JP2007101881A - ホログラム記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

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浩隆 松本
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【課題】ホログラム記録媒体用組成物の体積収縮を考慮したホログラム記録層の形成が可能で、かつ、ホログラム画像の記録及び再生に支障がなく、高密度画像記録及びその正確な再生が可能なホログラム記録媒体の提供。
【解決手段】第2基板上のホログラム記録層形成領域に、ホログラム記録媒体用組成物溶液を加圧し補充しながら硬化させることにより、ホログラム記録層を形成するホログラム記録層形成工程を少なくとも含むことを特徴とするホログラム記録媒体の製造方法。ホログラム記録媒体用組成物の充填量が、下記式1を満たす態様が好ましい。<式1> 95V/(100−x)≦V≦110V/(100−x) ただし、前記式中、Vはホログラム記録層の体積(cm)を表し、Vはホログラム記録媒体用組成物の充填量(cm)を表し、xはホログラム記録層形成後のホログラム記録媒体用組成物の体積収縮率(%)を表す。
【選択図】図1

Description

本発明は、ホログラム記録媒体用組成物の体積収縮を考慮して、平坦性に優れたホログラム記録層の形成が可能で、かつ、ホログラム画像の記録及び再生に支障がなく、高密度画像記録及びその正確な再生が可能なホログラム記録媒体及びその製造方法に関する。
二枚の基板の間にホログラム記録層を有する体積型のホログラム記録媒体を製造するための感光性組成物としては、ラジカル重合モノマーとバインダーポリマー、光ラジカル重合開始剤、増感色素を主成分とし、ラジカル重合モノマーとバインダーポリマーの屈折率差を利用したものが知られている(特許文献1参照)。この材料においては、フィルム状に形成された該感光性組成物を干渉露光すると、光が強い部分においてラジカル重合が開始され、それに伴いラジカル重合モノマーの濃度勾配ができ、光が弱い部分から強い部分にラジカル重合モノマーの拡散移動が起こる。結果として干渉光の強弱に応じて、ラジカル重合モノマーの疎密ができ、これが屈折率の差として現れるものである。しかしながら、この材料系は溶剤塗布で作製されているため、ホログラム記録層の膜厚を上げることができず、ホログラム記録の多重性に課題を有している。
前記体積型ホログラム記録媒体用の感光性組成物の他の例として、NCO末端のプレポリマーとポリオール、又は二官能性エポキシドと四官能性メルカプタンなどのポリマーマトリックス前駆体として含むものが知られている。この場合はこれらポリマーマトリックス前駆体を二枚の基材間に所定の厚みで堆積させた後に、これら前駆体を反応させポリマーマトリックスとすることにより、前記溶剤塗布を用いないでホログラム記録媒体を作製することができる(特許文献2参照)。しかしながら、これらの場合プレポリマーの重合に時間がかかる、及び水分の影響を受けるという問題を有していた。更には、これらプレポリマーの重合時に体積収縮が生じるため、ホログラム記録媒体作製時に、図3に示すように第1基板1、第2基板5が変形してホログラム記録層4の肉厚が不均一となり、更には亀裂が入ることがあり、製品の品質が低下するという問題をも有していた。特に、第2基板5側が変形すると、サーボがかからなくなり、記録ができなくなる問題があった。
特開平6−43634号公報 米国特許第6,482,551号明細書
本発明は、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、ホログラム記録媒体用組成物の体積収縮を考慮して、平坦性に優れたホログラム記録層の形成が可能で、かつ、ホログラム画像の記録及び再生に支障がなく、高密度画像記録及びその正確な再生が可能なホログラム記録媒体及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 第1基板と、第2基板と、該第2基板上に、ホログラム記録媒体用組成物からなりホログラフィを利用して情報を記録するホログラム記録層と、を少なくとも有するホログラム記録媒体の製造方法であって、
前記第2基板上のホログラム記録層形成領域に、ホログラム記録媒体用組成物溶液を充填し、該ホログラム記録媒体用組成物溶液を加圧し補充しながら硬化させることにより、ホログラム記録層を形成するホログラム記録層形成工程を少なくとも含むことを特徴とするホログラム記録媒体の製造方法。
である。
該<1>に記載のホログラム記録媒体の製造方法においては、体積収縮を考慮して、ホログラム記録媒体用組成物溶液を加圧し補充しながらホログラム記録層形成領域のホログラム記録媒体用組成物を硬化させるので、ホログラム記録層形成後は、平坦性に優れたホログラム記録層が得られ、かつ、ホログラム画像の記録及び再生に支障がなく、高密度画像記録及びその正確な再生が可能なホログラム記録媒体が得られる。
<2> ホログラム記録層形成工程が、第2基板上のホログラム記録層形成領域に、下記式1を満たす充填量のホログラム記録媒体用組成物を充填し、ホログラム記録層を形成する工程を少なくとも含む前記<1>に記載のホログラム記録媒体の製造方法である。
<式1>
95V/(100−x)≦V≦110V/(100−x)
ただし、前記式中、Vはホログラム記録層の体積(cm)を表し、Vはホログラム記録媒体用組成物の充填量(cm)を表し、xはホログラム記録層形成後のホログラム記録媒体用組成物の体積収縮率(%)を表す。
該<1>に記載のホログラム記録媒体の製造方法においては、体積収縮を考慮して、ホログラム記録媒体用組成物の充填量Vを、95V/(100−x)≦V≦110V/(100−x)の範囲で充填しているので、ホログラム記録層形成後は、平坦性に優れたホログラム記録層が得られ、かつ、ホログラム画像の記録及び再生に支障がなく、高密度画像記録及びその正確な再生が可能なホログラム記録媒体が得られる。
<3> ホログラム記録媒体用組成物の体積収縮率が、8%以下である前記<2>に記載のホログラム記録媒体の製造方法である。
<4> ホログラム記録層の厚みが、1〜1,000μmである前記<1>から<3>のいずれかに記載のホログラム記録媒体である。
<5> ホログラム記録層形成工程が、弾性変形可能な第1基板と第2基板との間に、Vcmのホログラム記録媒体用組成物を充填する工程を、少なくとも含む前記<2>から<4>のいずれかに記載のホログラム記録媒体の製造方法である。
<6> ホログラム記録層形成工程が、弾性変形可能な第1基板と、剛直性を有するか又は弾性変形不能に固定した第2基板との間に、Vcmのホログラム記録媒体用組成物を充填する工程を、少なくとも含む前記<2>から<4>のいずれかに記載のホログラム記録媒体の製造方法である。
<7> ホログラム記録層形成工程が、第1基板と第2基板のいずれか一方の基板上に、Vcmのホログラム記録媒体用組成物を堆積させ、ホログラム記録層を形成した後に、該ホログラム記録層上に他方の基板を積層する工程を、少なくとも含む前記<2>から<4>のいずれかに記載のホログラム記録媒体の製造方法である。
<8> ホログラム記録媒体用組成物が、(A)反応性基を有するバインダー、(B)前記反応性基を有するバインダーの反応基と反応しうる官能基を有する架橋剤、(C)分子内にエチレン性二重結合を有する重合性化合物、(D)光重合開始剤、を少なくとも含む前記<1>から<7>のいずれかに記載のホログラム記録媒体の製造方法である。
<9> (A)反応性基を有するバインダーの反応基が、ヒドロキシル基、メルカプト基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、オキセタン基、イソシアネート基、カルボジイミド基、オキサジン基、及び金属アルコキサイドから選択される少なくとも1種の反応基である前記<8>に記載のホログラム記録媒体の製造方法である。
<10> ホログラム記録媒体用組成物に対して、加熱によりプレキュア処理を行う前記<1>から<9>のいずれかに記載のホログラム記録媒体の製造方法である。
<11> ホログラム記録媒体用組成物に対して、光照射によりプレキュア処理を行う前記<1>から<9>のいずれかに記載のホログラム記録媒体の製造方法である。
<12> 第2基板とホログラム記録層との間に、波長選択反射層を少なくとも有する前記<1>から<11>のいずれかに記載のホログラム記録媒体の製造方法である。
<13> 第2基板が、サーボピットパターンを有する前記<1>から<12>のいずれかに記載のホログラム記録媒体の製造方法である。
<14> 第2基板が、サーボピットパターン上に反射面を形成されてなる前記<13>に記載のホログラム記録媒体の製造方法である。
<15> 波長選択反射層が、ダイクロイックミラーからなる層である前記<12>から<14>のいずれかに記載のホログラム記録媒体の製造方法である。
<16> 波長選択反射層が、コレステリック液晶からなる層である前記<12>から<14>のいずれかに記載のホログラム記録媒体の製造方法である。
<17> 波長選択反射層と反射面との間に、第2基板表面を平滑化するためのギャップ層を設けてなる前記<14>から<16>のいずれかに記載のホログラム記録媒体の製造方法である。
<18> コレステリック液晶からなる層が単層であり、該コレステリック液晶層が、少なくともネマチック液晶化合物、及び光反応型カイラル化合物を含有する前記<16>から<17>のいずれかに記載のホログラム記録媒体の製造方法である。
<19> 光反応型カイラル化合物が、キラル部位と、光反応性基とを有し、該キラル部位がイソソルビド化合物、イソマンニド化合物及びビナフトール化合物から選択される少なくとも1種である前記<18>に記載のホログラム記録媒体の製造方法である。
<20> 光反応性基が、光照射により炭素−炭素二重結合のトランスからシスへの異性化を生じる基である前記<19>に記載のホログラム記録媒体の製造方法である。
<21> コレステリック液晶層における選択反射波長帯域が連続的である前記<16>から<20>のいずれかに記載のホログラム記録媒体の製造方法である。
<22> コレステリック液晶層における選択反射波長帯域幅が100nm以上である前記<16>から<21>のいずれかに記載のホログラム記録媒体の製造方法である。
<23> 波長選択反射層が、第一の波長の光を透過し、該第一の波長の光と異なる第二の波長の光を反射する前記<12>から<22>のいずれかに記載のホログラム記録媒体の製造方法である。
<24> 第一の波長の光が350〜600nmであり、かつ第二の波長の光が600〜900nmである前記<23>に記載のホログラム記録媒体の製造方法である。
<25> λ〜λ/cos20°(ただし、λは照射光波長を表す)における光反射率が40%以上である前記<12>から<24>のいずれかに記載のホログラム記録媒体の製造方法である。
<26> λ〜λ/cos40°(ただし、λは照射光波長を表す)における光反射率が40%以上である前記<12>から<25>のいずれかに記載のホログラム記録媒体の製造方法である。
<27> 反射面が、金属反射膜である前記<14>から<26>のいずれかに記載のホログラム記録媒体の製造方法である。
<28> 第1基板と、第2基板と、該第2基板上に、ホログラフィを利用して情報を記録するホログラム記録層と、を少なくとも有し、前記<1>から<27>のいずれかのホログラム記録媒体の製造方法で形成したことを特徴とするホログラム記録媒体である。
<29> 前記<1>から<27>のいずれかに記載のホログラム記録媒体の製造方法により形成したホログラム記録媒体に対し、情報光及び参照光を同軸光束として照射し、該情報光と参照光との干渉による干渉パターンによって情報をホログラム記録層に記録することを特徴とするホログラム記録方法である。
該<29>に記載の本発明のホログラム記録方法においては、本発明の前記ホログラム記録媒体を用いて、情報光及び参照光を同軸光束として照射し、該情報光と参照光との干渉による干渉パターンによって情報をホログラム記録層に記録することにより、高速記録と今までにない高密度記録を実現することができる。
<30> 前記<29>に記載のホログラム記録方法によりホログラム記録層に記録された干渉パターンに参照光を照射して情報を再生することを特徴とするホログラム再生方法である。
該<30>に記載の本発明のホログラム再生方法においては、本発明の前記ホログラム記録媒体に、前記ホログラム記録方法によりホログラム記録層に記録された干渉パターンを効率よく、正確に読み取って高密度記録情報を再生することができる。
本発明によると、従来における諸問題を解決でき、ホログラム記録媒体用組成物の体積収縮を考慮して、平坦性に優れたホログラム記録層の形成が可能で、かつ、ホログラム画像の記録及び再生に支障がなく、高密度画像記録及びその正確な再生が可能なホログラム記録媒体及びその製造方法を提供することができる。
(ホログラム記録媒体及びその製造方法)
本発明のホログラム記録媒体は、本発明のホログラム記録媒体の製造方法により形成され、第1基板と、第2基板と、該第2基板上に、ホログラム記録媒体用組成物からなりホログラフィを利用して情報を記録するホログラム記録層と、を少なくとも有してなり、必要に応じて、前記基板と前記ホログラム記録層との間に、波長選択反射層を有してなり、更に、基板表面を平滑化するためのギャップ層、その他の層を有してなる。
本発明のホログラム記録媒体の製造方法は、前記第2基板上のホログラム記録層形成領域に、ホログラム記録媒体用組成物溶液を充填し、該ホログラム記録媒体用組成物溶液を加圧し補充しながら硬化させることにより、ホログラム記録層を形成するホログラム記録層形成工程を少なくとも含み、必要に応じて、更に、波長選択反射層形成工程、反射膜形成工程、更に必要に応じてその他の工程を含む。
また、前記ホログラム記録層形成工程としては、前記第2基板上のホログラム記録層形成領域に、下記式1を満たす充填量のホログラム記録媒体用組成物を充填し、ホログラム記録層を形成するホログラム記録層形成工程を少なくとも含むのが好ましい。
<式1>
95V/(100−x)≦V≦110V/(100−x)
ただし、前記式中、Vはホログラム記録層の体積(cm)を表し、Vはホログラム記録媒体用組成物の充填量(cm)を表し、xはホログラム記録層形成後のホログラム記録媒体用組成物の体積収縮率(%)を表す。
前記ホログラム記録媒体用組成物の充填量Vcmとしては、98V/(100−x)≦V≦105V/(100−x)を満たすのがより好ましく、99V/(100−x)≦V≦102V/(100−x)を満たすのが更に好ましい。
前記ホログラム記録媒体用組成物の充填量Vcmが、V(100−x)/100cm未満であると、ホログラム記録層形成後、基板のゆがみ、膜厚のムラ、亀裂などを生じることがある。前記充填量Vcmが、V(100+x)/100cm超であると、第1基板と第2基板で形成されたセルの破裂や液漏れが生じることがある。
ホログラム記録媒体用組成物を、95V/(100−x)≦V≦110V/(100−x)の範囲で充填することにより、体積収縮を生じても、ホログラム記録や再生に影響を与えることのない平坦性に優れるホログラム記録層が得られる。
[ホログラム記録層形成工程]
<第1の形態>
本発明のホログラム記録層形成工程の第1の形態は、弾性変形可能な第1基板と第2基板との間に、Vcmのホログラム記録媒体用組成物を充填する工程を、少なくとも含んでなる。その工程の一例を図1、図2を用いて説明する。弾性変形可能な基板の材料としては、後述するが、データ記録に用いる照射光を透過する透明な他の材料、例えばポリカーボネート、ポリ(メチルメタクリレート)、環状オレフィン系開環重合物等の樹脂が挙げられる。これらで形成した弾性変形可能な第1基板5と第2基板1との間に、ホログラム記録層を所望の厚みで形成するためのスペーサー9を配置し、第1基板5、第2基板1及びスペーサー9で構成される空間、即ちホログラム記録層形成領域を設ける。なお、このホログラム記録層形成領域には、図2に示すように、ホログラム記録媒体用組成物を注入するための注入路101と、この注入によりホログラム記録層形成領域から排出される空気の排出路102を設けておくのが好ましい。
次に、図2(A)、(B)に示すように、前記注入路101を介してホログラム記録層形成領域内に、ホログラム記録媒体用組成物を充填する。この充填量Vは、95V/(100−x)≦V≦110V/(100−x)であり、形成予定のホログラム記録層の体積よりも多く充填されるため、この充填が完了すると、図1(B)に示すように、弾性変形可能な第1基板5と第2基板1とが変形して外方に膨出した形状となる。
前記充填量Vは、100V/(100−x)が好ましく、均一かつ所望の膜厚で、平坦性に優れるホログラム記録層が得られるが、前記95V/(100−x)≦V≦110V/(100−x)の範囲であれば、多少多目に充填しても、ホログラム記録及び再生に支障を来たすことのない膜厚のホログラム記録層が得られる。
前記充填が完了したら、図2(C)に示すように、ホログラム記録媒体用組成物の注入路101と空気の排出路102とクリップ104などで密封し、前記ホログラム記録媒体用組成物のバインダー成分が三次元ポリマーマトリックス前駆体である場合は、加熱又は光照射を行って、プレキュアを行う。このプレキュアにより、三次元ポリマーマトリックスを形成させることができ、ホログラム記録が可能となるとともに、図1(C)に示すように、ホログラム記録媒体用組成物が体積収縮して、均一かつ所望の肉厚で、平坦性に優れたホログラム記録層4が形成される。よって、ホログラム記録層4の高密度記録と正確な再生が可能となる。
<第2の形態>
また、ホログラムの高密度記録には、サーボの厳密な的確性が要求され、そのためには、サーボピットの形成側である第2基板側が、ゆがみやへこみのない厳密な平坦性が必要であり、この第2基板側の平坦性を高めるため、下記の第2の形態のような製造方法が好適である。
前記ホログラム記録層形成工程の第2の形態としては、弾性変形可能な第1基板と、剛直性を有するか又は弾性変形不能に固定した第2基板との間に、Vcmのホログラム記録媒体用組成物を充填する工程を、少なくとも含んでなる。
前記弾性変形可能な第1基板の材料としては、前記第1の形態で挙げたような材料が好適に用いられる。
また、前記剛直性を有する第2基板の材料としては、ガラス、セラミックなどが挙げられる。また、第2基板を弾性変形可能な材料で形成し、該第2基板を弾性変形不能に固定してもよい。この固定方法としては、例えば、剛直性を有する基台上に、第2基板を載置し、スペーサーを介して適宜の治具で第2基板を基台に押圧固定してもよい。この固定により、ホログラム記録層形成領域にホログラム記録媒体用組成物を充填し、固化や硬化によりホログラム記録層が形成された場合に、第2基板側が外方に膨出することがなく、サーボピット側の変形を防止して、的確なサーボが可能となり、ホログラム記録及び再生に影響することがなく、高密度記録とその正確な再生が可能となる。
<第3の形態>
前記ホログラム記録層形成工程の第3の形態としては、第1基板と第2基板のいずれか一方の基板上に、Vcmのホログラム記録媒体用組成物を堆積させ、ホログラム記録層を形成した後に、該ホログラム記録層上に他方の基板を積層する工程を少なくとも含む。
このように、予め、いずれか一方の基板上にホログラム記録層を形成して、体積収縮させた後に、他方の基板をホログラム記録層に積層して張り付けることにより、体積収縮時に不均一な応力がかかることがなく、均一かつ所望の肉厚で、平坦性に優れるホログラム記録層を得ることができ、また、一方及び他方の基板の変形も防止することができる。よって、ホログラムの高密度記録及び正確な再生が可能となる。
[波長選択反射層形成工程]
前記波長選択反射層形成工程は、ホログラム記録媒体と同一形状に加工した波長選択反射層を前記第2基板に貼り合わせる工程であり、該波長選択反射層の形成方法については、後述する通りである。
−反射膜形成工程−
前記反射膜形成工程は、基板のサーボピットパターン表面に反射膜を形成する工程であり、反射膜の形成方法については、後述する通りである。
[ホログラム記録媒体用組成物]
前記ホログラム記録媒体用組成物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、(A)反応性基を有するバインダー、(B)前記反応性基を有するバインダーの反応基と反応しうる官能基を有する架橋剤、(C)分子内にエチレン性二重結合を有する重合性化合物、(D)光重合開始剤、を少なくとも含んでなるものが好ましく、更に必要に応じて、添加剤、その他の成分を含んでもよい。
また、前記ホログラム記録媒体用組成物の、硬化後の体積収縮率は、8%以下が好ましく、3%以下がより好ましい。前記体積収縮率が、8%超であると、充填量Vを多くする必要があり、二枚の基板内に充填できなくなり、ホログラム記録層の均一な膜厚が得られなくなることがある。もしくは、充填量が所望の体積量に足りず、体積収縮によりホログラム記録媒体にゆがみや亀裂が入り、記録できなくなることがある。
<(A)反応性基を有するバインダー>
前記バインダーは、膜強度、及びホログラム記録特性向上の効果を高める目的で使用されるものである。
前記バインダーとしては、常温で液状或いは融点が100℃の化合物、更には常温で液状か或いは融点が50℃以下の化合物が好ましい。本発明のホログラム記録媒体は、常温で液状或いは100℃以下の温度で液状の記録用組成物を二枚の基材間に所定の厚みで挟持させることにより作製されるが、前記融点を有するバインダーを使用することにより、後述の光重合開始剤が、熱により劣化するのを防止することができる点で、好ましい。
前記反応性基を有するバインダーの反応基としては、ヒドロキシル基、メルカプト基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、オキセタン基、イソシアネート基、カルボジイミド基、オキサジン基、及び金属アルコキサイドから選択される少なくとも1種の反応基であるのが好ましく、これらの中でも、メルカプト基、エポキシ基、イソシアネート基が特に好ましい。
このような反応基を有するバインダーを用いることにより、バインダーと架橋剤との架橋反応が促進され、ホログラム記録媒体形成後に、ホログラム記録媒体用組成物が媒体内での流動を防止できるとともに、ホログラム記録後の記録情報を固定化することができる。
また、ホログラム記録はモノマーの拡散重合によりホログラフィック露光部と非露光部の屈折率差を設けることから、前記バインダーと架橋剤から形成されるバインダーマトリックスと、後述する分子内にエチレン性二重結合を有する重合性モノマーとの屈折率差があるほうが好ましい。そこで、前記バインダー及びバインダーの反応基と反応しうる官能基を有する架橋剤の少なくともいずれかが、分子内にシロキサン結合及び炭素−フッ素結合のいずれかを有する化合物であるのが好ましく、低屈折率のバインダーマトリックスを形成することができ、エチレン性二重結合を有する重合性モノマーとして屈折率が1.50前後の化合物を用いる場合に、屈折率の差を大きくすることができる。
前記バインダーとしては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(メタ)アクリル酸やイタコン酸等の不飽和酸と、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、スチレン、α−メチルスチレン等との共重合体;ポリメチルメタクリレートに代表されるメタクリル酸アルキルやアクリル酸アルキルの重合体;(メタ)アクリル酸アルキルとアクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン等との共重合体;アクリロニトリルと塩化ビニルや塩化ビニリデンとの共重合体;側鎖にカルボキシル基を有するセルロース変性物;ポリエチレンオキシド;ポリビニルピロリドン;フェノール、o−、m−、p−クレゾール、及び/又はキシレノールとアルデヒド、アセトン等との縮合反応で得られるノボラック樹脂;エピクロロヒドリンとビスフェノールAとのポリエーテル;可溶性ナイロン;ポリ塩化ビニリデン;塩素化ポリオレフィン;塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合体;酢酸ビニルの重合体;アクリロニトリルとスチレンとの共重合体;アクリロニトリルとブタジエン及びスチレンとの共重合体;ポリビニルアルキルエーテル;ポリビニルアルキルケトン;ポリスチレン;ポリウレタン;ポリエチレンテレフタレートイソフタレート;アセチルセルロース;アセチルプロピオキシセルロース;アセチルブトキシセルロース;ニトロセルロース;セルロイド;ポリビニルブチラール;エポキシ樹脂;メラミン樹脂;フォルマリン樹脂、多価アルコールと多価イソシアネートからなるポリウレタン樹脂;多価アルコール、水、及び多価イソシアネートからなるポリウレタン/ウレア樹脂;有機シロキサンポリマー、などが挙げられる。なお、本明細書では、「アクリル、メタクリル」の双方或いはいずれかを指す場合、「(メタ)アクリル」と表記することがある。
前記バインダーのホログラム記録層中における含有量としては、ホログラム記録層の全固形分中、10〜98質量%が好ましく、35〜95質量%がより好ましい。前記含有量が、10質量%未満であると、記録されたホログラム像の経時劣化が著しくなることがあり、98質量%超であると、記録されたホログラム像の解析効率が低く、有効に記録できないことがある。
<(B)反応性基を有するバインダーの反応基と反応しうる官能基を有する架橋剤>
前記架橋剤としては、前記バインダーが有する反応基と反応可能なものであれば、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記バインダーがヒドロキシル基を有する場合には、イソシアネート基、カルボジイミド基或いは金属アルコキサイドなどを有する架橋剤が好適に挙げられ、前記バインダーがメルカプト基を有する場合は、イソシアネート基、カルボジイミド基或いはエポキシ基などを有する架橋剤が好適に挙げられ、前記バインダーがカルボキシル基を有する場合は、オキセタン基、カルボジイミド基、オキサジン基或いは金属アルコキサイドなどを有する架橋剤が好適に挙げられ、前記バインダーがアミノ基有する場合は、イソシアネート基、エポキシ基或いは酸無水物などを有する架橋剤が好適に挙げられ、前記バインダーがエポキシ基を有する場合には、メルカプト基、アミノ基、カルボキシル基或いはスルホン酸基などを有する架橋剤が好適に挙げられる。
また、前記バインダーがオキセタン基を有する場合には、カルボキシル基或いはスルホン酸基などを有する架橋剤が好適に挙げられ、前記バインダーがイソシアネート基を有する場合には、ヒドロキシル基、メルカプト基或いはアミノ基などを有する架橋剤が好適に挙げられ、前記バインダーがカルボジイミド基を有する場合には、ヒドロキシル基、メルカプト基、カルボキシル基或いはスルホン酸基などを有する架橋剤が好適に挙げられ、前記バインダーがオキサジン基を有する場合には、カルボキシル基或いはスルホン酸基などを有する架橋剤が好適に挙げられる。
なお、前記架橋剤としては、初めから反応性基を有するバインダーと反応することができる官能基を有していたものでもよいし、熱または光など別のエネルギーを加えることにより官能基を発現しうるプレカーサのような架橋剤であってもよい。
なお、これらは一種単独で用いてもよいし、2種以上を併用しても良い。
前記架橋剤のホログラム記録層中における含有量としては、ホログラム記録層の全固形分中、0.1〜70質量%が好ましく、0.5〜50質量%がより好ましい。前記含有量が、0.1質量%未満であると、記録されたホログラム像の経時劣化が著しくなることがあり、70質量%超であると、架橋効果の向上が図れないことがある。
<(C)分子内にエチレン性二重結合を有する重合性モノマー>
前記重合性モノマーとしては、エチレン性二重結合を有する化合物で有れば特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、ホログラム記録媒体にした際の基材との密着やバインダーとの相溶性などを考慮する場合には、分子内にアシルオキシ基或いはアシルアミド基を有する化合物が好ましく、更にラジカル重合する際の立体障害の点から(メタ)アクリロイル基を有する化合物がより好ましい。なお、本発明でいう(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基またはメタクリロイル基を表す。
前記(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、例えば、(メタ)アクリロイル基を1個有する化合物としてフェノール、ノニルフェノール及び2−エチルヘキサノールの(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、並びにこれらのアルコールのアルキレンオキシド付加物の(メタ)アクリレートや(メタ)アクリルアミド、などが挙げられる。
前記(メタ)アクリロイル基を2個有する化合物としては、ビスフェノールA、イソシアヌル酸及びフルオレンのジ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、並びにこれらのアルコールのアルキレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、エチレングリコールやプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、などが挙げられる。
前記(メタ)アクリロイル基を3個有する化合物としては、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン及びイソシアヌル酸のトリ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリルアミド、並びにこれらのアルコールのアルキレンオキシド付加物のトリ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリルアミド、などが挙げられる。
前記(メタ)アクリロイル基を4個以上有する化合物としては、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド、などが挙げられる。
また、ウレタン結合を主鎖とするウレタンアクリレート、エステル結合を主鎖とするポリエステルアクリレート、エポキシ化合物にアクリル酸を付加したエポキシ(メタ)アクリレート等の従来公知のアクリルまたはアクリルアミド系モノマー・オリゴマーなども本発明においては適時選択して用いることができる。
なお、前記複数個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物においては(メタ)アクリレート単独或いは(メタ)アクリルアミドを単独に有していてもよいし、(メタ)アクリレートと(メタ)アクリルアミドを有した化合物であってもよい。
また、前述した反応性基を有するバインダーの反応性基と反応しうる官能基を有する架橋剤から形成されるバインダーマトリックスに対して、拡散重合で得られるエチレン性二重結合を有する重合性モノマーの重合体との屈折率差をより顕著に持たせるためには、該重合性モノマーの屈折率として、前記バインダー及び/または架橋剤よりも高いものを用いるか、或いは低いものを用いるのが好ましい。特に、前記バインダー化合物及び/または架橋剤の屈折率が、1.50前後の化合物を用いる場合には、重合性モノマーとしては、1.55以上の化合物を用いるのが高屈折率の重合性モノマーの重合体が得られることから好ましい。
これら重合性モノマーは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの重合性モノマーのホログラム記録層中における含有量としては、ホログラム記録層の全固形分中、2〜80質量%が好ましく、5〜70質量%がより好ましい。前記含有量が、2質量%未満であると、十分な回析効率が得られないことがあり、80質量%超であると、ホログラム像の解像度が低下し、記録密度が向上しないことがある。
<(D)光重合開始剤>
前記光重合開始剤としては、記録光に感度を有するものであれば特に制限はなく、光照射によりラジカル重合を引き起こす材料が挙げられる。
前記光重合開始剤としては、例えば、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,1’−ビイミダゾール、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メトキシフェニルビニル)−1,3,5−トリアジン、ベンゾイン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−2−オン、ベンゾフェノン、チオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルアシルホスフィンオキシド、トリフェニルブチルボレートテトラエチルアンモニウム、ビス(η−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)〕フェニルチタニウム、特開2005−49608号公報記載の光吸収部と遊離基を発生する活性部を分子内に有する化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、照射する光の波長に合わせて増感色素(増感剤)を併用してもよい。
前記増感剤としては、例えば、メロシアニン色素、シアニン色素、スクアリウム色素、ジベンジルアセトン系色素、キサンテン系色素、トリフェニルメタン系色素、若しくは、アクリジニウム色素、又は、チオキサントン、アントラセン、フェナンスレン、ピレン、アクリジン、カルバゾール、若しくはフェノチアジンの誘導体が挙げられる。
<添加剤>
前記ホログラム記録層の貯蔵安定性を改良する目的で、添加剤として、フォトポリマーの重合禁止剤や酸化防止剤を加えてもよい。
前記重合禁止剤及び酸化防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p−ベンゾキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジターシヤリ−ブチル−p−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ターシヤリ−ブチルフェノール)、トリフェルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト,フェノチアジン、N−イソプロピル−N’フェニル−p−フェニレンジアミン、などが挙げられる。これらの添加量としては、ホログラム記録媒体用組成物に使用するモノマーの全量に対して、3質量%以内が好ましく、3質量%を越えると重合が遅くなるか、著しい場合は重合しなくなることがある。
[ホログラム記録層]
前記ホログラム記録層は、前記ホログラム記録媒体用組成物からなり、ホログラフィを利用して情報が記録され得るものである。所定の波長の電磁波を照射すると、その強度に応じて吸光係数や屈折率などの光学特性が変化することにより、情報が記録される。
前記ホログラム記録層は、前記本発明のホログラム記録媒体の製造方法におけるホログラム記録層形成工程により形成されることにより、プレポリマー重合時における体積収縮が生じても、均一かつ所望の肉厚で、平坦性に優れ、亀裂などを生じることがなく、高品質なホログラム記録層を得ることができ、高密度記録及び正確な再生が可能となる。
前記ホログラム記録層の厚みとしては、1〜1,000μmが好ましく、100〜700μmがより好ましい。前記厚みが1μm未満であると、十分な記録容量が得られないことがあり、1,000μm超であると、記録感度が著しく低下することがある。前記好ましい数値範囲であると、10〜300多重のシフト多重を行っても十分なS/N比を得ることができ、前記より好ましい数値範囲であるとそれが顕著である点で有利である。
[基板]
前記第1及び第2基板としては、その形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記形状としては、例えば、ディスク形状、カード形状などが挙げられ、ホログラム記録媒体の機械的強度を確保できる材料のものを選定する必要がある。また、記録及び再生に用いる光が基板を通して入射する場合は、用いる光の波長領域で十分に透明であることが必要である。
前記基板材料としては、通常、ガラス、セラミックス、樹脂、などが用いられるが、成形性、コストの点から、樹脂が特に好適である。
前記樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂、などが挙げられる。これらの中でも、成形性、光学特性、コストの点から、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹脂が特に好ましい。
前記基板は、適宜合成したものであってもよいし、市販品を使用してもよい。
前記材料の中で、耐湿性、寸法安定性及び低価格などの点から、ポリカーボネート、アモルファスポリオレフィンが好ましく、この中でも、ポリカーボネートが特に好ましい。
前記第2基板には、半径方向に線状に延びる複数の位置決め領域としてのアドレス−サーボエリアが所定の角度間隔で設けられ、隣り合うアドレス−サーボエリア間の扇形の区間がデータエリアになっている。アドレス−サーボエリアには、サンプルドサーボ方式によってフォーカスサーボ及びトラッキングサーボを行うための情報とアドレス情報とが、予めエンボスピット(サーボピット)等によって記録されている(プリフォーマット)。なお、フォーカスサーボは、反射膜の反射面を用いて行うことができる。トラッキングサーボを行うための情報としては、例えば、ウォブルピットを用いることができる。なお、ホログラム記録媒体がカード形状の場合には、サーボピットパターンは無くても構わない。
前記第1、第2基板の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.1〜5mmが好ましく、0.3〜2mmがより好ましい。前記基板の厚みが、0.1mm未満であると、ディスク保存時の形状の歪みを抑えられなくなることがあり、5mmを超えると、ディスク全体の重量が大きくなってドライブモーターに過剰な負荷をかけることがある。
<反射膜>
前記反射膜は、前記第2基板のサーボピットパターン表面に形成される。
前記反射膜の材料としては、記録光や参照光に対して高い反射率を有する材料を用いることが好ましい。使用する光の波長が400〜780nmである場合には、例えば、Al、Al合金、Ag、Ag合金、などを使用することが好ましい。使用する光の波長が650nm以上である場合には、Al、Al合金、Ag、Ag合金、Au、Cu合金、TiN、などを使用することが好ましい。
なお、前記反射膜として、光を反射すると共に、追記及び消去のいずれかが可能なホログラム記録媒体、例えば、DVD(ディジタル ビデオ ディスク)などを用い、ホログラムをどのエリアまで記録したかとか、いつ書き換えたかとか、どの部分にエラーが存在し交替処理をどのように行ったかなどのディレクトリ情報などをホログラムに影響を与えずに追記及び書き換えすることも可能となる。
前記反射膜の形成は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、各種気相成長法、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などが用いられる。これらの中でも、スパッタリング法が、量産性、膜質等の点で優れている。
前記反射膜の厚さは、十分な反射率を実現し得るように、50nm以上が好ましく、100nm以上がより好ましい。
[波長選択反射層]
前記波長選択反射層は、単層のコレステリック液晶層を有してなり、基材、更に必要に応じてその他の部材を有してなる。
<ダイクロイックミラー層>
前記ダイクロイックミラー層は、波長選択反射膜とするためには、複数層積層することが好ましい。前記積層数は、1〜50層が好ましく、2〜40層がより好ましく、2〜30層が特に好ましい。前記積層数が、50層を超えると、多層蒸着により生産効率性が低下し、分光透過率特性の変化が小さくなり層数を増加するだけの効果は小さくなる。
前記ダイクロイックミラー層の積層方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イオンプレーティング、イオンビーム等の真空蒸着法、スパッタリング等の物理的気相成長法(PVD法)、化学的気相成長法(CVD法)、などが挙げられる。これらの中でも、真空蒸着法、スパッタリングが好ましく、スパッタリングがより好ましい。
前記スパッタリングとしては、成膜レートの高いDCスパッタリング法が好ましい。なお、DCスパッタリング法においては、導電性が高い材料を用いることが好ましい。
また、前記スパッタリングにより多層成膜する方法としては、例えば、(1)1つのチャンバで複数のターゲットから交互又は順番に成膜する1チャンバ法、(2)複数のチャンバで連続的に成膜するマルチチャンバ法とがある。これらの中でも、生産性及び材料コンタミネーションを防ぐ観点から、マルチチャンバ法が特に好ましい。
前記ダイクロイックミラー層の厚みとしては、光学波長オーダーで、λ/16〜λ/1が好ましく、λ/8〜3λ/4がより好ましく、λ/6〜3λ/8がより好ましい。
<コレステリック液晶層>
前記コレステリック液晶層は、少なくともネマチック液晶化合物、及び光反応型カイラル化合物を含有してなり、重合性モノマー、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記波長選択反射層におけるコレステリック液晶層は、光反応型カイラル化合物を用い螺旋ピッチを液晶層の厚み方向に連続的に変化させることにより、垂直入射を0°とし±20°の範囲であるλ〜λ/cos20°(ただし、λは照射光波長を表す)における光反射率が40%以上であることが好ましく、垂直入射を0°とし±40°の範囲であるλ〜λ/cos40°(ただし、λは照射光波長を表す)における光反射率が40%以上であることが特に好ましい。
前記λ〜λ/cos20°、特にλ〜λ/cos40°(ただし、λは照射光波長を表す)の範囲における光反射率が40%以上であれば、照射光反射の角度依存性を解消でき、通常のホログラム記録媒体に用いられているレンズ光学系を採用することができる。
具体的には、前記カイラル化合物として感光性を有し、光によって液晶の螺旋ピッチを大きく変化させることができる光反応型カイラル化合物を用い、該光反応型カイラル化合物の含有量やUV照射時間を調整することにより、螺旋ピッチを液晶層の厚み方向に連続的に変化したホログラム記録媒体用波長選択反射層が得られる。この図5は正面(0°)からの垂直入射光に対する反射特性が40%以上であることを示している。これに対し、斜め方向からの入射光になると次第に短波長側にシフトしていき、液晶層内で40°傾斜した時は図6に示すような反射特性を示す。
同様に、該光反応型カイラル化合物の含有量やUV照射時間を調整することにより、螺旋ピッチを液晶層の厚み方向に連続的に変化させると、図7に示すような反射特性を有するホログラム記録媒体用波長選択反射層が得られる。この図7は正面(0°)からの垂直入射光に対する反射特性が40%以上であることを示している。これに対し、斜め方向からの入射光になると次第に短波長側にシフトしていき、液晶層内で20°傾斜した時は図8に示すような反射特性を示す。
なお、図5に示したλ〜1.3λの反射域は、λ=532nmのとき1.3λ=692nmとなり、サーボ光が655nmの場合はサーボ光を反射してしまう。ここに示すλ〜1.3λの範囲は波長選択反射層における±40°入射光への適性であるが、実際にそうした大きな斜め光まで使用する場合は、入射角±20°以内のサーボ光をマスキングして使用すれば支障なくサーボ制御できる。また、使用する波長選択反射層におけるコレステリック液晶層の螺旋ピッチを十分大きくすれば、波長選択反射層内での入射角を±20°以内で全て設計することも容易であり、その場合は図7に示すλ〜1.1λのコレステリック液晶層でよいのでサーボ光透過には全く支障がなくなる。
したがって図5〜図8の結果から、本発明のホログラム記録媒体用の波長選択反射層内においては、入射波長が0°〜20°(好ましくは0°〜40°)傾斜しても40%以上の反射率が確保できているので、信号読み取りには何ら支障のないホログラム記録媒体用の波長選択反射層を作製することができる。
前記コレステリック液晶層としては、円偏光分離機能を有するものが好ましい。前記円偏光分離機能を有するコレステリック液晶層は、液晶の螺旋の回転方向(右回り又は左回り)と円偏光方向とが一致し、波長が液晶の螺旋ピッチであるような円偏光成分の光だけを反射する選択反射特性を有する。このコレステリック液晶層の選択反射特性を利用して、一定の波長帯域の自然光から特定波長の円偏光のみを透過分離し、その残りを反射する。
したがって、前記コレステリック液晶層は、第一の波長の光を透過し、該第一の波長の光と異なる第二の波長の円偏光を反射することが好ましく、第一の波長の光が350〜600nmであり、かつ第二の波長の光が600〜900nmであることが好ましい。
前記コレステリック液晶層の選択反射波長帯域幅は、100nm以上が好ましく、150〜300nmがより好ましい。前記選択反射波長帯域幅が100nm未満であると、±20°以内の入射光に対する反射適性が不十分となることがある。
また、前記コレステリック液晶層の選択反射波長帯域は連続的であることが好ましい。ここで、前記「連続的」とは、波長λ〜λ/cos20°(好ましくはλ〜λ/cos40°)の間にギャップがなく、実質的にこの範囲の反射率が40%以上であることを意味する。
−ネマチック液晶化合物−
前記ネマチック液晶化合物は、液晶転移温度以下ではその液晶相が固定化することを特徴とし、その屈折率異方性Δnが、0.10〜0.40の液晶化合物、高分子液晶化合物、及び重合性液晶化合物の中から目的に応じて適宜選択することができる。溶融時の液晶状態にある間に、例えば、ラビング処理等の配向処理を施した配向基板を用いる等により配向させ、そのまま冷却等して固定化させることにより固相として使用することができる。
前記ネマチック液晶化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記の化合物などを挙げることができる。
Figure 2007101881
Figure 2007101881
Figure 2007101881
前記式中において、nは1〜1,000の整数を表す。なお、前記各例示化合物においては、その側鎖連結基を、以下の構造に変えたものも同様に好適なものとして挙げることができる。
Figure 2007101881
上記の各例示化合物のうち、ネマチック液晶化合物としては、十分な硬化性を確保する観点から、分子内に重合性基を有するネマチック液晶化合物が好ましく、これらの中でも、UV重合性液晶が好適である。該UV重合性液晶としては、市販品を用いることができ、例えば、BASF社製の商品名PALIOCOLOR LC242;Merck社製の商品名E7;Wacker−Chem社製の商品名LC−Sllicon−CC3767;高砂香料株式会社製の商品名L35、L42、L55、L59、L63、L79、L83、などが挙げられる。
前記ネマチック液晶化合物の含有量としては、前記コレステリック液晶層の全固形分質量に対し30〜99質量%が好ましく、50〜99質量%がより好ましい。前記含有量が30質量%未満であると、ネマチック液晶化合物の配向が不十分となることがある。
−光反応型カイラル化合物−
前記光反応型カイラル化合物とは、感光性を有し、光によって液晶の螺旋ピッチを大きく変化させることができるカイラル化合物を意味する。
前記光反応型カイラル化合物は、キラル部位と、光反応性基とを有し、該キラル部位がイソソルビド化合物、イソマンニド化合物及びビナフトール化合物から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記光反応性基としては、光照射により炭素−炭素二重結合のトランスからシスへの異性化を生じる基が好ましい。
前記イソソルビド化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開2002−80851号公報、特開2002−179681号公報、特開2002−179682号公報、特開2002−338575号公報、特開2002−338668号公報、特開2003−306490号公報、特開2003−306491号公報、特開2003−313187号公報、特開2003−313292号公報、特開2003−313189号公報、などに例示されている。
前記イソマンニド化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開2002−80478号公報、特開2003−313188号公報、などに例示されている。
前記ビナフトール化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開2002−302487号公報、特開2002−179670号公報、特開2002−179669号公報、などに例示されている。
前記光反応型カイラル剤の具体例としては、以下のものが挙げられる。
Figure 2007101881
Figure 2007101881
Figure 2007101881
前記カイラル化合物の含有量としては、前記コレステリック液晶層の全固形分質量に対し1〜30質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。前記含有量が1質量%未満であると、螺旋ピッチが長くなりすぎて、システムとして採用できる選択波長から外れることがあり、30質量%を超えると、コレステリック液晶層の配向が不十分となることがある。
−重合性モノマー−
前記コレステリック液晶層には、例えば、膜強度等の硬化の程度を向上させる目的で重合性モノマーを併用することができる。該重合性モノマーを併用すると、光照射による液晶の捻れ力を変化(パターンニング)させた後(例えば、選択反射波長の分布を形成した後)、その螺旋構造(選択反射性)を固定化し、固定化後のコレステリック液晶層の強度をより向上させることができる。ただし、前記液晶化合物が同一分子内に重合性基を有する場合には、必ずしも添加する必要はない。
前記重合性モノマーとしては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレン性不飽和結合を持つモノマー等が挙げられ、具体的には、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能モノマーが挙げられる。
前記エチレン性不飽和結合を持つモノマーの具体例としては、以下に示す化合物を挙げることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
Figure 2007101881
前記重合性モノマーの添加量としては、前記コレステリック液晶層の全固形分質量に対し0〜50質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。前記添加量が50質量%を超えると、コレステリック液晶層の配向を阻害することがある。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、光重合開始剤、増感剤、バインダー樹脂、重合禁止剤、溶媒、界面活性剤、増粘剤、色素、顔料、紫外線吸収剤、ゲル化剤、などが挙げられる。
前記光重合開始剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、p−メトキシフェニル−2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−5−トリクロロメチル1,3,4−オキサジアゾール、9−フェニルアクリジン、9,10−ジメチルベンズフェナジン、ベンゾフェノン/ミヒラーズケトン、ヘキサアリールビイミダゾール/メルカプトベンズイミダゾール、ベンジルジメチルケタール、チオキサントン/アミン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記光重合開始剤としては、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、チバスペシャルティケミカルズ社製の商品名イルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア784、イルガキュア814;BASF社製の商品名ルシリンTPO、などが挙げられる。
前記光重合開始剤の添加量としては、前記コレステリック液晶層の全固形分質量に対し0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。前記添加量が0.1質量%未満であると、光照射時の硬化効率が低いため長時間を要することがあり、20質量%を超えると、紫外線領域から可視光領域での光透過率が劣ることがある。
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール;ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン等のポリスチレン化合物;メチルセルロース、エチルセルロース、アセチルセルロース等のセルロース樹脂;側鎖にカルボキシル基を有する酸性セルロース誘導体;ポリビニルフォルマール、ポリビニルブチラール等のアセタール樹脂;メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体;アクリル酸アルキルエステルのホモポリマー又はメタアクリル酸アルキルエステルのホモポリマー;その他の水酸基を有するポリマー、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アクリル酸アルキルエステルのホモポリマー又はメタアクリル酸アルキルエステルのホモポリマーにおけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、ノルマル−プロピル基、ノルマル−ブチル基、イソ−ブチル基、ノルマル−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、などが挙げられる。
前記その他の水酸基を有するポリマーとしては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタアクリル酸のホモポリマー)アクリル酸共重合体、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/他のモノマーの多元共重合体、などが挙げられる。
前記バインダー樹脂の含有量としては、前記コレステリック液晶層の全固形質量に対し0〜80質量%が好ましく、0〜50質量%がより好ましい。前記含有量が80質量%を超えると、コレステリック液晶層の配向が不十分となることがある。
前記重合禁止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジン、ベンゾキノン、又はこれらの誘導体、などが挙げられる。
前記重合禁止剤の添加量としては、前記重合性モノマーの固形分に対し0〜10質量%が好ましく、100ppm〜1質量%がより好ましい。
前記溶媒としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、3−メトキシプロピオン酸メチルエステル、3−メトキシプロピオン酸エチルエステル、3−メトキシプロピオン酸プロピルエステル、3−エトキシプロピオン酸メチルエステル、3−エトキシプロピオン酸エチルエステル、3−エトキシプロピオン酸プロピルエステル等のアルコキシプロピオン酸エステル類;2−メトキシプロピルアセテート、2−エトキシプロピルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のアルコキシアルコールのエステル類;乳酸メチル、乳酸エチル等の乳酸エステル類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等のケトン類;γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、テトラヒドロフラン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<基材>
前記基材としては、その形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記形状としては、例えば平板状、シート状などが挙げられ、前記構造としては、単層構造であってもいし、積層構造であってもよく、前記大きさとしては、前記ホログラム記録媒体用波長選択反射層の大きさ等に応じて適宜選択することができる。
前記基材の材料としては、特に制限はなく、無機材料及び有機材料のいずれをも好適に用いることができる。
前記無機材料としては、例えば、ガラス、石英、シリコン、などが挙げられる。
前記有機材料としては、例えば、トリアセチルセルロース等のアセテート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリノルボルネン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記基材は、適宜合成したものであってもよいし、市販品を使用してもよい。
前記基材の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、10〜500μmが好ましく、50〜300μmがより好ましい。前記基材の厚みが、10μm未満であると、基板の撓みにより密着性が低下することがある。一方、500μmを超えると、情報光と参照光の焦点位置を大きくずらさなければならなくなり、光学系サイズが大きくなってしまう。
前記ホログラム記録媒体波長選択反射層の形成方法としては、例えば、前記溶媒を用いて調製したコレステリック液晶層用塗布液を前記基材上に塗布し、乾燥させて、例えば紫外線照射することにより、コレステリック液晶層を形成することができる。
最も量産適性のよい手法としては、前記基材をロール状に巻いた形で準備しておき、該基材上にコレステリック液晶層用塗布液をバーコート、ダイコート、ブレードコート、カーテンコートのような長尺連続コーターにて塗布する形式が好ましい。
前記塗布方法としては、例えば、スピンコート法、キャスト法、ロールコート法、フローコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法、などが挙げられる。
前記紫外線照射の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、照射紫外線は、160〜380nmが好ましく、250〜380nmがより好ましい。照射時間としては、例えば、0.1〜600秒が好ましく、0.3〜300秒がより好ましい。紫外線照射の条件を調整することによって前記コレステリック液晶層における螺旋ピッチを液晶層の厚み方向に沿って連続的に変化させることができる。
前記紫外線照射の条件を調整するために、前記コレステリック液晶層に紫外線吸収剤を添加することもできる。該紫外線吸収剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オキザリックアシッドアニリド系紫外線吸収剤などが好適に挙げられる。これらの紫外線吸収剤の具体例としては、特開昭47−10537号公報、同58−111942号公報、同58−212844号公報、同59−19945号公報、同59−46646号公報、同59−109055号公報、同63−53544号公報、特公昭36−10466号公報、同42−26187号公報、同48−30492号公報、同48−31255号公報、同48−41572号公報、同48−54965号公報、同50−10726号公報、米国特許第2,719,086号明細書、同第3,707,375号明細書、同第3,754,919号明細書、同第4,220,711号明細書などに記載されている。
前記コレステリック液晶層の厚みは、例えば、1〜10μmが好ましく、2〜7μmがより好ましい。前記厚みが1μm未満であると、選択反射率が十分でなくなり、10μmを超えると、液晶層の均一配向が乱れてしまうことがある。
前記コレステリック液晶層は、前記基材上にコレステリック液晶層用塗布液を塗布し、配向し、固化され、基材ごとディスク形状に加工(例えば打ち抜き加工)して、第2基板上に配置されるのが好ましい。また、ホログラム記録媒体の波長選択反射層に用いる場合には、基材を介さず直接第2基板上に設けることもできる。具体的には、(1)第2基板に直接スピンコート等の手段で塗布する方法、(2)基材上に一旦コレステリック液晶層を形成した後、第2基板上にラミネートして基材のみを剥ぎ取り、得られたコレステリック液晶層を第2基板に貼り付ける方法、などが挙げられる。
[第1ギャップ層]
前記第1ギャップ層は、必要に応じて前記波長選択反射層と前記反射膜との間に設けられ、第2基板表面を平滑化する目的で形成される。また、ホログラム記録層内に生成されるホログラムの大きさを調整するのにも有効である。即ち、前記ホログラム記録層は、記録用参照光及び情報光の干渉領域をある程度の大きさに形成する必要があるので、前記ホログラム記録層とサーボピットパターンとの間にギャップを設けることが有効となる。
前記第1ギャップ層は、例えば、サーボピットパターンの上から紫外線硬化樹脂等の材料をスピンコート等で塗布し、硬化させることにより形成することができる。また、波長選択反射層として透明基材の上に塗布形成したものを使用する場合には、該透明基材が第1ギャップ層としても働くことになる。
前記第1ギャップ層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1〜200μmが好ましい。
[第2ギャップ層]
前記第2ギャップ層は、必要に応じてホログラム記録層と波長選択反射層との間に設けられる。
前記第2ギャップ層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリスルホン(PSF)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリメタクリル酸メチル−ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のような透明樹脂フィルム、又は、JSR社製商品名ARTONフィルムや日本ゼオン社製商品名ゼオノアのような、ノルボルネン系樹脂フィルム、などが挙げられる。これらの中でも、等方性の高いものが好ましく、TAC、PC、商品名ARTON、及び商品名ゼオノアが特に好ましい。
前記第2ギャップ層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1〜200μmが好ましい。
前記ホログラム記録媒体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ディスク形状、カード形状、などが挙げられる。
前記加工としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プレスカッターによる切り出し加工、打ち抜きカッターによる打ち抜き加工、などが挙げられる。
前記貼り合わせでは、例えば、接着剤、粘着剤、などを用いて気泡が入らないようにフィルタを基板に貼り付ける。
前記接着剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、UV硬化型、エマルジョン型、一液硬化型、二液硬化型等の各種接着剤が挙げられ、それぞれ公知の接着剤を任意に組み合わせて使用することができる。
前記粘着剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、ポリビニルアルコール系粘着剤、ポリビニルピロリドン系粘着剤、ポリアクリルアミド系粘着剤、セルロース系粘着剤、などが挙げられる。
前記接着剤又は前記粘着剤の塗布厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、光学特性や薄型化の観点から、接着剤の場合、0.1〜10μmが好ましく、0.1〜5μmがより好ましい。また、粘着剤の場合、1〜50μmが好ましく、2〜30μmがより好ましい。
なお、場合によっては、基板上に直接波長選択反射層を形成することもできる。例えば、基板上に少なくともネマチック液晶化合物、及び光反応型カイラル化合物を含有するコレステリック液晶層用塗布液を塗布してコレステリック液晶層を形成する方法などが挙げられる。
ここで、本発明のホログラム記録媒体について、図面を参照して更に詳しく説明する。
<第一の実施形態>
図9は、本発明の第一の実施形態におけるホログラム記録媒体の構成を示す概略断面図である。この第一の実施形態に係るホログラム記録媒体21では、ポリカーボネート樹脂製基板又はガラス基板1にサーボピットパターン3が形成され、該サーボピットパターン3上にアルミニウム、金、白金等でコーティングして反射膜2が設けられている。なお、図9では第2基板1全面にサーボピットパターン3が形成されているが、図4に示すように周期的に形成されていてもよい。また、このサーボピットパターン3の高さは、通常1750Å(175nm)であり、基板を始め他の層の厚さに比べて充分に小さいものである。
第1ギャップ層8は、紫外線硬化樹脂等の材料を第2基板1の反射膜2上にスピンコート等により塗布して形成される。第1ギャップ層8は、反射膜2を保護すると共に、ホログラム記録層4内に生成されるホログラムの大きさを調整するためにも有効である。つまり、ホログラム記録層4において記録用参照光と情報光の干渉領域をある程度の大きさに形成する必要があるため、ホログラム記録層4とサーボピットパターン3との間にギャップを設けると有効である。
第1ギャップ層8上には波長選択反射層6が設けられ、該波長選択反射層6と第1基板5(ポリカーボネート樹脂基板やガラス基板)によってホログラム記録層4を挟むことによってホログラム記録媒体21が構成される。
図9において、波長選択反射層6は、赤色光のみを透過し、それ以外の色の光を通さないものである。従って、情報光、記録及び再生用参照光は緑色又は青色の光であるので、波長選択反射層6を透過せず、反射膜2まで達することなく、戻り光となり、入出射面Aから出射することになる。
この波長選択反射層6は、螺旋ピッチが液晶層の厚み方向に連続的に変化した単層のコレステリック液晶層からなる。このコレステリック液晶層からなる波長選択反射層6は、第1ギャップ層8上に塗布によって直接形成してもよいし、基材上にコレステリック液晶層を形成したフィルムをホログラム記録媒体形状に打ち抜いて配置してもよい。螺旋ピッチが液晶層の厚み方向に連続的に変化した単層のコレステリック液晶層によって、λ〜λ/cos20°、特にλ〜λ/cos40°(ただし、λは照射光波長を表す)における光反射率が40%以上となり、入射角が変化しても選択反射波長にずれが生じることがなくなる。
本実施形態におけるホログラム記録媒体21は、ディスク形状でもいいし、カード形状であってもよい。カード形状の場合にはサーボピットパターンは無くてもよい。また、このホログラム記録媒体21では、第2基板1は0.6mm、第1ギャップ層8は100μm、波長選択反射層6は2〜3μm、ホログラム記録層4は0.6mm、第1基板5は0.6mmの厚さであって、合計厚みは約1.9mmとなっている。
次に、図11を参照して、ホログラム記録媒体21周辺での光学的動作を説明する。まず、サーボ用レーザから出射したサーボ用光(赤色光)は、ダイクロイックミラー13でほぼ100%反射して、対物レンズ12を通過する。対物レンズ12によってサーボ用光は反射膜2上で焦点を結ぶようにホログラム記録媒体21に対して照射される。つまり、ダイクロイックミラー13は緑色や青色の波長の光を透過し、赤色の波長の光をほぼ100%反射させるようになっている。ホログラム記録媒体21の光の入出射面Aから入射したサーボ用光は、第1基板5、ホログラム記録層4、波長選択反射層6、及び第1ギャップ層8を通過し、反射膜2で反射され、再度、第1ギャップ層8、波長選択反射層6、ホログラム記録層4、及び第1基板5を透過して入出射面Aから出射する。出射した戻り光は、対物レンズ12を通過し、ダイクロイックミラー13でほぼ100%反射して、サーボ情報検出器(不図示)でサーボ情報が検出される。検出されたサーボ情報は、フォーカスサーボ、トラッキングサーボ、スライドサーボ等に用いられる。ホログラム記録層4を構成するホログラム材料は、赤色の光では感光しないようになっているので、サーボ用光がホログラム記録層4を通過したり、サーボ用光が反射膜2で乱反射したとしても、ホログラム記録層4には影響を与えない。また、サーボ用光の反射膜2による戻り光は、ダイクロイックミラー13によってほぼ100%反射するようになっているので、サーボ用光が再生像検出のためのCMOSセンサ又はCCD14で検出されることはなく、再生光に対してノイズとなることもない。
なお、図5に示したλ〜1.3λの反射域は、λ=532nmのとき1.3λ=692nmとなり、サーボ光が655nmの場合はサーボ光を反射してしまう。ここに示すλ〜1.3λの範囲は波長選択反射層における±40°入射光への適性であるが、実際にそうした大きな斜め光まで使用する場合は、入射角±20°以内のサーボ光をマスキングして使用すれば支障なくサーボ制御できる。また、使用する波長選択反射層におけるコレステリック液晶層の螺旋ピッチを十分大きくすれば、波長選択反射層内での入射角を±20°以内で全て設計することも容易であり、その場合は図7に示すλ〜1.1λのコレステリック液晶層でよいのでサーボ光透過には全く支障がなくなる。
また、記録用/再生用レーザーから生成された情報光及び記録用参照光は、偏光板16を通過して線偏光となりハーフミラー17を通過して1/4波長板15を通った時点で円偏光になる。ダイクロイックミラー13を透過し、対物レンズ11によって情報光と記録用参照光ホログラム記録層4内で干渉パターンを生成するようにホログラム記録媒体21に照射される。情報光及び記録用参照光は入出射面Aから入射しホログラム記録層4で干渉し合って干渉パターンをそこに生成する。その後、情報光及び記録用参照光はホログラム記録層4を通過し、波長選択反射層6に入射するが、該波長選択反射層6の底面までの間に反射されて戻り光となる。つまり、情報光と記録用参照光は反射膜2までは到達しない。波長選択反射層6は螺旋ピッチが液晶層の厚み方向に連続的に変化した単層のコレステリック液晶層から形成され、赤色光のみを透過する性質を有するからである。或いは、波長選択反射層を漏れて通過する光を入射光強度の20%以下に抑えていれば、たとえその漏れ光が底面に到達して戻り光となっても、再度波長選択反射層で反射されるので再生光へ混じる光強度は20%×20%=4%以下となり、実質的に問題とはならない。
<第二の実施形態>
図10は、本発明の第二の実施形態におけるホログラム記録媒体の構成を示す概略断面図である。この第二の実施形態に係るホログラム記録媒体22では、ポリカーボネート樹脂又はガラス基板1にサーボピットパターン3が形成され、該サーボピットパターン3表面にアルミニウム、金、白金等でコーティングして反射膜2が設けられている。また、このサーボピットパターン3の高さは、通常1,750Å(175nm)である点については、第一の実施形態と同様である。
第二の実施形態と第一の実施形態の構造の差異は、第二の実施形態に係るホログラム記録媒体22では、波長選択反射層6とホログラム記録層4との間に第2ギャップ層7が設けられていることである。
螺旋ピッチが液晶層の厚み方向に連続的に変化した単層のコレステリック液晶層からなる波長選択反射層6は、第1ギャップ層8を形成した後、該第1ギャップ層8上に形成され、前記第一実施形態と同様のものを用いることができる。
第2ギャップ層7は、情報光及び再生光がフォーカシングするポイントが存在する。このエリアをフォトポリマーで埋めていると過剰露光によるモノマーの過剰消費が起こり多重記録能が下がってしまう。そこで、無反応で透明な第2ギャップ層を設けることが有効となる。
また、ホログラム記録媒体22では、第2基板1は1.0mm、第1ギャップ層8は100μm、波長選択反射層6は3〜5μm、第2ギャップ層7は70μm、ホログラム記録層4は0.6mm、第1基板5は0.4mmの厚さであって、合計厚みは約2.2mmとなっている。
情報の記録又は再生を行う場合、このような構造を有するホログラム記録媒体22に対して、赤色のサーボ用光及び緑色の情報光並びに記録及び再生用参照光が照射される。サーボ用光は、入出射面Aから入射し、ホログラム記録層4、第2ギャップ層7、波長選択反射層6、及び第1ギャップ層8を通過して反射膜2で反射して戻り光となる。この戻り光は、再度、第1ギャップ層8、波長選択反射層6、第2ギャップ層7、ホログラム記録層4及び第1基板5をこの順序で通過して、入出射面Aより出射する。出射した戻り光は、フォーカスサーボやトラッキングサーボ等に用いられる。ホログラム記録層4を構成するホログラム材料は、赤色の光では感光しないようになっているので、サーボ用光がホログラム記録層4を通過したり、サーボ用光が反射膜2で乱反射したとしても、ホログラム記録層4には影響を与えない。緑色の情報光等は、入出射面Aから入射し、ホログラム記録層4、第2ギャップ層7を通過して、波長選択反射層6で反射して戻り光となる。この戻り光は、再度、第2ギャップ層7、ホログラム記録層4及び第1基板5をこの順序で通過して、入出射面Aより出射する。また、再生時についても再生用参照光はもちろん、再生用参照光をホログラム記録層4に照射することによって発生する再生光も反射膜2に到達せずに入出射面Aから出射する。なお、ホログラム記録媒体22周辺(図11における対物レンズ12、波長選択反射層6、検出器たるCMOSセンサ又はCCD14)での光学的動作は、第一の実施形態(図11)と同様なので説明を省略する。
(ホログラム記録方法及びホログラム再生方法)
本発明のホログラム記録方法は、本発明の前記ホログラム記録媒体に情報光及び参照光を同軸光束として照射し、該情報光と参照光との干渉による干渉パターンによって情報をホログラム記録層に記録する。
本発明のホログラム再生方法は、本発明の前記ホログラム記録方法によりホログラム記録層に記録された干渉パターンに参照光を照射して情報を再生する。
本発明のホログラム記録方法及びホログラム再生方法では、上述したように、二次元的な強度分布が与えられた情報光と、該情報光と強度がほぼ一定な参照光とを感光性のホログラム記録層内部で重ね合わせ、それらが形成する干渉パターンを利用してホログラム記録層内部に光学特性の分布を生じさせることにより、情報を記録する。一方、書き込んだ情報を読み出す(再生する)際には、記録時と同様の配置で参照光のみをホログラム記録層に照射し、ホログラム記録層内部に形成された光学特性分布に対応した強度分布を有する再生光としてホログラム記録層から出射される。
<ホログラム像の記録及び再生>
本発明のホログラム記録媒体をホログラム記録及びホログラム再生する方法、並びにホログラム記録再生装置としては、各種提案されているものの中で本発明のホログラム記録媒体に対してホログラム記録及びホログラム再生可能なものであれば適時使用できる。そのようなホログラム記録及びホログラム再生する方法、並びにホログラム記録再生装置としては、例えば、米国特許5,719,691号、同5,838,467号、同6,163,391号、同6,414,296号、米国公開公報2002−136143号、特開平9−305978号、同10−124872号、同11−219540号、特開2000−98862号、同2000−298837号、同2001−23169号、同2002−83431号、同2002−123949号、同2002−123948号、同2003−43904号、同2004−171611号、世界特許99/57719号、同02/05270号、同02/75727号等に記載されたもの挙げることができる。上述したようなホログラム記録及びホログラム再生する方法、並びにホログラム記録再生装置に用いられるレーザーとして光源としては、記録メディア中の光重合開始剤を活性化しホログラフィック記録可能、及び記録されたホログラムを読み取ることのできるレーザー光源であれば特に制限なく用いることができる。このような光源としては、青色領域の半導体レーザー、アルゴンレーザー、He−Cdレーザー、周波数2倍YAGレーザー、He−Neレーザー、Krレーザー、近赤外領域の半導体レーザーなどを挙げることができる。
<ホログラム像の定着>
本発明において使用されるホログラム記録媒体用組成物に定着を施すことができる。定着とは、ホログラム記録が終了したホログラム記録層に対して、光照射することによりホログラム記録媒体用組成物中の光開始剤を光分解し、もはやその重合開始能力を失わせるものである。この定着によりホログラム像を損なうことがないように、光照射はホログラム記録層に対して温和な条件で行うことが必要である。
前期光照射方法としては、全面照射に照射してもよいし、ライン状に照射してもよいし、点状に照射してもよい。
前記定着に用いる光源としては、インコヒーレントな光を照射することが好ましく、例えば、蛍光灯、高圧水銀灯、キセノンランプ、発光ダイオードが好適に挙げられる。これらの光照射時のエネルギー強度としては、1J/cm2未満であることが好ましく、300mJ/cm2未満であることがより好ましい。該エネルギー強度が、1J/cm2超であると、ホログラム像が損なわれることがある。
ここで、本発明のホログラム記録方法及びホログラム再生方法は、具体的には例えば、以下に説明する本発明のホログラム記録再生装置を用いて行われる。
本発明のホログラム記録方法及びホログラム再生方法に使用されるホログラム記録再生装置について図12を参照して説明する。
図12は、本発明の一実施形態に係るホログラム記録再生装置の全体構成図である。なお、ホログラム記録再生装置は、ホログラム記録装置とホログラム再生装置を含んでなる。
このホログラム記録再生装置100は、ホログラム記録媒体20が取り付けられるスピンドル81と、このスピンドル81を回転させるスピンドルモータ82と、ホログラム記録媒体20の回転数を所定の値に保つようにスピンドルモータ82を制御するスピンドルサーボ回路83とを備えている。
また、ホログラム記録再生装置100は、ホログラム記録媒体20に対して情報光と記録用参照光とを照射して情報を記録すると共に、ホログラム記録媒体20に対して再生用参照光を照射し、再生光を検出して、ホログラム記録媒体20に記録されている情報を再生するためのピックアップ31と、このピックアップ31をホログラム記録媒体20の半径方向に移動可能とする駆動装置84とを備えている。
ホログラム記録再生装置100は、ピックアップ31の出力信号よりフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TE、及び再生信号RFを検出するための検出回路85と、この検出回路85によって検出されるフォーカスエラー信号FEに基づいて、ピックアップ31内のアクチュエータを駆動して対物レンズ(不図示)をホログラム記録媒体20の厚み方向に移動させてフォーカスサーボを行うフォーカスサーボ回路86と、検出回路85によって検出されるトラッキングエラー信号TEに基づいてピックアップ31内のアクチュエータを駆動して対物レンズをホログラム記録媒体20の半径方向に移動させてトラッキングサーボを行うトラッキングサーボ回路87と、トラッキングエラー信号TE及び後述するコントローラからの指令に基づいて駆動装置84を制御してピックアップ31をホログラム記録媒体20の半径方向に移動させるスライドサーボを行うスライドサーボ回路88とを備えている。
ホログラム記録再生装置100は、更に、ピックアップ31内の後述するCMOS又はCCDアレイの出力データをデコードして、ホログラム記録媒体20のデータエリアに記録されたデータを再生したり、検出回路85からの再生信号RFより基本クロックを再生したりアドレスを判別したりする信号処理回路89と、ホログラム記録再生装置100の全体を制御するコントローラ90と、このコントローラ90に対して種々の指示を与える操作部91とを備えている。
コントローラ90は、信号処理回路89より出力される基本クロックやアドレス情報を入力すると共に、ピックアップ31、スピンドルサーボ回路83、及びスライドサーボ回路88等を制御するようになっている。スピンドルサーボ回路83は、信号処理回路89より出力される基本クロックを入力するようになっている。コントローラ90は、CPU(中央処理装置)、ROM(リード オンリ メモリ)、及びRAM(ランダム アクセス メモリ)を有し、CPUが、RAMを作業領域として、ROMに格納されたプログラムを実行することによって、コントローラ90の機能を実現するようになっている。
本発明のホログラム記録方法及びホログラム再生方法に使用されるホログラム記録再生装置は、本発明の前記ホログラム記録媒体を用いているので、入射角が変化しても選択反射波長にずれが生じることなく、情報光及び参照光によるホログラム記録媒体の反射膜からの乱反射を防止し、ノイズの発生を防止することができ、今までにない高密度記録を実現することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
<ホログラフム記録媒体用組成物の調製>
[ホログラム記録媒体用組成物]
・ビスシクロヘキシルメタンジイソシアネート・・・31.5質量%
・ポリプロピレノキサイドトリオール(分子量1,000)・・・61.2質量%
・テトラメチレングリコール・・・2.5質量%
・4−クロロフェノキシエチルアクリレート・・・3.1質量%
・光重合開始剤(チバ・スペシャルティケミカル社製、イルガキュア784)・・・0.69質量%
・ジブチルジラウレートスズ・・・1.01質量%
前記ホログラム記録媒体用組成物を混合し、80℃に加熱して、ホログラム記録媒体用組成物を調製した。
<ホログラム記録媒体の作製>
第1及び第2基板としては、直径120mm、板厚0.6mmのDVD+RW用に用いられている一般的なポリカーボネート樹脂製基板を使用した。このようにポリカーボネート樹脂を使用することにより、弾性変形可能な基板が得られる。また、第2基板表面には、全面にわたってサーボピットパターンが形成されており、そのトラックピッチは0.74μmであり、溝深さは175nm、溝幅は300nmである。
また、上記第1及び第2基板との間に配置するスペーサーは、基板の外周側に設けるスペーサーとして、直径120mm、板厚0.5mm、幅0.2mmのアクリル樹脂を使用し、基板の中央に配置するスペーサーとして、直径36mm、板厚0.5mm、幅15.5mmのアクリル樹脂を使用した。
まず、第2基板のサーボピットパターン表面に反射膜を成膜した。反射膜材料にはアルミニウム(Al)を用いた。成膜はDCマグネトロンスパッタリング法により膜厚200nmのAl反射膜を成膜した。
次に、前記Al反射膜上に保護層としてSD−640(大日本インキ(株)製)を50μmの厚さとなるようにスピンコートで塗布した。この保護層上に、TiOとSiOを合計11層となるよう交互に蒸着し、λ/4の膜厚を有する波長選択膜を形成した。
[ホログラム記録層形成工程]
次に、上記第1基板と第2基板との間に、スペーサーを配置し、UV硬化モノマー接着剤にてこれらを接着固定して、ホログラム記録媒体作成用のセルを作成した。前記セルに、該セル内のホログラム記録層形成領域にホログラム媒体用組成物を注入するための注入路用の耐熱性のチューブと、セル内の空気を排出するための排出路用の耐熱性チューブを取り付けた。これらのチューブは、直径4mmのポリエチレン製のチューブを用いた。前記セルは、気密性及び耐圧性を有し、前記2本のチューブを閉塞することにより、セル内部を密閉可能、かつ加圧可能となる。
次に、上記第1及び第2基板を70℃に加熱し、注入路を介して前記ホログラム記録層形成領域内に、ホログラム記録媒体用組成物を充填する。この充填に伴って、セル内の空気は排出路を介して外部に排出される。前記ホログラム記録媒体用生物は、プレキュア後の体積収縮率が2.5%であるため、この体積収縮率を考慮して、セル内への充填量Vcmは、形成予定のホログラム記録層の体積Vcmとした場合に、V=(100+2.5)V/100となる量を充填した。
したがって、本実施例では、体積4.77cmのホログラム記録層を形成するため、セル内に4.89cmのホログラム記録媒体用組成物を充填した。この充填により、セル内部が加圧され、弾性変形可能な第1及び第2基板が図1の(B)に示すように、外方に変形して膨出する。
上記充填が完了したら、注入路と排気路を閉塞して、セル内部を密閉し、80℃に加熱して、ホログラム記録媒体用組成物を硬化させ、ホログラム記録層を形成する。
その後、室温で15分間放冷することによりホログラム記録媒体を作製した。なお、図9は、本実施例に類似の形態を示す概略断面図であり、本実施例では、図9に示す波長選択反射層、第2ギャップ層を設けずにホログラム記録媒体を作製している。
<平坦性の評価>
前記で得られたホログラム記録媒体について、ホログラム記録層を目視により観察し、下記評価基準に基づいて平坦性を評価した。結果を表2に示す。
[評価基準]
○:ホログラム記録層に亀裂、凹み、膨れがなく、平坦性に非常に優れる。
△:ホログラム記録層の第1基板側に多少の膨れがあるが、第2基板側は膨れがなく、ホログラム記録に影響がない
×:ホログラム記録層に亀裂、凹みなどの膜厚ムラが見られ、平坦性に劣り記録評価できない。
<厚みの振れの評価>
前記で得られたホログラム記録媒体について、平坦性を更に詳細に評価するために、LT−9000ダブルスキャン高精度レーザ測定器(キーエンス社製)を用いて、ホログラム記録媒体の面内厚みの振れを測定した。この振れが100μm以内であれば、平坦性が良好で、サーボをかけることができる。
(実施例2)
実施例1において、前記ホログラム記録媒体用組成物の充填量4.89cmを、5.0cmに変えたこと以外は、実施例1と同様のホログラム記録媒体用組成物を用いて、実施例と同様にして、ホログラム記録層を形成し、実施例2のホログラム記録媒体を作成した。
得られた実施例2のホログラム記録媒体について、実施例1と同様にして、ホログラム記録層の平坦性を評価した。結果を表2に示す。
(実施例3)
実施例1において、第2基板を剛直性を有する材料として、直径120mm、板厚6mm、ガラス製基板を使用したこと以外は、実施例1と同様のホログラム記録媒体用組成物を用いて、実施例1と同様にして、ホログラム記録層を形成し、実施例3のホログラム記録媒体を作成した。
得られた実施例3のホログラム記録媒体について、実施例1と同様にして、ホログラム記録層の平坦性を評価した。結果を表2に示す。
(実施例4)
実施例1において、下記に示すホログラム記録層形成工程でホログラム記録層を形成したこと以外は、実施例1と同様のホログラム記録媒体用組成物を用いて、実施例1と同様にして、実施例4ホログラム記録媒体を作成した。
[ホログラム記録層形成工程]
前記ポリカーボネート製の第1及び第2基板を、スペーサーを介して接着したセルを、剛直性を有するアクリル製の基台上に、第2基板が基台に接触するよう載置する。この載置状態で、スペーサー部分を適宜の治具を用いて基台に押さえつけ、セルを固定する。この固定により、セル内にホログラム記録媒体用組成物を加圧充填しても、第1基板は外方に弾性変形して膨出するが、第2基板は、基台に固定され、変形が防止される。
このように基台に固定されたセル内に、実施例1と同量のホログラム記録媒体用組成物を充填し、密閉した後、加熱によりホログラム媒体用組成物を硬化させて、ホログラム記録層を形成した。
得られた実施例4のホログラム記録媒体について、実施例1と同様にして、ホログラム記録層の平坦性を評価した。結果を表2に示す。
(実施例5)
実施例1において、第2基板上に波長選択反射層を設けたこと以外は、実施例1と同様のホログラム記録媒体用組成物を用いてホログラム記録媒体を作製した。なお、波長選択反射層は、下記のようにして作製した。
<ホログラム記録媒体の作製>
−波長選択反射層の作製−
まず、ポリカーボネートフィルム(三菱瓦斯化学株式会社製、商品名ユーピロン)厚さ100μm上に、ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名MP203)を厚さ1μmとなるように塗布したベースフィルムを用意した。このベースフィルムをラビング装置に通して、ポリビニルアルコール膜面をラビングし、液晶配向能を付与した。
次に、下記表1に示す組成のコレステリック液晶層用塗布液を常法により調製した。
Figure 2007101881
*UV重合性液晶:BASF社製、商品名PALIOCOLOR LC242
*光反応型カイラル剤:下記式で表される光学活性イソソルビド誘導体
Figure 2007101881
*光重合開始剤:チバスペシャルティケミカルズ社製、商品名イルガキュア369
*増感剤:ジエチルチオキサントン
*溶剤:メチルエチルケトン(MEK)
次に、前記ベースフィルム上に、前記コレステリック液晶層用塗布液をバーコーターで塗布し、乾燥させた後、110℃にて20秒間配向熟成した。その後、110℃下で365nmに光源中心波長を持つバンドパスフィルタを介して、超高圧水銀灯により1分間光照射を行った。次いで、110℃に維持した状態で暗所に5分間保持した。その後、バンドパスフィルタを取り除き、窒素ガスを吹き付けながら上記と同様の超高圧水銀灯により照射エネルギー500mJ/cmで更に全面を露光し、重合硬化させて、厚さ5μmのコレステリック液晶層硬化膜を形成した。
以上により、実施例5の波長選択反射層を作製した。
得られた波長選択反射層について、光反射特性を分光反射測定器(光源として浜松ホトニクス株式会社製、L−5662、フォトマルチチャンネルアナライザーとして浜松ホトニクス株式会社製、PMA−11)を用いて測定した。
その結果、前記フィルタは、図7及び図8に示すように入射角度±20°以内の光に対して選択波長である532nm光を40%以上反射できることが認められた。また、選択反射波長帯域幅は180nmと広帯域であった。
実施例1と同様に、直径120mm、板厚0.6mmのポリカーボネート樹脂製の第2基板のサーボピットパターン表面に、アルミニウムにより反射膜を成膜した。
次に、前記で作製した波長選択反射層を前記基板に設置できるように所定のディスクサイズに打ち抜き、ベースフィルム面をサーボピットパターン側にして、第2基板に貼り付けた。貼り合わせには紫外線硬化性樹脂や粘着剤を用いて気泡が入らないようにして行った。
次に、前記実施例1で調整したホログラム記録媒体用組成物を用いて、実施例1と同様の製造方法により、波長選択反射層を有する第2基板と第1基板との間に、ホログラム記録層を形成した。以上により、実施例5のホログラム記録媒体を作製した。なお、図9は、本実施例に類似の形態を示す概略断面図である。
得られた実施例5のホログラム記録媒体について、実施例1と同様にして、ホログラム記録層の平坦性を評価した。結果を表2に示す。
(実施例6)
−ホログラム記録媒体の作製−
実施例4において、反射膜と波長選択反射層の間に第2ギャップ層を設けた以外は、実施例4と同様にして、実施例5のホログラム記録媒体を作製した。なお、第2ギャップ層としては厚さ100μmのポリカーボネートフィルムを用い、紫外線硬化樹脂にて接着した。なお、図10は、本実施例に類似の形態を示す概略断面図である。
得られた実施例6のホログラム記録媒体について、実施例1と同様にして、ホログラム記録層の平坦性を評価した。結果を表2に示す。
(比較例1)
実施例1において、前記ホログラム記録媒体用組成物の充填量4.89cmを、4.4cmに変え、V<95V/(100−x)としたこと以外は、実施例1と同様のホログラム記録媒体用組成物を用いて、実施例と同様にして、ホログラム記録層を形成し、比較例1のホログラム記録媒体を作成した。
得られた比較例1のホログラム記録媒体について、実施例1と同様にして、ホログラム記録層の平坦性を評価した。結果を表2に示す。
(比較例2)
実施例1において、前記ホログラム記録媒体用組成物の充填量4.89cmを、5.50cmに変え、V>110V/(100−x)としたこと以外は、実施例1と同様のホログラム記録媒体用組成物を用いて、実施例と同様にして、ホログラム記録層を形成し、比較例2のホログラム記録媒体を作成した。
得られた比較例2のホログラム記録媒体について、実施例1と同様にして、ホログラム記録層の平坦性を評価した。結果を表2に示す。
Figure 2007101881
表2の結果から、ホログラム記録媒体用組成物の充填量Vcmが、次式、
95V/(100−x)≦V≦110V/(100−x)を満たし、ホログラム記録層形成後の体積収縮を考慮したホログラム記録媒体の製造方法で作製した実施例1〜6のホログラム記録媒体用組成物では、得られたホログラム記録層のゆがみ、凹み、亀裂などがなく、均一かつ所望の膜厚で、平坦性に優れたホログラム記録層が得られ、的確なサーボが可能となり、ホログラムの高密度記録及び正確な再生が可能となるとともに、ホログラム記録媒体の最終目的である多重高密度記録が可能となることが認められた。
これに対して、充填量Vcmが、V<95V/(100−x)の比較例1では、硬化後のホログラム記録層が体積収縮により凹状に変形し、高密度記録及び再生ができないことが判った。また、充填量が、V>110V/(100−x)である比較例2では、第2基板側が外方に大きく膨出してホログラム記録層が形成され、高密度記録及び再生に支障を来たすことが判った。
本発明のホログラム記録媒体用組成物は、環状カーボネートを含むカチオン重合可能な化合物を使用することにより、体積収縮が少なく、亀裂などを生じることがなく、かつ水分の影響を受けることがないので、体積型のホログラム記録媒体に好適に用いられ、高密度画像記録が可能となる。
本発明のホログラム記録媒体は、ホログラム記録層の膜厚を上げることができ、入射角が変化しても選択反射波長にずれが生じることなく、ノイズの発生を防止でき、今までにない高密度画像記録が可能な体積型の各種ホログラム記録媒体として幅広く用いられる。
図1は、本発明のホログラム記録媒体の製造方法における、ホログラム記録層形成工程の一例を示す概略図であり、(A)はホログラム記録媒体用組成物の充填前を示し、(B)はホログラム記録媒体用組成物の充填が完了し、第1基板と第2基板が外方に膨出した状態を示し、(C)はホログラム記録媒体用組成物が体積収縮し、所望の肉厚のホログラム記録層が形成された状態を示す。 図2は、ホログラム記録層形成工程におけるホログラム記録層形成領域へのホログラム記録媒体用組成物の充填工程を示す概略図で、(A)は第1基板と第2基板との間に、ホログラム記録媒体用組成物の注入を開始した状態を示し、(B)はホログラム記録媒体用組成物の注入がほぼ完了した状態を表し、(C)はホログラム記録媒体用組成物の注入が完了し、導入路と空気の排出路を密封した状態を表す。 図3は、従来のホログラム記録媒体の製造方法における、ホログラム記録層形成工程を示す概略図である。 図4は、従来のホログラム記録媒体の構造を示す概略断面図である。 図5は、本発明のホログラム記録媒体用波長選択反射層の正面(0°)からの入射光に対する反射特性を示すグラフである。 図6は、本発明のホログラム記録媒体用波長選択反射層内の40°傾斜方向からの入射光に対する反射特性を示すグラフである。 図7は、本発明の別のホログラム記録媒体用波長選択反射層の正面(0°)からの入射光に対する反射特性を示すグラフである。 図8は、本発明の別のホログラム記録媒体用波長選択反射層内の20°傾斜方向からの入射光に対する反射特性を示すグラフである。 図9は、本発明による第一の実施形態に係るホログラム記録媒体の一例を示す概略断面図である。 図10は、本発明による第二の実施形態に係るホログラム記録媒体の一例を示す概略断面図である。 図11は、本発明によるホログラム記録媒体周辺の光学系の一例を示す説明図である。 図12は、本発明の光記録再生装置の全体構成の一例を表すブロック図である。
符号の説明
1 第2基板
2 反射膜
3 サーボピットパターン
4 ホログラム記録層
5 第1基板
6 波長選択反射層
7 第2ギャップ層
8 第1ギャップ層
9 スペーサ
12 対物レンズ
13 ダイクロイックミラー
14 検出器
15 1/4波長板
16 偏光板
17 ハーフミラー
20 ホログラム記録媒体
21 ホログラム記録媒体
22 ホログラム記録媒体
31 ピックアップ
81 スピンドル
82 スピンドルモータ
83 スピンドルサーボ回路
84 駆動装置
85 検出回路
86 フォーカスサーボ回路
87 トラッキングサーボ回路
88 スライドサーボ回路
89 信号処理回路
90 コントローラ
91 操作部
100 ホログラム記録再生装置
101 注入路
102 排気路
103 ホログラム記録媒体用組成物
104 クリップ
A 入出射面
FE フォーカスエラー信号
TE トラッキングエラー信号
RF 再生信号

Claims (14)

  1. 第1基板と、第2基板と、該第2基板上に、ホログラム記録媒体用組成物からなりホログラフィを利用して情報を記録するホログラム記録層と、を少なくとも有するホログラム記録媒体の製造方法であって、
    前記第2基板上のホログラム記録層形成領域に、ホログラム記録媒体用組成物溶液を充填し、該ホログラム記録媒体用組成物溶液を加圧し補充しながら硬化させることにより、ホログラム記録層を形成するホログラム記録層形成工程を少なくとも含むことを特徴とするホログラム記録媒体の製造方法。
  2. ホログラム記録層形成工程が、第2基板上のホログラム記録層形成領域に、下記式1を満たす充填量のホログラム記録媒体用組成物を充填し、ホログラム記録層を形成する工程を少なくとも含むことを特徴とする請求項1に記載のホログラム記録媒体の製造方法。
    <式1>
    95V/(100−x)≦V≦110V/(100−x)
    ただし、前記式中、Vはホログラム記録層の体積(cm)を表し、Vはホログラム記録媒体用組成物の充填量(cm)を表し、xはホログラム記録層形成後のホログラム記録媒体用組成物の体積収縮率(%)を表す。
  3. ホログラム記録層形成工程が、弾性変形可能な第1基板と第2基板との間に、Vcmのホログラム記録媒体用組成物を充填する工程を、少なくとも含む請求項1から2のいずれかに記載のホログラム記録媒体の製造方法。
  4. ホログラム記録層形成工程が、弾性変形可能な第1基板と、剛直性を有するか又は弾性変形不能に固定した第2基板との間に、Vcmのホログラム記録媒体用組成物を充填する工程を、少なくとも含む請求項1から2のいずれかに記載のホログラム記録媒体の製造方法。
  5. ホログラム記録層形成工程が、第1基板と第2基板のいずれか一方の基板上に、Vcmのホログラム記録媒体用組成物を堆積させ、ホログラム記録層を形成した後に、該ホログラム記録層上に他方の基板を積層する工程を、少なくとも含む請求項1から2のいずれかに記載のホログラム記録媒体の製造方法。
  6. ホログラム記録媒体用組成物が、(A)反応性基を有するバインダー、(B)前記反応性基を有するバインダーの反応基と反応しうる官能基を有する架橋剤、(C)分子内にエチレン性二重結合を有する重合性化合物、(D)光重合開始剤、を少なくとも含む請求項1から5のいずれかに記載のホログラム記録媒体の製造方法。
  7. (A)反応性基を有するバインダーの反応基が、ヒドロキシル基、メルカプト基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、オキセタン基、イソシアネート基、カルボジイミド基、オキサジン基、及び金属アルコキサイドから選択される少なくとも1種の反応基である請求項6に記載のホログラム記録媒体の製造方法。
  8. 第2基板とホログラム記録層との間に、波長選択反射層を少なくとも有する請求項1から7のいずれかに記載のホログラム記録媒体の製造方法。
  9. 第2基板が、サーボピットパターンを有する請求項1から8のいずれかに記載のホログラム記録媒体の製造方法。
  10. 第2基板が、サーボピットパターン上に反射面を形成されてなる請求項9に記載のホログラム記録媒体の製造方法。
  11. 波長選択反射層が、ダイクロイックミラーからなる層である請求項8から10のいずれかに記載のホログラム記録媒体の製造方法。
  12. 波長選択反射層が、コレステリック液晶からなる層である請求項8から10のいずれかに記載のホログラム記録媒体の製造方法。
  13. 波長選択反射層と反射面との間に、第2基板表面を平滑化するためのギャップ層を設けてなる請求項10から12のいずれかに記載のホログラム記録媒体の製造方法。
  14. 第1基板と、第2基板と、該第2基板上に、ホログラフィを利用して情報を記録するホログラム記録層と、を少なくとも有し、請求項1から13のいずれかのホログラム記録媒体の製造方法で形成したことを特徴とするホログラム記録媒体。
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