JP2007131821A - 改質ポリオレフィン系樹脂および該樹脂の組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 表面塗装されたポリオレフィン系樹脂を主成分とする成形品をそのまま粉砕して使用する際に、本発明の改質ポリオレフィン系樹脂を混ぜ合わせ溶融混練することにより、成型品を構成するポリオレフィン系樹脂と塗膜成分との親和性を高め、材料物性の低下を抑制することができる。
【解決手段】 本発明は、表面に塗装された、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする成型品に混ぜ合わせ、繰り返し加熱溶融成形を可能にする、(a)ポリオレフィン系樹脂、(b)1分子あたり少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する基を分子末端に有するビニル系重合体(I)および(c)ラジカル開始剤を溶融混練して得られることを特徴とする改質ポリオレフィン系樹脂である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、表面に塗装されたポリオレフィン系樹脂成形品に混ぜ合わせ、繰り返し加熱溶融成形を可能にする、ポリオレフィン系樹脂、1分子あたり少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する基を分子末端に有するビニル系重合体、およびラジカル重合開始剤とを溶融混練することにより得られる改質ポリオレフィン系樹脂および該樹脂の組成物に関する。
ポリオレフィン系樹脂、例えばポリプロピレン系樹脂は、その成形性、剛性、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性などが優れたものであり、また、安価であることから、フィルム、繊維、そのほか様々な形状の成形品などの広い範囲で汎用的に使用されている。
これらポリオレフィン系樹脂の成形品の多くは、表面を保護したり、意匠性を付与する目的で塗料やインキ等で表面塗装処理されている。しかし、表面に塗装処理されたポリオレフィン系樹脂の成形品をリサイクルする際には、その表面塗装された塗膜の処理が課題となっている。表面塗装に使用する塗料はアクリル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などの極性素材であり、極性基を有していないポリオレフィン系樹脂とは親和性がない為、成形品をそのまま粉砕し・溶融混練後に再成形した場合には塗料成分が異物となり物性低下を引き起こす。
これまでに塗装処理された熱可塑性樹脂成型品の再使用に関して、多くの特許出願がなされている。
その中で例えば成形品を粉砕して使用する方法としては、熱硬化性塗料で塗装された熱可塑性樹脂の粉砕物と熱可塑性樹脂との混合物を混練して押し出し、得られた混練生成物をそのまま成形材料として使用出来、同種の新材に適当量配合して使用することも可能であることを示している(例えば特許文献1参照)。この方法は経済的には有利である。しかし、この方法では所定値以上の剪断力を加えつつ溶融混練するので、塗膜片が混入しても材料物性の低下を招くことは無いとされているが、成型品を構成する熱可塑性樹脂に親和性のない塗膜成分を混入させることは、実際のところ材料物性はやはり低下する。
特開2000−281846
本発明は、表面に塗装されたポリオレフィン系樹脂成型品を経済的且つ物性低下を抑制してリサイクルする為に、用いられる改質ポリオレフィン系樹脂および該樹脂の組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述の現状に鑑み、鋭意検討した結果、極性素材の塗膜成分とポリオレフィン系樹脂との親和性を高める改質ポリオレフィン系樹脂および該樹脂の組成物を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、表面に塗装された、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする成型品の微細化品に配合する改質ポリオレフィン系樹脂であって、該樹脂が(a)ポリオレフィン系樹脂、(b)1分子あたり少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する基を分子末端に有するビニル系重合体(I)および(c)ラジカル開始剤を溶融混練して得られることを特徴とする改質ポリオレフィン系樹脂(請求項1)。
(a)ポリオレフィン系樹脂がポリプロピレン系樹脂である、請求項1に記載の改質ポリオレフィン系樹脂(請求項2)。
重合体(I)が、一般式1
−C(R)(R)C(R)=CH (1)
(式中、R、R、Rは水素、または、炭素数1〜20の有機基を表す。)
で表される炭素−炭素二重結合を有する基を1分子あたり少なくとも1個、分子末端に有するビニル系重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載の改質ポリオレフィン系樹脂(請求項3)。
が水素、または、メチル基であることを特徴とする請求項3記載の改質ポリオレフィン系樹脂(請求項4)。
重合体(I)が、一般式2
−OC(O)C(R)=CH (2)
(式中、Rは水素、または、炭素数1〜20の有機基を表す。)
で表される炭素−炭素二重結合を有する基を1分子あたり少なくとも1個、分子末端に有するビニル系重合体であることを特徴とする、請求項1または2に記載の改質ポリオレフィン系樹脂(請求項5)。
が水素、または、メチル基であることを特徴とする請求項5記載の改質ポリオレフィン系樹脂(請求項6)。
重合体(I)の主鎖が、ビニル系モノマーのリビングラジカル重合により製造されるものである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の改質ポリオレフィン系樹脂(請求項7)。
リビングラジカル重合が原子移動ラジカル重合であることを特徴とする、請求項7に記載の改質ポリオレフィン系樹脂(請求項8)。
原子移動ラジカル重合の触媒である遷移金属錯体が銅の錯体であることを特徴とする、請求項8に記載の改質ポリオレフィン系樹脂(請求項9)。
重合体(I)の主鎖が、連鎖移動剤を用いたビニル系モノマーの重合により製造されるものである請求項1〜6のいずれか一項に記載の改質ポリオレフィン系樹脂(請求項10)。
重合体(I)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量と数平均分子量の比の値が1.8未満のものである請求項1〜10のいずれか一項に記載の改質ポリオレフィン系樹脂(請求項11)。
重合体(I)が、一般式3
−C(X)=CH (3)
(式中、Xは−COOR、CONR、−OR、−OCOR、−OCOOR、−NCOOR、ハロゲン原子、−CN、または置換基を有してもよいフェニル基もしくはアリール基)で表される基を1分子あたり少なくとも1個、分子末端に有するビニル系重合体であることを特徴とする、請求項1または2に記載の改質ポリオレフィン系樹脂(請求項12)。
重合体(I)が、(メタ)アクリル系重合体であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の改質ポリオレフィン系樹脂(請求項13)。
重合体(I)が、アクリル酸エステル系重合体であることを特徴とする請求項13に記載の改質ポリオレフィン系樹脂(請求項14)。
表面に塗装された、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする成型品の微細化品と、請求項1〜14いずれか記載の改質ポリオレフィン系樹脂の組成物(請求項15)。
表面塗装されたポリオレフィン系樹脂を主成分とする成形品をそのまま粉砕して使用する際に、本発明の改質ポリオレフィン系樹脂を混ぜ合わせ溶融混練することにより、成型品を構成するポリオレフィン系樹脂と塗膜成分との親和性を高め、材料物性の低下を抑制することができる。
本発明の改質ポリオレフィン系樹脂は、簡便な方法にてポリオレフィン系樹脂に極性を有する重合体がグラフトした組成物である。その為、この改質ポリオレフィン系樹脂を添加することで、成形品を構成するポリオレフィン系樹脂と塗膜成分との両者を相溶化させることができ、材料物性の低下を抑制することができる。
以下に本発明の詳細について述べる。
<<表面に塗装される塗料について>>
塗装に使われる塗料としては、一般的に使用される塗料で極性素材が含まれるものであれば特に限定されない。
具体的な塗料用樹脂素材としては、シリコン変性ポリイミド樹脂、スチレン化アルキド樹脂、アクリル樹脂、酢ビ/アクリル樹脂、天然樹脂変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アルコール可溶性フェノール樹脂、ナイロン樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、高塩素化ポリプロピレン、高塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、アクリル変性塩素化PP、ロジンエステル、ロジン変性フェノール、塩ビ/ビニルイソブチルエーテル、ポリビニルブチラール、酢ビ/ビニルアルコール、塩ビ/酢ビ、ポリアミド樹脂、スチレン変性アクリル樹脂、アクリル樹脂(MMA/EA)、アクリル樹脂(MMA)、アクリル樹脂(EMA)、アクリル樹脂(BMA)、スチレンアクリル樹脂Em、アクリル樹脂Em、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂Em、高分子エポキシ樹脂、アクリル変性PP、フッソ樹脂、ウレタン化アルキド樹脂、ニトロセルロース、酢酸セルロース、フッソ樹脂Em、塩化ビニル樹脂、酢ビアクリル樹脂、フタル酸アルキド、ウレタン化エポキシ樹脂、シリコン樹脂Em、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、アルキド樹脂、ブタジエン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩化ゴム樹脂、塩化ゴム、スチレンブタジエンラテックス、酢酸ビニル樹脂Em、スチレン樹脂Em、スチレンブタジエン樹脂Em、ブタジエンニトリル樹脂Em、水溶性アルキド樹脂、水溶性フェノール樹脂、水溶性アミノ樹脂、水溶性アクリル樹脂およびこれらの変性タイプの樹脂などを挙げることができる。
ここで略号Emは「エマルジョン、或いはエマルション」を表す。これらの塗料用樹脂は単独あるいは2種以上の樹脂を併用して塗料化して用いることも出来る。
<<ポリオレフィン系樹脂を主成分とする成形品について>>
ポリオレフィン系樹脂については前記(a)ポリオレフィン系樹脂と合せて下記で説明する。その成形体については、一般的な熱可塑性樹脂の成形方法で得られるものであれば良く特に限定されない。具体的には射出成形、押出成形、カレンダー成形、真空成形、ブロー成形等が挙げられる。本発明では、表面が塗装されたこれらの成形品を微細に粉砕して用いられる。
<<ポリオレフィン系樹脂について>>
成型品を構成するポリオレフィン系樹脂および前記(a)ポリオレフィン系樹脂(以下ポリオレフィン系樹脂)としては、たとえばポリプロピレン単独重合体、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリ−1−ブテン、ポリイソブチレン、プロピレンとエチレンおよび/または1−ブテンとのあらゆる比率でのランダム共重合体またはブロック共重合体、エチレンとプロピレンとのあらゆる比率においてジエン成分が50重量%以下であるエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、ポリメチルペンテン、シクロペンタジエンとエチレンおよび/またはプロピレンとの共重合体などの環状ポリオレフィン、エチレンまたはプロピレンと50重量%以下のたとえば酢酸ビニル、メタクリル酸アルキルエステル、アクリル酸アルキルエステル、芳香族ビニルなどのビニル化合物などとのランダム共重合体、ブロック共重合体などがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
剛性が高く、安価であるという点からはポリプロピレン単独重合体が好ましく、剛性および耐衝撃性がともに高いという点からはプロピレンとほかの単量体とのブロック共重合体であることが好ましい。本発明の、ポリプロピレン系樹脂とは、結晶性のポリプロピレンであり、ポリプロピレン単独重合体およびポリプロピレンを75重量%以上とする他のα−オレフィンおよび共重合可能なほかのビニル単量体との共重合体を含むものである。
前記ポリオレフィン系樹脂がプロピレンとほかの単量体とのブロック共重合体またはプロピレンとほかの単量体とのランダム共重合体であるばあい、高い剛性および良好な耐薬品性を保持する点から、含有されるプロピレン単量体成分が全体の75重量%以上であることが好ましく、全体の90重量%以上であることがさらに好ましい。
前記ポリオレフィン系樹脂には、必要に応じて、ほかの樹脂またはゴムを本発明の効果を損なわない範囲内で添加してもよい。
前記ほかの樹脂またはゴムとしては、たとえばポリエチレン;ポリブテン−1、ポリイソブテン、ポリペンテン−1、ポリメチルペンテン−1などのポリα−オレフィン;プロピレン含有量が75重量%未満のエチレン/プロピレン共重合体、エチレン/ブテン−1共重合体、プロピレン含有量が75重量%未満のプロピレン/ブテン−1共重合体などのエチレンまたはα−オレフィン/α−オレフィン共重合体;プロピレン含有量が75重量%未満のエチレン/プロピレン/5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体などのエチレンまたはα−オレフィン/α−オレフィン/ジエン系単量体共重合体;エチレン/塩化ビニル共重合体、エチレン/塩化ビニリデン共重合体、エチレン/アクリロニトリル共重合体、エチレン/メタクリロニトリル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/アクリルアミド共重合体、エチレン/メタクリルアミド共重合体、エチレン/アクリル酸共重合体、エチレン/メタクリル酸共重合体、エチレン/マレイン酸共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/アクリル酸ブチル共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル共重合体、エチレン/無水マレイン酸共重合体、エチレン/アクリル酸金属塩共重合体、エチレン/メタクリル酸金属塩共重合体、エチレン/スチレン共重合体、エチレン/メチルスチレン共重合体、エチレン/ジビニルベンゼン共重合体などのエチレンまたはα−オレフィン/ビニル単量体共重合体;ポリブタジエン、ポリイソプレンなどのポリジエン系共重合体;スチレン/ブタジエンランダム共重合体などのビニル単量体/ジエン系単量体ランダム共重合体;スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体などのビニル単量体/ジエン系単量体/ビニル単量体ブロック共重合体;水素化(スチレン/ブタジエンランダム共重合体)などの水素化(ビニル単量体/ジエン系単量体ランダム共重合体);水素化(スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体)などの水素化(ビニル単量体/ジエン系単量体/ビニル単量体ブロック共重合体);アクリロニトリル/ブタジエン/スチレングラフト共重合体、メタクリル酸メチル/ブタジエン/スチレングラフト共重合体などのビニル単量体/ジエン系単量体/ビニル単量体グラフト共重合体;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレンなどのビニル重合体;塩化ビニル/アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル/スチレン共重合体、メタクリル酸メチル/スチレン共重合体などのビニル系共重合体などがあげられる。
ポリオレフィン系樹脂に対するこれらほかの樹脂またはゴムの添加量は、この樹脂の種類またはゴムの種類により異なり、前述のように本発明の効果を損なわない範囲内にあればよいものであるが、通常、25重量%程度以下であることが好ましい。
さらに、ポリオレフィン系樹脂には必要に応じて、酸化防止剤、金属不活性剤、燐系加工安定剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、蛍光増白剤、金属石鹸、制酸吸着剤などの安定剤、または架橋剤、連鎖移動剤、核剤、滑剤、可塑剤、充填材、強化材、顔料、染料、難燃剤、帯電防止剤などの添加剤を本発明の効果を損なわない範囲内で添加してもよい。
また、これらポリオレフィン樹脂(各種の添加材料を含むばあいもある)は粒子状のものであってもペレット状のものであってもよく、その大きさや形はとくに制限されるものではない。
また、前記の添加材料(ほかの樹脂、ゴム、安定剤および/または添加剤)を用いるばあいは、この添加材料は予めポリオレフィン系樹脂に添加されているものであっても、このポリオレフィン系樹脂を溶融するときに添加されるものであってもよく、また改質ポリオレフィン系樹脂を製造したのちに適宜の方法でこの改質ポリオレフィン系樹脂に添加されるものであってもよい。
また、ビニル系単量体をポリオレフィン系樹脂を本発明の効果を損なわない範囲内で添加してもよい。
ビニル単量体としては、たとえば塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸金属塩、メタクリル酸金属塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸グリシルなどのアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸グリシルなどのメタクリル酸エステル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸及びその塩等のスチレン系モノマー;エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ヘキサデセン、1−エイコセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、ビニルシクロヘキサン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、ノルボルネンなどのオレフィンモノマー;1,3−ブタジエン、イソプレン、1,5−シクロオクタジエン、ノルボルナジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、ジメタノオクタヒドロナフタリン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエンなどのジエン系モノマーなどがあげられる。これらのうち、改質したポリオレフィンの溶融粘度を調整しやすいことから、芳香族ビニルモノマー、ジエン系モノマーが好ましい。
<<ビニル系重合体(I)について>>
<主鎖>
本発明のビニル系重合体(I)の主鎖を構成するビニル系モノマーとしては特に限定されず、各種のものを用いることができる。
例示するならば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸−n−ペンチル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等の(メタ)アクリル酸系モノマー;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸及びその塩等のスチレン系モノマー;パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等のフッ素含有ビニルモノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のケイ素含有ビニル系モノマー;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系モノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のアルケン類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコール等が挙げられる。これらは、単独で用いても良いし、複数を共重合させても構わない。なかでも、生成物の物性等から、スチレン系モノマー及び(メタ)アクリル酸系モノマーが好ましい。
より好ましくは、アクリル酸エステルモノマー及びメタクリル酸エステルモノマーであり、特に好ましくはアクリル酸エステルモノマーである。本発明においては、これらの好ましいモノマーを他のモノマーと共重合、更にはブロック共重合させても構わなく、その際は、これらの好ましいモノマーが重量比で40%含まれていることが好ましい。なお上記表現形式で例えば(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸および/あるいはメタクリル酸を表す。
本発明の重合体(I)の分子量分布、すなわち、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量と数平均分子量の比は、特に限定されないが、好ましくは1.8未満であり、好ましくは1.7以下であり、より好ましくは1.6以下であり、さらに好ましくは1.5以下であり、特に好ましくは1.4以下であり、最も好ましくは1.3以下である。本発明でのGPC測定においては、通常、移動相としてクロロホルムを用い、測定はポリスチレンゲルカラムにておこない、数平均分子量等はポリスチレン換算で求めることができる。
本発明のビニル系重合体の数平均分子量は特に制限はないが、500〜1,000,000の範囲が好ましく、1000〜100,000がさらに好ましい。
<主鎖の合成法>
本発明の ビニル系重合体(I)の合成法は、限定はされないが、制御ラジカル重合が好ましく、リビングラジカル重合がより好ましく、原子移動ラジカル重合が特に好ましい。以下にこれらについて説明する。
制御ラジカル重合
ラジカル重合法は、重合開始剤としてアゾ系化合物、過酸化物などを用いて、特定の官能基を有するモノマーとビニル系モノマーとを単に共重合させる「一般的なラジカル重合法」と末端などの制御された位置に特定の官能基を導入することが可能な「制御ラジカル重合法」に分類できる。
「一般的なラジカル重合法」は簡便な方法であるが、この方法では特定の官能基を有するモノマーは確率的にしか重合体中に導入されないので、官能化率の高い重合体を得ようとした場合には、このモノマーをかなり大量に使う必要があり、逆に少量使用ではこの特定の官能基が導入されない重合体の割合が大きくなるという問題点がある。またフリーラジカル重合であるため、分子量分布が広く粘度の高い重合体しか得られないという問題点もある。
「制御ラジカル重合法」は、更に、特定の官能基を有する連鎖移動剤を用いて重合をおこなうことにより末端に官能基を有するビニル系重合体が得られる「連鎖移動剤法」と重合生長末端が停止反応などを起こさずに生長することによりほぼ設計どおりの分子量の重合体が得られる「リビングラジカル重合法」とに分類することができる。
「連鎖移動剤法」は、官能化率の高い重合体を得ることが可能であるが、開始剤に対してかなり大量の特定の官能基を有する連鎖移動剤が必要であり、処理も含めて経済面で問題がある。また上記の「一般的なラジカル重合法」と同様、フリーラジカル重合であるため分子量分布が広く、粘度の高い重合体しか得られないという問題点もある。
これらの重合法とは異なり、「リビングラジカル重合法」は、重合速度が高く、ラジカル同士のカップリングなどによる停止反応が起こりやすいため制御の難しいとされるラジカル重合でありながら、停止反応が起こりにくく、分子量分布の狭い(Mw/Mnが1.1〜1.5程度)重合体が得られるとともに、モノマーと開始剤の仕込み比によって分子量は自由にコントロールすることができる。
従って「リビングラジカル重合法」は、分子量分布が狭く、粘度が低い重合体を得ることができる上に、特定の官能基を有するモノマーを重合体のほぼ任意の位置に導入することができるため、上記特定の官能基を有するビニル系重合体の製造方法としてはより好ましいものである。
なお、リビング重合とは狭義においては、末端が常に活性を持ち続けて分子鎖が生長していく重合のことをいうが、一般には、末端が不活性化されたものと活性化されたものが平衡状態にありながら生長していく擬リビング重合も含まれる。本発明における定義も後者である。
「リビングラジカル重合法」は近年様々なグループで積極的に研究がなされている。その例としては、たとえばジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカルソサエティー(J.Am.Chem.Soc.)、1994年、116巻、7943頁に示されるようなコバルトポルフィリン錯体を用いるもの、マクロモレキュールズ(Macromolecules)、1994年、27巻、7228頁に示されるようなニトロキシド化合物などのラジカル捕捉剤を用いるもの、有機ハロゲン化物等を開始剤とし遷移金属錯体を触媒とする「原子移動ラジカル重合」(Atom Transfer Radical Polymerization:ATRP)などがあげられる。
「リビングラジカル重合法」の中でも、有機ハロゲン化物あるいはハロゲン化スルホニル化合物等を開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーを重合する「原子移動ラジカル重合法」は、上記の「リビングラジカル重合法」の特徴に加えて、官能基変換反応に比較的有利なハロゲン等を末端に有し、開始剤や触媒の設計の自由度が大きいことから、特定の官能基を有するビニル系重合体の製造方法としてはさらに好ましい。
この原子移動ラジカル重合法としては例えばMatyjaszewskiら、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカルソサエティー(J.Am.Chem.Soc.)1995年、117巻、5614頁、マクロモレキュールズ(Macromolecules)1995年、28巻、7901頁,サイエンス(Science)1996年、272巻、866頁、WO96/30421号公報,WO97/18247号公報、WO98/01480号公報,WO98/40415号公報、あるいはSawamotoら、マクロモレキュールズ(Macromolecules)1995年、28巻、1721頁、特開平9−208616号公報、特開平8−41117号公報などが挙げられる。
本発明において、これらのリビングラジカル重合のうちどの方法を使用するかは特に制約はないが、原子移動ラジカル重合法が好ましい。
以下にリビングラジカル重合について詳細に説明していくが、その前に、後に説明する重合体(I)の製造に用いることができる制御ラジカル重合のうちの一つ、連鎖移動剤を用いた重合について説明する。連鎖移動剤(テロマー)を用いたラジカル重合としては、特に限定されないが、本発明に適した末端構造を有したビニル系重合体を得る方法としては、次の2つの方法が例示される。
特開平4−132706号公報に示されているようなハロゲン化炭化水素を連鎖移動剤として用いてハロゲン末端の重合体を得る方法と、特開昭61−271306号公報、特許2594402号公報、特開昭54−47782号公報に示されているような水酸基含有メルカプタンあるいは水酸基含有ポリスルフィド等を連鎖移動剤として用いて水酸基末端の重合体を得る方法である。
以下に、リビングラジカル重合について説明する。
そのうち、まず、ニトロキシド化合物などのラジカル捕捉剤を用いる方法について説明する。この重合では一般に安定なニトロキシフリーラジカル(=N−O・)をラジカルキャッピング剤として用いる。
このような化合物類としては、限定はされないが、2,2,6,6−置換−1−ピペリジニルオキシラジカルや2,2,5,5−置換−1−ピロリジニルオキシラジカル等、環状ヒドロキシアミンからのニトロキシフリーラジカルが好ましい。置換基としてはメチル基やエチル基等の炭素数4以下のアルキル基が適当である。
具体的なニトロキシフリーラジカル化合物としては、限定はされないが、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジカル(TEMPO)、2,2,6,6−テトラエチル−1−ピペリジニルオキシラジカル、2,2,6,6−テトラメチル−4−オキソ−1−ピペリジニルオキシラジカル、2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジニルオキシラジカル、1,1,3,3−テトラメチル−2−イソインドリニルオキシラジカル、N,N−ジ−t−ブチルアミンオキシラジカル等が挙げられる。ニトロキシフリーラジカルの代わりに、ガルビノキシル(galvinoxyl)フリーラジカル等の安定なフリーラジカルを用いても構わない。
上記ラジカルキャッピング剤はラジカル発生剤と併用される。ラジカルキャッピング剤とラジカル発生剤との反応生成物が重合開始剤となって付加重合性モノマーの重合が進行すると考えられる。両者の併用割合は特に限定されるものではないが、ラジカルキャッピング剤1モルに対し、ラジカル開始剤0.1〜10モルが適当である。
ラジカル発生剤としては、種々の化合物を使用することができるが、重合温度条件下で、ラジカルを発生しうるパーオキシドが好ましい。このパーオキシドとしては、限定はされないが、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド類、ジクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド等のジアルキルパーオキシド類、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等のパーオキシカーボネート類、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のアルキルパーエステル類等がある。特にベンゾイルパーオキシドが好ましい。さらに、パーオキシドの代わりにアゾビスイソブチロニトリルのようなラジカル発生性アゾ化合物等のラジカル発生剤も使用しうる。
Macromolecules 1995,28,2993で報告されているように、ラジカルキャッピング剤とラジカル発生剤を併用する代わりに、下図のようなアルコキシアミン化合物を開始剤として用いても構わない。
Figure 2007131821
アルコキシアミン化合物を開始剤として用いる場合、それが上図で示されているような水酸基等の官能基を有するものを用いると末端に官能基を有する重合体が得られる。これを本発明の方法に利用すると、末端に官能基を有する重合体が得られる。
上記のニトロキシド化合物などのラジカル捕捉剤を用いる重合で用いられるモノマー、溶媒、重合温度等の重合条件は、限定されないが、次に説明する原子移動ラジカル重合について用いるものと同様で構わない。
原子移動ラジカル重合
次に、本発明のリビングラジカル重合としてより好ましい原子移動ラジカル重合法について説明する。
この原子移動ラジカル重合では、有機ハロゲン化物、特に反応性の高い炭素−ハロゲン結合を有する有機ハロゲン化物(例えば、α位にハロゲンを有するカルボニル化合物や、ベンジル位にハロゲンを有する化合物)、あるいはハロゲン化スルホニル化合物等が開始剤として用いられる。
具体的に例示するならば、
−CHX、C−C(H)(X)CH、C−C(X)(CH
(ただし、上の化学式中、Cはフェニル基、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
−C(H)(X)−CO
−C(CH)(X)−CO
−C(H)(X)−C(O)R
−C(CH)(X)−C(O)R
(式中、R、Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、またはアラルキル基、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
−C−SO
(上記の各式において、Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、またはアラルキル基、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
等が挙げられる。
原子移動ラジカル重合の開始剤として、重合を開始する官能基以外の官能基を有する有機ハロゲン化物又はハロゲン化スルホニル化合物を用いることもできる。このような場合、一方の主鎖末端に官能基を、他方の主鎖末端に原子移動ラジカル重合の生長末端構造を有するビニル系重合体が製造される。このような官能基としては、アルケニル基、架橋性シリル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基、アミド基等が挙げられる。
アルケニル基を有する有機ハロゲン化物としては限定されず、例えば、一般式4に示す構造を有するものが例示される。
C(X)−R−R−C(R)=CH (4)
(式中、Rは水素、またはメチル基、R、Rは水素、または、炭素数1〜20の1価のアルキル基、アリール基、またはアラルキル、または他端において相互に連結したもの、Rは、−C(O)O−(エステル基)、−C(O)−(ケト基)、またはo−,m−,p−フェニレン基、Rは直接結合、または炭素数1〜20の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでいても良い、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
置換基R、Rの具体例としては、水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。RとRは他端において連結して環状骨格を形成していてもよい。
一般式1で示される、アルケニル基を有する有機ハロゲン化物の具体例としては、
XCHC(O)O(CHCH=CH
CC(H)(X)C(O)O(CHCH=CH
(HC)C(X)C(O)O(CHCH=CH
CHCHC(H)(X)C(O)O(CHCH=CH
Figure 2007131821
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、nは0〜20の整数)
XCHC(O)O(CHO(CHCH=CH
CC(H)(X)C(O)O(CHO(CHCH=CH
(HC)C(X)C(O)O(CHO(CHCH=CH
CHCHC(H)(X)C(O)O(CHO(CHCH=CH
Figure 2007131821
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、nは1〜20の整数、mは0〜20の整数)
o,m,p−XCH−C−(CH−CH=CH
o,m,p−CHC(H)(X)−C−(CH−CH=CH
o,m,p−CHCHC(H)(X)−C−(CH−CH=CH
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、nは0〜20の整数)
o,m,p−XCH−C−(CH−O−(CH−CH=CH
o,m,p−CHC(H)(X)−C−(CH−O−(CH−CH=CH
o,m,p−CHCHC(H)(X)−C−(CH−O−(CHCH=CH
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、nは1〜20の整数、mは0〜20の整数)
o,m,p−XCH−C−O−(CH−CH=CH
o,m,p−CHC(H)(X)−C−O−(CH−CH=CH
o,m,p−CHCHC(H)(X)−C−O−(CH−CH=CH
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、nは0〜20の整数)
o,m,p−XCH−C−O−(CH−O−(CH−CH=CH
o,m,p−CHC(H)(X)−C−O−(CH−O−(CH−CH=CH
o,m,p−CHCHC(H)(X)−C−O−(CH−O−(CH−CH=CH
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、nは1〜20の整数、mは0〜20の整数)
アルケニル基を有する有機ハロゲン化物としてはさらに一般式5で示される化合物が挙げられる。
C=C(R)−R−C(R)(X)−R−R (5)
(式中、R、R、R、R、Xは上記に同じ、Rは、直接結合、−C(O)O−(エステル基)、−C(O)−(ケト基)、または、o−,m−,p−フェニレン基を表す)
は直接結合、または炭素数1〜20の2価の有機基(1個以上のエーテル結合を含んでいても良い)であるが、直接結合である場合は、ハロゲンの結合している炭素にビニル基が結合しており、ハロゲン化アリル化物である。この場合は、隣接ビニル基によって炭素−ハロゲン結合が活性化されているので、RとしてC(O)O基やフェニレン基等を有する必要は必ずしもなく、直接結合であってもよい。Rが直接結合でない場合は、炭素−ハロゲン結合を活性化するために、RとしてはC(O)O基、C(O)基、フェニレン基が好ましい。
一般式2の化合物を具体的に例示するならば、
CH=CHCHX、CH=C(CH)CHX、
CH=CHC(H)(X)CH、CH=C(CH)C(H)(X)CH
CH=CHC(X)(CH、CH=CHC(H)(X)C
CH=CHC(H)(X)CH(CH
CH=CHC(H)(X)C、CH=CHC(H)(X)CH
CH=CHCHC(H)(X)−COR、
CH=CH(CHC(H)(X)−COR、
CH=CH(CHC(H)(X)−COR、
CH=CH(CHC(H)(X)−COR、
CH=CHCHC(H)(X)−C
CH=CH(CHC(H)(X)−C
CH=CH(CHC(H)(X)−C
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基)
等を挙げることができる。
アルケニル基を有するハロゲン化スルホニル化合物の具体例を挙げるならば、
o−,m−,p−CH=CH−(CH−C−SOX、
o−,m−,p−CH=CH−(CH−O−C−SOX、
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、nは0〜20の整数)
等である。
上記架橋性シリル基を有する有機ハロゲン化物としては特に限定されず、例えば一般式6に示す構造を有するものが例示される。
C(X)−R−R−C(H)(R)CH−[Si(R2−b(Y)O]−Si(R103−a(Y) (6)
(式中、R、R、R、R、R、Xは上記に同じ、R、R10は、いずれも炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、または(R’)SiO−(R’は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であって、3個のR’は同一であってもよく、異なっていてもよい)で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、RまたはR10が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Yは水酸基または加水分解性基を示し、Yが2個以上存在するときそれらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0,1,2,または3を、また、bは0,1,または2を示す。mは0〜19の整数である。ただし、a+mb≧1であることを満足するものとする)。
一般式3の化合物を具体的に例示するならば、
XCHC(O)O(CHSi(OCH
CHC(H)(X)C(O)O(CHSi(OCH
(CHC(X)C(O)O(CHSi(OCH
XCHC(O)O(CHSi(CH)(OCH
CHC(H)(X)C(O)O(CHSi(CH)(OCH
(CHC(X)C(O)O(CHSi(CH)(OCH
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、ヨウ素、nは0〜20の整数、)
XCHC(O)O(CHO(CHSi(OCH
CC(H)(X)C(O)O(CHO(CHSi(OCH
(HC)C(X)C(O)O(CHO(CHSi(OCH
CHCHC(H)(X)C(O)O(CHO(CHSi(OCH
XCHC(O)O(CHO(CHSi(CH)(OCH
CC(H)(X)C(O)O(CHO(CH−Si(CH)(OCH
(HC)C(X)C(O)O(CHO(CH−Si(CH)(OCH
CHCHC(H)(X)C(O)O(CHO(CH−Si(CH)(OCH
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、ヨウ素、nは1〜20の整数、mは0〜20の整数)
o,m,p−XCH−C−(CHSi(OCH
o,m,p−CHC(H)(X)−C−(CHSi(OCH
o,m,p−CHCHC(H)(X)−C−(CHSi(OCH
o,m,p−XCH−C−(CHSi(OCH
o,m,p−CHC(H)(X)−C−(CHSi(OCH
o,m,p−CHCHC(H)(X)−C−(CHSi(OCH
o,m,p−XCH−C−(CH−O−(CHSi(OCH
o,m,p−CHC(H)(X)−C−(CH−O−(CHSi(OCH
o,m,p−CHCHC(H)(X)−C−(CH−O−(CHSi(OCH
o,m,p−XCH−C−O−(CHSi(OCH
o,m,p−CHC(H)(X)−C−O−(CHSi(OCH
o,m,p−CHCHC(H)(X)−C−O−(CH−Si(OCH
o,m,p−XCH−C−O−(CH−O−(CH−Si(OCH
o,m,p−CHC(H)(X)−C−O−(CH−O−(CHSi(OCH
o,m,p−CHCHC(H)(X)−C−O−(CH−O−(CHSi(OCH
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
等が挙げられる。
上記架橋性シリル基を有する有機ハロゲン化物としてはさらに、一般式7で示される構造を有するものが例示される。
(R103−a(Y)Si−[OSi(R2−b(Y)−CH−C(H)(R)−R−C(R)(X)−R−R (7)
(式中、R、R、R、R、R、R、R10、a、b、m、X、Yは上記に同じ)
このような化合物を具体的に例示するならば、
(CHO)SiCHCHC(H)(X)C
(CHO)(CH)SiCHCHC(H)(X)C
(CHO)Si(CHC(H)(X)−COR、
(CHO)(CH)Si(CHC(H)(X)−COR、
(CHO)Si(CHC(H)(X)−COR、
(CHO)(CH)Si(CHC(H)(X)−COR、
(CHO)Si(CHC(H)(X)−COR、
(CHO)(CH)Si(CHC(H)(X)−COR、
(CHO)Si(CHC(H)(X)−COR、
(CHO)(CH)Si(CHC(H)(X)−COR、
(CHO)Si(CHC(H)(X)−C
(CHO)(CH)Si(CHC(H)(X)−C
(CHO)Si(CHC(H)(X)−C
(CHO)(CH)Si(CHC(H)(X)−C
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基)
等が挙げられる。
上記ヒドロキシル基を持つ有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物としては特に限定されず、下記のようなものが例示される。
HO−(CH−OC(O)C(H)(R)(X)
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、nは1〜20の整数)
上記アミノ基を持つ有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物としては特に限定されず、下記のようなものが例示される。
N−(CH−OC(O)C(H)(R)(X)
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、nは1〜20の整数)
上記エポキシ基を持つ有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物としては特に限定されず、下記のようなものが例示される。
Figure 2007131821
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、nは1〜20の整数)
本発明の末端構造を1分子内に2つ以上有する重合体を得るためには、2つ以上の開始点を持つ有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物が開始剤として用いるのが好ましい。具体的に例示するならば、
Figure 2007131821
Figure 2007131821
等があげられる。
この重合において用いられるビニル系モノマーとしては特に制約はなく、既に例示したものをすべて好適に用いることができる。
重合触媒として用いられる遷移金属錯体としては特に限定されないが、好ましくは周期律表第7族、8族、9族、10族、または11族元素を中心金属とする金属錯体錯体である。更に好ましいものとして、0価の銅、1価の銅、2価のルテニウム、2価の鉄又は2価のニッケルの錯体が挙げられる。なかでも、銅の錯体が好ましい。1価の銅化合物を具体的に例示するならば、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、シアン化第一銅、酸化第一銅、過塩素酸第一銅等である。
銅化合物を用いる場合、触媒活性を高めるために2,2′−ビピリジル及びその誘導体、1,10−フェナントロリン及びその誘導体、テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ヘキサメチルトリス(2−アミノエチル)アミン等のポリアミン等の配位子が添加される。また、2価の塩化ルテニウムのトリストリフェニルホスフィン錯体(RuCl(PPh)も触媒として好適である。ルテニウム化合物を触媒として用いる場合は、活性化剤としてアルミニウムアルコキシド類が添加される。更に、2価の鉄のビストリフェニルホスフィン錯体(FeCl(PPh)、2価のニッケルのビストリフェニルホスフィン錯体(NiCl(PPh)、及び、2価のニッケルのビストリブチルホスフィン錯体(NiBr(PBu)も、触媒として好適である。
重合は無溶剤または各種の溶剤中で行うことができる。溶剤の種類としては、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルコール系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒等が挙げられ、単独または2種以上を混合して用いることができる。また、限定はされないが、重合は0℃〜200℃の範囲で行うことができ、好ましくは50〜150℃である。
以下にこれらの分子末端の炭素−炭素二重結合を有する基について説明する。
本発明における好ましい様態の1つは、分子末端の炭素−炭素二重結合を有する基が、
一般式1
−C(R)(R)C(R)=CH (1)
(式中、R、R、Rは水素、または、炭素数1〜20の有機基を表す。)
で表されるアルケニル基である。
一般式1において、Rは水素原子あるいは炭素数1〜20の炭化水素基であり、具体的には以下のような基が例示される。
−(CH−CH、−CH(CH)−(CH−CH、−CH(CHCH)−(CH−CH、−CH(CHCH、−C(CH−(CH−CH、−C(CH)(CHCH)−(CH−CH、−C、−C(CH)、−C(CH、−(CH−C、−(CH−C(CH)、−(CH−C(CH
(nは0以上の整数で、各基の合計炭素数は20以下)
これらの内では、水素原子が好ましい。
さらに、限定はされないが、重合体(I)のアルケニル基が、その炭素−炭素二重結合と共役するカルボニル基、アルケニル基、芳香族環により活性化されていないことが好ましい。
アルケニル基と重合体の主鎖の結合形式は、特に限定されないが、炭素−炭素結合、エステル結合、エステル結合、カーボネート結合、アミド結合、ウレタン結合等を介して結合されていることが好ましい。
本発明における好ましい様態のもう1つは、分子末端の炭素−炭素二重結合を有する基が、
一般式2:
−OC(O)C(R)=CH (2)
(式中、Rは水素、または、炭素数1〜20の有機基を表す。)
で表される重合性の炭素−炭素二重結合性((メタ)アクリロイル系)基である。
一般式2において、Rの具体例としては特に限定されず、例えば、−H、−CH、−CHCH、−(CHCH(nは2〜19の整数を表す)、−C、−CHOH、−CN
等が挙げられるが、好ましくは−H、−CHである。
<官能基導入法>
以下に、本発明のビニル系重合体(I)への官能基導入法について説明するが、これに限定されるものではない。
以下にビニル系重合体へのアルケニル基導入法について説明するが、これらに限定されるものではない。
アルケニル基の導入方法
(A−a)ラジカル重合、好ましくはリビングラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、例えば下記の一般式8に挙げられるような一分子中に重合性のアルケニル基と重合性の低いアルケニル基とを併せ持つ化合物を第2のモノマーとして反応させる方法。
C=C(R11)−R12−R13−C(R14)=CH (8)
(式中、R11は水素又はメチル基を示し、R12は−C(O)O−、又はo−,m−,p−フェニレン基を示し、R13は直接結合、又は炭素数1〜20の2価の有機基を示し、1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい。R14は水素又は炭素数1〜20の有機基を示す)
一般式8において、R14は水素又は炭素数1〜20の有機基である。炭素数1〜20の有機基としては特に限定されないが、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリ−ル基、炭素数7〜20のアラルキル基が好ましく、具体的には以下のような基が例示される。
−(CH−CH、−CH(CH)−(CH−CH、−CH(CHCH)−(CH−CH、−CH(CHCH、−C(CH−(CH−CH、−C(CH)(CHCH)−(CH−CH、−C、−C(CH)、−C(CH、−(CH−C、−(CH−C(CH)、−(CH−C(CH
(nは0以上の整数で、各基の合計炭素数は20以下)
これらの内では、R14としては水素又はメチル基がより好ましい。
なお、一分子中に重合性のアルケニル基と重合性の低いアルケニル基とを併せ持つ化合物を反応させる時期に制限はないが、得られる硬化物にゴム的な性質を期待する場合には、リビングラジカル重合において、重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、第2のモノマーとして上記化合物を反応させるのが好ましい。
(A−b)リビングラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、例えば1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン等のような重合性の低いアルケニル基を少なくとも2個有する化合物を反応させる方法。
(A−c)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、例えばアリルトリブチル錫、アリルトリオクチル錫等の有機錫のようなアルケニル基を有する各種の有機金属化合物を反応させてハロゲンを置換する方法。
(A−d)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、一般式9に挙げられるようなアルケニル基を有する安定化カルバニオンを反応させてハロゲンを置換する方法。
(R15)(R16)−R17−C(R14)=CH (9)
(式中、R14は上記に同じ。R15、R16はともにカルバニオンCを安定化する電子吸引基であるか、又は一方が前記電子吸引基で他方が水素又は炭素数1〜10のアルキル基、又はフェニル基を示す。R17は直接結合、又は炭素数1〜10の2価の有機基を示し、1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい。Mはアルカリ金属イオン、又は4級アンモニウムイオンを示す。)。
一般式9中のR15、R16の電子吸引基としては、−COR(エステル基)、−C(O)R(ケト基)、−CON(R)(アミド基)、−COSR(チオエステル基)、−CN(ニトリル基)、−NO(ニトロ基)等が挙げられるが、−COR、−C(O)R及び−CNが特に好ましい。ここで、置換基Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基であり、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基もしくはフェニル基である。
(A−e)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、例えば亜鉛のような金属単体あるいは有機金属化合物を作用させてエノレートアニオンを調製し、しかる後にハロゲンやアセチル基のような脱離基を有するアルケニル基含有化合物、アルケニル基を有するカルボニル化合物、アルケニル基を有するイソシアネート化合物、アルケニル基を有する酸ハロゲン化物等の、アルケニル基を有する求電子化合物と反応させる方法。
(A−f)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、例えば下記一般式10あるいは11に示されるようなアルケニル基を有するオキシアニオンあるいはカルボキシレートアニオンを反応させてハロゲンを置換する方法。
C=C(R17)−R21−O (10)
(式中、R14、Mは上記に同じ。R18は炭素数1〜20の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい)。
C=C(R14)−R19−C(O)O (11)
(式中、R14、Mは上記に同じ。R19は直接結合、又は炭素数1〜20の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい)
本発明では(A−a)、(A−b)のようなアルケニル基を導入する方法にハロゲンが直接関与しない場合には、ビニル系重合体の合成方法としてリビングラジカル重合法が好ましく、原子移動ラジカル重合法がより好ましい。
(A−c)から(A−f)に挙げられるような反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体を利用する方法においては、反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体の合成方法として、ハロゲン化物を連鎖移動剤とする連鎖移動重合法、又は有機ハロゲン化物若しくはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤とする原子移動ラジカル重合法が好ましいが、原子移動ラジカル重合法がより好ましい。
(A−a)から(A−f)の中でも制御がより容易である点から(A−b)の方法が好ましい。以下に(A−b)の導入方法について詳述する。
ジエン化合物添加法[(A−b)法]
(A−b)法は、ビニル系モノマーのリビングラジカル重合により得られるビニル系重合体に重合性の低いアルケニル基を少なくとも2個有する化合物(以下、「ジエン化合物」という。)を反応させることを特徴とする。
ジエン化合物の少なくとも2つのアルケニル基は互いに同一又は異なっていてもよい。アルケニル基としては末端アルケニル基[CH=C(R)−R’;Rは水素又は炭素数1〜20の有機基、R’は炭素数1〜20の有機基であり、RとR’は互いに結合して環状構造を有していてもよい。]又は内部アルケニル基[R’−C(R)=C(R)−R’;Rは水素又は炭素数1〜20の有機基、R’は炭素数1〜20の有機基であり、二つのR若しくは二つのR’は互いに同一であってもよく異なっていてもよい。二つのRと二つのR’のうちいずれか二つが互いに結合して環状構造を有していてもよい。]のいずれでもよいが、末端アルケニル基がより好ましい。Rは水素又は炭素数1〜20の有機基であるが、炭素数1〜20の有機基としては炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリ−ル基、炭素数7〜20のアラルキル基が好ましい。これらの中でもRとしては水素又はメチル基が特に好ましい。
また、ジエン化合物のアルケニル基のうち、少なくとも2つのアルケニル基は共役していてもよい。
ジエン化合物の具体例としては例えば、イソプレン、ピペリレン、ブタジエン、ミルセン、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン、4−ビニル−1−シクロヘキセン等が挙げられるが、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエンが好ましい。
ビニル系モノマーのリビングラジカル重合を行い、得られた重合体を重合系より単離した後、単離した重合体とジエン化合物をラジカル反応させることにより、目的とする末端にアルケニル基を有するビニル系重合体を得ることも可能であるが、重合反応の終期あるいは所定のビニル系モノマーの反応終了後にジエン化合物を重合反応系中に添加する方法が簡便であるのでより好ましい。
ジエン化合物の添加量は、ジエン化合物のアルケニル基のラジカル反応性によって調節する必要がある。2つのアルケニル基の反応性に大きな差があるときには重合成長末端に対してジエン化合物は当量又は小過剰量程度でもよいが、2つのアルケニル基の反応性が等しい又はあまり差がないときには2つのアルケニル基の両方が反応し、重合末端同士がカップリングするので、ジエン化合物の添加量は重合体生長末端に対して過剰量であることが好ましく、好ましくは1.5倍以上、さらに好ましくは3倍以上、特に好ましくは5倍以上である。
水酸基からアルケニル基への変換方法
本発明におけるアルケニル基を分子中に少なくとも1個含有するビニル系重合体は、水酸基を分子中に少なくとも1個含有するビニル系重合体から得ることも可能であり、以下に例示する方法が利用できるが、これらに限定されるわけではない。
水酸基を少なくとも1個有するビニル系重合体の水酸基に、
(A−g)ナトリウムメトキシドのような塩基を作用させ、塩化アリルのようなアルケニル基含有ハロゲン化物と反応させる方法、
(A−h)アリルイソシアネート等のアルケニル基含有イソシアネート化合物を反応させる方法、
(A−i)(メタ)アクリル酸クロリドのようなアルケニル基含有酸ハロゲン化物をピリジン等の塩基存在下に反応させる方法、
(A−j)アクリル酸等のアルケニル基含有カルボン酸を酸触媒の存在下に反応させる方法、等が挙げられる。
(A−k)水酸基を有するビニル系重合体に、ジイソシアネート化合物を反応させ、残存イソシアネート基にアルケニル基と水酸基を併せ持つ化合物を反応させる方法、も挙げられる。
アルケニル基と水酸基を併せ持つ化合物としては特に限定されないが、例えば10−ウンデセノール、7−オクテノール、5−ヘキセノール、アリルアルコールのようなアルケニルアルコールが挙げられる。
ジイソシアネート化合物は、特に限定されないが、従来公知のものをいずれも使用することができ、例えば、トルイレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチルジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化トルイレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のイソシアネート化合物等を挙げることができる。これらは、単独で使用しうるほか、2種以上を併用することもできる。またブロックイソシアネートを使用しても構わない。
より優れた耐候性を生かすためには、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香環を有しないジイソシアネート化合物を用いるのが好ましい。
水酸基を有するビニル系重合体の合成方法
(A−g)〜(A−k)の方法で用いる水酸基を分子中に少なくとも1個含有するビニル系重合体の製造方法は以下のような方法が例示されるが、これらの方法に限定されるものではない。
(B−a)ラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、例えば下記の一般式12に挙げられるような一分子中に重合性のアルケニル基と水酸基を併せ持つ化合物を第2のモノマーとして反応させる方法。
C=C(R11)−R12−R13−OH (12)
(式中、R11、R12、R13は上記に同じ)
なお、一分子中に重合性のアルケニル基と水酸基とを併せ持つ化合物を反応させる時期に制限はないが、得られる硬化物にゴム的な性質を期待する場合には、リビングラジカル重合において、重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、第2のモノマーとして上記化合物を反応させるのが好ましい。
(B−b)リビングラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、例えば10−ウンデセノール、7−オクテノール、5−ヘキセノール、アリルアルコールのようなアルケニルアルコールを反応させる方法。
(B−c)例えば特開平5−262808号公報に示される水酸基含有ポリスルフィドのような水酸基含有連鎖移動剤を多量に用いてビニル系モノマーをラジカル重合させる方法。
(B−d)例えば特開平6−239912号公報、特開平8−283310号公報に示されるような過酸化水素あるいは水酸基含有開始剤を用いてビニル系モノマーをラジカル重合させる方法。
(B−e)例えば特開平6−116312号公報に示されるようなアルコール類を過剰に用いてビニル系モノマーをラジカル重合させる方法。
(B−f)例えば特開平4−132706号公報等に示されるような方法で、反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体のハロゲンを加水分解あるいは水酸基含有化合物と反応させることにより、末端に水酸基を導入する方法。
(B−g)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、一般式13に挙げられるような水酸基を有する安定化カルバニオンを反応させてハロゲンを置換する方法。
(R15)(R16)−R17−OH (13)
(式中、R15、R16、R17は上記に同じ)
一般式13中、R15、R16の電子吸引基としては、−COR(エステル基)、−C(O)R(ケト基)、−CON(R)(アミド基)、−COSR(チオエステル基)、−CN(ニトリル基)、−NO(ニトロ基)等が挙げられるが、−COR、−C(O)R及び−CNが特に好ましい。ここで、置換基Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基であり、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基もしくはフェニル基である。
(B−h)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、例えば亜鉛のような金属単体あるいは有機金属化合物を作用させてエノレートアニオンを調製し、しかる後にアルデヒド類、又はケトン類を反応させる方法。
(B−i)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、例えば一般式14あるいは15に示されるような水酸基を有するオキシアニオンあるいはカルボキシレートアニオンを反応させてハロゲンを置換する方法。
HO−R18−O (14)
(式中、R21及びMは前記に同じ)
HO−R19−C(O)O (15)
(式中、R19及びMは前記に同じ)
、反応条件、溶媒等については(A−f)の説明で述べたものすべてを好適に用いることができる。
(B−j)リビングラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、第2のモノマーとして、一分子中に重合性の低いアルケニル基及び水酸基を有する化合物を反応させる方法。
一分子中に重合性の低いアルケニル基及び水酸基を有する化合物としては特に限定されないが、一般式16に示される化合物等が挙げられる。
C=C(R11)−R18−OH (16)
(式中、R11及びR18は上述したものと同様である。)
上記一般式16で示される化合物としては特に限定されないが、入手が容易であるということから、10−ウンデセノール、7−オクテノール、5−ヘキセノール、アリルアルコールのようなアルケニルアルコールが好ましい。
本発明では(B−a)〜(B−e)及び(B−j)のような水酸基を導入する方法にハロゲンが直接関与しない場合には、ビニル系重合体の合成方法としてリビングラジカル重合法が好ましく、原子移動ラジカル重合法がより好ましい。
(B−f)から(B−i)に挙げられるような反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体を利用する方法においては、反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体の合成方法としてハロゲン化物を連鎖移動剤とする連鎖移動重合法又は有機ハロゲン化物若しくはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤とする原子移動ラジカル重合法が好ましいが、原子移動ラジカル重合法がより好ましい。
(B−a)から(B−j)の合成方法のなかでも制御がより容易である点から(B−b)、(B−i)の方法が好ましい。
重合性の炭素−炭素二重結合
本発明の重合体(I)に重合性の炭素−炭素二重結合を導入する方法としては、限定はされないが、以下のような方法が挙げられる。
(C−a)ビニル系重合体のハロゲン基を、ラジカル重合性の炭素−炭素二重結合を有する化合物で置換することにより製造する方法。具体例としては、一般式17で表される構造を有するビニル系重合体と、一般式18で示される化合物との反応による方法。
−CR2324X (17)
(式中、R23、R24は、ビニル系モノマーのエチレン性不飽和基に結合した基。Xは、塩素、臭素、又は、ヨウ素を表す。)
+−OC(O)C(R25)=CH (18)
(式中、R25は水素、または、炭素数1〜20の有機基を表す。Mはアルカリ金属、または4級アンモニウムイオンを表す。)。
(C−b)水酸基を有するビニル系重合体と、一般式19で示される化合物との反応による方法。
XC(O)C(R25)=CH (19)
(式中、R25は水素、または、炭素数1〜20の有機基を表す。Xは塩素、臭素、または水酸基を表す。)。
(C−c)水酸基を有するビニル系重合体に、ジイソシアネート化合物を反応させ、残存イソシアネート基と一般式20で示される化合物との反応による方法。
HO−R26 OC(O)C(R25)=CH (20)
(式中、R25は水素、または、炭素数1〜20の有機基を表す。R26は炭素数2〜20の2価の有機基を表す。)
以下にこれらの各方法について詳細に説明する。
上記(C−a)の方法について説明する。
(C−a)一般式17で表される末端構造を有するビニル系重合体と、一般式18で示される化合物との反応による方法。
−CR2324X (17)
(式中、R23、R24は、ビニル系モノマーのエチレン性不飽和基に結合した基。Xは、塩素、臭素、又は、ヨウ素を表す。)。
+−OC(O)C(R25)=CH (18)
(式中、R25は水素、または、炭素数1〜20の有機基を表す。Mはアルカリ金属、または4級アンモニウムイオンを表す。)
一般式17で表される末端構造を有するビニル系重合体は、上述した有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーを重合する方法、あるいは、ハロゲン化合物を連鎖移動剤としてビニル系モノマーを重合する方法により製造されるが、好ましくは前者である。
一般式18で表される化合物としては特に限定されないが、R25の具体例としては、例えば、−H、−CH、−CHCH、−(CHCH(nは2〜19の整数を表す)、−C、−CHOH、−CN、等が挙げられ、好ましくは−H、−CHである。Mはオキシアニオンの対カチオンであり、Mの種類としてはアルカリ金属イオン、具体的にはリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、および4級アンモニウムイオンが挙げられる。4級アンモニウムイオンとしてはテトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラベンジルアンモニウムイオン、トリメチルドデシルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオンおよびジメチルピペリジニウムイオン等が挙げられ、好ましくはナトリウムイオン、カリウムイオンである。
一般式18のオキシアニオンの使用量は、一般式27のハロゲン基に対して、好ましくは1〜5当量、更に好ましくは1.0〜1.2当量である。この反応を実施する溶媒としては特に限定はされないが、求核置換反応であるため極性溶媒が好ましく、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、アセトン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、アセトニトリル、等が用いられる。反応を行う温度は限定されないが、一般に0〜150℃で、重合性の末端基を保持するために好ましくは室温〜100℃で行う。
上記(C−b)の方法について説明する。
(C−b)水酸基を有するビニル系重合体と、一般式19で示される化合物との反応による方法。
XC(O)C(R25)=CH (19)
(式中、R25は水素、または、炭素数1〜20の有機基を表す。Xは塩素、臭素、または水酸基を表す。)
一般式19で表される化合物としては特に限定されないが、R25の具体例としては、例えば、−H、−CH、−CHCH、−(CHCH(nは2〜19の整数を表す)、−C、−CHOH、−CN、等が挙げられ、好ましくは−H、−CHである。
水酸基を末端に有するビニル系重合体は、上述した有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーを重合する方法、あるいは、水酸基を持つ化合物を連鎖移動剤としてビニル系モノマーを重合する方法により製造されるが、好ましくは前者である。これらの方法により水酸基を有するビニル系重合体を製造する方法は限定されないが、前述の水酸基を有するビニル系重合体の合成方法があげられる。
上記(C−c)の方法について説明する。
(C−c)水酸基を有するビニル系重合体に、ジイソシアネート化合物を反応させ、残存イソシアネート基と一般式20で示される化合物との反応による方法。
HO−R26 OC(O)C(R25)=CH (20)
(式中、R25は水素、または、炭素数1〜20の有機基を表す。R26は炭素数2〜20の2価の有機基を表す。)
一般式20で表される化合物としては特に限定されないが、R25の具体例としては、例えば、−H、−CH、−CHCH、−(CHCH(nは2〜19の整数を表す)、−C、−CHOH、−CN、等が挙げられ、好ましくは−H、−CHである。具体的な化合物としては、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピルが挙げられる。
末端に水酸基を有するビニル系重合体は、上記のものが例示できる。
ジイソシアネート化合物は、特に限定されないが、従来公知のものをいずれも使用することができ、例えば、トルイレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチルジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化トルイレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のイソシアネート化合物;等を挙げることができる。これらは、単独で使用しうるほか、2種以上を併用することもできる。またブロックイソシアネートを使用しても構わない。
よりすぐれた耐候性を生かすためには、多官能イソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香環を有しないジイソシアネート化合物を用いるのが好ましい。
以上、例示した重合性の炭素−炭素二重結合を持つ基を有するビニル系重合体の製法については、限定されないが制御がより容易である点から、(C−a)の方法が好ましい。
本発明における、重合性の炭素−炭素二重結合を持つ基を有するビニル系重合体[I]は、種々の原因により重合反応が起こりうる。品質を確保するために、製造中あるいは製造後に重合抑制剤を添加しておくことが好ましい。重合抑制剤としては、公知のハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル等を使用すると良いが、より効果が高い、N−オキシル化合物を使用することが好ましい。
N−オキシル化合物の具体例を下図に示す。
Figure 2007131821
式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R'1及びR'2は、同一でも異なっていてもよく、塩素、臭素又ヨウ素の如きハロゲン原子;アルキル又はフェニル基の如き飽和又は不飽和の直鎖状、分枝状又は環状の炭化水素基;又はエステル基−COOR又はアルコキシ基−OR;又はリン酸エステル基−PO(OR)2;又は、例えば、ポリメタクリル酸メチル鎖、ポリブタジエン鎖、ポリエチレン又はポリプロピレン鎖の如き、好ましくはポリスチレン鎖であるポリオレフィン鎖であってもよいポリマー鎖を表し、そしてR5、R6 、R7 、R8 、R9及びR10は、同一でも異なっていてもよく、R1 、R2、R3 、R4 、R'1及びR'2について示した基と同族の基から選ぶことができ、そして更に水素原子、ヒドロキシル基−OH又は−COOH若しくは−PO(OH)2若しくは−SO3 Hの如き酸基を表すことができる。
また、例示した重合抑制剤を2種以上併用することは、何ら制限するものではない。使用される重合抑制剤の添加量は対象とするビニル化合物の種類、工程条件、重合抑制の必要度などにより異なり一律に定義できないがビニル化合物に対して10〜500ppmである。この範囲より少ないと本発明の目的とする効果の発現が小さいことがあり、多いと効果の発現は充分あるが添加量の割に効果は大きくなく、不経済かつ、安定化された重合性の炭素−炭素二重結合を持つ基を有するビニル系重合体の各用途への利用に支障をきたすことがある。
また、本発明においては、分子末端の炭素−炭素二重結合を有する基が、一般式3
−C(X)=CH (3)
(式中、Xは−COOR、CONR、−OR、−OCOR、−OCOOR、−NCOOR、ハロゲン原子、−CN、または置換基を有してもよいフェニル基もしくはアリール基)で表される基を1分子あたり少なくとも1個、分子末端に有するビニル系重合体も好適に用いることができる。
これらのビニル系重合体は、前述のビニル系モノマーを使用して、国際公開特許WO99/07755号公報、WO01/04163号公報、特開2003−2934号公報に開示されているように、公知の方法により高温連続重合させて製造することができる。
これらの公報によれば、単量体混合物を上記のような高温で重合させる際、下記に示す反応機構により、生成した重合鎖のα水素が活性ラジカルにより引き抜かれ、さらにβ位の炭素−炭素結合で開裂反応が起き、末端に一般式(3)で表される末端構造を有するビニル系重合体が生成する。
Figure 2007131821
これらのビニル重合体の具体例は、限定されないが、東亞合成(株)製UP−1000、UP−1010、UP−1020、UP−1021、UP−1041、UP−1061、UP−1070、UP−1080、UP−1110、UPB−1050、UP−1100などがあげられる。
<<ラジカル開始剤について>>
(c)のラジカル重合開始剤としては、一般に過酸化物またはアゾ化合物などがあげられる。前記ラジカル重合開始剤としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール;パーメタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド;ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α´−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などのジアルキルパーオキサイド;ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド;ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−メトキシブチルパーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート;t−ブチルパーオキシオクテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレートなどのパーオキシエステルなどの有機過酸化物の1種または2種以上があげられる。
これらのうち、とくに水素引き抜き能が高いものが好ましく、そのようなラジカル重合開始剤としては、たとえば1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール;ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α´−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などのジアルキルパーオキサイド;ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド;t−ブチルパーオキシオクテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレートなどのパーオキシエステルなどの1種または2種以上があげられる。
前記ラジカル重合開始剤の添加量は、原料ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部の範囲内にあることが好ましく、0.2〜5重量部の範囲内にあることがさらに好ましい。0.01重量部未満では変性が充分に進行せず、10重量部を超えると流動性、機械的特性の低下を招く。
これら、改質ポリオレフィン系樹脂、ビニル系重合体(I)、ラジカル重合開始剤およびそのほか添加される材料の混合や溶融混練の順序および方法はとくに制限されるものではない。例えば、原料ポリオレフィン系樹脂、ビニル系重合体(I)、ラジカル重合開始剤および必要に応じて添加されるそのほかの添加材料を混合したのち溶融混練してもよいし、原料ポリオレフィン系樹脂を溶融混練したのち、これにビニル系重合体(I)、ラジカル重合開始剤および必要に応じて添加されるそのほかの添加材料を同時にあるいは別々に、一括してあるいは分割して混合し、溶融混練してもよい。
本発明の改質ポリオレフィン系樹脂中における1分子あたり少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する基を分子末端に有するビニル系重合体(I)の含有量は、原料ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、0.1〜150重量部であることが好ましく、0.1〜100重量部がより好ましく、0.1〜50重量部がさらに好ましい。この範囲よりも少ないと、原料ポリオレフィン系樹脂に対して本発明の目的とする効果が得られず、逆に多すぎるとポリオレフィン量が減少し、ポリオレフィン骨格とグラフトしないビニル系重合体同士の重合体が生成してくることとなり、物性低下が起こる傾向がある。
溶融混練時の加熱温度は、130〜300℃であることが、原料ポリオレフィン系樹脂が充分に溶融し、かつ熱分解しないという点で好ましい。また溶融混練の時間(ラジカル重合開始剤を混合してからの時間)は、通常30秒間〜60分間である。
また、前記の溶融混練の装置としては、押出機、バンバリーミキサー、ミル、ニーダー、加熱ロールなどを使用することができる。生産性の面から単軸あるいは2軸の押出機を用いる方法が好ましい。また、各々の材料を充分に均一に混合するために、前記溶融混練を複数回繰返してもよい。
<<塗装されたポリオレフィン系樹脂を主成分とする成型品について>>
ポリオレフィン系樹脂を主成分とする成型品のポリオレフィン成分は、例えば、改質ポリオレフィンがポリプロピレン系から得られたものであれば同種のポリプロピレン系樹脂である等、改質ポリオレフィン樹脂と同種のものが好ましい。
成型品を粉砕して微細化品(粉砕品)とする方法としては特に限定はないが、クラッシャー方式や鋸式等の粉砕機、カッター刃を有する裁断機、バンバリーミキサー、ハンマーミキサー等を用いることができる。
また、改質ポリオレフィン系樹脂を配合する場合、本願で用いる微細化品の粒径(体積平均粒子径)としては改質ポリオレフィン系樹脂が混合に支障がない範囲で特に限定はないが、強いてあげるとすれば、0.01mm〜10mm、好ましくは0.1mm〜5mmをあげることができる。また、改質ポリオレフィン系樹脂と同程度の粒子径であることが特に好ましい。また、例えばペレット化等、予め粉砕品が溶融処理されていることが特に好ましい。
粉砕品と、いわゆる新しい樹脂(バージン品)を併用することも問題はない。また、粉砕品とバージン樹脂の混合比率は特に限定はない。
混合方法は溶融混合が好ましく、溶融温度も130〜300℃、更には130〜250℃が好ましい。
<<改質ポリオレフィン系樹脂の配合量について>>
本発明の改質ポリオレフィン系樹脂は、成形品を構成するポリオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂100重量部に対し0.1〜50重量部含有させることができる。より好ましくは、1〜20重量部であり、さらに好ましくは1〜10重量部である。この範囲よりも多く含有させると、ポリオレフィンの結晶性が損なわれ、剛性が低下する。また、少なすぎても本発明の効果が発現しない。
以下に具体的な実施例を示すが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。下記実施例および比較例中「部」および「%」は、それぞれ「重量部」および「重量%」を表す。
(分子量分布測定) 下記実施例中、「数平均分子量」および「分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の比)」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出した。ただし、GPCカラムとしてポリスチレン架橋ゲルを充填したもの(shodex GPC K−804;昭和電工(株)製)、GPC溶媒としてクロロホルムを用いた。
下記実施例中、「平均末端(メタ)アクリロイル基数」は、「重合体1分子当たりに導入された(メタ)アクリロイル基数」であり、H NMR分析およびGPCにより求められた数平均分子量により算出した。
(グラフト量の分析)
改質ポリオレフィン系樹脂のグラフト量は以下の方法で算出した。まず、押出ペレットについて、190℃にて約5分間プレス成形し、これを成形体Aとした。一方で押出ペレットを約40重量倍のキシレンを用いて130℃にて1時間加熱して溶解し、不溶分を除去した後、一晩放冷して再沈物をろ過して回収した。さらに80℃にて4時間減圧乾燥して、未反応のビニル系重合体等を除去したペレットを190℃にて約5分間プレス成形し、これを成形体Bとした。成形体A、成形体Bについて、透過型にてIR測定を行い、カルボニル基(C=O、1734cm−1付近)とC−H基(1454cm−1付近)とのピーク比を求め、グラフト量を推算した。
(引張試験)
約0.7mm厚プレスシートを作成し、そこからJIS−K7113付属書1に記載の2(1/3)号試験片を打ち抜いた。オートグラフ(Shimadzu製、AUTOGRAPH AG−2000A)を用いて、JIS−K7113に準じて引張速度16.66mm/minで引張試験を行った。
(ビニル系重合体の製造例)
攪拌機付き反応槽にCuBr(0.84部)、アセトニトリル(8.8部)を加え、窒素雰囲気下にて80℃で15分間攪拌した。これにアクリル酸ブチル(20部)、2−ブロモブチル酸エチル(7.6部)を添加し、よく攪拌混合した。ペンタメチルジエチレントリアミン(0.017部)を添加し、重合を開始させた。内部温度を80〜90℃に保持しながら、ペンタメチルジエチレントリアミンを適宜添加し、さらにアクリル酸ブチル(80部)を連続的に滴下した。モノマー反応率が95%に達した時点で酸素窒素混合ガスで処理した後、減圧下80℃で揮発分を除去した。
この濃縮物にトルエン、珪藻土、珪酸アルミ、ハイドロタルサイトを加え、酸素窒素混合ガス雰囲気下、100℃で加熱攪拌した。混合液中の固形分をろ過で除去した。ろ液に珪藻土、珪酸アルミ、ハイドロタルサイトを加え、酸素窒素混合ガス雰囲気下、100℃で加熱攪拌した。ろ過後、減圧下加熱攪拌して揮発分を除去し、臭素基片末端重合体を得た。
得られた臭素基片末端重合体をN,N−ジメチルアセトアミドに溶解し、アクリル酸カリウム、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−オキシル−ピペリジンを加え、70℃で加熱攪拌した。混合物を120℃にて減圧下で揮発分を除去した後、トルエンで溶解させて不溶分を除去した。この溶液を加熱減圧して揮発分を除去することにより、アクリロイル基片末端ポリ(アクリル酸ブチル)(以下、ビニル系重合体[1]という)を得た。ビニル系重合体[1]の数平均分子量は3500、分子量分布は1.17、平均末端アクリロイル基数は0.97であった。
(実施例1)
ホモポリプロピレン90重量部(三井住友ポリオレフィン(株)製、MRF=3.8)80重量部、片末端アクリロイル基ポリ(アクリル酸n−ブチル)(重合体[1])20重量部、1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(日本油脂(株)製:パーブチルP、1分間半減期175℃)5重量部とをブレンドした状態で、2軸押出機(スクリュウ径15mm、スクリュウ回転数100rpm、シリンダー設定温度200℃)に供給して、改質ポリオレフィン系樹脂(A)を得た。この改質ポリオレフィン樹脂(A)のグラフト量は17%であった。
ポリプロピレン用プライマー(日本ペイント(株)製:naxPPプライマー)、ウレタン系塗料(大日本インキ化学工業(株)製:アクリディックA801P、東京化成工業(株):ヘキサメチレンジイソシアネート)を表面に塗布したポリプロピレン成形品(三井化学(株)製、MRF=3.0g/10分)を粉砕したもの100重量、改質ポリオレフィン系樹脂(A)10重量部を200℃に設定したラボプラストミル(ブレード形状:ローラー形R60 東洋精機株式会社製:20C200)にて約5分間混練した。得られた樹脂組成物を0.7mm厚のプレスシートにし、引張物性を測定した。その結果、引張強度33MPa、破断伸び520%、弾性率1260MPとなった。
(比較例)
ポリプロピレン用プライマー(日本ペイント(株)製:naxPPプライマー)、ウレタン系塗料(大日本インキ化学工業(株)製:アクリディックA801P、東京化成工業(株):ヘキサメチレンジイソシアネート)を表面に塗布したポリプロピレン成形品(三井化学(株)製、MRF=3.0g/10分)を粉砕したものを200℃に設定したラボプラストミル(ブレード形状:ローラー形R60 東洋精機株式会社製:20C200)にて約5分間混練した。得られた樹脂組成物を0.7mm厚のプレスシートにし、引張物性を測定した。その結果、引張強度28MPa、破断伸び480%、弾性率1100MPとなった。
実施例では比較例に比べて、引張物性が優れていることがわかる。

Claims (15)

  1. 表面に塗装された、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする成型品の微細化品に配合する改質ポリオレフィン系樹脂であって、該樹脂が(a)ポリオレフィン系樹脂、(b)1分子あたり少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する基を分子末端に有するビニル系重合体(I)および(c)ラジカル開始剤を溶融混練して得られることを特徴とする改質ポリオレフィン系樹脂。
  2. (a)ポリオレフィン系樹脂がポリプロピレン系樹脂である、請求項1に記載の改質ポリオレフィン系樹脂。
  3. 重合体(I)が、一般式1
    −C(R)(R)C(R)=CH (1)
    (式中、R、R、Rは水素、または、炭素数1〜20の有機基を表す。)
    で表される炭素−炭素二重結合を有する基を1分子あたり少なくとも1個、分子末端に有するビニル系重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載の改質ポリオレフィン系樹脂。
  4. が水素、または、メチル基であることを特徴とする請求項3記載の改質ポリオレフィン系樹脂。
  5. 重合体(I)が、一般式2
    −OC(O)C(R)=CH (2)
    (式中、Rは水素、または、炭素数1〜20の有機基を表す。)
    で表される炭素−炭素二重結合を有する基を1分子あたり少なくとも1個、分子末端に有するビニル系重合体であることを特徴とする、請求項1または2に記載の改質ポリオレフィン系樹脂。
  6. が水素、または、メチル基であることを特徴とする請求項5記載の改質ポリオレフィン系樹脂。
  7. 重合体(I)の主鎖が、ビニル系モノマーのリビングラジカル重合により製造されるものである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の改質ポリオレフィン系樹脂。
  8. リビングラジカル重合が原子移動ラジカル重合であることを特徴とする、請求項7に記載の改質ポリオレフィン系樹脂。
  9. 原子移動ラジカル重合の触媒である遷移金属錯体が銅の錯体であることを特徴とする、請求項8に記載の改質ポリオレフィン系樹脂。
  10. 重合体(I)の主鎖が、連鎖移動剤を用いたビニル系モノマーの重合により製造されるものである請求項1〜6のいずれか一項に記載の改質ポリオレフィン系樹脂。
  11. 重合体(I)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量と数平均分子量の比の値が1.8未満のものである請求項1〜10のいずれか一項に記載の改質ポリオレフィン系樹脂。
  12. 重合体(I)が、一般式3
    −C(X)=CH (3)
    (式中、Xは−COOR、CONR、−OR、−OCOR、−OCOOR、−NCOOR、ハロゲン原子、−CN、または置換基を有してもよいフェニル基もしくはアリール基)で表される基を1分子あたり少なくとも1個、分子末端に有するビニル系重合体であることを特徴とする、請求項1または2に記載の改質ポリオレフィン系樹脂。
  13. 重合体(I)が、(メタ)アクリル系重合体であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の改質ポリオレフィン系樹脂。
  14. 重合体(I)が、アクリル酸エステル系重合体であることを特徴とする請求項13に記載の改質ポリオレフィン系樹脂。
  15. 表面に塗装された、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする成型品の微細化品と、請求項1〜14いずれか記載の改質ポリオレフィン系樹脂の組成物。

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