JP2007107195A - 鋼床版補強工法とそれに用いられるプレキャスト補強版 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高速道路などの鋼床版は、長年の使用により、デッキプレートとトラフリブとの溶接部などに疲労亀裂が発生することがある。
【解決手段】 鋼床版のデッキプレートの上にプレキャスト補強版を重ねて敷設し、それをデッキプレートに固定する。プレキャスト補強版として一層のもの或は積層構造のものを使用する。一層のものとしてはコンクリート版、プレストレストコンクリート版とすることができる。積層構造は鋼板とコンクリートの積層とすることができる。デッキプレートへのプレキャスト補強版の固定はボルト締めと接着剤による接着との併用、或はいずれか一方による固定とすることができる。積層構造のプレキャスト補強版は積層した床版同士を連結した。プレキャスト補強版に貫通孔を明けておいて、その貫通孔を鋼床版に孔明けするときのガイドとしても、ボルト締め用としても使用できるようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は高架道路、高速道路、河川橋等(以下これらをまとめて「道路」という)における既設又は新設の鋼床版を補強する工法、特に既設鋼床版の補強に適する工法と、その工法に使用されるプレキャスト補強版に関するものである。
道路橋には鋼床版形式の橋梁がある。鋼床版には各種構造のものがあるが、その構造は、図10のように鋼板製のデッキプレートAの底面にトラフリブBなどが溶接され、上面にアスファルト舗装が形成されたものである。
道路や橋梁の上は多くの自動車が通行する。都市部の高速道路は特に通行量が多く、1日に数十万台も通行している。また、通行量の増加だけでなく、車両が大型化・重量化しているため、長年の使用により道路や橋梁が疲労・損傷し易く、鋼床版においては疲労亀裂が発生することがある。その主な原因は、デッキプレートの剛性不足と考えられる。このような性状に対し、デッキプレートの上面又は下面からの補強により、剛性を付与し、局部変形ならびに応力集中を低減し、疲労耐久性を向上させる技術が求められている。
本発明の鋼床版補強工法は、既設又は新設の鋼床版のデッキプレート上面に補強版を設けることにより、デッキプレートの局部変形ならびに応力集中を低減し、疲労耐久性の向上を図ることを主な目的とするものである。
本発明のプレキャスト補強版は、鋼床版の補修又は新設の現場に搬入して、既設或は新設鋼床版のデッキプレート上面に、手軽に、迅速に、短期間で現場施工できるようにしたものであり、それを施工することによりデッキプレートの局部変形ならびに応力集中を低減し、疲労耐久性を向上させることを主な目的とするものである。
本願の鋼床版補強工法は、請求項1〜4記載のように、アスファルト舗装が撤去された既設鋼床版又は新設鋼床版のデッキプレート上に、床版が一層であるか又は二層以上に積層連結されたプレキャスト補強版を敷設し、そのプレキャスト補強版を前記デッキプレートに固定する工法である。この場合、プレキャスト補強版に貫通孔が形成されているものを使用し、その貫通孔を利用してプレキャスト補強版をデッキプレートに固定することができる。また、貫通孔内に止め具が内蔵されたものを使用し、その止め具を利用してプレキャスト補強版をデッキプレートに固定することもできる。デッキプレート上に敷設したプレキャスト補強版の貫通孔から、その下のデッキプレートに固定孔を明け、この固定孔と前記貫通孔を利用してプレキャスト補強版をデッキプレートに固定することもできる。デッキプレート上に固定されたプレキャスト補強版の上に防水層を設けてから、防水層の上に舗装(例えば、アスファルト舗装)を施工することができる。
本願のプレキャスト補強版は、請求項5〜8記載のように、アスファルト舗装が撤去された既設鋼床版、又は新設鋼床版のデッキプレート上に敷設固定されるプレキャスト補強版であり、床版が一層又は二層以上の積層構造にプレキャストされたものである。このプレキャスト補強版はコンクリート製の床版と他の材質製床版とを積層連結したものとすることができる。積層連結された床版に貫通孔が形成されたものとすることができる。その貫通孔には止め具を内蔵することも内蔵しないこともできる。積層された床版間を接着剤で、又は接着剤とずれ止め具とで連結することもできる。
本発明の請求項1〜4の鋼床版補強工法は次のような効果がある。
(1)デッキプレート上に、床版が一層であるか又は二層以上に積層連結されたプレキャスト補強版を敷設して固定するので、デッキプレート上面の増厚により従来の課題であったデッキプレートの剛性不足に伴う局部変形ならびに応力集中が低減し、疲労耐久性が向上し、確実な補強効果がある。
(2)デッキプレート上に、コンクリート製の床版と他の材質製の床版を積層連結したプレキャスト補強版を敷設して固定するので、他の材質製の床版を鋼板にすれば、デッキプレート上に敷設されるプレキャスト補強版が薄くても高強度、高品質であるため、その上にアスファルト舗装を施工しても、プレキャスト補強版とアスファルト舗装のトータル厚を通常の舗装厚(80mm)内に収まるように薄くすることができ、それでも高強度、高品質の補強ができる。
(3)積層された床版が連結されているので、施工済み後に、アスファルト舗装の上を重量車両が走行しても、積層された床版が位置ずれすることなく、安定した固定が長期間、確実に確保される。
(4)プレキャスト補強版を使用するため、現場施工が簡易、迅速、短期間にでき、あらゆる面で施工性が向上し、施工コストも低減する。また、プレキャスト補強版がコンクリート製の場合、又は、コンクリート製の床版と他の材質製の床版の積層構造の場合は、コンクリートを現場打設する場合に問題となっていた品質不安定も解消される。
(5)薄くても高強度、高品質の補強版を使用できるので、その上に耐久性の優れた瀝青系の表面舗装を施工することが出来、その舗装とすることにより舗装材の維持管理が容易になる。
(6)貫通孔のあいたプレキャスト補強版を使用し、その貫通孔に電動ドリルなどの孔明け具を差込んでデッキプレートに固定孔を明けるので、固定孔は貫通孔の真下に明けられる。このため、孔あけ前に一々、孔あけ位置の位置決めをする必要が無く、簡易、迅速に孔明けができる。この場合は、デッキプレートとプレキャスト補強版の高力ボルトを使用した接合(HTB接合)が容易になる。
(7)デッキプレートと補強版を、HTB接合と接着剤による接着との併用により固定すれば、急速、確実な接合固定が可能となる。
(8)補強版の上に防水層を施工するので、鋼床版上面の防水が確実になる。
本発明の請求項5〜8のプレキャスト補強版は次のような効果がある。
(1)現場施工前に予め製造されている(プレキャストである)ため、現場に搬入してデッキプレート上に敷設し易く、簡易、迅速に施工することができる。
(2)床版が単一層の場合は、構造が簡潔で、製造し易い。
(3)鋼板とコンクリートの合成(積層)構造の場合は、薄板でも高強度、高品質の構造体となる。
(4)コンクリートにSFRCやその他の高強度・高靭性の材料を使用することにより、より一層、薄くすることができ、それでも高強度、高品質の構造体とすることができる。
(5)積層された床版が連結されているので、アスファルト舗装の上を重量車両が走行しても積層された床版が位置ずれすることがなく、安定した固定が長期間、確実に確保される。
(6)床版に貫通孔が明けられているので、その孔を利用して、デッキプレートに手軽に止め孔を明けることができる。しかも、止め孔は貫通孔と自動的に位置が合致したものとなるため、両孔を利用してプレキャスト補強版をデッキプレートに簡易、確実にボルト締めすることができる。
(7)床版の貫通孔に内蔵されている止め具を、螺子が形成されているナットとか、キー等とすれば、デッキプレートとプレキャスト補強版の高力ボルトを使用した接合(HTB接合)が容易になる。
(8)積層された床版間が接着剤で、又は接着剤とずれ止め具で連結されているので、積層された床版が位置ずれしない。また、ずれ止め具が外部に突出しないので、ずれ止め具がプレキャスト補強版の施工時に邪魔になるとか、舗装後に舗装の外に突出して体裁が悪いといったことも無い。
(本発明の鋼床版補強工法の施工例1)
本発明の鋼床版補強工法の施工の一例を図面に基づいて以下に詳細に説明する。本発明の鋼床版補強工法は既設鋼床版の補強に施工できるだけでなく、新設鋼床版の補強にも施工できるが、説明を簡潔にするため、既設鋼床版に施工する場合を一例として以下に説明する。
図1に示す鋼床版補強工法は、既設鋼床版のアスファルト舗装を予め撤去しておき、その既設鋼床版のデッキプレート1の上面(表面)を研磨し、その上面に接着剤(例えば、エポキシ系接着剤)2を塗布し、その上にプレキャスト補強版3を敷設してデッキプレート1の上面に接着固定する。プレキャスト補強版3は施工前に予め製造されている(プレキャストされている)ものであり、鋼板製の床版4の上にコンクリート(例えば、SFRC)製の床版5が積層固定され、全面に鋼板製の床版4とコンクリート製の床版5を貫通する貫通孔6が多数明けられている。
プレキャスト補強版3は図2(a)(b)のように、デッキプレート1の上にその幅方向に数枚並べて敷設され、長さ方向にも多数枚連続して敷設される。隣接するプレキャスト補強版3の間の隙間には図3のように接着剤(例えば、エポキシ系接着剤)7を充填して両プレキャスト補強版3を互いに接着すると共にデッキプレート1にも接着固定する。
前記のようにデッキプレート1の上に接着固定されたプレキャスト補強版3の貫通孔6内に電動ドリルを差込んで、貫通孔6の下のデッキプレート1に固定孔8(図1)を明ける。この場合、固定孔8は自動的にプレキャスト補強版3の貫通孔6と位置が合致する。次に、プレキャスト補強版3の貫通孔6内の止め具30にボルト9(図3)を差込んでデッキプレート1の固定孔8の下まで貫通させ、そのボルト9の下部にデッキプレート1の下からナット10を締め付けてプレキャスト補強版3をデッキプレート1にボルト締めし、前記接着剤による接着との併用によりデッキプレート1に固定する。
前記デッキプレート1の上に防水層11(図3)を設ける。この防水層11は継目部と一般部に区分してあり、継目部は隣接するプレキャスト補強版3の継目上に貼付して防水・補強の効果を持たせた炭素繊維シート12の上に塗膜系防水層(瀝青系防水シート)13を重ねてあり、一般部は塗膜系防水層13のみとしてある。防水層11は既存の防水層と同じものでも異なるものでもよい。
前記防水層11の上には舗装用接着剤が塗布され、その上に舗装14(図3)が施工されている。舗装14はアスファルト舗装とすることも他の舗装とすることもできる。
(本発明の鋼床版補強工法の施工例2)
鋼床版の補強箇所が道路の広範囲に亘る場合は、全部の箇所に一度に(同時に)補強作業をすることができず、作業が長期間に及ぶことがある。その場合は、これまでの道路の補修工事と同様に、道路の一部を規制し、片側通行にして施工することになる。この場合作業を5つのステップ(STEP)に分けて行うことができる。5つのステップのうち3つのステップを図5(a)〜(c)に示す。ステップ1は図5(a)に示す補強版搬入の工程、ステップ2は図5(b)に示すデッキプレート表面清掃・研磨−接着剤塗布−補強版設置の工程、ステップ3は図5(c)に示す孔明け−ボルト締付け−完了工程である。これらステップを以下に詳細に説明する。
(ステップ1)
図5(a)のように、走行車線のうち補強工事をする一車線分を走行規制し、他の車線を一般車交通開放とする。次に、規制車線にトラックでプレキャスト補強版3を搬入し、そのプレキャスト補強版3をクレーン車で規制車線の上に降ろして仮置きする。
(ステップ2)
図5(b)のように、仮舗装の一部を撤去してから、デッキプレート1の一部20の上面を清掃・研磨し、研磨済み部分21にエポキシ系接着剤2をヘラやコテを用いて塗布し、接着剤塗布済み部分22の上にプレキャスト補強版3を一枚ずつクレーン車で敷設して前記接着剤でデッキプレート1に接着する。
(ステップ3)
図5(c)のように、デッキプレート1の上面に接着されたプレキャスト補強版3の貫通孔6内に電動ドリルを差込んでデッキプレート1に固定孔8を明ける。その後、図3、図4のようにプレキャスト補強版3の貫通孔6からデッキプレート1の固定孔8を貫通するまで高力ボルト(HTB)9を差込み、このボルト9にデッキプレート1の下からナット10を締め付けて、プレキャスト補強版3をデッキプレート1に固定する。
(ステップ4)
前記ステップ1〜3の作業を繰り返して、プレキャスト補強版3をデッキプレート1の長さ方向に連続施工する。
(ステップ5)
前記ステップ4までの作業が終了したら、プレキャスト補強版3の上に仮舗装材で仮舗装復旧をする。この場合、図3のようにプレキャスト補強版3の上に防水層11を設けてから仮舗装復旧をすることもできる。仮舗装復旧後、それまで走行規制していた走行車線を規制解除して、一般車を通行させる。
前記ステップ1〜5までの作業を1パーティとし、1パーティの作業をこれまでの道路補修作業と同様に夜間に行うことができる。全補強区間についての補強工事が完了したら、全補強区間の仮舗装を撤去して、本舗装を行う。
本発明の鋼床版補強工法を施工するには、その施工に先立って、図6(a)の足場設置工、舗装撤去及び仮舗装施工を行っておき、その後に補修工を行い、補修工完了後に舗装復旧工、足場撤去工を行うことができる。
図6(a)の全体作業フローのうち、補修工の作業フローは図6(b)のように開始、道路規制設置、仮舗装撤去、鋼床版表面研磨、接着剤塗布、補強版設置、孔明、高力ボルト締付け、仮舗装復旧、道路規制解除、終了とすることができる。
本発明の鋼床版補強工法を、前記作業フローに従って、図6(c)のタイムスケジュールで施工すれば、幅1.86m(半車線)×50m(1パーティ)を23時から3時までの4時間程度で施工することが可能となる。本発明の鋼床版補強工法によれば、数パーティを同時施工することにより、更なる高速施工も可能となる。また、図6(b)の「仮舗装復旧」を省略しても、速度規制などを行うことにより、工事期間中の交通開放が可能であると考えられる。このため、長い距離であっても短時間で施工できるため、数日間連続施工する場合は、一晩で施工できる長さに分割施工して、その施工箇所を翌朝は通行規制解除して、補強工事による交通渋滞を緩和することができる。
(本発明の鋼床版補強工法の施工例3)
前記施工例1はプレキャスト補強版3として、鋼板製の床版4の上にコンクリート製の床版5を積層固定したものを敷設した例であるが、施工例3は図7に示すように、プレキャスト補強版3として、鋼板製の床版4だけ又はコンクリート製の床版5だけといった、一層のものを敷設する例である。一層のプレキャスト補強版3の例としては図8、図9(a)(b)に示すようなものがある。図8に示すものはコンクリート製、図9(a)(b)に示すものはコンクリート40内に数本のPC鋼線41が内蔵されたプレストレストコンクリート製である。これらプレキャスト補強版3も図1のプレキャスト補強版3と同様に、貫通孔6が開口されたものであってもよい。図8、図9(a)(b)のプレキャスト補強版3は施工例1と同様にデッキプレート1の上に敷設し、接着剤とかボルト等の止め具で固定することができる。また、実際の施工は、前記施工例2と同様のステップ(作業フロー)で施工することができる。
(本発明のプレキャスト補強版の実施形態1)
本発明のプレキャスト補強版3は、補強工事施工前に、現場外で、予め製造されているものであり、図4(a)のように、鋼板製の床版4とコンクリート製の床版5が接着剤2の接着と、ずれ止め具36(止め具30と兼用)による機械的連結との併用により接着固定されており、コンクリート製の床版5から鋼板製の床版4を貫通する貫通孔6が全面に多数開口されている。1枚のプレキャスト補強版3の寸法は任意に選択できるが、例えば、幅1860mm、長さ2500mm、厚さ55mmとすることができる。
図4(a)のずれ止め具36(止め具30と兼用)には例えば、鋳物製のせん断キーを使用することができる。このずれ止め具36は図4(b)に示すように中心にボルト差込孔31が貫通され、下部32が細く形成され、上部に大径の鍔33が成型されている。ずれ止め具36は図4(a)のようにコンクリート製の床版5に内蔵されているが、ボルト差込孔31(図3)は貫通孔6の内部に位置(露出)している。
プレキャスト補強版3は例えば次のようにして製造することができる。鋼板製の床版4の上面に接着剤2(図4a)を塗布し、接着剤2が乾燥しないうちに鋼板製の床版4の差込孔35にずれ止め具36の細い下部32を差込んでずれ止め具36の上部を鋼板製の床版4の上方に突出させておく。この鋼板製の床版4の上にコンクリートを打って(流して)コンクリート製の床版5を形成し、ずれ止め具36の上部をボルト孔部分を残してコンクリート製の床版5で被覆(内蔵)する。コンクリート製の床版5は接着剤2により鋼板製の床版4に接着されると共にずれ止め具36により鋼板の床版4に連結固定されて鋼板製の床版4と位置ずれしなくなる。ずれ止め具36はプレキャスト補強版3の製作時の乾燥収縮に対してのずれ止め作用と、補強版形成後のコンクリート製の床版5と鋼板製の床版4との連結材としての働きを持っている。
プレキャスト補強版3の製造に当たっては、鋼板製の床版4の上面に接着剤2を塗布してから鋼板製の床版4の差込孔35にずれ止め具36の細い下部32を差込むのではなく、ずれ止め具36の上部を鋼板製の床版4の上方に突出させてからその床版4の上面に接着剤2を塗布することもできる。
ずれ止め具36には他の材質、形状、構造のものを使用することができる。例えば、スタッドボルトを使用することもできる。スタッドボルトを使用するときは、前記せん断キーを使用する場合と同様に、鋼板製の床版4の上面に接着剤を塗布し、その床版4にスタッドボルトの下端を植込んで上端側を床版4の上に突出させておき、その状態で、床版4の上にコンクリートを打って(流して)、スタッドボルトの突出部をコンクリート製の床版5で被覆(内蔵)する。コンクリートが硬化すると、コンクリートが接着剤により鋼板製の床版5に接着されると共にスタッドボルトにより鋼板製の床版4とコンクリート製の床版5が係止されて、両者が位置ずれしなくなる。ずれ止め具36にスタッドボルトを使用した場合は、スタッドボルトを止め具30と兼用することはできないため、スタッドボルトとは別に貫通孔6内に止め具30を内蔵しておくのがよい。
前記鋼板製の床版4の鋼板には例えば規格SS400を使用することができ、前記コンクリート製の床版5のコンクリートには例えばSRFCを使用することができる。前記接着剤2には例えばエポキシ系接着剤が使用することができる。前記せん断キーには規格SC450の鋳物(鋳鋼)を使用することができる。
(本発明のプレキャスト補強版の実施形態2)
前記実施形態1のプレキャスト補強版3は積層構造のものであるが、この実施形態のプレキャスト補強版3は一層のものである。一層のプレキャスト補強版の例を図8、図9(a)(b)に示す。図8に示すものはコンクリート製、図9(a)(b)に示すものはコンクリート40内に数本のPC鋼線41が内蔵されたプレストレストコンクリート製である。いずれの場合も、コンクリートには例えばSFRCを使用することができる。これらプレキャスト補強版3も、図1のプレキャスト補強版3と同様に貫通孔6を開口しておくことができ、貫通孔内に止め具30(図3)を内蔵しておくこともできる。
(本発明のプレキャスト補強版の実施形態3)
実施形態2のプレキャスト補強版3は、材質がコンクリート製であるが、これに他の材料を混ぜるとか、コンクリートとは全く異なる他の材料、例えばFRPとか、それと他の材料との複合材、或は、他の任意の材料製とすることができる。
本発明の鋼床版補強工法であって、積層構造のプレキャスト補強版を使用した場合を示す説明図。 (a)は鋼床版の一例を示す正面図、(b)は(a)の鋼床版の上面に本発明のプレキャスト補強版を敷設した状態の平面図。 本発明の鋼床版補強工法で施工した継目部分の詳細説明図。 (a)は本発明の鋼床版補強工法におけるボルト締め部分の断面図、(b)は本発明の補強版に使用されるずれ止め具(せん断キー)の一例を示す断面図。 (a)〜(c)は本発明の鋼床版補強工法の施工ステップの説明図。 (a)は本発明の鋼床版補強工法の全体作業フロー図、(b)は(a)における補修工の作業フロー図、(c)は(b)の補修工(1パーティ)のタイムスケジュール図。 本発明の鋼床版補強工法であって、積層構造のプレキャスト補強版を使用した場合を示す説明図。 本発明の一層構造のプレキャスト補強版の一例を示す斜視図。 (a)はプレストレストコンクリート製のプレキャスト補強版の斜視図、(b)は同補強版の右側面図。 既設高速道路の鋼床版部分の正面図。
符号の説明
1 デッキプレート
2 接着剤
3 プレキャスト補強版
4 鋼板製の床版
5 コンクリート製の床版
6 貫通孔
7 接着剤
8 固定孔
9 ボルト
10 ナット
11 防水層
12 炭素繊維シート
13 塗膜系防水層(瀝青系防水シート)
14 舗装
20 デッキプレートの一部
21 研磨済み部分
22 接着剤塗布済み部分
30 止め具
31 ボルト差込孔
32 下部
33 鍔
35 差込孔
36 ずれ止め具
40 コンクリート
41 PC鋼線
A デッキプレート
B トラフトリブ

Claims (8)

  1. アスファルト舗装が撤去された既設鋼床版、又は新設鋼床版のデッキプレート上に、床版が一層であるか又は二層以上に積層連結されたプレキャスト補強版を敷設し、そのプレキャスト補強版を前記デッキプレートに固定することを特徴とする鋼床版補強工法。
  2. 請求項1記載の鋼床版補強工法において、デッキプレート上に、貫通孔が形成されているプレキャスト補強版、又は貫通孔が形成され且つ貫通孔内に止め具が内蔵されたプレキャスト補強版を敷設し、その貫通孔又は止め具を利用してプレキャスト補強版をデッキプレートに固定することを特徴とする鋼床版補強工法。
  3. 請求項2記載の鋼床版補強工法において、デッキプレート上に敷設したプレキャスト補強版の貫通孔からその下のデッキプレートに固定孔を明け、この固定孔と前記貫通孔を利用してプレキャスト補強版をデッキプレートに固定することを特徴とする鋼床版補強工法。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の鋼床版補強工法において、デッキプレートの上に固定された補強版の上に防水層を設け、防水層の上に舗装を施工することを特徴とする鋼床版補強工法。
  5. アスファルト舗装が撤去された既設鋼床版、又は新設鋼床版のデッキプレート上に敷設固定されるプレキャスト補強版であり、床版が一層又は二層以上に積層連結されてプレキャストされたことを特徴とするプレキャスト補強版。
  6. 請求項5記載のプレキャスト補強版において、プレキャスト補強版がコンクリート製の床版と他の材質製床版とが積層連結されたものであることを特徴とするプレキャスト補強版。
  7. 請求項6記載のプレキャスト補強版において、積層連結された床版に貫通孔が形成され、その貫通孔内に止め具が内蔵されているか又は内蔵されていないことを特徴とするプレキャスト補強版。
  8. 請求項5乃至請求項7のいずれかに記載のプレキャスト補強版において、積層された床版間が接着剤で、又は接着剤とずれ止め具とで連結されたことを特徴とするプレキャスト補強版。
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