JP2007111895A - 平版印刷版の印刷方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、光重合性の感光層を有する平版印刷版の耐刷性を著しく向上させる印刷方法を提供することにある。
【解決手段】光重合性の感光層を有する平版印刷版の印刷方法において該印刷に用いられるブランケットが100N/cm2の圧縮時に0.15mm以上の圧縮値であることを特徴とする印刷方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、光重合性の感光層を有する平版印刷版版の印刷方法、より詳しくは近赤外レーザー光を用いた走査露光方式で露光される平版印刷版版の印刷方法に関するものである。
従来より、平版印刷版用原版として広く使用されている感光性平版印刷版は支持体としてアルミニウム板を使用し、その上に光分解性あるいは光硬化性の感光層を設けたものである。これらの感光層は活性光線によって、前者は現像液に可溶化し、後者は不溶性となる。従って、これを現像すると該感光層の現像液可溶部のみが除去されて支持体表面が露出する。アルミニウム支持体の表面は親水性なので、現像で支持体の表面が露出された部分(非画像部)は水を保持して油性インキを反発する。一方、現像によって感光層が除去されなかった領域(画像部)は、親油性なので水を反発し、インキを受け付ける。
上述のような平版印刷版用原版のうち、活性光線によって感光層が不溶化するいわゆるネガ型画像形成材料は、露光部の硬化が充分に進まない場合、印刷中に摩耗等により画像部が減っていきやすくなるため、少ない印刷枚数しか刷れない。したがって、充分に露光部の硬化を進めることが多くの枚数を印刷する上で重要な点になる。
近年、コンピューター上で作製したデジタルデータをもとに、フィルム上に出力せずに直接印刷版上に出力するコンピュータートゥープレート(Computer to Plate:以下、適宜CTPと省略する)技術が開発され、出力機として種々のレーザーを搭載した各種プレートセッターと、これらに適合する感光性平版印刷版の開発が盛んに行われている。
なかでも、750nm以上の近赤外領域に発行する半導体レーザーやYAGレーザーを利用した出力機に於いては、光源の出力が数100mWから数ワットクラスの高出力レーザーが搭載されているため、極めて高いエネルギーでの画像形成が可能となっている。こうしたCTPに適合する感光性平版印刷版としては、例えば特開平7−20629号、特開平7−271029号、特開平9−185160号、特開平9−197671号、特開平9−222731号、特開平9−239945号、特開平10−142780号公報等に記載されるような、潜在的酸発生剤と近赤外吸収色素の組み合わせにおいて光熱変換により発生する熱を利用した潜在的酸発生剤の分解と、このレーザー照射部において生成する酸を利用した酸触媒熱架橋を用いてネガ型の画像形成方法が開示されている。
また従来からの高感度フォトポリマー技術の応用であるフォトンモード記録を近赤外光に応用した系として、例えば特開2000−122274号、特開2000−131833号、特開2000−181059号、特開2000−194124号公報などには光重合開始剤とエチレン性不飽和化合物を含むフォトポリマー系において、光重合開始剤を近赤外光において分光増感する種々の色素を用いることにより高感度なネガ型記録材料が与えられている。
しかしながら上述したような平版印刷版、とりわけ光重合開始剤とエチレン性不飽和化合物を含むフォトポリマー系の平版印刷版においては、感光層/アルミニウム支持体界面までは光が到達しにくくなってしまい、感光層表面のみの硬化で反応が停止してしまう傾向があり、十分な画像強度が得られず、多くの枚数を印刷する必要がある場合には、現像後、熱処理もしくは後露光等の処理を施して膜強度を上げる必要があった。
一方、オフセット印刷装置におけるインキ転移は、版からブランケットへ、ブランケットから被印刷体への2回行われ、ブランケットから被印刷体へのインク転移量が印刷品質を決定している。そして版面の画像部に供給されたインキが版からブランケットへ転移すること、また版面とブランケットの機械的な接触が繰り返されること等により、版面の画像部はダメージを受ける。十分な画像強度が得られていない場合には、画線部の面積が減少し、とりわけ印刷物のハイライト部では消失してしまう。
オフセット印刷に用いられるブランケットとしては例えば特開2002−059672号公報(特許文献1)には、表面印刷層の動的変化応力を加えたときの弾性率E’が5〜10MPaである耐油性ゴム組成物から成る印刷用ブランケットが、また特開平11−1075号公報(特許文献2)には動的応力を加えたときのせん断貯蔵弾性率G’が3×107〜8×107dyn/cm2であるオフセット印刷用ブランケットが記載され、また特開平03−022324号公報(特許文献3)にはブランケットに用いられるシリコーンゴムの硬度が規定される。しかしながら画像部の膜強度が不足する傾向にある上記平版印刷版の印刷に用いるブランケットについてはこれまで検討されていない。
特開2002−059672号公報 特開平11−1075号公報 特開平03−022324号公報
従って、本発明の目的は、光重合性の感光層を有する平版印刷版の耐刷性を著しく向上させる印刷方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下に示す手段によって達成された。
1.光重合性の感光層を有する平版印刷版の印刷方法において該平版印刷版の印刷に用いられるブランケットが100N/cm2の圧縮時に0.15mm以上の圧縮値であることを特徴とする平版印刷版の印刷方法。
2.前記平版印刷版がエチレン性不飽和化合物、光重合開始剤、380nm〜1300nmの波長域において増感色素を含有する感光層を有する平版印刷版であることを特徴とする1記載の平版印刷版の印刷方法。
3.該平版印刷版の感光層の引っ掻き強度が150g以下であることを特徴とする1又は2記載の印刷方法。
本発明によれば、上記手段を実施することで、著しく耐刷性を向上させた平版印刷版の印刷方法を提供することができる。
本発明の平版印刷版の印刷方法に用いられるブランケットの圧縮値について説明する。圧縮値の測定方法としては万能引張圧縮試験機を用いてIS0 604:2002の試験規格(JIS K7181)により、100N/cm2の圧縮時にブランケット表面が何mm圧縮されたかを圧縮値として表している。一般的なブランケットの圧縮値としては約0.12mmであるが、本発明の平版印刷版の印刷方法に用いられるブランケットの圧縮値は0.15mm以上が好ましく、より好ましくは0.15mm〜0.25mmである。本発明の範囲より低いものについては耐刷性が得られず、またより高いものについては紙離れが悪く、印刷物のドットゲインが悪化するため好ましくはない。
本発明の平版印刷版の印刷方法に用いる圧縮値をもったブランケットはゴムの素材、布層、圧縮層等いずれを用いて調整したものであっても良く、また、一般的に販売されているものを用いてもかまわない。例えば、一般的に販売されているブランケットの物性データ等から容易に本発明の印刷方法に用いられる圧縮値のブランケットを入手することも可能であり、例えばDAY社製ブランケット#5200−4、#4000−4、#8889、#8891等を用いることが出来る。
次に本発明の印刷方法に用いられる平版印刷版の感光層の引っ掻き強度について説明する。本発明の平版印刷版の引っ掻き強度の測定方法としては、まず最初にサーマル用出力機(大日本スクリーン製造(株)製イメージセッターPT−R4000(発振波長830nm、出力100mW))を使用して120mjの露光量で露光を行った後、プロセッサPD−912−M(大日本スクリーン製造(株)製)を用いて、30℃15秒間の処理を行い画像部を形成する。その画像部に新東科学(株)製HEIDON−18型連続加重式引掻強度試験機を用いて、ISO 12137−2:1997の試験方法に準じてダイアモンド針200ミクロンの針先で先端角度60°のものを使用し荷重を変化させたときの画像部の膜強度について、荷重により膜に引っ掻き傷が入った重さを表している。特に引っ掻き強度が150g以下であったものについて本発明の印刷方法を用いることで大きな効果が得られる。以下に本発明の光重合性の感光層を有する平版印刷版について説明する。
本発明のネガ型平版印刷版に使用される感光層について説明する。光重合性の感光層は、光重合開始剤と重合性のモノマー、オリゴマーあるいはポリマーを含有する。本発明の感光層には、側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有し、かつカルボキシル基含有モノマーを共重合成分として有するポリマーを含有するのが好ましい。
側鎖に重合性二重結合を有しかつカルボキシル基含有モノマーを共重合成分として有するポリマーについて説明する。カルボキシル基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸2−カルボキシエチルエステル、メタクリル酸2−カルボキシエチルエステル、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、4−カルボキシスチレン等のような例が挙げられる。
上記のポリマー側鎖に重合性二重結合を導入する場合のモノマーとしては、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ビニルアクリレート、ビニルメタクリレート、1−プロペニル−アクリレート、1−プロペニル−メタクリレート、β−フェニル−ビニル−メタクリレート、β−フェニル−ビニル−アクリレート、ビニルメタクリルアミド、ビニルアクリルアミド、α−クロロ−ビニル−メタクリレート、α−クロロ−ビニル−アクリレート、β−メトキシ−ビニル−メタクリレート、β−メトキシ−ビニル−アクリレート、ビニル−チオ−アクリレート、ビニル−チオ−メタクリレート等が挙げられる。
本発明に用いられるポリマーとして特に好ましくは、ビニル基が置換したフェニル基を側鎖に有し、かつカルボキシ基含有モノマーを共重合成分として有するポリマーである。ビニル基が置換したフェニル基は直接もしくは連結基を介して主鎖と結合したものであり、連結基としては特に限定されず、任意の基、原子またはそれらの複合した基が挙げられる。また、前記フェニル基は置換可能な基もしくは原子で置換されていても良く、また、前記ビニル基はハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等で置換されていても良い。上記した側鎖にビニル基が置換したフェニル基を有する重合体とは、更に詳細には、下記化1で表される基を側鎖に有するものである。
Figure 2007111895
式中、Z1は連結基を表し、R1、R2、及びR3は、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等であり、更にこれらの基は、アルキル基、アミノ基、アリール基、アルケニル基、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基等で置換されていても良い。R4は置換可能な基または原子を表す。n1は0または1を表し、m1は0〜4の整数を表し、k1は1〜4の整数を表す。
上記一般式について更に詳細に説明する。Z1の連結基としては、酸素原子、硫黄原子、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−N(R5)−、−C(O)−O−、−C(R6)=N−、−C(O)−、スルホニル基、複素環基、及び下記化3で表される基等の単独もしくは2以上が複合した基が挙げられる。ここでR5及びR6は、水素原子、アルキル基、アリール基等を表す。更に、上記した連結基には、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
Figure 2007111895
上記複素環基としては、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、イソオキサゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、イソチアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、チアトリアゾール環、インドール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズセレナゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、キノリン環、キノキサリン環等の含窒素複素環、フラン環、チオフェン環等が挙げられ、更にこれらの複素環には置換基が結合していても良い。
化1で表される基の例を以下に示すが、これらの例に限定されるものではない。
Figure 2007111895
Figure 2007111895
Figure 2007111895
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上記化1で表される基の中には好ましいものが存在する。即ち、R1及びR2が水素原子でR3が水素原子もしくは炭素数4以下の低級アルキル基(メチル基、エチル基等)であるものが好ましい。更に、Z1の連結基としては複素環を含むものが好ましく、k1は1または2であるものが好ましい。
化1で示される基を有し、かつカルボキシ基含有モノマーを共重合成分として有するポリマーの例を下記に示す。式中、数字は共重合体トータル組成100質量%中に於ける各繰り返し単位の質量%を表す。
Figure 2007111895
Figure 2007111895
Figure 2007111895
Figure 2007111895
Figure 2007111895
本発明のポリマーは、更に他のモノマーを共重合体成分として含んでもよい。他のモノマーとしては、スチレン、4−メチルスチレン、4−ヒドロキシスチレン、4−アセトキシスチレン、4−カルボキシスチレン、4−アミノスチレン、クロロメチルスチレン、4−メトキシスチレン等のスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ドデシル等のメタクリル酸アルキルエステル類、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸アリールエステル或いはアルキルアリールエステル類、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸メトキシジエチレングリコールモノエステル、メタクリル酸メトキシポリエチレングリコールモノエステル、メタクリル酸ポリプロピレングリコールモノエステル等のアルキレンオキシ基を有するメタクリル酸エステル類、メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸2−ジエチルアミノエチル等のアミノ基含有メタクリル酸エステル類、或いはアクリル酸エステルとしてこれら対応するメタクリル酸エステルと同様の例、或いは、リン酸基を有するモノマーとしてビニルホスホン酸等、或いは、アリルアミン、ジアリルアミン等のアミノ基含有モノマー類、或いは、ビニルスルホン酸およびその塩、アリルスルホン酸およびその塩、メタリルスルホン酸およびその塩、スチレンスルホン酸およびその塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびその塩等のスルホン酸基を有するモノマー類、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルカルバゾール等の含窒素複素環を有するモノマー類、或いは4級アンモニウム塩基を有するモノマーとして4−ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドのメチルクロライドによる4級化物、N−ビニルイミダゾールのメチルクロライドによる4級化物、4−ビニルベンジルピリジニウムクロライド等、或いはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、またアクリルアミド、メタクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシエチルアクリルアミド、4−ヒドロキシフェニルアクリルアミド等のアクリルアミドもしくはメタクリルアミド誘導体、さらにはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、フェニルマレイミド、ヒドロキシフェニルマレイミド、酢酸ビニル、クロロ酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類、またメチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、その他、N−ビニルピロリドン、アクリロイルモルホリン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アリルアルコール、ビニルトリメトキシシラン、グリシジルメタクリレート等各種モノマー、が挙げられる。
本発明に係わるポリマーの分子量については好ましい範囲が存在し、重量平均分子量として1000から100万の範囲にあることが好ましく、さらに5000から50万の範囲にあることがさらに好ましい。
本発明の感光層は、光重合開始剤を含有する。光重合開始剤としては公知の化合物を用いることができる。例えば、有機ホウ素塩、トリハロアルキル置換された化合物(例えばトリハロアルキル置換された含窒素複素環化合物としてs−トリアジン化合物およびオキサジアゾール誘導体、トリハロアルキルスルホニル化合物)、ヘキサアリールビスイミダゾール、チタノセン化合物、ケトオキシム化合物、チオ化合物、有機過酸化物、オニウム塩(特開2003−114532号公報に記載のヨードニウム塩、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩)等が挙げられる。これらの光重合開始剤の中でも、特に有機ホウ素塩、トリハロアルキル置換化合物が好ましく用いられる。更に好ましくは、有機ホウ素塩とトリハロアルキル置換化合物を組み合わせて用いることである。
有機ホウ素塩を構成する有機ホウ素アニオンは、下記一般式で表される。
Figure 2007111895
式中、R11、R12、R13およびR14は各々同じであっても異なっていてもよく、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基を表す。これらの内で、R11、R12、R13およびR14の内の一つがアルキル基であり、他の置換基がアリール基である場合が特に好ましい。
有機ホウ素塩を構成するカチオンとしては、アルカリ金属イオンおよびオニウム化合物が挙げられるが、好ましくは、オニウム塩であり、例えばテトラアルキルアンモニウム塩等のアンモニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等のスルホニウム塩、トリアリールアルキルホスホニウム塩等のホスホニウム塩が挙げられる。特に好ましい有機ホウ素塩の例を下記に示す。
Figure 2007111895
Figure 2007111895
他の好ましい光重合開始剤として、トリハロアルキル置換化合物が挙げられる。上記トリハロアルキル置換化合物とは、具体的にはトリクロロメチル基、トリブロモメチル基等のトリハロアルキル基を分子内に少なくとも一個以上有する化合物であり、好ましい例としては、該トリハロアルキル基が含窒素複素環基に結合した化合物としてs−トリアジン誘導体およびオキサジアゾール誘導体が挙げられ、或いは、該トリハロアルキル基がスルホニル基を介して芳香族環或いは含窒素複素環に結合したトリハロアルキルスルホニル化合物が挙げられる。
トリハロアルキル置換した含窒素複素環化合物やトリハロアルキルスルホニル化合物の特に好ましい例を以下に示す。
Figure 2007111895
Figure 2007111895
上述したような光重合開始剤の含有量は、前述したポリマーに対して、1〜100質量%の範囲が好ましく、更には1〜40質量%の範囲で含まれることが好ましい。
本発明の感光層に使用する増感色素については、750nm以上の近赤外から赤外光の波長領域の光において光重合開始剤の分解を増感するものであり、種々のカチオン性色素、アニオン性色素および電荷を有しない中性の色素としてメロシアニン、クマリン、キサンテン、チオキサンテン、アゾ色素等が使用できる。これらの内で特に好ましい例は、カチオン色素としてのシアニン、カルボシアニン、へミシアニン、メチン、ポリメチン、トリアリールメタン、インドリン、アジン、チアジン、キサンテン、オキサジン、アクリジン、ローダミン、およびアザメチン色素から選ばれる色素である。これらのカチオン性色素との組み合わせに於いては特に高感度でかつ保存性に優れるために好ましく使用される。特に好ましい増感色素の例を以下に示す。
Figure 2007111895
Figure 2007111895
上記増感色素の含有量としては、感光層1m2当たり1〜300mg程度が適当である。好ましくは10〜100mg/m2である。
本発明の感光層は、更に重合性のモノマーあるいはオリゴマーとして、エチレン性不飽和化合物を含有するのが好ましい。これを組み合わせることによって更に高感度が実現でき、また印刷性能に優れた平版印刷版を得ることができる。
本発明に係わるエチレン性不飽和化合物としては、分子内に2個以上の重合性二重結合を有する重合性化合物が挙げられる。好ましいエチレン性不飽和化合物の例としては、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリスアクリロイルオキシエチルイソシアヌレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールグリセロールトリアクリレート、グリセロールエポキシトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等の多官能アクリル系モノマーが挙げられる。
或いは、上記の重合性化合物に代えてラジカル重合性を有するオリゴマーも好ましく使用され、アクリロイル基、メタクリロイル基を導入した各種オリゴマーとしてポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等も同様に使用されるが、これらもエチレン性不飽和化合物として同様に好ましく用いることができる。
エチレン性不飽和化合物として、更に好ましい態様は、分子内にビニル基が置換したフェニル基を2個以上を有する重合性化合物が挙げられる。該化合物を使用した場合に於いて、発生するラジカルにより生成するスチリルラジカル同士の再結合により効果的に架橋を行うため、高感度の感光性平版印刷版を作成する上で極めて好ましい。
分子内にビニル基が置換したフェニル基を2個以上有する重合性化合物は、代表的には下記一般式で表される。
Figure 2007111895
式中、Z2は連結基を表し、R21、R22及びR23は、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等であり、更にこれらの基は、アルキル基、アミノ基、アリール基、アルケニル基、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基等で置換されていても良い。R24は置換可能な基または原子を表す。m2は0〜4の整数を表し、k2は2以上の整数を表す。
更に詳細に説明する。Z2の連結基としては、酸素原子、硫黄原子、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−N(R25)−、−C(O)−O−、−C(R26)=N−、−C(O)−、スルホニル基、複素環基等の単独もしくは2以上が複合した基が挙げられる。ここでR25及びR26は、水素原子、アルキル基、アリール基等を表す。更に、上記した連結基には、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
上記複素環基としては、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、イソオキサゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、イソチアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、チアトリアゾール環、インドール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズセレナゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、キノリン環、キノキサリン環等の含窒素複素環、フラン環、チオフェン環等が挙げられ、これらには置換基が結合していても良い。
上記化19で表される化合物の中でも好ましい化合物が存在する。即ち、R21及びR22は水素原子でR23は水素原子もしくは炭素数4以下の低級アルキル基(メチル基、エチル基等)で、k2は2〜10の化合物が好ましい。以下に化19で表される化合物の具体例を示すが、これらの例に限定されるものではない。
Figure 2007111895
Figure 2007111895
Figure 2007111895
上記のようなエチレン性不飽和化合物が、感光性平版印刷版の感光層中に占める割合に関しては好ましい範囲が存在し、感光層トータル100質量部中においてエチレン性不飽和化合物は1質量部から60質量部の範囲で含まれることが好ましく、さらに5質量部から50質量部の範囲で含まれることが特に好ましい。
本発明の感光層に着色剤を含有する事が好ましい。画像部の視認性を高める為に使用されるものであるが、更に好ましくは、セーフライト性向上の為に、可視光領域に吸収を有するものである。これら着色剤の例としては、下記のような、無機顔料、有機顔料、色素などが挙げることができる。
無機顔料としては、雲母状酸化鉄、鉛丹、黄鉛、銀朱、群青、二酸化チタン、被覆雲母、ストンチームクロメート、チタニウムイエロー、ジンククロロメート、モリブデン赤、酸化クロム、鉛酸カルシウム等が挙げられる。又、有機顔料としては、カーボンブラック、フタロシアニン顔料、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、縮合アゾ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料、ニッケルアゾ顔料、ペリノン顔料、ペリレン顔料、アンスロン顔料、キナクリドン顔料、アンスラキノン顔料、チオインジゴ顔料、ジオキサジン顔料、インダスロン顔料、ピランスロン顔料等が挙げられる。又、色素としては、フタロシアニン系色素、トリアリールメタン系色素、アントラキノン系色素、アゾ系色素等の各種の色素が挙げられる。
上記顔料、色素は、単独で用いてもかまわないが、2種以上を併用して用いてもかまわない。
上記顔料は、ペイントコンディショナー、ボールミル、ジェットミル、ホモジナイザー等の分散機で有機溶剤に分散した状態で平版印刷版の感光層に添加する事が好ましく、色素については有機溶剤に溶解した状態で添加することが好ましい。
本発明の感光層は、上述した成分以外にも種々の目的で他の成分を添加することも好ましく行われる。例えば、保存性を向上させる目的で、ヒンダードフェノール化合物やヒンダードアミン化合物を添加することが好ましく行われる。これらの化合物の添加量は、重合体100質量部に対して0.1質量部から10質量部の範囲で使用することが好ましい。
本発明の感光層を構成する他の要素として重合禁止剤の添加も好ましく行うことが出来る。例えば、キノン系、フェノール系等の化合物が好ましく使用され、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、カテコール、t−ブチルカテコール、2−ナフトール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等の化合物が好ましく用いられる。これらの重合禁止剤と先に述べたエチレン性不飽和化合物との好ましい割合は、エチレン性不飽和化合物 質量部に対して0.001から0.1質量部の範囲で使用することが好ましい。
本発明の感光層を構成する要素については上述の要素以外にも種々の目的で他の要素を追加して含有することも出来る。例えばブロッキングを防止する目的もしくは現像後の画像のシャープネス性を向上させる等の目的で無機物微粒子あるいは有機物微粒子を添加することも好ましく行われる。
本発明の感光層を塗布可能な支持体としては、寸度的に安定な板状物であり、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上記のような金属がラミネート若しくは蒸着された紙又はプラスチックフィルム等が挙げられる。
好ましい支持体としては、ポリエステルフィルム又はアルミニウム板が挙げられ、その中でも寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板は特に好ましい。好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板、及びアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板であり、さらにアルミニウムがラミネート又は蒸着されたプラスチックフィルムでもよい。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタン等がある。合金中の異元素の含有量は総量で10重量%以下である。本発明において特に好適なアルミニウムは、純アルミニウムであるが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに異元素を含有するものでもよい。このように本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用することができる。本発明で支持体として用いられるアルミニウム板の厚みはおよそ0.1mm〜0.6mm程度、好ましくは0.15mm〜0.4mm、特に好ましくは0.2mm〜0.3mmである。
アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための、例えば、界面活性剤、有機溶剤又はアルカリ性水溶液等による脱脂処理が行われる。アルミニウム板の表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法及び化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用いることができる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸若しくは硝酸電解液中で交流又は直流により行う方法がある。また、特開昭54−63902号に開示されているように両者を組み合わせた方法も利用することができる。
このように粗面化されたアルミニウム板は、必要に応じてアルカリエッチング処理及び中和処理された後、所望により表面の保水性や耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理が施される。アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化被膜を形成する種々の電解質の使用が可能で、一般的には硫酸、リン酸、シュウ酸、クロム酸又はそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
陽極酸化の処理条件は用いる電解質により種々変わるので一概に特定し得ないが、一般的には、電解質の濃度が1〜80重量%溶液、液温は5〜70℃、電流密度5〜60A/dm2 、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分の範囲であれば適当である。陽極酸化被膜の量は1.0g/m2より少ないと耐膜性が不十分であったり、非画像部に傷が付き易くなって、特に平版印刷用原版の場合、印刷時に傷の部分にインキが付着する、いわゆる「傷汚れ」が生じ易くなる。
陽極酸化処理を施された後、アルミニウム表面は必要により親水化処理が施される。本発明で使用可能な親水化処理としては、米国特許第2,714,066号、同第3,181,461号、同第3,280,734号及び同第3,902,734号に開示されているようなアルカリ金属シリケート(例えば、ケイ酸ナトリウム水溶液)法がある。この方法においては、支持体がケイ酸ナトリウム水溶液で浸漬処理されるか、又は電解処理される。他に、特公昭36−22063号に開示されているフッ化ジルコン酸カリウム、米国特許第3,276,868号、同第4,153,461号、同第4,689,272号に開示されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方法等が用いられる。
本発明のネガ型平版印刷版の感光層は、製造コストの面を考慮して単層塗布が好ましく、感光層の厚みに関しては、支持体上に0.5μmから10μmの範囲の乾燥厚みで形成することが好ましく、さらに1μmから5μmの範囲であることが耐刷性を大幅に向上させるために極めて好ましい。また、感光層は、公知の種々の塗布方式を用いて支持体上に塗布、乾燥される。
塗布方式としては、例えばロールコーティング、ディップコーティング、エアナイフコーティング、グラビアコーティング、ホッパーコーティング、ブレードコーティング、ワイヤドクターコーティングなどが挙げられる。
次に本発明のネガ型平版印刷版の製版処理について説明する。製版処理は露光後、現像、水洗、仕上げ処理が施されるが、通常、現像、水洗、仕上げ処理は1つの処理装置の中で、連続的に行われ、乾燥工程を経て製版が完了する。
本発明の現像液としては、pH9以上であれば、任意のアルカリ水溶液を使用することができる。アルカリ剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、第2リン酸ナトリウム、第2リン酸カリウム、第2リン酸アンモニウム、第3リン酸ナトリウム、第3リン酸カリウムおよび第3リン酸アンモニウム等の無機アルカリ剤や、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−エチルエタノールアイミン、N−n−ブチルエタノールアミン、N−t−ブチルエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N−t−ブチルジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−アミノエチルエタノールアミン、N−アミノエチルプロパノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等の有機アルカリ剤、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウムおよびケイ酸リチウムのようなアルカリ金属ケイ酸塩やケイ酸アンモニウム等が挙げられる。これらは、1種または2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明の好ましい実施態様としてケイ酸塩を含有せず、無機アルカリ剤および有機アルカリ剤の内1種または2種を組み合わせによって形成されたpHが12未満の現像液である。さらに好ましくは、pHが10以上で12未満の現像液である。
本発明に用いられる現像液にはその他の種々界面活性剤と併用することができ、アニオン系、カチオン系、ノニオン系及び両性界面活性剤が挙げられる。これらの併用する界面活性剤は、現像液中に0.001〜10質量%、より好ましくは0.01〜5質量%の範囲で添加される。
本発明に用いられる現像液には、種々現像安定化剤が用いる事がでいる。それらの好ましい例として、特開平6−282079号公報記載の糖アルコールのポリエチレングリコール付加物、テトラブチルホスホニウムブロマイドなどのホスホニウム塩及びジフェニルヨードニウムクロライドなどのヨードニウム塩が好ましい例として挙げられる。更には、特開昭50−51324号公報記載のアニオン界面活性剤又は両性界面活性剤、また特開昭55−95946号公報記載の水溶性カチオン性ポリマー、特開昭56−142528号公報に記載されている水溶性の両性高分子電解質がある。更に、特開昭59−84241号公報のアルキレングリコールが付加された有機ホウ素化合物、特開昭61−215554号公報記載の重量平均分子量300以上のポリエチレングリコール、特開昭63−175858号公報のカチオン性基を有する含フッ素界面活性剤、特開平2−39157号公報の酸又はアルコールニ4モル以上のエチレンオキシドを付加して得られる水溶性エチレンオキシド付加物と、水溶性ポリアルキレン化合物などが挙げられる。
本発明の処理方法においては、露光後、通常自動現像機で処理を行う。自動現像機は、一般に現像部と後処理部とからなり、印刷版を搬送する装置と、各処理液槽及びスプレー槽から成り、露光済みの印刷版を水平に搬送しながら、ポンプで組み上げた各処理液をスプレーノズルから吹き付けて現像及び後処理するものである。又、最近は現像液が満たされた現像槽中に液中ガイドロールなどによって印刷版を浸漬搬送させて現像処理する方法が開発されており、この様な現像方法も本発明に好適に適用できる。この様な自動現像液においては、現像処理量や稼働時間等に応じて補充液を補充しながら処理することができる。
この様な組成の現像液で現像処理された印刷版は水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガムやデンプン誘導体等を主成分とするフィニッシャーや保護ガム液で後処理を施される。本発明の印刷版の後処理はこれらの処理を種々組み合わせて用いることができ、例えば、現像→水洗→界面活性剤を含有するリンス液処理や現像→水洗→フィニッシャー液による処理がリンス液やフィニッシャー液の疲労が少なく好ましい。更にリンス液やフィニッシャー液を用いた向流多段処理も好ましい態様である。これらの後処理は、一般に現像部と後処理部とからなる自動現像機を用いて行われる。後処理液は、スプレーノズルから吹き付ける方法、処理液が満たされた処理槽中を搬送する方法が用いられる。又、現像後一定量の少量の水性水を版面に供給して水洗し、その廃液を現像液原液の希釈水として再利用する方法も知られている。この様な自動処理においては、各処理液に処理量や稼働時間に応じてそれぞれの補充液を補充しながら処理することが出来る。また、実質的に未使用の後処理液で処理するいわゆる使い捨て処理方式も適用できる。この様な処理によって得られた平版印刷版は、オフセット印刷機に掛けられ、印刷に用いられる。
以下実施例によって本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
<感光性平版印刷版の作製>
下記の処方による感光性組成液を作製した。その感光性組成液をワイヤドクターコーターで厚みが0.30mmである砂目立て処理および陽極酸化処理を施したアルミ板上に乾燥後厚みが2.6ミクロンになるよう塗布を行い、75℃の乾燥器内にて7分間乾燥し、ネガ型感光性平版印刷版を作製した。
<感光性組成物の塗布液>
ポリマー (P−1;質量平均分子量約9万) 10質量部
光重合開始剤 (BC−5) 2質量部
(BS−1) 1質量部
エチレン性不飽和化合物 (C−1) 5質量部
増感色素 (S−33) 0.3質量部
重合禁止剤 2,6−ジ−t−ブチルクレゾール 0.1質量部
溶媒 1,3−ジオキソラン 70質量部
シクロヘキサノン 20質量部
平均粒径185nmのカーボンブラック
25%メチルエチルケトン溶液 0.1質量部
上記のようにして作製した平版印刷版を用いて、サーマル用出力機(大日本スクリーン製造社製イメージセッターPT−R4000(発振波長830nm、出力100mW))を使用して120mjの露光量で露光した後、プロセッサPD−912−M(大日本スクリーン(株)製)を用いて、下記処方の現像液で30℃15秒間の処理を行った。続いて下記処方のガム液を塗布した。
<現像液>
N−エチルエタノールアミン 37g
リン酸(85%溶液) 10g
水酸化テトラメチルアンモニウム(25%溶液) 60g
アルキルナフタレンスルホン酸Na(35%溶液) 30g
ジエチレントリアミン5酢酸 1g
水で 1L
pHは11.3(25℃)
<ガム液>
リン酸1カリ 20g
アラビアガム 30g
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.5g
EDTA2Na 1g
水で 1L
上記のようにして作製した平版印刷版のベタ画像部を新東科学(株)製HEIDON−18にダイアモンド針200ミクロンの針先で先端角度60°のものを用いて引っ掻き強度を測定した結果、60gであった。
各々圧縮値が異なるDAY社製ブランケット4種類、#N218−4、#3000−4、#4000−4、#5200−4を島津製作所製の精密万能試験機AG−ISシリーズオートグラフにより100N/cm2の圧縮時の圧縮値を測定した結果、#218−4ブランケット0.10mm(比較例1)、#3000−4ブランケット0.12mm(比較例2)、#4000−4ブランケット0.16mm(本発明1)、#5200−4ブランケット0.20mm(本発明2)であった。
上記のように作製した平版印刷版を使用し、各々のブランケットを用いた時の印刷を以下の印刷条件にて実施した。
<印刷条件>
印刷機ハイデルベルグKORD(Heidelberg社製オフセット印刷機の商標)、インキ(大日本インキ化学工業(株)製のニューチャンピオン墨H)及び市販のPS版用給湿液(アストロマークIII 日研化学(株)製)にて10万枚まで印刷を実施し印刷物の性能を評価した。
上記の印刷結果から、比較例1のブランケットでは1万枚で小網点が欠落し、3万枚でインキ乗り不良が発生した。また比較例2のブランケットでは3万枚で小網点が欠落し、6万枚でインキ乗り不良が発生した。一方、本発明1および2のブランケットでは10万枚まで全く問題がなく印刷できた。よって本発明の平版印刷版の印刷方法によって著しく耐刷性が向上することができる。

Claims (3)

  1. 光重合性の感光層を有する平版印刷版の印刷方法において、該平版印刷版の印刷に用いられるブランケットが100N/cm2の圧縮時に0.15mm以上の圧縮値であることを特徴とする平版印刷版の印刷方法。
  2. 前記平版印刷版がエチレン性不飽和化合物、光重合開始剤、380nm〜1300nmの波長域において増感色素を含有する感光層を有する平版印刷版であることを特徴とする請求項1記載の平版印刷版の印刷方法。
  3. 前記平版印刷版の感光層の引っ掻き強度が150g以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の印刷方法。
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