JP2007132223A - 点火タイミング制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱電離イオン電流ピーク値の発生時期の検出精度を向上すること。
【解決手段】内燃機関の運転状態に基づいて、点火タイミング直後の初期火炎による燃焼イオン電流ピーク値の発生時期よりも遅れて、イオン電流ピーク値の検出を開始するように、点火タイミングからイオン電流ピーク値の検出を開始するまでのマスク時間Tmskを設定する。従って、このマスク時間Tmsk経過後に、単に、イオン電流値の中で最大となるイオン電流値を検出するだけで、結果的に、精度良く熱電離イオン電流ピーク値を特定でき、その発生時期の検出精度を向上できる。
【選択図】図4

Description

本発明は、イオン電流の発生時期に基づいて、内燃機関の点火タイミングを制御する点火タイミング制御装置に関する。
従来より、内燃機関において混合気が燃焼する際には高濃度のイオンが発生することに着目し、点火に伴う燃焼毎に点火プラグの対向電極間に流れるイオン電流を検出し、このイオン電流に基づき内燃機関の燃焼状態や点火時期が適正か否かなどを随時判定することが提案されている。
例えば、特許文献1に開示されたシステムにおいては、点火時期をMBT(Minimum Advance for Best Torque)に適合するために、イオン電流を利用している。正常な燃焼にあっては、イオン電流が最大値を示す点火からの経過時間が、燃焼圧が最大となる経過時間と略一致するとともに、点火時期がMBTに適合しているとき、燃焼圧が最大となる時期が所定のクランク角度(例えば圧縮上死点(TDC)から15°CA遅角した角度)に対応することが知られている。そのため、特許文献1のシステムでは、点火直後からイオン電流値が最大となる時間を計測するとともに、その計測時間と所定のクランク角度との時間差を演算する。この時間差から、点火時期に対するMBTが、クランク角に換算して何度進角又は遅角しているかを検出することができ、この検出結果から、点火時期がMBTに適合するように点火時期を制御する。
特開平6−34490号公報
ここで、イオン電流には、点火プラグによる点火直後に発生する初期火炎に起因して発生するイオンによるピーク値(以後、燃焼イオン電流ピーク値)と、シリンダ内の既燃ガスの圧力上昇に伴って分子が高温となり熱電離することに起因して発生するイオンによるピーク値(以後、熱電離イオン電流ピーク値)とが含まれる場合がある。そして、2つのピーク値の内、熱電離イオン電流ピーク値がシリンダ内の燃焼圧と強い相関を有し、その発生時期は、シリンダ内の燃焼圧が最大圧となる時期と略一致する。
従って、上述した特許文献1に記載のシステムのように、点火直後からイオン電流値が最大となる時間を計測すると、燃焼イオン電流ピーク値の方が、熱電離イオン電流ピーク値よりも大きい場合、熱電離イオン電流ピーク値が発生する時期を正確に計測できない可能性がある。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたもので、熱電離イオン電流ピーク値の発生時期の検出精度を向上することが可能な点火タイミング制御装置を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、請求項1に記載の点火タイミング制御装置は、
内燃機関の燃焼室に設けられた点火プラグと、
点火プラグに接続された点火コイルと、
燃料の燃焼時に、点火プラグの対向電極間を通じて流れるイオン電流を検出するイオン電流検出手段と、
イオン電流検出手段によって検出されたイオン電流をA/D変換するA/D変換手段と、
A/D変換手段によってA/D変換されたイオン電流値の中で、ピーク値となるイオン電流値を検出するピーク値検出手段と、
ピーク値検出手段によって検出されるイオン電流値のピーク値の発生時期であるピーク位置を検出するピーク位置検出手段と、
ピーク位置検出手段によって検出されたピーク位置に基づいて、点火タイミングを制御する点火タイミング制御手段と、
内燃機関の運転状態に基づいて、点火タイミング直後の初期火炎によるイオン電流ピーク値の発生時期よりも遅れて、ピーク値検出手段がピーク値となるイオン電流値の検出を開始するように、点火タイミングからピーク値検出手段がピーク値となるイオン電流値の検出を開始するまでのマスク時間を設定するマスク時間設定手段とを備え、
ピーク値検出手段は、マスク時間設定手段が設定したマスク時間が経過した後に得られるイオン電流値の中で、ピーク値となるイオン電流値を検出することを特徴とする。
上述した構成により、請求項1に記載の点火タイミング制御装置では、内燃機関の運転状態に応じて、点火タイミングを基準とするマスク時間が設定され、このマスク時間中は、ピーク値となるイオン電流値の検出が実行されることがない。このマスク時間は、燃焼イオン電流ピーク値を含むように設定されるので、ピーク値検出手段は、単に、マスク時間経過後に、A/D変換手段から出力されるイオン電流値の中で最大となるイオン電流値を検出すれば、結果的に、精度良く熱電離イオン電流ピーク値を検出することができ、その発生時期の検出精度を向上できる。
なお、請求項2に記載したように、A/D変換手段が、内燃機関の単位クランク角度当たりのA/D変換回数を一定とするように、内燃機関の回転速度に応じて、イオン電流をA/D変換するA/D変換サンプリング周期を変更するものである場合、ピーク位置検出手段は、点火タイミングからイオン電流値がピーク値となるまでのA/D変換回数から、ピーク位置を検出することができる。また、請求項3に記載したように、A/D変換手段が、一定のA/D変換サンプリング周期に従って、イオン電流をA/D変換するものである場合、ピーク位置検出手段は、点火タイミングからイオン電流値がピーク値となるまでのA/D変換回数、及び内燃機関の回転速度に基づいて、ピーク位置を検出することができる。
請求項4に記載したように、ピーク値検出手段によって検出されたピーク値となるイオン電流値に基づいて、当該イオン電流値が異常か否かを判定する異常判定手段を備え、
点火タイミング制御手段は、ピーク値となるイオン電流値が異常判定手段により正常と判定されたときのみ、そのイオン電流値の発生時期であるピーク位置に基づいて、点火タイミングを制御することが好ましい。
イオン電流には、残留磁気ノイズやスパイクノイズ(異常帯電ノイズ)が重畳する場合がある。なお、残留磁気ノイズは、点火プラグの火花放電終了直後において点火コイルの二次側の浮遊容量に残った電荷がLC共振により振動減衰する過程で発生する。また、スパイクノイズは、点火プラグの碍子部に帯電した電荷がグランド側に放電する過程で発生する。特に、スパイクノイズは、その発生のタイミングが必ずしも一定でないため、イオンの発生途中に発生するだけでなく燃焼イオン消滅後にも発生する。このようなノイズがイオン電流に重畳した場合、そのノイズによるピーク値を熱電離イオン電流ピーク値として検出してしまう可能性が生じる。
このような問題に対して、請求項4に記載の構成を採用することにより、ノイズによるピーク値を検出した場合には、ピーク値そのものが大きく変動するため、イオン電流値異常と判定されることになる。その結果、ピーク値の誤った発生時期に基づいて点火タイミングを制御することを防止できる。
請求項5に記載したように、異常判定手段は、過去のピーク値を記憶するピーク値記憶手段を備え、当該過去のピーク値に対する差異に基づいて、イオン電流値が異常か否かを判定することが好ましい。内燃機関の運転状態に応じて、熱電離イオン電流値のピーク値のレベルも変化する。このため、例えば現時点から遡って、所定個数のピーク値の分布を求め、その分布において±3σの範囲に属していることや、その所定個数のピーク値の平均との差が所定範囲であること等を条件として、精度良くイオン電流値の異常を判定することができる。
請求項6に記載したように、内燃機関の圧縮上死点を検出する圧縮上死点検出手段を備え、
ピーク値検出手段は、内燃機関が圧縮上死点に達する以前に、マスク時間が経過した場合、内燃機関が圧縮上死点に達したときから、ピーク値となるイオン電流値の検出を開始することが好ましい。
点火から燃焼圧が最大値に達するまでに、着火遅れや火炎伝播による時間遅れがあるため、通常、点火時期は、内燃機関が圧縮上死点に達する前に設定される。従って、内燃機関の運転状態によっては、内燃機関が圧縮上死点に達する以前にマスク時間が経過してしまう場合がある。一方、熱電離イオン電流ピーク値が発生する時期、すなわち、燃焼圧が最大値に達する時期は、圧縮上死点後である。このため、請求項6に記載したように、内燃機関が圧縮上死点に達する以前に、マスク時間が経過した場合、内燃機関が圧縮上死点に達したときから、ピーク値となるイオン電流値の検出を開始することで、ノイズ等によるピーク値を誤って検出する機会を減少することができる。
請求項7に記載したように、マスク時間設定手段が設定したマスク時間の経過後に、イオン電流値が所定の閾値以上となった状態が所定時間継続したか否かを判定する判定手段を設け、
ピーク値検出手段は、判定手段によってイオン電流値が所定の閾値以上となった状態が所定時間継続したと判定されたときに、ピーク値となるイオン電流値の検出を開始するように構成しても良い。この場合、上記の所定時間を、スパイクノイズ等のノイズによってイオン電流が変化する期間より長く設定することで、マスク時間経過後にノイズが発生しても、そのノイズによるピーク値を検出することを防止できる。
請求項8に記載したように、ピーク値検出手段は、所定個数のイオン電流値の移動平均値を算出する移動平均手段を備え、当該移動平均値のピーク値を検出するように構成しても良い。このように、ピーク値検出手段が、所定個数のイオン電流値の移動平均値を算出するように構成すれば、ノイズによるピーク値は瞬間的に生じるだけであるため、移動平均値に対する影響度は小さい。従って移動平均値から、精度良く熱電離イオン電流ピーク値を検出することが可能になる。
なお、このように、移動平均値を用いることにより、実際のピーク位置からの応答遅れは、(A/D変換間隔×所定個数)÷2により簡単に算出できるので、ピーク位置算出のための補正演算を容易に行うことができる。
以下、本発明の実施形態に係わる点火タイミング制御装置に関して、図面に基づいて説明する。本実施形態による点火タイミング制御装置は、内燃機関としての車両用ガソリン噴射エンジンの点火制御に用いられる。
まず、図1に基づいて、点火タイミング制御装置の全体構成について説明する。点火プラグ13は、内燃機関の燃焼室に設けられ、燃焼室内に導入され、圧縮された混合気を燃焼させるために、対向電極間に火花を放電させるものである。点火コイル12は、点火プラグ13の対向電極間に火花を放電させるために必要な高電圧を発生するもので、鉄心、一次コイル、二次コイル等からなる。
駆動回路11は、点火コイル12の一次コイルに接続された点火制御用トランジスタなどのスイッチング素子を有する。このスイッチング素子が、後述するマイコン10によってオン・オフされることにより、点火コイル12の一次コイルへの通電がオン・オフされて2次コイルに高電圧が誘起される。この点火コイル12の二次コイルに誘起された高電圧が点火プラグ13の対向電極間に印加されると、火花の放電が起こる。
イオン電流検出回路14は、例えば特開2005−127242号公報に記載されるように構成することができる。すなわち、点火コイル12の二次コイルの一端を点火プラグ13に接続し、二次コイルの他端を互いに逆向きに直列接続した2つのツェナーダイオードを介して接地する。そして、2次コイル側のツェナーダイオードにコンデンサを並列に接続し、接地側のツェナーダイオードにイオン電流検出抵抗を並列に接続する。このような回路構成により、コンデンサとイオン電流検出抵抗との接続点からイオン電流に相当する信号を取り出すことができる。なお、上述したイオン電流検出回路の構成は単なる一例であって、イオン電流検出回路として知られているその他の回路構成を採用しても良いことは勿論である。
反転回路15は、イオン電流検出回路14から出力されるイオン電流を反転しつつ、増幅するものである。A/D変換回路16は、マイコン10から指示されるA/D変換サンプリング周期に従って、反転回路15から出力される反転イオン電流をアナログ値からデジタル値に変換して出力するものである。
ここで、マイコン10は、内燃機関の運転状態を検出するために、図示しないクランク角検出センサを含む各種のセンサからの検出信号を入力する。そして、マイコン10は、クランク角検出センサの検出信号に基づくクランク角速度に応じたA/D変換サンプリング周期を算出して、A/D変換回路16に出力する。これにより、単位クランク角度当たりのA/D変換回数を一定とすることができるので、単に、A/D変換回数を積算することにより、熱電離イオン電流ピーク値が発生したクランク角を求めることができるようになる。
ただし、A/D変換回路16のA/D変換サンプリング周期を一定とし、A/D変換回数を用いて、圧縮上死点(以後、TDC)から熱電離イオン電流ピーク値の発生までの経過時間を求めるようにしても良い。この場合でも、その経過時間及びクランク角速度に基づいて、熱電離イオン電流ピーク値の発生時のクランク角度を求めることができる。
ピークホールド回路17は、マイコン17から指示される期間内に、A/D変換回路16から、A/D変換サンプリング周期毎に出力されるイオン電流値の中のピーク値を特定して保持するものである。図2にピークホールド回路17の詳細な回路構成図を示す。
マイコン10は、ピークホールド回路17に対して、イオン電流値ピーク値の検出の開始を指示するMBT区間開始信号、及びその検出の終了を指示するMBT区間終了信号を出力する。このMBT区間開始信号は、図2に示すように、最小A/D値ホールド部22のFFset端子に入力される。FFset端子にMBT区間開始信号が入力されると、最小A/D値ホールド部22は、出力端子Doutから最大値を出力する。この最小A/D値ホールド部22の出力は、比較部21の一方の端子であるB端子に入力される。また比較部21の他方の端子であるA端子には、A/D変換結果が入力される。従って、比較部21では、最小A/D値ホールド部22の出力と、新たに入力されるA/D変換結果との大小比較が行われる。
ここで、本実施形態では、反転回路15によってイオン電流が反転されているので、熱電離イオン電流ピーク値は、A/D変換結果の中の最小A/D値に相当する。このため、比較部21では、入力されたA/D変換結果の方が、最小A/D値ホールド部22の出力以下である場合に、イネーブル信号を出力して最小A/D値ホールド部22に与える。最小A/D値ホールド部22は、イネーブル信号をトリガとして、ホールドしている最小A/D値を、入力端子Dinに入力されているA/D変換結果によって更新する。このような処理を、MBT区間の開始から終了まで継続して実施することにより、MBT区間におけるA/D変換結果の最小A/D値を、最小A/D値ホールド部22に保存することができる。
カウンタ23は、A/D変換処理が終了したことを示すA/D変換終了信号がA/D変換回路16から出力される毎に、カウント値を1づつ増加する。このカウンタ23には、TDCが検出されたときにマイコン10からTDC検出信号が与えられる。TDC検出信号に応じて、カウンタ23は、カウント値をクリアする。従って、カウンタ23は、TDCからの、A/D変換回路16によるA/D変換回数をカウントすることになる。
最小A/D位置ホールド部24は、上述した比較部21からイネーブル信号が与えられたときに、カウンタ23から出力されているカウント値をホールドするものである。この最小A/D位置ホールド部24も、TDC検出信号によって保存している値がクリアされる。従って、MBT区間が終了したとき、最小A/D位置ホールド部24には、TDCからA/D変換結果が最小A/D値となるまでの、A/D変換回数が保存されることになる。
上述したように、A/D変換回数は、クランク角度あるいは時間に相当するので、最小A/D値となるまでのA/D変換回数から、熱電離イオン電流ピーク値が発生したクランク角度を求めることができる。
最小A/D値出力部25及び最小A/D位置出力部26は、MBT区間終了信号をイネーブル信号として用いている。従って、MBT区間終了時において、最小A/D値出力部25は、出力値として、最小A/D値ホールド部22が出力している最小A/D値を保存し、最小A/D位置出力部26は、最小A/D位置ホールド部24が出力している最小A/D位置を保存する。これら最小A/D値及び最小A/D位置は、マイコン10に入力される。
次に、マイコン10において実施される点火タイミング制御のための処理について、図3のフローチャート及び図4の波形図を用いて説明する。
まず、ステップS100では、エンジン運転状態を表す各種センサ信号が入力される。この各種センサ信号には、上述したクランク角センサ信号の他、吸気圧センサ信号、スロットルバルブ開度センサ信号、エンジンの冷却水温センサ信号、空燃比(混合比)センサ信号などが含まれる。
ステップS110では、クランク角検出センサの検出信号に基づくクランク角速度に応じたA/D変換サンプリング周期を算出して、A/D変換回路16に出力する。これにより、TDCから最小A/D値となるまでのA/D変換回数より、容易に、熱電離イオン電流ピーク値が発生したクランク角度を求めることができる。
ステップS120では、クランク角センサ信号に基づいてTDCを検出して、TDC検出信号を、ピークホールド回路17に出力する。ピークホールド回路17では、上述したように、このTDC検出信号が入力されることで、カウンタ23が初期化され、それ以後のイオン電流のA/D変換回数がカウントされる。続くステップS130では、内燃機関の運転状態、特に、内燃機関の負荷、回転数、及び混合比の少なくとも1つに基づいて、上述したイオン電流のピーク値の検出を行うMBT区間を決定する。
このMBT区間の決定に際しては、図4に示すように、点火タイミング直後の燃焼イオン電流ピーク値の発生時期よりも遅く、かつ熱電離イオン電流ピーク値の発生時期よりも早くなるように、MBT区間の開始時期を設定する。これにより、点火からMBT区間の開始時期までの時間が、イオン電流ピーク値に対するマスク時間Tmskとなる。その結果、このマスク時間中に発生することが予想される燃焼イオン電流ピーク値や各種のノイズによるピーク値を、熱電離イオン電流ピーク値として誤って検出することを防止できる。
ここで、イオン電流には、残留磁気ノイズやスパイクノイズ(異常帯電ノイズ)が重畳する場合がある。残留磁気ノイズは、図4のイオン電流波形に示すように、点火プラグの火花放電終了直後において点火コイルの二次側の浮遊容量に残った電荷がLC共振により振動減衰する過程で発生する。また、スパイクノイズは、点火プラグの碍子部に帯電した電荷がグランド側に放電する過程で発生する。
また、MBT区間終了時期は、図4に示すように、例えばクランク角相当でTDCからの角度が30°(ATDC30°CA)となるときに出力されるように設定される。一般的に、シリンダの燃焼圧の最大値が、クランク角相当でTDCからの角度が15°(ATDC15°CA)付近となったとき、点火タイミングがMBTに適合された状態となることが知られている。従って、MBT区間終了時期を、例えばATDC30°CAに設定すれば、シリンダ燃焼圧が最大となるときに同期する熱電離イオン電流ピーク値を確実に検出することができる。なお、MBT区間終了時期として、ATDC30°CAは単なる一例であって、少なくともATDC15°CA以降の任意のクランク角度を設定しても良い。
内燃機関の運転状態、特に内燃機関の負荷、回転数、及び混合比の少なくとも1つに基づいて、イオン電流ピーク値の検出を行うMBT区間を決定するのは、それらのパラメータによって、燃焼イオン電流ピークの発生時期が変動するためである。例えば、混合気の燃焼速度は、混合気の圧縮度合に左右される。すなわち、多くの混合気がシリンダ内に導入された場合、燃焼速度は遅くなる。また内燃機関の回転数が早くなれば、シリンダに流入する混合気は少なくなり、燃焼速度は速くなる。このような燃焼速度の相違によって、点火直後の初期火炎による燃焼イオン電流ピーク値の発生時期も変化する。
ステップS140では、ステップS130で決定したMBT区間に従って、MBT区間開始信号及びMBT区間終了信号を出力する。ステップS150では、MBT区間が終了した時に、ピークホールド回路17から出力される最小A/D値及び最小A/D位置を入力する。これにより、マイコン10は、MBT区間内における熱電離イオン電流ピーク値に対応する最小A/D値及び、その発生時期を示す最小A/D位置を得ることができる。
ステップS160では、入力した最小A/D値が異常であるか否かを判定する。この判定処理では、例えば、現時点から遡って所定個数の最小A/D値を記憶するとともに、その最小A/D値の分布を求め、その分布において±3σの範囲に属していることを条件として、入力した最小A/D値が異常か否かを判定する。
上述したように、イオン電流には、残留磁気ノイズやスパイクノイズが重畳する場合がある。特に、スパイクノイズは、その発生のタイミングが必ずしも一定でないため、イオンの発生途中に発生するだけでなく燃焼イオン消滅後にも発生する。このようなノイズがイオン電流に重畳した場合、そのノイズによるピーク値を熱電離イオン電流ピーク値として誤検出してしまう可能性が生じる。
そのため、ステップS160では、熱電離イオン電流ピーク値に対応する、入力した最小A/D値を、過去の所定個数の最小A/D値との差異から異常か否かを判定する。このようにすれば、ノイズによるピーク値に対応する最小A/D値は、過去の最小A/D値から大きく変動するので、最小A/D値異常と判定されることになる。
なお、過去の所定個数の最小A/D値との差異から異常か否かを判定するのは、内燃機関の運転状態に応じて、熱電離イオン電流値のピーク値のレベルも変化するためである。また、入力した最小A/D値と過去の所定個数の最小A/D値との差異を判定する条件として、上述した±3σの範囲に属しているとの条件以外に、その所定個数の最小A/D値の平均との差が所定範囲であることを条件としても良い。
ステップS160において、最小A/D値が正常であると判定された場合、ステップS170に進み、その最小A/D値の発生時期を示す最小A/D位置が所定クランク角度(例えばATDC15°CA)に一致するように、点火信号の出力時期を制御する。一方、ステップS160において、最小A/D値が異常であると判定されると、ステップS180に進み、今回の最小A/D位置によらず、点火信号を出力する。この場合、例えば、前回の点火信号の出力時期に準じて今回の点火信号の出力時期が決定される。
上述した制御タイミング処理を実行することにより、精度良く熱電離イオン電流の発生時期を検出することができるので、点火信号の出力時期をMBTに適合させることが容易になる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
(第1変形例)
例えば、上述した実施形態においては、点火からMBT区間の開始時期までの時間を、イオン電流のピーク値検出に対するマスク時間として設定した。しかしながら、例えば、MBT区間の開始時期が、内燃機関がTDCに達する以前の時期に設定され、マスク時間がTDC前に満了してしまう場合には、図5に示すように、TDC検出時をMBT区間の開始時期としても良い。
点火からシリンダ内の燃焼圧が最大値に達するまでには、着火遅れや火炎伝播による時間遅れがあるため、通常、点火時期は、内燃機関がTDCに達する前に設定される。従って、内燃機関の運転状態によっては、内燃機関がTDCに達する以前に、MBT区間の開始時期となり、マスク時間が満了してしまう場合がある。しかしながら、熱電離イオン電流ピーク値が発生する時期、すなわち、シリンダ内の燃焼圧が最大値に達する時期は、TDC後の例えばATDC15°CA付近である。
このため、上述したように、内燃機関がTDCに達する以前に、マスク時間が満了した場合、TDC検出時をMBT区間の開始時期とすることにより、ノイズ等によるイオン電流のピーク値を誤って検出する機会を減少することができる。
(第2変形例)
また、上述した実施形態では、個々のA/D変換結果を比較部21にて対比することにより、最小A/D値を求めていたが、所定個数のA/D変換結果の移動平均値を算出し、この移動平均値の最小値を求めるようにしても良い。この場合、図6に示すように、比較部21の入力側に、所定個数(例えば8個)のA/D変換結果の移動平均値を算出する移動平均値算出部27を設ける。
この移動平均値算出部27を設けることにより、例えば図7の波形図に示すように、MBT区間においてスパイクノイズによるイオン電流波形の歪みが生じても、ノイズによるピーク値は瞬間的に生じるだけであるため、移動平均値に対する影響度を小さく抑えることができる。
ここで、スパイクノイズ等のノイズ信号は、点火コイル12の二次低圧側の回路構成(具体的には、二次側の浮遊容量とインダクタンス等からなるLC共振回路)を介してイオン電流に重畳するため、ノイズ周波数は、点火コイル12のLC共振周波数になる。よって、ノイズ周期は、点火コイル12のLC共振周期にほぼ一致する。このようなノイズを除去するフィルタとして、上述したような移動平均値を算出する移動平均フィルタを用いることにより、上述したノイズを確実に除去できる。
なお、移動平均フィルタを通したときのゲインGは、以下の数式1によって示される。
Figure 2007132223
従って、点火コイル12のLC共振周波数fと、移動平均個数とA/D変換サンプリング間隔の乗算結果τとにより、減衰率を任意に設定可能となる。
また、このように、移動平均値を用いることにより、実際のピーク位置(最小A/D位置)からの応答遅れは、(A/D変換サンプリング間隔×所定個数)÷2により簡単に算出できるので、ピーク位置(最小A/D位置)算出のための補正演算を容易に行うことができる。
なお、移動平均値算出部27を設ける場合、その移動平均値の算出が終了した時点で、比較部21に比較を行わせる必要があるため、比較部21の出力側にアンド回路28を設け、その一方の入力端に比較部21の出力結果を入力するとともに、他方の入力端に、移動平均値算出部27からの移動平均値の算出終了信号を入力するようにしている。
(第3変形例)
さらに、マスク時間の満了後のMBT区間の開始時期を、図8に示すような手法によって設定するようにしても良い。図8に示す例では、マスク時間の満了後に、イオン電流値を反転したA/D値が、所定の閾値Vth以上となった状態が第2のマスク時間Tmsk2以上継続した時点を、MBT区間の開始時期として設定する。
第2のマスク時間Tmsk2は、スパイクノイズ等のノイズによってイオン電流波形が変化する期間より長くなるように設定される。これにより、図8に示すように、マスク時間Tmsk経過後にノイズが発生しても、そのノイズによるイオン電流ピーク値(最小A/D値)を検出することを防止できる。
また、上述した実施形態では、イオン電流を反転してから、A/D変換を行って、熱電離イオン電流ピーク値に相当する最小A/D値等を検出した。しかしながら、そのような反転処理は任意であり、イオン電流を反転することなく、A/D変換等の処理を行ってもよいことは勿論である。
本発明の実施形態による点火タイミング制御装置の全体構成を示すブロック図である。 図1に示されるピークホールド回路17の詳細な回路構成を示す回路構成図である。 マイコン10において実施される点火タイミング制御処理を示すフローチャートである。 図3のフローチャートによる点火タイミング制御による作用を説明するための波形図である。 第1変形例を説明するための波形図である。 第2変形例の構成を示す回路構成図である。 第2変形例における作用を説明するための波形図である。 第3変形例を説明するための波形図である。
符号の説明
10 マイコン
11 駆動回路
12 点火コイル
13 点火プラグ
14 イオン電流検出回路
15 反転回路
16 A/D変換回路
17 ピークホールド回路

Claims (8)

  1. 内燃機関の燃焼室に設けられた点火プラグと、
    前記点火プラグに接続された点火コイルと、
    燃料の燃焼時に、前記点火プラグの対向電極間を通じて流れるイオン電流を検出するイオン電流検出手段と、
    前記イオン電流検出手段によって検出されたイオン電流をA/D変換するA/D変換手段と、
    前記A/D変換手段によってA/D変換されたイオン電流値の中で、ピーク値となるイオン電流値を検出するピーク値検出手段と、
    前記ピーク値検出手段によって検出されるイオン電流値のピーク値の発生時期であるピーク位置を検出するピーク位置検出手段と、
    前記ピーク位置検出手段によって検出されたピーク位置に基づいて、点火タイミングを制御する点火タイミング制御手段と、
    前記内燃機関の運転状態に基づいて、点火タイミング直後の初期火炎によるイオン電流ピーク値の発生時期よりも遅れて、前記ピーク値検出手段がピーク値となるイオン電流値の検出を開始するように、前記点火タイミングから、前記ピーク値検出手段がピーク値となるイオン電流値の検出を開始するまでのマスク時間を設定するマスク時間設定手段とを備え、
    前記ピーク値検出手段は、前記マスク時間設定手段が設定したマスク時間が経過した後に得られるイオン電流値の中で、ピーク値となるイオン電流値を検出することを特徴とする点火タイミング制御装置。
  2. 前記A/D変換手段は、前記内燃機関の単位クランク角度当たりのA/D変換回数を一定とするように、前記内燃機関の回転速度に応じて、前記イオン電流をA/D変換するA/D変換サンプリング周期を変更するものであって、
    前記ピーク位置検出手段は、前記点火タイミングからイオン電流値がピーク値となるまでのA/D変換回数から、前記ピーク位置を検出することを特徴とする請求項1に記載の点火タイミング制御装置。
  3. 前記A/D変換手段は、一定のA/D変換サンプリング周期に従って、前記イオン電流をA/D変換するものであって、
    前記ピーク位置検出手段は、前記点火タイミングからイオン電流値がピーク値となるまでのA/D変換回数、及び前記内燃機関の回転速度に基づいて、前記ピーク位置を検出することを特徴とする請求項1に記載の点火タイミング制御装置。
  4. 前記ピーク値検出手段によって検出されたピーク値となるイオン電流値に基づいて、当該イオン電流値が異常か否かを判定する異常判定手段を備え、
    前記点火タイミング制御手段は、ピーク値となるイオン電流値が前記異常判定手段により正常と判定された時のみ、そのイオン電流値の発生時期であるピーク位置に基づいて、点火タイミングを制御することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の点火タイミング制御装置。
  5. 前記異常判定手段は、過去のピーク値を記憶するピーク値記憶手段を備え、当該過去のピーク値に対する差異に基づいて、前記イオン電流値が異常か否かを判定することを特徴とする請求項4に記載の点火タイミング制御装置。
  6. 前記内燃機関の圧縮上死点を検出する圧縮上死点検出手段を備え、
    前記ピーク値検出手段は、前記内燃機関が圧縮上死点に達する以前に、前記マスク時間が経過した場合、前記内燃機関が圧縮上死点に達したときから、ピーク値となるイオン電流値の検出を開始することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の点火タイミング制御装置。
  7. 前記マスク時間設定手段が設定したマスク時間の経過後に、前記イオン電流値が所定の閾値以上となった状態が所定時間継続したか否かを判定する判定手段を設け、
    前記ピーク値検出手段は、前記判定手段によって前記イオン電流値が所定の閾値以上となった状態が所定時間継続したと判定されたときに、ピーク値となるイオン電流値の検出を開始することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の点火タイミング制御装置。
  8. 前記ピーク値検出手段は、所定個数のイオン電流値の移動平均値を算出する移動平均手段を備え、当該移動平均値のピーク値を検出することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の点火タイミング制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114738133A (zh) * 2022-05-11 2022-07-12 潍柴动力股份有限公司 同步相位的故障确定方法、故障确定装置、处理器与车辆

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