JP2007061812A - 複層塗膜形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 金属製被塗物の塗装において、揮発性有機化合物の発生を低減して環境問題に対応しつつ、仕上り性、防食性、耐チッピング性などに優れた複層塗膜を形成する方法を提供すること。
【解決手段】 加熱減量の少ない特定の電着塗料の硬化塗膜面に、第1着色塗料、第2着色塗料及びクリヤ塗料をウェットオンウェットで順次塗装し、次いで3層塗膜を同時に加熱硬化せしめることからなる複層塗膜の形成方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電着塗料の硬化塗膜上に、第1着色塗料、第2着色塗料及びクリヤ塗料をウェットオンウェットで順次塗装し、次いで3層塗膜を同時に加熱硬化せしめることにより、仕上り性、防食性、耐チッピング性などが良好な複層塗膜を形成する方法に関する。
自動車ボディ、二輪車用金属部品、家庭用電化製品、鋼製家具などの金属成形品の塗装は、通常、電着塗料を塗装し、焼付けた電着塗膜上に、中塗り塗料を塗装して焼付け、次に上塗り塗料を塗装して焼付けて複層塗膜を形成することにより行われている。しかし、各塗料の塗装後に焼付けを行うと、焼付けのために多大のエネルギーコストがかかるのみならず、焼付け設備の稼動やメンテナンスのためにも多大の手間と費用を要する。このため、揮発性有機化合物を低減し、省エネルギー性や省工程を達成することのできる塗膜形成方法の開発が求められている。
例えば、特許文献1には、被塗物に、有機溶剤型又は非水分散液型の熱硬化型塗料、熱硬化型水性メタリック塗料及び透明熱硬化性塗料を順次塗装した後、3層からなる複層塗膜を加熱して同時に硬化させることからなるメタリック仕上げ方法が開示されているが、この方法では、上記の3層を塗装する前の下塗り塗装である電着塗膜の仕上り性が低下すると、その影響を受けて複層塗膜面の仕上り性も低下するという問題がある。
また、特許文献2には、カチオン電着塗装によって下塗り塗装が施され焼付けが行われたレーザーダル鋼板に、中塗り塗料、上塗りベース塗料及び上塗りクリヤ塗料の少なくとも1つとして非水分散型塗料を用い、これらの塗料を順次塗装したのち、焼付けを行なうことにより3C1Bで高品質の複層塗膜を形成する方法が開示されている。しかし、この方法において、1回の焼付けで高品質の3層の複層塗膜を形成するためには、高価なレーザーダル鋼板製の成形品を用いて垂直部や水平部の仕上り性を確保する必要があるという問題がある。
さらに、特許文献3には、被塗装物に対して、第1水性ベース塗料、第2水性ベース塗料及びクリヤ塗料を順次塗装し、すべての未硬化の塗膜を一度に加熱硬化させることからなり、第1水性ベース塗料及び/又は第2水性ベース塗料が光輝性顔料を含み、そして未硬化の第1ベース塗料の塗膜の固形分が40〜95重量%である、高い意匠性を有し且つ目視外観が良好な複層塗膜の形成方法が開示されている。この方法では、意匠性やワキ発生のない複層塗膜が得られるものの、電着塗膜表面の凹凸の影響を受けて、複層塗膜上に凹凸がみられるという問題がある。
特許文献4には、カチオン電着塗膜を形成せしめ、その硬化電着塗膜上に水性中塗り塗料を塗布して未硬化の中塗り塗膜を形成する工程、該未硬化の中塗り塗膜上に水性ベース塗料を塗布して未硬化のベース塗膜を形成する工程、該未硬化のベース塗膜上にクリヤ塗料を塗布する工程、未硬化の中塗り塗膜、ベース塗膜及びクリヤ塗膜を同時に加熱硬化させる工程からなり、該カチオン電着塗料がカチオン性エポキシ樹脂及びブロックイソシアネート硬化剤を含むバインダー樹脂、中和酸、有機溶媒及び金属触媒を含有する積層塗膜の形成方法が開示されている。しかしながら、上記公報に記載の方法では、カチオン電着塗料として、カチオン性エポキシ樹脂及びブロックイソシアネート硬化剤を含む塗料が使用されているため、電着塗膜の焼付け硬化時にブロック剤の揮散によって電着面にうねり感や凹凸が生じ、その電着面に、第1着色塗料、第2着色塗料及びクリヤ塗料の3コート1ベークによる複層塗膜形成を施した場合、電着塗膜の凹凸の影響を受けて最終的に形成される複層塗膜の仕上り性が低下するという問題がある。
特開昭61−141969号公報 特開平3−181369号公報 特開2002−273322号公報 特開2002−282773号公報
本発明の目的は、金属製被塗物の塗装において、揮発性有機化合物の発生を低減して環境問題に対応しつつ、仕上り性、防食性、耐チッピング性などに優れた複層塗膜を形成する方法を提供することである。
本発明者らは、鋭意研究を行った結果、今回、加熱減量の少ない特定の電着塗料の硬化塗膜面に、第1着色塗料、第2着色塗料及びクリヤ塗料を順次塗装し、得られる3層の塗膜を1回の焼付け(以下、3コート1ベーク又は3C1Bと称することもある)で硬化させることによって、上記の目的を達成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明は、下記式:
加熱減量(X)=[(Y−Z)/Y]×100
[式中、Yは電着塗料(A)を電着塗装して得られる未硬化の塗膜を105℃で3時間
加熱して水分を除去した後の乾燥塗膜の重量であり、Zは該乾燥塗膜を170℃で2
0分加熱した後の硬化塗膜の重量である]
により算出される加熱減量(X)が5重量%以下である電着塗料(A)の硬化塗膜上に、第1着色塗料(B)、第2着色塗料(C)及びクリヤ塗料(D)をウェットオンウェットで順次塗装し、得られる3層の塗膜を同時に加熱硬化せしめることを特徴とする複層塗膜の形成方法を提供するものである。
上記本発明の方法によれば、揮発性有機化合物の発生が少なく、さらに、仕上り性、防食性、耐チッピング性などに優れた塗装製品を得ることができる。しかも、本発明の方法は、3C1B方式を採用しているため、省エネルギー性や省スペース化に貢献することができる。
以下、本発明の複層塗膜形成方法について、さらに詳細に説明する。
被塗物
本発明の方法を適用することができる被塗物としては、電着塗装が可能な材料であれば特に制限はなく、例えば、ステンレス、鉄、鋼、銅、亜鉛、スズ、アルミニウム、アルマイトなどの金属;これらの金属の合金;該金属がメッキされたシート;該金属が積層されたシート等が挙げられ、これらには、必要に応じて、耐食性及び付着性を向上させるために、表面処理、プライマーなどを施すことができ、例えば、ステンレスには、クロム系表面処理を施すことができる。被塗物として、具体的には、自動車ボディが好適であり、被塗物となる鋼板は通常行われているように、りん酸亜鉛処理を施しておくことができる。
電着塗料(A)
上記被塗物には、電着塗料(A)が電着塗装される。本発明においては、電着塗料(A)として、電着塗膜の加熱減量(X)(注1)が5重量%以下、好ましくは4重量%以下、さらに好ましくは3.5重量%以下であるものを使用する。加熱減量(X)が5重量%
より大きい電着塗膜を形成する電着塗料を用いると、電着塗膜ならびに第1着色塗膜、第2着色塗膜及びクリヤ塗膜からなる3C1Bの複層塗面の仕上り性が低下することがあり好ましくない。
(注1) 加熱減量(X):下記式により算出される。
加熱減量(X)=[(Y−Z)/Y]×100
[式中、Yは電着塗料(A)を電着塗装して得られる未硬化の塗膜を105℃で3時間
加熱して水分を除去した後の乾燥塗膜の重量であり、Zは該乾燥塗膜を170℃で2
0分加熱した後の硬化塗膜の重量である]
さらに、本発明で使用する電着塗料(A)は、170℃で20分間加熱硬化せしめた電着塗膜について、測定長さ50mmの部分を10μm間隔で表面粗度計を用いて表面粗度を測定し、次いで得られる測定データをフーリエ変換することを含んでなるパワースペクトル周波数分析により得られる、波長0.02〜1mmの範囲のパワースペクトル値(注2)の平均値が一般に70以下、特に20〜49、さらに特に33〜45の範囲内にあり及び/又は波長0.02〜1mmの範囲のパワースペクトル値の積分値が一般に1.7×10以下、特に5×10〜1.2×10、さらに特に8×10〜1.1×10の範囲内にある硬化電着塗膜を形成するものであることが望ましい。
図1は、0.1mm未満(短波長領域)、0.1〜1mm(中波長領域)及び1mm〜10mm(長波長領域)にかけてのパワースペクトル値の周波数特性のモデル図ある。
図2は、後記製造例16で得られる本発明に従う電着塗料No.1を電着塗装し、170℃で20分間加熱することにより形成される膜厚が20μmの硬化塗膜の周波数特性図を示し、そして図3は、後記製造例23で得られる従来の電着塗料を電着塗装し、170℃で20分間加熱することにより形成され膜厚が20μmの硬化塗膜の周波数特性図を示す。
図2と図3を対比することから明らかなように、本発明で用いる電着塗料(A)は、短波長領域から中波長領域にかけてのパワースペクトル値に優れた硬化電着塗膜を形成する電着塗料である。
(注2) パワースペクトル値:電着塗料の電着塗膜の硬化表面の表面粗度を、表面粗さ形状測定機(商品名:サーフコム130A、株式会社東京精密社製)を用い、測定長さ50mm及びデータ採取間隔10μmで測定し、得られるデータをフーリエ変換することにより得られる値である。
本発明の方法において使用する電着塗料(A)としては、特に、エポキシ樹脂(a)、アミン化合物(a)及びフェノール化合物(a)を反応させることにより得られる基体樹脂(a)と、架橋剤として、エポキシ樹脂(b)を含んでなる電着塗料が好適である。
基体樹脂(a)の製造に際して用いられるエポキシ樹脂(a)としては、特に、下記式(1)
で示されるエポキシ基含有官能基を1分子中に少なくとも2個有するエポキシ樹脂が好適である。
エポキシ樹脂(a)は、それ自体既知のものであることができ、例えば、特開昭60−170620号公報、特開昭62−135467号公報、特開昭60−166675号公報、特開昭60−161973号公報、特開平2−265975号公報などに記載されているものを使用することができる。
また、エポキシ樹脂(a)には、末端に重合開始剤成分の残基、つまり活性水素含有有機化合物残基が結合しているものも含まれる。その前駆体である活性水素含有有機化合物としては、例えば、脂肪族1価アルコール、芳香族1価アルコール、脂肪族もしくは脂環族の多価アルコールなどのアルコール類;フェノール類;脂肪酸;脂肪族、脂環族もしくは芳香族多塩基酸;オキシ酸;ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル部分加水分解物、デンプン、セルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ヒドロキシエチルセルロース、アリルポリオール樹脂、スチレン−アリルアルコール共重合樹脂、アルキド樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリカプロラクトンポリオール樹脂などが挙げられる。また、これらの活性水素含有有機化合物は、活性水素と共にその骨格中に不飽和二重結合がエポキシ化された構造を有するものであってもよい。
エポキシ樹脂(a)は、例えば、上記の活性水素含有有機化合物を開始剤として用い、4−ビニルシクロヘキセン−1−オキサイド単独の存在下に又はこれと他のエポキシ基含有化合物との併存下に、それぞれに含まれるエポキシ基による重合反応を行ってポリエーテル樹脂を形成せしめ、ついで該樹脂中の側鎖中に存在するビニル基を過酸類やハイドロパーオキサイド類などの酸化剤でエポキシ化することによって製造することができる。
4−ビニルシクロヘキセン−1−オキサイドは、例えば、ブタジエンの2量化反応によって得られるビニルシクロヘキセンを過酢酸によって部分的にエポキシ化することによって得られる。
共重合させうる他のエポキシ基含有化合物としては、エポキシ基を有する化合物であれば特に制限はないが、製造上、1分子中に1個のエポキシ基を有する化合物が好ましい。具体的には、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、下記式(2)
[式中、nは2〜25の整数である]
で示されるα−オレフィンエポキサイド、スチレンオキサイドなどの不飽和化合物の酸化物;アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテルなどの水酸基を有する化合物のグリシジルエーテル;脂肪酸のような有機酸のグリシジルエステルなどを挙げることができる。
4−ビニルシクロヘキセン−1−オキサイド単独の存在下又はそれと他のエポキシ基含有化合物との併存下で行なうエポキシ基の開環(共)重合反応は、触媒を用いて行うことが好ましい。触媒としては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ピペラジンなどのアミン類;ピリジン類、イミダゾール類などの有機塩基類;ぎ酸、酢酸、プロピオン酸などの有機酸類;硫酸、塩酸などの無機酸類;ナトリウムメチラートなどのアルカリ金属アルコラート類;KOH、NaOHなどのアルカリ類;BFSnCl、AlCl、SnClなどのルイス酸又はその錯体類;トリエチルアルミニウム、ジエチル亜鉛などの有機金属化合物を挙げることができる。
これらの触媒は、通常、反応物に対して0.001〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%の範囲内で使用することができる。開環(共)重合反応は、一般に、−70〜200℃、好ましくは−30〜100℃の範囲内の温度で行うことができる。この反応は溶媒中で行うことが好ましく、溶媒としては活性水素を有していない通常の有機溶媒を用いることができる。
このようにして得られるポリエーテル樹脂(開環(共)重合体)は、次いで、その側鎖の脂環構造の炭素原子に直結するビニル基(−CH=CH)をエポキシ化することによって、前記式(1)で示される官能基を有するエポキシ樹脂(a)とすることができる。
エポキシ化は過酸類やハイドロパーオキサイド類を用いて行うことができる。過酸類としては、例えば、過ぎ酸、過酢酸、過安息香酸、トリフルオロ過酢酸などが挙げられ、また、ハイドロパーオキサイド類としては、例えば、過酸化水素、tert−ブチルパーオキサイド、クメンパーオキサイドなどを用いることができる。エポキシ化反応は必要に応じて触媒の存在下で実施することができる。
上記開環(共)重合体中の4−ビニルシクロヘキセン−1−オキサイドに基づくビニル基がエポキシ化されることによって、前記式(1)で示される官能基が生成する。このエポキシ化反応において、他のエポキシ基含有化合物として前記脂環式オキシラン基含有化合物などが併存すると、該化合物に含まれるビニル基もエポキシ化されることもあるが、これは前記式(1)で示される官能基とは異なったものとなる。
エポキシ化反応における溶媒使用の有無や反応温度は、用いる装置や原料物性に応じて適宜調整することができる。エポキシ化反応の条件によって、原料重合体中のビニル基のエポキシ化と同時に原料中の下記式(3)
で示される置換基及び/又は生成してくる前記式(1)で示される置換基がエポキシ化剤などと副反応を起こした結果、変性された置換基が生じ、エポキシ樹脂(a)中に混在することがある。これらの変性された置換基が含まれる比率は、エポキシ化剤の種類、エポキシ化剤とビニル基とのモル比、反応条件などによって異なる。
このようなエポキシ樹脂(a)として、市販品を使用することも可能であり、例えば、EHPE3150(ダイセル化学工業(株)製、商品名)が挙げられる。これは4−ビニルシクロヘキセン−1−オキサイドの開環重合体中のビニル基がエポキシ化されたものであり、その平均重合度は15〜25の範囲内にある。
式(1)で示されるエポキシ基含有官能基は、エポキシ樹脂(a)の1分子中に少なくとも2個存在していればよく、エポキシ樹脂(a)は、一般に140〜1000、好ましくは170〜300の範囲内のエポキシ当量及び一般に200〜50,000、好ましくは1,000〜10,000の範囲内の数平均分子量(注3)を有することができる。
(注3) 数平均分子量:JIS K 0124−83に準じ、分離カラムとしてTSK GEL4000HXL+G3000HXL+G2500HXL+G2000HXL(東ソー株式会社製、商品名)及び溶離液としてGPC用テトラヒドロフランを用い、40℃及び流速1.0ml/分において測定し、RI屈折計で得られたクロマトグラムとポリスチレンの検量線から計算により求めた値である。
エポキシ樹脂(a)に反応せしめられるアミン化合物(a)は、エポキシ樹脂(a)にアミノ基を導入して、エポキシ樹脂(a)をカチオン性化するためのカチオン性付与成分であり、アミン化合物(a)としては、エポキシ基と反応する活性水素を少なくとも1個含有するものが用いられる。
アミン化合物(a)としては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミンなどのモノ−もしくはジ−アルキルアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、ジ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、トリ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、モノメチルアミノエタノール、モノエチルアミノエタノールなどのアルカノールアミン;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどのアルキレンポリアミン及びこれらのポリアミンのケチミン化物;エチレンイミン、プロピレンイミンなどのアルキレンイミン;ピペラジン、モルホリン、ピラジンなどの環状アミンなどが挙げられる。中でも特に、第1級水酸基を含有する第1級もしくは第2級アミン化合物が好適である。
フェノール化合物(a)としては、フェノール性水酸基を1分子中に少なくとも1個有するものを使用することができる。具体的には、例えば、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)イソブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチルフェニル)プロパン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラ(p−ヒドロキシフェニル)エタン、4,4−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどの多価フェノール化合物が挙げられる。
さらに、フェノール、ノニルフェノール、α−もしくはβ−ナフトール、p−tert−オクチルフェノール、o−もしくはp−フェニルフェノールなどのモノフェノール化合物も使用することができる。
防食性のより優れた塗膜を形成するためには、フェノール化合物(a)として、特に、ビスフェノールA[2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン]、ビスフェノールF[ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン]などのビスフェノール化合物を用いることが好ましい。
該ビスフェノール化合物のうち、特に、数平均分子量が少なくとも200、好適には約800〜約3,000の範囲内にあり、且つ1分子あたり平均して2個以下、好ましくは0.8〜1.2個のフェノール性水酸基を含有する下記式(4)で代表的に示されるものが適している。
[式中、nは0〜8の数であり、Rは活性水素化合物の残基を表わす]
上記式(4)におけるRの前駆体である活性水素含有化合物としては、例えば、第2級アミンのようなアミン類;ノニルフェノールのようなフェノール類;脂肪酸のような有機酸;チオール類;アルキルアルコール、セロソルブ、ブチルセロソルブ、カービトールのようなアルコール類;無機酸などの化合物が挙げられる。このうち、最も好ましいのは、第1級水酸基を有する第2級アミンであるジアルカノールアミンや、ノニルフェノール、フェニルフェノール、フェノールのようなモノフェノールである。特に、第1級水酸基を有する第2級アミンを用いると硬化性が向上する。
上記式(4)では、その両末端にR−および−OHがそれぞれ結合した形で示されるが、両末端がR−又は−OHのいずれか一方だけであるものが混在してもさしつかえない。
基体樹脂(a)は、以上に述べたエポキシ樹脂(a)に、アミン化合物(a)及びフェノール化合物(a)を反応させることによって得ることができる。このような基体樹脂(a)は、従来のビスフェノールA型エポキシ樹脂をベースとする基体樹脂に比べて、防食性や合金化亜鉛メッキ鋼板に対する電着塗装適性に優れるという利点を有している
エポキシ樹脂(a)、アミン化合物(a)及びフェノール化合物(a)の反応比率には、特に制限はなく、得られる塗料用樹脂の用途等に応じて適宜選択することができるが、一般には、エポキシ樹脂(a)のエポキシ基含有官能基1モルあたり、アミン化合物(a)は、その第1級もしくは2級アミノ基が0.1〜1モル、特に0.4〜0.9モルの範囲内、そしてフェノール化合物(a)は、そのフェノール性水酸基が0.02〜0.4モル、特に0.1〜0.3モルの範囲内となる割合で用いるのが好ましい。そして、アミン化合物(a)及びフェノール化合物(a)の上記モル数の合計が、エポキシ樹脂(a)中のエポキシ基含有官能基1モルあたり0.75〜1.5モル、特に0.8〜1.2モルの範囲内となるようにすることが好ましい。
また、これらの各成分を用いた反応は、例えば、50〜300℃、特に70〜200℃の範囲内の温度で行うことができる。反応順序は特に制限されず、全成分を同時に反応器に仕込んで反応させてもよく、又はエポキシ樹脂(a)にそれ以外の各成分を任意の順序で添加して順次反応させてもよい。
基体樹脂(a)は、一般に20〜150mgKOH/g、特に35〜100mgKOH/gの範囲内のアミン価;一般に300〜1000mgKOH/g、特に350〜700mgKOH/gの範囲内の水酸基価;一般に800〜15,000、特に1,000〜6,000の範囲内の数平均分子量(注3参照)を有することが好ましい。
基体樹脂(a)には、その製造中又は後に、必要に応じて、下記のカチオン化剤をさらに反応させることもできる。かかるカチオン化剤としては、例えば、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−メチルジエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミンなどの第3級アミンなどを使用することができ、これらは予め酸でプロトン化し、エポキシ基と反応させて第4級塩にすることもできる。
一方、基体樹脂(a)のための硬化剤として使用されるエポキシ樹脂(b)としては、脂環式骨格にエポキシ基が結合してなるエポキシ基含有官能基を1分子あたり平均2個以上有するポリエポキシド化合物及びノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物を挙げることができ、具体的には、以下に説明する特定構造のエポキシ樹脂(b−1)、(b−2)又は(b−3)が好適である。
エポキシ樹脂(b−1):下記式(5)
で示される繰り返し単位を有するポリエポキシド化合物。具体的には、前記エポキシ樹脂(a)で説明したものが包含され、市販品としては、EHPE3150(ダイセル化学工業社製、商品名)などが挙げられる。ポリエポキシド化合物(b−1)は上記式(5)の繰り返し単位を1分子中に3〜30個、好ましくは3〜15個含むことができる。
エポキシ樹脂(b−2):下記式(6)
[式中、Rは水素原子又はメチル基である]
で示される繰り返し単位を有する数平均分子量が3,000〜200,000、特に4,000〜10,000の範囲内にあるポリエポキシド重合体。この重合体は、例えば、下記式(7)
[式中、Rは水素又はメチル基である]
で示される少なくとも1種のモノマー又は該モノマーの少なくとも1種と他の重合性モノマーとを重合せしめることによって製造することができる。
上記式(7)のモノマーとして、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレートなどが挙げられる。これらの市販品としては、例えば、ダイセル化学工業製サイクロマーA400、サイクロマーM100(いずれも商品名)などが挙げられる。
エポキシ樹脂(b−3):下記式(8)
[式中、R1およびRは同一もしくは相異なり、各々水素原子、炭素数1〜8のアル
キル基、アリール基、アラルキル基又はハロゲン原子を表わし;Rは水素原子、炭
素数1〜10のアルキル基、アリール基、アラルキル基、アリル基又はハロゲン原子
を表わし;RおよびRは同一もしくは相異なり、各々水素原子、炭素数1〜4の
アルキル基又はグリシジルオキシフェニル基を表わし;Rは水素原子、炭素数1〜
10のアルキル基、アリール基、アラルキル基、アリル基又はハロゲン原子を表わし
;そしてnは1〜38の整数である]
で示されるエポキシ樹脂。
上記式(8)において、「アルキル基」は、直鎖状もしくは分岐鎖状であり、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソアミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル基などが挙げられる。また、「アリール基」は、単環式または多環式のいずれであってもよく、例えば、フェニル、ナフチル基などが挙げられ、特にフェニル基が好適である。さらに「アラルキル基」は、アリール−置換アルキル基であって、例えば、ベンジル、フェネチル基などが包含され、中でもベンジル基が好ましい。
「ハロゲン原子」には、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素原子が包含される。
さらに、式(8)のR及び/又はRによって表わされる「グリシジルオキシフェニル基」は、下記式(9)
[ここで、Wは水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表わす]
で示される基である。
前記式(8)において、R1及びRとしては、水素原子、メチル基、塩素原子及び臭素原子が好適であり、特に、水素原子、メチル基及び臭素原子が好ましい。また、R及びRとしては、メチル基、tert−ブチル基、ノニル基、フェニル基、塩素原子及び臭素原子が好ましく、中でも、メチル基、tert−ブチル基、フェニル基および臭素原子が好適である。さらに、R及びRは好ましくは水素原子であり、そしてnは好ましくは特に1〜8である。
ポリエポキシド化合物(b−3)は、一般に約400〜約8000、特に600〜2000の範囲内の数平均分子量を有することが好ましい。
ポリエポキシド化合物(b−3)は、それ自体既知のものであることができ、例えば、特開平5−295321号公報、特開平6−122850号公報、特開平6−248203号公報などに記載されているものを使用することができる。具体的には、市販品として、EPICRONN−695(大日本インキ(株)製、商品名)、ESCN−195XL(住友化学(株)製、商品名)などのクレゾール型ノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル化物が挙げられる。
以上に述べた如きエポキシ樹脂(b)の使用量は、その種類などに応じて適宜変えることができるが、一般には、基体樹脂(a)とエポキシ樹脂(b)の合計固形分100質量部を基準にして、基体樹脂(a)は50〜90質量部、好ましくは60〜85質量部、さらに好ましくは65〜80質量部、そしてエポキシ樹脂(b)は50〜10質量部、好ましくは40〜15質量部、さらに好ましくは35〜20質量部の範囲内とすることができる。
本発明の電着塗料(A)には、以上に述べたエポキシ樹脂(b)に加えて、それ自体既知の硬化剤を含ませることもでき、併用し得る硬化剤としては、例えば、ポリイソシアネート化合物とイソシアネートブロック剤との付加反応生成物であるブロックポリイソシアネート化合物が挙げられる。
該ポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの芳香族、脂環族、脂肪族のポリイソシアネート化合物、及びこれらのイソシアネート化合物の過剰量にエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ヒマシ油などの低分子活性水素含有化合物を反応させて得られる末端イソシアネート含有プレポリマーなどが挙げられる。
該イソシアネートブロック剤は、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基に付加してブロックするものであり、そして付加によって生成するブロックポリイソシアネート化合物は常温において安定で且つ解離温度以上に加熱した際、ブロック剤を解離して遊離のイソシアネート基を再生しうるものであることが重要である。
特に、電着塗料(A)の170℃−20分間加熱時の電着塗膜の加熱減量(注1参照)を5重量%以下とするためには、このブロック剤としては分子量が130以下の低分子化合物を用いることが好ましい。具体的には、フェノール、クレゾール、キシレノール、クロロフェノール、エチルフェノールなどのフェノール系ブロック剤;ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピオラクタムなどのラクタム系ブ
ロック剤;アセト酢酸エチル、アセチルアセトンなどの活性メチレン系ブロック剤;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アミルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ベンジルアルコール、グリコール酸メチル、グリコール酸ブチル、ジアセトンアルコール、乳酸メチル、乳酸エチルなどのアルコール系ブロック剤;ホルムアミドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、ジアセチルモノオキシム、シクロヘキサンオキシムなどのオキシム系ブロック剤;ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、チオフェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノールなどのメルカプタン系ブロック剤;酢酸アミド、ベンズアミドなどの酸アミド系ブロック剤;コハク酸イミド、マレイン酸イミドなどのイミド系ブロック剤;キシリジン、アニリン、ブチルアミン、ジブチルアミンなどのアミン系ブロック剤;イミダゾール、2−エチルイミダゾールなどのイミダゾール系ブロック剤;エチレンイミン、プロピレンイミンなどのイミン系ブロック剤;などを挙げることができる。このうち、塗料の安定性や塗膜の硬化性などのバランスから、メチルエチルケトオキシムなどのオキシム系ブロック剤が特に好適である。
これらのブロックポリイソシアネート化合物の使用量は、その種類などに応じて適宜変えることができるが、一般には、基体樹脂(a)とエポキシ樹脂(b)とブロックポリイソシアネート化合物の3者の合計固形分100質量部を基準にして、基体樹脂(a)は50〜90質量部、好ましくは60〜85質量部、さらに好ましくは65〜80質量部、エポキシ樹脂(b)は35〜5質量部、好ましくは28〜12質量部、さらに好ましくは25〜9質量部、そしてブロックポリイソシアネート化合物は15〜5質量部、好ましくは12〜32質量部、さらに好ましくは10〜1質量部の範囲内とすることができる。
さらに、電着塗料(A)には、塗膜の低温硬化性を向上させるために、触媒を含ませることが好ましく、該触媒としては、原子番号25〜30又は40〜42の金属元素の水酸化物、即ち、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb及びMoから選ばれる少なくとも1種の金属の水酸化物が挙げられる。特に、水酸化銅(II)、水酸化コバルト及び水酸化亜鉛が好適である。
電着塗料(A)は、また、硬化触媒として、適宜、カルボン酸金属塩を含有することもでき、該カルボン酸金属塩としては、例えば、カルボン酸ビスマス、カルボン酸鉄、カルボン酸チタニウム、カルボン酸バナジウム、カルボン酸ジルコニウム、カルボン酸カルシウム、カルボン酸カリウム、カルボン酸バリウム、カルボン酸マンガン、カルボン酸セリウム、カルボン酸アルミニウムなどが挙げられる。これらの中、特に、カルボン酸ビスマス、カルボン酸ジルコニウムが好ましく、具体的には、例えば、オクタン酸ビスマス(3価)、2−エチルヘキサン酸ビスマス(3価)、オレイン酸ビスマス(3価)、ネオデカン酸ビスマス(3価)、バーサチック酸ビスマス(3価)、ナフテン酸ビスマス(3価)、2−エチルヘキサン酸ジルコニル(4価)、バーサチック酸ジルコニル(4価)、オレイン酸ジルコニル(4価)、ナフテン酸ジルコニル(4価)などが挙げられ、これの中でも、特に、オクタン酸ビスマス(3価)が硬化性や防食性向上などの面から好ましい。
かかる触媒の使用量(固形分)としては、基体樹脂(a)とエポキシ樹脂(b)の合計固形分重量を基準にして、一般に0.1〜20重量%、特に0.3〜10重量%、さらに特に0.1〜5重量%の範囲内が塗料安定性の面から好ましい。
電着塗料(A)には、さらに、硬化触媒として、イミダゾール化合物を含ませることもできる。イミダゾール化合物としては、イミダゾール環1個あたりの分子量が68〜300であるものが適しており、イミダゾール環1個の場合は、分子量が68〜300の範囲
にあり、例えばイミダゾール環を2個有する場合は、分子量が136〜600の範囲にあることが望ましい。
該イミダゾール化合物の具体例としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−フェニル−4−ベンジルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−イソプロピルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1)’〕−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−〔2’−エチル−4−メチルイミダゾリル−(1)’〕−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−〔2’−ウンデシルイミダゾリル−(1)’〕−エチル−s−トリアジン、2−メチルイミダゾリウムイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾリウムイソシアヌル酸付加物、1−アミノエチル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−ベンジル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールなどの1分子中にイミダゾール環を1個有する化合物;上記2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−ベンジル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールなどのヒドロキシメチル基含有イミダゾール化合物を脱水、脱ホルムアルデヒド反応により縮合させてなる1分子中にイミダゾール環を2個以上有する化合物、例えば4,4’−メチレン−ビス−(2−エチル−5−メチルイミダゾール)などを挙げることができる。
これらイミダゾール化合物は、基体樹脂(a)とエポキシ樹脂(b)の合計固形分重量を基準にして、一般に0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%、さらに好ましくは0.1〜3重量%の範囲内の割合で電着塗料(A)に配合することができる。
また、電着塗料(A)に無機ビスマス化合物を配合することにより、塗膜の耐食性を一層向上させることができる。配合しうる無機ビスマス化合物としては、例えば、塩基性炭酸ビスマス、炭酸酸化ビスマス、硝酸ビスマス、硝酸水酸化ビスマス、塩基性硝酸ビスマス、酸化ビスマス、水酸化ビスマス及び硫酸ビスマスなどが挙げられ、中でも、水酸化ビスマスが特に好ましい。
かかる無機ビスマス化合物の配合量は、基体樹脂(a)とエポキシ樹脂(b)の合計固形分重量を基準にして、一般に0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%、さらに好ましくは1〜5重量%の範囲内とすることができる。
なお、架橋剤としてエポキシ樹脂(b)に加えてブロックポリイソシアネート化合物を併用する場合には、硬化触媒として錫化合物を含有することができる。該錫化合物としては、例えば、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイドなどの有機錫化合物;ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジベンゾエート、ジブチル錫ジベンゾエートなどのジアルキル錫の脂肪族または芳香族カルボン酸塩等を挙げることができる。
電着塗料(A)には、さらに、必要に応じて、例えば、酸化チタン、カーボンブラックなどの着色顔料;クレー、バリタ、炭酸カルシウム、シリカなどの体質顔料;リン酸亜鉛、リン酸鉄、亜鉛華などの防錆顔料を含有させることができる。特に、顔料として、ルチル型微粒子二酸化チタンの粒子表面を、ZrOに換算して0.5〜8.0重量%(Ti
2 基準)のジルコニウム酸化物で被覆してなるルチル型微粒子二酸化チタン組成物(以下、ジルコニウム被覆チタン白ということがある)を使用すると、本発明の方法により形成される複層塗膜の仕上り性を向上させることができることが判明した。
電着塗料(A)におけるジルコニウム被覆チタン白の含有量は、基体樹脂(a)とエポキシ樹脂(b)の合計固形分100質量部に対して、一般に0.1〜100質量部、好ましくは3〜50質量部、さらに好ましくは5〜30質量部の範囲内が、複層塗膜の仕上り性や塗料安定性などの面から好ましい。
また、上記の体質顔料の中でも偏平状顔料粒子を使用することによって、複層塗膜の耐チッピング性の向上を図ることができる。偏平状顔料粒子は、鱗のような薄く平らな形状の顔料であり、塗膜を形成したときに、その塗膜内で他の各種顔料粒子と共に層状をなして重畳しあうことにより、内部応力や外部応力を緩和する機能を発揮すると考えられている。具体的には、タルク、アルミニウムフレーク、雲母フレークなどが挙げられる。
電着塗料(A)の顔料分(注4)は、一般に5〜30重量%、好ましくは10〜25重量%、さらに好ましくは15〜23重量%未満の範囲内とすることができる。本発明の方法は、電着塗料(A)の顔料分が20〜30重量%の範囲内の高顔料分であっても塗面の仕上り性を確保できるので、ハジキ易い環境下においても適用可能である。
(注4) 顔料分:下記式により算出される。
顔料分(%)={顔料成分の重量/電着塗料の固形分}×100
[式中、顔料成分の重量は、顔料分散ペーストを800〜1000℃にて180分間加
熱した後に残存した灰分の重量を示し、電着塗料の固形分は、電着塗料を2g採取し
、105℃で3時間加熱して水と有機溶剤を揮散させた後の残量の重量を示す]
電着塗料(A)には、さらに必要に応じて、アルコール系やエーテル系の有機溶剤、第3級アミノ基含有酸中和型エポキシ樹脂やオニウム塩型エポキシ樹脂などの顔料分散剤、表面調整剤、界面活性剤、酢酸やギ酸などの中和剤を含有せしめることができる。
電着塗料(A)は、通常の方法の従い、基体樹脂(a)、エポキシ樹脂(b)、触媒などを含んでなるエマルションに顔料分散ペーストを加え、水性媒体で希釈することにより調製することができる。
以上の如くして調製される電着塗料(A)は、電着塗装によって前述の如き被塗物表面に塗装することができる。
電着塗料(A)の電着塗装は、一般に、浴固形分濃度が約5〜約40重量%となるように電着塗料(A)を脱イオン水などで希釈し、さらにpHを3.0〜9.0の範囲内に調整した電着浴を用い、通常、浴温15〜35℃及び印加電圧10〜400Vの条件下で行うことができる。
電着塗料(A)を用いて形成される塗膜の厚さは、特に制限されるものではないが、一般には、硬化塗膜に基づいて10〜40μmの範囲内が好ましい。また、電着塗膜は、UF濾液、工業用水、純水などで水洗することができる。塗膜の焼き付け温度は、被塗物表面の温度で、一般に約120〜約200℃、好ましくは約140〜約180℃の範囲内が適しており、焼き付け時間は約5〜約60分、好ましくは約10〜約30分とすることができる。
第1着色塗料(B)
本発明の方法によれば、以上に述べた如くして形成される電着塗料(A)の硬化塗膜上に、第1着色塗料(B)が塗装される。第1着色塗料(B)としては、有機溶剤型着色塗料及び水性着色塗料のいずれでも使用することができるが、本発明が1つの目的とする揮発性有機化合物を低減するという面からは、水性の着色塗料を使用することが好ましい。以下、水性の着色塗料について述べる。
第1着色塗料(B)のための基体樹脂としては、樹脂を水溶性化もしくは水分散化するのに十分な量の親水性基(例えば、カルボキシル基、水酸基、メチロール基、アミノ基、スルホン酸基、ポリオキシエチレン結合など)及び架橋剤と架橋反応しうる官能基(例えば、水酸基)を有する、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、脂環式多塩基酸及びその他の多塩基酸から選ばれる少なくとも1種の多塩基酸と、脂環式多価アルコール及びその他の多価アルコールから選ばれる少なくとも1種の多価アルコールとの重縮合反応により得られるポリエステル樹脂が挙げられる。これらポリエステル樹脂の中、脂環式多塩基酸及び/又は脂環式多価アルコールを必須反応成分として使用することにより得られるポリエステル樹脂を基体樹脂として用いれば、耐チッピング性の向上に効果がある。
そのような脂環式多塩基酸には、1分子中に少なくとも1個の脂環式構造(主として4〜6員環)と2個以上のカルボキシル基を有する化合物が包含され、例えば、シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロトリメリット酸、メチルヘキサヒドロフタル酸及びこれらの無水物などが挙げられる。この中で、特に、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸が好ましい。
その他の多塩基酸には、1分子中に少なくとも2個のカルボキシル基を有する化合物が包含され、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルメタン−4,4'−ジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ヘット酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、及びこれらの無水物などが挙げられる。
脂環式多価アルコールには、1分子中に1個以上の脂環式構造(主として4〜6員環)と少なくとも2個の水酸基とを有する化合物が包含され、例えば、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、スピログリコール、ジヒドロキシメチルトリシクロデカンなどが挙げられる。この中で、特に、1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましい。
その他の多価アルコールの中、1分子中に2個の水酸基を有する多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、3−メチル−1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,3−ジメチルトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、3−メチル−4,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ヒドロキシピバリン酸ネオペン
チルグリコールエステルなどのグリコール類、これらのグリコール類にε−カプロラクトンなどのラクトン類を付加したポリラクトンジオール、ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレートなどのポリエステルジオール類が挙げられ、また、1分子中に3個以上の水酸基を有する多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジグリセリン、トリグリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトールなどが挙げられる。
ポリエステル樹脂における脂環式多塩基酸及び/又は脂環式多価アルコールの含有量は、ポリエステル樹脂を構成するモノマーの合計重量に基いて、一般に20〜70重量%、特に30〜60重量%、さらに特に35〜50重量%の範囲内が耐チッピング性の向上などの観点から好適である。
上記ポリエステル樹脂は一般に1,000〜1,000,000、好ましくは2,000〜10,000の範囲内の重量平均分子量、一般に30〜200mgKOH/g、好ましくは50〜180mgKOH/gの範囲内の水酸基価、及び一般に5〜100mgKOH/g、好ましくは10〜60mgKOH/gの範囲内の酸価を有することができる。
また、アクリル樹脂としては、水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体及びその他のラジカル重合性不飽和単量体を通常の方法(例えば、溶液重合法、乳化重合法など)により共重合せしめることによって製造されるものが挙げられる。得られるアクリル樹脂は、一般に1,000〜50,000、特に2,000〜20,000の範囲内の数平均分子量、一般に20〜200mgKOH/g、特に50〜150mgKOH/gの範囲内の水酸基価、及び一般に3〜100mgKOH/g、特に20〜70mgKOH/gの範囲内の酸価を有することができる。
上記水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのほか、プラクセルFM1、プラクセルFM2、プラクセルFM3、プラクセルFA1、プラクセルFA2、プラクセルFA3(以上、ダイセル化学社製、商品名、カプロラクトン変性(メタ)アクリル酸ヒドロキシエステル類)などを使用することができる。
その他のラジカル重合性不飽和単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などのカルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどの(メタ)アクリル酸のC〜C22のアルキル又はシクロアルキルエステル;スチレンなどの芳香族ビニルモノマー;(メタ)アクリル酸アミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロ−ル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド及びその誘導体;(メタ)アクリロニトリルなどが挙げられる。
上記のポリエステル樹脂又はアクリル樹脂は、樹脂中の水酸基の一部にポリイソシアネート化合物をウレタン化反応により伸長させ高分子量化した、いわゆるウレタン変性ポリエステル樹脂又はウレタン変性アクリル樹脂を併用してもよい。
上記ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、
トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート類;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−もしくは−2,6−ジイソシアネート、1,3−もしくは1,4−ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,2−シクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート類;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、m−もしくはp−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトフェニル)スルホン、イソプロピリデンビス(4−フェニルイソシアネート)などの芳香族ジイソシアネート化合物及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン、4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネートなどの1分子中に3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート類及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ジメチロールプロピオン酸、ポリアルキレングリコール、トリメチロ−ルプロパン、ヘキサントリオールなどのポリオールの水酸基にイソシアネート基が過剰量となる比率でポリイソシアネート化合物を反応させてなるウレタン化付加物及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物などが挙げられる。
これらの基体樹脂は、存在する親水性基の種類に依存して、例えば、塩基性物質又は酸で中和することにより水溶化又は水分散化することができる。また、基体樹脂の重合による製造に際して、モノマー成分を界面活性剤や水溶性高分子物質の存在下に乳化重合することによっても基体樹脂を水分散化することができる。
第1着色塗料(B)に含ませることのできる架橋剤としては、例えば、メラミン樹脂、ブロック化ポリイソシアネート化合物などが挙げられる。メラミン樹脂としては、例えば、メラミンをホルムアルデヒドでメチロール化してなるメチロール化メラミン樹脂;このメチロール基をモノアルコールでエーテル化してなるアルキル化メラミン樹脂;イミノ基を有するメチロール化メラミン樹脂又はアルキル化メラミン樹脂などを挙げることができる。また、メチロール基のエーテル化に際して2種以上のモノアルコールを用いることにより得られる混合アルキル化メラミン樹脂を使用することもできる。モノアルコールとしては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノールなどが挙げられる。
メラミン樹脂として、具体的には、メチル化メラミン樹脂、イミノ基含有メチル化メラミン樹脂、メチル化・ブチル化メラミン樹脂、イミノ基含有メチル化・ブチル化メラミン樹脂などが好ましく、イミノ基含有メチル化メラミン樹脂がより好ましい。
このようなメラミン樹脂の市販品としては、例えば、「サイメル202」、「サイメル232」、「サイメル235」、「サイメル238」、「サイメル254」、「サイメル
266」、「サイメル267」、「サイメル272」、「サイメル285」、「サイメル301」、「サイメル303」、「サイメル325」、「サイメル327」、「サイメル350」、「サイメル370」、「サイメル701」、「サイメル703」、「サイメル736」、「サイメル738」、「サイメル771」、「サイメル1141」、「サイメル1156」、「サイメル1158」など(以上、日本サイテック社製、商品名);「ユーバン120」、「ユーバン20HS」、「ユーバン2021」、「ユーバン2028」、「ユーバン2061」など(以上、三井化学社製、商品名);「メラン522」など(日立化成社製、商品名)などが挙げられる。
ブロック化ポリイソシアネート化合物は、1分子中に少なくとも2個の遊離のイソシアネート基を有するポリイソシアネートのイソシアネート基をブロック剤でブロックしたものであり、該ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−(又は−2,6−)ジイソシアネート、1,3−(又は1,4−)ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,2−シクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、(m−又はp−)フェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトフェニル)スルホン、イソプロピリデンビス(4−フェニルイソシアネート)などの芳香族ジイソシアネート及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン、4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネートなどの1分子中に3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ジメチロールプロピオン酸、ポリアルキレングリコール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールなどのポリオールの水酸基にイソシアネート基が過剰量となる比率でポリイソシアネート化合物を反応させてなるウレタン化付加物及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物などが挙げられる。
上記ブロック剤は、遊離のイソシアネート基を封鎖するものであり、そして生成するブロックポリイソシアネート化合物は常温において安定であるが、例えば100℃以上、好ましくは130℃以上に加熱すると、ブロック剤を解離して遊離のイソシアネート基を再生し、水酸基と容易に反応することができるようになる。
ブロック剤としては、グリコール酸エステル系、アルコール系、オキシム系、活性メチレン系、メルカプタン系、酸アミド系、アミン系、イミダゾール系、カルバミン酸エステル系、亜硫酸塩系などが挙げられ、他に、3,5−ジメチルピラゾール、3−メチルピラゾール、4−ニトロ−3,5−ジメチルピラゾールおよび4−ブロモ−3,5−ジメチルピラゾールなどもブロック剤として使用することができる。
また、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基をブロックするためのブロック剤として、少なくとも1個のヒドロキシル基と少なくとも1個のカルボキシル基を有するヒドロキシカルボン酸、例えば、ヒドロキシピバリン酸、ジメチロールプロピオン酸などを使用することもでき、該ヒドロキシカルボン酸のカルボキシル基を中和することによって水分散性を付与したブロック化ポリイソシアネート化合物を得ることができる。そのようなブロック化ポリイソシアネート化合物の市販品として、例えば、バイヒドロールBL5140(住化バイエルウレタン社製、商品名)が挙げられる。
第1着色塗料(B)には、さらに、適宜、ウレタン樹脂の水分散体を配合することができる。ウレタン樹脂の水分散体には、脂肪族及び/又は脂環族ジイソシアネートと、数平均分子量が500〜5,000のポリエーテルジオール、ポリエステルジオール及びポリカーボネートジオールから選ばれる少なくとも1種のジオールと、低分子量ポリヒドロキシ化合物およびジメチロールアルカン酸を水性媒体中で反応させることにより得られる生成物が包含される。該ウレタン樹脂は、塗膜の耐チッピング性、塗面平滑性などの観点から、一般に2,000〜12,000、好ましくは4,000〜11,000、さらに好ましくは5,000〜10,000の範囲内の数平均分子量(注3参照)を有することができる。
そのようなウレタン樹脂の水分散体の市販品としては、例えば、ユーコートUX−497、ユーコートUX4300、ユーコートUX5000、ユーコートUX8100(以上、三洋化成工業社製、商品名)、ネオレッツR−940,R−941,R−960,R−962,R−966,R−967,R−962,R−9603,R−9637,R−9618,R−9619,XR−9624,ボンディック1310NSC(以上、ICI製、商品名)、ハイドランHW−310,HW−311,HW−312B,HW−301,HW−111,HW−140,HW−333,HW−340,HW−350,HW−910,HW−920,HW−930,HW−935,HW−940,HW−960,HW−970,HW−980,AP−10,AP−20,AP−30,AP−40,AP−60,AP−70,AP−60LM(以上、大日本インキ化学工業製、商品名)などが挙げられる。
さらに、第1着色塗料(B)には、必要に応じて、着色顔料、光干渉性顔料、体質顔料、分散剤、沈降防止剤、有機溶剤、ウレタン化反応促進用触媒(例えば、有機錫化合物など)、基体樹脂の水酸基とメラミン樹脂との架橋反応促進用触媒(例えば、酸触媒)、消泡剤、増粘剤、防錆剤、紫外線吸収剤、表面調整剤などを適宜配合することができる。
第1着色塗料(B)は、以上に述べた各成分を、それ自体既知の方法で、水性媒体中に溶解ないし分散させることにより調製することができ、例えば、フォードカップNo.4、20℃で50秒間の粘度及び20〜70重量%、好ましくは35〜60重量%の範囲内の固形分濃度に調整した後、前記電着塗料(A)の硬化電着塗膜上に塗装することができる。
第1着色塗料(B)は、それ自体既知の方法、例えば、エアースプレー、エアレススプレー、静電塗装などにより塗装することができ、塗装膜厚は、通常、乾燥塗膜で10〜100μm、好ましくは10〜35μmの範囲内とすることができる。
塗装後の塗膜は、通常、塗装された被塗物を乾燥炉内で約60〜約120℃、好ましくは約70〜約110℃の温度で1〜60分間程度直接的又は間接的に予備加熱するか、或いは被塗物の塗装面を常温又は約25℃〜約80℃の温度雰囲気下でセッティングを行うことができる。
第2着色塗料(C)
本発明の方法によれば、次いで、第1着色塗料(B)の未硬化塗膜上に、第2着色塗料(C)が塗装される。第2着色塗料(C)としては、有機溶剤型着色塗料又は水性着色塗料のいずれでも使用することができるが、揮発性有機化合物を低減するという面からは、水性の着色塗料を使用することが好ましい。
第2着色塗料(C)としては、例えば、第1着色塗料(B)について前述したと同様の、カルボキシル基、水酸基などの架橋性官能基を有するポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などの基体樹脂と、第1着色塗料(B)について前述したと同様の、ブロックされていてもよいポリイソシアネート化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂などの架橋剤を含んでなり、必要に応じて、さらに、顔料、消泡剤、増粘剤、防錆剤、紫外線吸収剤、表面調整剤などを適宜配合してなるものを使用することができる。
第2着色塗料(C)の塗装は、それ自体既知の方法、例えば、エアスプレー、エアレススプレー、静電塗装機などで行うことができ、膜厚は、乾燥膜厚で5〜40μm、好ましくは10〜30μmの範囲内とすることができる。
塗装後の塗膜は、適宜、予備加熱及び/又はセッティングを行うことができる。予備加熱は、通常、塗装された被塗物を乾燥炉内で約60〜約120℃、好ましくは約70〜約110℃の温度で1〜60分間程度直接的又は間接的に加熱することにより行うことができ、また、セッティングは、通常、被塗物の塗装面に常温又は約25℃〜約80℃の温度に加熱された雰囲気下で行うことができる。
クリヤ塗料(D)
上記のように形成される第2着色塗料(C)の塗膜上には、さらに、クリヤ塗料(D)が塗装される。クリヤ塗料(D)としては、例えば、自動車ボディの塗装において通常使用されている有機溶剤型又は水性のクリヤ塗料(D)を使用することができる。
具体的には、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基などの架橋性官能基を有する、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などの基体樹脂と、メラミン樹脂、尿素樹脂、ブロックされてもよいポリイソシアネート化合物、カルボキシル基含有化合物もしくは樹脂、エポキシ基含有化合物もしくは樹脂などの架橋剤を含有する有機溶剤型塗料又は水性塗料を使用することができる。
クリヤ塗料(D)には、必要に応じて、塗膜の透明性を阻害しない程度に着色顔料及び/又は光干渉性顔料を含有させることができ、さらに、体質顔料、紫外線吸収剤などを適宜含有せしめることもできる。
クリヤ塗料(D)は、第2着色塗料(C)の塗膜面に、それ自体既知の方法、例えば、静電塗装、エアレススプレー、エアスプレーなどにより、乾燥膜厚で10〜60μm、好ましくは25〜50μmの範囲内になるように塗装することができる。
塗膜の焼付け
以上に述べた如くして形成される第1着色塗料(B)の塗膜、第2着色塗料(C)の塗膜及びクリヤ塗料(D)の塗膜の3層の未硬化塗膜からなる複層塗膜は、通常の塗膜の焼付け手段により、例えば、熱風加熱、赤外線加熱、誘導加熱などにより、約80〜約170℃、好ましくは約120〜約160℃の温度で約20〜約40分間程度加熱して同時に硬化させることができ、それによって、仕上り性、防食性、耐チッピング性などに優れた複層塗膜を形成せしめることができる。
なお、電着塗料(A)は、電着塗装後、焼付け乾燥することなく未硬化のまま、セッティング又はエアブロー又は予備加熱を施した後、第1着色塗料(B)、第2着色塗料(C)及びクリヤ塗料(D)を塗り重ね、電着塗料(A)の塗膜と第1着色塗料(B)の塗膜と第2着色塗料(C)の塗膜とクリヤ塗料(D)の塗膜の4層の塗膜を1回で加熱焼付けして複層塗膜を形成する4コート1ベークによっても、従来のアミン付加エポキシ樹脂とブロックイソシアネート架橋型の電着塗料を用いた場合以上の仕上り性と防食性を確保することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、「部」及び「%」は「重量部」及び「重量%」である。
電着塗料の製造
製造例1:基体樹脂No.1の製造
撹拌機、温度計、滴下ロート及び還流冷却器を取付けたフラスコに、EHPE−3150(注5)155部、ジエタノールアミン70部及び下記のフェノール性水酸基含有生成物の全量を入れ、160℃で5時間反応させた後、メチルプロパノール692部を加え、水酸基当量443、アミン価63mgKOH/g及び固形分60%の基体樹脂No.1を得た。
フェノール性水酸基含有生成物:
エポキシ当量190のビスフェノールAジグリシジルエーテル475部、ビスフェノールA285部、ジエタノールアミン53部及びカルビトール80部を混合して加熱溶解後、130℃で3時間保持して反応させることにより得られた生成物。
(注5) EHPE−3150: ダイセル化学工業(株)製、商品名、脂環式骨格にエポキシ基が結合してなるエポキシ基含有官能基を1分子あたり平均2個以上有するエポキシ樹脂、エポキシ当量180。
製造例2:硬化剤No.1の製造
サイクロマーM100(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート)33.4部にアゾビスジメチルバレロニトリル2部を溶解し、その溶液を、100℃に加熱したメチルイソブチルケトン10部とエチレングリコールモノブチルエーテル10部との混合溶剤に2時間かけて滴下し、1時間熟成後、125℃に昇温して更に1時間熟成し、エポキシ当量196及び固形分60%の硬化剤No.1を得た。
製造例3:基体樹脂No.2(比較例用)の製造
エピコート828EL(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名、エポキシ樹脂)1010部に、ビスフェノールA 390部及びジメチルベンジルアミン0.2部を加え、130℃でエポキシ当量800になるまで反応させた。
次に、ジメチロールブタン酸74部、ジエタノールアミン63部及びジエチレントリアミンのケチミン化物95部を加え、120℃で4時間反応させた後、エチレングリコールモノブチルエーテル330部を加え、アミン価43mgKOH/g及び固形分80%の基体樹脂No.2を得た。
製造例4:硬化剤No.2(比較例用)の製造
コスモネートM−200(三井化学株式会社製、商品名、クルードMDI)270部に
メチルイソブチルケトン46部を加え70℃に昇温した。さらに、ジエチレングリコールモノブチルエーテル281部をゆっくり加えた後、90℃に昇温した。この温度を保ちながら、経時でサンプリングし、赤外吸収スペクトル測定にて未反応のイソシアネートの吸収がなくなったことを確認して反応を停止させ、有機溶剤量を調整し、ブロック化ポリイソシアネート化合物である固形分60%の硬化剤No.2を得た。
製造例5:ジルコニウム処理ニ酸化チタンの製造
硫酸チタニル溶液を常法により加熱加水分解し、濾過、洗浄して得られた含水酸化チタンスラリー95部(TiO2 換算10部相当)に、48%苛性ソーダ水溶液7.3部を攪拌しながら投入し、95℃で2時間熟成した。つぎに、この苛性ソーダ処理物を洗浄して得られたスラリー205部に、35%塩酸48部を攪拌しながら投入し、95℃で2時間加熱して熟成し、チタニアゾルを作成した。このようにして得られたチタニアゾルを濾過、洗浄したのち150℃で30分間乾燥して、平均粒子径が0.015μmのルチル型微粒子二酸化チタンを得た。かくして得られた微粒子二酸化チタン9.7部を水100部に投入し、攪拌しながら、その中に、硫酸ジルコニウムをZrO2に換算して15%含有する硫酸ジルコニウム水溶液2.8部を投入し、25%アンモニア水で中和することにより、微粒子二酸化チタンの粒子表面にZrO2に換算して1.0%(TiO2基準)のジルコニウムの水和酸化物を沈着させ、ついで80℃に30分間加熱した後、濾過、洗浄し、その後、150℃で30分間乾燥した。得られた乾燥物を500℃で3時間焼成した後、エネルギーミルで粉砕することによって、ルチル型微粒子二酸化チタンの粒子表面がZrO2に換算して4.0%(TiO2基準)のジルコニウム酸化物で被覆された平均粒子径が0.028μmのルチル型微粒子二酸化チタン組成物9.0部を得た。
製造例6:エマルションNo.1(比較例用)の製造
製造例1で得た基体樹脂No.1 117部(固形分70部)、エチレングリコールモノブチルエーテルに溶解した固形分80%のEHPE−3150(注5参照)37.5部(固形分30部)及び10%ギ酸7部を混合し均一に撹拌した後、脱イオン水132.5部を強く撹拌しながら約15分かけて滴下し、固形分34%のエマルションNo.1を得た。
製造例7:エマルションNo.2(比較例用)の製造
製造例1で得た基体樹脂No.1 117部(固形分70部)、エチレングリコールモノブチルエーテルに溶解した固形分80%のEHPE−3150(注5参照)37.5部(固形分30部)、ニッカオクチックスビスマス(注6)固形分で6部及び10%ギ酸7部を混合し均一に撹拌した後、脱イオン水142.0部を強く撹拌しながら約15分かけて滴下し、固形分34%のエマルションNo.2を得た。
(注6) ニッカオクチックスビスマス:日本化学産業社製、商品名、オクタン酸ビスマス。
製造例8:エマルションNo.3(比較例用)の製造
製造例1で得た基体樹脂No.1 117部(固形分70部)、製造例2で得た硬化剤No.1 50部(固形分30部)及び10%ギ酸7部を混合し均一に撹拌した後、脱イオン水120部を強く撹拌しながら約15分かけて滴下し、固形分34%のエマルションNo.3を得た。
製造例9:エマルションNo.4の製造例
製造例3で得た基体樹脂No.2 87.5部(固形分70部)、製造例4で得た硬化剤No.2 50部(固形分30部)及び10%ギ酸7部を混合し均一に撹拌した後、脱イオン水149.5部を強く撹拌しながら約15分かけて滴下し、固形分34%のエマル
ションNo.4を得た。
エマルションNo.1〜No.4の配合内容を表1にまとめて示す。
製造例10:顔料分散ペーストNo.1の製造例
製造例1で得た基体樹脂No.1 8.33部(固形分5部)に10%のギ酸4.4部を加え、攪拌しながら脱イオン水15部を加える。さらにJR−600E(注7)10部、カーボンMA−7(注8)1部、ハイドライドPXN(注9)10部、水酸化銅1部、水酸化ビスマス3部及び脱イオン水7.3部を添加混合し、ボールミルで24時間分散して、固形分50.0重量%の顔料分散ペーストNo.1を得た。顔料分散ペーストNo.1の顔料分(注4参照)は80重量%であった。
(注7) JR−600E:テイカ社製、商品名、チタン白、コーティング量Al
3.8質量%。
(注8) カーボンMA−7:三菱化成社製、商品名、カーボンブラック。
(注9) ハイドライドPXN:ジョージアカオリン社製、商品名、カオリン。
製造例11:顔料分散ペーストNo.2の製造
製造例1で得た基体樹脂No.1 8.33部(固形分5部)に10%のギ酸4.4部を加え、攪拌しながら脱イオン水15部を加える。さらにJR−603(注10)10部、カーボンMA−7(注8参照)1部、ハイドライドPXN(注9参照)10部、水酸化銅1部、水酸化ビスマス3部及び脱イオン水7.3部を添加混合し、ボールミルで24時
間分散して、固形分50.0重量%の顔料分散ペーストNo.2を得た。顔料分散ペーストNo.2の顔料分(注4参照)は80重量%であった。
(注10) JR−603:テイカ社製、商品名、チタン白、ZrO 0.5質量%コーティング量Al 4.6質量%。
製造例12:顔料分散ペーストNo.3の製造
製造例1で得た基体樹脂No.1 8.33部(固形分5部)に10%のギ酸4.4部を加え、攪拌しながら脱イオン水15部を加える。さらに製造例5で得たジルコニウム処理ニ酸化チタン10部、カーボンMA−7(注8参照)1部、ハイドライドPXN(注9)10部、水酸化銅1部、水酸化ビスマス3部及び脱イオン水7.3部を混合し、ボールミルで24時間分散して、固形分50.0重量%の顔料分散ペーストNo.3を得た。顔料分散ペーストNo.3の顔料分(注4参照)は80重量%であった。
製造例13:顔料分散ペーストNo.4の製造例
製造例1で得た基体樹脂No.1 8.33部(固形分5部)に10%のギ酸4.4部を加え、攪拌しながら脱イオン水15部を加える。さらにJR−600E(注7参照)10部、カーボンMA−7(注8参照)1部、ハイドライドPXN(注9参照)7部、タルクMV(注11)3部、水酸化銅1部、水酸化ビスマス3部及び脱イオン水7.3部を混合し、ボールミルで24時間分散して、固形分50.0重量%の顔料分散ペーストNo.4を得た。顔料分散ペーストNo.4の顔料分(注4参照)は80重量%であった。
(注11) タルクMV:United Siera Divi.社製、商品名、タルク。
製造例14:顔料分散ペーストNo.5の製造
製造例1で得た基体樹脂No.1 8.33部(固形分5部)に10%のギ酸4.4部を加え、攪拌しながら脱イオン水15部を加える。さらにJR−600E(注7参照)10部、カーボンMA−7(注8参照)1部、ハイドライドPXN(注9参照)10部、水酸化ビスマス3部及び脱イオン水6.3部を混合し、ボールミルで24時間分散して、固形分50.0重量%の顔料分散ペーストNo.5を得た。顔料分散ペーストNo.5の顔料分(注4参照)は80重量%であった。
製造例15:顔料分散ペーストNo.6の製造
製造例1で得た60%の基体樹脂8.33部(固形分5部)に10%のギ酸4.4部を加え、攪拌しながら脱イオン水15部を加える。さらにJR−600E(注7参照)10部、カーボンMA−7(注8参照)1部、ハイドライドPXN(注9参照)10部、水酸化ビスマス3部、ジオクチル錫オキサイド1部及び脱イオン水7.3部を混合し、ボールミルで24時間分散後、固形分50.0重量%の顔料分散ペーストNo.6を得た。顔料分散ペーストNo.6の顔料分(注4参照)は80重量%であった。
製造例10〜15の顔料分散ペーストNo.1〜No.6の配合内容を表2にまとめて示す。
製造例16:電着塗料No.1の製造
製造例6で得た34%のエマルションNo.1 294部(固形分100部)に、製造例10で得た50%の顔料分散ペーストNo.1 60部(固形分30部)及び脱イオン水296部を加え、固形分20%の電着塗料No.1を得た。電着塗料No.1の顔料分(注4参照)は18.5%であった。
製造例17〜24:電着塗料No.2〜No.9の製造
製造例16と同様にして、下記表3に示す配合内容にて、電着塗料No.2〜No.9を得た。
製造例25:アクリル樹脂水分散体の製造
攪拌機、温度計、還流管及び窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、脱イオン水40部、アニオン界面活性剤(商品名「Newcol 707SF」、日本乳化剤社製、不揮発分30%)0.8部を加え、窒素置換後攪拌しながら82℃に保った。この中に、まず、エマルション化した下記の「モノマー混合物」5部及び過硫酸アンモニウム0.3部を脱イオン水3部で溶解した混合物を添加し、20分後、残りの「モノマー混合物」及び過硫酸アンモニウム0.3部を脱イオン水3部に溶解したものを4時間かけて滴下して、乳化重合を行った。
「モノマー混合物」:
脱イオン水54 部、「Newcol 707SF」0.5部、エチルアクリレート45部、メチルメタクリレート48部、ヒドロキシエチルアクリレート5部、アクリル酸1部及びアリルメタクリレート1部を撹拌し、乳化して、モノマー混合物とした。
滴下終了時から2時間、82℃に保持して、乳化重合を続けた後、40℃にフラスコ内の温度を下げた。アンモニア水でpH8.5に調整し、固形分50重量%のアクリル系樹脂エマルションを得た。エマルション樹脂粒子の平均粒子径は0.15μmであり、酸価は7.8mgKOH/gであった。
製造例26:水性クリヤ塗料の製造
製造例25で得たアクリル樹脂水分散体39部に、サイメル325(注12)15部、エチレングリコールモノブチルエーテル9部及びN,N−ジメチルアミノエタノール1.4部を加えて攪拌混合した。次いでNacure4167(商品名、キング・インダストリイズ社製、リン酸系酸触媒、有効成分25%)3.2部(有効成分0.8部)を加えて
均一に攪拌混合した後、攪拌しながら脱イオン水を徐々に仕込み、固形分40%の水性クリヤ塗料を得た。
(注12) サイメル325:イミノ基含有メチル化メラミン樹脂、商品名、日本サイテック社製。
試験板について
冷延鋼板(150mm(縦)×70mm(横)×0.8mm(厚))に化成処理(パルボンド#3020、日本パーカライジング社製、商品名、リン酸亜鉛処理剤)を施し、試験板とした。
実施例及び比較例
実施例1:複層塗膜No.1の作製
以下の工程により複層塗膜No.1を作製した。
工程1:試験板を水平に保ち、電着塗料No.1を電着塗装し、得られた塗膜を170℃で20分加熱して硬化膜厚で20μmの硬化電着塗膜をもつ塗装板を得た。
工程2:この電着塗装板に、WP−300T(商品名、関西ペイント社製、水性の第1着色塗料)を、硬化膜厚で30μmとなるようにスプレー塗装して、室温で3分間放置した後、80℃で10分予備乾燥した。
工程3:さらにその上に、WBC−713T(商品名、関西ペイント(株)製、水性の第2着色塗料)を硬化膜厚で15μmとなるようにスプレー塗装し、室温で3分間放置した後、80℃10分予備乾燥した。
工程4:ついで、その塗面に、KINO#1200TW(商品名、関西ペイント社製、有機溶剤型のクリヤ塗料)を硬化膜厚で35μmとなるようにスプレー塗装し、室温で5分間放置した。次いで、上記工程2〜4で得た3層の塗膜を140℃で30分焼付けして硬化させ複層塗膜No.1を得た。
実施例2〜10
下記表4に示す工程に変更する以外は、実施例1と同様に操作して(硬化膜厚も同じ)、実施例2〜10の複層塗膜No.2〜No.10を得た。
実施例1〜10で得られた複層塗膜の塗膜性能評価の結果も併せて表4に示す。
比較例1
以下の工程により複層塗膜No.11を作製した。
工程1:試験板を水平に保ち、電着塗料No.8を電着塗装し、得られた塗膜を170℃で20分加熱して硬化膜厚20μmの硬化電着塗膜ともつ塗装板を得た。
工程2:この電着塗装板に、WP−300T(商品名、関西ペイント社製、水性の第1着色塗料)を、硬化膜厚で30μmとなるようにスプレー塗装し、室温で3分間放置した後、80℃で5分間予備乾燥した。
工程3:さらにその上に、WBC−713T(商品名、関西ペイント(株)製、水性の第2着色塗料)を硬化膜厚で15μmとなるようにスプレー塗装し、室温で3分間放置し、その後80℃で5分間予備乾燥した。
工程4:ついで、その塗面に、KINO#1200TW(商品名、関西ペイント社製、有機溶剤型のクリヤ塗料)を硬化膜厚で35μmとなるようにスプレー塗装し、室温で5分間放置した。次いで、工程2〜4で得た3層の塗膜を140℃で30分焼付けして複層塗膜No.11を得た。
比較例2〜4
下記表5にしめす工程に変更する以外は、比較例1と同様に操作して、複層塗膜No.12〜No.14を得た。
比較例1〜4で得られた複層塗膜の塗膜性能評価も併せて表5に示す。
(注13) TP−65−2:関西ペイント社製、商品名、有機溶剤型の第1着色塗料。
(注14) 電着塗膜の加熱減量(注1参照)。
(注15) パワースペクトル値:
前記(注2)に記載の測定方法に従い、表面粗度計としてサーフコム130A(商品名、株式会社東京精密社製)を用い、測定長さ50mm及びデータ採取間隔10μm間隔で測定したときの値。
(注16) 複層塗膜の仕上り性:
ウェーブスキャン プラス(商品名、BYK Gardner社製)を用いた。鏡面光沢計が写像を測定しているのに対し、ウェーブスキャン プラスは塗膜表面に焦点を合わせるものであり、測定機から出るレーザー光を塗面に当てて反射光の強度を逐一検出器によって検出し、反射光の強度により肉眼での観察に近い塗膜表面の光学的凹凸を観察することができる。
波長構造として、長波長構造のロングウェーブ値(LW)と短波長構造ショートウェーブ値(SW)の2種を測定することができ、数値が小さいほど、複層塗膜の仕上り性が良好なレベルにあることを示す。
◎はショートウェーブ値(SW)が12未満。
○はショートウェーブ値(SW)が12以上、かつ15未満。
△はショートウェーブ値(SW)が15以上、かつ20未満。
×はショートウェーブ値(SW)が20を越える。
(注17) 防食性:
得られた複層塗膜に素地に達するようにナイフでクロスカット傷を入れ、これをJIS
Z−2371に準じて840時間耐塩水噴霧試験を行い、ナイフ傷からの錆、フクレ幅によって以下の基準で評価した。
◎は錆、フクレの最大幅がカット部より1.5mm未満(片側)。
○は錆、フクレの最大幅がカット部より1.5mm以上でかつ2.5mm未満(片側
)。
△は錆、フクレの最大幅がカット部より2.5mm以上でかつ3.5mm未満(片側
)。
×は錆、フクレの最大幅がカット部より3.5mm以上(片側)。
(注18) 耐チッピング性:
複層塗膜を形成せしめた試験板を、チッピング試験装置(スガ試験機社製、飛石試験機「JA−400型」)の試片保持台に、石の吹き出し口に対して塗面が直角になるように固定し、−20℃において、0.294MPa(3kgf/cm)の圧縮空気により粒度7号の花崗岩砕石50gを塗面に吹き付けた後、塗面に布粘着テープ(富士工業社製)を貼着し、それを急激に剥離後、塗膜のキズの発生程度等を目視で観察し、下記基準により評価した。
◎:キズの大きさはかなり小さく、第2着色塗膜の一部に傷が付いている程度である

○:キズの大きさは小さく、第1着色塗膜が一部露出している程度である。
△:キズの大きさは大きく、第1着色塗膜の一部が欠損し、電着塗膜又は鋼板が露出
している、
×:キズの大きさはかなり大きく、第1着色塗膜が大きく露出し、又は第1着色塗膜
が欠損して電着塗膜又は鋼板が露出し、外観を著しく損なっている。
図1はパワースペクトル値の周波数特性のモデル図である。図1において、1は短波長領域を示し、2は中波長領域を示し、そして3は長波長領域を示す。 図2は本発明に用いる電着塗膜のパワースペクトル値の周波数特性図である。 図3は従来の電着塗膜のパワースペクトル値の周波数特性図である。

Claims (16)

  1. 下記式:
    加熱減量(X)=[(Y−Z)/Y]×100
    [式中、Yは電着塗料(A)を電着塗装して得られる未硬化の塗膜を105℃で3時間
    加熱して水分を除去した後の乾燥塗膜の重量であり、Zは該乾燥塗膜を170℃で2
    0分加熱した後の硬化塗膜の重量である]
    により算出される加熱減量(X)が5重量%以下である電着塗料(A)の硬化塗膜上に、第1着色塗料(B)、第2着色塗料(C)及びクリヤ塗料(D)をウェットオンウェットで順次塗装し、得られる3層の塗膜を同時に加熱硬化せしめることを特徴とする複層塗膜の形成方法
  2. 電着塗料(A)の加熱減量(X)が4重量%以下である請求項1に記載の方法。
  3. 電着塗料(A)が、エポキシ樹脂(a)、アミン化合物(a)及びフェノール化合物(a)を反応させることにより得られる基体樹脂(a)と、架橋剤として、エポキシ樹脂(b)を含んでなる電着塗料である請求項1又は2に記載の方法。
  4. エポキシ樹脂(a)が、下記式(1)
    で示されるエポキシ基含有官能基を1分子中に少なくとも2個有するエポキシ樹脂である請求項2に記載の方法。
  5. エポキシ樹脂(a)が、140〜1000の範囲内のエポキシ当量及び200〜50,000の範囲内の数平均分子量を有するものである請求項2に記載の方法。
  6. アミン化合物(a)が、第1級水酸基を含有する第1級もしくは第2級のアミン化合物である請求項2に記載の方法。
  7. フェノール化合物(a)が、フェノール性水酸基を1分子中に少なくとも1個有するものである請求項2に記載の方法。
  8. フェノール化合物(a)がビスフェノール化合物である請求項7に記載の方法。
  9. 基体樹脂(a)が、20〜150mgKOH/gの範囲内のアミン価;300〜1000mgKOH/gの範囲内の水酸基価;800〜15,000の範囲内の数平均分子量を有する請求項2に記載の方法。
  10. エポキシ樹脂(b)が、脂環式骨格にエポキシ基が結合してなるエポキシ基含有官能基
    を1分子あたり平均2個以上有するポリエポキシド化合物又はノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物である請求項2に記載の方法。
  11. エポキシ樹脂(b)が、下記式(5)
    で示される繰り返し単位を有するポリエポキシド化合物、
    下記式(6)
    [式中、Rは水素原子又はメチル基である]
    で示される繰り返し単位を有する数平均分子量が3,000〜200,000の範囲内にあるポリエポキシド重合体、及び
    下記式(8)
    [式中、R1およびRは同一もしくは相異なり、各々水素原子、炭素数1〜8のアル
    キル基、アリール基、アラルキル基又はハロゲン原子を表わし;Rは水素原子、炭
    素数1〜10のアルキル基、アリール基、アラルキル基、アリル基又はハロゲン原子
    を表わし;RおよびRは同一もしくは相異なり、各々水素原子、炭素数1〜4の
    アルキル基又はグリシジルオキシフェニル基を表わし;Rは水素原子、炭素数1〜
    10のアルキル基、アリール基、アラルキル基、アリル基又はハロゲン原子を表わし
    ;そしてnは1〜38の整数である]
    で示されるエポキシ樹脂よりなる群から選ばれる請求項2に記載の方法。
  12. 電着塗料(A)が、基体樹脂(a)とエポキシ樹脂(b)の合計固形分重量に基いて、オクタン酸ビスマスを0.1〜20質量%含有する請求項2に記載の方法。
  13. 電着塗料(A)が、ルチル型微粒子二酸化チタンの粒子表面を、ZrO に換算して0.5〜8.0重量%(TiO2 基準)のジルコニウム酸化物で被覆してなるルチル型微粒子二酸化チタン組成物を含有する請求項2に記載の方法。
  14. 電着塗料(A)が、170℃で20分間加熱硬化せしめた電着塗膜について、測定長さ50mmの部分を10μm間隔で表面粗度計を用いて表面粗度を測定し、次いで得られる測定データをフーリエ変換することを含んでなるパワースペクトル周波数分析により得られる、波長0.02〜1mmの範囲のパワースペクトル値の平均値が70以下である硬化電着塗膜を形成するものである請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
  15. 電着塗料(A)が、170℃で20分間加熱硬化せしめた電着塗膜について、測定長さ50mmの部分を10μm間隔で表面粗度計を用いて表面粗度を測定し、次いで得られる測定データをフーリエ変換することを含んでなるパワースペクトル周波数分析により得られる、波長0.02〜1mmの範囲のパワースペクトル値の積分値が1.7×10 以下である硬化電着塗膜を形成するものである請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
  16. 請求項第1〜15項のいずづれかに記載の方法により複層塗膜が形成された物品。
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