JP2007073823A - セラミックス被覆材およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】酸処理やプラズマ処理に対する耐食性に優れたセラミックス被覆材およびその製造方法を提供する。
【解決手段】セラミックス被覆材10は、基材11と、基材11の表面に形成されたダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜13と、DLC膜13の表面に形成されたセラミックス膜15とを具備する。
【選択図】図1
【解決手段】セラミックス被覆材10は、基材11と、基材11の表面に形成されたダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜13と、DLC膜13の表面に形成されたセラミックス膜15とを具備する。
【選択図】図1
Description
本発明は、表面がセラミックス膜で被覆され、酸処理やプラズマ処理に対する耐食性に優れ、半導体製造装置用部材として好適に用いられるセラミックス被覆材およびその製造方法に関する。
半導体装置の製造工程では、シリコンウェハに対して、フッ素系洗浄流体を用いた洗浄処理や、腐食性ガスを用いたプラズマエッチング処理、プラズマCVD法による成膜処理等が行われており、このような処理を行うための各処理装置には、各処理環境に対して優れた耐久性を備えた材料が求められる。このため、従来、半導体製造装置用部材としては、石英ガラスや、アルミナ,窒化珪素等のセラミックス材料が広く用いられている(例えば、特許文献1,2参照)。
しかしながら、これら石英ガラスやセラミックス材料からなる部材は、例えば、プラズマエッチング処理装置に用いた場合には、過酷なプラズマ環境下に繰り返し曝されるために、その表面がエッチングされて損傷、劣化し、それに伴ってパーティクルが発生し、シリコンウェハを汚染してしまう問題がある。また、ウェットエッチング処理等の酸処理雰囲気に曝されるセラミックス部材についても、腐食による損傷や摩耗の進行が早く、十分な耐久性が得られているとは言えない。
特開平11−274149号公報
特開2004−311837号公報
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、酸処理やプラズマ処理に対する耐食性に優れたセラミックス被覆材およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の観点では、基材と、該基材の表面に形成されたダイヤモンドライクカーボン膜と、該ダイヤモンドライクカーボン膜の表面に形成されたセラミックス膜と、を具備することを特徴とするセラミックス被覆材を提供する。
ここで、前記セラミックス膜としては、ジルコニア系セラミックス薄膜が好適である。
本発明の第2の観点では、ジルコニア系セラミックス薄膜を備えたセラミックス被覆材の製造方法、すなわち、基材の表面にプラズマCVD法によりダイヤモンドライクカーボン膜を形成する工程と、形成されたダイヤモンドライクカーボン膜の表面にMOD法によりジルコニア系セラミックス膜を形成する工程と、を有することを特徴とするセラミックス被覆材の製造方法を提供する。
ここで、ジルコニア系セラミックス膜を形成する工程における焼成温度は1000℃〜1200℃とすることが好ましい。
本発明によれば、基材と表面のセラミックス膜との間にダイヤモンドライクカーボン膜を設けることで、このダイヤモンドライクカーボン膜の熱膨張緩和効果により、セラミックス薄膜の密着性を向上させることができる。これにより、例えば、半導体製造装置用部材として用いた場合に、高い耐久性が得られ、部材を長寿命化させることができる。また、パーティクルの発生が低減され、シリコンウェハおよびその他の装置部材の汚染が抑制される。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図1に本発明に係るセラミックス被覆材10の概略構造を表す断面図を示す。セラミックス被覆材10は、基材11と、基材11の表面に形成されたダイヤモンドライクカーボン膜(以下「DLC膜」と記す)13と、DLC膜13の表面に形成されたセラミックス膜15とを備えている。
基材11としては、石英ガラス、石英、シリコン、チタン等を用いることができる。
DLC膜13は、公知の通り、主に化学気相蒸着(CVD)法により合成されるダイヤモンドに類似した高硬度・電気絶縁性・赤外線透過性等を持つカーボン薄膜である。DLC膜13の成膜方法は、例えば、特開平10−72285号公報に開示されている。DLC膜13を基材11とセラミックス膜15との間に設けると、DLC膜13の熱膨張緩和効果により、セラミックス膜15の密着性を向上させることができ、このことがひいてはセラミックス被覆材10の耐食性を向上させる。
DLC膜13の厚さは100nm〜300nmとすることが好ましい。100nm未満では、十分な熱膨張緩和効果が得られず、セラミックス膜15に亀裂や剥離が発生しやすくなる。一方、300nm超とすると、DLC膜形成のコストが嵩む。さらにDLC膜の剥離が起こりやすくなる。
セラミックス膜15としては、耐酸性やプラズマ耐食性に優れるジルコニア系セラミックス膜が好適である。しかし、これに限定されるものではなく、セラミックス膜15として、イットリア、アルミナ等の膜を設けてもよい。
セラミックス膜15の厚さは50nm〜500nmとすることが好ましい。50nm未満では十分な耐久性が得られず、部材寿命が短くなるおそれがある。一方、500nm超では、CVD法では成膜コストが嵩む問題があり、MOD法では欠陥のない均質な膜の形成が困難となる。
セラミックス被覆材10は、使用目的に応じて所定の形状に成形,加工等された基材11の表面に、まず、プラズマCVD法によりDLC膜13を形成し、次いで、こうして形成されたDLC膜13の表面に、例えば、金属有機化合物堆積法(MOD法)やCVD法、スパッタ法等によりセラミックス膜15を形成することにより、製造することができる。
セラミックス膜15としてジルコニア系セラミックス膜を用い、このジルコニア系セラミックス膜をMOD法により形成する場合には、その焼成温度を1000℃〜1200℃で行うことが好ましい。焼成温度が1000℃未満では、粒成長が十分でなく、緻密化しないという問題があり、一方、焼成温度が1200℃超では、基材がダメージを受けるという問題が生じる。
(実施例の試料作製)
厚さが約150nmのDLC膜が形成された石英ガラス基板を準備し、このDLC膜上にMOD法によりジルコニア系セラミックス膜を形成した。ここでは、有機金属化合物である、高純度化学所から購入したZr−05−Pを溶液に使用した。これをスピンコートによりDLC膜上に塗布した後、120℃で乾燥してゲル状膜とし、次いで、ゲル状膜からの水分除去および有機成分の分解と燃焼を行うための仮焼処理を500℃にて行い、その後、焼成処理を1200℃で行うことで、成膜した。
厚さが約150nmのDLC膜が形成された石英ガラス基板を準備し、このDLC膜上にMOD法によりジルコニア系セラミックス膜を形成した。ここでは、有機金属化合物である、高純度化学所から購入したZr−05−Pを溶液に使用した。これをスピンコートによりDLC膜上に塗布した後、120℃で乾燥してゲル状膜とし、次いで、ゲル状膜からの水分除去および有機成分の分解と燃焼を行うための仮焼処理を500℃にて行い、その後、焼成処理を1200℃で行うことで、成膜した。
図2にこうして形成されたジルコニア系セラミックス膜のSEM写真を示す。形成されたジルコニア系セラミックス膜には亀裂や剥離は観察されず、滑らかで粒径の揃った均一な組織を有していることが確認された。
(比較例の試料作製)
石英ガラス基板の表面に直接に、上記実施例と同様の方法で、ジルコニア系セラミックス膜を形成した。形成されたジルコニア系セラミックス膜には、亀裂が確認され、半導体製造装置用部材としては適さないと判断された。
石英ガラス基板の表面に直接に、上記実施例と同様の方法で、ジルコニア系セラミックス膜を形成した。形成されたジルコニア系セラミックス膜には、亀裂が確認され、半導体製造装置用部材としては適さないと判断された。
(ジルコニア系セラミックス膜の密着力評価)
実施例および比較例の各試料におけるジルコニア系セラミックス膜の密着性評価は、Quad Group社製ROMULUSIII−Aを用いて、スタッドプル法にて行った。
実施例および比較例の各試料におけるジルコニア系セラミックス膜の密着性評価は、Quad Group社製ROMULUSIII−Aを用いて、スタッドプル法にて行った。
その結果、実施例におけるジルコニア系セラミックス膜の密着力は863.35kg/cm2(=86.64MPa)であり、十分な密着性が得られた。これに対して、比較例におけるジルコニア系セラミックス膜の密着力は21.62kg/cm2(=2.12MPa)と小さく、剥離しやすいために、半導体製造装置用部材としては適さないと判断された。
(プラズマ処理による耐久性評価)
実施例として作製したセラミックス被覆材を、CFガス:50sccm、RF−source:100W、RF−bias:50W、チャンバ内圧力:2.66Pa、処理時間:3時間の暴露条件でプラズマエッチング処理した。一方、比較のために、石英ガラス板を同条件でプラズマエッチング処理した。
実施例として作製したセラミックス被覆材を、CFガス:50sccm、RF−source:100W、RF−bias:50W、チャンバ内圧力:2.66Pa、処理時間:3時間の暴露条件でプラズマエッチング処理した。一方、比較のために、石英ガラス板を同条件でプラズマエッチング処理した。
その結果、実施例のセラミックス被覆材のエッチング量は、0.0699μm/時間であり、石英ガラスのエッチング量は3.3939μm/時間であった。このことから、本発明に係るセラミックス被覆材は、従来の石英ガラス部材に比べて高いプラズマ耐食性を示すことが確認された。
本発明は上記した実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲に含まれるものであることは言うまでもない。
10…セラミックス被覆材、11…基材、13…ダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜、15…セラミックス膜。
Claims (4)
- 基材と、該基材の表面に形成されたダイヤモンドライクカーボン膜と、該ダイヤモンドライクカーボン膜の表面に形成されたセラミックス膜と、を具備することを特徴とするセラミックス被覆材。
- 前記セラミックス膜はジルコニア系セラミックス薄膜であることを特徴とする請求項1に記載のセラミックス被覆材。
- 基材の表面にプラズマCVD法によりダイヤモンドライクカーボン膜を形成する工程と、
形成されたダイヤモンドライクカーボン膜の表面にMOD法によりジルコニア系セラミックス膜を形成する工程と、
を有することを特徴とするセラミックス被覆材の製造方法。 - 前記ジルコニア系セラミックス膜を形成する工程における焼成温度を1000℃〜1200℃とすることを特徴とする請求項3に記載のセラミックス被覆材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005260764A JP2007073823A (ja) | 2005-09-08 | 2005-09-08 | セラミックス被覆材およびその製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20130094225A (ko) * | 2012-02-15 | 2013-08-23 | 하우저 테크노 코팅 비브이 | 마르텐사이트 스틸 재질의 코팅된 물품 및 스필 재질의 코팅된 물품을 형성하는 방법 |
CN111996486A (zh) * | 2019-05-27 | 2020-11-27 | 日本爱发科泰克能株式会社 | 成膜装置用部件及具备成膜装置用部件的成膜装置 |
-
2005
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