JP2007087852A - 有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 実用化に向けた有機EL素子において、湿度や空気に接触したときの性能の劣化が生じる。
【解決手段】 UVオゾン洗浄およびプラズマ洗浄後、減圧下で封止用フィルムの水分を除去する事で、そのままの環境維持するよう大気に暴露せず封止へ移行させる事により、高耐久化や長寿命化を達成する有機EL素子の製造方法。
【選択図】 図2

Description

バリア性を有する可撓性フィルムにて封止された有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法に関する。
発光型の電子ディスプレイデバイスとして、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)がある。ELDの構成要素としては、無機エレクトロルミネッセンス素子や有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子ともいう。)が挙げられる。無機エレクトロルミネッセンス素子は平面型光源として使用されてきたが、発光素子を駆動させるためには交流の高電圧が必要である。有機エレクトロルミネッセンス素子は、発光する化合物を含有する発光層を、陰極と陽極で挟んだ構成を有し、発光層に電子及び正孔を注入して、再結合させることにより励起子(エキシトン)を生成させ、このエキシトンが失活する際の光の放出(蛍光・燐光)を利用して発光する素子であり、数V〜数十V程度の電圧で発光が可能であり、さらに、自己発光型であるために視野角に富み、視認性が高く、薄膜型の完全固体素子であるために省スペース、携帯性等の観点から注目されている。
しかしながら、実用化に向けた有機EL素子においては、その大きな問題の一つが水分や酸素に接触したときの電極の酸化や有機物の変性が生じ、ダークスポットと呼ばれる非発光部の生成と成長の問題であり、有機EL素子の高耐久化や長寿命化を達成する技術が強く望まれている。
一般的には金属缶、ガラス等で形成された封止キャップ缶を有機EL素子基板に接着材にて貼り合せ封止する方法で形成された有機エレクトロルミネッセンスパネル(以下、有機ELパネルとも呼ぶ。)が提案されている。これは、密閉封止空間を有し、封止空間内に不活性ガスを充填し、さらに吸湿材を配置したものである。
この為、有機EL素子自体は薄いものであるにも拘わらず、封止部材の厚みと吸湿材を配置する為の空間の厚みを持つこととなり全体として厚みのある発光素子となっている。
特許文献1には薄いEL素子を形成させることが可能な、バリア性を有する封止フィルムを用いた有機エレクトロルミネッセンスパネルが提案されている。これは封止缶に替わりバリア性の有する可撓性フィルム(以下封止用フィルムという)を封止部材として素子基板と接着材を介し真空中で貼り合わせる事が記載されている。
また、更なる有機EL素子の耐久性向上の為に特許文献2では有機エレクトロルミネッセンスの構成部材の一部を少なくとも脱水処理をする事が明記されている。
特開2003−45652号公報 特開2000−150147号公報
特許文献1では、封止用フィルムを貼り合わせるまでの前工程処理に言及されていない為、封止材に残留水分やパーティクルなどの異物、有機汚染が残っている場合、フィルムと接着材の接合強度に問題が発生したり、封止フィルム素子面側での残留水分による素子劣化が発生し問題となってしまう。
特許文献2では有機EL素子の構成部材の一部を脱水処理する事が明記されているが、残留水分にのみ言及されており、有機汚染の除去や封止材の接着性に関しては言及されていない。
一般に封止缶を洗浄する際はガラスもしくは金属性のキャップが用いられ湿式洗浄が行われている。
しかし、封止用フィルムはフィルム部分が吸湿性を持ち水分除去が難しく、残留水分の影響で接着性が不良となる課題がある。また湿式洗浄で一般的に行われる超音波洗浄はバリアダメージを有する為、湿式洗浄を行う事は問題を有する。
一方、封止用フィルムに異物もしくは有機汚染物質が残っていると接着性の強度不良を来たす。また接着時に異物による噛みこみでのバリアや素子欠陥の誘発や有機汚染による素子劣化により問題を有する。
このため、封止用フィルムを封止材として利用する際は、乾式洗浄として異物除去の為粘着ロールを有するもので比較的大きな異物を除去後、更に、UVオゾン洗浄およびプラズマ洗浄を行う事でミクロの汚染物質を除去する事が好ましい。又、乾式の洗浄を行う事で有機物の除去および、表面改質が図られ、接着材の接着性も向上する為、端部での接着層と封止用フィルムの接合強度不良によるガスや水分の浸入を少なくすることができる。
さらに、UVオゾン洗浄およびプラズマ洗浄後、減圧下で封止用フィルムの水分を除去する事で、そのままの環境維持するよう大気に暴露せず封止へ移行させる事により、残留水分を低減させ素子劣化の低減を図ることが可能となる。
本発明の目的は、封止用フィルムを接着させる際の接着強性を向上、素子ダメージの低減を行う事で、高耐久化や長寿命化を達成する有機EL素子の製造方法を提供するものである。
前記目的は、下記に記載した発明により達成できる。
(1)基板上に形成された第1電極と、前記第1電極上に形成された発光層を含む1層以上の有機化合物膜からなる有機エレクトロルミネッセンス層と、前記有機エレクトロルミネッセンス層上に形成された第2電極とからなる有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
前記有機エレクトロルミネッセンス素子を被覆する接着剤を介して、バリア性を有する可撓性フィルムからなる封止材を貼り合わせた有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、前記封止材を乾式洗浄した後、1時間以内に前記封止材を減圧下で所定時間以上保持する工程を連続して行った後大気に曝さず不活性ガスを有する環境下で前記有機エレクトロルミネッセンス素子への封止を行うことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
(2)前記乾式洗浄は、粘着材による異物除去クリーニングおよびUV洗浄もしくはプラズマ洗浄であることを特徴とする(1)に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
(3)前記減圧された環境は、減圧度1Pa以上1000Pa以下かつ10分以上保持されていることを特徴とする(1)または(2)に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
(4)(1)に記載の可撓性フィルムで作られたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
本発明によれば、有機EL素子を接着剤で被覆し、その上からバリア性を有する可撓性フィルムを貼り合わせた有機EL素子の製造方法において、
封止フィルムを乾式洗浄するプロセスと減圧保持プロセスとを連続して行った後、大気に曝さず素子への封止を行う事により封止フィルムとの接着性向上やフィルム内の残留水分、有機物除去が図れ、水分や酸素への接触が最小限に抑えられ、高耐久化や長寿命化を達成する有機EL素子が製造できる。
以下に本発明に係る有機EL素子の構成層と一般構成及び有機EL素子の製造方法の形態について順次説明する。
なお、図1に、本発明に係る有機EL素子の一例を示す。
<有機EL素子の構成層と一般構成>
(i)発光層ユニット/電子輸送層
(ii)正孔輸送層/発光層ユニット/電子輸送層
(iii)正孔輸送層/発光層ユニット/正孔阻止層/電子輸送層
(iv)正孔輸送層/発光層ユニット/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層
(v)陽極バッファー層/正孔輸送層/発光層ユニット/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層
ここで、発光層ユニットは、少なくとも1層の発光層を有し、複数の発光層を有する場合、各発光層間には非発光性の中間層を有していることが好ましい。
《発光層》
本発明に係る有機EL素子の発光層は、電極または電子輸送層、正孔輸送層から注入されてくる電子及び正孔が再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接層との界面であってもよい。
発光層の作製には、後述する発光ドーパントやホスト化合物を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法、インクジェット法等の公知の薄膜化法により製膜して形成することができる。
発光層の構成としてホスト化合物、発光ドーパント(発光ドーパント化合物ともいう)を含有し、ドーパントより発光させることが好ましい。
ホスト化合物としては、公知のホスト化合物を単独で用いてもよく、または複数種併用して用いてもよい。ホスト化合物を複数種用いることで、電荷の移動を調整することが可能であり、有機EL素子を高効率化することができる。また、後述する発光ドーパントを複数種用いることで、異なる発光を混ぜることが可能となり、これにより任意の発光色を得ることができる。
発光ホストとしては、従来公知の低分子化合物でも、繰り返し単位をもつ高分子化合物でもよく、ビニル基やエポキシ基のような重合性基を有する低分子化合物(蒸着重合性発光ホスト)でもいい。
公知のホスト化合物の具体例としては、以下の文献に記載されている化合物が挙げられる。例えば、特開2001−257076号公報、同2002−308855号公報、同2001−313179号公報、同2002−319491号公報、同2001−357977号公報、同2002−334786号公報、同2002−8860号公報、同2002−334787号公報、同2002−15871号公報、同2002−334788号公報、同2002−43056号公報、同2002−334789号公報、同2002−75645号公報、同2002−338579号公報、同2002−105445号公報、同2002−343568号公報、同2002−141173号公報、同2002−352957号公報、同2002−203683号公報、同2002−363227号公報、同2002−231453号公報、同2003−3165号公報、同2002−234888号公報、同2003−27048号公報、同2002−255934号公報、同2002−260861号公報、同2002−280183号公報、同2002−299060号公報、同2002−302516号公報、同2002−305083号公報、同2002−305084号公報、同2002−308837号公報等が挙げられる。
次に、有機EL素子に用いられる発光ドーパントについて説明する。
発光ドーパントとしては、蛍光性化合物、燐光発光体(燐光性化合物、燐光発光性化合物等ともいう)を用いることができる。
燐光発光体としては、好ましくは元素の周期表で8〜10族の金属を含有する錯体系化合物であり、さらに好ましくはイリジウム化合物、オスミウム化合物、または白金化合物(白金錯体系化合物)、希土類錯体であり、中でも最も好ましいのはイリジウム化合物である。
以下に、燐光発光体として用いられる化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。これらの化合物は、例えば、Inorg.Chem.40巻,1704〜1711に記載の方法等により合成できる。
Figure 2007087852
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蛍光発光体(蛍光性ドーパント)の代表例としては、クマリン系色素、ピラン系色素、シアニン系色素、クロコニウム系色素、スクアリウム系色素、オキソベンツアントラセン系色素、フルオレセイン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム系色素、ペリレン系色素、スチルベン系色素、ポリチオフェン系色素、又は希土類錯体系蛍光体等が挙げられる。
また、従来公知のドーパントも本発明に用いることができ、例えば、国際公開第00/70655号パンフレット、特開2002−280178号公報、同2001−181616号公報、同2002−280179号公報、同2001−181617号公報、同2002−280180号公報、同2001−247859号公報、同2002−299060号公報、同2001−313178号公報、同2002−302671号公報、同2001−345183号公報、同2002−324679号公報、国際公開第02/15645号パンフレット、特開2002−332291号公報、同2002−50484号公報、同2002−332292号公報、同2002−83684号公報、特表2002−540572号公報、特開2002−117978号公報、同2002−338588号公報、同2002−170684号公報、同2002−352960号公報、国際公開第01/93642号パンフレット、特開2002−50483号公報、同2002−100476号公報、同2002−173674号公報、同2002−359082号公報、同2002−175884号公報、同2002−363552号公報、同2002−184582号公報、同2003−7469号公報、特表2002−525808号公報、特開2003−7471号公報、特表2002−525833号公報、特開2003−31366号公報、同2002−226495号公報、同2002−234894号公報、同2002−235076号公報、同2002−241751号公報、同2001−319779号公報、同2001−319780号公報、同2002−62824号公報、同2002−100474号公報、同2002−203679号公報、同2002−343572号公報、同2002−203678号公報等が挙げられる。
《注入層:電子注入層、正孔注入層》
注入層は必要に応じて設け、電子注入層と正孔注入層があり、陽極と発光層または正孔輸送層の間、及び陰極と発光層または電子輸送層との間に存在させてもよい。
注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極と有機層間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)に詳細に記載されており、正孔注入層(陽極バッファー層)と電子注入層(陰極バッファー層)とがある。
陽極バッファー層(正孔注入層)は、特開平9−45479号公報、同9−260062号公報、同8−288069号公報等にもその詳細が記載されており、具体例として、銅フタロシアニンに代表されるフタロシアニンバッファー層、酸化バナジウムに代表される酸化物バッファー層、アモルファスカーボンバッファー層、ポリアニリン(エメラルディン)やポリチオフェン等の導電性高分子を用いた高分子バッファー層等が挙げられる。
陰極バッファー層(電子注入層)は、特開平6−325871号公報、同9−17574号公報、同10−74586号公報等にもその詳細が記載されており、具体的にはストロンチウムやアルミニウム等に代表される金属バッファー層、フッ化リチウムに代表されるアルカリ金属化合物バッファー層、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ土類金属化合物バッファー層、酸化アルミニウムに代表される酸化物バッファー層等が挙げられる。上記バッファー層(注入層)はごく薄い膜であることが望ましく、素材にもよるがその膜厚は0.1nm〜5μmの範囲が好ましい。
《阻止層:正孔阻止層、電子阻止層》
阻止層は、上記の如く、有機化合物薄膜の基本構成層の他に必要に応じて設けられるものである。例えば、特開平11−204258号公報、同11−204359号公報、及び「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の237頁等に記載されている正孔阻止(ホールブロック)層がある。
正孔阻止層とは広い意味では電子輸送層の機能を有し、電子を輸送する機能を有しつつ正孔を輸送する能力が著しく小さい正孔阻止材料からなり、電子を輸送しつつ正孔を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また、後述する電子輸送層の構成を必要に応じて、正孔阻止層として用いることができる。
有機EL素子の正孔阻止層は、発光層に隣接して設けられていることが好ましい。
一方、電子阻止層とは広い意味では正孔輸送層の機能を有し、正孔を輸送する機能を有しつつ電子を輸送する能力が著しく小さい材料からなり、正孔を輸送しつつ電子を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また、後述する正孔輸送層の構成を必要に応じて電子阻止層として用いることができる。一般に正孔阻止層、電子輸送層の膜厚としては好ましくは3〜100nmであり、さらに好ましくは5〜30nmである。
《正孔輸送層》
正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は単層または複数層設けることができる。
正孔輸送材料としては、正孔の注入または輸送、電子の障壁性のいずれかを有するものであり、有機物、無機物のいずれであってもよい。例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、また導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー等が挙げられる。
正孔輸送材料としては上記のものを使用することができるが、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、特に芳香族第3級アミン化合物を用いることが好ましい。
芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル;N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(TPD);2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン;N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン;ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン;ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン;N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル;N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル;4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル;N,N,N−トリ(p−トリル)アミン;4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン;4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン;3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン;N−フェニルカルバゾール、さらには、米国特許第5,061,569号明細書に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、例えば、4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、特開平4−308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)等が挙げられる。
さらにこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。また、p型−Si、p型−SiC等の無機化合物も正孔注入材料、正孔輸送材料として使用することができる。
また、特開平11−251067号公報、J.Huang et.al.著文献(Applied Physics Letters 80(2002),p.139)に記載されているような所謂、p型正孔輸送材料を用いることもできる。
正孔輸送層は上記正孔輸送材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法、LB法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。正孔輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmである。この正孔輸送層は上記材料の1種または2種以上からなる一層構造であってもよい。
また、不純物をドープしたp性の高い正孔輸送層を用いることもできる。その例としては、特開平4−297076号公報、特開2000−196140号公報、同2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載されたものが挙げられる。
《電子輸送層》
電子輸送層とは電子を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。電子輸送層は単層または複数層設けることができる。
従来、単層の電子輸送層、及び複数層とする場合は発光層に対して陰極側に隣接する電子輸送層に用いられる電子輸送材料(正孔阻止材料を兼ねる)としては、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよく、その材料としては従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができ、例えば、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体等が挙げられる。さらに、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送材料として用いることができる。さらにこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
また、8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(Znq)等、及びこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、GaまたはPbに置き替わった金属錯体も、電子輸送材料として用いることができる。その他、メタルフリーもしくはメタルフタロシアニン、またはそれらの末端がアルキル基やスルホン酸基等で置換されているものも、電子輸送材料として好ましく用いることができる。また、発光層の材料として例示したジスチリルピラジン誘導体も、電子輸送材料として用いることができるし、正孔注入層、正孔輸送層と同様に、n型−Si、n型−SiC等の無機半導体も電子輸送材料として用いることができる。
電子輸送層は上記電子輸送材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法、LB法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。電子輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmである。電子輸送層は上記材料の1種または2種以上からなる一層構造であってもよい。
また、不純物をドープしたn性の高い電子輸送層を用いることもできる。その例としては、特開平4−297076号公報、同10−270172号公報、特開2000−196140号公報、同2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載されたものが挙げられる。
《陽極》
有機EL素子における陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としてはAu等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO2、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。また、IDIXO(In23−ZnO)等非晶質で透明導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。陽極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により、薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、あるいはパターン精度をあまり必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。あるいは、有機導電性化合物のように塗布可能な物質を用いる場合には、印刷方式、コーティング方式等湿式製膜法を用いることもできる。この陽極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、また陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。さらに膜厚は材料にもよるが、通常10〜1000nm、好ましくは10〜200nmの範囲で選ばれる。
《陰極》
一方、陰極としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。なお、発光した光を透過させるため、有機EL素子の陽極または陰極のいずれか一方が、透明または半透明であれば発光輝度が向上し好都合である。
また、陰極に上記金属を1〜20nmの膜厚で作製した後に、陽極の説明で挙げた導電性透明材料をその上に作製することで、透明または半透明の陰極を作製することができ、これを応用することで陽極と陰極の両方が透過性を有する素子を作製することができる。
《基板》
一般に、有機EL素子に用いることのできる基板としては、ガラス、プラスチック等の種類には特に限定はなく、また、透明であっても不透明であってもよい。前記基板としては、ガラス板、ポリマー板・フィルム等が挙げられる。
支持体側から光を取り出す場合には、基板は透明であることが好ましい。好ましく用いられる透明な基板としては、ガラス、石英、を挙げることができる。
ガラス板としては、ソーダ石灰ガラス、バリウムストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス及び石英ガラス等を挙げることができる。
ポリマー板としてはポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルファイド及びポリサルフォン等を挙げることができる。
フィルムを用いる場合は後述する封止用フィルムに光透過性を有するバリア材を形成する事で利用する事が可能である。
《封止用フィルム》
本発明に使用する有機EL素子の封止を行う封止用フィルムについて説明する。
封止用フィルムに用いる可撓性ポリマーフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート(TAC)、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類又はそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリル或いはポリアリレート類、アートン(商品名JSR社製)或いはアペル(商品名三井化学社製)といったシクロオレフィン系樹脂等を挙げられる。
可撓性フィルムの膜厚は10〜500μm程度の厚みを持つもので有ればよいが、30〜200μmであることが好ましい。
該バリア膜を形成する材料としては、水分や酸素など素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、無機膜、金属箔が挙げられる。無機膜としては薄膜ハンドブックp879〜p901(日本学術振興会)、真空技術ハンドブックp502〜p509、p612、p810(日刊工業新聞社)、真空ハンドブック増訂版p132〜p134(ULVAC 日本真空技術K.K)に記載されている如き無機膜が挙げられる。例えば、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni等の金属、MgO、SiO、SiO2、Al23、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe23、Y23、TiO2、Cr23、Sixy(x=1、y=1.5〜2.0)、Ta23、ZrN、SiC、TiC、PSG、Si34、SiN、SiON、単結晶Si、アモルファスSi、W、等が用いられる。
該バリア膜の形成方法については、特に限定はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスタ−イオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法などを用いることができる。
又、金属箔の材料としては、例えばアルミニウム、銅、ニッケルなどの金属材料や、ステンレス、アルミニウム合金などの合金材料を用いることが出来るが、加工性やコストの面でアルミニウムが好ましい。膜厚は、1〜100μm程度、好ましくは10μm〜50μm程度が望ましい。
更に該膜の脆弱性を改良するためにこれら無機層と有機材料からなる層の積層構造を持たせ複合膜がより好ましい。無機層と有機層の積層順については特に制限はないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。
バリア性能として水蒸気透過度は、有機層の結晶化、第2電極の剥離等によりダークスポットの発生、及び有機EL素子の長寿命化等を考慮し、0.01g/m2・day以下であることが好ましい。水蒸気透過度はJIS K7129B法(1992年)に準拠した方法で主としてMOCON法により測定した値を示す。
酸素透過度は、有機層の結晶化、第2電極の剥離等によりダークスポットの発生、及び有機ELス素子の長寿命化等を考慮し、0.01ml/m2・day・atm以下であることが好ましい。酸素透過度はJIS K7126B法(1987年)に準拠した方法で主としてMOCON法により測定した値である。
更には、酸素透過度10-3ml/m2/day以下、水蒸気透過度10-5g/m2/day以下の高バリア性フィルムであることが好ましい。
《封止用フィルムの洗浄》
封止用フィルムはフィルム部分が吸湿性を持ち水分除去が難しく、残留水分の影響で接着性が不良となる課題がある。また湿式洗浄で一般的に行われる超音波洗浄はバリアダメージを有する為、湿式洗浄を行う事は問題を有する。
そこで本発明では封止用フィルムを洗浄するために乾式洗浄を行っている。乾式洗浄手段としては、粘着材による異物除去クリーニングおよびUV洗浄もしくはプラズマ洗浄方法を用いている。
粘着材による異物除去方法は、例えば紙または布などに粘着材を塗布し封止用フィルム上に付着した異物を粘着力にて除去する方法や、ブチルゴム、シリコン系ゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンゴム、エンビ系ゴム等の粘着ゴム材を、芯材に巻きつけロール状にした粘着ゴムロールを用い封止用フィルム上に付着した異物を粘着力にて除去する方法があり、好ましくは粘着ゴムロールを用いる方法がよい。このときの粘着材は封止用フィルムのバリア層を剥がさない程度の粘着力を有する材料でできている。
UVオゾン洗浄とは、低圧水銀ランプやエキシマランプ等の紫外線を照射するランプを使って活性酸素を発生させ、同時に基板表面に付着した有機物を分解、酸化揮発除去する方法である。
プラズマ洗浄は、酸素ガスやアルゴンガスに高周波を印加しプラズマを発生させ、基板表面に照射し化学反応により洗浄する方式である。
いずれにしても洗浄しながら、洗浄具合の測定は困難であるため、事前に洗浄具合を測定し、その洗浄条件以上であれば問題なしという判断を行う。
《減圧保持》
1Paから1000Pa程度に減圧し、不活性ガスまたは不活性ガス相当の窒素ガスを封入した槽内にて行なわれる。さらにそのままの環境を維持して大気に暴露せず有機EL素子を封止用フィルムにて封止する事により、素子不良の低減を図ることが可能となる。
《封止》
本発明に用いられる封止手段としては、バリア膜を有する可撓性フィルムの封止基材と、有機EL素子の形成された支持基板とを接着剤で接着する方法である。
バリア膜を有する可撓性フィルムは、有機EL素子の表示領域を覆うように配置されていればよい。
接着剤として具体的には、アクリル酸系オリゴマー、メタクリル酸系オリゴマーの反応性ビニル基を有する光硬化および熱硬化型接着剤、2−シアノアクリル酸エステルなどの湿気硬化型等の接着剤を挙げることができる。また、エポキシ系などの熱および化学硬化型(二液混合)を挙げることができる。また、ホットメルト型のポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィンを挙げることができる。また、カチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤を挙げることができる。
なお、有機EL素子が熱処理により劣化する場合があるので、室温から80℃までに接着硬化できるものが好ましい。また、前記接着剤中に乾燥剤を分散させておいてもよい。封止部分への接着剤の塗布は、市販のディスペンサーを使ってもよいし、スクリーン印刷のように印刷してもよい。
接着剤の配置は前記塗布装置を用い有機EL素子の外周部に枠状に接着材層を形成する方法や、素子全面を覆う様に接着剤層を形成する方法があり、その配置は素子側、封止基材側どちら側に配置しても良いがEL素子面へのダメージを考慮すると封止基板側に配置する方が好ましい。
支持基板と封止基材との貼り合わせは、気泡や気道の除去の観点より減圧の雰囲気環境下で行う事が好ましい。貼合方法としては平板プレス、ロールラミネータ等を利用する事が可能である。
該支持基板と封止基材は接着材厚み1μm以上100μm以下の間隔が形成されるように貼り合せる事が望ましい。このため、用いられる接着材中には、フィラーが混入されていることが好ましい。フィラーとしては、ビーズ状、ファイバー状に加工されたガラス、石英やエポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂などの高分子からなる樹脂等が挙げられる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。
図2は左から封止用フィルムを乾式洗浄し、有機EL素子を封止用フィルムで封止する迄の工程図であり、図3は封止用フィルムと接着剤層を含めた有機EL素子の断面を模式的に示した図である。
図2において封止フィルムを積載する封止スタック工程1と、一般環境(クリーン)状態で2のロールクリーナ洗浄工程、3のUV洗浄工程を通過後、封止スタッカに送られ(4工程)、5の減圧工程に進む。6は窒素ガスを充填する工程であり、8工程では有機EL素子スタッカ部から移送された素子(7工程)と張り合わされ、9の完成品工程となる。
《有機EL素子の作製》
陽極としてガラス上にITOを150nm成膜した基板(NHテクノグラス社製:NA−45)にパターニングを行った後、このITO透明電極を設けた透明支持基板をISO−プロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った。
この透明支持基板を、市販の真空蒸着装置の基板ホルダーに固定し、一方、5つのタンタル製抵抗加熱ボートに、α−NPD、CBP、Ir(ppy)3、BCP、Alq3をそれぞれ入れ、真空蒸着装置(第1真空槽)に取付けた。
さらにタンタル製抵抗加熱ボートにフッ化リチウムを、タングステン製抵抗加熱ボートにアルミニウムをそれぞれ入れ、真空蒸着装置の第2真空槽に取り付けた。
まず、第1の真空槽を4×10-4Paまで減圧した後、α−NPDの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm〜0.2nm/秒で透明支持基板に膜厚25nmの厚さになるように蒸着し、正孔注入/輸送層を設けた。
さらに、CBPの入った前記加熱ボートとIr(ppy)3の入ったボートをそれぞれ独立に通電して発光ホストであるCBPと発光ドーパントであるIr(ppy)3の蒸着速度が100:7になるように調節し膜厚30nmの厚さになるように蒸着し、発光層を設けた。
ついで、BCPの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1〜0.2nm/秒で厚さ10nmの正孔阻止層電子輸送層を設けた。更に、Alq3の入った前記加熱ボートを通電して加熱し、蒸着速度0.1nm〜0.2nm/秒で膜厚40nmの電子輸送層電子注入層を設けた。
次に、前記の如く電子輸送層電子注入層まで製膜した素子を真空のまま第2真空槽に移し第2真空槽を2×10-4Paまで減圧した後、フッ化リチウム入りのボートに通電して蒸着速度0.01nm/秒〜0.02nm/秒で膜厚0.5nmの陰極バッファー層を設け、次いでアルミニウムの入ったボートに通電して蒸着速度1nm/秒〜2nm/秒で膜厚150nmの陰極をつけ、図1に記載の層構成を有する素子を得た。
さらにこの有機EL素子を大気に接触させることなく窒素雰囲気下(純度99.999%以上の高純度窒素ガス下)のEL収納室6へ移した。
《封止作業》
<ガスバリア性可撓性フィルム(封止用フィルム)の作製>
基材として、ポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人・デユポン社製フィルム、以下、PETと略記する)上に、大気圧プラズマ放電処理装置によりSiOxからなる無機物のガスバリア膜を形成し、酸素透過度0.01ml/m2/day以下、水蒸気透過度0.01g/m2/day以下の高ガスバリア性フィルムを作製した。
<封止用フィルムのクリーニング>
1工程の封止スタッカから搬送されたシート状に裁断された複数枚の封止用フィルムは、ロール状の粘着シートに接触して異物が除去されローラ洗浄手段2を通過して、UV洗浄手段3にて封止用フィルム上の有機物が分解洗浄される。UV洗浄手段3はエキシマランプ洗浄方式であり、ランプはウシオ電機製バリア放電型キセノンエキシマランプ50Wを4灯使用している。照射距離a(図2参照)は1〜3mm、照射時間は10秒〜30秒に設定できるようになっている。
<接着剤の塗布>
封止用フィルムの乾式洗浄工程後、封止用フィルムは封止スタッカ部4に収納され、さらに減圧工程5では減圧装置により機内圧を1〜1000Paに調節できるようになっている。減圧された状態で窒素ガスを充填させる(6工程)、封止用フィルムは大気に曝さず窒素雰囲気下の貼り合わせ工程(8工程)へ移動される。また、予め基板上に作製された有機EL素子(7工程)も8工程へ移動させる。
8工程では窒素雰囲気下で前記バリア膜を有する可撓性フィルムのバリア膜面上にスクリーン印刷機にてUV硬化性のエポキシ樹脂(ナガセケムテックス(株)製UVレジン XNR5516)を有機EL素子の発光素子面及び電極取り出し部を除く周辺部も含め覆う様に接着剤の塗布を行う。
<貼り合せ>
前記接着剤の塗布されたバリア膜を有する可撓性フィルムに対向する様にガラス上に形成された有機EL素子面をバリアフィルム側に向け、位置合わせを行い、周囲環境を10Paまで減圧を行った。減圧後、ガスバリア性の有する樹脂フィルムを平板プレスにより0.05MPaの圧力にて圧着貼り合せを行った。つづいて、高圧水銀灯のUVランプにて6000mJ/cm2照射エネルギーを陰極側から接着剤へ与え接着剤の硬化を実施した。
接着剤のエポキシ樹脂は熱硬化型であっても良い。その場合は、貼り合せ時に加熱圧着を行う。
評価
表1は封止用フィルム7の乾式洗浄、減圧に要する時間、減圧保持時間、減圧度をパラメータとして劣化加速条件下(60℃90% 250時間)保存後のダークスポット等の未発光部を除く発光部の面積を初期発光面積との比率で表記した。
判定基準は下記の通り。
○:100〜95% △:95〜85% ×:85%以下
Figure 2007087852
表1の結果から乾式洗浄を行い、減圧度は1Pa〜1000Paに設定し減圧保持時間を10分の条件において、特に問題なく発光する。
有機EL素子の一例を示す図である。 封止用フィルムを乾式洗浄し、有機EL素子を封止用フィルムで封止する装置の概念図である。 封止用フィルムと接着剤層を含めた有機EL素子の断面を模式的に示した図である。
符号の説明
1 封止スタック工程
2 ローラクリーニング工程
3 UV洗浄工程
4 封止スタック工程
5 減圧工程
6 N2充填工程
7 素子スタック工程
8 貼り合わせ工程
9 完成工程

Claims (4)

  1. 基板上に形成された第1電極と、前記第1電極上に形成された発光層を含む1層以上の有機化合物膜からなる有機エレクトロルミネッセンス層と、前記有機エレクトロルミネッセンス層上に形成された第2電極とからなる有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記有機エレクトロルミネッセンス素子を被覆する接着剤を介して、バリア性を有する可撓性フィルムからなる封止材を貼り合わせた有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、前記封止材を乾式洗浄した後、1時間以内に前記封止材を減圧下で所定時間以上保持する工程を連続して行った後大気に曝さず不活性ガスを有する環境下で前記有機エレクトロルミネッセンス素子への封止を行うことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  2. 前記乾式洗浄は、粘着材による異物除去クリーニングおよびUV洗浄もしくはプラズマ洗浄であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  3. 前記減圧された環境は、減圧度1Pa以上1000Pa以下かつ10分以上保持されていることを特徴とする請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  4. 請求項1に記載の可撓性フィルムで作られたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
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