JP2007121356A - 光デバイス及び光分岐機能を備えた光デバイスの製造方法 - Google Patents

光デバイス及び光分岐機能を備えた光デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 光路変換装置や光分岐装置を小型で安価かつ簡易に製造できる光デバイス及び光分岐機能を備えた光デバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】 光配線1の先端に、所定の形状に形成された型面形状を備えた型枠20を型面21が光配線1の先端と向かい合うようにして当接させて配置する工程(S1)と、光配線1の先端部と型枠20の間であるキャビティ25に光の照射によって硬化する機能を有する感光性媒質30を充填する工程(S2)と、光配線1に感光性媒質30を硬化させる光を導入して光配線1の先端から出射させることにより光が型枠20に到達するに至るまでの経路に相当する部分の感光性媒質30を硬化させて自己形成光導波路10を形成する工程(S3)と、型枠20を取り外し、形成された自己形成光導波路10の端面に加工端面11、11a、11bを形成する工程(4)と、を含んで構成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光デバイス及び光分岐機能を備えた光デバイスの製造方法に関し、更に詳しくは、光通信や光機能デバイスにおいて、光の進行方向を変化させる光路変換機能と、1対n地点間通信、もしくはn対m地点間通信を実現させる光デバイス及び光分岐機能を備えた光デバイスの製造方法に関する。
近年の通信技術の発達により、様々な分野に光通信技術が利用されている。そのため、光通信に機能性を持たせる光路変換装置や光分岐装置が様々な形で提案されている。また、光機能デバイス分野においても、これらの装置は必要不可欠なキーデバイスとして注目を浴びている。
光路変換装置において光の進行方向を変化させるには、例えば、ミラー反射により制御する方法が一般的である。用途によっては、光配線中に光信号を伝搬させ、光配線を曲げることにより実現する方法もある。
一方、光分岐装置は、光ファイバを集中結合し、1の入力に対しnを出力するファイバスターカプラや、ポリマー素材を原料とする光導波路を用いた光分岐装置も提案され、実用化されている。また、レンズやハーフミラーなどを使用し光学系を組み込んだ光分岐装置もある。
このように、光通信に欠かせない重要な光デバイスである光路変換装置や光分岐装置について本出願の出願人は、「光ピン」と呼ばれる光路変換装置及び光分岐装置の提案を行った(特開2004−157438号公報(特許文献1))。この「光ピン」は、光ファイバの先端を様々な形状に加工することで、光路変換機能と光分岐機能を実現する光デバイスである。ここで「光ピン」の製造方法の概要を以下に示す。まず、ダイシングブレード等を用いて、光ファイバの先端を、例えば、45°傾斜面状、凹又は凸V字形状、凹又は凸十字溝形状、凹又は凸四角錘形状、凹又は凸円錐形状等の所定の形状にカットする。一例として先端を45°傾斜面とした光ピンの先端の様子を図15に示す。図15(a)に示された光ピン100内に光を入射すると、入射された光は45°加工端面105において反射又は透過し、2方向に分岐されて出射される。一方、図15(b)に示された光ピン100は、45°加工端面105に金属膜を蒸着することによりミラー面107が形成されている。そのため、入射された光は全ての光を45°ミラー面107で反射させることが可能となっている。尚、光ピン100は光ファイバであり、101はコア、103はクラッドを示している。
このような光デバイスをさらに複数の光路に分岐させる光分岐機能を有する光路変換装置として使用するには、その加工端面を、例えば、凹又は凸V字形状、凹又は凸十字溝形状、凹又は凸四角錘形状、凹又は凸円錐形状等に形成することにより実現することが出来る。その一例として加工端面を凹及び凸V字形状とした光ピンを図16(a)(b)に示す。図示されているように、光ピン100の端面105をそれぞれ凹V字形状又は凸V字形状に形成することにより、入射された光を複数の光路に分岐することが可能になる。さらに、このような「光分岐ピン」においても加工端面に金属膜を蒸着することによりミラー透過光を制御することもできる。これらの技術より、光信号を光路変換、もしくは光分岐させ、通信の機能化や光機能デバイスへ応用することが可能となる。
光通信において光分岐装置は、現在では様々な装置に応用されている。例えば、家庭用インターネットサービスにおいて光ファイバを分岐させて情報光信号を各家庭へと導くために光分岐装置は必要不可欠である。また、光デバイス分野でも幅広く応用されている。例えば、レーザドップラ速度計による速度計測においては、レーザ光一本による1ビーム測定よりも、レーザ光を二本に分けて行なう2ビーム測定を用いた測定器の方が性能は高い。1ビーム測定では、レーザの軸と物体の移動方向が成す照射角度情報が必要である。これに対し2ビーム測定では、二本のレーザ光軸の成すオフセット角度情報があれば、照射角度情報は必要なくなる。この2ビーム測定の特徴は物体の移動方向が変化するような場合において、非常に有効である。1ビーム測定では物体の移動方向が変化する度に照射角度を測定する必要があるが、2ビーム測定では物体の移動方向が変化しても照射角度は測定する必要がなくなる。つまり、2ビーム測定は速度測定条件の著しい緩和につながる。この際1ビームのレーザを2ビームに分ける装置を小型化できれば、例えば、レーザドップラ速度計センサヘッドの小型化にもつながる。光ファイバの先端が凹V字形状または、凸V字形状であれば、その先端からの出射光は複数となる。そして、その出射光である2ビームを使用すればレーザドップラ速度計センサヘッドを非常に小さくすることができる。また、小型化に加え、製造コストの低コスト化も重要な要素である。
ところで、本出願人は、自己形成光導波路と呼ばれる光導波路を使用して光分岐装置を製造することについて特許出願を行った(特願2004−260338号)。ここで、自己形成光導波路について簡単に説明する。自己形成光導波路とは、感光性を有する樹脂である感光性媒質に光を照射することによって製造される光導波路である。感光性媒質は光に感光して屈折率が上昇するものであれば、その種類は問わない。現在では、紫外線硬化性樹脂と紫外光を使用し作製する方法が一般的であるが、光導波路が紫外光を透過させない特性を持っている場合には、紫外光より波長の長いグリーンレーザ光が使われる。本出願人は、グリーンレーザ光を用いた自己形成光導波路作製法の提案も行っている(『(社)エレクトロニクス学会 第18回エレクトロニクス実装学術講演大会講演論文集(平成16年3月1日発行) P103-104』(非特許文献1))。グリーンレーザ光は、一般に紫外線硬化性樹脂を硬化させることができないので、アクリル系紫外線硬化性樹脂に色素成分を混合させた色素混合樹脂を用いて自己形成光導波路を形成するというものである。
特開2004−157438号公報 (社)エレクトロニクス学会 第18回エレクトロニクス実装学術講演大会講演論文集(平成16年3月1日発行) P103-104
上述したように、光路変換装置や光分岐装置は光通信技術を利用する様々な分野で用いられている。そのため、光路変換装置や光分岐装置は簡易かつ安価に製造できることが望ましい。また、光通信装置は一層小型化される傾向にあるためそれに伴って光路変換装置や光分岐装置もさらに小型化を図る必要がある。しかし、光ファイバを用いたカプラでは小型性に欠け、ハーフミラー及び光導波路を用いたカプラではアライメントが難しいという問題がある。さらに、光ピンの場合は、ダイシング加工時に厳密なアライメント精度が必要となるので高コストに繋がる。加えて、鉛筆型や四角錐型などの特殊な形状に加工を施す場合にはそのための加工コストが更に上昇するという問題がある。
そこで、本発明は、上記課題を解決すべく、これまで製造が難しく高価であった光路変換装置や光分岐装置を小型でしかも安価かつ簡易に製造することができる光デバイス及び光分岐機能を備えた光デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、様々な形の端面形状を容易形成することによって複雑な光路変換や光分岐を可能とする光デバイス及び光分岐機能を備えた光デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために請求項1に記載の本発明は、導入された光の進行方向を変化させる光路変換機能を備えた光デバイス及び導入された光をさらに複数の経路に分岐させつつ光路変換する光分岐機能を備えた光デバイスの製造方法であって、光配線の先端に、所定の形状に形成された型面形状を備えた型枠を型面が光配線の先端と向かい合うようにして光配線の先端縁部を当接させて配置する工程と、光配線の先端部と型枠の間に光の照射によって硬化する機能を有する感光性媒質を充填する工程と、光配線に感光性媒質を硬化させる光を導入して光配線の先端から出射させることにより光が型枠に到達するに至るまでの経路に相当する部分の感光性媒質を硬化させて自己形成光導波路を形成する工程と、型枠を取り外し、形成された自己形成光導波路の端面に加工端面を形成する工程とを含んでなることを特徴とする。
光配線の先端にこれから配設すべき加工端面の形状を備えた型枠を配置し、この型枠と光配線との間に光の照射によって硬化する機能を有する感光性媒質を充填する。そして、光配線に光を導入して端面から出射させることにより光の進行経路に相当する部分の感光性媒質を硬化させてその先端部が所定の加工端面形状とされた自己形成光導波路を形成する。
上記課題を解決するために請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の光デバイス及び光分岐機能を備えた光デバイスの製造方法において、形成された自己形成光導波路の端面を金属膜でコーティングして反射面を形成する工程をさらに含み、これにより全ての光を光路変換可能にしたことを特徴とする。
上記課題を解決するために請求項3に記載の本発明は、請求項2に記載の光デバイス及び光分岐機能を備えた光デバイスの製造方法において、自己形成光導波路の端面に反射防止コーティングを施す工程をさらに含み、これにより光の反射量を低減させたことを特徴とする。
上記課題を解決するために請求項4に記載の本発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光デバイス及び光分岐機能を備えた光デバイスの製造方法において、感光性媒質が紫外線硬化性樹脂であり、感光性媒質を硬化させる光が紫外光であり、光配線が光ファイバであり、型枠が硝子により形成された型枠であることを特徴とする。
上記課題を解決するために請求項5に記載の本発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光デバイス及び光分岐機能を備えた光デバイスの製造方法において、感光性媒質がアクリル系の紫外線硬化性樹脂に色素成分を混合させた色素混合樹脂であり感光性媒質を硬化させる光がグリーンレーザ光であり、光配線が光ファイバ又は光導波路であり、型枠が硝子により形成された型枠であることを特徴とする。
本発明に係る光デバイス及び光分岐機能を備えた光デバイスの製造方法によれば、光配線と型枠とを当接させることにより、厳密なアライメントを必要とせずにこれまで製造が難しかった光路変換装置や光分岐装置を容易かつ低コストで製造することができるという効果がある。
また、本発明に係る光デバイス及び光分岐機能を備えた光デバイスの製造方法によれば、ハーフミラー等の余計な部品を必要としないので極めて小型でコンパクトな光路変換装置や光分岐装置を製造することができるという効果がある。
本発明に係る光デバイス及び光分岐機能を備えた光デバイスの製造方法について図面を参照しつつ以下詳細に説明する。図1は本発明に係る光デバイス及び光分岐機能を備えた光デバイスの製造方法の好ましい一実施携帯のフローチャート、図2(a)〜(c)はそれぞれ本発明に係る光デバイスの製造方法に基づいて製造される光デバイスの一例を示す側面断面図、図3は図1に示すフローチャートにおける各工程の概要を示す断面図である。
初めに、図2(a)〜(c)に示された光デバイスは、いずれも光配線1の端面にその加工端面11、11a、11bが所定の形状とされた自己形成光導波路10が一体に形成されて構成されており、光が加工端面11、11a、11bにおいて反射又は透過することにより光路変換又は光分岐が行われるようなっている。例えば、図2(a)は先端が45°に傾斜した加工端面11とされており、図2(b)は先端が山切りカットされた凸形状とされて2つの加工端面11a、11bが形成されており、図2(c)は先端がV字状に切り込まれた凹形状とされて2つの加工端面11a、11bが形成されている。
図1に示された光デバイスの製造方法は、概略として、光配線1の先端に、所定の形状に形成された型面形状を備えた型枠20を型面21が光配線1の先端と向かい合うようにして光配線1の先端縁部を当接させて配置する工程(ステップS1)と、光配線1の先端部と型枠20の間であるキャビティ25に光の照射によって硬化する機能を有する感光性媒質30を充填する工程(ステップS2)と、光配線1に感光性媒質30を硬化させる光を導入して光配線1の先端から出射させることにより光が型枠20に到達するに至るまでの経路に相当する部分の感光性媒質30を硬化させて自己形成光導波路10を形成する工程(ステップS3)と、型枠20を取り外し、形成された自己形成光導波路10の端面に加工端面11、11a、11bを形成する工程(ステップS4)と、を含んで構成されている(図3参照)。
まず、図3(a)に示すように、これから形成すべき自己形成光導波路10の先端に配設したい加工端面の形状を模した型面形状を備えた型枠20を準備する。型枠20の材質は、光を透過又は吸収する性質を有するものであればよい。光を透過する性質を有するものとしては、例えば、ガラス、アクリル樹脂等がある。これに対して光を吸収するものとしては、例えば、黒色系の天然或いは合成ゴム、や黒色系の合成樹脂等がある。所定量以上の光量の光が反射されてしまうと反射した光によって後述する感光性媒質30が硬化してしまい、所望の形状を得られなくなるおそれがあるからである。型面形状は、加工端面に配設したい形状であって凹凸が逆になった形状とされる。例えば、90°の光路変換のみを目的とした自己形成光導波路を形成したい場合には、図4に示すような45°傾斜面を備えた型枠20を用いればよい。また、1対2分岐機能を持つ凹凸V字形の自己形成光導波路を形成したい場合は、図5に示すような型面21が断面略M字形状をした型枠20を用いればよい。
また、1対4の分岐機能を備えた凹又は凸四角錘形状の自己形成光導波路を形成したい場合は、図6(a)(b)に示すような、ピラミッド型をした型面形状を備えた型枠20を用いればよい。同様に、1対4の分岐機能を備えた凹又は凸十字形状の自己形成光導波路を形成したい場合は、図7に示すような凹又は凸十字形状を備えた型枠20を用いればよい。また、1対無限分岐のブロードキャスト機能を持つ自己形成光導波路を形成したい場合は、図8に示すような凹又は凸型円錐形状をした型枠20を用いればよい。ここで、図7、図8に示された光配線1は、円筒状の光ファイバをとされているが、これに限定されるものではなく断面矩形状の光導波路であってもかまわない。以下、各工程について図面を参照しつつ説明する。
「ステップS1」
まず、光配線1の先端に、上述した型枠20の型面21が光配線1の先端面と正しく向かい合うように当接させて配置する(図3(a))。このとき、型枠20と光配線1は、その中心軸を正しくアライメントする必要がある。そのため、図3(a)に示すように、型枠20の開口部を光配線1が挿入できる程度の大きさにし、型枠20の内側面に光配線1の先端縁部を当接させ、必要があれば適度な加重で押し付けることによって複数点で接触して機械的に位置合わせが可能になるような自動調芯機能を有する型枠を用いることが好ましい。ここで、図7(a)及び図8(a)に示された型枠20には図示されていないが、凹状の加工端面を形成するための型枠20の場合には、図6(a)に示すように、四角錐形状をした型枠20の頂部にロート状の保持体29を配し、保持体29のロートの拡開部に相当する内側面と光配線1端縁部が当接するようにして配置する。これにより光配線1とピラミッド状の型枠20の頂部との位置合わせが行われる。尚、保持体29はこの形状に限定されるものではなく、型枠20と光配線1の端面との隙間であるキャビティ25は、自己形成光導波路を形成可能なスペースが確保されていればよいので。この他にも、例えば、保持体29を砂時計のように円筒の中央部が内側に窄まったような形状とし、そして、落ちた砂が溜まる部分に相当する部分に型枠20が内包されるようにして配置すれば光配線1の先端の周縁部が保持体29の内側面と接し、光配線1と型枠20の頂部との位置合わせを行うことができる。
「ステップS2」
次に、光配線1と型枠20との間のキャビティ25に感光性媒質30を充填する(図3(b))。感光性媒質は、紫外線を照射することによって硬化する紫外線硬化性樹脂等を用いる。紫外線に限らずグリーンレーザ光により固化する等そのような性質を有する材質のものであればよい。尚、紫外線硬化剤については公知であるので詳しい説明は省略する。
「ステップS3」
次に、光配線1に感光性媒質30を硬化させる光を導入して光配線1の先端から出射させることにより光が型枠20に到達するに至るまでの経路に相当する部分の感光性媒質30を硬化させて自己形成光導波路10を形成する(図3(c))。光配線1に光を導入すると出射側では、紫外線硬化樹脂等の感光性媒質30はその光を受けた部分だけが硬化して屈折率が上昇する。そして、硬化した部分は光導波路となり、自身の先にある感光性媒質30へさらに光が伝搬され、次々に感光性媒質が硬化しながら光を伝搬して光導波路が自己形成される。
「ステップS4」
次に、形成された自己形成光導波路10から型枠20を取り外し、自己形成光導波路10の端面に加工端面11a、11bを出現させる(図3(d))。尚、最終的に形成された自己形成光導波路10が密接する部分の型枠20の型面21に予め離型剤を塗布しておくと取り外しがスムーズとなる。形成された自己形成光導波路10の加工端面11a、11bにさらに金属膜を蒸着させることによってミラー面を形成することもできる。
一方、自己形成光導波路10の加工端面11a、11bに反射防止コーティングを施すこともできる。反射防止コーティングは、例えば、ARコーティング(anti-reflective coating)がある。ARコーティングは、CRTディスプレイの表面に施される反射防止(ノングレア)処理の一つで、CRTディスプレイの表面にフッ化マグネシウム等の2種類の屈折率の異なる物質を2重に真空蒸着させてコーティングして透明な薄膜を作り、光の干渉を利用して照明などによる外光を打ち消すものである。薄膜の厚さは可視光線の波長の1/4とすればCRTディスプレイの表面に外光が入射されると、薄膜の表面で反射する光と、透過して奥で反射する光に分かれるが、両者は1/2波長ずれた逆位相となるため、互いに打ち消しあって反射光が目立たなくなるというものである。このような反射防止コーティングを適用することで光の反射量を低減させることが可能となる。
このようにして形成された自己形成光導波路10は、クラッドが空気である。上述した「光ピン」は、光結合を考えると45°マイクロミラーで反射された光がクラッド部で広がるため、若干光結合効率が低下する。しかし、クラッドが空気であることにより、密着した光結合が可能になるため、光結合効率が改善できる。また、本製造方法により形成される自己形成光導波路10は、アライメントが不要なため簡易・安価に製造可能というメリットがある。
本製造方法に基づいて、凸V字型自己形成光導波路を備えた光デバイスの製造を行った。ここで、簡単に実験方法、実験器具について説明する。まず、本実験では、感光性媒質として色素混合樹脂を用いると共に、硬化用の光としてグリーンレーザ光を用いることとした。これは、光ファイバを用いずに、光導波路で光接続をするような場合、光導波路用材料であるポリイミドは紫外光を通さないため、ポリイミドを通過するグリーンレーザ光を用いる必要があり、また、グリーンレーザ光では紫外線硬化性樹脂が硬化しないため、自己形成光導波路用材料として、アクリル系紫外線硬化性樹脂と色素成分を混合した色素混合樹脂を用いることが必要だからである。具体的には、色素混合樹脂としては、アクリル系紫外線硬化性樹脂(日本化薬株式会社:DVD003)に、色素成分(株式会社インデコ:ローダミン6G)を混合したものを使用し、光配線1である光導波路しては、グレーテッドインデックスマルチモードファイバ(以下「GI−MMF」という)を用いた。
まず、実験系を図10に示す。凹V字形状を備えたガラス製の型枠20を用意した。次に、GI−MMF3と型枠20をそれぞれ当接させるようにして配置した。尚、アライメントは、図9に示すように、型枠20とGI−MMF3を機械的に押し付けるのみとした。型枠20とGI−MMF3との間のキャビティ25に色素混合樹脂を充填し、GI−MMF3にグリーンレーザ発光部61からレンズ63を介してグリーンレーザ光60を入射すると、GI−MMF3の端面から出射される出射光によって自己形成光導波路10が次第に形成された。自己形成光導波路10が型枠20の型面21に当接したところでグリーンレーザ光60の照射を停止した。そして、色素混合樹脂の未硬化部をエチルアルコールを用いて洗浄した後、自己形成光導波路10と型枠20とを剥離させた。このような手法を用いることで、図3(b)に示すような、凸V字形状の加工端面11a、11bを持つ自己形成光導波路10を形成することができた。さらに、このようにして製造された光デバイスに光信号を入射することによりその分岐機能を確認した。
本発明に係る光デバイスの製造法に基づいて製造された光デバイスである光分岐装置の出射光を光線追跡法を用いて解析し、出射光の挙動を計算した。光ファイバの先端をそれぞれ凸V字形状に設定した解析モデル5と凹V字形状に設定した解析モデル7をそれぞれ用意した。その解析モデルをそれぞれ図11及び図12に示す。また、解析モデル5、7の解析結果をそれぞれ図13及び図14に示す。
凸V字形状の解析モデル5から光を出射すると、光は45°加工端面11a、11bで反射された光と、それを透過した光の少なくとも4分岐されることが確認された。解析モデル5において矢印で示した光の進行方向に対し、その両側から出射されているビームB1は、光軸に対して45°の加工端面11a、11bで反射された光であり、解析モデル5の光の進行方向側(前方側)に出射されているビームB2光は、加工端面11a、11bを透過屈折した光である。尚、5aはコアを示す。
これに対して、凹V字形状の解析モデル7からの出射光も4分岐することが確認された。解析モデル7において矢印で示した光の進行方向に対し、その両側から直角方向に出射されているビームB1は、光軸に対して45°の加工端面11a、11bで反射された光であり、光の進行方向側に出射されているビームB2は、加工端面11a、11bを透過屈折した光である。尚、7aはコアを示す。
透過光については、45°の加工端面11a、11bに、例えば、金属膜を蒸着する等してミラー面を形成すれば殆ど全ての光を反射させることも可能となる。このように、加工端面の角度や形状を適宜変化させれば光デバイスに種々の光分岐機能を付与することが可能であることが確認された。
本発明に係る光デバイス及び光分岐機能を備えた光デバイスの製造方法の好ましい一実施携帯のフローチャートである (a)〜(c)は、それぞれ本発明に係る光デバイスの製造方法に基づいて製造される光デバイスの一例を示す側面断面図である。 図1に示すフローチャートにおける各工程の概要を示す断面図である。 45°加工端面を形成する型枠の断面図である。 断面略M字形状をした型枠を示す断面図である。 (a)、(b)は凹又は凸四角錘形状の型枠を示す概略斜視図である。 (a)、(b)は凹又は凸十字形状の型枠を示す概略斜視図である。 (a)、(b)は凹又は凸型円錐形状の型枠を示す概略斜視図である。 実験系における型枠とGI−MMFとのアライメントを示す概略図である。 実験系の概略図である。 凸V字形状の解析モデルを示す概要図である。 凹V字形状の解析モデルを示す概要図である。 凸V字形状の解析モデルの光線追跡解析結果を示す図である。 凹V字形状の解析モデルの光線追跡解析結果を示す図である。 先端に45°傾斜面を備えた光ピンの断面図である。 加工端面を凹又は凸V字形状とした光ピンの断面図である。
符号の説明
1 光配線
3 GI−MMF
5 解析モデル
7 解析モデル
10 自己形成光導波路
11、11a、11b 加工端面
20 型枠
21 型面
25 キャビティ
29 保持体
30 感光性媒質
60 グリーンレーザ光

Claims (5)

  1. 導入された光の進行方向を変化させる光路変換機能を備えた光デバイス及び導入された光をさらに複数の経路に分岐させつつ光路変換する光分岐機能を備えた光デバイスの製造方法であって、
    光配線の先端に、所定の形状に形成された型面形状を備えた型枠を型面が当該光配線の先端と向かい合うようにして前記光配線の先端縁部を当接させて配置する工程と、
    前記光配線の先端部と前記型枠の間に光の照射によって硬化する機能を有する感光性媒質を充填する工程と、
    前記光配線に前記感光性媒質を硬化させる光を導入して当該光配線の先端から出射させることにより当該光が前記型枠に到達するに至るまでの経路に相当する部分の前記感光性媒質を硬化させて自己形成光導波路を形成する工程と、
    前記型枠を取り外し、形成された自己形成光導波路の端面に加工端面を形成する工程と、
    を含んでなることを特徴とする光デバイス及び光分岐機能を備えた光デバイスの製造方法。
  2. 請求項1に記載の光デバイス及び光分岐機能を備えた光デバイスの製造方法において、
    形成された自己形成光導波路の端面を金属膜でコーティングして反射面を形成する工程をさらに含み、これにより全ての光を光路変換可能にしたことを特徴とする光デバイス及び光分岐機能を備えた光デバイスの製造方法。
  3. 請求項2に記載の光デバイス及び光分岐機能を備えた光デバイスの製造方法において、
    前記自己形成光導波路の端面に反射防止コーティングを施す工程をさらに含み、これにより光の反射量を低減させたことを特徴とする光デバイス及び光分岐機能を備えた光デバイスの製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の光デバイス及び光分岐機能を備えた光デバイスの製造方法において、
    前記感光性媒質が紫外線硬化性樹脂であり、前記感光性媒質を硬化させる光が紫外光であり、前記光配線が光ファイバであり、前記型枠が硝子により形成された型枠であることを特徴とする光デバイス及び光分岐機能を備えた光デバイスの製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の光デバイス及び光分岐機能を備えた光デバイスの製造方法において、
    前記感光性媒質がアクリル系の紫外線硬化性樹脂に色素成分を混合させた色素混合樹脂であり前記感光性媒質を硬化させる光がグリーンレーザ光であり、前記光配線が光ファイバ又は光導波路であり、前記型枠が硝子により形成された型枠であることを特徴とする光デバイス及び光分岐機能を備えた光デバイスの製造方法。
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