JP2007110012A - 誘電体デバイスの製造方法、及び誘電体デバイス - Google Patents

誘電体デバイスの製造方法、及び誘電体デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】 外部装置との電気的接続を良好になし得る誘電体デバイスが簡易且つ低コストに得られる誘電体デバイスの製造方法を提供すること。
【解決手段】 端子を支持する基体との固着性を高めるための添加物を含有した金属膜からなる端子を、当該基体の表面上に固着するように形成した後、当該端子を有機酸の溶液(好ましくは酢酸の水溶液)で洗浄する洗浄工程を行い、その後、約500℃の温度で熱処理を行う。これにより、端子の誘電体層からの剥がれを発生させることなく、当該端子の表面に露出して半田付けの障害となる添加物を当該表面から効果的に除去し、当該端子の表面における半田の濡れ性を向上させることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、誘電体層と、その誘電体層の表面に形成された金属膜から構成されていて外部装置との電気的な接続が行われる端子と、を少なくとも備えた誘電体デバイス、及びこの誘電体デバイスの製造方法に関する。
上述の誘電体デバイスとして、例えば、電界の印加による誘電体膜(圧電/電歪膜)の伸縮を応用したインクジェットヘッドが知られている。このインクジェットヘッドは、基体と、圧力室やマニホールド等のインク流路が形成された積層体と、インクの吐出口であるノズルが形成されたノズルプレートとを、この順に接合することにより構成されている。
基体は、薄い平板状のセラミックスからなり、その表面(上面)に圧電アクチュエータが形成されている。この圧電アクチュエータは、少なくとも1層の圧電/電歪膜と、この圧電/電歪膜の層を挟むように形成された金属膜からなる第1電極及び第2電極と、から構成されている。
また、基体の表面上には、金属膜からなる端子が固着して形成されている。この端子は、前記第1電極又は第2電極に対して外部装置から給電するために形成されていて、基体上に設けられた所定の配線パターンを介して前記第1電極又は第2電極と接続されている。この端子は、半田付け等により外部装置(駆動IC又はプリンタ全体を制御するCPU等)と電気的に接続されている。
上述のような構成を有する圧電アクチュエータは、第1電極と第2電極との間に電圧が印加されて圧電/電歪膜に電界が印加されることによって、当該電界の方向に伸縮するように構成されている。そして、当該インクジェットヘッドは、上述のような圧電アクチュエータの伸縮によって基体に撓みが発生し、この基体の撓みによって圧力室内のインクが加圧され、このインクに対する加圧によってノズルから所定量のインクが噴出するようになっている。
この種のインクジェットヘッドの一般的な構造及びその製造方法は、例えば、下記の各特許文献にて開示されている。
特開2003−347617号公報 特開2003−39688号公報
上述の端子を構成する金属膜には、基体との充分な固着強度を得るため、基体や誘電体膜との固着性を高めるための添加物(例えば低融点ガラス等)が添加されている。すなわち、端子は、例えば、低融点ガラスが添加された金属ペーストをスクリーン印刷等により基体の表面上に塗布して乾燥及び/又は焼成することによって形成されている。したがって、端子が形成された直後においては、当該端子の表面に前記添加物が露出することがあり得る。
ここで、当該添加物の添加量が多いほど、基体と端子との固着強度が増す一方、端子表面における添加物の露出量が多くなる。そして、端子表面における前記添加物の露出量が多い場合、端子における外部装置との電気的接続の状態(半田の濡れ性やワイヤボンディングにおけるワイヤの固着性等:以下単に「電気的接続状態」と称することがある。)が悪化する。よって、当該添加物の添加量は、基体等との充分な固着性を得つつ、実用に耐え得る程度の電気的接続状態が得られるような適切な量に調整される。
しかし、実際の製造工程においては、添加物の添加量にはばらつきが生じ得るので、添加物の添加量が多くなって表面上の添加物の露出量が多い端子が生じ得る。このような端子が発生すると、当該端子において、ワイヤボンディングの金ワイヤが剥離したり、半田の「はじき」が生じて隣接の端子との間で半田ブリッジが生じたりする等、電気的接続の不具合が発生する可能性がある。かかる不具合を防止するため、従来は、プラズマ処理等の複雑で高コストな前処理が行われていた。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、外部装置との電気的接続を良好になし得る誘電体デバイスが簡易且つ低コストに得られる誘電体デバイスの製造方法、及び外部装置との電気的接続を良好になし得る誘電体デバイスを提供することにある。
本発明は、誘電体膜と、その誘電体膜を動作させるための駆動電圧を入力するために外部装置との電気的な接続が行われる端子と、少なくとも前記端子を支持する基体と、を備えていて、前記端子が前記基体の表面に固着されてなる誘電体デバイスをその適用対象としている。この端子には、前記基体の前記表面との固着性を高めるための添加物が含有されている。
さらに、本発明は、当該誘電体デバイスの製造方法をその適用対象としている。この製造方法には、前記基体の表面上に、当該表面との固着性を高めるための添加物を含有した金属膜からなる前記端子を形成する端子形成工程が含まれている。
また、本発明は、基体と、その基体の表面上に設けられた誘電体膜と、前記誘電体膜を挟むように形成された第1電極及び第2電極と、前記基体との固着性を高めるための添加物を含有した金属膜から構成されていて前記第1電極又は第2電極と外部装置とを電気的に接続するために前記基体の表面上に固着して設けられた端子と、を少なくとも備えた誘電体デバイスをその適用対象としている。
さらに、本発明は、当該誘電体デバイスの製造方法をその適用対象としている。この製造方法は、前記基体、前記誘電体膜、前記第1電極、前記第2電極、及び前記端子からなる誘電体素子構造を形成する素子構造形成工程を含む。この素子構造形成工程においては、前記誘電体膜を形成する誘電体膜形成工程、前記第1電極を形成する第1電極形成工程、前記第2電極を形成する第2電極形成工程、及び前記端子を形成する端子形成工程を含むが、これらの各工程の順序は問わない。
また、本発明は、基体と、その基体の表面上に設けられた誘電体膜と、前記基体との固着性を高めるための添加物を含有した金属膜から構成されていて前記誘電体膜を挟むように形成された第1電極及び第2電極と、前記第1電極又は第2電極と一体に形成されていて前記基体の表面上に固着して設けられた端子と、を少なくとも備えた誘電体デバイスをその適用対象としている。
さらに、本発明は、当該誘電体デバイスの製造方法をその適用対象としている。この製造方法は、第1電極・端子形成工程と、誘電体膜形成工程と、第2電極・端子形成工程と、を含む。前記第1電極・端子形成工程においては、前記基体の表面上に、第1電極と、当該第1電極と外部装置とを電気的に接続するための当該表面との固着性を高めるための添加物を含有した金属膜からなる第1端子と、が一体に形成される。前記誘電体膜形成工程においては、前記第1電極の上に前記誘電体膜が形成される。前記第2電極・端子形成工程においては、前記誘電体膜上に、第2電極が形成されるとともに、当該第2電極と一体に、当該第2電極と前記外部装置とを電気的に接続するための前記基体の前記表面との固着性を高めるための添加物を含有した金属膜からなる第2端子が、前記基体の前記表面上に形成される。
(1)上述した目的を達成するための本発明の製造方法の特徴は、前記端子を有機酸の溶液で洗浄する洗浄工程を含むことにある。すなわち、当該端子に対して外部装置との電気的接続のための工程(例えば、フリップチップ実装におけるバンプ形成,ワイヤボンディング,半田付け等:以下単に「端子に対する配線」と称する)がなされるに先立って、当該端子表面が、有機酸の溶液によって洗浄される。これにより、端子に対する配線に支障を来たす当該端子表面における前記添加物の露出物が効果的に除去される。
しかも、有機酸の誘電体デバイス(特に、端子及び当該端子と電気的に接続されている基体上の各種の電極膜(前記第1電極や第2電極等)と基体との接合部分)に対する化学的な影響は小さい(以下、端子及び前記電極膜を総称して「端子等」と略称することがある。)。よって、当該洗浄工程によって、当該端子等が基体の表面から剥離したり、誘電体デバイスの他の部分が冒されたりすることがない。したがって、当該洗浄工程により、端子における良好な電気的接続が安定して得られる。また、特に上述の第2及び第3の誘電体デバイスのような、誘電体層からなる基体と金属膜と圧電/電歪膜とが積層された構成の誘電体デバイス(例えば、インクジェットヘッドや、圧電/電歪膜型電子放出素子等)の製造工程において、端子に対する配線がなされるに先立って、単に当該デバイスを有機酸の溶液中に浸漬したり、当該デバイスに有機酸の溶液をかけたりするという、非常に簡易なプロセスを適用するだけで、端子における良好な電気的接続性が得られる。
ここで、一般的には、「有機酸」は、その構造内にカルボキシル基を1個以上有する有機化合物(例えば、酢酸、蟻酸、プロピオン酸等)を指す用語である。もっとも、本発明に適用可能な「有機酸」は、上述のものを当然に含むが、これには限定されず、強酸性を示す官能基(例えばスルホン酸基)を除いた酸性の官能基(すなわち、強酸性を示さない酸性の官能基:例えばフェノール性水酸基やチオール基等)を有する有機化合物も本発明における「有機酸」に含まれ得る。
前記金属膜としては、Ag、Cu、Au、Ni等の低融点金属、及びこれにその他の導電性物質(金属等)を添加したものが用いられる。一般的には、Ag、Ag−Pd及びAg−Pt等が用いられる。また、前記添加物としては、例えば、無機添加物(ガラス成分等)が好適に用いられ得る。なお、この添加物は、前記基体との固着性を高めるだけでなく、前記誘電体膜との固着性を高めるものであってもよい。
前記「端子」は、誘電体層上に設けられた前記各種の電極膜とは別に設けられていて当該電極膜と基体上の所定の配線パターンを介して接続されているものには限定されない。例えば、前記電極膜自体に半田付け等の電気的接続がなされる場合、当該電極膜自体が「端子」に該当し得る。具体例としては、前記電極膜が圧電/電歪膜を挟んで上下方向に複数層に形成され、当該複数層の電極膜がスルーホール等により互いに電気的に接続されていて、外部(上方)に露出している最上層の前記電極膜に対して半田付け等がなされる場合、当該最上層の前記電極膜が「端子」に相当する。
なお、前記「端子」は、前記第1電極や前記第2電極と同一の材質から構成されていてもよいし、異なる材質から構成されていてもよい。前記「端子」が、前記第1電極や前記第2電極と同一の材質から構成されている場合、前記「端子」は、前記第1電極や前記第2電極を形成する工程にて、当該第1電極等と同時に形成されてもよい。
また、本発明の製造方法の他の特徴は、前記洗浄工程の後に、熱処理工程を行うことにある。この熱処理工程は、例えば、洗浄工程終了後に400〜700℃程度で行われる。これにより、端子の乾燥と同時に端子表面及びその近傍から残渣を飛散させることができるので、簡易なプロセスを用いてより良好な電気的接続状態を得ることができる。
また、本発明の製造方法の他の特徴は、前記有機酸の溶液として、酢酸の水溶液が用いられることにある。これにより、より安価な工程で良好な電気的接続状態を得ることができる。なお、この酢酸の水溶液中の濃度は、容量%で0.2以上が好ましく、0.4以上がさらに好ましく、0.8以上が最も好ましい。
(2)上述した目的を達成するための本発明の誘電体デバイスの特徴は、前記端子の表面をX線光電子分光分析法にて分析した場合に前記金属に対応するピークの強度に対する前記添加物(例えば無機添加物)に対応するピークの強度の合計の比が1.5以下となるように、当該端子の表面が調製されていることにある(なお、前記金属に対応するピークが複数存在する場合、それらのピーク強度の合計に対する前記添加物に対応するピークの強度の合計の比が1.5以下とされる。)。これにより、前記基体や前記誘電体膜と前記端子との良好な固着性が維持されつつ、当該端子に対する配線がなされた場合における良好な電気的接続状態が安定的に得られる。
(3)上述した目的を達成するための本発明の誘電体デバイスの特徴は、前記端子が、金属の多結晶体に添加物を含有してなり、当該端子の表面にて前記添加物が存在しないか又は前記金属の結晶粒の粒界に偏在するように構成されていることにある。これにより、前記基体等と前記端子との良好な固着性が維持されつつ、当該端子における良好な電気的接続状態が安定的に得られる。
(4)上述した(2)及び(3)の誘電体デバイスにおいては、外部装置と前記端子とを電気的に接続するための配線が施されるに先立って、当該端子が有機酸の溶液により洗浄されていることが好適である。これにより、上述のような良好な電気的接続状態がより簡易且つ低コストで得られる。
ここで、前記端子の表面における前記ピークの強度の比が、前記端子を有機酸の溶液で洗浄する洗浄工程の前にあっては1.5を超え当該洗浄工程の後にあっては1.5以下となるように、当該端子の表面が調製されていることが好適である。
さらに、前記有機酸の溶液が、酢酸、蟻酸、プロピオン酸酢酸の水溶液であることが好適である。特に、酢酸の水溶液が好適である。これにより、上述のような良好な電気的接続状態がより簡易且つ低コストで得られる。
本発明によれば、誘電体デバイスの端子表面における良好な電気的接続状態が極めて安価かつ安定的に実現され得る。
以下、本発明の好適な実施の形態を、図面や表を参照しながら説明する。
<インクジェットヘッドの構成>
図1は、本実施形態に係るインクジェットヘッド10の概略構成を示す外観図(斜視図)である。図2は、当該インクジェットヘッド10の側断面図である。図3は、当該インクジェットヘッド10の分解斜視図である。
インクジェットヘッド10は、アクチュエータユニット20と、そのアクチュエータユニット20の下方に接合された流路ユニット30とから構成されている。
アクチュエータユニット20は、セラミックス基体21と、圧電/電歪アクチュエータ22(以下、単に「アクチュエータ22」と略称する。)と、キャビティプレート23と、接続プレート24とからなり、以下の通りに構成されている。
セラミックス基体21は、セラミックス製の薄板から構成されている。セラミックス基体21を構成する材料としては、例えば、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、窒化珪素が、好適に用いられ得る。また、酸化ジルコニウムの中でも、完全安定化酸化ジルコニウムを主成分とする材料と部分安定化酸化ジルコニウムを主成分とする材料は、薄肉としても機械的強度が大きいこと、靭性が高いこと、圧電/電歪膜や電極膜の材料との反応性が小さいことから、最も好適に用いられ得る。
セラミックス基体21の表面21a上には、複数のアクチュエータ22が配列して形成されている。図2に示されているように、このアクチュエータ22は、単層もしくは複数層の圧電/電歪膜22aと、複数の第1電極22b及び第2電極22cとを備えていて、当該圧電/電歪膜22aの各層が第1電極22bと第2電極22cとによって挟まれるように構成されている。
圧電/電歪膜22aは、所謂圧電セラミックス材料から構成されている。この圧電/電歪膜22aを構成する圧電セラミックス材料としては、例えば、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT系)を主成分とする材料、マグネシウムニオブ酸鉛(PMN系)を主成分とする材料、ニッケルニオブ酸鉛(PNN系)を主成分とする材料、マンガンニオブ酸鉛を主成分とする材料、アンチモンスズ酸鉛を主成分とする材料、亜鉛ニオブ酸鉛を主成分とする材料、チタン酸鉛を主成分とする材料、更にはこれらの複合材料(混合物又は固溶体)等が用いられ得る。
なお、これらの圧電セラミックス材料には、ランタン、バリウム、ニオブ、亜鉛、セリウム、カドミウム、クロム、コバルト、ストロンチウム、アンチモン、鉄、イットリウム、タンタル、タングステン、ニッケル、マンガン等の酸化物やそれらの他の化合物が添加されていても、何等差し支えない。
1つのアクチュエータ22に含まれていて互いに上下に積層されている複数の第1電極22bは、その一端部にて互いに接続され、且つ当該一端部にて、セラミックス基体21の表面21a上に固着するように形成された第1端子22dと接続されている。すなわち、当該複数の第1電極22b及び第1端子22dは一体に形成されている(第2電極22c及び第2端子22eも同様である)。また、最下層の第1電極22bは、セラミックス基体21の表面21aに固着するように形成されている。
第1端子22d、及び第2端子22eは、主成分である金属材料に、セラミック基体21との固着性を高めるための添加物を添加することにより構成されている。第1電極22d、第2電極22cは例えば、Ag-Pdペースト、白金ペースト、第1端子22d、第2端子22eは例えば、金ペースト、銀ペースト等の金属ペーストに前記添加物としてのセラミックやガラス等が添加されてなるペーストをスクリーン印刷等により膜形成して焼成することにより形成されている。これにより、セラミックス基体21と最下層の第1電極22b、第1端子22d、及び第2端子22eとが強固に固着し、圧電/電歪膜22aと第1電極22b及び第2電極22cとが強固に固着するようになっている。このようにして、アクチュエータ22はセラミックス基体21の表面21a上に固着するように設けられている。
そして、図1に示されているように、第1端子22dにはフレキシブル配線41dが半田付けにより接続され、第2端子22eにはフレキシブル配線41eが半田付けにより接続されるようになっている(フレキシブル配線41d,41eは2点鎖線で示されている。また、フレキシブル配線41d等において、内部の導線は図示が省略されているものとする)。これらのフレキシブル配線41d及び41eは、当該インクジェットヘッド10の外部に設けられた駆動回路(外部装置)の電圧出力端子にそれぞれ接続されている。
なお、ここで用いられる半田としては、SnPb、SnAg、SnAgCu、SnAgBi、SnAgIn、SnZnBi、SnZnIn、SnZnAl系等の、溶融温度が180〜220℃のものが挙げられる。
上述のような構成を有するアクチュエータ22は、前記フレキシブル配線41d及び41eを介して第1端子22dと第2端子22eとの間に所定の駆動電圧が印加されると、図2における圧電/電歪膜22aの各層に対して図中上下方向の所定の駆動電界が印加されて当該圧電/電歪膜22aが図2における上下方向に伸縮し、これにより、当該アクチュエータ22が図2における上下方向に伸縮するようになっている。
前記セラミックス基体21の裏面21bには、板状部材からなるキャビティプレート23が接合されている。図2及び図3に示されているように、このキャビティプレート23における、前記アクチュエータ22に対応する位置(すなわちアクチュエータ22の直下)には、複数の開口部が配列して形成されていて、この開口部によって圧力室23aが構成されている。
キャビティプレート23の下面には、板状部材からなる接続プレート24が接合されている。この接続プレート24には、流路ユニット30を介して供給されてきたインクが圧力室23aに流入するための開口部である圧力室入口24aが設けられている。また、接続プレート24には、圧力室23aから後述するノズル33aに至るインク流路を形成するための圧力室出口24bが設けられている。
流路ユニット30は、板状部材からなるマニホールドプレート31と、そのマニホールドプレート31の上側に接合された板状部材であるオリフィスプレート32と、マニホールドプレート31の下側に接合された薄板状部材であるノズルプレート33とから構成されている。
図3に示されているように、マニホールドプレート31には、複数の圧力室23aに対応して共通インク室31aが形成されている。また、オリフィスプレート32には、共通インク室31aにインクを供給するためのインク供給口32aと、前記共通インク室31aと圧力室入口24aとを連通させるためのオリフィス32bとが形成されている。これにより、共通インク室31aと複数の圧力室23aとが、オリフィス32b及び圧力室入口24aを介して接続されるようになっている。
ノズルプレート33には、複数のインク噴出用のノズル33aが形成されている。また、マニホールドプレート31における各ノズル33aに対応する位置には、当該ノズル33aと連通するノズル連通孔31bが形成されていて、このノズル連通孔31bは、オリフィスプレート32に形成されたノズル連通孔32cを介して圧力室出口24bと連通するようになっている。
キャビティプレート23、接続プレート24、マニホールドプレート31、オリフィスプレート32、及びノズルプレート33は、合成樹脂、金属、セラミックス等の薄板材から構成され得る。そして、セラミックス基体21、キャビティプレート23、接続プレート24、オリフィスプレート32、マニホールドプレート31、及びノズルプレート33は、接着等により液密的に接合されている。これにより、図示しないインクタンクから、インク供給口32a、共通インク室31a、オリフィス32b、圧力室入口24a、圧力室23a、圧力室出口24b、ノズル連通孔32c、及びノズル連通孔31bを介してノズル33aに達するインク流路が形成されている。
上述のように構成されたインクジェットヘッド10は、図示しないインクタンクからインク供給口32aを介して共通インク室31aにインクが供給され、この共通インク室31aからオリフィス32b及び圧力室入口24aを介して圧力室23aにインクが供給されるように構成されている。そして、アクチュエータ22の上述のような伸縮によりセラミックス基体21に撓み変形が生じ、このセラミックス基体21の撓み変形によって圧力室23a内のインクが加圧された場合に、ノズル33aから所定量のインクが噴出されるようになっている。
<インクジェットヘッドの製造方法>
続いて、上述のような構成のインクジェットヘッド10の製造方法について説明する。最初に、アクチュエータユニット20の製造方法について説明する。
まず、酸化ジルコニウム等のセラミックスの粉末に、バインダ、溶剤、分散剤、可塑剤等を添加・混合してスラリーを作製する。そして、このスラリーに対して脱泡処理を行った後、リバースロールコーター法、ドクターブレード法等により当該スラリーを所定の厚さに膜形成する。この膜形成したスラリーを乾燥することにより、所定の厚さを有するグリーンシートを得る。
次いで、得られたグリーンシートに対して、金型による打抜加工、レーザー加工等を行うことにより、焼成後にセラミックス基体21となるグリーンシートA(図3参照)と、圧力室23aを構成する長方形状の開口部が形成され焼成後にキャビティプレート23となるグリーンシートB(図3参照)と、圧力室入口24a及び圧力室出口24bを構成する円形の開口部が形成され焼成後に接続プレート24となるグリーンシートC(図3参照)とを得る(なお、グリーンシートBは、予め必要な厚さに厚く形成された1枚のグリーンシートから構成される場合と、グリーンシートAやグリーンシートCを得るためのグリーンシートと同じ厚さの複数米のグリーンシートを積層したものから構成される場合とがあり得る。)。
次いで、グリーンシートAとグリーンシートCとの間にグリーンシートBを挟むように、グリーンシートA,B,及びCを積層して、グリーンシート積層体を作製する。そして、得られたグリーンシート積層体を、例えば1200〜1600℃程度の温度で焼成し、セラミックス積層体を得る。
続いて、得られた前記セラミックス積層体の表面上(セラミックス基体21の表面21a上)に、圧電/電歪型のアクチュエータ22を以下のようにして形成することで、アクチュエータユニット20が得られる。
圧電/電歪膜22aの形成は、例えば、スクリーン印刷法、ディッピング法、塗布法、電気泳動堆積法等の厚膜形成法、又は、イオンビーム法、スパッタリング法、真空蒸着、イオンプレーティング法、化学気相蒸着法(CVD)、メッキ等の薄膜形成法を用いることができる。第1電極22b、第2電極22c、第1端子22d、及び第2端子22eの形成は、例えば、金レジネートペースト、白金レジネートペースト、銀レジネートペースト等の金属ペーストにセラミックスやガラス等が添加されてなるペーストを、スクリーン印刷等により膜形成して焼成することによって行われる。
より具体的には、例えば、スクリーン印刷法により、前記セラミックス積層体の表面の所定位置に、最下層の第1電極22bを形成し、焼成する。次に、最下層の圧電/電歪膜22aをスクリーン印刷法により形成(以下、単に「印刷」と称する。)した後、その上に最下層の第2電極22cを印刷し、さらにその上に圧電/電歪膜22aを印刷した後、焼成する。続いて、最上層の第1電極22bを、最上層の第1電極と接続するように印刷し、焼成する。さらに第1端子22dと第2端子22eとを、第1電極及び第2電極と各々接続するように印刷し、焼成する。以上のように、一層の圧電/電歪膜22aを挟んで第1電極22bと第2電極22cとが対向し、且つ各第1電極22bが第1端子22dと接続し、各第2電極22cが第2端子22eと接続するように、圧電/電歪膜22a、第1電極22b、及び第2電極22cの印刷、焼成を繰り返すことにより、アクチュエータ22が形成される。なお、圧電/電歪膜及び電極膜の焼成温度は、これらを構成する材料によって適宜定められるが、一般には、800〜1400℃である。
このような方法によって前記セラミックス積層体の表面(セラミックス基体21の表面21a)にアクチュエータ22を形成することにより、接着剤を用いることなく、圧電/電歪膜22a、第1電極22b、第2電極22c、第1端子22d、第2端子22e、及びセラミックス基体21を一体的に接合することができる結果、高い信頼性が確保され得る。
また、流路ユニット30は、例えば、以下のようにして形成される。まず、ステンレス製の薄板に対して、共通インク室31aやノズル連通孔31b等に対応する開口部を型抜き等により形成することで、マニホールドプレート31及びオリフィスプレート32が得られる。また、ポリイミドフィルムにパンチやレーザー加工を施すことにより、多数のノズル33aが形成されたノズルプレート33が得られる。そして、得られたオリフィスプレート32、マニホールドプレート31、及びノズルプレート33を、この順で重ねて接着剤を用いて液密的に接合する。
上述のようにして得られたアクチュエータユニット20と流路ユニット30とを接着剤により液密的に接合することにより、インクジェットヘッド10が形成される。
そして、第1端子22d及び第2端子22e(以下、両者を総称して単に「端子」と称する。)に対してフレキシブル配線41d及び41e(以下、両者を総称して単に「配線」と称する。)が半田付けにより接続されるに先立ち、端子は酢酸の水溶液により洗浄された後、熱処理される。
すなわち、上述の通り、端子を構成する材質には、セラミックス基体21等との固着性を高めるためにガラス等の添加物が添加されている。そして、この添加物が端子表面に多く露出すると、当該表面における半田の濡れ性が悪化し、端子における配線との電気的接続性が悪化し得る。よって、当該端子における良好な電気的接続性を安定的に得るためには、半田付けに先立って当該端子の表面から添加物を可及的に除去して当該表面を清浄な金属表面に調製することが望ましい。
そこで、本実施形態においては、端子を酢酸の水溶液からなる洗浄液で洗浄した後に水洗いを行う洗浄工程を行う。これにより、端子とセラミックス基体21との固着性を損なうことなく、端子の表面における添加物の露出量を可及的に少なくすることができる。そして、この洗浄工程の後、400〜700℃程度に加熱する熱処理工程を行う。これにより、端子が形成されたセラミックス基体21の表面21a上及びその近傍から残渣を可及的に除去することができる。
上述の洗浄工程及び熱処理工程は、図1及び図2に示されているような状態に組み上げられたインクジェットヘッド10に対して行われたとしても、当該インクジェットヘッド10に対する悪影響(例えば、アクチュエータユニット20及び流路ユニット30を構成する各板状部材同士の接合部や金属部材に対する侵食等)がほとんどない。よって、例えば、単に(必要に応じてインク供給口32aやノズル33aを粘着テープ等でマスキングして)インクジェットヘッド10を前記洗浄液に一定時間浸漬したり、インクジェットヘッド10に前記洗浄液のシャワーを一定時間当てたりする等の、極めて簡易なプロセスで、端子における良好な電気的接続性が達成され得る。
<実施例>
以下、上述の実施形態の効果を確認するための実施例について説明する。この実施例は、前記セラミックス基体21を構成するセラミックス材料からなるセラミックス板の表面に、前記端子を構成する材質からなる細長い長方形の端子パターンを多数形成したもの(以下、「試料」と称する。)を用意し、この試料の前記端子パターンにおける半田の濡れ性を評価するものである。
この試料においては、端子パターンの材料として、銀を主成分とする銀ペーストが用いられている。この銀ペーストとしては、通常、セラミックス基体との固着性を高めるための添加物を含有したものが用いられる。
添加物として利用可能な物質としては様々なものがあり、例えば、SiもしくはBを含むガラス化可能な組成のものが用いられる。この銀ペーストは、セラミック基体上に、例えば一般的なスクリーン印刷で転写され、焼成することにより実施例の端子パターンが形成される。
本実施例の洗浄・熱処理工程は、以下の通りである。まず、試料を酢酸の水溶液中に所定時間浸漬する。次に、試料を多量の水道水中に数分間浸漬した後、水道水のシャワーで洗浄し、さらに純水のシャワーで洗浄する。続いて、数十分間熱風乾燥した後、約400〜700℃で数十分間熱処理する。
酢酸の濃度と浸漬時間とを変化させて、半田の濡れ性を評価した結果を、表1に示す。
酢酸による洗浄を行わなかった試料は、半田の濡れ性が非常に悪かった一方、表1に示されている通り、0.2%(濃度は容量%:以下同じ)の濃度の酢酸水溶液に30秒以上浸漬すると、半田の濡れ性の向上の効果が認められ、60秒の浸漬で実用に耐え得る(前記「通常の組成」の銀ペーストを用いた場合と同様の)半田の濡れ性が得られ、120秒浸漬すると良好な半田の濡れ性(パターン面積の約90%以上が半田に覆われている状態)が得られた。
酢酸濃度が0.4%の場合、10秒の浸漬でも半田の濡れ性の向上の効果が認められ、30秒の浸漬で実用に耐え得る半田の濡れ性が得られ、60秒浸漬すると良好な濡れ性が得られた。酢酸濃度が0.8%の場合、10秒の浸漬でも実用に耐え得る半田の濡れ性が得られ、30秒の浸漬で良好な濡れ性が得られた。そして、すべての酢酸濃度において、120秒浸漬しても端子パターンの剥がれは全く生じなかった。
なお、比較例として、37%の塩酸を用いた場合、60秒の浸漬では半田の濡れ性の効果が生じず、180秒の浸漬では端子パターンの剥がれが生じた。このように、塩酸等の強酸性の無機酸を用いた場合、端子等の剥がれ(及びインクジェットヘッドのその他の部分に対する侵食等の悪影響)を生じさせることなく濡れ性を向上させるための安定した洗浄処理が困難である。
以上の通り、0.2%以上、好ましくは0.4%以上、さらに好ましくは0.8%以上の酢酸の水溶液で端子を洗浄することにより、端子(及び第1電極22b等)の剥がれが生じることなく、端子における半田の良好な濡れ性が、安定して得られることが確認された。かかる酢酸水溶液としては、例えば、入手が容易で安価な食酢(5%)及びその希釈液が用いられ得る。したがって、実施例の方法によれば、極めて簡易、安全且つ安価なプロセスを用いて、端子等を剥離させたりインクジェットヘッドのその他の部分に侵食等の悪影響を及ぼしたりすることなく、端子の半田の濡れ性を格段に向上させることができる。
また、多数の試料の表面をX線光電子分光分析により分析した。この結果を表2に示す。なお、表2におけるサンプル1ないし5は、有機酸による処理が行われていないものである。
この表2に示されている通り、濡れ性の良好であった試料においては、無機添加物の元素(例えばSiO2成分はSi)のピーク強度(カウント数)の合計Iと銀のピーク強度(同上)IAgとの比I/IAgが1.5以下であった。
さらに、酢酸による洗浄処理の効果を、X線光電子分光分析による画像で確認した。この結果を図4ないし図6に示す。
図4ないし図6の各図において、(A1)は低倍率(2000倍)の走査電子顕微鏡(SEM)写真、(A2)は(A1)に対応する部分のX線光電子分光分析(XPS)によるAgの像、(A3)は(A1)に対応する部分のX線光電子分光分析によるOの像、(B1)は高倍率(5000倍)のSEM写真、(B2)は(B1)に対応する部分のXPSによるAgの像、(B3)は(B1)に対応する部分のXPSによるOの像である。
図4は、0.2%の酢酸水溶液にて60秒処理した試料のSEM及びXPS像である。図5は、0.4%の酢酸水溶液にて60秒処理した試料のSEM及びXPS像である。図6は、酢酸処理を行わなかった試料のSEM及びXPS像である。
図4ないし図6における(A2)及び(B2)を見比べると、酢酸処理が行われていない試料においては、表面における銀の露出が少なく、酢酸処理が行われている試料においては、表面に多量の銀が露出している。また、図4ないし図6における(A3)及び(B3)を見比べると、酢酸処理が行われていない試料においては、表面における無機添加物成分であるOの露出が多く、酢酸処理が行われている試料においては、当該Oの露出量が極めて少ない。特に、図4における(B1)ないし(B3)から明らかなように、0.2%の酢酸水溶液にて60秒処理した試料においては、当該端子(試料)を構成する銀の結晶粒界、及び当該無機添加物の析出物が表面に露呈している部分に、無機添加物成分に対応するOの信号が偏在している。すなわち、酢酸処理によって、試料(端子)の表面にて無機添加物成分が効果的に除去されていることが、SEM及びXPS像によって確認された。
また、図4の(A2)、(A3)、(B2)、(B3)においては、XPSによるAg及びOの像によって上述の結晶粒界の様子が確認し得る一方、図5の(A2)、(A3)、(B2)、(B3)においては、XPSによるAg及びOの像によって結晶粒界の様子がほとんど確認できない。このように、0.4%の酢酸水溶液にて60秒処理した試料においては、試料(端子)の表面に無機添加物成分がほとんど存在しない状態となっている。
このように、試料(端子)の表面にて、無機添加物成分が、(ほとんど)存在しないか又は結晶粒界に偏在する程度に、当該試料(端子)の表面が調製されていることにより、良好な半田の濡れ性が安定して得られる。
以上の通り、本実施形態及び実施例によれば、第1電極22bと第1端子22dとが、セラミック基体21及び圧電/電歪膜22aとの固着性を高めるための無機添加物が混入された金属電極によって同時かつ一体に形成されている。また、第2電極22cと第2端子22eとが、セラミック基体21及び圧電/電歪膜22aとの固着性を高めるための無機添加物が混入された金属電極によって同時かつ一体に形成されている。そして、第1端子22d及び第2端子22eの表面が、半田に対する良好な濡れ性を示すように形成されている。これにより、第1電極22b、第2電極22c、第1端子22d、及び第2端子22eの、セラミック基板21及び圧電/電歪膜22aとの確実な固着と、第1端子22d及び第2端子22eにおける良好な半田付け性とが同時に達成される。また、このような構成が、シンプルな製造方法で実現され得る。
<変形例の示唆>
なお、上述の実施形態及び実施例は、上述した通り、出願人が取り敢えず本願の出願時点において最良であると考えた本発明の代表的な実施形態や実施例を単に例示したものにすぎない。よって、本発明はもとより上述の実施形態や実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の本質的部分を変更しない範囲内において種々の変形を施すことができることは当然である。
以下、先願主義の下で本願の出願の際に追記し得る程度(時間の許す限り)で、変形例について幾つか例示するが、変形例とてこれらに限定されるものではないことはいうまでもない。本願発明を、上述の実施形態及び下記変形例の記載に基づき限定解釈すること(特に、本発明の課題を解決するための手段を構成する各要素における、作用・機能的に表現されている要素を、実施形態等の記載に基づき限定解釈すること)は、先願主義の下で出願を急ぐ出願人の利益を不当に害する反面、模倣者を不当に利するものであって、発明の保護及び利用を目的とする特許法の目的に反し、許されない。
本発明は、上述した実施形態及び実施例の構成に限定されない。例えば、本発明は、上述した実施形態及び実施例のようなインクジェットヘッド以外にも、例えば、電界の印加による圧電/電歪材料のせん断変形を応用したインクジェットヘッド、IC・LSI等の半導体デバイス、圧電/電歪膜型の電子放出素子や弾性表面波(SAW)素子等に対しても適用可能である。
また、実施形態のフレキシブル配線に代えて、IC等の駆動素子のリードが直接に端子に半田付けされてもよい。さらに、本発明は、半田付けに代えて、ワイヤボンディングや、フリップチップ実装が採用された場合にも適用可能である。
また、本発明に適用可能な添加物としては、上述のような無機添加物以外にも、様々なものが利用可能である。
また、本発明は、複数の端子における一部にのみ適用され得る。
また、端子と電極とは同時ではなく別々に形成されてもよい。この場合、端子と電極とは異なる材質から構成されていてもよい。
また、端子と電極とは別体に形成されていてもよい。この場合、端子と電極とがワイヤボンディング等で接続される構成であってもよい。
その他、本発明の課題を解決するための手段を構成する各要素における、作用・機能的に表現されている要素は、上述の実施形態・実施例や変形例にて開示されている具体的構造の他、当該作用・機能を実現可能な、いかなる構造をも含む。
本発明の一実施形態に係るインクジェットヘッドの概略構成を示す外観図(斜視図)である。 前記インクジェットヘッドの側断面図である。 前記インクジェットヘッドの分解斜視図である。 酢酸による洗浄処理を行った実施例の端子表面の走査電子顕微鏡及びX線光電子分光分析による画像である。 酢酸による洗浄処理を行った実施例の端子表面の走査電子顕微鏡及びX線光電子分光分析による画像である。 酢酸による洗浄処理を行っていない比較例の端子表面の走査電子顕微鏡及びX線光電子分光分析による画像である。
符号の説明
10…インクジェットヘッド、 21…セラミック基体、
22…アクチュエータ、 22a…圧電/電歪膜、
22b…第1電極、 22c…第2電極、
22d…第1端子、 22e…第2端子

Claims (17)

  1. 誘電体膜と、その誘電体膜を動作させるための駆動電圧を入力するための端子と、少なくとも前記端子を支持する基体と、を備えた誘電体デバイスを製造するための、誘電体デバイスの製造方法において、
    前記基体の表面上に、当該表面との固着性を高めるための添加物を含有した金属膜からなる前記端子を形成する端子形成工程と、
    前記端子を有機酸の溶液で洗浄する洗浄工程と、
    を含むことを特徴とする誘電体デバイスの製造方法。
  2. 基体の表面上に、誘電体膜と、当該誘電体膜を挟むように形成された第1電極及び第2電極と、前記基体の前記表面との固着性を高めるための添加物を含有した金属膜から構成されていて当該第1電極又は第2電極と外部装置とを電気的に接続するために前記基体の前記表面上に固着して設けられる端子と、からなる誘電体素子構造を形成する素子構造形成工程と、
    前記端子を有機酸の溶液で洗浄する洗浄工程と、
    を含むことを特徴とする誘電体デバイスの製造方法。
  3. 基体の表面上に、第1電極と、その第1電極と外部装置とを電気的に接続するための当該表面との固着性を高めるための添加物を含有した金属膜からなる第1端子と、を一体に形成する第1電極・端子形成工程と、
    前記第1電極の上に誘電体膜を形成する誘電体膜形成工程と、
    前記誘電体膜上に、第2電極を形成するとともに、当該第2電極と一体に、当該第2電極と前記外部装置とを電気的に接続するための前記基体の前記表面との固着性を高めるための添加物を含有した金属膜からなる第2端子を前記基体の前記表面上に形成する第2電極・端子形成工程と、
    前記第1及び第2端子を有機酸の溶液で洗浄する洗浄工程と、
    を含むことを特徴とする誘電体デバイスの製造方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の誘電体デバイスの製造方法であって、
    前記洗浄工程の後に、熱処理工程を含む誘電体デバイスの製造方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の誘電体デバイスの製造方法であって、
    前記有機酸の溶液として、酢酸の水溶液が用いられる誘電体デバイスの製造方法。
  6. 誘電体膜と、その誘電体膜を動作させるための駆動電圧を入力するための端子と、少なくとも前記端子を支持する基体と、を少なくとも備え、
    前記端子が、金属を主成分として、前記誘電体層の前記表面との固着性を高めるための添加物を含有してなる金属膜から構成され、
    前記端子の表面は、X線光電子分光分析法にて分析した場合に、前記金属に対応するピークの強度に対する前記添加物に対応するピークの強度の比が1.5以下となるように調製されていることを特徴とする誘電体デバイス。
  7. 基体と、
    その基体の表面上に設けられた誘電体膜と、
    前記誘電体膜を挟むように形成された第1電極及び第2電極と、
    金属を主成分として前記基体の前記表面との固着性を高めるための添加物を含有してなる金属膜から構成され、前記第1電極又は第2電極と外部装置とを電気的に接続するために前記基体の前記表面上に固着して設けられた端子と、
    を少なくとも備え、
    前記端子の表面は、X線光電子分光分析法にて分析した場合に、前記金属に対応するピークの強度に対する前記添加物に対応するピークの強度の比が1.5以下となるように調製されていることを特徴とする誘電体デバイス。
  8. 基体と、
    その基体の表面上に設けられた誘電体膜と、
    金属を主成分として前記基体の前記表面との固着性を高めるための添加物を含有してなる金属膜から構成され、前記誘電体膜を挟むように形成された第1電極及び第2電極と、
    前記第1電極又は第2電極と一体に形成され、前記基体の前記表面上に固着して設けられた端子と、
    を少なくとも備え、
    前記端子の表面は、X線光電子分光分析法にて分析した場合に、前記金属に対応するピークの強度に対する前記添加物に対応するピークの強度の比が1.5以下となるように調製されていることを特徴とする誘電体デバイス。
  9. 請求項6ないし8のいずれかに記載の誘電体デバイスであって、
    前記端子は、当該端子に外部装置との電気的な接続が行われるに先立って、有機酸の溶液により洗浄されていることを特徴とする誘電体デバイス。
  10. 請求項9に記載の誘電体デバイスであって、
    前記端子の表面における前記ピークの強度の比が、前記端子を有機酸の溶液で洗浄する洗浄工程前にあっては1.5を超え当該洗浄工程後にあっては1.5以下となるように、当該端子の表面が調製されていることを特徴とする誘電体デバイス。
  11. 請求項9又は10に記載の誘電体デバイスの製造方法であって、
    前記有機酸の溶液は、酢酸の水溶液であることを特徴とする誘電体デバイス。
  12. 誘電体膜と、
    基体と、
    金属の多結晶体に添加物を含有してなり、前記基体の表面上に固着するように形成されていて、前記誘電体膜を動作させるための駆動電圧を入力するために外部装置との電気的な接続が行われる端子と、
    を少なくとも備え、
    前記端子の表面にて、前記添加物が、存在しないか又は前記金属の結晶粒の粒界に偏在するように、当該端子が構成されていることを特徴とする誘電体デバイス。
  13. 基体と、
    その基体の表面上に設けられた誘電体膜と、
    前記誘電体膜を挟むように形成された第1電極及び第2電極と、
    金属の多結晶体に添加物を含有してなり、前記第1電極又は第2電極と外部装置とを電気的に接続するために前記基体の前記表面上に固着して設けられた端子と、
    を少なくとも備え、
    前記端子の表面にて、前記添加物が、存在しないか又は前記金属の結晶粒の粒界に偏在するように、当該端子が構成されていることを特徴とする誘電体デバイス。
  14. 基体と、
    その基体の表面上に設けられた誘電体膜と、
    金属の多結晶体に添加物を含有してなり、前記誘電体膜を挟むように形成された第1電極及び第2電極と、
    前記第1電極又は第2電極と一体に形成され、前記基体の前記表面上に固着して設けられた端子と、
    を少なくとも備え、
    前記端子の表面にて、前記添加物が、存在しないか又は前記金属の結晶粒の粒界に偏在するように、当該端子が構成されていることを特徴とする誘電体デバイス。
  15. 請求項6ないし14のいずれかに記載の誘電体デバイスであって、
    前記添加物は無機添加物であることを特徴とする誘電体デバイス。
  16. 請求項12ないし15のいずれかに記載の誘電体デバイスであって、
    前記端子は、当該端子に外部装置との電気的な接続が行われるに先立って、有機酸の溶液により洗浄されていることを特徴とする誘電体デバイス。
  17. 請求項16に記載の誘電体デバイスの製造方法であって、
    前記有機酸の溶液として、酢酸の水溶液が用いられる誘電体デバイスの製造方法。
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