JP2007065305A - 画像形成装置 - Google Patents

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一成 中村
Hirotoshi Uesugi
浩敏 上杉
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秀敏 平野
Shinji Takagi
進司 高木
Kunihisa Fukaya
訓久 深谷
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Abstract

【課題】 1ドットの再現性がよく、長期にわたって高い転写効率およびクリーニング性を維持することができ、カラー画像形成装置に適用しても、長期にわたって高い転写効率を維持することができ、良好な画像が得られる電子写真感光体を有する画像形成装置を提供する。
【解決手段】 支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該電子写真感光体の表面層が、特定の繰り返し構造単位βを有し、重量平均分子量が1000〜1000000であるジオルガノポリシロキサンを含有し、感光体の表面層の接触角が105度以上であることを特徴とする画像形成装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、静電複写機、レーザープリンター等の電子写真プロセスを用いる画像形成装置、特に、トナー像を紙等の記録シートへ定着するいわゆる定着工程を有する画像形成装置に関する。さらに詳しくは、本発明は、光書き込みの解像度が1200dpi以上である電子写真方式を用いた画像形成装置に関するものである。
近年、情報産業の急速な発展に伴い、産業上又はオフィス用途として高画質な画像記録が望まれてきている。これらの要望に対して電子写真法、熱転写法及びインクジェット法等の種々の方法が提案され、実用化されている。中でも電子写真法は、その高速印字性及び高画質のメリットからオフィスで多用されているが、最近ではグラフィック画像の記録のケースも多くなってきており、より一層の高画質化や高精細化が求められてきている。これら市場の要求に対して、レーザープリンターやデジタル複写機においてはより高解像度化されつつあり、電子写真装置における高画質化や高精細化が進められている。
電子写真感光体の開発においては、感光体の薄膜化により静電容量を大きくし、また、電界強度を強めることにより、静電潜像の高精細化が提案されている。
電子写真装置に用いられる感光体としては、いわゆる有機感光体が主流となっており、特に、導電性基体上にいわゆる電荷発生層、電荷輸送層を積層した積層タイプが主流となっている。
このような有機感光体は、繰り返し使用によって膜削れが発生しやすく、感光層の膜削れが進むと、感光体の帯電電位の低下や光感度の劣化、感光体表面のキズ等による地汚れ、画像濃度低下あるいは画質劣化が促進される傾向が強いことで耐摩耗性の向上が望まれていた。また、トナーによる現像とクリーニングの繰り返し等に起因した、感光体表面へのトナーの付着という問題もあり、これに対しては感光体表面のクリーニング性の向上が求められている。特に、近年では高画質化、高精細化のためにトナーの小径化、球形化が進み、クリーニング性の面ではより厳しくなっており、感光体表面のクリーニング性の向上は重要な課題となっている。
また、静電潜像の高精細化により1ドットの再現性が向上するとともに、現像されるトナー像もより小さく高精細化しているため、感光体表面からのトナーの転写性の向上も求められている。特に、ハーフトーン画像の均一性や、階調性が重視されるカラー電子写真装置においては、中間転写方式を採用するものもあり、よりいっそうの転写効率の向上が求められている。
さらに、近年では電子写真装置の高速化あるいは装置の小型化に伴う感光体の小径化によって、感光体の高耐久化がより一層重要な課題となっている。従って、有機感光体においては、特に高画質化と薄膜での高耐久化を両立させることが最重要課題として挙げられている。
上述のトナーのクリーニング性や転写効率を向上させ、高精細なドット再現のために、電子写真プロセスにおける解像度をR(dpi)、電子写真感光体の回転数をr(回転/秒)とした時、R≧1200かつR・r≧1.9×10の電子写真プロセス条件で用いられる電子写真感光体において、感光層表面の純水に対する接触角が100度以上であることを特徴とする電子写真感光体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、光書き込みの解像度が1200dpi以上である電子写真方式を用いた画像形成装置、及び/又は光書き込みが、入力画像に対して200lpi以上の線数によって中間調処理を施された画像データに基づいて行われる電子写真方式を用いた画像形成装置において、光書き込み手段がビーム径35μm以下のレーザービーム光であり、かつ、感光体が、導電性支持体上に少なくとも電荷発生物質を含有する電荷発生層及び電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を設けてなり、該感光体の最表面層にアクリル変性ポリオルガノシロキサン化合物が含有されて、かつ該電荷輸送層および最表面層を合わせた膜厚が20μm以下である画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−251022号公報 特開2003−270831号公報
特許文献1においては、感光体表面層の純水に対する接触角を100度にするために、電荷輸送層にシリコーン変性ポリカーボネートやシリコーン樹脂、あるいはフッ素樹脂粉体を含有させているが、シリコーン変性ポリカーボネートやシリコーン樹脂は膜中で局在化しやすく、そのほとんどが表面ブリードアウトしてしまうため、繰り返し使用においては感光体の磨耗によりその効果が得られなくなってしまう。また、フッ素樹脂粉体は、屈折率の異なる樹脂を分散によって含有させているために、高い接触角は維持できるものの像露光の散乱等が起き易く、潜像ドットの乱れが生じやすい。
一方、特許文献2においては、電荷輸送層にアクリル変性ポリオルガノシロキサン化合物をミクロゲル状に含有させることにより、膜中に均一にミクロゲルが分散しているため、上記のブリードアウトや散乱といった問題もなく、感光体の表面エネルギーを低減し、転写効率の向上、クリーニング性の向上を可能にしている。
しかしながら、かかる方法では、ミクロゲルの分散状態をコントロールすることは難しく、また、感光体の磨耗量によらず繰り返し使用時の効果持続性を維持するためには添加量をある程度多くする必要があり、膜強度の低下や、電子写真特性の悪化の恐れがある。
このように、感光体の面からは、繰り返し使用においても、高転写効率、高クリーニング性を維持し、高精細かつ高耐久なものが望まれているが、未だ十分でないのが現状である。
本発明は、以上の点に着目して成されたもので、1ドットの再現性がよく、長期にわたって高い転写効率およびクリーニング性を維持することができ、良好な画像が得られる電子写真感光体を有する画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、少なくとも、帯電手段、像露光手段、現像手段、転写手段、定着手段及びクリーニング手段を有し、像露光手段における解像度が1200dpi以上である画像形成装置において、感光体の表面層が下記式(12)で示される繰り返し構造単位βを有し、重量平均分子量が1000〜1000000であるジオルガノポリシロキサンを含有し、感光体の表面層の接触角が105度以上であることを特徴とする画像形成装置である。
Figure 2007065305
(式(12)中、R12は、置換または無置換の1価の炭化水素基を示し、D11は、重合度3以上の置換または無置換のポリスチレン鎖を有する1価の有機基を示す。)
本発明によれば、1ドットの再現性がよく、長期にわたって高い転写効率およびクリーニング性を維持することができ、良好な画像が得られ、特に、カラー画像形成装置に適用しても、長期にわたって高い転写効率を維持することができ、良好な画像が得られる電子写真感光体を有する画像形成装置を提供することができる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明者らは検討の結果、感光体の表面層に前記式(12)で示される繰り返し構造単位βを有し、重量平均分子量が1000〜1000000であるジオルガノポリシロキサンを含有させることにより、感光体表面層の接触角が105°以上になり、高い転写効率を有することを見出した。さらに、感光体表面層のバインダー樹脂がポリカーボネート樹脂やポリアリレート樹脂の場合には、該ジオルガノポリシロキサンが、前記式(12)で示される構造単位βを有することによって、該ジオルガノポリシロキサンが表面層中に局在化することなく、表面層バインダー樹脂と相溶した状態で均一に分布し、繰り返し使用においても、高い接触角を維持し続け、初期からの高い転写効率が低下することも無いことを見出した。
これは、前記式(12)のD11における置換基が重合度3以上の置換または無置換のポリスチレン鎖を有することにより、ジオルガノポリシロキサンの表面層バインダー樹脂との相溶性が向上しているためと思われる。
電子写真感光体の表面層中にフッ素原子含有樹脂粒子を含有させると、繰り返し使用においても電子写真感光体の表面層の離型性向上が期待できる一方、そのフッ素原子含有樹脂粒子が露光光を散乱させてしまう場合があり、露光光が散乱するとシャープな静電潜像が得られにくくなる。
また、表面層中にフッ素原子含有樹脂粒子を含有させると、フッ素原子含有樹脂粒子は軟らかい為に、フッ素原子含有樹脂粒子を起点としてキズが発生しやすくなるといった問題もあり、必ずしも耐久性の面で十分ではない。
そこで、本発明の電子写真感光体の表面層は、フッ素原子含有樹脂粒子の代わりに、下記式(12)で示される繰り返し構造単位βを有するジオルガノポリシロキサンにさらに、下記式(11)で示される繰り返し構造単位αを有するジオルガノポリシロキサンを含有する。これによって、露光光の散乱を引き起こすことなく電子写真感光体の表面の離型性を向上させることができ、転写効率を十分に高くすることができる。
Figure 2007065305

(上記式(11)、(12)中、R11、R12は、それぞれ独立に、置換または無置換の1価の炭化水素基を示し、B11は、パーフルオロアルキル基を有する1価の有機基を示し、D11は、重合度3以上の置換または無置換のポリスチレン鎖を有する1価の有機基を示す。)
特にシリカ等のトナー外添剤に対しては、前記B11のパーフルオロアルキル基を有することでより効果的である。
また、上記ジオルガノポリシロキサンは、さらに下記式(13)で示される繰り返し構造単位γを有してもよい。
Figure 2007065305
上記式(13)中、R13、R14は、それぞれ独立に、置換または無置換の1価の炭化水素基を示す。
また、上記ジオルガノポリシロキサンの末端基としては、例えば、下記式(14)で示される構造を有する末端基I、下記式(15)で示される構造を有する末端基IIが挙げられる。
Figure 2007065305
上記式(14)、(15)中、R15、R16は、それぞれ独立に、置換または無置換の1価の炭化水素基を示し、E11、E12は、それぞれ独立に、置換または無置換の1価の炭化水素基、パーフルオロアルキル基を有する1価の有機基、重合度3以上の置換または無置換のポリスチレン鎖を有する1価の有機基、置換または無置換のアルキレンオキシ基を有する1価の有機基、置換または無置換のシロキサン鎖を有する1価の有機基、および、炭素原子数12以上の1価の有機基からなる群より選択される1価の基を示し、ただし、上記式(14)中のE11は上記ジオルガノポリシロキサンが有する繰り返し構造単位の主鎖(−Si−O−)中のSiと結合し、上記式(15)中のSiは上記ジオルガノポリシロキサンが有する繰り返し構造単位の主鎖(−Si−O−)中のOと結合する。
本発明において、有機基とは、置換または無置換の炭化水素基を意味する。また、炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アリールアルケニル基などが挙げられる。
上記R11〜R16の1価の炭化水素基としては、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のアリールアルケニル基などが挙げられる。これらの基の炭素原子数は1〜30であることが好ましく、特にはメチル基、フェニル基がより好ましい。
上記B11のパーフルオロアルキル基を有する1価の有機基は、下記式(2)で示される構造を有する1価の基であることが好ましい。
Figure 2007065305
上記式(2)中、R21は、アルキレン基またはアルキレンオキシアルキレン基を示し、aは、3以上の整数を示す。
上記アルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基などが挙げられる。上記アルキレンオキシアルキレン基としては、エチレンオキシエチレン基、エチレンオキシプロピレン基、プロピレンオキシプロピレン基などが挙げられる。
上記ジオルガノポリシロキサンにおける上記式(11)で示される繰り返し構造単位αの数(平均)は、1〜1000であることが好ましく、特には10〜200であることがより好ましい。
上記ジオルガノポリシロキサンにおける上記式(11)で示される繰り返し構造単位αの数(平均)は、1〜1000であることが好ましく、特には10〜200であることがより好ましい。
上記ジオルガノポリシロキサンにおける上記式(12)で示される繰り返し構造単位βの数(平均)は、1〜1000であることが好ましく、特には5〜100であることがより好ましい。
上記ジオルガノポリシロキサンにおける上記式(13)で示される繰り返し構造単位γの数(平均)は、0〜1000であることが好ましく、特には100〜200であることがより好ましい。
上記ジオルガノポリシロキサンが有する繰り返し構造単位は、上記式(12)で示される繰り返し構造単位βのみ、上記式(11)で示される繰り返し構造単位αと上記式(12)で示される繰り返し構造単位βのみ、または、上記式(11)で示される繰り返し構造単位αと上記式(12)で示される繰り返し構造単位βと上記式(13)で示される繰り返し構造単位γのみであることが好ましい。
上記ジオルガノポリシロキサンにおける上記式(11)で示される繰り返し構造単位αと上記式(12)で示される繰り返し構造単位βと上記式(13)で示される繰り返し構造単位γとの和(平均)は、2〜2000であることが好ましく、特には5〜1000であることがより好ましく、さらには20〜500であることがより一層好ましい。
上記式(11)で示される繰り返し構造単位αの数が2以上の場合、複数のR11は同一の基であっても異なる2種以上の基であってもよく、複数のB11は同一の基であっても異なる2種以上の基であってもよい。
上記式(12)で示される繰り返し構造単位βの数が2以上の場合、複数のR12は同一の基であっても異なる2種以上の基であってもよく、複数のD11は同一の基であっても異なる2種以上の基であってもよい。D11は、上述のとおり、重合度3以上の置換または無置換のポリスチレン鎖を有する1価の有機基である。
上記式(13)で示される繰り返し構造単位γの数が2以上の場合、複数のR13は同一の基であっても異なる2種以上の基であってもよく、複数のR14は同一の基であっても異なる2種以上の基であってもよい。
同様のことが、上記式(3)中のR32、R33、上記式(4)中のR42、上記式(5)中のR52、R53についてもいえる。
以下に、本発明に用いられるジオルガノポリシロキサンの具体例を示す。ただし、本発明はこれら具体例に限定されない。また、下記ジオルガノポリシロキサン(1−1)〜(1−11)は、いずれも、末端基として上記式(14)で示される構造を有する末端基I(E11:メチル基)、下記式(15)で示される構造を有する末端基II(E12、R15、R16:メチル基)を有する。
Figure 2007065305
Figure 2007065305
Figure 2007065305
Figure 2007065305
Figure 2007065305
Figure 2007065305
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Figure 2007065305
Figure 2007065305
Figure 2007065305
Figure 2007065305
これらの中では、(1−2)、(1−3)、(1−4)、(1−6)、(1−8)、(1−10)が好ましく、特には(1−3)、(1−6)、(1−7)、(1−10)がより好ましい。
また、本発明に用いられるジオルガノポリシロキサンの重量平均分子量は、1000〜1000000であるが、10000〜200000であることが好ましく、特には10000〜100000であることがより好ましく、さらには20000〜40000であることがより一層好ましい。
また、本発明に用いられるジオルガノポリシロキサン中のフッ素原子の含有量は、ジオルガノポリシロキサン全質量に対して1〜90質量%であることが好ましく、特には、5〜60質量%であることが好ましい。フッ素原子の含有量が1質量%未満では、電子写真感光体の表面層の離型性が十分に発揮されない場合があり、90質量%を超えると、電子写真感光体の表面層中の結着樹脂との相溶性が悪くなったり、アンカー効果が十分に得られなかったりして、表面に移行しやすくなり、長時間耐久使用により電子写真感光体の表面が摩耗した場合、十分な効果が得られなくなる場合がある。
一般的に、シリコーンオイルやシロキサン化合物は、層中で表面移行性があるため、長時間耐久使用により電子写真感光体の表面が摩耗した場合、これらの成分の多くが失われてしまい、十分な効果が得られなくなるのである。
それに対して、本発明に用いられるジオルガノポリシロキサンは、特に側鎖のD11が電子写真感光体の表面層の結着樹脂に対して相溶性が高く、アンカー効果を有するため、層中での表面移行性が抑制される。
以下、本発明に用いられる電子写真感光体の構成について説明する。
本発明に用いられる電子写真感光体は支持体上に感光層を有する。
支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)であればよく、アルミニウム、ステンレスなどの金属製の支持体や、金属、紙、プラスチックなどの上に導電性を付与する層を設けた支持体などが挙げられる。支持体の形状としては、円筒状、ベルト状などが挙げられる。
感光層は、電荷輸送物質と電荷発生物質を同一の層に含有する単層型であっても、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とに分離した積層型(機能分離型)であってもよいが、電子写真特性の観点からは積層型が好ましい。また、積層型感光層には、支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順に積層した順層型感光層と、支持体側から電荷輸送層、電荷発生層の順に積層した逆層型感光層があるが、電子写真特性の観点からは順層型が好ましい。
露光光がレーザー光の場合、散乱による干渉縞を防止することを目的として、また、支持体の傷を被覆することを目的として、支持体上に導電層を設けてもよい。導電層は、カーボンブラック、金属粒子などの導電性粒子を結着樹脂に分散させて形成することができる。導電層の膜厚は5〜40μmであることが好ましく、特には10〜30μmであることがより好ましい。なお、切削処理、アルマイト処理、乾式ブラスト処理、湿式ブラスト処理などによって支持体の表面を処理することによっても干渉縞を防止することができる。
支持体または導電層の上に、接着機能やバリア機能を有する中間層を設けてもよい。中間層は、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、カゼイン、ポリウレタン、ポリエーテルウレタンなどの樹脂を適当な溶剤に溶解し、これを支持体または導電層上に塗布・乾燥することにより形成することができる。中間層の膜厚は0.05〜5μmであることが好ましく、特には0.3〜1μmであることがより好ましい。なお、支持体表面をアルマイト処理したり、ゾルゲル法による導電性膜を用いたりする場合は、中間層を必ずしも必要ではない。
感光層が順層型感光層である場合、支持体、導電層または中間層の上には電荷発生層が設けられる。
電荷発生物質としては、例えば、セレン−テルル、ピリリウム、チアピリリウム染料、フタロシアニン、アントアントロン、ジベンズピレンキノン、トリスアゾ、シアニン、アゾ(トリスアゾ、ジスアゾ、モノアゾ)、インジゴ、キナクリドン、非対称キノシアニンなどの顔料が挙げられる。
電荷発生層は、電荷発生物質を、その0.3〜4倍量(質量比)の結着樹脂および溶剤とともに、ホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、液衝突型高速分散機などの方法でよく分散し、得られた分散液を、塗布・乾燥することにより形成することができる。なお、結着樹脂を電荷発生物質の分散後投入してもよいし、電荷発生物質に成膜性があれば結着樹脂を使用しなくてもよい。電荷発生層の膜厚は5μm以下であることが好ましく、特には0.1〜2μmであることがより好ましい。
感光層が順層型感光層である場合、電荷発生層の上には、電荷輸送層が設けられる。
電荷輸送物質としては、例えば、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合物、トリアリルメタン化合物、チアゾール化合物などが挙げられる。
電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂を溶剤で溶解し、得られた塗布液を、塗布・乾燥することにより形成することができ、また、電荷輸送層が電子写真感光体の表面層である場合は、電荷輸送物質および結着樹脂さらに上記ジオルガノポリシロキサンを溶剤で溶解し、得られた塗布液を、塗布・乾燥することにより形成することができる。電荷輸送物質と結着樹脂との質量比は5:1〜1:5であることが好ましく、特には3:1〜1:3であることがより好ましい。電荷輸送層の膜厚は5〜50μmであることが好ましく、10〜30μmがより好ましい。
電荷輸送層の結着樹脂としては、熱可塑性樹脂および硬化性樹脂が挙げられる。具体的には、フェノキシ樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、または、これらの樹脂の繰り返し構造単位のうち2つ以上を含む共重合体、例えば、スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマー、スチレン−マレイン酸コポリマーなどが挙げられる。また、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレンなどの有機光導電性ポリマーからも選択できる。
これらのうち、ポリカーボネート樹脂およびポリアリレート樹脂は、本発明に用いられるジオルガノポリシロキサンとの相溶性が良く、良好な塗布液を作製することができるため好ましい。特に、ジオルガノポリシロキサンと併せて用いるポリカーボネート樹脂の重量平均分子量は、20000〜300000の範囲であることが好ましく、50000〜150000の範囲であることがより好ましい。また、ジオルガノポリシロキサンと併せて用いるポリアリレート樹脂の重量平均分子量は、20000〜300000の範囲であることが好ましく、50000〜150000の範囲であることがより好ましい。
また、ポリカーボネート樹脂としては、下記式(6)で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂が好ましい。
Figure 2007065305
上記式(6)中、X601は、単結合、カルボニル基、エーテル基、チオエーテル基、または、−CR601602−基(R601、R602は、それぞれ独立に、水素原子、置換または無置換のアルキル基、または、置換または無置換のアリール基を示す、あるいは、R601とR602とが結合して形成される置換または無置換のシクロアルキリデン基を示す)を示し、R601〜R604、R607〜R610は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、または、置換または無置換のアリール基を示す。
これらの中でも、上記X601は、単結合、−CR601602−基が好ましく、R602、R604、R606、R609は水素原子が好ましい。
また、ポリアリレート樹脂としては、下記式(7)で示される繰り返し構造単位を有するポリアリレート樹脂が好ましい。
Figure 2007065305
上記式(7)中、X701は、単結合、カルボニル基、エーテル基、チオエーテル基、または、−CR701702−基(R701、R702は、それぞれ独立に、水素原子、置換または無置換のアルキル基、または、置換または無置換のアリール基を示す、あるいは、R701とR702とが結合して形成される置換または無置換のシクロアルキリデン基を示す)を示し、R701〜R704、R707〜R714は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、または、置換または無置換のアリール基を示す。
これらの中でも、上記X701は、単結合、−CR701702−基が好ましく、R702、R704、R707、R709は水素原子が好ましい。
上記式(7)、(8)中、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子などが挙げられ、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基などが挙げられ、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基などが挙げられ、アルキリデン基としてはシクロヘキシリデン基などが挙げられる。
これら各基が有してもよい置換基としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子や、メチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基や、フェニル基などのアリール基などが挙げられる。
以下に、上記式(6)で示される繰り返し構造単位の具体例を示す。
Figure 2007065305
Figure 2007065305
Figure 2007065305
Figure 2007065305
これらの中では、(6−1)、(6−3)、(6−4)、(6−10)、(6−16)が好ましく、特には(6−1)、(6−3)、(6−16)がより好ましい。
以下に、上記式(7)で示される繰り返し構造単位の具体例を示す。
Figure 2007065305
Figure 2007065305
Figure 2007065305
Figure 2007065305
Figure 2007065305
これらの中では、(7−2)、(7−3)、(7−6)、(7−13)、(7−22)、(7−23)が好ましく、特には(7−3)、(7−13)、(7−22)がより好ましい。
電子写真感光体の表面層が電荷輸送層の場合、電荷輸送層中の上記ジオルガノポリシロキサンの含有量は、電荷輸送層全質量に対して0.01〜20質量部であることが好ましく、特には0.1〜10.0質量部がより好ましい。含有量が少なすぎると本願発明の効果が得られにくくなり、多すぎるとキャリアのトラップの原因となり、電位変動が生じる場合がある。
有機光導電性物質である電荷発生物質、電荷輸送物質などは、一般に紫外線、オゾン、オイルによる汚れ、金属などに弱いため、感光層を保護することを目的として、感光層上に保護層を設け、これを電子写真感光体の表面層としてもよい。
電子写真感光体の表面層となる保護層は、上記ジオルガノポリシロキサンとポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマー、スチレン−アクリル酸コポリマーなどの結着樹脂と適当な溶剤に溶解し、得られた塗布液を感光層上に塗布・乾燥することにより形成することができる。また、保護層の結着樹脂として縮合系モノマーや不飽和基をもつラジカル重合系モノマーから得られる樹脂を用いる場合は、塗布液を塗布した後、熱や紫外線などのエネルギー光を当てて硬化し、保護層を形成してもよい。保護層の膜厚は0.05〜20μmであることが好ましい。
また、保護層は電荷輸送層よりも薄膜にすることが可能であるため、上記ジオルガノポリシロキサンの量を増加させることが可能である。
本発明の電子写真感光体の表面層には、必要に応じて、金属、導電性金属酸化物などの導電性粒子や電荷輸送物質をさらに含有させてもよい。
上記各層を形成する際、塗布する方法としては、浸漬塗布法、スプレー塗布法、スピナー塗布法、ブレード塗布法、ロール塗布法などが挙げられる。
図1に、本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。
図1において、1はドラム状の本発明の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。
回転駆動される電子写真感光体1の周面は、帯電手段(一次帯電手段)3により、正または負の所定電位に均一に帯電され、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)から出力される露光光(画像露光光)4を受ける。こうして電子写真感光体1の周面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。
電子写真感光体1の周面に形成された静電潜像は、現像手段5のトナーにより現像されてトナー画像となる。次いで、電子写真感光体1の周面に形成担持されているトナー画像が、転写手段(転写ローラー)6からの転写バイアスによって、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて給送された転写材(紙など)Pに順次転写されていく。
トナー画像の転写を受けた転写材Pは、電子写真感光体1の周面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
トナー画像転写後の電子写真感光体1の周面は、クリーニング手段(クリーニングブレード)7によって転写残トナーの除去を受けて清浄面化され、さらに前露光手段(不図示)からの前露光光(不図示)により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、図1に示すように、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
上述の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、転写手段6およびクリーニング手段7などの構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図1では、電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段7とを一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレールなどの案内手段10を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9としている。
電子写真感光体の表面の高い離型性を長期にわたり維持し、転写電流を強くすることなく転写効率を十分に高くすること、また、シャープな静電潜像を得ることは電子写真装置全般に要求されることであるが、カラー電子写真装置(多重転写方式、中間転写方式、インライン方式など)にはより高次元に要求されることであるため、本発明の電子写真感光体は、カラー電子写真装置用の電子写真感光体として特に好適である。
以下、カラー電子写真装置の例として、中間転写方式のカラー電子写真装置およびインライン方式のカラー電子写真装置を説明する。なお、以下の説明において、4色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)の例を挙げたが、本発明における「カラー」とは、4色に限定されるものではなく、多色、すなわち2種以上の色である。
図2に、本発明の電子写真感光体を有する中間転写方式のカラー電子写真装置の概略構成の一例を示す。
図2において、1はドラム状の本発明の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。
回転駆動される電子写真感光体1の周面は、帯電手段(一次帯電手段)3により、正または負の所定電位に均一に帯電され、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)から出力される露光光(画像露光光)4を受ける。この際の露光光は、目的のカラー画像の第1色成分像(例えばイエロー成分像)に対応した露光光である。こうして電子写真感光体1の周面に、目的のカラー画像の第1色成分像に対応した第1色成分静電潜像(イエロー成分静電潜像)が順次形成されていく。
張架ローラー12および二次転写対向ローラー13によって張架された中間転写体(中間転写ベルト)11は、矢印方向に電子写真感光体1とほぼ同じ周速度(例えば電子写真感光体1の周速度に対して97〜103%)で回転駆動される。
電子写真感光体1の周面に形成された第1色静電潜像は、第1色成分現像手段(イエロー成分現像手段)5Yの第1色トナー(イエロートナー)により現像されて第1色トナー画像(イエロートナー画像)となる。次いで、電子写真感光体1の周面に形成担持されている第1色トナー画像が、一次転写手段6pからの一次転写バイアスによって、電子写真感光体1と一次転写手段(一次転写ローラー)6pとの間を通過する中間転写体11の周面に順次一次転写されていく。
第1色トナー画像転写後の電子写真感光体1の周面は、クリーニング手段7によって一次転写残トナーの除去を受けて清浄面化された後、次色の画像形成に使用される。
第2色トナー画像(マゼンタトナー画像)、第3色トナー画像(シアントナー画像)、第4色トナー画像(ブラックトナー画像)も、第1色トナー画像と同様にして電子写真感光体1の周面に形成され、中間転写体11の周面に順次転写される。こうして中間転写体11の周面に目的のカラー画像に対応した合成トナー画像が形成される。第1色〜第4色の一次転写の間は、二次転写手段(二次転写ローラー)6s、電荷付与手段(電荷付与ローラー)7rは中間転写体11の周面から離れている。
中間転写体11の周面に形成された合成トナー画像は、二次転写手段6sからの二次転写バイアスによって、転写材供給手段(不図示)から二次転写対向ローラー13・中間転写体11と二次転写手段6sとの間(当接部)に中間転写体11の回転と同期して取り出されて給送された転写材(紙など)Pに順次二次転写されていく。
合成トナー画像の転写を受けた転写材Pは、中間転写体11の周面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることによりカラー画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
合成トナー画像転写後の中間転写体11の周面には電荷付与手段7rが当接される。電荷付与手段7rは、中間転写体11の周面の二次転写残トナーに一次転写時と逆極性の電荷を付与する。一次転写時と逆極性の電荷が付与された二次転写残トナーは、電子写真感光体1と中間転写体11との当接部およびその近傍において、電子写真感光体1の周面に静電的に転写される。こうして合成トナー画像転写後の中間転写体11の周面は、転写残トナーの除去を受けて清浄面化される。電子写真感光体1の周面に転写された二次転写残トナーは、電子写真感光体1の周面の一次転写残トナーとともに、クリーニング手段7によって除去される。中間転写体11から電子写真感光体1への二次転写残トナーの転写は、一次転写と同時に行うことができるため、スループットの低下を生じない。
また、クリーニング手段7による転写残トナー除去後の電子写真感光体1の周面を、前露光手段からの前露光光により除電処理してもよいが、図2に示すように、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
図3に、本発明の電子写真感光体を有するインライン方式のカラー電子写真装置の概略構成の一例を示す。
図3において、1Y、1M、1C、1Kはドラム状の本発明の電子写真感光体(第1色〜第4色用電子写真感光体)であり、それぞれ軸2Y、2M、2C、2Kを中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。
回転駆動される第1色用電子写真感光体1Yの周面は、第1色用帯電手段(第1色用一次帯電手段)3Yにより、正または負の所定電位に均一に帯電され、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)から出力される露光光(画像露光光)4Yを受ける。露光光4Yは、目的のカラー画像の第1色成分像(例えばイエロー成分像)に対応した露光光である。こうして第1色用電子写真感光体1Yの周面に、目的のカラー画像の第1色成分像に対応した第1色成分静電潜像(イエロー成分静電潜像)が順次形成されていく。
張架ローラー12によって張架された転写材搬送部材(転写材搬送ベルト)14は、矢印方向に第1色〜第4色用電子写真感光体1Y、1M、1C、1Kとほぼ同じ周速度(例えば第1色〜第4色用電子写真感光体1Y、1M、1C、1Kの周速度に対して97〜103%)で回転駆動される。また、転写材供給手段(不図示)から給送された転写材(紙など)Pは、転写材搬送部材14に静電的に担持(吸着)され、第1色〜第4色用電子写真感光体1Y、1M、1C、1Kと転写材搬送部材との間(当接部)に順次搬送される。
第1色用電子写真感光体1Yの周面に形成された第1色成分静電潜像は、第1色用現像手段5Yのトナーにより現像されて第1色トナー画像(イエロートナー画像)となる。次いで、第1色用電子写真感光体1Yの周面に形成担持されている第1色トナー画像が、第1色用転写手段(第1色用転写ローラー)6Yからの転写バイアスによって、第1色用電子写真感光体1Yと第1色用転写手段6Yとの間を通過する転写材搬送部材14に担持された転写材Pに順次転写されていく。
第1色トナー画像転写後の第1色用電子写真感光体1Yの周面は、第1色用クリーニング手段(第1色用クリーニングブレード)7Yによって転写残トナーの除去を受けて清浄面化された後、繰り返し第1色トナー画像形成に使用される。
第1色用帯電手段3Y、第1色用露光手段4Y、第1色用現像手段5Y、第1色用転写手段6Yをまとめて第1色用画像形成部と称する。
第2色用帯電手段3M、第2色用露光手段4M、第2色用現像手段5M、第2色用転写手段6Mを有する第2色用画像形成部、第3色用帯電手段3M、第3色用露光手段4M、第3色用現像手段5M、第3色用転写手段6Mを有する第3色用画像形成部、第4色用帯電手段3K、第4色用露光手段4K、第4色用現像手段5K、第4色用転写手段6Kを有する第4色用画像形成部の動作は、第1色用画像形成部の動作と同様であり、転写材搬送部材14に担持され、第1色トナー画像が転写された転写材Pに、第2色トナー画像(マゼンタトナー画像)、第3色トナー画像(シアントナー画像)、第4色トナー画像(ブラックトナー画像)が順次転写されていく。こうして転写材搬送部材14に担持された転写材Pに目的のカラー画像に対応した合成トナー画像が形成される。
合成トナー画像が形成された転写材Pは、転写材搬送部材14の周面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることによりカラー画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
また、第1色〜第4色用クリーニング手段7Y、7M、7C、7Kによる転写残トナー除去後の第1色〜第4色用電子写真感光体1Y、1M、1C、1Kの周面を、前露光手段からの前露光光により除電処理してもよいが、図3に示すように、第1色〜第4色用帯電手段3Y、3M、3C、3Kが帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
次に、中間転写体について説明する。
中間転写体としては、張架ローラー(駆動ローラー、テンションローラーを含む)によって張架される無端状の中間転写ベルトが挙げられる。中間転写ベルトの体積抵抗率は10〜1012Ω・cmであることが好ましい。中間転写ベルトの体積抵抗率が低すぎると、一次転写を受けた部分とそうでない部分とで中間転写ベルトの抵抗値に大きな差ができてしまうため、2色目以降のトナーを効率よく転写することができなくなってしまい、目的とする色合いの画像が得られなくなってしまう。また、中間転写ベルトの抵抗値が高すぎると、2色目以降のトナーを一次転写する際、それ以前に一次転写を終了したトナーが電子写真感光体に戻ってしまう場合がある。
また、中間転写ベルトの材料としては、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂などの樹脂や、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ヒドリンゴムなどの弾性材料が挙げられ、フッ素樹脂またはポリイミドまたはポリエチレンテレフタレートが強度や電子写真特性の観点から好ましい。抵抗調整は、上記樹脂や弾性材料にカーボンブラックや金属粒子(酸化チタン粒子、酸化スズ粒子など)などの導電性粒子を分散させて行うことができる。導電性粒子の量を増やすことにより、体積抵抗率を下げることができる。
中間転写ベルトの張力としては、伸び率が1%以内になるように設定して、中間転写ベルトの破断や永久歪みが発生しないようにすることが好ましい。また、中間転写ベルトの厚さは10〜200μmであることが好ましい。
次に、転写材搬送部材について説明する。
転写材搬送部材としては、張架ローラー(駆動ローラー、テンションローラーを含む)によって張架される無端状の転写材搬送ベルトが挙げられる。転写材搬送ベルトの体積抵抗率は10〜1013Ω・cmであることが好ましく、特には10〜1012Ω・cmであることがより好ましい。体積抵抗率が大きすぎると、転写材搬送ベルトを汚染したトナーの除去を行う際、転写時における電荷蓄積が悪影響を与える場合があり、小さすぎると、転写材の吸着が不安定となる場合がある。
また、転写材搬送ベルトの材料としては、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂などの樹脂や、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ヒドリンゴムなどの弾性材料が挙げられ、フッ素樹脂(ポリフッ化ビニリデン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体など)、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド樹脂が転写性、転写材の吸着性の観点から好ましい。抵抗調整は、上記樹脂や弾性材料にカーボンブラックや金属粒子(酸化チタン粒子、酸化スズ粒子など)などの導電性粒子を分散させて行うことができる。導電性粒子の量を増やすことにより、体積抵抗率を下げることができる。
転写材搬送ベルトの張力としては、伸び率が1%以内になるように設定して、転写材搬送ベルトの破断や永久歪みが発生しないようにすることが好ましい。また、転写材搬送ベルトの厚さは10〜200μmであることが好ましい。
転写材搬送ベルト上の電荷蓄積が、転写性や転写材の吸着性に悪影響を与えるのを防止するために、転写材搬送ベルトを次色のトナー画像転写よりも前に除電手段により除電する方法が挙げられる。しかしながら、転写材搬送ベルト上に汚染トナーが付着した状態で、除電器の部分を通過させることは、除電器のトナーによる汚染やトナーのチャージアップ(または電荷消失)、場合によっては、転写材搬送ベルトの放電破壊などの原因となこともある。
転写材搬送ベルトの周面(転写材を担持する側の面)の表面粗さRzは、5μm以下であることが好ましく、特には3μm以下であることがより好ましい。表面粗さRzが5μmを越えると、汚染トナーと転写材搬送ベルト表面の密着性が高まり、汚染トナーの除去が困難となる場合がある。
一方、転写材搬送ベルトの表面粗さRzは、0.05μm以上であることが好ましい。トナーには、その単位面積あたりの帯電電荷量を制御するために、粒径0.001〜0.05μm程度のシリカ粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子などの無機粒子を外添されている。このようなサブミクロン粒子は転写材搬送ベルトに対する静電吸着力が強いため、転写材搬送ベルト表面からの除去は困難である。したがって、搬送ベルトの表面粗さRzをこれらの外添剤の粒径(直径)よりも大きくして、搬送ベルトにある程度埋め込まれることが好ましいのである。
本発明において、体積抵抗率は、JIS−K6911に準拠した測定プローブを用い、ADVANTEST社製の高抵抗計R8340にて100Vを印加して得た測定値を、中間転写ベルト、転写材搬送ベルトの厚さで正規化した値である。
中間転写ベルトや転写材搬送ベルトの周面の表面粗さを上記範囲内にするには、例えば、ベルトを型内で加熱成形する方法を用い、このときの型のベルトと接触する面の表面粗さを上記値よりも十分小さくする方法、あるいは、成形後のベルト表面を研磨などの後加工により平滑化する方法が挙げられる。
次に、トナーについて説明する。
本発明の電子写真感光体は、より小粒子径のトナーを用いた場合に、転写効率向上の効果が顕著に現れ、磁性体を含有しない非磁性トナーを用いた場合に、さらに顕著に現れる。
トナーとしては、結着樹脂、着色剤、荷電制御剤および低軟化物質を含有している非磁性一成分トナーが好適に用いられる。
トナーの結着樹脂としては、通常用いられているものでよく、例えば、スチレン−ポリエステル、スチレン−ブチルアクリレートなどのスチレン系共重合体やポリエステル樹脂やエポキシ樹脂などが挙げられる。
着色剤は、通常用いられているものでよく、例えば、イエロートナー用としては、ベンジン黄色顔料、フォロンイエロー、アセト酢酸アニリド不溶性アゾ顔料、モノアゾ染料、アゾメチン色素などが挙げられる。
マゼンタトナー用としては、キサンテンマゼンタ染料のリンタングステンモリブテン酸レーキ顔料、2,9−ジメチルキナクリドン、ナフトール不溶性アゾ顔料、アントラキノン染料、キサンテン染料と有機カルボン酸とからなる色材、チオインジゴ、ナフトール不溶性アゾ顔料などが挙げられる。
シアントナー用としては、銅フタロシアニン顔料が挙げられる。
荷電制御剤としては、通常用いられているものでよく、例えば、負電荷制御剤としては、アルキルサリチル酸の金属錯体、ジガルボン酸の金属錯体、多環体サリチル酸金属塩などが挙げられ、正電荷制御剤としては、4級アンモニウム塩、ベンゾチアゾール誘導体、グアナミン誘導体、ジブチルチンオキサイド、その他の含窒素化合物などが挙げられる。
低軟化物質としては、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロピッシュワックスなどのポリメチレンワックスや、アミドワックス、高級脂肪酸、長鎖アルコール、エステルワックス、および、これらのグラフト化合物、ブロック化合物などの誘導体が挙げられ、トナー全質量に対して5〜30質量%の含有量が好ましい。
また、トナーの円相当個数平均径(D1)は、2〜10μmであることが好ましい。トナーの平均円形度は0.920〜0.995であることが好ましく、特には0.950〜0.995であることがより好ましく、さらには0.970〜0.990であることがより一層好ましい。トナーの円形度標準偏差は0.040未満であることが好ましく、特には0.035未満であることがより好ましく、一方、0.015以上であることが好ましい。
本発明において、円相当個数平均径(D1)、円形度、平均円形度、円形度標準偏差とは、それぞれ、フロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおける、相当個数平均径(D1)、円形度、平均円形度、円形度標準偏差である。
また、本発明において、トナーは、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いたトナーの断層面観察において、フロー式粒子像測定装置で計測される重量基準の円相当重量平均径(D4)に対し、
0.9≦R/D4≦1.1
の関係を満たす長径Rを呈するトナーの断層面を20箇所選び出し、選び出したトナーの20箇所の断層面中に存在するワックス成分に起因する相分離構造のうち、最も大きいものの長径rを計測し、r/Rの相加平均値(r/R)stが、
0.05≦(r/R)st≦0.95
を満たすように該ワックス成分がトナーの結着樹脂中に球状または紡錘形の島状に分散されているトナーであることが好ましい。
特には、相加平均値(r/R)stが、
0.25≦(r/R)st≦0.90
であることがより好ましい。
また、磁性体を含有しない非磁性トナーを用いれば、本発明の効果をより顕著に得ることができる。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。ただし、本発明の実施の形態は、これらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
(実施例1)
まず、本発明の電子写真感光体を以下の手順で作成した。
導電性支持体として長さ286mm、直径47mm、シリンダー部の厚み0.7mm、最大表面粗さ5.0μm、平均表面粗さ1.0μmのアルミニウムシリンダー(JISA 3003アルミニウムの合金)を用意した。
酸化スズの被覆層を有する硫酸バリウム粒子からなる粉体(パストランPC1、三井金属鉱業(株)製)60部、酸化チタン(TITANIX JR、テイカ(株)製)60部、レゾール型フェノール樹脂(フェノライトJ−325、大日本インキ化学工業(株)製、固形分70%)70部、シリコーンオイル(SH28PA、東レシリコーン(株)製)10部、シリコーン樹脂(トスパール120、東芝シリコーン(株)製)10部、2−メトキシ−1−プロパノール60部及びメタノール60部からなる溶液を約20時間、ボールミルで分散した。
このようにして調合した導電層用分散液を前述のシリンダー上に浸漬法によって塗布し、140℃で30分間加熱硬化することにより、膜厚が15μmの樹脂層を形成した。
次に、共重合ナイロン(登録商標)樹脂(アミランCM8000、東レ社製)10質量部をメタノール60質量部とブタノール40質量部の混合液に溶解した溶液を、前記導電性支持体の上に浸漬塗布し、90℃で10分間加熱乾燥して膜厚が0.7μmの中間層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°、9.9°、
Figure 2007065305

16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン10質量部と、下記構造式で示される化合物0.1質量部、
およびポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業社製)5質量部をシクロヘキサノン250質量部に添加し、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルで1時間分散し、これに250質量部の酢酸エチルを加えて希釈し、これを中間層上に塗布した後、100℃で10分間乾燥して膜厚が0.16μmの電荷発生層を形成した。
次いで、電荷輸送材料として下記構造式で示される化合物40質量部、
Figure 2007065305

下記構造式で示される化合物5質量部と、
Figure 2007065305

前記式(7−2)で示される構成単位を有するポリアリレート樹脂(Mw=110000)50質量部、ジオルガノポリシロキサン:ジオルガノポリシロキサン(1−2)(重量平均分子量:30000)2.85部
をモノクロルベンゼン400質量部に溶解した溶液を、前記電荷発生層の上に浸漬塗布し、120℃で1時間加熱乾燥して膜厚が18μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体とした。
このようにして、電荷輸送層が表面層である電子写真感光体を作製した。
この時、表面層の純水に対する接触角を測定したところ、105度であった。なお、接触角の測定は以下のように行った。
<接触角の測定法>
接触角の測定は常温常湿において純水を用い、装置は協和界面科学(株)製接触角形CA−DS型を用いた。接触角は、電子写真感光体表面5点の平均値とし、水滴付着後1分以内に測定した。
次に、評価について説明する。
評価装置として、図2に示す構成の中間転写方式のカラー電子写真装置であるキヤノン(株)製カラーレーザープリンターLBP−2040(白黒毎分16枚/カラー毎分4枚機)を改造して用いた。改造は、像露光を1200dpiにし、中間転写ベルトユニットを装着しなくても動作するようにした。また、転写バイアスを改造前の80%とした。さらに、任意の現像器を選択、固定できるようにした。トナーは、円相当個数平均径8μm、平均円形度0.94のものを用いた。
評価は、まず、中間転写ベルトユニットを取り外し、A4原稿1枚分の印字率50%のハーフトーン画像(ブラック単色)を形成させ、そのままクリーニングさせた。その後、廃トナー質量を測定してW1とした。次に、中間転写ベルトユニットを装着し、A4原稿1枚分の印字率50%のハーフトーン画像を形成させ、転写させた。転写が完了した時点で停止させ、その後、廃トナー質量を測定してW2とした。{(W1−W2)/W1}×100により、転写効率Tを求めた。
さらに、この装置を用いて、A4普通紙を用いて、モノクロ20000枚の間欠耐久を行った。耐久中の転写バイアスは改造前の値とした。トナーが、なくなった場合は補給した。耐久後に、前述の方法により、耐久後のW120000およびW220000を求め、転写効率T20000を求めた。
また、上記電子写真感光体と同様の電子写真感光体を作製し、これと上記評価装置を用いて、ブラック単色のハーフトーン画像およびフルカラーの写真画像を出力して、2万枚耐久後の画像評価を行った。ハーフトーン画像に関してはドット再現性について評価を行い、写真画像に関しては総合的な印刷品質について評価を行った。ハーフトーン画像、写真画像の評価1〜3は、数字が大きいほど良好であることを示す。
以上の評価結果を表1に示す。
(実施例1−2)
実施例1−1において、電荷輸送層用塗布液中のジオルガノポリシロキサンの量を2.85から4.75に変更した以外は、実施例1−1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
(実施例1−3)
実施例1−2において、電荷輸送層用塗布液中のジオルガノポリシロキサン(1−2)を、ジオルガノポリシロキサン(1−3)(重量平均分子量:35000)に変更した以外は、実施例1−2と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
(実施例1−4)
実施例1−2において、電荷輸送層用塗布液中のジオルガノポリシロキサン(1−2)を、ジオルガノポリシロキサン(1−6)(重量平均分子量:36000)に変更した以外は、実施例1−2と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
(実施例1−5)
実施例1−2において、電荷輸送層用塗布液中のジオルガノポリシロキサン(1−2)を、ジオルガノポリシロキサン(1−7)(重量平均分子量:38000)に変更した以外は、実施例1−2と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
(実施例1−6)
実施例1−1において、電荷輸送層用塗布液中の上記式(7−2)で示される繰り返し構造単位を有するポリアリレート樹脂(重量平均分子量128000)を、上記式(6−3)で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂(重量平均分子量106000)に変更した以外は、実施例1−1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
(実施例1−7)
実施例1−6において、電荷輸送層用塗布液中のジオルガノポリシロキサンの量を2.85から4.75に変更した以外は、実施例1−6と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
(実施例1−8〜1−14)
実施例1−1〜1−7において、それぞれ、耐久試験時およびハーフトーン画像評価時に現像器をシアンに固定してシアン単色で画像出力した以外は、実施例1−1〜1−7と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
(比較例1−1)
実施例1−1において、電荷輸送層塗布液中にジオルガノポリシロキサンを添加しなかった以外は、実施例1−1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
(比較例1−2)
実施例1−1において、電荷輸送層塗布液中のジオルガノポリシロキサンを、シリコーンオイル(商品名:KF96、信越シリコーン(株)製)に変更した以外は、実施例1−1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
(比較例1−3)
実施例1−1において、電荷輸送層塗布液中のジオルガノポリシロキサンを、シリコーン化合物(商品名:GS101、東亜合成(株)製)に変更した以外は、実施例1−1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
(比較例1−4)
実施例1−1において、電荷輸送層塗布液中のジオルガノポリシロキサンを、アクリル変性ポリオルガノシロキサン(商品名:シャーリーヌR−107S、日信化学工業(株)製)に変更した以外は、実施例1−1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
(比較例1−5)
比較例1−1において、電荷輸送層塗布液中の上記式(7−2)で示される繰り返し構造単位を有するポリアリレート樹脂を、上記式(7−3)で示される繰り返し構造単位を有するポリアリレート樹脂(重量平均分子量:113000)と上記式(7−3)で示される繰り返し構造単位および下記式で示される繰り返し構造単位
Figure 2007065305

を有する共重合体(共重合比:1:9、重量平均分子量:98000)との混合物(混合比:9:1)に変更した以外は、比較例1−1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
Figure 2007065305
(実施例2−1)
実施例1−1において、導電性支持体を長さ357.5mm、直径30mm、シリンダー部の厚み0.7mm、最大表面粗さ5.0μm、平均表面粗さ1.0μmのアルミニウムシリンダー(JISA 3003アルミニウムの合金)にした以外は、実施例1−1と同様にして電子写真感光体を作製した。
次に、評価について説明する。
評価装置として、図3に示す構成のインライン方式のカラー電子写真装置であるキヤノン(株)製LBP‐2810(毎分22枚機)を改造して用いた。改造は、像露光を1200dpiにし、全面ドアを開放し、転写材搬送ベルトを通常の位置からはずし、かつ、プリント用紙のない状態でも、その他の動作は行えるように回路を変更した。また、転写バイアスを改造前の80%とした。現像手段に用いるトナーは、円相当個数平均径8μm、平均円形度0.94のものを用いた。
評価は、まず、全面ドアを開放して転写材搬送ベルトを通常の位置からはずし、かつ、プリント用紙のない状態でブラック用の画像形成部において、転写材(紙など)のない状態で、A4原稿1枚分の印字率50%のハーフトーン画像を形成させ、そのままクリーニングさせた。その後、廃トナー質量を測定してW1とした。
次に、転写材搬送ベルトを通常の位置に戻し、A4原稿1枚分の印字率50%のハーフトーン画像を形成させ、転写材としてOHP用紙を用いて転写させた。転写が完了した時点で停止させ、定着前のOHT用紙を取り出し、OHT上のトナーをすべて回収して質量を測定してW2とした。{(W1−W2)/W1}×100により、転写効率Tを求めた。
さらに、この装置を用いて、A4普通紙を用いて、カラー画像20000枚の間欠耐久を行った。耐久中の転写バイアスは改造前の値とした。トナーが、なくなった場合は補給した。耐久後に、前述の方法により、耐久後のW120000およびW220000を求め、転写効率T20000を求めた。
また上記と同等の感光体および評価機を用いて、ブラック単色のハーフトーン画像およびフルカラーの写真画像を出力し、20000枚耐久後の画像評価を行った。評価は、ハーフトーン画像においてはドット再現性、写真画像については、総合的な印刷品質について行った。
以上の評価結果を表2に示す。
(実施例2−2〜2−7)
それぞれ、実施例1−2〜実施例1−7と同様にして電子写真感光体を作製し、それぞれ、実施例2−1と同様にして評価を行った。評価結果を表2に示す。
(実施例2−8〜2−14)
実施例2−1〜2−7において、それぞれ、トナーを、円相当個数平均径6.5μm、平均円形度0.98で、トナー粒子内にワックス成分が球状に分散されているトナーに変更した以外は、実施例2−1〜2−7と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。評価結果を表2に示す。
(比較例2−1〜2−5)
それぞれ、比較例1−1〜比較例1−5と同様にして電子写真感光体を作製し、それぞれ、実施例2−1と同様にして評価を行った。評価結果を表2に示す。
Figure 2007065305
本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた画像形成装置の概略構成の一例を示す図である。 本発明の電子写真感光体を有する中間転写方式のカラー画像形成装置の概略構成の一例を示す図である。 本発明の電子写真感光体を有するインライン方式のカラー画像形成装置の概略構成の一例を示す図である。
符号の説明
1 本発明の電子写真感光体
1Y 本発明の電子写真感光体(第1色用電子写真感光体)
1M 本発明の電子写真感光体(第2色用電子写真感光体)
1C 本発明の電子写真感光体(第3色用電子写真感光体)
1K 本発明の電子写真感光体(第4色用電子写真感光体)
2 軸
2Y 軸
2M 軸
2C 軸
2K 軸
3 帯電手段(一次帯電手段)
3Y 第1色用帯電手段(第1色用一次帯電手段)
3M 第1色用帯電手段(第2色用一次帯電手段)
3C 第1色用帯電手段(第3色用一次帯電手段)
3K 第1色用帯電手段(第4色用一次帯電手段)
4 露光光(画像露光光)
4Y 露光光(画像露光光)
4M 露光光(画像露光光)
4C 露光光(画像露光光)
4K 露光光(画像露光光)
5 現像手段
5Y 第1色成分現像手段(イエロー成分現像手段)
5M 第2色成分現像手段(マゼンタ成分現像手段)
5C 第3色成分現像手段(シアン成分現像手段)
5K 第4色成分現像手段(ブラック成分現像手段)
6 転写手段(転写ローラー)
6Y 第1色用転写手段(第1色用転写ローラー)
6M 第2色用転写手段(第2色用転写ローラー)
6C 第3色用転写手段(第3色用転写ローラー)
6K 第4色用転写手段(第4色用転写ローラー)
6p 一次転写手段
6s 二次転写手段(二次転写ローラー)
7 クリーニング手段(クリーニングブレード)
7Y 第1色用クリーニング手段(第1色用クリーニングブレード)
7M 第2色用クリーニング手段(第2色用クリーニングブレード)
7C 第3色用クリーニング手段(第3色用クリーニングブレード)
7K 第4色用クリーニング手段(第4色用クリーニングブレード)
7r 電荷付与手段(電荷付与ローラー)
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
11 中間転写体(中間転写ベルト)
12 張架ローラー
13 二次転写対向ローラー
14 転写材搬送部材(転写材搬送ベルト)
P 転写材(紙など)

Claims (4)

  1. 少なくとも、帯電手段、像露光手段、現像手段、転写手段、定着手段及びクリーニング手段を有し、像露光手段における解像度が1200dpi以上である画像形成装置において、感光体の表面層が下記式(12)で示される繰り返し構造単位βを有し、重量平均分子量が1000〜1000000であるジオルガノポリシロキサンを含有し、感光体の表面層の接触角が105度以上であることを特徴とする画像形成装置。
    Figure 2007065305
    (式(12)中、R12は、それぞれ独立に、置換または無置換の1価の炭化水素基を示し、D11は、重合度3以上の置換または無置換のポリスチレン鎖を有する1価の有機基を示す。)
  2. 前記ジオルガノポリシロキサンがさらに下記式(11)で示される繰り返し構造単位αを有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
    Figure 2007065305
    (式(11)中、R11は、置換または無置換の1価の炭化水素基を示し、B11は、パーフルオロアルキル基を有する1価の有機基を示す。)
  3. 前記ジオルガノポリシロキサンがさらに下記式(13)で示される繰り返し構造単位γを有することを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
    Figure 2007065305

    (式(13)中、R13、R14は、それぞれ独立に、置換または無置換の1価の炭化水素基を示す。)
  4. 前記感光体の表面層に用いられるバインダー樹脂がポリカーボネート樹脂またはポリアリレート樹脂のいずれかを含有することを特徴とする請求項1から3のいずれか記載の画像形成装置。
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