JP2007058194A - 高反射率可視光反射部材及びそれを用いた液晶ディスプレイバックライトユニット並びに高反射率可視光反射部材の製造方法 - Google Patents

高反射率可視光反射部材及びそれを用いた液晶ディスプレイバックライトユニット並びに高反射率可視光反射部材の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007058194A
JP2007058194A JP2006201896A JP2006201896A JP2007058194A JP 2007058194 A JP2007058194 A JP 2007058194A JP 2006201896 A JP2006201896 A JP 2006201896A JP 2006201896 A JP2006201896 A JP 2006201896A JP 2007058194 A JP2007058194 A JP 2007058194A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
substrate
member according
silver thin
silver
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006201896A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadahiro Omi
忠弘 大見
Tetsuya Goto
哲也 後藤
Nobuaki Seki
関  伸彰
Satoshi Ikeda
智 池田
Koichi Niikura
高一 新倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku University NUC
Future Vision Inc
Original Assignee
Tohoku University NUC
Future Vision Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tohoku University NUC, Future Vision Inc filed Critical Tohoku University NUC
Priority to JP2006201896A priority Critical patent/JP2007058194A/ja
Publication of JP2007058194A publication Critical patent/JP2007058194A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】 従来の銀薄膜反射板よりも、特に可視光低波長側での反射率が高く、かつ耐久性に優れた可視光反射部材または反射フィルムを提供すること。
【解決手段】本発明は、基板に形成した銀薄膜と前記銀薄膜上に形成した窒化珪素保護膜からなる反射部材を提供する。銀薄膜は、(111)面を主要な面方位とする銀薄膜である。銀薄膜は、99%以上が(111)面を主要な面方位とする銀薄膜が望ましい。銀薄膜の膜厚は、100nmから350nmの範囲とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、可視光光源を反射するために用いられる反射部材に関し、特に、画面対角で28インチ以上の大型平面液晶ディスプレイバックライトユニットに用いられる反射板、もしくはリアプロジェクションテレビに用いられる反射部材として好適な可視光反射部材に関するものである。
可視光光源を反射するための反射板には、白色塗料を塗布したり、拡散ビーズを含有させた拡散反射板、金属研磨板や、金属原子を基板に積層し、薄膜化した反射板がある。
これら可視光反射板は、液晶ディスプレイ用バックライトユニット、リアプロジェクションテレビの反射板、室内蛍光灯用反射板、CD、DVD等の記録メディアの反射層、車載用、室内用ミラー等、種々の用途に広く使用されている。
拡散反射板は、拡散反射のため、反射光の方向性が無く、例えば液晶ディスプレイ面内での輝度ムラを小さくすることができる利点があるが、反射光の方向性が無いために、壁面等で消失する光も多く、光の利用効率が悪い。そのため、例えば、画面対角で30インチの平板ディスプレイにおいて、輝度を稼ぐためにCCFLを少なくとも12本以上使用する必要があり、結果として電力消費量を増大させる欠点がある。CCFL(冷陰極蛍光ランプ)の使用本数を極力少なくし、消費電力を少なくするためには、光反射方向(光指向性)を制御し、効率良く利用することができる反射板が求められている。
また、リアプロジェクションテレビにおいては、画面の輝度向上、および消費電力低減のために、指向性を持つ高反射板が求められている。
反射光に指向性を持たせるためには、金属面による反射を用いる必要がある。金属の反射板は、光の入射方向と反射面に対する垂線とが作る角、即ち、光の入射角と、光の出射方向と反射面に対する垂線とが作る角、即ち、出射角が等しいことが自然科学的に実証されており、反射面の設計に基づいて、反射方向を自由に制御可能である。
可視光領域の反射には、アルミニウムや銀が用いられる。銅や金は、それ自体が持つ低波長光の吸収のため、結果的に反射光に色がつくため好ましくない。アルミニウムと銀を比べると、例えば蒸着によって堆積させた薄膜において、550nmの波長での反射率は銀で98%、アルミニウムで91%程度との報告がある。このように銀はアルミニウムに比べて高い反射率を示す。
しかし、蒸着で成膜した銀は可視光領域において、低波長側で若干反射率が低下するという問題点がある。例えば、波長430nmでの銀およびアルミニウムの反射率はそれぞれ95%、および92%と報告されている。アルミニウムの反射率に比べ銀の反射率は、値そのものは高いが、銀の550nmの波長の反射率に比べると相対的に低いことが分かる。また、銀はアルミニウムに比べて耐久性が悪いという欠点がある。すなわち、大気に曝されると、酸化や硫化の反応が進行しやすく、反射率の低下が起きるという問題点があった。
本発明の目的は、従来の銀薄膜反射板よりも、特に可視光低波長側での反射率が高く、かつ耐久性に優れた可視光反射部材または反射フィルムを提供することにある。
本発明の他の目的は、可視光低波長側での反射率が高く、かつ耐久性に優れた可視光反射部材または反射フィルムの製造方法を提供することである。
本発明の別の目的は、大型平板液晶ディスプレイバックライトユニット用反射板のような大型反射板に好適な耐久性に優れた高反射率可視光反射板または反射フィルムを提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、リアプロジェクションテレビの反射板に用いられる耐久性に優れた高反射率可視光反射板または反射フィルムを提供することにある。
本発明者等は、銀の面方位と可視光反射率の関係について鋭意研究を重ねる中で、銀薄膜上に、特定の窒化物の薄膜すなわち窒化珪素を銀上に成膜することで、反射率をほとんど低下させることなく、かつ反射率の経時変化が無いことを見出した。さらに、スパッタによる銀薄膜形成時において、基板へのイオン照射エネルギーを制御することにより、銀結晶の(111)面方位を多く残す銀薄膜において可視光の、特に400nm程度の低い青側波長領域において反射率が向上することを見出した。
したがって、本発明によれば、基板に形成した銀薄膜と、前記銀薄膜上に形成した窒化珪素膜を含む反射部材が得られる。
前記銀薄膜は、(111)面を主要な面方位とする銀薄膜であり、望ましくは前記銀薄膜は、99%以上が(111)面を主要な面方位とする銀薄膜からなる。
また、望ましくは、銀薄膜は、波長430nmにおいて96%以上の反射率を有する。
前記銀薄膜の膜厚は、100nmから350nmの範囲の膜厚であることが望ましい。
また、窒化珪素膜はその膜厚が5nmから8nmの範囲であることが望ましい。
前記基板は、プラスチック材料を用いる場合には、0.7mmから2mm厚のプラスチック材料が望ましい。
前記基板は可撓性のある樹脂を用い反射部材をフィルムにすることができる。前記基板が可撓性のある樹脂の場合、40μ以上の厚みが望ましい。
前記銀薄膜は、不活性ガスのプラズマによるターゲット銀試料のスパッタにより形成されるのが望ましく、不活性ガスにはアルゴン又はキセノンを使用するのが望ましい。
前記銀薄膜の形成の前には、前記基板にプラズマ中のアルゴンイオンを照射して基板表面のクリーニングを行う。
前記窒化珪素膜は、プラズマ用ガスとアンモニアの混合ガスを供給してプラズマを生成し、シランガスをプラズマで励起し、アンモニアとのCVDによって成膜する。
本発明者らは、また、(200)面を主要な面方位とする銀薄膜が可視光の低波長側で反射率が向上するのを見出した。
本発明によれば、(200)面を主要な面方位とする銀薄膜であることを特徴とする反射部材が得られる。
望ましくは、(100)面配向に対する(200)面配向の比が500以上である。
望ましくは、(200)面を主要な配向とする銀の結晶薄膜は、結晶性基板の上に形成される。結晶性基板としてSi基板が望ましい。
また、(200)面を主要な面方位とする銀薄膜は基板を加熱して形成するとよい。
本発明によれば、基板に形成した銀薄膜と前記銀薄膜上に形成した窒化珪素膜を含む反射部材を液晶ディスプレイバックライトユニットの反射部材に使用したことを特徴とするバックライトユニットが得られる。
本発明によれば、また、基板に形成した銀薄膜と前記銀薄膜上に形成した窒化珪素膜を含む反射部材をプロジェクション型液晶ディスプレイ装置の反射部材に使用することを特徴とるすプロジェクション型液晶ディスプレイ装置が得られる。
プロジェクション型液晶ディスプレイ装置として、リアプロジェクション型液晶ディスプレイ装置に適用できる。
また、本発明によれば、基板に形成した銀薄膜と前記銀薄膜上に形成した窒化珪素膜を含む反射部材の製造方法において、不活性ガスのプラズマによるターゲット銀試料のスパッタにより銀薄膜を形成することを特徴とする反射部材の形成方法が得られる。
また、望ましくは、前記窒化珪素膜は、プラズマ用ガスとアンモニアの混合ガスを供給してプラズマを生成し、シランガスをプラズマで励起し、アンモニアとのCVDによって成膜する。
さらに、本発明によれば、基板に形成した銀薄膜と、前記銀薄膜上に形成した窒化珪素膜を含む反射部材の製造方法において、処理室内に設置したターゲット及び基板載置台と、前記ターゲットに供給する第1の直流電源と、ターゲットを介して処理室内部に高周波を供給する高周波電源と、前記処理室にプラズマを生成するガスを供給する手段とを含むRF−DC結合型スパッタ装置を使用し、前記ターゲットに設置した銀の試料と前記載置台との空間に不活性ガスを供給してプラズマを生成し、前記銀のスパッタリングによって前記基板表面に銀薄膜を形成することを特徴とする反射部材の製造方法が得られる。
前記第1の直流電源と前記高周波電源の出力を調整して前記基板に堆積する銀の成膜レートとイオン照射量を制御して銀薄膜が形成される。
前記不活性ガスとしてアルゴンガスまたは、キセノンガスを使用するのが望ましい。
前記基板載置台を介して第2の直流電源を供給し、プラズマ電位と基板電圧の差分で規定されるアルゴン照射エネルギーを設定する。
前記アルゴン照射エネルギーは、15eV以下であるのが望ましい。
成膜される銀原子1個に対するキセノンイオン照射量である規格化イオン照射量を1から3の範囲で成膜することが望ましい。
本発明によれば、また、前記銀薄膜形成後、マイクロ波で励起されたプラズマをシャワー状に放出する上段シャワープレートと、前記上段シャワープレートの下段に載置台と対向して配置され反応性ガスを供給する複数のノズルを有する配管を所定の開口部が形成されるようにグリッド状に配列した下段シャワープレートとを有するマイクロ波プラズマ処理装置を用い、前記上段シャワープレートから供給されるアルゴンガス及びアンモニアガスでプラズマを生成し、前記下段シャワープレートから供給されるシランガスとの反応によって前記銀薄膜上に窒化珪素膜を形成することを特徴とする反射部材の製造方法が得られる。
望ましくは、前記窒化珪素膜の形成後、プラズマを励起した状態でシランガスの供給を停止し,NHラジカルを大量に発生させ前記窒化珪素膜へ照射し強固なシリコン−窒素結合を形成する。
本発明によれば、基板に銀結晶の(111)面方位の配向を多く残す銀薄膜を形成することによって、高鏡面反射率を実現できる。また、銀薄膜上に、特定の窒化物の薄膜すなわち窒化珪素を銀上に成膜することで、反射率をほとんど低下させることなく、耐食性に優れた可視光反射部材を実現することができる。
また、本発明によれば、銀のスパッタリングにより銀薄膜を成膜することにより、可視光の低波長域で高反射率を実現できる。
また、本発明では、基板に(200)面方位の配向を多く含んだ銀結晶を成膜することによって、高反射率を実現することもできる。
次に本発明について、実施例を用いて説明する。
図1を参照すると、本発明の第1の実施例に係る可視光反射板100は、基板101の一表面上に形成された反射層102を有している。図示された基板101は、0.7〜2mmの厚さを有するプラスチック材料(具体的にはシクロオレフィンポリマー)によって形成されている。基板はシクロオレフィンポリマーに限らず、金属、ガラス、セラミックス、及び他のプラスチック材料が使用可能である。基板の大きさ、厚さも規定されるものではないが、その基板としての強度を考慮すると、樹脂のような可撓性のあるものであれば、40μm以上の厚さの基板が好ましい。金属やガラス、セラミック材料であれば、100μm以上の厚さの基板が好ましい。基板は平面ないしは曲面によって形成される。その実質的平坦部あるいは曲面部によって、光の方向性は規定されるため、その表面粗さが可視光領域低波長側波長の400nmの1/10である40nm以下であることが好ましく、波長の1/20である20nm以下であれば更に好ましい。反射層102上には窒化珪素よりなる表面保護膜103が形成されている。
図1の反射層102は、図2に示すRF-DC結合型スパッタ装置を用いて成膜した銀薄膜である。図2を用いて銀成膜手順を順次説明する。処理室201には、銀ターゲット202、および銀ターゲットの裏に効率的にプラズマを励起するための磁石203が装着されており、銀ターゲット202は、整合器206を介して高周波電源205が接続されている。高周波電源の周波数は、2MHzから200MHzの間から選ばれるが、高密度で低電子温度なプラズマを励起するという点から、できるだけ高い周波数であることが望ましい。本実施例において、周波数は100MHzとした。銀ターゲット202には、前記高周波電源とは別に、高周波フィルター207を介してターゲット用直流電源208も接続されており、前記銀ターゲットに直流電圧を印加することが可能となっている。このターゲット用直流電源208と高周波電源205の出力を調節することで、被処理基板へ堆積する銀の成膜レートとイオン照射量を制御することが可能となっている。
処理室201を吸気窓209に接続された図示しないターボポンプ及びその下流に直列に接続された図示しないドライポンプにより処理室201の内部を減圧状態に排気した。
厚さ2mmのシクロオレフィン基板204を、処理室201にゲートバルブ(図示せず)を介して接続された仕込み室(図示せず)に搬送し、仕込み室を減圧にした後に、ゲートバルブを開けてステージ2015の上に装着した。ステージ2015と基板204の表面は図示しないアルミニウム製の爪で接続されており、基板が絶縁物であっても銀の堆積が始まった瞬間から、基板印加用直流電源2012の電圧を銀表面に印加することが可能である。
基板を処理室に搬送した後に、ガス供給ポート2010より、アルゴンガスを380cc/分の割合で処理室へ導入し、処理室内の圧力を12mTorrとした。銀薄膜へ、例えば導入ガスに含まれた不純物が混入すると反射率が低下する。よって、導入するアルゴンガスの純度は限りなく高い方が望ましい。本実施例においては水分濃度1ppb以下のアルゴンを用いた。
銀を成膜する前に、基板表面に付着した水分や有機物などを取るために、基板表面クリーニングを行うことが望ましい。よって、本実施例においては、銀ターゲットに2分間高周波電力を50W印加してプラズマ2014を励起し、アルゴンイオンを基板表面へ照射することで表面の水分や有機物を除去した。
クリーニングを行った後、高周波電力を100W、ターゲット用直流電源に−150V、基板用直流電源に+30Vを20秒印加することで、成膜される銀原子1個に対するアルゴンイオン照射量すなわち規格化イオン照射量を1.6、プラズマ電位と基板電圧の差分で規定されるアルゴンイオン照射エネルギーを15eVに設定し、銀を基板に成膜し、仕込室より基板を取り出した。銀の膜厚は走査型電子顕微鏡で確認したところ130nmであった。
図3は、(a)及び(b)に上記による方法で、基板用直流電源の電圧を変化させて130nm堆積した銀薄膜の反射率の光の波長依存性の測定結果を示す。イオン照射エネルギーは、プラズマ電位と基板バイアス電位の差で規定され、基板バイアスを上げるとイオン照射エネルギーは減少する。プラズマ電位は、基板バイアス電圧が-20V、+20V、+30Vでそれぞれ+30V、+40V、+45Vとなるため、イオン照射エネルギーはそれぞれ50eV、20eV、15eVとなる。この結果より、基板用直流電源の電圧が+30V、即ちアルゴンイオン照射エネルギーが15eV以下の時に反射率が高い値を示すことが分かった。
図4には、銀薄膜の反射率(波長430nm、550nm、700nm)の膜厚依存性を示す。膜厚は、成膜時間を変化させることで制御した。図4より、膜厚が100nm以下となると、反射率が低下し、膜厚が100nmから350nmの間であれば反射率が安定していることが分かった。よって、使用する銀のコストを考えると、膜厚は100nmから300nmの間であることが好ましい。
次に銀薄膜を形成した基板をRF-DC結合型スパッタ装置から取り出し、図5に示すプラズマCVD用マイクロ波プラズマ処理装置を用いて窒化珪素の表面保護膜を形成した。なお、本実施例においては、銀薄膜を形成する装置と表面保護膜を形成する装置は独立しており、銀成膜後、窒化膜成膜前に一度大気に晒しているが、両装置をクラスター化して、大気に曝すことなく連続的に成膜を行うことが望ましい。
図5を用いて成膜手順を順次説明する。図示されたマイクロ波プラズマ処理装置は複数の排気ポート501を介して排気される処理室502を有し、前記処理室502中には被処理基板503を保持する保持台504が配置されている。処理室502を均一に排気するため、処理室502は保持台504の周囲にリング状の空間を規定しており、複数の排気ポート501は空間に連通するように等間隔で、すなわち、被処理基板503に対して軸対称に配列されている。この排気ポート501の配列により、処理室502を排気ポート501より均一に排気することができる。
処理室502上には、保持台504の処理基板503に対応する位置に、処理室502の外壁の一部として、低マイクロ波誘電損失(誘電損失が1×10−4以下)である誘電体のアルミナよりなり、多数の開口部、即ちガス放出孔505が形成された板状のシャワープレート506がシールリング507を介して取り付けられている。更に、処理室502には、シャワープレート506の外側、即ち、シャワープレート506に対して保持台504とは反対側に、マイクロ波誘電損失が少ない(誘電損失が1×10−4以下)、誘電体のアルミナよりなるカバープレート508が、別のシールリング509を介して取り付けられている。シャワープレート506の上面と、カバープレート508との間には、プラズマ励起ガスを充填する空間5010が形成されている。すなわち、前記カバープレート508において、前記カバープレート508の前記シャワープレート506側の面に多数の突起物5011が形成され、さらに前記カバープレート508の周辺も前記突起物5011と同一面まで突起している突起リング5012が形成されているため、前記シャワープレート506と前記カバープレート508の間に前記空間5010が形成される。前記ガス放出孔505は前記空間5010に配置されている。
シャワープレート506の内部には処理室502の外壁に設けられたプラズマ励起ガス供給ポート5013に連通するプラズマ励起ガスの供給通路5014が形成されている。プラズマ励起ガス供給ポート5013に供給されたアルゴンやクリプトンやキセノン等のプラズマ励起ガスは、供給通路5014から前記空間5010を介してガス放出孔505に供給され、処理室502内へ導入される。
カバープレート508の、シャワープレート506と接している面の反対の面には、プラズマ励起のためのマイクロ波を放射するラジアルラインスロットアンテナが設置されている。ラジアルラインスロットアンテナは、アルミナよりなる遅波板5018が多数のスリット5017が開口されている厚さ0.3mmの銅板5016とアルミのプレート5019とで挟み込まれ、かつ中央にマイクロ波を供給するための同軸導波管5020が配置される構造となっている。
マイクロ波電源(図示せず)より発生した2.45GHzのマイクロ波はアイソレータ・整合器(いずれも図示せず)を介して前記同軸導波管5020へ供給され、前記遅波板5018内を中央から周辺へ向かって前記スリット5017より前記カバープレート508側へ放射しながら伝播する。結果として多数に配置されたスリット5017より実質的に均一にマイクロ波がカバープレート508側に放射される。放射されたマイクロ波は、前記カバープレート506、前記空間5010または前記突起物5011、前記シャワープレート506を介して前記処理室2へ導入され、プラズマ励起ガスを電離することで高密度プラズマが生成される。
図示されたプラズマ処理装置では、処理室502中、シャワープレート506と被処理基板503との間に導体構造物5015が配置されている。この導体構造物5015は、外部の処理ガス源(図示せず)が処理室502に形成された処理ガス通路5022を介して処理ガスを供給する多数のノズル5023が形成されている。ノズルは、供給された処理ガスを、導体構造物5015と被処理基板503との間の空間に放出する。導体構造物5015には隣接するノズルとの間に、前記シャワープレート506の前記導体構造物5015の側の面でマイクロ波により励起されたプラズマを前記被処理基板3と前記導体構造物5015との間の空間に拡散により効率よく通過させるような大きさの開口部5024が形成されている。
このような構造を有する導体構造物5015からノズルを介して処理ガスを前記空間に放出した場合、放出された処理ガスは前記空間に流入したプラズマによって励起される。ただし、前記シャワープレート506からのプラズマ励起ガスがシャワープレート506と導体構造物5015との間の空間から、導体構造物5015と被処理基板503との間の空間へ向かって流れているため、処理ガスがシャワープレート506と導体構造物5015との間の空間へ戻る成分は少なく、高密度プラズマに晒されることによる過剰解離によるガス分子の分解が少なく、かつ処理ガスが堆積性ガスであってもシャワープレート506への堆積によるマイクロ波導入効率の劣化などが起こりづらいため、高品質な基板処理が可能である。
本実施例においては、まず基板表面のクリーニングのため、被処理基板503を保持台504に設置した後、板状シャワープレート506のガス放出孔505よりアルゴンを400cc/分の割合で導入し、前記導体構造物5015のノズルより、前記導体構造物5015と被処理基板503との間の空間に、アルゴンを120cc/分の割合で導入し、図示しない圧力調整バルブにより、処理室内の圧力を200mTorrに設定した。次に同軸導波管5020へ、2.45GHzのマイクロ波を2kW導入し、ラジアルラインスロットアンテナの多数のスリット5017により、実質的に均一にマイクロ波電力を処理室502の内部に導入し、アルゴンプラズマを30秒励起した。アルゴンイオンが低エネルギーのイオン照射エネルギーで照射されたため、銀表面の水分や有機物が除去された。
次に、プラズマを消すことなく、即ち、シャワープレート506の放出孔505および前記導体構造物5015のノズルによるアルゴンガスの導入、及びマイクロ波電力を止めることなく、連続的に追加でシャワープレート506の放出孔505よりアンモニアガスを40cc/分、及びおよび前記導体構造物5015のノズルからシランガスを、それぞれ20cc/分の割合で20秒導入した。圧力は200mTorrに設定した。低電子温度の拡散プラズマ空間にシランガスを導入することでシランガスの過剰解離を抑制することにより、高品質な窒化珪素を8nm堆積させた。次に、窒化珪素の最表面を強固なシリコン−窒素結合にするために、プラズマを消すことなく、シランガスの導入のみを止め、アルゴンおよびアンモニアガスのプラズマを30秒励起した。このことにより、NHラジカルを大量に発生させ被処理基板へ照射することで、基板最表面に強固なシリコン−窒素結合を形成させ、表面保護膜を形成した。
なお、成膜時間を変化させることで堆積される窒化珪素の膜厚を変化させた結果、窒化珪素膜厚を5nm、8nm、10nm、15nmとした場合の、波長430nmの光の反射率はそれぞれ96.5%、96.2%、94.0%、90.0%となり、窒化珪素の膜厚が厚ければ厚いほど反射率が低下することが分かった。よって、窒化珪素による銀の腐食耐性に対する保護効果が得られる限り、窒化珪素の膜厚は薄い方が望ましく、96%以上の反射率を得るためには8nm程度以下であることが望ましい。
このようにして形成した図1に示す反射部材の、各波長すなわち青(430nm)、緑(550nm)、赤(700nm)の形成直後の反射率、および2つの劣化加速試験後、すなわち純水100℃煮沸3時間、および高温高湿度(温度60℃、湿度90%)試験1000時間後の反射率を図6にそれぞれ示す。同図からも分かるように、反射率が全く劣化していない。
なお、窒化珪素保護膜が5nmの場合は、純水100℃煮沸3時間で波長430nmの光の反射率で96.5%から96.2%とわずかに劣化し、また保護膜が無い場合においては、純水100℃煮沸10分行っただけで反射率が90%以下となっていることも同時に確認しており、保護膜による耐性向上が明らかとなった。
本発明の第2の実施例について、図面を参照して説明する。なお、第1の実施例と重複する部分はその説明を適宜省略する。
図7を参照すると、本発明の第2の実施例に係る可視光反射板700は、基板701の一表面上に形成された反射層702を有している。図示された基板701は、0.7〜2mmの厚さを有するプラスチック材料(具体的にはシクロオレフィンポリマー)によって形成されている。反射層702上には窒化珪素よりなる表面保護膜703が形成されている。
図示された反射層702は、(111)面を主要な面方位とした銀薄膜である。(111)面を主要な面方位とした銀薄膜は、図2に示すRF-DC結合型スパッタ装置を用いて成膜した。本実施例においては、基板表面クリーニングおよび銀成膜時にアルゴンガスの替わりにキセノンガスを用いた。また、基板直流電圧を電気的浮遊状態にして銀成膜を行った。基板電位を浮遊状態にすることは、基板用直流電源が不要でありコスト削減につながると同時に、基板が大型化したときに安定した基板電位を確保しやすいという点で利点がある。
図8に、波長430nmの光の反射率と規格化イオン照射量の依存性を、アルゴンガス、クリプトンガス、キセノンガスを用いた場合について示す。キセノンを用いて規格化イオン照射量が2程度のときに高い反射率を示している。
また、図9に、規格化イオン照射量と比抵抗の関係を、アルゴンガス、クリプトンガス、キセノンガスを用いた場合について示す。イオン照射量が1から2程度の時に、銀のバルク値1.59μΩcmを示していた。よって、本実施形態においては、規格化イオン照射量を2に設定して銀薄膜を形成した。
銀薄膜形成後に窒化珪素からなる表面保護膜を形成して作成した反射部材の、各波長の反射率と劣化加速試験結果を図10に示す。図10に示す通り、本実施形態において高反射率で劣化の全く発生しない反射部材が実現できた。
図11の(a)に、一般的な蒸着装置で成膜した膜厚130nmの銀薄膜、および本実施例において成膜した銀薄膜のX線回折解析の結果を示す。さらに、同図の(b)に本実施例において作成された反射部材の、表面保護膜形成前、及び表面保護膜形成後、および劣化加速試験(純粋100℃煮沸3時間)後の結果も併せて示す。図から分かる通り、本実施例において得られた銀薄膜は99%以上が(111)面を有しているのに対し、蒸着で得られた銀は(111)面方位が95%以下であり、(111)面以外にも、(200)面、(311)面および(222)面を有していることが分かった。また、表面保護膜形成後および劣化加速試験後も銀が99%以上(111)面を有していることが確認された。このように、全く劣化の発生しない反射部材が実現できた。
次に本発明の第3の実施例について説明する。なお、第一および第二の実施形態と重複する部分は適宜説明を省略する。
図12に示す本発明の第3の実施例に係る可視光反射板1200は、基板1201の一表面上に形成された反射層1202を有している。図示された基板1201は、0.7〜2mmの厚さを有するプラスチック材料(具体的にはシクロオレフィンポリマー)によって形成されている。反射層1202上には窒化珪素よりなる表面保護膜1303が形成されている。
図示された反射層1202は、(111)面を主要な面方位とした銀薄膜である。(111)面を主要な面方位とした銀薄膜は、図2に示すRF-DC結合型スパッタ装置を用いて成膜した。本実施例においては、基板を処理室に搬送した後に、ガス供給ポート210より、アルゴンガスを790cc/分の割合で処理室へ導入し、処理室内の圧力を30mTorrとして銀薄膜を成膜した。
図13に、波長430nmの光の反射率の、規格化イオン照射量依存性を処理室圧力12mTorr、20mTorr、30mTorrについて示してある。基板電位は電気的浮遊状態としている。圧力が20mTorr、および30mTorrの時にはアルゴンガスで基板電位を電気的浮遊状態にした場合に、規格化イオン照射量が1から2程度の時に高い反射率が得られている。本実施例においては、処理室圧力を30mTorrとし、規格化イオン照射量を1.6に設定して銀薄膜を形成した。アルゴンガスはキセノンガスに比べてコスト低減の点で好ましい。
銀薄膜形成後に窒化珪素からなる表面保護膜を形成して作成した反射部材の、各波長の反射率と劣化加速試験結果を図14に示す。図14に示す通り、本実施例において高反射率で劣化の全く発生しない反射部材が実現できた。
次に本発明の第4の実施例について説明する。なお、前述した実施例と重複する部分は適宜説明を省略する。
図17は、第4の実施例の可視光反射板で、基板1701には、Siを使用している。表面保護膜1703は窒化珪素の膜である。反射膜1702は、銀膜であるが、この実施例では反射膜の銀の結晶構造は主として(200)面の配向を有する。
2インチ径の純銀をターゲットにし、25mm×25mmのSiウエハを成膜基板として、Ar圧力12mTorr、ターゲットDCを−150V,RFとして100MHzの高周波を100W供給し、Si基板をフローテイングとし、加熱して、スパッタリングによって厚さ300nm成膜した。
基板加熱温度を変えることによって得られる反射膜の特性を調べた。図18はその特性を示すもので、右縦軸は波長430nmにおけるその反射率を示す。同図から明らかなように、加熱により短波長での反射率が向上するが、特に、100℃以上で改善が見られる。
さらに、同図には、得られる銀膜のX線回折によるピーク強度(左縦軸)の基板温度依存性を示してある。これらピークは配向が(200)面及び(100)面からのピーク強度である。
基板温度100℃以上で反射率が向上するのは、(200)面の配向が強くなるためと考えられる。
図19は、(200)面の配向と(111)面の配向のピーク強度比の温度依存性を示す。図18及び図19から、特に反射率の改善が見られる100℃での(111面の)配向に対する(200)面の配向の比は約500で、この比が500以上になるように成膜することが望ましい。
また、図20は、室温で成膜した場合と、200℃で成膜した場合の反射率の波長依存性を示す。室温で成膜した場合に比べ200℃での成膜では(200)面の配向が強く、短波長側の反射率低下が少ないことがわかる。
銀スパッタ膜は基板温度を上げることによって、スパッタ粒子が基板に到達してから、熱エネルギーを受けてマイグレーションし、(200)面に配向しやすくなる。特に、Si基板などの結晶性の基板では、基板の配向の影響を受けて(200)面に配向しやすくなり、それに伴って反射率も向上すると考えられる。
なお、上記実施例では、Si基板を用いたが、非晶質材料の基板例えばガラス基板の場合でも、基板温度を上げることによって銀の結晶構造(200)面の配向の比率を上げることによって、反射率を高めることができる。
図15を参照して、本発明の可視光反射部材を使用した大型平板液晶ディスプレイのバックライトユニットの実施例について説明する。図示されたバックライトユニット1520は、陰極蛍光ランプ(CCFL)1501、1502、CCFL1501、1502の上部に間隔を置いて位置付けられた拡散板1503、拡散板1503の表裏面に施された拡散塗料1504、1505とを備えている。更に、本発明の可視光反射部材1506は、CCFL1501、1502を挟んで拡散板1503と対向するように配置され、ここでは、製造される反射部材に光指向性を持たせるために、数ミクロン幅のギザギザが転写されたフレネル構造を有するプラスチック材料によって形成された基板上に、銀薄膜からなる反射部材、及び窒化珪素からなる表面保護膜を形成した。なお、光指向性を持たせるために、フレネル構造以外の表面形状を有する基板を用いることが可能であるのは言うまでもない。ただし、面構造は、基板面のどの部分も銀膜及び窒化珪素膜の成膜時にイオン照射を受けプラズマが基板面の凹凸部分にも入り込んで基板面の全部の部分に接触できるような構造が望ましい。
図示されたバックライトユニット1520において、矢印で示すように、互いに隣接するCCFL1501、1502からの光は、反射部材1506によって反射される。また、当該可視光反射部材1506のフレネル構造によって、凹面鏡と同等の反射を行うので、反射光が広がることがなく拡散板1503に入射するので、一段と明るい全面光を得ることが出来る。したがって、図示されたバックライトユニットは大型平板液晶ディスプレイバックライトユニット用反射板に最適である。また、CCFLの必要数を従来より減らすことが出来、ディスプレイの省エネルギー化をもたらすことができる。
図16を参照して、本発明の可視光反射部材を使用したリアプロジェクションテレビ1600の実施例について説明する。高圧水銀ランプからなる光源1601より発する光は、液晶パネル1602を介し青、緑、赤からなる光束に変換される。光束は第一の可視光反射部材1603により反射され、投射レンズ1604へ入射する。ここで、第一の可視光反射部材1603はシクロオレフィンポリマーからなる基板と、銀薄膜からなる反射層と窒化珪素からなる表面保護層を有している。投射レンズ1604により拡大された光束は、第二の可視光反射部材1605により投影スクリーン1606へ入射され、画像に変換された。ここで、第二の可視光反射部材1605はシクロオレフィンポリマーからなる基板と、銀薄膜からなる反射層と窒化珪素からなる表面保護層を有している。本実施例によるリアプロジェクションテレビは、反射部材による光の損失が減ったため、テレビ画像の輝度の向上、および低消費電力化を実現できた。
本発明の反射膜について、実施例5及び6では、フラットデイスプレイのバックライト、リアプロジェクションテレビへの適用について説明したが、これらへの応用に限らず、車両用ヘッドライトの反射膜、プロジェクターランプ用反射膜、ミラープロジェクションアライナー用反射膜、多重反射光学機器用反射膜にも適用できる。
本発明の第1の実施例に係る可視光反射部材の断面図である。 本発明の実施に使用するRF-DC結合型スパッタ装置の模式図である。 本発明の第1の実施例における銀薄膜の反射率の光の波長依存性の測定結果を示す図である。 本発明の第1の実施例で得られた銀薄膜の反射率の膜厚依存性を示す図である。 本発明の実施例において窒化珪素膜の成膜に用いるマイクロ波プラズマ処理装置の模式図である。 本発明の第1の実施例で得られた可視光反射部材の膜形成直後、純水100℃煮沸3時間、および高温高湿度試験1000時間後の反射率を示す図である。 本発明の第2の実施例に係る可視光反射部材の断面図である。 本発明の第2の実施例における銀薄膜の波長430nmの光の反射率と規格化イオン照射量の依存性を示す図である。 本発明の第2の実施例における規格化イオン照射量と比抵抗の関係を、アルゴンガス、クリプトンガス、キセノンガスを用いた場合について示す図である。 本発明の第2の実施例における銀薄膜形成後に窒化珪素からなる表面保護膜を形成して作成した反射部材の、各波長の反射率と劣化加速試験結果を示す図である。 一般的な蒸着装置で成膜した銀薄膜、および本発明の第2の実施例において成膜した銀薄膜の銀由来面方位のピーク、並びに第2の実施例において作成された反射部材の、表面保護膜形成前、及び表面保護膜形成後、および劣化加速試験(純粋100℃煮沸3時間)後のX線回折解析の結果を示す図である。 本発明の第3の実施例に係る可視光反射部材の断面図である。 波長430nmの光の反射率の、規格化イオン照射量依存性を処理室圧力をパラメータとして表示した図である。 本発明の第3の実施例における銀薄膜形成後に窒化珪素からなる表面保護膜を形成して作成した反射部材の、各波長の反射率と劣化加速試験結果を示す図である。 本発明の可視光反射部材を使用した大型平板液晶ディスプレイのバックライトユニットの実施例を示す模式図である。 本発明の可視光反射部材を使用したリアプロジェクションテレビの実施例を示す模式図である。 第4の実施例の可視光反射部材の断面図である。 第4の実施例における銀膜の反射率及びX線回折強度の成膜基板温度依存性を示す図である。 第4実施例における銀膜の(200)配向と(111)配向のピーク強度比の成膜基板温度依存性を示す図である。 第4実施例における室温で成膜した場合と、200℃で成膜した場合の反射率の波長依存性を示す図である。
符号の説明
100、700、1200、1700 反射部材
101、701,1201、1701 基板
102、702、1202、1702 銀薄膜
103、703、1203、1703 窒化珪素膜
200 RF−DC結合型スパッタ装置
201 処理室
202 銀ターゲット
204 基板
205 高周波電源
208 ターゲット用直流電源
500 プラズマCVD用マイクロ波処理装置
503 被処理基板
504 保持台
506 上段シャワープレート
1501,1502 冷陰極蛍光ランプ
1503 拡散板
1506 反射部材
1520 バックライトユニット
1600 リアプロジェクション液晶ディスプレイ
1603,1605 可視光反射部材
1606 投影スクリーン
2011 基板用直流電源
2015 載置台(ステージ)
5015 導体構造物(下段シャワープレート)

Claims (37)

  1. 基板に形成した銀薄膜と、前記銀薄膜上に形成した窒化珪素膜を含むことを特徴とする反射部材。
  2. 前記銀薄膜は、(111)面を主要な面方位とする銀薄膜であることを特徴とする請求項1記載の反射部材。
  3. 前記銀薄膜は、99%以上が(111)面を主要な面方位とする銀薄膜であることを特徴とする請求項2記載の反射部材。
  4. 前記銀薄膜は、波長430nmにおいて96%以上の反射率を有することを特徴とする請求項1記載の反射部材。
  5. 前記銀薄膜の膜厚は、100nmから350nmの範囲の膜厚であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1の請求項記載の反射部材。
  6. 前記窒化珪素膜の膜厚は5nmから8nmであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1の請求項記載の反射部材。
  7. 前記基板は、0.7mmから2mm厚のプラスチック材料であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1の請求項記載の反射部材
  8. 前記基板は可撓性のある樹脂であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1の請求項記載の反射部材。
  9. 前記基板は40μ以上の厚みを有することを特徴とする請求項8記載の反射部材。
  10. 前記銀薄膜は、不活性ガスのプラズマによるターゲット銀試料のスパッタにより形成されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1の請求項記載の反射部材。
  11. 前記不活性ガスはアルゴンであることを特徴とする請求項10記載の反射部材。
  12. 前記不活性ガスは、キセノンであることを特徴とする請求項10記載の反射部材。
  13. 前記基板にプラズマ中のアルゴンイオンを照射して基板表面のクリーニングを行った後に前記銀薄膜が形成されることを特徴とする請求項11記載の反射部材。
  14. 前記窒化珪素膜は、プラズマ用ガスとアンモニアの混合ガスを供給してプラズマを生成し、シランガスをプラズマで励起し、アンモニアとのCVDによって成膜することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1の請求項記載の反射部材。
  15. 前記銀薄膜は、(200)面を主要な面方位とする銀薄膜であることを特徴とする請求項1記載の反射部材。
  16. 前記銀薄膜は(100)面の配向を含み、前記(100)面配向に対する(200)面配向の比が500以上であることを特徴とする請求項15記載の反射部材。
  17. 前記基板はSi基板又は非結晶質材料であることを特徴とする請求項15記載の反射部材。
  18. 請求項1乃至17のいずれか1の請求項記載の反射部材を液晶ディスプレイバックライトユニットの反射部材に使用したことを特徴とするバックライトユニット。
  19. 請求項18記載のバックライトユニットにおいて、前記基板はフレネル構造を有する基板であることを特徴とするバックライトユニット。
  20. 請求項1乃至17のいずれか1の請求項記載の反射部材をプロジェクション型液晶ディスプレイ装置の反射部材に使用することを特徴とるすプロジェクション型液晶ディスプレイ装置。
  21. 請求項20記載のプロジェクション型液晶ディスプレイ装置は、リアプロジェクション型であることを特徴とするプロジェクション型液晶ディスプレイ装置。
  22. 請求項15又は16のいずれか1の請求項記載の反射部材を用いた車両用ヘッドライト用反射鏡。
  23. 請求項15又は16のいずれか1の請求項記載の反射部材を用いたプロジェクタ用反射鏡。
  24. 請求項15又は16のいずれか1の請求項記載の反射部材を用いたミラープロジェクションアライナー用反射鏡。
  25. 請求項15又は16のいずれか1の請求項記載の反射部材を用いた多重反射光学機器用反射鏡。
  26. 基板に形成した銀薄膜と前記銀薄膜上に形成した窒化珪素膜を含む反射部材の製造方法において、不活性ガスのプラズマによるターゲット銀試料のスパッタにより銀薄膜を形成することを特徴とする反射部材の製造方法。
  27. 前記窒化珪素膜は、プラズマ用ガスとアンモニアの混合ガスを供給してプラズマを生成し、シランガスをプラズマで励起し、アンモニアとのCVDによって成膜することを特徴とする請求項26記載の反射部材の製造方法。
  28. 基板に形成した銀薄膜と前記銀薄膜上に形成した窒化珪素膜を含む反射部材の製造方法において、処理室内に設置したターゲット及び基板載置台と、前記ターゲットに供給する第1の直流電源と、ターゲットを介して処理室内部に高周波を供給する高周波電源と、前記処理室にプラズマを生成するガスを供給する手段とを含むRF−DC結合型スパッタ装置を使用し、前記ターゲットに設置した銀の試料と前記載置台との空間に不活性ガスを供給してプラズマを生成し、前記銀のスパッタリングによって前記基板表面に銀薄膜を形成することを特徴とする反射部材の製造方法。
  29. 前記第1の直流電源と前記高周波電源の出力を調整して前記基板に堆積する銀の成膜レートとイオン照射量を制御して銀薄膜を形成することを特徴とする請求項28記載の反射部材の製造方法。
  30. 前記不活性ガスとしてアルゴンを使用することを特徴とする請求項28記載の反射部材の製造方法。
  31. 前記基板表面に銀薄膜を形成する前に基板表面を処理室内にアルゴンのプラズマを生成し、アルゴンイオンを前記基板表面に照射してクリーニングを行うことを特徴とする請求項30記載の反射部材の製造方法。
  32. 前記基板載置台を介して第2の直流電源を供給し、プラズマ電位と基板電圧の差分で規定されるアルゴン照射エネルギーを設定することを特徴とする請求項31記載の反射部材の製造方法。
  33. 前記アルゴン照射エネルギーが15eV以下であることを特徴とする請求項32記載の反射部材の製造方法。
  34. 前記不活性ガスとしてキセノンを使用することを特徴とする請求項29記載の反射部材の製造方法。
  35. 成膜される銀原子1個に対するキセノンイオン照射量である規格化イオン照射量を1から3の範囲で成膜することを特徴とする請求項33記載の反射部材の製造方法。
  36. 請求項28乃至34のいずれか1に記載の反射部材の製造方法において、前記銀薄膜形成後、マイクロ波で励起されたプラズマをシャワー状に放出する上段シャワープレートと、前記上段シャワープレートの下段に載置台と対向して配置され反応性ガスを供給する複数のノズルを有する配管を所定の開口部が形成されるようにグリッド状に配列した下段シャワープレートとを有するマイクロ波プラズマ処理装置を用い、前記上段シャワープレートから供給されるアルゴンガス及びアンモニアガスでプラズマを生成し、前記下段シャワープレートから供給されるシランガスとの反応によって前記銀薄膜上に窒化珪素膜を形成することを特徴とする反射部材の製造方法。
  37. 前記窒化珪素膜の形成後、プラズマを励起した状態でシランガスの供給を停止し、NHラジカルを大量に発生させ前記窒化珪素膜へ照射し強固なシリコン−窒素結合を形成することを特徴とする請求項36記載の反射部材の製造方法。
JP2006201896A 2005-07-26 2006-07-25 高反射率可視光反射部材及びそれを用いた液晶ディスプレイバックライトユニット並びに高反射率可視光反射部材の製造方法 Pending JP2007058194A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006201896A JP2007058194A (ja) 2005-07-26 2006-07-25 高反射率可視光反射部材及びそれを用いた液晶ディスプレイバックライトユニット並びに高反射率可視光反射部材の製造方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005215404 2005-07-26
JP2006201896A JP2007058194A (ja) 2005-07-26 2006-07-25 高反射率可視光反射部材及びそれを用いた液晶ディスプレイバックライトユニット並びに高反射率可視光反射部材の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007058194A true JP2007058194A (ja) 2007-03-08

Family

ID=37921703

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006201896A Pending JP2007058194A (ja) 2005-07-26 2006-07-25 高反射率可視光反射部材及びそれを用いた液晶ディスプレイバックライトユニット並びに高反射率可視光反射部材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007058194A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010243849A (ja) * 2009-04-07 2010-10-28 Geomatec Co Ltd 光学薄膜積層体及び電子機器用ケース
WO2010150824A1 (ja) * 2009-06-24 2010-12-29 古河電気工業株式会社 光半導体装置用リードフレーム、光半導体装置用リードフレームの製造方法、および光半導体装置
JP2011158888A (ja) * 2010-01-08 2011-08-18 Central Glass Co Ltd 反射体及び該反射体を用いた可視光反射部材
WO2014054817A1 (ja) * 2012-10-05 2014-04-10 古河電気工業株式会社 銀反射膜、光反射部材、および光反射部材の製造方法
JP2014089926A (ja) * 2012-10-31 2014-05-15 Toppan Forms Co Ltd 銀膜
JP2017516918A (ja) * 2014-05-28 2017-06-22 サン−ゴバン グラス フランス 酸化ニッケル層上に結晶化した銀製の機能層を含む材料
JP2018036604A (ja) * 2016-09-02 2018-03-08 コニカミノルタ株式会社 光反射フィルム及び液晶表示装置用バックライトユニット
JP2020511687A (ja) * 2017-03-01 2020-04-16 アイウェイ ビジョン リミテッドEyeWay Vision Ltd. ビデオシースルー型ディスプレイシステム
WO2022264426A1 (ja) * 2021-06-18 2022-12-22 日本電信電話株式会社 ニオブ酸リチウム結晶薄膜の成膜方法およびニオブ酸リチウム結晶薄膜を含む積層体

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1160398A (ja) * 1997-08-12 1999-03-02 Res Dev Corp Of Japan 単結晶質銀薄膜又は単結晶銀の作製方法
JP2005070240A (ja) * 2003-08-22 2005-03-17 Tsujiden Co Ltd バックライト用の反射フイルム

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1160398A (ja) * 1997-08-12 1999-03-02 Res Dev Corp Of Japan 単結晶質銀薄膜又は単結晶銀の作製方法
JP2005070240A (ja) * 2003-08-22 2005-03-17 Tsujiden Co Ltd バックライト用の反射フイルム

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010243849A (ja) * 2009-04-07 2010-10-28 Geomatec Co Ltd 光学薄膜積層体及び電子機器用ケース
WO2010150824A1 (ja) * 2009-06-24 2010-12-29 古河電気工業株式会社 光半導体装置用リードフレーム、光半導体装置用リードフレームの製造方法、および光半導体装置
JPWO2010150824A1 (ja) * 2009-06-24 2012-12-10 古河電気工業株式会社 光半導体装置用リードフレーム、光半導体装置用リードフレームの製造方法、および光半導体装置
JP2011158888A (ja) * 2010-01-08 2011-08-18 Central Glass Co Ltd 反射体及び該反射体を用いた可視光反射部材
WO2014054817A1 (ja) * 2012-10-05 2014-04-10 古河電気工業株式会社 銀反射膜、光反射部材、および光反射部材の製造方法
KR20150064096A (ko) 2012-10-05 2015-06-10 후루카와 덴키 고교 가부시키가이샤 은 반사막, 광반사 부재, 및 광반사 부재의 제조방법
JPWO2014054817A1 (ja) * 2012-10-05 2016-08-25 古河電気工業株式会社 銀反射膜、光反射部材、および光反射部材の製造方法
JP2014089926A (ja) * 2012-10-31 2014-05-15 Toppan Forms Co Ltd 銀膜
JP2017516918A (ja) * 2014-05-28 2017-06-22 サン−ゴバン グラス フランス 酸化ニッケル層上に結晶化した銀製の機能層を含む材料
JP2018036604A (ja) * 2016-09-02 2018-03-08 コニカミノルタ株式会社 光反射フィルム及び液晶表示装置用バックライトユニット
JP2020511687A (ja) * 2017-03-01 2020-04-16 アイウェイ ビジョン リミテッドEyeWay Vision Ltd. ビデオシースルー型ディスプレイシステム
WO2022264426A1 (ja) * 2021-06-18 2022-12-22 日本電信電話株式会社 ニオブ酸リチウム結晶薄膜の成膜方法およびニオブ酸リチウム結晶薄膜を含む積層体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100966781B1 (ko) 고반사율 가시광 반사 부재 및 그것을 이용한 액정디스플레이 백라이트 유닛, 그리고 고반사율 가시광 반사부재의 제조 방법
JP2007058194A (ja) 高反射率可視光反射部材及びそれを用いた液晶ディスプレイバックライトユニット並びに高反射率可視光反射部材の製造方法
USRE41747E1 (en) Metal film and metal film-coated member, metal oxide film and metal oxide film-coated member, thin film forming apparatus and thin film forming method for producing metal film and metal oxide film
JP3808917B2 (ja) 薄膜の製造方法及び薄膜
TW320687B (ja)
US20100096569A1 (en) Ultraviolet-transmitting microwave reflector comprising a micromesh screen
JPH08220304A (ja) 光学物品及びそれを用いた露光装置又は光学系並びにその製造方法
US7410287B2 (en) Backlight with light diffusion and brightness enhancement structures and method for producing such
JP2007248562A (ja) 光学物品およびその製造方法
JP4414663B2 (ja) 液晶ディスプレイバックライトユニット用可視光反射部材と可視光反射部材の製造方法
JPH11176593A (ja) プラズマ処理装置および光学部品の製造法
US5681394A (en) Photo-excited processing apparatus and method for manufacturing a semiconductor device by using the same
CN109581564B (zh) 一种具有结构色彩的多层金属陶瓷薄膜及其制备方法
JP2002339084A (ja) 金属膜および金属膜被覆部材
US8294352B2 (en) Fluorescent lamp
JP2003114313A (ja) 反射鏡およびこれを用いた映像プロジェクタ装置
US5368647A (en) Photo-excited processing apparatus for manufacturing a semiconductor device that uses a cylindrical reflecting surface
JP2005181990A (ja) 薄膜構造体およびその製造方法
US5164221A (en) Forming die manufacturing method
JP2004170744A (ja) 配向膜形成方法、配向膜形成装置、液晶パネル、液晶プロジェクタおよび電子機器
Goto et al. Study of the reflectivity of silver films deposited by radio frequency and direct current coupled magnetron sputtering
US20050072669A1 (en) Deposition apparatus, deposition method, optical element, and optical system
JPH03276625A (ja) 半導体装置の製造装置
JP2757221B2 (ja) 酸窒化アルミニウムの合成方法
JPH04365318A (ja) 表面処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100908

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20100922

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20100922

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110119