JP2007092273A - 炭素繊維織物の製造方法 - Google Patents
炭素繊維織物の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007092273A JP2007092273A JP2006345278A JP2006345278A JP2007092273A JP 2007092273 A JP2007092273 A JP 2007092273A JP 2006345278 A JP2006345278 A JP 2006345278A JP 2006345278 A JP2006345278 A JP 2006345278A JP 2007092273 A JP2007092273 A JP 2007092273A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- carbon fiber
- pitch
- tow
- producing
- fiber
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Reinforced Plastic Materials (AREA)
- Inorganic Fibers (AREA)
- Woven Fabrics (AREA)
Abstract
【解決手段】ピッチ繊維を紡糸して単繊維500〜3000本のピッチ繊維トウとし、前記ピッチ繊維トウに集束剤を付着させた後に加熱処理することにより不融化繊維トウとし、前記不融化繊維トウを炭化することによって炭素繊維トウとし、前記炭素繊維トウを製織することにより炭素繊維織物を得る炭素繊維織物の製造方法であって、前記ピッチ繊維が光学的異方性組織を40〜100%含み、前記ピッチ繊維トウの単繊維の直径が8〜13μmであることを特徴とする炭素繊維織物の製造方法。
【選択図】なし
Description
したがって、構造材として薄肉成型体を得ようとすれば、均一で薄い即ちFAW(Fibre Area Weight:織物の単位面積当たりの重さ)の小さな炭素繊維織物を用いる必要がある。
しかし、近年人工衛星の太陽電池パネル、或いはアンテナ等の用途では、更に薄肉の成型体を得るために、引張弾性率70t/mm2以上のピッチ系炭素繊維を用いたFAW90g/m2以下の更に薄い織物が用いられるようになってきた。
本発明に用いる炭素繊維には特に制限はなく、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等、種々のものが使用できるが、特に高弾性の炭素繊維を使用する場合にはピッチ系炭素繊維が好ましい。
ピッチ系炭素繊維を使用する場合、その炭素繊維を得るための紡糸ピッチとしては、配向しやすい分子種が形成されており、光学的に異方性の炭素繊維を与えるようなものであれば特に制限はなく、従来の種々のものが使用できる。これら紡糸ピッチを得るための炭素質原料としては、例えば、石炭系のコールタール、コールタールピッチ、石炭液化物、石炭液化物、石油系の重質油、タール、ピッチ又はナフタレンやアントラセンの触媒反応による重合反応生成物等が挙げられる。
本発明でいうピッチの光学的異方性組織割合は、常温下偏光顕微鏡でのピッチ試料中の光学的異方性を示す部分の面積割合として求めた値である。
上記の様な紡糸ピッチを、ノズル径0.1mm、孔数500〜3000、好ましくは500〜1500の紡糸口金を用い、口金温度300℃〜350℃、好ましくは310℃〜340℃で溶融紡糸し、単繊維の直径が8〜13μm、好ましくは8〜10μmのピッチ繊維から成り、単繊維500〜3000本、好ましくは500〜1500本から成るピッチ繊維トウを得る。このピッチ繊維トウに集束剤を10〜50%、好ましくは20〜40%付着させ集束して炭素繊維トウを得る。
集束剤としては、ピッチ繊維の一部を溶解したり、不融化処理の際に繊維同志を接着、又は融着させることの少ないものが必要であるが、具体的には、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル等のオイルで25℃での粘度が1〜10000cst,好ましくは10〜1000cstのものの水エマルジョンであり、具体的には特にジメチルシリコーンオイルの水エマルジョンが好ましい。また、融着の回避をより効果的に行うために、集束剤中にカーボンブラック、SiC等の無機微粒子を添加することが好ましい。
本発明で言う開繊指数とは炭素繊維トウの開繊し易さ、即ち該炭素繊維トウを構成する単繊維間の融着、接着の少なさを示す指標であり、具体的には7cmに切った炭素繊維トウを、シャーレーに入れたアセトン中に静かに入れ、1分間静置したのち、シャーレーをゆっくりと炭素繊維トウに垂直な方向に10秒間揺り動かした後の炭素繊維トウの状態を目視観察により評価する。即ち、該処理によって全くトウが分かれない場合を開繊指標1とし、全ての単繊維が完全に分離する場合を5として、5段階評価する。
本発明で言う織物の目開き割合とは、織物を該織物の平面に対して垂直方向から見た時の、製織した炭素繊維トウのトウとトウとの隙間で、経方向の隙間と緯方向の隙間の重なった部分の割合である。以下に測定方法を具体的に説明する。市販のOPC複写機のコピーガラスの上に目開き割合を測定しようとする織物を載せ、更に上から白い紙を重ね、複写を行う。この時、等倍で複写を行っても良いし、任意の倍率で拡大してもよい。織物の目の開いている部分の大きさが小さい場合には拡大複写を行った方が良い。得られた複写紙の周囲の複写が完全でない部分を切り取った後、複写面の白い部分を切り取る。切り取った白い部分の紙の重量(A)と、残った黒い部分の紙の重量(B)から目開き割合(T)を式−1により求める。
(実施例1)
かくして得られた炭素繊維の単繊維の直径は6.9μmで、炭素繊維トウの繊度は68g/kmで開繊指数は3であり、且つ樹脂含浸ストランドの引張り弾性率は79.1t/mm2であった。
かかる複合材を人工衛星用太陽電池板として用いるため、10×2mのサイズの太陽電池板を2枚作成した。各々の板は、両面上にかかる複合材を用い、かつ一枚の複合材は炭素繊維クロスを2枚積層して用いた。従って使用した炭素繊維クロスの大きさは、10×2(1枚の面積)×2(複合材1枚当たりのクロスの枚数)×2(表面と裏面)×2(通常人工衛星は2枚の太陽電池板を有する)=160m2となる。
この2枚の太陽電池板の重量は、約20kgであった。以上の結果を表1に示す。
(実施例2)
得られた炭素繊維トウと該炭素繊維トウを製織した織物の各種特性を、実施例1と同様に測定した結果を表1に示した。
(比較例1)
得られた炭素繊維トウと該炭素繊維トウを製織した織物の各種特性およびVf=46%とした太陽電池板とした時の重量を実施例1と同様に測定した結果を表1に示した。
実施例1より単繊維の直径を大きくしたことで炭素繊維トウの柔軟性が失われ製織時の擦れにより発生した毛羽が織物に混入していた。また、開繊指標が低いために織物の目開き割合が大きくなった。さらに太陽電池板とした場合、炭素繊維の割合が少なくなったにもかかわらず、重量が増えてしまった。
(比較例2)
炭素繊維トウの引張り弾性率が低いために、該炭素繊維トウを製織して得た織物に樹脂を含浸し、成形、硬化して得た炭素繊維強化プラスチックが実施例1と同等の17t/mm2の曲げ弾性率を得るためにFAWを93g/m2 まで大きくせねばならなかった。
又、実施例1と同様に太陽電池板を作成し、重量を測定したところ23.2kgであった。同等の強度で約3kg(15%)も重量が増えてしまった。
Claims (8)
- ピッチ繊維を紡糸して単繊維500〜3000本のピッチ繊維トウとし、前記ピッチ繊維トウに集束剤を付着させた後に加熱処理することにより不融化繊維トウとし、前記不融化繊維トウを炭化することによって炭素繊維トウとし、前記炭素繊維トウを製織することにより炭素繊維織物を得る炭素繊維織物の製造方法であって、前記ピッチ繊維が光学的異方性組織を40〜100%含み、前記ピッチ繊維トウの単繊維の直径が8〜13μmであることを特徴とする炭素繊維織物の製造方法。
- 前記ピッチ繊維を紡糸する温度が300〜350℃であることを特徴とする請求項1に記載の炭素繊維織物の製造方法。
- 前記集束剤が、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイルから選択され、25℃での粘度が1〜10000cstのオイルの水エマルジョンである請求項1又は2に記載の炭素繊維織物の製造方法。
- 前記加熱処理が300〜380℃である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の炭素繊維織物の製造方法。
- 前記炭化する温度が2000〜3000℃である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の炭素繊維織物の製造方法。
- 前記炭素繊維織物の目開き割合が10%以下である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の炭素繊維織物の製造方法。
- 請求項1記載の炭素繊維織物の製造方法により得られた炭素繊維織物に熱硬化性樹脂を含浸することを特徴とするプリプレグの製造方法。
- 請求項7記載のプリプレグの製造方法により得られたプリプレグを成形、硬化することを特徴とする炭素繊維強化プラスチックの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006345278A JP2007092273A (ja) | 2006-12-22 | 2006-12-22 | 炭素繊維織物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006345278A JP2007092273A (ja) | 2006-12-22 | 2006-12-22 | 炭素繊維織物の製造方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5333228A Division JPH07189073A (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 炭素繊維織物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007092273A true JP2007092273A (ja) | 2007-04-12 |
Family
ID=37978301
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006345278A Pending JP2007092273A (ja) | 2006-12-22 | 2006-12-22 | 炭素繊維織物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007092273A (ja) |
-
2006
- 2006-12-22 JP JP2006345278A patent/JP2007092273A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4829465B2 (ja) | 炭素−基質複合体、およびそれに関連する組成および方法 | |
MInus et al. | The processing, properties, and structure of carbon fibers | |
KR101841797B1 (ko) | 탄소 섬유 프리프레그 및 그의 제조 방법, 탄소 섬유 강화 복합 재료 | |
US7794826B2 (en) | Carbon-fiber-reinforced SiC composite material and slide member | |
JP4889741B2 (ja) | 炭素繊維含有積層成型体及びその製造方法 | |
Hu et al. | Process and mechanical properties of carbon/carbon–silicon carbide composite reinforced with carbon nanotubes grown in situ | |
JP6211881B2 (ja) | 炭素繊維及びその製造方法 | |
Tehrani-Dehkordi et al. | Effects of plies stacking sequence and fiber volume ratio on flexural properties of basalt/nylon-epoxy hybrid composites | |
JP2019001872A (ja) | セルロースナノファイバーを配合した炭素繊維強化プラスチック | |
JPH07331536A (ja) | ピッチ系炭素繊維 | |
Huang et al. | Research on properties of thermoplastic composites reinforced by flax fabrics | |
JP2010024554A (ja) | 経編シート、および該経編シートを用いた補修補強方法 | |
JP2007092273A (ja) | 炭素繊維織物の製造方法 | |
JP4547754B2 (ja) | ピッチ系炭素繊維織物 | |
JPH07189073A (ja) | 炭素繊維織物 | |
JP2010047865A (ja) | 複合材料用炭素繊維とそれを用いた複合材料 | |
JP5226238B2 (ja) | 炭素繊維及びそれを用いた複合材料 | |
JP3807106B2 (ja) | 炭素繊維強化樹脂 | |
JP2635634B2 (ja) | 炭素繊維強化炭素材料の製造方法 | |
JP4343312B2 (ja) | ピッチ系炭素繊維 | |
JPH08209492A (ja) | 三軸織物及びその製造方法 | |
KR101951924B1 (ko) | 등방성 탄소섬유 복합시트 제조방법 및 이에 의해 제조된 등방성 탄소섬유 복합시트 | |
Wang et al. | Advanced Manufacturing of Carbon Fiber Material | |
Shikamoto et al. | Processing and mechanical properties of biodegradable composites | |
JPH1025626A (ja) | 炭素繊維の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070118 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070118 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20080423 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080529 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090728 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20091208 |