JP2007132239A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】オゾンを用いてPMを酸化除去する際に、効率的にオゾンを用いることにより燃費を悪化させることなくPMを確実に浄化できる内燃機関の排気浄化装置を提供する。
【解決手段】エンジン10の排気経路内の排気ガス中に含まれる粒子状物質を捕集する粒子状物質捕集装置20と、該粒子状物質捕集装置の端面への排気ガスの流入方向を第1の方向とその逆の第2の方向のいずれか一方にすべく排気経路を切替え可能な排気経路切替え手段16,17,18と、排気ガスの流入方向が第1の方向のときの前記粒子状物質捕集装置の上流にオゾンを供給可能なオゾン供給手段30と、を備える内燃機関の排気浄化装置であって、前記粒子状物質捕集装置は、排気ガスの流入方向が第2の方向のときに上流となる側に触媒を有し、排気ガス温度に応じて、前記排気経路切替え手段と前記オゾン供給手段との作動を制御する制御手段50を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関し、特に、ディーゼルエンジンやリーンバーンガソリンエンジンから排出される排気ガス中の粒子状物質を捕集・酸化することにより浄化する排気浄化装置に関する。
一般に、ディーゼルエンジンやリーンバーンガソリンエンジンの排気ガスには、炭素を主成分とする粒子状物質(以下、PMと称す)が含まれ、大気汚染の原因となることが知られている。排気ガスから、これらの粒子状物質を捕捉して、除去するための装置または方法が種々提案されている。
例えば、燃料を強制的に噴射供給することによりディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)の温度を上昇させて捕集したPMを酸化させるもの、排気ガス中のNOからNOを生成させ、NOによりPMを酸化させるもの(例えば、特許文献1)、あるいは、触媒化PDFを用いてPMの酸化を図るもの(例えば、特許文献2、特許文献3)等が提案されている。しかし、燃料を強制的に噴射供給するものでは、燃費の悪化を招くと共に、PMの急激な燃焼の結果の温度上昇によるDPFの破損の問題、特許文献1に記載のものでは、低温時におけるNOによるPMの酸化速度が十分でないために、エンジンから排出されるPMを完全に酸化除去するのが困難であるという問題、そして、特許文献2、特許文献3に記載の触媒化PDFを用いるものでは、触媒およびPMが共に固体であるために、両者が十分に接触せずPMの酸化反応が不十分であるという問題等を有している。
そこで、最近、NOに比較して酸化力の強いオゾンO3を用いて、PMを酸化して処理する技術が開示されている(例えば、特許文献4)。この特許文献4に記載された焼却方法においてディーゼルエンジンの排出ガスを後処理する方法および装置では、パティキュレートフィルタの上流に、プラズマにより、排出ガスから酸化剤としてのオゾンO3または二酸化窒素NOを生成する装置を設け、排出ガスの温度に応じて、低温時にはオゾンを高温時には二酸化窒素を選択的に用いることにより、パティキュレートフィルタに捕集された煤を酸化除去するとしている。
また、特許文献5に記載の排気浄化装置では、プラズマ発生装置の両側に排気中の微粒子を捕集する、酸化触媒が担持されたフィルタを2個設けて排気浄化装置を構成し、排気ガス温度および一方のフィルタの捕集量に応じて、プラズマ発生装置により生成されるラジカルを制御すると共に、排気浄化装置への排気ガス流動方向を制御することにより、プラズマ発生装置への微粒子の付着を防止しつつ、捕集量の多いフィルタを低温時にも確実に再生し、常時連続して安定した排気ガス浄化性能を維持することができるとしている。
特表2002−531762号公報 特開平6−272541号公報 特開平9−125931公報 特開2005−502823号公報 特開2004−176679号公報
ところで、特許文献4に記載のものでは、二酸化窒素に比べ酸化力の強いオゾンを用いているので、PMの酸化除去能力の向上については評価し得る。しかしながら、低温時に排出ガス構成分からオゾンを生成するようにしているので、PMの酸化除去に足るオゾン量を得ることが困難な場合があり浄化効率が十分とは云えないおそれがある。
また、特許文献5に記載の排気浄化装置では、プラズマ発生装置の両側に酸化触媒が担持されたフィルタを2個設けて、それらへの排気ガスの流動方向を切替え制御するようにしているが、これはオゾンに比べ酸化力が弱い二酸化窒素(NO)の場合にはよいが、酸化力の強いオゾンを用いる場合にはオゾンは酸化触媒で容易に分解されてしまうので、そのまま採用するのは困難である。
本発明の目的は、オゾンを用いてPMを酸化除去する際に、効率的にオゾンを用いることにより燃費を悪化させることなくPMを確実に浄化できる内燃機関の排気浄化装置を提供することにある。
上記目的を達成する本発明に係る内燃機関の排気浄化装置の一形態は、エンジンの排気経路内の排気ガス中に含まれる粒子状物質を捕集する粒子状物質捕集装置と、該粒子状物質捕集装置の端面への排気ガスの流入方向を第1の方向とその逆の第2の方向のいずれか一方にすべく排気経路を切替え可能な排気経路切替え手段と、排気ガスの流入方向が第1の方向のときの前記粒子状物質捕集装置の上流にオゾンを供給可能なオゾン供給手段と、を備える内燃機関の排気浄化装置であって、前記粒子状物質捕集装置は、排気ガスの流入方向が第2の方向のときに上流となる側に触媒を有し、排気ガス温度に応じて、前記排気経路切替え手段と前記オゾン供給手段との作動を制御する制御手段を備えることを特徴とする。
ここで、前記粒子状物質捕集装置はウォールフロー型パティキュレートフィルタであり、セルを画成する隔壁において排気ガスの流入方向が第2の方向のときに上流となる側に触媒がコートされていることが好ましい。
また、前記粒子状物質捕集装置は静電気を利用して捕集する静電捕集器であり、排気ガスの流入方向が第2の方向のときの上流側に触媒が担持されていることが好ましい。
さらに、前記排気経路切替え手段の上流側に設けられ排気ガス温度を検出する温度検出手段を備え、前記制御手段は該温度検出手段により検出された排気ガス温度が所定値以下のときに、排気ガスの流入方向が第1の方向となるように前記排気経路切替え手段を切替え作動させると共に、前記オゾン供給手段からオゾンを供給し、排気ガス温度が所定値を超えるときは、排気ガスの流入方向が第2の方向となるように前記排気経路切替え手段を切替え作動させると共に、前記オゾン供給手段からのオゾンの供給を停止するように制御するのが好ましい。
上記本発明に係る内燃機関の排気浄化装置の一形態によれば、制御手段により、排気ガス温度に応じて、粒子状物質捕集装置の端面への排気ガスの流入方向が第1の方向かその逆の第2の方向のいずれか一方となるように排気経路切替え手段により排気経路が切替えられると共に、オゾン供給手段の作動が制御される。従って、排気ガス温度が触媒の活性温度よりも低いときには、排気ガスの流入方向が第1の方向に切替えられ得、このときに粒子状物質捕集装置の上流にオゾン供給手段によりオゾンが供給され得るので、排気ガス中のPMがこの酸化力の強いオゾンにより酸化除去される。一方、排気ガス温度が触媒の活性温度よりも高いときには、排気ガスの流入方向が第2の方向に切替えられると共にオゾンの供給が停止され得、このときに上流となる側に触媒を有する粒子状物質捕集装置の触媒によって排気ガス中のPMが酸化除去される。よって、オゾンの使用量の抑制が可能であり、燃費を悪化させることなくPMを確実に浄化できる。
ここで、前記粒子状物質捕集装置はウォールフロー型パティキュレートフィルタであり、セルを画成する隔壁において排気ガスの流入方向が第2の方向のときに上流となる側に触媒がコートされている形態によれば、排気ガスの流入方向が第1の方向のときに上流となる側にオゾンが供給されても触媒との接触が回避され、オゾンの分解を抑制することができる。
また、前記粒子状物質捕集装置は静電気を利用して捕集する静電捕集器であり、排気ガスの流入方向が第2の方向のときの上流側に触媒が担持されている形態によれば、同じく、排気ガスの流入方向が第1の方向のときに上流となる側にオゾンが供給されても供給直後の触媒との接触が回避され、オゾンの分解を抑制することができる。
さらに、前記排気経路切替え手段の上流側に設けられ排気ガス温度を検出する温度検出手段を備え、前記制御手段は該温度検出手段により検出された排気ガス温度が所定値以下のときに、排気ガスの流入方向が第1の方向となるように前記排気経路切替え手段を切替え作動させると共に、前記オゾン供給手段からオゾンを供給し、排気ガス温度が所定値を超えるときは、排気ガスの流入方向が第2の方向となるように前記排気経路切替え手段を切替え作動させると共に、前記オゾン供給手段からのオゾンの供給を停止するように制御する形態によれば、排気ガス温度を検出することにより、オゾンの酸化能力が発揮し得る温度に正確に対応させてオゾンを供給するように制御し得るので、オゾンを効果的に使用でき、燃費を悪化させることなく、併せて、PMの焼却を効率よく安定して行い、圧力損失を伴うことなくPMを確実に浄化できる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の第一の実施の形態を概略的に示す配置図である。図1において、10はディーゼルエンジンであり、11は吸気ポートに連通されている吸気マニフォルド、12は排気ポートに連通されている排気マニフォルド、13は燃焼室である。本実施の形態では、エンジン10の燃焼室13に不図示の燃料タンクから燃料配管を介して供給された燃料が燃料噴射弁14により噴射されて供給される。ディーゼルエンジン10からの排気ガスは、排気マニフォルド12の下流の排気経路にターボチャージャを介して配置されている粒子状物質捕集装置20に導入され、後述のように浄化処理されて大気に排出される。
本第一の実施形態においては、排気マニフォルド12下流の排気経路15が第1分岐経路15Aおよび第2分岐経路15Bに分岐され、その分岐部に第1経路切替え弁16が配置されている。さらに、第1分岐経路15Aからは第2経路切替え弁17を介して第1連結経路15Cが分岐され、また、第2分岐経路15Bからは第3経路切替え弁18を介して第2連結経路15Dが分岐されている。そして、これらの第1連結経路15Cおよび第2連結経路15Dに上述の粒子状物質捕集装置20の端部がそれぞれ連結されている。
また、30はオゾン供給手段としてのオゾン発生器であり、40は、排気経路切替え手段としての第1経路切替え弁16の上流の排気経路15に設けられ、排気ガス温度を検出するための温度センサである。なお、オゾン発生器30としては、高電圧を印加可能な放電管内に原料となる乾燥した空気または酸素を流しつつオゾンを発生させる形態や他の任意の形式のものを用いることができる。但し、ここで使用される空気または酸素は乾燥していることが好ましいが、乾燥状態にあるもののみに限定されるものではない。温度センサ40からの検出信号は制御手段としてのマイクロコンピュータ等で構成される電子制御ユニット(以下、ECUと称す)50に送られ、予め定められたプログラムに従って排気経路切替え手段を構成する上述の第1経路切替え弁16ないし第3経路切替え弁18とオゾン発生器30の作動が後述するように制御される。
ここで、本発明の第1実施の形態において使用される粒子状物質捕集装置20としてのウォールフロー型のパティキュレートフィルタ(DPF)200について、図2を参照して説明する。
このDPF200は、図2(A)に示すように、両側に截頭円錐状の連結部202を有するほぼ円筒形の金属製外筒部204を備え、この外筒部204に対し、絶縁性、耐熱性、緩衝性等を備える不図示の支持部材、例えば、アルミナマットにより支持されたハニカム構造体208を有している。
このハニカム構造体208は、図2(B)および図2(C)に詳しく示すように、コーディエライト、シリカ、アルミナ、炭化ケイ素等のセラミックス材料や金属で形成されたいわゆるウォールフロー型の多孔質ハニカム構造体であり、多孔質の隔壁210により仕切られた多数のセル212すなわち排気ガス通路を備えている。これらのセル212はいずれも排気ガスの流入方向に平行である。各セル212は詰栓214によって交互に閉塞され、そして、前端開放のセル212Fと後端開放のセル212Rとが交互に隣り合うように配置されている(なお、この前端および後端の表現は便宜上であり、DPF200の実際の配置方向とは必ずしも一致しない。図2(B)では前端が上側に表示されている)。前端開放のセル212Fに流入した排気ガスは隔壁210を通過して、後端開放のセル212Rから排出され、その際に隔壁210によってPMが濾過され捕集される。逆に、後端開放のセル212Rに流入した排気ガスは隔壁210を通過して、前端開放のセル212Fから排出され、その際に同様に隔壁210によってPMが濾過され捕集される。
そして、この第1の実施形態では、図2(C)に詳しく示すように、後述する排気ガスの流入方向が第2の方向のときに上流となるセル、すなわち、後端開放のセル212Rを画成する隔壁210において排気ガスの流入方向が第2の方向のときに上流となる片側のみに触媒220がコートないしは担持されている。換言すると、隔壁210の前端開放セル212Fを画成する側には触媒が設けられておらず、後端開放セル212Rを画成する側のみに触媒220がコートないしは担持されているのである。
触媒220としては、Ce−Zr複合酸化物に加え、PMを酸化処理する触媒物質として、例えば、白金Pt、パラジウムPd、ロジウムRh等の貴金属、および、カリウムK、ナトリウムNa、リチウムLi、セシウムCs等のアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCa、ストロンチウムSr等のアルカリ土類金属、ランタンLa、イットリウムY、セリウムCe等の希土類、鉄Fe等の遷移金属から選ばれた少なくとも一つが活性酸素生成剤としてコートないしは担持されている。
さらに、図2(A)に戻って、この第1の実施形態では、截頭円錐状の連結部202が前述の第1連結経路15Cおよび第2連結経路15Dにそれぞれ連結されると共に、後述する排気ガスの流入方向が第1の方向のときのDPF200、より詳しくはハニカム構造体208の直ぐ上流にオゾンを供給するために、オゾン発生器30に連結され、複数の供給孔を有する供給パイプ32が金属製外筒部204を貫通して配置されている。
ここで、上述の第1の実施形態に係る排気微粒子浄化装置の制御の一形態につき、図3のフローチャートを参照して説明する。なお、この制御ルーチンは所定周期で実行される。
そこで、本実施の形態におけるディーゼルエンジン10の運転中に制御がスタートされると、ステップS31において、エンジン負荷およびエンジン回転速度等のパラメータの計測に基づき、エンジン運転状態情報が取得される。そして、次のステップS32において、ディーゼルエンジン10の排気マニフォルド12下流の排気経路15に排出された排気ガスの温度Tが温度センサ40により計測される。そして、この温度センサ40からの温度検出信号がECU50に送られ、その温度TがDPF200に担持された触媒220の活性温度に対応する所定値Ti以下か否かが判定される。排気ガス温度Tが所定値Ti以下のときは、ステップS33に進み、DPF200の端面への排気ガスの流入方向が第1の方向となるように第1経路切替え弁16ないし第3経路切替え弁18が切替えられる。このDPF200の端面への排気ガスの流入方向が第1の方向となるように第1経路切替え弁16ないし第3経路切替え弁18が切替えられているときには、図1に示すように、排気経路15に排出された排気ガスは第1経路切替え弁16を介して第1分岐経路15Aに導かれ、さらに、第2経路切替え弁17を介して第1連結経路15Cに導かれる。そして、本実施の形態では、排気ガスの流入方向が第1の方向となるように第1経路切替え弁16ないし第3経路切替え弁18が切替えられるのと同時に、次のステップS34に進み、オゾン発生器30が作動され、供給パイプ32の複数の供給孔を介してハニカム構造体208の直ぐ上流に供給量が制御されて所定量の活性種または酸化促進剤であるオゾンOが供給される。
より詳しくは、オゾン発生器30の高電圧電源がオンされて放電管内に高電圧が印加されると共に、不図示のポンプが作動され放電管内に空気が供給されることにより生成された所定量のオゾンOが供給されるのである。オゾンOの生成は、空気中の酸素分子Oに電子が衝突して酸素原子が生じ(O⇒O+O+e)、この酸素原子が酸素分子と結合(O+O+O⇒O+O)することによる。なお、供給されるオゾンOの所定量は、ステップS31において情報が取得されたエンジン運転状態に対応させて、その最適値が予め実験等により求められECU50のメモリに保存されているマップから求められる。本実施の形態では、このオゾンOの所定量への供給量の制御は、上述のポンプによる空気の供給量を制御することにより行なわせているが、他の方法でもよい。
排気ガスの流入方向が第1の方向のときのDPF200におけるハニカム構造体208の直ぐ上流に供給されたオゾンOは、排気経路で消費されることなくDPF200のハニカム構造体208の直前においてのみ、排気ガス中の炭素Cを主成分とするPMや一酸化窒素NOに作用する。その結果、3C+2O→3CO、および3NO+O→3NO等の反応が生じて、DPF200のハニカム構造体208には、上述の反応で直ちに消費されたオゾンO以外の残存オゾンOと共に二酸化窒素NOが供給される。さらに、DPF200のハニカム構造体208における前端開放のセルでは、オゾンOは触媒220と接触することなく、上述のPMとオゾンOとの反応に加え、C+2NO→CO+2NOの反応も生じ、ハニカム構造体208に流入ないしは捕集されたPMの酸化ないし燃焼が促進される。これらオゾンOがPMに接触すると、PMは極めて短時間(数秒)のうちに輝炎を発することなく酸化せしめられ、PMは完全に消滅する。すなわち、排気ガスが所定値Ti以下の低温(例えば、250〜300°C以下)においても、酸化活性の高いオゾンOにより効果的にPMを燃焼ないし酸化させることが可能になる。かくて、PMの燃焼が連続して行われるので、PMのDPF200への堆積による圧力損失を伴うことなくPMの焼却を効率よく安定して行い、PMを確実に浄化できるのである。
そして、PMが燃焼ないし酸化されて除去された排気ガスは、図2(B)に実線の矢印で示すようにしてDPF200のハニカム構造体208を通過した後、後端開放のセル212Rを通り、第3経路切替え弁18を介して第2分岐経路15Bの後段に抜けていく。
一方、ステップS32の判定において、排気ガス温度Tが所定値Tiを超えるときにはステップS35に進み、DPF200の端面への排気ガスの流入方向が逆の第2の方向となるように第1経路切替え弁16ないし第3経路切替え弁18が切替えられると共に、ステップS36においてオゾン発生器30の作動が停止され、その供給が停止される。このDPF200の端面への排気ガスの流入方向が第2の方向となるように第1経路切替え弁16ないし第3経路切替え弁18が切替えられているときには、排気経路15に排出された排気ガスは第1経路切替え弁16を介して第2分岐経路15Bに導かれ、さらに、第3経路切替え弁18を介して第2連結経路15Dに導かれる。そして、図2(B)に破線の矢印で示すようにして排気ガスはDPF200のハニカム構造体208を通過した後、第2経路切替え弁17を介して第1連結経路15Cの後段に抜けていく。
このとき、排気ガス中に含まれているPMは、排気ガス温度Tが触媒220の活性温度に対応する所定値Tiを超えていることから、DPF200の排気ガスの流入方向が第2の方向のときに上流となる片側にコートされている触媒220でもってPMが酸化処理される。
ここで、PMの酸化処理のメカニズムについてさらに詳しく説明する。エンジンの燃焼室内に供給された空気と燃料との比を排気ガスの空燃比と称すると、本実施形態におけるディーゼルエンジン10から排出される排気ガスの空燃比は、通常、リーンである。すなわち、排気ガスは多量の過剰空気を含んでいる。また、ディーゼルエンジン10の燃焼室内では主に炭素CからなるPMやNOが発生する。したがって、排気ガス中にはPMやNOが含まれていること前述の通りである。このため、過剰酸素およびPMやNOを含んだ排気ガスが流入方向が第2の方向でDPF200に流入することになる。
上述したように、排気ガス中には多量の過剰酸素が含まれているので、排気ガスがDPF200に第2の方向で流入すると、これら酸素(O2)がO2 -またはO2-の形で触媒220の白金Ptの表面に付着する。排気ガス中のNOはこれらO2 -またはO2-と反応し、NO2となる。次いで、生成されたNO2の一部は白金Pt上で酸化されつつ、例えばカリウムK等の活性酸素生成剤内に吸収(場合によっては吸着)によって保持され、カリウムKと結合しながら硝酸イオン(NO3 -)の形で活性酸素生成剤内に拡散し、硝酸カリウム(KNO3)を生成する。すなわち、結果的には、排気ガス中の酸素が硝酸カリウム(KNO3)の形で活性酸素生成剤内に保持される。
一方、PMは排気ガスがDPF200を流れているときに、その隔壁210の表面、例えば、活性酸素生成剤の表面上に接触して付着ないしは捕集される。このようにPMが活性酸素生成剤の表面上に付着すると、PMと活性酸素生成剤との接触面では酸素濃度が低下する。酸素濃度が低下すると酸素濃度の高い活性酸素生成剤内との間で濃度差が生じ、斯くして、活性酸素生成剤内の酸素がPMと活性酸素生成剤との接触面に向けて移動しようとする。その結果、活性酸素生成剤内に形成されている硝酸カリウム(KNO3)がカリウムKと酸素(O)とNOとに分解され、酸素(O)がPMと活性酸素生成剤との接触面に向かい、その一方で、NOが活性酸素生成剤から外部に放出される。外部に放出されたNOは下流側の白金Pt上において酸化され、再び活性酸素生成剤内に保持される。
ここで、PMと活性酸素生成剤との接触面に向かう酸素(O)は硝酸カリウム(KNO3)といった化合物から分解された酸素である。このように化合物から分解された酸素(O)は不対電子を有し、極めて高い反応性を有する活性酸素となっている。このため、これら活性酸素(O)がPMに接触すると、PMは短時間(数秒〜数十分)のうちに輝炎を発することなく酸化せしめられ、PMは完全に消滅する。
なお、活性酸素生成剤は周囲に過剰な酸素が存在するとNOXを硝酸イオンの形で保持することによって結果的に酸素を保持する。すなわち、活性酸素生成剤は周囲に過剰な酸素が存在するとNOXを吸収または吸着によって保持する。一方、活性酸素生成剤は周囲の酸素濃度が低下すると硝酸イオンの形で保持されているNOXを解放することによって活性酸素を生成する。すなわち、活性酸素生成剤は周囲の酸素濃度が低下するとNOXを解放する。したがって、本実施形態の活性酸素生成剤はNOX保持剤としても機能する。
ここで、活性酸素生成剤周りの酸素濃度が低下する場合とは、上述したように、周囲の雰囲気はリーン雰囲気であるが活性酸素生成剤にPMが付着した場合の他に、DPF200に第2の方向で流入する排気ガスの空燃比がリッチとなって周囲の雰囲気がリッチ雰囲気となった場合がある。
周囲の雰囲気はリッチ雰囲気であるが活性酸素生成剤にPMが付着することで活性酸素生成剤周りの酸素濃度が低下した場合に解放されたNOXは、上述したように、再び活性酸素生成剤に吸収または吸着によって保持される。一方、DPF200に第2の方向で流入する排気ガスの空燃比がリッチとなって周囲の雰囲気がリッチ雰囲気となった場合に解放されたNOXは、白金Ptの作用によって排気ガス中の炭化水素HCで還元浄化される。云い方を換えれば、例えば、リーンバーンガソリンエンジンの場合等、リッチ空燃比の排気ガスが排出されるようにエンジンの運転を制御すれば、活性酸素生成剤に保持されているNOXを還元浄化することができる。したがって、本実施形態のDPF200は、活性酸素生成剤と白金とからなるNOX触媒を具備するとも言える。
このように本実施の形態では、排気ガス温度TがPMの酸化処理に利用可能な場合には、その生成に電力の消費を伴うオゾンOを用いることなくPMの酸化処理ができるので、全体としてオゾンOの供給量を抑制することができ、燃費を悪化させることなく、併せて、PMの焼却を効率よく安定して行い、圧力損失を伴うことなくPMを確実に浄化できるのである。
次に、本発明の第2の実施形態につき図4を参照して説明する。この第2の実施形態では、第1の実施形態が粒子状物質捕集装置としてはウォールフロー型パティキュレートフィルタを用いたのに対し、静電気を利用して捕集する静電捕集器を用い、そして、排気ガスの流入方向が第2の方向のときの上流側に触媒が担持されている形態としたことで異なるのみであるから、その相違点につき以下説明する。
図4は、この静電捕集器300の構造を示す断面図であり、DPF200と同様に不図示の金属容器内に絶縁性、耐熱性、緩衝性等を備える支持部材により支持されたハニカム構造体308を有している。このハニカム構造体308は、コーディエライト、シリカ、アルミナ等のセラミックスで形成されたいわゆるストレートフロー型多孔質ハニカム構造体である。ここで、ハニカム構造体308は、多孔質の隔壁310により仕切られた多数のセル312すなわち排気ガス通路を備えている。これらのセル312はいずれも排気ガスの流入方向に平行であり両端が開放されている。そして、このハニカム構造体308はその中心部に挿入孔308Aが形成され、この挿入孔308A内に棒状の放電電極314が配置されている。さらに、ハニカム構造体308の外周部には外周電極316が配置されている。放電電極314は、耐腐食性に優れたクロム鋼(例えば、10Cr5Al)で形成できるが、それにのみ限定されるものではなく、他の耐腐食性を有する金属を用いることができる。
また、ハニカム構造体308の外周部に配置された外周電極316は、メッシュ状電極としてもよいが、導電性の金属ペーストを外周部に塗布することにより形成してもよい。なお、外周電極316は、ハニカム構造体308の少なくとも一部の外周部に存在すれば足りる。但し、PMの捕集率を最大限に上げたい場合には、ハニカム構造体308の外周部全域を覆うように形成するのが好ましい。
放電電極314および外周電極316は、それぞれ、直流電源330に接続されている。なお、この直流電源33の電圧は5kV以上である。
そして、本実施の形態では、ストレートフロー型多孔質ハニカム構造体308の隔壁310において、前述した排気ガスの流入方向が第2の方向のときの上流側(図4において、右側)に第1の実施形態における触媒220と同様の触媒320が担持されている。
この第2の実施形態においても、前述の第1の実施形態と同様に、図3に示したフローチャートに従い制御される。但し、本第2の実施形態においては、エンジンの運転中は放電電極314および外周電極316に電圧が常時印加され、ハニカム構造体308内に電界が形成されて、帯電されたPMが捕集されるようにされていることが異なる。
この第2の実施形態においても、排気ガス温度TがPMの酸化処理に利用可能な場合には、その生成に電力の消費を伴うオゾンOを用いることなくPMの酸化処理ができるので、全体としてオゾンOの供給量を抑制することができ、燃費を悪化させることなく、併せて、PMの焼却を効率よく安定して行い、圧力損失を伴うことなくPMを確実に浄化できるのである。
本発明の実施の形態の概要を示す概略模式図である。 本発明に用いる粒子状物質捕集装置の一実施形態を示す断面図であり、(A)は全体構造、(B)はハニカム構造体、(C)はハニカム構造体の拡大した一部である。 本発明の実施形態の制御手順の一例を示すフローチャートである。 本発明に用いる粒子状物質捕集装置の他の実施形態の静電捕集器を示す断面図である。
符号の説明
10 エンジン
15 排気経路
15A 第1分岐経路
15B 第2分岐経路
15C 第1連結経路
15D 第2連結経路
16 第1排気経路切替え弁
17 第2排気経路切替え弁
18 第3排気経路切替え弁
20 粒子状物質捕集装置
30 オゾン発生器
32 供給パイプ
40 温度センサ
50 電子制御ユニット(ECU)
200 パティキュレートフィルタ(DPF)
208 ハニカム構造体
210 隔壁
212 セル
212F 前端開放セル
212R 後端開放セル
220 触媒
300 静電捕集器
308 ハニカム構造体
314 放電電極
316 外周電極
320 触媒
330 電源

Claims (4)

  1. エンジンの排気経路内の排気ガス中に含まれる粒子状物質を捕集する粒子状物質捕集装置と、
    該粒子状物質捕集装置の端面への排気ガスの流入方向を第1の方向とその逆の第2の方向のいずれか一方にすべく排気経路を切替え可能な排気経路切替え手段と、
    排気ガスの流入方向が第1の方向のときの前記粒子状物質捕集装置の上流にオゾンを供給可能なオゾン供給手段と、を備える内燃機関の排気浄化装置であって、
    前記粒子状物質捕集装置は、排気ガスの流入方向が第2の方向のときに上流となる側に触媒を有し、
    排気ガス温度に応じて、前記排気経路切替え手段と前記オゾン供給手段との作動を制御する制御手段を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記粒子状物質捕集装置はウォールフロー型パティキュレートフィルタであり、セルを画成する隔壁において排気ガスの流入方向が第2の方向のときに上流となる側に触媒がコートされていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 前記粒子状物質捕集装置は静電気を利用して捕集する静電捕集器であり、排気ガスの流入方向が第2の方向のときの上流側に触媒が担持されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 前記排気経路切替え手段の上流側に設けられ排気ガス温度を検出する温度検出手段を備え、前記制御手段は該温度検出手段により検出された排気ガス温度が所定値以下のときに、排気ガスの流入方向が第1の方向となるように前記排気経路切替え手段を切替え作動させると共に、前記オゾン供給手段からオゾンを供給し、排気ガス温度が所定値を超えるときは、排気ガスの流入方向が第2の方向となるように前記排気経路切替え手段を切替え作動させると共に、前記オゾン供給手段からのオゾンの供給を停止するように制御することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の内燃機関の排気浄化装置。
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JP2009082915A (ja) * 2007-09-27 2009-04-23 Umicore Ag & Co Kg 主として化学量論的空気/燃料混合物により運転される内燃機関エンジンの排ガスからの粒子の除去
JP2010209754A (ja) * 2009-03-09 2010-09-24 Toyota Motor Corp 排気浄化装置
JP2010242628A (ja) * 2009-04-07 2010-10-28 Panasonic Corp 排ガス浄化方法および排ガス浄化装置

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