JP2007107405A - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】内燃機関の燃料噴射制御装置に関し、内燃機関の回転数が自動変速機の回転数よりも低い状態からでも、加速要求に応じて速やかに車両を加速させることを可能にする。
【解決手段】加速要求が検出されたとき、自動変速機の入力軸の回転数と内燃機関の出力軸の回転数との回転数差が所定値以上の場合には、回転数差に応じて燃料噴射量を増量する。
【選択図】図3
【解決手段】加速要求が検出されたとき、自動変速機の入力軸の回転数と内燃機関の出力軸の回転数との回転数差が所定値以上の場合には、回転数差に応じて燃料噴射量を増量する。
【選択図】図3
Description
本発明は、内燃機関の燃料噴射制御装置に関し、特に、トルクコンバータ式の自動変速機に接続される内燃機関の燃料噴射制御装置に関する。
駆動装置として内燃機関を用いる自動車では、内燃機関の燃料噴射装置から噴射する燃料量を増量して内燃機関の出力トルクを増大させることで車両を加速させることができる。特許文献1に記載の燃料噴射制御装置では、スロットル開度の変化から緩加速状態にあるか急加速状態にあるかを判定し、加速状態に見合った燃料増量を行うこととしている。特許文献1の記載によれば、加速時に上記制御を行うことで、緩加速か急加速かによらず応答遅れなく適正量の燃料を内燃機関に供給することができ、加速時に内燃機関が息つきすることによるドライバビリティの悪化を防止できるとされている。
特開2004−293154号公報
特開平5−162571号公報
ところで、いわゆるAT車では、内燃機関と駆動輪との間には、内燃機関の回転数(単位時間当たりの回転数)と駆動輪の回転数の比率を自動で変える自動変速機が設けられている。トルクコンバータ式の自動変速機の場合、内燃機関の出力軸と自動変速機の入力軸とは直結されていないため、両者の間には回転数差が生じる。例えば、加速時や定常走行時のように内燃機関によって自動変速機が駆動されている“駆動状態”では、内燃機関の回転数は自動変速機の回転数よりも高くなっている。一方、慣性による走行時のように内燃機関によって自動変速機が駆動されていない“非駆動状態”では、内燃機関の回転数は自動変速機の回転数よりも低くなっている。
上記の非駆動状態から加速する場合、内燃機関の回転数が自動変速機の回転数まで上昇するまでの間は駆動輪にトルクが伝達されず、実際に加速が開始されるのは車両が駆動状態になってからとなる。このため、非駆動状態からの加速は、駆動状態からの加速に比較して加速要求から加速開始までの応答遅れが大きく、運転者にもたつき感をもたらしてしまうおそれがある。ドライバビリティを向上させるためには、車両が駆動状態であるか非駆動状態であるかよらず、加速要求に対する速やかな加速を可能にすることが望まれる。しかしながら、上記の各特許文献に記載の従来技術では、車両が駆動状態か非駆動状態かによる応答遅れの差については何ら考慮されていない。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、内燃機関の回転数が自動変速機の回転数よりも低い状態からでも、加速要求に応じて速やかに車両を加速させることを可能にした、内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、トルクコンバータ式の自動変速機に接続される内燃機関の燃料噴射制御装置において、
前記内燃機関の運転状態に基づいて燃料噴射量の基本値を算出する基本値算出手段と、
加速要求を検出する加速要求検出手段と、
前記自動変速機の入力軸の回転数と前記内燃機関の出力軸の回転数との回転数差を測定する回転数差測定手段と、
前記加速要求の検出時、前記回転数差が所定値以上の場合には、前記回転数差に応じて燃料噴射量の増量値を算出する増量値算出手段と、
前記基本値及び前記増量値の燃料を噴射するようにインジェクタを駆動する燃料噴射制御手段と、
を備えることを特徴としている。
前記内燃機関の運転状態に基づいて燃料噴射量の基本値を算出する基本値算出手段と、
加速要求を検出する加速要求検出手段と、
前記自動変速機の入力軸の回転数と前記内燃機関の出力軸の回転数との回転数差を測定する回転数差測定手段と、
前記加速要求の検出時、前記回転数差が所定値以上の場合には、前記回転数差に応じて燃料噴射量の増量値を算出する増量値算出手段と、
前記基本値及び前記増量値の燃料を噴射するようにインジェクタを駆動する燃料噴射制御手段と、
を備えることを特徴としている。
第2の発明は、第1の発明において、
前記インジェクタは吸気ポートに燃料を噴射するポートインジェクタであり、
前記燃料噴射制御手段は、前記加速要求が検出されたときは、クランク角信号に同期しない非同期噴射により前記増量値分の燃料を噴射するよう前記ポートインジェクタを駆動することを特徴としている。
前記インジェクタは吸気ポートに燃料を噴射するポートインジェクタであり、
前記燃料噴射制御手段は、前記加速要求が検出されたときは、クランク角信号に同期しない非同期噴射により前記増量値分の燃料を噴射するよう前記ポートインジェクタを駆動することを特徴としている。
第3の発明は、第2の発明において、
前記増量値算出手段は、前記加速要求が検出された後の吸入空気量の変化を予測し、前記の予測結果と前記回転数差とに基づいて前記増量値を算出することを特徴としている。
前記増量値算出手段は、前記加速要求が検出された後の吸入空気量の変化を予測し、前記の予測結果と前記回転数差とに基づいて前記増量値を算出することを特徴としている。
第4の発明は、第1の発明において、
前記インジェクタは筒内に燃料を直接噴射する筒内インジェクタであり、
前記燃料噴射制御手段は、吸気行程噴射により前記基本値分の燃料と前記増量値分の燃料とを併せて噴射するよう前記筒内インジェクタを駆動することを特徴としている。
前記インジェクタは筒内に燃料を直接噴射する筒内インジェクタであり、
前記燃料噴射制御手段は、吸気行程噴射により前記基本値分の燃料と前記増量値分の燃料とを併せて噴射するよう前記筒内インジェクタを駆動することを特徴としている。
第5の発明は、第4の発明において、
吸気行程の終了後或いは終了直前に、当該気筒の実際の吸入空気量と前記基本値及び前記増量値の算出に用いられた予測吸入空気量との偏差を求め、前記偏差が所定値以上の場合には、前記偏差と前記回転数差とに基づいて燃料噴射量の補正値を算出する補正値算出手段をさらに備え、
前記燃料噴射制御手段は、圧縮行程噴射により前記補正値分の燃料を噴射するよう前記筒内インジェクタを駆動することを特徴としている。
吸気行程の終了後或いは終了直前に、当該気筒の実際の吸入空気量と前記基本値及び前記増量値の算出に用いられた予測吸入空気量との偏差を求め、前記偏差が所定値以上の場合には、前記偏差と前記回転数差とに基づいて燃料噴射量の補正値を算出する補正値算出手段をさらに備え、
前記燃料噴射制御手段は、圧縮行程噴射により前記補正値分の燃料を噴射するよう前記筒内インジェクタを駆動することを特徴としている。
第6の発明は、第5の発明において、
前記補正値から算出される学習値を前記増量値に取り込むことで前記回転数差に対する前記増量値の設定を補正する学習補正手段をさらに備えることを特徴としている。
前記補正値から算出される学習値を前記増量値に取り込むことで前記回転数差に対する前記増量値の設定を補正する学習補正手段をさらに備えることを特徴としている。
第7の発明は、第1乃至第6の何れか1つの発明において、
前記自動変速機の入力軸の回転数の上昇度に基づいて、前記回転数差に対する前記増量値の設定を補正する学習補正手段をさらに備えることを特徴としている。
前記自動変速機の入力軸の回転数の上昇度に基づいて、前記回転数差に対する前記増量値の設定を補正する学習補正手段をさらに備えることを特徴としている。
また、第8の発明は、上記の目的を達成するため、吸気ポートに燃料を噴射するポートインジェクタと、筒内に燃料を直接噴射する筒内インジェクタとを有し、トルクコンバータ式の自動変速機に接続される内燃機関の燃料噴射制御装置において、
前記内燃機関の運転状態に基づいて前記ポートインジェクタからの燃料噴射量と前記筒内インジェクタからの燃料噴射量との噴射比率を設定する噴射比率設定手段と、
加速要求を検出する加速要求検出手段と、
前記自動変速機の入力軸の回転数と前記内燃機関の出力軸の回転数との回転数差を測定する回転数差測定手段と、
前記加速要求の検出時、前記回転数差が所定値以上の場合には、前記ポートインジェクタによる燃料噴射量の比率を小さくし、前記筒内インジェクタによる燃料噴射量の比率を大きくするよう前記噴射比率を補正する噴射比率補正手段と、
決定された噴射比率に基づいて前記ポートインジェクタ及び前記筒内インジェクタを駆動する燃料噴射制御手段と、
を備えることを特徴としている。
前記内燃機関の運転状態に基づいて前記ポートインジェクタからの燃料噴射量と前記筒内インジェクタからの燃料噴射量との噴射比率を設定する噴射比率設定手段と、
加速要求を検出する加速要求検出手段と、
前記自動変速機の入力軸の回転数と前記内燃機関の出力軸の回転数との回転数差を測定する回転数差測定手段と、
前記加速要求の検出時、前記回転数差が所定値以上の場合には、前記ポートインジェクタによる燃料噴射量の比率を小さくし、前記筒内インジェクタによる燃料噴射量の比率を大きくするよう前記噴射比率を補正する噴射比率補正手段と、
決定された噴射比率に基づいて前記ポートインジェクタ及び前記筒内インジェクタを駆動する燃料噴射制御手段と、
を備えることを特徴としている。
第1の発明によれば、加速が要求されたときに自動変速機の入力軸の回転数が内燃機関の出力軸の回転数よりも高くなっていたとしても、その回転数差に応じて燃料噴射量が増量されるため、回転数差は速やかに解消される。その結果、内燃機関から自動変速機にトルクが伝達されるようになるまでのタイムラグは短縮され、加速要求に応じて速やかに車両を加速させることが可能になる。
第2の発明によれば、増量値分の燃料の噴射に非同期噴射を用いることで、燃料噴射タイミングに制約のあるポート噴射型の内燃機関あっても、加速要求に応じて速やかに内燃機関の回転数を上昇させ、前記回転数差を速やかに解消することができる。
第3の発明によれば、加速要求が検出された後の吸入空気量の変化が増量値の算出に反映されるので、高い空燃比精度によって所望のトルクを実現することができ、より確実に内燃機関の回転数を上昇させることができる。
第4の発明によれば、インジェクタとして筒内に燃料を直接噴射する筒内インジェクタを用いることで、燃料噴射タイミングの制約を少なくすることができ、増量値分の燃料も基本値分の燃料とともに吸気行程噴射により噴射することができる。吸気行程噴射によれば、均質性に優れた混合気を得ることができるので、加速要求に応じて速やかに内燃機関の回転数を上昇させることができるだけでなく、排気エミッションの悪化を抑制することもできる。
第5の発明によれば、実際の吸入空気量が予測吸入空気量を超えた場合、その超えた分の吸入空気量が燃料噴射量の補正値に反映されるので、高い空燃比精度によって所望のトルクを実現することができ、より確実に内燃機関の回転数を上昇させることができる。
第6の発明によれば、補正値から算出される学習値を増量値に取り込むことで、その分、混合気の均質性に優れた吸気行程噴射による燃料噴射の割合を増やすことができ、排気エミッションを向上させることができる。
第7の発明によれば、加速要求が検出されて燃料噴射量が増量された後の自動変速機の回転数上昇を増量値の設定に反映することで、内燃機関の個体差や経年変化によらず、回転数差を最短時間で解消することができる最適な増量値を得ることができる。
また、第8の発明によれば、加速が要求されたときに自動変速機の入力軸の回転数が内燃機関の出力軸の回転数よりも高くなっているときには、燃料噴射タイミングの制約の少ない筒内噴射の比率が大きくされるので、燃料噴射量の早期の増量が可能となって内燃機関の回転数を速やかに上昇させることができる。その結果、内燃機関から自動変速機にトルクが伝達されるようになるまでのタイムラグは短縮され、加速要求に応じて速やかに車両を加速させることが可能になる。
実施の形態1.
以下、図1乃至図4を参照して、本発明の実施の形態1について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1としての燃料噴射制御装置が適用される車両の駆動システムの概略構成を示す図である。先ず、図1を参照して本実施形態にかかる駆動システムの構成について説明する。
以下、図1乃至図4を参照して、本発明の実施の形態1について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1としての燃料噴射制御装置が適用される車両の駆動システムの概略構成を示す図である。先ず、図1を参照して本実施形態にかかる駆動システムの構成について説明する。
本実施形態にかかる駆動システムは、駆動装置として内燃機関(以下、エンジン)2を備えている。このエンジン2とエンジントルクを駆動輪(図示略)に伝達する駆動軸6との間には、自動変速機4が設けられている。自動変速機4は、有段或いは無段の変速機構4bと、変速機構4bに回転を入力する入力軸4cを備えている。また、自動変速機4は、入力軸4cとエンジン2の出力軸10とを接続するトルクコンバータ4aを備えている。エンジン2の回転は、その出力軸10からトルクコンバータ4aを介して入力軸4cに伝達され、変速機構4bにおいて所望の速度に変速されてから駆動軸6に伝達される。
また、本実施形態にかかる駆動システムは、エンジン回転数(エンジン2の出力軸10の回転数)に応じた信号を出力するエンジン回転数センサ42と、トルクコンバータ4aのタービン回転数(自動変速機4の入力軸4cの回転数)に応じた信号を出力するタービン回転数センサ44とを備えている。また、アクセル開度に応じた信号を出力するアクセル開度センサ46を備えている。これらのセンサ42,44,46の信号は、駆動システム全体を総合的に制御するECU(Electronic Control Unit)40に入力されている。ECU40は、各センサ42,44,46の信号から得られる情報やその他の情報に基づき、エンジン2及び自動変速機4の作動を制御している。
次に、本実施形態にかかるエンジン2の具体的構成について図2を参照して説明する。本実施形態にかかるエンジン2は、複数の気筒(図2では1つの気筒のみを示している)を有し、各気筒の内部にはピストン14の上下運動によって膨張と収縮を繰り返す燃焼室12が形成されている。燃焼室12には、その内部に空気を供給するための吸気通路16と、その内部から燃焼ガスを排出するための排気通路18が接続されている。吸気通路16と燃焼室12との接続部には、その連通状態を制御する吸気バルブ20が設けられ、排気通路18と燃焼室12との接続部には、その連通状態を制御する排気バルブ22が設けられている。吸気通路16には、吸入空気量を調整するためのスロットルバルブ34が配置されている。
本実施形態にかかるエンジン2は、気筒毎に2つのインジェクタ26,28を備えるデュアルインジェクタシステムとして構成されている。一方のインジェクタ26は吸気通路16に設けられたポートインジェクタであり、吸気通路16、詳しくは吸気ポート内に燃料を噴射するようになっている。他方のインジェクタ26はシリンダヘッドに燃焼室12内を臨むように設けられた筒内インジェクタであり、燃焼室12内に燃料を直接噴射するようになっている。また、エンジン2のシリンダヘッドには、燃焼室12内の混合ガスに点火する点火プラグ24が取り付けられている。
上記のように、エンジン2は、ポートインジェクタ26、筒内インジェクタ28、スロットルバルブ34、点火プラグ24等、エンジン2の動作を制御するための種々の機器を備えている。ECU40は、前述の各センサ42,44,46の信号から得られる情報やその他の情報に基づき、所定の制御プログラムにしたがってこれらの機器を動作させるようになっている。
ところで、本実施形態のような駆動システムを有する自動車、つまり、AT車では、非駆動状態からの加速時における応答遅れが問題となる。この応答遅れはエンジン2から自動変速機4にトルクが伝達されるようになるまでのタイムラグに起因するものであるので、このタイムラグを短縮することができれば、加速要求に応じて速やかに車両を加速させることが可能になる。上記のタイムラグを短縮する方法としては、燃料噴射量を増量してエンジン回転数neを速やかに上昇させることが考えられる。しかし、燃料増量が大きすぎると、トルクショックの発生や排気エミッションの悪化を招くおそれがある。また、空燃比がリッチになりすぎて却ってトルクの低下を招くおそれもある。
そこで、本発明では、加速要求が検出されたら、タービン回転数ntとエンジン回転数neとの回転数差edlctne(edlctne=nt-ne)に応じて燃料噴射量を増量することとしている。これによれば、過大な燃料増量によってトルクショックの発生や排気エミッションの悪化を招くことなく、エンジン回転数neをタービン回転数ntまで速やかに上昇させることができ、上記のタイムラグを短縮することができる。
本実施形態では、燃料噴射装置としてポートインジェクタ26を用い、回転数差edlctneに応じた燃料噴射量の増量をポートインジェクタ26の燃料噴射制御によって実現する。以下、本実施形態にかかる加速時の燃料噴射制御について説明する。
燃料噴射装置としてポートインジェクタ26を用いる場合、その燃料噴射タイミングには制約がある。具体的には、ポートインジェクタ26による吸気ポート噴射では、吸気バルブ20が閉弁するまでに燃料噴射を完了しておく必要がある。吸気ポート噴射は、吸気バルブ20の開弁期間内に燃料を噴射する吸気同期噴射と、吸気バルブ20の開弁前に燃料噴射を完了する吸気非同期噴射とに大別されるが、噴射した燃料の気化時間を十分に確保するためには吸気非同期噴射のほうが好ましい。
このように吸気ポート噴射では、燃料噴射の終了タイミングが重要であり、まず、燃料噴射終了タイミングが設定され、次に、燃料噴射時間と燃料噴射終了タイミングとから燃料噴射の開始タイミングが計算される。燃料噴射時間、つまり、ポートインジェクタ26の駆動時間は燃料噴射量より決まる。燃料噴射タイミング及び燃料噴射時間(燃料噴射量)の計算タイミングは、吸気同期噴射か吸気非同期噴射かによらず常に燃料噴射の開始に間に合うように、吸気行程よりも大きく進角側、具体的には、前サイクルの排気行程の初期に設定されている。この計算タイミングは一定のクランク角に固定され、クランク角信号に同期して計算が行われる。また、この計算タイミングで計算された燃料噴射タイミング及び燃料噴射時間で実行される燃料噴射を、同期噴射という。
上記の同期噴射では、スロットル開度の変化からその後の吸入空気量の変化を予測し、その予測値に基づいて燃料噴射量を計算している。しかし、同期噴射において燃料噴射量が計算されるのは前サイクルの排気行程初期であり、燃料噴射量はその時点における予測吸入空気量に基づいて計算されるのに対し、実際の吸入空気量が最終的に決まるのは吸気バルブ20の閉弁時である。このため、燃料噴射量の計算後、吸気バルブ20が閉じるまでの間にスロットル開度が大きく上昇したときには、実際の吸入空気量が予測吸入空気量を大きく上回ることになり、吸入空気量に対して燃料噴射量が不足することになる。また、燃焼室12内に吸入される燃料には、吸気ポートに付着した付着燃料の蒸発分も含まれるが、加速時には吸気管負圧の上昇によって付着燃料が急激に蒸発してしまい、付着燃料の蒸発による燃料供給も途絶えてしまう。したがって、この場合、空燃比は過度にリーン化してしまい、エンジン2はスロットル開度に応じたトルクを出力することができず、エンジン回転数neの上昇に遅れが生じてしまう。
そこで、同期噴射のための燃料噴射量の計算後、運転者の加速要求が検出されたときには、クランク角信号に同期しない非同期噴射も実行することで燃料噴射量の不足を補正する。この非同期噴射では、加速要求が検出されたら直ちに燃料噴射量(燃料噴射時間)を計算する。そして、燃料噴射時間から決まる燃料噴射終了タイミングが吸気バルブ20の開弁期間内に収まる場合には、当該気筒のポートインジェクタ26を作動させて追加の燃料噴射を実行する。一方、燃料噴射終了タイミングが吸気バルブ20の開弁期間内に収まらない場合には、次に吸気行程になる気筒のポートインジェクタ26を作動させて追加の燃料噴射を実行する。
上記の非同期噴射では、加速要求が検出された時点での最新の予測吸入空気量と、同期噴射の計算タイミングにおける予測吸入空気量との偏差に基づいて燃料噴射量が計算される。加速要求が検出された時点で予測される吸入空気量の変化には、運転者のアクセル操作に伴うスロットル開度の急激な変化も反映されている。したがって、上記の偏差に基づいて非同期噴射の燃料噴射量を計算することで、吸入空気量の増大に伴う燃料噴射量の不足を補正することができる。
本実施形態にかかる燃料噴射制御では、上記の非同期噴射にかかる燃料噴射量(非同期噴射量)にタービン回転数ntとエンジン回転数neとの回転数差edlctneを反映させるようにしている。具体的には、非同期噴射量tauasyの計算に補正係数Ktauasyを用い、この補正係数Ktauasyを回転数差edlctneを軸とするマップから決定するようにしている。図4には、補正係数Ktauasyの決定に用いるマップの一例を示している。このマップに示すように、補正係数Ktauasyは回転数差edlctneが0以下であれば1に設定され、回転数差edlctneが0よりも大きくなるほど大きい値に設定される。これにより、タービン回転数ntがエンジン回転数neよりも大きい非駆動状態では、非同期噴射量tauasyは回転数差edlctneに応じて増量されることになる。
図3のフローチャートは、本実施形態にかかる燃料噴射制御において実施される非同期噴射のルーチンを示している。このフローチャートを用いて本実施形態にかかる非同期噴射を説明すると、次のようになる。なお、ECU40は、図3に示すルーチンを一定の周期で実行している。
本ルーチンの最初のステップ100では、非同期噴射の実行条件が成立しているか否か判定される。ここでは、加速要求が検出されることを非同期噴射の実行条件としている。ECU40は、アクセル開度センサ46の信号から測定されるアクセル開度の変化量或いは変化速度が所定の基準値を超えた場合、加速要求が有ったものと判断する。スロットルバルブ34がアクセル開度に連動して制御されている場合には、スロットル開度の変化量或いは変化速度から加速要求の有無を判断してもよい。非同期噴射の実行条件が成立しないとき、つまり、加速要求が無い場合には、以降のステップの処理はスキップされる。
ステップ100の判定で非同期噴射の実行条件が成立したときには、ステップ102の処理が実行される。ステップ102では、加速要求の検出タイミングと各気筒の吸気行程との関係に基づいて非同期噴射を実行する気筒が設定される。具体的には、最も早く非同期噴射が可能な気筒が噴射気筒として設定される。また、ステップ102では、加速要求の検出タイミングでの最新の予測吸入空気量と、同期噴射の計算タイミングにおける予測吸入空気量との偏差に基づいて非同期噴射量(基本非同期噴射量)tauasyが算出される。さらに、図4のマップから回転数差edlctneに応じた補正係数Ktauasyが決定され、この補正係数Ktauasyを乗じることで非同期噴射量tauasyの補正が行われる。
次のステップ104では、ステップ102で計算された非同期噴射量tauasyがポートインジェクタ26のドライバにセットされる。これにより、非同期噴射の開始タイミングが到来した時点で、回転数差edlctneに応じて増量された非同期噴射量tauasyの燃料がポートインジェクタ26から吸気ポートへ噴射される。
以上説明した本実施形態にかかる燃料噴射制御によれば、回転数差edlctneを非同期噴射量tauasyに反映させることで、燃料噴射タイミングに制約のある吸気ポート噴射であっても、加速要求に応じて速やかにエンジン2の回転数を上昇させ、回転数差edlctneを速やかに解消することができる。また、本実施形態にかかる燃料噴射制御によれば、加速要求が検出された後の吸入空気量の変化が非同期噴射量tauasyの算出に反映されるので、高い空燃比精度によって所望のトルクを実現することができ、確実にエンジン2の回転数を上昇させることができる。
本実施の形態では、ECU40により同期噴射量が計算され、また、上記ステップ102の処理の実行時に基本非同期噴射量が計算されることで、第1の発明の「基本値算出手段」が実現されている。また、ECU40によりステップ100の処理が実行されることで、第1の発明の「加速要求検出手段」が実現されている。さらに、ECU40によるステップ102の処理の実行時、回転数差edlctneに応じた補正係数Ktauasyが基本非同期噴射量に乗算され、基本非同期噴射量に対する補正量(増量)が計算されることで、第1の発明の「増量値算出手段」が実現されている。また、第1の発明の「回転数差測定手段」及び「燃料噴射制御手段」も、前記の各手段と同様、ECU40の一機能として実現されている。
なお、本実施形態にかかる非同期噴射は、図5のフローチャートに示すルーチンによっても実施することができる。図5に示すルーチンは図3に示すルーチンの変形例である。図5に示すルーチンは、回転数差edlctneから車両が駆動状態か非駆動状態かを判断し、その判断結果に応じて非同期噴射の実行条件を異ならせている点に特徴がある。
図5に示すルーチンの最初のステップ200では、回転数差edlctneが0より大きいか否か、つまり、車両が非駆動状態(edlctne>0)或いは駆動状態(edlctne≦0)の何れの状態にあるか判定される。判定の結果、車両が非駆動状態の場合にはステップ202の判定が行われ、駆動状態の場合にはステップ208の判定が行われる。
ステップ202では、車両が非駆動状態の場合における非同期噴射の実行条件(実行条件1)が成立しているか否か判定される。一方、ステップ208では、車両が駆動状態の場合における非同期噴射の実行条件(実行条件2)が成立しているか否か判定される。どちらのステップ202,208でも、加速要求のレベルが基準レベルを超えることを非同期噴射の実行条件としている。ただし、実行条件1と実行条件2では基準レベルに高低差があり、実行条件1で設定されている基準レベルは、実行条件2で設定されている基準レベルよりも低い値に設定されている。これにより、車両が非駆動状態のときには、駆動状態のときよりも非同期噴射が実行されやすくなっている。なお、加速要求のレベルは、アクセル開度の変化量或いは変化速度、若しくは、スロットル開度の変化量或いは変化速度から判断することができる。
車両が非駆動状態にあり、ステップ202の判定で非同期噴射の実行条件1が成立したときには、ステップ204の処理が実行される。ステップ204では、実行条件1の成立タイミングと各気筒の吸気行程との関係に基づいて非同期噴射を実行する気筒が設定される。また、ステップ204では、実行条件1の成立タイミングでの最新の予測吸入空気量と、同期噴射の計算タイミングにおける予測吸入空気量との偏差に基づいて非同期噴射量tauasyが算出される。さらに、回転数差edlctneから決まる補正係数Ktauasyを乗じることで、非同期噴射量tauasyは回転数差edlctneに応じた値に補正される。
一方、車両が駆動状態にあり、ステップ208の判定で非同期噴射の実行条件2が成立したときには、ステップ210の処理が実行される。ステップ210では、実行条件2の成立タイミングと各気筒の吸気行程との関係に基づいて非同期噴射を実行する気筒が設定される。また、実行条件2の成立タイミングでの最新の予測吸入空気量と、同期噴射の計算タイミングにおける予測吸入空気量との偏差に基づいて非同期噴射量tauasyが算出される。この場合は、回転数差edlctneに応じた非同期噴射量tauasyの補正は行われない。
ステップ206では、ステップ204或いはステップ210で計算された非同期噴射量tauasyがポートインジェクタ26のドライバにセットされる。これにより、非同期噴射の開始タイミングが到来した時点で、非同期噴射量tauasyの燃料がポートインジェクタ26から吸気ポートへ噴射される。
上記のルーチンのように車両の状態によって非同期噴射の実行条件を変え、非駆動状態のときには駆動状態のときよりも非同期噴射を実行されやすくすることで、非駆動状態からの加速時の加速応答性を高めることができる。また、駆動状態のときには非駆動状態のときよりも非同期噴射の実行条件を厳しく設定することで、非同期噴射の多用による燃費の悪化を防止することができる。
実施の形態2.
次に、図6乃至図8を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。
次に、図6乃至図8を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。
本実施形態の燃料噴射制御装置は、実施の形態1と同じく、図1に示す構成の車両の駆動システム、及び、図2に示す構成のエンジンに適用される。実施の形態1では、燃料噴射装置としてポートインジェクタ26を用い、回転数差edlctneに応じた燃料噴射量の増量をポートインジェクタ26の燃料噴射制御によって実現している。これに対し、本実施形態では、燃料噴射装置として筒内インジェクタ28を用い、回転数差edlctneに応じた燃料噴射量の増量を筒内インジェクタ28の燃料噴射制御によって実現する。以下、本実施形態にかかる加速時の燃料噴射制御について説明する。
燃料噴射装置として筒内インジェクタ28を用いる場合、ポートインジェクタ26とは異なり、燃料噴射の終了タイミングに制約はない。具体的には、筒内インジェクタ28による筒内噴射では、吸気行程のみならず、吸気バルブ20が閉弁した後の圧縮行程でも燃料を噴射することができる。ただし、吸気行程での燃料噴射(吸気行程噴射)と圧縮行程での燃料噴射(圧縮行程噴射)とを比較した場合、燃焼室12内の混合気の均質性は吸気行程噴射の方が優れ、排気エミッションも良好となる。したがって、回転数差edlctneに応じて燃料噴射量を増量する場合、その増量分の燃料も基本噴射量分の燃料とともに吸気行程噴射によりエンジン2に供給するのが好ましい。
しかし、吸気行程噴射を実行する場合、燃料噴射量は吸気行程前に計算されている必要がある。このため、燃料噴射量の算出に用いる吸入空気量は、スロットル開度の変化から予測せざるを得ない。燃料噴射量の計算後にスロットル開度が変化して吸入空気量が増大した場合には、実際の吸入空気量が予測吸入空気量を上回ることになり、吸入空気量に対して燃料噴射量が不足することになる。
筒内噴射では、吸気行程噴射での燃料噴射量の不足を補う手段として、圧縮行程噴射を用いることができる。圧縮行程噴射を実行する場合は、燃料噴射量は吸気行程後期から圧縮行程初期にかけての間に計算されていればよい。この頃には吸入空気量は確定、或いはほぼ確定しているので、正確な吸入空気量に基づいて不足している燃料量を計算することができる。なお、吸入空気量は、気筒毎に筒内圧センサを設けることにより、気筒毎に正確に測定することができる。
図6乃至図8のフローチャートは、本実施形態にかかる燃料噴射制御において実施されるルーチンを示している。図6に示すルーチンでは吸気行程噴射と圧縮行程噴射の各燃料噴射タイミングが決定される。図7に示すルーチンでは吸気行程噴射にかかる燃料噴射量(吸気行程噴射量)etauiが決定され、図8に示すルーチンでは圧縮行程噴射にかかる燃料噴射量(圧縮行程噴射量)etaucが決定される。図6に示すルーチンは一定の周期で実行されるメインルーチンであり、図7、図8に示すルーチンはそれぞれ所定のクランク角度において実行されるサブルーチンとなっている。
先ず、図6に示すメインルーチンについて説明する。筒内噴射を実行する場合、その燃料噴射タイミングは、燃料噴射の終了タイミングではなく、燃料噴射の開始タイミングによって制御される。最初のステップ300では、エンジン2の運転状態等に基づき吸気行程噴射の開始タイミング(吸気行程噴射タイミング)eainjiが算出される。
次のステップ302では、加速要求の有無が判定される。ECU40は、アクセル開度センサ46の信号から測定されるアクセル開度の変化量或いは変化速度が所定の基準値を超えた場合、加速要求が有ったものと判断する。スロットルバルブ34がアクセル開度に連動して制御されている場合には、スロットル開度の変化量或いは変化速度から加速要求の有無を判断してもよい。
加速要求が有ると判断された場合には、さらに、ステップ304の判定が行われる。ステップ304では、タービン回転数ntとエンジン回転数neとの回転数差edlctne(edlctne=nt-ne)が0より大きいか否か、つまり、車両が非駆動状態(edlctne>0)或いは駆動状態(edlctne≦0)の何れの状態にあるか判定される。判定の結果、車両が非駆動状態の場合には、次のステップ306に進み、エンジン2の運転状態等に基づき圧縮行程噴射の開始タイミング(圧縮行程噴射タイミング)eainjcが算出される。
ステップ302で加速要求が無いと判断された場合や、ステップ304で車両が駆動状態にあると判断された場合は、ステップ306の処理はスキップされる。つまり、本実施形態の燃料噴射制御では、加速要求が有って且つ車両が非駆動状態の場合にのみ圧縮行程噴射が実行され、その他の場合には混合気の均質性に優れた吸気行程噴射のみが実行される。
次に、図7、図8に示す各サブルーチンについて説明する。図7に示すサブルーチンは、点火TDCの450°前(450B)に実行される。最初のステップ310では、燃料噴射量を増量する条件が成立しているか否か判定される。ここでは、加速要求が検出されることを増量条件としている。ECU40は、アクセル開度の変化量或いは変化速度、若しくは、スロットル開度の変化量或いは変化速度から加速要求の有無を判断する。
ステップ310で増量条件が成立した場合には、ステップ312に進み、回転数差edlctneに応じて吸気行程噴射量etauiの補正が行われる。吸気行程噴射量etauiの基本値は予め予測吸入空気量から計算されており、ステップ312では、回転数差edlctneに応じた補正係数が基本値に乗算される。補正係数は、最小値が1であり、回転数差edlctneが大きいほど大きい値に設定されるようになっている。ステップ310で増量条件が成立しなかったときには、基本値がそのまま吸気行程噴射量etauiとして設定される。
次のステップ314では、ステップ310での判定結果に応じて、ステップ310で補正された吸気行程噴射量etaui、或いは、基本値そのままの吸気行程噴射量etauiが筒内インジェクタ28のドライバにセットされる。これにより、図6に示すメインルーチンで設定された吸気行程噴射タイミングeainjiが到来した時点で、吸気行程噴射量etauiの燃料が筒内インジェクタ28から燃焼室10内へ直接噴射される。
図8に示すサブルーチンは、図6に示すメインルーチンで圧縮行程噴射タイミングeainjcが算出された場合にのみ実行される。このサブルーチンの実行時期は、点火TDCの180°前(180B)に設定されている。最初のステップ320では、燃料噴射量の不足の有無が判定される。具体的には、180Bの時点で測定された吸入空気量と、450Bの時点で予測された吸入空気量との空気量差が算出され、空気量差が所定の基準値を超える場合には燃料噴射量に不足があると判断される。燃料噴射量に不足が無い場合には、圧縮行程噴射を実行する必要が無いので、以降のステップの処理はスキップされる。
燃料噴射量に不足が有る場合には、ステップ322に進み、圧縮行程噴射量etaucの算出が行われる。圧縮行程噴射量etaucは、上記の空気量差と回転数差edlctneとに基づいて算出される。空気量差が大きいほど、また、回転数差edlctneが大きいほど、圧縮行程噴射量etaucは大きい値に設定される。
次のステップ324では、ステップ322で算出された圧縮行程噴射量etaucが筒内インジェクタ28のドライバにセットされる。これにより、図6に示すルーチンで設定された圧縮行程噴射タイミングeainjcが到来した時点で、圧縮行程噴射量etaucの燃料が筒内インジェクタ28から燃焼室10内へ直接噴射される。
以上説明した本実施形態にかかる燃料噴射制御によれば、燃料噴射装置として燃焼室10内に燃料を直接噴射する筒内インジェクタ28を用いることで、燃料噴射タイミングの制約を少なくすることができ、増量分の燃料も基本噴射量分の燃料とともに吸気行程噴射により噴射することができる。吸気行程噴射によれば、均質性に優れた混合気を得ることができるので、加速要求に応じて速やかにエンジン2の回転数を上昇させることができるだけでなく、排気エミッションの悪化を抑制することもできる。また、本実施形態にかかる燃料噴射制御によれば、実際の吸入空気量が予測吸入空気量を超えた場合でも、圧縮行程噴射を実行することにより吸入空気量の増大に伴う燃料噴射量の不足を補正することができる。これにより、高い空燃比精度によって所望のトルクを実現することができ、確実にエンジン2の回転数を上昇させることができる。
本実施の形態では、ECU40により吸気行程噴射量etauiの基本値が計算されることで、第1の発明の「基本値算出手段」が実現されている。また、ECU40によりステップ310の処理が実行されることで、第1の発明の「加速要求検出手段」が実現されている。さらに、ECU40によりステップ312の処理が実行されることで、第1の発明の「増量値算出手段」が実現され、図8に示すサブルーチンが実行されることで、第5の発明の「補正値算出手段」が実現されている。また、第1の発明の「回転数差測定手段」及び「燃料噴射制御手段」は、前記の各手段と同様、ECU40の一機能として実現されている。
実施の形態3.
次に、図9を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。
次に、図9を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。
本実施形態の燃料噴射制御装置は、実施の形態1及び2と同じく、図1に示す構成の車両の駆動システム、及び、図2に示す構成のエンジンに適用される。実施の形態1及び2では、回転数差edlctneに応じて燃料噴射量を増量することで非駆動状態から加速する際の加速応答性の向上を図っているが、本実施形態では、これとは別の方法を用いて加速応答性の向上を図っている。以下、本実施形態にかかる加速時の燃料噴射制御について説明する。
図2に示すようなデュアルインジェクタシステムを備えるエンジン2では、ポートインジェクタ26を用いた吸気ポート噴射による燃料噴射量と、筒内インジェクタ28を用いた筒内噴射による燃料噴射量との比率(噴射比率)を任意に変更することができる。吸気ポート噴射は、燃料の気化時間を長くとれる分、均質性に優れた混合気を得ることができるという利点があり、筒内噴射は、燃料噴射タイミングに制約がないので必要に応じて速やかに空燃比を調整できるという利点がある。
非駆動状態から加速する際の加速応答性を向上させるためには、エンジン回転数neを速やかに上昇させる必要がある。そのためには、吸気ポート噴射よりも応答性に優れた筒内噴射のほうが燃料噴射の噴射パターンとしては適している。図9のフローチャートは、本実施形態にかかる燃料噴射制御において実施されるルーチンを示している。本実施形態ででは、図9に示すルーチンにより回転数差edlctneに応じて噴射パターンを変更することで加速応答性の向上を図っている。なお、ECU40は、図9に示すルーチンを一定の周期で実行している。
図9に示すルーチンの最初のステップ400では、エンジン2の運転状態、例えば、エンジン回転数や吸入空気量に基づき噴射比率ekpfiが算出される。なお、本実施形態では、本ルーチンと並行して、エンジン2の運転状態から総燃料噴射量を算出するためのルーチンが実行されている。この別ルーチンで算出される総燃料噴射量と本ルーチンで算出される噴射比率ekpfiとから、各インジェクタ26,28の燃料噴射量が算出される。
次のステップ402では、加速要求の有無が判定される。ECU40は、アクセル開度センサ46の信号から測定されるアクセル開度の変化量或いは変化速度が所定の基準値を超えた場合、加速要求が有ったものと判断する。スロットルバルブ34がアクセル開度に連動して制御されている場合には、スロットル開度の変化量或いは変化速度から加速要求の有無を判断してもよい。
加速要求が有ると判断された場合には、さらに、ステップ404の判定が行われる。ステップ404では、回転数差edlctneが0より大きいか否か、つまり、車両が非駆動状態(edlctne>0)或いは駆動状態(edlctne≦0)の何れの状態にあるか判定される。判定の結果、車両が非駆動状態の場合には、次のステップ406に進み、噴射比率ekpfiが0に変更される。つまり、吸気ポート噴射は停止して筒内噴射のみを実行する噴射パターンが選定される。
ステップ402で加速要求が無いと判断された場合や、ステップ404で車両が駆動状態にあると判断された場合は、ステップ406の処理はスキップされる。つまり、本実施形態の燃料噴射制御では、加速要求が有って且つ車両が非駆動状態の場合にのみ強制的に完全筒内噴射が選択され、その他の場合にはエンジン2の運転状態に応じた噴射パターンが選定される。
以上説明した本実施形態にかかる燃料噴射制御によれば、非駆動状態から加速する際には、燃料噴射の噴射パターンとして応答性に優れた筒内噴射が強制的に選択されるので、燃料噴射量の早期の増量が可能となってエンジン回転数を速やかに上昇させることができる。その結果、エンジン2から自動変速機4にトルクが伝達されるようになるまでのタイムラグは短縮され、加速要求に応じて速やかに車両を加速させることが可能になる。
本実施の形態では、ECU40によりステップ400の処理が実行されることで、第8の発明の「噴射比率設定手段」が実現されている。また、ECU40によりステップ302の処理が実行されることで、第8の発明の「加速要求検出手段」が実現されている。さらに、ECU40によりステップ406の処理が実行されることで、第8の発明の「噴射比率補正手段」が実現されている。また、第8の発明の「回転数差測定手段」及び「燃料噴射制御手段」は、前記の各手段と同様、ECU40の一機能として実現されている。
なお、本実施の形態では、非駆動状態から加速する際、噴射比率ekpfiを0に設定しているが、必ずしも0に設定する必要は無い。駆動状態からの加速時に比較して噴射比率ekpfiを小さく設定するだけでも、筒内噴射の割合を増やすことによる効果は得ることができる。
実施の形態4.
次に、図10及び図11を参照して、本発明の実施の形態4について説明する。
次に、図10及び図11を参照して、本発明の実施の形態4について説明する。
実施の形態2にかかる燃料噴射制御によれば、吸気行程噴射での燃料噴射量に不足がある場合、圧縮行程噴射を実行することで燃料噴射量の不足を補正することができる。しかし、吸気行程噴射は圧縮行程噴射に比較して混合気の均質性に優れているので、できる限り吸気行程噴射による燃料噴射量の割合を増やしたい。そこで、本実施形態にかかる燃料噴射制御では、圧縮行程噴射により定常的に追加噴射されている燃料量を学習し、その学習値を吸気行程噴射による燃料噴射量に取り込むこととした。
本実施形態の燃料噴射制御装置は、実施の形態2にかかる燃料噴射制御において、図7に示すルーチンに代えて図10に示すルーチンを実行し、図8に示すルーチンに代えて図11に示すルーチンを実行することで実現することができる。図10に示すルーチンは吸気行程噴射にかかる燃料噴射量(吸気行程噴射量)etauiを決定するルーチンであり、図11に示すルーチンは圧縮行程噴射にかかる燃料噴射量(圧縮行程噴射量)etaucを決定するルーチンである。何れも図6に示すルーチンをメインルーチンとするサブルーチンであり、それぞれ所定のクランク角度において実行される。
図10に示すサブルーチンは、点火TDCの450°前(450B)に実行される。最初のステップ330では、燃料噴射量を増量する条件が成立しているか否か判定される。ここでは、加速要求が検出されることを増量条件としている。ECU40は、アクセル開度の変化量或いは変化速度、若しくは、スロットル開度の変化量或いは変化速度から加速要求の有無を判断する。
ステップ330で増量条件が成立した場合には、ステップ332に進み、回転数差edlctneに応じて吸気行程噴射量etauiの補正が行われる。吸気行程噴射量etauiの基本値は予め予測吸入空気量から計算されており、ステップ332では、回転数差edlctneに応じた補正係数が基本値に乗算される。ステップ330で増量条件が成立しなかったときには、基本値がそのまま吸気行程噴射量etauiとして設定される。
本実施形態では、さらにステップ334の処理が実行される。ステップ334では、回転数差edlctneに応じて補正された吸気行程噴射量etauiに、さらに、学習補正量egtaucが加算される。この学習補正量egtaucとしては、圧縮行程噴射量etaucをなました値、例えば、圧縮行程噴射量etaucの数分の1を積算した値等を用いることができる。ステップ334の処理により、圧縮行程噴射により定常的に追加噴射されている燃料量が吸気行程噴射量etauiに移し替えられることになる。
次のステップ336では、ステップ330での判定結果に応じて、ステップ334で学習補正された吸気行程噴射量etaui、或いは、基本値そのままの吸気行程噴射量etauiが筒内インジェクタ28のドライバにセットされる。これにより、図6に示すメインルーチンで設定された吸気行程噴射タイミングeainjiが到来した時点で、吸気行程噴射量etauiの燃料が筒内インジェクタ28から燃焼室10内へ直接噴射される。
図11に示すサブルーチンは、図6に示すメインルーチンで圧縮行程噴射タイミングeainjcが算出された場合にのみ実行されるルーチンであり、その実行時期は、点火TDCの180°前(180B)に設定されている。最初のステップ340では、180Bの時点で測定された吸入空気量と、450Bの時点で予測された吸入空気量との空気量差から燃料噴射量の不足の有無が判定される。燃料噴射量に不足が無い場合には、圧縮行程噴射を実行する必要が無いので、以降のステップの処理はスキップされる。
燃料噴射量に不足が有る場合には、ステップ342に進み、圧縮行程噴射量etaucの算出が行われる。次のステップ344では、ステップ342で算出された圧縮行程噴射量etaucが筒内インジェクタ28のドライバにセットされる。これにより、図6に示すルーチンで設定された圧縮行程噴射タイミングeainjcが到来した時点で、圧縮行程噴射量etaucの燃料が筒内インジェクタ28から燃焼室10内へ直接噴射される。
本実施形態では、さらにステップ346の処理が実行される。ステップ346では、ステップ342で算出された圧縮行程噴射量etaucを用いて学習補正量egtaucの更新が行われる。更新された学習補正量egtaucは、図10に示すルーチンの次回の実行時、ステップ334の処理において吸気行程噴射量etauiの学習補正に用いられる。
以上説明した本実施形態にかかる燃料噴射制御によれば、圧縮行程噴射量etaucから算出される学習補正量egtaucを吸気行程噴射量etauiに取り込むことで、その分、混合気の均質性に優れた吸気行程噴射による燃料噴射の割合を増やすことができ、排気エミッションを向上させることができる。
本実施の形態では、ECU40によりステップ334の処理、及びステップ346の処理が実行されることで、第6の発明の「学習補正手段」が実現されている。
実施の形態5.
次に、図12を参照して、本発明の実施の形態5について説明する。
次に、図12を参照して、本発明の実施の形態5について説明する。
実施の形態1では、図4に示すマップを用いて非同期噴射量tauasyを補正するための補正係数Ktauasyを決定している。このマップでは、エンジン2から自動変速機4にトルクが伝達されるまでのタイムラグを最小にできるように、回転数差edlctneと補正係数Ktauasyとの関係が規定されている。しかし、エンジン2の個体差や経年変化により、必ずしも設計どおりの性能が得られるとは限らない。そこで、本実施形態にかかる燃料噴射制御では、エンジン2から自動変速機4にトルクが伝達されるまでのタイムラグに基づいてマップ、つまり、回転数差edlctneと補正係数Ktauasyとの関係を補正することとした。
本実施形態の燃料噴射制御装置は、実施の形態1にかかる燃料噴射制御において、図3に示すルーチンとともに、図12に示すルーチンを実行することで実現することができる。図12に示すルーチンは、図3に示すルーチンが実行される度に、一定の周期で実行される。
図12に示すルーチンの最初のステップ110では、図3に示すルーチンにより非同期噴射が実行された気筒、つまり、ステップ102で噴射気筒として設定された気筒の気筒番号が記憶される。
次のステップ112では、非同期噴射の実行履歴の有無が判定される。この実行履歴は、図3に示すルーチンによって非同期噴射が実行されたときにECU40のメモリに書き込まれ、エンジン2から自動変速機4へトルクが伝達され、非同期噴射の目的が達成されたときに消去されるようになっている。非同期噴射の実行履歴がない場合には、本ルーチンは終了する。
非同期噴射の実行履歴がある場合には、ステップ114の判定が行われる。ステップ114では、今回のタービン回転数ntが、前回のタービン回転数ntoldよりも判定値αを超えて高くなっているか否か判定される。タービン回転数ntは、エンジン回転数neが上昇してエンジン2から自動変速機4へトルクが伝達されたときに上昇する。判定値αは、タービン回転数ntの変動を考慮した場合でも、明らかにタービン回転数ntが上昇したと判断することができる値に設定されている。
今回値ntが前回値ntoldよりも判定値αを超えて高くなっていないときは、未だエンジン2から自動変速機4へトルクが伝達されていないと判断することができる。その場合はステップ116に進み、カウンタAがインクリメントされる。なお、カウンタAの初期値は0である。
今回値ntが前回値ntoldよりも判定値αを超えて高くなったときは、エンジン2から自動変速機4へトルクが伝達され、タービン回転数ntが立ち上がったものと判断することができる。その場合はステップ118に進み、カウンタAが基準値B以内か否か判定される。カウンタAの値は、非同期噴射が実行されてからタービン回転数ntが立ち上がるまでの遅れ時間を示している。一方、基準値Bは、許容される遅れ時間の最大値を示している。
カウンタAが基準値B以内に収まっているならば、非同期噴射の実行によって、エンジン2から自動変速機4へ設計通りに速やかにトルクが伝達されたものと判断することができる。したがって、今回の非同期噴射量tauasyは適正量であると判断することができ、マップにおける回転数差edlctneと補正係数Ktauasyとの関係を補正する必要はない。この場合、ステップ120の処理によりカウンタAがクリアされ、ステップ122の処理により非同期噴射の実行履歴が消去された後、本ルーチンは終了する。
ステップ118の判定の結果、カウンタAが基準値Bを超えている場合には、エンジン2のトルク不足によってエンジン回転数neの上昇が設計よりも遅れたものと判断することができる。エンジン2の出力トルクは、空燃比が適正空燃比よりもリーン過ぎても、逆にリッチ過ぎても低下する。そこで、カウンタAが基準値Bを超えている場合は、次のステップ124の処理として、空燃比が適正空燃比よりもリッチになっているか、或いはリーンになっているかを判定する。なお、空燃比は、排気通路18に空燃比センサを配置することで測定することができる。
空燃比が適正空燃比よりもリッチになっている場合には、ステップ126の処理を行う。ステップ126では、マップにおける回転数差edlctneと補正係数Ktauasyとの関係を非同期噴射量tauasyを減らす方向に補正する。一方、空燃比が適正空燃比よりもリーンになっている場合には、ステップ128の処理を行う。ステップ128では、マップにおける回転数差edlctneと補正係数Ktauasyとの関係を非同期噴射量tauasyを増やす方向に補正する。なお、マップは気筒毎に用意されているので、ステップ126或いはステップ128で行われるマップの補正は、非同期噴射が実行された気筒、つまり、ステップ110で記憶された気筒番号の気筒についてのみ実施される。
ステップ126或いはステップ128の処理によりマップが補正されることで、当該気筒の次回の非同期噴射時には、適正空燃比を実現可能な適正量の非同期噴射量tauasyがポートインジェクタ26から噴射される。ステップ126或いはステップ128の実行後は、ステップ120の処理によりカウンタAがクリアされ、ステップ122の処理により非同期噴射の実行履歴が消去される。
以上説明した本実施形態にかかる燃料噴射制御によれば、非同期噴射が実行されてからタービン回転数ntが立ち上がるまでの遅れ時間を非同期噴射量tauasyの設定に反映することで、エンジン2の個体差や経年変化によらず、エンジン2から自動変速機4にトルクが伝達されるまでのタイムラグを最小にすることができる最適な非同期噴射量tauasyを得ることができる。
本実施の形態では、ECU40により上記ルーチンが実行されることで、第7の発明の「学習補正手段」が実現されている。
その他.
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、次のように変形して実施してもよい。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、次のように変形して実施してもよい。
実施の形態1にかかる燃料噴射制御、及び実施の形態5にかかる燃料噴射制御は、ポートインジェクタのみを備えたエンジンにも適用することができる。実施の形態2にかかる燃料噴射制御、及び実施の形態4にかかる燃料噴射制御は、筒内インジェクタのみを備えたエンジンにも適用することができる。
実施の形態5で実施している非同期噴射量tauasyの学習補正、つまり、非同期噴射が実行されてからタービン回転数ntが立ち上がるまでの遅れ時間を非同期噴射量tauasyの設定に反映する技術は、実施の形態2にかかる燃料噴射制御、つまり、筒内噴射を用いた燃料噴射制御にも応用できる。この場合は、吸気行程噴射量etauiが増量されてからタービン回転数ntが立ち上がるまでの遅れ時間を吸気行程噴射量etauiの増量値の設定に反映すればよい。
また、実施の形態1及び実施の形態2では、回転数差edlctneが0より大きいとき、つまり、非駆動状態の場合に燃料噴射量を増量するようにしているが、非駆動状態であっても回転数差edlctneが小さい場合には燃料噴射量の増量を行わず、回転数差edlctneが0より大きい所定値以上であれば燃料噴射量を増量するようにしてもよい。実施の形態3に関しても同様であり、非駆動状態であっても回転数差edlctneが小さい場合には噴射比率ekpfiを小さくせず、回転数差edlctneが0より大きい所定値以上であれば噴射比率ekpfiを小さくするようにしてもよい。
2 エンジン
4 自動変速機
4a トルクコンバータ
4b 変速機構
4c 自動変速機入力軸
6 駆動軸
10 エンジン出力軸
12 燃焼室
16 吸気通路
20 吸気バルブ
22 排気バルブ
26 ポートインジェクタ
28 筒内インジェクタ
34 スロットルバルブ
40 ECU
42 エンジン回転数センサ
44 タービン回転数センサ
46 アクセル開度センサ
4 自動変速機
4a トルクコンバータ
4b 変速機構
4c 自動変速機入力軸
6 駆動軸
10 エンジン出力軸
12 燃焼室
16 吸気通路
20 吸気バルブ
22 排気バルブ
26 ポートインジェクタ
28 筒内インジェクタ
34 スロットルバルブ
40 ECU
42 エンジン回転数センサ
44 タービン回転数センサ
46 アクセル開度センサ
Claims (8)
- トルクコンバータ式の自動変速機に接続される内燃機関の燃料噴射制御装置において、
前記内燃機関の運転状態に基づいて燃料噴射量の基本値を算出する基本値算出手段と、
加速要求を検出する加速要求検出手段と、
前記自動変速機の入力軸の回転数と前記内燃機関の出力軸の回転数との回転数差を測定する回転数差測定手段と、
前記加速要求の検出時、前記回転数差が所定値以上の場合には、前記回転数差に応じて燃料噴射量の増量値を算出する増量値算出手段と、
前記基本値及び前記増量値の燃料を噴射するようにインジェクタを駆動する燃料噴射制御手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。 - 前記インジェクタは吸気ポートに燃料を噴射するポートインジェクタであり、
前記燃料噴射制御手段は、前記加速要求が検出されたときは、クランク角信号に同期しない非同期噴射により前記増量値分の燃料を噴射するよう前記ポートインジェクタを駆動することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。 - 前記増量値算出手段は、前記加速要求が検出された後の吸入空気量の変化を予測し、前記の予測結果と前記回転数差とに基づいて前記増量値を算出することを特徴とする請求項2記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
- 前記インジェクタは筒内に燃料を直接噴射する筒内インジェクタであり、
前記燃料噴射制御手段は、吸気行程噴射により前記基本値分の燃料と前記増量値分の燃料とを併せて噴射するよう前記筒内インジェクタを駆動することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。 - 吸気行程の終了後或いは終了直前に、当該気筒の実際の吸入空気量と前記基本値及び前記増量値の算出に用いられた予測吸入空気量との偏差を求め、前記偏差が所定値以上の場合には、前記偏差と前記回転数差とに基づいて燃料噴射量の補正値を算出する補正値算出手段をさらに備え、
前記燃料噴射制御手段は、圧縮行程噴射により前記補正値分の燃料を噴射するよう前記筒内インジェクタを駆動することを特徴とする請求項4記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。 - 前記補正値から算出される学習値を前記増量値に取り込むことで前記回転数差に対する前記増量値の設定を補正する学習補正手段をさらに備えることを特徴とする請求項5記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
- 前記自動変速機の入力軸の回転数の上昇度に基づいて、前記回転数差に対する前記増量値の設定を補正する学習補正手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
- 吸気ポートに燃料を噴射するポートインジェクタと、筒内に燃料を直接噴射する筒内インジェクタとを有し、トルクコンバータ式の自動変速機に接続される内燃機関の燃料噴射制御装置において、
前記内燃機関の運転状態に基づいて前記ポートインジェクタからの燃料噴射量と前記筒内インジェクタからの燃料噴射量との噴射比率を設定する噴射比率設定手段と、
加速要求を検出する加速要求検出手段と、
前記自動変速機の入力軸の回転数と前記内燃機関の出力軸の回転数との回転数差を測定する回転数差測定手段と、
前記加速要求の検出時、前記回転数差が所定値以上の場合には、前記ポートインジェクタによる燃料噴射量の比率を小さくし、前記筒内インジェクタによる燃料噴射量の比率を大きくするよう前記噴射比率を補正する噴射比率補正手段と、
決定された噴射比率に基づいて前記ポートインジェクタ及び前記筒内インジェクタを駆動する燃料噴射制御手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
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