JP2010211857A - 光ディスクの製造方法及び光ディスク製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、均一な膜厚でなる円板状の光ディスクを製造する。
【解決手段】本発明は、注型セルSLを介してベース金型31及びカバー金型32によって形成され、中央に中央孔部SLhを有する円板状の注入空間JSに対し、注入空間JSにおける内縁部分に接続して形成された注入孔としての注入ノズル受け部33から液状材料が注入される。注入空間JSの円板の平面方向において注入ノズル受け部33及び中央孔部SLhの中心を通る直線上に形成された排出孔としての排出ノズル受け部34から空気が排出される。さらに注入空間JSに注入された液状材料を硬化させ、スペーサ群及び平板15が取り除かれることにより、硬化された液状材料である記録層101を注入空間JSから取り出すようにする。
【選択図】図5

Description

本発明は光ディスクの製造方法及び光ディスク製造装置に関し、例えば1層の記録層において複数のマーク層が形成される体積型の光ディスクに適用して好適なものである。
従来、円板状の光ディスクが広く普及しており、一般にCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)及びBlu−ray Disc(登録商標、以下BDと呼ぶ)等が用いられている。
これらの光ディスクでは、スパッタリングなどにより形成された薄膜の記録層に対し、2次元的に記録マークを形成するようになされている。
一方、かかる光ディスクに対応した光ディスク装置では、音楽コンテンツや映像コンテンツ等の各種コンテンツ、或いはコンピュータ用の各種データ等のような種々の情報を当該光ディスクに記録するようになされている。特に近年では、映像の高精細化や音楽の高音質化等により情報量が増大し、また1枚の光ディスクに記録するコンテンツ数の増加が要求されているため、当該光ディスクのさらなる大容量化が求められている。
そこで、2系統の光ビームを干渉させてなる微小なホログラムを記録マークとし、光ディスクの厚さ方向に複数重ねるように形成する。これにより、1層の記録層内に複数層に相当する情報を記録し、光ディスクを大容量化するようになされた光ディスクが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−71433公報
ところでかかる構成の光ディスクでは、1層の記録層内に記録マークを厚さ方向に複数形成する。このため記録層の厚さは、0.05[mm]以上、1.0[mm]未満が想定されており、光ディスクの形状と同様に中心に孔の空いたドーナツ円板になることが想定されている。
均一な膜厚でなる塗膜を形成するために、液状材料をスピンコートにより流延して硬化させる方法が知られている(特許文献2参照)。しなしながら、スピンコートは、薄膜に適したコーティング法であり、液状材料の粘度を調製する必要があるなど、0.05[mm]以上の塗膜を形成するのに適した方法とはいえない。
特開2008−282525公報
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、均一な膜厚のドーナツ円板を作製し得る光ディスクの製造方法及び光ディスクの製造装置を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明の光ディスクの製造方法においては、中央に中央孔部を有する円板状の注入空間に対し、注入空間における内縁部分に接続して形成された注入孔から液状材料を注入する注入ステップと、円板の平面方向において注入孔及び中央孔部の中心を通る直線上に形成された排出孔とから空気及び液状材料を排出する排出ステップと、注入空間に注入された液状材料を硬化させる硬化ステップと、硬化された液状材料を注入空間から取り出す取出ステップとを設けるようにした。
これにより、光ディスクの製造方法では、液状材料を外周側に沿わせて外周側の空気を押し出すことができ、注入空間内に均一に液状材料を充填することができる。
また本発明の光ディスク製造装置においては、中央に中央孔部を有する円板状の注入空間を形成し、液状材料の注入のために、注入空間における内縁部分に接続して設けられた注入孔と、空気の排出のために、円板の平面方向における注入孔及び中央孔部の中心を通る直線上に形成された排出孔とが設けられた空間形成部を設けるようにした。
これにより、光ディスク製造装置では、液状材料を外周側に沿わせて外周側の空気を押し出すことができ、注入空間内に均一に液状材料を充填することができる。
さらに本発明においては、光の照射に応じて記録マークを形成する記録層に隣接する隣接層上に、記録層の厚さとほぼ同一の厚さでなる注入空間を有する注型セルを形成する形成ステップと、注型の内部に液状でなる液状材料を充填する充填ステップと、液状材料に対してエネルギーを加えることにより、液状材料が硬化してなる記録層を形成する硬化ステップと、注型を除去する除去ステップとを設けるようにした。
これにより、光ディスクの製造方法においては、隣接層上に直接的に均一な膜厚でなる記録層を形成することができる。
本発明によれば、液状材料を外周側に沿わせて外周側の空気を押し出すことができるため、注入空間内に均一に液状材料を充填することができ、かくして均一な膜厚のドーナツ円板を作製し得る光ディスクの製造方法及び光ディスクの製造装置を実現できる。
また、本発明によれば、隣接層上に直接的に均一な膜厚でなる記録層を形成することができ、かくして均一な膜厚のドーナツ円板を作製し得る光ディスクの製造方法を実現できる。
光ディスクの外観を示す略線図である。 光ディスクの構成を示す略線図である。 記録層製造装置の構成を示す略線図である。 第1の実施の形態による記録層成型器の構成(1)を示す略線図である。 第1の実施の形態による記録層成型器の構成(2)を示す略線図である。 第1の実施の形態によるカバー金型の構成を示す略線図である。 開口部の位置の説明に供する略線図である。 第2の実施の形態による記録層成型器の構成(1)を示す略線図である。 第2の実施の形態による記録層成型器の構成(2)を示す略線図である。 第2の実施の形態によるカバー金型の構成を示す略線図である。 第3の実施の形態による記録層成型器の構成(1)を示す略線図である。 第3の実施の形態によるカバー金型の構成を示す略線図である。 第4の実施の形態による記録層成型器の構成(1)を示す略線図である。 第4の実施の形態によるカバー金型の構成を示す略線図である。 記録層形成処理手順の説明に供するフローチャートである。 他の実施の形態による記録層成型器の構成を示す略線図である。
以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(光ディスクの製造方法)
2.第2の実施の形態(ベース金型からの液状材料の排出)
3.第3の実施の形態(カバー金型からの液状材料の注入)
4.第4の実施の形態(カバー金型を取り除いて液状材料を硬化)
5.他の実施の形態
<1.第1の実施の形態>
[1−1.光ディスクの構成]
まず、第1の実施の形態における光ディスクの構成について説明する。
光情報記録媒体としての光ディスク100は、図1に外観図を示すように、全体として略円板状に構成され、中心にチャッキング用の孔部100Hが設けられている。光ディスク100は、その外径がCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray Disc、登録商標)と同様の約12[cm]に形成されている。
光ディスク100は、図2(A)に断面図を示すように、情報を記録するための記録層101の両面をディスク基板102及びカバー層104により挟んだような構成を有しており、さらに記録層101とディスク基板102との間に基準層103が設けられている。
また記録層101の外径は、光ディスク100の外径より1〜20[mm]程度小さく形成されている。記録層101の内径は、孔部100Hの外径よりも1〜20[mm]程度大きく形成されている。記録層101の存在しない光ディスクの最内周領域及び最外周領域では、カバー層104が基準層103と隣接して設けられている。
基準層103には、サーボ用の案内溝が形成されており、具体的には、一般的なBD−R(Recordable)ディスク等と同様のランド及びグルーブ又はピットなどにより螺旋状又は同心円状のトラック(以下、これを基準トラックと呼ぶ)TRを形成している。
また基準層103は、誘電体膜などでなり、例えば波長約405[nm]の青紫色光ビーム及び波長約660[nm]の赤色光ビームを高い反射率で反射するようになされている。
光ディスク100は、660[nm]でなるサーボ用のサーボ光ビームを基準層103に合焦させると共に、当該基準層103を基準として、405[nm]でなる記録及び再生用の情報光ビームを記録層101内に合焦させる。
記録層101は、比較的強度の大きい情報光ビームが照射されると、屈折率変調により記録マークを形成する。記録層101は、当該記録層101の厚さ方向に焦点を移動させながら情報光ビームが照射されることにより、当該厚さ方向に記録マークRMが配列されるマーク層が複数層形成される。
記録層101は、その厚さt1が0.05[mm]以上、特に0.1[mm]以上であることが好ましい。記録層101を薄くすると、記録層101の厚さ方向に記録マークRMを多く配列することができず、光ディスク100としての記憶容量を大きくすることができず、好ましくない。
記録層101は、1.2[mm]以下、特に1.0[mm]以下でなることが好ましい。記録層101を厚くすると、奥側において照射される光ビームの球面収差を増大させるため、好ましくない。
カバー層104はガラス、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂など種々の光学材料でなり、光を高い割合で透過させるようになされている。
因みに光を通過するカバー層104と記録層101とを加算した厚さは、1.2[mm]以下でなることが好ましい。厚さが1.2[mm]を超えると、光ディスク100の表面が傾いた時に当該光ディスク100内で生じる記録用の光ビームの非点収差が大きくなるからである。
ディスク基板102は、硬質の樹脂材料又はガラスなどでなり、光ディスク100全体としての物理的強度を担っている。ディスク基板102は、高透過率でなる光学材料を用いても良く、また、光を透過しない材料であっても良い。ディスク基板102は、その厚さが0.3[mm]以上でなることが好ましい。物理的強度を担保するためである。
なお、光ディスク100に対してサーボ光ビーム及び情報光ビームを照射する光ディスク装置の具体的な構成は、特許文献1及び特許文献3に記載されている。
特願2007−168991公報
実際上、光ディスク100は、以下の手順で作製される。
射出成型などにより作製されたディスク基板102上に、スパッタリングなどにより基準層103が形成される。この基準層103を有するディスク基板上102に、後述する記録層の成型方法によって記録層101が成型される。
そして記録層101が成型された基板102上に、例えばスピンコートにより紫外線硬化樹脂が塗布され、紫外線が照射されることにより、カバー層104が形成されるようになされている。
[1−2.記録層の成型]
記録層101は、例えば光によって硬化する光硬化型樹脂、熱によって硬化する熱硬化型樹脂、及びマイクロ波によって硬化するマイクロ波硬化型樹脂、湿気に応じて硬化する湿気性硬化型樹脂など、各種エネルギーの照射に応じて硬化するエネルギー硬化型樹脂、シリケート化合物、並びにこれらの組み合わせによって構成される。記録層101は、液状でなる樹脂材料(以下、これを液状材料と呼ぶ)が光、熱、湿気又はマイクロ波、若しくはこれらの組み合わせによって硬化することにより形成される。
なお照射されるエネルギーとしては、電子線、紫外線、可視光線、赤外線、マイクロ波などの活性エネルギー線が挙げられ、オーブン、ホットプレートなどによる加熱による硬化促進法を用いることができる。
液状材料は、モノマー又はオリゴマー(以下、これをモノマー類と呼ぶ)と、光、熱又はマイクロ波により重合を開始する重合開始剤、又はモノマー類を硬化させる硬化剤や触媒とを主成分として含有する。
液状材料の粘度は、特に制限されないが、3500[mPa/s]以下、特に1000[mPa/s]以下であることが好ましい。粘度が大きくなると、液状材料の流動性が低下して充填速度が低下し、量産性が低下するからである。
記録層101は、基準層103が形成されたディスク基板102(以下、これを単にディスク基板102と呼び、図面においても基準層103を省略する)上に成型されることにより設けられる。
図3に示すように、記録層101は、記録層製造装置1によって作製される。記録層製造装置1における液状材料タンク2には、脱泡された液状材料が貯蔵されている。ポンプ4は、液状材料タンク2から汲み上げた液状材料を記録層成型器3に加圧供給する。記録層成型器3から溢れ出た液状材料は、脱泡装置5に供給され、脱法された後、液状材料タンク2へ戻される。
記録層成型器3には、ディスク基板102を用いた注型セルSLが嵌め込まれており、当該注型セルSLによって形成される注入空間JS内に液状材料が充填される。液状材料が充填された注型セルSLは、記録層成型器3から取り外され、液状材料の種類に応じたエネルギーを加えることにより、当該液状材料が硬化される。
これにより、液状材料が硬化し、ディスク基板102上に記録層101が形成される。そして注型セルSLから記録層101が形成されたディスク基板102が取り外され、次の工程においてカバー層104が形成されるようになされている。
また、注型セルSLは、記録層成型器3の内部に嵌め込まれた状態でエネルギーが加えられるようにしても良い。この場合、液状材料が硬化された後の注型セルSLが記録層成型器3から取り外されることになる。
具体的に、図4(A)及び(B)に示すように、まず、ディスク基板102上に外周側スペーサ11及び内周側スペーサ12(以下、これらをスペーサ群と呼ぶ)が載置された後、平板15(図4(C))が載置され、これらが仮固定される。以下、スペーサ群及び平板15が仮固定されたディスク基板102を注型セルSLと呼ぶ。この注型セルSLでは、スペーサ群によって形成されたディスク基板102と平板15との空隙(すなわち中央孔部SLhを有するドーナツ円板状の注入空間JS)に液状材料が充填されることになる。
従って、外周側スペーサ11及び内周側スペーサ12は、空間を形成するスペーサ機能に加えて、液状材料を封止する封止機能が要求される。スペーサ群は、その厚さが記録層101の厚さt1とほぼ同一又は僅かに大きく形成されている。スペーサ群としては、適度な柔軟性を有しディスク基板102と平板15とに対して密着する材料が用いられる。
例えばスペーサ群としては、シリコンフィルムなどの低弾性率フィルム、熱可塑性樹脂からなる接着フィルム、PET(PolyEthylene Terephthalate)などのコアフィルムの片面又は両面に感圧接着剤層を設けたフィルムなどを用いることができる。
外周側スペーサ11は、輪帯状でなり、その外径がディスク基板102の外径とほぼ同一でなる。外周側スペーサ11は、1〜10[mm]幅でなり、その内径がディスク基板102の外径よりも約1〜20[mm]小さく形成されている。
内周側スペーサ12は、2つの部材によって構成され、それぞれが輪帯を略半分に分割したような形状を有している。内周側スペーサ12は、その内径がディスク基板102の内径とほぼ同一でなる。内周側スペーサ12は、1〜10[mm]幅でなり、その外径がディスク基板102の内径よりも1〜20[mm]大きく形成されている。内周側スペーサ12における2つの部材は、それぞれ離隔して載置され、この結果、当該2つの部材間に2つの開口部(注入用開口部12A及び排出用開口部12B)が形成される。
平板15は、例えばドーナツ円板でなるディスク基板102と同一形状に形成されている。平板厚さtaは物理的強度が確保できる範囲内で任意に選択される。なお平板15は、スペーサ群と密着し、液状材料が注入される注入空間JSを形成することだけに使用されるため、注型セルSLを密封できるだけの大きさと平坦性を有していれば、その形状及び厚さtaに制限はない。また、平板15のスペーサ群と密着する面側に離型処理を施すことにより、硬化後の液状材料(すなわち記録層101)の剥離を容易にすることが可能である。
図5に示すように、注型セルSLは、ベース金型31内に載置される。ベース金型31は、ディスク基板102とほぼ同一形状でなるドーナツ円板状の凹み31Aを有しており、この凹み31Aに嵌め込むように注型セルSLが載置される。この凹み31Aの高さは特に制限されないが、例えばディスク基板102と同一の高さに形成されている。
そしてベース金型31の上部にカバー金型32が載置され、図示しない治具やねじなどの固定具を用いてベース金型31とカバー金型32とが固定され、記録層成型器3が形成される。
図6に示すように、カバー金型32は、円形板状でなる上覆板36と当該上覆板36の周囲に沿って突出する円筒部37と、当該上覆板36の中心から柱状に突出する中心柱38とを有している。円筒部37及び中心柱38は、その高さに特に制限はないが、例えば記録層101の厚さt1と平板厚さtaとを加算した高さに形成されている。
すなわち記録層成型器3では、ベース金型31における凹み31Aの高さと円筒部37における高さとを加算した高さが、ディスク基板102の厚さt2と記録層101の厚さt1と平板厚さtaとを加算した厚さt1+ta+t2(以下、これを注型セル厚さと呼ぶ)と同一になるように形成されている。
これにより記録層成型器3では、注型セル厚さと同一の高さでなる内部空間ISを形成することができる。すなわち記録層成型器3は、注型セルSLに形成され、液状材料が注入される注入空間JSの高さを記録層101の厚さt1に設定することができる。またカバー金型32は、円筒部37だけでなく、中心柱38を有することにより、中心部分を凹ませることなく、その全域において注入空間JSの高さを記録層101の厚さt1に設定することができる。この中心柱38は、その底部がベース金型31の中央突部31Bに当接することにより、注型セルSLの開口部から液状材料が漏洩することを防止する堰としての役割を担っている。
中心柱38の外側において底から注入空間JSの高さに相当する部分には、対極にそれぞれ半円形の切り欠きが設けられている。それぞれの切り欠きには、注入ノズル受け部33及び排出ノズル受け部34に繋がる貫通孔の開口部が設けられている。なお切り欠きは、液状材料の注入方向と排出方向を制御することを主たる目的として設けられている。
カバー金型32(図5)は、その中心部に注入ノズル受け部33及び排出ノズル受け部34を有している。この注入ノズル受け部33には、注入ノズル21の先端部に設けられた嵌込部23が挿入される。嵌込部23には雄ねじが、注入ノズル受け部33には雌ねじが形成されており、嵌込部23及び注入ノズル受け部33間に隙間を形成しないようになされている。
また注入ノズル受け部33と同様にして、排出ノズル受け部34には、排出ノズル41の先端に設けられた嵌込部43が、嵌込部43及びノズル受け部34間に隙間を形成しないよう挿入される。
この結果、記録層成型器3は、注入ノズル21及び排出ノズル41を除いて、記録層成型器3の内部をほぼ完全に密閉することができる。
注入ノズル21は、ポンプ4を介して液状材料タンク2から延設された注入ホース22の先端に取り付けられており、液状材料タンク2から供給される液状材料を加圧状態で記録層成型器3内部に供給する。
このとき記録層成型器3では、注入ノズル受け部33と注入用開口部12Aとが接続することにより、注入ノズル21の先端が注型セルSLの注入用開口部12Aにほぼ隣接して設置されている。このため注入ノズル21は、液状材料を注入用開口部12Aから注型セルSL内に加圧充填する。
注型セルSL内に液状材料が充填される際、ディスク基板102と平板15とを引き剥がす方向に圧力が加わることになる。ここでディスク基板102は、その全面がベース金型31の凹み31Aに接触している。また平板15は、その全面がカバー金型32の上覆板36に接触している。
このため記録層成型器3は、液状材料の注入に伴って印加される圧力に対し、ディスク基板102と平板15との間隔が一定に保たれるよう保持することができる。この結果、記録層成型器3は、記録層101の厚さを高い精度で維持し得るようになされている。
図7に示すように、注入用開口部12Aから充填された液状材料は、外周側スペーサ11にぶつかり、外周側スペーサ11に沿うようにして円周方向に押し出される。このとき液状材料は、内周側において外周側に比して移動速度が小さいものの、移動すべき距離も小さい。このため、内周側の液状材料は外周側から大きく遅れることなく進行することができる。
注型セルSLの注入空間JSに存在した空気は押し出され、排出用開口部12Bから排出ノズル41を介して排出される。そして液状材料は、注型セルSL内に形成された注入空間JSに充填されると、排出用開口部12Bから溢れ出て、排出ノズル41を介してホース42の根本側に設置された脱泡装置5に供給される。
言い換えると、液状材料は、注入用開口部12Aから出て右回り及び左回りに分岐し、最終的に注入用開口部12Aの対極側(すなわち注入用開口部12Aから注入された液状材料が進行する内周側から外周側へ向かう方向と反対側)で衝突する。従って、排出口開口部12Bは、注入用開口部12A及びディスク基板102の中心点を通る直線上、かつ当該注入用開口部12Aの対極に設けられることが好ましい。
また、注入用開口部12Aを外周側スペーサ11に設けると、中央孔部SLhの片側に液状材料の流れができたとき、他の側を十分に満たさないまま排出用開口部12Bから液状材料が排出されてしまう場合があるため、好ましくない。
そして注型セルSLは、記録層成型器3から取り外され、液状材料の種類に応じたエネルギーが加えられる。この結果、注入空間JSに充填された液状材料が硬化する。このエネルギーとして、光線や電子線などのエネルギー線を用いる場合、注型セルSLにおけるディスク基板102又は平板15の少なくとも、どちらか一方が当該エネルギー線を透過する材質が選択される。
なお、注型セルSLを取り外して硬化を行う場合には、液状材料の粘度が50[mPa/s]以上でなることが好ましい。液状材料の粘度が50[mPa/s]未満であると、空気が開口部(注入用開口部12A又は排出用開口部12B)から侵入しやすくなるからである。
ここでディスク基板102は、基準層103によってエネルギー線を遮蔽する可能性があるため、平板15として照射されるエネルギー線を透過する材料を選択することが望ましい。この場合、平板15側からエネルギー線が照射されることになる。もちろん、ディスク基板102及び基準層103がエネルギー線を透過する材料を用いるようにすることも可能である。
また、注型セルSLを記録層成型器3から取り外すことなくエネルギー線を照射する場合には、材質の選択により、ベース金型31又はカバー金型32がエネルギーを透過するようにする。この場合、注型セルSLにおける開口部を開放しないため、当該開口部から空気が侵入することはない。このため、液状材料の粘度を自由に設定することができる。
カバー金型32側からエネルギーを照射する場合、記録層101が形成される部分のみについてエネルギーを透過させるように形成すればよい。すなわち、記録層101が形成されない孔部100Hに対応する領域(注入ノズル受け部33及び排出ノズル受け部34、並びに中央柱38)については、エネルギーを遮蔽する材質(例えば金属などで)形成することができる。
また、例えばカバー金型32のみを取り外し、ベース金型31内に注型セルSLを嵌め込んだ状態でエネルギーを照射することも可能である。この場合、カバー金型32の材質を自由に選択することができる。
また、熱により液状材料を硬化させる場合には、金属やガラスなど、熱伝導率の高い材質で平板15を形成することが好ましい。注型セルSLを記録層成型器3から取り外すことなく加熱する場合には、ベース金型31及びカバー金型32の熱伝導率も高くしておく。また、ベース金型31又はカバー金型32及びその両方に加熱機構を設けることも可能である。
このように、記録層成型器3は、ディスク基板102を一部として組み込んだ注型セルSLを嵌め込むと共に、密閉系で液状材料を加圧充填することにより、ディスク基板102上に記録層101を成型することができる。
[1−3.実施例]
次に、上述した記録層成型器3を用いて実際に記録層101を成型した実験の結果について説明する。
[1−3−1.実施例1]
ディスク基板102及び平板15として、直径120[mm]、中心孔部の直径15[mm]、厚さ0.6[mm]のドーナツ円状のガラスを使用した。また、スペーサを作製するため、膜厚220[μm]の低密度ポリエチレン・フィルムをコア材とし、両面に膜厚40[μm]のポリエチレン系ホットメルト接着剤層を形成した膜厚300[μm]の3層接着フィルムを準備した。
3層接着フィルムから、外径120[mm]、幅2[mm]でなる輪帯を打ち抜き、これを外周側スペーサ11とした。また、3層接着フィルムから、外径19[mm]、幅2[mm]でなる輪帯を打ち抜き、これを内周側スペーサ12とした。なお、内周側スペーサ12には、対極に幅5[mm]の開口部(注入用開口部12A及び排出用開口部12B)を形成した。
ディスク基板102の中心孔部102Hに沿って内周側スペーサ12を載置し、ディスク基板102の外縁に沿って外周側スペーサ11を載置した。スペーサ群上に平板15を載置し、150[℃]で10秒間熱圧着することにより、スペーサ群とディスク基板102及び平板15を貼り合わせ、注型セルSLを作製した。なお、平板15におけるディスク基板102と対向する面側(スペーサ群と貼り合わされる側)には、市販の離型剤スプレーを吹き付けておいた。
液状材料として、メチルメタクリレートモノマーを含む混合モノマーを2種類用いた。液状材料の粘度は、それぞれ50[mPa/s]及び420[mPa/s]であった。なお粘度測定の条件を下記に示す。本願明細書において実行された粘度測定は、全て下記の条件によって行っている。
粘度計:AERS Rheometer(TA Instruments社製)
せん断速度:100[1/sec]
測定温度:25[℃]
ワニス(液状材料)量:1[ml]
カバー金型32はアルミニウム製、ベース金型31はPET製のものを使用した。
ベース金型31(図5)における中央突部31Bに対し、注型セルSLの中央孔部SLhを挿入することにより、凹み31A内に注型セルSLが嵌め込まれた。凹み31Aの高さは、ディスク基板101の厚さt2と同一となる0.6[mm]とした。中央突部31Bの直径は、15[mm]、高さが0.6[mm]であり、ディスク基板102の厚さt2及び中心孔部102Hの直径と同一とした。
ベース金型31に対してカバー金型32をかぶせ、注型セルSL全体に均等に圧力を加えた状態で固定した。このとき、カバー金型32の中心柱38の切り欠きに形成された注入ノズル受け部33が注入用開口部12Aに接続し、排出ノズル受け部34が排出用開口部12Bに接続するよう、注型セルSLを位置決めした。
記録層成型器3内部の注型セルSLに対し、注入ノズル21を介して液状材料を加圧注入した。液状材料の注入に伴い、注型セルSL内の空気が排出ノズル41を介して排出され、やがて注型セルSLが形成する注入空間JSの全てが液状材料に満たされ、注入空間JSから溢れた液状材料が排出ノズル41から排出された。そして排出ノズル41から液状材料の排出が確認された時点で、液状材料の注入を停止した。
記録層成型器3から注型セルSLを取り出し、100[℃]のオーブンで20分間加熱することにより、液状材料を硬化させた。そして注型セルSLから平板15及びスペーサ群を除去した。このように、基板102上に記録層101が成型された。
本実施例では、2種類の粘度でなる液状材料を使用したが、いずれも空気の侵入は見られず、良好な記録層101を形成することができた。
[1−3−2.実施例2]
本実施例では、液状材料として、マイクロ波の照射によって硬化するマイクロ波硬化型樹脂を用いた。なお、液状材料の粘度は実施例1と同一であった。
実施例1と同様にして、注型セルSLに液状材料を充填した。記録層成型器3から注型セルSLを取り出し、マイクロ波を3分間照射することにより、液状材料を硬化させた。そして注型セルSLから平板15及びスペーサ群を除去した。
本実施例においても、記録層101に空気の侵入は見られず、良好な記録層101が形成された。
[1−3−3.実施例3]
本実施例では、液状材料として、紫外線の照射によって硬化する紫外線硬化型樹脂を使用した。なお、液状材料の粘度は実施例1と同一であった。
実施例1と同様にして、注型セルSLに液状材料を充填した。記録層成型器3に注型セルSLが嵌め込まれたまま、ベース金型31側から紫外線を照射することにより、液状材料を硬化させた。そして注型セルSLから平板15及びスペーサ群を除去した。
本実施例においても、記録層101に空気の侵入は見られず、良好な記録層101が形成された。
[1−3−4.比較例1]
本比較例では、液状材料として、紫外線の照射によって硬化する紫外線硬化型樹脂を使用した。なお、液状材料として4種類の紫外線硬化型樹脂を準備し、その粘度は、それぞれ5、10、20、40[mPa/s]であった。
実施例1と同様にして、注型セルSLに液状材料を充填した。記録層成型器3から注型セルSLを取り出し、ベース金型31側から紫外線を照射することにより、液状材料を硬化させた。そして注型セルSLから平板15及びスペーサ群を除去した。
本比較例においては、注型セルSLを記録層成型器3から取り出す際、記録層101に空気の侵入が見られた。
[1−3−5.実施例4]
本実施例では、比較例1と同一処方でなる紫外線硬化型樹脂を用いた。
実施例1と同様にして、注型セルSLに液状材料を充填した。記録層成型器3に注型セルSLが嵌め込まれたまま、ベース金型31側から紫外線を照射することにより、液状材料を硬化させた。そして注型セルSLから平板15及びスペーサ群を除去した。
本実施例においても、記録層101に空気の侵入は見られず、良好な記録層101が形成された。すなわち、粘度の低い液状材料を用いた場合であっても、硬化後に注型セルSLを記録層成型器3から取り出すことにより、良好な記録層101を形成し得ることが確認された。
[1−3−6.比較例2]
本比較例では、内周側スペーサ12に排出用開口部12Bを、外周側スペーサ11に注入用開口部11Aを有するスペーサ群を用いて、実施例1と同様に注型セルSLを形成した。カバー金型32として、注入ノズル受け部33が外周部分に設けられているものを使用した。
実施例1と同様にして、注型セルSLに液状材料を充填した。記録層成型器3に注型セルSLが嵌め込まれたまま、ベース金型31側から紫外線を照射することにより、液状材料を硬化させた。そして注型セルSLから平板15及びスペーサ群を除去した。
本比較例では、記録層101に空気の残留が確認された。これは、注入用開口部11Aから注入された液状材料が直線的に排出用開口部12Bへ向かってしまい、液状材料が注入用開口部11A及び排出用開口部12Bを結ぶ直線からみて直角に膨らむ外周部分まで十分に到達できなかったためと考えられる。
[1−3−7.まとめ]
以上のことから、記録層成型器3を用いることにより、液状材料の粘度に拘らず、基板102上に良好な記録層101を形成し得ることが確認された。注型セルSLを記録層成型器3から取り出してから液状材料を硬化させる場合、液状材料の粘度は50[mPa/s]以上であることが望ましい。また記録層成型器3から注型セルSLを取り出さずに液状材料を硬化させる場合には、液状材料の粘度が50[mPa/s]未満であっても良好な記録層101を形成することができた。
液状材料は、熱硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂及びマイクロ波硬化型樹脂のいずれにおいても差異はみられず、良好な記録層101が形成された。
外周側スペーサ11に設けられた注入用開口部11Aから液状材料が注入された場合には、空気の残留が確認された。これに対して、内周側スペーサ12に設けられた注入用開口部12Aから液状材料が注入された場合には、空気の残留がない良好な記録層101が形成された。
[1−4.動作及び効果]
以上の構成において、本発明の光ディスクの製造方法では、以下のように光ディスク100が製造される。注型セルSLを介してベース金型31及びカバー金型32によって形成され、中央に中央孔部SLhを有する円板状の注入空間JSに対し、注入空間JSにおける内縁部分に接続して形成された注入孔としての注入ノズル受け部33から液状材料が注入される。注入空間JSにおける円板の平面方向において注入ノズル受け部33及び中央孔部SLhの中心を通る直線上に形成され、かつ注入ノズル受け部33と対極の位置にある排出孔としての排出ノズル受け部34から空気が排出される。
注入空間JSに注入された液状材料を硬化させ、スペーサ群及び平板15が取り除かれることにより、硬化された液状材料である記録層101を注入空間JSから取り出す。
ここで、従来の光ディスクの製造方法として、上述したスピンコートが挙げられる。実際上、0.1[mm]でなるBDの保護層は、紫外線硬化型樹脂をスピンコートによって塗布し、硬化することにより形成されている。しかしながら、スピンコートは、0.05[mm]未満の薄膜に適した方法であり、0.1[mm]と厚膜の保護層を形成するために、紫外線硬化型樹脂の粘度を例えば200[mPa/s]以上に調整している。
言い換えると、スピンコートでは、粘度調整が必要となるため、液状材料の設計に制限が課せられ、記録層101の特性に応じた自由な樹脂を使用することができなくなってしまう。
また、従来の光ディスクの製造方法として、射出成型が挙げられる。実際上、1.1[mm]でなるBDの基板や、0.6[mm]でなるDVDの基板は、射出成型によって形成されている。しかしながら、射出成型は、非常に大きな圧力を印加して細部まで液状材料を行き渡らせる手法であり、金型からの液漏れを防止するため、液状材料の粘度が10000[mPa/s]程度でなくてはならない。すなわち、かかる大きな圧力を印加する手法では、本実施の形態で使用しているような粘度の低い硬化型の樹脂を用いることができない。
これに対して、本発明では、注入ノズル受け部33を内周側に設け、注入空間JSの外縁に液状材料を衝突させ、外周側に沿って液状材料を進行させるように液状材料を注入する。これにより本発明では、移動距離の大きい外周側と移動距離の小さい内周側とにおいて、注入された液状材料をほぼ同時に進行させることができ、排出ノズル受け部34に空気を順次押し出させ、残留させないようにできる。
実際上、様々な粘度でなる液状材料を用いた実験において、ドーナツ型の円板状でなる光ディスク100において、記録層101を空気の侵入なく形成できることが確認された。
本発明では、液状材料を注入する際、当該液状材料が加圧注入される。これにより、本発明では、注入空間JSにおける空気を適切に押し出すことができる。また本発明では、注入空間JSに対する液状材料の充填速度を向上させ、量産性を向上させることができる。
注入空間JSは、円板の平面方向と垂直な厚さt1が0.05[mm]以上、1.0[mm]以下でなる。これにより、本発明は、厚膜でなる記録層101を空気の侵入なく形成することができる。
注入空間JSは、2枚の円板である基板102及び平板15間に当該2枚の円板と密着するスペーサとしてのスペーサ群(外周側スペーサ11及び内周側スペーサ12)が設置された注型セルSLを介して形成される。これにより、本発明は、簡易な構成で注入空間JSを形成する注型セルSLを形成することができる。
当該注型セルSLが載置されるベース金型31と、ベース金型31の上部を覆うカバー金型32とによって形成され注型セル厚さと同一の厚さを有する内部空間IS内に、注入空間JSを形成する注型セルSLが保持される。
これにより、本発明では、内部空間IS内に直接液状材料を注入しないため、密閉系の内部空間ISを形成するために必要となる注入ノズル受け部33及び排出ノズル受け部34を有し、複雑な構成でなるカバー金型32に対し、液状材料を接触させなくて済む。
これにより、本発明では、記録層101を作製する工程からカバー金型32を洗浄する工程を省略することができ、量産性を高めることができる。
2枚の円板のうちの一方は、硬化された液状材料と隣接する隣接層としての、基準層103が形成された基板102である。これにより、本発明では、基板102上に直接記録層101を形成することができるため、記録層101を単体で形成して貼り合わせる方法と比較して、工程を簡略化することができる。
エネルギーを加えることにより液状材料を硬化させる際、注型セルSLは、内部空間ISから取り出される。これにより、本発明では、エネルギーに対するベース金型31及びカバー金型32の性質を考慮せずに済み、ベース金型31及びカバー金型32として自由な材質を選択することができる。
エネルギーを加えることにより液状材料を硬化させる際、注型セルSLは、内部空間IS内に保持される。これにより、本発明は、液状材料の粘度が40[mPa/s]以下と低い場合であっても、内部空間ISを構成するベース金型31又はカバー金型32によって空気の侵入を防止でき、注入空間JSへの空気の侵入を防止できる。また、本発明は、記録層成型器3によって膜厚を均一に保持したまま記録層101を成型できる。
エネルギーを加えることにより液状材料を硬化させる際、注型セルSLは、カバー金型32が取り外された状態でベース金型32内部に保持される。これにより、本発明は、ベース金型32から注型セルSLを取り外すために注型セルSLに振動を加えずに済み、注入空間JSへの空気の侵入を防止できる。また、カバー金型32がない状態でエネルギーを加えることができるため、カバー金型32として自由な材質を選択することができる。
硬化された液状材料は、屈折率変調による3次元的な記録マークが厚さ方向に重なるように複数形成される記録層101である。これによる本発明では、体積型記録媒体に使用される記録層101を良好に製造することができる。
本発明では、液漏れが生じるため大きな圧力を印加できない3500[mPa/s]未満の粘度でなる液状材料を用いた場合であっても、良好な記録層101を形成することができる。
本発明では、粘度が5[mPa/s]より大きい液状材料を用いた場合に、実際に良好な記録層101を形成できることが確認された。
本発明では、粘度が40[mPa/s]より大きい液状材料を用いることにより、注型セルSLをベース金型32から取り出しても空気の侵入がないことが確認された。
液状材料は、硬化前のエネルギー線硬化型樹脂、熱硬化性樹脂、又はシリケート化合物のいずれかを含有する。これにより、本発明では、液状材料を迅速に硬化させることができ、記録層101の量産性を向上することができる。
エネルギー線は、電子線、紫外線、可視光線、赤外線、マイクロ波のいずれかでなる。これらのエネルギー線によって硬化する樹脂材料は市場に多く出回っており、エネルギー線の照射装置も多く存在し、また安全性も確保されているからである。
スペーサ群は、片面又は両面が接着性を有する接着フィルムでなる。これにより、スペーサ群が基板102及び平板15をしっかりと密着し、注入される液状材料を確実に堰き止めることができる。
本発明の光ディスク製造装置としての記録層成型器3は、中央に中央孔部SLhを有する円板状の注入空間JSを有する注型セルSLを保持することにより、当該注型セルSLを介して注入空間JSを形成する。
記録層成型器3は、注入用開口部12Aを介して液状材料を注入するため、注入空間JSにおける内縁部分に接続して注入ノズル受け部33が設けられている。記録層成型器3は、排出用開口部12Bを介して空気及び液状材料を排出するため、円板の平面方向における注入ノズル受け部33及び中央孔部SLhの中心を通る直線上に形成された排出孔としての排出ノズル受け部34が設けられている。
これにより記録層成型器3は、注入空間JSの内縁部分から外周側に向けて液状材料を注入できるため、注入空間JSの外縁に沿って液状材料を移動させることにより、大きな圧力を印加することなく当該注入空間JSの外周側の空気を押し出すことができる。
以上の構成によれば、記録層成型器3は、ドーナツ円板状の注入空間JSに対し、外周側の壁に液状材料を衝突させるように、内縁部分から外周側に向けて液状材料を注入するようにした。
これにより、記録層成型器3は、空気の残留しやすい外周側に優先的に液状材料を注入することができ、当該外周側における空気を優先的に排出することができる。かくして本発明は、均一な膜厚のドーナツ円板を作製し得る光ディスクの製造方法及び光ディスク製造装置を実現できる。
<2.第2の実施の形態>
[2−1.記録層成型器の構成]
図8〜図10に示す第2の実施の形態においては、図1〜図7に示す第1の実施の形態と対応する箇所に同一符号を附して示し、同一箇所についての説明を省略する。第2の実施の形態では、外周側スペーサ11に対応する外周側スペーサ51に排出用開口部51Aを有している点が、第1の実施の形態と異なっている。
図8(B)に示すように、内周側スペーサ52は、注入用開口部52Aを有している。外周側スペーサ51は、排出用開口部51Bを有している。この排出用開口部51は、ディスク基板102の中心及び注入用開口部52Aを通る直線上に、かつ当該注入用開口部52Aと対極側に設けられている。
また図8(C)に示すように、平板15に対応する平板53は、中心に孔部を有しておらず、単純な円形板状でなる。これにより、平板の孔部と記録層成型器50との間に生じる液漏れを未然に防止することができる。
図9に示すように、記録層成型器3に対応する記録層成型器50において、排出ノズル受け部34は、外周側スペーサ51に設けられた排出用開口部51Bに接続するように、ベース金型56の外周部分に設けられている。
図10に示すように、カバー金型55の中心柱38には、注入ノズル受け部33のみが設けられている。
そして液状材料が注入ノズル21から供給されると、内周側スペーサ52に設けられた注入用開口部52Aから注型セルSLに液状材料が充填され、押し出された空気及び溢れた液状材料が排出用開口部51Bを介して排出ノズル41から排出されるようになされている。
このように記録層成型器50では、注型セルSLの内周側から液状材料を注入し、当該注型セルSLの外周側から空気及び液状材料を排出するようになされている。
[2−2.実施例]
[2−2−1.実施例5]
平板53として中心孔部のない円形板を用いたこと、また内周側スペーサ52に注入用開口部52Aのみを設け、外周側スペーサ51に排出用開口部51を設けたこと以外は、実施例1と同様にして注型セルSLを作製した。なお、液状材料の粘度は実施例1と同一であった。カバー金型55はアルミニウム製、ベース金型56はPET製のものを使用した。
記録層成型器50を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、注型セルSLに液状材料を充填した。記録層成型器50から注型セルSLを取り出し、100[℃]のオーブン内で20分間加熱することにより液状材料を硬化させた。そして注型セルSLから平板53及びスペーサ群を除去した。
本実施例においても、記録層101に空気の侵入は見られず、良好な記録層101が形成された。
[2−2−2.実施例6]
本実施例では、液状材料として、マイクロ波の照射によって硬化するマイクロ波硬化型樹脂を用いた。なお、液状材料の粘度は実施例1と同一であった。
実施例5と同様にして、注型セルSLに液状材料を充填した。記録層成型器50から注型セルSLを取り出し、マイクロ波を3分間照射することにより、液状材料を硬化させた。そして注型セルSLから平板53及びスペーサ群を除去した。
本実施例においても、記録層101に空気の侵入は見られず、良好な記録層101が形成された。
[2−2−3.実施例7]
本実施例では、液状材料として、紫外線の照射によって硬化する紫外線硬化型樹脂を使用した。なお、液状材料の粘度は実施例1と同一であった。
実施例5と同様にして、注型セルSLに液状材料を充填した。記録層成型器50に注型セルSLが嵌め込まれたまま、ベース金型56側から紫外線を照射することにより、液状材料を硬化させた。そして注型セルSLから平板53及びスペーサ群を除去した。
本実施例においても、記録層101に空気の侵入は見られず、良好な記録層101が形成された。
[2−2−4.まとめ]
以上のことから、排出用開口部51Bを外周側スペーサ51に設けた場合であっても、良好な記録層101を成型し得ることが確認された。
また、上方向(カバー金型55)から注入した液状材料を下方向(ベース金型56)から排出した場合であっても、良好な記録層101を形成し得ることが確認された。
[2−3.動作及び効果]
以上の構成において、記録層成型器50は、注入空間JSの外縁部分と接続して排出孔としての排出ノズル受け部34を有するようにした。この場合であっても、記録層成型器50は、第1の実施の形態と同様の作用により、空気を残留させることなく良好な記録層101を形成し得ることが確認された。
記録層成型器50は、注入空間JSの下方向に排出ノズル受け部34を設けた。この場合であっても、記録層成型器50は、第1の実施の形態と同様の作用により、空気を残留させることなく良好な記録層101を形成し得ることが確認された。
すなわち、厚さt1が1.0[mm]以下と小さい注入空間JS内において、上方向又は下方向のいずれから液状材料を注入及び排出した場合であっても、その力が注入空間JSの平面方向内に変換されるため、注入ノズル受け部33及び排出ノズル受け部34の方向は特に問題とならない。
以上の構成によれば、本発明の光ディスクの製造方法では、注入空間JSの内縁部分に接続する注入ノズル受け部33から液状材料を注入し、当該注入ノズル受け部33及び注入空間JSの中心を通る直線上に、かつ当該注入ノズル受け部33と対極となる当該注入空間JSの外縁部分から空気及び液状材料を排出するようにした。これにより、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
<3.第3の実施の形態>
図11〜図12に示す第3の実施の形態においては、図8〜図10に示す第2の実施の形態と対応する箇所に同一符号を附して示し、同一箇所についての説明を省略する。第3の実施の形態では、注入ノズル受け部33がベース金型56に対応するベース金型86に設けられている点が、第2の実施の形態と異なっている。
[3−1.記録層成型器の構成]
図11に示すように、注型セルSLの構成は第2の実施の形態と同様なため、説明を省略する。記録層成型器50に対応する記録層成型器80では、ベース金型86に注入ノズル受け部33及び排出ノズル受け部34が形成されている。
図12に示すように、ベース金型86は、底板91から円筒部92及び中心柱94が突出する構成でなる。円筒部92の高さは、注型セル厚さt1+ta+t2と同一になるように形成されている。
中心柱94は、その直径がディスク基板102の中心孔部102Hとほぼ同一直径に形成されており、当該ディスク基板102の中心孔部102Hが嵌め込まれることにより、注型セルSLを水平方向に固定する。また中心柱94の高さは、ディスク基板102の厚さt2と記録層101の厚さt1とを加算した高さに設定されており、中心柱94の固定面94Aが平板53に当接し、注型セルSLを垂直方向に固定するようになされている。
すなわちベース金型86は、注型セルSLを固定する機能、注型セルSLと同一高さでなる内部空間ISを確保する機能及び液状材料の注入及び排出のための貫通孔を有する機能の全てを担っている。この結果、カバー金型85を単なる円板として構成することが可能となる。
例えば液状材料として紫外線硬化型樹脂を用い、記録層成型器80から注型セルSLを取り出すことなく紫外線を照射する必要がある場合に、カバー金型85として例えば石英ガラス板を用いることができ、記録層成型器80としての構成を簡易にすることができる。また、カバー金型85として必ずしも円形板を用いる必要ななく、例えば矩形状や正方形状の板を用いることも可能である。
このように記録層成型器80は、注型セルSLを固定する機能、注型セルSLと同一高さでなる内部空間を確保する機能及び液状材料の注入及び排出のための貫通孔を有する機能の全てをベース金型86に付加した。これにより記録層成型器80は、カバー金型85の構成を簡易にし得るようになされている。
[3−2.実施例]
[3−2−1.実施例8]
本実施例では、液状材料として、マイクロ波の照射によって硬化するマイクロ波硬化型樹脂を用いた。なお、液状材料の粘度は実施例1と同一であった。なお、液状材料の粘度は実施例1と同一であった。カバー金型85はPET製、ベース金型86はアルミニウム製のものを使用した。
記録層成型器80を用いた以外は、実施例5と同様にして、注型セルSLに液状材料を充填した。記録層成型器80から注型セルSLを取り出し、マイクロ波を3分間照射することにより、液状材料を硬化させた。そして注型セルSLから平板53及びスペーサ群を除去した。
本実施例においても、記録層101に空気の侵入は見られず、良好な記録層101が形成された。
[3−2−2.実施例9]
実施例9と同様にして、注型セルSLに液状材料を充填した。記録層成型器80から注型セルSLを取り出し、100[℃]のオーブン内で20分間加熱することにより液状材料を硬化させた。そして注型セルSLから平板53及びスペーサ群を除去した。
本実施例においても、記録層101に空気の侵入は見られず、良好な記録層101が形成された。
[3−2−3.まとめ]
以上のことから、ベース金型86に注型セルSLを固定する機能、注型セルSLと同一高さでなる内部空間ISを確保する機能及び液状材料の注入及び排出のための貫通孔を有する機能の全てを付加した場合であっても、良好な記録層101を成型し得ることが確認された。
また、下方向(ベース金型86)の内周側から注入した液状材料を下方向の外周側から排出した場合であっても、良好な記録層101を形成し得ることが確認された。言い換えると、注入及び排出の方向(上下方向)による差異は殆どなく、任意に選択しうることがわかった。
[3−3.動作及び効果]
以上の構成において、記録層成型器80のベース金型86は、注型セルSLを固定するための中心柱94、注型セルSLと同一高さでなる内部空間ISを確保するための円筒部92及び液状材料の注入及び排出のための貫通孔である注入ノズル受け部33及び排出ノズル受け部34を有する。
これにより記録層成型器80は、カバー金型85を単なる平板として形成することができ、当該カバー金型85の構成を簡易にすることができる。
以上の構成によれば、ベース金型86に注型セルSLを固定する機能、注型セルSLと同一高さでなる内部空間ISを確保する機能及び液状材料の注入及び排出のための貫通孔を有する機能の全てを付加した。この場合であっても、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
<4.第4の実施の形態>
図13〜図14に示す第4の実施の形態においては、図1〜図7に示す第1の実施の形態と対応する箇所に同一符号を附して示し、同一箇所についての説明を省略する。第4の実施の形態では、ベース金型201が中心柱38に対応する中心柱205を有している点が第1の実施の形態と異なっている。
[4−1.記録層成型器の構成]
図13(A)に示すように、記録層成型器3に対応する記録層成型器200では、カバー金型202ではなく、ベース金型201が中心柱205を有している。なお、図13(B)に示すように、注型セルSLとしての構成は第1の実施の形態と同様なため、説明を省略する。
図14に示すように、ベース金型201は、底板203と当該底板203から突出する円柱状の突出部204及び中心柱205を有している。円筒部206は、その内径がディスク基板102の外径とほぼ同一径でなり、注型セルSLを固定する機能を有している。
突出部204は、ディスク基板102の中心孔部102Hの直径とほぼ同一径でなり、円筒部202と共に注型セルSLを固定する機能を有している。中心柱205は、突出部204からさらに突出して設けられている。
中心柱205は、カバー金型202に設けられた注入ノズル受け部33及び排出ノズル受け部34をよけるように細長の形状に形成されており、カバー金型202との距離を保持し、内部空間ISの高さを面方向に均一に保つようになされている。また中心柱205は、注型セルSL内に注入された液状材料をせき止める土手の役割を担っている。
記録層成型器200では、中心柱205をベース金型201に設けているため、カバー金型202が除去されても、当該中心柱205によって液状材料を保持し続けることができる。
このため記録層成型器200では、注型セルSL内に液状材料を充填後、カバー金型202を取り外し、露出した平板15側から紫外線などのエネルギーを照射することができる。
これにより、記録層成型器200では、粘度の低い液状材料であっても良好な記録層101を形成し得る。さらに記録層成型器200では、ベース金型201及びカバー金型202として、自由な材質を使用することができる。
このように、記録層成型器200では、液状材料をせき止める土手の役割を担う中心柱をベース金型201に設けた。これにより、記録層成型器200では、注型セルSLをベース金型201に嵌め込んだ状態で、当該注型セルSLに直接的にエネルギーを照射し得るようになされている。
[4−2.光ディスクの記録層形成処理手順]
次に、光ディスクの記録層形成処理手順RT1について、図15のフローチャートを用いて説明する。
ステップSP1において、まず注入空間JSを形成する。具体的には、注入空間JSを有する注型セルSLを形成し、当該注型セルSLを記録層成型器200にセッティングする。これにより、記録層成型器200は、注型セルSLを介して注入空間JSを形成する。
ステップSP2において、注型セルSLの内縁部分に設けられた注入用開口部12Aを介して、注入ノズル受け部33から液状材料を注入する。また注型セルSLにおいて注入用開口部12Aと対極にある排出用開口部12Bを介して、排出ノズル受け部34から空気及び液状材料を排出することにより、液状材料を充填する。
ステップSP3において、熱又はエネルギー線などのエネルギーを加えることにより、液状材料を硬化させる。
ステップSP4において、注型セルSLから平板15及びスペーサ群を除去することにより、注入空間JSから記録層101を取り出す。これにより、光ディスク100の記録層101が形成され、光ディスクの記録層形成処理手順を終了する。
[4−3.動作及び効果]
以上の構成において、記録層成型器200は、底板203から突出して設けられ、カバー金型202がベース金型201上に載置されたときに、ベース金型201によって注型セル厚さと同一高さでなる内部空間ISを確保する中央柱205を有している。中央柱205は、注型セルSLにおける中央孔部SLhを貫通することにより、注入ノズル受け部33及び排出ノズル受け部34と接続する注型セルSLの開口部としての注入用開口部12A及び排出用開口部12Bからの液状材料の流出を防止する。
これにより、記録層成型器200は、カバー金型202を取り外し、注型セルSLをベース金型201に嵌め込んだ状態で、当該注型セルSLに直接的にエネルギーを照射することができる。このため、記録層成型器200は、液状材料を硬化させる際、カバー金型202によってエネルギーを吸収させないため、エネルギー効率を向上させることができる。
また本発明による光ディスクの製造方法では、光としての情報光ビームの照射に応じて記録マークを形成する記録層101に隣接する隣接層としてのディスク基板102上に、記録層101の厚さt1とほぼ同一の厚さでなる注入空間JSを有する注型セルとしての注型セルSLを形成する。
光ディスクの製造方法では、注型セルSLの内部に液状でなる液状材料を充填し、液状材料に対してエネルギーを加えることにより、液状材料が硬化してなる記録層101を形成し、注型セルSLから平板15及びスペーサ群を除去する。
これにより、光ディスクの製造方法では、ディスク基板102上に直接的に厚膜の記録層101を形成することができる。
以上の構成によれば、本発明の光ディスクの製造方法では、ディスク基板102上に注型セルSLを形成し、当該注型セルSLに液状材料を充填して硬化させる。これにより、本発明では、液状材料の粘度に拘らず、ディスク基板102上に直接的に厚膜の記録層101を形成することができる。
<5.他の実施の形態>
なお上述した第1〜第4の実施の形態においては、ベース金型及びカバー金型によって形成される内部空間IS内に注型セルSLを保持するようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば図15に示すように、注型セルSLを用いることなく、ベース金型301とカバー金型302とによって形成される内部空間を注入空間JSとするようにしても良い。この場合、記録層成型器300内において液状樹脂を硬化させると共に、当該記録層成型器300から硬化された液状樹脂を取り出し、不要部分をカットすることにより、上述した実施の形態と同様に記録層101を形成することができる。
なお記録層成型器300のベース金型301は、底板203が凹部201Aを有しておらず、平板から中央柱305が突出する点以外は第4の実施の形態のベース金型201と同様の構成を有している。またカバー金型302は、円筒部37の高さが記録層厚さt1でなり、当該円筒部37の内径が記録層101の外径と同一径に形成されている以外は、カバー金型202と同様の構成を有している。
また上述した第1〜第4の実施の形態においては、光ディスク100が基準層103を有するようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、必ずしも基準層103を有さなくても良い。この場合、例えば記録層101内にサーボマークなどを形成しておき、光情報記録再生装置が当該サーボマークを検出することにより、光ビームの目標位置を決定することができる。また光ディスク100の構成としては、図2に示したものに限られない。例えば、記録層101単体として物理的強度を確保できるのであれば、当該記録層101のみで光ディスクを構成するようにしても良い。また光ディスク100及び記録層101の直径に制限はない。
さらに上述した第1〜第4の実施の形態においては、ディスク基板102上に直接記録層101を形成するようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えばドーナツ円板状の記録層101を形成し、接着シートや接着剤などにより隣接する隣接層に貼り合わせても良い。
さらに上述した第1〜第4の実施の形態においては、記録層成型器3を用いて記録層101を形成するようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えばディスク基板102やカバー層104などを形成するようにしても良い。
さらに上述した第1〜第4の実施の形態においては、内縁部分に形成された注入ノズル受け部33から液状材料を注入し、当該注入ノズル受け部33の対極に設けられた排出ノズル受け部34から空気を排出するようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、注入孔及び排出孔の位置に必ずしも制限されず、要は隣接する基準層103が形成されたディスク基板102上に注入空間JSが形成され、液状材料の充填及び硬化によって記録層101が形成されればよい。
さらに上述した第1〜第4の実施の形態においては、排出ノズル受け部34を介して液状材料が排出されるようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、少なくとも空気が排出されれば良い。
さらに上述した実施の形態においては、注入ノズル受け部33及び嵌込部23が、ねじ方式であるようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、要は液漏れの内容密閉できれば良く、その構成に制限はない。排出ノズル受け部34及び嵌込部43についても同様である。
さらに上述した第1〜第4の実施の形態においては、液状材料を加圧注入するようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば減圧を併用しても良く、また圧力を加えなくても良い。
さらに上述した第1の実施の形態においては、スペーサ群と平板15を用いて注型セルSLを形成するようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば金型を用いて直接ディスク基板102上に注型セルSLを形成しても良い。
さらに上述した第1〜第4の実施の形態においては、低粘度でなる液状材料を用いるようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、液状材料の粘度に制限はない。本発明は、例えば粘度が大きい液状材料を用いた場合には、当該液状材料に加える圧力を大きくすることにより、良好な記録層101を形成することができる。
さらに上述した第1〜第4の実施の形態においては、隣接する基準層103として中心孔を有するドーナツ状の円板を用いるようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば中心孔のない円板を使用し、記録層101の形成後に打ち抜くようにしても良い。
さらに上述した実施の形態においては、記録マークRMを3次元的に形成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば仮想マーク記録層を1層のみ有することにより記録マークRMを2次元的に形成しても良い。
さらに上述の実施の形態においては、光ディスク製造装置としての記録層成型器3を構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる光ディスク製造装置を構成するようにしても良い。
本発明は、例えば映像コンテンツや音声コンテンツ等のような大容量の情報を光情報記録媒体等の記録媒体に記録し又は再生する光情報記録再生装置等でも利用できる。
1……記録層製造装置、3、50、80、200……記録層成型器、11……外側スペーサ、11B、12B……排出用開口部、12……内周側スペーサ、12A……注入用開口部、15、53……平板、31、56、86、201……ベース金型、32、55、85、202……カバー金型、100……光ディスク、101……記録層、102……ディスク基板、103……基準層、104……カバー層、SL……注型セル、IS……内部空間、JS……注入空間、SLh……中央孔部、t1……記録層厚さ、ta……平板厚さ、t2……ディスク基板厚さ。

Claims (20)

  1. 中央に中央孔部を有する円板状の注入空間に対し、上記注入空間における内縁部分に接続して形成された注入孔から液状材料を注入する注入ステップと、
    上記円板の平面方向において上記注入孔及び上記中央孔部の中心を通る直線上に、かつ上記注入孔と対極な位置に形成された排出孔とから空気及び上記液状材料を排出する排出ステップと、
    上記注入空間に注入された液状材料を硬化させる硬化ステップと、
    上記硬化された液状材料を上記注入空間から取り出す取出ステップと
    を有する光ディスクの製造方法。
  2. 上記注入ステップでは、
    上記液状材料を加圧注入する
    請求項1に記載の光ディスクの製造方法。
  3. 上記排出ステップでは、
    上記注入空間が大気圧以下の圧力になるよう上記空気及び上記液状材料を排出する
    請求項1に記載の光ディスクの製造方法。
  4. 上記注入空間は、
    上記円板の平面方向と垂直な厚さが0.05[mm]以上、1.0[mm]以下でなる
    請求項2に記載の光ディスクの製造方法。
  5. 上記注入空間は、
    2枚の円板間に当該2枚の円板と密着するスペーサが設置されることにより形成される注型セルでなる
    請求項3に記載の光ディスクの製造方法。
  6. 上記注入ステップ及び排出ステップにおいて、
    注型セルが載置されるベース金型と、上記ベース金型の上部を覆うカバー金型とによって形成され上記注型セルと同一の厚さを有する内部空間内に、上記注型セルが保持される
    請求項5に記載の光ディスクの製造方法。
  7. 上記2枚の円板のうちの一方は、
    上記硬化された液状材料と隣接する隣接層でなる
    請求項6に記載の光ディスクの製造方法。
  8. 上記硬化ステップにおいて、
    上記注型セルは、
    上記内部空間から取り出される
    請求項7に記載の光ディスクの製造方法。
  9. 上記硬化ステップにおいて、
    上記注型セルは、
    上記内部空間内に保持される
    請求項7に記載の光ディスクの製造方法。
  10. 上記硬化ステップにおいて、
    上記注型セルは、
    上記カバー金型が取り外された状態で上記ベース金型内部に保持される
    請求項7に記載の光ディスクの製造方法。
  11. 上記硬化された液状材料は、
    屈折率変調による3次元的な記録マークが上記厚さ方向に重なるように複数形成される記録層である
    請求項1に記載の光ディスクの製造方法。
  12. 上記液状材料は、
    粘度が3500[mPa/s]未満でなる
    請求項7に記載の光ディスクの製造方法。
  13. 上記液状材料は、
    粘度が5[mPa/s]より大きく、より好ましくは40[mPa/s]より大きい
    請求項12に記載の光ディスクの製造方法。
  14. 上記液状材料は、
    硬化前のエネルギー線硬化型樹脂、熱硬化性樹脂、又はシリケート化合物のいずれかを含有する
    請求項1に記載の光ディスクの製造方法。
  15. 上記エネルギー線は、
    電子線、紫外線、可視光線、赤外線、マイクロ波のいずれかでなる
    請求項14に記載の光ディスクの製造方法。
  16. 上記2枚の円板のうちの少なくとも一方は、
    中心孔を有するドーナツ状円板でなる
    請求項7に記載の光ディスクの製造方法。
  17. 上記スペーサは、
    片面又は両面が接着性を有する接着フィルムでなる
    請求項7に記載の光ディスクの製造方法。
  18. 上記ベース金型は、
    底板から突出して設けられ、上記カバー金型が上記ベース金型上に載置されたときに、上記注型セルと同一の厚さでなる内部空間を確保すると共に、上記注型セルにおける上記中央孔部を貫通することにより、上記注入孔及び上記排出孔と接続する上記注型セルの開口部からの上記液状材料の流出を防止する中央柱を有している
    請求項10に記載の光ディスクの製造方法。
  19. 中央に中央孔部を有する円板状の注入空間を形成し、
    液状材料の注入のために、上記注入空間における内縁部分に接続して設けられた注入孔と、
    空気の排出のために、上記円板の平面方向における上記注入孔及び上記中央孔部の中心を通る直線上に、かつ上記注入孔と対極な位置に形成された排出孔とが設けられた空間形成部
    を有する光ディスク製造装置。
  20. 光の照射に応じて記録マークを形成する記録層に隣接する隣接層上に、上記記録層の厚さとほぼ同一の厚さでなる注入空間を有する注型セルを形成する形成ステップと、
    上記注型セルの内部に液状でなる液状材料を充填する充填ステップと、
    上記液状材料に対してエネルギーを加えることにより、上記液状材料が硬化してなる記録層を形成する硬化ステップと、
    上記注型セルを除去する除去ステップと
    を有する光ディスクの製造方法。
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