JP2007108394A - 現像剤量規制ブレード - Google Patents

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Abstract

【課題】トナー融着による現像スジを起こさず、さらに安定した電荷を付与することにより長期に渡って安定した画像形成ができる現像剤量規制ブレードを提供する。
【解決手段】弾性ゴム部材と支持部材からなり、該弾性ゴム部材の現像スリーブとの当接面の最表面で測定した超微小領域硬さAが0.15〜0.5mN/μm2であり、その芯央部での超微小領域硬さBが0.05〜0.20mN/μm2であり、その差A−Bが0.01mN/μm2以上であり、高硬度化層の厚みが5〜300μmであり、当接面における表面粗さRzjisが3〜25μmであって、かつ弾性ゴム部材の厚みが0.3〜2mmとする。
【選択図】図1

Description

本発明は電子写真装置に使用される現像剤量規制ブレードに関するものである。
レーザービームプリンタ、複写機などの電子写真技術に広く用いられている現像装置としては一成分現像剤(トナー)が用いられている。このトナーは現像容器内に蓄えられ一部開口した形状をし、この開口部に現像スリーブと呼ばれるローラ形状の部材が装着され、この現像スリーブにトナーが担持され、担持されたトナーが電子写真感光体に対して搬出される。そしてこの現像スリーブには、現像剤量規制ブレードと呼ばれる装置がその板状部材の表面で当接されており、この当接部(ニップ部)に送り込まれたトナーが現像スリーブ上に均一で薄膜なトナー層を形成するとともに、トナーに所定の摩擦電荷が付与されている。
現像量規制ブレードは、一般にゴム板、金属製薄板、樹脂板及びこれらの積層体から形成されている。なお、近年の電子写真技術の進展に伴い、より安定したトナーへの摩擦電荷付与が求められることから、現像剤量規制ブレードとして、現像スリーブと接触するゴムブレード部材とこのゴムブレード部材を所定の位置に支持する支持部材から作製されたものが多用されている。このゴムブレード部材の現像スリーブに接触する面(当接面)はトナーの摩擦電荷を制御する機能を有することから電荷制御面と呼ばれている。また、その表層は電荷制御層とも呼ばれる。
当今、これらの電子写真のプロセスはさらに高速化、高画質化が進み、これに伴う現像剤量規制ブレードに由来する画像不良として、画像スジ、画像ムラが少なからず発生し、さらに現像スリーブ上にも現像に際してのトナー移動残像からの影響がかなり残り、現像剤量規制ブレードとの摩擦による該残像消去が不十分で、画像上にゴーストとなって現れる(以下、このゴーストも、現像剤量規制ブレードの画像不良の1つとして説明する)ので、これらを防ぐ技術が検討されている。
画像スジの発生は、ゴムブレード部材のゴムのべたつき、タック等により当接面へのトナー融着が大きな原因と考えられ、これを抑えるために様々な検討がされている。
例えば、ブレード部材の当接面のべたつきを抑え、トナー融着を抑えて画像スジを制御する手段として、(1)ブレード部材の当接面に紫外線照射処理、コロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ処理等で、表面を酸化処理し、接触表面に酸化薄膜層を作る手段(特許文献1)や(2)ウレタンゴムの表面にシリコン層を含有させる手段(特許文献2)が知られている。これらの共通する点は表面に改質された層を有することであり、ブレード部材全体としては充分なゴム弾性の性質を持ちながら、表面には化学的に修飾され硬くて薄い層を有する。
ところが、(1)のような改質の手段においては追加の加工設備が多く必要であり、ランニングコストを低く抑えるのが困難で、さらにこれらの表面処理方法はその処理量のコントロールや処理の定量化・安定化が難しく、量産が困難である欠点がある。また、(2)においては、UV硬化性シリコン含有化合物に反応開始剤を添加し、それをウレタン製部材に含侵させた後、さらに当接部をUV処理するという多段階の工程を経なければならないという製造工程上の難点がある。すなわち、これら処理手段は簡便ではなく、その効果も下記の様にいまだ不十分である。
すなわち、(1)及び(2)の手段はゴム部材のタック性を低減させ、トナー融着とそれに由来する不具合を抑えるという点は解決できているが、同時に画像ムラ・ゴーストを低減させるには不十分である。
一方、画像ムラやゴーストを解決するために、ブレード部材の当接面の表面粗さをコントロールすることが検討されている。例えば、現像剤量規制ブレードのゴムブレード部材の当接部分の表面粗さRzを1.0〜1.5μmにする、好ましくは回転方向に対して略直角にスジをピッチ間隔5〜10μmで形成するという手段が提案されている(特許文献3)。しかしながら、この方法では現像スリーブ上に現像剤の均一な薄層を作ることが困難であり、その結果、画像ムラ、ゴーストの発生を完全に抑えることはできなかった。
以上のように、現像剤量規制ブレードに対して、画像スジ・ムラやゴーストの現象を解決するためには、複数の手段を組み合わせて行わなければならない。
近年の高画質化の要求に対応し、トナーには種々の外添剤が添加され、これが現像剤量規制ブレードの当接面へのトナーの融着やそれに由来する画像不良を起こす原因ともなっている。ところで、画像不良は確かにトナー融着を防止すると軽減されるが、それだけではまだ解決されない部分もあり、現像剤量規制ブレードには、トナーが融着するのを防止するだけでなく、これへの対応も求められている。
特開平11−052717号公報 特開2004−233818号公報 特開2000−330376号公報
すなわち、本発明は、トナー及びトナー外添剤が融着するのが防止されただけではなく、トナーに充分な帯電電荷を付与することが可能で、画像スジ、画像ムラ、ゴースト等の画像不良を起こさない現像剤量規制ブレードを提供することを課題とする。
本発明の課題は、以下の構成により達成される。
(1)剛性板状支持部材に板状弾性ゴム部材を接合した現像剤量規制ブレードであって、該板状弾性ゴム部材の現像スリーブとの当接面において、その最表面で測定した超微小領域硬さAが0.15〜0.5mN/μm2である高硬度化層が厚み5〜300μmで形成されており、高硬度化層ではない部分で測定した板状弾性ゴム部材の超微小領域硬さBが0.05〜0.2mN/μm2で、超微小領域硬さの差(A−B)が0.01mN/μm2以上であり、さらに、該当接面の十点平均粗さ(RzJIS)が3〜25μmであり、かつ、板状弾性ゴム部材の厚みが0.3〜2mmであることを特徴とする現像剤量規制ブレード。
(2)板状弾性ゴム部材がウレタンゴムからなり、高硬度化層がイソシアネート化合物の含侵によって形成されたものである上記(1)の現像剤量規制ブレード。
本発明により、現像剤容器から現像剤を排出されてスリーブ上に均一にトナー層を形成する現像剤量規制ブレードにおいて、均一なトナー層を形成することができ、さらにトナーがブレード上に融着することなく、充分な帯電電荷を付与することができ、長期に渡って安定した画像形成が可能となる。
本発明は、電子写真装置内で、現像スリーブ上への現像剤(トナー)の量を規制するために用いられる現像剤量規制ブレードに関するものである。
本発明の現像剤量規制ブレードの概略断面図を図1に、また、本発明の現像剤量規制ブレードが現像スリーブと当接している状態の概略断面図(要部)を図2に示す。
本発明の現像剤量規制ブレード14は、板状弾性ゴム部材10に板状の支持部材11が装着された構成を有している。そして、この板状弾性ゴム部材10の少なくとも現像スリーブと当接する部分の表面層(高硬度化層)12が高硬度であり、表面層12より柔らかい、すなわち、高硬度化層ではない部分(内部層)13が形成されている。なお、板状弾性ゴム部材10は、その材料はゴム原料であれば特に限定されないが、用途上、耐磨耗性の良さ等からウレタンゴムが好ましい。
現像スリーブ20上に現像剤量規制ブレード14が板状弾性ゴム部材10の高硬度化層12と当接部22で当接して装着されている。現像剤21は現像スリーブ20の矢印方向の回転によって搬送され、当接された板状弾性ゴム部材10によってその量が規制される。さらに現像剤粒子21が当接部22に形成される通過間隙で摩擦することにより、所定の摩擦帯電が付与され、感光体まで均一に現像剤が搬送される。この時、板状弾性ゴム部材10は現像スリーブ20との当接部22で、高硬度化層(表層部)12と内部層13に分かれている。なお、これら図1、図2において、高硬度化層を現像スリーブとの当接する側だけでなく、逆の側にも設けた例を示したが、当接する側にのみ設けたものも本発明では使用可能であり、柔軟性が大きくて好ましいこともある。
この板状弾性ゴム部材の当接部での最表面の硬さ及び同内部層の硬さは、株式会社島津製作所製の島津ダイナミック微小硬度計 DUH−W201S(商品名)のような超微小領域の硬さを測定する装置により測定される硬さ(本発明において、「超微小領域硬さ」という)で規定したとき、当接部の最表面で測定した超微小領域硬さAが0.15〜0.5mN/μm2であり、内部層で測定した超微小領域硬さBが0.05〜0.2mN/μm2の範囲にあることが必須であり、かつ、その差(A−B)が0.01mN/μm2以上である。なお、内部層で測定した超微小領域硬さBは、通常、該板状弾性ゴム部材を当接面にほぼ垂直に裁断し、その裁断面において高硬度化層から十分はなれたところで測定される。簡便のために、表面に高硬度化層を形成する前の万丈弾性ゴム部材で測定してもよいし、板状弾性ゴム部材の高硬度化層が形成されていない箇所でほぼ垂直に裁断して、その中央部で測定してもよい。
最表面で測定した超微小領域硬さAが0.15mN/μm2を下回ると摩擦が大きくなり、さらにさらにべたつきが起こってしまい、耐久使用で融着が発生する。これは画像不良の原因となる。一方、硬くなりすぎ0.5mN/μm2を上回ると耐久中にトナー劣化を起こし、画像スジを起こす。また、高硬度でスリーブとのニップ幅が充分に取れず、トナーへの帯電不良も発生する。
次に当接面内部層で測定した超微小領域硬さBが0.05mN/μm2を下回った場合、軟らかくなりすぎてスリーブへの当接圧が不十分になってしまうため、トナーへの充分な帯電ができない。また、0.2mN/μm2を上回ると、ブレード本体そのものが硬くなりすぎるので、これもトナーが耐久劣化し画像スジの発生原因となる。
本発明では、少なくとも当接面で表面が内部よりも充分に高硬度化されている必要があるが、現像スリーブとの当接面での表面と内部の硬さの差(A−B)が0.01mN/μm2未満と小さい場合には、最表面が高硬度である効果が充分に発揮できない。
また、板状弾性ゴム部材の厚みは0.3〜2mmとする。0.3mmを下回ると現像スリーブへの当接が不十分になり、トナーへ充分な帯電ができない。一方2mmを上回ると当接圧が大きくなりすぎ、トナーの摩擦帯電が大きくなりすぎる。
板状弾性ゴム部材は、少なくとも現像スリーブと当接する面がその内部より高硬度となっているのであるが、そのためには通常表面処理や硬化処理を行なう。その際に硬化処理されて形成される高硬度化層は、摺擦されて磨耗した際にも十分その硬度を有し、かつ、摩耗に対しての抵抗性も要求される。薄すぎると高硬度化層(改質層)が摩耗して無くなり、当接部の内部層が出てしまう。一方、厚すぎる場合にはこの層は硬いため、板状弾性ゴム部材には高硬度化層性質が支配的に現れ、該部材として必要なゴム弾性が失われてしまう。したがって、高硬度化層の厚みとしては5〜300μmの範囲が適している。
また、該当接面の最表面で十点平均粗さRzJISが3〜25μmであることが、ゴースト発生が低減され、現像剤への帯電付与効果から好ましい。
本発明の現像剤量規制ブレードは、その使用環境上、常に回転体と接触し摩擦し続けるために、板状弾性ゴム部材は耐磨耗性の良い材料で形成されていることが望まれ、その材料として、この条件を満足するものであれば特に限定されないが、性能のよさ、加工の容易さ等から主にウレタンゴムが使用される。
ウレタンゴムは、ポリイソシアネートと高分子量ポリオールを、必要により硬化剤として低分子量2価アルコールや3価以上の多価アルコール等を用い、触媒の存在下あるいは非存在下に熱硬化することにより製造される。
本発明では、ポリイソシアネートとして、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシナネート(H−MDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、カルボジイミド変性MDI、ポリメチレンフェニルポリイソシアネート、オルトトルイジンイソシアネート(TODI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PDI)、リジンジイソシアネートメチルエステル(LDI)等が、単独であるいは二種類以上併用して、使用される。
また、高分子量ポリオールとして、例えば、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリへキシレンアジペート、エチレンアジペートとブチレンアジペートとの共重合体、ポリカプロラクトン等のポリエステルポリオール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール等のポリエーテルポリオール等が使用可能である。これらの中では、分子量が1500〜3000程度であるものを用いるのが好ましい。分子量1500未満であると得られるウレタンゴムの物性が低下する傾向が見られ、分子量3000以上になるとプレポリマー粘度が高くなり、弾性ゴム部材成型の作業性が著しく悪くなる傾向が見られる。
また、硬化剤として、分子量300以下の低分子量2価アルコールや3価以上の多価アルコールを用いる。低分子量2価アルコールは、例えば、エチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール(DEG)、プロピレングリコール(PG)、1,4−ブタンジオール(BD)、ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール(HD)等であり、また、3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン(TMP)、1,2,6−ヘキサントリオール等の3官能脂肪族ポリオール、これら3官能脂肪族ポリオールにエチレンオキシド、ブチレンオキシドなどを付加したポリエーテルトリオール、これら3官能脂肪族ポリオールにラクトンなどを付加したポリエステルトリオール等が例示できる。これら硬化剤は単独で又は2種類以上混合して用いることができる。
本発明の現像剤量規制ブレードは以下のようにして製造される。
まず、弾性ゴム部材原料を所定の厚みのシート状に形成し、加硫硬化して弾性ゴムシートを得、次いで、この弾性ゴムシートを所定の形状に切り出して、表面未硬化の板状弾性ゴム部材を得る。そして、必要によりトリミングを施した後、剛性板状支持部材に接着剤により貼着し、その後、少なくとも現像スリーブと当接する面を硬度化処理して、板状弾性ゴム部材が一体化された現像剤量規制ブレードを得る。なお、その後に必要により研磨等により表面粗さを整える。
表面未硬化の板状弾性ゴム部材は、弾性ゴム部材原料を所定の形状の金型に注入加硫硬化して製造することも可能である。また、この際は、表層部を弾性ゴム部材原料加硫により得られる弾性ゴム部材よりも高硬度になる、あるいは、高硬度である材料により形成することにより、表面硬化処理済の弾性ゴム部材が得られる。このような場合には、剛性板状支持部材に貼着後に表面硬化処理する必要はない。また、弾性ゴム部材原料をシート状成形あるいは金型成形で加硫硬化に際し、表面と内部との間で、本発明所定の超微小領域硬度の差が達成されているような場合は、改めて表面処理をすることは不要であるが、耐摩耗性等の観点から表面硬化処理が望ましい。
本発明では、上述したように現像剤量規制ブレードとして、板状弾性ゴム部材がウレタンゴム製であることが望ましく、そのような現像剤量規制ブレードは、これに限定されないが、次のようにして製造できる。
ポリオール、ポリイソシアネート及び触媒を混合したウレタンゴム原料を遠心成形機に投入する。後に、110〜150℃で硬化し、脱型してシート状の部材を得る。さらにこれを短冊状に切断して剛性板状支持部材と接着して、表面が未硬化である現像剤量規制ブレードが作製される。
表面の高硬度化層の形成方法について、特に限定されないが、ウレタンゴムの表面にポリイソシアネートを含浸させて、加熱硬化によることが高硬度化層に耐摩耗性が付与されるので、適当である。その含浸方法としては、液状のポリイソシアネートを塗布する、液状のポリイソシアネートに浸漬する等があり、また、高硬度化面の形成も片面にする際には高硬度化面を形成する側とは逆の面をマスキングしておき、高硬度化処理の後にマスキングを外す。
例えば、ポリイソシアネートして、MDI(4,4’,−ジフェニルメタンジイソシアネート)を使用して、両面から高硬度化層を形成する方法を示す。
恒温槽中でMDIを80℃に加熱して液状にし、ここに上述により作製したウレタンゴム製ブレードの現像スリーブとの当接面に相当する部分にMDIを0.5〜5分程度含侵する。その後溶剤洗浄して、表面のみが高硬度化されたブレード部材を得る。なお、表面の硬さやその表面層の厚みは、MDI槽の温度、含侵時間等によって変化させることが可能である。なお、片面のみに高硬度化層を形成する場合は、当接面にならない面をマスキングテープで保護したのちにウレタンゴム製ブレードをMDIに浸漬するとよい。
表面高硬度化により板状弾性ゴム部材の当接面が少なくとも2層化されているので、現像剤量規制ブレードのトナー融着の程度が低減される。この理由は、ゴムの表面が硬質樹脂に近い状態となり、タック性が極端に落ちて、この性能が発揮できたと考えられる。
なお、この際の当接面の表面粗さ(十点平均粗さRzjis)が上述のように3〜25μmであることが好ましく、表面を高硬度化処理した後に、当接面をサンドペーパー等で研磨して、所望の表面粗さにする。なお、該当接面の表面粗さは画像出力時のゴーストに大きく反映され、特に、この表面粗さの範囲がゴースト発生を低減させるのに最適な領域である。この範囲にするには、サンドペーパーとして500〜2000番手を使用し、およそ5〜30秒の間摺擦することが適当である。なお、サンドペーパーによる摺擦法以外にも、サンドブラスト法、ショットブラスト法も挙げられ、場合によっては併用することも可能である。
以下に本発明の実施例を示すが、これは一例であり、本発明はこれらに限定されるものではない。
参考例1(表面未硬化の現像剤量規制ブレードの作製)
アジペート系ウレタンエラストマー(Mn2000 NCO6.25質量%)100重量部を予め80℃12時間の間、予熱したものと、1,4−ブタンジオール3.7重量部及びトリメチロールプロパン1.9重量部にTEDA1000ppmを混合したものを混合し、150℃に加温した遠心成型機に投入、40分間硬化して、厚み1.2mmのウレタンゴム製のシートを得た。このシートを幅12mm、長さ220mmに裁断し、後述の試験用のレーザービームプリンタ(LBP)に装着するのに適当な寸法に裁断され、成形された電気亜鉛めっき鋼板「ジンコート21」(商品名、新日本製鐵株式会社製)とフィルム状ホットメルト接着剤「エルファン−UH」(商品名:日本マタイ株式会社製)を用いて、接着して表面未硬化の現像剤量規制ブレード(以下、原料ブレードという)を得た。
参考例2〜4
遠心成形機に投入するポリウレタン原料の投入量を調節する他は参考例1と同様にして、厚み0.31mm(参考例2)、0.28mm(参考例3)又は2.1mm(参考例4)の表面未硬化の原料ブレードを作製した。
(超微小領域硬さの測定)
現像剤量規制ブレードの板状弾性ゴム部材の超微小領域硬さは、島津ダイナミック微小硬度計 DUH−W201S(商品名、株式会社島津製作所製)にて測定した。なお、表面の超微小領域硬さAは直接に、また、高硬度化層が形成されていない部分の超微小領域硬さBは板状弾性ゴム部材を裁断し、ほぼ中央部の未硬度化である部分にて測定した。この時、測定圧子としてTriangular115(商品名、株式会社島津製作所製)を用い、23℃、60%RHの環境下で各5回測定し、その平均値を超微小領域硬さとした。
(当接面の表面粗さRzjisの測定)
当接面表面粗さRzjisは、超深度レーザー顕微鏡VK−8510(商品名、キーエンス株式会社製)を用い、JIS B0601−1994に基づいて測定した。
(高硬度化層の厚みの測定)
実装試験(下記)終了後に、現像剤量規制ブレードを裁断して、キーエンス社製のデジタルマイクロスコープVH−6200(商品名)で観察し、100倍に拡大して化学改質されて白化している層の厚みを測定した。
(画像評価)
下記で作製した現像剤量規制ブレードをLASER SHOT−LBP(商品名、キヤノン株式会社製)用のカートリッジに現像剤量規制ブレードとして組み込み、この装置にセットして、標準チャートを出力し、得られたチャート画像を目視により観察して、ゴースト、画像スジについて下記基準で評価し、これらの結果からさらに総合評価した。
・ゴースト
○:殆どわからない、△:実用範囲内、×:発生が明らかで実用不可。
・画像スジ
◎:発生せず、○:殆どわからない、△:実用範囲内、×:発生が明らかで実用不可。
・総合判断
◎:優良、○:実用上問題なく良好、△:ゴースト及び画像スジが実用範囲内以上、×:ゴースト、画像スジがいずれか一方でも「×」又は「評価不可」。
実施例1
参考例1で作製した原料ブレードの厚み1.2mmの板状弾性ゴム部材が現像スリーブと当接する部分を80℃のMDIに2分間浸して、引き上げたのちトルエンを含浸したガーゼで表面を拭い、さらに80℃で30分間処理して、表面を硬化させ、さらにサンドペーパーで硬化面を擦り、表面高硬度化層厚みが100μmであり、表面粗さRzjisが10μmで、表面の超微小領域硬さAが0.15mN/μm2である現像剤量規制ブレードを得た。なお、板状弾性ゴム部材の未硬度化部での超微小領域硬さBは0.10mN/μm2で、その差(A−B)は0.05mN/μm2であった。
実施例2
MDIの含浸時間を5分とする他は、実施例1と同様にして、超微小領域硬さAが0.50mN/μm2、超微小領域硬さBが0.10mN/μm2、その差(A−B)が0.40mN/μm2であり、表面高硬度化層厚みが200μmであり、かつ表面粗さRzjisが10μmである現像剤量規制ブレードを作成した。
実施例3
MDIの含浸時間を3分とする他は、実施例1と同様にして、超微小領域硬さAが0.30mN/μm2、超微小領域硬さBが0.10mN/μm2、その差(A−B)が0.20mN/μm2であり、表面高硬度化層厚みが150μmであり、かつ表面粗さRzjisが10μmである現像剤量規制ブレードを作成した。
実施例4
サンドペーパーによる研磨の程度を調整する他は、実施例3と同様にして、超微小領域硬さAが0.30mN/μm2、超微小領域硬さBが0.10mN/μm2、その差(A−B)が0.20mN/μm2であり、表面高硬度化層厚みが150μmであり、かつ表面粗さRzjisが3μmである現像剤量規制ブレードを作成した。
実施例5
サンドペーパーによる研磨の程度を調整する他は、実施例3と同様にして、超微小領域硬さAが0.30mN/μm2、超微小領域硬さBが0.10mN/μm2、その差(A−B)が0.20mN/μm2であり、表面高硬度化層厚みが150μmであり、かつ表面粗さRzjisが15μmである現像剤量規制ブレードを作成した。
実施例6
原料ブレードとして、参考例2で作製した原料ブレードの現像スリーブと当接しない面にセルロイド製の粘着テープでマスキングしたものを用い、実施例3同様にして、高硬度化層を形成したのち、マスキングを取り除いて、高硬度化層の表面の超微小領域硬さAが0.30mN/μm2、弾性ゴム部分の超微小領域硬さBが0.10mN/μm2、その差(A−B)が0.20mN/μm2であり、表面高硬度化層厚みが150μmであり、かつ表面粗さRzjisが10μmである現像剤量規制ブレードを作成した。
比較例1
MDIの含浸時間を1分とする他は、実施例1と同様にして、超微小領域硬さAが0.12mN/μm2、超微小領域硬さBが0.10mN/μm2、その差(A−B)が0.02mN/μm2であり、表面高硬度化層厚みが5μmであり、かつ表面粗さRzjisが10μmである現像剤量規制ブレードを作成した。
比較例2
MDIの含浸時間を10分とする他は、実施例1と同様にして、超微小領域硬さAが0.60mN/μm2、超微小領域硬さBが0.10mN/μm2、その差(A−B)が0.50mN/μm2であり、表面高硬度化層厚みが400μmであり、かつ表面粗さRzjisが10μmである現像剤量規制ブレードを作成した。
比較例3
サンドペーパーによる研磨の程度を調整する他は、実施例3と同様にして、超微小領域硬さAが0.30mN/μm2、超微小領域硬さBが0.10mN/μm2、その差(A−B)が0.20mN/μm2であり、表面高硬度化層厚みが150μmであり、かつ表面粗さRzjisが1μmである現像剤量規制ブレードを作成した。
比較例4
サンドペーパーによる研磨の程度を調整する他は、実施例3と同様にして、超微小領域硬さAが0.30mN/μm2、超微小領域硬さBが0.10mN/μm2、その差(A−B)が0.20mN/μm2であり、表面高硬度化層厚みが150μmであり、かつ表面粗さRzjisが30μmである現像剤量規制ブレードを作成した。
比較例5
原料ブレードとして、参考例3で作製した原料ブレードを用いる他は、実施例6と同様にして、超微小領域硬さAが0.30mN/μm2、高硬度化層が形成されていない面で測定した超微小領域硬さBが0.10mN/μm2、その差(A−B)が0.20mN/μm2であり、表面高硬度化層厚みが150μmであり、かつ表面粗さRzjisが10μmである現像剤量規制ブレードを作成した。
比較例6
原料ブレードとして、参考例4で作製した原料ブレードを用いる他は、実施例3と同様にして、超微小領域硬さAが0.30mN/μm2、超微小領域硬さBが0.10mN/μm2、その差(A−B)が0.20mN/μm2であり、表面高硬度化層厚みが150μmであり、かつ表面粗さRzjisが10μmである現像剤量規制ブレードを作成した。
上記実施例、比較例で得られた現像剤量規制ブレードをLBPに組み込み、上記評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2007108394
当接面表面の超微小領域硬さAが0.15〜0.50mN/μm2である高硬度化がされたもの(実施例1〜3)は、現像剤(トナー)が当接面へ融着し難く、それに由来する現像スジという画像不良が発生し難いことが明らかである。特に超微小領域硬さAが0.3mN/μm2付近にあるものが最も好ましい。一方、比較例1、2のようにその領域を外れるとこの効果が表れない。
当接面の表面粗さRzjisは実施例4、5及び比較例3、4にみられるように3〜25μmが適している。また、弾性板状ゴム部材の厚みが0.3mm以上あると充分な性能を発揮している(実施例6)が、0.3mmより小さい場合には当接圧が低くなりすぎて現像剤の規制ができず濃度ムラを発生し(比較例5)、2.0mmより大きくなると圧が大きくなりすぎるために評価中に現像剤の劣化を起こしてしまって耐久できず(比較例6)、評価できない結果となった。
本発明の現像量規制ブレードの概略断面図である。 本発明の現像量規制ブレードの使用状況を示す概略断面図である。
符号の説明
10 板状弾性ゴム部材
11 支持部材
12 高硬度化層
13 内部層
14 現像量規制ブレード
20 現像スリーブ
21 現像剤(トナー)
22 当接面

Claims (2)

  1. 剛性板状支持部材に板状弾性ゴム部材を接合した現像剤量規制ブレードであって、該板状弾性ゴム部材の現像スリーブとの当接面において、その最表面で測定した超微小領域硬さAが0.15〜0.5mN/μm2である高硬度化層が厚み5〜300μmで形成されており、高硬度化層ではない部分で測定した板状弾性ゴム部材の超微小領域硬さBが0.05〜0.2mN/μm2で、超微小領域硬さの差(A−B)が0.01mN/μm2以上であり、さらに、該当接面の十点平均粗さ(RzJIS)が3〜25μmであり、かつ、板状弾性ゴム部材の厚みが0.3〜2mmであることを特徴とする現像剤量規制ブレード。
  2. 板状弾性ゴム部材がウレタンゴムからなり、高硬度化層がイソシアネート化合物の含侵によって形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の現像剤量規制ブレード。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011185984A (ja) * 2010-03-04 2011-09-22 Ricoh Co Ltd クリーニングブレードとその製造方法及びクリーニングブレードを用いた画像形成装置並びにプロセスカートリッジ

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