JP2007070342A - 脳機能改善用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、食品成分や天然抽出物などのように安全な素材であって、かつ、より強い脳機能改善効果(脳内神経伝達物質であるモノアミンの代謝を改善し、かつアセチルコリン作動性神経の機能低下による記憶、学習能の低下を改善する効果)を有する物質を提供するものである。
【解決手段】 本発明は、酢酸菌由来のアルカリ安定脂質、N−アシルスフィンガニンまたはN−2’−ヒドロキシパルミトイル−スフィンガニンを有効成分として含有することを特徴とする脳機能改善用組成物を提供するものである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、経口摂取により、脳機能改善効果を有する機能性組成物に関するものである。さらに具体的には、本発明は、酢酸菌由来のアルカリ安定脂質、N−アシルスフィンガニンならびにN−2’−ヒドロキシパルミトイル−スフィンガニンを有効成分とする、神経伝達機構の異常を改善することによる記憶、学習能の改善機能を有する、脳機能改善用組成物に関する。
近年、人口の高齢化などにより、神経,精神疾患が社会に及ぼす負担が大きくなっており、例えば年配者に多発する認知症による学習,記憶障害が大きな問題となっている。日本での認知症患者は既に100万人を超え、20年後には300万人近くまで増加するとも言われている。
認知症の一つであるアルツハイマー症(以下、ADと称する場合もある)は、脳における神経伝達機構に異常を生じることが明らかとなっている。すなわち、ADでは前脳基底部のマイネルト核においてコリン作動性神経の変性や脱落が起こり、それに伴い、アセチルコリンの合成酵素であるアセチルコリントランスフェラーゼ活性の低下やノルエピネフリンやセロトニンなどのモノアミン系化合物の濃度減少、NGFなどの神経栄養因子の濃度減少といった状況が認められている(例えば、非特許文献1参照)。
なお、コリン作動性神経の機能低下はADのみならず、加齢脳においても共通する現象である(例えば、非特許文献1参照)。また、モノアミン系の障害は、統合失調症などの種々の神経、精神疾患と強く関わることも、様々な事例で示されている(例えば、非特許文献2参照)。
これらのADのような重篤な脳疾患に対しては、脳機能改善剤として種々の合成医薬品の開発が進められており、例えば、アセチルコリン作動性神経を賦活することに改善効果を期待したアセチルコリンエステラーゼ阻害剤が現在アルツハイマー治療薬として承認されている。
しかしながら、該アセチルコリンエステラーゼ阻害剤は、肝障害や不整脈、消化性潰瘍などの増悪といった副作用が報告されているなど、合成医薬品には弊害があることが問題となっていた。
また、神経栄養因子も脳内への直接投与による脳機能改善作用が報告されているが(例えば、非特許文献1参照)、神経栄養因子そのものは高分子であるため、経口摂取においては脳血液関門を通過できず、作用が期待できないという問題点がある。
一方、合成医薬品を常用するのではなく、日常的な食事などとして摂取することによって神経、精神疾患を予防、改善することを期待して、種々の食品成分や天然抽出物が提案されている。
例えば、脳神経には、特異的な脂質成分としてホスファチジルコリンやホスファチジルセリンなどのリン脂質やドコサヘイサエン酸やアラキドン酸などの脂肪酸、ガングリオシド、スフィンゴミエリンなどが存在していることや神経栄養因子と同様の生理作用をもつことなどに着目して、ホスファチジルコリンやホスファチジルセリン、ドコサヘキサエン酸などを有効成分とする脳機能改善組成物が提唱されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記のホスファチジルコリンやホスファチジルセリンなどの脳機能改善効果はモノアミンの代謝が改善されないなど、さほど強いものではないことが報告されている(例えば、非特許文献3及び非特許文献4参照)。
こうした背景から、より強力な脳機能改善効果を有し、しかも安全な物質の開発が望まれていた。
老人性痴呆症と治療薬、シーエムシー出版、p.37〜44、p.108〜125、1988年 日独医報、33巻、p.319〜330、1988年 メディシーナ(Medicina)、20巻、p.2132〜2133、1983年 アクタ・サイキアトリク・スカンジナビカ(Acta psychiatrica Scandinavica)、81巻、p.265〜270、1990年 特開平7−17855号公報
本発明の目的は、上記従来の問題点を解消し、合成医薬品といったものではなく、食品成分や天然抽出物などのように安全な素材であって、かつ、より強い脳機能改善効果を有する物質を提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑み、鋭意検討した結果、醸造酢製造菌として古来より使用されており、安全性の高いことが認知されている酢酸菌に着目した。
なお、ヨーロッパの伝統食であるカスピ海ヨーグルトには酢酸菌が含まれており、酢酸菌自体も歴史的食経験があり、安全性が高いことも知られている。
本発明者は、このように安全性が高く、食経験もある酢酸菌の脳機能改善機能について検討した結果、酢酸菌由来のアルカリ安定脂質、N−アシルスフィンガニンならびにN−2’−ヒドロキシパルミトイル−スフィンガニンが神経伝達機構の機能低下を改善し、また、記憶、学習能を改善する強い作用を有することを見出し、本発明を完成した。
認知症や加齢による脳機能低下においては、記憶・学習能力の低下に伴い、アセチルコリントランスフェラーゼ活性の低下や、ノルエピネフリンやセロトニンなどのモノアミン系化合物の濃度減少、NGFなどの神経栄養因子の濃度減少といった神経伝達機構の機能低下が認められる。
このような脳機能低下の改善機能を検討するための試験方法には、ラットやマウス等の動物を用いる方法として、モリス水迷路試験などの行動学的試験により記憶・学習能力の改善を直接的に検証する方法や脳内神経伝達物質の含量を定量するといった生化学的試験により、神経伝達機構の改善を検証する方法が挙げられる。
また、動物を用いた試験では多量の投与検体を要するため、少量の検体で脳機能改善機能を検討する方法として、神経細胞のモデル細胞株や脳組織の初代培養細胞を用いる方法がある。すなわち、神経細胞に対する神経突起の伸長作用や神経細胞死の抑制作用といった神経栄養因子様の作用を観察することにより、神経伝達機構の改善を検証することができる。
本発明者は上記の検証方法を駆使し、酢酸菌から抽出、分画した酢酸菌由来のアルカリ安定脂質を経口摂取することにより、脳内神経伝達物質であるモノアミンの代謝を改善し、かつアセチルコリン作動性神経の機能低下による記憶、学習能の低下を改善することを確認した。さらに、酢酸菌由来アルカリ安定脂質中の成分であるN−アシルスフィンガニンが、さらにN−アシルスフィンガニン中の成分としてはN−2’−ヒドロキシパルミトイル−スフィンガニンが、神経栄養因子様作用により神経伝達機構の機能低下を改善することを確認した。
なお、本発明の該アルカリ安定脂質には、従来から脳機能改善効果が報告されていたホスファチジルコリンやホスファチジルセリン、ドコサヘキサエン酸などが含有されておらず、また、N−アシルスフィンガニンならびにN−2’−ヒドロキシパルミトイル−スフィンガニンは上記の脳機能改善効果が報告されていた物質とは異なるものであることも確認した。
すなわち、請求項1に係る本発明は、酢酸菌由来のアルカリ安定脂質を有効成分として含有することを特徴とする脳機能改善用組成物に関する。
また、請求項2に係る本発明は、N−アシルスフィンガニンを有効成分として含有することを特徴とする脳機能改善用組成物に関する。
請求項3に係る本発明は、N−2’−ヒドロキシパルミトイル−スフィンガニンを有効成分として含有することを特徴とする脳機能改善用組成物に関する。
請求項4に係る本発明は、飲食品であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の脳機能改善用組成物に関する。
請求項5に係る本発明は、食酢であることを特徴とする請求項4に記載の脳機能改善用組成物に関する。
本発明の脳機能改善用組成物は、直接、酢酸菌由来のアルカリ安定脂質、特にN−アシルスフィンガニン、或いはN−2’−ヒドロキシパルミトイル−スフィンガニンを経口摂取することにより、アセチルコリン作動性神経の変性、脱落による記憶、学習能の低下を改善する機能や、脳内神経伝達物質であるモノアミンの代謝を改善することによる神経伝達機構の機能低下を改善する機能、神経栄養因子様作用により神経伝達機構の機能低下を改善する機能がある。
しかも、本発明の脳機能改善用組成物は、食経験のある酢酸菌に含まれるものであって、安全性にも優れたものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
請求項1に係る本発明は、酢酸菌由来のアルカリ安定脂質を有効成分として含有することを特徴とする脳機能改善用組成物である。
また、請求項2に係る本発明は、N−アシルスフィンガニンを有効成分として含有することを特徴とする脳機能改善用組成物である。
さらに、請求項3に係る本発明は、N−2’−ヒドロキシパルミトイル−スフィンガニンを有効成分として含有することを特徴とする脳機能改善用組成物である。
本発明で用いる酢酸菌としては、グルコンアセトバクター属(Gluconacetobacter)、グルコノバクター属(Gluconobacter)、アセトバクター属(Acetobacter)、アサイア属(Asaia)、アシドモナス属(Asidomonas)などに属するいずれの酢酸菌を用いても良く、特に制限はない。
詳細には、グルコンアセトバクター属(Gluconacetobacter)の酢酸菌としては、グルコンアセトバクター・ハンゼニイ(Gluconacetobacter hansenii)、グルコンアセトバクター・ジアゾトロフィカス(Gluconacetobacter diazotrophicus)、グルコンアセトバクター・インタメデイウス(Gluconacetobacter intermedius)、グルコンアセトバクター・サッカリ(Gluconacetobacter sacchari)、グルコンアセトバクター・ザイリナス(Gluconacetobacter xylinus)、グルコンアセトバクター・ヨーロッパエウス(Gluconacetobacter europaeus)、グルコンアセトバクター・オボエディエンス(Gluconacetobacter oboediens)などが例示される。
また、グルコノバクター属(Gluconobacter)の酢酸菌としては、グルコノバクター・フラトウリ(Gluconobacter frateurii)、グルコノバクター・セリナス(Gluconobacter cerinus)などが例示される。
さらに、アセトバクター属(Acetobacter)の酢酸菌としては、アセトバクター・トロピカリス(Acetobacter tropicalis)、アセトバクター・インドネシエンシス(Acetobacter indonesiensis)、アセトバクター・シジギイ(Acetobacter syzygii)、アセトバクター・シビノンゲンシス(Acetobacter cibinongensis)、アセトバクター・オリエンタリス(Acetobacter orientalis)、アセトバクター・パスツリアヌス(Acetobacter pasteurianus)、アセトバクター・オルレアネンシス(Acetobacter orleanensis)、アセトバクター・ロバニエンシス(Acetobacter lovaniensis)、アセトバクター・アセチ(Acetobacter aceti)、アセトバクター・ポモラム(Acetobacter pomorum)などが例示される。
さらに、アサイア属(Asaia)の酢酸菌としては、アサイア・ボゴレンシス(Asaia bogorensis)、アサイア・シアメンシス(Asaia siamensis)などが例示される。
また、アシドモナス属(Asidomonas)の酢酸菌としては、アシドモナス・メタノリカ(Asidomonas methanolica)などが例示される。
さらに、酢酸菌としては、上記の他、食酢製造やヨーグルトなどの発酵食品に用いられている酢酸菌や、自然界より分離されたもの、また既存の微生物保存機関に保存されていて分譲可能な保存菌株などが適宜利用可能である。
酢酸菌由来のアルカリ安定脂質は、エタノール、アセトン、ヘキサン、クロロホルム、メタノール、酢酸エチル等の1種又は2種以上からなる有機溶媒を用いて酢酸菌から脂質類を抽出した脂質画分に対して、弱アルカリ分解処理を施してリン脂質を除去することにより調製することができる。食品用途での安全性、低極性溶媒が望ましいことを考慮すると、抽出溶媒としてはヘキサンやアセトンなどが適している。
また、N−アシルスフィンガニンやN−2’−ヒドロキシパルミトイル−スフィンガニンは、上記の酢酸菌由来のアルカリ安定脂質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供し、ヘキサン、クロロホルム、メタノール等の2種以上からなる有機溶媒を用いて溶出させ、分画することにより調製することができる。
なお、N−アシルスフィンガニンやN−2’−ヒドロキシパルミトイル−スフィンガニンは化学合成由来のものでも良いが、安全性は酢酸菌の食経験に裏打ちされたものであり、化学合成の場合は副作用のある化合物類を副産物として含まないように製造することが望ましい。
酢酸菌由来のアルカリ安定脂質は、ホパノイド化合物、スフィンゴ脂質、アミノ脂質、脂肪酸などを含む。これらの化合物は酢酸菌の膜脂質として一般的に含まれるものであり、例えば、「帯大研報」、23巻、p.917〜925(1978年)や、「岩手大学大学院連合農学研究科博士論文」、後藤英嗣著、p.11〜41(2001年)に示されるように、以下に示す化合物を含む。
すなわち、ホパノイド化合物(テルぺノイド化合物)としては、例えば、テトラヒドロキシバクテリオホパン(C35−ペンタサイクリックテルペンアルコール)、ホパン−22−オール、ホプ−22(29)−エンなどが含まれる。
また、スフィンゴ脂質としては、例えば、N−2’−ヒドロキシパルミトイル−スフィンガニン、N−パルミトイル−スフィンガニン、O−1−グルクロニル−N−2’−ヒドロキシパルミトイル−スフィンガニン、N−シス−バクセノイル−スフィンガニン、O−1−グルクロニル−N−パルミトイル−スフィンガニンなどのN−アシルスフィンガニン、および遊離のスフィンガニンなどが含まれる。
さらに、アミノ脂質としては、例えば、オルニチルタウリン脂質3−(パルミトイル)−ヒドロキシパルミトイル−オルニチル−タウリン、オルニチン脂質3−(パルミトイル)−ヒドロキシパルミトイル−オルニチン、リゾオルニチン脂質3−ヒドロキシパルミトイル−オルニチンなどが含まれる。
そして、脂肪酸としては、例えば、シス−バクセン酸などが含まれる。
N−アシルスフィンガニンは、アルカリ安定脂質に含まれるスフィンゴ脂質の一部を指し、スフィンゴイド塩基であるスフィンガニンに脂肪酸が結合した一般的にセラミドと総称される化合物であり、一般的に以下の化学式(1)で示される。なお、式(1)において、−CO−Rはアシル基を示す。式(1)において、アシル基を構成する脂肪酸は、ヒドロキシ脂肪酸またはノルマル脂肪酸、飽和炭化水素または不飽和炭化水素、直鎖状または分岐鎖状であり、炭素原子数は2から30以下のものが知られている。
なお、酢酸菌由来のN−アシルスフィンガニンとしては、アシル基を構成する脂肪酸としてミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、2−ヒドロキシミリスチン酸、2−ヒドロキシパルミチン酸などが確認されており、特に、N−2’−ヒドロキシパルミトイル−スフィンガニン、N−パルミトイル−スフィンガニン、N−シス−バクセノイル−スフィンガニンがその組成比の多くを占める。
Figure 2007070342
以上の化合物は酢酸菌の種類により、その含量比は異なるが、酢酸菌が属するグラム陰性菌においてのみ膜脂質の主要構成成分として存在するものであり、グラム陽性菌や真核生物など他の生物種の脂質成分としては存在しないか、または極微量の化合物類である。
該脳機能改善用組成物としては、上記の有機溶媒を用いて酢酸菌から脂質類を抽出した脂質画分に対して、弱アルカリ分解処理を施してリン脂質を除去することにより調製された酢酸菌由来のアルカリ安定脂質、または該アルカリ安定脂質を精製して得られるN−アシルスフィンガニン、ならびにN−アシルスフィンガニン中のN−2’−ヒドロキシパルミトイル−スフィンガニンを有効成分として含有することを基本とするが、必要に応じて該抽出工程における弱アルカリ分解処理を経ずに調製された脂質画分をそのまま含有させても良い。
また、該アルカリ安定脂質、N−アシルスフィンガニン、またはN−2’−ヒドロキシパルミトイル−スフィンガニンは、酢酸菌の細胞膜に存在するので、抽出工程を経ずに酢酸菌そのままを有効成分として含有させてもよいが、このような場合は体内での吸収を考慮して、高圧ホモジナイザー等により細胞破壊させたものを含有させた方がよい。
このように、酢酸菌由来のアルカリ安定脂質、N−アシルスフィンガニン、またはN−2’−ヒドロキシパルミトイル−スフィンガニンを含有する酢酸菌の細胞破壊物や有機溶媒等により抽出された脂質画分を有効成分として含有させても、同様の脳機能改善効果が得られる。
請求項1、請求項2、または請求項3に係る本発明の脳機能改善用組成物の形態は、錠剤、カプセル剤、粉末または液体などが採用できる。
次に、請求項4に係る本発明は、飲食品であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の脳機能改善用組成物である。
ここで飲食品の形態としては、具体的には、キャンデイ、ガム、ゼリー、アイスクリーム、クッキー等の菓子;食パン、米飯等の主食品;アルコール飲料;牛乳、ヨーグルト等の乳製品;食酢飲料、スポーツ飲料等の各種飲料;また、醤油、味噌、食酢等の調味料等が挙げられる。
これらの中でも請求項5に記載したような食酢が好適であり、食酢がもつ他の健康機能とあわせた優れた機能性食品の提供が期待できる。
また、上記形態の酢酸菌由来のアルカリ安定脂質、N−アシルスフィンガニン、またはN−2’−ヒドロキシパルミトイル−スフィンガニンに加えて、その他の天然物由来の脳機能改善剤、野菜や果実等の天然物に由来する抗酸化物質等を配合することで、脳機能改善における相乗効果が期待できる。
本発明において、脳機能改善用組成物中への酢酸菌由来のアルカリ安定脂質の含有割合は、0.0001〜5重量%、好ましくは、0.001〜1重量%である。
また、脳機能改善用組成物中へのN−アシルスフィンガニンやN−2’−ヒドロキシパルミトイル−スフィンガニンの含有割合は、それぞれ0.00001〜0.5重量%、好ましくは、0.0001〜0.1重量%である。
脳機能改善用組成物中への酢酸菌由来のアルカリ安定脂質の含有量が0.0001重量%未満では、神経伝達機構の異常を改善し、記憶、学習能を改善する効果が発現しづらく、一方、5重量%を越えると該組成物製造時の分散効率の悪化等により、経口摂取に適さなくなるので、いずれも好ましくない。
また、N−アシルスフィンガニンやN−2’−ヒドロキシパルミトイル−スフィンガニンの脳機能改善用組成物中の含有量が、それぞれ0.00001重量%未満の場合は神経伝達機構の異常を改善し記憶、学習能を改善する効果が発現しづらく、一方、0.5重量%を超えると該組成物製造時の分散効率の悪化等により、経口摂取に適さなくなるので、いずれも好ましくない。
本発明の脳機能改善用組成物としての酢酸菌由来のアルカリ安定脂質の投与量は、成人1日当たり0.001mg〜100g、好ましくは0.1mg〜10gである。成人1日当たり0.1mgの投与量では、神経伝達機構の異常の改善効果、記憶、学習能の改善効果が少なく、一方、成人1日当たりの投与量が成人1日当たり10gを超えると消化吸収ができなくなる恐れがある。
また、N−アシルスフィンガニンやN−2’−ヒドロキシパルミトイル−スフィンガニンの投与量は、成人1日当たり0.0001mg〜10g、好ましくは0.01mg〜1gである。N−アシルスフィンガニンやN−2’−ヒドロキシパルミトイル−スフィンガニンの投与量が、成人1日当たり、それぞれ0.01mg未満では、神経伝達機構の異常の改善効果、記憶、学習能の改善効果が少なく、一方、成人1日当たりの投与量が1gを超えると消化吸収ができなくなる恐れがある。
本発明の脳機能改善用組成物は、酢酸菌由来のアルカリ安定脂質、N−アシルスフィンガニン、またはN−2’−ヒドロキシパルミトイル−スフィンガニンを有効成分として含有するが、それ以外の各種原料とを混合・均一化した後に、必要に応じて界面活性剤などを混合して、安定化を図ることもできる。これらの界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルおよびレシチンなどを用いることができる。
次に、本発明を実施例等により詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらにより何ら限定されるものではない。
実施例1(酢酸菌由来のアルカリ安定脂質の調製)
酢酸菌株としてはグルコンアセトバクター・ザイリナスNBRC15237(Gluconacetobacter xylinus NBRC15237)株を用いた。該酢酸菌株は、独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノロジー本部生物遺伝資源部門(千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8)に保存されており、譲受可能な酢酸菌である。
酢酸菌由来のアルカリ安定脂質は、以下の方法で調製した。
すなわち、該酢酸菌株の2000g乾燥菌体からクロロホルム−メタノール系の溶媒(クロロホルム:メタノール:水=1:2:0.8)で抽出し、その後、2層分離を行い、下層を全脂質画分として回収した。次に、0.4N NaOHにより全脂質画分を弱アルカリ分解してリン脂質を除去し、フォルチの組成(クロロホルム:メタノール:水=8:4:3)に従って再抽出を行い、濃縮乾固し、酢酸菌由来のアルカリ安定脂質を得た。以上の抽出方法の概要を図1に示した。
得られた酢酸菌由来のアルカリ安定脂質に含まれる脂質成分を、シリカゲルプレートを用いた薄層クロマトグラフィーにて確認した。該薄層クロマトグラフィーにおける展開溶媒としては、脂肪酸、ホパノイド化合物、スフィンゴ脂質に関してはクロロホルム:メタノール=96:4を用い、また、スフィンガニンやアミノ脂質に関してはクロロホルム:メタノール:水=65:16:2を用いた。
対照として、ホパノイド化合物、N−アシルスフィンガニン、アミノ脂質などを含むことが確認されている酢酸菌からの精製品(例えば、前記した「帯大研報」、23巻、p.917〜925(1978年)や、「岩手大学大学院連合農学研究科博士論文」、後藤英嗣著、p.11〜41(2001年)参照)ならびに市販のスフィンガニン(SIGMA社製)を指標とした。薄層クロマトグラフィーの結果、アルカリ安定脂質中には、対照としたいずれの化合物も存在していることが確認された。
また、アルカリ安定脂質中の主な成分の含有量を高速液体クロマトグラフィーによって確認した。アルカリ安定脂質を無水ピリジン及び塩化ベンゾイル存在下にて70℃で10分間反応させ、ホパノイド化合物やスフィンゴ脂質を含んだベンゾイル誘導体を精製した。このベンゾイル誘導体を高速液体クロマトグラフィーに供し、紫外吸光230nmの波長を検出した。
上記、各化合物の市販標準品または構造が確認されている酢酸菌からの精製品を用いた標準曲線から、アルカリ安定脂質中に含まれる含量を算出した。高速液体クロマトグラフィーの移動相にはヘキサン:イソプロパノール=100:1の溶媒を用い、流速は1ml/分とした。
このようにして分析された酢酸菌由来のアルカリ安定脂質中の主な成分を下記の表1に示した。なお、アミノ脂質の存在は確認(組成比は未確認)できたが、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロールなどのリン脂質類の存在は確認されなかった。
Figure 2007070342
実施例2(記憶障害モデルラットを用いた酢酸菌由来のアルカリ安定脂質投与によるモリス水迷路試験での改善効果)
AD患者の脳や加齢脳では前脳基底部のマイネルト核でアセチルコリン作動性神経の変性、脱落が見られるが、正常ラットの脳にイボテン酸を投与することによっても同様の現象を発現させることが可能である。そこで、常法に従って、7週齢、Crj:Wister系の雄ラットの前脳基底部マイネルト核に、神経毒であるイボテン酸を5μg注入し、コリン作動性神経を脱落する記憶障害モデルラットを作製した。
AD治療薬として承認されているアセチルコリンエステラーゼ阻害剤は、この記憶障害モデルラットにおいて経口投与により行動学的試験での学習能の改善を示すことが報告されている。
この記憶障害ラットにイボテン酸注入日より14日間、実施例1で調製した酢酸菌アルカリ安定脂質を経口投与し、コリン作動性神経の脱落による記憶、学習能の低下を改善する効果をモリス水迷路による行動学的試験で確認した。
(1)記憶障害モデルラットへの酢酸菌由来のアルカリ安定脂質投与
記憶障害のない正常ラットを用いたイボテン酸無処置区、ならびに記憶障害モデルラットを用いた無投与対照区、酢酸菌由来のアルカリ安定脂質低用量投与区(以下、ASL低用量区と称する場合もある)、酢酸菌由来のアルカリ安定脂質高用量投与区(以下、ASL高用量区と称する場合もある)、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤を投与した陽性対照区(以下、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤投与区と称する場合もある)の計5群を設定し、それぞれ10匹を1群とした。
なお、いずれの群においても固形飼料としてCRF−1(オリエンタル酵母工業社製)を自由に摂取させた。また、酢酸菌由来のアルカリ安定脂質投与区は、3%モノミリスチン酸溶液に酢酸菌由来のアルカリ安定脂質を分散させ、1日にラット体重1kgあたり低用量で165mg、高用量で1650mgの該アルカリ安定脂質を経口投与した。
イボテン酸無処置区と無投与対照区では、3%モノミリスチン酸溶液のみを酢酸菌由来のアルカリ安定脂質投与区と同容量で投与した。
陽性対照区としては、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤である9−アミノ−1,2,3,4,−テトラヒドロアクリジンヒドロクロリド(9−Amino−1,2,3,4−tetrahydroacridine hydrochloride、SIGMA社製)を、十分な薬効が得られる量として、1日にラット体重1kgあたり1mg経口投与した。14日の全投与期間中、ラットの体重、一般状態について投与検体による異常は観察されなかった。
(2)モリス水迷路試験
投与開始10日後から13日後まで、モリス水迷路試験の習得試行を行い、学習の程度を確認した。1日に午前と午後に1匹2試行、計4日間で8試行を行った。なお、モリス水迷路装置の概要を図1に示す。視覚では識別不可能な透明なアクリル製のプラットホーム(直径:約12cm、高さ:約30cm)とプラットホームが水に隠れるように約32cmの高さまで水を張った灰色塩化ビニール製の円形プール(直径:約148cm、高さ約44cm)を使用した。
また、プールを4つの象限に分割し、そのうちの第四象限中央(プール中央より約36cm)にプラットホームを設置し、プールの周囲には空間的手がかりとして電球を設置した。A〜Eの各1地点からラットの頭を円形プールの壁に向けて投入し、プラットホーム上に到達するまでの時間(秒)を測定(測定時間は最大90秒間)した。
最大測定時間90秒以内にプラットホームに辿り着き、プラットホーム上に30秒間滞在した場合は、プラットホームの位置を認識していると判断し、測定を終了した。なお、辿り着けなかったラットについては90秒時点でプールより救出した。
8試行のラットの投入場所はC地点、E地点、A地点、D地点、B地点、E地点、C地点、A地点の順に行った。
習得試行終了後、投与開始から14日後にプローブ試行を行った。
すなわち、プラットホームを取り外して、その付近にどれだけとどまるのかを観察し、ラットの空間認知記憶および場所学習の習得の程度を確認した。C地点からラットの頭を円形プールの壁に向けて入れ、0〜30秒、30〜60秒および60〜90秒の観察時間内にラットが第四象限(習得試行時にプラットホームが設置されていた象限)に滞在した時間(第四象限の遊泳時間:秒)およびプラットホームのあった位置の通過回数(第四象限内のプラットホームのあった場所を通過した回数)を測定した。
習得試行、プローブ試行の結果を図3〜5に示した。なお、いずれの結果も各群10匹の平均値で示した。
(3)アルカリ安定脂質の習得試行への影響
図3にはイボテン酸無処置区、無投与対照区、ASL低用量区、ASL高用量区、陽性対照区について習得試行8試行を行い、各区の習得試行での到達時間の測定結果を示した。なお、図3中のバーは標準偏差を示す。
その結果、イボテン酸無処置区では試行回数が増す毎に学習効果が得られ到達時間が短縮した。また、無投与対照区では試行による学習効果が得られず、到達時間が短縮しなかった。
そして、無投与対照区に対してASL低用量区、ASL高用量区、陽性対照区では到達時間の短縮傾向が見られ、特にASL高用量区では、3、5、6試行目の到達時間が陽性対照区よりも短縮しており、ASL高用量区において陽性対照区以上の学習効果が確認された。
さらに、試行回数7において、無投与対照区とASL低用量区の間でSteel検定において危険率p<0.05で有意差があったのに対して、無投与対照区と陽性対照区の間では危険率p<0.05での有意差はなく、ASL低用量区においても陽性対照区以上の学習効果が確認された。
(4)アルカリ安定脂質投与のプローブ試行への影響
図4にはイボテン酸無処置区、無投与対照区、ASL低用量区、ASL高用量区、陽性対照区におけるプローブ試行での第四象限の滞在時間を示した。なお、バーは標準偏差を示す。
その結果、無投与対照区では、イボテン酸無処置区に対して、第四象限の滞在時間が延長した。第四象限の滞在時間は陽性対照区では延長傾向が見られなかったのに対し、ASL低用量区、高用量区ではイボテン酸無処置区に近いレベルまで延長したことから、陽性対照区以上の空間認知記憶および場所学習の習得機能の改善効果が確認された。
さらに、図5にはイボテン酸無処置区、無投与対照区、ASL低用量区、ASL高用量区、陽性対照区におけるプローブ試行でのプラットホーム位置通過回数を示した。なお、バーは標準偏差を示す。
その結果、無投与対照区では、イボテン酸無処置区に対して、プラットホーム位置の通過回数が著しく減少していた。これに対し、ASL低用量区、ASL高用量区ならびに陽性対照区のいずれの群においても通過回数の有意な増加が認められた。特にASL高用量区では陽性対照区よりも通過回数が増加していることから、陽性対照区と同等以上の空間認知記憶および場所学習の習得の機能の改善効果が確認された。
なお、無投与対照区に対してASL低用量区、ASL高用量区ならびに陽性対照区の3群の間でSteel検定において、危険率p<0.05で有意差が認められた。
(5)考察
以上の結果、習得試行でのプラットホーム到達時間(図3)は、記憶障害のないイボテン酸無処置区では試行を繰り返す毎に学習効果が得られ、到達時間が短縮した。また、イボテン酸処置による記憶障害をもつ無投与対照区では試行による学習効果が得られず、到達時間が短縮しなかった。
これに対し、ASL低用量区、ASL高用量区では習得試行において陽性対照区と同等レベル以上の学習効果が得られた。すなわち、ASL高用量区では、3、5、6試行目の到達時間が陽性対照区よりも短縮しており、また、7試行目ではASL低用量区において無投与対照区に対して有意な到達時間の短縮が見られたが、陽性対照区では有意な短縮はみられなかった。
以上から、酢酸菌由来のアルカリ安定脂質投与による優れた学習能の改善効果が示された。
さらに、プローブ試行での結果(図4及び図5)においても同様の改善効果が確認された。すなわち、イボテン酸処置を行った無投与対照区ではイボテン酸無処置区に対して、第四象限の滞在時間が延長し、プラットホーム位置の通過回数も著しく減少しており、空間認知記憶および場所学習の習得の機能が低下していた。
これに対し、ASL低用量区、高用量区では第四象限の滞在時間が記憶障害のないラットに近いレベルまで延長した。第四象限の滞在時間は陽性対照区では改善傾向が見られなかった。さらに、プラットホーム位置の通過回数も無投与対照区に対して有意な増加が確認され、ASL高用量投与区では陽性対照区よりも増加した。
以上から、酢酸菌由来のアルカリ安定脂質の投与により、空間認知記憶および場所学習の習得の機能を改善する優れた効果が確認された。
叙上のように、習得試行、プローブ試行の結果から、酢酸菌アルカリ安定脂質は経口摂取により、AD患者の脳や加齢脳などで見られる前脳基底部マイネルト核でのコリン作動性神経の脱落による学習、記憶障害を改善する優れた効果が発揮されることが行動学的試験において確認された。
実施例3(記憶障害モデルラットを用いた酢酸菌由来のアルカリ安定脂質の投与による脳内モノアミン含量の改善効果)
AD患者の脳や加齢脳などで見られる前脳基底部マイネルト核でのコリン作動性神経の脱落に伴い、前脳皮質や海馬においてノルエピネフリンやセロトニンなどのモノアミン系化合物の濃度が低下する。モノアミン系化合物の代謝の異常は、種々の神経、精神疾患との関連性も明らかとなっている。
そこで実施例2における各群のラットについて、これらの脳内物質を消長を測定した。
すなわち、実施例2にて作製した記憶障害モデルラットの脳を摘出し、前脳皮質および海馬のモノアミンの含量を測定した。
(1)記憶障害モデルラット脳におけるモノアミン含量の測定方法
実施例2におけるイボテン酸無処置区、無投与対照区、ASL低用量区、ASL高用量区、陽性対照区の5群の各5匹について、投与14日後のラットを、断頭器を用いて断頭し、脳を取り出し、氷冷した生理食塩液(株式会社大塚製薬工場)に脳を入れた。次いで、脳を取り出し、分割した脳から前脳皮質、海馬を取り出し、モノアミンおよびその代謝物含量を測定した。測定方法を以下の(a)〜(c)に示す。
(a)HPLC−ECDシステム
・ポンプシステムEP−300(エイコム社製)
・デガッサーDG−300(エイコム社製)
・カラム恒温槽ATC−300(エイコム社製)
・電気化学検出器ECD−300(エイコム社製)
・グラファイト電極WE−3G(エイコム社製)
・ガスケットGS−25(エイコム社製)
・参照電極RE−100(エイコム社製)
・オートサンプラー231XL(エムエス機器社製)
・シリンジポンプ402(エムエス機器社製)
・冷却器832(エムエス機器社製)
・データ処理装置EPC−300(エイコム社製)
・ホモジナイザーPRO 260(PRO Scientific Inc.社製)
・冷却遠心機5417R(エッペンドルフ・ヤトロン社製)
(b)サンプルの前処理
脳サンプル容器に、0.2N過塩素酸溶液を加えた後、内部標準液を添加し、ホモジナイザーでホモジナイズし、60分間以上氷冷した後、冷却遠心機で遠心分離(約4℃、13800rpm、5分間)を行い、上清を測定試料とした。
(c)HPLC条件
・分離カラム:Eicompak SC−5ODS(3.0φ×150mm)(エイコム社製)
・プレカラム:PC−04(AC−ODS剤充填済み)(エイコム社製)
・移動相:0.1mol/L酢酸・クエン酸緩衝液(pH3.5)/メタノール/100mg/ml、1−オクタンスルホン酸ナトリウム溶液/5mg/mlEDTA・2・Na溶液の混合液(830/170/1.85/1)
・流速:0.5ml/min
・ラム温度:25℃
・冷却器温度:4℃
・注入量:20μl
・加電圧:+750mV
(2)アルカリ安定脂質投与の前脳皮質及び海馬モノアミン含量への影響
以上の測定方法により、イボテン酸無処置区、無投与対照区、ASL低用量区、ASL高用量区、陽性対照区の前脳皮質におけるノルエピネフリン(NE)含量とセロトニン代謝物である5−ハイドロキシインドール酢酸(5−HIAA)含量を測定した結果を図6に示した。図6中のバーは標準偏差を示す。
その結果、無投与対照区に対して、ASL低用量区、ASL高用量区、陽性対照区はいずれもNE含量、5−HIAAの増加傾向を示した。
イボテン酸無処置区と無投与対照区の間でStudentのt検定において、NE含量に危険率p<0.01で、5−HIAA含量に危険率p<0.01で有意差がみられた。これに対してイボテン酸無処置区とASL低用量区、ASL高用量区、陽性対照区の間では危険率p<0.05での有意差はみられず、いずれもイボテン酸無処置区に近いレベルまで回復していることが確認された。さらにNE含量において、ASL高用量区では陽性対象区よりも増加していたことから、陽性対象区と同等以上の改善効果が確認された。
同様に、イボテン酸無処置区、無投与対照区、ASL低用量区、ASL高用量区、陽性対照区の海馬でのNE含量と5−HIAA含量の測定結果を図7に示した。図7中のバーは標準偏差を示す。
その結果、無投与対照区に対して、ASL低用量区、ASL高用量区、陽性対照区はいずれもNE含量、5−HIAAの増加傾向を示した。
イボテン酸無処置区と無投与対照区の間でStudentのt検定において、NE含量に危険率p<0.05で有意差がみられた。これに対してイボテン酸無処置区とASL低用量区、ASL高用量区、陽性対照区の間では危険率p<0.05での有意差はみられず、いずれもイボテン酸無処置区に近いレベルまで回復していることが確認された。さらにNE含量において、ASL高用量区では陽性対象区よりも増加していたことから、陽性対象区と同等以上の改善効果が確認された。
なお、いずれの結果も5匹の平均値で示した。
(3)考察
以上の結果、前脳皮質では、記憶障害をもつ無投与区ではNE含量と5−HIAA含量が記憶障害の無いイボテン酸無処置区に対して、有意に低下した。これに対して、ASL低用量区、ASL高用量区ではともにNE含量、5−HIAA含量ともに無投与区に対して増加、改善傾向が確認された。また、海馬においても、記憶障害をもつ無投与区に対して、ASL低用量区、ASL高用量区ともに、NE含量、5−HIAA含量のいずれについても、増加、改善傾向が見られた。ASL高用量区では、前脳皮質、海馬ともにNE含量が陽性対照区よりも増加していた。
叙上のように、酢酸菌由来のアルカリ安定脂質投与によりモノアミン系化合物の代謝を改善することが確認された。また、酢酸菌由来のアルカリ安定脂質の経口摂取によるモノアミン系化合物の代謝改善効果からは、ADや加齢脳における記憶、学習能の改善のみならず、神経伝達機構の異常が関連するその他の種々の神経、精神疾患を改善する効果が期待できる。
実施例4(酢酸菌由来のアルカリ安定脂質の分画)
実施例1で調製した酢酸菌由来のアルカリ安定脂質をさらにクロマトグラフィーにより極性の強さに応じて分画し、その脂質構造を確認した。
すなわち、アルカリ安定脂質10gを、クロロホルムで平衡化したシリカゲルカラムに供し、クロロホルム:酢酸=100:1の容量比で混合した溶媒で洗浄後、クロロホルム:メタノール=97:3の溶媒で溶出して得られた画分を乾固して、約0.5gの画分1を得た。
続いて、クロロホルム:メタノール=96:4、95:5の溶媒で溶出して得られた画分を乾固して、約0.5gの画分2を得た。さらに、クロロホルム:メタノール=2:1の溶媒で残余脂質を溶出して得られた画分を乾固して、約0.5gの画分3を得た。
得られた画分1について、シリカゲルプレートを用いた薄層クロマトグラフィーにて構成脂質を確認した。該薄層クロマトグラフィーにおける展開溶媒としては、クロロホルム:メタノール=96:4を用いた。その結果、画分1の構成脂質は、実施例1で用いたN−アシルスフィンガニンが確認されている酢酸菌からの精製品と同一の移動度である単一のスポットであった。さらに、画分1を常法に従い、含水メタノール性塩酸で分解し、薄層クロマトグラフィーにてスフィンゴイド塩基と脂肪酸に分離、精製した。
これらのスフィンゴイド塩基と脂肪酸それぞれについて、常法に従い、トリメチルシリル化反応を行い、ガスクロマトグラフィー−マススペクトロメトリーにより構造分析したところ、N−アシルスフィンガニンとして、N−2’−ヒドロキシパルミトイル−スフィンガニン、N−パルミトイル−スフィンガニン、N−シス−バクセノイル−スフィンガニンを含んでいることが確認された。
以上の結果から、画分1の薄層クロマトグラフィーで検出される単一のスポットがN−アシルスフィンガニンであることが確認された。
さらに画分2、画分3の構成脂質を薄層クロマトグラフィーにより確認した。薄層クロマトグラフィーにおける展開溶媒として、画分2はクロロホルム:メタノール=96:4の溶媒を用い、画分3はクロロホルム:メタノール:水=65:16:2の溶媒を用いた。対照として、実施例1で用いたホパノイド化合物、アミノ脂質の構造が確認されている酢酸菌からの精製品、ならびに市販のスフィンガニン(SIGMA社製)を用いた。
薄層クロマトグラフィーの結果、画分2はホパノイド化合物の対照とスポットが一致し、画分3はスフィンガニン、アミノ脂質の対照とスポットが一致した。
以上の結果から、画分2で検出される薄層クロマトグラフィーのスポットがホパノイド化合物を含むこと、画分3で検出される薄層クロマトグラフィーのスポットがスフィンガニン、アミノ脂質を含むことが、それぞれ確認された。
実施例5(神経突起伸長作用の確認)
実施例4にて精製した画分1(N−アシルスフィンガニンを含む)、画分2(ホパノイド化合物を含む)、及び画分3(スフィンガニン、アミノ脂質を含む)の3つの画分について、神経モデル細胞であるPC−12細胞を用い、神経栄養因子様の作用として、神経突起を伸ばし分化する作用の有無を確認した。
なお、実施例4と同様にして、アルカリ安定脂質10gをクロロホルムで平衡化したシリカゲルカラムに供し、クロロホルム:酢酸=100:1の容量比で混合した溶媒で洗浄後、クロロホルム:メタノール=2:1の溶媒で溶出することにより、画分1、画分2および画分3の構成脂質をすべて含む画分を調製し、該画分を脂肪酸を含まないアルカリ安定脂質画分として、神経突起を伸ばし分化する作用の有無を同様に確認した。
PC−12細胞はRIKEN Cell Bankより購入したものを用い(RCB0009)、ダルベッコ改変培地(DMEM)、5%ウシ血清(FBS)、10%ウマ血清(HS)、100μg/mlストレプトマイシン、100ユニット/mlペニシリンを含む培地でコラーゲンVコートディッシュにて、37℃、5%CO2の条件で培養した。培地交換は2〜3日に1回、継代はトリプシン処理により7日に1回行った。
約70%コンフルエントのPC12細胞をトリプシン処理、遠心、再懸濁し、35mm径のコラーゲンVコートディッシュに、5x104 細胞/mlの濃度で播種した。数時間培養し、細胞をディッシュ表面に接着させた後、DMSOに各添加濃度の100倍の濃度で溶解した画分1、画分2、画分3およびアルカリ安定脂質画分を1%の濃度で添加した。
その後、37℃、5%CO2の条件で48時間培養した後、位相差顕微鏡を用いて細胞の形態、突起を観察した。突起の長さが細胞の直径以上の細胞を分化した細胞とみなし、視野あたりの全細胞数と分化した細胞数をカウントした。約100細胞をフレーム中に含むように顕微鏡像をランダムに写真撮影し、10枚の写真をカウントした平均を算出し、全細胞数に対する分化した細胞数の割合を分化細胞率とした。
無添加、及び画分1、画分2、画分3及びアルカリ安定脂質画分をそれぞれ添加後48時間におけるPC12細胞の分化細胞率を表2に示した。
表2から、アルカリ安定脂質画分添加時に、無添加に比べて、分化細胞率が大きく上昇した。また、画分1を濃度10μg/mlで添加することにより、無添加に比べて、分化細胞率の大幅な上昇が確認された。
以上の結果から、アルカリ安定脂質中の脂質成分として、画分1、すなわちN−アシルスフィンガニンを含む画分の神経栄養因子様の作用が確認された。すなわち、N−アシルスフィンガニンを摂取することにより、神経変性疾患や加齢に伴なう神経伝達機構の機能低下を改善することが示された。
Figure 2007070342
実施例6(N−2’−ヒドロキシパルミトイル−スフィンガニンの神経突起伸長作用の確認)
N−2’−ヒドロキシパルミトイル−スフィンガニンについて、実施例5と同様の方法により、PC−12細胞に対する神経栄養因子様の作用を確認した。
すなわち、N−2’−ヒドロキシパルミトイル−スフィンガニンの化学合成品(純度99%以上、マトレヤ社)をDMSOに各添加濃度の100倍の濃度で溶解したものを用い、また、実施例5で実施した画分1(N−アシルスフィンガニンを含む)およびアルカリ安定脂質画分を用いて、1%の濃度で添加し、他は実施例5と同様に実施した。
各成分の添加後48時間におけるPC12細胞の分化細胞率を表3に示した。
表3から、N−2’−ヒドロキシパルミトイル−スフィンガニンを5〜25μg/mlの濃度で添加することによって、アルカリ安定脂質画分や画分1を添加した場合と同様に、無添加の場合に比べて、分化細胞率が大きく上昇した。
以上の結果から、N−2’−ヒドロキシパルミトイル−スフィンガニンの神経栄養因子様の作用が確認され、N−2’−ヒドロキシパルミトイル−スフィンガニンを摂取することにより、神経変性疾患や加齢に伴なう神経伝達機構の機能低下を改善することが示された。
Figure 2007070342
実施例7(錠剤の調製)
酢酸発酵液10キロリットルを高速遠心機器(8000rpm、20分)で集菌し、湿菌体10kgを得た。得られた湿菌体10kgを蒸留水にて洗浄後に大型凍結乾燥機で凍結減圧乾固し、乾燥菌体1.8kgを得た。
得られた乾燥菌体1kgをエタノール10リットルと共にソックスレー抽出器に仕込み、20時間加熱還流した。得られた抽出液を減圧乾固し、5リットルのアセトンに溶解した。沈殿物をろ過で除去し、ろ液をロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、淡黄褐色の酢酸菌アルカリ安定脂質を含む脂質画分約300gを得た。
得られた脂質画分1g(0.7重量%)、結晶セルロース35g(26.9重量%)、乾燥コーンスターチ67g(51.5重量%)、乳糖22g(16.9重量%)、ステアリン酸カルシウム2g(1.5重量%)、および結合剤としてポリビニルピロリドン3g(2.3重量%)を加え、混合粉末化した後に、ゼラチン硬カプセルに充填した。
このようにして調製された錠剤は、脳機能改善用組成物として有効に経口摂取可能であることが期待できる。
実施例8(ゼリーの製造)
酢酸発酵液10キロリットルを高速遠心機器(8000rpm、20分)で集菌し、湿菌体10kgを得た。得られた湿菌体10kgを等量の蒸留水に分散させた。分散させた20kgの酢酸菌分散液を高圧ホモジナイザー(20000psi)に3回通過させて細胞破壊処理を施した後に、大型凍結乾燥機で凍結減圧乾固し、乾燥菌体粉末1.5kgを得た。
得られた乾燥菌体粉末8g(0.8重量%)、砂糖250g(25重量%)、カラギーナン1.6g(0.16重量%)、ローカストビーンガム0.8g(0.08重量%)、キサンタンガム0.8g(0.08重量%)を混合均一化し、粉体混合物を得た。鍋に300gの水を計量し、黒糖30g(3.0重量%)を溶解し、さらに還元水あめ150g(15重量%)を混合し、先に得た粉体混合物を加えて攪拌しながら、更に混合した。それらを均一に攪拌し、残りの水258.8gを加え、加温した。溶液温度が85℃10分間加熱溶解後、流水で冷却し酢酸菌体含有ゼリー食品を得た。
このようにして調製されたゼリーは、脳機能改善用組成物として、有効に経口摂取可能であることが期待できる。
実施例9(食酢の製造)
酢酸発酵液10キロリットルを高速遠心機器(8000rpm、20分)で集菌し、湿菌体10kgを得た。得られた湿菌体10kgを食酢100Lに分散させた。分散させた酢酸菌分散液を高圧ホモジナイザー(20000psi)に3回通過させて細胞破壊処理を施した。その溶液を500ml容の瓶に分注し、75℃まで加温により殺菌し酢酸菌体含有食酢を得た。
このようにして調製された食酢は、脳機能改善用組成物として、有効に経口摂取可能であることが期待できる。
本発明は、合成医薬品といったものではなく、食品成分や天然抽出物などのように安全な素材であって、且つより強い脳機能改善効果を有する物質を提供することを可能にする。従って、本発明に係る脳機能改善用組成物は、日常的な食事などとして摂取することによって、神経、精神疾患を予防、改善する効果が期待される。
本発明の酢酸菌由来のアルカリ安定脂質の調製法の概略を示した図である。 実施例2で用いたモリス水迷路試験装置の概要を示した図である。 実施例2におけるプラットホーム到達時間を示した図である。 実施例2のプローブ試行における第四象限の滞在時間を示した図である。 実施例2のプローブ試行におけるプラットホーム位置通過回数を示した図である。 実施例3で測定した前脳皮質におけるノルエピネフリン(NE)含量とセロトニン代謝物である5−ハイドロキシインドール酢酸(5−HIAA)を示した図である。 実施例3で測定した海馬におけるノルエピネフリン(NE)含量とセロトニン代謝物である5−ハイドロキシインドール酢酸(5−HIAA)を示した図である。

Claims (5)

  1. 酢酸菌由来のアルカリ安定脂質を有効成分として含有することを特徴とする脳機能改善用組成物。
  2. N−アシルスフィンガニンを有効成分として含有することを特徴とする脳機能改善用組成物。
  3. N−2’−ヒドロキシパルミトイル−スフィンガニンを有効成分として含有することを特徴とする脳機能改善用組成物。
  4. 飲食品であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の脳機能改善用組成物。
  5. 食酢であることを特徴とする請求項4に記載の脳機能改善用組成物。
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