JP2007101648A - 反射型液晶表示素子及とその製造方法及び反射型液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 干渉光を利用した反射型液晶表示素子の容易な製造方法とそれを使用した反射型液晶表示装置を提供する。
【解決手段】 少なくとも、上面に反射電極を有した単結晶シリコン基板に形成された液晶表示素子部の表示領域外周にシール材を環状に塗布し、一面に透明電極を形成したガラス基板を前記シール材を介して前記単結晶シリコン基板に貼り合わせて成る反射型液晶表示素子において、前記単結晶シリコン基板上の反射電極上にλ=4ndとしてR(赤)、G(緑)、B(青)のそれぞれの波長λに対応した厚さの透明酸化膜を形成した反射型液晶表示素子とし、その製造方法は、最初にRのフィルターに相応した膜厚の透明酸化膜を成膜し、前記透明酸化膜のRとGに対応した画素上にマスクをしてBに対応した画素上の透明酸化膜を所定の膜厚までドライエッチングし、RとBに対応した画素上にマスクをしGに対応した画素上の透明酸化膜を所定の膜厚までドライエッチングする製造方法とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 少なくとも、上面に反射電極を有した単結晶シリコン基板に形成された液晶表示素子部の表示領域外周にシール材を環状に塗布し、一面に透明電極を形成したガラス基板を前記シール材を介して前記単結晶シリコン基板に貼り合わせて成る反射型液晶表示素子において、前記単結晶シリコン基板上の反射電極上にλ=4ndとしてR(赤)、G(緑)、B(青)のそれぞれの波長λに対応した厚さの透明酸化膜を形成した反射型液晶表示素子とし、その製造方法は、最初にRのフィルターに相応した膜厚の透明酸化膜を成膜し、前記透明酸化膜のRとGに対応した画素上にマスクをしてBに対応した画素上の透明酸化膜を所定の膜厚までドライエッチングし、RとBに対応した画素上にマスクをしGに対応した画素上の透明酸化膜を所定の膜厚までドライエッチングする製造方法とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は反射型液晶表示素子とその製造方法及び反射型液晶表示装置に関するものである。
単結晶シリコン基板の表面に液晶表示素子に必要な回路網を形成し、単結晶シリコン基板と透明な基板とで液晶を挟持して液晶表示素子とする液晶表示素子はLCOS(Liquid Crystal On Silicon)と呼ばれ、小型・高精細化に有利な表示素子であり、液晶プロジェクターやビューファインダーに使用されている。従来、液晶表示素子のカラー表示は、液晶セル上にカラーフィルタを実装し実現していため、LCOSにおいては上から、カラーフィルタ、透明基板、液晶、反射電極、液晶駆動回路の層構造となっている。
図4は、従来技術による反射型液晶表示素子の断面図である。上面に反射電極6を有したシリコン基板5と一面に透明電極を形成したガラス基板3とを、液晶表示素子部の表示領域外周に環状に塗布されたシール材4を介して貼り合わせて成る反射型液晶パネルに、カラーフィルタ1を貼り合せた構造であり、カラーフィルタ1は赤フィルタ2R、緑フィルタ2G、青フィルタ2Bとブラックマトリクスで構成されている。
反射型液晶パネルは、フレキシブル基板など電気配線パターンが施された基板に実装し、反射型液晶パネルの各表示画素とカラーフィルタの画素を精確に位置合わせし、反射型液晶パネル上面に貼り付ける。
図4のような構造では、カラーフィルタに形成されたブラックマトリクスによる開口率の制限、カラーフィルタの光吸収による輝度の低下が起きる。また、これら機能上の問題以外に製造上の問題として、反射型液晶パネルの各表示画素とカラーフィルタの画素を精確に位置合わせする必要がある他、カラーフィルタを貼り合わせる際に、反射型液晶パネルとカラーフィルタの間に空気だまりが出来たりゴミが入るなどの不具合が生じる。
前記欠点を解消するカラー液晶表示素子として、カラーフィルタを使用しないカラー液晶表示素子が開発されている。例えば干渉光を利用した反射型液晶表示素子であり、外部から入射した光が反射板から反射した光と、薄膜上で反射した光の光路差が波長の整数倍となった光が強められ、逆に整数倍以外の光は弱められる光の干渉を利用したものである。(例えば特許文献1)
干渉光を利用した反射型液晶表示素子の容易な製造方法とそれを使用した反射型液晶表示装置を提供する。
少なくとも、上面に反射電極を有した単結晶シリコン基板に形成された液晶表示素子部の表示領域外周にシール材を環状に塗布し、一面に透明電極を形成したガラス基板を前記シール材を介して前記単結晶シリコン基板に貼り合わせて成る反射型液晶表示素子において、前記単結晶シリコン基板上の反射電極上にλ=4ndとしてR(赤)、G(緑)、B(青)のそれぞれの波長λに対応した厚さの透明酸化膜を形成した反射型液晶表示素子とする。ここで、nは酸化膜の屈折率、dは透明酸化膜の厚さである。
少なくとも、単結晶シリコンマザー基板に液晶表示素子部をマトリクス状に所定距離離して複数個形成する工程と、前記液晶表示素子部の反射電極上にλ=4ndとしてR、G、Bのそれぞれの波長λに対応した厚さの透明酸化膜を形成する工程と、前記液晶表示素子部の表示領域の外周にシール材を塗布する工程と、一面に透明電極を形成したガラスマザー基板と前記単結晶シリコンマザー基板を前記シール材を介して貼り合わせる工程と、個々の液晶表示素子部に分断する工程と、個々の液晶表示素子部に液晶を注入し封口する工程を具備する反射型液晶表示素子の製造方法とする。
Rのフィルターに相応した膜厚の透明酸化膜を成膜する工程と、前記透明酸化膜のRとGに対応した画素上にマスクをしBに対応した画素上の透明酸化膜を所定の膜厚までドライエッチングする工程と、RとBに対応した画素上にマスクをしGに対応した画素上の透明酸化膜を所定の膜厚までドライエッチングする工程を具備する反射型液晶表示素子の製造方法とする。
少なくとも、回路基板と、該回路基板に表示面を上にして搭載される前記反射型液晶表示素子と、該回路基板に搭載され回路基板面上部に発光する発光素子と、前記発光素子の上面に位置するように配置される導光板と、該導光板の内側面の前面に配置される拡散部材及び偏光板と、該偏光板から前記回路基板に対して平行に出光する光を反射し、前記反射型液晶表示素子に入射するように前記平行光の前方に配置される半透過型反射シートとを組み込んだ筐体を有し、前記筐体が前記反射型液晶表示素子の上部に搭載されてなる反射型液晶表示装置とする。
本発明では、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)のカラーを反射電極上に形成する透明酸化膜の厚さ調整だけで実現するため開口率が高く、かつ高輝度のディスプレイを実現できる。
請求項4の発明では、反射型液晶表示素子に入射する光が垂直になるので鮮明な画像が得られる。
少なくとも、上面に反射電極を有した単結晶シリコン基板に形成された液晶表示素子部の表示領域外周にシール材を環状に塗布し、一面に透明電極を形成したガラス基板を前記シール材を介して前記単結晶シリコン基板に貼り合わせて成る反射型液晶表示素子において、前記単結晶シリコン基板上の反射電極上にλ=4ndとしてR(赤)、G(緑)、B(青)のそれぞれの波長λに対応した厚さの透明酸化膜を形成した反射型液晶表示素子とし、その製造方法は、最初にRのフィルターに相応した膜厚の透明酸化膜を成膜し、前記透明酸化膜のRとGに対応した画素上にマスクをしてBに対応した画素上の透明酸化膜を所定の膜厚までドライエッチングし、RとBに対応した画素上にマスクをしGに対応した画素上の透明酸化膜を所定の膜厚までドライエッチングする製造方法とする。
図3は本発明の原理を説明するための図である。図3においてdは透明酸化膜8の厚さ、nは透明酸化膜8の屈折率である。波長λの平行な入射光7が入射角iで透明酸化膜8に入射すると、透明酸化膜8の上面で反射した反射光7aと、反射電極6で反射した反射光7bの間には、2ndcosj(i+j=90度)の光路差が生じる。透明酸化膜8は例えば屈折率2.4の酸化チタンで、液晶は屈折率が約1.5である。透明酸化膜8は上面で液晶と接しているので、透明酸化膜8の上面で反射する光は固定端による反射で位相が反転する。すなわち波長が1/2ずれる。よって光路差がλ/2の時反射光は干渉により強めあうことになる。これを式に表すと、λ/2=2ndcosjとなる。反射型の液晶表示素子では、光は液晶表示素子に垂直に入射するので、j=90度であり上式は、λ/2=2nd(λ=4nd)となる。すなわち、R、G、Bのそれぞれの波長λに対応した透明酸化膜厚dを選択することによりR、G、Bが実現できる。
図1は本発明の原理を説明するための図である。上面に反射電極6を有したシリコン基板5と一面に透明電極(不図示)を形成したガラス基板3とを、液晶表示素子部の表示領域外周に環状に塗布されたシール材4を介して貼り合わせて成る反射型液晶表示素子で、反射電極6上に透明酸化膜8が3原色用に赤8R、緑8G、青8Bが形成されている。透明酸化膜8R、8G、8Bの厚さはR、G、Bの波長λから前式で求められる。各波長は例えばR=660nm、G=520nm、B=450nmである。
図2は、本発明による反射型液晶表示素子の透明酸化膜の製造方法を説明するための各工程の側面断面図である。工程(A)において単結晶シリコン基板5に形成された液晶表示素子部の全画素上に最も厚い透明酸化膜厚を要するRのフィルターに相応した膜厚の透明酸化膜8を成膜し、工程(B)において、まずRとGに対応した画素上にマスク9を形成し、Bに対応した画素上の透明酸化膜8を所定の膜厚までドライエッチングする。マスク9を除去し、次に工程(C)において、RとBに対応した画素上にマスク9を形成しGに対応した画素上の透明酸化膜8を所定の膜厚までドライエッチングする。工程(D)でマスク9を除去する。Rに対応した画素上の透明酸化膜8は成膜時に既に所定の膜厚になっているためエッチングの必要は無い。これで3原色に対応した透明酸化膜8R、8G、8Bが完成する。
図1は、一つの反射型液晶表示素子の断面図(実際にはR、G、Bが多数個形成されて表示素子となる)であるが、通常量産では一対のマザー基板間に一体に形成された複数の液晶表示素子部を分割して独立した複数の液晶表示素子を製造するのが液晶表示素子の製造方法として一般化している。
図5は本発明による反射型液晶表示装置の正面断面図である。反射型液晶表示装置10は図中に示す目17方向から画像を見るものである。発光素子12からの光(矢印A)は導光部材13の下面から導光部材13に導入される。導入された光は導光部材13の内側面の前面に配置された拡散部材14で拡散され、偏光板15を透過した直線偏光光(以下P波という)だけが矢印Bの方向に進む。半透過型反射シート16はP波を反射するものであり、半透過型反射シート16で反射されたP波は矢印Cに進み、回路基板18に載置されている反射型液晶表示素子11に入射するように半透過型反射シート16が配置されている。19は筐体である。
反射型液晶表示素子11は電源オフ状態でP波がそのまま液晶を通過するように配置してあり、反射型液晶表示素子11で反射されたP波は矢印方向に進む。半透過型反射シート16の偏光板16bはP波を透過しない状態に配置してあり、電源オフ状態では黒表示状態となっている。
反射型液晶表示素子11の電源オン状態ではP波は液晶で偏光され、反射型液晶表示素子11で偏光されて反射された偏光光は矢印方向に進む。半透過型反射シート16の偏光板16bは電源オン状態で反射された光を透過する状態に配置されているので、矢印方向Dに進むので電源オン状態では白表示状態となっている。
反射型液晶表示素子のR、G、B素子をオン、オフすることによりカラー表示がされるが、本実施例では目17に入る光は反射型液晶表示素子11に垂直なので、鮮明な画像が得られる。
1 カラーフィルタ
2R 赤フィルタ
2G 緑フィルタ
2B 青フィルタ
3 ガラス基板
4 シール材
5 シリコン基板
6 反射電極
7 入射光
7a 反射光
7b 反射光
8 透明酸化膜
8R 赤用透明酸化膜
8G 緑用透明酸化膜
8B 青用透明酸化膜
9 マスク
10 反射型液晶表示装置
11 反射型液晶表示素子
12 発光素子
13 導光部材
14 拡散部材
15 偏光板
16 半透過型反射シート
16b 偏光板
17 目
18 回路基板
19 筐体
2R 赤フィルタ
2G 緑フィルタ
2B 青フィルタ
3 ガラス基板
4 シール材
5 シリコン基板
6 反射電極
7 入射光
7a 反射光
7b 反射光
8 透明酸化膜
8R 赤用透明酸化膜
8G 緑用透明酸化膜
8B 青用透明酸化膜
9 マスク
10 反射型液晶表示装置
11 反射型液晶表示素子
12 発光素子
13 導光部材
14 拡散部材
15 偏光板
16 半透過型反射シート
16b 偏光板
17 目
18 回路基板
19 筐体
Claims (4)
- 少なくとも、上面に反射電極を有した単結晶シリコン基板に形成された液晶表示素子部の表示領域外周にシール材を環状に塗布し、一面に透明電極を形成したガラス基板を前記シール材を介して前記単結晶シリコン基板に貼り合わせて成る反射型液晶表示素子において、前記単結晶シリコン基板上の反射電極上にλ=4ndとしてR(赤)、G(緑)、B(青)のそれぞれの波長λに対応した厚さの透明酸化膜を形成したことを特徴とする反射型液晶表示素子。(nは酸化膜の屈折率、dは透明酸化膜の厚さ)
- 少なくとも、単結晶シリコンマザー基板に液晶表示素子部をマトリクス状に所定距離離して複数個形成する工程と、
前記液晶表示素子部の反射電極上にλ=4ndとしてR、G、Bのそれぞれの波長λに対応した厚さの透明酸化膜を形成する工程と、
前記液晶表示素子部の表示領域の外周にシール材を塗布する工程と、
一面に透明電極を形成したガラスマザー基板と前記単結晶シリコンマザー基板を前記シール材を介して貼り合わせる工程と、
個々の液晶表示素子部に分断する工程と、
個々の液晶表示素子部に液晶を注入し封口する工程を具備することを特徴とする反射型液晶表示素子の製造方法。 - Rのフィルターに相応した膜厚の透明酸化膜を成膜する工程と、
前記透明酸化膜のRとGに対応した画素上にマスクをしBに対応した画素上の透明酸化膜を所定の膜厚までドライエッチングする工程と、
RとBに対応した画素上にマスクをしGに対応した画素上の透明酸化膜を所定の膜厚までドライエッチングする工程を具備することを特徴とする請求項2記載の反射型液晶表示素子の製造方法。 - 少なくとも、回路基板と、該回路基板に表示面を上にして搭載される前記反射型液晶表示素子と、該回路基板に搭載され回路基板面上部に発光する発光素子と、前記発光素子の上面に位置するように配置される導光板と、該導光板の内側面の前面に配置される拡散部材及び偏光板と、該偏光板から前記回路基板に対して平行に出光する光を反射し、前記反射型液晶表示素子に入射するように前記平行光の前方に配置される半透過型反射シートとを組み込んだ筐体を有し、前記筐体が前記反射型液晶表示素子の上部に搭載されてなることを特徴とする反射型液晶表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005288350A JP2007101648A (ja) | 2005-09-30 | 2005-09-30 | 反射型液晶表示素子及とその製造方法及び反射型液晶表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005288350A JP2007101648A (ja) | 2005-09-30 | 2005-09-30 | 反射型液晶表示素子及とその製造方法及び反射型液晶表示装置 |
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JP2007101648A true JP2007101648A (ja) | 2007-04-19 |
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ID=38028675
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005288350A Pending JP2007101648A (ja) | 2005-09-30 | 2005-09-30 | 反射型液晶表示素子及とその製造方法及び反射型液晶表示装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2007101648A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009169419A (ja) * | 2008-01-14 | 2009-07-30 | Sysview Technology Inc | LCOS(LiquidCrystalOnSilicon)マイクロディスプレイのカラーに基づいたマイクロデバイス |
-
2005
- 2005-09-30 JP JP2005288350A patent/JP2007101648A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009169419A (ja) * | 2008-01-14 | 2009-07-30 | Sysview Technology Inc | LCOS(LiquidCrystalOnSilicon)マイクロディスプレイのカラーに基づいたマイクロデバイス |
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