JP2007100020A - 硬化性樹脂組成物、保護膜およびその形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)分子中に2個以上のエポキシ基を含有しリビングラジカル重合で得られた重合体、および(B)カチオン重合性化合物(ただし、該(A)成分を構成する重合性不飽和化合物を除く。)を含有する硬化性樹脂組成物であって、(A)重合体を製造するリビングラジカル重合が特定のチオカルボニルチオ化合物を分子量制御剤として用いる重合である硬化性樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
このような保護膜には、当該保護膜を形成すべき基板または下層、さらには保護膜上に形成される層に対して、密着性が高いことが要求される。また、保護膜自体には、平滑で強靭であること、透明性を有すること、耐熱性および耐光性が高く、長期間にわたって着色、黄変、白化などの変質を起こさないこと、耐水性、耐溶剤性、耐酸性および耐アルカリ性に優れたものであることなどの性能が要求される。そして、これらの諸性能を備えた保護膜を形成するための材料として、グリシジル基を有する重合体を含む熱硬化性組成物(特許文献1:特開平5−78453号公報参照)が知られている。
また、このような保護膜をLCD、CCDやCMOSセンサーのカラーフィルターに使用する場合には、下地基板上に形成されたカラーフィルターによる段差を平坦化できることも要求される。
特に、STN方式のカラー液晶表示素子を製造する際には、カラーフィルターと対向基板との貼り合わせの精度を極めて厳密に行わなければならず、保護膜には極めて高度の段差平坦化性能および耐熱耐圧性能が要求されている。
LCDパネルにおいては、高輝度を目的として、ITOなどの透明電極とTFT素子とを透明性の高い層間絶縁膜を介した積層構造にし、開口面積も大きくしたパネルが開発されている。また、従来、カラーフィルターとTFT素子とが別の基板を用いて作製されていたが、層間絶縁膜を用いる場合、カラーフィルターをTFT素子上に形成する手法も開発されている。そして、このような技術背景のもと、耐熱性が高く、かつ下地基板上に形成されたカラーフィルターの段差を平坦化する性能(平坦化能)に優れた保護膜の開発が望まれている。
カラーフィルター用保護膜の形成には、表面硬度に優れた保護膜を簡便に形成できる利点を有する硬化性樹脂組成物を使用することが好都合であるが、透明性などの保護膜としての一般的な要求性能を満たした上、前述したような様々な要求に応えうる保護膜を形成でき、かつ組成物としての保存安定性にも優れた材料は未だ知られていない。
(A)2個以上のエポキシ基を有し、リビングラジカル重合で得られた重合体(以下、「(A)(A)重合体」ということがある。)、および
(B)カチオン重合性化合物(ただし、該(A)成分を構成する重合性不飽和化合物を除く。)を含有する硬化性樹脂組成物であって、(A)重合体を製造するリビングラジカル重合が下記式(1)または式(2)で表されるチオカルボニルチオ化合物を分子量制御剤として用いる重合であることを特徴とする硬化性樹脂組成物(以下、「1液型硬化性樹脂組成物(α)」という。)、によって解決される。
ここで、上記(A)重合体は、それを構成する各重合体鎖の少なくとも一方の末端に下記式(i)で表される基、あるいは下記式(ii)で表される基を有する。
本発明によると、上記課題は、第二に、
(A)成分が、(A1)(a)エポキシ基含有重合性不飽和化合物と(b1)重合性不飽和カルボン酸および/または重合性不飽和多価カルボン酸無水物と(b2)(a)成分および(b1)成分以外の重合性不飽和化合物との共重合体である1液型硬化性樹脂組成物(α)によって好ましく解決される。
本発明によると、上記課題は、第三に、
(A)成分が、(A2)分子中に、2個以上のエポキシ基と、アセタール構造、ケタール構造およびt−ブトキシカルボニル構造よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造とを含有する重合体である1液型硬化性樹脂組成物(α)、
によって好ましく解決される。
本発明によると、上記課題は、第四に、
(A)成分が、(A3)(a)エポキシ基含有重合性不飽和化合物と、(b5)該(a)成分以外の重合性不飽和化合物との共重合体であって、分子中にカルボキシル基、カルボン酸無水物基、アセタール構造、ケタール構造およびt−ブトキシカルボニル構造をもたない共重合体である1液型硬化性樹脂組成物(α)、
によって好ましく解決される。
本発明によると、上記課題は、第五に、
(A3)(a)エポキシ基含有重合性不飽和化合物と、(b5)(a)成分以外の重合性不飽和化合物との共重合体であって、分子中にカルボキシル基、カルボン酸無水物基、アセタール構造、ケタール構造およびt−ブトキシカルボニル構造のいずれをも持たない共重合体、(B)カチオン重合性化合物(ただし、該(A3)成分を構成する重合性不飽和化合物を除く。)、および(C)硬化剤を含有する硬化性樹脂組成物(以下、「1液型硬化性樹脂組成物(α1)」という。)、
によって解決される。
本発明によると、上記課題は、第六に、
(1)上記(A3)成分、および(B)カチオン重合性化合物(ただし、該(A3)成分を構成する重合性不飽和化合物を除く。)を含有する第一成分と、(2)(C)硬化剤を含有する第二成分との組み合わせからなる2液型硬化性樹脂組成物(β)、
によって好ましく解決される。
ここでいう「2液型硬化性樹脂組成物」とは、その第一成分と第二成分との組み合わせが1物品単位として取り扱われるが、最終用途に供する前には第一成分と第二成分とを混合しないでおき、最終用途に供する時点で第一成分と第二成分とを混合して用いる組成物を意味する。
本発明によると、上記課題は、第七に、
上記(A1)成分および上記(A2)成分よりなる群から選ばれる少なくとも1種、(B)カチオン重合性化合物(ただし、該(A1)成分を構成する重合性不飽和化合物および(A2)成分を構成する重合性不飽和化合物を除く。)、(C)硬化剤、および(D)放射線の照射および/または加熱により酸を発生する化合物を含有する硬化性樹脂組成物(以下、「1液型硬化性樹脂組成物(α2)」という。)、
によって好ましく解決される。
本発明によると、上記課題は、第八に、
本発明の硬化性樹脂組成物、好ましくは、上記各1液型硬化性樹脂組成物(α)、1液型硬化性樹脂組成物(α1)、1液型硬化性樹脂組成物(α2)または2液型硬化性樹脂組成物(β)から形成された保護膜、
によって解決される。
本発明によると、上記課題は、第九に、
本発明の硬化性樹脂組成物、好ましくは、基板上に、上記各1液型硬化性樹脂組成物(α)、1液型硬化性樹脂組成物(α1)または2液型硬化性樹脂組成物(β)を用いて被膜を形成し、次いで加熱処理することを特徴とする保護膜の形成方法、
によって達成される。
本発明によると、上記課題は、第十に、
基板上に、1液型硬化性樹脂組成物(α2)を用いて被膜を形成し、次いで放射線の照射処理および/または加熱処理する保護膜の形成方法、
によって好ましく解決される。
硬化性樹脂組成物
−(A)重合体−
本発明に用いられる(A)重合体は、エポキシ基含有重合性不飽和化合物を含有する単量体混合物をリビングラジカル重合させて得ることができる。
次に、(A)重合体を製造するリビングラジカル重合について説明する。
上記重合性不飽和化合物を、好ましくは他の共重合可能な不飽和化合物と共に、溶媒中、リビングラジカルを生成するラジカル重合開始剤系の存在下でリビングラジカル重合することにより製造することができる。
上記チオカルボニルチオ化合物とラジカル開始剤との組み合わせに関しては、特許文献2、特許文献3および特許文献4のほか、下記の特許文献に詳しく記載されている。
また、Z1の炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、9−アントラセニル基、ベンジル基、α−メチルベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基、フェネチル基などを挙げることができる。
上記式(1)において、複数存在するZ1は相互に同一でも異なってもよい。
上記炭素数3〜20の1価の脂環族炭化水素基に対する置換基としては、例えば、上記Z1の炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基、炭素原子と異項原子との合計原子数3〜20の1価の複素環式基およびRに対する置換基について例示した基と同様のものの中から適宜選択することができ、これらの置換基は置換誘導体中に1個以上あるいは1種以上存在することができる。ただし、置換誘導体中の合計炭素数ないし合計原子数は20を超えないことが好ましい。
式(2)において、複数存在するR2は相互に同一でも異なってもよい。
本発明において、リビングラジカル重合に際しては、チオカルボニルチオ化合物と共に、他の分子量制御剤、例えば、α−メチルスチレンダイマー、t−ドデシルメルカプタンなどの1種以上を併用することもできる。
これらのラジカル開始剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;
エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールエチルエーテルアセテートなどの(ポリ)アルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類;
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテルなどの(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエーテル類;
テトラヒドロフランなどの他のエーテル類;
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノンなどのケトン類;
ジアセトンアルコール(すなわち、4−ヒドロキシ−4−メチルペンタン−2−オン)、4−ヒドロキシ−4−メチルヘキサン−2−オンなどのケトアルコール類;
2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、ぎ酸n−ペンチル、酢酸i−ペンチル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸エチルなどの他のエステル類;
トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;
N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類
などを挙げることができる。
上記溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、重合温度は、通常、0〜150℃、好ましくは50〜120℃であり、重合時間は、通常、10分〜20時間、好ましくは30分〜6時間である。
(A1)(a)エポキシ基含有重合性不飽和化合物(以下、「不飽和化合物(a)」という。)と(b1)重合性不飽和カルボン酸および/または重合性不飽和多価カルボン酸無水物(以下、これらをまとめて「不飽和化合物(b1)」という。)と(b2)不飽和化合物(a)および不飽和化合物(b1)以外の重合性不飽和化合物(以下、「不飽和化合物(b2)」という。)との共重合体(以下、「共重合体(A1)」という。);
(A2)分子中に、2個以上のエポキシ基と、アセタール構造、ケタール構造およびt−ブトキシカルボニル構造よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造とを含有する重合体(以下、「重合体(A2)」という。);
(A3)不飽和化合物(a)と、(b5)不飽和化合物(a)以外の重合性不飽和化合物(以下、「不飽和化合物(b5)」という。)との共重合体であって、分子中にカルボキシル基、カルボン酸無水物基、アセタール構造、ケタール構造およびt−ブトキシカルボニル構造のいずれをも持たない共重合体(以下、「共重合体(A3)」という。)
などを挙げることができる。
なお、共重合体(A1)は、アセタール構造、ケタール構造あるいはt−ブトキシカルボニル構造をさらに含有することができ、重合体(A2)は、カルボキシル基あるいはカルボン酸無水物基をさらに含有することができる。
これらの不飽和化合物(a)のうち、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸6,7−エポキシヘプチル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテルなどが好ましい。これらの好ましい不飽和化合物(a)は、共重合反応性が高く、また得られる保護膜の耐熱性や表面硬度を高めるのに有効である。
上記不飽和化合物(a)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
(メタ)アクリル酸、クロトン酸、α−エチルアクリル酸、α−n−プロピルアクリル酸、α−n−ブチルアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸の如き不飽和カルボン酸;
無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、シス−1,2,3,4−テトラヒドロフタル酸無水物の如き不飽和多価カルボン酸無水物
などを挙げることができる。
これらの不飽和化合物(b1)のうち、不飽和カルボン酸としては、特に、アクリル酸、メタクリル酸が好ましく、不飽和多価カルボン酸無水物としては、特に、無水マレイン酸が好ましい。これらの好ましい不飽和化合物(b1)は、共重合反応性が高く、また得られる保護膜の耐熱性や表面硬度を高めるのに有効である。
上記不飽和化合物(b1)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルの如き(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルの如き(メタ)アクリル酸アルキルエステル;
(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02.6]デカン−8−イル(以下、トリシクロ[5.2.1.02.6]デカン−8−イルを「ジシクロペンタニル」という。)、(メタ)アクリル酸2−ジシクロペンタニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸イソボロニルの如き(メタ)アクリル酸脂環式エステル;
(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジルの如き(メタ)アクリル酸アリールエステル;
マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチルの如き不飽和ジカルボン酸ジエステル;
N−フェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドカプロエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート、N−(9−アクリジル)マレイミドの如き不飽和ジカルボニルイミド誘導体;
(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデンの如きシアン化ビニル化合物;
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドの如き不飽和アミド化合物;
スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メトキシスチレンの如き芳香族ビニル化合物;
インデン、1−メチルインデンの如きインデン誘導体;
1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンの如き共役ジエン系化合物のほか、
塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル
などを挙げることができる。
上記不飽和化合物(b2)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
アクリル酸グリシジル/アクリル酸/アクリル酸ジシクロペンタニル/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸/メタクリル酸ジシクロペンタニル/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸/メタクリル酸メチル/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸/アクリル酸シクロヘキシル/p−メトキシスチレン共重合体、
アクリル酸グリシジル/アクリル酸/N−フェニルマレイミド/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸/N−フェニルマレイミド/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸/メタクリル酸ジシクロペンタニル/1,3−ブタジエン共重合体、
メタクリル酸6,7−エポキシヘプチル/メタクリル酸/メタクリル酸ジシクロペンタニル/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸/メタクリル酸ジシクロペンタニル/スチレン/1,3−ブタジエン共重合体、
メタクリル酸6,7−エポキシヘプチル/アクリル酸/無水マレイン酸/スチレン共重合体、
メタクリル酸6,7−エポキシヘプチル/アクリル酸/無水マレイン酸/メタクリル酸t−ブチル共重合体
などを挙げることができる。
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸/メタクリル酸ジシクロペンタニル/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸/N−フェニルマレイミド/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸/メタクリル酸ジシクロペンタニル/1,3−ブタジエン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸/メタクリル酸ジシクロペンタニル/スチレン/1,3−ブタジエン共重合体
などである。
不飽和化合物(a)に由来する繰り返し単位の含有率が10重量%未満では、保護膜の耐熱性や表面硬度が低下する傾向があり、一方70重量%を超えると、組成物の保存安定性が低下する傾向がある。また、(b1)重合性不飽和カルボン酸および重合性不飽和多価カルボン酸無水物に由来する繰り返し単位の合計含有率が5重量%未満では、保護膜の耐熱性、表面硬度や耐薬品性が低下する傾向があり、一方40重量%を超えると、組成物の保存安定性が低下する傾向がある。また、(b2)他の重合性不飽和化合物に由来する繰り返し単位の含有率が10重量%未満では、組成物の保存安定性が低下する傾向があり、一方70重量%を超えると、保護膜の耐熱性や表面硬度が低下する傾向がある。
重合体(A2)におけるアセタール構造あるいはケタール構造は、下記するようなアセタール形成性官能基あるいはケタール形成性官能基を、直接またはカルボニル基などの結合手を介して、重合体(A2)中の炭素原子に結合させることにより導入することができる。
1−メトキシエトキシ基、1−エトキシエトキシ基、1−n−プロポキシエトキシ基、1−i−プロポキシエトキシ基、1−n−ブトキシエトキシ基、1−i−ブトキシエトキシ基、1−sec−ブトキシエトキシ基、1−t−ブトキシエトキシ基、1−シクロペンチルオキシエトキシ基、1−シクロヘキシルオキシエトキシ基、1−ノルボルニルオキシエトキシ基、1−ボルニルオキシエトキシ基、1−フェノキシエトキシ基、1−(1−ナフチルオキシ)エトキシ基、1−ベンジルオキシエトキシ基、1−フェネチルオキシエトキシ基、
(シクロヘキシル)(メトキシ)メトキシ基、(シクロヘキシル)(エトキシ)メトキシ基、(シクロヘキシル)(n−プロポキシ)メトキシ基、(シクロヘキシル)(i−プロポキシ)メトキシ基、(シクロヘキシル)(シクロヘキシルオキシ)メトキシ基、(シクロヘキシル)(フェノキシ)メトキシ基、(シクロヘキシル)(ベンジルオキシ)メトキシ基、(フェニル)(メトキシ)メトキシ基、(フェニル)(エトキシ)メトキシ基、(フェニル)(n−プロポキシ)メトキシ基、(フェニル)(i−プロポキシ)メトキシ基、(フェニル)(シクロヘキシルオキシ)メトキシ基、(フェニル)(フェノキシ)メトキシ基、(フェニル)(ベンジルオキシ)メトキシ基、(ベンジル)(メトキシ)メトキシ基、(ベンジル)(エトキシ)メトキシ基、(ベンジル)(n−プロポキシ)メトキシ基、(ベンジル)(i−プロポキシ)メトキシ基、(ベンジル)(シクロヘキシルオキシ)メトキシ基、(ベンジル)(フェノキシ)メトキシ基、(ベンジル)(ベンジルオキシ)メトキシ基、2−テトラヒドロフラニルオキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基
などを挙げることができる。
これらのアセタール形成性官能基のうち、1−エトキシエトキシ基、1−n−プロポキシエトキシ基、1−シクロヘキシルオキシエトキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基などが好ましい。
これらのケタール形成性官能基のうち、1−メチル−1−メトキシエトキシ基、1−メチル−1−シクロヘキシルオキシエトキシ基などが好ましい。
2,3−ジ(1−メトキシエトキシカルボニル)−5−ノルボルネン、
2,3−ジ(1−t−ブトキシエトキシカルボニル)−5−ノルボルネン、
2,3−ジ(1−ベンジルオキシエトキシカルボニル)−5−ノルボルネン、
2,3−ジ(1−メチル−1−メトキシエトキシカルボニル)−5−ノルボルネン、
2,3−ジ(1−メチル−1−i−ブトキシエトキシカルボニル)−5−ノルボルネン、
2,3−ジ((シクロヘキシル)(エトキシ)メトキシカルボニル)−5−ノルボルネン、
2,3−ジ((ベンジル)(エトキシ)メトキシカルボニル)−5−ノルボルネン、
2,3−ジ(テトラヒドロフラン−2−イルオキシカルボニル)−5−ノルボルネン、
2,3−ジ(テトラヒドロピラン−2−イルオキシカルボニル)−5−ノルボルネン、
2,3−ジ(t−ブトキシカルボニル)−5−ノルボルネン
などを挙げることができる。
これらの不飽和化合物(b3)のうち、特定(メタ)アクリル酸エステル化合物、(メタ)アクリル酸t−ブチルが好ましく、特に、メタクリル酸1−エトキシエチル、メタクリル酸1−i−ブトキシエチル、メタクリル酸1−(シクロペンチルオキシ)エチル、メタクリル酸1−(シクロヘキシルオキシ)エチル、メタクリル酸1−(1,1−ジメチルエトキシ)エチル、メタクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル、メタクリル酸t−ブチルなどがとりわけ好ましい。これらの好ましい不飽和化合物(b3)は、共重合反応性が高く、また保存安定性および保護膜の平坦化能に優れた1液型硬化性樹脂組成物(α)および1液型硬化性樹脂組成物(α2)をもたらすとともに、得られる保護膜の耐熱性や表面硬度を高めるのに有効である。
上記不飽和化合物(b3)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
これらの不飽和化合物(b4)のうち、メタクリル酸メチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ジシクロペンタニル、アクリル酸2−メチルシクロヘキシル、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、スチレン、p−メトキシスチレン、1,3−ブタジエンなどが好ましい。これらの好ましい不飽和化合物(b4)は、共重合反応性が高く、また得られる保護膜の耐熱性(ただし、1,3−ブタジエンの場合を除く。)や表面硬度(ただし、1,3−ブタジエンの場合を除く。)を高めるのに有効である。
上記不飽和化合物(b4)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
メタクリル酸グリシジル/アクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/メタクリル酸ジシクロペンタニル/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/メタクリル酸ジシクロペンタニル/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/アクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/N−フェニルマレイミド/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/N−フェニルマレイミド/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/アクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/アクリル酸1−(シクロヘキシルオキシ)エチル/メタクリル酸ジシクロペンタニル/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸1−(シクロヘキシルオキシ)エチル/メタクリル酸ジシクロペンタニル/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/アクリル酸1−(シクロヘキシルオキシ)エチル/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸1−(シクロヘキシルオキシ)エチル/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/2,3−ジ(テトラヒドロピラン−2−イルオキシカルボニル)−5−ノルボルネン/メタクリル酸ジシクロペンタニル/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/2,3−ジ(テトラヒドロピラン−2−イルオキシカルボニル)−5−ノルボルネン/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/アクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/メタクリル酸ジシクロペンタニル/1,3−ブタジエン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/メタクリル酸ジシクロペンタニル/1,3−ブタジエン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/アクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/メタクリル酸メチル/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/メタクリル酸メチル/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/アクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/アクリル酸シクロヘキシル/p−メトキシスチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/アクリル酸シクロヘキシル/p−メトキシスチレン共重合体、
アクリル酸グリシジル/メタクリル酸t−ブチル/N−フェニルマレイミド/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸t−ブチル/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレン共重合体、
メタクリル酸6,7−エポキシヘプチル/アクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/メタクリル酸t−ブチル/無水マレイン酸共重合体、
メタクリル酸6,7−エポキシヘプチル/メタクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/メタクリル酸t−ブチル/無水マレイン酸共重合体、
メタクリル酸6,7−エポキシヘプチル/メタクリル酸t−ブチル/メタクリル酸ジシクロペンタニル/スチレン共重合体、
メタクリル酸6,7−エポキシヘプチル/メタクリル酸t−ブチル/無水マレイン酸/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/アクリル酸1−(シクロヘキシルオキシ)エチル/メタクリル酸ジシクロペンタニル/スチレン/1,3−ブタジエン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸1−(シクロヘキシルオキシ)エチル/メタクリル酸ジシクロペンタニル/スチレン/1,3−ブタジエン共重合体
などを挙げることができる。
メタクリル酸グリシジル/アクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/メタクリル酸ジシクロペンタニル/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/メタクリル酸ジシクロペンタニル/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/アクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/N−フェニルマレイミド/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/N−フェニルマレイミド/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/アクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/アクリル酸1−(シクロヘキシルオキシ)エチル/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸1−(シクロヘキシルオキシ)エチル/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/2,3−ジ(テトラヒドロピラン−2−イルオキシカルボニル)−5−ノルボルネン/メタクリル酸ジシクロペンタニル/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/2,3−ジ(テトラヒドロピラン−2−イルオキシカルボニル)−5−ノルボルネン/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸t−ブチル/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレン共重合体
などである。
また、不飽和化合物(b3)に由来する繰り返し単位の含有率は、好ましくは5〜60重量%、特に好ましくは10〜50重量%である。不飽和化合物(b3)に由来する繰り返し単位の含有率をこの範囲内とすることにより、保護膜の良好な耐熱性および表面硬度を実現することができる。
また、不飽和化合物(b4)に由来する繰り返し単位の含有率は、不飽和化合物(a)および不飽和化合物(b3)に由来する繰り返し単位の合計含有率を100重量%から減じた量となるが、不飽和化合物(b4)として不飽和カルボン酸類や不飽和多価カルボン酸無水物類を用いる場合は、これらに由来する繰り返し単位の合計含有率が40重量%を超えると、組成物の保存安定性が損なわれるおそれがあるため、この値を超えないことが好ましい。
これらの不飽和化合物(b5)のうち、メタクリル酸メチル、メタクリル酸t−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ジシクロペンタニル、アクリル酸2−メチルシクロヘキシル、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、スチレン、p−メトキシスチレン、1,3−ブタジエンなどが好ましい。これらの好ましい不飽和化合物(b5)は、共重合反応性が高く、また得られる保護膜の耐熱性(ただし、1,3−ブタジエンの場合を除く。)や表面硬度(ただし、1,3−ブタジエンの場合を除く。)を高めるのに有効である。
上記不飽和化合物(b5)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
アクリル酸グリシジル/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/スチレン共重合体、
アクリル酸グリシジル/メタクリル酸ジシクロペンタニル共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸ジシクロペンタニル共重合体、
メタクリル酸6,7−エポキシヘプチル/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸ジシクロペンタニル/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/N−フェニルマレイミド/スチレン共重合体、
メタクリル酸グリシジル/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレン共重合体、メタクリル酸6,7−エポキシヘプチル/メタクリル酸ジシクロペンタニル共重合体、
メタクリル酸6,7−エポキシヘプチル/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレン共重合体
などを挙げることができる。
不飽和化合物(a)に由来する繰り返し単位の含有率が1重量%未満では、保護膜の耐熱性や表面硬度が低下する傾向があり、一方90重量%を超えると、組成物の保存安定性が低下する傾向がある。
本発明において、(A)重合体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができ、また1液型硬化性樹脂組成物(α2)においては、共重合体(A1)および重合体(A2)の群の少なくとも1種を使用することができる。
本発明における(B)成分は、(A)重合体を構成する不飽和化合物とは異なるカチオン重合性化合物からなる。
カチオン重合性化合物としては、酸性条件下で重合しうる限り特に限定されるものではないが、例えば、オキセタン環骨格、3,4−エポキシシクロへキサン骨格およびエポキシ基よりなる群から選ばれる少なくとも1種を分子内に2個以上有する化合物などの、(A)重合体中のエポキシ基と付加反応しうる基を有する化合物を挙げることができる。
オキセタン環骨格を分子内に2個以上有する化合物として、例えば、
3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサノナン、3,3’−(1,3−(2−メチレニル)プロパンジイルビス(オキシメチレン))ビス(3−エチルオキセタン)、1,4−ビス((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル)ベンゼン、1,2−ビス((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル)エタン、1,3−ビス((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル)プロパン、
エチレングリコールビス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)エーテル、トリエチレングリコールビス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)エーテル、トリシクロデカンジイルジメチレンビス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)エーテル、1,4−ビス((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ)ブタン、1,6−ビス((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ)ヘキサン、ペンタエリスリトールトリス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)エーテル、ポリエチレングリコールビス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)エーテル、
ジペンタエリスリトールヘキサキス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)エーテルとカプロラクトンとの反応生成物、ジペンタエリスリトールペンタキス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)エーテルとカプロラクトンとの反応生成物、ジトリメチロールプロパンテトラキス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)エーテル、ビスフェノールAビス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)エーテルとエチレンオキサイドとの反応生成物、ビスフェノールAビス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)エーテルとプロピレンオキサイドとの反応生成物、水添ビスフェノールAビス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)エーテルとエチレンオキサイドとの反応生成物、水添ビスフェノールAビス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)エーテルとプロピレンオキサイドとの反応生成物、ビスフェノールFビス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)エーテルとエチレンオキサイドとの反応生成物
などを挙げることができる。
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、ラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート
などを挙げることができる。
ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールADジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテルの如きビスフェノール化合物のジグリシジルエーテル;
1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルの如き多価アルコールのポリグリシジルエーテル;
エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンの如き脂肪族多価アルコールと1種または2種以上のアルキレンオキサイドとの反応により得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル;
フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ポリフェノール型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂の如きエポキシ樹脂;脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステル;
高級多価脂肪酸のポリグリシジルエステル;
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油
などを挙げることができる。
多価アルコールのポリグリシジルエーテルとして、エポライト100MF(共栄社化学(株)製)、エピオールTMP(日本油脂(株)製);
ビスフェノールA型エポキシ樹脂として、エピコート828、同1001、同1002、同1003、同1004、同1007、同1009、同1010(以上、油化シェルエポキシ(株)製)など;
ビスフェノールF型エポキシ樹脂として、エピコート807(油化シェルエポキシ(株)製)など;
フェノールノボラック型エポキシ樹脂として、エピコート152、同154、同157S65(以上、油化シェルエポキシ(株)製)、DPPN201、同202(以上、日本化薬(株)製)など;
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂として、DOCN102、同103S、同104S、1020、1025、1027(以上、日本化薬(株)製)、エピコート180S75(油化シェルエポキシ(株)製)など;
ポリフェノール型エポキシ樹脂として、エピコート1032H60、同XY−4000(以上、油化シェルエポキシ(株)製)など;
環状脂肪族エポキシ樹脂として、CY−175、同177、同179、アラルダイトCY−182、同192、同184(以上、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ(株)製)、DRL−4221、同4206、同4234、同4299(以上、U.C.C社製)、ショーダイン509(昭和電工(株)製)、エピクロン200、同400(以上、大日本インキ(株)製)、エピコート871、同872(以上、油化シェルエポキシ(株)製)、DD−5661、同5662(以上、セラニーズコーティング(株)製)など、
を挙げることができる。
本発明において、(B)カチオン重合性化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
1液型硬化性樹脂組成物(α1)および2液型硬化性樹脂組成物(β)における硬化剤は、共重合体(A3)中のエポキシ基と反応しうる官能基を1種以上有する化合物からなる。
このような硬化剤としては、例えば、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、不飽和多価カルボン酸無水物と他のオレフィン系不飽和化合物との共重合体(ただし、2個以上のエポキシ基を有する共重合体を除く。)(以下、「カルボン酸無水物基含有共重合体」という。)などを挙げることができる。
これらの多価カルボン酸のうち、硬化性樹脂組成物の反応性、形成される保護膜の耐熱性などの観点から、芳香族多価カルボン酸類が好ましい。
これらの多価カルボン酸無水物のうち、芳香族多価カルボン酸無水物が好ましく、特に、無水トリメリット酸が耐熱性の高い保護膜が得られる点で好ましい。
カルボン酸無水物基含有共重合体中の不飽和多価カルボン酸無水物の共重合割合は、好ましくは1〜80重量%、より好ましくは10〜60重量%である。このような共重合割合の共重合体を使用することにより、平坦化能に優れた保護膜を得ることができる。
カルボン酸無水物基含有共重合体のMwは、好ましくは500〜50,000、より好ましくは500〜10,000である。このような分子量範囲の共重合体を使用することにより、平坦化能に優れた保護膜を得ることができる。
上記硬化剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
1液型硬化性樹脂組成物(α2)における(D)放射線の照射および/または加熱により酸を発生する化合物(以下、「酸発生剤」という。)のうち、放射線の照射により酸を発生するものを「感放射線酸発生剤」といい、加熱により酸を発生するものを「感熱酸発生剤」という。
また、感熱酸発生剤としては、例えば、スルホニウム塩(ただし、上記トリアリールスルホニウム塩類を除く。)、ベンゾチアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩(ただし、上記ジアリールホスホニウム塩を除く。)などを挙げることができ、これらのうち、スルホニウム塩、ベンゾチアゾニウム塩が好ましい。
これらのジアリールヨードニウム塩のうち、特に、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネートが好ましい。
これらのトリアリールスルホニウム塩のうち、特に、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネートが好ましい。
これらの市販品のうち、UVI−6970、UVI−6974、UVI−6990、アデカオプトマーSP−170、アデカオプトマーSP−171、CD−1012、MPI−103などが、得られる保護膜が高い表面硬度を有する点で好ましい。
上記感放射線酸発生剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
4−アセトフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、ジメチル−4−(ベンジルオキシカルボニルオキシ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジメチル−4−(ベンゾイルオキシ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジメチル−4−(ベンゾイルオキシ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、ジメチル−3−クロロ−4−アセトキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートなどのアルキルスルホニウム塩;
ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−アセトキシフェニルベンジルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−メトキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−2−メチル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェートなどのベンジルスルホニウム塩;
ジベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジベンジル−4−アセトキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−4−メトキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、ジベンジル−3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−メトキシベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェートなどのジベンジルスルホニウム塩;
4−クロロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−ニトロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−クロロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−ニトロベンジル−3−メチル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、3,5−ジクロロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、2−クロロベンジル−3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートなどの置換ベンジルスルホニウム塩
などを挙げることができる。
また、ベンジルスルホニウム塩としては、例えば、SI−60、SI−80、SI−100、SI−110、SI−145、SI−150、SI−80L、SI−100L、SI−110L(以上、三新化学工業(株)製)などを挙げることができる。
これらの市販品のうち、SI−80、SI−100、SI−110などが、得られる保護膜が高い表面硬度を有する点で好ましい。
上記感熱酸発生剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明の各硬化性樹脂組成物の好ましい実施の形態をより具体的に示すと、下記(I)〜(IV)のものを挙げることができる。
この1液型硬化性樹脂組成物(α)においては、カチオン重合性化合物の使用量を上記範囲とすることにより、十分な表面硬度を有する保護膜を得ることができる。この1液型硬化性樹脂組成物(α)は、特に長期保存安定性に優れている。
この1液型硬化性樹脂組成物(α1)においては、硬化剤の使用量を上記範囲とすることにより、良好な硬化特性を示すとともに、保護膜の諸特性を損なうことがない。
なお、この1液型硬化性樹脂組成物(α1)は、好ましくは調製後24時間以内に使用に供される。
この2液型硬化性樹脂組成物(β)において、(C)硬化剤の使用量を上記範囲とすることにより、良好な硬化特性を示すとともに、保護膜の諸特性を損なうことがない。
なお、この2液型硬化性樹脂組成物(β)は、好ましくは、第一成分と第二成分との混合後24時間以内に使用に供される。
この1液型硬化性樹脂組成物(α2)において、酸発生剤を上記範囲で使用することにより、良好な硬化特性を示すとともに、保護膜の諸特性を損なうことがない。
本発明の各硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外の任意添加成分、例えば、界面活性剤、接着助剤などを配合することができる。
上記界面活性剤は、組成物の塗布性を向上するために添加される。
このような界面活性剤としては、好ましくは、例えば、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリールエーテル、ポリオキシエチレンジアルキルエステルなどのノニオン系界面活性剤などを挙げることができる。
さらに、界面活性剤の他の市販品としては、(メタ)アクリル酸系共重合体であるポリフローNo.57やポリフローNo.90(以上、共栄社化学(株)製)などを挙げることができる。
このような接着助剤としては、例えば、カルボキシル基、メタクリロイル基、ビニル基、イソシアネート基、エポキシ基などの反応性基を有するシランカップリング剤が好ましい。
接着助剤の具体例としては、トリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどを挙げることができる。
接着助剤の配合量は、(A)重合体100重量部に対して、好ましくは30重量部以下、さらに好ましくは25重量部以下である。接着助剤の配合量が30重量部を超えると、得られる保護膜の耐熱性が不十分となるおそれがある。
本発明の樹脂組成物は、上記の各成分を、好ましくは適当な溶媒中に均一に溶解または分散することにより調製される。使用される溶媒としては、組成物の各成分を溶解または分散し、各成分と反応しないものが好ましく用いられる。
このような溶媒としては、上記共重合体(A1)、共重合体(A2)および共重合体(A3)を製造するために使用できる溶媒として例示したものと同様のものを挙げることができる。
溶媒の使用量としては、本発明の組成物中の全固形分(溶媒を含む組成物の総量から溶媒の量を除いた量)の含有量が、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは5〜40重量%となるような範囲である。
上記のようにして調製された組成物は、孔径0.2〜3.0μm、好ましくは孔径0.2〜0.5μm程度のミリポアフィルタなどを用いて濾別した後、使用に供することもできる。
次に、本発明の各硬化性樹脂組成物を用いて本発明の保護膜を形成する方法について説明する。
1液型硬化性樹脂組成物(α)、1液型硬化性樹脂組成物(α1)および(D)酸発生剤として感熱酸発生剤を用いた1液型硬化性樹脂組成物(α2)の場合、組成物溶液を基板上に塗布し、プレベークして溶媒を除去することにより被膜を形成したのち、加熱処理をすることにより、目的とする保護膜を形成することができる。
また、2液型硬化性樹脂組成物(β)は、その使用に際して、第一成分および第二成分を混合して組成物溶液を調製したのち、好ましくは調製後24時間以内に、該組成物溶液を基板上に塗布し、プレベークして溶媒を除去することにより被膜を形成したのち、加熱処理をすることにより、目的とする保護膜を形成することができる。
上記透明樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリイミド、環状オレフィンの開環重合体やその水素添加物などを挙げることができる。
上記プレベークの条件は、各成分の種類や配合割合などによっても異なるが、好ましくは70〜90℃で1〜15分間程度である。
被膜形成後の加熱処理は、ホットプレートやオーブンなどの適宜の加熱装置により実施することができる。
加熱処理時の処理温度は、150〜250℃程度が好ましく、また処理時間は、加熱装置としてホットプレートを使用する場合5〜30分間程度、オーブンを使用する場合30〜90分間程度が好ましい。
この場合、基板としては上記と同様のものを用いることができ、また塗膜の形成方法は上記と同様にして実施することができる。
露光量は、好ましくは100〜20,000J/m2、より好ましくは150〜10,000J/m2である。
このようにして形成された保護膜の膜厚は、好ましくは0.1〜8μm、より好ましくは0.1〜6μm、さらに好ましくは0.1〜4μmである。ただし、保護膜がカラーフィルタの段差を有する基板上に形成される場合には、上記膜厚は、カラーフィルターの最上部からの厚さを意味する。
<ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる共重合体の分子量の測定>
装置:GPC−101(昭和電工(株)製)
カラム:GPC−KF−801、GPC−KF−802、GPC−KF−803およびGPC−KF−804を結合
移動相:リン酸0.5重量%を含むテトラヒドロフラン。
合成例1〜10
冷却管、撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2重量部、分子量制御剤として上記式(3)〜(12)のそれぞれで表される化合物を表1に示す量およびジエチレングリコールジメチルエーテル200重量部を仕込み、引き続きメタクリル酸グリシジル80重量部およびスチレン20重量部を仕込んで窒素置換したのち、ゆるやかに攪拌しつつ、反応溶液を80℃に昇温し、この温度を保持して6時間重合した。その後、反応溶液を100℃に昇温して、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1重量部を追加し、さらに1時間重合を継続することにより、表1に示す重合体(A-1)〜重合体(A-10)の各溶液を得た。得られた各重合体の固形分、MwおよびMw/Mnの値を測定したところ、表1に示すとおりであった。
合成例1と同様にして、冷却管、撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2重量部、分子量制御剤として上記式(13)〜(22)のそれぞれで表される化合物を表1に示す量およびジエチレングリコールジメチルエーテル200重量部を仕込み、引き続きメタクリル酸グリシジル50重量部およびトリシクロデカニルメタクリレート20重量部、メタクリル酸30重量部を仕込み窒素置換したのち、ゆるやかに攪拌しつつ、反応溶液を70℃に昇温し、この温度を保持して6時間重合した。その後、反応溶液を100℃に昇温して、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1重量部を追加し、さらに1時間重合を継続することにより、表1に示す重合体(A-11)〜重合体(A-20)の各溶液を得た。得られた各重合体の固形分、MwおよびMw/Mnの値を測定したところ、表1に示すとおりであった。
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7重量部およびジエチレングリコールメチルエチルエーテル200重量部を仕込み、引き続きスチレン50重量部およびメタクリル酸グリシジル50重量部を仕込んで窒素置換したのち、ゆるやかに撹拌して、反応溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を保持して5時間重合することにより、共重合体(a−1)を含む重合体溶液を得た。共重合体(a−1)のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は14,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.8であった。重合体溶液の固形分濃度は、30.0重量%であった。
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)6重量部およびジエチレングリコールメチルエチルエーテル200重量部を仕込み、引き続きメタクリル酸グリシジル50重量部およびトリシクロデカニルメタクリレート20重量部、メタクリル酸30重量部を仕込み窒素置換したのち、ゆるやかに撹拌して、反応溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を保持して5時間重合することにより、共重合体(a−2)を含む重合体溶液を得た。共重合体(a−2)のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は15,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.4であった。重合体溶液の固形分濃度は、30.5重量%であった。
以下の実施例および比較例において「部」は「重量部」を意味する。
(A)成分として合成例1で得た共重合体(A−1)を含む溶液(共重合体(A−1)100部に相当する量)と、(B)成分としてビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂「エピコート157S65」(商品名、油化シェルエポキシ(株)製)10部、接着助剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン15部、および界面活性剤としてSH−28PA(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)0.1部を混合し、さらに固形分濃度が20重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加したのち、孔径0.5μmのミリポアフィルタでろ過して、第一成分の溶液を調製した。
次いで、この第一成分の溶液に、(C)成分として無水トリメリット酸35部をジエチレングリコールメチルエチルエーテル65部に溶解した第二成分を加えて、組成物溶液を調製した。
得られた組成物溶液について、下記の要領で基板上に保護膜を形成して評価した。評価結果を表2に示す。
組成物溶液をスピンナーを用いて、SiO2ディップガラス基板上に塗布したのち、ホットプレート上で80℃にて5分間プレベークして、塗膜を形成し、さらにオーブン中で230℃にて60分間加熱処理して、基板上に膜厚2.0μmの保護膜を形成した。
透明性の評価:
保護膜を形成した基板について、分光光度計150−20型ダブルビーム(日立製作所(株)製)を用いて、波長範囲400〜800nmにおける透過率(%)を測定し、その最小値により評価した。この値が95%以上のとき、保護膜の透明性は良好といえる。
保護膜を形成した基板について、オーブン中で250℃にて1時間加熱し、加熱前後の膜厚を測定して、下記式により算出した値により評価した。この値が95%以上のとき、耐熱寸法安定性は良好といえる。
耐熱寸法安定性(%)=(加熱後の膜厚)×100/(加熱前の膜厚)
保護膜を形成した基板について、オーブン中で250℃にて1時間加熱し、加熱前後の波長範囲400〜800nmにおける透過率を測定し、その最小値を用いて下記式により算出した値により評価した。この値が5%以下のとき、耐熱変色性は良好といえる。
耐熱変色性(%)=(加熱前の透過率の最小値)−(加熱後の透過率の最小値)
保護膜を形成した基板について、JIS K−5400−1990の8.4.1鉛筆引っかき試験を行って評価した。この値が4Hまたはそれより硬いとき、表面硬度は良好といえる。
保護膜を形成した基板について、島津ダイナミック微小硬度計DUH−201((株)島津製作所製)を用い、稜角115°三角圧子(ヘルコビッチ型)の押し込み試験により、荷重0.1gf、速度0.0145gf/秒、保持時間5秒の条件で、温度を23℃および140℃として評価した。
保護膜を形成した基板について、プレッシャークッカー試験(温度120℃、湿度100%、測定24時間)を行ったのち、JIS K−5400−1990の8.5.3付着性碁盤目テープ法により、SiO2ディップガラス基板に対する密着性(表2では、「SiO2」と表記)を評価した。
また、SiO2ディップガラス基板の替わりにCr基板を用いた以外は、上記と同様にして、膜厚2.0μmの保護膜を形成し、Cr基板に対する密着性(表2では、「Cr」と表記)を評価した。
表1中の数値は、碁盤目100個中残った碁盤目の数である。
SiO2ディップガラス基板上に、顔料系カラーレジスト(商品名「JCR RED 689」、「JCR GREEN 706」あるいは「CR 8200B」;以上、JSR(株)製)をスピンナーにより塗布し、ホットプレート上で90℃にて150秒間プレベークして、塗膜を形成した。その後、露光機Canon PLA501F(キヤノン(株)製)を用いて、所定のパターンマスクを介し、g/h/i線(波長436nm、405nmおよび365nmの強度比=2.7:2.5:4.8)を、i線換算で2,000J/m2の露光量にて露光したのち、0.05%水酸化カリウム水溶液を用いて現像して、超純水で60秒間洗浄し、さらにオーブン中で230℃にて30分間加熱処理することにより、赤、緑および青の3色のストライプ状カラーフィルタ(ストライプ幅100μm)を形成した。
次いで、このカラーフィルターを形成した基板の表面凹凸を、表面粗さ計α−ステップ(テンコールジャパン(株)製)を用い、測定長2,000μm、測定範囲2,000μm角、測定点数n=5とし、測定方向を赤、緑、青方向のストライプライン短軸方向および赤・赤、緑・緑、青・青の同一色のストライプライン長軸方向の2方向とし、各方向につきn=5(合計のn数=10)で測定したところ、1.0μmであった。
また、上記と同様にしてカラーフィルターを形成した基板上に、上記と同様にして調製した組成物溶液をスピンナーを用いて塗布したのち、ホットプレート上で80℃にて5分間プレベークして塗膜を形成し、さらにオーブン中で230℃にて60分間加熱処理することにより、カラーフィルター上に、カラーフィルターの上面からの膜厚が2.0μmの保護膜を形成した。
次いで、このカラーフィルター上に保護膜を有する基板について、保護膜表面の凹凸を、接触式膜厚測定装置α−ステップ(テンコールジャパン(株)製)を用い、測定長2,000μm、測定範囲2,000μm角、測定点数n=5とし、測定方向を赤、緑、青方向のストライプライン短軸方向および赤・赤、緑・緑、青・青の同一色のストライプライン長軸方向の2方向とし、各方向につきn=5(合計のn数は10)で測定し、各測定毎の最高部と最底部の高低差(nm)を10回測定して、その平均値により評価した。この値が300nm以下のとき、平坦化能は良好といえる。
シリコン基板上に、スピンナーを用いて、上記組成物溶液を塗布した後、90℃にて2分間ホットプレート上でプレベークして膜厚3.0μmの塗膜を形成した。このシリコン基板をクリーンオーブン内にて220℃で1時間加熱して硬化膜を得た。得られた硬化膜の上方に1センチ間隔を空けて冷却用ベアシリコンウエハを装着して、ホットプレート上にて230℃で1時間加温処理を行った。冷却用ベアシリコンウエハを交換せずに、上記硬化膜を別途形成したシリコン基板を20枚連続で処理したのち、ベアシリコンに付着している昇華物の有無を目視で検証した。昇華物が確認されなかったとき昇華物評価は良好といえる。評価結果を表2に示す。
配合処方を表2に示すとおりにした以外は、実施例1と同様にして2液硬化性樹脂組成物を調製し、評価した。結果を表2に示す。
(A)成分として、上記合成例1で得た(A)重合体を含む溶液(共重合体(A−11)100部に相当する量)と、(B)成分としてビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(商品名:エピコート157S65、油化シェルエポキシ(株)製)10部、(D)成分としてベンジル−2−メチル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート1部、接着助剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン15部、および界面活性剤としてSH−28PA(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)0.1部を混合し、さらに固形分濃度が20%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加したのち、孔径0.5μmのミリポアフィルタでろ過して、組成物溶液を調製した。この組成物溶液の外観は、無色透明であった。
得られた組成物溶液について、下記の要領で基板上に保護膜を形成して、実施例1と同様にして評価した。評価結果を表3に示す。
上記組成物溶液をスピンナーを用いて、SiO2ディップガラス基板上に塗布したのち、ホットプレート上で80℃にて5分間プレベークして、塗膜を形成し、さらにオーブン中で230℃にて60分間加熱処理して、基板上に膜厚2.0μmの保護膜を形成した。
また、実施例1に記載の方法と同様にしてカラーフィルターを形成した基板上に、上記と同様にして保護膜を形成した。評価結果を表3に示す。
配合処方を表3に示すとおりにした以外は、実施例11と同様にして1液硬化性樹脂組成物を調製し、評価した。結果を表3に示す。
B−1:ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(商品名:エピコート157S65、油化シェルエポキシ(株)製)
B−2:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名:エピコート828、油化シェルエポキシ(株)製)
C−1:無水トリメリット酸
D−1:ベンジル−2−メチル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート
S−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
S−2:ジエチレングリコールジメチルエーテル
Claims (12)
- (A)分子中に2個以上のエポキシ基を含有しリビングラジカル重合で得られた重合体、および(B)カチオン重合性化合物(ただし、該(A)成分を構成する重合性不飽和化合物を除く。)を含有する硬化性樹脂組成物であって、(A)重合体を製造するリビングラジカル重合が下記式(1)または式(2)で表されるチオカルボニルチオ化合物を分子量制御剤として用いる重合であることを特徴とする硬化性樹脂組成物。
- リビングラジカル重合で得られた(A)成分が、(A1)(a)エポキシ基含有重合性不飽和化合物と(b1)重合性不飽和カルボン酸および/または重合性不飽和多価カルボン酸無水物と(b2)該(a)成分および(b1)成分以外の重合性不飽和化合物との共重合体である請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物。
- リビングラジカル重合で得られた(A)成分が、(A2)分子中に2個以上のエポキシ基と、アセタール構造、ケタール構造およびt−ブトキシカルボニル構造の群から選ばれる少なくとも1種の構造とを含有する重合体である請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物。
- (A2)成分が、(A2−1)(a)エポキシ基含有重合性不飽和化合物と、(b3)アセタール構造、ケタール構造およびt−ブトキシカルボニル構造の群から選ばれる少なくとも1種の構造を含有する重合性不飽和化合物と、(b4)該(a)成分および(b3)成分以外の重合性不飽和化合物との共重合体である請求項4に記載の硬化性樹脂組成物。
- (A)成分が、(A3)(a)エポキシ基含有重合性不飽和化合物と、(b5)該(a)成分以外の重合性不飽和化合物との共重合体であって、分子中にカルボキシル基、カルボン酸無水物基、アセタール構造、ケタール構造およびt−ブトキシカルボニル構造をもたない共重合体である請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物。
- さらに、(C)硬化剤を含有する、請求項6に記載の硬化性樹脂組成物。
- (1)請求項6記載の硬化性樹脂組成物からなる第一成分と、(2)(C)硬化剤を含有する第二成分との組み合わせからなる2液型硬化性樹脂組成物。
- 請求項3に記載の(A1)成分および請求項4に記載の(A2)成分の群から選ばれる少なくとも1種、(B)カチオン重合性化合物(ただし、該(A1)成分を構成する重合性不飽和化合物および(A2)成分を構成する重合性不飽和化合物を除く。)、(C)硬化剤、ならびに(D)放射線の照射および/または加熱により酸を発生する化合物を含有する硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜7いずれかに記載の硬化性樹脂組成物、請求項8に記載の2液型硬化性樹脂組成物、または請求項9に記載の硬化性樹脂組成物から形成された保護膜。
- 基板上に、請求項1〜7いずれかに記載の硬化性樹脂組成物または請求項8に記載の2液型硬化性樹脂組成物を用いて被膜を形成し、次いで加熱処理することを特徴とする保護膜の形成方法。
- 基板上に、請求項9に記載の硬化性樹脂組成物を用いて被膜を形成し、次いで放射線の照射処理および/または加熱処理することを特徴とする保護膜の形成方法。
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