JP2007106169A - 路面状態推定装置および方法、ならびに路面状態推定のためのプログラム - Google Patents

路面状態推定装置および方法、ならびに路面状態推定のためのプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2007106169A
JP2007106169A JP2005296705A JP2005296705A JP2007106169A JP 2007106169 A JP2007106169 A JP 2007106169A JP 2005296705 A JP2005296705 A JP 2005296705A JP 2005296705 A JP2005296705 A JP 2005296705A JP 2007106169 A JP2007106169 A JP 2007106169A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
road surface
vehicle
braking
speed information
slip ratio
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005296705A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroaki Kawasaki
裕章 川崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP2005296705A priority Critical patent/JP2007106169A/ja
Publication of JP2007106169A publication Critical patent/JP2007106169A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)

Abstract

【課題】駆動時および制動時のいずれの場合においても、精度良く走行中の路面の状態を推定することができる路面状態推定装置および方法、ならびに路面状態推定のためのプログラムを提供する。
【解決手段】所定時間毎に、GPSに利用される衛星電波の情報に基づき車両速度情報を検出する手段、該車両速度情報から車両加速度を演算する手段、車両のタイヤ回転速度情報を定期的に検出する手段、該車両速度情報と該タイヤ回転速度情報からタイヤのスリップ率を演算する手段、車両加速度とスリップ率の関係を、摩擦係数の高い路面を走行したときの車両加速度とスリップ率から算出し保持された基準値と比較することで路面状態を推定する手段を含み、前記路面状態推定手段において、制動時には、制動時の車両加速度とスリップ率から算出し保持された制動基準値と比較し、非制動時には、非制動時の車両加速度とスリップ率から算出し保持された非制動基準値と比較することで路面状態を推定することを特徴とする路面状態推定装置である。
【選択図】なし

Description

本発明は路面状態推定装置および方法、ならびに路面状態推定のためのプログラムに関する。さらに詳しくは、とくに制動時においても、精度良く走行中の路面の状態を推定することができる路面状態推定装置および方法、ならびに路面状態推定のためのプログラムに関する。
従来、四輪タイヤの回転速度情報から、車両加速度とスリップ率を算出し、車両加速度とスリップ率の関係から路面状態を推定する方法がある(特許文献1)。また、車両加速度とスリップ率を所定距離分蓄積し、その関係から高μ路面を検出して路面状態を推定するための基準値およびしきい値を設定する方法がある(特許文献2)。しかしながら、これらの方法では、基本的に従動輪速度を車体速度として車両加速度やスリップ率を算出しているため、従動輪の存在しない四輪駆動車では適用するのが困難である。また、加速度センサなどを利用する方法も考えられるが、路面勾配の影響などを受けて精度よく車体加速度を推定するのは難しい。そこで、車載したGPS受信機が受信した衛星電波の情報を利用して車体速度を推定し、その車体速度から車両加速度とスリップ率を算出し、路面状態を推定する方法がある(特許文献3)。
ところで、特許文献1および2の方法では、車両速度として従動輪速度を利用しているため、制動時にはタイヤの回転に外的要因(フットブレーキによる制動力)が働き、正確に車体速度を求めることができない。したがって、制動中は路面状態を正確に推定することができないという問題点がある。一方、特許文献3に示すように、GPS情報をもとに車両速度を算出する場合、制動時にも精度よく車両速度を推定することができるため、理論的には制動中も路面状態を推定することが可能である。
しかしながら、たとえば二輪駆動車の場合、駆動時には前輪または後輪にしか作用しない駆動力で車体が加速しているのに対し、制動時には四輪に作用する制動力で車体が減速する。したがって駆動時と制動時では、車体加減速度に対するスリップ率の関係が異なる場合がある。よって、特許文献3に記載されているように、1つのしきい値で路面状態を推定した場合、推定精度が悪くなってしまう場合がある。また四輪駆動車においても、駆動時の駆動力配分と制動時の制動力配分が同じであるとは限らないため、二輪駆動車の場合と同様、制動時と駆動時では、車体加速度とスリップ率の関係が異なる場合がある。
特開2001−253334号公報 特開2002−274357号公報 特開2004−175349号公報
本発明は、駆動時および制動時のいずれの場合においても、精度良く走行中の路面の状態を推定することができる路面状態推定装置および方法、ならびに路面状態推定のためのプログラムを提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、GPSに利用される衛星電波を受信し、当該衛星電波の情報に基づき算出される車両速度情報と、駆動輪タイヤの回転速度情報とに基づいて路面状態を推定する路面状態推定装置であって、所定時間毎に、GPSに利用される衛星電波の情報に基づき車両速度情報を検出する手段、該車両速度情報から車両加速度を演算する手段、車両のタイヤ回転速度情報を定期的に検出する手段、該車両速度情報と該タイヤ回転速度情報からタイヤのスリップ率を演算する手段、車両加速度とスリップ率の関係を、摩擦係数の高い路面を走行したときの車両加速度とスリップ率から算出し保持された基準値と比較することで路面状態を推定する手段を含み、前記路面状態推定手段において、制動時には、制動時の車両加速度とスリップ率から算出し保持された制動基準値と比較し、非制動時には、非制動時の車両加速度とスリップ率から算出し保持された非制動基準値と比較することで路面状態を推定することを特徴とする路面状態推定装置に関する。
前記基準値が、車両加速度とスリップ率の互いの1次回帰係数をもとに算出されることが好ましい。
前記基準値を、新しく算出された基準値で更新する手段を含むことが好ましい。
また、本発明は、GPSに利用される衛星電波を受信し、当該衛星電波の情報に基づき算出される車両速度情報と、駆動輪タイヤの回転速度情報とに基づいて路面状態を推定する路面状態推定方法であって、所定時間毎に、GPSに利用される衛星電波の情報に基づき車両速度情報を検出する工程、該車両速度情報から車両加速度を演算する工程、車両のタイヤ回転速度情報を定期的に検出する工程、該車両速度情報と該タイヤ回転速度情報からタイヤのスリップ率を演算する工程、車両加速度とスリップ率の関係を、摩擦係数の高い路面を走行したときの車両加速度とスリップ率から算出し保持された基準値と比較することで路面状態を推定する工程を含み、前記路面状態推定工程において、制動時には、制動時の車両加速度とスリップ率から算出し保持された制動基準値と比較し、非制動時には、非制動時の車両加速度とスリップ率から算出し保持された非制動基準値と比較することで路面状態を推定することを特徴とする路面状態推定方法に関する。
さらに、本発明は、コンピュータに、所定時間毎に、GPSに利用される衛星電波の情報に基づき車両速度情報を検出する手順、該車両速度情報から車両加速度を演算する手順、車両のタイヤ回転速度情報を定期的に検出する手順、該車両速度情報と該タイヤ回転速度情報からタイヤのスリップ率を演算する手順、車両加速度とスリップ率の関係を、摩擦係数の高い路面を走行したときの車両加速度とスリップ率から算出し保持された基準値と比較することで路面状態を推定する手順を実行させ、路面状態を推定するためのプログラムであって、制動時には、制動時の車両加速度とスリップ率から算出し保持している制動基準値と比較し、非制動時には、非制動時の車両加速度とスリップ率から算出し保持している非制動基準値と比較することで路面状態を推定することを特徴とするプログラムに関する。
本発明によると、車両の制動時と非制動時で比較する基準値を変えているので、車両の制動時であっても非制動時であっても精度よく路面状態を推定することが可能となる。
以下、添付図面に基づいて、本発明の路面状態推定装置および方法、ならびに路面状態推定のためのプログラムについて説明する。
図1および2に示されるように、本発明の一実施の形態にかかわる路面状態推定装置において、4輪車両に備えられた4つのタイヤFL、FR、RLおよびRRの車輪速回転情報を検出するため、各タイヤにそれぞれ関連して設けられた通常の車輪速検出手段1を備えられている。前記車輪速検出手段1としては、電磁ピックアップなどを用いて回転パルスを発生させてパルスの数から車輪速回転情報を測定する車輪速センサまたはダイナモのように回転を利用して発電を行ない、この電圧からタイヤ速回転情報を測定するものを含む角速度センサなどを用いることができる。
前記車輪速検出手段1では、タイヤの回転数に対応したパルス信号(以下、車輪速パルスという)が出力される。またCPU2bでは、車輪速検出手段1から出力された車輪速パルスに基づき、所定のサンプリング周期ΔT(sec)、たとえばΔT=0.05秒ごとに各タイヤの回転角速度Fiが算出される。
ここで、タイヤは、規格内でのばらつき(初期差異)が含まれて製造されるため、各タイヤの有効転がり半径(一回転により進んだ距離を2πで割った値)は、すべてのタイヤがたとえ正常空気圧であっても、同一とは限らない。そのため、各タイヤの回転角速度Fiはばらつくことになる。そこで、初期差異によるばらつきを打ち消すために補正した回転角速度F1iを算出する。具体的には、
F11=F1
F12=mF2
F13=F3
F14=nF4
と補正される。前記補正係数m、nは、たとえば車両が直線走行していることを条件として回転角速度Fiを算出し、この算出された回転角速度Fiに基づいて、m=F1/F2、n=F3/F4として得られる。そして、前記車輪速回転情報は、車輪速検出手段1の車輪速パルスの周期とパルス数を所定の時間間隔ごとに読み込み、算出される回転速度であり、前記F1iに基づき、各車輪のタイヤの回転速度Viを算出する。
前記車輪速検出手段1の出力はABSなどのコンピュータである制御ユニット2に与えられる。この制御ユニット2には、GPSアンテナ3aからGPS電波を受信し、走行中の車両の位置と速度の情報を算出するGPS装置3が接続されている。また、路面の状態をドライバーに知らせる路面状態表示器4、たとえば液晶表示素子、プラズマ表示素子またはCRTなどから構成された表示手段が接続されている。
制御ユニット2は、図2に示されるように、外部装置との信号の受け渡しに必要なI/Oインターフェイス2aと、演算処理の中枢として機能するCPU2bと、該CPU2bの制御動作プログラムが格納されたROM2cと、前記CPU2bが制御動作を行なう際にデータなどが一時的に書き込まれたり、その書き込まれたデータなどが読み出されるRAM2dとから構成されている。
従来より、カーナビゲーションに代表されるように、車両の位置測定については全地球測位システム(GPS)を利用した側位が一般的に知られている。民間利用が許されている周波数帯における位置精度の向上について、多くの研究がなされており、その中で、各衛星から送られてくる情報の搬送波の位相を測定することでその精度を向上させる技術が電子情報通信学会誌(Vol.82 No.12)に紹介されている。
GPS装置3としては、たとえばレースロジック(RACELOGIC)社製のVBOX(商品名)を用いることができる。このVBOXは、衛星電波の搬送波の位相差を利用して補正するKinematic GPSという位置特定方法を採用しているため、高精度に位置を特定することができる。なお、GPS装置において、搬送波のドップラー効果を用いて、高精度に車両の速度を算出することができる場合、直接該車両の速度情報から路面状態を推定することがより好ましい。
本発明においては、GPSによる車両の情報(位置情報、車速情報など)を高精度に取得し、前記タイヤ速回転情報とともに車両が走行している路面の状態を推定し、ドライバーに知らせる。
以下、本実施の形態では、速度を直接算出することができないGPS装置について、位置情報から路面状態を推定する例について説明する。
本実施の形態におけるGPS装置3は、タイヤ回転速度を算出する速度検知の時間間隔に同期して車両の位置情報を読み込み、車両速度と車両の加速度を算出する車両情報演算手段とからなる。また、本実施の形態では、前記タイヤ回転速度と車両速度からスリップ率を演算するスリップ率演算手段を備えており、路面状態推定手段により、該スリップ率とGPS装置により算出された加速度との関係を用いて、走行中の路面の状態を推定する。ここで、スリップ率と加速度との関係というのは、一般的なタイヤと路面のμ−s曲線と同じことであり、高μ路、中μ路、低μ路により勾配が変わる。
さらに一定時間間隔ごとに読み込んだタイヤ回転速度と車両の速度または加速度に、所定の個数の移動平均処理を施す移動平均処理手段を備えるのが好ましい。
本実施の形態の路面状態推定のプログラムは、制御ユニット2を、車輪速検出手段1から得られる車両のタイヤ回転速度と、GPS装置3から得られる車両の速度情報との関係から、走行中の路面の状態を推定する路面状態推定手段として機能させる。また、制御ユニット2を、回転速度を算出する速度検知の時間間隔に同期した車両速度情報から車両加速度を演算する手段、車両速度と前記タイヤ回転速度とから、スリップ率を演算するスリップ率演算手段、車両加速度とスリップ率の関係を、摩擦係数の高い路面を走行したときの車両加速度とスリップ率から算出し保持された基準値と比較することで路面状態を推定する手段として機能させる。ここで、本発明においては、制動時には、制動時の車両加速度とスリップ率から算出し保持されている制動基準値と比較し、非制動時には、非制動時の車両加速度とスリップ率から算出し保持されている非制動基準値と比較することで路面状態を推定することを特徴とする。さらに、一定時間間隔ごとに読み込んだタイヤ回転速度と車両の速度または加速度に、所定の個数の移動平均処理を施す移動平均処理手段として機能させることが好ましい。
以下、本実施の形態の路面状態推定装置の動作の一例を手順(1)〜(6)に沿って説明する。
(1) 車両の駆動輪タイヤのそれぞれの回転速度(V1n、V2n、V3n、V4n)を算出する。たとえば、ABSセンサなどのセンサから得られた車両の各車輪タイヤのある時点の車輪速データをタイヤ回転速度V1n、V2n、V3n、V4nとする。
(2) ついで車両の駆動輪の回転速度Tを演算する。たとえば2輪駆動車の場合、駆動輪の平均回転速度とし、4輪駆動車の場合、4輪の平均回転速度とすることができる。また、2または4駆動輪のうちの1輪の回転速度とすることもできる。
(3) GPS装置を利用して算出された車両速度をVfn、Vfnより1つ前の車両速度データを車両速度Vfn-1とすると、車両の加速度Vafnはつぎの式(1)で求められる。
Vafn=(Vfn−Vfn-1)/Δt/G ・・・(1)
ここで、Δtは前記回転速度のサンプリングと同期する、車両速度データから算出される平均車両速度VfnとVfn-1の時間間隔(サンプリング時間)であり、Gは重力加速度である。前記サンプリング時間としては、データのばらつきを小さくし、かつ短時間で判別するためには、0.1秒以下である必要がある。より好ましくは、0.05秒以下である。
(4) 走行中の車両のスリップ率Sをつぎの式(2)で定義する。
S=(T−Vfn)/T ・・・(2)
(5) ついで車両の駆動輪のスリップ率と車両の加速度の関係を求める。すなわち、所定時間分の車両加速度とスリップ率のデータについて、線形近似により車両加速度とスリップ率の互いの1次の回帰係数を求める。このとき、制動時のみのデータおよび非制動時のみのデータでそれぞれ線形近似を行なう。なお、本発明でいう制動時とは、フットブレーキが作用している場合であり、非制動時とはそれ以外の場合のことである。よって、制動時か非制動時かは、フットブレーキが踏まれているか否かで判断する。
(6) 制動時のデータから算出された回帰係数は制動時基準値(BS)と比較し、非制動時のデータから算出された回帰係数は非制動時基準値(DS)と比較して路面状態を推定する。
制動時の制動基準値と非制動時の非制動基準値については、例えば下記の方法によりあらかじめ求めておく必要がある。この場合、所定時間(T1)の代わりに所定距離(D1)を算出し、所定距離(D1)毎に車両加速度とスリップ率の互いの1次の回帰係数を算出する。基準値の算出は、走行中絶えず実施し、新しい基準値が求まる毎に基準値を更新するのが望ましい。なぜならタイヤが経時変化するなどして、基準値が変化する場合が考えられるためである。
前述の方法にしたがってスリップ率と車両の加減速度を求め、走行距離が所定の距離ごとに移動平均して蓄積する。路面状態を推定する場合、走行中の路面状態は刻々と変化するため、短時間、たとえば数秒以下で推定する必要があるが、路面状態を推定するしきい値を設定する場合は、それほど早くなくてもよい。そこで、比較的距離の長い所定の距離分のデータを蓄積して、1次の回帰係数と相関係数を求める。
例えば、サンプリング時間ごとの車両の加速度およびスリップ率の平均値をそれぞれMAfi、MSiとすると、1次の回帰係数は次のように表される。
Figure 2007106169
また、相関係数RSは、
RS=KS1×KS2 ・・・(5)
となる。
前記手順により相関係数RSが所定の値、たとえば0.9以上の場合の1次の回帰係数KS1を基準値とする。この相関係数RSが0.9以上のときというのは、摩擦係数が高い路面であることを意味している。なぜなら、アスファルトのような高μ路は、路面状態が安定しているために、比較的長い距離のデータを蓄積してもデータがばらつかず相関係数が高い。しかし、圧雪路やアイスバーン路などの低μ路は、路面状態が安定しておらず、比較的長い距離のデータを蓄積するとデータがばらつき相関係数が低くなるからである。このように、高μ路であると認識した場合の1次の回帰係数KS1を基準値とすることにより、現在装着されているタイヤ固有のしきい値を設定することができる。しきい値は次式(6)により算出することができる。
L=6KS12+0.4KS1+0.04 ・・・(6)
この式(6)は、実験により算出されたものである。式(6)により求められたしきい値Lを、今までのLで平均化して更新する。しきい値としては、たとえば基準値の値の1.1〜3.0倍に設定することが好ましい。
このように、基準値の算出は、車両加速度とスリップ率のデータを所定距離分蓄積し、その蓄積されたデータについての互いの1次の回帰係数を求めることにより決定することができる。高摩擦路面では、摩擦係数が安定しているために比較的長い距離のデータを蓄積しても車両加速度とスリップ率の1次の回帰係数の値がほぼ一定であるのに対し、低摩擦路面では、摩擦係数が安定していないために、比較的長い距離のデータから車両加速度とスリップ率の1次の回帰係数を算出すると値が一定しない。したがって、ここでいう所定距離は、約300mから2,000m程度が望ましい。所定距離の算出は、車両速度にサンプリング時間を掛けて、サンプリング時間毎の走行距離を算出し、その距離を累積することで求めることができる。もちろん高摩擦路面であっても、前記1次回帰係数の値が一定でない場合があるため、その場合はデータを削除して基準値としては利用しないこととする。
以下に本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
車両として、4輪駆動車(排気量3.0L)を用意した。タイヤのサイズは215/45 R17である。また、車両の走行条件としては、住友ゴム工業株式会社の岡山トラックコースにおいて、アスファルト路とアイスバーン路を走行した。車両に搭載したGPSセンサは、RACELOGIC社製のVBOX PROであり、GPSに基づいた車両速度およびタイヤの回転速度のサンプリング時間は50ミリ秒とした。
所定時間分の車体加速度とスリップ率のデータについて、線形近似により車体加速度とスリップ率の互いの1次の回帰係数を算出した。この場合、フットブレーキを踏んでいるときと踏んでいないときで分けてデータを蓄積し、線形近似を行なった。四輪駆動車でアスファルト路と圧雪路を走行した場合の非制動時および制動時の車体加速度とスリップ率の関係をそれぞれ図3(a)および(b)に示す。また、それぞれの路面での非制動時および制動時の車両加速度とスリップ率の互いの1次の回帰係数(K1)を表1に示す。
Figure 2007106169
非制動時、制動時とも、アスファルト路よりも圧雪路の方が大きな値となっており、路面状態の違いによる影響が表れている。しかし、非制動時の圧雪路のK1と制動時のアスファルト路のK1はほぼ同じ値となっており、1つの基準値のみでは路面状態を推定することができないことがわかる。よって、制動時と非制動時でそれぞれ基準値を設け、その基準値に対するしきい値から路面状態を推定することで、絶えず精度よく路面状態を推定することができる。
本発明の路面状態推定装置の一実施の形態を示すブロック図である。 図1の路面状態推定装置の電気的構成を示すブロック図である。 四輪駆動車でアスファルト路と圧雪路を走行した場合の非制動時における車体加速度とスリップ率の関係を示す図である。 四輪駆動車でアスファルト路と圧雪路を走行した場合の制動時における車体加速度とスリップ率の関係を示す図である。
符号の説明
1 車輪速検出手段
2 制御ユニット
3 GPS装置
3a GPSアンテナ
4 路面状態表示器

Claims (5)

  1. GPSに利用される衛星電波を受信し、当該衛星電波の情報に基づき算出される車両速度情報と、駆動輪タイヤの回転速度情報とに基づいて路面状態を推定する路面状態推定装置であって、
    所定時間毎に、GPSに利用される衛星電波の情報に基づき車両速度情報を検出する手段、該車両速度情報から車両加速度を演算する手段、車両のタイヤ回転速度情報を定期的に検出する手段、該車両速度情報と該タイヤ回転速度情報からタイヤのスリップ率を演算する手段、車両加速度とスリップ率の関係を、摩擦係数の高い路面を走行したときの車両加速度とスリップ率から算出し保持された基準値と比較することで路面状態を推定する手段を含み、
    前記路面状態推定手段において、制動時には、制動時の車両加速度とスリップ率から算出し保持された制動基準値と比較し、非制動時には、非制動時の車両加速度とスリップ率から算出し保持された非制動基準値と比較することで路面状態を推定することを特徴とする路面状態推定装置。
  2. 前記基準値が、車両加速度とスリップ率の互いの1次回帰係数をもとに算出されることを特徴とする請求項1記載の路面状態推定装置。
  3. 前記基準値を、新しく算出された基準値で更新する手段を含むことを特徴とする請求項1または2記載の路面状態推定装置。
  4. GPSに利用される衛星電波を受信し、当該衛星電波の情報に基づき算出される車両速度情報と、駆動輪タイヤの回転速度情報とに基づいて路面状態を推定する路面状態推定方法であって、
    所定時間毎に、GPSに利用される衛星電波の情報に基づき車両速度情報を検出する工程、該車両速度情報から車両加速度を演算する工程、車両のタイヤ回転速度情報を定期的に検出する工程、該車両速度情報と該タイヤ回転速度情報からタイヤのスリップ率を演算する工程、車両加速度とスリップ率の関係を、摩擦係数の高い路面を走行したときの車両加速度とスリップ率から算出し保持された基準値と比較することで路面状態を推定する工程を含み、
    前記路面状態推定工程において、制動時には、制動時の車両加速度とスリップ率から算出し保持された制動基準値と比較し、非制動時には、非制動時の車両加速度とスリップ率から算出し保持された非制動基準値と比較することで路面状態を推定することを特徴とする路面状態推定方法。
  5. コンピュータに、所定時間毎に、GPSに利用される衛星電波の情報に基づき車両速度情報を検出する手順、該車両速度情報から車両加速度を演算する手順、車両のタイヤ回転速度情報を定期的に検出する手順、該車両速度情報と該タイヤ回転速度情報からタイヤのスリップ率を演算する手順、車両加速度とスリップ率の関係を、摩擦係数の高い路面を走行したときの車両加速度とスリップ率から算出し保持された基準値と比較することで路面状態を推定する手順を実行させ、路面状態を推定するためのプログラムであって、
    制動時には、制動時の車両加速度とスリップ率から算出し保持している制動基準値と比較し、非制動時には、非制動時の車両加速度とスリップ率から算出し保持している非制動基準値と比較することで路面状態を推定することを特徴とするプログラム。
JP2005296705A 2005-10-11 2005-10-11 路面状態推定装置および方法、ならびに路面状態推定のためのプログラム Pending JP2007106169A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005296705A JP2007106169A (ja) 2005-10-11 2005-10-11 路面状態推定装置および方法、ならびに路面状態推定のためのプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005296705A JP2007106169A (ja) 2005-10-11 2005-10-11 路面状態推定装置および方法、ならびに路面状態推定のためのプログラム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007106169A true JP2007106169A (ja) 2007-04-26

Family

ID=38032389

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005296705A Pending JP2007106169A (ja) 2005-10-11 2005-10-11 路面状態推定装置および方法、ならびに路面状態推定のためのプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007106169A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20120283944A1 (en) * 2009-12-03 2012-11-08 Teconer Oy Method and system for mapping road conditions by means of terminals
JP2013037620A (ja) * 2011-08-10 2013-02-21 Fujitsu Ltd 車両に搭載される情報処理装置及び運行管理サーバ
CN108742350A (zh) * 2018-06-28 2018-11-06 芜湖泰领信息科技有限公司 清洁刷头自动更换方法及智能扫地机

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07186928A (ja) * 1993-12-24 1995-07-25 Aisin Seiki Co Ltd 車両走行路面の最大摩擦係数推定装置
JP2003118555A (ja) * 2001-10-16 2003-04-23 Sumitomo Rubber Ind Ltd 路面状態判定方法および装置、ならびに路面状態の判定のしきい値設定プログラム
JP2004175349A (ja) * 2002-11-13 2004-06-24 Sumitomo Rubber Ind Ltd 路面状態判定方法および装置、ならびに路面状態判定のプログラム

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07186928A (ja) * 1993-12-24 1995-07-25 Aisin Seiki Co Ltd 車両走行路面の最大摩擦係数推定装置
JP2003118555A (ja) * 2001-10-16 2003-04-23 Sumitomo Rubber Ind Ltd 路面状態判定方法および装置、ならびに路面状態の判定のしきい値設定プログラム
JP2004175349A (ja) * 2002-11-13 2004-06-24 Sumitomo Rubber Ind Ltd 路面状態判定方法および装置、ならびに路面状態判定のプログラム

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20120283944A1 (en) * 2009-12-03 2012-11-08 Teconer Oy Method and system for mapping road conditions by means of terminals
US8855923B2 (en) * 2009-12-03 2014-10-07 Teconer Oy Method and system for mapping road conditions by means of terminals
JP2013037620A (ja) * 2011-08-10 2013-02-21 Fujitsu Ltd 車両に搭載される情報処理装置及び運行管理サーバ
CN108742350A (zh) * 2018-06-28 2018-11-06 芜湖泰领信息科技有限公司 清洁刷头自动更换方法及智能扫地机
CN108742350B (zh) * 2018-06-28 2021-04-06 芜湖泰领信息科技有限公司 清洁刷头自动更换方法及智能扫地机

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5035418B2 (ja) 路面摩擦係数推定装置及び路面摩擦係数推定方法
US7389170B2 (en) Method and apparatus for judging road surface conditions and program for judging road surface conditions
US20120179327A1 (en) Linear and non-linear identification of the longitudinal tire-road friction coefficient
US20070061061A1 (en) Acceleration/deceleration induced real-time identification of maximum tire-road friction coefficient
JPH09249010A (ja) 初期補正係数演算装置およびこれを利用した装置
JP2014532170A (ja) 車両ホイールの転がり抵抗を推定する方法
US7676345B2 (en) Method and system of determining the absolute velocity of a vehicle
US20220203783A1 (en) Tire wear state estimation apparatus
JP2007106169A (ja) 路面状態推定装置および方法、ならびに路面状態推定のためのプログラム
JP5183275B2 (ja) 路面状態判定装置及び方法、並びに路面状態の判定プログラム
US6618661B2 (en) Road friction coefficients estimating apparatus for vehicle
JP4636991B2 (ja) 路面状態推定装置および方法、ならびに路面状態推定のためのプログラム
JP3535076B2 (ja) 路面摩擦係数判定装置および方法
JP4138283B2 (ja) 路面状態判別装置および方法、ならびに路面状態の判別プログラム
JP2004175349A (ja) 路面状態判定方法および装置、ならびに路面状態判定のプログラム
EP1361081A2 (en) Method and apparatus for detecting decrease in tire air-pressure, and program for judging decompression of tire
JP2016217065A (ja) 路面粗さの計測装置
JP2006103495A (ja) アンチロックブレーキ制御装置
JP4672333B2 (ja) タイヤ識別装置および方法
JP2002221527A (ja) タイヤの摩耗状態検知装置および方法、ならびにタイヤの摩耗判断プログラム
JP4171174B2 (ja) タイヤ識別装置および方法
JP2005313863A (ja) 路面状態判定方法および装置ならびに路面状態判定プログラム
JP2005186739A (ja) タイヤ空気圧低下検出方法および装置、ならびにタイヤ減圧判定のプログラム
JP4425478B2 (ja) 路面状態推定方法および装置
JP5686363B2 (ja) 路面摩擦係数推定装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080805

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100413

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100415

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20100513

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100525

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101116

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110426