JP2007077821A - 筒内噴射内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料噴射弁がピストンの冠面に対向させて配置され、燃料をこの冠面のキャビティに向けて噴射する筒内噴射内燃機関において、冠面から巻き上がった噴霧の集中による点火プラグの燻りを防止する。
【解決手段】筒内でキャビティ121の周縁に向けて下向きにガス流動Ssを生じさせ、キャビティ121を介して筒内を上昇する噴霧Spをこのガス流動Ssにより偏向させ、この噴霧Spの主流が進む流線上から点火プラグ22を逸脱させる。
【選択図】 図6

Description

本発明は、筒内噴射内燃機関に関し、詳細には、燃料噴射弁がピストンの冠面に対向させて配置され、この燃料噴射弁により、燃料を冠面に形成されたキャビティに向けて噴射するものにおいて、キャビティを介して冠面から巻き上がった噴霧が点火プラグに向かうことにより生じる点火プラグの燻りを防止するための技術に関する。
筒内噴射内燃機関は、シリンダヘッドに燃料噴射弁が設置され、この燃料噴射弁により筒内に燃料を直接噴射することで、層状の混合気を形成するものである。この筒内噴射内燃機関によれば、燃焼の大幅な希薄化が可能であるとともに、吸気に伴うポンプロスの低減の効果も相俟って、特に低負荷域における燃料消費量を低減し得ることが知られている。
筒内噴射内燃機関として、燃料噴射弁が気筒中心軸に対して傾斜させて、シリンダヘッドの側方から気筒中心に向けて配設された、いわゆる側方噴射タイプのもののほか、燃料噴射弁が気筒中心軸に対して平行に、シリンダヘッドの上方からピストンの冠面に対向させて配置された中央噴射タイプのものが知られている。
後者の中央噴射タイプの筒内噴射内燃機関に関し、燃料の微細化が充分に進んでいない噴霧の衝突による点火プラグの燻りを防止する次のような技術が知られている。すなわち、噴霧において、噴孔形状の変更により燃料の粗な部分と密な部分とを形成し、前者の粗な部分を点火プラグに向かわせることである(特許文献1)。
特開2003−120299号公報(段落番号0026)
しかしながら、前掲特許文献1に記載の技術には、次のような問題がある。すなわち、この公知の技術では、燃料噴射弁から点火プラグに直接向かう噴霧の衝突による燻りの防止に関する効果が期待されるものと考えられるが、点火プラグの燻りは、この直接向かう噴霧に限らず、キャビティを介してピストンの冠面から巻き上がった噴霧も原因となり得ることである。点火プラグに対して燃料の粗な部分を指向させたとしても、キャビティの形状や、筒内における気流の影響等により、前記巻き上がった噴霧が点火プラグに向かい、点火プラグの近傍に集中することも考えられ、この場合において、点火プラグの近傍で燃料過剰な状態での燃焼が生じ、発生したスモークが点火プラグに付着するからである。
本発明は、燃料噴射弁がピストンの冠面に対向させて配置され、燃料をこの冠面のキャビティに向けて噴射する筒内噴射内燃機関において、冠面から巻き上がった噴霧の集中による点火プラグの燻りを防止することを目的とする。
本発明は、筒内噴射内燃機関を提供するものであり、この機関は、冠面にキャビティが形成されたピストンと、このピストンの冠面に対向させて配置され、筒内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁と、この燃料噴射弁により噴射された噴霧に点火する点火プラグとを含んで構成される。本発明の1つの側面では、筒内で気筒中心軸に沿う上下方向に関して下向きに、キャビティの周縁に向かうガス流動を生じさせる手段が設けられ、キャビティを介して筒内を上昇する噴霧をこのガス流動により偏向させ、この噴霧の主流が進む流線上から点火プラグを逸脱させる。
本発明によれば、キャビティを介した噴霧をキャビティの周縁に向けて筒内を下向きに進むガス流動により偏向させ、噴霧の主流が進む流線上から点火プラグを逸脱させたので、ピストンの冠面から巻き上がった噴霧を点火プラグに向かう方向から逸らせ、この噴霧の集中による点火プラグの燻りを防止することができる。
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1,2は、本発明の第1の実施形態に係る筒内噴射内燃機関(以下「エンジン」という。)1の構成を、気筒中心軸mを含む平面による断面で示している。図1は、気筒列方向に垂直な平面により、図2は、気筒列方向に平行な、図1のx−x線で示す平面による。エンジン1は、燃料噴射弁21がピストン12の冠面に対向させて配置された、いわゆる中央噴射タイプの筒内噴射内燃機関である。
シリンダブロック11には、ピストン12が挿入され、その冠面の中央には、円形のキャビティ121が形成されている。ピストン12の冠面とシリンダヘッド13の下面との間に形成される空間14が燃焼室となる。気筒中心軸mを基準としたシリンダヘッド13の一側には、吸気ポート15が形成され、吸気ポート15は、図示しない吸気マニホールドと接続されて、吸気通路を形成している。吸気ポート15は、吸気弁16により開放及び遮断される。シリンダヘッド13の他側には、排気ポート17が形成され、排気ポート17は、図示しない排気マニホールドと接続されて、排気通路を形成している。排気ポート17は、排気弁18により開放及び遮断される。吸気弁16及び排気弁18は、各弁16,18の上方に設置された、図示しない吸気カム又は排気カムにより開方向に駆動される。
また、シリンダヘッド13には、燃焼室14の上部中央に臨ませて、気筒中心軸mに対してほぼ平行に燃料噴射弁21が設置されるとともに、燃料噴射弁21に隣接させて点火プラグ22が設置されている。本実施形態では、レイアウト上の制約から、燃料噴射弁21を気筒中心軸mから気筒列方向にずらして配置するとともに、燃料の噴射方向の制約から、燃料噴射弁21を気筒中心軸mに対して若干傾斜させている。このような燃料噴射弁21の配置との関係で、キャビティ121が冠面の中心からずらして形成されている。本実施形態では、燃料噴射弁21として、圧縮行程噴射時における噴霧形状の乱れを抑制し得るマルチホールタイプのインジェクタを採用しており、弁体中心軸を基準とした周方向に配列された各噴孔から燃料が噴射され、噴射された燃料により、全体として中空円錐状の噴霧が形成される。点火後、燃焼により生じた排気は、排気弁18の開期間に排気ポート17から排気通路に排出され、排気後処理用の触媒19を通過した後、大気中に放出される。
燃料噴射弁21及び点火プラグ22の動作は、エンジンコントロールユニット(以下「ECU」という。)31により制御される。ECU31へは、エンジン1の吸入空気量を検出するエアフローメータ41の検出信号、エンジン1に対する要求負荷に相関するアクセル開度を検出するアクセルセンサ42の検出信号、クランクシャフト(図示せず。)の基準位置及び単位位置を検出するクランク角センサ43の検出信号(これをもとに、エンジン1の回転速度を算出することができる。)、エンジン冷却水の温度を検出する水温センサ44の検出信号、点火プラグ22の放電電圧を検出する電圧センサ45の検出信号、及び排気浄化触媒19の温度を検出する温度センサ46の検出信号等が入力される。電圧センサ45は、点火プラグ22の二次コイルに設けられ、放電電圧として、通常の方法に従う点火動作(すなわち、一次コイルに対する通電及び遮断)によりこの二次コイルに発生する電圧降下量を検出する。ECU31は、入力した各種の検出信号をもとに、燃料噴射弁21等のエンジン制御デバイスに対する制御信号を形成する。
本実施形態では、エンジン1の運転状態に応じて燃焼形態を切り換え、暖機後の通常運転時において、低負荷域では成層燃焼により、それ以外の高負荷域では均質燃焼により運転を行わせる。均質燃焼では、目標とする空燃比が理論値に設定されるとともに、燃料の噴射時期が吸気行程中に設定され、燃焼室14の全体に噴霧を拡散させた状態で燃焼を行わせる。他方、成層燃焼では、目標とする空燃比が理論値よりも大きな値に設定されるとともに、燃料の噴射時期が圧縮行程中に設定され、燃焼室14の中程に噴霧を集中させた状態で燃焼を行わせる。燃焼形態の切り換えの判断は、ECU31により行われる。成層燃焼時において、噴射された噴霧は、ピストン12の冠面に形成されたキャビティ121に受け止められ、その周壁により上向きに案内されて、冠面から巻き上がる。巻き上がった噴霧は、筒内を上昇し、燃焼室14の中程に保持されて、可燃空燃比の混合気塊を形成する。成層燃焼時には、この混合気塊に対して点火が行われる。本実施形態では、このような通常の成層燃焼(後述するスプレーガイド燃焼との区別のため、以下、特に「ウォールガイド燃焼」という。)のほか、成層燃焼の継続による排気浄化触媒19の低活性化を解消するため、キャビティ121による案内前の(又は冠面との衝突前の)噴霧に点火する燃焼形態を採用する。いわゆるスプレーガイド燃焼として知られるこの燃焼形態は、成層燃焼に包括されるものである。スプレーガイド燃焼によれば、噴射時期の遅角化により、燃料の後燃えを生じさせ、排気温度を上昇させて、触媒19の活性促進を図ることができる。
図3は、燃料噴射弁21により噴射される噴霧Sと、点火プラグ22との関係を示している。
本実施形態では、燃料の微細化が充分に進んでいない噴射直後の噴霧Sの点火プラグ22に対する衝突を回避するため、点火プラグ22(図3(b)には、プラグギャップの位置を符合Pで示す。)を、隣り合う2つの噴孔から噴射された噴霧Sa,Sbの流線La,Lbの間で、噴霧Sの主流が形成する円錐Cの外側に配置している。噴霧Sの周辺で燃料と空気との混合が進み、燃料が拡散して形成された混合気内にプラグギャップPを配置することで、スプレーガイド燃焼時における着火性が確保される。
以下に、ECU31の動作をフローチャートにより説明する。
図4は、燃焼制御ルーチンのフローチャートである。ECU31は、このルーチンを所定の時間毎に実行する。
S101では、アクセル開度APO(エンジン1の負荷に相関するものとして、アクセルセンサ42からの検出信号に基づいて算出される。)、及びエンジン回転数NE等のエンジン1の運転状態のほか、排気浄化触媒19の活性判定のため、触媒温度Tcatを読み込む。
S102では、読み込んだAPO,NEをもとに、エンジン1の運転領域を判定する。
S103では、判定した運転領域が比較的に低負荷側の領域として設定されたAであるか否かを判定する。Aであるときは、S104へ進み、A以外の高負荷側の領域として設定されたBであるときは、S110へ進む。
S104では、触媒温度Tcatが、排気浄化触媒19の活性温度の下限として設定された所定の温度Tcat1以上であるか否かを判定する。Tcat1以上であるときは、触媒19が活性状態にあるとしてS105へ進む。Tcat1未満であるときは、触媒19が低活性化し、活性促進の必要があるとしてS106へ進む。この触媒19の低活性化は、排気温度が低い成層燃焼の継続によるものである。
S105では、ウォールガイド燃焼により運転を行わせる。ウォールガイド燃焼では、燃料の噴射時期が圧縮行程中に設定され、キャビティ121による案内後の噴霧が形成する混合気塊に対して点火が行われる。
S106では、触媒19の活性促進のため、排気昇温制御としてスプレーガイド燃焼により運転を行わせる。ここでのスプレーガイド燃焼では、燃料の噴射時期が膨張行程中に設定され、キャビティ121による案内前の噴霧に対して点火が行われる。このように噴射時期を遅角させて行うスプレーガイド燃焼により、燃料の後燃えが生じ、排気温度が上昇して、触媒19が加熱され、その活性促進が図られる。
S107では、点火プラグ22の燻りに関する状態判定のため、放電電圧Vdisを読み込む。放電電圧Vdisは、本実施形態に係る「状態パラメータ」に相当する。
S108では、読み込んだVdisが、正常な放電状態を示す範囲の下限として設定された所定の電圧VL以上であるか否かを判定する。VL以上であるときは、このルーチンをそのままリターンし、VL未満であるときは、燻りの発生を積極的に防止する必要があるとしてS109へ進む。図5は、点火時期ti前後に亘る一次コイルの電流C1、ならびに二次コイルの電流C2及び電圧V2の変化を示している。点火プラグ22が正常な状態にあるときは、一次コイルに対する通電遮断により、二次コイルの電圧V2の変化にピークが形成され、VL以上の高い放電電圧Vdisが検出される。他方、点火プラグ22の電極等に対する付着物(主に、カーボン粒子)の堆積により絶縁抵抗が低下し、及び電圧漏洩が生じると、正常時におけるようなピークは形成されず、VLよりも低い電圧Vaが検出される。
S109では、筒内にガス流動を生じさせ、ピストン12の冠面から巻き上がった噴霧を点火プラグ22に向かう方向から逸脱させる。本実施形態では、このための制御として燃料噴射弁21の噴射時期を分け、噴射の実行回数を2回に設定することで、後に噴射された噴霧によりこのガス流動を生じさせる。ガス流動は、S108の状態判定の結果に応じ、ウォールガイド燃焼による運転及びスプレーガイド燃焼による運転の双方で生じさせる。
S110では、燃料の噴射時期を吸気行程中に設定し、均質燃焼により運転を行わせる。
本実施形態では、状態判定の指標に放電電圧Vdisを採用したが、これに相関する電気特性を持つものとして、他の電気特性値(たとえば、放電電流Cdis(図5)又は絶縁抵抗)を採用してもよい。
本実施形態に係るエンジン1の成層燃焼時における動作について、筒内の状態を時系列順に示す図6を参照して説明する。
噴射期間の初期における状態を示す図6(a)において、圧縮行程中の比較的に早い時期に噴射された噴霧Spは、全体として中空の円錐を形成し、キャビティ121に向けて筒内を下方に進む。噴霧Spの主流が形成する円錐の外側に点火プラグ22が配置されたことで、噴射直後の噴霧Spの衝突による点火プラグ22の燻りが回避される(図6(b))。噴霧Spは、キャビティ121の底面に衝突して、この底面を外向きに案内されるとともに、キャビティ121の周壁により上向きに案内され、冠面から巻き上がる。また、キャビティ121による案内後の時期における状態を示す図6(c)において、後の噴射によりガス流動としての噴霧Ssの流れが形成される。この噴霧Ssは、冠面から巻き上がった噴霧Spとキャビティ121の上方で衝突し、これを外向きに偏向させる。巻き上がった噴霧Spは、噴射後の時間の経過、及びキャビティ121による案内の過程により速度が大幅に失われているため、噴霧Ssによる偏向の作用を大きく受ける。このため、巻き上がった噴霧Spの主流が進む流線上から、点火プラグ22が逸脱することとなり、噴霧Spの主流が点火プラグ22に向かう方向から逸れ、点火プラグ22の近傍における噴霧Spの過度な集中が回避される。
本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
すなわち、本実施形態では、燃料噴射弁21による噴射の実行回数を2回に設定し、先に噴射され、キャビティ121を介した噴霧Spを、後の噴射により形成されるガス流動(ここでは、噴霧Ss)により偏向させ、その主流が進む流線上から点火プラグ22を逸脱させた。このため、ピストン12の冠面から巻き上がった噴霧Spを点火プラグ22に向かう方向から逸らせ、点火プラグ12の近傍における燃料過剰な状態での燃焼、延いてはスモークの発生を回避し、点火プラグ22の燻りを防止することができる。
また、噴霧Ssによりガス流動を形成することで、部品点数の増加を伴わずに燻り防止の上記の効果を得ることができる。巻き上がった噴霧Spに、後に噴射された噴霧Ssを衝突させることで、噴霧Sp,Ssの双方における燃料の拡散を促すことができる。スプレーガイド燃焼による排気昇温制御時に噴霧Ssによりガス流動を生じさせることで、噴霧Ss中の燃料を後燃えに利用し、排気温度を効率的に上昇させることができる。
更に、燻りに関する状態判定を行い、その結果に応じてガス流動を生じさせることとしたので、後の噴射の不要な実施による運転上の損失(たとえば、燃料消費量の増大)を回避することができる。
なお、本実施形態では、燃料噴射弁21としてマルチホールタイプのインジェクタを採用している。このタイプのインジェクタによれば、他のタイプ(たとえば、外開きのアウトワードタイプ)のインジェクタによる場合と比較して安価なシステムを構築可能である一方、噴霧に燃料の濃淡が生じ易い。このため、マルチホールタイプのインジェクタを採用したものに本発明を適用することで、流れの偏向による燻り回避の効果を顕著に得ることができる。
また、本実施形態では、低負荷域における運転をウォールガイド燃焼によることとしたが、これに代え、この領域における運転をスプレーガイド燃焼によることとしてもよい。この場合に、燃料の噴射時期は、この燃焼形態が排気昇温制御に採用される場合と比較して早い時期に設定される。図7は、スプレーガイド燃焼による場合のガス流動の作用を示している。ここでは、燃料噴射弁21として、燃料と空気とを混合させて噴射する、いわゆる二流体噴射弁を採用している。コンプレッサ51により圧縮された空気が、遮断弁52により許容されるタイミングでノズル内に送り込まれる。二流体噴射弁21により空気のみを噴射することで、ガス流動Aを生じさせる。二流体噴射弁21により噴射された噴霧(ここでは、燃料及び空気の混合噴霧として符合Mで示す。)は、全体として円錐を形成する。この混合噴霧Mのピストン12の冠面に対する衝突前に点火が行われる。主燃焼による火炎(ここでは、拡散火炎の形態をとる。)Fは、キャビティ121の底面によりキャビティ121内を外向きに案内されるとともに、その周壁により上向きに案内され、冠面から巻き上がる。巻き上がった拡散火炎Fにガス流動としての空気の流れAを衝突させることで、拡散火炎Fを散らして、点火プラグ22に向かう方向から逸らせ、点火プラグ22の燻りを防止することができる。ガス流動A中に燃料成分が含まれないことで、噴霧(Ss)による場合と比較して燃料の集中抑制に関して高い効果を得ることができる。なお、空気による流れの偏向は、排気昇温制御に適用することもできる。燃料の噴射時期を遅角させたスプレーガイド燃焼を採用するとともに、冠面から巻き上がった拡散火炎にガス流動としての空気の流れを衝突させ、これを偏向させる。主燃焼による拡散火炎中に空気が送り込まれることで、燃料の後燃えを促進させることができる。
以下に、本発明の他の実施形態について説明する。以下の各実施形態において、エンジン1の構成は、第1の実施形態におけると同様であってよく、噴霧、又圧縮空気(二流体噴射弁による。)によりガス流動を形成する。
図8は、本発明の第2の実施形態に係る燃焼制御ルーチンのフローチャートを示している。同図において、第1の実施形態におけると同様の処理を行うステップには、図4におけると同じ符合を付している。
本実施形態では、点火プラグ22の燻りに関する状態パラメータとして成層燃焼による連続運転時間を採用し、これが所定の時間に達した後にガス流動を生じさせることとする。成層燃焼による場合は、燃焼温度が低く、時間の経過に伴い点火プラグ22の温度が低下して、燻りの発生が顕著となるところ、点火プラグ22の温度が比較的に高い成層燃焼への切換直後の期間を外してガス流動を生じさせることで、ガス流動の不要な形成による運転上の損失(たとえば、燃料消費量の増大)を回避することができる。
S103でエンジン1が領域Aにあると判定された場合において、排気浄化触媒19の状態に応じ、通常の成層燃焼と排気昇温制御(スプレーガイド燃焼による。)との間で燃焼形態を切り換える(S104〜106)。通常運転時における成層燃焼(S105)に際し、S201では、カウンタTIMに1を加算し、S202では、加算後のTIMが所定の値TIM1よりも大きいか否かを判定する。大きいときにのみ、S109へ進み、それ以外のときは、このルーチンをそのままリターンする。S109では、追加の噴射時期を設定するか、あるいは燃料の噴射後、空気のみを噴射することで、筒内にガス流動を生じさせ、冠面から巻き上がった噴霧を外向きに偏向させ、その主流が進む流線上から点火プラグ22を逸脱させる。他方、S103でエンジン1が領域Bにあると判定された場合は、S110へ進み、均質燃焼による運転を選択するとともに、S203でカウンタTIMを0にリセットする。
本実施形態によれば、成層燃焼による連続運転時間を採用し、ECU31の演算過程で状態パラメータを検出可能としたことで、電圧センサ等の状態パラメータを検出するための特別なセンサを設置することが不要となる。
図9は、本発明の第3の実施形態に係る始動制御ルーチンのフローチャートを示している。ECU31は、エンジン1の電源スイッチによりこのルーチンを開始し、所定の時間毎に繰り返す。
本実施形態では、エンジン1の始動運転にスプレーガイド燃焼による排気昇温制御を採用し、排気温度の上昇により排気浄化触媒19の早期活性を図ることとする。燃料噴射弁21には、二流体噴射弁を採用する。ここでは、触媒活性後の通常運転について、運転領域の全体に亘り均質燃焼を一律に採用することとするが、第1の実施形態におけると同様に、運転状態に応じて燃焼形態を切り換えてもよい。
S301では、触媒温度Tcatを読み込む。
S302では、読み込んだTcatが、触媒19の活性温度の下限を示す所定の温度Tcat2未満であるか否かを判定する。Tcat2未満であるときは、S303へ進み、Tcat2に達した後は、S305へ進み、暖機後の通常運転に移行する。
S303では、排気昇温制御のため、スプレーガイド燃焼を選択し、燃料の噴射時期を膨張行程中に設定する。ここでのスプレーガイド燃焼では、燃焼室14内の平均空燃比は、理論値又はこれよりも若干高い程度(たとえば、14.4〜18)に設定され、点火時期は、噴射期間の終期又は終了直後(たとえば、圧縮上死点の近傍〜上死点後35°)に設定される。
S304では、燃料の噴射後、空気のみを噴射することで、筒内にガス流動を生じさせる。
本実施形態によれば、流れの偏向により点火プラグ22の燻りを防止しつつ、触媒19の早期活性を図ることができる。また、空気によりガス流動を形成することで、燃料の集中抑制に関して高い効果を得ることができる。ガス流動を生じさせた結果、主燃焼による拡散火炎中に空気が送り込まれることで、燃料の後燃えを促進させることができる。なお、ここでは、空気によりガス流動を形成することとしたが、始動運転におけるガス流動の形成に噴霧を採用することもできる。この場合は、主燃焼のための先の噴射後、後の噴射を行う。後に噴射された噴霧中の燃料は、後燃えに利用される。
以上の各実施形態において、空気によるガス流動を形成する場合は、エンジン1の負荷の増大に伴い空気の噴射量を増大させるのが好ましい。負荷の増大による噴霧の拡大に対し、偏向の作用を適度に得ることができる。
また、燃焼噴射弁21のアクチュエータには、ソレノイドタイプのもののほか、ピエゾタイプのものを採用するのが好ましい。ピエゾタイプのアクチュエータによれば、応答精度の高さにより、回転速度に拘わらず、常に良好なガス流動を得ることができる。
本発明の第1の実施形態に係る筒内噴射内燃機関の構成 図1のx−x線断面 噴霧と点火プラグとの関係 本発明の第1の実施形態に係る燃焼制御ルーチンのフローチャート 放電電圧による燻りの判定 噴霧を偏向させる場合の燃料噴射弁の動作 拡散火炎を偏向させる場合の燃料噴射弁の動作 本発明の第2の実施形態に係る燃焼制御ルーチンのフローチャート 本発明の第3の実施形態に係る始動制御ルーチンのフローチャート
符号の説明
1…エンジン、11…シリンダブロック、12…ピストン、121…キャビティ、13…シリンダヘッド、14…燃焼室、15…吸気ポート、16…吸気弁、17…排気ポート、18…排気弁、19…排気浄化触媒、21…燃料噴射弁(又は「燃料噴射弁」としての二流体噴射弁)、22…点火プラグ、31…エンジンコントロールユニット、41…エアフローメータ、42…アクセルセンサ、43…クランク角センサ、44…冷却水温度センサ、45…放電電圧センサ、46…触媒温度センサ、51…コンプレッサ、52…遮断弁、m…気筒中心軸、S…噴霧、C…噴霧の外形、L…噴霧の流線、A…空気、F…火炎。

Claims (13)

  1. 冠面にキャビティが形成されたピストンと、
    このピストンの冠面に対向させて配置され、筒内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁と、
    この燃料噴射弁により噴射された噴霧に点火する点火プラグと、
    筒内で気筒中心軸に沿う上下方向に関して下向きに、前記キャビティの周縁に向かうガス流動を生じさせるガス流動制御手段と、を含んで構成され、
    前記キャビティを介して筒内を上昇する噴霧を前記ガス流動により偏向させ、この噴霧の主流が進む流線上から前記点火プラグを逸脱させる筒内噴射内燃機関。
  2. 前記燃料噴射弁による燃料の噴射時期として、比較的に早い圧縮行程中の第1の噴射時期と、この第1の噴射時期よりも遅い第2の噴射時期とが設定され、
    前記ガス流動が、前記第2の噴射時期に噴射された噴霧により形成される請求項1に記載の筒内噴射内燃機関。
  3. 前記燃料噴射弁が、燃料と空気とを混合させて噴射可能な二流体噴射弁であり、
    前記ガス流動が、この二流体噴射弁により噴射された空気により形成される請求項1に記載の筒内噴射内燃機関。
  4. 機関の負荷が高いときほど、前記二流体噴射弁による空気の噴射量を増大させる請求項3に記載の筒内噴射内燃機関。
  5. 前記点火プラグは、前記ピストンの冠面に対する衝突前の噴霧に点火する請求項1〜4のいずれかに記載の筒内噴射内燃機関。
  6. 機関の排気通路に設置された排気浄化触媒の状態に応じた排気の昇温要求下において、前記燃料噴射弁による燃料の噴射時期が膨張行程中に設定される請求項5に記載の筒内噴射内燃機関。
  7. 前記点火プラグの燻りに関する状態パラメータを検出する状態検出手段を更に含んで構成され、
    前記ガス流動制御手段は、検出された状態パラメータによる燻りの発生有無の判定結果に応じ、前記ガス流動を生じさせる請求項1〜6のいずれかに記載の筒内噴射内燃機関。
  8. 前記燃料噴射弁により圧縮行程中に噴射された噴霧に対して点火が行われる場合に、
    前記状態検出手段は、前記状態パラメータとしてこの燃焼形態による連続運転時間を測定する請求項7に記載の筒内噴射内燃機関。
  9. 前記状態検出手段は、前記状態パラメータとして前記点火プラグの放電電圧又はこれに相関する電気特性値を検出する請求項7に記載の筒内噴射内燃機関。
  10. 前記燃料噴射弁が、弁体中心軸を基準とした周方向に複数の噴孔が配列された多噴孔タイプの燃料噴射弁である請求項1〜9のいずれかに記載の筒内噴射内燃機関。
  11. 前記燃料噴射弁が、弁体の駆動手段としてピエゾタイプのアクチュエータを含んで構成される請求項1〜10のいずれかに記載の筒内噴射内燃機関。
  12. 冠面にキャビティが形成されたピストンと、
    このピストンの冠面に対向させて配置され、筒内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁と、
    この燃料噴射弁により噴射された噴霧に点火する点火プラグと、
    筒内で気筒中心軸に沿う上下方向に関して下向きに、前記キャビティの周縁に向かうガス流動を生じさせるガス流動制御手段と、を含んで構成され、
    前記ガス流動の流線が、前記キャビティを介して筒内を上昇する噴霧の主流が進む流線に対して前記キャビティの上方で交差する筒内噴射内燃機関。
  13. 冠面にキャビティが形成されたピストンと、
    このピストンの冠面に対向させて配置され、筒内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁と、
    この燃料噴射弁により噴射された噴霧に点火する点火プラグと、
    この点火プラグの燻りに関する状態パラメータを検出する状態検出手段と、
    検出された状態パラメータに基づいて燻りの発生有無の判定を行う判定手段と、
    この手段による判定結果に応じ、前記燃料噴射弁による噴射の実行回数を異ならせる噴射制御手段と、を含んで構成される筒内噴射内燃機関。
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