JP2007072268A - 光学部品およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光学ローパスフィルタのような光学部品について、その方向・裏表の判別を含め、種々の識別情報を備える当該光学部品およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】光学部品1は、複数の透光性を有する光学素子同士2、3、4を、粘着層5を介して互いに貼り合わせて形成され、粘着層5の表面51であって、光学有効エリア11外に位置する印刷部12に、当該光学部品1を識別するマークを印刷により設けている。
【選択図】図5
Description
本発明は、識別マークが印刷された光学部品及びその製造方法に関する。
ビデオカメラやデジタルスチルカメラ等には、受光レンズによって結像した光学像を電気信号に変換して取り込むために、CCDやCMOS等の固体撮像素子が広く用いられている。これらの固体撮像素子は、フォトダイオードが規則正しく配列した構造を有している。ここで、この配列間隔から決定されるサンプリング周波数に比べて光学像の空間周波数が大きい場合、モアレ等の偽信号が発生する。この偽信号を防止するために、受光レンズと固体撮像素子との間には、複屈折板を利用した光学部品として光学ローパスフィルタが配置されている。光学ローパスフィルタには、単体の複屈折板を利用した2点分離型や、2枚の複屈折板の間に位相差板あるいは複屈折板を挟んだ高性能な4点分離型があり、広く使用されている。
このような光学ローパスフィルタは、複屈折板の複屈折効果により入射光を常光線と異常光線に光束分離して出射光とするもので、その主面において所定の光束分離方向と所定の分離幅を有する。このような複屈折板として、一般に水晶板が使用され、上記光束分離方向を明示するために、その主面の端部に切り欠き等を形成することもある(例えば、特許文献1)。
また、最近では、電子スチルカメラ向けの光学ローパスフィルタとして、CCD等の固体撮像素子の形状に合わせた略正方板形状のものが採用されている。この場合、光学ローパスフィルタの光束分離方向の判別に加えて、光学ローパスフィルタの入射側と出射側の主面の判別、ならびに光学ローパスフィルタ主面の中心点で90°回転した際の縦方向と横方向を判別する必要性がある。例えば、光学ローパスフィルタの光束分離パターンによっては、光学ローパスフィルタの入射側と出射側の主面を間違えて配置すると、本来必要とされるものと異なる光束分離パターンとなり、光学ローパスフィルタの性能を十分に発揮できない。そこで、光学ローパスフィルタの入射側又は出射側の主面に不滅インキやレーザーによるマーキングを非点対象に形成する技術が知られている(例えば、特許文献2)
また、最近では、電子スチルカメラ向けの光学ローパスフィルタとして、CCD等の固体撮像素子の形状に合わせた略正方板形状のものが採用されている。この場合、光学ローパスフィルタの光束分離方向の判別に加えて、光学ローパスフィルタの入射側と出射側の主面の判別、ならびに光学ローパスフィルタ主面の中心点で90°回転した際の縦方向と横方向を判別する必要性がある。例えば、光学ローパスフィルタの光束分離パターンによっては、光学ローパスフィルタの入射側と出射側の主面を間違えて配置すると、本来必要とされるものと異なる光束分離パターンとなり、光学ローパスフィルタの性能を十分に発揮できない。そこで、光学ローパスフィルタの入射側又は出射側の主面に不滅インキやレーザーによるマーキングを非点対象に形成する技術が知られている(例えば、特許文献2)
しかしながら、特許文献1のような明示手段では、切り欠きを加工する際に、微少なクラックが発生し、割れ、欠けの発生原因となりやすい等、製品として機械的衝撃に弱くなる。また、切り欠き等を形成すると、光学ローパスフィルタの小型化に伴い、光学有効エリアが十分確保できないこともあった。また、特許文献2のような不滅インキやレーザーによるマーキングでは解像度が不十分であり、情報としても単に製品の方向や裏表がわかる程度であり、光学ローパスフィルタ製造上の品質管理に適用できるようなものではなかった。
そこで、本発明の目的は、光学ローパスフィルタのような光学部品について、その方向・裏表等の判別を含め、種々の識別情報を備える当該光学部品およびその製造方法を提供することにある。
本発明は、複数の透光性を有する光学素子同士を、接合層を介して互いに貼り合わせて形成される光学部品であって、前記光学素子及び前記接合層の任意の位置に当該光学部品を識別するマークを印刷により設けたことを特徴とする。
この発明によれば、光学部品を識別するマークを印刷により設けているため、その情報量を多くすることができ、当該光学部品を光学機器装置に取り付けるときの向きだけでなく、光学部品製造時の品質管理情報をも当該光学部品に付与できる。
また、マークが印刷により設けられており、当該光学部品に切欠等の傷をつけることがないため、クラックが発生することもなく、機械的衝撃に対して光学部品本来の強度を維持することができる。さらに、光学部品の光学特性を阻害しないようなインクを選定することで、光学素子及び前記接合層の任意の位置に印刷を施すことができるため、利便性に非常に優れる。
この発明によれば、光学部品を識別するマークを印刷により設けているため、その情報量を多くすることができ、当該光学部品を光学機器装置に取り付けるときの向きだけでなく、光学部品製造時の品質管理情報をも当該光学部品に付与できる。
また、マークが印刷により設けられており、当該光学部品に切欠等の傷をつけることがないため、クラックが発生することもなく、機械的衝撃に対して光学部品本来の強度を維持することができる。さらに、光学部品の光学特性を阻害しないようなインクを選定することで、光学素子及び前記接合層の任意の位置に印刷を施すことができるため、利便性に非常に優れる。
本発明では、前記マークが印字であることが好ましい。
この発明によれば、印刷されるマークが印字であるため、その情報量が非常に多くなり、光学部品製造時の製造ロット番号や物性等に関する識別情報も付与できる。例えば、光学部品1個毎の製造管理も可能となるため、一層利用価値が高い。
この発明によれば、印刷されるマークが印字であるため、その情報量が非常に多くなり、光学部品製造時の製造ロット番号や物性等に関する識別情報も付与できる。例えば、光学部品1個毎の製造管理も可能となるため、一層利用価値が高い。
本発明では、前記接合層が粘着剤からなる粘着層であり、前記粘着層に前記マークが印刷されていることが好ましい。
この発明によれば、光学素子が透光性であり、光学素子同士を貼り合わせる粘着層にマークが印刷されているため、非常に視認性に優れる。また、マークが粘着層と光学素子との中間に位置しているため、剥げ落ちることもなく、マークを長時間安定して表示できる。
この発明によれば、光学素子が透光性であり、光学素子同士を貼り合わせる粘着層にマークが印刷されているため、非常に視認性に優れる。また、マークが粘着層と光学素子との中間に位置しているため、剥げ落ちることもなく、マークを長時間安定して表示できる。
本発明では、前記接合層がインク吸収物質を含有する吸収層であり、前記吸収層に前記マークが印刷されていることが好ましい。
この発明によれば、接合層が吸収層であって、インクを吸収するため、印刷されたマークがにじむこともなく視認性に非常に優れる。
このようなインク吸収物質としては、例えば、シリカゲルのような多孔性物質が好適である。また、水性インクに対しては、アクリル系ポリマーのような高吸水性高分子がよい。なお、粘着剤中にこのような物質を分散することで、前記した粘着層がこのような吸収層を兼ねていてもよい。
この発明によれば、接合層が吸収層であって、インクを吸収するため、印刷されたマークがにじむこともなく視認性に非常に優れる。
このようなインク吸収物質としては、例えば、シリカゲルのような多孔性物質が好適である。また、水性インクに対しては、アクリル系ポリマーのような高吸水性高分子がよい。なお、粘着剤中にこのような物質を分散することで、前記した粘着層がこのような吸収層を兼ねていてもよい。
本発明では、前記印刷がインクジェットプリンタによることが好ましい。
この発明によれば、印刷がインクジェットプリンタによるものであって、インクを微細な粒子として印刷対象面に吹き付けるため、極めて精細な印刷が可能となる。例えば、写真に近い画質を得ることもできる。また、印刷の対象物が固体あるいは粘性体いずれであっても問題なくマークを印刷できる。
なお、インクジェットプリンタとしては、圧電素子を利用する方式や、インクに熱を加えて生じる気泡によってインクを射出する方式が知られているが、インクを微細な粒子として印刷対象面に吹き付けることができればよく、特に方式は問わない。
この発明によれば、印刷がインクジェットプリンタによるものであって、インクを微細な粒子として印刷対象面に吹き付けるため、極めて精細な印刷が可能となる。例えば、写真に近い画質を得ることもできる。また、印刷の対象物が固体あるいは粘性体いずれであっても問題なくマークを印刷できる。
なお、インクジェットプリンタとしては、圧電素子を利用する方式や、インクに熱を加えて生じる気泡によってインクを射出する方式が知られているが、インクを微細な粒子として印刷対象面に吹き付けることができればよく、特に方式は問わない。
本発明では、前記複数の光学素子が水晶板であり、当該光学部品がローパスフィルタ効果を奏することが好ましい。
この発明によれば、光学部品がいわゆる光学ローパスフィルタであるので、例えば、ビデオカメラやデジタルスチルカメラ等に組み付ける際に、光学ローパスフィルタの向き(裏表等)を容易に視認でき、組み付けの誤りをなくすことができる。また、光学ローパスフィルタには、個々に種々のデータを印刷できるので、品質管理上も優れる。
この発明によれば、光学部品がいわゆる光学ローパスフィルタであるので、例えば、ビデオカメラやデジタルスチルカメラ等に組み付ける際に、光学ローパスフィルタの向き(裏表等)を容易に視認でき、組み付けの誤りをなくすことができる。また、光学ローパスフィルタには、個々に種々のデータを印刷できるので、品質管理上も優れる。
本発明では、前記複数の光学素子が水晶板及び位相差フィルムであり、当該光学部品がローパスフィルタ効果を奏することが好ましい。
この発明によれば、光学部品が、位相差フィルムを構成要素として含む光学ローパスフィルタであるので、前記した効果を好適に発揮することができる。なお、位相差フィルムに粘着剤を塗布する際に、併せて粘着層に種々のデータを印刷してもよい。
この発明によれば、光学部品が、位相差フィルムを構成要素として含む光学ローパスフィルタであるので、前記した効果を好適に発揮することができる。なお、位相差フィルムに粘着剤を塗布する際に、併せて粘着層に種々のデータを印刷してもよい。
本発明では、前記マークを当該光学部品の光学有効エリア外に位置する印刷部に印刷することが好ましい。
この発明によれば、マークを当該光学部品の光学有効エリア外の印刷部に印刷しているので、光学部品の光学特性を害することなく、前記した効果を発揮することが可能となる。
この発明によれば、マークを当該光学部品の光学有効エリア外の印刷部に印刷しているので、光学部品の光学特性を害することなく、前記した効果を発揮することが可能となる。
本発明は、複数の透光性を有する光学素子同士を、粘着層を介して互いに貼り合わせて形成される光学部品の製造方法であって、一つの光学素子に粘着層を設ける工程と、この粘着層に当該光学部品を識別するマークを印刷する工程と、マークが印刷された粘着層に他の光学素子を貼り合わせる工程とを備えることを特徴とする。
本発明の光学部品の製造方法によれば、光学部品の製造工程に特に影響を与えず、確実に識別用のマークを粘着層の表面に印刷できる。
本発明の光学部品の製造方法によれば、光学部品の製造工程に特に影響を与えず、確実に識別用のマークを粘着層の表面に印刷できる。
本発明は、複数の透光性を有する光学素子同士を、粘着層を介して互いに貼り合わせて形成される光学部品の製造方法であって、前記複数の光学素子が水晶板及び位相差フィルムであり、両面に粘着層を設けた位相差フィルムの一方の面と一つの水晶板とを貼り合わせる工程と、前記位相差フィルムの他方の面に設けた粘着層に当該光学部品を識別するマークを印刷する工程と、マークが印刷された粘着層に他の水晶板を貼り合わせる工程とを備えることを特徴とする。
本発明の光学部品の製造方法によれば、両面に粘着層を設けた位相差フィルムを用いているので、位相差フィルムの可撓性により複屈折板との貼り合わせが非常に容易となる。また、位相差フィルムを曲げてその一端を複屈折板に貼り合わせ、その後位相差フィルムを平面上に戻しながら複屈折板と完全に貼り合わせることで、粘着層への気泡の混入を避けることもできる。
本発明の光学部品の製造方法によれば、両面に粘着層を設けた位相差フィルムを用いているので、位相差フィルムの可撓性により複屈折板との貼り合わせが非常に容易となる。また、位相差フィルムを曲げてその一端を複屈折板に貼り合わせ、その後位相差フィルムを平面上に戻しながら複屈折板と完全に貼り合わせることで、粘着層への気泡の混入を避けることもできる。
本発明では、複数個の当該光学部品を一体的に形成し、その後、当該光学部品を個別にカットして得ることが好ましい。
この発明によれば、前記した効果を奏する光学部品の大量生産が可能となる点で好適である。
この発明によれば、前記した効果を奏する光学部品の大量生産が可能となる点で好適である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
〔光学ローパスフィルタの構成〕
図1には、本実施形態に係る4点分離型の光学ローパスフィルタ1が採用されたデジタルスチルカメラの要部が、概略断面図として示されている。
図1において、光学ローパスフィルタ1は、入射光を結像させる受光レンズ20と、結像した光学像を電気信号に変換して取り込む固体撮像素子21との間に配置されている。
受光レンズ20は一枚でもよいし、複数のレンズ群であってもよい。また、固体撮像素子21には、例えばCCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary MOS)を使用することができる。
〔光学ローパスフィルタの構成〕
図1には、本実施形態に係る4点分離型の光学ローパスフィルタ1が採用されたデジタルスチルカメラの要部が、概略断面図として示されている。
図1において、光学ローパスフィルタ1は、入射光を結像させる受光レンズ20と、結像した光学像を電気信号に変換して取り込む固体撮像素子21との間に配置されている。
受光レンズ20は一枚でもよいし、複数のレンズ群であってもよい。また、固体撮像素子21には、例えばCCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary MOS)を使用することができる。
固体撮像素子21は、受光レンズ20側に開口部を有する凹型パッケージ22の底部に配置されている。そして、開口部はごみ付着防止のために、カバーガラス23によって閉塞されている。ここで、カバーガラス23には、α線等の放射線による固体撮像素子21の露光を防ぐため、放射線を放出しない特殊な高純度ガラスが用いられている。
光学ローパスフィルタ1は、固体撮像素子21側の第1水晶板2と、受光レンズ20側の第2水晶板3と、その間に挟まれた可撓性の位相差フィルム4とを備えている。また、水晶板2、3と位相差フィルム4との貼り合わせ面には、各々粘着層5とが設けられている。
図2(A)には、受光レンズ20側から見た第1水晶板2の正面図が、図2(B)には、その断面図が示されている。
第1水晶板2は、第2水晶板3と同じサイズの水晶板で、その光学軸は、矩形状の長辺に平行で(図2(A)参照)、入射面に垂直な平面上にあって、入射面の法線に対して45°の角度を(図2(B)参照)有している。
ここで、第2水晶板3の受光レンズ20側面と第1水晶板2の固体撮像素子21側面とには、可視光の透過率を向上させる反射防止膜(図示しない)がそれぞれ設けられている。
なお、反射防止膜の代わりに、固体撮像素子21への赤外線の入射を防ぐための赤外線反射膜が設けられていてもよい。
第1水晶板2は、第2水晶板3と同じサイズの水晶板で、その光学軸は、矩形状の長辺に平行で(図2(A)参照)、入射面に垂直な平面上にあって、入射面の法線に対して45°の角度を(図2(B)参照)有している。
ここで、第2水晶板3の受光レンズ20側面と第1水晶板2の固体撮像素子21側面とには、可視光の透過率を向上させる反射防止膜(図示しない)がそれぞれ設けられている。
なお、反射防止膜の代わりに、固体撮像素子21への赤外線の入射を防ぐための赤外線反射膜が設けられていてもよい。
図3(A)には、受光レンズ20側から見た第2水晶板3の正面図が、図3(B)には、その断面図が示されている。
第2水晶板3は、厚さが1.322mmの矩形状(25×30mm)の水晶板である。その光学軸30(複屈折性結晶で複屈折の起きない方向の軸)は、短辺に平行で(図3(A)参照)、入射面に垂直な平面上にあって、入射面の法線に対して45°の角度(図3(B)参照)を有している。
なお、これら第1水晶板2と第2水晶板3とは、光学的に同じものを水晶板に垂直な軸を中心に互いに90度回転させたものである。後述する貼り合わせ工程では、同一構造の水晶板を用いて、互いに90度回転した状態で貼り合わせる。
第2水晶板3は、厚さが1.322mmの矩形状(25×30mm)の水晶板である。その光学軸30(複屈折性結晶で複屈折の起きない方向の軸)は、短辺に平行で(図3(A)参照)、入射面に垂直な平面上にあって、入射面の法線に対して45°の角度(図3(B)参照)を有している。
なお、これら第1水晶板2と第2水晶板3とは、光学的に同じものを水晶板に垂直な軸を中心に互いに90度回転させたものである。後述する貼り合わせ工程では、同一構造の水晶板を用いて、互いに90度回転した状態で貼り合わせる。
第1および第2水晶板2、3には、複屈折性を有する結晶である高純度の水晶が使用されている。このような結晶としては、他に、ニオブ酸リチウム、チリ硝石、方解石、ルチル、KDP(KH2PO4)、ADP(NH4H2PO4)等が挙げられるが、強度やコストの点から水晶が好ましい。
図4に示すように、位相差フィルム4としては、厚さ0.12mmの一軸延伸したポリカーボネートからなる合成樹脂製フィルムのλ/4板を用いている。ここで、位相差フィルム4は、両面に設けられた粘着層5(厚みは各々5〜15μm)よって第1水晶板2と第2水晶板3に貼り合わせて使用される。
また、図示しないが、粘着層5の両面には保護フィルムが貼り付けられており、位相差フィルム4を水晶板2、3と貼り合わせる直前に剥離される。
また、図示しないが、粘着層5の両面には保護フィルムが貼り付けられており、位相差フィルム4を水晶板2、3と貼り合わせる直前に剥離される。
λ/4板として機能する合成樹脂製フィルムを構成する熱可塑性樹脂としては、延伸して位相差フィルム4として要求される位相差100〜300nmを発現する樹脂材料が用いられる。例えば、セルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリルロニトリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリメタクリル酸メチル系樹脂を用いることができる。
この中でも、ポリカーボネート系樹脂は、耐熱性が高く、吸水性が少なく、耐久性、透明性に優れている。しかも、光学異方性を有する化合物を混合することにより、入射する光の波長が大きくなるにしたがって位相差が大きくなる波長分散特性を与えることが可能であり、高性能なλ/4板とすることができる。
この中でも、ポリカーボネート系樹脂は、耐熱性が高く、吸水性が少なく、耐久性、透明性に優れている。しかも、光学異方性を有する化合物を混合することにより、入射する光の波長が大きくなるにしたがって位相差が大きくなる波長分散特性を与えることが可能であり、高性能なλ/4板とすることができる。
合成樹脂製フィルムの位相差の波長分散特性は、入射する光の波長が大きくなるにしたがって位相差が大きくなることが好ましく、具体的には、入射光の波長をλ(nm)とすると、可視光線(400nm〜800nm)の範囲でλ/4±50nmの位相差となることが好ましい。
図5は、図1から光学ローパスフィルタ1だけを取り出して示した概略図である。図5(A)は、光学ローパスフィルタ1を光透過方向から見た図であり、図5(B)は、光学ローパスフィルタ1の概略断面図である。
図5(A)に示すように、光学ローパスフィルタ1には、光学有効エリア11の外側に位置する印刷部12に所定の製造記号がインクジェットプリンタにより印字されている。この印字は、図5(B)に示す粘着層5の表面(印字面)51に印刷されており、第1水晶板2や第2水晶板3のいずれを通しても視認することができる。なお、図5(B)では、便宜的に第2水晶板3を粘着層5から離して表示している(貼り合わせ前の状態)。
図5(A)に示すように、光学ローパスフィルタ1には、光学有効エリア11の外側に位置する印刷部12に所定の製造記号がインクジェットプリンタにより印字されている。この印字は、図5(B)に示す粘着層5の表面(印字面)51に印刷されており、第1水晶板2や第2水晶板3のいずれを通しても視認することができる。なお、図5(B)では、便宜的に第2水晶板3を粘着層5から離して表示している(貼り合わせ前の状態)。
〔粘着剤及び粘着層について〕
以下に、本発明で使用される粘着剤及びこの粘着剤によって構成される粘着層5について説明する。
(粘着剤の種類)
粘着剤としては、天然ゴム系、合成ゴム系、酢酸ビニル/塩化ビニルコポリマー系、ポリビニルエーテル系、アクリル系、変性ポリオレフィン系等を用いることができる。なかでも、透明性や粘着性、耐久性の点で、アクリル酸アルコキシアルキルエステルを主成分とするアクリル系粘着剤が好適に用いられる。
以下に、本発明で使用される粘着剤及びこの粘着剤によって構成される粘着層5について説明する。
(粘着剤の種類)
粘着剤としては、天然ゴム系、合成ゴム系、酢酸ビニル/塩化ビニルコポリマー系、ポリビニルエーテル系、アクリル系、変性ポリオレフィン系等を用いることができる。なかでも、透明性や粘着性、耐久性の点で、アクリル酸アルコキシアルキルエステルを主成分とするアクリル系粘着剤が好適に用いられる。
(粘着力)
粘着剤の粘着力としては、製品組み立て時に光学ローパスフィルタのような光学素子にかかる荷重や、製品輸送時の衝撃を考慮すると、180°ピール試験による剥離強度(JIS Z 0237に準拠)として10N/25mm以上が好ましく、20N/25mm以上が特に好ましい。
また、ボールタック試験(JIS Z 0237に準拠、J.Dow法)によるボールタック値は、少なくとも初期粘着力として2以上は必要であり、貼り合わせ時に光学素子同士のズレを防ぐには4以上が好ましい。
粘着剤の粘着力としては、製品組み立て時に光学ローパスフィルタのような光学素子にかかる荷重や、製品輸送時の衝撃を考慮すると、180°ピール試験による剥離強度(JIS Z 0237に準拠)として10N/25mm以上が好ましく、20N/25mm以上が特に好ましい。
また、ボールタック試験(JIS Z 0237に準拠、J.Dow法)によるボールタック値は、少なくとも初期粘着力として2以上は必要であり、貼り合わせ時に光学素子同士のズレを防ぐには4以上が好ましい。
(透明性)
粘着剤は、光学素子の光透過面を構成するため、高い透明性が要求される。また、水晶板2の方からは、作業者が2つの粘着層5を介して視認するため、粘着剤の透明性は重要である。
光学ローパスフィルタ1を構成したときに、ヘイズは1.0以下であることが好ましく、より好ましくは0.5以下、さらに好ましくは0.1以下である。
なお、他の要因でヘイズが上昇することもあるため(例えば、水晶に施される光学薄膜にもヘイズ上昇要因がある)、粘着剤の透明性は高いほど良い。
ここで、ヘイズは、JIS K 7105に準拠した方法により測定される全ヘイズである。
粘着剤は、光学素子の光透過面を構成するため、高い透明性が要求される。また、水晶板2の方からは、作業者が2つの粘着層5を介して視認するため、粘着剤の透明性は重要である。
光学ローパスフィルタ1を構成したときに、ヘイズは1.0以下であることが好ましく、より好ましくは0.5以下、さらに好ましくは0.1以下である。
なお、他の要因でヘイズが上昇することもあるため(例えば、水晶に施される光学薄膜にもヘイズ上昇要因がある)、粘着剤の透明性は高いほど良い。
ここで、ヘイズは、JIS K 7105に準拠した方法により測定される全ヘイズである。
(平滑性)
粘着層の平滑性(位相差フィルム4への粘着剤塗布時における粘着層表面の粗さ・うねり)は、インクジェットプリンタによる印刷性に影響する。また、光学素子の透過波面収差にも大きく影響し、平滑性が悪いと、光学素子の透過波面収差が大きくなり、例えば、光学ローパスフィルタを採用したデジタルスチルカメラの光学性能が悪化する。その点からも、できるだけ粘着層の表面は平滑であることが好ましい。
例えば、粘着剤をロールコータにより位相差フィルムに塗布する場合、以下のような方法で粘着剤を塗布することが好ましい。
(1)粘着剤溶液にレベリング剤を添加して表面張力を下げる。
(2)ゆっくり乾燥させる。
ア)塗工速度を落とす。
イ)乾燥勾配をつける。
ウ)高沸点溶剤を添加する。
(3)塗工スジを生じない程度に塗工液の粘度を上げる。
(4)粘着剤の固形分(樹脂)と溶剤との相溶性を改善する。
粘着層の平滑性(位相差フィルム4への粘着剤塗布時における粘着層表面の粗さ・うねり)は、インクジェットプリンタによる印刷性に影響する。また、光学素子の透過波面収差にも大きく影響し、平滑性が悪いと、光学素子の透過波面収差が大きくなり、例えば、光学ローパスフィルタを採用したデジタルスチルカメラの光学性能が悪化する。その点からも、できるだけ粘着層の表面は平滑であることが好ましい。
例えば、粘着剤をロールコータにより位相差フィルムに塗布する場合、以下のような方法で粘着剤を塗布することが好ましい。
(1)粘着剤溶液にレベリング剤を添加して表面張力を下げる。
(2)ゆっくり乾燥させる。
ア)塗工速度を落とす。
イ)乾燥勾配をつける。
ウ)高沸点溶剤を添加する。
(3)塗工スジを生じない程度に塗工液の粘度を上げる。
(4)粘着剤の固形分(樹脂)と溶剤との相溶性を改善する。
(粘着層の厚さ)
粘着層が厚くなり過ぎると、前記した平滑性が悪化する。また、粘着剤の使用量が増え、光学素子の側面にはみ出て側面がべたつくことがある。さらに、粘着剤が過度に緩衝層の役割をしてしまい部分的に外力が加わると変形する場合がある。逆に粘着層が薄いと粘着力が弱く、物理的又は熱的衝撃で光学素子同士が剥がれる可能性がある。
ただし、本実施形態のように光学素子として、水晶板2、3と位相差フィルム4を用いた場合には、熱による膨張(収縮)緩和させるためにある程度の厚みは必要となる。
それ故、粘着層の厚みは5〜15μmとすることが好ましく、より好ましくは5〜12μmであり、さらに好ましくは5〜10μmである。
粘着層が厚くなり過ぎると、前記した平滑性が悪化する。また、粘着剤の使用量が増え、光学素子の側面にはみ出て側面がべたつくことがある。さらに、粘着剤が過度に緩衝層の役割をしてしまい部分的に外力が加わると変形する場合がある。逆に粘着層が薄いと粘着力が弱く、物理的又は熱的衝撃で光学素子同士が剥がれる可能性がある。
ただし、本実施形態のように光学素子として、水晶板2、3と位相差フィルム4を用いた場合には、熱による膨張(収縮)緩和させるためにある程度の厚みは必要となる。
それ故、粘着層の厚みは5〜15μmとすることが好ましく、より好ましくは5〜12μmであり、さらに好ましくは5〜10μmである。
(添加剤)
粘着剤には、インク吸収物質が混合されていることが好ましい。インク吸収物質が粘着剤に混合されていると、粘着層がインク吸収層としても機能するため、印刷されたマークがにじむこともなく視認性に非常に優れる。
このようなインク吸収物質としては、例えば、シリカゲルのような多孔性物質が好適である。また、水性インクに対しては、アクリル系ポリマーのような高吸水性高分子がよい。なお、粘着剤中にこのような物質を分散することで、前記した粘着層がこのような吸収層を兼ねていてもよい。
粘着剤には、インク吸収物質が混合されていることが好ましい。インク吸収物質が粘着剤に混合されていると、粘着層がインク吸収層としても機能するため、印刷されたマークがにじむこともなく視認性に非常に優れる。
このようなインク吸収物質としては、例えば、シリカゲルのような多孔性物質が好適である。また、水性インクに対しては、アクリル系ポリマーのような高吸水性高分子がよい。なお、粘着剤中にこのような物質を分散することで、前記した粘着層がこのような吸収層を兼ねていてもよい。
また、粘着剤には、水晶板に対する接合強度を向上させるため、シランカップカップリング剤が混合されていることが好ましい。
シランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル) エチルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、p−トリメトキシシリルスチレン、p−トリエトキシシリルスチレン、p−トリメトキシシリル−α−メチルスチレン、p−トリエトキシシリル−α−メチルスチレン3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2(アミノエチル) 3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル) 3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル) 3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−プロピル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、4−アミノブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシランなどがある。このようなシランカップリング剤は、単独で用いても二種以上混合されても良い。
シランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル) エチルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、p−トリメトキシシリルスチレン、p−トリエトキシシリルスチレン、p−トリメトキシシリル−α−メチルスチレン、p−トリエトキシシリル−α−メチルスチレン3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2(アミノエチル) 3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル) 3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル) 3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−プロピル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、4−アミノブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシランなどがある。このようなシランカップリング剤は、単独で用いても二種以上混合されても良い。
〔インクジェットプリンタ用インクについて〕
以下に、本発明で使用するインクジェットプリンタ用のインク(インク組成物)について説明する。
インクジェットプリンタ用としては、特開2004-51887号公報、特開2004-131644号公報、特開2004-143387号公報、特開2005-23253号公報、特開2005-112872号公報及び特開2005-120181号公報等に記載されたインク組成物を好適に使用することができる。
以下に、本発明で使用するインクジェットプリンタ用のインク(インク組成物)について説明する。
インクジェットプリンタ用としては、特開2004-51887号公報、特開2004-131644号公報、特開2004-143387号公報、特開2005-23253号公報、特開2005-112872号公報及び特開2005-120181号公報等に記載されたインク組成物を好適に使用することができる。
例えば、着色剤としては、無機顔料及び有機顔料のいずれでもよい。無機顔料としては、酸化チタンおよび酸化鉄に加え、コンタクト法、ファーネスト法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。また、有機顔料としては、アゾ染料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料( 例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラノン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどが使用できる。
顔料はその平均粒径が10〜200nmの範囲にあるものが好ましく、より好ましくは50〜150nm程度のものがより好ましい。また、顔料の添加量は適宜決定されてよいが、インク組成物に対して0.1〜20質量%の範囲が好ましく、より好ましくは1〜10質量%の範囲である。
このような顔料は分散剤によって分散された顔料分散液としてインク組成物に添加されるのが好ましい。分散剤としては高分子分散剤または界面活性剤が挙げられる。高分子分散剤としては、にかわ、ゼラチン、カゼイン等の蛋白質類、及び天然ゴム等の天然高分子や、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸等の合成高分子を挙げることができる。界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、及びノニオン界面活性剤が挙げられる。
このような顔料は分散剤によって分散された顔料分散液としてインク組成物に添加されるのが好ましい。分散剤としては高分子分散剤または界面活性剤が挙げられる。高分子分散剤としては、にかわ、ゼラチン、カゼイン等の蛋白質類、及び天然ゴム等の天然高分子や、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸等の合成高分子を挙げることができる。界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、及びノニオン界面活性剤が挙げられる。
〔光学ローパスフィルタの製造方法〕
以下に光学ローパスフィルタ1の製造方法について説明する。
図6に、本実施形態に係る光学ローパスフィルタ1(図1)の製造工程の一例をフローチャートとして示す。
この光学ローパスフィルタ1の製造工程としては、赤外カット膜と反射防止膜を形成した第1水晶板2と第2水晶板3とを貼り合わせる場合もあるが、貼り合わせた後で赤外カット膜と反射防止膜を形成する場合もある。赤外カット膜と反射防止膜を形成した第1水晶板2と第2水晶板3を用いて貼り合わせる場合は、第1水晶板2と第2水晶板3のそれぞれの外面側となる片面にそれぞれ赤外カット膜成膜工程と反射防止膜成膜工程を行う(S101、S102)。赤外カット膜を成膜すると、水晶板2、3にそりが生じる場合があるため、貼り合わせ後、赤外カット膜と反射防止膜を成膜することが好ましい。
以下に光学ローパスフィルタ1の製造方法について説明する。
図6に、本実施形態に係る光学ローパスフィルタ1(図1)の製造工程の一例をフローチャートとして示す。
この光学ローパスフィルタ1の製造工程としては、赤外カット膜と反射防止膜を形成した第1水晶板2と第2水晶板3とを貼り合わせる場合もあるが、貼り合わせた後で赤外カット膜と反射防止膜を形成する場合もある。赤外カット膜と反射防止膜を形成した第1水晶板2と第2水晶板3を用いて貼り合わせる場合は、第1水晶板2と第2水晶板3のそれぞれの外面側となる片面にそれぞれ赤外カット膜成膜工程と反射防止膜成膜工程を行う(S101、S102)。赤外カット膜を成膜すると、水晶板2、3にそりが生じる場合があるため、貼り合わせ後、赤外カット膜と反射防止膜を成膜することが好ましい。
第1水晶板2に位相差フィルム4を貼り合わせる第1貼り合わせ工程では、第1水晶板2が硬質の水晶であり、位相差フィルム4は可撓性であるので、第1水晶板2に対して位相差フィルム4をローラで気泡を押し出すように貼り合わせることにより、大気中で貼り合わせることができる(S103)。また、生産効率は低下するが、第1貼り合わせ工程を真空雰囲気中で行うようにしても良い。なお、位相差フィルム4の両面には、粘着層5が設けられ、各々の粘着層5には保護フィルムが貼られているが、第1水晶板2と貼り合わせる直前に一方の保護フィルムが剥離される。
次の印刷工程では、第1水晶板2と貼り合わせられた位相差フィルム4の他方の面(粘着層5)に印刷を行う(S104)。
まず、粘着層5から保護フィルムを剥離し、位相差フィルム4の表面のうち、図5に示すように、光学有効エリア11外に位置する印刷部12に光学ローパスフィルタ1を識別するマークをインクジェットプリンタ(図示せず)により印刷する。
まず、粘着層5から保護フィルムを剥離し、位相差フィルム4の表面のうち、図5に示すように、光学有効エリア11外に位置する印刷部12に光学ローパスフィルタ1を識別するマークをインクジェットプリンタ(図示せず)により印刷する。
その後、位相差フィルム4の粘着層5(印刷面)を第2水晶板3に貼り合わせる第2貼り合わせ工程を行い3層構造の光学ローパスフィルタ1を製造する(S105)。
第1水晶板に貼り合わせた位相差フィルム4を第2水晶板3に貼り合わせる第2貼り合わせ工程では、硬質板相互を貼り合わせるため、真空雰囲気下で貼り合わせすることが好ましい。
その後、必要により、光学ローパスフィルタ1に対して加温しながら加圧して貼り合わせを更に強固にする加圧処理工程を行う(S106)。
次に、必要により、光学ローパスフィルタ1の一方の面に赤外カットフィルタを形成する赤外カット膜成膜工程と、光学ローパスフィルタの他方の面に反射防止膜を形成する反射防止膜成膜工程を行い、光学ローパスフィルタに赤外カットの機能を付加すると共に、反射を減らし光線透過率を向上させる機能を付加する(S107、S108)。最後に、光学ローパスフィルタ1として必要な大きさに切断する切断工程を行い(S109)、その後は検査工程、梱包工程を経て最終的に光学ローパスフィルタ1として出荷される。
第1水晶板に貼り合わせた位相差フィルム4を第2水晶板3に貼り合わせる第2貼り合わせ工程では、硬質板相互を貼り合わせるため、真空雰囲気下で貼り合わせすることが好ましい。
その後、必要により、光学ローパスフィルタ1に対して加温しながら加圧して貼り合わせを更に強固にする加圧処理工程を行う(S106)。
次に、必要により、光学ローパスフィルタ1の一方の面に赤外カットフィルタを形成する赤外カット膜成膜工程と、光学ローパスフィルタの他方の面に反射防止膜を形成する反射防止膜成膜工程を行い、光学ローパスフィルタに赤外カットの機能を付加すると共に、反射を減らし光線透過率を向上させる機能を付加する(S107、S108)。最後に、光学ローパスフィルタ1として必要な大きさに切断する切断工程を行い(S109)、その後は検査工程、梱包工程を経て最終的に光学ローパスフィルタ1として出荷される。
上述のような実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
(1)光学ローパスフィルタ1に識別マークが印刷により設けられており、当該光学ローパスフィルタ1に切欠等の物理的損傷を与えることがないため、クラックが発生することもなく、機械的衝撃に対して光学ローパスフィルタ1本来の強度を維持することができる。
(1)光学ローパスフィルタ1に識別マークが印刷により設けられており、当該光学ローパスフィルタ1に切欠等の物理的損傷を与えることがないため、クラックが発生することもなく、機械的衝撃に対して光学ローパスフィルタ1本来の強度を維持することができる。
(2)印刷面が光学ローパスフィルタ1の粘着層5であるため、作業者が透明な水晶板2、3を通して当該光学ローパスフィルタ1の方向や裏表を容易に視認できる。
(3)光学ローパスフィルタ1を識別するマークが印刷による印字であるため、その情報量を多くすることができ、当該光学ローパスフィルタ1を光学機器に取り付けるときの向きだけでなく、当該光学ローパスフィルタ1製造時の品質管理情報をも付与できる。
(4)また、印刷面が、光学有効エリア11外に位置する印刷部12であるので、光学ローパスフィルタ1の光学特性を害することなく、前記した効果を発揮することが可能となる。
(5)印刷面が粘着層5の表面であり、水晶板2に覆われているので、印刷されたマークが剥がれることがない。
(6)印刷がインクジェットプリンタによるものであるため、インクを微細な粒子として印刷対象面に吹き付けることができ、極めて精細なマークを印刷することができる。また、印刷の対象物が固体あるいは粘性体いずれであっても問題なくマークを印刷できる。さらに、種々の色のインクを選択することができる。
(7)インクジェットプリンタによる印刷であるので、粘着層5に対し、非接触で印刷することができ、粘着層5に機械的損傷を与えることがない。
(8)位相差フィルム4と水晶板2とを貼り合わせる直前にインクジェットプリンタにより印刷するので、通常の貼り合わせ工程に簡単に組み込むことができ、工程全体の支障にならない。
(9)インクジェットプリンタでは、少量のインクを用いるだけであるので、光学ローパスフィルタ1の製造コストを低く抑えることができる。
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
例えば、図7に示すように、複数個が一体となった光学ローパスフィルタ50を形成し、その後、図中に示す点線に沿ってダイシングを行い、各光学ローパスフィルタ1を個別に得ることもできる。この態様によれば、インクジェットプリンタによって同時に多数の光学ローパスフィルタ1に印刷ができるため、前記した効果を奏する光学ローパスフィルタ1の効率的な大量生産が可能となる。
また、本実施形態では、光学ローパスフィルタ1の中間層として位相差フィルム4を用いたが、水晶板を3枚重ねた構成でもよい。その場合であっても、水晶板同士の接合層である粘着層に印刷を施すことができ、同様の効果を得ることができる。
本発明の光学部品は、ビデオカメラやデジタルスチルカメラ用の光学ローパスフィルタとして好適に利用できるほか、カメラ付き携帯電話、監視カメラなどの小型カメラにも利用できる。
1、50…光学ローパスフィルタ(光学部品)、2…第1水晶板(光学素子)、3…第2水晶板(光学素子)、4…位相差フィルム(光学素子)、5…粘着層、11…光学有効エリア、12…印刷部
Claims (11)
- 複数の透光性を有する光学素子同士を、接合層を介して互いに貼り合わせて形成される光学部品であって、
前記光学素子及び前記接合層の任意の位置に当該光学部品を識別するマークを印刷により設けたことを特徴とする光学部品。 - 請求項1に記載の光学部品において、
前記マークが印字であることを特徴とする光学部品。 - 請求項1又は請求項2に記載の光学部品において、
前記接合層が粘着剤からなる粘着層であり、
前記粘着層に前記マークが印刷されていることを特徴とする光学部品。 - 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の光学部品において、
前記接合層がインク吸収物質を含有する吸収層であり、
前記吸収層に前記マークが印刷されていることを特徴とする光学部品。 - 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の光学部品において、
前記印刷がインクジェットプリンタによることを特徴とする光学部品。 - 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の光学部品において、
前記複数の光学素子が水晶板であり、当該光学部品がローパスフィルタ効果を奏することを特徴とする光学部品。 - 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の光学部品において、
前記複数の光学素子が水晶板及び位相差フィルムであり、当該光学部品がローパスフィルタ効果を奏することを特徴とする光学部品。 - 請求項6又は請求項7に記載の光学部品において、
前記マークを当該光学部品の光学有効エリア外に位置する印刷部に印刷することを特徴とする光学部品。 - 複数の透光性を有する光学素子同士を、粘着層を介して互いに貼り合わせて形成される光学部品の製造方法であって、
一つの光学素子に粘着層を設ける工程と、
この粘着層に当該光学部品を識別するマークを印刷する工程と、
マークが印刷された粘着層に他の光学素子を貼り合わせる工程とを備えることを特徴とする光学部品の製造方法。 - 複数の透光性を有する光学素子同士を、粘着層を介して互いに貼り合わせて形成される光学部品の製造方法であって、
前記複数の光学素子が水晶板及び位相差フィルムであり、
両面に粘着層を設けた位相差フィルムの一方の面と一つの水晶板とを貼り合わせる工程と、
前記位相差フィルムの他方の面に設けた粘着層に当該光学部品を識別するマークを印刷する工程と、
マークが印刷された粘着層に他の水晶板を貼り合わせる工程とを備えることを特徴とする光学部品の製造方法。 - 請求項9又は請求項10に記載の光学部品の製造方法において、
複数個の当該光学部品を一体的に形成し、
その後、当該光学部品を個別にカットして得ることを特徴とする光学部品の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2005260494A JP2007072268A (ja) | 2005-09-08 | 2005-09-08 | 光学部品およびその製造方法 |
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JP (1) | JP2007072268A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009192776A (ja) * | 2008-02-14 | 2009-08-27 | Epson Toyocom Corp | 撮像装置及び撮像装置の光学ローパスフィルタの製造方法 |
US7740934B2 (en) | 2005-09-08 | 2010-06-22 | Seiko Epson Corporation | Optical low pass filter |
-
2005
- 2005-09-08 JP JP2005260494A patent/JP2007072268A/ja not_active Withdrawn
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US7740934B2 (en) | 2005-09-08 | 2010-06-22 | Seiko Epson Corporation | Optical low pass filter |
JP2009192776A (ja) * | 2008-02-14 | 2009-08-27 | Epson Toyocom Corp | 撮像装置及び撮像装置の光学ローパスフィルタの製造方法 |
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