620A及び620B)像信号を所定の増幅率で増幅し、外部に出力する。基準電圧発生回路644及び中間電圧発生回路645は、AFリニア回路ブロック630の信号処理回路などのバイアス電圧や各種のクランプ電圧を与える。
なお、信号増幅回路643は、受光素子アレイ610A及び610Bの出力を外部に出力する場合には、受光素子アレイ610A及び610Bの最小値出力を所定電圧にクランプして出力する機能を有する。また、信号増幅回路643は、受光素子群620A及び620Bの出力を外部に出力する場合には、受光素子群620A及び620Bの遮光画素素子の出力を所定電圧にクランプして出力する機能を有する。
650は、デジタル回路ブロックであり、I/O回路652と、TG(タイミングジェネレーター)回路654とを有する。I/O回路652は、受光素子600を制御する制御部(マイクロコンピューター)80に接続する。TG回路654は、AFリニア回路ブロック610の駆動タイミングを発生する。
図4は、AFリニア回路ブロック630を詳細に示すブロック図である。なお、図4では、A像部及びB像部の受光素子アレイ610A及び610Bのみを図示している。受光素子群620A及び620Bに関しては、後述する。本実施形態では、受光素子アレイ610Aを基準部とし、受光素子アレイ610Bを参照部とする。
AFリニア回路ブロック630(受光素子アレイ610A及び610B)は、フォトダイオード611A及び611Bを有する、また、光電変換アンプアレイ(センサアンプアレイ)612A及び612Bも有する。また、ノイズ除去アレイ613A及び613Bも有する。AFリニア回路ブロック630は、更に、最大値検出回路アレイ614A及び614Bと、信号出力回路アレイ615A及び615Bと、最小値検出回路アレイ616A及び616Bと、シフトレジスタ617A及び617Bとを有する。
フォトダイオード611A及び611Bは、被写体からの反射光を受光する可視光のフォトダイオードである。光電変換アンプアレイ612A及び612Bは、フォトダイオード611A及び611Bの蓄積電荷を受ける。ノイズ除去アレイ613A及び613Bは、光電変換アンプアレイ612A及び612Bの出力を受けて、光電変換アンプアレイ612A及び612Bの出力に含まれる固定パターンノイズ(FPN)を除去する。
最大値検出回路アレイ614A及び614Bは、像信号の最大値を検出し、かかる最大値をAGC回路641に出力する。信号出力回路アレイ615A及び615Bは、像信号出力を信号増幅回路643に出力する。最小値検出回路アレイ616A及び616Bは、像信号の最小値を検出し、かかる最小値をAGC回路641に出力する。シフトレジスタ617A及び617Bは、信号出力回路アレイ615A及び615Bの出力を、信号増幅回路643に順次出力する。
焦点検出装置60に用いられるAGC回路641は、A像部及びB像部の最大値出力及び最小値出力に基づいて、その差が所定の値になるように蓄積時間を制御する。換言すれば、AGC回路641は、被写体のコントラストに差があっても、常に良好なコントラスト出力が得られるように、AGC制御を行う。また、上述したように、信号増幅回路643は、最小値出力の値を所定電圧にクランプし、最大値及び最小値の値が最大に得られるように出力制御される。
図5は、AFリニア回路ブロック630の詳細を示すブロック図である。なお、図5では、A像部及びB像部の受光素子群620A及び620Bのみを図示している。本実施形態では、受光素子群620Aを基準部とし、受光素子群620Bを参照部とする。
AFリニア回路ブロック630(受光素子群620A及び620B)は、フォトダイオードアレイ621A及び621Bと、光電変換アンプアレイ622A及び622Bと、ノイズ除去アレイ623A及び623Bとを有する。AFリニア回路ブロック630は、更に、最大値検出回路アレイ624A及び624Bと、信号出力回路アレイ625A及び625Bと、シフトレジスタ626A及び626Bとを有する。
フォトダイオードアレイ621A及び621Bは、被写体からの反射光を受光する。光電変換アンプアレイ622A及び622Bは、フォトダイオード621A及び621Bの蓄積電荷を受ける。ノイズ除去アレイ623A及び623Bは、光電変換アンプアレイ622A及び622Bの出力を受けて、光電変換アンプアレイ622A及び622Bの出力に含まれる固定パターンノイズ(FPN)を除去する。
最大値検出回路アレイ624A及び624Bは、像信号の最大値を検出し、かかる最大値をAGC回路642に出力する。信号出力回路アレイ625A及び625Bは、像信号出力を信号増幅回路643に出力する。シフトレジスタ616A及び616Bは、信号出力回路アレイ625A及び625Bの出力を、信号増幅回路643に順次出力する。
光源検出用の受光素子群620A及び620Bは、焦点検出用の受光素子アレイ610A及び610Bとは異なる。受光素子群620A及び620Bは、最大値検出回路アレイ624A及び624B(最大値検出手段)の出力が所定値に達した時点で蓄積を完了し、その出力の比を演算する。従って、焦点検出用の受光素子アレイ610A及び610Bのように、被写体のコントラストが最大になるように、AGC回路642を介して制御する必要がないため、最小値検出手段を必要としない。また、上述したように、信号増幅回路643は、遮光画素の出力を所定電圧にクランプし、かかるクランプ電圧を基準として出力し、各受光素子の蓄積電圧の絶対値の比較が可能なように構成される。
図6は、焦点検出装置60に用いられるフォトダイオード、赤外カットフィルター及び光源検出用の受光素子に用いられるカラーフィルターの分光感度特性を示すグラフである。図6は、横軸に波長を、縦軸に相対分光感度を採用している。
図6において、SS1は、焦点検出用及び光源検出用の受光素子に用いられるフォトダイオードの分光感度特性を示しており、かかるダイオードは、400nm乃至1100nmの波長に対して感度を有する。SS2は、赤外カットフィルターの分光感度特性を示しており、かかる赤外カットフィルターは、400nm乃至740nmの波長の光を透過し、それ以外の波長の光をカットする特性を有する。
フィルム又はCCDなどの固体撮像素子を用いたカメラは、一般に、700nm以上の近赤外の波長の光を用いることがない。一方、焦点検出装置60は、一般に、大きな発光エネルギーを有する近赤外の発光ダイオードを焦点検出用の補助光源として用いることが多い。従って、かかる発光ダイオードの光を有効利用するために、740nm程度までの波長の光(近赤外)を透過するようにするのが望ましい。そこで、受光素子アレイ610A及び610Bの感度特性は、フォトダイオードの分光感度特性SS1と赤外カットフィルターの分光感度特性SS2との積で表される特性を有する。
図6において、SS3乃至SS6は、光源検出用の受光素子群に形成されるカラーフィルターの分光感度特性を示している。詳細には、SS3は、青色領域の波長の光を透過するカラーフィルターの分光感度特性を示している。SS4は、緑色領域の波長の光を透過するカラーフィルターの分光感度特性を示している。SS5は、赤色領域の波長の光を透過するカラーフィルターの分光感度特性を示している。SS6は、近赤外領域の波長の光を透過するカラーフィルターの分光感度特性を示している。これらのカラーフィルターは、図2に示す受光素子群620A及び620BのR、G、B及びIRの画素部分に対応している。また、光源検出用の受光素子の最終的な分光感度特性は、分光感度特性SS1及びSS2と、それぞれの受光素子上に形成されるカラーフィルターの分光感度特性との積になる。可視光領域で4種類の異なる分光感度特性を有する受光素子を構成することによって、光源の種類を検出することができる。
図1に戻って、補助光手段70は、撮像時の被写体の明るさが不足している場合に、被写体に補助光を投光し、被写体の明るさを確保する機能を有する。補助光手段70は、本実施形態では、発光エネルギーの大きな近赤外光のLEDで構成される。
制御部80は、焦点検出装置60が検出した撮像レンズ10の焦点ずれの方向及びデフォーカス量に基づいて、撮像レンズ10が有する焦点調整レンズの駆動量を算出する。更に、制御部80は、焦点調整レンズの駆動量の算出結果を図示しない撮像レンズ制御部に送信する。撮像レンズ制御部は、制御部80からの焦点調整レンズの駆動量に基づいて、モーター等を介して焦点調整レンズを駆動する。
制御部80は、本実施形態では、焦点検出装置60を制御する。なお、本実施形態では、制御部80は、撮像装置1に設けられているが、以下に説明する焦点検出動作に必要な機能を独立させて、焦点検出装置60に設けてもよい。
ここで、図7乃至図10を参照して、焦点検出装置60の焦点検出動作(制御部80による焦点検出装置60の制御)について説明する。図7は、焦点検出装置60による焦点検出を説明するためのフローチャートである。
図7を参照するに、図3に示す受光素子600(受光素子アレイ610A及び610B、及び受光素子群620A及び620B)の蓄積動作を開始する(ステップ701)。本実施形態では、まず、受光素子アレイ610A及び610Bの蓄積動作が終了しているか判断する(ステップ702)。受光素子アレイ610A及び610Bの蓄積動作が終了していれば蓄積時間を記録する(ステップ703)と共に、像信号の読み出しを行う(ステップ707)。
次いで、受光素子アレイ610A及び610B、及び、受光素子群620A及び620Bの像信号の読み出しが終了しているか判断する(ステップ708)。受光素子群620A及び620Bの像信号の読み出しが終了していなければ、ステップ702と同様に、受光素子群620A及び620Bの蓄積動作が終了したかどうか判断する(ステップ704)。受光素子群620A及び620Bの蓄積動作が終了していれば蓄積時間を記録する(ステップ703)と共に、像信号の読み出しを行う(ステップ707)。一方、受光素子群620A及び620Bの蓄積動作が終了していなければ、受光素子600の蓄積動作が開始されてから所定時間が経過しているかどうか判断する(ステップ705)。所定時間が経過していなければ、受光素子600の蓄積動作を継続してステップ702に戻り、所定時間が経過していれば、受光素子600の蓄積動作を強制停止する(ステップ706)。
ステップ707の像信号の読み出しが終了すると、ステップ703で記録された蓄積時間及びステップ707で読み出された像信号(出力)を基に、受光素子600の信号量を算出する(ステップ709)。具体的には、受光素子アレイ610A及び610B、及び、受光素子群620A及び620Bの信号量、受光素子アレイ610A及び610Bの像信号の最大値と最小値との差分、即ち、被写体のコントラスト情報を算出する。なお、信号量は、所定の蓄積時間に換算した出力電圧を算出する。
次に、ステップ709で算出した被写体のコントラスト情報(コントラストの値)を所定の値と比較する(ステップ710)。なお、所定の値は、例えば、焦点検出演算時に必要な信頼性が得られる値に設定される。所定の値よりもコントラストの値が小さい場合は、被写体が白い壁などのようなコントラストのないもの、又は、被写体が低コントラストなものと判別できる。ここで、低コントラストとは、焦点検出演算を行って信頼性の判定(即ち、像の一致度の検証)を行わなくても十分な精度の得られないコントラストである。
ステップ709において、被写体のコントラストの値が所定の値よりも大きければ、受光素子アレイ610A及び610Bの像信号出力から公知の相関演算を行い、焦点ずれの方向及びデフォーカス量(焦点情報)を算出する(ステップ711)。この際、演算に使用される画素数は、撮像レンズ10の焦点距離や絞り値やフォーカス位置などの撮像条件によって適宜決定する。例えば、短焦点の撮像レンズ10の場合は、大きなデフォーカス検出は必要ではないため、演算画素数は少なく設定される。また、長焦点の撮像レンズ10の場合は、大きなデフォーカス検出が必要なため、演算画素数は多く設定される。このように焦点情報の演算の際には、相関を演算するのに適当な受光素子アレイの領域が選択される。
次いで、ステップ711で算出した焦点情報の2つの視野像の一致度などから信頼性を判定する(ステップ712)。信頼性がNGの場合には、焦点検出ができなかった(ステップ713)ものとして、後述するように、補助光による焦点検出(ステップ714)を行う。信頼性がOKの場合には、ステップ711で算出された焦点ずれの方向及びデフォーカス量から最適な焦点調整レンズの繰り出し量(駆動量)及び方向を算出する(ステップ715)。
次に、被写体の光源を検出する(ステップ716)。ここで、図8を参照して、被写体の光源の検出について詳細に説明する。図8は、ステップ716の被写体の光源検出を説明するためのフローチャートである。まず、受光素子群620A及び620Bの演算画素数を決定する(ステップ801)。具体的には、ステップ711において焦点検出の演算に使用された画素数に応じて決定され、焦点検出の演算に使用された画素数と同じ程度の長さに設定される。焦点検出と演出画素の長さを一致させることによって、余分な背景光などの影響を排除することができる。
次に、可視部、R、G、B、IRの画素から得られた画像信号のそれぞれの和を演算し、以下に示す数式1に基づいて、可視光に対する赤外光の割合αを求める(ステップ802)。
次いで、ステップ802で得られた赤外光の割合αに基づいて、光源を検出(判別)する(ステップ803)。具体的には、ステップ802で得られた赤外光の割合αと所定の閾値TH1及びTH2と比較する。なお、閾値TH1は、本実施形態では、閾値TH2よりも小さい値とする(即ち、閾値TH1<閾値TH2)。
赤外光の割合α<閾値TH1の場合は、赤外光成分がほとんど含まれていない光源(例えば、蛍光灯)と判別する(ステップ804)。そして、赤外光成分が含まれない光源の分光に応じて、焦点情報の補正値を算出する(ステップ805)。
赤外光の割合α>閾値TH2の場合は、赤外光成分が多く含まれている光源(例えば、太陽光)と判別する(ステップ806)。そして、赤外光成分が所定量以上含まれている光源に応じて、焦点情報の補正値を算出する(ステップ807)。但し、一般的には、赤外光成分が所定量以上含まれている光源(太陽光)が焦点検出の基準となるため、補正値は「0」となる。
閾値TH1<赤外光の割合α<閾値TH2の場合は、赤外光成分が所定量含まれている光源(例えば、太陽光と蛍光灯、或いは、赤外光が多く含まれるタングステン光と蛍光灯が混合した場合)と判断する(ステップ808)。そして、赤外光の割合αに応じて、焦点情報の補正値を算出する(ステップ809)。
図7に戻って、このようにして検出(判別)された光源(即ち、焦点情報の補正値)に基づいて、ステップ715で算出した焦点調整レンズの繰り出し量を補正し(ステップ717)、焦点検出動作を終了する。
ここで、焦点調整レンズの繰り出し量の補正について説明する。図9に示すように、横軸を光源の色温度(即ち、赤外光成分の割合)、縦軸を位置とすると、光源の色温度によって受光素子アレイ610A及び610B、及び、受光素子群620A及び620Bからの焦点位置の算出結果が変化する。
例えば、光源の色温度が低い、即ち、赤外光成分が増加すると、算出結果は前ピンを示す。また、受光素子アレイ610A及び610Bと受光素子群620A及び620Bとの間の算出結果の誤差は、色温度が低いほど大きくなる。従って、ステップ715で算出した焦点調整レンズの駆動量は、Δ=β×δで補正することができる。ここで、Δは焦点調整レンズの駆動量を補正する補正量、δは受光素子アレイ610A及び610Bの算出結果と受光素子群620A及び620Bの算出結果との差分、βは撮像レンズ10の色収差によって変動する値である。また、焦点の算出結果の差分δから色温度を推測することが可能であるが、受光素子アレイ610A及び610Bからの信号量と受光素子群620A及び620Bからの信号量との割合Pから推測することも可能である。即ち、Pの値が小さくなるほど色温度が高く、大きくなるほど色温度が低いと推測される。従って、Pの値が小さい場合は、焦点調整レンズの繰り出し量の補正を小さく、Pの値が大きい場合は、焦点調整レンズの繰り出し量の補正を大きくすればよい。
一方、ステップ709において、被写体のコントラストの値が所定の値よりも小さければ、焦点検出ができなかった(ステップ713)ものとして、後述するように、補助光による焦点検出(ステップ714)を行う。
以下、図10を参照して、補助光による焦点検出動作について説明する。図10は、図7のステップ714の補助光による焦点検出を説明するためのフローチャートである。まず、補助光手段70を用いて、被写体に向けて補助光を投光し(ステップ901)、受光素子600の蓄積動作を開始する(ステップ902)。この際、補助光による(即ち、光源の波長が既知の近赤外である)焦点検出であるため、受光素子アレイ610A及び610Bのみを蓄積させればよい。
次いで、受光素子アレイ610A及び610Bの蓄積動作がどうか判断する(ステップ903)。受光素子アレイ610A及び610Bの蓄積動作が終了していれば、蓄積時間を記録する(ステップ904)と共に、像信号の読み出しを行う(ステップ905)。一方、受光素子アレイ610A及び610Bの蓄積動作が終了していなければ、蓄積動作が開始されてから所定時間が経過しているかどうか判断する(ステップ906)。所定時間が経過していなければ、蓄積動作を継続してステップ903に戻り、所定時間が経過していれば、蓄積動作を強制停止する(ステップ907)。
受光素子アレイ610A及び610Bの像信号の読み出しが終了すると、ステップ904で記録された蓄積時間及びステップ905で読み出された像信号(出力)を基に、受光素子アレイ610A及び610Bの信号量を算出する(ステップ908)。なお、信号量は、所定の蓄積時間に換算した出力電圧を算出する。
次いで、受光素子アレイ610A及び610Bの像信号出力から公知の相関演算を行い、焦点ずれの方向及びデフォーカス量(焦点情報)を算出する(ステップ909)。更に、算出した焦点情報の信号量、コントラスト及び2つの視野の一致度などから信頼性を判定する(ステップ910)。信頼性がNGの場合には、焦点検出できなかった(ステップ911)ものとして、焦点検出動作を終了する。一方、信頼性がOKの場合には、ステップ909で算出された焦点ずれの方向及びデフォーカス量から、補助光下(即ち、近赤外の波長)で最適な焦点調整レンズの繰り出し量(駆動量)及び方向を算出し(ステップ912)、焦点検出動作を終了する。
上述したように、本実施形態の焦点検出装置60は、TTL位相差方式の受光手段に用いられる受光素子アレイ610A及び610Bの近傍に分光感度の異なる受光素子群620A及び620Bを配置している。従って、焦点検出装置60を利用した焦点検出は、受光素子アレイ610A及び610Aと受光素子群620A及び620Bとの出力比を算出することによって、異なる分光感度を有する光源を検出(判別)することができる。かかる検出結果に基づいて、焦点情報を補正することにより、光源の種類や複数種類の光源が混在した場合でも、正確に焦点位置を検出することができる。
撮像装置1の動作について説明する。ファインダー観察時において、撮像レンズ10を透過した光は、主ミラー20で反射され、焦点板32に結像し、ペンタプリズム34及び接眼レンズ36を介して観察される。また、主ミラー20を透過した光は、サブミラー40で反射され、焦点検出装置60に入射する。焦点検出装置60は、上述したように、受光素子610上に一対又は複数対の像を形成し、撮像レンズ10の焦点状態を検出する。かかる検出結果に基づいて、制御部80及び図示しない撮像レンズ側制御部は、撮像レンズ10内に含まれるフォーカスレンズを駆動して、合焦状態を得る。
一方、撮像時(記録用画像の取得時)においては、主ミラー20及びサブミラー40は、撮像光路上から退避し、撮像レンズ10により形成された被写体像は、撮像素子50で撮像される。撮像装置1は、焦点検出装置60によって、複数の光源が混在するような場合であっても、撮像レンズ10の焦点を高精度に検出すると共に、かかる検出結果に基づいて、撮像レンズ10のフォーカス合わせをすることができるため、高品位な画像を撮像することができる。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
本発明の一側面としての撮像装置の構成を示す概略断面図である。 図1に示す焦点検出装置の受光素子の配置を示す概略平面図である。 図1に示す焦点検出装置の受光素子の全体を示す概略ブロック図である。 図3に示すAFリニア回路ブロックを詳細に示すブロック図である。 図3に示すAFリニア回路ブロックを詳細に示すブロック図である。 図1に示す焦点検出装置の受光素子及びカラーフィルターの分光感度特性を示すグラフである。 図1に示す焦点検出装置による焦点検出を説明するためのフローチャートである。 図7に示すステップ716の被写体の光源検出を説明するためのフローチャートである。 焦点調整レンズの駆動量の補正について説明するための図である。 図7のステップ920の補助光による焦点検出を説明するためのフローチャートである。 従来の焦点検出装置の構成を示す概略断面図である。 図11に示す受光素子上に結像される像の相対的な位置変化を説明するための図である。 従来のTTL位相差方式の焦点検出装置に用いられるイメージセンサーチップを示す概略平面図である。 撮像レンズの1次結像面上における投影像の位置関係を示す図である。 図13に示すカラーセンサーの構成を示す概略断面図である。 フォトセンサーに入射する光の波長と相対感度との関係を示すグラフである。 フォトセンサーに入射する光の波長と相対出力との関係を示すグラフである。 斜めに傾いた明暗パターンの光束が入射する場合のフォトセンサーを示す図である。 従来の焦点検出用の光電変換素子を示す概略斜視図である。 図19に示す検出モジュールに用いられるフォトセンサアレイ、赤外カットフィルター、色温度検出用フォトダイオード及び色温度検出用フォトダイオードの上に形成される色素フィルターの分光感度特性を示すグラフである。
符号の説明
1 撮像装置
10 撮像レンズ
50 撮像素子
60 焦点検出装置
70 補助光手段
80 制御部
600 受光素子
610A及び610B 受光素子アレイ
620A及び620B 受光素子群
630 AFリニア回路ブロック
640 アナログ回路ブロック
641及び642 AGC回路
643 信号増幅回路
644 基準電圧発生回路
645 中間電圧発生回路
650 デジタル回路ブロック
652 I/O回路
654 TG回路

Claims (6)

  1. 被写体によって反射された光を一対の受光素子アレイにより受光し、前記一対の受光素子アレイからの信号の位相差を求め、前記位相差に応じて焦点調節駆動をするための焦点情報を検出する焦点検出手段と、
    前記一対の信号を得る際の前記受光素子アレイにおける領域を決定する決定手段と、
    前記受光素子アレイと同一の光束に含まれる光を受光して、所定の分光感度の信号を出力するエリア受光素子と、
    前記決定手段により決定された受光素子アレイの領域に対応した前記エリア受光素子の領域を選択する選択手段と、
    前記選択手段により選択されたエリア受光素子の領域からの出力に基づいて、前記焦点検出手段による焦点情報を補正する補正手段とを有することを特徴とする焦点検出装置。
  2. 前記エリア受光素子は、複数の所定分光感度を有するフィルターがそれぞれ配置された複数の受光素子で構成されることを特徴とする請求項1に記載の焦点検出装置。
  3. 前記複数のフィルターは、所定の色温度を有する光源の光を受光した際に、各々のフィルターが配置されたエリア受光素子の領域からの出力がフィルターごとに同一もしくは略同一となるように配置されることを特徴とする請求項2に記載の焦点検出装置。
  4. 前記受光素子アレイは信号の最大値と最小値の差分が所定値に達したか否かに応じて信号出力され、前記エリア受光素子は最大値が所定値に達したか否かに応じて信号出力されることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の焦点検出装置。
  5. 撮像光学系を介して被写体像を撮像する撮像装置であって、
    請求項1乃至4のうちいずれか一項記載の焦点検出装置と、
    前記焦点検出装置で得られた焦点情報に基づいて、前記撮像光学系を駆動して前記被写体像を撮像し画像信号を出力する撮像素子と、
    前記画像信号をA/D変換するA/D変換器と、
    前記A/D変換器から出力された信号を記録手段を制御する記録制御手段とを有することを特徴とする撮像装置。
  6. 被写体によって反射された光を一対の受光素子アレイにより受光し、前記一対の受光素子アレイからの信号の位相差を求め、前記位相差に応じて焦点調節駆動をするための焦点情報を検出する焦点検出ステップと、
    前記一対の信号を得る際の前記受光素子アレイにおける領域を決定する決定ステップと、
    前記受光素子アレイと同一の光束に含まれる光を受光して、所定の分光感度の信号を出力するエリア受光素子の領域を、前記決定ステップで決定された受光素子アレイにおける領域に応じて選択する選択ステップと、
    前記選択ステップで選択されたエリア受光素子の領域からの出力に基づいて、前記焦点情報を補正する補正ステップとを有することを特徴とする焦点検出方法。
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