JP2007127947A - 感光性平版印刷版 - Google Patents

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Abstract

【課題】高感度で優れた印刷性能及び経時保存安定性を有し、且つ白色灯下での作業性に優れた、赤外レーザー用感光性平版印刷版を提供する事を課題とする。
【解決手段】支持体上に、重合性ポリマー、光重合開始剤、該光重合開始剤を増感しうる750nmから900nmに吸収を有する増感色素を含有する感光層を有する感光性平版印刷版に於いて、高感度で優れた印刷性能及び経時保存安定性を有し、且つセーフライト性に優れ、白色灯下での作業性の向上した赤外レーザー用感光性平版印刷版を提供する事ができる。
【選択図】なし

Description

本発明は感光性平版印刷版材料に関する。更に詳しくは、白色灯下で作業が可能な赤外レーザー感光性平版印刷版に関する。
近年、光重合開始剤と色素増感剤および重合性化合物を含有し、色素増感剤が吸収した光エネルギーを光重合開始剤のラジカル開裂に利用し、発生するラジカルによる重合性化合物の重合を利用した平版印刷版の開発が行われ、可視光領域、赤外領域に発光する高出力半導体レーザーやYAGレーザー等が光源として利用されるようになり、これら光源の出力に合わせた感光材料およびこれを利用した印刷版の開発が行われるようになってきた。特に、白色灯下での作業が可能な、赤外光領域のレーザーに感光性を持つ平版印刷版の開発が盛んに行われており、例えば特開平9−34110号公報、特開平9−197668号公報、特開2001−290271号公報に開示されている(特許文献1、2、3)。しかし、これらの赤外レーザー用感光平版印刷版は、高い感度を有しているものの、白色灯の光にも感光する為、白色灯下での作業性を悪化させており、その傾向は、感光材料の感度が高感度であればある程、顕著になってきている。作業性向上の為に、感度を低くすると、大きな露光エネルギーが必要となり、露光時間が長くなり逆に作業の効率が悪くなるばかりか、レーザーの寿命の短命化が起こりコストの面からも問題であり、改善が求められている。
白色灯下での作業性を改善する為に、吸収極大を500nm〜700nmに有する染料を配合した平版印刷版が特開2005−107389号公報で開示されているが、白色灯下での作業性と高感度化を同時に満足するものではなかった(特許文献4)。又、別の技術として、特開平8−248639号公報や特開2003−233192号公報及び特開平8−194310号公報にオーバー層又はカバーシ−トや基材、接着性層等の感光層とは別の層に可視光領域に吸収を持たせる事によって、白色蛍光灯下での作業性を改善する技術の開示がされているが、白色灯下での作業性と印刷性能及び経時保存安定性迄もの性能を同時に満足する事ができる物ではなかった。(特許文献5、6、7)
又、特開2004−302205号公報記載の、450nm〜750nmに吸収極大を持つ色材を樹脂で被覆し作製した顔料を含有する技術の開示や、実質的には可視光領域に吸収を持つ顔料を使用した技術である特開2000−122273号公報記載の技術では、顔料特有の不均一性から、白色灯下での充分な作業性が得られず、作業性能を優先させた場合、印刷性能への悪影響が見られる結果となり、白色灯下での作業性と印刷性能刷性能及び経時保存安定性を同時に満足する物ではなかった。(特許文献8、9)
特開平9−34110号公報(第2項) 特開平9−197668号公報(第2項) 特開2001−290271号公報(第2項) 特開2005−107389号公報(第2項) 特開2003−233192号公報(第2項) 特開平8−248639号公報(第2項) 特開平8−194310号公報(第2項) 特開2004−302205号公報(第2項) 特開2000−122273号公報(第2項)
従って、本発明の目的は、高感度で優れた印刷性能及び経時保存安定性を有し、且つ白色灯下での作業性(以降セーフライト性)に優れた、赤外レーザー用感光性平版印刷版を提供する事である。
本発明の上記目的は、以下の感光性平版印刷版により達成された。
1 支持体上に、重合性ポリマー、光重合開始剤、該光重合開始剤を増感しうる750nmから900nmに吸収を有する増感色素を含有する感光層を有する感光性平版印刷版に於いて、該感光層に光重合開始剤を増感しない、350nm〜550nmに吸収極大を有する染料を含有する事を特徴とする感光性平版印刷版。
2 前記、重合性ポリマーが側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有し、且つカルボキシル基含有モノマーを共重合成分として有するポリマーである事を特徴とする前記1に記載の感光性平版印刷版。
3 前記、エチレン性不飽和二重結合がビニル基が置換したフェニル基として側鎖に有することを特徴とする前記1又は2いずれかに記載の感光性平版印刷版。
4 前記、光重合開始剤が有機ホウ素塩である事を特徴とする前記1、2又は3いずれかに記載の感光性平版印刷版。
5 前記、該光重合開始剤を増感しうる750nmから900nmに吸収を有する増感色素が、カチオン性色素である事を特徴とする前記1、2、3又は4いずれかに記載の感光性平版印刷版。
6 オーバー層を有さない前記1、2、3、4又は5いずれかに記載の感光性平版印刷版。
本発明によれば、支持体上に、重合性ポリマー、光重合開始剤、該光重合開始剤を増感しうる750nmから900nmに吸収を有する増感色素を含有する感光層を有する感光性平版印刷版に於いて、高感度で優れた印刷性能及び経時保存安定性を有し、且つセーフライト性に優れ、白色灯下での作業性の向上した赤外レーザー用感光性平版印刷版を提供する事ができる。
以下本発明について詳細に説明する。
本発明は 高感度の感光層中に光重合開始剤を増感しない350nm〜550nmに吸収極大を有する染料を含有する事を特徴としている。本発明の作用機構については不明であるが、以下に本発明に至る過程を説明する。
本発明の発端となった現象として、白色灯下にさらされた後の高感度の感光性平版印刷版を用いて赤外光で画像形成を行った際、感度が増感したり又は減感したり様々な挙動を示した事にある。従来のネガ型平版印刷版で知られているセーフライト性は、白色灯の光に感光し重合開始剤がラジカルを発生しラジカル重合が開始してしまい、現像後の平版印刷版上の非画像部に残膜を形成する現象であり、画像部だけ見ればあたかも増感したような挙動を示す。しかしもう1つの現象の減感については推測の域を出ないが、白色灯下の光に感光し重合開始剤が開裂しラジカルを発生するが、画像を形成せずにラジカルが失括し、開裂したラジカル発生剤の分だけ、赤外光での感度が減少したと考えられる。驚くべき事に、この両極端の現象について、本発明の重合開始剤を増感しない350nm〜550nmに吸収極大を有する染料を含有する事によって解決しただけでなく、感光性平版印刷版の経時保存性にも優れた結果を示したのである。
本発明の特徴となる配合成分である光重合開始剤を増感しない、350nm〜550nmに吸収極大を有する染料について説明する。
本発明に使用される、350nm〜550nmに吸収極大を有する染料の吸収極大の測定方法は、使用する10%重合性ポリマー10質量部に対して染料0.1質量部を溶解し、重合性ポリマーの乾燥膜厚が1μmに成る様にPETフィルム上に塗布し、透過型の光学濃度計で各波長域の透過率を測定した値と、染料を含まない重合性ポリマーの乾燥膜厚が1μmに成る様に、PETフィルム上に塗布し、各波長の透過率を測定した値との差によって求める事ができる。
本発明に使用される、350nm〜550nmに吸収極大を有する染料は、光重合開始剤を増感しない事が必須で、増感してしまうと全く効果を発揮しない。又、染料である事も重要なファクターで、前記染料の代わりに、同じ吸収極大を有する顔料を使用した場合、感光層内の均一性が乏しい為、前述した高感度でセーフライト性に優れ、且つ優れた経時保存安定性を発揮する事はできないばかりでなく、均一性に劣る顔料を用いセーフライト性を満足させた場合、染料を用いる場合と比較して添加量が多くなり、活性光である750nm〜900nmの光の透過性にも悪影響を及ぼし、画質の低下、耐刷性の悪化を引き起こす。
染料の添加位置についても重要なファクターであり、感光層とは別の層、例えば基材、接着層に含有した場合、セーフライト性向上の効果は得難く、又、オーバー層に添加する事は、感光性平版印刷版の経時保存性が良化する効果は望めない。又、画質、作業性の面から好ましい形態ではない。
本発明に使用される光重合開始剤を増感しない、350nm〜550nmに吸収極大を有する染料としては、後述の溶剤に対して溶解するもので、光重合開始剤を増感しなければどの様な染料を使用しても良いが、350nm〜550nmに強い光吸収を持ち、750nm〜900nmに高い光透過性を有する染料が好ましく使用される。
本発明の染料は、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、エチレンジクロライド、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシプロパノール、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、乳酸メチル、乳酸エチル等の溶媒に良好な溶解性を示す。特に1,4ージオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン等に溶解性を有する染料が好ましい。
本発明に使用される光重合開始剤を増感しない、350nm〜550nmに吸収極大を有する染料としては、例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類、開鎖型活性メチレン化合物類を有するアリール若しくはヘテリルアゾ染料;例えばカップリング成分として開鎖型活性メチレン化合物類を有するアゾメチン染料;例えばベンジリデン染料やモノメチンオキソノール染料等のようなメチン染料;例えばナフトキノン染料、アントラキノン染料等のようなキノン系染料等があり、これ以外の染料種としてはキノフタロン染料、ニトロ・ニトロソ染料、アクリジン染料、アクリジノン染料等を挙げることができる。好ましい具体例を示すと、三菱化成社製ダイアレジン・ブリリアント・イエロー6G、ダイアレジン・イエロー3G、ダイアレジン・イエローF、ダイアレジン・レッドZ、ダイアレジン・イエローH2G、ダイアレジン・イエローHG、ダイアレジン・イエローHC、ダイアレジン・イエローHL、ダイアレジン・オレンジHS、ダイアレジン・オレンジG、ダイアレジン・レッドGG、ダイアレジン・イエローGR、ダイアレジン・レッドS、ダイアレジン・レッドHS、ダイアレジン・レッドA、ダイアレジン・レッドH、ダイアシッド・ライト・イエロー2G、日本化薬社製カヤセット・イエローK−RL、カヤセット・イエローK−CL、カヤセット・イエローE−G、カヤセット・イエローE−AR、カヤセット・イエローA−G、カヤセット・イエローGN、カヤセット・イエロー2G、カヤセット・イエローSF−G、カヤセット・オレンジK−RL、カヤセット・オレンジG、カヤセット・オレンジA−N、カヤセット・オレンジSF−R、カヤセット・フラビンFN、カヤセット・フラビンFG、カヤセット・レッドK−BL、Kayacryl Golden Yellow GL−ED、BASF社製、Neopen Yellow 075、オリエント化学工業社製、OIL YELLOW 105、OIL YELLOW 129、OIL SCARLET308、OIL ORANGE816、OIL BROWN416等の黄色、橙色、褐色の染料が挙げられる。上記染料の中で更に好ましい染料は、OIL YELLOW 105、OIL SCARLET308、OIL BROWN416である。
感光性組成物中に於ける光重合開始剤を増感しない、350nm〜550nmに吸収極大を有する染料の割合については好ましい範囲が存在し、感光性組成物トータル100質量部において該染料は0.1質量部から30質量部の範囲で含まれている事が好ましい。
本発明に使用される、重合性ポリマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、マレイン酸、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、マレイミド等の単独もしくは共重合体、その他、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリエチレンテレフタレート、アセチルセルロース、またはポリビニルブチラール等が挙げられる。中でも、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の置換されていてもよい(メタ)アクリル酸エステルの少なくとも一種と(メタ)アクリル酸を共重合成分として含有する分子内にカルボキシル基を含有する共重合体が好ましい。なお、本明細書において、(メタ)アクリルはメタクリル若しくはアクリルを意味する。
本発明に使用される、重合性ポリマーとしては、側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有するポリマーが好ましく、上記の如きカルボキシル基を含有する共重合体にエポキシ基と不飽和基を併せ有する化合物を反応させた樹脂が挙げられる。エポキシ基と不飽和基を併せ有する化合物としては、例えば、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、α−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルクロトネート、グリシジルイソクロトネート、クロトニルグリシジルエーテル、イタコン酸モノアルキルモノグリシジルエステル、フマール酸モノアルキルモノグリシジルエステル、マレイン酸モノアルキルモノグリシジルエステル等の脂肪族エポキシ基含有不飽和化合物、又は、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。中でも、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートが好ましく、さらに、好ましくは3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートである。
本発明に用いられる重合性ポリマーとして特に好ましくは、重合性二重結合としてビニル基が置換したフェニル基を側鎖に有し、かつカルボキシ基含有モノマーを共重合成分として有するポリマーである。ビニル基が置換したフェニル基は直接もしくは連結基を介して主鎖と結合したものであり、連結基としては特に限定されず、任意の基、原子またはそれらの複合した基が挙げられる。また、前記フェニル基は置換可能な基もしくは原子で置換されていても良く、また、前記ビニル基はハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等で置換されていても良い。上記した側鎖にビニル基が置換したフェニル基を有する重合体とは、更に詳細には、下記化1で表される基を側鎖に有するものである。
Figure 2007127947
式中、Z1は連結基を表し、R1、R2、及びR3は、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等であり、更にこれらの基は、アルキル基、アミノ基、アリール基、アルケニル基、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基等で置換されていても良い。R4は置換可能な基または原子を表す。n1は0または1を表し、m1は0〜4の整数を表し、k1は1〜4の整数を表す。
上記一般式について更に詳細に説明する。Z1の連結基としては、酸素原子、硫黄原子、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−N(R5)−、−C(O)−O−、−C(R6)=N−、−C(O)−、スルホニル基、複素環基、及び下記化2で表される基等の単独もしくは2以上が複合した基が挙げられる。ここでR5及びR6は、水素原子、アルキル基、アリール基等を表す。更に、上記した連結基には、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
Figure 2007127947
上記複素環基としては、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、イソオキサゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、イソチアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、チアトリアゾール環、インドール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズセレナゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、キノリン環、キノキサリン環等の含窒素複素環、フラン環、チオフェン環等が挙げられ、更にこれらの複素環には置換基が結合していても良い。
化1で表される基の例を以下に示すが、これらの例に限定されるものではない。
Figure 2007127947
Figure 2007127947
Figure 2007127947
Figure 2007127947
上記化1で表される基の中には好ましいものが存在する。即ち、R1及びR2が水素原子でR3が水素原子もしくは炭素数4以下の低級アルキル基(メチル基、エチル基等)であるものが好ましい。更に、Z1の連結基としては複素環を含むものが好ましく、k1は1または2であるものが好ましい。
化1で示される基を有し、かつカルボキシ基含有モノマーを共重合成分として有するポリマーの例を下記に示す。式中、数字は共重合体トータル組成100質量%中に於ける各繰り返し単位の質量%を表す。
Figure 2007127947
Figure 2007127947
Figure 2007127947
Figure 2007127947
Figure 2007127947
本発明の重合性ポリマーは、更に他のモノマーを共重合体成分として含んでもよい。他のモノマーとしては、スチレン、4−メチルスチレン、4−ヒドロキシスチレン、4−アセトキシスチレン、4−カルボキシスチレン、4−アミノスチレン、クロロメチルスチレン、4−メトキシスチレン等のスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ドデシル等のメタクリル酸アルキルエステル類、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸アリールエステル或いはアルキルアリールエステル類、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸メトキシジエチレングリコールモノエステル、メタクリル酸メトキシポリエチレングリコールモノエステル、メタクリル酸ポリプロピレングリコールモノエステル等のアルキレンオキシ基を有するメタクリル酸エステル類、メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸2−ジエチルアミノエチル等のアミノ基含有メタクリル酸エステル類、或いはアクリル酸エステルとしてこれら対応するメタクリル酸エステルと同様の例、或いは、リン酸基を有するモノマーとしてビニルホスホン酸等、或いは、アリルアミン、ジアリルアミン等のアミノ基含有モノマー類、或いは、ビニルスルホン酸およびその塩、アリルスルホン酸およびその塩、メタリルスルホン酸およびその塩、スチレンスルホン酸およびその塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびその塩等のスルホン酸基を有するモノマー類、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルカルバゾール等の含窒素複素環を有するモノマー類、或いは4級アンモニウム塩基を有するモノマーとして4−ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドのメチルクロライドによる4級化物、N−ビニルイミダゾールのメチルクロライドによる4級化物、4−ビニルベンジルピリジニウムクロライド等、或いはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、またアクリルアミド、メタクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシエチルアクリルアミド、4−ヒドロキシフェニルアクリルアミド等のアクリルアミドもしくはメタクリルアミド誘導体、さらにはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、フェニルマレイミド、ヒドロキシフェニルマレイミド、酢酸ビニル、クロロ酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類、またメチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、その他、N−ビニルピロリドン、アクリロイルモルホリン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アリルアルコール、ビニルトリメトキシシラン、グリシジルメタクリレート等各種モノマー、が挙げられる。
本発明に係わる重合性ポリマーの分子量については好ましい範囲が存在し、質量平均分子量として1000から100万の範囲にあることが好ましく、さらに5000から50万の範囲にあることがさらに好ましい。
本発明の感光層に使用される増感色素については、750nmから900nmの近赤外から赤外光の波長領域の光において光重合開始剤の分解を増感するものであり、種々のカチオン性色素、アニオン性色素および電荷を有しない中性の色素としてメロシアニン、クマリン、キサンテン、チオキサンテン、アゾ色素等が使用できる。これらの内で特に好ましい例は、カチオン色素としてのシアニン、カルボシアニン、へミシアニン、メチン、ポリメチン、トリアリールメタン、インドリン、アジン、チアジン、キサンテン、オキサジン、アクリジン、ローダミン、およびアザメチン色素から選ばれる色素である。これらのカチオン性色素との組み合わせに於いては特に高感度でかつ保存性に優れるために好ましく使用される。特に好ましい増感色素の例を下例に示す。
Figure 2007127947
Figure 2007127947
感光性組成物中に於ける増感色素の割合については好ましい範囲が存在し、感光性組成物トータル100質量部において該増感色素は0.01質量部から50質量部の範囲で含まれていることが好ましい。
本発明の光重合開始剤としては、光照射によりラジカルを発生し得る化合物であれば任意の化合物を使用することができる。例えば、トリハロアルキル置換された化合物(例えばトリハロアルキル置換された含窒素複素環化合物として トリアジン化合物およびオキサジアゾール誘導体、トリハロアルキルスルホニル化合物)、ヘキサアリールビスイミダゾール、チタノセン化合物、ケトオキシム化合物、チオ化合物、有機過酸化物等が挙げられる。これらの光重合開始剤の中でも、有機ホウ素塩、トリハロアルキル置換化合物が好ましく用いられる。更に好ましくは、有機ホウ素塩とトリハロアルキル置換化合物を組み合わせて用いることである。
本発明に好ましく用いられる有機ホウ素塩としては、化14で示される有機ホウ素アニオンを有する化合物を用いることが好ましい。
Figure 2007127947
化14において、R11、R12、R13およびR14は各々同じであっても異なっていても良く、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基を表す。これらの内で、R11、R12、R13およびR14の内の一つがアルキル基であり、他の置換基がアリール基である場合が特に好ましい。
上記の有機ホウ素塩としては、先に示した化14で表される有機ホウ素アニオンを含む塩であり、塩を形成するカチオンとしてはアルカリ金属イオンおよびオニウム化合物が好ましく使用される。特に好ましい例は、有機ホウ素アニオンとのオニウム塩として、テトラアルキルアンモニウム塩等のアンモニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等のスルホニウム塩、トリアリールアルキルホスホニウム塩等のホスホニウム塩が挙げられる。特に好ましい有機ホウ素塩の例を以下に示す。
Figure 2007127947
Figure 2007127947
感光性組成物中に於ける有機ホウ素塩の割合については好ましい範囲が存在し、感光性組成物トータル100質量部において該有機ホウ素塩は0.1質量部から50質量部の範囲で含まれていることが好ましい。
本発明に用いられる有機ホウ素塩と併用し使用する、好ましい光重合開始剤としてトリハロアルキル置換化合物が挙げられる。ここで言うトリハロアルキル置換化合物とは、具体的にはトリクロロメチル基、トリブロモメチル基等のトリハロアルキル基を分子内に少なくとも一個以上有する化合物であり、好ましい例としては、該トリハロアルキル基が含窒素複素環基に結合した化合物としてs−トリアジン誘導体およびオキサジアゾール誘導体が挙げられ、或いは、該トリハロアルキル基がスルホニル基を介して芳香族環或いは含窒素複素環に結合したトリハロアルキルスルホニル化合物が挙げられる。
トリハロアルキル置換した含窒素複素環化合物やトリハロアルキルスルホニル化合物の特に好ましい例を以下に示す。
Figure 2007127947
Figure 2007127947
トリハロアルキル置換化合物を用いる場合に於いて、その感光性平版印刷版の感光層中に於ける好ましい範囲が存在し、感光層トータル100質量部中に於ける割合として0.1質量部から50質量部の範囲で含まれることが好ましい。さらに、これらは前述した有機ホウ素塩とともに感光層中に含まれている場合において特に感度が向上するため好ましく、この場合有機ホウ素塩に対する割合としては、有機ホウ素塩1質量部に対してトリハロアルキル置換化合物は0.1質量部から50質量部の範囲で含まれていることが好ましい。
本発明の感光性平版印刷版の感光層は、重合性モノマーを含有するのが好ましい。これを組み合わせることによって更に高感度が実現でき、また印刷性能に優れた感光性平版印刷版を得ることができる。
重合性モノマーとしては、重合性二重結合を有する重合性化合物が挙げられる。好ましい重合性モノマーの例としては、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリスアクリロイルオキシエチルイソシアヌレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールグリセロールトリアクリレート、グリセロールエポキシトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等の多官能アクリル系モノマーが挙げられる。
或いは、上記の重合性化合物に代えてラジカル重合性を有するオリゴマーも好ましく使用され、アクリロイル基、メタクリロイル基を導入した各種オリゴマーとしてポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等も同様に使用されるが、これらもエチレン性不飽和化合物として同様に好ましく用いることができる。
重合性モノマーとして、更に好ましい態様は、分子内にビニル基が置換したフェニル基を2個以上を有する重合性化合物が挙げられる。該化合物を使用した場合に於いて、発生するラジカルにより生成するスチリルラジカル同士の再結合により効果的に架橋を行うため、高感度の感光性平版印刷版を作製する上で極めて好ましい。
分子内にビニル基が置換したフェニル基を2個以上有する重合性化合物は、代表的には下記一般式で表される。
Figure 2007127947
式中、Z2は連結基を表し、R21、R22及びR23は、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等であり、更にこれらの基は、アルキル基、アミノ基、アリール基、アルケニル基、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基等で置換されていても良い。R24は置換可能な基または原子を表す。m2は0〜4の整数を表し、k2は2以上の整数を表す。
更に詳細に説明する。Z2の連結基としては、酸素原子、硫黄原子、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−N(R25)−、−C(O)−O−、−C(R26)=N−、−C(O)−、スルホニル基、複素環基等の単独もしくは2以上が複合した基が挙げられる。ここでR25及びR26は、水素原子、アルキル基、アリール基等を表す。更に、上記した連結基には、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
上記複素環基としては、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、イソオキサゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、イソチアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、チアトリアゾール環、インドール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズセレナゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、キノリン環、キノキサリン環等の含窒素複素環、フラン環、チオフェン環等が挙げられ、これらには置換基が結合していても良い。
上記化19で表される化合物の中でも好ましい化合物が存在する。即ち、R21及びR22は水素原子でR23は水素原子もしくは炭素数4以下の低級アルキル基(メチル基、エチル基等)で、k2は2〜10の化合物が好ましい。以下に化25で表される化合物の具体例を示すが、これらの例に限定されるものではない。
Figure 2007127947
Figure 2007127947
Figure 2007127947
上記のような重合性モノマーが、感光性平版印刷版の感光層中に占める割合に関しては好ましい範囲が存在し、感光層トータル100質量部中において重合性モノマーは1質量部から60質量部の範囲で含まれることが好ましく、さらに5質量部から50質量部の範囲で含まれることが特に好ましい。
本発明の感光性平版印刷版の感光層に光重合開始剤を増感しない、350nm〜550nmに吸収極大を有する染料以外の着色剤を含有してもよい。着色剤としては、画像部の視認性を高める為に使用されるものであるが、好ましくは、センサーカブリ防止性向上の為に、センサーに使用されるレーザーの波長領域に吸収を有するものを含有することである。又、画質向上の為に、感光波長域の着色剤を含有する事も好ましい。これら着色剤の例としては、下記のような、無機顔料、有機顔料、色素などが挙げることができる。
無機顔料としては、雲母状酸化鉄、鉛丹、黄鉛、銀朱、群青、二酸化チタン、被覆雲母、ストンチームクロメート、チタニウムイエロー、ジンククロロメート、モリブデン赤、酸化クロム、鉛酸カルシウム等が挙げられる。又、有機顔料としては、カーボンブラック、フタロシアニン顔料、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、縮合アゾ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料、ニッケルアゾ顔料、ペリノン顔料、ペリレン顔料、アンスロン顔料、キナクリドン顔料、アンスラキノン顔料、チオインジゴ顔料、ジオキサジン顔料、インダスロン顔料、ピランスロン顔料等が挙げられる。又、色素としては、フタロシアニン系色素、トリアリールメタン系色素、アントラキノン系色素、アゾ系色素等の各種の色素が挙げられる。
上記顔料、色素は、単独で用いてもかまわないが、2種以上を併用して用いてもよい。
感光性平版印刷版を構成する他の要素として重合禁止剤の添加も好ましく行う事ができる。例えば、キノン系、フェノール系等の化合物が好ましく使用され、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、カテコール、t−ブチルカテコール、2−ナフトール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等の化合物が好ましく用いられる。これらの重合禁止剤と先に述べたエチレン性不飽和化合物との好ましい割合は、エチレン性不飽和化合物1質量部に対して0.001から0.1質量部の範囲で使用することが好ましい。
本発明に使用される支持体については、例えばフィルムやポリエチレン被覆紙を使用しても良いが、より好ましい支持体は、研磨され、陽極酸化皮膜を有するアルミニウム板である。ここでの研磨され、陽極酸化皮膜を有するアルミニウム板とは、一般に平版印刷版に使用されるアルミニウム支持体が使用される。一般に平版印刷版に使用されるアルミニウム支持体とは、印刷時における湿し水に対する濡れ(保水性)を良くするため、また感光層との密着を良くするため、その表面を粗面化することが行われる。この粗面化処理(いわゆるグレイニング)には、ボールグレイニング、ワイヤグレイニング、ブラシグレイニング等の機械的粗面化処理、塩化物、フッ化物等で化学的にアルミニウムを溶解することにより行う化学的粗面化処理、及び電気化学的にアルミニウムを溶解することにより行う電解粗面化処理、及びこれらの方法を併用した粗面化方法が知られている。例えば特開昭48−28123号、特開昭53−123204号、特開昭54−146234号、特開昭55−25381、特開昭55−132294号、特開昭56−55291号、特開昭56−150593号、特開昭56−28893号、特開昭58−167196号、米国特許第2,344,510号、同第3,861,917号、同第4,301,229号などがある。アルミ板の表面形状についても、米国特許第2,344,510号は機械的粗面化と電解粗面化を行い重畳的に複合した砂目構造、米国特許第4,301,229号はピット径の累積度数分布と中心線平均粗さ、米国特許第3,861,917号は粗面の深さ、カナダ特許第955449号は粗面の山の高さと直径、西ドイツ特許第1,813,443号は粗面の高低差についてそれぞれ記載されている。このような粗面化処理を行った後、硫酸、リン酸、硝酸あるいはそれらの混合液などの電解液中で陽極酸化処理が施される。
本発明の現像液としては、pH8以上であれば、任意のアルカリ水溶液を使用することができる。アルカリ剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、第2リン酸ナトリウム、第2リン酸カリウム、第2リン酸アンモニウム、第3リン酸ナトリウム、第3リン酸カリウムおよび第3リン酸アンモニウム等の無機アルカリ剤や、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−エチルエタノールアイミン、N−n−ブチルエタノールアミン、N−t−ブチルエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N−t−ブチルジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−アミノエチルエタノールアミン、N−アミノエチルプロパノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等の有機アルカリ剤、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウムおよびケイ酸リチウムのようなアルカリ金属ケイ酸塩やケイ酸アンモニウム等が挙げられる。これらは、1種または2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明に用いられる現像液にはその他の種々界面活性剤と併用することができ、アニオン系、カチオン系、ノニオン系及び両性界面活性剤が挙げられる。これらの併用する界面活性剤は、現像液中に0.001〜10質量%、より好ましくは0.01〜5質量%の範囲で添加される。
本発明に用いられる現像液には、種々の現像安定化剤を用いる事ができる。それらの好ましい例として、特開平6−282079号公報記載の糖アルコールのポリエチレングリコール付加物、テトラブチルホスホニウムブロマイドなどのホスホニウム塩及びジフェニルヨードニウムクロライドなどのヨードニウム塩が好ましい例として挙げられる。更には、特開昭50−51324号公報記載のアニオン界面活性剤又は両性界面活性剤、また特開昭55−95946号公報記載の水溶性カチオン性ポリマー、特開昭56−142528号公報に記載されている水溶性の両性高分子電解質がある。更に、特開昭59−84241号公報のアルキレングリコールが付加された有機ホウ素化合物、特開昭61−215554号公報記載の重量平均分子量300以上のポリエチレングリコール、特開昭63−175858号公報のカチオン性基を有する含フッ素界面活性剤、特開平2−39157号公報の酸又はアルコールニ4モル以上のエチレンオキシドを付加して得られる水溶性エチレンオキシド付加物と、水溶性ポリアルキレン化合物などが挙げられる。
本発明に用いられる現像液は使用時よりも水の含有量を少なくした濃縮液としておき、使用時に水で希釈するようにしておくことが運搬上有利である。この場合の濃縮度は各成分が分離や析出を起こさない程度が適当であり、含有物にもよるが、通常、濃縮液:水=1:0〜1:10程度に濃縮する事ができる。又、容器としてはアルカリ性であることから、炭酸ガスを透過しない、しかも安全上輸送中に破損することのない材料を用いることが好ましく、通常ハードボトル、キュービテナー等の樹脂製容器が好ましく用いられる。
本発明の処理方法においては、露光後通常自動現像機で処理を行う。自動現像機は、一般に現像部と後処理部とからなり、印刷版を搬送する装置と、各処理液槽及びスプレー槽から成り、露光済みの印刷版を水平に搬送しながら、ポンプで組み上げた各処理液をスプレーノズルから吹き付けて現像及び後処理するものである。又、最近は現像液が満たされた現像槽中に液中ガイドロールなどによって印刷版を浸漬搬送させて現像処理する方法が開発されており、この様な現像方法も本発明に好適に適用できる。この様な自動現像液においては、現像処理量や稼働時間等に応じて補充液を補充しながら処理することができる。
この様な組成の現像液で現像処理された印刷版は水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガムやデンプン誘導体等を主成分とするフィニッシャーや保護ガム液で後処理を施される。本発明の印刷版の後処理はこれらの処理を種々組み合わせて用いることができ、例えば、現像→水洗→界面活性剤を含有するリンス液処理や現像→水洗→フィニッシャー液による処理がリンス液やフィニッシャー液の疲労が少なく好ましい。更にリンス液やフィニッシャー液を用いた向流多段処理も好ましい態様である。これらの後処理は、一般に現像部と後処理部とからなる自動現像機を用いて行われる。後処理液は、スプレーノズルから吹き付ける方法、処理液が満たされた処理槽中を搬送する方法が用いられる。又、現像後一定量の少量の水性水を版面に供給して水洗し、その廃液を現像液原液の希釈水として再利用する方法も知られている。この様な自動処理においては、各処理液に処理量や稼働時間に応じてそれぞれの補充液を補充しながら処理することが出来る。また、実質的に未使用の後処理液で処理するいわゆる使い捨て処理方式も適用できる。この様な処理によって得られた平版印刷版は、オフセット印刷機に掛けられ、印刷に用いられる。
以下実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、効果はもとより本発明はこれら実施例に限定されるものではない。実施例中の部は質量部を、%は質量%を示す。
ポリマーの合成例として特開2000−290271号公報に記載した方法に従い、クロロメチルスチレンとビスムチオールを等モル反応させて得たモノマーとメタクリル酸をトリエチルアミンで中和してエタノール中で重合を行い、重合終了後クロロメチルスチレンを付加することにより合成した化10(P−1)を使用し下記感光液1の処方による感光性塗布液1を作製した後、ワイヤドクターコーターで厚みが0.30mmである砂目立て処理および陽極酸化処理を施したアルミ板上に乾燥膜厚が3μmになるよう塗設し、90℃の温風で乾燥させ、感光層が塗布された試料を作製した。サンプル1については、塗布した感光層の上に、下記オーバー液の処方によりオーバー液を作製し、ワイヤドクターコーターで乾燥後の質量が1g/m2になる様に塗設し、55℃の温風で乾燥した。
サンプル内容は表1に記載する。
<感光液1>
重合性ポリマー
化7(P−1)10%ジオキサン溶液 300質量部
光重合開始剤
化16(BC−5) 4質量部
化17(T−4) 2質量部
重合性化合物
化20(C−5) 15質量部
ペンタエリスリトールテトラアクリレート 7質量部
増感色素
化12(S−33) 0.2質量部
重合禁止剤
2,6−ジ−t−ブチルクレゾール 0.2質量部
溶媒
1,4−ジオキサン 70質量部
シクロヘキサノン 20質量部
着色剤
銅フタロシアンニ顔料(青色顔料)
25%メチルエチルケトン溶液 5質量部
染料
下記表1記載の染料 3質量部
<オーバー液>
ポリマー
ポリビニルアルコール(日本合成化学工業(株)社製GL−05R)5質量部
ポリビニルピロリドン(東京化成工業(株)社製K−30) 5質量部
420nmに吸収極大を有する染料
オキソノールイエロー(エーデルヘーン社製) 1.7質量部
界面活性剤
アニオン界面活性剤(日光ケミカル(株)社製OTP−75)0.2質量部
溶媒
蒸留水
Figure 2007127947
感光液に使用した染料の吸収波長の測定は、感光塗液に使用した10%重合性ポリマー10質量部に対して染料0.1質量部を溶解し、100μmのPETフィルムに乾燥膜厚が1μmに成る様に塗布したサンプルの吸収を測定し、染料を含まない(重合性ポリマー単体)比較サンプルを同様に作製及び測定した値との差によって求め、上記表1に記載した。尚、同様にして、染料の750nm〜900nmの吸収を測定した結果、実施例に使用した染料及び顔料には、750nm〜900nmに吸収を持たない事を確認した。
上記の様にして作製したサンプルをCreo社製Trendsetter800IIQuantum(光源830nmレーザーの多チャンネル走査露光装置)を使用して、印刷用画像を光量7Wで露光。露光後に自動現像機として大日本スクリーン製造株式会社製PS版用自動現像機PD−1310を使用し、下記現像液を用いて、30℃の液温で20秒間処理を行ない、続いて下記処方のガム液を塗布した。尚、オーバー層を塗布したサンプルについては、現像処理前にオーバー層を除去する事以外は、同様に処理を行った。
<現像液>
35%アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム
(花王(株)社製界面活性剤) 30g
KOH 25g
20%珪酸カリ水溶液(SiO2を20%含む) 50g
N−アミノエチルエタノールアミン 30g
水で 1L
<ガム液>
リン酸1カリ 5g
アラビアガム 25g
デヒドロ酢酸 0.5g
EDTA2Na 1g
水で 1L
上記のようにして作製した感光性平版印刷版について、下記評価基準によるセーフライト性評価1,2及び印刷性の評価を行った。
セーフライト性評価としては、セーフライト性評価1として、白色蛍光灯(NEC社製、FLR40SN/M/36)を使用し、1000Luxの照度になるように調整し、未照射と60分照射後のサンプルを、上記、露光及び現像処理条件で処理し、非画像部の残膜性を下記評価基準で評価した。又セーフライト性評価2として、白色蛍光灯(NEC社製、FLR40SN/M/36)を使用し、1000Luxの照度になるように調整し、60分照射後のサンプルを、上記露光条件で露光し、上記現像処理条件で3回処理し、画像の欠落度合いで画像強度を下記評価基準で評価した。結果を表2に示した。
印刷評価としては、耐刷性を評価した。耐刷性の評価は、印刷機はハイデルベルグTOK(Haidelberg社製オフセット印刷機の商標)を使用し、版胴と版の間に0.05mmのゲージフィルムを挟み印刷時の圧力を高くした状態で使用し、インキはBEST ONE墨N(T&KTOKA(株)社製)、湿し水はアストロマークIII(株式会社日研化学研究所社製湿し水)の1%水溶液を使用し、画像部が欠落し印刷ができなくなった枚数で評価した。その結果を表2に示した。
セーフライト性評価1
○:残膜無し
×:残膜有り
セーフライト性評価2
○:セーフライト照射無しでの製版物と比較して差なし
△:セーフライト照射無しでの製版物と比較して差はあるが、画像の欠落無し
×:画像の欠落有り
耐刷性
○:20万枚以上
×:20万枚未満
Figure 2007127947
経時保存性を評価評価する為に、サンプル1〜6を、温度35℃湿度80%RHの加温機に各サンプルが重なる事がない様な状態で2ヶ月間加温し、上記試験と同様に、セーフライト性1,2及び、耐刷性を評価した。結果を表3に示す。
Figure 2007127947
上記結果表2より、比較のサンプル2、3の感光性平版印刷版は、非画像部に残膜を発生したのに対して、本発明のサンプル4〜6の感光性平版印刷版は、1000Luxの白色灯下で60分照射しても非画像部に残膜を発生せず、セーフライト性に優れている事が判る。又、上記表3より、本発明のサンプル4〜6の感光性平版印刷版が、加温経時保存後でも変わらない性能を示すのに対して、比較のサンプル1、2、3は、1000Luxの白色灯下で60分照射後の画像が弱くなり又、耐刷性が悪化する事が判る。
ポリマーの合成例として実施例1と同様の方法に従い、クロロメチルスチレンとビスムチオールを等モル反応させて得たモノマーとメタクリル酸及びイソプロピルアクリレートをトリエチルアミンで中和してエタノール中で重合を行い、重合終了後クロロメチルスチレンを付加することにより合成した化10(P−3)を使用し下記感光液2を作製し、実施例1と同様にサンプルを作製した。サンプル内容は表4に記載する。
<感光液2>
重合性ポリマー
化7(P−3)10%ジオキサン溶液 300質量部
光重合開始剤
化16(BC−6) 4質量部
化18(BS−1) 0.5質量部
重合性化合物
化21(C−9) 30質量部
ペンタエリスリトールテトラアクリレート 7質量部
増感色素
化12(S−37) 0.4質量部
重合禁止剤
2,6−ジ−t−ブチルクレゾール 0.2質量部
溶媒
1,3−ジオキソラン 70質量部
シクロヘキサノン 20質量部
着色剤
銅フタロシアニン顔料
25%メチルエチルケトン溶液 5質量部
本発明の染料
下記表4記載の染料 3質量部
Figure 2007127947
上記のようにして作製したサンプル7〜12の感光性平版印刷版について、実施例1と同様の評価基準で同様の実験を行った。その結果を表5に示す。
Figure 2007127947
経時保存性を評価する為に、サンプル7〜12を実施例1と同様に加温及びテストを行った。結果を表6に示す。
Figure 2007127947
上記結果表5より、比較のサンプル8,9の感光性平版印刷版は、1000Luxの白色灯下で60分照射後の画像が弱く成るのに対して、本発明のサンプル10〜12の感光性平版印刷版は、1000Luxの白色灯下で60分照射前後での画像に変化がない事が判る。又、上記表6より、本発明のサンプル10〜12の感光性平版印刷版が、加温経時保存後でも変わらない性能を示すのに対して、比較のサンプル7、8、9は、1000Luxの白色灯下で60分照射後の画像が弱くなり且つ非画像部に残膜を発生させ、又、耐刷性が悪化する事が判る。
実施例1及び2の結果より、本発明は、強い耐刷性を示し且つセーフライト性に優れた性能を有し且つ経時保存性安定性にも優れた感光性平版印刷版である事が判る。

Claims (6)

  1. 支持体上に、重合性ポリマー、光重合開始剤、該光重合開始剤を増感しうる750nmから900nmに吸収を有する増感色素を含有する感光層を有する感光性平版印刷版に於いて、該感光層に光重合開始剤を増感しない、350nm〜550nmに吸収極大を有する染料を含有する事を特徴とする感光性平版印刷版。
  2. 前記、重合性ポリマーが側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有し、且つカルボキシル基含有モノマーを共重合成分として有するポリマーである事を特徴とする請求項1に記載の感光性平版印刷版。
  3. 前記、エチレン性不飽和二重結合がビニル基が置換したフェニル基として側鎖に有することを特徴とする請求項1又は2いずれかに記載の感光性平版印刷版。
  4. 前記、光重合開始剤が有機ホウ素塩である事を特徴とする請求項1、2又は3いずれかに記載の感光性平版印刷版。
  5. 前記、該光重合開始剤を増感しうる750nmから900nmに吸収を有する増感色素が、カチオン性色素である事を特徴とする請求項1、2、3又は4いずれかに記載の感光性平版印刷版。
  6. オーバー層を有さない請求項1、2、3、4又は5いずれかに記載の感光性平版印刷版。
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