JP2007071319A - プーリ付転がり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】 プーリ9bをマグネシウム合金製とした場合でも、耐摩耗性及び耐薬品性に優れ、異種金属との接触面で電食が生じる事を防止できる構造を実現する。
【解決手段】 上記プーリ9bの表面全体を、硬質炭素膜(DLC被膜)により覆う。このDLC被膜は、耐摩耗性及び耐薬品性に優れる為、このプーリ9bの耐摩耗性及び耐薬品性を向上させられる。又、このプーリ9bを外嵌する軸受鋼製の外輪13との接触面にも、上記DLC被膜を介在させて、この接触面で電食が生じる事を防止できる。
【選択図】 図1

Description

この発明に係るプーリ付転がり軸受は、例えば、自動車用エンジンの補機或はカムシャフトを駆動する為のベルト或はタイミングベルト(以下、単に「ベルト」とする。)に、所望の張力を付与する為に利用する。
自動車用エンジンの補機或はカムシャフトを駆動する為のベルトに所望の張力を付与する為、例えば図3〜4に示す様な張力付与装置が使用されている。ベースプレート1に形成した長孔2に支持軸3を遊合させると共に、この支持軸3の頭部4に形成したねじ孔に、上記ベースプレート1に支持した調整ボルト5の杆部を螺合させている。又、上記支持軸3の杆部にプーリ付転がり軸受6を、スリーブ7を介して外嵌支持している。
このプーリ付転がり軸受6は、上記支持軸3の杆部に外嵌支持した転がり軸受8と、この転がり軸受8を構成する外輪13に外嵌固定したプーリ9とを備える。図示の例では、このうちの転がり軸受8として、単列深溝型玉軸受を使用している。即ち、この転がり軸受8は、外周面に深溝型の内輪軌道10を有する内輪11と、内周面に深溝型の外輪軌道12を有する上記外輪13と、これら内輪軌道10と外輪軌道12との間に転動自在に設けた複数個の玉14、14とを備える。そして、上記内輪11を上記支持軸3の杆部に、上記スリーブ7を介して外嵌支持している。又、上記プーリ9は、上記外輪13の周囲に外嵌固定している。図示の例の場合、このプーリ9は、軟鋼板等の金属板に絞り加工等の塑性加工を施して、全体を円環状に形成して成る。
上述の様な張力付与装置により、ベルトに所望の張力を付与する場合には、前記ベースプレート1をシリンダブロック等の固定の部分に結合固定すると共に、上記ベルトを上記プーリ9の先側面(図3〜4の下面)に掛け渡す。そして、上記調整ボルト5を回転させる事により、この調整ボルト5の軸方向に関する上記プーリ9の位置を変えて、このプーリ9により上記ベルトに付与する張力を調節する。
図3〜4に示した様な張力付与装置のプーリ付転がり軸受6を構成するプーリ9は、金属板を塑性変形させる事により造っている為、強度並びに形状精度を確保できる反面、重量が嵩む。この為従来から、例えば特許文献1に記載されている様に、プーリを合成樹脂の射出成形により造る事が考えられている。図5は、上記特許文献1に記載されたプーリ付転がり軸受6aを示している。
このプーリ付転がり軸受6aを構成するプーリ9aは、互いに同心に設けられた内径側円筒部15及び外径側円筒部16を有する。この内径側円筒部15の中間部外周面と外径側円筒部16の中間部内周面とは、円輪状の連結部17により連結しており、この連結部17の両側面にそれぞれ複数本ずつの補強リブ18、18を、それぞれ放射状に設けている。この様なプーリ9aは、上記内径側円筒部15を転がり軸受8を構成する外輪13の周囲に、この外輪13の外径側部分をその内径側にモールドした状態で固設している。この様にプーリ9aを合成樹脂の射出形成により造る場合、プーリ付転がり軸受6aの軽量化を図れる。
ところが、合成樹脂は熱伝導率が小さい材料である為、上述の様にプーリ9aを合成樹脂の射出成形により造ると、運転時に上記転がり軸受8の内部で発生した熱が、この転がり軸受8の内部に籠り易くなる。この結果、この転がり軸受8内に封入したグリースが劣化し易くなり、この転がり軸受8の寿命を低下させる可能性がある。この為、プーリをマグネシウム合金製とした構造が、例えば特許文献2に記載されている様に、従来から知られている。マグネシウム合金は、放熱性に優れる為、運転時に転がり軸受の内部で発生した熱を、外部に効率良く放出する事ができる。従って、この転がり軸受の内部に熱が籠りにくくなり、この転がり軸受の長寿命化を図れる。又、マグネシウム合金は、合成樹脂と同様に、鉄系の金属に比べて軽量である。
但し、マグネシウム合金は、鉄系金属に比べて耐摩耗性が低く、又、耐薬品性も劣る。上述したプーリは、自動車用エンジンの補機或はカムシャフトを駆動する為の、ベルト或はタイミングベルトの張力付与装置に組み込まれて使用される。従って、耐摩耗性が低いと、上記プーリに掛け渡されるベルトとの擦れ合いによる摩耗が増大する。又、補機駆動用のベルトを掛け渡す為のプーリの場合には、例えば、融雪剤として使用される塩化カルシウム等の薬品がかかる場合がある為、耐薬品性が劣る事は好ましくない。又、このプーリを外嵌する外輪は、軸受鋼等の鉄系金属により形成される。従って、マグネシウム合金製のプーリとこの鉄系金属製の外輪とは、異種金属同士の接触となる。この為、これらプーリと外輪との接触面で電食が生じる可能性がある。
尚、本発明に関連する技術として、非特許文献1〜2に記載された技術がある。
特開平7−91525号公報 特開2003−269581号公報 "シチズンの低温プラズマ技術 DLC Diamond Like Carbon "、[online]、シチズン時計株式会社、[2005年6月29日検索]、インターネット<URL:http://www.citizen.co.jp/dlc/dlc4.htm > "アルファロゴス S−DLC"、[online]、オリエンタルエンヂニアリング株式会社、[2005年8月10日検索]、インターネット<URL:http://www.oriental-eg.co.jp/cor/dlc.html >
本発明のプーリ付転がり軸受は、上述の様な事情に鑑み、プーリをマグネシウム合金製とした場合でも、耐摩耗性及び耐薬品性に優れ、異種金属同士との接触面で電食が生じる事を防止できる構造を実現すべく発明したものである。
本発明のプーリ付転がり軸受は、前述した従来構造と同様、転がり軸受と、プーリとから成る。
このうちの転がり軸受は、外周面に内輪軌道を有する内輪と、内周面に外輪軌道を有する外輪と、これら内輪軌道と外輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体とを備える。
又、上記プーリは、全体を円環状に形成すると共に、上記外輪の周囲に固定している。
特に、本発明のプーリ付転がり軸受に於いては、上記プーリがマグネシウム合金製で、このプーリの表面のうちの少なくとも一部が、硬質炭素膜{DLC(Diamond Like Carbon :ダイヤモンドライクカーボン)被膜}により覆われている。
尚、上記硬質炭素膜(以下、DLC被膜)により覆われる上記プーリの表面の一部は、使用条件によって、例えば、上記外輪を覆う部分、このプーリをこの外輪に固設した状態で露出する部分、更には、プーリの表面全体とする。
上記DLC被膜により覆われるプーリの表面の一部を、外輪を覆う部分とすれば、これらプーリと外輪との間にDLC被膜を介在させる事ができる。この結果、外輪とプーリとが異種金属同士であっても、これら両部材同士の接触面で(マグネシウム合金製のプーリに)電食が生じる事を防止できる。即ち、前述の非特許文献1に記載されている様に、DLC被膜は絶縁性に優れる為、上記接触面にこのDLC被膜を介在させる事により、この接触面で電食が生じる事を防止できる。
又、上記DLC被膜により覆われるプーリの表面の一部を、このプーリを上記外輪に固設した状態で露出する部分とすれば、このプーリをマグネシウム合金製とした場合でも、この露出する部分の耐摩耗性及び耐薬品性を向上させる事ができる。即ち、上記非特許文献1に記載されている様に、DLC被膜は、耐摩耗性及び耐薬品性に優れる為、このDLC被膜により上記露出する部分を覆う事により、上記プーリの耐摩耗性及び耐薬品性を向上させられる。尚、プーリの表面全体を上記DLC被膜で覆えば、プーリの耐摩耗性及び耐薬品性を向上させられると共に、外輪との接触面で電食が生じる事を防止できる。
又、本発明の場合、上記プーリをマグネシウム合金製としている為、鉄系金属製のプーリと比べて軽量化を図れる。更に、マグネシウム合金は、合成樹脂と比べて放熱性に優れる。尚、前述の非特許文献2に記載されている様に、DLC被膜は熱伝導率が高い為、上記プーリをこのDLC被膜により覆っても放熱性が劣る事はない。この為、転がり軸受に熱が籠りにくくなり、この転がり軸受の長寿命化を図れる。
本発明を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した様に、軸受鋼等の鉄系金属製の外輪とプーリとの間に硬質炭素膜(DLC被膜)を介在させる。この為には、このプーリの表面の一部でこの外輪を覆う部分と、この外輪の表面の一部でこのプーリにより覆われる部分とのうちの、少なくとも一方の部分を、上記DLC被膜により覆う。
この様に構成すれば、前述した様に、異種金属同士である、マグネシウム合金製のプーリと鉄系金属製の外輪との接触面で、電食が生じる事を防止できる。
又、好ましくは、請求項3に記載した様に、プーリを外輪に固設した状態でこのプーリの表面のうちの露出する部分を、硬質炭素膜(DLC被膜)により覆う。
この様に構成すれば、やはり前述した様に、プーリをマグネシウム合金製とした場合でも、上記露出する部分の耐摩耗性及び耐薬品性を向上させる事ができる。
図1は、本発明の実施例1を示している。尚、本実施例の特徴は、プーリ9bをマグネシウム合金製とした場合でも、耐摩耗性及び耐薬品性に優れ、外輪13との接触面で電食が生じる事を防止できる構造を得るべく、上記プーリ9bの表面を硬質炭素膜(DLC被膜)により覆う点にある。プーリ付転がり軸受の基本的構造及び作用は、前述の図4及び図5に示した従来構造の場合と同様である。この為、同等部分には同一符号を付して重複する説明を省略若しくは簡略にし、以下、本実施例の特徴部分及び従来構造と異なる部分を中心に説明する。
上記プーリ9bは、マグネシウム合金(例えば、AZ80)のメタルインジェクション(金属射出)により造っている。即ち、上記プーリ9bを成形する為のキャビティー内に、溶融したマグネシウム合金を射出して、このプーリ9bを形成している。尚、プーリは、鍛造等の塑性加工や旋削等の切削加工を施して形成しても良い。この場合、プーリの形状を、例えば、前述の図4に示した様に、単純な形状とする事が好ましい。本実施例の場合には、上記プーリ9bをメタルインジェクションにより造っているので、このプーリ9bは、前述の図5に示した従来の合成樹脂製プーリ9aと同様、互いに同心に設けられた内径側円筒部15a及び外径側円筒部16aを有する。この内径側円筒部15aの中間部外周面と外径側円筒部16aの中間部内周面とは円輪状の連結部17aにより連結しており、この連結部17aの両側面にそれぞれ複数本ずつの補強リブ18a、18aを、それぞれ放射状に設けている。
又、上記プーリ9bは、上記内径側円筒部15aの幅方向(図1の左右方向)片端部(右端部)にのみ、径方向内方に向けて突出する内向鍔部19を全周に亙って形成し、幅方向他端部(左端部)内周面は、単なる円筒面としている。更に、本実施例の場合、上記外径側円筒部16aの外周面の断面形状は、幅方向(図1の左右方向)に亙る波形として、この外径側円筒部16aの外周面にポリVベルトと呼ばれる、内周面に複数の突条を形成した無端ベルトの一部内周面を掛け渡し自在としている。
又、本実施例の場合、上記プーリ9bの表面全体を、DLC被膜により覆っている。即ち、次述する様に、このプーリ9bを転がり軸受8を構成する前記外輪13に外嵌固定した状態で、このプーリ9bの表面が露出する部分だけではなく、このプーリ9bの表面のうち、上記外輪13を覆う部分(内径側円筒部16aの内周面乃至内向鍔部19の内側面)も、上記DLC被膜により覆っている。本実施例の場合、この様に、上記プーリ9bの表面全体をDLC被膜により覆った後、このプーリ9bを上記外輪13に締り嵌めで外嵌固定している。この際、上記内径側円筒部16aのうち、上記内向鍔部19を形成していない側(単なる円筒面とした側)である、幅方向他端部から、上記外輪13に外嵌固定する。そして、幅方向片端部に形成した上記内向鍔部19の内側面を、この外輪13の端面に当接させて、上記プーリ9bのこの外輪13に対する位置決めを行なう。この状態で、これらプーリ9bと外輪13との間には、上記DLC被膜が存在する。
上述の様に、本実施例のプーリ付転がり軸受6bの場合には、プーリ9bの表面全体をDLC被膜により覆っている為、このプーリ9bをマグネシウム合金製とした場合でも、このプーリ9bの表面の耐摩耗性及び耐薬品性を向上させる事ができ、更には異種金属との接触による電食を防止できる。先ず、このプーリ9bを上記外輪13に外嵌した状態で露出する部分が、耐摩耗性に優れる上記DLC被膜により覆われている為、使用時の上記プーリ9bに掛け渡すベルトとの擦れ合いによる、このプーリ9bの摩耗を低減できる。又、仮に、融雪剤等の薬品がこのプーリ9bにかかった場合でも、上記DLC被膜は耐薬品性にも優れる為、このプーリ9bが薬品により腐食する事を防止できる。
次に、上記プーリ9bの表面のうちの上記外輪13を覆う部分も、上記DLC被膜により覆われている為、これらプーリ9bと外輪13との間には、DLC被膜が介在した状態となる。このDLC被膜は絶縁性にも優れる為、異種金属同士である、マグネシウム合金製の上記プーリ9bと軸受鋼製の上記外輪13との接触面で、電食が生じる事を防止できる。尚、本実施例の場合、上記プーリ9bの表面のうちのこの外輪13を覆う部分を、上記DLC被膜により覆っているが、この外輪13の表面のうちの上記プーリ9bにより覆われる部分を、上記DLC被膜により覆う様にしても良い。この場合、上記プーリ9bの表面のうちの外輪13を覆う部分は、DLC被膜で覆っても良いし、覆わなくても良い。何れにしても、上記プーリ9bと外輪13との間に、上記DLC被膜を介在させる事ができれば良い。
又、本実施例の場合、上記プーリ9bをマグネシウム合金製としている為、前述の特許文献2に記載された発明と同様に、鉄系金属製のプーリと比べて軽量化を図れる。更に、マグネシウム合金は、合成樹脂と比べて放熱性に優れ、上記プーリ9bを覆う上記DLC被膜は、熱伝導率が高い。この為、運転時に転がり軸受8の内部で発生した熱を、上記プーリ9bに効率良く伝達する事ができ、更にこのプーリ9bに伝達された熱を、外部に効率良く放出する事ができる。従って、上記転がり軸受8の内部に熱が籠りにくくなる。そして、この転がり軸受8に封入したグリースの劣化を抑えて、この転がり軸受8の長寿命化を図れる。
図2は、本発明の実施例2を示している。本実施例の場合、プーリ9cを構成する外径側円筒部16bの外周面を、この外周面に掛け渡すベルトの形状に合わせて、単なる円筒面としている。又、本実施例の場合、転がり軸受8を構成する、軸受鋼製の外輪13aの外周面に、円周方向に対して傾斜した凹溝20を全周に亙って形成している。又、この外輪13aの表面のうち、少なくとも外周面乃至幅方向(図2の左右方向)両端面外径寄り部分を、全周に亙ってDLC被膜により覆っている。即ち、本実施例の場合、上記プーリ9cを上記外輪13aの周囲に固設する前に、この外輪13aの表面のうち、少なくともこのプーリ9cの内径側円筒部15bにより覆われる部分を、上記DLC被膜により覆っている。そして、この状態で、次述する様に、上記外輪13aの周囲に上記プーリ9cを固設する様にしている。
上記プーリ9cは、上記外輪13aの外径側部分を、このプーリ9cを成形する為のキャビティー内にセットした状態で、このキャビティ内に溶融したマグネシウム合金を射出(メタルインジェクション)する事により形成している。この結果、上記プーリ9cは、上記外輪13aの周囲に、この外輪13aの外径側部分をその内径側に包埋した状態で固設(結合固定)される。尚、このDLC被膜は、高温下では、大気中の酸素と結合し膜厚が薄くなる場合がある。但し、このDLC被膜により覆う上記外輪13aの熱容量が大きい為、上記メタルインジェクション時に、高温の溶融マグネシウム合金が上記DLC被膜に接触しても、このDLC被膜の温度上昇が抑えられる。即ち、上記マグネシウム合金の溶融温度は約600℃であるのに対し、上記外輪13aは常温(例えば20℃)である。又、溶融マグネシウム合金を射出した後は、急冷される為、上記DLC被膜が高温に曝される時間は僅かである。従って、メタルインジェクション時に、上記DLC被膜が耐熱温度(約400℃)よりも上昇する事はない。この為、メタルインジェクション時に上記DLC被膜が破損する事はない。
又、本実施例の場合、上述のメタルインジェクションの際に、このプーリ9cの内周面で、上記外輪13aの外周面に形成した前記凹溝20に整合する部分に、全周に亙って突条21が形成される。そして、これら凹溝20と突条21との係合により、上記外輪13aと上記プーリ9cとが相対回転する、所謂クリープを防止している。尚、上記凹溝20の表面も上記DLC被膜により覆われているのは、勿論である。又、本実施例の場合、上記プーリ9cを構成する内径側円筒部15bの幅方向両端部に、径方向内方に突出する内向鍔部19、19を、それぞれ全周に亙って形成している。そして、これら両内向鍔部19、19により、上記外輪13aの外径寄り部分を幅方向両側から挟持して、軸方向に関する位置決めを図っている。
上述の様に、プーリ9cを上記外輪13aの外径側に固設した状態で、このプーリ9cの表面のうちの露出している部分を、DLC被膜により覆う。即ち、このプーリ9cの表面のうち、上記外輪13aを覆う部分(内径側円筒部16aの内周面乃至内向鍔部21、21の内側面)以外の部分を、上記DLC被膜により覆っている。但し、この外輪13aの上記プーリ9cにより覆われる部分は、前述した様に、DLC被膜により覆われている。この為、上記外輪13aの周囲に上記プーリ9cを固設した状態で、このプーリ9cの表面のうちのこの外輪13aを覆う部分には、上記DLC被膜が接触する。従って、本実施例の場合、この外輪13aの外径側部分に上記プーリ9cを形成した状態で、これら外輪13aとプーリ9cとの間には、上記DLC被膜が存在する。その他の構造及び作用は、上述の実施例1と同様である。
上述した各実施例では、転がり軸受として単列の玉軸受を使用した場合に就いて説明したが、本発明は、転がり軸受が、複列の玉軸受、若しくは、単列或は複列のころ軸受である場合にも適用可能である。又、本発明のプーリ付転がり軸受を組み込む装置として、前述の図3に示した様な、ベルトに所望の張力を付与する構造以外にも、例えばベルトを案内する為のプーリ等にも使用可能である。要は、プーリと転がり軸受とが一体である構造であれば、適用可能である。
又、上述した各実施例の何れも、外輪とプーリとの間にDLC被膜を介在させる構造としているが、タイミングベルト用の様に、プーリ付転がり軸受に水等がかかりにくい状況で使用する等、これら外輪とプーリとの接触面で電食が生じにくい場合には、この接触面に上記DLC被膜を介在させなくても良い。特に、実施例2の場合、プーリとは別に、外輪にもDLC被膜を覆う工程が存在する為、上記接触面にDLC被膜を介在させなくても良ければ、外輪をDLC被膜で覆う工程を減らして、製造コストの低減を図れる。
本発明の実施例1を示す半部断面図。 同実施例2を示す半部断面図。 従来構造の第1例を組み込んだ張力付与装置の正面図。 図3のA−A断面図。 従来構造の第2例を示す部分切断斜視図。
符号の説明
1 ベースプレート
2 長孔
3 支持軸
4 頭部
5 調整ボルト
6、6a、6b プーリ付転がり軸受
7 スリーブ
8、8a 転がり軸受
9、9a、9b、9c プーリ
10 内輪軌道
11 内輪
12 外輪軌道
13、13a 外輪
14 玉
15、15a、15b 内径側円筒部
16、16a、16b 外径側円筒部
17、17a 連結部
18、18a 補強リブ
19 内向鍔部
20 凹溝
21 突条

Claims (3)

  1. 外周面に内輪軌道を有する内輪と、内周面に外輪軌道を有する外輪と、これら内輪軌道と外輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体とを備えた転がり軸受と、全体が円環状で上記外輪の周囲に固定されたプーリとから成るプーリ付転がり軸受に於いて、このプーリがマグネシウム合金製で、このプーリの表面のうちの少なくとも一部が、硬質炭素膜により覆われている事を特徴とするプーリ付転がり軸受。
  2. 鉄系金属製の外輪とプーリとの間に硬質炭素膜を介在させた、請求項1に記載したプーリ付転がり軸受。
  3. プーリを外輪に固設した状態でこのプーリの表面のうちの露出する部分を、硬質炭素膜により覆った、請求項1又は請求項2に記載したプーリ付転がり軸受。
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