JP2007107123A - 複合弾性糸及びこの糸を用いた織編物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、スリップインが少なく、また、ストレッチ性が損なわれない弾性繊維と非弾性繊維からなる複合弾性糸及びその複合弾性糸を用いた織編物を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明は、融点の異なる第1の弾性繊維と第2の弾性繊維とを引き揃えて芯糸とし、その芯糸の周りに非弾性糸を巻きつける、又は鞘糸として非弾性繊維を配して紡績した複合弾性糸であり、第1の弾性繊維が溶融する温度でかつ第2の弾性繊維が溶融しない温度で熱処理することにより、第1の弾性繊維がバインダーとして芯糸と巻きつけられた非弾性糸(カバリング用の糸)、撚り合わされた非弾性糸又は鞘糸が融着され、スリップインを防止する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、弾性のある複合弾性糸に関し、更に、スリップインの少ない織物及び編物に関する技術である。
複合弾性糸は、ポリウレタンフィラメントのような弾性のある糸と、木綿や麻等の天然繊維や各種短繊維からなる繊維とを合わせて作られている。
また、これらの複合弾性糸を用いた織物や編物は、伸縮性に富み、各種衣類に使用されている。
このような複合弾性糸を用いた織物や編物は、伸縮性に富み、ストレッチ織物や編物となる。しかしながら、これらの複合弾性糸は、弾性糸と非弾性糸からなるが弾性糸と非弾性糸との結合が弱いという性質があった。このため、糸が切れた際に、弾性糸のみの部分が収縮して、弾性糸のない非弾性糸の部分が残る。また、この複合弾性糸を用いた織物や編物を裁断や切断された場合に、切断部分から弾性糸が収縮し、弾性糸のない部分が発生する。この現象をスリップインと呼んでいる。
この現象は、最終製品となった場合に、縫製されている縫目などに見られることがあり、スリップイン部分のだぶつきやシワの発生などを引き起こす。
これらの現象は、特に製品縫製後に洗い加工などを施す場合に多く見られる。
なお、ストレッチ性を有する織物や編物は、消費者指向の多様化に伴いこのような形態の商品が増加する傾向にある。
上記スリップイン現象を改善するために以下のような複合弾性糸が提案されている。
<1>特許文献1(実公昭47−20306号)には、軟化融着する温度に格差のある2種以上の糸を、撚り合せ又は引き揃えて任意の組織に編成し、軟化融着温度の低い糸同士の交叉部のみを互いに融着し、軟化融着温度の低い糸を他の糸及び他の糸同士は互いに融着していないもので、使用する糸としては軟化融着する温度に格差のある2種以上の糸を用いたランを防止する技術が開示されている。
特許文献1は、軟化融着する糸同士の交叉部のみで融着するようにしたものであり、この軟化融着する糸は、ベア糸であり、その他の糸とは融着しないようにしたものである。弾性繊維と非弾性繊維からなる複合弾性糸を用いた織編物のスリップインを防止するという技術思想はない。
<2>特許文献2(特開平10−273837号)には、弾性糸を伸長状態で熱セットして被覆するタイプの被覆弾性糸が記載されている。この被覆弾性糸は、伸長した状態で液中熱処理し、ポリウレタン繊維を芯糸として芯糸の周りに羊毛アクリルの鞘糸を被覆している。この被覆弾性糸は、形態安定性に優れた糸及びスリップインの少ない糸と布帛が記載されている。
<3>特許文献3(特開2001−40541号)には、1本又は2本以上の複合弾性糸から細幅の編物を形成し、ループを縦方向に連続的に接続して、紐状糸とした複合弾性糸が記載されている。この複合弾性糸は、ループの接続部が結び目となるので、複合弾性糸が切断しても、弾性糸は結び目を越えて縮むことはできないので、スリップインしないようになる。
<4>特許文献4(特開2003−278042号)には、弾性糸を延伸しながら、その弾性糸を被覆糸で旋回状に被覆して、ダブルツイスター機で撚られる被覆弾性糸が記載されている。
特許文献2〜4においても、それぞれ以下のような問題がある。
特許文献2は、熱処理するために弾性糸の伸縮性が低下する恐れがあり、特許文献3は、紐状糸とするために細番手の糸ができない、また、特許文献4は、弾性糸と被覆糸の摩擦により伸縮性が低下する恐れがある。
実公昭47−20306号 特開平10−273837号 特開2001−40541号 特開2003−278042号
本発明は、上記の課題から考えられたもので、スリップインが少なく、また、ストレッチ性が損なわれない弾性繊維と非弾性繊維からなる複合弾性糸及びこの複合弾性糸を用いた織編物を提供することを目的とする。
本発明は、
<1>融点の異なる第1の弾性繊維と第2の弾性繊維とを引き揃えて芯糸とし、前記芯糸の周囲に非弾性糸または非弾性繊維を被覆したことを特徴とする複合弾性糸、
<2><1>記載の複合弾性糸は、前記芯糸の周囲に非弾性糸を巻きつける又は前記芯糸の周囲に非弾性繊維の短繊維を鞘糸として紡績したことを特徴とする複合弾性糸、
<3><1>乃至<2>記載の第2の弾性繊維の融点は、第1の弾性繊維の融点よりも10℃以上高いことを特徴とする複合弾性糸、
<4><1>乃至<3>記載の第1の弾性繊維は、熱融着性ポリウレタン弾性繊維であることを特徴とする複合弾性糸、
<5><1>乃至<4>記載の複合弾性糸を、第1の弾性繊維は溶融し、第2の弾性繊維は溶融しない温度で熱処理したことを特徴とする複合弾性糸、
<6><5>記載において、温度140〜200℃で熱処理したことを特徴とする複合弾性糸、
<7><1>乃至<4>記載の複合弾性糸を用いた織編物を、第1の弾性繊維は溶融し、第2の弾性繊維は溶融しない温度で熱処理したことを特徴とする織編物、
<8><7>記載において、温度140〜200℃で熱処理することを特徴とする織編物、
<9><5>記載の複合弾性糸を用いたことを特徴とする織編物、
を提供する。
本発明の複合弾性糸によれば、この複合弾性糸の状態またはこの複合弾性糸を用いて織編物にした後に、第1の弾性繊維が溶融する温度でかつ第2の弾性繊維が溶融しない温度で熱処理することにより、第1の弾性繊維がバインダーとして作用し、芯糸とその周りに巻きつけられた非弾性糸(カバリング用の糸)または非弾性繊維の鞘糸とが融着され、スリップインを防止する。
また、複合弾性糸の伸縮性は、芯糸である弾性繊維に依存する。本件発明の複合弾性糸において、伸縮性は第2の弾性繊維に負うところが大きい。第1の弾性繊維も、すくなくともバインダーとして機能するとともに、熱融着後においても、伸縮性を有する。
このように、本発明の複合弾性糸によれば、熱処理による弾性繊維の伸縮性(ストレッチ性)の低下をなくす、または減少させて、良好な伸縮性を維持しながらスリップインのないストレッチ性の繊維構造物を得ることができる。
以下、本発明につき詳しく説明する。
本発明は、融点の異なる第1の弾性繊維と第2の弾性繊維を引き揃えて芯糸とし、芯糸の周囲に非弾性糸または非弾性繊維で被覆した複合弾性糸である。
<1>第1の弾性繊維
本発明の第1の弾性繊維は、融点が第2の弾性繊維の融点よりも10℃以上、好ましくは、15℃以上低いものである。融点としては、180℃以下で融着性を有するものが好ましく使用できる。第1の弾性繊維としては、伸縮性を有する様々の弾性繊維、例えば、ポリウレタン弾性繊維、ポリエーテルエステル弾性繊維、ポリアミド系エラストマー弾性繊維等種々の弾性繊維が使用できるが、伸縮性及び熱融着性からポリウレタン弾性繊維が好ましい。例えば、WO2004/053218A1公報に記載された、(A)ポリオールとジイソシアネートとを反応させて得られる両末端イソシアネート基プレポリマー(以下「両末端NCO基プレポリマー」とする)と、(B)ポリオールとジイソシアネートと低分子量ジオールとを、反応させて得られる両末端水酸基プレポリマー(以下「両末端OH基プレポリマー」とする)とを反応させて得られるポリマーを固化することなく溶融紡糸されたポリウレタン弾性繊維が、熱融着性を有するとともに耐熱強度保持率に優れ、好ましい例として挙げられる。
<2>第2の弾性繊維
第2の弾性繊維は、第1の弾性繊維よりも融点が10℃以上高いことが好ましく、さらに好ましくは15℃以上高いものである。例えば、第1の弾性繊維の融点が180℃の場合、第2の弾性繊維としては、融点が190℃以上が好ましく、さらに好ましくは195℃以上である。弾性繊維としては、第1の弾性繊維と同じ種類、あるいは異なる種類のものが使用できるが、第1の弾性繊維と同じ種類が融着性の点から好ましい。第1の弾性繊維がポリウレタン弾性繊維の場合、第2の弾性繊維としてはポリウレタン弾性繊維が好ましく、更には、乾式紡糸によるポリウレタン弾性繊維であるモビロンPタイプ(日清紡績(株)製)、ロイカC804、C805、SP(旭化成せんい(株)製)、ライクラT127C、エクストラライフ・ライクラ(オペロンテックス(株)製)等が好ましい例として挙げられる。
本発明の融点は、TMA(熱機器測定装置)にて、石英プローブを使用し、把握長を20mm、伸長を0.5%、温度範囲を室温〜250℃、昇温速度を20℃/minの条件で、熱応力が0mgfになったときの温度である。
<3>非弾性繊維又は非弾性糸
本発明に用いられる非弾性糸または非弾性繊維は、芯糸に巻きつけられ又は短繊維を鞘糸として芯糸の周りに紡績されて使用される。これらの非弾性糸または非弾性繊維は、例えば、綿、麻、ウール、絹などの天然繊維、ポリエステル、アクリル、ナイロン、レーヨン、ポリノジック、キュプラ、リヨセルなどの化学繊維、またはこれらを混紡したものが用いられる。これらの繊維は、長繊維(フィラメント)または短繊維として用いられる。
<4>複合弾性糸
本発明の第1と第2の弾性繊維とを引き揃えてなる芯糸の周囲に非弾性糸を巻きつけるカバリングヤーンタイプの複合弾性糸は、従来公知のカバリング機を使用できる。先ず、第1と第2の弾性繊維をそれぞれ巻いた第1チーズから供給された第1及び第2の弾性繊維を引き揃えて被覆糸ボビンに通す。チーズと中間ローラの間にドラフトゾーンを形成し、引き揃えた弾性繊維を所定のドラフト率で伸長する。引き揃えた弾性繊維を第2チーズに巻き上げながら被覆糸ボビンを回転して、ドラフトされている引き揃えた弾性繊維の周囲に非弾性糸をカバリングする。なお、カバリング機は、1度に1回のカバリングを行う装置であるが、同時に複数回のカバリングを行えるようにドラフトゾーンを複数設けた装置にしても良い。
本発明のカバリングヤーンタイプの複合弾性糸の作製例を説明する。第1の弾性繊維としては、ポリウレタン弾性繊維[融点180℃以下が好ましい、17〜933dtex(デシテックス)](以下第1のポリウレタン弾性繊維という)、第2の弾性繊維としては、ポリウレタン弾性繊維[融点190℃以上が好ましい、17〜933dtex(デシテックス)](以下第2のポリウレタン弾性繊維という)を使用し、非弾性繊維としては、例えばナイロン13〜312dtex(デシテックス)、ポリエステル33〜330dtex(デシテックス)を使用する。先ず、カバリング機を使用して、第1及び第2のポリウレタン弾性繊維を1.0〜5.0倍に伸長した状態で、その周囲に非弾性繊維をS方向又はZ方向に150〜2000T/mの撚り数で巻き付けて、シングルカバリング糸とする。
次ぎに、本発明の第1及び第2の弾性繊維を引き揃えた芯糸に非弾性繊維の短繊維を鞘糸として巻きつけるコアスパンヤーンタイプの複合弾性糸について説明する。作製方法は、精紡機のバックローラーに前述の非弾性繊維の短繊維からなる粗糸を供給し、フロントローラーとの間で低率ドラフトしてフリースとなし、連続してフロントローラー直前にコア用の第1および第2の弾性繊維を引き揃えた芯糸をフリース中央に所定のドラフト率で張力をかけて供給し、フロントローラー通過後両者に撚りを加えながら精紡管糸に巻き取ることによる。
本発明においては、コアスパンヤーン紡績時の弾性繊維のドラフト率は2.5〜5.0であり、撚り係数αは3.6〜4.8、好ましくは4.0〜4.4である。
弾性繊維のドラフト率が上記の範囲であると、ストレッチ性が良好かつ効率的な伸びであると共に経済的である。また、ドラフト率を上げれば、場合によっては、糸が切れ易くなる。
撚り係数αが上記の範囲であると、鞘糸(シース)の寄りが発生しない効率的な条件である。
<5>織編物
本発明の複合弾性糸を用いて、伸縮性(ストレッチ性)のある織物又は編物を製作できる。
織物としては、平織、綾織、二重織など様々なものができる。織り方で特に限定されるものではないが、ストレッチ性を生かせる織物が良い。
次に、編物としては、経編み、緯編み様々な編み方ができる。編物としても特に限定されるものではない。
<6>熱処理
本発明の複合弾性糸または複合弾性糸を用いた織編物は、第1の弾性繊維は溶融し、第2の弾性繊維は溶融しない温度で、加熱して第1の弾性繊維を溶融し、第1と第2の弾性繊維相互、及び、第1の弾性繊維と芯糸の周囲に被覆した非弾性糸または非弾性繊維とを熱融着することができる。
本発明においては、一般的な乾熱ヒートセット処理で熱融着させることができる。
ここで、ヒートセットの条件は、ヒートセットの処理方法、および第1の弾性繊維の種類、融点によるが、乾熱セットの場合は、ピンテンターのようなセット機を使い、熱風による熱処理することにより行うことができる。この場合、セット温度は、一般的には、140〜200℃、特に160〜195℃であり、セット時間は10秒〜3分、特に30秒〜2分とすることができる。特にポリウレタン弾性繊維の場合、前記温度、時間範囲が好ましい。セット温度が140℃未満の場合、セットが甘く、後加工で新たにしわが発生する、染色堅牢度が低下するなどの問題があり好ましくない。またセット温度が200℃より高くなると、例えば非弾性繊維の硬化や劣化により編地風合いを損ねてしまうため好ましくない。セット時間が10秒未満、あるいは3分より長くなると同じ理由により好ましくない。
本発明の複合弾性糸を、その断面図を用いて説明する。
図1は、本発明の複合弾性糸の一作製例(コアスパンヤーンタイプ)の断面図であり、1は第1のポリウレタン弾性繊維、2は第2のポリウレタン弾性繊維、3は鞘糸である綿繊維である。
第1のポリウレタン弾性繊維1が、熱処理により溶融し、第2のポリウレタン弾性繊維に完全に融着していると共に、鞘糸の綿繊維にも融着しているのが解る。
このように、第1のポリウレタン弾性繊維が、熱処理により溶融し、第2のポリウレタン弾性繊維と非弾性繊維である綿繊維に融着し、バインダーとしての機能を果している。このバインダー機能により、複合弾性糸におけるスリップインを防止することができる。
また、第1のポリウレタン弾性繊維は、融着後は弾性繊維としてのストレッチ性の機能も有している。更に、第2のポリウレタン弾性繊維の伸縮と同時に伸縮するために剥がれるなどの心配がない。
また、本発明のカバリングタイプとコアスパンヤーンタイプの複合弾性糸は、第1および第2の弾性繊維のいずれもが直接人肌に触れないため、風合いが良い織編物となる。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
第1の弾性繊維として、溶融紡糸したポリウレタン弾性繊維(78dtex、融点163℃)、第2の弾性繊維として乾式紡糸したポリウレタン弾性繊維(78dtex、融点218℃、モビロンPタイプ糸、日清紡績(株)製)を使用した。
試験方法
スリップインを確認するために、前記第1の弾性繊維及び第2の弾性繊維を用いて、下記のように複合弾性糸及びその複合弾性糸を用いて織物を作成、熱処理、染色を施し、目視でスリップインの有無を確認した。
複合弾性糸
第1のポリウレタン弾性繊維78dtex、第2のポリウレタン弾性繊維78dtexを芯糸とし、第1のポリウレタン弾性繊維を1.1倍に伸長し、第2のポリウレタン弾性繊維を3.3倍に伸長して引き揃え、その周囲に非弾性繊維としてナイロン78dtexのフィラメント糸を巻きつけて、カバリングヤーンを製作した。
織物の製作
片側レピア織機(津田駒工業(株)製ER織機)にて、
経糸 綿100%、30番手、筬密度 94本/吋
緯糸 上記複合弾性糸、打込本数 62本/吋
組織 3/1左綾織
サンプル作成
上記製織反物を片側の耳付近を経方向にカットし、カット端をオーバーロックミシンで端縫いし、サンプルを作成する。
熱処理
上記サンプルを、ピンテンターにて出入り口幅同一で、170℃×2分間のプレセットを行う。
染色及びリラックス
プレセット後、サンプルを小型液流染色機で分散染料による染色(130℃×5分間)後、90℃で30分間リラックスさせて、十分収縮させる。
乾燥
リラックスさせたサンプルを、タンブル乾燥機にて乾燥させる。
目視確認
上記サンプルを目視で、スリップインの有無を確認する。染色されたポリウレタン弾性繊維が、オーバーロックミシンで端縫いした側から反対側にスリップインしていれば、サンプルに色の変わり目が発生する。この色の変わり目の有無によりスリップインの有無を確認する。
ストレッチ性能の測定
テンシロン(オリエンテック製 RTC−1210A)にて、S−Sカーブを測定し、ストレッチ性能を測定する。
伸度の測定
試料:幅3cm(経糸長さ方向)、長さ30cm(緯糸長さ方向)にカットし、耳部の織を両側それぞれ0.5cmほぐし、織物の幅を2cmにする。
伸度:前記試料の長さ方向の両側5cmを、チャックで把持し、試料の長さを20cmにする。次に、チャックの間隔を18cmにして、試料に対する緊張(負荷)を0状態にする。伸びスピード及びチャートスピードを20cm/minで行い、負荷が2.5Kgfになるまで行う。また、伸び長さとは、20cmのチャック間の長さを基準として、チャックが開いた長さをいう。
伸率(%)=[2.5Kgf負荷時伸び長さ−2]/試料長さ(20cm)×100
回復率の測定
前記伸び試験で2.5Kgfまで伸びた後、負荷を除いた後の試料の伸び長さから、下記式で回復率を計算した。
回復率(%)=[(2.5Kgf負荷時伸び長さ−2)−除加重時の長さ]/(2.5Kgf加重時長さ−2)×100
[比較例1]
比較例1は、芯糸を第2のポリウレタン弾性繊維78dtexのみとし、ナイロンでカバリングしたカバリングヤーンとした。その他は実施例1と同様に織物の製織やサンプルの作成を行った。その結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例2の複合弾性糸は、第1のポリウレタン弾性繊維78dtex、第2のポリウレタン弾性繊維78dtexを芯糸とし、ドラフト率3.8、撚係数=4.0で、鞘糸として綿繊維を用いた綿番手40のコアスパンヤーンとした。その他は実施例1と同様に織物の製織やサンプルの作成を行った。その結果を表1に示す。
[比較例2]
比較例2は、芯糸を第2のポリウレタン弾性繊維78dtexのみとし、ドラフト率3.8、撚係数=4.0で、鞘糸として綿繊維を用いた綿番手40のコアスパンヤーンとした。その他は実施例1と同様に織物の製織やサンプルの作成を行った。その結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例3の複合弾性糸は、第1のポリウレタン弾性繊維78dtex、第2のポリウレタン弾性繊維78dtexを芯糸とし、ドラフト率3.8、撚係数=4.0で、鞘糸として綿繊維を用いた綿番手30のコアスパンヤーンとした。その他は実施例1と同様に織物の製織やサンプルの作成を行った。その結果を表1に示す。
[比較例3]
比較例3は、芯糸を第2のポリウレタン弾性繊維156dtex(融点210℃)のみとし、ドラフト率3.8、撚係数=4.0で、鞘糸として綿繊維を用いた綿番手30のコアスパンヤーンとした。その他は実施例1と同様に織物の製織やサンプルの作成を行った。その結果を表1に示す。
[実施例4]
実施例4の複合弾性糸は、繊度を78dtexから70dtexに変更した以外は実施例1と同様にして得た融点が166℃の第1のポリウレタン弾性繊維と、第2のポリウレタン弾性繊維(110dtex、融点215℃)を芯糸とし、ドラフト率3.8、撚係数=4.0で、鞘糸として綿繊維を用いた綿番手10のコアスパンヤーンとした。
織物の製作
片側レピア織機(津田駒工業(株)製ER織機)にて、
経糸 綿100%、7番手、筬密度 56本/吋
緯糸 上記複合弾性糸、打込本数39/吋
組織 3/1右綾織
サンプル作成
上記製織反物を片側の耳付近を経方向にカットし、カット端をオーバーロックミシンで端縫いし、サンプルを作成する。
熱処理
上記サンプルを、ピンテンターにて出入り口幅同一で、170℃×2分間のプレセットを行う。
染色及びリラックス
プレセット後、サンプルを小型液流染色機で分散染料による染色(130℃×5分間)後、90℃で15分間、過酸化水素漂白しながらリラックスさせて、十分収縮させる。
乾燥
リラックスさせたサンプルを、自然乾燥させる。
目視確認
上記サンプルを目視で、スリップインの有無を確認する。染色されたポリウレタン弾性繊維が、オーバーロックミシンで端縫いした側から反対側にスリップインしていれば、サンプルに色の変わり目が発生する。この色の変わり目の有無によりスリップインの有無を確認する。
その結果を表2に示す。
[実施例5]
実施例5の複合弾性糸の第2のポリウレタン弾性繊維を、耐塩素性ロイカ122dtex(ロイカSP、ロイカスイムプロ、旭化成せんい(株)製、融点192℃)とした以外は、実施例4と同様にした。その結果を表2に示す。
[比較例4]
比較例4は、芯糸を第2のポリウレタン弾性繊維156dtex(融点210℃)とした以外は、実施例4と同様にした。その結果を表2に示す。
前記表1及び2を参照して説明する。
実施例1〜3に対して比較例1〜3、また、実施例4,5に対して比較例4では、収縮率や伸度等の数値としては大きな開きがなく、伸縮性(ストレッチ性)においてはほぼ同等の性能を有している。しかしながら、実施例では、スリップインの発生がないのに対して、比較例では全てスリップインが発生した。
本発明の複合弾性糸の拡大断面写真。
符号の説明
1 第1のポリウレタン弾性繊維
2 第2のポリウレタン弾性繊維
3 鞘糸(綿繊維)

Claims (9)

  1. 融点の異なる第1の弾性繊維と第2の弾性繊維とを引き揃えて芯糸とし、前記芯糸の周囲に非弾性糸または非弾性繊維を被覆したことを特徴とする複合弾性糸。
  2. 請求項1記載の複合弾性糸は、前記芯糸の周囲に非弾性糸を巻きつける又は前記芯糸の周囲に非弾性繊維の短繊維を鞘糸として紡績したことを特徴とする複合弾性糸。
  3. 請求項1乃至2記載の第2の弾性繊維の融点は、第1の弾性繊維の融点よりも10℃以上高いことを特徴とする複合弾性糸。
  4. 請求項1乃至3記載の第1の弾性繊維は、熱融着性ポリウレタン弾性繊維であることを特徴とする複合弾性糸。
  5. 請求項1乃至4記載の複合弾性糸を、第1の弾性繊維は溶融し、第2の弾性繊維は溶融しない温度で熱処理したことを特徴とする複合弾性糸。
  6. 請求項5において、温度140〜200℃で熱処理したことを特徴とする複合弾性糸。
  7. 請求項1乃至4記載の複合弾性糸を用いた織編物を、第1の弾性繊維は溶融し、第2の弾性繊維は溶融しない温度で熱処理したことを特徴とする織編物。
  8. 請求項7において、温度140〜200℃で熱処理したことを特徴とする織編物。
  9. 請求項5記載の複合弾性糸を用いたことを特徴とする織編物。
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