JP7153187B2 - 現像ローラおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、現像ローラとその製造方法に関するものである。
たとえば、レーザープリンタ、静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、あるいはこれらの複合機などの、電子写真法を利用した画像形成装置においては、感光体の表面に形成される静電潜像をトナー像に現像するために、現像ローラが用いられる。
現像ローラとしては、たとえば、導電性を付与したゴム組成物を筒状に成形して架橋させたローラ本体と、金属等からなり、ローラ本体の中心の通孔に挿通されて固定されたシャフトとを含むもの等が用いられる。
現像ローラを用いた現像では、画像形成装置の、トナーを収容した現像部内に現像ローラを設け、当該現像ローラの、ローラ本体の外周面に量規制ブレード(帯電ブレード)の先端部を接触させた状態で、現像ローラを回転させる。
そうすると現像部内のトナーが帯電されて、ローラ本体の外周面に付着されるとともに、付着されたトナーが、ローラ本体の外周面と量規制ブレードの先端部とのニップ部を通過する際に付着量が規制されて、当該外周面に厚みがほぼ一定のトナー層が形成される。
また、並行して感光体の表面には、一様に帯電させたのち露光することで静電潜像が形成される。
次いで、この状態で現像ローラをさらに回転させて、トナー層を、感光体の表面の近傍に搬送すると、トナー層を形成するトナーが、感光体の表面に形成された静電潜像に応じて選択的に感光体の表面に移動して、静電潜像がトナー像に現像される。
現像ローラのローラ本体の、軸方向の端部は、ローラ本体の外周面に付着させたトナーが現像部外へ漏出するのを防止するために、シール部材によってシールされるのが一般的である。
シール部材は、たとえば、フェルト等によって形成され、現像部の筐体等に固定された状態で、回転する現像ローラの、ローラ本体の軸方向の端部の外周面に摺接される。
しかし、たとえば、8000枚程度の画像形成ごとにメンテナンスをするように設定された高耐久の画像形成装置(高耐久機)では、使用開始から最初のメンテナンスまでの間に、シール部材によってシールされたはずの端部からトナーが漏れる場合がある。
トナーの漏れは、画像形成を繰り返すことで、シール部材が摺接された、ローラ本体の軸方向の端部の外周面が摩耗して、シール部材との間に隙間を生じることで発生する。
また、たとえば、画像形成速度が高い画像形成装置(高速機)においては、画像形成を繰り返すと、シール部材とローラ本体の端部との摩擦によって、現像ローラが発熱する場合もある。
そこで、特許文献1においては、シール部材が摺接されるローラ本体の軸方向の端部を、シリコーンゴムを主体とする、摩擦係数の低いゴムによって形成して端部の外周面の摩耗を抑制することが検討されている。
また特許文献1では、さらに摩耗を抑制するために、上記端部を含むローラ本体の外周面の全面を、イソシアネート化合物の硬化物からなる表面処理層、もしくはウレタン等からなるコート層で被覆することも検討されている。
このうち表面処理層は、イソシアネート化合物を含む処理液を、ローラ本体の外周面の全面にデイップコート法、ロールコート法、スプレーコート法等の塗布方法によって塗布したのち、加熱してイソシアネート化合物を硬化反応させることで形成される。
またコート層は、たとえば、ウレタン、アクリルウレタン、ナイロン、NBR等を含む液状のコーティング剤を、同様の塗布方法によってローラ本体の外周面の全面に塗布したのち乾燥固化、あるいは加熱硬化等して形成される。
しかし、ローラ本体の端部を別のゴムで形成する場合には、ローラ本体の製造工程や形成材料が増加するため、現像ローラの生産性が低下したり、製造コストが高くついたりするといった課題がある。
また、ローラ本体の外周面の全面を表面処理層やコート層で被覆すると、ローラ本体の全体が硬くなり、量規制ブレードの先端部を接触させた際にニップ変形しにくくなって、ローラ本体の外周面に、厚みの均一なトナー層を形成できない場合を生じる。
また、前述したように表面処理層は処理液、コート層は液状のコーティング剤を用いて形成されるため、その形成過程においてホコリ等の異物の混入、厚みムラの発生等の様々な不具合を生じやすいという課題もある。
しかも、形成される表面処理層やコート層は、ローラ本体のニップ変形に追従できずに剥離して、ローラ本体の外周面から、比較的短期間で失われたりしやすい。
そして、表面処理層やコート層が短期間で失われてしまうと、前述したように、高耐久機での使用時の摩耗によるトナーの漏れや、高速機での使用時の発熱等を十分に抑制できない場合を生じる。
特許文献2においては、ローラ本体の端部の外周面の摩耗を抑制するために、当該端部を、選択的に、耐摩耗性材料層で被覆することが検討されている。
耐摩耗性材料層は、たとえば、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等を含む液状の塗料を、前出した塗布方法等によって塗布したのち乾燥固化、あるいは加熱硬化等して形成される。
また特許文献2では、ローラ本体の全面に上記塗料を塗布して樹脂層を形成するとともに、ローラ本体の端部のみ樹脂層を厚塗りして上記耐摩耗性材料層とすることも検討されている。
さらに特許文献3においては、現像ローラの発熱を抑制するために、ローラ本体を、金属ケイ素粒子を含むシリコーン系ゴムによって形成して熱伝導率を高めることが検討されている。
また特許文献3では、摩擦を低減して発熱をさらに抑制するために、ローラ本体の軸方向の端部の外周面を、含フッ素樹脂を含む端部保護層によって被覆することも検討されている。
さらに特許文献3では、ローラ本体の全面を、ウレタン樹脂を含むコート層で被覆することも検討されている。
しかし、特許文献2に記載の耐摩耗性材料層や樹脂層、あるいは特許文献3に記載の端部保護層やコート層についても、特許文献1に記載の表面処理層やコート層と同様の課題を有している。
すなわち、特許文献2に記載の耐摩耗性材料層や樹脂層は、前述したように液状の塗料を用いて形成されるため、それぞれの形成過程において様々な不具合を生じやすい。
しかも、形成された耐摩耗性材料層や樹脂層は、ローラ本体のニップ変形に追従できずに剥離して、ローラ本体の外周面から、比較的短期間で失われたりしやすい。
そして、とくに耐摩耗性材料層が短期間で失われてしまうと、やはり高耐久機での使用時の摩耗によるトナーの漏れや、高速機での使用時の発熱等を十分に抑制できない場合を生じる。
また、ローラ本体の外周面の全面を樹脂層で被覆した場合には、ローラ本体の全体が硬くなり、量規制ブレードの先端部を接触させた際にニップ変形しにくくなって、ローラ本体の外周面に、厚みの均一なトナー層を形成できない場合を生じる。
また、特許文献3に記載の端部保護層は含フッ素樹脂を含む液状の樹脂組成物、コート層は、ウレタン樹脂を含む液状の樹脂組成物を用いて形成されるため、やはりそれぞれの層の形成過程において様々な不具合を生じやすい。
しかも形成された端部保護層やコート層は、ローラ本体のニップ変形に追従できずに剥離して、ローラ本体の外周面から、比較的短期間で失われたりしやすい。
そして、とくに端部保護層が短期間で失われてしまうと、やはり高耐久機での使用時の摩耗によるトナーの漏れや、高速機での使用時の発熱等を十分に抑制できない場合を生じる。
また、ローラ本体の外周面の全面をコート層で被覆した場合には、ローラ本体の全体が硬くなり、量規制ブレードの先端部を接触させた際にニップ変形しにくくなって、ローラ本体の外周面に、厚みの均一なトナー層を形成できない場合を生じる。
なお以下では、特許文献1の表面処理層、コート層、特許文献2の耐摩耗性材料層、樹脂層、特許文献3の端部保護層、コート層など、ローラ本体の外周面上に被覆される、樹脂やゴム等からなる従来の層を「コーティング層」と総称する場合がある。
特開2001-222163号公報 特開平10-293453号公報 特開2018-59993号公報
本発明の目的は、ローラ本体の端部を別のゴムで形成したり、外周面にコーティング層を形成したりせずに、ローラ本体の全体を同一のゴム組成物の架橋物によって一体に形成した簡単な構造を維持しながら摩擦が低減されて、トナーの漏れや発熱を生じにくい現像ローラと、その製造方法を提供することにある。
本発明は、ゴム組成物の架橋物からなる筒状のローラ本体を含み、前記ローラ本体の、軸方向の端部には、前記ローラ本体の外周面より径方向の内方で、かつ当該外周面の近傍に、前記ゴム組成物の架橋物、およびイソシアネート基含有シラン化合物の硬化物を含み、前記外周面において露出された硬化領域を含むとともに、前記ローラ本体の、前記両端部間の中間部は、前記イソシアネート基含有シラン化合物の硬化物を含まない、ゴム組成物の架橋物のみからなる現像ローラである。
また本発明は、かかる本発明の現像ローラの製造方法であって、前記ゴム組成物を筒状に成形し、架橋させて前記ローラ本体を形成する工程、形成した前記ローラ本体の、前記端部の外周面に、少なくとも前記イソシアネート基含有シラン化合物を含む処理液を供給して、前記処理液を、前記外周面から、前記端部の径方向の内方へ選択的に含浸させる工程、および含浸させた前記処理液中の前記イソシアネート基含有シラン化合物を硬化反応させることにより、前記ローラ本体の、前記両端部間の中間部は、前記イソシアネート基含有シラン化合物の硬化物を含まない、ゴム組成物の架橋物のみによって形成しつつ、前記端部の、前記外周面より径方向の内方で、かつ当該外周面の近傍に、前記ゴム組成物の架橋物、および前記イソシアネート基含有シラン化合物の硬化物を含み、前記外周面において露出された前記硬化領域を形成する工程を含む現像ローラの製造方法である。
本発明によれば、ローラ本体の端部を別のゴムで形成したり、外周面にコーティング層を形成したりせずに、ローラ本体の全体を同一のゴム組成物の架橋物によって一体に形成した簡単な構造を維持しながら摩擦が低減されて、トナーの漏れや発熱を生じにくい現像ローラと、その製造方法を提供することができる。
図(a)は、本発明の現像ローラの、実施の形態の一例の外観を示す斜視図、図(b)は、図(a)の例の現像ローラのうち、ローラ本体の、軸方向の両方の端部の内部構造を模式的に示す断面図、図(c)は、図(a)の例の現像ローラのうち、ローラ本体の、上記端部間の領域(以下「中間部」と略記する場合がある。)の内部構造を模式的に示す断面図である。
《現像ローラおよびその製造方法》
〈現像ローラ〉
図1(a)は、本発明の現像ローラの、実施の形態の一例の外観を示す斜視図、図1(b)は、図1(a)の例の現像ローラのうち、ローラ本体の、軸方向の両方の端部の内部構造を模式的に示す断面図、図1(c)は、図1(a)の例の現像ローラのうち、ローラ本体の中間部の内部構造を模式的に示す断面図である。
各図を参照して、この例の現像ローラ1は、同一のゴム組成物の架橋物によって、非多孔質でかつ単層の筒状に、一体に形成されたローラ本体2を備えるとともに、当該ローラ本体2の中心の通孔3にシャフト4が挿通されて固定されたものである。
シャフト4は、良導電性の材料、たとえば、鉄、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼等の金属などによって一体に形成されている。
シャフト4は、たとえば、導電性を有する接着剤を介して、ローラ本体2と電気的に接合され、かつ機械的に固定されるか、あるいは通孔3の内径よりも外径の大きいものを通孔3に圧入することで、ローラ本体2と電気的に接合され、かつ機械的に固定される。
またこの両法を併用して、シャフト4を、ローラ本体2と電気的に接合し、かつ機械的に固定してもよい。
ローラ本体2の外周面5は、その全面において、樹脂やゴム等からなるコーティング層によって被覆されずに露出されている。
すなわちローラ本体2は、外周面5上に被覆されるコーティング層を含まない(除く)ものとされる。
ローラ本体2は、図示しないシール部材が摺接される軸方向の両方の端部2aに、それぞれ、当該ローラ本体2の全体を一体に形成するゴム組成物の架橋物中にイソシアネート基含有シラン化合物の硬化物を含む、略筒状の硬化領域21を備えている。
硬化領域21は、ローラ本体2の端部2aの、外周面5より径方向の内方で、かつ外周面5の近傍の領域(以下「表層部」と略記する場合がある。)に、ごく薄く形成されている。
また硬化領域21は、上述したようにコーティング層によって被覆されずに、上記外周面5において露出されている。
硬化領域21は、たとえば、後述するように、少なくともイソシアネート基含有シラン化合物を含む処理液を、外周面5から、ローラ本体2の端部2a内に選択的に含浸させたのち、イソシアネート基含有シラン化合物を硬化反応させる等して形成される。
イソシアネート基含有シラン化合物は、たとえば、空気中の水分等との反応によって硬化反応させることができる。
硬化反応によって形成された硬化領域21は、ローラ本体2を形成するゴム組成物の架橋物中に、イソシアネート基含有シラン化合物の硬化物が混在した状態とされる。
そのため、硬化領域21に含まれるイソシアネート基含有シラン化合物の硬化物によって、ローラ本体2の端部2aの外周面5の硬度を高めることができる。
しかも、イソシアネート基含有シラン化合物は分子中にケイ素を含むため、その硬化物は、たとえば、特許文献1に記載のイソシアネート化合物として汎用される芳香族ジイソシアネート化合物の硬化物等に比べて、外周面5の摩擦を低減する効果にも優れている。
したがって、これらのことが相まって、イソシアネート基含有シラン化合物を選択して用いることにより、ローラ本体2の端部2aの外周面5の摩擦を、良好に低減することができる。
また硬化領域21は、上述したようにローラ本体2の全体とともに、ゴム組成物の架橋物によって一体に形成されている。
そのためローラ本体2がニップ変形しても、硬化領域21は、従来のコーティング層のように、ニップ変形に追従できずにローラ本体2から短期間で剥離して失われたりすることがない。
したがって硬化領域21を設けることにより、図示しないシール部材が摺接される上記端部2aが、高耐久機での使用時に摩耗してトナーの漏れを生じたり、高速機での使用時に現像ローラ1が発熱したりするのを、より長期間に亘って抑制し続けることができる。
ローラ本体2の端部2aの、硬化領域21より径方向の内方には、外周面5から含浸させた処理液中のイソシアネート基含有シラン化合物が到達しなかった未含浸領域22が存在する。
すなわち未含浸領域22は、ローラ本体2の中間部2bとともに、イソシアネート基含有シラン化合物の硬化物を含まない、ゴム組成物の架橋物のみからなる。
しかも未含浸領域22は、ごく薄い硬化領域21に対して、端部2aの大部分を占めている。
そのためローラ本体2は、前述したコーティング層を含まないことと相まって、中間部2bだけでなく、硬化領域21を有する端部2aを含む全体で、ゴムとしての良好な特性、すなわち柔軟で、しかも圧縮永久ひずみが小さくヘタリを生じにくい特性を維持できる。
したがって、ローラ本体2の外周面5に量規制ブレードの先端部を接触させた際に、当該ローラ本体2の全体を均一にニップ変形させて、上記外周面5に、厚みの均一なトナー層を形成することができる。
さらにローラ本体2は、端部2aを別のゴムで形成したり、外周面5にコーティング層を形成したりしない簡単な構造を維持することもできる。
したがって、かかる簡単な構造を維持しながら、またローラ本体2のゴムとしての良好な特性を維持しながら摩擦を低減して、トナーの漏れや発熱を生じにくくする効果を、長期間に亘って維持することが可能となる。
硬化領域21の厚みは、これに限定されないが、たとえば、500μm以下であるのが好ましい。
この範囲より硬化領域21の厚みが大きい場合には、端部2aが硬くなりすぎて、当該端部2aの柔軟性が低下するとともに、隣接する中間部2bの柔軟性が不均一になりやすい。
そして、ローラ本体2の外周面5に量規制ブレードの先端部を接触させた際の、当該ローラ本体2の全体でのニップ変形も不均一になって、上記外周面5に、厚みの均一なトナー層を形成できない場合がある。
これに対し、硬化領域21の厚みを上記の範囲とすることにより、端部2a、ひいてはローラ本体2の全体に、均一な柔軟性を付与することができる。
そのため、ローラ本体2の外周面5に量規制ブレードの先端部を接触させた際に、当該ローラ本体2の全体を均一にニップ変形させて、上記外周面5に、厚みの均一なトナー層を形成することができる。
中間部2bの外周面5には、図1(c)に示すように、ゴム組成物の架橋物の酸化物からなる酸化膜6を形成してもよい。
酸化膜6は、たとえば、ローラ本体2の中間部2bの外周面5に、所定波長の紫外線を所定時間照射して、当該外周面5に露出したゴム組成物の硬化物を酸化させることによって形成される。
酸化膜6を形成すると、当該酸化膜6が誘電層として機能して、現像ローラ1の誘電正接を低減することができる。
また酸化膜6が低摩擦層として機能することで、ローラ本体2の外周面5にトナーが残留したり蓄積したりするのを抑制して、かかるトナーが形成画像に影響を及ぼすのを抑制したり、外周面5の全体での摩擦を低減したりすることもできる。
さらに酸化膜6は、コーティング層に比べてごく薄い膜であって、当該コーティング層のように、ローラ本体2の全体を硬くすることがない。
そのため、ローラ本体2の外周面5に量規制ブレードの先端部を接触させた際に、当該ローラ本体2をニップ変形しやすくして、上記外周面5に、厚みの均一なトナー層を形成することができる。
しかも、酸化膜6が低摩擦層として機能して、端部2aと中間部2bとの境界部から、中間部2bにかけての外周面5の摩擦を低減する。
そのため、現像ローラ1の全体でのトルクを低減して、現像ローラ1の発熱をさらに抑制したり、上記境界部での摩耗を抑制して、トナーの漏れをさらに抑制したりすることもできる。
酸化膜6は、ローラ本体2の、中間部2bの外周面5にのみ選択的に形成してもよいし、端部2aを含む外周面5の全面に形成してもよい。
ただし、酸化膜6は形成しなくてもよい。
なおローラ本体2の「単層構造」とは、ゴム等からなる層の数が単層であることを指し、紫外線の照射等によって形成される酸化膜6は、層数に含まないこととする。
〈イソシアネート基含有シラン化合物〉
前述したように、イソシアネート基含有シラン化合物は分子中にケイ素を含むため、その硬化物は、たとえば、芳香族ジイソシアネート化合物の硬化物等に比べて、外周面5の摩擦を低減する効果に優れている。
そのため、イソシアネート基含有シラン化合物を選択して用いることにより、芳香族ジイソシアネート化合物等と比べて、同等の摩擦低減効果が得られる硬化領域21の厚みを小さくすることができる。
そして、ローラ本体2の端部2aの柔軟性をさらに高めたり、処理液の含浸に要する時間を短縮したりすることができる。
しかも、イソシアネート基含有シラン化合物は、芳香族ジイソシアネート化合物等と比べて水との反応性にも優れているため、前述したように、たとえば、空気中の水分等による硬化反応に要する時間を短縮することもできる。
そのため、現像ローラ1の生産性を向上することもできる。
これらのことは、後述する実施例、比較例の結果からも明らかである。
イソシアネート基含有シラン化合物としては、分子中にイソシアネート基を含む種々のシラン化合物を用いることができる。
とくにイソシアネート基含有シラン化合物としては、式(1):
-Si(NCO) (1)
〔式中、Rはイソシアネート基、または炭素数1~3のアルキル基を示す。〕
で表される化合物が好ましい。
また、式(1)で表されるイソアイアネート基含有シラン化合物の具体例としては、たとえば、式(1)中のRがイソシアネート基であるテトライソシアネートシラン、Rがメチル基であるメチルトリイソシアネートシラン等の少なくとも1種を用いることができる。
これら2種の化合物は上述した効果に優れており、とくにテトライソシアネートシランが好ましい。
〈現像ローラの製造方法〉
現像ローラ1を製造するには、まずゴム組成物を、たとえば、押出成形機を用いて筒状に押出成形し、次いで所定の長さにカットして、加硫缶内で加圧水蒸気によって加圧、加熱して架橋させる。
次いで、架橋させた筒状体を、オーブン等を用いて加熱して二次架橋させたのち冷却し、さらに所定の外径となるように研磨してローラ本体2を形成する。
シャフト4は、筒状体のカット後から研磨後までの任意の時点で通孔3に挿通して固定することができるが、カット後、まず通孔3にシャフト4を挿通した状態で二次架橋および研磨をするのが好ましい。
これにより、二次架橋時の膨張収縮による筒状体の反りや変形等を抑制できる上、シャフト4を中心として回転させながら研磨することで当該研磨の作業性を向上し、なおかつ外周面5のフレを抑制できる。
シャフト4は、先に説明したように、導電性を有する接着剤、特に導電性の熱硬化性接着剤を介して二次架橋前の筒状体の通孔3に挿通したのち二次架橋させるか、あるいは通孔3の内径より外径の大きいものを通孔3に圧入すればよい。
前者の場合は、オーブン中での加熱によって筒状体が二次架橋されるのと同時に熱硬化性接着剤が硬化して、当該シャフト4がローラ本体2に電気的に接合されるとともに機械的に固定される。
また後者の場合は、圧入と同時に電気的な接合と機械的な固定が完了する。
また前述したように、この両法を併用して、シャフト4を、ローラ本体2と電気的に接合し、かつ機械的に固定してもよい。
次いで、ローラ本体2の、図1(a)の例の場合は軸方向の両方の端部2a内に、外周面5から、それぞれ、少なくともイソシアネート基含有シラン化合物を含む処理液を含浸させる。
ローラ本体2の軸方向の両方の端部2a内に、それぞれ処理液を含浸させるためには、たとえば、両方の端部2aを片方ずつ個別に、処理液に浸漬すればよい。
あるいは、ローラ本体2の中間部2bをマスクで隠蔽し、端部2aを露出させた状態で、当該端部2aに、スプレー法等の任意の塗布方法によって、処理液を継続的に供給してもよい。
含浸の条件はとくに限定されないが、含浸の温度(環境温度および処理液の液温)は室温、すなわち15℃以上、35℃以下であるのが好ましく、とくに20℃以上であるのが好ましい。
これにより、イソシアネート基含有シラン化合物の硬化反応の急速な進行を抑制しながら、端部2a内に、処理液をできるだけ速やかに含浸させることができる。
また、イソシアネート基含有シラン化合物と、ローラ本体2を形成するゴム組成物との組み合わせや処理液の濃度等にもよるが、温度が室温である場合、含浸の時間は、それぞれ1分間以上であるのが好ましく、1時間以下であるのが好ましい。
含浸の時間がこの範囲未満では、適量の処理液を端部2a内に含浸させて、適度の厚みを有し、外周面5を良好に低摩擦化しうる、連続した硬化領域21を形成できない場合がある。
一方、含浸の時間が上記の範囲を超える場合には、硬化領域21の厚みが大きくなりすぎて、端部2aの、ひいてはローラ本体2の全体での、ゴムとしての良好な特性を維持できなくなる場合がある。
これに対し、含浸の時間を上記の範囲とすることにより、ローラ本体2の全体でのゴムとしての良好な特性を維持しながら、適量の処理液を端部2a内に含浸させて、適度の厚みを有し、外周面5を良好に低摩擦化しうる、連続した硬化領域21を形成することができる。
とくに、処理液として有機溶剤による溶液を用いる場合には、含浸の時間を、上記の範囲内でも短くしても、ローラ本体2の端部2a内に速やかに含浸させて、より良好な硬化領域21を形成できる上、現像ローラ1の生産性を向上することもできる。
含浸の時間を調整するには、たとえば、浸漬法の場合は、ローラ本体2の片方ずつの端部2aを、それぞれ個別に処理液に浸漬し続ける時間を上記の範囲に設定すればよい。
また、たとえば、スプレー法等の場合は、端部2aに処理液を供給し続ける時間を、上記の範囲に設定すればよい。
次いで、所定の含浸時間が経過した時点で、浸漬法の場合は端部2aを処理液中から引き上げ、スプレー法等の場合は処理液の供給を停止したのち、当該端部2aの外周面5に付着した処理液を除去する。
外周面5に付着した処理液を除去しない場合には、当該外周面5上に、連続した、または不連続の状態でイソシアネート基含有シラン化合物が残り、当該イソシアネート基含有シラン化合物が硬化反応して硬化物が形成される。
そして、端部2aの外周面5が局部的に硬くなったり、当該外周面5に、硬化物からなる硬い突起が形成されたりする。
そのため、現像ローラ1とトナー量規制ブレードとの間を通過させて摩擦帯電されるトナーが、外周面5の、局部的に硬くなった部分によって圧接されてトナー量規制ブレードに融着して、形成画像に縦スジ状の濃度ムラを生じたりしやすくなる場合がある。
これに対し、前述したように、外周面5に付着した処理液を除去することで、これらの問題が生じるのを抑制することができる。
端部2aの外周面5に付着した処理液を除去するためには、処理液中から引き上げた外周面5を、たとえば、不織布製のワイパー等を用いて拭き取るなどすればよい。
端部2aの外周面5に付着した処理液を除去したローラ本体2は、所定の温度、湿度環境下で静置して、上記端部2a内に含浸させたイソシアネート基含有シラン化合物を、前述したように空気中の水分等によって硬化反応させる。
そうすると、図1(a)(b)に示すように、ローラ本体2の端部2a内の表層部に、ゴム組成物の架橋物およびイソシアネート基含有シラン化合物の硬化物を含み、外周面5において露出された略筒状の硬化領域21を形成することができる。
たとえば、室温で固形のイソシアネート基含有シラン化合物は、任意の有機溶剤によって希釈した溶液の状態で、処理液として用いればよい。
一方、室温で液状のイソシアネート基含有シラン化合物は、原液のままで、処理液として用いてもよいし、やはり任意の有機溶剤によって希釈した溶液の状態で、処理液として用いてもよい。
ただし、ローラ本体を形成するゴムの種類等にもよるが、ローラ本体の外周面5に対する処理液の接触角を小さくして、処理液を迅速に含浸させるためには、液状のイソシアネート基含有シラン化合物であっても、任意の有機溶剤によって希釈した溶液の状態で、処理液として用いるのが好ましい。
有機溶剤としては、イソシアネート基含有シラン化合物を溶解できる種々の有機溶剤を用いることができる。
有機溶剤としては、たとえば、n-ペンタン、n-オクタン、トルエン、塩化メチレン、n-ヘキサノール等の1種または2種以上が挙げられる。
酸化膜6は、硬化領域21を形成する前後、いずれの時点で形成してもよい。
酸化膜6は、先に説明したように、少なくともローラ本体2の中間部2bの外周面5に紫外線を照射して形成するのが好ましい。
すなわちローラ本体2の、中間部2bの外周面5にのみ選択的に、または端部2aを含む外周面5の全面に、所定波長の紫外線を所定時間照射して、当該外周面5の近傍を構成するゴム組成物を酸化させることによって、酸化膜6を形成することができる。
そのため、酸化膜6の形成工程は簡単で効率的であって、現像ローラ1の生産性が低下したり製造コストが高くついたりするのを抑制することができる。
しかも、紫外線の照射によって形成される酸化膜6は、前述した従来のコーティング層のような問題を生じることがない上、厚みの均一性やローラ本体2との密着性等にも優れている。
照射する紫外線の波長は、ゴム組成物を効率よく酸化させて、前述した機能に優れた酸化膜6を形成することを考慮すると、100nm以上であるのが好ましく、400nm以下、とくに300nm以下であるのが好ましい。
また照射の時間は30秒間以上、とくに1分間以上であるのが好ましく、30分間以下、とくに20分間以下であるのが好ましい。
ただし、酸化膜6は他の方法で形成してもよいし、形成しなくてもよい。
《ゴム組成物》
現像ローラ1のローラ本体2を形成するゴム組成物は、ゴムに、当該ゴムを架橋させるための架橋成分や各種添加剤を配合して調製される。
ゴム組成物に導電性を付与して、現像ローラ1のローラ抵抗値を好適な範囲に調整するため、以下では、イオン導電性のゴム組成物について説明するが、ゴム組成物としては、イオン導電性、電子導電性のいずれの配合のゴム組成物を用いてもよい。
〈ゴム〉
上述したように、ゴム組成物にイオン導電性を付与するためには、ゴムとしてイオン導電性ゴムを用いるのが好ましい。
またゴムとしては、イオン導電性ゴムとともに、ジエン系ゴムを併用するのが好ましい。
これらのゴムを併用することで、ゴム組成物に良好な加工性を付与したり、ローラ本体の機械的強度や耐久性等を向上したりすることができる。
またローラ本体に、ゴムとしての良好な特性を付与することもできる。
(イオン導電性ゴム)
イオン導電性ゴムとしては、たとえば、エピクロルヒドリンゴム、ポリエーテルゴム等が挙げられる。
このうちエピクロルヒドリンゴムとしては、たとえば、エピクロルヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン-エチレンオキサイド二元共重合体(ECO)、エピクロルヒドリン-プロピレンオキサイド二元共重合体、エピクロルヒドリン-アリルグリシジルエーテル二元共重合体、エピクロルヒドリン-エチレンオキサイド-アリルグリシジルエーテル三元共重合体(GECO)、エピクロルヒドリン-プロピレンオキサイド-アリルグリシジルエーテル三元共重合体、エピクロルヒドリン-エチレンオキサイド-プロピレンオキサイド-アリルグリシジルエーテル四元共重合体等が挙げられる。
またポリエーテルゴムとしては、たとえば、エチレンオキサイド-アリルグリシジルエーテル二元共重合体、エチレンオキサイド-プロピレンオキサイド-アリルグリシジルエーテル三元共重合体等が挙げられる。
中でも、エチレンオキサイドを含む共重合体、とくに、ECOおよび/またはGECOが好ましい。
ECOおよび/またはGECOにおけるエチレンオキサイド含量は、いずれも30モル%以上、とくに50モル%以上であるのが好ましく、80モル%以下であるのが好ましい。
エチレンオキサイドは、現像ローラのローラ抵抗値を下げる働きをする。
しかし、エチレンオキサイド含量がこの範囲未満では、かかる働きが十分に得られないため、現像ローラのローラ抵抗値を十分に低下させることができない場合がある。
一方、エチレンオキサイド含量が上記の範囲を超える場合には、エチレンオキサイドの結晶化が起こり、分子鎖のセグメント運動が妨げられるため、逆に現像ローラのローラ抵抗値が上昇する傾向がある。
また、架橋後のローラ本体が硬くなりすぎたり、架橋前のゴム組成物の、加熱溶融時の粘度が上昇して、当該ゴム組成物の加工性が低下したりする場合もある。
ECOにおけるエピクロルヒドリン含量は、エチレンオキサイド含量の残量である。
すなわち、エピクロルヒドリン含量は20モル%以上であるのが好ましく、70モル%以下、とくに50モル%以下であるのが好ましい。
また、GECOにおけるアリルグリシジルエーテル含量は0.5モル%以上、とくに2モル%以上であるのが好ましく、10モル%以下、とくに5モル%以下であるのが好ましい。
アリルグリシジルエーテルは、それ自体が側鎖として、自由体積を確保するために機能することにより、エチレンオキサイドの結晶化を抑制して、現像ローラのローラ抵抗値を低下させる働きをする。
しかし、アリルグリシジルエーテル含量がこの範囲未満では、かかる働きが十分に得られないため、現像ローラのローラ抵抗値を十分に低下させることができない場合がある。
一方、アリルグリシジルエーテルは、GECOの架橋時に架橋点として機能する。
そのため、アリルグリシジルエーテル含量が上記の範囲を超える場合には、GECOの架橋密度が高くなりすぎることによって分子鎖のセグメント運動が妨げられて、却って、現像ローラのローラ抵抗値が上昇する傾向がある。
GECOにおけるエピクロルヒドリン含量は、エチレンオキサイド含量、およびアリルグリシジルエーテル含量の残量である。
すなわち、エピクロルヒドリン含量は10モル%以上、とくに19.5モル%以上であるのが好ましく、69.5モル%以下、とくに60モル%以下であるのが好ましい。
なおGECOとしては、先に説明した3種の単量体を共重合させた狭義の意味での共重合体の他に、エピクロルヒドリン-エチレンオキサイド共重合体(ECO)をアリルグリシジルエーテルで変性した変性物も知られている。
本発明では、このいずれのGECOも使用可能である。
これらイオン導電性ゴムの1種または2種以上を用いることができる。
(ジエン系ゴム)
ジエン系ゴムとしては、たとえば、天然ゴム、イソプレンゴム(IR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)等が挙げられる。
とくに、ジエン系ゴムとしてはBRとCRの2種を併用するのが好ましい。
ただし、両ゴムはそれぞれ2種以上を併用してもよい。
・ BR
BRは、とくにローラ本体に、ゴムとしての良好な特性を付与するために機能する。
またBRは、とくにプラス帯電性のトナーの帯電特性を向上したり、架橋前のゴム組成物の流動性や成形性を高めたりするためにも機能する。
さらにBRは、酸化性雰囲気中での紫外線照射によって酸化されて、ローラ本体の外周面に酸化膜を形成する材料としても機能する。
BRとしては、分子中にポリブタジエン構造を備え、架橋性を有する種々のBRが、いずれも使用可能である。
とくに、高温から低温まで広い温度範囲でゴムとしての良好な特性を発現しうる、シス-1,4結合の含量が95%以上である高シスBRが好ましい。
またBRとしては、伸展油を加えて柔軟性を調整した油展タイプのものと、加えない非油展タイプのものとがあるが、本発明では、感光体の汚染を防止するために、ブリード物質となりうる伸展油を含まない、非油展タイプのBRを用いるのが好ましい。
これらBRの1種または2種以上を用いることができる。
・ CR
CRは、とくにローラ本体の柔軟性を向上して、現像ローラの画像耐久性を高めるために機能する。
画像耐久性とは、同じトナーを繰り返し画像形成に用いた際に、当該トナーの劣化を抑制して、形成画像の画質をどれだけの間、良好に維持できるかを表す指標である。
すなわち、1回の画像形成には、画像形成装置の現像部に収容されたトナーのごく一部しか用いられず、残りの大部分のトナーは、現像部内を繰り返し循環する。
そのため、現像部内に設けられてトナーと繰り返し接触する現像ローラのローラ本体が、トナーにどれだけのダメージを与えるか、あるいは与えないかが、画像耐久性を向上する上での大きな鍵となる。
ローラ本体の柔軟性が低下して画像耐久性が低下すると、画像形成を繰り返すうちに、形成画像の画質が徐々に低下する傾向がある。
したがって導電性ローラには、画像耐久性を向上するために、ローラ本体の柔軟性に優れることが求められる。
またCRは、とくにプラス帯電性のトナーの帯電特性を向上したり、それ自体が極性ゴムであるため、現像ローラのローラ抵抗値を微調整したりするためにも機能する。
さらにCRは、やはり酸化性雰囲気中での紫外線照射によって酸化されて、ローラ本体の外周面に酸化膜を形成する材料としても機能する。
CRは、たとえば、クロロプレンを乳化重合させて合成されるもので、その際に用いる分子量調整剤の種類によって、硫黄変性タイプと非硫黄変性タイプに分類される。
このうち硫黄変性タイプのCRは、クロロプレンと、分子量調整剤としての硫黄とを共重合させたポリマを、チウラムジスルフィド等で可塑化して所定の粘度に調整することで合成される。
一方、非硫黄変性タイプのCRは、たとえば、メルカプタン変性タイプ、キサントゲン変性タイプ等に分類される。
このうちメルカプタン変性タイプのCRは、n-ドデシルメルカプタン、tert-ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類を分子量調整剤として使用すること以外は、硫黄変性タイプのCRと同様にして合成される。
また、キサントゲン変性タイプのCRは、アルキルキサントゲン化合物を分子量調整剤として使用すること以外は、やはり硫黄変性タイプのCRと同様にして合成される。
さらにCRは、その結晶化速度に基づいて、当該結晶化速度が遅いタイプ、中庸であるタイプ、および速いタイプに分類される。
本発明においては、いずれのタイプのCRを用いてもよいが、中でも、非硫黄変性タイプで、かつ結晶化速度が遅いタイプのCRが好ましい。
またCRとしては、クロロプレンと他の共重合成分との共重合ゴムを用いてもよい。
かかる他の共重合成分としては、たとえば、2,3-ジクロロ-1,3-ブタジエン、1-クロロ-1,3-ブタジエン、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、イソプレン、ブタジエン、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル等の1種または2種以上が挙げられる。
さらにCRとしては、やはり伸展油を加えて柔軟性を調整した油展タイプのものと、加えない非油展タイプのものとがあるが、本発明では、感光体の汚染を防止するために、ブリード物質となりうる伸展油を含まない、非油展タイプのCRを用いるのが好ましい。
これらCRの1種または2種以上を用いることができる。
(ゴムの割合)
イオン導電性ゴムの割合は、ゴムの総量100質量部中の10質量部以上であるのが好ましく、40質量部以下であるのが好ましい。
ジエン系ゴムの割合は、イオン導電性ゴムの残量である。
すなわち、イオン導電性ゴムの割合を上記範囲内の所定値に設定した際にゴムの総量が100質量部となるように、ジエン系ゴムの割合を設定すればよい。
イオン導電性ゴムの割合が上記の範囲未満、または上記の範囲を超える場合には、このいずれにおいても、現像ローラのローラ抵抗値を、当該現像ローラとして適した範囲に調整できない場合がある。
また、イオン導電性ゴムの割合が上記の範囲を超える場合には、相対的に、ジエン系ゴムの割合が少なくなって、ローラ本体に、前述したゴムとしての良好な特性を付与することができない場合もある。
これに対し、イオン導電性ゴムの割合を上記の範囲とすることにより、現像ローラのローラ抵抗値を好適な範囲に調整しながら、ローラ本体に、ゴムとしての良好な特性を付与することができる。
〈架橋成分〉
架橋成分としては、ゴムを架橋させるための架橋剤と、当該架橋剤によるゴムの架橋を促進するための架橋促進剤とを併用するのが好ましい。
このうち架橋剤としては、たとえば、硫黄系架橋剤、チオウレア系架橋剤、トリアジン誘導体系架橋剤、過酸化物系架橋剤、各種モノマー等が挙げられ、とくに硫黄系架橋剤が好ましい。
(硫黄系架橋剤)
硫黄系架橋剤としては、たとえば、粉末硫黄、オイル処理粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、分散性硫黄等の硫黄や、あるいはテトラメチルチウラムジスルフィド、N,N-ジチオビスモルホリン等の有機含硫黄化合物などが挙げられ、とくに硫黄が好ましい。
硫黄の割合は、ローラ本体にゴムとしての良好な特性を付与すること等を考慮すると、ゴムの総量100質量部あたり0.5質量部以上であるのが好ましく、2質量部以下であるのが好ましい。
なお、たとえば、硫黄としてオイル処理粉末硫黄、分散性硫黄等を使用する場合、上記の割合は、それぞれの中に含まれる有効成分としての硫黄自体の割合とする。
また、架橋剤として有機含硫黄化合物を使用する場合、その割合は、分子中に含まれる硫黄の、ゴムの総量100質量部あたりの割合が上記の範囲となるように調整するのが好ましい。
(架橋促進剤)
ゴムの架橋を促進するための架橋促進剤としては、たとえば、チウラム系促進剤、チアゾール系促進剤、チオウレア系促進剤、グアニジン系促進剤、スルフェンアミド系促進剤、ジチオカルバミン酸塩系促進剤等の1種または2種以上が挙げられる。
このうちチウラム系促進剤、チアゾール系促進剤、チオウレア系促進剤、およびグアニジン系促進剤を併用するのが好ましい。
チウラム系促進剤としては、たとえば、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等の1種または2種以上が挙げられ、とくにテトラメチルチウラムモノスルフィドが好ましい。
チアゾール系促進剤としては、たとえば、2-メルカプトベンゾチアゾール、ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド、2-メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、2-メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、2-(4′-モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール等の1種または2種以上が挙げられ、とくにジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィドが好ましい。
チオウレア系促進剤としては、分子中にチオウレア構造を有する種々のチオウレア化合物が使用可能である。
チオウレア系促進剤としては、たとえば、エチレンチオウレア、N,N′-ジフェニルチオウレア、トリメチルチオウレア、式(2):
(C2n+1NH)C=S (2)
〔式中、nは1~12の整数を示す。〕で表されるチオウレア、テトラメチルチオウレア等の1種または2種以上が挙げられ、とくにエチレンチオウレアが好ましい。
グアニジン系促進剤としては、たとえば、1,3-ジフェニルグアニジン、1,3-ジ-o-トリルグアニジン、1-o-トリルビグアニド等の1種または2種以上が挙げられ、とくに1,3-ジ-o-トリルグアニジンが好ましい。
上記4種の併用系において、ゴムの架橋を促進する効果を十分に発現させること等を考慮すると、チウラム系促進剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.3質量部以上であるのが好ましく、1質量部以下であるのが好ましい。
また、チアゾール系促進剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.3質量部以上であるのが好ましく、2質量部以下であるのが好ましい。
チオウレア系促進剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.3質量部以上であるのが好ましく、1質量部以下であるのが好ましい。
さらに、グアニジン系促進剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.2質量部以上であるのが好ましく、1質量部以下であるのが好ましい。
なおチオウレア系促進剤は、硫黄架橋性を有しないECOの架橋剤、グアニジン系促進剤は、チオウレア系促進剤によるECOの架橋の促進剤としても機能する。
〈その他〉
ゴム組成物には、さらに必要に応じて、各種の添加剤を配合してもよい。添加剤としては、たとえば、架橋助剤、受酸剤、充填剤、可塑剤、加工助剤、劣化防止剤等が挙げられる。
このうち架橋助剤としては、たとえば、酸化亜鉛(亜鉛華)等の金属化合物;ステアリン酸、オレイン酸、綿実脂肪酸等の脂肪酸その他、従来公知の架橋助剤の1種または2種以上が挙げられる。
架橋助剤の割合は、個別に、ゴムの総量100質量部あたり0.1質量部以上であるのが好ましく、7質量部以下であるのが好ましい。
受酸剤は、架橋時にエピクロルヒドリンゴムやCR等から発生した塩素系ガスがローラ本体内に残留したり、それによって架橋阻害や感光体の汚染等が生じたりするのを防止するために機能する。
受酸剤としては、酸受容体として作用する種々の物質を用いることができるが、中でも分散性に優れたハイドロタルサイト類またはマグサラットが好ましく、とくにハイドロタルサイト類が好ましい。
またハイドロタルサイト類等を酸化マグネシウムや酸化カリウムと併用すると、より高い受酸効果を得ることができ、感光体等の汚染を、より一層確実に防止することができる。
受酸剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.2質量部以上、とくに0.5質量部以上であるのが好ましく、7質量部以下であるのが好ましい。
充填剤としては、たとえば、酸化亜鉛、シリカ、カーボンブラック、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム等の1種または2種以上が挙げられる。
充填剤を配合することにより、ローラ本体の機械的強度等を向上できる。
また、充填剤として導電性カーボンブラックを用いることで、ローラ本体に電子導電性を付与することもできる。
導電性カーボンブラックとしては、たとえば、アセチレンブラック等が挙げられる。
導電性カーボンブラックの割合は、ゴムの総量100質量部あたり10質量部以上であるのが好ましく、30質量部以下であるのが好ましい。
可塑剤としては、たとえば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート等の各種可塑剤や、極性ワックス等の各種ワックス等が挙げられる。
また加工助剤としては、たとえば、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩などが挙げられる。
可塑剤および/または加工助剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり3質量部以下であるのが好ましい。
劣化防止剤としては、各種の老化防止剤や酸化防止剤等が挙げられる。
このうち老化防止剤は、現像ローラのローラ抵抗値の環境依存性を低減するとともに、連続通電時のローラ抵抗値の上昇を抑制する働きをする。
老化防止剤としては、たとえば、ジエチルジチオカルバミン酸ニッケル、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル等が挙げられる。
老化防止剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.1質量部以上であるのが好ましく、1質量部以下であるのが好ましい。
また添加剤としては、さらにスコーチ防止剤、滑剤、顔料、帯電防止剤、難燃剤、中和剤、造核剤、共架橋剤等の各種添加剤を、任意の割合で配合してもよい。
図1(a)~(c)の例においては、ローラ本体2を単層構造としていたが、ローラ本体は、2層以上の積層構造としてもよい。
その場合には、積層構造を構成する最外層の端部に、前述した硬化領域を形成すればよい。
本発明の現像ローラ1は、たとえば、レーザープリンタ、静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、およびこれらの複合機等の、電子写真法を利用した画像形成装置に用いることができる。
以下に、本発明を、実施例、比較例に基づいてさらに説明するが、本発明の構成は、必ずしもこれらの例に限定されるものではない。
〈実施例1〉
(ゴム組成物の調製)
ゴムとしては、GECO〔(株)大阪ソーダ製のエピオン(登録商標)301、EO/EP/AGE=73/23/4(モル比)〕20質量部、BR〔JSR(株)製のBR01、シス-1,4結合含量:95%、非油展〕70質量部、およびCR〔昭和電工(株)製のショウプレン(登録商標)WRT、非油展〕10質量部を用いた。
そして3種のゴムの総量100質量部を、バンバリミキサを用いて素練りしながら、まず下記の各成分を配合して混練した。
Figure 0007153187000001
表1中の各成分は下記のとおり。また表中の質量部は、ゴムの総量100質量部あたりの質量部である。
導電性カーボンブラック:アセチレンブラック、デンカ(株)製のデンカブラック(登録商標)粒状品
架橋助剤:酸化亜鉛2種、三井金属鉱業(株)製
次いで、混練を続けながら、下記の架橋成分を配合してさらに混練してゴム組成物を調製した。
Figure 0007153187000002
表2中の各成分は下記のとおり。また表中の質量部は、ゴムの総量100質量部あたりの質量部である。
架橋剤:鶴見化学工業(株)製の金華印5%油入微粉硫黄
促進剤TS:テトラメチルチウラムモノスルフィド、三新化学工業(株)製のサンセラー(登録商標)TS、チウラム系促進剤
促進剤DM:ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド、川口化学工業(株)製のアクセル(登録商標)DM、チアゾール系促進剤
促進剤22:エチレンチオウレア、2-メルカプトイミダゾリン、川口化学工業(株)製のアクセル22-S
促進剤DT:1,3-ジ-o-トリルグアニジン、三新化学工業(株)製のサンセラーDT、グアニジン系促進剤
(現像ローラの製造)
調製したゴム組成物を押出機に供給して、外径φ20mm、内径φ7mmの筒状に押出成形し、架橋用の仮のシャフトに装着して加硫缶内で160℃×1時間架橋させた。
次いで、架橋させた筒状体を、外周面に導電性の熱硬化性接着剤(ポリアミド系)を塗布した外径φ7.5mmの金属製のシャフトに装着し直して、オーブン中で160℃に加熱して当該金属シャフトに接着させた。
次いで両端を整形し、外周面を、円筒研磨機を用いてトラバース研磨したのち、#2000のラッピングフィルム〔三共理化学(株)製のミラーフィルム〕を用いた鏡面研磨によって、外径がφ20.00mm(公差0.05)になるように仕上げた。
研磨後のローラ本体を水洗いして乾燥させ、次いでローラ本体の、軸方向の両方の端部を片方ずつ個別に、イソシアネート基含有シラン化合物を含む処理液に、温度23±1℃で浸漬して、当該処理液を、ローラ本体の端部の外周面から端部内に含浸させた。
処理液としては、式(1)中のRがメチル基であるメチルトリイソシアネートシラン〔マツモトファインケミカル(株)製のオルガチックス(登録商標)SI-310〕の原液を用いた。
30分間の浸漬後、ローラ本体の端部を処理液から引き上げて、端部の外周面に付着した余剰の処理液を、ワイパー〔キュプラ(登録商標)連続長繊維不織布を基布として形成された旭化成(株)製のベンコット(登録商標)〕を用いて拭き取った。
そして温度23±1℃、相対湿度55±1%の環境下で24時間静置し、端部内に含浸させたイソシアネート基含有シラン化合物を硬化反応させて、上記端部に硬化領域を形成した。
次に、硬化領域を形成した端部をマスクで隠蔽し、端部間の中間部を露出させた状態で、ローラ本体を紫外線処理装置〔セン特殊光源(株)製のPL21-200〕にセットした。
そしてローラ本体を、シャフトを中心として90°ずつ回転させながら、波長184.9nmと253.7nmの紫外線を15分間ずつ照射することで、上記中間部の外周面に酸化膜を形成して、現像ローラを製造した。
〈実施例2〉
処理液として、式(1)中のRがイソシアネート基であるテトライソシアネートシラン〔マツモトファインケミカル(株)製のオルガチックスSI-400〕の原液を用いたこと以外は実施例1と同様にして現像ローラを製造した。
〈実施例3〉
中間部に紫外線を照射する工程を省略して、当該中間部に酸化膜を形成しなかったこと以外は実施例2と同様にして現像ローラを製造した。
〈実施例4〉
処理液として、実施例2で使用したのと同じテトライソシアネートシラン〔マツモトファインケミカル(株)製のオルガチックスSI-400〕の、トルエンとの質量比1:1の溶液を用いるとともに、ローラ本体の、軸方向の両方の端部を片方ずつ個別に上記処理液に浸漬する時間を5分間としたこと以外は実施例1と同様にして現像ローラを製造した。
〈比較例1〉
実施例1でローラ本体の外周面を研磨して水洗いした後、端部に硬化領域を形成せず、かつ中間部に酸化膜を形成しなかったものを比較例1の現像ローラとした。
〈比較例2〉
実施例1でローラ本体の外周面を研磨して水洗いした後、端部に硬化領域を形成せずに、ローラ本体の外周面の全面に酸化膜を形成したものを比較例2の現像ローラとした。
〈比較例3〉
処理液として、芳香族ジイソシアネート化合物であるカルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート〔カルボジイミド変性MDI、BASF INOACポリウレタン(株)製のルプラネート(登録商標)MM-103〕とトルエンとの、質量比1:1の溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして現像ローラを製造した。
〈比較例4〉
処理液として、芳香族ジイソシアネート化合物である無変性のMDI〔ピュアMDI、BASF INOACポリウレタン(株)製のルプラネートMS〕とトルエンとの、質量比1:1の溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして現像ローラを製造した。
〈摩擦試験〉
実施例、比較例で製造した現像ローラの動摩擦係数を、(株)トリニティーラボ製のハンディートライボマスターTL201Tsを用いて、温度23±1℃、相対湿度55±1%の環境下、接触子:ボール接触子、荷重:10g、計測距離:10mm、移動速度:10mm/秒の条件で測定した。
〈実機試験〉
トナーを収容したトナー容器、感光体、および感光体と接触させた現像ローラを備え、レーザープリンタの本体に着脱自在とされた新品のカートリッジ〔ブラザー工業(株)製のTN-56J〕の、純正の現像ローラに代えて、実施例、比較例で製造した現像ローラを組み込んだ。
次いで、上記カートリッジをレーザープリンタ〔ブラザー工業(株)製のHL-6180DW〕に装填して、温度23±1℃、相対湿度55±1%の環境下、普通紙に5%濃度の画像を6000枚連続して形成したのち、カートリッジの周辺でトナーの漏れを確認するとともに、カートリッジから現像ローラを取り出してローラ本体の端部を観察した。
そして下記の基準で、ローラ本体の摩耗の状態を評価した。
◎:ローラ本体の端部は全く摩耗しておらず、トナーの漏れも見られなかった。
○:ローラ本体の端部は僅かに摩耗していたが、トナーの漏れは見られなかった。
×:ローラ本体の端部が摩耗しており、トナーの漏れも見られた。
以上の結果を表3、表4に示す。
Figure 0007153187000003
Figure 0007153187000004
表3、表4の実施例1~4、比較例1~4の結果より、現像ローラのローラ本体の端部に、イソシアネート基含有シラン化合物を含む硬化領域を形成することにより、硬化領域を形成しない場合や芳香族ジイソシアネート化合物からなる硬化領域を形成する場合に比べて、ローラ本体の外周面の摩擦を大きく低減できる上、ローラ本体の端部の摩耗とそれに伴うトナーの漏れとを、いずれも良好に抑制できることが判った。
また実施例1~3の結果より、表面の摩擦をさらに低減することを考慮すると、イソシアネート基含有シラン化合物としてはテトライソシアネートシランを用いるのが好ましいこと、ローラ本体の中間部に酸化膜を形成するのが好ましいことが判った。
さらに実施例2、4の結果より、含浸の時間を短くしてもローラ本体の端部内に速やかに含浸させて、より良好な硬化領域を形成したり、現像ローラの生産性を向上したりすることを考慮すると、処理液としては、イソシアネート基含有シラン化合物の溶液を用いるのが好ましいことが判った。
1 現像ローラ
2 ローラ本体
2a 端部
2b 中間部
21 硬化領域
22 未含浸領域
3 通孔
4 シャフト
5 外周面
6 酸化膜

Claims (5)

  1. ゴム組成物の架橋物からなる筒状のローラ本体を含み、前記ローラ本体の、軸方向の端部には、前記ローラ本体の外周面より径方向の内方で、かつ当該外周面の近傍に、前記ゴム組成物の架橋物、およびイソシアネート基含有シラン化合物の硬化物を含み、前記外周面において露出された硬化領域を含むとともに、前記ローラ本体の、前記両端部間の中間部は、前記イソシアネート基含有シラン化合物の硬化物を含まない、ゴム組成物の架橋物のみからなる現像ローラ。
  2. 前記ローラ本体は、少なくとも前記端部以外の前記外周面に、前記ゴム組成物の架橋物の酸化物からなる酸化膜を含む請求項1に記載の現像ローラ。
  3. 前記イソシアネート基含有シラン化合物は、テトライソシアネートシランである請求項1または2に記載の現像ローラ。
  4. 前記請求項1ないし3のいずれか1項に記載の現像ローラの製造方法であって、前記ゴム組成物を筒状に成形し、架橋させて前記ローラ本体を形成する工程、形成した前記ローラ本体の、前記端部の外周面に、少なくとも前記イソシアネート基含有シラン化合物を含む処理液を供給して、前記処理液を、前記外周面から、前記端部の径方向の内方へ選択的に含浸させる工程、および含浸させた前記処理液中の前記イソシアネート基含有シラン化合物を硬化反応させることにより、前記ローラ本体の、前記両端部間の中間部は、前記イソシアネート基含有シラン化合物の硬化物を含まない、ゴム組成物の架橋物のみによって形成しつつ、前記端部の、前記外周面より径方向の内方で、かつ当該外周面の近傍に、前記ゴム組成物の架橋物、および前記イソシアネート基含有シラン化合物の硬化物を含み、前記外周面において露出された前記硬化領域を形成する工程を含む現像ローラの製造方法。
  5. 前記ローラ本体の、少なくとも前記端部以外の外周面に紫外線を照射して、当該外周面に、前記ゴム組成物の架橋物の酸化物からなる酸化膜を形成する工程を含む請求項4に記載の現像ローラの製造方法。
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