JP2007107155A - 流体噴射式織機における給糸体不良の判定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】緯糸供給用の給糸体の巻き径減少による緯糸飛走特性の変化にかかわらず、給糸体の不良判定の精度を高め、織機稼働率を向上させる。
【解決手段】流体噴射式織機(1)において、緯糸供給用の正常な給糸体(10)の使用時における緯糸センサ(18、28)からの糸信号発生タイミングに基づく値を所定の運転期間毎に順次算出し、この値に基づいて所定の運転期間毎に給糸体不良用の基準閾値を許容範囲を加味して決定して運転期間の経過に対応する閾値情報として予め記憶しておく。その後、同じ糸種の給糸体(10)の使用時には、記憶した閾値情報の中から運転期間に対応する基準閾値を読み出す一方、前記緯糸センサ(18、28)からの糸信号発生タイミングに基づく値を算出し、算出した前記基づく値と読み出した前記運転期間に対応する基準閾値とを比較し、その大小関係から現在使用中の給糸体を不良と判定する。
【選択図】図4

Description

本発明は、流体噴射式織機において、製織の進行過程で緯糸供給用の給糸体の不良を判定する方法に関する。
特許文献1には、流体噴射式織機で、緯糸供給用の給糸体の巻径の減少にともない、緯入れ速度を安定せるために、メインノズルの緯糸移送流体の噴出圧を低下させる緯入れ装置が開示されている。この特許文献1に限らず、給糸体の巻径の減少に伴って、緯糸の反給糸側への到達タイミングが早くまたは遅く変化することはよく知られている。
また、特許文献2は、エアージェット織機において、所定ピック数にわたって検出された反緯入れ側への緯糸到達タイミングをもとに、緯糸到達タイミングの変動状況のデータを演算し、この演算処理結果の値を基準値(標準の値)と比較し、この処理結果の値が基準値を超えたとき、現在の給糸体を不良と判断する、ことを開示する。また、その特許文献2によれば、変動状況のデータとして、最大値と最小値との差、平均値、および標準偏差を含む旨の記述もある。
上記の特許文献1および特許文献2の技術によると、緯糸供給用の給糸体の巻径の減少によって、緯糸の飛走特性が変化するのに対し、予め設定される給糸体不良判定用の基準値は、常に一定の値となっているため、基準となる基準値は、上記飛走特性の定常的な変化を誤って給糸体不良と判定しないように、ある程度安全率を見込んで設定されるが、その際の大きな安全率の設定は、逆に給糸体不良の判定を見逃す方向に設定されることになり、このことが給糸体の不良判定の信頼性低下の原因にもなっている。従って、緯止まり停台回数が増加したときの真の原因が給糸体の品質不良にあるにもかかわらず、そのまま運転を続けてしまう結果、織布品質ならびに織布の生産性が低下するという問題がある。このような実情から、これまでの給糸体不良の判定技術では、顧客の要求を満たすものは存在しなかった。
特開昭59−47449号公報 特開昭63−227839号公報(特許第2562594号公報)
したがって、本発明の課題は、緯糸供給用の給糸体の消費にともなう緯糸の飛走特性の変化にかかわらず、給糸体の不良判定の精度を高めることにより、織機稼働率を向上させることである。
上記課題のもとに、本発明は、流体噴射式織機において、給糸体使用時における緯糸センサからの糸信号発生タイミングに基づく値に対し所定の許容範囲を加味して決定される基準閾値を、織機の運転期間における複数の期間毎にそれぞれ記憶しておき、その後、給糸体使用時には、その給糸体の使用開始時から計測した織機の運転期間に対応する基準閾値を読み出す一方、前記緯糸センサからの糸信号発生タイミングに基づく値を算出して前記読み出した基準閾値と比較し、算出した前記基づく値が前記基準閾値を超えたときに、現在使用中の給糸体を不良と判定する(請求項1・実施例1および実施例2)。
上記の緯糸センサは、緯入れされた緯糸の飛走状況を把握できるセンサであり、具体的には、緯糸飛走路に設けられるセンサ(緯糸の到達側の緯糸フィーラ、経糸開口内センサ)や、測長貯留装置に設けられる解舒センサなどにより構成するが、実際には、緯糸の到達側(反給糸側)の織端付近に配置され、緯糸飛走路に検知領域を有する緯糸フィーラとする。通常、糸信号発生タイミングとして、より具体的には、緯糸の到達側の緯糸フィーラからの緯糸到達タイミングのほか、緯糸解舒タイミング(解舒センサからの緯糸解舒タイミング)などが挙げられる。
上記のように、本発明の主旨は、緯糸供給用の給糸体の消費、言い換えれば、織機の運転期間の経過に応じて変化する基準閾値を用いて、給糸体の不良を判定する点にあるが、糸信号発生タイミングに基づく値としては、所定ピック数にわたって検出された複数の糸信号発生タイミングから算出された統計値(以下、第1の要旨とする)、あるいはその統計値が反映された値、例えば緯入れ制御のための制御量等(以下、第2の要旨とする)が考えられる。
上記いずれの場合についても、給糸体不良の判定のもとになる基準閾値は、糸信号発生タイミングに基づく値に対し、所定許容範囲を加味すべく加算、乗算等の演算により決定される。また基準閾値は、給糸体が満巻き状態から消尽されるまでの織機の運転期間における複数の期間毎に決定することが可能であり、このように1つの基準閾値が適用される期間長さについて、具体的には、上記統計値の算出周期と同じとしたり、これよりも長くかつ満巻き給糸体が消尽される際の所要運転期間の1/2以下となるように定めることが可能である。
またこのような基準閾値は、その都度織機上で実測された糸信号発生タイミングに基づいて決定するほか、織布工場内で過去に蓄積された予想される変化傾向などのデータ、あるいは織機メーカ、緯糸給糸体のメーカ等から提供されたデータを用いることも可能である。
さて上記第1の要旨について、具体的には、前記流体噴射式織機は、前記糸信号発生タイミングに基づく値として前記複数の期間にわたって検出された複数の糸信号発生タイミングに基づいて算出される統計値とし、前記基準閾値を前記算出された統計値に所定許容範囲を加味する演算により決定して前記複数の期間毎にそれぞれ記憶されており、その後、給糸体使用時には、その給糸体の使用開始時から計測した織機の運転期間に対応する基準閾値を読み出す一方、複数ピックにわたって検出した複数の糸信号発生タイミングに基づく統計値を算出して前記読み出した基準閾値と比較し、算出した統計値が前記基準閾値を超えたとき、現在使用中の給糸体を不良と判定する(請求項2・実施例1)。
統計値には、平均値、最大値、最小値および標準偏差のうち1以上を含む。また、上記のように基準閾値は、異なる運転期間毎に決定されるが、その運転期間は具体的には以下の範囲に定められる。最小の運転期間は、統計値算出のもとになる糸信号の蓄積期間(サンプリング期間)であり、このときの基準閾値は、算出される統計値毎に決定される。これに対して最大の運転期間は、1パッケージ分の運転期間に対して複数等分された期間として与えられ、このときの基準閾値は、各期間に蓄積された複数の統計値をさらに平均化した値に基づき決定する。
基準閾値は、統計値そのものを使用できるほか、統計値に対して何らかの処理を行って得た値、具体的には、回帰分析により得られた数式により算出される値を用いることもできる。
前者の糸信号発生タイミングから求めた統計値は、より具体的には複数の糸信号発生タイミングの平均値、最大値、最小値、標準偏差の1以上を含み、各値に対する基準閾値は、実際に求めた値に対して許容範囲を加算した値(上限値・下限値)として自動的に算出され、記憶される。上記糸信号発生タイミングそのものは各緯入れピック毎に角度的に数°〜数十°程度のばらつきを持っており、この値のみで正確な判断は行えない。よって糸信号発生タイミングそのものを比較対象とする実施形態については、本件発明では含まれない。
また、上記第2の要旨について、糸信号発生タイミングに基づく値は、上記第1の要旨のようにして算出された統計値をもとに緯入れ制御を行う場合、緯入れ制御装置の制御量として利用する(実施例2)。
上記第2の要旨について具体的には、前記流体噴射式織機は、複数ピックにわたって検出された糸信号発生タイミングに基づく統計値を算出するとともに、次ピック以降の緯入れ装置に対する設定作動条件を前記算出した統計値が予め設定した目標値に近づける方向に補正する緯入れ制御機能を有しており、前記流体噴射式織機は、前記糸信号発生タイミングに基づく値として、前記緯入れ制御の際に算出された前記設定作動条件の補正に関する値とし、前記基準閾値を、1以上の前記補正に関する値をもとに所定許容範囲を加味する演算により決定して前記複数の期間毎にそれぞれ記憶されており、その後、給糸体使用時には、給糸体の使用開始時から計測した織機の運転期間に対応する基準閾値を読み出す一方、前記緯入れ制御の実行により算出された前記補正に関する値を前記読み出した基準閾値と比較し、前記補正に関する値が前記基準閾値を超えたときに、現在使用中の給糸体を不良と判定する(請求項3・実施例2)。
上記緯入れ制御装置は、例えば上記算出された統計値である緯糸到達タイミングの平均値を目標到達タイミングに近づくように緯入れ装置(メインノズルやサブノズルなどの緯入れノズル、測長貯留装置等)の設定作動条件である設定値(ノズルの噴射開始タイミング、ノズルの噴出圧力値や緯糸解舒タイミング)を制御する装置である。
上記緯入れ制御について、もとになる統計値としては具体的には平均値であり、また緯入れ装置の補正対象となる設定作動条件は、具体的には、緯糸打出し時期に関するもの(緯入れノズルの噴射開始タイミング、測長貯留装置の係止ピンによる緯糸解舒タイミング)、または緯糸飛走速度に関するもの(緯入れノズルの噴射圧力)とする。なお、緯入れ制御は、現在のところ統計値として殆ど平均値を用いるが、特定目的の制御に有効であれば、それ以外の統計値として例えば最大値、最小値、標準偏差などを用いることもでき、さらに最大値、最小値、標準偏差などの1以上のものと平均値とを組み合わせて制御する構成も可能である。
上記した第1または第2の要旨について、前記緯糸センサは、反給糸側織端付近に配置され緯糸飛走路にその検知領域を有する緯糸フィーラにより構成でき(請求項4)、また緯入れ装置側に配置され解舒された緯糸の飛走路にその検知領域を有する解舒センサにより構成できる(請求項5)。前記流体噴射式織機は、前記閾値情報を決定する過程で、順次算出される糸信号発生タイミングに基づく値を給糸体毎に複数記憶するとともに、前記複数の給糸体の記憶値の中から読み出した1つの給糸体分の値に基づいて、前記給糸体不良用の基準閾値を前記決定する(請求項6)。
また、基準閾値は、緯糸の糸種(品番)、あるいは織機の機台条件(回転数、織り幅、緯入れ装置の構成、緯入れノズルの型式など)により異なるが、これらの条件が同じであれば、流用することも可能である。つまり、そのような記憶閾値情報について、その都度得たものに限らず、例えばその機台で過去に得られた値を用いてもよいし、同じ条件のもとで他の機台で得られた記憶閾値情報をメモリカード等から読込み利用するようにしてもよく、本発明ではいずれの形態も含まれる。
織機の運転期間、具体的には、糸信号発生タイミングの統計値を算出する際の糸信号のサンプリング期間、緯入れ制御における補正量を算出する際の制御周期等について、ピック信号を尺度として実行されるもの(緯入れピック数をカウント)のほか、時間を尺度として実行されるもの(基準タイミングからの時間を積算)としてもよい。また糸信号発生タイミングの尺度についても、主軸角度を基準とするもの、あるいは主軸の基準角度からの経過時間を尺度とするものとしても良く、本件発明ではいずれの形態も含まれる。
本発明によると、正常な給糸体における糸信号発生タイミングに基づく値から給糸体不良の判定に用いる基準閾値を運転期間の経過毎に複数決定するから、そのような基準閾値は運転期間の経過に対し定常的に発生する緯糸飛走特性の変化を反映している値であり、また給糸体の消費程度や切り換えにも対応する値でもある。従って、前記検出された基準タイミングに対する許容値(安全率)を小さくした基準閾値を決定可能である。これに対して、従来のように時間的に変化しない閾値を用いる場合に比べて、安全率を低く設定できる(請求項1)。
また、現在の前記糸信号発生タイミングに基づく値と前記基準閾値との比較結果により給糸体不良の判定が行われ、しかも前記した必要最小限の安全率が考慮された基準閾値を用いてその判定が行われるから、その判定結果は従来に比べてより正確となる。この信頼性の高い判定結果に従って不良と判定された給糸体を速やかに交換することにより、織布の生産性ならびに織布の品質をより高めることができる(請求項1)。
さらに、緯入れ制御機能を使用しない流体噴射式織機においては、糸信号発生タイミングに基づく値を緯糸到達タイミングに基づく統計値とし、予め上記決定記憶された複数の基準閾値の中から、給糸体切換り後からの織機運転期間に対応する基準閾値を読み出すとともに、現在求めた統計値と上記読み出した基準閾値との比較により、給糸体不良の判定を行うようにしたから、その統計値ならびに基準閾値の計算、記憶・演算・判定機能を付加することにより、請求項1の技術を容易に実施できる(請求項2・請求項4)。
さらに、従来、緯糸到達タイミングを用いて給糸体の判定が困難であった緯入れ制御機能付き流体噴射式織機においても、給糸体不良の判定が容易に行えるようになる。例えば緯入れ装置が緯糸到達タイミングを目標タイミングに近づけるように緯入れ開始タイミングを操作する織機においては、緯入れ装置が緯糸到達タイミングを目標到達タイミング近づけるよう操作するため、従来、緯糸到達タイミングを用いて給糸体の判定が困難であった。しかし、本発明のように、糸信号発生タイミングに基づく値を、緯糸到達タイミングの統計値に基づく制御量が反映されている緯入れ開始タイミングとし、予め上記制御量をもとに決定記憶された複数の基準閾値の中から、給糸体切換り後からの織機運転期間に対応する基準閾値を読み出すとともに、現在の制御量が反映された緯入れ開始タイミングと上記読み出した基準閾値との比較により、給糸体不良の判定を行うようにしたから、前提となる緯入れ制御で算出した緯入れ開始タイミングに基づく基準閾値の算出・記憶・読出・比較判定機能を付加することにより、請求項1の技術を具体的にかつ容易に実現できる。(請求項3・請求項5)。
また流体噴射式織機は、前記閾値情報を決定する過程で、順次算出される糸信号発生タイミングに基づく値を給糸体毎に複数記憶するとともに、前記複数の給糸体の記憶値の中から読み出した1つの給糸体分の値に基づいて、前記給糸体不良用の基準閾値を前記決定するから、複数の給糸体の値の中から正常な給糸体の値を選択的に利用して基準閾値を決定することが可能になり、各種の緯糸に対応できる(請求項6)。
図1は、後述の実施例1および実施例2を適用するときの流体噴射式織機(以下、単に織機ともいう。)および緯入れ装置2の全体を示している。緯入れ装置2は、緯糸3を経糸4の開口5に緯入れするために、測長貯留装置6、緯入れノズルとしてメインノズル7および複数のサブノズル8を備えている。
緯糸3は、ホルダ9により支持されている緯糸供給用の給糸体10から引き出され、ドラム式の測長貯留装置6の回転糸ガイド11に導かれ、静止状態のドラム12の外周の糸巻き付け面上で係止ピン13により係止されながら、回転糸ガイド11の回転運動によりドラム12の糸巻き付け面に巻き付けられることによって1ピック分の長さだけ測長されかつ緯入れ時まで貯留されている。なお、回転糸ガイド11は、駆動モータ15によって巻き付け方向に駆動されるようになっている。
なお、1つの給糸体10が消費され、その給糸体10の緯糸3がなくなっても、連続的に製織が継続されるように、複数例えば2つの給糸体10が用意され、一方の給糸体10の尻糸と他方の給糸体10の頭糸が糸結び(ピックテール)され、かつテンサ14によって保持されている。ピックテール糸(緯糸3)が引き出されたとき、給糸換センサ16は、糸結び(ピックテール)の移動から給糸体10の切り換わりを検出し、給糸換わり信号を発生する。この給糸換わり信号は、複数の給糸体10について緯糸到達タイミングの統計値(平均値)を求めるために、これまで使用されていた給糸体10の緯糸到達タイミングの蓄積を終了し、これを1パッケージ分のデータとしてまとめて保存すると共に、新たな給糸体10における緯糸到達タイミングの蓄積を自動的に開始するための信号として利用される。もちろん、給糸換わりの検出は、ピックテール検出に限らず、公知の方法でも可能である。
緯入れ時点で、係止ピン13が操作器17に駆動されて、ドラム12の糸巻き付け面から後退すると、ドラム12の糸巻き付け面に巻き付けられていた緯糸3は1回の緯入れに必要な長さだけドラム12上で解舒される。このとき、解舒センサ18は、ドラム12上で解舒される緯糸3の通過を検知して、糸信号を発生し、この糸信号から緯糸3の解舒数を検出するほか、緯糸センサの糸信号発生タイミングの1つである緯入れ開始タイミング(緯糸解舒タイミング)を検出する。なお、緯糸解舒タイミングにより、そのときの緯糸先端の位置が推定可能であることから、後述される緯糸フィーラと同様、緯糸到達タイミングとしても利用可能である。
緯入れ動作のときに、メインノズル7は、噴射開始から噴射終了までの噴射期間で、噴射流体としての圧力空気19を噴射し、その牽引力により解舒された緯糸3を引き出し、緯糸3を圧力空気19とともに開口5の中に緯入れする。これにより、緯糸3は、開口5内の飛走経路に沿って飛走し、緯入れされる。なお、圧力空気19は、圧力空気源21から圧力レギュレータ22、電磁開閉弁23を経て、噴射期間中にメインノズル7に供給される。
緯糸3の飛走過程で、1または2以上のグループのサブノズル8は、緯糸3の飛走と調和しながらその飛走方向に向けて、圧力空気19を一斉噴射またはリレー噴射を行うことによって、開口5内で飛走中の緯糸3を緯入れ方向に加勢する。なお、圧力空気源21からの圧力空気19は、圧力レギュレータ24、電磁開閉弁25を経て、各グループのサブノズル8に供給される。
緯入れノズルとしてのメインノズル7および複数グループのサブノズル8の噴射動作によって、正常に緯入れされた緯糸3は、筬20によって織布26の織り前26aに筬打ちされ、織布26に織り込まれた後、緯入れ側で給糸カッタ27によって切断され、メインノズル7内の緯糸3から切り離される。
なお、図1の緯入れ装置2は、1色緯入れとなっているが、多色緯入れの場合に、緯糸3(給糸体10)、測長貯留装置6、メインノズル7、給糸体10などは、多色数に対応して複数用意される。
緯入れ時の緯入れの成否は、反緯入れ側の織り端部分の近傍に設けられ、緯糸3の飛走経路にその検知領域が向けられている緯糸フィーラ28により検出される。緯糸フィーラ28は、緯糸到達側の緯糸センサであり、緯糸3を検出したときに糸信号を発生し、これを緯糸フィーラ回路29に送る。緯糸フィーラ回路29は、適正な糸検知期間に糸信号を受けたときに、糸信号に基づいて緯糸到達信号を発生し、緯入れ制御装置30に送るが、適正な糸検知期間に糸信号を受けないときには、緯入れ不良と判断して、前記検知期間の終了時点で緯止め制御のために、緯入れミス信号を発生し、これを主制御装置31に送る。
緯入れ制御装置30は、緯入れに関連する要素を制御するために、流体噴射式織機1の主軸32に連結されたエンコーダ33からの角度信号、給糸換センサ16からの給糸換わり信号、緯糸フィーラ回路29からの緯糸到達信号、主制御装置31からの各種の制御信号・制御指令、および設定器34に予め設定されている各種の数値情報を入力として、測長貯留装置6の駆動モータ15、係止ピン13の操作器17、圧力レギュレータ22、24および電磁開閉弁23、25を制御する。
また、主制御部装置31は、緯入れ制御装置30からの各種の信号、設定器34の各種の数値情報、および緯糸フィーラ回路29からの緯入れミス信号を入力として、流体噴射式織機1の運転を制御する。
図2は、緯入れ制御装置30および設定器34の構成例、これらと主制御装置31との接続例を示している。緯入れ制御装置30は、記憶器35、CPU36、入出力ボート37および駆動回路38からなり、これらは順次に接続されている。記憶器35には、CPU36の作動に必要な制御プログラムが格納される一方、CPU36が算出した制御データ等の情報が記憶可能にされており、CPU36は、入出力ボート37を介し、前記の緯糸到達信号、給糸換わり信号、運転信号、停止信号、異常信号、数値情報(設定値や実測値)を受けると共に、制御プログラムに従って演算等の必要な処理を行って作動指令を入出力ボート37に送り、駆動回路38から測長貯留装置6の駆動モータ15、係止ピン13の操作器17、圧力レギュレータ22、24および電磁開閉弁23、25を順次駆動し、また制御データなどの情報を必要に応じて記憶器35に記憶させる。
設定器34は、記憶器39、CPU40、入出力ボート41、画面表示器/入力器42およびカードI/F43からなり、これらは順次に接続されている。画面表示器/入力器42は例えばタッチパネル式のものとする。記憶器39には、CPU40の作動に必要な処理プログラムが格納される一方CPU40が算出したデータ等の情報が記憶可能にされており、CPU40は、入出力ポート41を介して画面表示器/入力器42としてのタッチパネルへの表示や設定値の入力などの一連の設定器としての処理を行うほか、カードI/F43を介し、メモリカード44から閾値データを取り込むことができる。
また上記した設定器34,緯入れ制御装置30は、主制御装置31にも接続されている。主制御装置31は、設定器34との間で設定値や実測値などの情報を送受可能にされると共に、緯糸フィーラ回路29、緯入れ制御装置30のほか図示しない他の制御回路に対し、運転信号や停止信号などの織機状態信号を出力するほか、緯入れミス信号などの異常信号を受けて、織機運転、停止などの全体的な動作を制御することができる。
実施例1は、流体噴射式織機における給糸体不良の判定方法であり、緯入れ制御機能なしの状態、換言すると、緯入れ過程で緯糸到達時期の遅速に応じて、緯入れ装置2の緯糸到達時期に関係する要素を調節しないときの例に対応している。図3ないし図5は、実施例1による流体噴射式織機における給糸体不良の判定方法のフローチャートを示しており、より具体的には、正常な給糸体使用時において、緯糸到達タイミングの統計値から基準閾値を運転期間の経過に対応させて記憶器に記憶させ、次の給糸体10への切換り時より上記記憶された基準閾値に基づく給糸体不良の判定を開始し、また不良と判定されたことによりその給糸体10を交換して織機再運転されるまでの一連工程を示している。このような一連の処理は、緯入れ制御装置30側に格納される制御プログラム(ソフトウエア)あるいは設定器34側に格納される処理プログラム(ソフトウエア)を、CPU36あるいはCPU40がそれぞれ実行することにより遂行される。
図3は、過去に製織経験のない新しい緯糸3の給糸体10についての閾値決定工程を示しており、より詳しくは、正常な給糸体使用時における緯糸到達タイミングの統計値から基準閾値を運転期間の経過毎に決定し1パッケージ分の基準閾値を記憶器39に記憶させる工程を示している。まず、過去に製織経験のない新しい緯糸3の給糸体10の使用に先立って、織付けや試織運転等の調整運転を行い、その後作業者は流体噴射式織機1の連続運転を開始させるとともに、設定器34に対して図示しない製織開始操作入力を行うことにより、図3に示す閾値決定工程を開始させ、使用中の給糸体10についての反緯入れ側に設けられた緯糸フィーラからの糸信号に基づく緯糸到達タイミング(緯糸到達角度)のサンプリングを開始させる(ステップ1)。そして、CPU36は、緯糸到達信号ならびにエンコーダ33からの織機主軸角度信号θをその入出力ポート37に受け、緯糸到達信号が発生されたときの主軸角度を緯糸到達タイミングとして検出する。一方、CPU36は、このような各緯入れピック毎の緯糸到達タイミングを予め設定した所定のサンプル数にわたって蓄積すると共に、所定サンプル数のデータが得られた時点で緯糸3の到達時期(緯糸到達タイミング)の統計値(平均値)を算出するとともに、その統計値(平均値)を織機運転期間の経過に対応する値としてのサンプリングピック番号に対応させて記憶器35に記憶し、それらのデータを蓄積させて行く(ステップ2)。
なお、上記閾値決定工程や後述される給糸体不良判定工程の中で行われる統計値(平均値)算出工程におけるサンプル数は、予め作業者が図6に示す画面表示器/入力器42の画面上で設定サンプル数の数値(32、100、1000ピック)を選択することによって設定されて、緯入れ制御装置側に予め送り込まれており、CPU36は、統計値(平均値)を、上記の中から選択したサンプル数毎に、この間に検出したサンプル数分の緯糸到達タイミングをもとに1サンプリングピック分算出し、さらにはそのような算出を以降継続的に行うことにより、緯糸到達タイミングの統計値(緯糸到達角度の平均値)をサンプリングピック番号に対応させて記憶器35に記憶させる。
また、1サンプリングピック分の統計値(緯糸到達角度の平均値)が上記算出されるとともに、給糸体10の消尽が発生したか否かを判定する(ステップ3)。具体的には、CPU36は、給糸換センサ16からの給糸換わり信号が発生されたか否かを判定し、給糸変わり信号が発生されていなければ、上記ステップ1に戻って、その給糸体10におけるデータ蓄積を継続し、また給糸換わり信号が発生されたとき、CPU36は、その旨の情報を設定器34側に送ると共に、主制御装置31を介して織機を停止させる。一方、このような緯糸到達タイミングの統計値データは、設定器34にも送られており、作業者は、設定器34を操作することにより、図6のようなサンプリングピック毎の平均値などの統計値を、1パッケージ分まとめて記憶器39に格納するとともに画面上にグラフィック表示することができる。給糸体10が消尽されたことにより、作業者は、このように蓄積された給糸体10のデータが、品質的に正常な給糸体10のものであるか否かを上記表示などを利用して判断し、その結果正常なデータが採取されたと判断したとき、設定器34に図示しない操作を行うことにより、緯入れ制御装置30は、緯糸到達タイミングの統計値データの蓄積を終了する(ステップ4)。なお給糸体10の消尽は給糸換センサ16からの給糸換わり信号の発生により検出するほか、予め想定される運転期間が経過した(所定ピック数緯入れされた)ことをもって、代用的に検出することも可能である。ここで、作業者は、正常な給糸体10のデータが採取されたと判断したことにともなう上記操作により、次のステップ5(判定用閾値算出→記憶)に進む。なお、上記判断の過程で、作業者は、蓄積したデータが異常と判断をしたとき、対応する図示しない操作を設定器39に行うことにより、記憶された複数給糸体のデータの中から不要な蓄積データを消去し、新たな給糸体10におけるデータ蓄積を開始する。
給糸体10の正常/異常は、後に図6、あるいは図8において詳述するように、データの安定な変化の傾向、すなわち緯糸到達タイミングの統計値(平均値)の安定な変化の傾向から判断できる。作業者は、データの安定な変化傾向を画面表示器/入力器42の表示内容から確認し、正常な給糸体10のデータを採取できるまで、データの蓄積を継続することになる。
品質的に正常な給糸体10のデータが採取されたことで行われる操作により、設定器34は、緯入れ制御装置30側より読み出され記憶器39に格納された給糸体1パッケージ分の緯糸到達タイミングの統計値をもとに、基準閾値を自動的に決定して記憶する処理を開始する。より具体的には、作業者は、これまで蓄積した1以上の給糸体10のデータの中から正常と考えられる1つの給糸体データを選び出す操作を行い、CPU40は、予め記憶器39に格納された処理プログラムに従って、そのデータの中から緯糸到達時期の平均値をサンプリングピック番号とともに読出すとともに、読み出した平均値に対し、安全率を考慮して予め設定器34により入力した許容範囲の入力値をそれぞれ加算した加算結果を基準閾値として決定し、これをサンプリングピック番号毎に基準閾値として記憶器39に記憶させるほか、実際に給糸体不良を判定する機能を有する緯入れ制御装置30にも同様に送り込み記憶器35に記憶させる(ステップ5)。
設定器34には、このような基準閾値の自動設定に際して、所定の安全率を見込んだ許容範囲値(図8に示す上限値、下限値)が、作業者が後述される図7に示される画面に応答入力することにより、予め設定されている。このため設定器34のCPU40は、読み出した平均値に上記各許容範囲値を加算したもの(すなわち、上限基準閾値および下限基準閾値)をそのまま基準閾値として決定し、各サンプリングピックに対応させて記憶器39記憶させる。このようなデータ採取後の基準閾値設定について、上記実施例では、給糸体10の消尽後、作業者が蓄積した緯糸到達タイミングの統計値の状態を目視確認する工程を経るようにした例であるが、このように人が確認する代わりに、基準閾値算出工程への移行の可否について各統計値の変動状況をもとにソフトウエアアルゴリズム等により自動的に判定し、その判定結果により次ステップに移行するように構成してもよい。なお、基準閾値の算出について、給糸体10が消尽されたときに給糸体1パッケージ分まとめて行うようにしているが、各サンプリングピックにおける統計値の算出と同時に行うようにしてもよい。
このように閾値決定工程において、過去に製織経験のない新しい緯糸3の給糸体10について、運転期間における複数期間としてのサンプリングピック番号毎に基準閾値が得られ、これが今後の正規の製織において使用される給糸体10の不良の判定に利用できるようになる。
その後、作業者は、給糸体消尽後の新しい給糸体10からの緯糸3による正規の製織のために、流体噴射式織機1の連続運転を開始させ(ステップ6)、その製織過程で新たな給糸体10について、上記得られたサンプリングピック番号毎の基準閾値を用い、図4に示される丸文字Aの監視処理ルーチン(ステップ11)に移行することによって、新たな給糸体10に対する給糸体10の不良判定を行う。
図4は、上記給糸体と同じ糸種の新たな給糸体10に対し、緯入れ制御装置30が行う監視処理(給糸体10の不良判定処理)、設定器34が行う表示処理、および給糸体不良判定後の作業者処理などの一連の工程を示している。図4において、緯入れ制御装置30のCPU36は、記憶器35に格納された制御プログラムに従って、初期設定としてサンプリングピック番号やサンプル数の統計値を算出する際のもとになるピック数などのカウント値を全て「0」に戻すとともに、緯糸到達タイミングの統計値算出のためのサンプリングを開始する(ステップ11)。次いで、CPU36は、緯糸到達タイミング(緯糸到達角度)が入力されるとサンプル数に対応されるピック数カウントを+1するとともに、その到達タイミングを記憶する。さらにCPU36は、サンプル数としてのピックカウント値が所定値に達したことにより、前記の閾値決定工程と同様に、上記記憶した複数の緯糸到達タイミングをもとに統計値としての平均値を算出するとともに、サンプリングピック番号を+1カウントする。さらにCPU36は、上記カウントアップされたサンプリングピック番号に対応する基準閾値を記憶器35の中から読み出す(ステップ12)。そして、CPU36は、給糸換センサ16からの給糸換わり信号が発生されたか否かを判定し(ステップ13)、給糸換わり信号が発生されていないこと、また製織長が所定の長さに達して切卸し停止などにより連続運転を終了させるか否かを判定し(ステップ14)、いずれの判定結果についても否であるときに、本発明の特徴的処理である給糸体不良の判定処理ステップ(ステップ15)に進む。
この判定処理ステップ(ステップ15)では、CPU36は、今回算出した緯糸到達タイミングの統計値が、先のステップ2の工程で読み出したサンプリングピック番号対応する基準閾値を超えたか否かにより給糸体10の不良を判定する。本実施例では、算出される統計値を平均値とし、先の閾値決定工程では、正常な給糸体使用時における平均値に基づき、上限および下限からなる2つの基準閾値が決定され記憶されており、また、先のステップ2の工程では、現在カウント中のサンプリングピック番号に対応される2つの基準閾値(上限閾値・下限閾値)を読み出している。従って、この判定処理(ステップ15)では、今回の緯糸到達タイミングの統計値である平均値が、上限閾値から下限閾値の範囲内にあれば正常と判定し、逆に、今回の平均値が上限閾値を上回ったあるいは下限閾値を下回ったことにより、給糸体10の異常(不良)と判定することになる。仮に正常と判定されたとき(yesのとき)、図4におけるステップ12に戻る処理となり、前記同様、織機の連続運転を継続したまま、次サンプリングピック以降の統計値の算出、閾値の読出、給糸体不良の判定処理等の処理が実行される。しかし、異常と判定されたとき(noのとき)、CPU36は、入出力ポート37を介し、設定器34に対してその旨の情報を送信して警報(警告)表示させる一方、給糸体不良に対応する異常信号を主制御装置31出力させ織機の連続運転を停止させる(ステップ16)。このように停止された織機に対し、作業者は、設定器34にこれまでの緯糸到達タイミングの統計値の変動状況を表示させる等の確認作業を行って、このまま再運転するか否かを判断する(ステップ17)。仮に、作業者はもう少し状況を見るなどの理由によりそのまま再運転する旨の判断をした場合(yesのとき)、作業者は、設定器34を介し上記警報(警告)状態を解除したり、所定許容範囲の値を適切な値に変更して基準閾値を再設定するなどの必要な操作を行って織機を再運転させる(ステップ18)。また仮に再運転せず給糸体10の交換等の処理を行う旨の判断をした場合(noのとき)、作業者は、上記警報(警告)状態を解舒するとともに、新たな給糸体10への交換等の必要な処理を行い(ステップ19)、図3に示される丸文字Bの処理ルーチン(ステップ6)に移行して、新たな給糸体10による連続運転を開始することになる。
上記連続運転終了?(ステップ14)の判定は、織機1の故障による製織打切りや機上がり等を想定していることから必要となる。このことから一連の処理ステップは、いわゆる無限ループでなく、このステップ14でyesのときに、図5のルーチンCに移り、機上がりの作業の後、連続運転終了となる。なお、統計値(平均値)≦閾値(基準閾値)?の判断過程において、統計値が平均値であり、閾値が閾値範囲(下限値と上限値との範囲)によって設定されているとき、その比較は上限値<平均値<下限値?の判断となるが、統計値の種類によっては上限値・下限値のうちいずれか一方を越えたことを異常と判断すればよいものもある。従って、そのような場合では、上記いずれか一方のものがその基準閾値となる。
また、給糸体不良判定後の作業者処理において、作業者は、使用中の給糸体10を確認し、このまま再運転するかどうかの判断を行い(ステップ17)、織機再運転(ステップ18)を選択して、ステップ2に戻るか、または不良の給糸体10を新しい給糸体10に交換する(ステップ19)。警報表示→織機停止(ステップ16)の後の再運転判断(ステップ17)において、例えば許容範囲値の再設定などの作業を行う可能性があるため、作業者に判断を促すようになっているが、例えばこれを省略して自動的に再運転、具体的には公知の給糸体交換装置を作動させ、不良と判断した給糸体10を新たな給糸体10に交換し、自動的に織機1を再運転することも可能である。
また、前記給糸体消尽?(ステップ3)の検出でyesのとき、およびステップ8の後に、図3における丸文字Bに移行し、図3のステップ6が実行される。消尽された時点で新たな給糸体10に対する判定処理(サンプリングピック番号としてのピックカウント値をゼロ戻しするとともに、最初のピックカウント値に対応する基準閾値により判定処理)が行われる。
図6は、タッチパネル式の画面表示器/入力器42による表示例を示している。画面表示器/入力器42の画面上で、給糸体10の種類(緯糸3の糸種)は画面上部の糸種指定ボタン45により指定でき、サンプル数は、画面下の「32」、「100」、「1000」表示のサンプル数選択ボタン46により選択できる。作業者が糸種指定ポタン45に触れると、選択した緯糸3(給糸体10)の糸パッケージマークが他の選択しない糸パッケージマークと異なる状態となって、選択糸種が表示される。
画面表示器/入力器42の画面中央のグラフは、一例としてサンプル数32ピック中の緯糸到達タイミング(角度°)の平均値の折れ線グラフA、サンプル数32ピック中の緯糸到達タイミング(角度°)の最大値と最小値とを結んだ棒状のグラフB、および緯糸到達タイミング(角度°)の標準偏差の折れ線グラフCを示している。画面表示器47の画面上の表示部分は、左右方向の三角マークのスクロールボタン47により50サンプルずつスクロールできる。
画面表示器/入力器42の画面表示は、モノクロで足りるが、好ましくは多色(カラー)表示可能とし、各グラフ(A、B、C)や軸などの表示の色彩を異ならせて表示するように構成すれば、より視認性が向上する。多色緯入れ織機の場合、糸種指定ボタン45による糸種の選択操作により、当該糸種の表示に切り換えることができる。
このように、画面表示器/入力器42の画面表示内容から作業者は、緯糸到達タイミング(角度)の統計値の経時的な変化を視覚的に確認できる。したがって、このように運動の経過に対応してグラフィック表示された統計値の変化状況をもとに、給糸体不良と判定したときの緯糸到達タイミングの統計値の変動状況を容易に確認でき、さらには緯糸3の給糸体10の品質を向上させたり、緯入れが安定化するように、緯入れ条件を再設定することも可能となり、給糸体10の品質管理や緯入れの管理上有利となる。
図7は、緯糸到達状況/警報設定の設定画面の一例を示している。この画面で、糸種指定ボタン45に触れると、選択した緯糸3(給糸体10)の糸パッケージマークが他の選択しない糸パッケージマークと異なる状態により表示され、選択糸種について入力できる状態となる。画面の左欄の「警報ON/OFF」は、選択糸種について毎ピック、平均値、標準偏差について警報の選択、不選択を指定する部分である。四角形の該当する欄に触れると、×が表示されて警報ONの選択状態となり、この欄に再び触れると、今度は×の表示が消えて警報OFFの選択状態となる。「警報ON/警報OFF」の選択設定により、製織中に対象とする統計値が基準閾値を越えたとき、警報を出力するか、出力しないかを選択できる。警報ONの時には、例えば織機1を停止させるか、または外部のタワーランプを点灯させて、作業者に注意を喚起することができる。
毎ピック、平均値に関して、許容範囲の監視の観点から上限値、下限値の設定が可能であるが、標準偏差に関して上限値の設定のみが可能となっている。標準偏差は、いわゆるばらつき度合いを示すため、この値が小さいほど望ましく、望ましい状態では緯入れが順調であることから、あえて下限を監視する必要はないからである。このようにして、毎ピック、緯糸到達タイミングの平均値が上限値を超えたり、下限値を下回ることがあると、警報出力する。標準偏差については、求めた標準偏差が上限値を超えたときに、警報出力する。これらの閾値の設定に際し、作業者は、先ずタッチパネル式の画面の該当する入力欄に触れることにより数値入力用の図示しないテンキーを表示させ、次いで該当する数字に順に触れることで数値を入力する。
なお、平均値、標準偏差の右欄は、平均値、標準偏差を算出するときのサンプル数を設定する欄であり、欄内の下向き三角マークのクリックにより欄内から適当な数「1000」や「100」や「32」などを選択するか、または図示しないテンキーにより入力する。これらのサンプル数の設定は他の糸種についても同様に固有の数値として設定できる。
図8は、統計値としての平均値に対する閾値の設定例を示し、いわゆる緯入れ制御を使用しないときにおける緯糸到達タイミングの平均値と基準閾値との関係をグラフとして示している。この例で、ある糸種の正常な給糸体10によると、緯糸3の到達時期(緯糸到達タイミング)は、緯糸3の消費にともなって次第に早くなって行き、安定な下がり勾配の傾向で直線的に変化している。このため正常な給糸体10であれば、緯糸到達タイミングの平均値は、給糸体10の初期と終期とで20°前後の角度差となって現れ、給糸換わりにより初期の角度に戻る。なお、緯糸到達タイミングの下がり勾配の傾向は一例であり、他の糸種において、その緯糸到達タイミングは、巻径の減少にともない、下がり勾配の傾向で直線的または曲線的に変化することもある。
このため、緯糸到達タイミングの平均値の許容範囲(上限値および下限値)は、例えば図8のような給糸体1パッケージ分の平均値をもとに(例えば回帰分析等を行って)近似的に得られた平均値直線を基準とし、その基準の直線の上下に角度にして、例えば10°分離間した位置に平行線を描くようにして設定されて記憶器39に格納されるサンプリングピック毎の基準閾値は、そのようなサンプリングピック数をパラメータとする関数から導出された値を格納することができる。実際には、所定のピック数毎に、換言すると、所定のピック数を1グループとして基準閾値(上限値および下限値)を設定することになるから、閾値の上限値および閾値の下限値は、グラフ上、1グループ(所定のピック数)ごとに階段状に変化することになる。
なお、基準閾値(上限値、下限値)を決定する際にもとになる平均値について、上記直線近似された平均値を用いる代わりに、上記得られた平均値そのものを用いることも可能であり、具体的には各サンプリングピックの平均値そのものに安全率を見込んだ許容範囲値(図7の入力欄に入力した数値)を加算したものをそのまま基準閾値とすることもできる。しかし、図示されるように、平均値はサンプリングピック毎に上下に変動しているため、許容範囲値によっては、誤って給糸体不良と判定する危険性がある。
上記の危険性を防ぐために以下の処理を行うようにするとよい。例えば、閾値算出する際に、もとになる統計値を連続される複数の各統計値の平均値とし、これに基づいて閾値を決定する。例えば1万サンプリングピックにわたって求めた1万個の統計値からそれらの平均値を算出するとともに、これに基づき基準閾値を算出し、この期間(1万サンプリングピック)における基準閾値として決定する。この設定によると、基準閾値は各サンプリングピック期間例えば1万ピック毎に階段状に設定されることになる。なお、上記各統計値の平均値を算出する際の統計値の数について上記「1万」に限らず、「2」以上整数のサンプリングピックであれば良い。
ちなみに、従来例のように給糸体10における緯糸消費量とは無関係に固定された閾値によると、作業者は、1つの正常な給糸体10による緯糸3の緯糸到達タイミングの下がり勾配の傾向の変化を考慮して、初期の平均値に20°前後を加算し、終期の平均値に20°前後を減算して、許容範囲を設定する。このため図8の欄外に示すように、その許容範囲は勢い大きな範囲(210°〜250°)となる。したがって、この大きな許容範囲と緯糸到達タイミングとの比較による給糸体10の良否判定では、このような大きな範囲から逸脱しなければ給糸体10は正常として扱われることになり、本発明による判定よりも信頼性の低いものとなる。
実施例1は次の(1)および(2)のように変形して実施することもできる。(1)不良判定に用いる統計値は上記平均値に限らない。給糸体10の不良判定に役立つものであればそれを用いてもよい。平均値以外の統計値としては、最大値、最小値あるいはこれらの差の値、標準偏差などが考えられる。統計値としての平均値によると、緯糸飛走角度の全体的な傾向が把握できるので、織機1の緯入れ装置2の調整や給糸体10の品質把握によく使われる。また、最大値、最小値、標準偏差は、緯糸到達タイミングのばらつきの範囲、ばらつき度合いを表す数値であり、緯入れの調整、特に緯入れノズル(メインノズル7およびサブノズル8)の噴出圧力の調整によく使われる。しかし、給糸体不良の判定での効果については、実際のところ未知数ではあるが、給糸体10の巻径の変化(減少)により緯糸到達タイミングのばらつきが変化する糸種の場合には、有効と考えられる。
(2)図4における給糸体不良の判定について、統計値が一度でも基準閾値を超えたときに、給糸体不良と判定しているが、誤検出を避けるため、例えば統計値が複数回連続したときになど、さらに所定の複数条件を満たしたときに、はじめて給糸体不良と判定するようにしてもよい。さらには、監視対象とする統計値を2以上とし、複数の統計値のうち1以上が所定の条件を満たしたとき給糸体不良と判定するようにしてもよい。
実施例2は、請求項3の流体噴射式織機における給糸体不良の判定方法であり、緯入れ制御機能ありの状態、換言すると、緯入れ過程で緯糸到達時期の遅速に応じて、緯入れ装置2の緯糸到達時期に関係する要素を調節することによって、緯糸到達時期すなわち緯糸到達タイミングを目標の範囲内に制御するときの例に対応している。図9、図10および図11は、実施例2による流体噴射式織機における給糸体不良の判定方法のフローチャートを示しており、より具体的には、正常な給糸体使用時において、算出された緯糸到達タイミングの統計値が目標の到達タイミングに近づくように、緯入れ設定条件である緯入れ開始タイミング(打出しタイミング)を補正する緯入れ制御を実行するとともに、この補正結果である設定値に対して基準閾値を決定して運転期間の経過に対応させて記憶器39に記憶させ、次の給糸体10への切換り時より、上記緯入れ制御を実行しつつこの制御により補正された設定値に対して上記記憶された基準閾値に基づく給糸体不良の判定を開始し、不良と判定されたことによりその給糸体10を交換して織機再運転されるまでの一連工程を示している。このような一連の処理は、実施例1の場合と同様、緯入れ制御装置30側に格納される制御プログラム(ソフトウエア)あるいは設定器34側に格納される処理プログラム(ソフトウエア)を、CPU36あるいはCPU40がそれぞれ実行することにより遂行される。
実施例2において、緯入れ制御装置2は、緯糸3の到達時期の統計値の1つである平均値を目標到達タイミング例えば目標角度230°に近づけるように、緯入れ開始タイミング(打出しタイミング)すなわちメインノズル7の噴射開始タイミングおよび係止ピン13の解舒タイミングの補正を実行する。この緯入れ制御が有効に機能しておれば、給糸体10の消費が進んでも、緯糸到達時期の統計値の1つである平均値(緯糸到達タイミング)は、目標到達タイミング(目標角度230°)の近くに収まっているはずである。
図9は、過去に製織経験のない新しい緯糸3の給糸体10についての閾値決定工程を示しており、より詳しくは、算出された緯糸到達タイミングの統計値が目標の到達タイミングに近づくように、緯入れ設定条件の1つである緯入れ開始タイミング(打出しタイミング)を補正する緯入れ制御を実行するとともに、この補正結果である設定値に対して基準閾値を決定して運転期間の経過に対応させて記憶器39に記憶させる工程を示している。先ず、過去に製織経験のない新しい緯糸3の給糸体10の使用に先立って、調整運転を行い、その後作業者は流体噴射式織機1の連続運転を開始させるとともに、設定器34に対して図示しない製織開始操作入力を行うことにより、図9に示す閾値決定工程を開始させ、使用中の給糸体10についての反緯入れ側に設けられた緯糸フィーラからの糸信号に基づく緯糸到達タイミング(緯糸到達角度)のサンプリングを開始させる(ステップ21)。
そして、CPU36は、実施例1と同様に、緯糸到達信号ならびにエンコーダ33からの織機主軸角度信号θから緯糸到達角度として検出し、このような各緯入れピック毎の緯糸到達角度を予め設定した所定のサンプル数にわたって蓄積すると共に、所定サンプル数のデータが得られた時点で緯糸3の到達時期(緯糸到達タイミング)の統計値(平均値)を算出する(ステップ22)とともに、この統計値(平均値)をもとに、緯糸到達タイミングと目標到達タイミング(230°)とを比較し、補正条件成立の判断を行う(ステップ23)。
この補正条件は、緯入れ装置2の設定値である緯入れ開始タイミングの補正動作実行の可・ 否を、目標到達タイミングに対する偏差の発生状況により判定するために用いられるものであり、CPU36は、制御プログラムを実行することにより、例えば下記の全ての要件を満たすことにより緯入れ開始タイミングの補正を実行する。要件1は、緯糸3の到達タイミングから検出した平均値の目標到達タイミング(230°)に対する偏差が所定量例えば6°以上であることであり、要件2は要件1が複数回連続して発生することである。要件2の1回のみの発生では、緯入れ開始タイミングの補正は実行しない。また、このときの補正量は、偏差に対する比例・積分を含むPI計算により算出し、設定値に対し上記補正量を偏差が解消される方向に加算補正する。なお、各項のゲインは、糸種に応じて予め設定される。
CPU36は、ステップ3で、緯入れ開始タイミングの補正を実行するか否かを決定し、補正不要(no)であれば、ステップ5に進むが、補正必要(yes)であれば、緯入れ開始タイミング(角度)を目標到達タイミング(230°)に近づけるための補正量(角度)を例えば上記手法により算出し、この補正量(角度)を用いて、緯入れ開始タイミングを補正して、次ピックの緯入れ時よりこの補正後の作動条件としての緯入れ開始タイミング(角度)によって緯入れする一連の緯入れ制御を実行しつつ(ステップ24)、その後にステップ25に進む。
上記の緯入れ開始タイミングは、緯糸打出しタイミングともいわれ、具体的には、メインノズル7の噴射開始タイミング、係止ピン13の解舒タイミングに対して影響される。緯入れ開始タイミングは、メインノズル7の噴射開始タイミングと一致し、また係止ピン13の解舒タイミングは、メインノズル7の噴射開始タイミングの前、例えば数°前に設定される。上記の緯入れ開始タイミングの補正によって、メインノズル7の噴射開始タイミング、係止ピン13の解舒タイミングが補正される。
このような緯入れ制御の実行によって、緯糸3の実際の到達時期つまり緯糸到達タイミングは、常に目標到達タイミング(230°)を維持するように調節される。一方、CPU36は、糸信号発生タイミングに基づく値としての緯入れ開始タイミングを、給糸体使用開始からの運転期間に対応される緯入れサンプリングピック番号とともに記憶器35に記憶させ、蓄積して行く(ステップ25)。なお、サンプル数の設定や、緯糸3の到達時期(緯糸到達タイミング)の検出などは、前記実施例1と同様である。
また、上記ステップ5による記憶処理を実行すると共に、給糸体10の消尽が発生したか否かを判定する(ステップ26)。具体的には、CPU36は、給糸換センサ16からの給糸換わり信号が発生されたか否かを判定し、給糸変わり信号が発生されていなければ、上記ステップ21に戻って、その給糸体10におけるデータ蓄積を継続し、また給糸換わり信号が発生されたとき、CPU36は、実施例1の場合と同様、その旨の情報を設定器34側に送ると共に、主制御装置31を介して織機1を停止させる。一方、このような緯入れ制御のもとで変更された緯入れ開始タイミングは、設定器34にも送られており、作業者は、設定器34を操作することにより、設定器34側のCPU40は、補正された緯入れ開始タイミングを、1パッケージ分まとめて記憶器39に格納するとともに、必要に応じて表示器上に縦軸を角度とし横軸をサンプリングピック番号として、画面上にグラフィック表示することができる。そこで給糸体10が消尽されて停止されたことにより、作業者は、このように蓄積された給糸体10のデータが、品質的に正常な給糸体10のものであるか否かを上記表示などを利用して判断し、その結果正常なデータが採取されたと判断したとき、設定器34に図示しない操作を行うことにより、緯入れ制御装置30は、緯入れ開始タイミングに関する蓄積を終了する(ステップ27)。ここで、作業者は、正常なデータが採取されたと判断した旨の操作により、CPU40は、次のステップ28(判定用閾値算出→記憶)に進む。なお、上記判断の過程で、作業者は、蓄積したデータが異常と判断をしたとき、対応する図示しない操作を設定器34に行うことにより、記憶された複数のデータの中から不要な蓄積データを消去し、ステップ21に戻って新たな給糸体10におけるデータ蓄積を開始する。
次いで、CPU40は、糸信号発生タイミングとしての緯入れ開始タイミングに対する判定用閾値を上記ステップ5で蓄積した緯入れ開始タイミングをもとに算出し、記憶させる(ステップ28)。より具体的には、作業者は、これまで蓄積した1以上の給糸体10のデータの中から正常と考えられる1つの給糸体10のデータを選び出す操作を行い、CPU40は、記憶した各サンプリングピックの緯入れ開始タイミングに対して安全率を考慮して予め入力した許容範囲の入力値をそれぞれ加算して、緯入れ開始タイミングに対する基準閾値(基準閾値、上限値および下限値)を決定し、サンプリングピック番号毎に基準閾値として記憶器39に記憶させるほか、実際に給糸体不良を判定する機能を有する緯入れ制御装置30にも送り込み、CPU36を介して記憶器35に記憶させる。データ蓄積終了判定について、実施例1と同様に、作業者が判定するか、または自動的に行う。
実施例2では、緯入れ制御が行われるため、緯糸3の到達側での緯糸3の到達時期つまり緯糸到達タイミングは、緯入れ制御によって目標到達タイミング(230°)またはその近傍に収まっている。例えば、給糸体10の巻径が減少するにつれて飛走しやすくなる緯糸糸種の場合、緯糸到達タイミングが次第に早まることになるため、上記緯入れ制御の実行により、緯入れ開始タイミングを遅らせるように補正される結果、緯糸到達タイミングはほとんど変動せず、ほぼ一定となる。これに対して、糸信号発生タイミングとしての緯入れ開始タイミング(緯糸打ち出しタイミング)は、糸種にもよるが、一般に、給糸体10の消費にともなって、初期より後期にかけて遅れ傾向になり、この傾向を給糸換わり毎に繰り返す。
データ採取後の基準閾値設定について、作業者が確認する工程を経るが、このほかに、ソフトウエアアルゴリズム等により移行の良否を自動的に判定し、次ステップに移るように構成してもよい。なお、閾値の算出について、給糸体10が消尽されたときにまとめて行うようにしているが、統計値の算出と同時に行うようにしてもよい。
このようにして、閾値決定工程において、過去に製織経験のない新しい緯糸3の給糸体10について、運転期間における複数の期間としてのサンプリングピック番号毎に緯入れ開始タイミングの基準閾値が得られ、これが今後の正規の製織において当該給糸体10の不良の判定に利用できるようになる。
その後、作業者は、新しい給糸体10からの緯糸3による正規の製織のために、流体噴射式織機1の連続運転を開始させ(ステップ29)、その製織過程で新たな給糸体10について、得られたサンプリングピック番号毎の緯入れ開始タイミングの基準閾値を用いて、図10に示される丸文字Dの監視処理ルーチンに移行することによって、新しい使用中の給糸体10の不良判定を行うことになる。
図10は、新しい使用中の給糸体10について、丸文字Dより開始される監視処理(給糸体10の不良判定処理)および給糸体不良判定後の作業者が行う処理などの一連の工程を示している。先の図9におけるステップ29において、新しい給糸体10を用いて織機1が連続運転されており、緯入れ制御装置30のCPU36は、記憶器35に格納された制御プログラムに従って、図10の丸文字Dに移行され、初期設定としてサンプリングピック番号やサンプル数の統計値を算出する際のデータ数となるピック数などのカウント値を全て「0」に戻して、使用中の給糸体10に対する不良判定のためのサンプリングを開始する(ステップ31)。次いでCPU36は、緯糸到達タイミング(緯糸到達角度)が入力されるとサンプル数としてのピック数カウント値を+1するとともに、その到達タイミングを記憶する。さらにCPU36は、サンプル数としてのピックカウント値が所定値に達したことにより、前記の閾値決定工程と同様に、サンプル数のカウントを「0」戻しする一方、上記記憶した複数の緯糸到達タイミングをもとに統計値としての平均値を算出するとともに、前記記憶された複数の基準閾値の中から給糸体10の使用開始時よりカウント始めたサンプリングピック番号に対応する緯入れ開始タイミング用の基準閾値を読み出す(ステップ32)。
そして、CPU36は、給糸換センサ16からの給糸換わり信号が発生されたか否かを判定し(ステップ33)、給糸変わり信号が発生されていないこと、また製織長が所定の長さに達して切卸し停止などの理由により連続運転を終了させるか否かを判定し(ステップ34)、いずれの判定結果についても否であるときに、緯入れ開始タイミングの補正を行うか否かの判定処理ステップ(ステップ35)に進む。そして、前記閾値決定工程における処理と同様、緯入れの補正条件成立かどうかの判断を行い、補正不要(no)であれば、直接にステップ37に進む。仮に、補正必要(yes)であれば、緯入れ開始タイミング(角度)を目標到達タイミング(230°)に近づけるための補正量(角度)を算出し、この補正量(角度)を用いて、緯入れ開始タイミングの設定値を補正し、この補正後の作動条件としての緯入れ開始タイミング(角度)によって緯入れ制御を実行してから(ステップ36)、その後に本発明の特徴的処理であるある給糸体不良の判定処理ステップ(ステップ37)に進む。
この判定処理ステップ(ステップ37)では、補正される緯入れ開始タイミングが、先のステップ32の工程で読み出したサンプリングピック番号対応する基準閾値を超えたか否かにより給糸体10の不良を判定する。一方、先のステップ32の工程では、現在カウント中のサンプリングピック番号に対応される2つの基準閾値(上限閾値・下限閾値)を読み出している。従って、この判定処理(ステップ37)では、今回の緯入れ開始タイミングが、上限閾値から下限閾値の範囲内にあれば正常と判定し、逆に、緯入れ開始タイミングが上限閾値を上回ったあるいは下限閾値を下回ったことにより、給糸体10の異常(不良)と判定することになる。仮に正常と判定されたとき(yesのとき)、図10におけるステップ32に戻る処理となり、前記同様、織機1の連続運転を継続したまま、次サンプリングピック以降の統計値の算出、閾値の読出、給糸体不良の判定処理等の処理が実行される。しかし、異常と判定されたとき(noのとき)、CPU36は、入出力ポート37を介し、設定器34に対してその旨の情報を送信して警報(警告)表示を行わせる一方、給糸体不良に対応する異常信号を主制御装置31出力させ織機の連続運転を停止させる(ステップ38)。このように停止された織機に対し、作業者は、設定器34に、これまでの緯糸到達タイミングの統計値の変動状況(あるいは補正された緯入れ開始タイミングの変動状況など)を表示させる等を行って、このまま再運転するか否かを判断する(ステップ39)。仮に、作業者はもう少し状況を見るなどの理由によりそのまま再運転する旨の判断をした場合(yesのとき)、作業者は、設定器34を介し上記警報(警告)状態を解除したり、所定許容範囲の値を変更して基準閾値を再設定するなどの必要な操作を行って織機を再運転させる(ステップ40)。また仮に再運転せず給糸体10の交換等の処理を行う旨の判断をした場合(noのとき)、作業者は、上記警報(警告)状態をリセットするとともに、新たな給糸体10への交換等の必要な処理を行い(ステップ41)、図9に示される丸文字Eの処理ルーチン(ステップ29)に移行して、新たな給糸体10による連続運転を開始することになる。
また、機上がり等の理由のために、連続運転終了?(ステップ34)でyesのときに、図11のルーチンCに移り、機上がりの作業の後、連続運転終了(end)となる。
このようにして、織機1の連続運転の過程で、緯入れ制御を実行して予め設定された緯入れ開始タイミングに対する補正量を順次算出して緯入れ開始タイミングを順次補正するとともに、給糸体10の不良判定を実行するために、給糸体10の使用開始時よりカウント始めたサンプリングピック番号に対応する閾値を読み出して、これと前記補正された緯入れ開始タイミングとを比較し、前記補正された緯入れ開始タイミングが前記読み出した基準閾値を超えたときに、警報を出力することができる。これにより、緯入れ制御が実行される織機で実現が困難であった給糸体不良の判定が容易に実現可能となり、しかも正常な給糸体使用時に得られた値に基づく運転期間に対応される基準閾値を用いて給糸体不良を判定するから、上記実施例1の場合と同様、必要最小限の安全率が考慮された基準閾値を用いることが可能になり、給糸体不良の判定精度を高めることができる。
図12は、実施例2すなわち緯糸到達タイミングの平均値を目標タイミングに近づける緯入れ制御の下での緯糸到達タイミングの平均値の推移を示しており、また図13は、給糸体10の巻径の減少により緯糸到達タイミングが早まる緯糸糸種の場合における、補正された緯糸打出しタイミングの設定値とこれにする基準閾値(上限値・下限値)との関係を示す。なお、緯糸打出しタイミングは、緯入れ開始タイミングであり、図1の緯入れ装置2によると、係止ピン13の解舒タイミングおよびメインノズル7の噴射開始タイミングに対応しており、解舒タイミングと噴射開始タイミングタイミングとは、既述のように、殆ど同一角度として設定される。
実施例1と同様に、給糸体10が消費されるにつれて、緯糸3は緯入れの際に飛びやすくなるならば、その結果として緯糸到達タイミングは早まっているはずである。しかし、図12に見られるように、緯糸到達タイミングの制御によって、緯緯糸到達タイミングは目標到達タイミング230°に近づくように調整されている。したがって、給糸体10の巻径が減少しても、緯糸到達タイミングは経時的に大きく変動しないことになる。
一方、図13に示すように、緯糸打出しタイミングすなわち緯入れ開始タイミング(解舒タイミング・噴射開始タイミング)の設定値は、緯入れ制御によって、1つの給糸体10について60°近くから85°まで次第に遅らせる方向に補正され、この特性を給糸体10毎に繰り返す。このため、実施例1の場合と同様、基準となる打出しタイミングは、例えば、給糸体1パッケージ分の緯入れ開始タイミングをもとに(例えば回帰分析等を行って)近似的に得られた1次関数(直線)基準とし、緯入れピックの進行にともない、鋸歯状に直線的に変動する値とする、あるいは補正された緯入れ開始タイミングの値そのものを基準とし、緯入れピックの進行にともない、鋸歯状の変動傾向を有する値として記憶される。これらの記憶データに対し、安全率を見込んだ許容範囲値(図7の入力欄に入力した数値)を加算して、(例えば上記前者の場合10°分離間した位置に平行線を描くようにして決定される)緯入れ開始タイミングに対する許容範囲(上限値、下限値)をそれぞれ算出し、基準閾値としてこれを記憶させる。
実施例2は、以下のように変形して実施することもできる。緯入れ制御は、補正結果(緯入れ開始タイミングの設定値)を監視対象としているが、補正量を監視対象とするように構成してもよい。また、緯入れ制御は、緯入れ開始タイミングを補正するものに限らず、目標到達角度を維持するように制御すべく、緯糸飛走速度を制御するもの、例えばメインノズル7、サブノズル8のうち1以上の噴射圧力を制御対象とするものに適用することもできる。この場合、圧力レギュレータ22、24の圧力指令値に対して基準閾値(上限値、下限値)を決定し、その後、緯入れ制御のもとで順次補正される圧力指令値を基準閾値と比較して、給糸体10の不良を判定することになる。
上記緯入れ制御における補正量計算では、上記PI計算に限らず、他の要素例えば微分要素を含むPID計算、あるいはこれ以外の手法により補正量を算出してもよい。例えば、偏差が解消されるまで、作動条件の設定値に対し一定値を偏差が解消される方向に加算し補正する等、考えられる。
緯入れ制御での補正動作について、偏差が発生してから直ちに上記補正を行う形態のほかに、統計値の偏差が所定回数連続して発生したときに、上記補正を開始する形態としてもよい。あるいは、微少の偏差では補正を実行しない、いわゆる不感帯を設定したり、あるいは過大な偏差に対しては補正量を一定値に制限する、いわゆるリミッタ機能を設けるなど、公知技術を採用可能である。
基準閾値について、簡略化あるいは判定精度の向上のために、実施例2についても以下のようにしてもよい。(1)閾値算出のもとになる設定値をさらに複数のサンプリングピックの間で平均化し、これに基づいて基準閾値を階段状に決定する。(2)記憶した設定値をもとに数値解析(直線回帰分析等)を行い、近似された数式にピック数を入力して求めた設定値に、前記許容範囲値を加算して基準閾値を設定する。
実施例1、実施例2では、到達タイミングの算出、基準閾値の決定、給糸体不良の判定等の処理を緯入れピック信号に基づき、つまり緯入れピック数を尺度に行っているが、それらの処理は、新たな給糸体10の使用時からの織機の運転時間(製織時間の経過)を尺度に行うようにしてもよい。
多色緯入れ織機の場合、統計値の算出、基準閾値の決定、給糸体不良の判定処理を、緯入れ装置2の番号毎(緯糸糸種毎)に行う構成がより好ましい。
給糸体10の不良の判定に用いる基準閾値について、上記各例では製織する織機で実際に求めたデータをそのまま採用する例であるが、過去に他の機台で蓄積した値を採用することもできる。この場合、図2に示すメモリカード44などの記憶媒体、あるいは織布工場内の織機を管理する管理コンピュータから過去の蓄積情報を読み込むことで、閾値を設定するようにしてもよい。
既に明らかなように、本発明はエアージェット織機に限らずすべての流体噴射式織機に適用可能であり、また多色緯入れ織機にも利用できる。また本発明の方法は、コンピータを使用し、プログラムにより実現することもできる。
流体噴射式織機の要部および緯入れ装置の説明図である。 緯入れ制御装置、主制御装置および設定器のブロック線図である。 実施例1(緯入れ制御なし)による閾値設定工程のフローチャート図である。 実施例1(緯入れ制御なし)による給糸体の監視処理および給糸体不良判定後の作業者処理のフローチャート図である。 実施例1(緯入れ制御なし)による機上がり連続運転終了のフローチャート図である。 実施例1(緯入れ制御なし)による画面表示器/入力器による画面表示例の説明図である。 実施例1(緯入れ制御なし)による設定画面の表示例の説明図である。 実施例1(緯入れ制御なし)による緯糸到達タイミングの平均値の変化傾向と閾値(上限値・下限値)との関係のグラフである。 実施例2(緯入れ制御あり)による閾値設定工程のフローチャート図である。 実施例2(緯入れ制御あり)による給糸体の監視処理および給糸体不良判定後の作業者処理のフローチャート図である。 実施例2(緯入れ制御あり)による機上がり連続運転終了のフローチャート図である。 実施例2(緯入れ制御あり)による緯糸到達タイミングの平均値の変化傾向のグラフである。 実施例2(緯入れ制御あり)による緯糸到達タイミングの平均値の変化傾向と基準閾値(上限値・下限値)との関係のグラフである。
符号の説明
1 流体噴射式織機 2 緯入れ装置
3 緯糸 4 経糸
5 綜絖 6 開口
7 メインノズル 8 サブノズル
9 ホルダ 10 給糸体
11 回転糸ガイド 12 ドラム
13 係止ピン 14 テンサ
15 駆動モータ 16 給糸換センサ
17 操作器 18 解舒センサ
19 圧力空気 20 筬
21 圧力空気源 22 圧力レギュレータ
23 電磁開閉弁 24 圧力レギュレータ
25 電磁開閉弁 26 織布 26a 織り前
27 給糸カッタ 28 緯糸フィーラヘッド
29 緯糸フィーラ回路 30 緯入れ制御装置
31 主制御装置 32 主軸
33 エンコーダ 34 設定器
35 記憶器 36 CPU
37 入出力ポート 38 駆動回路
39 記憶器 40 CPU
41 入出力ポート 42 画面表示器/入力器
43 カードI/F 44 メモリカード
45 糸種指定ボタン 46 サンプル数選択ボタン
47 スクロールボタン

Claims (6)

  1. 流体噴射式織機(1)において、給糸体(10)使用時における緯糸センサ(18、28)からの糸信号発生タイミングに基づく値に対し所定の許容範囲を加味して決定される基準閾値を、織機(1)の運転期間における複数の期間毎にそれぞれ記憶しておき、
    その後、給糸体(10)使用時には、その給糸体(10)の使用開始時から計測した織機(1)の運転期間に対応する基準閾値を読み出す一方、前記緯糸センサ(18、28)からの糸信号発生タイミングに基づく値を算出して前記読み出した基準閾値と比較し、算出した前記基づく値が前記基準閾値を超えたとき、現在使用中の給糸体(10)を不良と判定する、ことを特徴とする流体噴射式織機における給糸体不良の判定方法。
  2. 前記流体噴射式織機(1)は、前記糸信号発生タイミングに基づく値として、前記複数の期間にわたって検出された複数の糸信号発生タイミングに基づいて算出される統計値とし、前記基準閾値を前記算出された統計値に所定許容範囲を加味する演算により決定して前記複数の期間毎にそれぞれ記憶されており、その後、給糸体(10)使用時には、その給糸体(10)の使用開始時から計測した織機(1)の運転期間に対応する基準閾値を読み出す一方、複数ピックにわたって検出した複数の糸信号発生タイミングに基づく統計値を算出して前記読み出した基準閾値と比較し、算出した統計値が前記基準閾値を超えたとき、現在使用中の給糸体(10)を不良と判定する、ことを特徴とする請求項1記載の流体噴射式織機における給糸体不良の判定方法。
  3. 前記流体噴射式織機(1)は、複数ピックにわたって検出された糸信号発生タイミングに基づく統計値を算出するとともに、次ピック以降の緯入れ装置(2)に対する設定作動条件を前記算出した統計値が予め設定した目標値に近づける方向に補正する緯入れ制御機能を有しており、前記織機(1)は、前記糸信号発生タイミングに基づく値として、前記緯入れ制御の際に算出された前記設定作動条件の補正に関する値とし、前記基準閾値を、1以上の前記補正に関する値をもとに所定許容範囲を加味する演算により決定して前記複数の期間毎にそれぞれ記憶されており、その後、給糸体(10)使用時には、給糸体(10)の使用開始時から計測した織機(1)の運転期間に対応する基準閾値を読み出す一方、前記緯入れ制御の実行により算出された前記補正に関する値を前記読み出した基準閾値と比較し、前記補正に関する値が前記基準閾値を超えたとき、現在使用中の給糸体(10)を不良と判定する、ことを特徴とする請求項1記載の流体噴射式織機における給糸体不良の判定方法。
  4. 前記緯糸センサは、反給糸側織端付近に配置され緯糸飛走路にその検知領域を有する緯糸フィーラ(28)により構成する、ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の流体噴射式織機における給糸体不良の判定方法。
  5. 前記緯糸センサは、緯入れ装置(2)側に配置され解舒された緯糸(3)の飛走路にその検知領域を有する解舒センサ(18)により構成する、ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の流体噴射式織機における給糸体不良の判定方法。
  6. 前記流体噴射式織機(1)は、前記閾値情報を決定する過程で、順次算出される糸信号発生タイミングに基づく値を給糸体(10)毎に複数記憶するとともに、前記複数の給糸体(10)の記憶値の中から読み出した1つの給糸体分の値に基づいて、前記給糸体不良判定用の基準閾値を前記決定する、ことを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載の流体噴射式織機における給糸体不良の判定方法。
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