JP2007075902A - 工作機械の軸送り装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】キャンセル型軸送り装置を機体の上側部位に設置すると重心が高くなって振動や変位が生じやすくなる。
【解決手段】スライダ10を挟んで水平方向に等距離L離れてX軸に平行な2つの軸方向にそれぞれ往復移動する2つのキャンセル移動体20を移動軸に対称に設ける。スライダ10は、ビーム2上の天蓋3に設けられる固定子30Aとスライダ10に設けられる可動子30Bからなるリニアモータ30で駆動される。キャンセル移動体20は、固定子40Aと可動子40Bとからなるリニアモータ40によって駆動される。キャンセル移動体20は、制御装置によって独立して移動制御されスライダ10と反対方向に移動して、重心の位置が移動しないようにされる。
【選択図】図3

Description

本発明は、主移動体をリニアモータで駆動する方式の工作機械の軸送り装置において、機械の重心が同じ位置にあるように主移動体の移動と反対方向に移動するキャンセル移動体を備えた工作機械の軸送り装置に関する。
移動体をリニアモータで駆動するリニアモータ駆動方式の工作機械が知られている。リニアモータは、移動体の移動に影響する摩擦がより少なく、回転型サーボモータに比べて構造が簡単であり剛性が高いところから、モータ制御装置と位置決め制御技術の発展にともなって工作機械に数多く適用されるようになってきている。
リニアモータがばね要素が少なく応答性能が優れていることから、リニアモータ駆動方式では、移動体を高速に往復移動させることを狙っている。その結果、リニアモータ駆動方式では、移動体の高加速、急減速、反転が煩雑に繰り返されるので、移動体の慣性とリニアモータの推力の反力で機体に振動や変位が生じやすい。機体の振動や変位を抑えるために加減速度を緩めたり反転時に休止を与えることが考えられるが、リニアモータの優位な点が十分に発揮されない。そこで、機体の振動や変位を防止する方法として、移動体の質量に見合うカウンタバランスウェイトを与える方法やリニアモータの推力の反力を相殺させる力を与える方法が考えられている。
カウンタバランスウェイトを与える方法としては、鉛直軸のカウンタバランサで広く使用されているカウンタマスを連結する方法や移動体の移動軸にエアシリンダまたは油圧シリンダを連結する方法がある。カウンタマスやシリンダによってバランスを与える方法は、受動的であるために高速応答では追従しにくい。また、上記方法は、移動体に直接抵抗を与えるためにリニアモータの位置決め性能を低下させたり、推力の損失をより多く生じさせる。したがって、上記方法は、高速・高応答性を生かし高い位置決め精度を得ることを期待しているリニアモータ駆動方式の工作機械では不利である。また、もともと移動体の質量が大きく変動する可能性のある工作機械では、カウンタマスを交換したり、エアシリンダの圧力を変更したりする必要がある。
一方、リニアモータの推力による反力を相殺して行なう方法では、具体的には、特許文献1に開示されるように、カウンタマスをリニアモータ駆動方式で移動できるようにし、カウンタマスのリニアモータの推力による反力を発生させて移動体のリニアモータの推力による反力と相殺させるようにする方法がある。このように反力を相殺する構成の軸送り装置は、キャンセル型と呼ばれている。キャンセル型軸送り装置は、能動的であるので、リニアモータ駆動方式の有する高速性能や応答性能をより発揮させることができる。また、移動体の移動にともなって生じる反力を相殺するカウンタマスの移動による反力は、カウンタマスのリニアモータを駆動制御することによってある程度調整することができるから、作業上の負担も軽減される。
特許文献1に示されるような移動するカウンタマスを連結する構成(以下、連結方式という)のキャンセル型軸送り装置の基本的な構造は、特許文献1に示されるような移動体の移動軸に同軸にカウンタマスを連結する直列配置の構造と、特許文献2や特許文献3に示されるように、移動体とカウンタマスを並べて配置し連結部材で連結する並列配置の構造がある。
連結方式のキャンセル型軸送り装置の場合、移動体と同等のサイズのカウンタマスとリニアモータが要求されるので、単純に言えば、軸送り装置が2倍の軸距離、面積、もしくは高さになるので、機械が加工できる被加工物のサイズに対して大型化する傾向にある。また、連結方式のキャンセル型軸送り装置の構成では、ある程度の見なし計算でカウンタマスのリニアモータを制御して反力を抑制せざるを得ないので、振動や変位を防止し得る精度に限界があり、許容される機械の振動や変位に因る誤差に対する要求が厳しくなると十分に性能が発揮できなくなる。また、カウンタマスが直接あるいはプーリなど介して継手、索状体、ベルトなどで連結されるので、構成は比較的複雑になるとともに、移動体の移動がより高速になるにしたがってカウンタマスが移動体の移動に十分に追従できないおそれが生じる。
それに対して、特許文献4のように、リニアモータの一次側と二次側を反対方向に移動させて常に移動軸の中心と移動体の重心を同じにしておくことで移動体の移動にともなう反力を相殺させて機械の振動や変位を抑制する方法がある(以下、非連結方式という)。このような非連結方式のキャンセル型軸送り装置は、連結方式のキャンセル型軸送り装置に比べてコンパクトであるとともに、振動を小さく抑える性能に優れる。しかしながら、単に一次側と二次側を反対方向に移動させる構成のキャンセル型軸送り装置は、構造上、ボイスコイルモータのようなリニアモータに限定される。したがって、非連結方式のキャンセル型軸送り装置を工作機械の軸送り装置のように大きな推力が要求される軸送り装置にそのまま採用することは困難である。
ところで、工作機械では少なくとも工具と被加工物とを3軸方向に移動することが要求される。キャンセル型軸送り装置に関わらず、水平1軸方向(X軸)とそれに直交する水平1軸方向(Y軸)の各移動体を重ね配置すると高さが高くなり過ぎて作業性が悪くなる。重ね配置を避けることができる構造として、コラムフィード型、門型、ガントリ型、モノコック型のようなX軸方向とY軸方向の移動体を分離する構成が知られている。各構造は一長一短あるが、ここでは詳細な説明を省略する。例えば、特許文献5や特許文献6は、精密な加工機械に有利な構造としてモノコック構造を開示している。
特開平11−189332号公報 特開平5−258749号公報 特開2004−40939号公報 特開2002−283174号公報 特開2001−96434号公報 特開平4−226846号公報
工作機械の軸送り装置のように、より大きな推力が得られるリニアモータを駆動源とする軸送り装置に非連結方式を適用できるようにするためには、主移動体とキャンセル移動体とをそれぞれ別々のリニアモータで駆動させる構造することが考えられる。しかしながら、主移動体とキャンセル移動体とのそれぞれにリニアモータを設ける構成にする場合は、キャンセル移動体によって移動体の移動にともなって生じる反力を相殺するために、それに見合う大きな質量のキャンセル移動体または大きな推力のリニアモータが要求される。したがって、連結方式のキャンセル型軸送り装置に比べて構成が簡単にでき、キャンセル移動体の主移動体に対する追従性に優れると考えられるが、サイズを小さくすることは難しい。
したがって、このようなキャンセル型軸送り装置を工作機械に設けた場合は、作業性が相当悪化する。また、作業性を確保するためにX軸方向とY軸方向の主移動体を完全に分離させる場合は、モノコック型のように何れかの移動体を機体の上側部位に配設せざるを得なくなる。しかしながら、主移動体とキャンセル移動体とを機体の上側部位に重ね配置すると、上側の重量が相対的に大きくなり、機械の重心の位置がより高くなって、かえって機体の振動や変位が生じやすくなる。一方、主移動体とキャンセル移動体を並べて配置すると移動体とキャンセル移動体のバランスを失い、やはり機体の振動や変位が生じてしまう。
本発明は、高い加工精度が要求される工作機械の軸送り装置として実用に適する非連結方式のキャンセル型軸送り装置を提供することを目的とする。具体的には、移動体に水平方向に等距離離れ移動体と平行に往復移動し得る2つのキャンセル移動体を有する軸送り装置を提供する。本発明による具体的ないくつかの利点は、追って詳細に説明される。
本発明は、工作機械で実現できる非連結方式のキャンセル型軸送り装置として、水平1軸方向に往復移動可能に設けられる主移動体と、機体構造物に設けられる固定子と主移動体に設けられる可動子とからなり主移動体を駆動するリニアモータと、主移動体を挟んで水平方向に等距離離れた2つの軸方向にそれぞれ往復移動可能に設けられ主移動体が移動する方向と反対方向に移動する2つのキャンセル移動体と、主移動体に設けられる固定子とキャンセル移動体に設けられる可動子とからなり2つのキャンセル移動体をそれぞれ駆動する2つのリニアモータとを備える。
好ましくは、主移動体を駆動するリニアモータをコアレスリニアモータとする。また、主移動体を駆動するリニアモータを主移動体の移動軸を中心に線対称に設けられる同型の2つのコアレスリニアモータとする。また、キャンセル移動体を駆動する2つのリニアモータをコアレスリニアモータとする。また、2つのキャンセル移動体が同型であるとともにキャンセル移動体を移動させる2つのリニアモータが同型とする。
また、機械の重心が同じ位置にあるように2つのキャンセル移動体を制御する制御装置を含む。好ましくは、制御装置は、2つのキャンセル移動体を独立して制御することを特徴とする。また、主移動体の位置を検出するリニアスケールと、キャンセル移動体の各位置をそれぞれ検出するリニアスケールと、を備える。また、主移動体は、水平1軸方向と直交する水平1軸方向に往復移動可能に設けられる移動体と独立して配置される。また、主移動体が下側に工具を鉛直軸廻りに回転させるスピンドルを備え、被加工物が載置されるテーブルよりも上側に設置される構成とする。
本発明の工作機械の軸送り装置は、非連結方式のキャンセル型軸送り装置であるからキャンセル移動体の制御性と追従性に優れ、機械の重心を安定して同じ位置に保持でき、機体の振動や変位をより確実に抑制することができるとともに、軸送り装置の構成を簡単にしかつサイズを比較的小さくすることができる。そして、主移動体の移動軸を挟んで水平方向に等距離離れ主移動体に平行に移動する2つのキャンセル移動体を設けた構成であるから、機械の重心の位置が高くならず、機体の振動や変位をより安定して抑制することができる。また、水平1軸方向とそれに直交する水平1軸方向の各移動体を容易に分離して配置することができる。また、対称構造によってバランスに優れ、機体の振動や変位がより生じにくい。したがって、機体の振動や変位による加工精度の低下が小さく、作業性に優れ、精密な加工が要求される工作機械に適する。
主移動体とキャンセル移動体を駆動するリニアモータをコアレスリニアモータとする場合、リニアモータの吸引力などによる機体の変位のような悪影響が抑制される。そして、主移動体と主移動体の移動軸を挟んで水平方向に等距離離れた軸方向に主移動体に平行に移動する2つのキャンセル移動体を設けた非連結方式のキャンセル型軸送り装置の構造がより容易に実現できる。特に、軸送り装置をコンパクトに軽量にできるから、機体の上側部位に軸送り装置を設置することを容易にする。
また、主移動体を移動させるリニアモータを主移動体の移動軸を中心に線対称に設けられる同型の2つのコアレスリニアモータとすることで、移動軸と2つのキャンセル軸における推力の配分を均等にしバランスに優れ、機体の振動や変位を安定して抑制することができる。特に、2つのキャンセル移動体が同型であるとともにキャンセル移動体を移動させる2つのリニアモータを同型として、重心を同じ位置に位置させておくことを容易にする。
軸送り装置は、機械の重心が常に同じ位置にあるように2つのキャンセル移動体が制御装置によって制御されるので、より正確に機体の振動や変位が抑制される。また、制御装置は、2つのキャンセル移動体を独立して制御するので、2つのキャンセル移動体が離れて配置され異なるリニアモータで駆動される構成であっても、重心が常に同じ位置にあるように移動制御することができる。また、主移動体とキャンセル移動体の各位置をそれぞれリニアスケールによって検出し制御されるので、より正確に機体の振動や変位が抑制される。
そして、主移動体が他の移動体と独立して配置される構造であるから、機械の高さをより低くできより安定させることができる。特に、主移動体が主軸スピンドルをその下側に備え、テーブルの上側に設置される構成にする、いわゆるモノコック型の構造にすることで、機体をコンパクトかつ機械の重心を低くし、より安定させ高い機械精度を維持させることができ、精密な加工機械により適する構造にすることができる。
図1は、本発明の好適な実施の形態を示す工作機械の全体構成を示す。図1は、機体の一部分を切断し、内側を見ることができるようにしており、切断部位は斜線で示される。図1に示される工作機械は、具体的には、複数の骨材(フレーム)で構成される箱形のビームの上側にX軸方向の移動体を配置した、いわゆるモノコック型の切削機械を示す。以下に、本発明の軸送り装置を搭載した工作機械の全体の概容を説明する。
水平1軸方向(X軸方向)の軸送り装置1は、機体構造物(ビーム)2の上側に取外し可能な天蓋3に設けられる。水平1軸方向に直交する水平1軸方向(Y軸方向)の軸送り装置4は、ビーム2の内側に設けられる。したがって、X軸方向に往復移動可能に設けられる軸送り装置1の主移動体(スライダ)10は、X軸方向と直交するY軸方向に往復移動可能に設けられる軸送り装置4の移動体(サドル)42と独立して配置される。より具体的には、スライダ10は、その下側に工具を鉛直軸廻り(Z軸廻り)に回転させるスピンドル5を備え、サドル42の移動にともなってY軸方向に移動され被加工物が載置されるテーブル74よりも上側に設置される。この構成は、X軸方向の軸送り装置1とY軸方向の軸送り装置4とが重ね配置される構成に比べて移動体の変位が小さく作業性に優れ、高い加工精度が要求される加工装置に適する。
Y軸方向の軸送り装置4は、キャンセル移動体44をサドル42と同軸に機体の後背部位に配置したキャンセル型の構造を有する。したがって、Y軸方向に発生する移動体の移動にともなう反力がキャンセル移動体44によって相殺され振動と変位が抑制される。軸送り装置4は、ベッド6上に設置される。したがって、この構成は、X軸方向の移動体を機体の上側に配設する構成において機械の重心をより下側に位置させることができ、機体がより安定する点で優位である。
鉛直1軸方向(Z軸方向)の軸送り装置7は、Z軸方向に往復移動可能にサドル42に設けられ、サドル42と一体で移動する。軸送り装置7の移動体(スライダ)72は、回転型サーボモータ、シャフト型リニアモータ、コアレスリニアモータなどによってZ軸方向に往復移動する。スライダ72には、上側部位に被加工物を載置するテーブル74が設けられ、テーブル74に被加工物をホルダによって取付固定するチャック76が設けられる。
図2は、図1に示される実施の形態の水平1軸方向の軸送り装置の詳細を示す。図3は、図2に示される軸送り装置の側面の断面を示す。また、図4は、図2に示される軸送り装置の上面を示す。各図に示されるように、本発明の軸送り装置は、主移動体を挟んで水平方向に等距離離れて平行に2つのキャンセル移動体を配設する。
軸送り装置1は、X軸方向に往復移動可能に設けられるスライダ10と、X軸を挟んで水平方向に等距離(L)離れX軸に平行な2つの軸方向にそれぞれ往復移動可能に設けられスライダ10が移動する方向と反対方向に移動する2つのキャンセル移動体20を備える。また、軸送り装置1は、スライダ10を駆動するリニアモータ30と、2つのキャンセル移動体20をそれぞれ駆動するリニアモータ40を備える。リニアモータ30は、図1に示されるビーム2に取付固定される天蓋3に設けられる固定子30Aとスライダ10に設けられる可動子30Bとからなる。また、リニアモータ40は、ビーム2に取付固定される天蓋3に設けられる固定子40Aとキャンセル移動体20に設けられる可動子40Bとからなる。
軸送り装置1は、反力を相殺して振動を抑制するだけではなく、主移動体と離れて設けられるキャンセル移動体を主移動体と反対の方向に移動させて重心を常に同じ位置に置くことによって振動と変位を抑制するので、構成が簡単かつキャンセル移動体の制御がより容易に正確に行えることができ、防振効果が高い。また、軸送り装置1は、移動体を挟んで対称に2つのキャンセル移動体を設ける構成とすることで、重ね配置を回避し高さを低くして機械の重心を低く抑えかつバランスを確保して振動や変位が大きくならないようにして、軸送り装置1を機体の上側部位に配設することを可能にしている。
リニアモータ30は、固定子30Aが二次側の磁石板でなり、可動子30Bが一次側のコアレスコイルでなるコアレスリニアモータである。リニアモータ30は、図3に示されるように、スライダの移動軸を中心に線対称に設けられる同型の2つのコアレスリニアモータでなる。具体的には、二次側固定子30Aは、断面凹形の枠体に複数の永久磁石を配列した2つの磁石板が対向するように配置される磁石ユニットである。一次側可動子30Bは、コアレスコイルをモールドによって基部と一体にし断面凸形に形成されるコイルユニットである。そして、二次側固定子30Aの両側の磁石板に所定のギャップをもってコアレスコイルが移動可能に配置されるように磁石ユニットにコイルユニットが間装される。
一方、リニアモータ40は、固定子40Aが一次側のコアレスコイルでなり、可動子40Bが二次側の磁石板でなるコアレスリニアモータである。2つのリニアモータ40は、共にリニアモータ30と同型である。そして、それぞれのリニアモータ40は、スライダの移動軸を中心に線対称に設けられる。また、キャンセル移動体20は、基本的に、スライダ10とスピンドル5を含む主移動体側の移動部位の質量の2分の1に設計されている。
したがって、機械の重心を同じ位置に置いておくようにするためには、図示しない制御装置は、スライダ10を位置決め制御するとともにそれぞれスライダ10の移動に対してスライダ10が移動する方向と反対の方向にキャンセル移動体20を移動制御される。このようにキャンセル移動体20を移動制御することによって、反力を相殺するとともに機械の重心が振れないようにして振動と変位を確実に防止する。そのため、キャンセル移動体20の移動制御は比較的簡単でありながら、振動はより確実に小さく抑制することができる。
このとき、制御装置は、スライダ10を駆動する2つのリニアモータ30を1つの制御信号で同時に制御する。一方、制御装置は、2つのキャンセル移動体20を別々の制御信号で独立して制御する。そのため、2つのキャンセル移動体20が離れて別々に設けられていてもキャンセル移動体20を移動制御でき、より確実に重心を移動しないようにすることができる。そして、制御装置は、スライダ10と2つのキャンセル移動体20を常に反対の方向に移動させ、したがって、スライダ10の移動方向が反転するときはキャンセル移動体20の移動方向も反転させ、スライダ10が停止するときはキャンセル移動体20も停止するように、リニアモータ30とリニアモータ40を同期して制御する。
2つのリニアモータ30で駆動されるスライダ10は、加工プログラムに基づく指令信号に基づいて同時に移動制御されるので、スライダ10の位置決め制御を行なうための位置検出装置(リニアスケール)50は、可能な限りスライダ10の変位が小さい移動軸の近くに1つ設けられる。一方、キャンセル移動体20を独立して移動制御することを可能にするために、2つのキャンセル移動体20の位置検出装置(リニアスケール)60は、それぞれのキャンセル移動体20に設けられ、各キャンセル移動体20の各位置をそれぞれ検出するできるようにする。ただし、スライダ10の位置決め制御で要求される位置決め精度が加工で要求される加工精度に直接影響するのに対して、キャンセル移動体20は、スライダ10の移動にともなって発生する反力をキャンセルするためにスライダ10の動きに合わせて正確に追従できる範囲内であればよいので、キャンセル移動体20に設けられるリニアスケールは、スライダ10に設けられるリニアスケールに比べて高精度のリニアスケールである必要はない。
スライダ10は、その下側にボールエンドミルのような工具8をZ軸廻りに回転させるスピンドル5を備えている。スライダ10は、被加工物が載置されるテーブル74、被加工物をZ軸方向に往復移動(昇降)させるスライダ72、テーブル74を移動させて被加工物をY軸方向に移動させるサドル42よりも上側に設置される。このような移動体の配置は、既に述べられているように、より高精度な加工が要求される精密加工装置に適する。このような構造でキャンセル型軸送り装置を設ける場合は、機械の重心がより上側になりかえって振動が大きくなるおそれがあるが、実施の形態の軸送り装置1は、スライダ10と、スライダ10を挟んで水平方向に等距離離れX軸に平行な2つの軸方向に移動する2つのキャンセル移動体を備える構成であるため、重心を低く抑えることができ、一層高精度の加工を行なうことができるようにしている。
スライダ10の移動を案内するガイド装置70は、天蓋3に敷設されるガイドレール70Aとスライダ側に敷設されるガイドレール70Bとの間にボールを間装したクロスローラガイドである。また、2つのキャンセル移動体20の移動を案内するガイド装置80は、天蓋3に敷設されるガイドレール80Aとキャンセル移動体20に設けられる軸受体80Bからなるリニアガイドである。
本発明は、工作機械に適用される。特に、より高精度の加工が要求される精密な加工装置に適する。本発明は、切削機械のような工作機械の性能をより向上させて、加工技術の進歩に大きく貢献する。
本発明の好適な実施の形態における工作機械の全体構成を示す斜視図である。 本発明の軸送り装置の例を示す斜視図である。 本発明の軸送り装置の側面を示す断面図である。 本発明の軸送り装置の上面を示す平面図である。
符号の説明
1 軸送り装置(X軸)
2 機体構造物(ビーム)
3 天蓋
4 軸送り装置(Y軸)
5 スピンドル
6 ベッド
7 軸送り装置(Z軸)
8 工具
10 主移動体(スライダ)
20 キャンセル移動体
30 リニアモータ
30A 可動子
30B 固定子
40 リニアモータ
40A 可動子
40B 固定子
42 移動体(サドル)
44 キャンセル移動体
50 位置検出装置(リニアスケール)
60 位置検出装置(リニアスケール)
70 ガイド装置(クロスローラガイド)
80 ガイド装置(リニアガイド)

Claims (10)

  1. 水平1軸方向に往復移動可能に設けられる主移動体と、機体構造物に設けられる固定子と前記主移動体に設けられる可動子とからなり前記主移動体を駆動するリニアモータと、前記主移動体を挟んで水平方向に等距離離れ前記水平1軸に平行な2つの軸方向にそれぞれ往復移動可能に設けられ前記主移動体が移動する方向と反対方向に移動する2つのキャンセル移動体と、前記機体構造物に設けられる固定子と前記キャンセル移動体に設けられる可動子とからなり前記2つのキャンセル移動体をそれぞれ駆動する2つのリニアモータとを備えた工作機械の軸送り装置。
  2. 前記主移動体を駆動するリニアモータがコアレスリニアモータである請求項1に記載の軸送り装置。
  3. 前記主移動体を駆動するリニアモータは、前記主移動体の移動軸を中心に線対称に設けられる同型の2つのコアレスリニアモータでなる請求項1に記載の軸送り装置。
  4. 前記キャンセル移動体を駆動する2つのリニアモータがコアレスリニアモータである請求項1に記載の軸送り装置。
  5. 前記2つのキャンセル移動体が同型であるとともに前記キャンセル移動体を移動させる前記2つのリニアモータが同型である請求項1に記載の軸送り装置。
  6. 機械の重心が同じ位置にあるように前記2つのキャンセル移動体を制御する制御装置を含む請求項1に記載の軸送り装置。
  7. 前記制御装置は、前記2つのキャンセル移動体を独立して制御することを特徴とする請求項1に記載の軸送り装置。
  8. 前記主移動体の位置を検出するリニアスケールと、前記キャンセル移動体の各位置をそれぞれ検出するリニアスケールと、を備える請求項1に記載の軸送り装置。
  9. 前記主移動体は、前記水平1軸方向と直交する水平1軸方向に往復移動可能に設けられる移動体と独立して配置されることを特徴とする請求項1に記載の軸送り装置。
  10. 前記主移動体が下側に工具を鉛直軸廻りに回転させるスピンドルを備え、被加工物が載置されるテーブルよりも上側に設置される構成の請求項1に記載の軸送り装置。
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