JP2007126105A - シート用空調装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両を駐車した後に乗車する際およびクールダウンにおける快適性の向上が図れるシート用空調装置を実現する。
【解決手段】シート状からなり空気吹出孔2に対応する位置に開口孔61aが形成された表皮部材61を有し、その表皮部材61のいずれか一面がシート1の表面を覆うとともに表皮部材61の他面がシート1内に収納されるシート表皮機構6が設けられ、このシート表皮機構6は、車両の駐車状態もしくは乗員の降車のいずれか一方を検出したときに、降車前にシート1の表面を覆っていた表皮部材61の一面がシート1内に収納され、さらに、乗車前の操作指令を検出したときに、シート1内に収納された表皮部材61の一面がシート1の表面を覆うように構成した。これにより、快適性の向上が図れる。
【選択図】図1
【解決手段】シート状からなり空気吹出孔2に対応する位置に開口孔61aが形成された表皮部材61を有し、その表皮部材61のいずれか一面がシート1の表面を覆うとともに表皮部材61の他面がシート1内に収納されるシート表皮機構6が設けられ、このシート表皮機構6は、車両の駐車状態もしくは乗員の降車のいずれか一方を検出したときに、降車前にシート1の表面を覆っていた表皮部材61の一面がシート1内に収納され、さらに、乗車前の操作指令を検出したときに、シート1内に収納された表皮部材61の一面がシート1の表面を覆うように構成した。これにより、快適性の向上が図れる。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両用シートに形成された空気吹出孔に向けて冷却された空調風を吹き出すシート用空調装置に関するものであり、特に、車両が炎天下に駐車中におけるシートの冷却に関する。
従来、この種のシート用空調装置として、例えば、特許文献1に示すように、表面に空気吹出孔が形成されたシートと、このシート内に形成された空気吹出孔と連通する通風通路と、この通風通路に配設されたペルチェ素子と、上記空気吹出孔に向けて空気を送風する送風機とを備えている。
そして、通風通路を、ペルチェ素子に接続された仕切り部材により、空気吹出孔に連通する第1通風通路と、車両の外部と連通する排気ダクトと連通する第2通風通路とに区画したことを特徴としている。
これにより、ペルチェ素子の低温側で冷却された冷風を利用して空気吹出孔から吹き出すときには、ペルチェ素子の高温側で加熱された排熱を車両の外部に排気するように構成し、ペルチェ素子の高温側で加熱された温風を利用して空気吹出孔から吹き出すときには、ペルチェ素子の低温側で冷却された排熱を車両の外部に排気するように構成している。
特開平05−277020号公報
しかしながら、上記特許文献1によるペルチェ素子では冷却能力に限界を有している。例えば、炎天下に車両を駐車した後に、乗車と同時に車両用空調装置とペルチェ素子とを運転して空調動作を開始しても、シート、およびシート内部の熱容量が大きいため空気吹出孔近傍のシート表面が速やかに冷却されることがない。
つまり、車両用空調装置、もしくはペルチェ素子の空調動作のクールダウンにおいては、乗員への快適性が損なわれる問題がある。しかも、炎天下に車両を駐車した後に乗車する際には、シート面が加熱されていることで不快感を招く問題がある。
そこで、本発明の目的は、上記点を鑑みたものであり、車両を駐車した後に乗車する際およびクールダウンにおける快適性の向上が図れるシート用空調装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1ないし請求項5に記載の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、表面に空気吹出孔(2)が形成されたシート(1)と、車室内空気をシート(1)内に導いて空気吹出孔(2)に向けて送風する送風機(51)とを備えるシート用空調装置において、
シート状からなり空気吹出孔(2)に対応する位置に開口孔(61a)が形成された表皮部材(61)を有し、この表皮部材(61)のいずれか一面がシート(1)の表面を覆うとともに表皮部材(61)の他面がシート(1)内に収納されるシート表皮機構(6)が設けられ、
シート表皮機構(6)は、車両の駐車状態もしくは乗員の降車のいずれか一方を検出したときに、降車前にシート(1)の表面を覆っていた表皮部材(61)の一面がシート(1)内に収納され、さらに、乗車前の操作指令を検出したときに、シート(1)内に収納された表皮部材(61)の一面がシート(1)の表面を覆うように構成したことを特徴としている。
シート状からなり空気吹出孔(2)に対応する位置に開口孔(61a)が形成された表皮部材(61)を有し、この表皮部材(61)のいずれか一面がシート(1)の表面を覆うとともに表皮部材(61)の他面がシート(1)内に収納されるシート表皮機構(6)が設けられ、
シート表皮機構(6)は、車両の駐車状態もしくは乗員の降車のいずれか一方を検出したときに、降車前にシート(1)の表面を覆っていた表皮部材(61)の一面がシート(1)内に収納され、さらに、乗車前の操作指令を検出したときに、シート(1)内に収納された表皮部材(61)の一面がシート(1)の表面を覆うように構成したことを特徴としている。
この発明によれば、駐車しているときにシート(1)内に収納された表皮部材(61)が、乗車前にシート(1)の表面を覆うことで、例えば、炎天下に車両を駐車した後に乗車する際の快適性の向上が図れる。
請求項2に記載の発明では、送風機(51)は、降車前にシート(1)の表面を覆っていた表皮部材(61)の一面がシート(1)内に収納されたときに、シート(1)の表面を覆う開口孔(61a)に向けて送風するように構成したことを特徴としている。この発明によれば、車両が駐車状態のときに空気吹出孔(2)近傍を冷却しているため、乗車と同時にシート用空調装置を作動させても空気吹出孔(2)から吹き出される空調風の温度低下が速やかに行われる。これにより、シート用空調装置のクールダウンにおける快適性の向上が図れる。
請求項3に記載の発明では、表皮部材(61)は、長尺状に形成され、シート表皮機構(6)は、表皮部材(61)を巻き取りおよび巻き戻しが可能な巻き取り器(62)を有しており、巻き取り器(62)は、車両の駐車状態もしくは乗員の降車のいずれか一方を検出したときに、巻き取り器(62)を作動させて表皮部材(61)の一端を巻き取ることによって、シート(1)の表面を覆っていた表皮部材(61)の一面をシート(1)内に収納するとともに、表皮部材(61)の他面でシート(1)の表面を覆うように構成しており、
乗車前の操作指令を検出したときに、巻き取り器(62)を作動させて巻き取られた表皮部材(61)の他端を巻き戻すことによって、シート(1)の表面を覆っていた表皮部材(61)の他面をシート(1)内に収納するとともに、シート(1)内に収納された表皮部材(61)の一面でシート(1)の表面を覆うように構成したことを特徴としている。
乗車前の操作指令を検出したときに、巻き取り器(62)を作動させて巻き取られた表皮部材(61)の他端を巻き戻すことによって、シート(1)の表面を覆っていた表皮部材(61)の他面をシート(1)内に収納するとともに、シート(1)内に収納された表皮部材(61)の一面でシート(1)の表面を覆うように構成したことを特徴としている。
この発明によれば、具体的には、例えば、ロールカーテンのように表皮部材(61)を巻き取りおよび巻き戻しを行う巻き取り器(62)により、表皮部材(61)の一面とその他面とを交互に入れ替えることが容易にできる。そして、表皮部材(61)の一面をシート(1)内に収納させることができるため駐車したときに日射により加熱されることがない。
請求項4に記載の発明では、車両の駐車状態は、イグニッションスイッチの操作情報がOFF状態、もしくはイグニッションスイッチの操作情報がOFF状態およびドアロック情報が施錠状態のいずれかの一つであり、乗員の降車は、ドアロック情報が施錠状態から解除された信号、着座情報がOFFされた信号のいずれかの一つであり、乗車前の操作指令は、ドアロック情報が施錠状態から解除された信号、リモート操作による操作指令信号、もしくは予め設定されたタイマー予約信号のいずれかの一つであることを特徴としている。
この発明によれば、車両の駐車状態、乗員の降車、および乗車前の操作指令の検出手段として、車両に設けられた既存の機能部品を容易に活用することができるのでコストアップの低減が図れる。
請求項5に記載の発明では、送風機(51)と空気吹出孔(2)との間に、ペルチェ効果による熱の発生、吸収を利用して加熱、冷却する加熱冷却器(52)が配設され、
送風機(51)および加熱冷却器(52)は、車両の駐車状態を検出したときに、空気吹出孔(2)に向けて冷風を吹き出すように構成したことを特徴としている。
送風機(51)および加熱冷却器(52)は、車両の駐車状態を検出したときに、空気吹出孔(2)に向けて冷風を吹き出すように構成したことを特徴としている。
この発明によれば、この種の加熱冷却器(52)では、冷却能力がとても小さいため、作動前に空気吹出孔(2)近傍が冷却されていることで、適温となるまでの所要時間を短縮することができる。特に、加熱冷却器(52)がペルチェ素子の場合には好適である。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態におけるシート用空調装置を図1ないし図3に基づいて説明する。図1はシート用空調装置の全体構成を示す模式図であり、図2はシート表皮機構6の全体構成を示す模式図である。また、図3は制御手段であるシート空調制御装置10の換気モードの制御処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の第1実施形態におけるシート用空調装置を図1ないし図3に基づいて説明する。図1はシート用空調装置の全体構成を示す模式図であり、図2はシート表皮機構6の全体構成を示す模式図である。また、図3は制御手段であるシート空調制御装置10の換気モードの制御処理を示すフローチャートである。
本実施形態のシート用空調装置は、図1に示すように、背当て部1aおよび着座部1bからなるシート1、シート1の下部に形成された空間4に配設された加熱冷却装置5、シート1を覆うシート表皮機構6、および加熱冷却装置5、シート表皮機構6を制御する制御手段であるシート空調制御装置10とを備えている。
背当て部1aには内部に空間4と連通する第1ダクト3aが形成されており、その第1ダクト3aと連通する空気吹出孔2が複数個形成されている。また、着座部1bには内部に空間4と連通する第2ダクト3bが形成されており、その第2ダクト3bと連通する空気吹出孔2が複数個形成されている。
また、加熱冷却装置5は送風機51と加熱冷却器であるペルチェ素子52とから構成しており、送風機51はシート1内に車室内空気を導いてペルチェ素子52を介して空気吹出孔2に向けて送風する。そして、ペルチェ素子52は電力を熱に変換する周知の熱電素子であり、第1熱交換部52aと第2熱交換部52bとからなるものであり、図示しない直流電源に電気的に接続されている。
そして、第1熱交換部52aおよび第2熱交換部52bは、内部に熱電半導体に接続された電極部(図示せず)と外部に多数の放熱、吸熱フィン部とから構成され、電流の流れる方向により送風機51で導かれた車室内空気を加熱および冷却するものである。
そして、空間4はシート1外に連通する排気ダクト3cが形成されており、この排気ダクト3cは上述した第1ダクト3aおよび第2ダクト3bとの間に図示しない仕切り板により区画している。
言い換えれば、第1熱交換部52aで加熱、冷却された空調風と、第2熱交換部52bで加熱、冷却された排気とが混合することのないように形成している。また、本実施形態では、排気ダクト3cの下流端を車室内に開口しているが、これに限らず、排気ダクト3cの下流端を延長して車室外に排気するように構成しても良い。
ところで、本実施形態の送風機51およびペルチェ素子52は、電源を車両走行用のバッテリの他に、例えば、ソーラ発電機(図示せず)で蓄電された蓄電池(図示せず)から供給するように構成している。
言い換えれば、車両のエンジンが作動しているときは車両走行用のバッテリから電源を供給するように構成され、例えば、イグニッションスイッチがOFF状態のときは、蓄電池(図示せず)から電源を供給するようにしている。これにより、車両が駐車しているときに、蓄電池の蓄電量に基づいて加熱冷却装置5を作動させることができる。
シート表皮機構6は、図1および図2に示すように、シート状からなる表皮部材61、その表皮部材61を巻き取る一対の巻き取り器62、およびローラ部材63から構成している。表皮部材61は、シート1に形成された空気吹出孔2に対応する位置に複数の開口孔61aを有する長尺のシート状に形成している。
そして、表皮部材61の両端に一対の巻き取り器62が設けられている。巻き取り器62は、巻き取り部材62aと電動機62bとから構成されており、電動機62bを駆動させることでシート状の表皮部材61の一端を巻き取り部材62aに巻き取ることができるようになっている。
因みに、着座部1bの前後方向末端近傍のシート1内に一対の巻き取り器62を配設して、例えば、着座部1bの前方に設けられた巻き取り器62を作動させると、着座部1bの後方に設けられた巻き取り器62に巻き取られた表皮部材61がシート1の表面を覆うように巻き取られる。
一方、着座部1bの後方に設けられた巻き取り器62を作動させると、着座部1bの前方に設けられた巻き取り器62に巻き取られた表皮部材61がシート1の表面を覆うように巻き取られる。つまり、シート状の表皮部材61は、一面がシート1の表面を覆うとともに、その他面が一方の巻き取り器62内に収納されるようになっている。
これにより、シート1の表面を覆う表面部材61の一面がいずれか一方の巻き取り器62を作動させることで交互に入れ替えることができる。なお、ローラ部材63は、シート1の表面を覆う表面部材61に張力を与えるように一方の巻き取り器62の近傍に設けられている。
また、着座部1bと同じように、背当て部1aの上下方向末端近傍のシート1内に一対の巻き取り器62を配設して、例えば、背当て部1aの上方に設けられた巻き取り器62を作動させると、背当て部1aの下方に設けられた巻き取り器62に巻き取られた表皮部材61がシート1の表面を覆うように巻き取られるようにしている。なお、電動機62bは後述する空調制御装置10により制御される。
また、図中に示す符号11はイグニションスイッチであって、イグニションスイッチ11のON/OFFの操作情報を検出するスイッチである。符号12はドア開閉センサであって、車両のドアの施錠/解除のドアロック情報を検出するセンサである。符号13は着座センサであって、乗員の着座情報を検出するセンサである。
そして、これらのスイッチ11、センサ12、13は検出された操作情報、ドアロック情報、着座情報をシート空調制御装置10に出力するように電気的に接続している。
シート空調制御装置10は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵のROM(図示せず)には、予め設定された制御プログラムが設けられており、上記スイッチ11、センサ12、13の他に、車室内温度を検出する内気温センサ(図示せず)、およびシート吹出温度センサ(図示せず)からの温度情報および図示しない操作パネルからの操作情報に基づいて送風機51、ペルチェ素子52、電動機62bとを制御している。
ところで、以上の構成によるシート用空調装置は、運転モードとして、冷風モード、温風モード、送風モード、およびプレ冷風モードを有している。
冷風モードは送風機51で導かれた車室内空気をペルチェ素子52で冷却された空調風を空気吹出孔2、開口孔61aから吹き出すモードであり、温風モードは送風機51で導かれた車室内空気をペルチェ素子52で加熱された空調風を空気吹出孔2、開口孔61aから吹き出すモードである。また、送風モードは送風機51で導かれた車室内空気を空気吹出孔2、開口孔61aから吹き出すモードである。
プレ冷風モードは、例えば、車両が炎天下に駐車させたときにおいて、送風機51で導かれた車室内空気をペルチェ素子52で冷却された空調風を空気吹出孔2、開口孔61aから吹き出すモードであるとともに、降車したときに一方の巻き取り器62を作動させて表皮部材61の一面をシート1内に収納させるように巻き取り、乗車するときにもう一方の巻き取り器62を作動させてシート1内に収納させた表皮部材61の一面を巻き戻すように巻き取るモードである。
つまり、駐車しているときに加熱冷却装置5を作動させて空気吹出孔2近傍を冷却するとともに、降車前の表皮部材61の一面を降車したときにシート1内に収納させ、乗車前にシート1内に収納させた表皮部材61の一面をシート1の表面を覆うようにシート表面部材6を作動させるようにしている。
具体的には、プレ冷風モードは、車両の駐車状態を検出することでプレ冷風モードが開始され、乗員の降車を検出することで降車前の表皮部材61の一面をシート1内に収納させるようにシート表面部材6を作動させ、車両に乗車する前に、操作指令に基づいて降車前の表皮部材61の一面をシート1の表面を覆うようにシート表面部材6を作動させている。
ここで、車両の駐車状態を検出する手段として、本実施形態では、イグニッションスイッチ11の操作情報、つまりOFF状態を検出している。また、乗員の降車を検出する手段として着座センサ13による着座情報により検出している。また、操作指令を検出する手段として、ドア開閉センサ12により検出されたドアロック情報を活用し、例えば、ドアを施錠から解除する信号を用いている。
また、このプレ冷風モードを運転させる電源として、上述したように蓄電池(図示せず)から電源を供給している。なお、炎天下に車両を駐車したときに、プレ冷風モードで運転させたいときは、降車する際に、例えば、プレ冷風モード運転スイッチ(図示せず)を操作しておけば良い。
そして、プレ冷風モード以外の運転モードは、車両に乗車しているときに作動させるモードであって、図示しない操作パネルに設けられた運転モード選択スイッチ(図示せず)を操作することで冷風モード、温風モード、送風モードのいずれか一つを選択することができる。
次に、以上の構成によるシート用空調装置の作動を運転モードに基づいて説明する。まず、冷風モードにおいて、運転モード選択スイッチ(図示せず)を操作して冷風モードを選択する。そして、図示しない運転スイッチを操作すると冷風モードの運転を開始する。
そして、第1熱交換部52a側で車室内空気が冷却され、かつ第2熱交換部52bで車室内空気が加熱されるようにペルチェ素子52に直流電流を流すとともに、送風機51を作動させる。これにより、第1熱交換部52aで冷却された冷風が空気吹出孔2、開口孔61aから吹き出される。一方、第2熱交換部52bで加熱された排気はシート1外に排熱される。
なお、冷風は操作パネルからの操作情報に基づいて所望する吹出温度となるように制御される。そして、温風モードにおいて、運転モード選択スイッチ(図示せず)を操作して温風モードを選択する。そして、図示しない運転スイッチを操作すると温風モードの運転を開始する。
そして、第1熱交換部52a側で車室内空気が加熱され、かつ第2熱交換部52bで車室内空気が冷却されるようにペルチェ素子52に直流電流を流すとともに、送風機51を作動させる。これにより、第1熱交換部52aで加熱された温風が空気吹出孔2、開口孔61aから吹き出される。一方、第2熱交換部52bで冷却された排気はシート1外に排熱される。
そして、送風モードにおいて、運転モード選択スイッチ(図示せず)を操作して送風モードを選択する。そして、図示しない運転スイッチを操作すると送風モードの運転を開始する。そして、送風機51のみを作動させる。これにより、シート1下から導いた車室内空気が空気吹出孔2、開口孔61aから吹き出される。
次に、本実施形態におけるプレ冷風モードにおいては、図3に示すフローチャートに基づいて説明する。まず、炎天下に駐車したときには、降車前に図示しないプレ冷風モード運転スイッチ(図示せず)を作動側に操作しておく。そして、図3に示すように、ステップ110にて、イグニッションスイッチ11の操作情報を判定する。
ここで、イグニッションスイッチ11の操作情報がOFF状態であれば、車両が駐車状態であると判定してプレ冷風モードの制御処理をスタートする。一方、操作情報がON状態であれば、車両が駐車状態でないと判定して待ち状態を維持している。ここで、駐車状態であれば、ステップ120にて、プレ冷風モードの運転を開始する。
冷風モードと同じように、第1熱交換部52a側で車室内空気が冷却され、かつ第2熱交換部52bで車室内空気が加熱されるようにペルチェ素子52に直流電流を流すとともに、送風機51を作動させる。
ただし、このときは、空気吹出孔2、開口孔61aから吹き出される冷風の吹出温度は、冷風モードで所望する設定温度よりも高めの設定温度で良い。また、このときの送風機51、ペルチェ素子52は、蓄電池(図示せず)から電源を供給している。これにより、イグニッションスイッチ11がOFF状態であっても、空気吹出孔2近傍を加熱冷却装置5により冷却することができる。
そして、ステップ130にて、乗員が降車したか否かを判定する。具体的には、着座センサ13で検出された着座情報がOFFであれば乗員が降車したと判定する。ここで、着座情報がONであれば、乗員が乗車中であると判定して待ち状態を維持している。そして、着座情報がOFFであれば、ステップ140にて、表皮部材61を巻き取る。
具体的には、着座部1bの前方に設けられた巻き取り器62を作動させて、降車前の表皮部材61の一面をシート1内に収納させるとともに、着座部1bの後方に設けられた巻き取り器62に収納された表皮部材61の他面をシート1の表面を覆う。
一方、背当て部1aの下方に設けられた巻き取り器62を作動させて、降車前の表皮部材61の一面を巻き取り器62に収納させるとともに、背当て部1aの上方に設けられた巻き取り器62に収納された表皮部材61の他面をシート1の表面を覆う。なお、巻き取り器62に設けられた電動機62bには、蓄電池(図示せず)から電源を供給している。
これにより、降車前に乗員が着座部1b、背当て部1aに触れていた表皮部材61の一面がシート1内に収容できる。従って、このときは、表皮部材61の他面がプレ冷風モードの運転により、他面の開口孔61a、空気吹出孔2近傍が冷却される。これにより、日射による加熱を抑制することができる。
そして、ステップ150にて、プレ冷風モードの電源となる蓄電池(図示せず)を監視しており、蓄電量が不足となればステップ190にて送風機51、ペルチェ素子51を停止させる。ステップ150にて、蓄電量が大丈夫であればプレ冷風モードの運転を継続している。そして、ステップ160にて、操作指令を検出したか否かを判定する。
この操作指令は、車両に乗車しなくて巻き取り器62を作動させるための指令を発する手段であって、ここでは、例えば、ドア開閉センサ12で検出されたドアロック情報を用いて検出している。具体的には、ドアが施錠状態から解除する信号を検出したか否かを判定する。
ここで、操作指令が検出されないときは待ち状態を維持している。一方、操作指令が検出されれば、ステップ170にて、巻き取り器62を作動させる。このときは、着座部1bの後方に設けられた巻き取り器62を作動させて、操作前の表皮部材61の一面をシート1内に収納させるとともに、着座部1bの前方に設けられた巻き取り器62に収納された降車前の表皮部材61の他面をシート1の表面に巻き戻す。
一方、背当て部1aの上方に設けられた巻き取り器62を作動させて、操作前の表皮部材61の一面を巻き取り器62に収納させるとともに、背当て部1aの下方に設けられた巻き取り器62に収納された降車前の表皮部材61の他面をシート1の表面に巻き戻す。これにより、降車前の表皮部材61がシート1の表面を覆うことになり、この開口孔61aに冷風が吹き出される。
そして、ステップ180にて、乗員が乗車したか否かを判定する。具体的には、着座センサ13で検出された着座情報がONであれば乗員が乗車したと判定する。ここで、着座情報がOFFであれば、乗員が未乗車であると判定して待ち状態を維持している。そして、着座情報がONであれば、ステップ190にて、プレ冷風モードの運転を停止する。
以上の制御処理により、乗員が乗車する前に降車前の表皮部材61がシート1の表面を覆っていることで、着座したときの不快感が全くないとともに 、乗車と同時に加熱冷却器5を冷風モードで運転させたときに、シート1、およびシート内部の熱容量が低下していることで、開口孔61a、空気吹出孔2近傍のシート表面が速やかに冷却することができる。
なお、本実施形態では、ステップ110にて、車両の駐車状態を検出する手段として、イグニッションスイッチ11の操作情報を用いたが、これに限らず、ドア開閉センサ12で検出されたドアロック情報を用いて検出するように構成しても良い。
また、ステップ130にて、乗員の降車を検出する手段として着座センサ13の着座情報を用いたが、これに限らず、ドア開閉センサ12で検出されたドアロック情報を用いて検出するように構成しても良い。
また、ステップ160にて、操作指令を検出する手段として、ドア開閉センサ12で検出されたドアロック情報を用いて検出するように構成したが、これに限らず、ドアロック情報の他に、例えば、リモコンスイッチ(図示せず)を設けてリモコン操作による操作指令を車外から発信させても良い。また、予約タイマー機能を設け、降車時に予めタイマー予約を設定しておいて、タイマー予約の信号を操作指令として用いても良い。
ところで、ステップ150にて、蓄電池の蓄電量を監視するように構成したことにより、蓄電量に応じてプレ冷風モードの運転が継続することができる。しかも、その蓄電量は日射量に応じて蓄電されることで、炎天下に駐車したときには、プレ冷風モードの運転が行えることで、快適性の向上が図れる。
以上の第1実施形態によるシート用空調装置によれば、シート表皮機構6は、車両の駐車状態もしくは乗員の降車のいずれか一方を検出したときに、降車前にシート1の表面を覆っていた表皮部材61の一面がシート1内に収納され、さらに、乗車前の操作指令を検出したときに、シート1内に収納された表皮部材61の一面がシート1の表面を覆うように構成している。
これによれば、駐車しているときにシート1内に収納された表皮部材61が、乗車前にシート1の表面を覆うことで、例えば、炎天下に車両を駐車した後に乗車する際の快適性の向上が図れる。
また、送風機51は、降車前にシート1の表面を覆っていた表皮部材61の一面がシート1内に収納されたときに、シート1の表面を覆う開口孔61aに向けて送風するように構成している。
これによれば、車両が駐車状態のときに開口孔61a、空気吹出孔2近傍を冷却しているため、乗車と同時にシート用空調装置を作動させても開口孔61a、空気吹出孔2から吹き出される空調風の温度低下が速やかに行われる。これにより、シート用空調装置のクールダウンにおける快適性の向上が図れる。
また、シート表皮機構6は、表皮部材61を巻き取りおよび巻き戻しが可能な巻き取り器62を有しており、巻き取り器62は、車両の駐車状態もしくは乗員の降車のいずれか一方を検出したときに、巻き取り器62を作動させて表皮部材61の一端を巻き取ることによって、シート1の表面を覆っていた表皮部材61の一面をシート1内に収納するとともに、表皮部材61の他面でシート1の表面を覆うように構成している。
さらに、乗車前の操作指令を検出したときに、巻き取り器62を作動させて巻き取られた表皮部材61の他端を巻き戻すことによって、シート1の表面を覆っていた表皮部材61の他面をシート1内に収納するとともに、シート1内に収納された表皮部材61の一面でシート1の表面を覆うように構成している。
これによれば、例えば、ロールカーテンのように表皮部材61を巻き取りおよび巻き戻しを行う巻き取り器62により、表皮部材61の一面とその他面とを交互に入れ替えることが容易にできる。そして、表皮部材61の一面をシート1内に収納させることができるため駐車したときに日射により加熱されることがない。
また、車両の駐車状態は、イグニッションスイッチの操作情報がOFF状態、もしくはイグニッションスイッチの操作情報がOFF状態およびドアロック情報が施錠状態のいずれかの一つであり、乗員の降車は、ドアロック情報が施錠状態から解除された信号、着座情報がOFFされた信号のいずれかの一つであり、乗車前の操作指令は、ドアロック情報が施錠状態から解除された信号、リモート操作による操作指令信号、もしくは予め設定されたタイマー予約信号のいずれか一つを用いている。
この発明によれば、車両の駐車状態、乗員の降車、および乗車前の操作指令の検出する手段として、車両に設けられた既存の機能部品を容易に活用することができるのでコストアップの低減が図れる。
なお、本発明の特徴をペルチェ効果による熱の発生、吸収を利用して加熱、冷却する冷却、ペルチェ素子52に適用させたことにより、この種のペルチェ素子52では、冷却能力がとても小さいため、その作動前に空気吹出孔2近傍が冷却されていることで、適温となるまでの所要時間を短縮することができる。特に、加熱冷却装置5がペルチェ素子52の場合には好適である。
(第2実施形態)
以上の第1実施形態では、表皮部材61の両端に一対の巻き取り器62を設けるとともに、その巻き取り器62を巻き取り部材62aと電動機62bとから構成させたが、これに限らず、具体的には、図4に示すように、表皮部材61の両端に一対の巻き取り部材62aを設けるとともに、その巻き取り部材62aを回転させる電動機62bを、これらの巻き取り部材62aの間に一つだけ設けて巻き取り器62を構成しても良い。
以上の第1実施形態では、表皮部材61の両端に一対の巻き取り器62を設けるとともに、その巻き取り器62を巻き取り部材62aと電動機62bとから構成させたが、これに限らず、具体的には、図4に示すように、表皮部材61の両端に一対の巻き取り部材62aを設けるとともに、その巻き取り部材62aを回転させる電動機62bを、これらの巻き取り部材62aの間に一つだけ設けて巻き取り器62を構成しても良い。
ただし、この場合には、表皮部材61の両端に設けられた一対の巻き取り部材62aを駆動させるためのチェーンもしくはベルトからなる動力伝達部材65をそれぞれの巻き取り部材62aに連結させるとともに、動力伝達部材65の一方を電動機62bに連結させることが必要となる。
また、ローラ部材63を着座部1bの前後方向にそれぞれ設けることで表皮部材61のシート1表面の張り具合が良好となる。これによれば、第1実施形態よりも電動機62bの個数を低減することができる。
(他の実施形態)
以上の実施形態では、シート表皮機構6を背あて部1aおよび着座部1bにそれぞれ設けたが、これに限らず、例えば、着座部1bのみにシート表皮機構6を設けても良い。また、背あて部1aのみにシート表皮機構6を設けても良い。
以上の実施形態では、シート表皮機構6を背あて部1aおよび着座部1bにそれぞれ設けたが、これに限らず、例えば、着座部1bのみにシート表皮機構6を設けても良い。また、背あて部1aのみにシート表皮機構6を設けても良い。
また、以上の実施形態では、炎天下に駐車したときに、プレ冷風モードの運転を行うように構成したが、これに限らず、送風モードで運転するように構成しても良い。これによれば、蓄電池の蓄電量が小容量であっても良い。
また、以上の本実施形態では、送風機51と空気吹出孔2との間にペルチェ素子52を設けたが、これに限らず、ペルチェ素子52を設けずに、駐車したときに、送風モードの運転モードを作動させるように構成しても良い。
また、以上の実施形態では、ソーラ発電機(図示せず)を搭載する車両にシート用空調装置を搭載するとともに、その装置の送風機51、ペルチェ素子52、電動機62bの電源をソーラ発電機(図示せず)により蓄電される蓄電池から供給するように構成させたが、これに限らず、例えば、ソーラ発電機を用いて車室内を換気する換気機能を有する車両にシート用空調装置を搭載させても良い。
これによれば、炎天下に駐車しているときに、換気機能で車室内空気を換気することができるとともに、プレ冷風モードで開口孔61a、空気吹出孔2から冷風を吹き出すことができるとともに、開口孔61a、空気吹出孔2近傍を冷却することができる。
1…シート
2…空気吹出孔
6…シート表皮機構
51…送風機
52…ペルチェ素子(加熱冷却器)
61…表皮部材
61a…開口孔
62…巻き取り器
2…空気吹出孔
6…シート表皮機構
51…送風機
52…ペルチェ素子(加熱冷却器)
61…表皮部材
61a…開口孔
62…巻き取り器
Claims (5)
- 表面に空気吹出孔(2)が形成されたシート(1)と、
車室内空気を前記シート(1)内に導いて前記空気吹出孔(2)に向けて送風する送風機(51)とを備えるシート用空調装置において、
シート状からなり前記空気吹出孔(2)に対応する位置に開口孔(61a)が形成された表皮部材(61)を有し、前記表皮部材(61)のいずれか一面によりが前記シート(1)の表面を覆うとともに前記表皮部材(61)の他面は前記シート(1)内に収納するシート表皮機構(6)が設けられ、
前記シート表皮機構(6)は、車両の駐車状態もしくは乗員の降車のいずれか一方を検出したときに、降車前に前記シート(1)の表面を覆っていた前記表皮部材(61)の一面が前記シート(1)内に収納され、さらに、乗車前の操作指令を検出したときに、前記シート(1)内に収納された前記表皮部材(61)の一面が前記シート(1)の表面を覆うように構成したことを特徴とするシート用空調装置。 - 前記送風機(51)は、降車前に前記シート(1)の表面を覆っていた前記表皮部材(61)の一面が前記シート(1)内に収納されたときに、前記シート(1)の表面を覆う前記開口孔(61a)に向けて送風するように構成したことを特徴とする請求項1に記載のシート用空調装置。
- 前記表皮部材(61)は、長尺状に形成され、
前記シート表皮機構(6)は、前記表皮部材(61)を巻き取りおよび巻き戻しが可能な巻き取り器(62)を有しており、
前記巻き取り器(62)は、車両の駐車状態もしくは乗員の降車のいずれか一方を検出したときに、前記巻き取り器(62)を作動させて前記表皮部材(61)の一端を巻き取ることによって、前記シート(1)の表面を覆っていた前記表皮部材(61)の一面を前記シート(1)内に収納するとともに、前記表皮部材(61)の他面で前記シート(1)の表面を覆うように構成しており、
乗車前の操作指令を検出したときに、前記巻き取り器(62)を作動させて巻き取られた前記表皮部材(61)の他端を巻き戻すことによって、前記シート(1)の表面を覆っていた前記表皮部材(61)の他面を前記シート(1)内に収納するとともに、前記シート(1)内に収納された前記表皮部材(61)の一面で前記シート(1)の表面を覆うように構成したことを特徴とする請求項3に記載のシート用空調装置。 - 車両の駐車状態は、イグニッションスイッチの操作情報がOFF状態、もしくはイグニッションスイッチの操作情報がOFF状態およびドアロック情報が施錠状態のいずれかの一つであり、
前記乗員の降車は、ドアロック情報が施錠状態から解除された信号、着座情報がOFFされた信号のいずれかの一つであり、
前記乗車前の操作指令は、ドアロック情報が施錠状態から解除された信号、リモート操作による操作指令信号、もしくは予め設定されたタイマー予約信号のいずれかの一つであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のシート空調装置。 - 前記送風機(51)と前記空気吹出孔(2)との間に、ペルチェ効果による熱の発生、吸収を利用して加熱、冷却する加熱冷却器(52)が配設され、
前記送風機(51)および前記加熱冷却器(52)は、前記車両の駐車状態を検出したときに、前記空気吹出孔(2)に向けて冷風を吹き出すように構成したことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のシート空調装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005322886A JP2007126105A (ja) | 2005-11-07 | 2005-11-07 | シート用空調装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005322886A JP2007126105A (ja) | 2005-11-07 | 2005-11-07 | シート用空調装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2007126105A true JP2007126105A (ja) | 2007-05-24 |
Family
ID=38149105
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005322886A Withdrawn JP2007126105A (ja) | 2005-11-07 | 2005-11-07 | シート用空調装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2007126105A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009073218A (ja) * | 2007-09-18 | 2009-04-09 | Denso Corp | 車両用シート空調装置 |
JP2009234461A (ja) * | 2008-03-27 | 2009-10-15 | Denso Corp | 車両用シート空調装置 |
JP2013209052A (ja) * | 2012-03-30 | 2013-10-10 | Honda Motor Co Ltd | 車両用温調システム |
JP2017210189A (ja) * | 2016-05-27 | 2017-11-30 | トヨタ紡織株式会社 | 乗物用内装トリム |
-
2005
- 2005-11-07 JP JP2005322886A patent/JP2007126105A/ja not_active Withdrawn
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A621 | Written request for application examination |
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A761 | Written withdrawal of application |
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