JP3855777B2 - 内燃機関のパティキュレートフィルタ - Google Patents

内燃機関のパティキュレートフィルタ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関のパティキュレートフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関から排出される微粒子を捕集するためのパティキュレートフィルタ(以下、単にフィルタと称す)が実公昭62−10422号公報に開示されている。フィルタとしては、主に、モノリスタイプフィルタとウォールフロータイプフィルタとが知られている。これらフィルタは、ハニカム構造体をベースとして作製される点では共通しているが、以下で説明するように、その中での排気ガスの流れ方の点で異なる。
【0003】
モノリスタイプフィルタは、それが有する複数の排気流通路の両端の開口が全く塞がれていないタイプのフィルタである。すなわち、このタイプのフィルタでは、各排気流通路に流入した排気ガスは、これら排気流通路を画成する隔壁を通って他の排気流通路に流入せずに、流入した排気流通路からそのまま流出する。このタイプのフィルタには、フィルタに起因する排気ガスの圧力損失(以下、単にフィルタの圧損と称す)が低いという利点がある。しかしながら、その一方で、その微粒子捕集率が比較的低いという不具合もある。
【0004】
一方、ウォールフロータイプフィルタは、それが有する複数の排気流通路のうち半数の排気流通路では、その下流端の開口が栓によって塞がれており、且つ、残りの半数の排気流通路では、その上流端の開口が栓によって塞がれているタイプのフィルタである。そして、このタイプのフィルタでは、各排気流通路に流入した排気ガスは、必ず、これら排気流通路を画成する多孔質の隔壁を通って隣接する排気流通路に流れ込み、その後、フィルタから流出する。このタイプのフィルタには、微粒子捕集率が高いという利点がある。しかしながら、その一方で、その圧損が比較的高いという不具合もある。
【0005】
このように、モノリスタイプのフィルタでは、圧損は低いが微粒子捕集率が低く、ウォールフロータイプのフィルタでは、微粒子捕集率は高いが圧損が高い。一般的に、フィルタに要求される性能としては、圧損が低くて微粒子捕集率が高いという性能である。こうした要求に応えるために、上記公報に記載のフィルタでは、その排気流通路を塞いでいる栓に貫通孔を設けている。すなわち、このように貫通孔を設けることによって、一部の排気ガスが隔壁を通らずにこの貫通孔を介してフィルタから流出することができるので、フィルタの圧損が低くなる。一方、全ての排気ガスが貫通孔を介してフィルタから流出してしまうわけではないので、残りの排気ガスは隔壁を通った後にフィルタから流出するので、フィルタの微粒子捕集率は比較的高い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報に記載のフィルタでは、栓に設けられた貫通孔に微粒子が詰まりやすい。貫通孔に微粒子が詰まってしまうと、フィルタの圧損が一気に高くなってしまう。そこで、本発明の目的は、微粒子捕集率が高く且つ圧損が常に低く維持されるパティキュレートフィルタを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、1番目の発明では、内燃機関から排出される微粒子を捕集するためのパティキュレートフィルタにおいて、多孔質材料からなる隔壁によって排気ガスを流すための排気流通路が画成されており、該排気流通路の端部の開口が貫通孔を有する酸化触媒によって塞がれており、該酸化触媒が微粒子を酸化除去することができる。これによれば、酸化触媒周囲に捕集された微粒子は酸化触媒によって酸化除去される。
【0008】
2番目の発明では、1番目の発明のパティキュレートフィルタを具備する排気浄化装置において、パティキュレートフィルタに起因する排気ガスの圧力損失が予め定められた値よりも大きくなったときに、パティキュレートフィルタの温度を上昇させる昇温処理を実行するようにした。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明を説明する。図1は、本発明のパティキュレートフィルタを備えた排気浄化装置が取り付けられている内燃機関を示している。図1において、1は機関本体、2は吸気管、3は排気管を示している。パティキュレートフィルタ(以下、単にフィルタと称す)4は排気管3内に配置される。なお、以下の説明では、圧縮着火式の内燃機関について説明するが、本発明は、火花点火式の内燃機関にも適用可能である。
【0010】
図2は第1実施形態のフィルタ4を示しており、図2(A)はフィルタ4の端面図であり、図2(B)はフィルタ4の縦断面図である。図2を参照すると、フィルタ4はハニカム構造をなす隔壁5によって構成される。隔壁5は、例えば、コージェライトのような多孔質材料から形成される。隔壁5によって複数の排気流通路6,7が画成される。
【0011】
これら排気流通路6,7のうちの半数の排気流通路6においては、その下流端の開口8が貫通孔10を有する環状の酸化触媒9によって部分的に塞がれている。以下、これら排気流通路6を排気ガス流入通路と称す。一方、残りの半数の排気流通路7においては、その上流端の開口11が栓12によって完全に塞がれている。以下、これら排気流通路7を排気ガス流出通路と称す。第1実施形態のフィルタ4では、排気ガス流入通路6と排気ガス流出通路7とは交互に配置されている。
【0012】
排気ガスは、上流端の開口11から排気ガス流入通路6内に流入する。ここで排気ガス流入通路6内の圧力は排気ガス流出通路7内の圧力よりも高い。したがって、排気ガス流入通路6内の排気ガスの一部は、図2(B)において矢印で示したように、隔壁5の細孔を通って排気ガス流出通路7へと流れ込む。また、排気ガス流入通路6内の残りの排気ガスは、酸化触媒9の貫通孔10を介してフィルタ4から流出する。
【0013】
本実施形態では、排気ガス流入通路6の下流端の開口8は完全には塞がれておらず、そこには貫通孔10が存在するので、フィルタ4に起因する排気ガスの圧力損失(以下、単にフィルタの圧損と称す)は小さい。しかも、排気ガス流入通路6の下流端の開口8は完全には開放されてはおらず、排気ガス流入通路6内と排気ガス流出通路7内の間には圧力差があることから多くの排気ガスは隔壁5を通ることとなる。このためフィルタ4の微粒子捕集率は高い。なお、フィルタ4の圧損値および微粒子捕集率は、酸化触媒9の厚み(隔壁5の壁面から貫通孔10を画成する酸化触媒9の壁面までの長さ)を変えること、すなわち、貫通孔10の径を変えることによって調整可能である。云い換えれば、酸化触媒9の厚みは、所望とする圧損値および微粒子捕集率に応じて変わる。
【0014】
ところで、排気ガス中の微粒子は、排気ガスがフィルタ4内を通過するときに、隔壁5の壁面上、および、隔壁5の細孔内に捕集される。したがって、酸化触媒9周りに微粒子が堆積することとなる。ここで酸化触媒9周りに堆積している微粒子の量が多くなると、貫通孔10が微粒子によって詰まってしまい、フィルタ4の圧損が大きくなってしまう。
【0015】
しかしながら、本実施形態では、酸化触媒9には微粒子を酸化除去する能力があるので、酸化触媒9周りに微粒子が堆積したとしても、これら微粒子は酸化触媒9によって酸化除去されてしまうので、貫通孔10が微粒子によって詰まることはない。したがって、貫通孔10を比較的小さい孔として形成したとしても、貫通孔10が微粒子によって詰まることはなく、フィルタ4の圧損は常に低いレベルに維持される。
【0016】
なお、本実施形態では、図1に示したように、フィルタ4の圧損値を算出するためにフィルタ4の上流側と下流側とに圧力センサ13,14が配置されている。これら圧力センサ13,14によってフィルタ4の圧損値が許容値よりも大きくなったことが検出されたときには、内燃機関の運転を制御して排出される排気ガスの温度を上昇させ、斯くして、フィルタ4の温度を上昇させる昇温処理を実行し、フィルタ4内に捕集されている微粒子を燃焼除去する。
【0017】
本実施形態では、内燃機関から排出される排気ガスの温度を上昇させるためには、例えば、1回の機関サイクルにおいて内燃機関の駆動用に燃料が噴射された後にそれとは別個に膨張行程において排気ガス温度の上昇用に少量の燃料を噴射する方法や、1回の機関サイクルにおいて内燃機関の駆動用に燃料を噴射するタイミングを通常の噴射タイミングよりも遅らせる方法などが採用される。
【0018】
図3に第2実施形態のフィルタ4を示した。本実施形態では、排気ガス流入通路6においては、その下流端の開口8が栓12によって完全に塞がれている。一方、排気ガス流出通路7においては、その上流端の開口11が貫通孔10を有する環状の酸化触媒9によって部分的に塞がれている。
【0019】
本実施形態によれば、フィルタ4に到来する排気ガスの一部は貫通孔10を介して排気ガス流出通路7に流入することができる。したがって、フィルタ4の圧損は低い。一方、残りの排気ガスは、排気ガス流入通路6の上流端の開口11に流入し、隔壁5を通って排気ガス流出通路7に流れ込む。このように排気ガス流入通路6に流入した排気ガスが、必ず隔壁5を通るので、フィルタ4の微粒子捕集率は高い。
【0020】
ところで、酸化触媒9周りには微粒子が堆積しやすく、このように堆積した微粒子によって貫通孔10が詰まってしまうと、フィルタ4の圧損が高くなってしまう。しかしながら、本実施形態では、酸化触媒9周りに堆積した微粒子は、酸化触媒9によって酸化除去されてしまうので、フィルタ4の圧損が常に低いレベルに維持される。
【0021】
図4に第3実施形態のフィルタ4を示した。本実施形態では、排気ガス流入通路6の下流端の開口8が貫通孔10を有する環状の酸化触媒9によって部分的に塞がれ、排気ガス流出通路7の上流端の開口11も貫通孔10を有する酸化触媒9によって部分的に塞がれている。このフィルタ4においても、第1実施形態に関連して説明した理由から、圧損が低く且つ微粒子捕集率が高く、さらに、圧損が常に低いレベルに維持される。
【0022】
なお、図示していないが、排気ガス流入通路6の下流端の開口8が貫通孔10を有する環状の酸化触媒9によって部分的に塞がれているが、排気ガス流出通路7の上流端の開口11が全く塞がれておらずに完全に開放されている構成、或いは、逆に、排気ガス流入通路6の下流端の開口8が全く塞がれておらずに完全に開放されているが、排気ガス流出通路7の上流端の開口11が貫通孔10を有する酸化触媒9によって部分的に塞がれている構成も本発明の範囲内にある。
【0023】
図5に第4実施形態のフィルタ4を示した。本実施形態では、排気ガス流入通路6の下流端の開口8が貫通孔10を有する環状の酸化触媒9によって部分的に塞がれている。一方、排気ガス流出通路7の上流端の開口11はテーパ壁15によって完全に塞がれている。テーパ壁15は隔壁5を曲げ加工によって変形することによって形成される。すなわち、排気ガス流出通路7の上流端の開口11近傍を画成する隔壁5を互いに近づくように寄せ集め、隔壁5の上流端同士を互いに接続することによって、テーパ壁15が形成される。
【0024】
このように排気ガス流出通路7の上流端の開口11をテーパ壁15によって塞ぐと、結果的には、排気ガス流入通路6の上流端の開口11の流路面積が大きくなるだけでなく、この上流端の開口11は傾斜したテーパ壁15の壁面によって画成されているので、排気ガス流入通路6はその上流端の開口11近傍において徐々にその流路面積が小さくなる。上流端の開口11がこのような形状となっていると、排気ガスが排気ガス流入通路6にスムーズに流入するので、フィルタ4の圧損は低くなる。
【0025】
もちろん、上述した実施形態に関連して説明した理由から、本実施形態においても、フィルタ4の圧損は低く且つ微粒子捕集率が高く、さらに、フィルタ4の圧損は常に低いレベルに維持される。
【0026】
なお、上述した実施形態のフィルタ4では、隔壁5の両壁面上、および、隔壁5の細孔を画成する壁面上に全面に亘って、例えば、アルミナからなる担体層が形成され、この担体層上に、貴金属触媒と、活性酸素生成剤とが担持されている。
【0027】
貴金属触媒としては、白金Ptが用いられる。一方、活性酸素生成剤としては、カリウムK、ナトリウムNa、リチウムLi、セシウムCs、ルビジウムRbのようなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCa、ストロンチウムSrのようなアルカリ土類金属、ランタンLa、イットリウムY、セリウムCeのような希土類、鉄Feのような遷移金属、およびスズSnのような炭素族元素から選ばれた少なくとも一つが用いられる。
【0028】
活性酸素生成剤は、周囲に過剰な酸素が存在すると酸素を吸収によって保持し且つ周囲の酸素濃度が低下すると保持している酸素を活性酸素の形で解放することによって活性酸素を生成する。次に、活性酸素生成剤の活性酸素生成作用について、担体上に白金PtおよびカリウムKを担持させた場合を例にとって説明するが、他の貴金属、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類、遷移金属を用いても同様な活性酸素生成作用が行われる。
【0029】
吸気通路2および内燃機関の燃焼室内に供給された空気と燃料との比を排気ガスの空燃比と称すると、圧縮着火式内燃機関から排出される排気ガスの空燃比はリーンである。したがって、フィルタ4に流入する排気ガスは多量の過剰空気を含んでいる。また、圧縮着火式内燃機関の燃焼室内ではNOが発生する。したがって、排気ガス中にはNOが含まれている。このため過剰酸素、および、NOを含んだ排気ガスがフィルタ4の排気ガス流入通路6内に流入することになる。
【0030】
図6(A)および(B)は、隔壁5上に形成された担体層の表面の拡大図を模式的に表わしている。なお、図6(A)および(B)において、60は白金Ptの粒子を示し、61はカリウムKを含んでいる活性酸素生成剤を示している。
【0031】
排気ガスがフィルタ4の排気ガス流入通路6内に流入すると、図6(A)に示したように、排気ガス中の酸素O2がO2 -またはO2-の形で白金Ptの表面に付着する。排気ガス中のNOはこれらO2 -またはO2-と反応し、NO2となる。斯くして生成されたNO2の一部は、白金Pt上で酸化されつつ活性酸素生成剤61内に吸収によって保持され、図6(A)に示したように、カリウムKと結合しながら硝酸イオンNO3 -の形で活性酸素生成剤61内に拡散し、硝酸カリウムKNO3を生成する。すなわち、排気ガス中の酸素が硝酸カリウムKNO3の形で活性酸素生成剤61内に吸収によって保持される。
【0032】
ここで、燃焼室内においては主にカーボンCからなる微粒子が生成される。したがって、排気ガス中にはこれら微粒子が含まれている。排気ガス中に含まれているこれら微粒子は排気ガスが排気ガス流入通路6内を流れているとき、或いは、隔壁5の細孔内を通過するときに、図6(B)において62で示したように、活性酸素生成剤61の表面上に接触して付着する。
【0033】
このように微粒子62が活性酸素生成剤61の表面上に付着すると、微粒子62と活性酸素生成剤61との接触面では酸素濃度が低下する。すなわち、活性酸素生成剤61の周囲の酸素濃度が低下する。酸素濃度が低下すると酸素濃度の高い活性酸素生成剤61内との間で濃度差が生じ、斯くして、活性酸素生成剤61内の酸素が微粒子62と活性酸素生成剤61との接触面に向けて移動しようとする。その結果、活性酸素生成剤61内に形成されている硝酸カリウムKNO3がカリウムKと酸素OとNOとに分解され、酸素Oが微粒子62と活性酸素生成剤61との接触面に向かい、その一方で、NOが活性酸素生成剤61から外部に放出される。
【0034】
ここで、微粒子62と活性酸素生成剤61との接触面に向かう酸素は、硝酸カリウムKNO3といった化合物から分解された酸素であるので、不対電子を有し、したがって、極めて高い反応性を有する活性酸素となっている。こうして活性酸素生成剤61は活性酸素を生成する。なお、外部に放出されたNOは下流側の白金Pt上において酸化され、再び活性酸素生成剤61内に保持される。
【0035】
活性酸素生成剤61によって生成される活性酸素はそこに付着した微粒子を酸化除去するために消費される。すなわち、フィルタ4に捕集された微粒子は活性酸素生成剤61によって生成される活性酸素によって酸化除去される。
【0036】
このように本発明では、フィルタ4に捕集されている微粒子は、反応性の高い活性酸素によって、輝炎を発することなく酸化除去される。このように輝炎を発することのない酸化によって微粒子を除去すれば、フィルタ4の温度が過剰に高くなることがなく、したがって、フィルタ4が熱劣化することがない。
【0037】
さらに、微粒子を酸化除去するために利用される活性酸素は反応性が高いので、フィルタ4の温度が比較的低くても、微粒子は酸化除去される。すなわち、圧縮点火式内燃機関から排出される排気ガスの温度が比較的低く、このため、フィルタ4の温度も比較的低いことが多いが、本発明によれば、フィルタ4の温度を上昇させるための特別な処理を実行しなくても、フィルタ4に捕集された微粒子は酸化除去され続ける。
【0038】
なお、活性酸素生成剤61は周囲に過剰な酸素が存在するとNOXを硝酸イオンの形で保持することによって結果的に酸素を保持する。すなわち、活性酸素生成剤61は周囲に過剰な酸素が存在するとNOXを吸収によって保持する。一方、活性酸素生成剤61は周囲の酸素濃度が低下すると硝酸イオンの形で保持されているNOXを解放することによって活性酸素を生成する。すなわち、活性酸素生成剤61は周囲の酸素濃度が低下するとNOXを解放する。したがって、本発明の活性酸素生成剤61はNOX保持剤としても機能する。
【0039】
ここで、活性酸素生成剤61周りの酸素濃度が低下する場合とは、上述したように、周囲の雰囲気はリーン雰囲気であるが活性酸素生成剤61に微粒子が付着した場合の他に、フィルタ4に流入する排気ガスの空燃比がリッチとなって周囲の雰囲気がリッチ雰囲気となった場合がある。
【0040】
周囲の雰囲気はリッチ雰囲気であるが活性酸素生成剤61に微粒子が付着することで活性酸素生成剤61周りの酸素濃度が低下した場合に解放されたNOXは、上述したように、再び活性酸素生成剤61に吸収によって保持される。一方、フィルタ4に流入する排気ガスの空燃比がリッチとなって周囲の雰囲気がリッチ雰囲気となった場合に解放されたNOXは、白金Ptの作用によって排気ガス中の炭化水素で還元浄化される。云い方を換えれば、内燃機関からリッチ空燃比の排気ガスが排出されるように内燃機関の運転を制御すれば、活性酸素生成剤61に保持されているNOXを還元浄化することができる。したがって、本発明のフィルタ4は、活性酸素生成剤61と白金PtとからなるNOX触媒を具備するとも言える。
【0041】
なお、上述した貴金属触媒と活性酸素生成剤とによって酸化触媒が構成されるので、排気ガス流入通路6または排気ガス流出通路7を部分的に塞ぐための酸化触媒9として、貴金属触媒と活性酸素生成剤とから構成される酸化触媒を利用してもよい。この場合、排気ガス流入通路6または排気ガス流出通路7の開口を画成する領域の隔壁5へのこれら貴金属触媒と活性酸素生成剤との担持量を他の領域の隔壁5への担持量よりも多くすることによって、これら開口を部分的に塞ぐための酸化触媒9を形成することが好ましい。
【0042】
【発明の効果】
本発明では、排気流通路の端部の開口を塞いでいる酸化触媒に貫通孔が存在するので、パティキュレートフィルタに到来した排気ガスの一部は、この貫通孔を通過することができ、したがって、本発明のパティキュレートフィルタに起因する排気ガスの圧力損失は低い。また、排気流通路の端部の開口が少なくとも部分的には酸化触媒によって塞がれているので、排気ガスの一部が多孔質材料からなる隔壁を通過することとなり、したがって、本発明のパティキュレートフィルタの微粒子捕集率は高い。さらに、酸化触媒周囲に堆積した微粒子は酸化触媒によって酸化除去されるので、酸化触媒の貫通孔が微粒子によって詰まることはなく、したがって、本発明のパティキュレートフィルタに起因する排気ガスの圧力損失は、常に低いレベルに維持される。斯くして、本発明によれば、微粒子捕集率が高く且つ圧損が低いパティキュレートフィルタが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパティキュレートフィルタを備えた排気浄化装置が取り付けられた内燃機関を示す図である。
【図2】第1実施形態のパティキュレートフィルタを示す図である。
【図3】第2実施形態のパティキュレートフィルタを示す図である。
【図4】第3実施形態のパティキュレートフィルタを示す図である。
【図5】第4実施形態のパティキュレートフィルタを示す図である。
【図6】本発明のパティキュレートフィルタにおける活性酸素生成作用を説明するための図である。
【符号の説明】
1…機関本体
2…吸気通路
3…排気通路
4…パティキュレートフィルタ
5…隔壁
6、7…排気流通路
9…酸化触媒
10…貫通孔
12…栓

Claims (2)

  1. 内燃機関から排出される微粒子を捕集するためのパティキュレートフィルタにおいて、多孔質材料からなる隔壁によって排気ガスを流すための排気流通路が画成されており、該排気流通路の端部の開口が貫通孔を有する酸化触媒によって塞がれており、該酸化触媒が微粒子を酸化除去することができることを特徴とするパティキュレートフィルタ。
  2. 請求項1に記載のパティキュレートフィルタを具備する排気浄化装置において、パティキュレートフィルタに起因する排気ガスの圧力損失が予め定められた値よりも大きくなったときに、パティキュレートフィルタの温度を上昇させる昇温処理を実行するようにしたことを特徴とする排気浄化装置。
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