JP2009045871A - インクジェットヘッド、インクジェットヘッドの製造方法、及びインクジェット式記録装置 - Google Patents

インクジェットヘッド、インクジェットヘッドの製造方法、及びインクジェット式記録装置 Download PDF

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和美 貞松
Shintaro Hara
慎太郎 原
Osamu Watanabe
渡邊  修
Yuji Toyomura
祐士 豊村
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Abstract

【課題】インクジェットヘッドの小型化、高密度化を達成するために、特に圧電体素子の機械的変位を有効に伝達する、高性能で信頼性の高い振動板、そして高い組立て精度かつばらつきの少ない圧力室を有する圧力室部材を備えるインクジェットヘッド、インクジェットヘッドの製造方法、及びインクジェット式記録装置を提供すること。
【解決手段】圧電体素子(圧電体素子部B)と、この圧電体素子に設けられた振動板3と、この振動板3の圧電体素子とは反対側に設けられ、インクを収容する圧力室部材Aとを備え、振動板3を膜厚方向に少なくとも2つの異なる材料を積層して構成し、振動板3のインクと接する部分(第2の振動板3b)と圧力室部材Aを主成分が同一の材料で構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気機械変換機能を呈する圧電体素子を用いてインク滴を吐出させるインクジェットヘッド、上記インクジェットヘッドの製造方法、及び上記インクジェットヘッドを印字手段として備えるインクジェット式記録装置に関する。
オンデマンド型インクジェットヘッドは、インク吐出させるために電気機械変換機能を呈する圧電体素子を用いるタイプのものと、発熱体素子を用いるサーマルタイプの2種類に大別される。このうち圧電体素子を用いるタイプのものは、機械的エネルギーを電気的エネルギーに変換し、あるいは電気的エネルギーを機械的エネルギーに変換する圧電体をその厚み方向に2つの電極で挟んでなる積層体である圧電体素子と、圧電体素子で発生したエネルギーを有効にインクに伝えるために設けた振動板と、インクを収納する圧力室部材を備えている。圧力室で加圧されたインクは圧力室と連通したノズル(インク吐出孔)より所定量のインク滴となって吐出され、紙等の媒体に印字される。このような構成のインクジェットヘッドは従来より広く用いられている(例えば(特許文献1))。
このようなインクジェットヘッドでは、従来、圧電体素子と振動板を形成した後に、別部材の圧力室部材を接着剤を用いて接着して形成していた。
近年インクジェットヘッドに対する小型化、高密度化の要求によりヘッドを構成する部材も更に小型化、薄型化が進み、部材の加工精度や組立て精度には高い精度が求められている。例えば圧電体素子を構成する圧電体は、従来、焼結体を研削等の機械加工によって形成されていたが、スパッタ法等の物理的気相成長法(PVD)や化学的気相成長法(CVD)、ゾルゲル法等のスピンコート法等で形成されるようになり、従来の焼結体と比較して、圧電体の膜厚を精度良く、ばらつきが少なく形成できる。またフォトリソグラフィーやドライエッチング等による微細加工が適用できるため、素子の小型化、高密度化が達成できるとともに、高精度な加工が可能となっている(例えば(特許文献2))。
更に、これに続けて設けられる振動板も同様に、スパッタ法等の物理的気相成長法(PVD)や化学的気相成長法(CVD)、ゾルゲル法等のスピンコート法等で形成されるため、高精度な形成が可能となっている。
これに対して圧力室部材の形成は圧力室部材を別体で形成し、圧電体素子の位置に合わせてアライメントを行った状態で接着を行なっていた(例えば(特許文献3))。
この接着精度についてはインクジェットヘッドの高密度化を行う上で、接着面積の減少や接着材のはみ出しの許容性から要求が非常に厳しくなっている。
特開2001−284671号公報 特開平05−286131号公報 特開平10−193605号公報
圧力室部材そのものは例えば上述したような電気メッキ法により形成し、貼り付けやすく、形状に特徴のある部材を作成したり、更に高精度な部材形成が可能であるシリコンを、エッチング加工により形成する微細加工法を採用することで、高精度な部材加工が可能となっている。
しかしながら圧電体素子と圧力室の位置をアライメントして接着を行う場合、接着後の位置ずれや、接着剤のはみ出しにより、組立て精度が十分確保できないといった課題が生じていた。この課題にはアライメント精度や塗布する接着剤の塗布量や塗布工法、接着時の接着工法等の製造工程に起因する問題や、圧力室部材と振動板や圧電体素子との線膨張係数の違いから生じる部材の反りやその反りに起因する剥離といった部材の組み合わせによるものなど、多くの解決すべき問題点が存在する。
また圧力室は振動板と圧力室部材で形成された隔壁で構成され、インクを収納し、圧電体素子のエネルギーを有効にインクに加圧する必要がある。振動板は圧電体素子の機械的な変位を有効に伝達するとともに、振動による破壊等によりインクが漏れないようにする必要がある。また圧力室部材で構成される隔壁部は、高密度化に従い隔壁の厚みが薄くなると、圧電体素子の振動が隣の素子や圧力室に干渉を与えるクロストーク現象が発生し、インクの吐出特性に悪影響を与える。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、インクジェットヘッドの小型化、高密度化を達成するために、特に圧電体素子の機械的変位を有効に伝達する、高性能で信頼性の高い振動板、そして高い組立て精度かつばらつきの少ない圧力室を有する圧力室部材を備えるインクジェットヘッドの提供、及びその製造方法を提供することを目的とする。
更に本発明は、このような高性能なインクジェットヘッドを備えるインクジェット式記録装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のインクジェットヘッドは、圧電体素子と、この圧電体素子に設けられた振動板と、この振動板の圧電体素子とは反対側に設けられ、インクを収容する圧力室部材とを備え、振動板を膜厚方向に少なくとも2つの異なる材料を積層して構成し、振動板のインクと接する部分と圧力室部材を主成分が同一の材料で構成したものである。
本発明によるインクジェットヘッドの構成によれば、インクジェットヘッドの高密度化が図れるとともに、インク吐出性能に優れたインクジェットヘッドを提供することが可能となる。
本発明のインクジェットヘッドは、圧電体素子と、この圧電体素子に設けられた振動板と、この振動板の圧電体素子とは反対側に設けられ、インクを収容する圧力室部材とを備え、振動板を膜厚方向に少なくとも2つの異なる材料を積層して構成し、振動板のインクと接する部分と圧力室部材を主成分が同一の材料で構成したものである。
これによって圧電体の変位を有効にインクに伝えることができ、各ノズル間のばらつきの少ない安定した吐出特性を実現することができる。
また本発明は、電極間に圧電体を備える圧電体素子と、この圧電体素子のいずれかの電極の面に設けられた振動板と、この振動板の圧電体素子とは反対側の面に設けられ、インクを収容する圧力室の隔壁を構成する圧力室部材とを備え、振動板を膜厚方向に少なくとも2つの異なる材料を積層して構成し、振動板のインクと接する層と圧力室部材を主成分が同一の材料で構成したものである。
これによって圧電体の変位を有効にインクに伝えることができ、各ノズル間のばらつきの少ない安定した吐出特性を実現することができる。
また本発明は、振動板の各層を異なる種類の金属膜で構成したものである。
これによって、振動板の強度を保てるとともに、振動板の特性を調整することができる。
また本発明は、振動板の各層の一を樹脂膜で構成したものである。
これによって、圧力室から圧電体素子へのインクの浸入を防ぐことができる。
また本発明は、振動板において、圧電体素子側に設けられている金属膜のヤング率を他方の金属膜より小さくしたものである。
これによって、振動板の特性を調整でき、高い吐出特性を実現することができる。
また本発明は、振動板の各層の一を脆性材料で構成したものである。
これによって、振動板の特性を調整でき、高い吐出特性を実現することができる。
また本発明は、圧力室部材を主にNi、Cr、Cu又はそれらの合金で構成したものである。
これによって、圧力室部材、特に圧力室部材の隔壁部の剛性が高くなり、隣接する他の圧力室への干渉をなくすことができる。
また本発明は、圧力室部材をNiで構成するとともに、Co、Mo、Ruのいずれかを添加したものである。
これによって、圧力室部材、特に圧力室部材の隔壁部の剛性を更に高くでき、隣接する他の圧力室への干渉をなくすことができる。
また本発明は、圧力室部材の硬度(Hv)を400〜600としたものである。
これによって、圧力室部材、特に圧力室部材の隔壁部の剛性の確保と、圧力室形成時の成形性、加工性の両立を実現することができる。
また本発明は、圧電体素子を、一組の電極と、この電極間に設けられた圧電体で構成し、電極に覆われ、圧電体を実際に駆動する領域である圧電能動部の領域の外周から略等距離間隔大きい相似形状により形成された圧力室を複数列に並設したものである。
これによって、圧力室を効率的に高密度配置することができる。
また本発明は、電極に覆われ、圧電体を実際に駆動する領域である圧電能動部の領域の外周から略等距離間隔大きい相似形状により形成された圧力室を複数列に並設したものである。
これによって、圧力室を効率的に高密度配置することができる。
また本発明は、圧力室に挟まれた圧力室隔壁の断面形状を、振動板側が広く、圧力室の開口部に向かって狭くなる台形形状としたものである。
これによって、圧力室内に吐出時に気泡が発生しにくくなり、インクの流体抵抗が少なく、スムーズな流れとなる。
また本発明は、圧力室部材の開口部側表面の反射率を60%以上としたものである。
これによって、開口部側を他の部材と接着性のよい表面状態とすることができる。
また本発明のインクジェットヘッドは、電極間に圧電体を備える圧電体素子と、この圧電体素子のいずれかの電極の面に設けられた振動板と、この振動板の圧電体素子とは反対側の面に設けられ、インクを収容する圧力室の隔壁を構成する圧力室部材とを備え、圧電体素子の圧電効果により振動板を膜厚方向に変位させて圧力室のインクを吐出させるように構成されたインクジェットヘッドであって、圧力室部材を振動板に直接形成したものである。
これによって、圧力室隔壁を高精度かつ高密度に形成することができる。
また本発明は、圧力室部材を電気メッキ法によって振動板に直接形成したものである。
これによって、圧力室隔壁を高精度かつ高密度に形成することができる。
また本発明は、振動板が樹脂層を含み、樹脂層が電着法により形成されているものである。
これによって、樹脂層を均一に、ピンホール等の欠陥がなく形成することができる。
また本発明は、樹脂層の上に圧力室部材と同一材料の金属膜が形成されているものである。
これによって、金属膜がメッキのシード層として圧力室部材を形成することができる。
また本発明は、樹脂層の上に圧力室部材とは異なる材料で構成される密着層を設けたものである。
これによって、圧力室部材の作成時に剥離等のメッキ工程での不良を防止することができる。
本発明のインクジェットヘッドの製造方法は、電極間に圧電体を設けた圧電体素子と、この圧電体素子のいずれかの電極の面に設けられた振動板と、この振動板の圧電体素子とは反対側の面に設けられ、インクを収容する圧力室の隔壁を構成する圧力室部材とを備えたインクジェットヘッドの製造方法であって、振動板上にドライフィルムレジストを貼り付ける工程と、ドライフィルムレジストを露光、現像して所定のパターンに形成する工程と、パターンにドライフィルムレジストの厚みより厚い膜厚で電気メッキ法により圧力室部材を形成する工程と、電気メッキ後に研削法により圧力室部材を所定の厚みにする工程と、ドライフィルムレジストを除去する工程を有するものである。
これにより圧力室部材を精度良く、高密度に作成することが可能となる。
また本発明は、電気メッキ法により圧力室部材を形成する工程において、印加する電流密度を4〜14A/dm2としたものである。
これによって、圧力室部材の材質や内部応力を適切に調整することが可能となる。
また本発明は、電気メッキ法により圧力室部材を形成する工程のメッキ浴の応力管理を、加工物とは別の試験片の反り量から算出した応力により行うようにしたものである。
これによって、圧力室部材の内部応力を管理することが可能となる。
また本発明は、電気メッキ法により圧力室部材を形成工程のメッキ浴の温度を30〜50℃としたものである。
これによって、圧力室部材の材質や内部応力を適切に調整することが可能となる。
本発明のインクジェット式記録装置は、上述のインクジェットヘッドと記録媒体とを相対移動させる相対移動手段とを備え、この相対移動手段によりインクジェットヘッドが記録媒体に対して相対移動しているときに、インクジェットヘッドにおいて圧力室に連通するように設けたノズル孔から、圧力室に収容されたインクを記録媒体に吐出させて記録を行うように構成したものである。
これによって、高性能かつ高精度な吐出性能を有するインクジェット式記録装置を提供することができる。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドの要部を模式的に示す要部断面図である。
図1において、Aは圧力室部材、Bは圧電体素子部、Cはインク流路部材、Dはノズル板である。
圧力室部材Aには、その厚み方向に(上下方向に)貫通する圧力発生室2の開口部1a及び開口部1bが形成されている。
開口部1a側では、上電極6、圧電体層5、下電極4で構成される圧電体素子部Bに対して、第1の振動板3aと第2の振動板3bを備える振動板3が圧力発生室2の開口部1aを覆うように配置され、一方、開口部1bを覆うようにインク流路部材Cが配置されている。このように、実質的に圧力室部材Aによって規定される圧力発生室2の開口部1a及び開口部1bは、その上下にそれぞれ位置する振動板3及びインク流路部材Cにより閉塞されることで圧力発生室2とされている。
インク流路部材Cは、インク供給方向(図1の紙面に対して垂直な方向)に並ぶ圧力発生室2(図3を参照。図3では方向Iに並んでいる)で共用する共通液室105と、この共通液室105のインクを圧力発生室2に供給するための供給口106と、圧力発生室2のインクを吐出させるためのインク流路107とを有している。
ノズル板Dには、インク流路107に連通するノズル孔108が形成されている。
図2は本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドの圧電体素子部Bと圧力発生室2の配列及び平面位置関係を示す平面図である。
図3は本発明の実施の形態1に係る圧電体素子部B、振動板3、圧力室部材A等の構成及び配列を示す要部断面図である。図3は図2のQ−Q断面に相当する。なお、図1は図2のP−P断面に相当する。
以下、図2と図3を用いて、実施の形態1に係るインクジェットヘッドについて詳細に説明する。
図2において上電極6で覆われた領域は、図3に示すように圧電体層5、下電極4とオーバーラップされた領域となり、上電極6と下電極4間に電圧を印加することで圧電体層5が実質的に駆動される圧電体能動部9の領域を形成する。この圧電体能動部9の領域の外周から、略等距離間隔大きい相似形状により圧力発生室2の領域が形成される。即ち、圧電体能動部9の外側に圧力発生室2の外縁(言い換えれば開口部1aの外縁)が存在する。
この構成により圧電体層5の変位を圧力発生室2に充填されたインクに均一に効率よく伝えることができ、高くて安定した吐出性能が発揮できる。更に圧電体素子部Bを高密度に配列することができ、インクジェットヘッドの高密度化が図れる。
また上電極6はリード配線7と接続され、リード配線7の他端のパッド部(図示せず)において、FPCとの実装配線や、ワイヤーボンディングにより配線され、電源部(図示せず)からの給電を行う。リード配線7は上電極6を形成するプロセスにおいて、上電極6から延設して形成されてもよいが、より導電性の高いAu等の配線を別のプロセスで形成し、上電極6と接続する方法をとってもよい。またリード配線7と下電極4がオーバーラップする場合は、その間にSiO2等の酸化物やポリイミド等の有機絶縁材料を形成して絶縁体層11を形成する。絶縁体層11は上下電極のいずれかと圧電体層5の間に形成され、圧電体能動部9の領域より外側の領域に形成される。
圧力発生室2は幅方向(方向I)に所定の間隔をあけて並設されていて、各圧力発生室2に挟まれた圧力室隔壁8(図1に示す圧力室部材Aの一部をなし、圧力室部材Aと一体に形成されている。以降特に指定せずに「圧力室部材A」と呼称する場合は、「圧力室部材A」には「圧力室隔壁8」が含まれるものとする)により独立して形成されている。この圧力室隔壁8の幅方向(方向I)の断面形状は、振動板3と接している方(開口部1a側)が広く、開口部1bに向かって狭くなる台形形状をなしている。これにより圧電体層5の変位によりインクを吐出する場合に、インクのスムーズな流体の流れが確保できる。この構成と上下が逆の形状の場合は圧力室隔壁8の振動板3近傍に気泡が発生しやすくなり、不吐出や高周波領域における吐出の追従性が著しく悪くなる。また図2のP−P断面である図1において、圧力室部材Aの形状も、上述のように開口部1a側を広く、開口部1b側が狭くすることが好ましい。
振動板3は圧力室部材A(図1参照)の開口部1aを覆うように形成され、圧力室隔壁8とともに、圧力発生室2を形成している。振動板3は上電極6、圧電体層5、下電極4で構成される圧電体素子部Bに発生した機械的な変位エネルギーを有効に圧力発生室2に伝達する役割を有している。
実施の形態1において、振動板3は異なる材料によって構成された第1の振動板3aと第2の振動板3bによる積層構造を有し、更に圧力発生室2に面し、インクと接する部分である第2の振動板3bは圧力室部材Aと、主成分が同一の材料により構成されている。積層構造に用いられる各層の材料としてはセラミックスや樹脂等の有機材料を用いることも可能だが、振動板3に求められる剛性や強度、更にセラミックスではクラック等が生じる恐れがあることから金属膜を選択することが好ましい。また圧電体素子部Bの変位をより有効に伝達するため、振動の中立面をなるべく圧電体素子部Bから離間させることが、設計的に有効とされており、振動板3を積層構造とすることで実質的にインクを吐出する機械力を発生する第2の振動板3bを、圧電体素子部Bから離間させるための自由度が高くなる。また圧電体層5に近い側に配置された第1の振動板3aにヤング率が小さく、柔らかい金属を用いることで、プロセス時の応力により圧電体層5に生じるクラックを防止する効果がある。
ただし圧電体層5で生じた変位からより大きな発生圧力を取り出すためには、ヤング率が高く剛性が高い材料や弾性変形の領域が大きい脆性材料の方が有効である。このため実施の形態1では、異なる材料の組み合わせを行う場合に、圧電体素子部B側に設けられる第1の振動板3aを構成する金属膜を、第2の振動板3bを構成する金属膜と比較してヤング率が小さい金属膜を配置し、振動板3のトータルのエネルギー伝達効率とプロセス応力による圧電体層5のクラック防止の両立を図っている。
圧電体素子部B側に形成する第1の振動板3aの材料としては、Au、Cu、Al等が用いられ、圧力発生室2側に形成する第2の振動板3bの材料としては、Cr、Mo、Ti、W、Pt、Ir及びその合金等が好ましい。
また加工性やヤング率を考慮して適当な材料であれば、セラミックスや樹脂等の有機材料を用いることも可能であり、ZrO2、SiO2、SiN、Al23等の無機セラミックス材料を用いてもよい。
更に実施の形態1では、上述の積層構造の振動板3の中間に樹脂膜10を配置することで、より信頼性の高い振動板3を構成している。
振動板3は圧力発生室2に充填されるインクと圧電体素子部Bの間に形成され、インクの圧電体素子部Bへの浸透を防止する役目も担っている。しかし、振動板3の各層を形成するプロセス途中に異物の混入が起こったりして、本来均一であるはずの膜に欠陥部ができた場合、インクが欠陥部から浸入して、圧電体素子部Bを破損させてしまうことがある。また振動板3の一部に多孔質のセラミックスを用いる場合や、膜厚が不均一な場合等、十分なカバレッジ性のない膜を使用する場合は、長期間の使用中に振動板3に浸透するインクを防ぐことができずに、インクが圧電体素子部Bまで達してしまう。通常、金属膜やセラミックス膜では製法上の制約もあり、微小な欠陥に対するカバレッジが悪いため、これらの問題を防ぐことは困難であった。
実施の形態1ではアクリル系の電着樹脂等を使い、上述した第1の振動板3aと第2の振動板3bの間に、電着形成法で樹脂膜10を形成するようにしている。これによって特にインクと接する第2の振動板3bの欠陥部に樹脂を浸透させ、更にアニール処理等を行うことにより欠陥部を埋めて硬化させ、そこからのインクの浸入を防ぐことができる。また樹脂膜は柔らかくて弾性を有しているため、積層した膜に生じた応力を緩和することができ、製造工程において圧電体層5の割れやクラックを防止する効果もある。
しかしながら樹脂膜10を形成した後に、第2の振動板3bとして圧力室部材Aと主成分が同一の材料の金属膜を形成し、この振動板3に対して、更に圧力室部材Aを形成する場合、樹脂膜10と第2の振動板3bの間が密着性不足となり、これらの間で剥離が起こることがある。その場合、樹脂膜10と、圧力室部材Aと主成分が同一の材料で構成された第2の振動板3bとしての金属膜の間に、更に異なる材料で構成される密着層(図示せず)を設けることが有効である。
さて、実施の形態1では、インクと接する第2の振動板3bと圧力室部材Aは主成分が同一の材料により構成されている。これは第2の振動板3bに対して圧力室部材Aを直接形成することによって得られる。具体的な直接形成の方法としては、例えば第2の振動板3bと同一材料をスパッタ法、真空蒸着法、レーザーアブレーション法、イオンプレーティング法、MBE法、MOCVD法、プラズマCVD法等の気相成長法により第2の振動板3b上に順次堆積して形成し、その後所定のパターンにエッチング等の加工法により形成する方法や、所定のパターンをレジスト等で形成した後、電鋳メッキ法等の液中での堆積法により、第2の振動板3b上に順次堆積して形成する方法等が考えられる。
また最近研究が進んでいる工法として、高真空中で接合する金属面同士を清浄化したのち、押圧して原子レベルで2つの接合面を接合する直接接合法がある。いずれの直接形成法においても接着剤が不要なため、工程のばらつきによる接着強度や接着精度のばらつきが極力少ないという利点がある。また接着剤を使用して第2の振動板3bと圧力室部材Aを接合した場合は、接着樹脂のはみ出しが生じるため、圧力発生室2にインクを充填した場合に、インクと反応して溶解や剥離が起こり、ノズル孔での目詰まりの原因になっていた。また接着強度の問題があるため、接着面積をある程度確保する必要性から圧力発生室2の高密度化に限界が生じていた。これに対して上記の直接形成法ではフォトリソグラフィー法が適用でき、接着強度も十分なため高密度化が容易である。
実施の形態1では、圧力発生室2の形状の制御性や圧力室部材Aの剛性を確保しやすいといった観点から、電気メッキ法により圧力室部材Aを形成した。圧力発生室2と接する第2の振動板3bをスパッタ法を用いてNiで形成し、これを電気メッキ法を行う上でのシード層として活用し、Ni電気メッキにより圧力室部材Aを形成した。Ni以外にも第2の振動板3bを構成する材料に合わせて、CrやCu及びそれらの合金を用いることも可能である。圧力室部材Aの物性を考慮して選択することが可能である。主として用いられるのは、Niを主成分とした電気メッキが物性値として好適である。この具体例は後に詳細に説明する。
圧力室部材の高度(Hv)は400〜600の範囲が適当で、これより低いと部材の剛性不足となり吐出特性に影響を与える。またこれより大きいとメッキ後の研削加工を行う場合に加工性が悪くなり、開口部1a、開口部1bの形状が乱れたり、加工応力により圧電体素子部Bにダメージを与える場合がある。また硬度(Hv)の制御や加工性の確保のため、Ni電鋳を行う場合に少量の添加物を入れる場合がある。これらの添加物としてはCo、Mo、Ru等が適当で、メッキ後に部材に微量が含まれることになる。
圧力発生室2の形状は電気メッキを行う前のレジスト材料や形成条件、電気メッキの形成条件によって制御が可能で、実施の形態1では振動板3側の方の幅が狭く、開口部1bに向けて幅広になる台形形状となっている。また上記の形状を形成する作成条件では通常、長手方向(方向II(図2参照)、及び図1に示す圧力室部材Aの形状を参照)の断面においても同様に振動板3側の方の幅が狭く、開口部1bに向けて幅広になる台形形状となっている。圧電体素子部Bの変位からインクに伝えるエネルギーを大きくするためには、図2で示すような細長い圧力発生室2の形状を採用することが多く、圧力発生室2の短手方向(方向I)の断面形状がより吐出時の気泡発生に寄与しやすい。このため短手方向(方向I)の形状を制御することが重要である。長手方向(方向II)も短手方向(方向I)と同様の形状がより好ましい。
圧力室部材Aは開口部1b側でインク流路部材Cと接着されるが、接着時の接着強度や均一性を確保する必要がある。このとき接着面の表面状態が重要であり、圧力室部材Aの加工後の表面粗さ等を面全体で把握することが重要である。表面粗さや表面の状況を総合的に判断する方法として、グラスメーターによる反射率を測定すると、反射率が60%以上の表面状態では接着後の剥離や樹脂のはみ出し量のばらつきが少なく、安定した接着状態となっていた。従って反射率測定と管理により圧力室部材Aの接着品質を安定させることができる。
以下、図4から図10を用いてインクジェットヘッドの製造方法について詳細に説明する。
図4は、本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドの製造方法における、圧電体素子部B、振動板3の形成工程を示す説明図である。
図4(a)に示すように、基板120上に、順次、密着層121、上電極103、圧電体層110、絶縁体層115を形成する。基板120はφ4インチのシリコンウエハからなる。この基板120は、Siに限るものではなく、ガラス基板や金属基板、セラミックス基板であってもよい。また、基板サイズもφ4インチに限るものではなく、Si基板であれば、φ2〜10インチのウエハであってもよい。密着層121は、基板120と上電極103との密着性を高めるために基板120と上電極103との間に形成する(必ずしも密着層121を形成する必要はない)。この密着層121は、後述の如く、基板120と同様に除去する。密着層121は、Tiターゲットを用いて、基板120を400℃に加熱しながら100Wの高周波電力を印加し、1Paのアルゴンガス中で、1分間形成することにより得られる。この密着層121の膜厚は0.02μmとなる。なお、密着層121の材料は、Tiに限らず、タンタル、鉄、コバルト、ニッケル若しくはクロム又はそれら(Tiを含む)の化合物であってもよい。また、膜厚は0.005〜0.2μmの範囲であればよい。
上電極103は、Ptターゲットを用い、基板120を600℃に加熱しながら1Paのアルゴンガス中において200Wの高周波電力で12分間形成することにより得られる。この成膜条件によって、上電極103の膜厚は0.2μmとなり、(111)面に配向する。なお、上電極103の材料はPt、イリジウム、パラジウム及びルテニウムの群から選ばれた少なくとも1種の貴金属又はそれらの化合物であればよく、膜厚は0.005〜2μmの範囲であればよい。
圧電体層110は、多元スパッタ装置を用いて作製した。ターゲットには、化学量論組成よりPb量の多いPZT(Zr/Ti=53/47,Pbが20モル%過剰)の焼結体ターゲットを用いた。真空中であらかじめヒーターにより基板加熱を行い、基板120の温度580℃で、アルゴンと酸素との混合雰囲気中(ガス体積比Ar:O2=15:5)において、真空度0.3Pa、高周波電力250Wの条件で180分間形成することにより、3μmの膜厚を堆積した。なお、この圧電体層110のZr/Ti組成は、Zr/Ti=30/70〜70/30であればよく、膜厚は、1〜10μmの範囲であればよい。また、圧電体層110の構成材料は、PZTにLa、Sr、Nb、Al等の添加物を含有したもの等のように、PZTを主成分とする圧電材料が広く用いられており、PMNやPZNであってもよい。その後、絶縁体層115としての感光性ポリイミド樹脂をスピンコート法により塗布し、露光及び除去してから所定形状にパターン化した後、所定温度により焼成、硬化させる。絶縁体層115の例としては、SiO2等の無機材料をスパッタリング法により成膜、形成することも可能である。絶縁体層115は圧電体層110を実際に駆動する領域である圧電体能動部9(図2参照)の外側の領域になるリード配線7(図2参照)及びパッド部を覆うように所定の形状にパターンニングされる。
更に図4(b)に示すように、下電極112、振動板111をスパッタリング法により成膜して、積層する。また、振動板111の層間には樹脂層130が積層されている。
下電極112は、Ptターゲットを用いて、室温において1Paのアルゴンガス中200Wの高周波電力で10分間形成することにより得られる。この下電極112の膜厚は0.2μmとなる。なお、下電極112の材料はPtに限らず、導電性材料であればよく、膜厚は0.1〜0.5μmの範囲であればよい。
振動板111は、下電極112とは異なる金属膜を積層した構成となっており、例えば振動板111aはCuにより構成され、振動板111bはCrより構成される。振動板111aはCuターゲットを用いて、室温において1Paのアルゴンガス中200Wの高周波電力で170分間形成することにより得られる。この振動板111aの膜厚は1.5μmとなる。振動板111bはCrターゲットを用いて、室温において1Paのアルゴンガス中200Wの高周波電力で220分間形成することにより得られる。この振動板111bの膜厚は2μmとなる。振動板111a、振動板111bの材料は、CuやCrに限らず、ニッケル、アルミニウム、タンタル、タングステン、シリコン又はこれらの酸化物若しくは窒化物(例えば二酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、窒化シリコン)等であってもよい。また、振動板111全体の膜厚は1〜10μmであればよい。また下電極112に近い方に設けられる振動板111aは他方の振動板111bよりヤング率が小さい材料を用いることが好ましい。これにより積層体の作成時に圧電体層110の応力集中が緩和され、安定したプロセスが構築できる。また圧電体層110の変位面がより外側に設定されるため、より効率的なエネルギーの発生が得られる。
振動板111として積層する材料の1つをアルミナ、酸化ジルコニウム等の酸化物や窒化シリコン等の窒化物からなる無機セラミックス材料や鋳鉄、タングステン等の室温で応力に対して脆性破壊を示す脆性材料によって構成することで、圧電体層110の機械的な変位エネルギーから大きな発生圧力を得ることが可能となる。これらの材料を、用いられるインクやヘッド構造によって適当な材料により積層することにより、作成時のプロセス最適化とインク吐出の最適化が可能となる。
厚み1μmのアクリル樹脂系の樹脂層130が、振動板111bと振動板111cの間に形成される。この樹脂層130の形成は電着法により形成される。スピンコーターによる塗布や他の形成法により形成しても良いが、電着法が異物や欠陥に対するカバレッジ性能に優れているためより好適である。電着液としては、アクリル樹脂系水分散液に0〜50重量部の純水を加え、良く攪拌混合した溶液を使用する。電着条件は、液温約25℃、直流電圧30V、通電時間20秒によりなされる。この条件下で約1〜1.5μmのアクリル樹脂を、振動板111b薄膜上に電着樹脂膜として形成する。樹脂層130によりインクの浸透を防ぐとともに積層体の応力緩和が図れ、圧電体層110のクラックを防止できる。なお樹脂層130は振動板111の積層膜のどの層間に形成しても良いが、電着法により形成する場合は振動板を電極として用いる必要から、金属膜としての振動板を少なくとも1層形成した後に形成することが好ましい。また後述する圧力室部材Aと同一材料の膜を形成する前に形成することにより、応力緩和層として機能するためより好適である。
また圧力室部材Aと主成分が同一の材料の膜を樹脂層130上に形成する場合に、樹脂層130と密着性が悪く、プロセス中に剥離等が起こる場合は密着層(図示せず)として、別の材料による金属層を形成する場合もある。これによって樹脂層130との密着性がより高くなり、プロセス安定性が高い構成となる。密着層としては樹脂層130との相性を考慮して選択され、CrやTi、Mo等が用いられる。
振動板111cは振動板111の最外周側(即ち、図3等に示す圧力発生室2側)に積層される層で、圧力室部材Aと主成分が同一の材料により形成される。実施の形態1では圧力室部材AをNiの電気メッキ法により形成するため、振動板111cとしては、例えば厚みを0.5μmとするNiの金属膜をスパッタ法により形成する。この振動板111cのNi金属膜はNi電気メッキにおけるシード層としての機能も有し、この上に圧力室部材Aが電気メッキ法により直接形成される。
他に用いられる直接形成法として、例えばスパッタ法により圧力室部材Aを振動板111c上に堆積して形成する場合においても、圧力室部材Aと振動板111cの材料は基本的に同一である。またこれらが金属以外の材料においても同様の構成を取るように、圧力室部材Aの形成法を適宜選択することにより効果が得られる。
ここで、電気メッキ法によって圧力室部材Aを形成する際に、硬度(Hv)の制御や加工性の確保のため少量の添加物を用いる場合がある。この添加物は、既に述べたようにCo、Mo、Ruのいずれかが好ましいが、これらの添加物の量は微量であり、いずれにしても振動板111cと圧力室部材Aを構成する材料の主成分は同一である。
もちろん、添加物を用いず、振動板111cと圧力室部材Aを構成する材料を同一としてもよい。
図5は、本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドの製造方法における、圧力室部材Aの形成工程を示す説明図である。
以降、圧力室部材A(以降、圧力室部材140と呼称する)を振動板111上に形成する方法について図5(a)から(e)を用いて説明する。
まず図5(a)において振動板111までが積層された基板120を脱脂処理した後に、振動板111上にレジスト180を塗布する。形成するレジスト厚みは例えば160μmとなるので、通常はドライフィルムタイプのレジストを貼り付ける。実施の形態1では、東京応化社製のORDYL MP108の80μm厚みのドライフィルムレジストを2層積層して160μmの厚みを形成した。
次に、所定の圧力室形状がパターンされたフォトマスクを用いてドライフィルムレジスト180を露光、現像して所定のレジストパターンを形成する。ここでドライフィルムレジスト180の材料の選択、露光、現像条件の最適化により、図5(b)のような基板側からレジスト塗布方向に断面形状が逆テーパーとなるような形状を形成する。ドライフィルムレジスト180はネガタイプのものを使用し、露光条件はミカサ社製のMP20型露光器を用い、500Wの超高圧水銀灯による平行露光装置で40秒露光し、現像条件は30℃の濃度0.1%炭酸ナトリウム水溶液中で1分間の処理時間により現像を行った。露光時間や現像時間を長くすることで、テーパー角度を大きくすることができ、レジスト材料の選択によりレジスト形状を変えることが可能である。実施の形態1では160μmのレジスト高さにおいて、上下のレジストの幅の差が0〜30μmの範囲で調整可能であり、用途によって決定される。
次に、図5(c)に示すように、振動板111上のレジストパターンが除去された部分にNi電気メッキによりNiを材料とする圧力室部材140を堆積していく。まず前処理として脱脂処理を行う。脱脂処理液としては界面活性剤(ワールドメタル社製L505−B)を純水との比で1:5の割合で混合したものを用意し、40℃の液温で1分の処理を行う。脱脂した基板は純水によりリンス、洗浄した後に酸洗浄を行う。酸洗浄液としては10%濃度の塩酸水を用意し、40℃の液温で30秒の処理を行う。塩酸水で処理した基板は純水によりリンス、洗浄を行う。
図6は、本発明の実施の形態1において、Ni電気メッキの装置構成を示す構成図である。
以降、図6を用いてNi電気メッキ装置及び電気メッキの工程について具体的に説明する。
図6に示すNi電気メッキ装置のカソード電極210の所定の位置にワーク190を固定し、カソード電極210と導通した状態にしてセッティングを行う。次にカソード電極210をメッキ槽200にセットし、メッキ液205中で遮蔽板230を挟んで、アノード電極220との間に整流器240により電圧を印加、通電して、メッキを行う。
図6に示すメッキ装置は、メッキ槽200とリザーブタンク250の間でメッキ液205を循環する構成となっており、メッキ槽200とリザーブタンク250の間には循環用のポンプ260、フィルター270、流量計280が設置されている。またリザーブタンク250ではヒーター255によりメッキ液を加熱し、メッキ液205を一定の温度に調整する。メッキ液205は液量100Lの薬液比率として、例えば60%スルファミン酸ニッケル56L、塩化ニッケル1.0kg、ホウ酸3.0kg、応力緩和剤(日本化学産業社製NSF−H−4)0.3L、ピット防止剤(日本化学産業社製ピットレスS)1.0Lを添加し、全体で100Lになるように純水を入れて調合した薬液を使用する。メッキ槽200とリザーブタンク250との薬液の比率は2:8に調整する。またメッキ後の硬度や光沢等を調整するために、少量の他の金属、例えばCo、Mo、Ru等を含む添加剤を入れる場合がある。これらの金属は堆積後にNi中に少量含有される。
圧力室部材140を形成するためのNi電気メッキの具体的条件としては、カソードとアノードとの電極間距離を85mm、循環の流量を5L/分、液温を40℃、PHを4.0〜4.5の範囲に保った状態で、電極間に印加する電流密度を8A/dm2に設定して、3時間のメッキを行うと180μmのNiが堆積された。完成したNiメッキ品を(株)エリオニクス社製の超微小押し込み硬さ試験機ENT110aにより硬度を測定すると、490Hvであった。圧力室部材140としては硬度が400Hvより小さいと、インクの吐出を行う場合に圧力室隔壁8(図3参照)の剛性が不足し、クロストークが生じる。また硬度が700Hvを超えると、後述する研削工程での加工性や、加工精度に悪影響を及ぼす。
実施の形態1では実際にNi電気メッキを行う基板とは別の試験片を用いて、堆積前と堆積後の試験片の反り量から応力を算出し、メッキ条件の最適化と工程管理を行っている。試験片は同じ基板と同じメッキ槽中に入れて堆積を行うが、メッキ槽に入っているメッキ液を一部取り出して、別の簡易的なメッキ槽で試験を行っても同様の結果が得られ、試験の効率化が図れる。
図7は、本発明の実施の形態1において、Ni電気メッキにおける電流密度と内部応力の関係を示す特性図である。
図8は、本発明の実施の形態1において、Ni電気メッキにおけるメッキ浴の温度と内部応力の関係を示す特性図である。
以降、図7と図8を用いて、試験片を使った試験により、電流密度と内部応力、メッキ浴の温度と内部応力との関係を調べた結果について説明する。
内部応力は基板に堆積したNi側を上として凸側をプラスの応力としている。メッキ条件としてはこの2つが内部応力に関係することがわかり、これらの条件を制御することが重要である。メッキ条件によって内部応力は調整可能であるが、メッキの応力は積層した圧電体層110にストレスを与え、メッキ後の状態では問題なくても、次工程以降、特に基板120の除去を行うと圧電体層110にクラックや割れが生じることがある。特に引っ張り側の応力(実施の形態1ではマイナスの内部応力)には弱い。種々の応力状態でインクジェットヘッドの試作を行った結果、メッキ時の内部応力としては−50〜+100MPaの範囲で行うと、工程でのクラックや割れが起こらないことがわかった。
この内部応力の範囲を満たす製造条件としては、図7に示すように電流密度では4〜12A/dm2、図8に示すようにメッキ浴の温度では30〜50℃の範囲で管理することによって、所定の内部応力の状態で管理が可能となる。
またこの範囲では応力が小さいため、メッキ後の光沢も良好であり、反射率についても良好な結果を示し、メッキ後の表面の反射率は60%以上であった。更に反り量が小さいことにより、研削後の形状や精度も良好である。
以降、図5に戻って、電気メッキ後の工程について説明を続ける。
次に、図5(d)に示すように、Ni電気メッキ法により形成した圧力室部材140を所定の高さに研削する。実施の形態1では圧力室部材140の高さが150μmになるようにディスコ社製の研削装置DAG810により、レジン砥石#320を用い、砥石回転数4000rpm、テーブル回転数300rpmで15μm/分の研削条件で加工を行う。
研削後はミノルタ社製のグロスメーターDP−300により、圧力室部材140の表面の反射率を測定する。測定箇所はレジスト180のない箇所で行い、反射率が60%以上である場合は品質上問題がないレベルである。それより反射率が小さい場合は次工程以降で接着力不足等の不具合が発生する可能性が高くなる。従って電鋳メッキの製造条件のばらつきや研削条件の再調整を行い、品質の安定性を維持する必要がある。
次に図5(e)に示すように、ドライフィルムレジスト180を除去して圧力発生室102を形成する。これによって圧力発生室102の周囲をとり囲む圧力室部材140が完成となる。ドライフィルムレジスト180の除去は剥離材である東京応化社製のMP2を用いて、温度60〜70℃の液温で3時間の浸漬を3回行い、途中でブラシ洗浄を併用してドライフィルムレジスト180を除去する。ドライフィルムレジスト180が完全に除去できたらワークの洗浄を行い、水洗後乾燥させ圧力室部材の完成となる。
次いで、圧電体素子の個別化の工程を行う。
図9は、本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドの製造方法における、基板除去、上電極個別化、圧電体層個別化の形成工程を示す説明図である。
まず、図9(a)に示すように、Si製の基板120及び密着層121をエッチング等により除去する(図9(a)は既に基板120と密着層121が除去された状態を示している)。エッチングを行う前に研削加工等によりあらかじめ基板120の一部を除去しておくことによりエッチング時間を短縮し、基板120を除去する時間を短くすることも可能である。
続いて、図9(b)に示すように、圧力室部材140によって周囲を囲まれた圧力発生室102に対向する領域、即ち圧電体能動部9(図2参照)に対応する部位の上電極103について、フォトリソグラフィー技術でエッチングし、各圧力発生室102毎に個別化する。この時同時に上電極103とともに、上電極103から延設されるリード配線7(図2参照)、電極パッド部(図示せず)を所定形状にエッチングして形成する。
そして、図9(c)に示すように、圧電体層110を所定形状になるように感光性樹脂を塗布及び現像して所定形状にパターンニングし、ドライエッチング法により圧電体素子の個別化を行う。これらエッチング後の上電極103と圧電体層110で形成された圧電体能動部9(図2参照)は、圧力発生室102に対向する領域に形成され、かつ上電極103及び圧電体層110の幅方向の中心が、対応する圧力発生室102の幅方向の中心に対し高精度に一致するように形成される。なお圧電体層110のエッチング形状は上電極103側が狭く、圧力発生室102側に徐々に広がっていく順テーパー台形形状(図示せず)になっている。また圧電体層110のエッチングはドライエッチングにより行ったが、ウェットエッチング法により形成しても良い。
このように上電極103及び圧電体層110を圧力発生室102毎に個別化して圧電体素子を形成する。なお実施の形態1では、圧力室部材140をNiを用いた電気メッキ法(電鋳メッキ)により形成したが、振動板111形成後に他の手法を用いて直接圧力室部材140を形成してもよい。
また実施の形態1では成膜用の基板120上に順次上電極103以下の膜を積層し、その後成膜用の基板120を除去する方法を用いたが、圧力室部材140の上に複数の層から構成される振動板111を形成し、順次下電極112、絶縁体層115、圧電体層110、上電極103を形成してもよい。その場合には圧力室部材140と振動板111は直接形成法により形成される。
図10は、本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドの製造方法における、インク流路部材及びノズル板の生成工程、インク流路部材とノズル板との接着工程、圧力室部材とインク流路部材との接着工程及び完成したインクジェットヘッドを示す説明図である。
次に、図10(a)に示すように、インク流路部材Cに共通液室105、供給口106及びインク流路107を形成するとともに、ノズル板Dにノズル孔108を形成する。次いで、図10(b)に示すように、インク流路部材Cとノズル板Dとを接着剤109を用いて接着する。
その後、図10(c)に示すように、圧力室部材Aの下端面又はインク流路部材Cの上端面に接着剤(図示せず)を転写し、圧力室部材Aとインク流路部材Cとのアライメント調整を行って、この両者を接着剤により接着する。
以上により、図10(d)に示すように、圧力室部材A、圧電体素子部B、インク流路部材C及びノズル板Dを持つインクジェットヘッドが完成する。
図11は、本発明の実施の形態1に係るインクジェット式記録装置の構成図である。
以降、本発明のインクジェットヘッドを搭載したインクジェット式記録装置について説明する。
このインクジェット式記録装置27は、上述してきたインクジェットヘッド28を備えている。このインクジェットヘッド28において圧力発生室に連通するように設けたノズル孔から該圧力発生室内のインクを記録媒体29(記録紙等)に吐出させて記録を行うように構成されている。
インクジェットヘッド28は、主走査方向Xに延びるキャリッジ軸30に設けられたキャリッジ31に搭載されていて、このキャリッジ31がキャリッジ軸30に沿って往復動するのに応じて主走査方向Xに往復動するように構成されている。このことで、キャリッジ31は、インクジェットヘッド28と記録媒体29とを主走査方向Xに相対移動させる相対移動手段を構成することになる。
また、このインクジェット式記録装置27は、上記記録媒体29をインクジェットヘッド28の主走査方向X(幅方向)と略垂直方向の副走査方向Yに移動させる複数のローラ32を備えている。このことで、複数のローラ32は、インクジェットヘッド28と記録媒体29とを副走査方向Yに相対移動させる相対移動手段を構成することになる。なお図11において、Zは上下方向である。
そして、インクジェットヘッド28がキャリッジ31により主走査方向Xに移動しているときに、インクジェットヘッド28のノズル孔からインクを記録媒体29に吐出させ、この一走査の記録が終了すると、上記ローラ32により記録媒体29を所定量移動させて次の一走査の記録を行う。
従って、このインクジェット式記録装置27は、上記実施の形態と同様のインクジェットヘッド28を備えているので、良好な印字性能を有している。
以上説明したように,本発明はインクジェットヘッド、インクジェットヘッドの製造方法、及びインクジェット式記録装置に最適である。
本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドの要部を模式的に示す要部断面図 本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドの圧電体素子部と圧力発生室の配列及び平面位置関係を示す平面図 本発明の実施の形態1に係る圧電体素子部、振動板、圧力室部材等の構成及び配列を示す要部断面図 本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドの製造方法における、圧電体素子部、振動板の形成工程を示す説明図 本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドの製造方法における、圧力室部材の形成工程を示す説明図 本発明の実施の形態1において、Ni電気メッキの装置構成を示す構成図 本発明の実施の形態1において、Ni電気メッキにおける電流密度と内部応力の関係を示す特性図 本発明の実施の形態1において、Ni電気メッキにおけるメッキ浴の温度と内部応力の関係を示す特性図 本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドの製造方法における、基板除去、上電極個別化、圧電体層個別化の形成工程を示す説明図 本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドの製造方法における、インク流路部材及びノズル板の生成工程、インク流路部材とノズル板との接着工程、圧力室部材とインク流路部材との接着工程及び完成したインクジェットヘッドを示す説明図 本発明の実施の形態1に係るインクジェット式記録装置の構成図
符号の説明
1a 開口部
1b 開口部
2 圧力発生室
3 振動板
3a 第1の振動板
3b 第2の振動板
4 下電極
5 圧電体層
6 上電極
7 リード配線
8 圧力室隔壁
9 圧電体能動部
10 樹脂膜
11 絶縁体層
27 インクジェット式記録装置
28 インクジェットヘッド
29 記録媒体
30 キャリッジ軸
31 キャリッジ(相対移動手段)
32 ローラ
102 圧力発生室
103 上電極
105 共通液室
106 供給口
107 インク流路
108 ノズル孔
109 接着剤
110 圧電体層
111 振動板
112 下電極
115 絶縁体層
120 基板
121 密着層
130 樹脂層
140 圧力室部材
180 レジスト、ドライフィルムレジスト
190 ワーク
200 メッキ槽
210 カソード電極
220 アノード電極
230 遮蔽板
240 整流器
250 リザーブタンク
255 ヒーター
260 ポンプ
270 フィルター
280 流量計
A 圧力室部材
B 圧電体素子部
C インク流路部材
D ノズル板

Claims (23)

  1. 圧電体素子と、
    この圧電体素子に設けられた振動板と、
    この振動板の前記圧電体素子とは反対側に設けられ、インクを収容する圧力室部材と、を備え、
    前記振動板を膜厚方向に少なくとも2つの異なる材料を積層して構成し、
    前記振動板のインクと接する部分と前記圧力室部材を、主成分が同一の材料で構成したインクジェットヘッド。
  2. 電極間に圧電体を備える圧電体素子と、
    この圧電体素子のいずれかの電極の面に設けられた振動板と、
    この振動板の前記圧電体素子とは反対側の面に設けられ、インクを収容する圧力室の隔壁を構成する圧力室部材とを備え、
    前記振動板を膜厚方向に少なくとも2つの異なる材料を積層して構成し、
    前記振動板のインクと接する層と前記圧力室部材を、主成分が同一の材料で構成したインクジェットヘッド。
  3. 請求項1又は請求項2記載のインクジェットヘッドであって、
    前記振動板の各層を異なる種類の金属膜で構成したインクジェットヘッド。
  4. 請求項1又は請求項2記載のインクジェットヘッドであって、
    前記振動板の各層の一を樹脂膜で構成したインクジェットヘッド。
  5. 請求項1又は請求項2記載のインクジェットヘッドであって、
    前記振動板において、前記圧電体素子側に設けられている金属膜のヤング率を他方の金属膜より小さくしたインクジェットヘッド。
  6. 請求項1又は請求項2記載のインクジェットヘッドであって、
    前記振動板の各層の一を脆性材料で構成したインクジェットヘッド。
  7. 請求項1又は請求項2記載のインクジェットヘッドであって、
    前記圧力室部材を主にNi、Cr、Cu又はそれらの合金で構成したインクジェットヘッド。
  8. 請求項1又は請求項2記載のインクジェットヘッドであって、
    前記圧力室部材を主にNiで構成するとともに、Co、Mo、Ruのいずれかを添加したインクジェットヘッド。
  9. 請求項1又は請求項2記載のインクジェットヘッドであって、
    前記圧力室部材の硬度(Hv)を400〜600としたインクジェットヘッド。
  10. 請求項1記載のインクジェットヘッドであって、
    前記圧電体素子は、
    一組の電極と、
    この電極間に設けられた圧電体で構成され、
    前記電極に覆われ、前記圧電体を実際に駆動する領域である圧電能動部の領域の外周から略等距離間隔大きい相似形状により形成された圧力室が複数列に並設されているインクジェットヘッド。
  11. 請求項2記載のインクジェットヘッドであって、
    前記電極に覆われ、前記圧電体を実際に駆動する領域である圧電能動部の領域の外周から略等距離間隔大きい相似形状により形成された圧力室が複数列に並設されているインクジェットヘッド。
  12. 請求項1又は請求項2記載のインクジェットヘッドであって、
    前記圧力室に挟まれた圧力室隔壁の断面形状を、前記振動板側が広く、前記圧力室の開口部に向かって狭くなる台形形状としたインクジェットヘッド。
  13. 請求項1又は請求項2記載のインクジェットヘッドであって、
    前記圧力室部材の開口部側表面の反射率を60%以上としたインクジェットヘッド。
  14. 電極間に圧電体を備える圧電体素子と、
    この圧電体素子のいずれかの電極の面に設けられた振動板と、
    この振動板の前記圧電体素子とは反対側の面に設けられ、インクを収容する圧力室の隔壁を構成する圧力室部材とを備え、
    前記圧電体素子の圧電効果により前記振動板を膜厚方向に変位させて上記圧力室のインクを吐出させるように構成されたインクジェットヘッドであって、
    前記圧力室部材を前記振動板に直接形成したインクジェットヘッド。
  15. 請求項14記載のインクジェットヘッドであって、
    前記圧力室部材を電気メッキ法によって前記振動板に直接形成したインクジェットヘッド。
  16. 請求項14記載のインクジェットヘッドであって、
    前記振動板が樹脂層を含み、前記樹脂層が電着法により形成されているインクジェットヘッド。
  17. 請求項16記載のインクジェットヘッドであって、
    前記樹脂層の上に前記圧力室部材と同一材料の金属膜が形成されているインクジェットヘッド。
  18. 請求項16記載のインクジェットヘッドであって、
    前記樹脂層の上に前記圧力室部材とは異なる材料で構成される密着層を設けたインクジェットヘッド。
  19. 電極間に圧電体を設けた圧電体素子と、
    この圧電体素子のいずれかの電極の面に設けられた振動板と、
    この振動板の圧電体素子とは反対側の面に設けられ、インクを収容する圧力室の隔壁を構成する圧力室部材とを備えたインクジェットヘッドの製造方法であって、
    前記振動板上にドライフィルムレジストを貼り付ける工程と、
    前記ドライフィルムレジストを露光、現像して所定のパターンに形成する工程と、
    前記パターンに前記ドライフィルムレジストの厚みより厚い膜厚で電気メッキ法により圧力室部材を形成する工程と、
    電気メッキ後に研削法により前記圧力室部材を所定の厚みにする工程と、
    前記ドライフィルムレジストを除去する工程と、を有するインクジェットヘッドの製造方法。
  20. 請求項19記載のインクジェットヘッドの製造方法であって、
    前記電気メッキ法により前記圧力室部材を形成する工程において、印加する電流密度を4〜14A/dm2とするインクジェットヘッドの製造方法。
  21. 請求項19記載のインクジェットヘッドの製造方法であって、
    前記電気メッキ法により前記圧力室部材を形成する工程のメッキ浴の応力管理を、加工物とは別の試験片の反り量から算出した応力により行うようにしたインクジェットヘッドの製造方法。
  22. 請求項19記載のインクジェットヘッドの製造方法であって、
    前記電気メッキ法により前記圧力室部材を形成工程のメッキ浴の温度を30〜50℃としたインクジェットヘッドの製造方法。
  23. 請求項1〜請求項18のいずれか1項記載のインクジェットヘッドと、
    このインクジェットヘッドと記録媒体とを相対移動させる相対移動手段とを備え、
    この相対移動手段により前記インクジェットヘッドが前記記録媒体に対して相対移動しているときに、
    前記インクジェットヘッドにおいて前記圧力室に連通するように設けたノズル孔から、前記圧力室に収容されたインクを前記記録媒体に吐出させて記録を行うように構成したインクジェット式記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011062871A (ja) * 2009-09-16 2011-03-31 Seiko Epson Corp 液滴噴射ヘッド及び液滴噴射装置
JP2014184634A (ja) * 2013-03-22 2014-10-02 Seiko Epson Corp 流路ユニット、液体噴射ヘッド、液体噴射装置、及び、流路ユニットの製造方法
WO2020240776A1 (ja) 2019-05-30 2020-12-03 コニカミノルタ株式会社 インクジェットヘッドおよびその製造方法、ならびに画像形成装置

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