JP2007121274A - 車輪の旋回安定性評価方法および車輪の旋回安定性評価装置 - Google Patents

車輪の旋回安定性評価方法および車輪の旋回安定性評価装置 Download PDF

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Abstract

【課題】実際に車両を旋回走行させつつ、種々の走行条件における車輪の旋回安定性を評価する。
【解決手段】タイヤの外周面のタイヤの横方向の変位量の積算値と、1つ前に導出された変位量の積算値とから、変位量の積算値の変化量を繰り返し算出し、この変化率が算出されるたび、以前に算出された変化率を基準値として、算出された変化率の、基準値に対する変動割合を繰り返し算出し、算出された変動割合に基づいて、車輪が横すべり状態に達するまでの余裕度を判定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、タイヤが装着された車輪を備える車両について、車両の旋回走行中において、車輪がスリップ状態となる危険性があるか否かを判定する車輪の旋回安定性評価方法、および車輪の旋回安定性評価装置に関する。
自動車車両の操縦安定性には、自動車車両の旋回走行特性(コーナリング特性)は特に重要であり、より高い操縦安定性をもつ、自動車車両や車輪の設計のためにも、自動車車両のコーナリング特性の評価は重要である。このような車両の旋回走行特性には、車両の車輪にかかるコーナリングフォースや、旋回時の車輪のスリップアングルが深く関係していることが知られている。
自動車車両のコーナリングでは、前後輪のタイヤの接地面に発生する旋回半径中心向きの力(コーナリングフォース)の総和と、車両の遠心力とがつりあい状態になっている。このつりあい状態が崩れ、コーナリングフォースに対して車両の遠心力の方が大きくなると、車輪が大きく横すべりしてスリップ状態となる。本明細書中において、スリップ状態とは、車両の運転者による車両の操縦の安定性が著しく低くなる程度に、車輪が大きく横すべりしている状態をいう。ホイールにタイヤが装着されてなる車輪を備える自動車車両のコーナリング特性には、車両の構造の特性(重量バランスなど)や、サスペンションの特性、タイヤの特性、さらに路面の状態など、種々の要因が関わっている。このため、車輪に横すべりが生じてスリップ状態となる走行条件(スリップ条件)は、車両やタイヤなどによって異なる。自動車車両の旋回走行特性として、種々の走行条件における車輪の旋回安定性(車輪が横すべり状態に達するまでの余裕度(スリップ状態となるまでの安全余裕度))を知ることは、より高い操縦安定性をもつ自動車車両や車輪の設計に重要である。
例えば、特定タイヤに発生するコーナリングフォースを評価する方法として、公知の室内コーナリング試験機(例えば、ドラム式試験機またはフラットベルト試験機)を用いる方法が挙げられる。このような室内コーナリング試験機では、例えば、特定タイヤに荷重を負荷した状態で、この特定タイヤを擬似路面に接触させる。そして、この仮想路面と特定タイヤとを相対移動させて特定タイヤを転動させ、この特定タイヤの接地面に発生するコーナリングフォースを測定している。
しかし、実際に車両に装着されたタイヤに発生するコーナリングフォースには、上述のように、車両の構造の特性(重量バランスなど)や、サスペンションの特性、タイヤの特性、さらに路面の状態など、種々の要因が関わっている。また、実際に車両が走行している最中には、車両の姿勢変化等により、各車輪にかかる荷重の変化も頻繁に起こる。例えば、公知の室内コーナリング試験機では、実際にタイヤが車両に取り付けられて、この車両が実際に路面を走行する際の状態(タイヤにかかる負荷状態や、タイヤの転動状態)を再現するには、その再現精度に限界があり、実際に特定タイヤが車両に取り付けられた場合の、特定タイヤの接地面に発生するコーナリングフォースを精度良く測定することはできない。
これに対し、実際に車両に装着されたタイヤに発生するコーナリングフォースを評価する方法として、特許文献1では、タイヤの力を予測するためのシステムが記載されている。特許文献1記載のシステムでは、センサによってタイヤの側壁のねじれ変形を測定し、この測定したねじれ変形から、タイヤに発生するコーナリングフォースを推定する。また、下記特許文献2には、車両の走行中に車両の運動状態に対応するタイヤモデルを設定し、そのタイヤモデルに基づいて車両の走行状態を推定する車両状態推定装置が開示されている。特許文献2記載の車両状態推定装置を用いることで、車両の走行中において常に精度良く車両の走行状態を推定することができると、特許文献2には記載されている。
特表2004−512207号公報 特開平8−198131号公報
しかし、特許文献1記載のシステムでは、事前に、タイヤ変形とその変形時に発生する力の関係を把握しておく必要がある。しかし、タイヤ変形とその変形時に発生する力の関係を把握しておくには、大きな手間を要する。また、このように事前に把握された、タイヤ変形とその変形に発生する力の関係を用いるのみでは、車両が実際に路面を走行する際の種々の状態(タイヤにかかる負荷状態や、タイヤの転動状態)について、タイヤの接地面に発生する横力を精度良く測定することはできない。
また、特許文献2記載の装置では、実際に車両の走行状態を推定するまでに、なるべく詳細なタイヤモデルを設定する必要がある。このため、実際に車両の走行状態を推定するに先がけて、車輪荷重についての特性曲線を同定する特性曲線同定ルーチンや、タイヤモデルを設定するタイヤモデル設定ルーチンなどを実施する必要がある。これらのルーチンでは、膨大な量のデータの取得および演算処理を実行する必要があり、評価のための時間やコストが著しく大きいといった問題があった。
また、タイヤがスリップする可能性がある走行条件において、車輪の旋回安定性(スリップ状態となるまでの余裕度)を評価するには、なるべく短時間に車両挙動を予測することが必要である。しかし、特許文献2記載の車両状態推定装置では、車両に搭載された操舵角センサや加速度センサやヨーレイトセンサ等による検出結果から、車輪のスリップ角を演算した上、タイヤモデルを用いた解析処理を実施する。このような煩雑な処理は時間がかかり、車両の挙動に対して演算・解析処理が先行できない。特許文献2記載の車両状態推定装置では、実際に車両を旋回走行させつつ、車輪の旋回安定性(スリップ状態となるまでの余裕度)を評価することは難しい。
そこで、本発明は、実際に車両を旋回走行させつつ、種々の走行条件における車輪の旋回安定性(スリップ状態となるまでの余裕度)を評価することができる、車輪の旋回安定性評価方法および車輪の旋回安定性評価装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、タイヤが装着された車輪を備える車両が路面上を旋回走行しているときの、前記車輪の旋回安定性を評価する方法であって、前記車両が旋回走行しているときの、前記タイヤ外周面のタイヤ横方向の変位量の、前記タイヤの接地前端から接地後端までの積算値を、単位時間毎に連続して導出するステップと、前記変位量の積算積が導出されるたび、導出された前記変位量の積算値と、1つ前に導出された前記変位量の積算値とから、前記変位量の積算値の単位時間あたりの変化量を、タイヤ変形の変化率として繰り返し算出する第1算出ステップと、前記タイヤ変形の変化率が算出されるたび、以前に算出された前記タイヤ変形の変化率を基準値として、算出された前記タイヤ変形の変化率の、前記基準値に対する変動割合を算出する第2算出ステップと、前記第2算出ステップにおいて算出された前記変動割合に基づいて、前記車輪が横すべり状態に達するまでの余裕度を表す前記車輪の旋回安定性を判定するステップとを有することを特徴とする、車輪の旋回安定性評価方法を提供する。
なお、前記第2算出ステップでは、前記車両が旋回走行を開始してから最初に算出された前記タイヤ変形の変化率を前記基準値として、前記変動割合を算出することが好ましい。
また、前記判定ステップでは、前記第2算出ステップにおいて算出された前記変動割合と、予め定められた閾値とを比較して、前記変動割合の値が前記閾値を下回った場合、前記車輪が横すべり状態に達する危険性が高いと判定することが好ましい。
また、前記車両が旋回走行しているときの、前記タイヤの転動による前記タイヤの外周面の接地変形にともなう、前記タイヤの所定部位のタイヤ半径方向の加速度データ、および、前記車両の旋回走行中の前記タイヤの外周面の前記タイヤの横方向の変形にともなう、前記タイヤの所定部位のタイヤ幅方向の加速度データを、それぞれ取得するデータ取得ステップを有し、前記導出するステップでは、前記タイヤ半径方向の加速度データに基づき、前記所定部位が前記路面に接地するタイミング、および前記所定部位が前記路面から離間するタイミングを求め、かつ、前記タイヤ幅方向の加速度データについて2階の時間積分をすることで、前記タイヤの横方向の変形にともなう、前記タイヤの所定部位の前記タイヤの横方向の変位量の時系列データを求め、前記所定部位が前記路面に接地するタイミングから、前記所定部位が前記路面から離間するタイミングにわたって、前記変位量の時系列データを積算することで、前記変位量の積算値を導出することが好ましい。
また、前記タイヤ半径方向の加速度データ、および前記タイヤ幅方向の加速度データは、前記タイヤのトレッド部のタイヤ空洞領域に面したタイヤ内周面に、加速度センサを配置して得られる計測データであることが好ましい。
また、前記導出するステップでは、前記タイヤの外周面の変形にともなう、前記タイヤの所定部位の前記タイヤ半径方向の加速度データが0を横切る2つのタイミングを求め、この2つのタイミングを、前記接地するタイミングおよび前記離間するタイミングとすることが好ましい。
本発明は、また、タイヤが装着された車輪を備える車両が路面上を旋回走行しているときの、前記車輪の旋回安定性を評価する装置であって、数値情報を記憶可能なメモリと、前記車両が旋回走行しているときの、前記タイヤ外周面のタイヤ横方向の変位量の、前記タイヤの接地前端から接地後端までの積算値を、単位時間毎に連続して導出するとともに、前記メモリに記憶させる導出部と、前記変位量の積算積が導出されるたび、導出された前記変位量の積算値を受け取るとともに、前記メモリに記憶された、1つ前に導出された前記変位量の積算値を呼び出し、導出された前記変位量の積算値と、1つ前に記憶された前記変位量の積算値とから、前記変位量の積算値の単位時間あたりの変化量を、タイヤ変形の変化率として繰り返し算出する第1算出部と、前記タイヤ変形の変化率が算出されるたび、算出された前記タイヤ変形の変化率を受け取り、以前に算出された前記タイヤ変形の変化率を基準値として、算出された前記タイヤ変形の変化率の、前記基準値に対する変動割合を繰り返し算出する第2算出部と、前記第2算出部において算出された、前記タイヤ変形の変化率の前記変動割合を受け取り、前記変動割合に基づいて、前記車輪が横すべり状態に達するまでの余裕度を表す前記車輪の旋回安定性を判定する判定部とを有することを特徴とする車輪の旋回安定性評価装置を、併せて提供する。
なお、前記車両の走行中、前記車両が旋回を開始したことを検知する検知手段を有し、前記第1算出部は、前記検知手段が前記車両の旋回の開始を検知してから最初に算出された前記タイヤ変形の変化率を、前記基準値として前記メモリに記憶しておき、前記第2算出部は、前記タイヤ変形の変化率が算出されるたび、前記メモリから前記基準値を読み出して前記変動割合を算出することが好ましい。
また、前記判定部は、前記第2算出部において算出された前記変動割合と、予め定められた閾値とを比較して、前記変動割合の値が前記閾値を下回った場合、前記車輪が横すべり状態に達する危険性が高いと判定することが好ましい。
本発明の車輪の旋回安定性評価方法および車輪の旋回安定性評価装置によれば、実際に車両を種々の走行条件で旋回走行させた際の、車輪の旋回安定性(スリップ状態となるまでの余裕度)を評価することができる。本発明によれば、実際の車両の構造の特性(重量バランスなど)や、サスペンションの特性、タイヤの特性、さらに路面の状態など、種々の要因を加味して、車輪の旋回安定性を評価することができる。また、スリップアングルやコーナリングフォースなどを算出することなく、短時間で旋回安定性を評価することができる。このため、車両の旋回走行中に、例えば、車両の運転者に対して、リアルタイムで車輪の旋回安定性(スリップ状態となるまでの余裕度)を報知することもできる。また、高価な装置や大きな手間を要することなく、タイヤ固有の旋回安定性能を、短時間で評価することができる。
以下、本発明の車輪の旋回安定性評価方法、および車輪の旋回安定性評価装置について、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
図1は、本発明の車輪の旋回安定性評価装置の一例である、車輪の旋回安定性評価装置10(装置10)について説明する概略構成図である。装置10は、4つの車輪14a〜14dが配備された車両12に備えられており、車両12の旋回走行中、車輪14a〜14dそれぞれの旋回安定性を、リアルタイムで判定するための装置である。これら4つの車輪14a〜14dは、同一種類のタイヤ(タイヤサイズやタイヤリム幅、ベルト構造、また、タイヤの充填空気圧などがそれぞれ同一であるタイヤ)15a〜15dがそれぞれ装着されて構成された車輪である。装置10は、センサユニット16a〜16dと、旋回開始検出手段18、データ処理ユニット20と、ディスプレイ40とからなる。
センサユニット16a〜16dは、4つの車輪14a〜14dにそれぞれ備えられており、車両12が路面を走行する際に、各車輪のタイヤ15a〜15dが路面から外力を受けることで発生する、このタイヤ15の所定部位の加速度情報を取得して、無線信号で連続的に送信する。旋回開始検出手段18は、車両12が旋回走行を開始したことを検知して、旋回走行の開始を知らせる検知結果をデータ処理ユニット20に送る。旋回開始検出手段18は、例えば、ステアリング軸などに取り付けられた回転角センサを備えて構成されていればよい。この場合、例えば、この回転角センサが、ステアリング軸の回転角を測定し、この測定結果に基いて車両12に配備された車輪14a〜14dの操舵角を導出し、この操舵角に基いて車両12が旋回走行を開始したことを検知する。例えば、操舵角が予め定められた基準操舵角以上となった場合に、旋回走行を開始したと判定すればよい。また、旋回開始検出手段18は、例えばステアリング軸などに取り付けられた回転角速度センサを備えて構成されていてもよい。この場合、例えば、回転角速度が予め定められた基準角速度以上となった場合に、旋回走行を開始したと判定すればよい。また、旋回開始検出手段18は、例えば、公知のGPS(Global Positioning Syste)と、車両12が走行する走路のデータを記憶したデータベースとを備えて構成されたものであってもよい。このデータベースには、車両12が走行する走路におけるコーナー部分(旋回半径が所定値より小さい部分)の位置などが詳細に記憶されている。例えば、GPSによって車両12の現在位置の情報と進行方向の情報を取得し、車両12がこのコーナー部分にさしかかったタイミングを、旋回走行が開始したタイミングと検出すればよい。旋回開始検出手段18による検知結果は、データ処理ユニット20に送られる。
データ処理ユニット20は、旋回開始検出手段18による測定データによって、車両12が旋回走行を開始したことを検知すると、センサユニット16a〜16dから送信された加速度情報の受信を開始して、この加速度情報を処理し、旋回走行中の各車輪の旋回安定性をリアルタイムで判定する。ディスプレイ40は、このデータ処理ユニット20における処理結果や判定結果などを表示する。なお、図1に示す例では、データ処理ユニット20は車両12に配置されているが、データ処理ユニット20は持ち運び可能であって、車両12に配置することに限定されない。以下、これらのセンサユニット、データ処理ユニット、ディスプレイについて詳細に説明する。
図2は、図1に示す装置10のうち、センサユニット16(センサユニット16a〜16dを代表して表す)、およびテータ処理ユニット20について説明する概略構成図である。車輪14a〜車輪14d、およびセンサユニット16a〜16dは、それぞれ同様な構成となっている。センサユニット16は、加速度センサ2と送信機17とを有して構成されている。
図3(a)および(b)は、車輪14のタイヤ15(タイヤ15a〜タイヤ15dを代表して表す)における加速度センサ2の設置位置、および加速度センサ2が検出する加速度データについて説明する図である。図3(a)は、車輪14を接地路面の側から見た斜視図であり、接地路面を透明な板とした際に、この接地路面を介してタイヤ15を観察した状態を示す図である。図3(b)は、タイヤ15を、加速度センサ2を含む子午断面(タイヤ赤道面と垂直な面)で切断した際の断面図の一部を拡大して示している。図3(a)および(b)は、それぞれ、車両12が直進走行している状態について、概略的に示している。
図3(b)に示すように、加速度センサ2は、タイヤ15のトレッド部の内面位置11に設置されている。この加速度センサ2は、この加速度センサ2が設けられたタイヤ内面位置11を基準とした、直交する3軸方向の加速度を計測可能な加速度センサである。本実施形態では、タイヤ15の内面位置11の、図3(b)に示す、タイヤ幅方向(タイヤ横方向)の加速度、およびタイヤ半径方向の加速度、およびタイヤの外周形状に沿った、タイヤ周方向の加速度をそれぞれ計測する。タイヤ15の内面位置11と、この内面位置11に対応するタイヤ15の外面位置13はごく近く、内面位置11の加速度は、外面位置13の加速度に対応しているといえる。
加速度センサ2としては、例えば、本願出願人が先に出願した特願2003−134727号に開示された半導体加速度センサが例示される。半導体加速度センサは、具体的には、Siウエハ外周枠部内にダイアフラムが形成されたSiウエハと、このウエハ外周枠部を固定する台座とを有し、ダイアフラムの一方の面の中央部に重錘が設けられ、ダイアフラムには複数のピエゾ抵抗体が形成されている。この半導体加速度センサに加速度が作用した場合、ダイアフラムは変形し、この変形によりピエゾ抵抗体の抵抗値は変化する。この変化を加速度の情報として検出できるようにブリッジ回路が形成されている。この加速度センサ2を、タイヤ半径方向、タイヤ幅方向、およびタイヤ周方向の加速度をそれぞれ計測可能となるようにタイヤ内面位置11に固定することにより、タイヤ回転中のトレッド部に作用する加速度を計測することができる。
より詳しくは、加速度センサ2は、タイヤ半径方向とタイヤ幅方向とタイヤ周方向とを、それぞれ計測可能となるようにタイヤ内面位置11に固定している。ここで、タイヤ半径方向とは、タイヤ15が規定の空気圧となるように、タイヤ15の内部空洞領域に空気を充填し、タイヤ15を接地させない状態において、タイヤ内面位置11からこのタイヤ15の回転中心軸に下ろした垂線に沿った方向である。また、タイヤ幅方向は、このタイヤ半径方向に垂直で、かつタイヤ内面位置11を通る、タイヤ15の回転中心軸を含む平面(タイヤ15の子午断面)に平行な方向である。また、タイヤ周方向は、上記タイヤ半径方向およびタイヤ幅方向のいずれとも垂直な方向である。加速度センサ2は、この他にピエゾ圧電素子を用いた加速度ピックアップを用いてもよいし、歪みゲージを組み合わせた歪みゲージタイプの加速度ピックアップを用いてもよい。
加速度センサ2で検知された加速度は、各送信ユニットの送信機17からデータ処理ユニット20へ送られる。なお、送信機17を設けず、例えば、加速度センサ2に別途送信機能を持たせ、加速度センサ2からデータ処理ユニット20へ送信するように構成してもよい。なお、車輪14に設けられた送信機17は、それぞれを識別可能とする識別情報(ID)をそれぞれ保有しており、送信機17は、対応する加速度センサで計測された加速度の計測データとともにIDを送信する。
データ処理ユニット20は、CPU23と、メモリ27と、受信機3と、アンプ4と、処理手段21と、判定手段30とを有する。送信機17から送信された加速度の情報は、データ処理ユニット20の受信機3で受信されて、アンプ4で増幅されて処理手段21へ送られる。データ処理ユニット20は、メモリ27に記憶されたプログラムをCPU23が実行することで、処理手段21および判定手段30に示される各部が機能するコンピュータである。なお、処理手段21および判定手段30の各部は、それぞれが専用回路で構成されていてもよい。
処理手段21は、加速度データ取得部22、信号処理部24、接地タイミング導出部26、軌跡導出部28からなる。データ取得部22は、アンプ4で増幅された、タイヤ半径方向、タイヤ幅方向、およびタイヤ周方向の加速度の計測データを入力データとして取得する部分である。アンプ4から供給されるデータはアナログデータであり、タイヤ加速度データ取得部22は、上記3方向それぞれの加速度データを、所定のサンプリング周波数でサンプリングして、それぞれデジタルデータに変換する。なお、データ取得部22は、各送信機17から送信された上述のIDに基づき、各車輪から送信される加速度の計測データが、どの車輪のタイヤの加速度の計測データであるか(車輪14a〜車輪14dのいずれの車輪であるか)を判定する。以降、信号処理部24、接地タイミング導出部26および軌跡導出部28、および後述の判定手段30で行なわれる各処理は、各車輪のタイヤの計測データそれぞれについて、並列に行なわれる。
信号処理部24は、デジタル化されたタイヤ半径方向、タイヤ幅方向、およびタイヤ周方向の加速度データそれぞれの加速度データから、タイヤの変形にともなう加速度の時系列データを抽出する部位である。信号処理部24では、これら加速度の計測データに対して平滑化処理を行い、これら平滑化された信号に対して近似曲線を算出して背景成分1を求める。そして、この背景成分1を平滑化処理された加速度の計測データから除去することにより、タイヤ半径方向、タイヤ幅方向、およびタイヤ周方向それぞれの、タイヤの変形にともなう加速度の時系列データ(変形加速度時系列データ)を抽出する。抽出された変形加速度時系列データは、接地タイミング導出部26、および軌跡導出部28にそれぞれ送られる。信号処理部24における具体的な処理は後述する。
接地タイミング導出部26は、特に、タイヤ半径方向の変形加速度の時系列データに基づき、走行路面上を転動するタイヤ15の外面位置13が走行路面に接地したタイミング、およびこの外面位置13が接地路面から離間したタイミングを導出する。また、軌跡導出部28は、タイヤ半径方向、タイヤ幅方向、およびタイヤ周方向それぞれの変形加速度時系列データに基づき、走行路面上を転動するタイヤ15の外面位置13の、図3(a)に示すXYZ空間における軌跡を導出する。図3(a)におけるX軸(X方向)は、地面(タイヤ15の接地面)に平行で、かつタイヤ15の進行方向に平行な軸(方向)である。また、図3(a)におけるY軸(Y方向)は、地面に平行で、かつタイヤ15の回転中心軸に沿った軸(方向)である。また図3(a)におけるZ軸(Z方向)は、地面と垂直な軸(方向)である。
ここで、接地タイミング導出部26において導出される接地タイミング、および軌跡導出部28において導出される外面位置13の軌跡について説明する。図4(a)および(b)は、車両12が旋回走行している最中における、タイヤ15の変形状態を示す図である。図4(a)は、タイヤ15の側面図であり、タイヤ15と路面との接地領域の近辺を拡大して示している。また、図4(b)は、タイヤ15を接地路面の側から見た底面図であり、タイヤ15の外周面と、路面との接地領域についてのみ示している。
図4(a)に示すように、車輪14のタイヤ15は、車両12や車輪14自身の重量によって接地路面に押し付けられている。タイヤ15を側面からみた場合、タイヤ15の外面は、接地領域において直線状であり、その他の部分では円弧状となっている。タイヤ15に設置された加速度センサ2に対応する外面位置13は、接地領域の前端で走行路面に接地し、接地路面に沿って移動して、接地領域の後端で走行路面から離間する。接地タイミング導出部26では、特に、タイヤ半径方向の変形加速度時系列データに基づき、このような、外面位置13の接地および離間のタイミングを導出する。
車両12の旋回走行中では、タイヤ15の赤道面は、車両12の進行方向に対して、角度(スリップ角SA)をもっている。すなわち、車輪14は、車両12の進行方向に対して、タイヤ15の赤道面がスリップ角度SAを保ち、横すべりしながら転動している。タイヤ15の旋回走行中、タイヤ15に固定された座標系から接地部を見ると、路面は後方に移動している。タイヤのトレッド表面は接地部の前端で路面と接触し、時間の経過とともに路面との接触(粘着)を保ちながら横後方(図4(b)の下方)へ移動している。このような状態では、タイヤ15のトレッド表面が路面によって横方向に押され、トレッド部がせん断変形を起こし、それによって車両進行方向に対して略垂直なコーナリングフォースが発生している。なお、せん断変形量はトレッド部が後部に移動するにしたがって大きくなり、変形力とトレッド・路面間の摩擦力が等しくなる点ですべりだす。この等しくなる点より後部では、トレッドが横すべりを起こし、すべり摩擦力が発生している。そして、トレッドは接地部の後端で元の状態に戻る。タイヤのトレッド部の形状の変形量の大きさは、コーナリングフォースの大きさに強く影響する。このような転動状態にあるタイヤでは、接地領域において、外面位置13(内面位置11および加速度センサ2)が、図4(b)の太線で示すような軌跡となる。
軌跡導出部28は、変形加速度時系列データを時間積分して、加速度センサ2の設置位置(内面位置11)に対応する外面位置13の、タイヤの変形に基づく変位(変形変位)をそれぞれ算出する。これにより、上記XYZ空間における、走行路面上を転動するタイヤ15の外面位置13の軌跡を詳細に導出する。接地タイミング導出部26および軌跡演算部28における処理については、後に詳述する。
接地タイミング導出部26において導出された接地タイミングの情報、および軌跡導出部28において導出された回転軌跡の情報は、判定手段30に送られる。判定手段30は、面積導出部32、第1算出部(変化率算出部)34、第2算出部(変動割合算出部)36、および判定部38とからなる。
面積導出部32は、外面位置13の接地および離間のタイミング、および接地領域における外面位置13の軌跡から、車両12の旋回走行によるタイヤ15の外周面の変形面積の情報を算出する。タイヤ15の外周面の変形面積の情報とは、タイヤ15の接地前端から接地後端までの間にわたる、タイヤ15の外周面の変形量の大きさを表す情報である。具体的には、軌跡導出部28で導出されたタイヤ幅方向の変形変位の時系列データを、接地タイミング導出部26において導出された、外面位置13の接地タイミングから外面位置13の離間タイミングまで積分した値を求める。すなわち、面積導出部32では、図4(b)に斜線で示す面積(変形面積)に対応する、上記変形変位の積算値を算出する。このような変形面積(変位量の積算値)は、タイヤ15の接地領域におけるタイヤ15の変形の大きさを表しているといえる。
上述のように、タイヤ15の接地領域におけるタイヤ15の変形の大きさは、コーナリングフォースの大きさに強く影響するものであり、上記の変形面積はコーナリングフォースの大きさを表すパラメータであるといえる。面積導出部32では、このような変形面積を、所定の単位時間毎に繰り返し導出する。導出した変形面積のデータは、メモリ27に記憶されるとともに、第1算出部34に送られる。
第1算出部34は、面積導出部32から送付された変形面積のデータを受け取り、この受け取った変形面積と、先に算出されてメモリ27に記憶された変形面積とを用い、変形面積の変化率を算出する。具体的には、第1算出部34は、面積導出部32から現在の変形面積を受け取ると、メモリ27から、以前に記憶された変形面積(単位時間だけ遡った時点での変形面積)を呼び出す。そして、現在の変形面積を以前の変形面積で除算することで、変形面積の変化率を算出する。
車両12の旋回開始から最初に算出された変形面積の変化率は、基準値としてメモリ27に記憶される。2回目以降に算出された変形面積の変化率は、第2算出部36に送られる。以降、第1算出部34は、面積導出部32から変形面積のデータを受け取る度に(単位時間間毎に繰り返し)変形面積の変化率を算出して、第2算出部36に送る。
第2算出部36は、第1算出部34から送付された変化率(変形面積の変化率)を受け取り、この受け取った変化率と基準値とを用い、変化率の変動割合を算出する。具体的には、第2算出部36は、第1算出部34から現在の変化率を受け取ると、メモリ27に記憶された基準値(1回目に算出された変化率)を呼び出し、現在の変化率を基準値で除算して、変化率の変動割合を算出する。第2算出部36において算出された変動割合は、判定部38に送られる。第2算出部36は、第1算出部34から変化率のデータを受け取る度に(単位時間毎に繰り返し)、変化率の変動割合を算出して、判定部38に送る。
ここで、本実施形態における変化率および変動割合について説明する。図5は、公知の室内コーナリング試験機を用いて測定した、スリップアングルSAと、コーナリングフォースCFとの関係について示すグラフである。図5に示す複数のグラフは、いずれも1つのタイヤについての実験結果であり、接地荷重(Load)およびキャンバー角(CA)を種々変更した複数の測定条件下での測定結果を、それぞれ示している。また、図6は、図5に示す複数の条件のグラフのうち、条件Aのグラフを抽出して示している。
図5に示すグラフからも明らかなように、荷重条件やキャンバー角などの走行条件が変わった場合であっても、SAの増加にともなうコーナリングフォースCFの変化の態様は、どれも同様である。すなわち、スリップアングルが比較的小さい領域(微舵域)では、コーナリングフォースCFはスリップアングルSAの増加とともに増加し、コーナリングフォースCFとスリップアングルSAとは略比例関係にある。そして、スリップアングルがある程度大きくなると(中舵域)、コーナリングフォースCFとスリップアングルSAとの略比例関係は崩れ、スリップアングルがさらに大きくなると(大舵域)、コーナリングフォースCFの大きさは飽和する(より詳しくは、SAの増加に伴って緩やかに減少する)。
車両の旋回走行は、運転者がステアリングなどの操舵装置を操作して、車輪の操舵角を徐々に増加させて行なわれる。このような旋回走行において、車輪のスリップアングルは、時間の経過とともに増加する。ある程度の時間をかけて大きく操舵する場合など、時間の経過とともに、車両のスリップアングルは、微舵域から中舵域、中舵域から大舵域へと徐々に大きくなっていく。このような車両の旋回走行では、図5に示す横軸を時間軸としたグラフが、旋回走行時に車輪にかかるコーナリングフォースの大きさの時系列変化を示すグラフに対応していると考えることができる。
図6には、併せて、タイヤに設置された加速度計による計測データ(時系列の加速度データ)に基づいて算出された上記の変形面積と、スリップアングルSAと、の関係を示している。スリップアングルSAの変化に対するコーナリングフォースCFの変化は、スリップアングルSAの変化に対する変形面積の変化によく一致している。なお、図6に示される変形面積の算出方法の詳細は、後に詳述する。上述のように、上記の変形面積の大きさは、コーナリングフォースの大きさを表すパラメータであるといえる。スリップアングルSAが時系列で増加していく一般的な車両の旋回走行では、図5に示す横軸を時間軸、さらに図5に示す縦軸を変形面積としたグラフを、旋回走行時の変形面積の時系列変化を示すグラフに対応していると考えることができる。
すなわち、車両が旋回している最中では、旋回を開始した当初(微舵域)において、変形面積は時間の経過とともに増加し、変形面積と時間とは略比例関係にある。そして、時間がある程度経過すると(中舵域)、変形面積と経過時間との略比例関係は崩れてくる。そして、時間がさらに経過すると(大舵域)、変形面積の大きさは飽和する(より詳しくは、時間の経過にともなって、変形面積は緩やかに減少する)。このような変形面積と時間との関係は、時間と車輪のスリップアングルとが比例関係にあるような旋回走行、例えば、操舵角を一定として走行速度を一定増加率で(単位時間あたりの増加量を一定として)増加させていく場合や、走行速度を一定として操舵角を一定増加率で(単位時間あたりの増加量を一定として)増加させていく場合に、精度良く成り立つ。
変形面積と時間とが略比例関係にある上記の微舵域では、変形面積の変化率(単位時間あたりの変形量)は比較的大きく、時間が経過しても傾きは略一定である。そして、中舵域では、時間の経過にともない、変形面積の変化率は徐々に小さくなる。そして、大舵域では、時間が経過しても変化率は略一定となる。このような変化率の変化は、図5および図6に示すグラフから容易に判断できる。図7は、車両の旋回走行中における、変化率の時系列変化の概略を示すグラフである。タイヤや旋回条件等が異なっていても、図7に示すように、変化率は、時間の経過にともなって、一定値、減少、一定値(より詳しくは、ほぼ0である負の値)と変遷する。変化率算出部34は、車両12の旋回中における、このような所定時間間隔毎の変化率を算出する。そして、メモリ27が、旋回開始から最初に算出された変化率を、基準値として記憶する。
図8は、図5に示す複数のグラフそれぞれについて算出した、スリップアングルと変化率の関係を示すグラフである。図8は、図5に示す各グラフについて、スリップアングルを0.5°づつ変化させて、コーナリングフォースCFの変化率を算出することで得られたグラフである。上述のように、旋回走行中においては、旋回時間が経過するにつれてスリップアングルは増大するものであり、一般的な車両の旋回走行中においては、図8における横軸を、旋回時間と等価なものとして考えることができる。図8に示すように、それぞれ異なる旋回走行条件のいずれであっても、微舵域においては、変動率の値は略一定値(いずれも、約0.90)である。そして、微舵域から中舵域にさしかかる領域において、徐々に減少している。図9にも示されているように、このような変化率の変化の態様は、走行条件が種々異なっていても各場合で同様であり、また、タイヤの種類が種々異なっていても各場合で同様である。
第2算出部36では、変化率が算出されるたび、算出された変化率の上記基準値に対する変動割合を算出する。図9は、車両の旋回走行中における、変動割合の時系列変化の概略を示すグラフである。変化率が算出されるたび、すなわち単位時間毎に算出される変動割合は、図7に示す変化率のグラフを、基準値で規格化したグラフとなる。図7および図8に示す変化率の変化の態様から判断できるように、タイヤや旋回条件等が異なっていても、図9に示すように、変動割合は、微舵域において1.0にごく近い一定値となり、中舵域から大舵域へと変遷するにつれて、変動割合は減少してくる。第2算出部36は、このような変動割合を時系列に算出し、判定部38へ順次送信する。
判定部38は、第2算出部36から送られた変動割合の値が、予め設定された閾値を下回るか否かを判定する。判定部38は、変動割合の値が予め定められた閾値を下回った場合、旋回安定性が低下している(すなわち、車両の旋回安定性が低下して車両がスリップ状態となる可能性が高い)と判定する。そして、この判定結果(旋回安定性が低下していること)を運転者に知らせるための警告画像を、ディスプレイ40に表示させる。なお、ディスプレイ40は、このような警告画像のみに限らず、取得された加速度データの波形や、算出された各種パラメータなど、処理装置20において扱われる各種データや算出結果を逐次表示可能となっている。
判定部38における判定処理の内容について説明する。車両の旋回走行中において、車輪の横すべりが顕著となるのは、中舵域から大舵域にさしかかるあたりからである。車輪のスリップアングルとコーナリングフォースとの関係が中舵域に入った状態で、さらにスリップアングルが増大すれば、上記関係は大舵域に入り、短時間のうちに車両はスリップ状態となる。逆に、車輪のスリップアングルとコーナリングフォースとの関係が中舵域に入った状態で、スリップアングルが減少すれば、上記関係は微舵域に入り、車輪の横すべりが少なく、安定かつ安全な旋回状態となる。運転者が、車両の旋回走行中に、車輪のスリップアングルとコーナリングフォースとの関係が、上記中舵域から大舵域にさしかかるあたりに入ったことを知ることができれば、車両がスリップ状態となるのを防止することができる。例えば、スリップアングルがこれ以上増加しないように、また、スリップアングルが減少するように車両を操縦することで、車両がスリップ状態となるのを防止することができる。例えば、車両の走行速度を減速させたり、車輪の操舵角を減少させることで、スリップアングルを低減させることができる。車輪の旋回安定性を評価する上で、このように、車輪のスリップアングルとコーナリングフォースとの関係が、中舵域から大舵域にさしかかるあたりに入ったか否かを知ることは重要である。
図9に示すように、微舵域では、変動割合の値は1.0にごく近い一定値となっている。この変動割合の値は、微舵域から中舵域にさしかかるあたりで小さくなり、中舵域から大舵域にさしかかるにつれてさらに減少する。旋回安定性判定部38において、このような変動割合が所定の値を下回るか否かを判定することで、旋回走行中の車両の車輪が、中舵域から大舵域にさしかかっているか否かを判定できる。
図10は、このような装置10において実施される、本発明の車輪の旋回安定性評価方法のフローチャート図である。以下、装置10において実施される、本発明の車輪の旋回安定性評価方法について詳細に説明する。
まず、車両12の運転者が、ステアリングなどの車両操舵装置を操作して車輪14を操舵することで、車両12の旋回走行が開始される(ステップS100)。旋回走行が開始されると、旋回開始検出手段18によって車両12の旋回走行が開始されたことが検知されて、車輪14の加速度データ(タイヤ半径方向、タイヤ幅方向、およびタイヤ周方向それぞれの加速度データ)の取得が開始される(ステップS102)。
ステップS102では、データ処理ユニット20が、センサユニット16a〜16dから送信された加速度情報を連続的に受信して、この加速度情報を処理する。より詳しくは、データ取得部22が、アンプ4で増幅された、タイヤ半径方向、タイヤ幅方向、およびタイヤ周方向それぞれの加速度データを入力データとして取得する。アンプ4から供給されるデータはアナログデータであり、データ取得部22は、タイヤ半径方向、タイヤ幅方向、およびタイヤ周方向それぞれの加速度データを、所定のサンプリング周波数でサンプリングして、それぞれデジタルデータに変換する。この際、データ取得部22は、上述のように、各送信機15から送信された上述のIDに基づき、各車輪から送信される加速度の計測データが、どの車輪のタイヤの加速度の計測データであるか(車輪14a〜車輪14dのいずれの車輪であるか)を判定する。
次に、タイヤ半径方向、タイヤ幅方向、およびタイヤ周方向それぞれの加速度データから、接地領域におけるタイヤ15表面の上記変形面積が算出される(ステップS104)。以降、ステップS104における変形面積の算出処理について詳述する。図11は、図10に示すフローチャートのうち、ステップS104における処理の詳細を示すフローチャート図である。
図12および図13は、装置10における各処理で得られる結果の一例を示している。これら図12および図13に示す結果は、いずれも、加速度センサ2によって計測した、タイヤの半径方向の加速度データについての処理結果である。まず、取得されたデジタルの加速度データが、信号処理部24に供給され、それぞれ、フィルタによる平滑化処理が行われる(ステップS122)。
図12(a)は、データ取得部22で取得される、タイヤ半径方向のデジタル加速度データの一例である。図12(a)に示すように、信号処理部24に供給された計測データはノイズ成分が多く含まれるため、平滑化処理により、図12(b)に示すような滑らかなデータとされる。フィルタは、例えば、所定の周波数をカットオフ周波数とするデジタルフィルタが用いられる。カットオフ周波数は、転動速度やノイズ成分によって変化するが、例えば転動速度が60(km/時)の場合、カットオフ周波数は、0.5〜2(kHz)とされる。この他に、デジタルフィルタの替わりに、移動平均処理やトレンドモデル等を用いて平滑化処理を行ってもよい。
次に、信号処理部24において、平滑化処理された加速度の計測データから、低周波の背景成分1が除去される(ステップS124)。例えば、タイヤ半径方向の加速度の背景成分1は、タイヤの転動中の遠心力(向心力)の加速度成分及び重力加速度成分の影響を含む。図12(b)では、タイヤ半径方向の加速度データについて、背景成分1の波形が示されている。背景成分の抽出は、ステップ104で得られた平滑化処理後の波形データに対し、さらに平滑化処理を行うことで実施する。例えば、所定の周波数をカットオフ周波数とするデジタルフィルタが用いられる。カットオフ周波数は、例えば転動速度が60(km/時)の場合、カットオフ周波数は、0.5〜2(kHz)とされる。この他に、デジタルフィルタの替わりに、移動平均処理やトレンドモデル等を用いて平滑化処理を行ってもよい。また、平滑化処理後の波形データにおいて、例えば所定の時間間隔で複数の節点を設け、予め定められた関数群、例えば3次のスプライン関数を用いて、最小二乗法により第1の近似曲線を算出することによって求めてもよい。節点は、スプライン関数の局所的な曲率(屈曲性)を規定する横軸上の拘束条件を意味する。
信号処理部24では、このようにして抽出された背景成分1を、ステップS122で平滑化処理された加速度の計測データから差し引くことで、計測データからタイヤの回転に基づく加速度成分及び重力加速度成分が除去される。図12(c)には、背景成分除去後のタイヤ半径方向の加速度の時系列データが示されている。これにより、タイヤのトレッド部の接地変形に基づく加速度の成分(変形加速度時系列データ)を抽出することができる。これらの平滑化処理(ステップS122)および背景成分除去(ステップS124)は、タイヤ半径方向、タイヤ幅方向およびタイヤ周方向のデジタル加速度データそれぞれについて実施される。
なお、この際、信号処理部24は、このようにして取得された、タイヤの変形に基づく加速度の時系列データから、上述の回転角θが、180°、540°、900°・・・となるタイミングをそれぞれ抽出しておく。信号処理部24では、タイヤの変形に基づく加速度の時系列データのグラフにおいて、このタイヤの変形に基づく加速度が極小値をとるタイミングを、回転角θが、θ=180°、540°、900°・・・となるタイミングとして抽出する。すなわち、これら極小値のタイミングを、図2に示すように、タイヤ空洞領域の内周面に固定した加速度センサ2が、タイヤの接地面の中心位置に到来する(最も近づく)タイミングとして抽出する。これは、タイヤの接地領域において、タイヤの外周面の路面垂直方向の位置は、路面によって規定されるからである。
接地領域において、路面は元々曲率のついたタイヤ外周面を平面状に変形させるので、タイヤは厚み方向に変形する。これによって、タイヤ空洞領域の内周面の位置は、接地領域において、タイヤ厚み方向(路面と垂直な方向)に、少なからず変動する。タイヤの厚み方向の変形は、接地面の中心位置において最も少なくなる。タイヤ空洞領域の内周面に配置された加速度センサによって取得される、タイヤの変形に基づく加速度が極小となるタイミングは、上述の回転角θが、180°、540°、900°・・・となるタイミングであるといえる。このような、回転角θが、180°、540°、900°・・・となるタイミングから、転動中のタイヤにおける時系列の回転角θを求めることができる。
次に、接地タイミング導出部26において、タイヤの変形に基づく(変形に起因する)タイヤ半径方向の加速度の時系列データに基づき、走行路面上を転動するタイヤ15の外面位置13が走行路面に接地したタイミング、およびこの外面位置13が接地路面から離間したタイミングを導出する(ステップS126)。図13には、図12(c)に示す、タイヤ半径方向の変形加速度時系列データの一部が、拡大して示されている。接地タイミング、および路面からの離間のタイミングは、ステップS124において抽出された、変形加速度時系列データにおいて、加速度が急激に変化して0を横切る点を2つ求めることで抽出することができる。このように加速度の時系列データが急激に大きく変化する部分を、接地前端及び接地後端と定めることができるのは、トレッド部が回転して接地領域に来るとき、または接地領域から出るとき、タイヤが急激に変形するからである。
次に、軌跡導出部28において、タイヤの変形に基づくタイヤ幅方向の加速度の時系列データ、およびタイヤ周方向の加速度の時系列データが時間積分されて、外面位置13の時系列の変形変位が算出される。これにより、走行路面上を転動するタイヤ15の外面位置13の、XYZ空間における軌跡を詳細に導出する(ステップS128)。
図14(a)〜(c)は、それぞれ、ステップS128において、軌跡導出部28で行なわれる処理結果を模式的に示すグラフである。図14(a)〜(c)に示すグラフは、タイヤ半径方向の変形加速度時系列データについての処理結果である。軌跡導出部28では、まず、変形加速度時系列データについて2階の時間積分を施し、変位データを生成する。図14(a)は、データ処理部において第1の背景成分が除去された加速度の時系列データ(変形加速度時系列データ)を、時間に関して2階積分した結果である。図14(a)に示されるように、時間と共に変位が増大していることが見られる。これは、積分の対象となる加速度の時系列データにノイズ成分を含み、積分により積算されていくからである。一般に、定常状態で転動するタイヤのトレッド部の注目する一点の変形量又は変位を観察した場合、タイヤの回転周期を単位として周期的な変化を示す。したがって、時間と共に変位が増大することは通常ありえない。そこで、2階の時間積分が施されて得られた変位データが、タイヤの回転周期を単位として周期的な変化を示すように、この変位データに対して以下の処理が行われる。
すなわち、背景成分1を算出した方法と同様に、変位データに含まれるノイズ成分を背景成分2として算出する。なお、この際、上述の時系列の回転角θを用いることで、路面との接地領域を含む領域におけるタイヤの転動中の変形量を精度よく求めることができる。具体的に説明すると、タイヤの周上の領域を、路面との接地領域を含む第1の領域とこれ以外の第2の領域とに分け、第1の領域として、θ=90度より大きく270度未満、450度より大きく720度未満、810度より大きく990度未満の領域を定め、第2の領域として、θ=0度以上90度以下及び270度以上360度以下、360度以上450度以下及び630度以上720度以下、720度以上810度以下及び980度以上1070度以下の領域を定める。背景成分2は、上記第2の領域中の複数の周上位置(θ又はθに対応する時間)を節点として用いて、予め定められた関数群を用いて、第1の領域及び第2の領域のデータに対して最小二乗法により第2の近似曲線を算出することによって求める。節点は、スプライン関数の局所的な曲率(屈曲性)を規定する横軸上の拘束条件を意味する。図14(b)には、背景成分2を表す第2の近似曲線が点線で示されている。図14(b)の例では、図14(b)中の「△」で示される位置、すなわちθ=10,30,50,70,90,270,290,310,330,350,370,390,410,430,450,630,650,670,690,710,730,750,770,790,810,990,1010,1030,1050,1070度における時間を節点としている。
図14(a)に示す変位データに対して、上記節点のデータ点を通る3次のスプライン関数で関数近似を行うことにより、図14(b)において点線で示される第2の近似曲線が算出される。関数近似する際、第1の領域には節点はなく、第2の領域の複数の節点のみを用いて関数近似を行い、かつ関数近似に際して行う最小二乗法で用いる第2の領域の重み係数を1とし、第1の領域の重み係数を0.01として処理が行われる。このように背景成分2を算出する際、第1の重み係数を小さくし、かつ第1の領域に節点を定めないのは、第2の領域における変位データを主に用いて背景成分2を算出するためである。第2の領域では、トレッド部の接地による変形は小さく、かつその変形は周上で滑らかに変化するため、タイヤの変形量は周上で小さく、その変化も極めて小さい。これに対して、第1の領域では、タイヤのトレッド部は接地変形に基づいて大きく変位しかつ急激に変化する。このため接地変形に基づく変形量は周上で大きくかつ急激に変化する。すなわち、第2の領域におけるトレッド部の変形量は第1の変形量と対比して概略一定を示す。これより、第2の領域の2階積分により得られた変位データを主に用いて第1の近似曲線を算出することで、第2の領域のみならず、路面との接地領域を含む第1の領域におけるタイヤの転動中の変形量を精度よく求めることができる。図14(b)には、第2の領域の変位データを主に用いて算出された第2の近似曲線が点線で示されている。第2の領域では、第2の近似曲線は変位データ(実線)と略一致している。
そして、背景成分2として算出された近似曲線を変位データから差し引き、トレッド部の接地変形に基づく変形量の周上の分布を算出する。図14(c)は、図14(b)に示す変位信号(実線)から第2の近似曲算線(点線)を差し引くことにより算出される、トレッド部の接地変形に基づく変形量の分布を示している。図14(c)は、トレッド部上の所定の測定位置が周上を回転して変位するときの3回転分の変形量の分布(3回の接地)を示している。接地のたびに変形量が変化していることが見られる。このような方法により算出される変形量は、タイヤの有限要素モデルを用いてシミュレーションを行ったときの変形量と精度良く一致する。このようにして、図14(c)に示すような、タイヤの回転角θ(および時間)とタイヤ半径方向の変形変位の関係が得られる。タイヤ幅方向、およびタイヤ周方向についても、同様の処理を行うことで、タイヤの回転角θ(および時間)とタイヤ幅方向の変形変位の関係、タイヤの回転角θ(および時間)とタイヤ周方向の変形変位の関係が、それぞれ得られる。
軌跡導出部28では、このようにして、タイヤの回転角に対する、タイヤの外面位置13の、タイヤ半径方向変位、タイヤ幅方向変位、タイヤ周方向変位がそれぞれ得られる。図15(a)および(b)は、公知の室内コーナリング試験機を用いて取得された、タイヤの変形に基づく加速度データを用いて算出された、タイヤの所定部位(加速度センサの接地位置)の、上記XYZ空間における軌跡を示す図である。図15(a)および(b)は、タイヤの回転角に対する、タイヤの所定部位の変位に基づき、タイヤの所定部位の位置を直交座標系に変えて書き表したグラフである。図15(a)は、X方向とY方向とからなる座標系における、加速度センサ2の軌跡を示している。また、図15(b)は、Y方向とZ方向とからなる座標系における、加速度センサ2の軌跡を示している。ステップ124においては、回転軌跡演算部28が、タイヤ15の外面位置13のこのような回転軌跡を導出し、導出した回転軌跡を変形面積導出部32に送る。
次に、変形面積導出部32が、外面位置13の接地および離間のタイミング、および外面位置13の軌跡から、接地領域におけるタイヤ15の変形の大きさを表す、変形面積を算出する(ステップS129)。具体的には、軌跡導出部28で導出された上記タイヤ幅方向の時系列の変形変位を、接地タイミング導出部26において導出された、外面位置13の接地時点から外面位置13の離間時点まで積分して求める。変形面積算出部32では、このようにして、図4(b)に斜線で示すようなタイヤ15の変形面積を算出する。このようにして求められる変形面積は、図15(a)に示すグラフ上における、着色領域の面積に対応している。
上述のように、このような変形面積と時間との関係は、時間と車輪のスリップアングルとが比例関係にあるような旋回走行において、精度良く成り立つ。例えば、操舵角を一定として走行速度を一定増加率で(単位時間あたりの増加量を一定として)増加させていく場合や、走行速度を一定として操舵角を一定増加率で(単位時間あたりの増加量を一定として)増加させていく場合に、精度良く成り立つ。例えば、高速道路の入り口やジャンクションなど、旋回半径が一定(例えば100R)のコーナーを、一般的な乗用車両やトラック車両が、順次速度を増加させて(例えば、50km/h→60km/h→80km/hと漸増させて)走行する場合において、精度良く成り立つ。あるいは、旋回半径が次第に減少するような(例えば、旋回半径が80R→50R→30Rと漸少するような)一般道の複合コーナーを、一般的な乗用車両やトラック車両が、法定速度(60km/h)以下の一定走行速度(例えば50km/h)で走行する場合などにおいて、精度良く成り立つ。
このような方法により算出される変形面積は、タイヤの有限要素モデルを用いてシミュレーションを行ったときの変形面積と精度良く一致する。本実施形態では、このようにして変形面積を導出する。例えば、一般的な乗用車両やトラック車両で、一般道や高速道路を走行する場合、このような変形面積の導出は、単位時間(例えば0.5秒)毎に行なえばよい。一般的な乗用車両やトラック車両で、一般車両や高速道路を走行する場合、旋回開始から0.5秒経過時点では車両の車輪は充分微舵域の範囲にあり、かつ、タイヤは少なくとも旋回開始時点から1回転以上回転しているといえる。単位時間を、例えば0.5秒に設定しておけば、上述の各場合それぞれについて、車両の車輪はまだ充分に微舵域の範囲にある。そして、タイヤは少なくとも1回転しており、変形面積が算出可能である。算出した変形面積は、メモリ27に記憶される。なお、単位時間は、0.5秒であることに限定されず、例えば、乗用車両が、サーキットなどの高速コーナーを高速度(例えば、100km以上)で走行する場合など、単位時間をより短時間に設定すればよい。本発明において、単位時間は、計測条件(車両の走行条件やタイヤの条件、測定装置の条件など)に応じて、適宜好適な値に設定すればよい。
ステップS104における変形面積の算出が、車両12が旋回走行を開始してから1回目の算出であった場合(ステップS106における判定結果がYesの場合)、ステップS104に戻り、次の変形面積を算出する。ステップS104における変形面積の算出が、車両12が旋回走行を開始してから2回目以降の算出であった場合(ステップS106における判定結果がNoの場合)、導出した変形面積は、メモリ27に記憶するとともに、第1算出部34に送られる。
そして、第1算出部34が、受け取った変形面積と、先に算出されてメモリ27に記憶された変形面積とを用い、変形面積の変化率を算出する(ステップS108)。具体的には、第1算出部34は、面積導出部32から単位時間毎に算出されて送られる変形面積を受け取り、メモリ27から、先に記憶された、単位時間だけ遡った時点での変形面積を呼び出し、現在の変形面積を先の変形面積で除算して、変形面積の変化率(単位時間あたりの変形面積の変化量)を算出する。
ステップS108における変形面積変化率の算出が、車両12が旋回走行を開始してから1回目の算出であった場合(ステップS110における判定結果がYesの場合)、算出した変形面積の変化率を、基準値としてメモリ27に記憶する(ステップS112)。そして、ステップS104に戻り、ステップS104以降の処理を繰り返す。ステップS108における変形面積の変化率の算出が、車両12が旋回走行を開始してから2回目以降の算出であった場合(ステップS110における判定結果がNoの場合)、導出した変形面積の変化率は、変動割合算出部36に送られる。
そして、第2算出部36が、第1算出部34から送付された変化率(変形面積の変化率)を受け取り、この受け取った変化率と基準値とを用い、変化率の変動割合を算出する(ステップS114)。具体的には、第2算出部36は、第1算出部34から単位時間毎に送られる変化率を受け取る度、メモリ27から、先に記憶された基準値を呼び出し、現在の変化率を基準値で除算して、変化率の変動割合を算出する。
本発明において、基準値は、車両が旋回走行を開始してから最初に算出された変化率であることに限定されない。例えば、車両が旋回走行を開始してから2回目に算出された変化率であってもよいし、3回目に算出された変化率であってもよい。ただし、基準値は、上記微舵域における変化率の値であることが好ましく、旋回開始から、例えば0.5秒以内に算出された変化率の値であることが好ましい。そして、車両が旋回走行を開始してから最初に算出された変化率であることが、より好ましい。なお、基準値としては、例えば、車両が旋回走行を開始してから所定時間内、または所定回数目までに算出された、複数の変化率の平均値などであってもよい。この場合も、上記微舵域における変化率に基づいて、上記基準値が算出されることが好ましく、上記所定時間は、例えば1.0秒、また、上記所定回数は、例えば3回であることが好ましい。一般的な乗用車両やトラック車両で、一般道路や高速道路を走行する場合(例えば、タイヤ周長が約2.0m(195/65R15)のタイヤが装着された車両が、高速道路を走行速度80km/hで走行する場合など)、旋回開始から1.0秒経過時点では車両の車輪は充分微舵域の範囲にあり、かつ、タイヤは旋回開始から少なくとも3〜5回転以上回転している。上記所定時間を、例えば1.0秒に設定しておけば、車両の車輪がまだ充分に微舵域にある状態での変形面積が複数算出でき、この微舵域における変形面積に応じた変動割合を複数導出することができる。第2算出部36において算出された変動割合は、メモリ27に記憶されるとともに、判定部38に送られる。なお、上記所定時間は、1.0秒であることに限定されない。また、上記所定回数も3回であることに限定されない。本発明において、上記所定時間や上記所定回数は、計測条件(車両の走行条件や測定装置の条件など)に応じて、適宜好適な値に設定すればよい。
判定部38は、第2算出部36から変動割合の値が送られるたび、送られた変動割合が、予め設定された閾値を下回るか否かを判定する(ステップS116)。閾値は、例えば0.60とすればよい。すなわち、上述の変動割合(図9参照)が0.60未満となった際、車輪が横滑りを起こして、車両12がスリップ状態となる可能性が高いと判定すればよい。これは、上述のように、微舵域において変動割合が約1.0であり、この変動割合が0.60を下回るということは、車輪の状態が上記大舵域にさしかかっていることを示していると判断できるからである。なお、実際に車両12がスリップ状態となる可能性がより低い、車輪の状態が上記中舵域にさしかかっている段階で、車両12がスリップ状態となる可能性が高いと判定する場合、閾値は、例えば0.88とすればよい。
ステップS116における判定結果がNoの場合、ステップS104に戻り、ステップS104以降の処理を繰り返す。ステップS116における判定結果がYesの場合、判定部38は、車両の旋回安定性が低下して車両がスリップ状態となる可能性が高いことを、運転者に知らせるための警告画像を、ディスプレイ40に表示させる(ステップS118)。ステップS104〜ステップS116の各処理は、旋回走行が終了するまで(ステップS120の判定結果がYesとなるまで)、繰り返し実施される。例えば、旋回開始検出手段18による、各車輪の操舵角の測定結果が0となり、車両12が直進走行状態となるまで繰り返し実施すればよい。
本発明の車輪の旋回安定性評価方法および車輪の旋回安定性評価装置によれば、このように、実際に車両を種々の走行条件で旋回走行させた際、どのような走行条件でスリップ状態となるかを知ることができる。このようにして、実際に車両に装着した状態での車輪の旋回安定性(スリップ状態となるまでの余裕度)を評価することができる。また、判定結果をディスプレイ40に表示することで、車両の旋回走行中に、例えば、車両の運転者に対して、リアルタイムで車輪の旋回安定性(スリップ状態となるまでの余裕度)を報知することもできる。
なお、本発明の車輪の旋回安定性評価装置による判定結果を、車両の制御に用いてもよい。例えば、車両の旋回走行中に、変動割合が閾値を下回った場合、スリップアングルがこれ以上増加しないように、また、スリップアングルが減少するように車両を制御することで、車両が横すべり状態となるのを防止するような、車両の制御装置を構成してもよい。このような車両の制御装置では、例えば、車両の走行速度を減速させたり、車輪の操舵角を減少させることで、スリップアングルを低減させればよい。
また、本発明の車輪の旋回安定性評価装置を用いれば、タイヤ固有の旋回性能を定量的かつ定性的に評価することが可能である。例えば、走行速度のみを種々変更して繰り返し車両を走行させて、上記変動割合が閾値以下になった速度を調べることで、タイヤ固有の旋回性能を定量的に評価してもよい。この際、走行速度以外の走行条件(タイヤが装着される車両の条件、および操舵角の条件など)は、全て同一としておけばよい。また、例えば、同一車両に装着するタイヤを種々変更して、この車両を同一走行条件で繰り返し旋回走行させて、変動割合が閾値以下になったタイヤを、旋回性能が不十分なタイヤであると判断してもよい。
本発明では、トレッド部の内周面に、複数の加速度センサを周上に(タイヤ周方向に沿って)設けることで、トレッド部の周上位置の接地状態を同時に取得することもできる。さらに、タイヤの幅方向に複数の加速度センサを設け、幅方向の接地長や接地領域の分布を求めることで、転動中のタイヤの接地形状を取得することもできる。また、上述のように、トレッド部の内周面に、複数の加速度センサを周上に設けることで、車輪の接地領域に発生する、タイヤ周方向の力の分布を取得することもできる。さらに、タイヤの幅方向に複数の加速度センサを設けることで、車輪の接地領域に発生するコーナリングフォースの、タイヤ幅方向の分布を求めることもできる。
以上、本発明の車輪の旋回安定性評価方法、および車輪の旋回安定性評価装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
本発明の車輪の旋回安定性評価装置の一例について説明する、車輪の旋回安定性評価装置の概略構成図である。 図1に示す車輪の旋回安定性評価装置における、センサユニットおよびテータ処理ユニットについて説明する、車輪の旋回安定性評価装置の概略構成図である。 (a)は、図2に示すセンサユニットが供えられた車輪のタイヤを、接地路面の側から見た斜視図であり、(b)は、このタイヤの断面の一部を拡大して示す断面図である。 (a)は、図3に示すタイヤの側面図である。また、(b)は、図3に示すタイヤを接地路面の側から見た底面図である。 公知の室内コーナリング試験機を用いて測定した、スリップアングルSAと、コーナリングフォースCFとの関係について示すグラフである。 図5に示す複数の条件のグラフのうち、条件Aのグラフである。 車両の旋回走行中における、変化率の時系列変化の概略を示すグラフである。 図5に示す複数のグラフそれぞれについて算出した、スリップアングルと変化率の関係を示すグラフである。 車両の旋回走行中における、変動割合の時系列変化の概略を示すグラフである。 本発明の車輪の旋回安定性評価方法の一例のフローチャート図である。 本発明の車輪の旋回安定性評価方法の一例のうち、変形面積算出処理の詳細を示すフローチャート図である。 (a)は、タイヤ加速度データ取得部で取得された、タイヤ半径方向のデジタル加速度データである。(b)および(c)は、(a)に示すデジタル加速度データの、データ処理部における処理結果を示すグラフである。 図12(c)に示す、タイヤ半径方向の変形加速度時系列データの一部を、拡大して示す図である。 (a)〜(c)は、それぞれ、回転軌跡演算部における処理結果を模式的に示すグラフである。 (a)および(b)は、公知の室内コーナリング試験機を用いて取得された、タイヤの変形加速度データに基づいて算出された、タイヤに設置された加速度センサの軌跡を示す図である。
符号の説明
2 加速度センサ
3 受信機
4 アンプ
10 車輪の旋回安定性評価装置
11 内面位置
12 車両
13 外面位置
14a〜14d 車輪
15a〜15d タイヤ
16a〜16d センサユニット
17 送信機
20 データ処理ユニット
21 処理手段
22 データ取得部
23 CPU
24 信号処理部
26 タイミング導出部
27 メモリ
28 軌跡導出部
30 判定手段
32 面積導出部
34 第1算出部(変化率算出部)
36 第2算出部(変動割合算出部)
38 判定部
40 ディスプレイ

Claims (9)

  1. タイヤが装着された車輪を備える車両が路面上を旋回走行しているときの、前記車輪の旋回安定性を評価する方法であって、
    前記車両が旋回走行しているときの、前記タイヤ外周面のタイヤ横方向の変位量の、前記タイヤの接地前端から接地後端までの積算値を、単位時間毎に連続して導出するステップと、
    前記変位量の積算積が導出されるたび、導出された前記変位量の積算値と、1つ前に導出された前記変位量の積算値とから、前記変位量の積算値の単位時間あたりの変化量を、タイヤ変形の変化率として繰り返し算出する第1算出ステップと、
    前記タイヤ変形の変化率が算出されるたび、以前に算出された前記タイヤ変形の変化率を基準値として、算出された前記タイヤ変形の変化率の、前記基準値に対する変動割合を算出する第2算出ステップと、
    前記第2算出ステップにおいて算出された前記変動割合に基づいて、前記車輪が横すべり状態に達するまでの余裕度を表す前記車輪の旋回安定性を判定するステップとを有することを特徴とする、車輪の旋回安定性評価方法。
  2. 前記第2算出ステップでは、前記車両が旋回走行を開始してから最初に算出された前記タイヤ変形の変化率を前記基準値として、前記変動割合を算出することを特徴とする請求項1記載の車輪の旋回安定性評価方法。
  3. 前記判定ステップでは、前記第2算出ステップにおいて算出された前記変動割合と、予め定められた閾値とを比較して、前記変動割合の値が前記閾値を下回った場合、前記車輪が横すべり状態に達する危険性が高いと判定することを特徴とする請求項1または2記載の車輪の旋回安定性評価方法。
  4. 前記車両が旋回走行しているときの、前記タイヤの転動による前記タイヤの外周面の接地変形にともなう、前記タイヤの所定部位のタイヤ半径方向の加速度データ、および、前記車両の旋回走行中の前記タイヤの外周面の前記タイヤの横方向の変形にともなう、前記タイヤの所定部位のタイヤ幅方向の加速度データを、それぞれ取得するデータ取得ステップを有し、
    前記導出するステップでは、
    前記タイヤ半径方向の加速度データに基づき、前記所定部位が前記路面に接地するタイミング、および前記所定部位が前記路面から離間するタイミングを求め、
    かつ、前記タイヤ幅方向の加速度データについて2階の時間積分をすることで、前記タイヤの横方向の変形にともなう、前記タイヤの所定部位の前記タイヤの横方向の変位量の時系列データを求め、
    前記所定部位が前記路面に接地するタイミングから、前記所定部位が前記路面から離間するタイミングにわたって、前記変位量の時系列データを積算することで、前記変位量の積算値を導出することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車輪の旋回安定性評価方法。
  5. 前記タイヤ半径方向の加速度データ、および前記タイヤ幅方向の加速度データは、前記タイヤのトレッド部のタイヤ空洞領域に面したタイヤ内周面に、加速度センサを配置して得られる計測データであることを特徴とする請求項4記載の車輪の旋回安定性評価方法。
  6. 前記導出するステップでは、前記タイヤの外周面の変形にともなう、前記タイヤの所定部位の前記タイヤ半径方向の加速度データが0を横切る2つのタイミングを求め、この2つのタイミングを、前記接地するタイミングおよび前記離間するタイミングとすることを特徴とする請求項4または5記載の車輪の旋回安定性評価方法。
  7. タイヤが装着された車輪を備える車両が路面上を旋回走行しているときの、前記車輪の旋回安定性を評価する装置であって、
    数値情報を記憶可能なメモリと、
    前記車両が旋回走行しているときの、前記タイヤ外周面のタイヤ横方向の変位量の、前記タイヤの接地前端から接地後端までの積算値を、単位時間毎に連続して導出するとともに、前記メモリに記憶させる導出部と、
    前記変位量の積算積が導出されるたび、導出された前記変位量の積算値を受け取るとともに、前記メモリに記憶された、1つ前に導出された前記変位量の積算値を呼び出し、導出された前記変位量の積算値と、1つ前に記憶された前記変位量の積算値とから、前記変位量の積算値の単位時間あたりの変化量を、タイヤ変形の変化率として繰り返し算出する第1算出部と、
    前記タイヤ変形の変化率が算出されるたび、算出された前記タイヤ変形の変化率を受け取り、以前に算出された前記タイヤ変形の変化率を基準値として、算出された前記タイヤ変形の変化率の、前記基準値に対する変動割合を繰り返し算出する第2算出部と、
    前記第2算出部において算出された、前記タイヤ変形の変化率の前記変動割合を受け取り、前記変動割合に基づいて、前記車輪が横すべり状態に達するまでの余裕度を表す前記車輪の旋回安定性を判定する判定部とを有することを特徴とする車輪の旋回安定性評価装置。
  8. 前記車両の走行中、前記車両が旋回を開始したことを検知する検知手段を有し、
    前記第1算出部は、前記検知手段が前記車両の旋回の開始を検知してから最初に算出された前記タイヤ変形の変化率を、前記基準値として前記メモリに記憶しておき、
    前記第2算出部は、前記タイヤ変形の変化率が算出されるたび、前記メモリから前記基準値を読み出して前記変動割合を算出することを特徴とする請求項7記載の車輪の旋回安定性評価装置。
  9. 前記判定部は、前記第2算出部において算出された前記変動割合と、予め定められた閾値とを比較して、前記変動割合の値が前記閾値を下回った場合、前記車輪が横すべり状態に達する危険性が高いと判定することを特徴とする請求項7または8記載の車輪の旋回安定性評価装置。
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