JP2007054012A - L−スレオ型高立体選択性l−スレオニンアルドラーゼおよびそれをコードする遺伝子 - Google Patents

L−スレオ型高立体選択性l−スレオニンアルドラーゼおよびそれをコードする遺伝子 Download PDF

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Abstract

【課題】光学活性体のL−threo−DOPSを選択的に合成できる、高い活性を有する、L−スレオ型高立体選択性L−スレオニンアルドラーゼを提供する。
【解決手段】ストレプトマイセス属細菌から、L−スレオニンアルドラーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNAを取得した。このタンパク質の特定のアミノ酸1ないし数個が付加、欠失、もしくは置換されたアミノ酸配列からなり、かつL−スレオ型高立体選択性L−スレオニンアルドラーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子を、大腸菌に導入して発現させた。
【選択図】なし

Description

本発明は、産業上有用な光学活性L−スレオ−3,4−ジヒドロキシフェニルセリン(以下、L−threo−DOPSと略記する)を合成するのに有利なL−スレオ型立体選択性を有するL−スレオニンアルドラーゼを遺伝子工学的手法により提供するものであり、さらに、この遺伝子を導入した組換え微生物を利用した合成反応によって、産業上有用なβ−ヒドロキシアミノ酸誘導体であるL−threo−DOPSの製造法を提供するものである。より具体的には、本発明は、L−threo−DOPSの合成に有用なL−スレオ型立体選択性を有するL−スレオニンアルドラーゼをコードする遺伝子およびその組換えベクターと形質転換体を提供し、この遺伝子を導入した組換え微生物による合成反応により、産業上有用なβ−ヒドロキシアミノ酸誘導体であるL−threo−DOPSの製造法を提供するものである。
β−ヒドロキシアミノ酸誘導体の一種であるL−threo−DOPSは、体内で芳香族アミノ酸脱炭酸酵素により天然型のノルアドレナリンとなり、すくみ足や起立性低血圧に有効なノルアドレナリンの前駆物質として、年間60億円以上の市場があるパーキンソン病の治療薬である。これらは現在、化学合成法により合成されているが、L−threo−DOPSの化学合成については多段階の面倒な保護・脱保護を必要とし、また、合成物質は4種類の異性体からなり、目的のL−threo−DOPSを得るためには繁雑な分離工程や分割工程を必要とし、非常に高価な医薬品となる。即ち、ベンズアルデヒド誘導体とグリシンを強アルカリ存在下で縮合させ、ラセミ−スレオ/エリスロ−フェニルセリン誘導体を得た後、スレオ/エリスロ体の相互分離処理を行い、エリスロ−体を除く。次に、得られたラセミ−スレオ−フェニルセリン誘導体のアミノ酸部分に置換基を導入した後、キニン、ブルシンなどの光学分割剤を用いて光学分割を行い、最後にアミノ基部分の置換基を除去しなければならないなど非常に複雑なプロセスである。
一方、酵素による一段階合成法は化学合成と比べ、面倒な保護・脱保護を必要としないなどメリットは大きく、さらに安価な基質を利用することにより安価で合成することができる。酵素による一段階合成法は最も簡単かつ効率的で、近年最も注目され、様々なβ−ヒドロキシアミノ酸の一段階合成に利用されている。酵素による一段階合成法でβ−ヒドロキシアミノ酸誘導体を合成できる酵素としてスレオニンアルドラーゼが知られている。スレオニンアルドラーゼ(EC4.1.2.5)は、β−ヒドロキシアミノ酸を分解して、グリシンとアルデヒドを生成する反応を触媒することで知られている酵素である。この酵素は二つの不斉炭素原子を有するスレオニンを基質とした場合、α−位の立体特異性によって、L−タイプとD−タイプに区別される。さらに、β−位の立体特異性によりL−スレオニンにのみ作用するL−スレオニンアルドラーゼ、L−アロスレオニンにのみ作用するL−アロスレオニンアルドラーゼ、さらにL−スレオニンとL−アロスレオニンの両方に作用する低立体選択性L−スレオニンアルドラーゼに分類されている。D−タイプでも同様に分けられる(非特許文献1〜3)。
酵素による一段階合成法は、エシェリヒア属に属す微生物などにより得られるL−スレオニンアルドラーゼや、バチルス属に属す微生物により得られるフェニルセリンアルドラーゼに様々なアルデヒド誘導体とグリシンを作用させL−スレオ−フェニルセリン誘導体を得る方法が知られている。しかし、これら公知の微生物による一段階合成法に利用されているL−スレオニンアルドラーゼは、立体選択性であるスレオ体/エリスロ体比率に関する記載がなく、L−エリスロ−フェニルセリン誘導体の合成量は不明であったり(特許文献1〜5)、又、エシェリシア属に属する微生物由来のL−スレオニンアルドラーゼを用いた場合のベンズアルデヒド誘導体とグリシンからL−スレオ−フェニルセリン誘導体を合成する場合の選択性は−50〜46%d.e.(非特許文献1)、シュードモナス属に属する微生物により得られるL−スレオニンアルドラーゼにアルデヒド誘導体とグリシンを作用させてL−スレオ−フェニルセリン誘導体を合成する場合の選択性は57.5〜100%d.e.(非特許文献2)、アエロモナス属に属する微生物により得られるL−アロ−スレオニンアルドラーゼにベンズアルデヒドとグリシンを作用させてL−スレオ−フェニルセリンを合成する場合の選択性は73.2%d.e.(非特許文献3)であることが知られているが、その他の微生物での報告はなかった。
特に、発明者らが目的とするL−threo−DOPSの酵素縮合反応での立体選択性を示した例は非特許文献2のみである。尚、選択性を表わす指標(%d.e.)は次の計算式により算出される。選択性(%d.e.)={(L−スレオ体−L−エリスロ体)÷(L−スレオ体+L−エリスロ体)}×100
特公昭52−46313号公報 特公昭51−6239号公報 特公昭54−3952号公報 特公昭54−12554号公報 特開平9−238680号公報 キムラ・ティー(Kimura,T.)他3名、ジヤーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエテイー(J.Am.Chem.Soc.)、1997年、第119巻、p.11734−11742 リウ・ジェイ・キュー(Liu,J.Q)他5名、アプライド・マイクロバイオロジー・アンド・バイオテクノロジー(Appl Microbiol Biotechnol)、1998年、第49巻、p.702−708 日本農芸化学会誌、1998年、第72(5)巻、p.746−747
今までにも多数のL−スレオニンアルドラーゼが単離され、機能解析が進められているが、一段階合成反応では、目的としているL−threo−DOPS以外にもL−erythro−DOPSを副生してしまう欠点を有している。即ち、L−erythro−DOPSの副生が少なく、光学活性体のL−threo−DOPSを高選択的に合成できる活性を有し、尚かつ高い生産能力を有するL−スレオ型のL−スレオニンアルドラーゼは知られていなかった。従って、本発明はL−threo−DOPSを高選択的に合成することを目的として、これらの反応を触媒するL−スレオ型高立体選択性L−スレオニンアルドラーゼをコードする遺伝子を取得し、また、そのような遺伝子を導入・発現した組換え微生物の利用により、上記のL−threo−DOPSを高選択的に合成する方法を提供しようとするものである。
本発明者らは、放線菌であるストレプトマイセス属から、3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒドとグリシンを基質とし、β−ヒドロキシアミノ酸誘導体の合成に関与する遺伝子を取得するべく鋭意検討を行った。その結果、ストレプトマイセス属細菌から取得したL−スレオニンアルドラーゼをコードする遺伝子がβ−ヒドロキシアミノ酸誘導体の合成に関与することを見出した。しかし、該L−スレオニンアルドラーゼを用いた合成反応により得られたβ−ヒドロキシアミノ酸誘導体はL−スレオ/エリスロ−フェニルセリン誘導体の混合物であったためスレオ体/エリスロ体の相互分離処理を行い、エリスロ−体を除く必要があった。そこで、本発明者らは、例えばランダム変異導入法による変異遺伝子ライブラリーを作製し、該ライブラリーからL−スレオ型高立体選択性L−スレオニンアルドラーゼを産生する変異株を取得し、さらに研究を重ねることにより本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
[1]配列番号11より誘導された下記の(1)、(2)、(3)または(4)に示す遺伝子:
(1)配列番号3、4、5または6に示す塩基配列のDNAからなる遺伝子:
(2)配列番号3、4、5または6に示す塩基配列のDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつL−スレオ型高立体選択性L−スレオニンアルドラーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNAからなる遺伝子:
(3)配列番号7、8、9または10に示すアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子:
(4)配列番号7に示すアミノ酸配列の86番目のイソロイシンおよび241番目のシステイン、配列番号8に示すアミノ酸配列の24番目のシステイン、配列番号9に示すアミノ酸配列の241番目のシステインおよび287番目のバリン、または配列番号10に示すアミノ酸配列の321番目のシステインが保持され、当核アミノ酸配列7、8、9または10で示されるアミノ酸配列において1乃至数個のアミノ酸が付加、欠失もしくは置換されたアミノ酸配列からなり、かつL−スレオ型高立体選択性L−スレオニンアルドラーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子、
[2]配列番号12より誘導された下記の(1)または(2)に示すタンパク質:
(1)配列番号7、8、9または10に示すアミノ酸配列からなるタンパク質:
(2)配列番号7に示すアミノ酸配列の86番目のイソロイシンおよび241番目のシステイン、配列番号8に示すアミノ酸配列の24番目のシステイン、配列番号9に示すアミノ酸配列の241番目のシステインおよび287番目のバリン、または配列番号10に示すアミノ酸配列の321番目のシステインが保持され、当核アミノ酸配列7、8、9または10で示されるアミノ酸配列において1乃至数個のアミノ酸が付加、欠失もしくは置換されたアミノ酸配列からなり、かつL−スレオ型高立体選択性L−スレオニンアルドラーゼ活性を有するタンパク質、
[3]前項1に記載の遺伝子を含有する組換えベクター、
[4]前項3に記載の組換えベクターを含む微生物、
[5]宿主が大腸菌である前項4に記載の微生物、
[6]受託番号NITE P−112、NITE P−113、NITE P−114およびNITE P−115として、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに寄託された微生物、および
[7]前項4、5または6に記載の微生物またはその調製物を、3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒドおよびグリシンを含有する液と接触せしめ、前記液中にL−スレオ−3,4−ジヒドロキシフェニルセリンを生成蓄積せしめ、これを採取することを特徴とするL−スレオ−3,4−ジヒドロキシフェニルセリンの製造法、
に関する。
本発明により3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒドとグリシンから光学活性を有するL−threo−DOPSを高い比率で合成できるL−スレオ型高立体選択性L−スレオニンアルドラーゼをコードする遺伝子が提供される。そして、これらのL−スレオ型高立体選択性L−スレオニンアルドラーゼをコードする遺伝子を保有する菌体もしくはその調製物を用いて、高選択的にL−threo−DOPSを合成することができる。
L−スレオニンアルドラーゼは、主としてL−スレオニンをグリシンとアセトアルデヒドに分解する反応を触媒する酵素である。また、この酵素は分解反応以外にその逆反応としてグリシンとアセトアルデヒドからL−スレオニンとL−アロスレオニンの合成反応も触媒する酵素である。この逆(合成)反応を利用して、グリシンと3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒドからL−threo−DOPSを高選択的に合成するのが本発明の目的である。従って、L−スレオニンアルドラーゼをコードする遺伝子に変異を導入して、L−スレオ型高立体選択性L−スレオニンアルドラーゼをコードする遺伝子および該遺伝子を挿入した微生物を創製し、L−スレオ型高立体選択性L−スレオニンアルドラーゼが微生物で著量蓄積できれば、L−threo−DOPSの生産に有効に使用できると考えられる。
本発明のL−スレオ型高立体選択性L−スレオニンアルドラーゼとは、グリシンと3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒドから通常15%d.e.以上、好ましくは20%d.e.以上の高い選択性でL−threo−DOPSを製造し得るL−スレオニンアルドラーゼをいう。
L−スレオニンアルドラーゼをコードする遺伝子に変異を導入するとは、基礎となるL−スレオニンアルドラーゼをコードする遺伝子の塩基配列中の塩基が1〜数個(約2〜10個)他の塩基に置換、または塩基が付加あるいは削除され、基礎となるL−スレオニンアルドラーゼをコードする遺伝子からL−スレオ型高立体選択性L−スレオニンアルドラーゼをコードする遺伝子へと変異させることをいう。
上記変異操作に供される基礎となるL−スレオニンアルドラーゼをコードする遺伝子(以下、変異を導入する基となる遺伝子ともいう。)としては、L−スレオニンアルドラーゼを有する動物、植物、または微生物由来のいずれの遺伝子でも使用できるが、工業的な利用には微生物由来のものが好ましい。前記微生物としては、例えばストレプトマイセス属(Streptomyces)を好ましく挙げることができる。
変異を導入する基となる遺伝子としては、好ましくは、ストレプトマイセス属(Streptomyces)に属す微生物由来の遺伝子、さらに好ましくは、ストレプトマイセス・セリカラー(Streptomyces coelicolor)由来の遺伝子、とりわけ好ましくはストレプトマイセス・セリカラーA3(2)株(以下、親株ということもある。)由来の遺伝子が挙げられる。ストレプトマイセス・セリカラーA3(2)株は、独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノロジー本部(日本、木更津市)にストレプトマイセス・バイオラセルーバー(Streptomyces violaceruber)NBRC15146株として保存されており、誰でも入手可能である。
ストレプトマイセス・セリカラーA3(2)株由来のL−スレオニンアルドラーゼをコードする遺伝子としては、例えば配列番号11で表される塩基配列のDNAを含む遺伝子を挙げることができる。
ただし、変異を導入する基となる遺伝子は、上記当該の遺伝子に限定されず、例えば配列番号12で表されるアミノ酸配列を含むL−スレオニンアルドラーゼをコードするすべての遺伝子を含む。
また、本発明において「遺伝子」または「DNA」という用語には、DNAのみならずそのmRNAおよびcDNAも含むものとする。したがって、本発明の遺伝子には、これらのDNA、mRNAおよびcDNAの全てが含まれる。
本発明において「相補的な配列」とは、L−スレオニンアルドラーゼをコードする塩基配列に対して塩基対合則(アデニン/チミン、シトシン/グアニン)に従って形成される塩基配列をいう。
ストレプトマイセス・セリカラーA3(2)株からのL−スレオニンアルドラーゼをコードする遺伝子の取得および変異の導入は、例えば以下の方法により実施することができる。
まず、ストレプトマイセス・セリカラーA3(2)株を栄養培地で培養し菌体(微生物)を得る。栄養培地は、通常の微生物の培養に使用される培地であればいずれも好ましく用いることができる。
菌体(微生物)からのゲノムDNAの抽出は公知の方法で行なうことができ、また市販のDNA抽出キットを用いて簡便に行なうことができる。市販のDNA抽出キットとしては、例えばPuregene DNA Isolation Kit(Gentra社製)、GFX Genomic Blood DNA Purification Kit(アマシャムバイオサイエンス製)、MagPrep Bacterial Genomic DNA Kit(Novagen社製)などが挙げられるが、これらに限定されない。
次に、ストレプトマイセス・セリカラーA3(2)株の全塩基配列はデータベース上で公開されているので、L−スレオニンアルドラーゼをコードする遺伝子の配列も閲覧することができる(例えばGenBank Accession No.AL645882)。このAccession No.AL645882に示されるL−スレオニンアルドラーゼをコードする遺伝子のオープンリーディングフレーム(ORF)のN末端およびC末端配列の塩基配列をもとにオリゴヌクレオチドを設計する。設計したオリゴヌクレオチドをプライマーとして、上記で抽出したゲノムDNAを鋳型にPCRを行い、L−スレオニンアルドラーゼをコードするDNAを得る。このようなプライマーとして例えば配列番号1または2の塩基配列で示されるプライマーが挙げられる。配列番号1の塩基配列で示されるプライマーはL−スレオニンアルドラーゼのN末端配列の上流に制限酵素EcoRIの認識配列を、配列番号2の塩基配列で示されるプライマーはL−スレオニンアルドラーゼのC末端配列の下流に制限酵素BamHIの認識配列をそれぞれ追加したものである。なお、前記認識配列は前記に限定されず、後記するベクターが有する制限酵素部位に含まれる制限酵素の認識配列との関係から適宜選択するのが好ましい。PCR反応は公知のPCR増幅装置、例えばサーマルサイクラーなどを利用し得る。PCRのサイクルは、公知技術に従って行なわれてよく、例えばデナチュレーション→アニーリング→エクステンションを1サイクルとして、約10〜100サイクル、好ましくは約20〜50サイクル程度増幅するのが好ましい。
PCRによって得られたDNA断片を制限酵素、例えばEcoRIと制限酵素BamHIなどで処理し、同じく両制限酵素で処理した発現ベクターと連結させることにより発現ベクターを得ることができる。該発現ベクターを公知の方法で例えば大腸菌などの微生物に挿入し上記遺伝子のクローニングを行ない得る。
大腸菌などの微生物への遺伝子の導入および該遺伝子の発現は遺伝子工学実験の常法に基づいて行うことができる。大腸菌や放線菌などの種々の微生物のベクターの情報や外来遺伝子の導入・発現法は、多くの実験書に記載されているので(たとえば、Sambrook,J.,Russel,D.W.,Molecular Cloning A Laboratory Manual,3rd Edition,CSHL Press,2001;Hopwood,D.A.,Bibb,M.J.,Chater,K.F.,Bruton,C.J.,Kieser,H.M.,Lydiate,D. J.,Smith,C.P.,Ward,J.M.,Schrempf,H.Genetic manipulation of Streptomyces:A laboratory manual,The John Innes Institute,Norwich,UK,1985)、それらに従ってベクターの選択、遺伝子の導入、発現を行うことができる。
クローニングされたストレプトマイセス・セリカラーA3(2)由来のL−スレオニンアルドラーゼをコードする遺伝子への変異の導入は、市販の変異導入用キットなどを用いることにより簡便に行なうことができる。すなわち、L−スレオニンアルドラーゼをコードする遺伝子が挿入されたベクターを用いて、変異導入用キットを該キットのプロトコールなどに従い実施することにより、L−スレオニンアルドラーゼをコードする遺伝子に非常に高い頻度でランダムに変異が導入され、同時に該変異した遺伝子(以下、変異遺伝子という。)がPCRにより増幅され得る。このような変異導入用キットとしては、例えばMutazyme DNA polymeraseを含むGeneMorph Random Mutagenesis Kit(Stratagene製)、GeneTailor(登録商標) Site−Directed Mutagenesis System(インビトロジェン社製)、Mutan(登録商標)−Super Express Km(タカラバイオ株式会社製)またはDiversify PCRランダム突然変異誘発キット(BDバイオサイエンス社製)などが挙げられるがこれに限定されない。変異導入用キットによりL−スレオニンアルドラーゼをコードする遺伝子に変異が導入され増幅された、変異遺伝子のPCR産物を、DNA精製用キットを用いて精製するのが好ましい。該精製用キットとしては、例えばQIAquick PCR purification Kit(Qiagene社製)、SpinClean(登録商標) PCR Purification Kit(Mbiotech社製)、AMPure(登録商標) PCR産物クリーンアップキット(パーキンエルマー社製)、JETFLEX Genomic DNA Purification kit(Genomed社製)、GFX 96 PCR Purification Kit(Amersham)、AutoSeq G−50(Pharmacia)などが挙げられるがこれに限定されない。精製した変異遺伝子のPCR産物を前述した二種類の制限酵素、例えばEcoRIとBamHIなどで切断した後、アガロースゲル電気泳動にかけて、約1kbpに相当するバンドをゲルから切り出して、更にアガロースゲルからDNAの精製を行うのが好ましい。該精製は、市販キットを使用することができ、例えばQIAquick Gel extraction Kit(Qiagene社製)またはS.N.A.P.UV−Free Gel Purification Kit(Invitrogen社製)などを使用し得るが、これらに限定されない。精製された変異遺伝子のPCR産物は、適当な発現用ベクターに挿入され、次いで変異遺伝子が挿入された発現ベクターを、宿主(菌株)に挿入し、宿主を形質転換し、変異遺伝子ライブラリーを構築し得る。
発現用ベクターとしては、例えば細菌プラスミド(pBluescript SK+、pBluescript KS+、pUC18、pUC19、pBR322、pET 16b、pET 32a(+)、pCITE 4a、pGEX−5X−1、pGEX−5X−3、pMAL−p2、pMAL−c2、pBridge Vecto、pKF18k DNA、pKF19k DNA、pTrc99A(アマシャムバイオサイエンス製)、pSPORT 1、Charmomid 9−36 DNA、pEU−DFR、pIVEX 2.3−MCS、pIVEX 2.4c、pIVEX 2.3、pIVEX 2.4b Nde、pIVEX 2.4aなど)、ファージDNA(ラムダファージなど)、酵母プラスミド(pG−1など)、哺乳類細胞用のベクターとしてのバキュロウイルス、ワクシニアウイルス、アデノウイルスなどのウイルスDNA、SV40とその誘導体などが挙げられ、宿主において複製可能である限り他のいかなるベクターも用いることができる。
ベクターは例えば複製開始点、選択マーカー、プロモーターを含み、必要に応じてエンハンサー、転写終結配列(ターミネーター)、リボソーム結合部位、ポリアデニル化シグナルなどを含んでいてもよい。ベクターは、種々の制限酵素部位をその内部にもつポリリンカーを含んでいるか、または単一の制限酵素部位を含んでいることが望ましい。制限酵素部位としては、例えばEcoRI、BamHI、PstIサイト、NotIサイト、SalIサイト、KpnIサイトまたはHindIIIサイトなどが挙げられる。これら制限酵素サイトは、各々制限酵素EcoRI、BamHI、PstI、NotI、SalI、KpnIまたはHindIIIなどで切断され得る。
ベクターへの遺伝子導入は、公知の手段で行なうことができる。具体的には、ベクター中の特定の制限酵素部位(例えばEcoRI、BamHIなど)を特定の制限酵素(例えばEcoRI、BamHIなど)によって切断し、その切断部位に本発明の遺伝子を挿入するのが好ましい。このようにして、本発明の遺伝子を含む組換えベクターを調製できる。
宿主としては、例えば細菌、例えば大腸菌(例えば、エシェリヒア・コリJM109菌株など)、コリネバクテリウム属菌、バチルス属菌、ストレプトミセス、枯草菌など;真菌細胞、例えばアスペルギルス属菌株など;酵母細胞、例えばパン酵母、メタノール資化性酵母など;昆虫細胞、例えばドロソフィラS2、スポドプテラSf9など;ヒト培養細胞を含む哺乳類細胞、例えばCHO、COS、BHK、3T3、C127など;あるいはこれらのコンピテントセルなどが挙げられ、好ましくは大腸菌のコンピテントセルである。
形質転換は、例えば塩化カルシウム/塩化ルビジウム法、リン酸カルシウム法、DEAE−デキストラン介在トランスフェクション、電気穿孔法などの公知の方法で行うことができる。
具体的には、例えば上述の変異遺伝子が挿入された発現ベクターとエシェリヒア・コリJM109(以下、大腸菌JM109ともいう。)のコンピテントセルと混合することにより、形質転換された微生物を得ることができる。
上述の変異遺伝子が挿入された発現ベクターにて形質転換された微生物(以下、単に形質転換された微生物または形質転換微生物という。)は下記する微生物培養培地などで、培養温度約20〜40℃、培養時間約1〜7日間、培地のpH約5.0〜8.0程度で培養されることが好ましい。
L−スレオニンアルドラーゼの活性は、例えば以下の様にしてL−スレオニンアルドラーゼのL−threo−DOPSの分解活性を測定することにより確認することができる。即ち分解活性は、L−threo−DOPSを含む反応液(以下、分解反応液ともいう。)に、形質転換微生物から調製した無細胞抽出液を添加し、約20〜60℃、好ましくは約40〜50℃、約1〜30分間、好ましくは約10〜15分間反応を行い、生成したグリシンを高速液体クロマトグラフ法(以下、HPLCという。)により定量することにより測定することができる。無細胞抽出液としては、形質転換微生物を例えば水媒体中で超音波やガラスビーズなどで破砕した後のL−スレオニンアルドラーゼを含む遠心分離上清などが挙げられる。
L−スレオニンアルドラーゼのL−threo−DOPS合成活性は、形質転換微生物をグリシンと3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒドを含む反応液(以下、合成反応液ともいう。)中で、約5〜50℃、好ましくは約10〜20℃、約1〜24時間、好ましくは約4〜6時間反応させ、生成したL−threo−DOPSを例えばODSカラムを用いたHPLC法などにより定量することができる。
分解反応液および合成反応液の基礎となる溶液としては、形質転換された微生物の生育やL−スレオニンアルドラーゼの働きを阻害しない溶液であれば特に制限はなく、例えば微生物培養培地または緩衝液、あるいは水(例えば精製水、蒸留水、イオン交換水等)などが好ましく挙げられる。
微生物培養培地は、通常の微生物の培養に使用される培地であれば好ましく用いることができ、例えば炭素源、窒素源、無機塩類およびその他の栄養物質などを含有する天然培地または合成培地などが用いられる。
炭素源としては、例えばグルコース、フルクトース、シュークロース、マンノース、マルトース、マンニトール、キシロース、ガラクトース、澱粉、糖蜜、ソルビトールまたはグリセリンなどの糖質および糖アルコール、酢酸、クエン酸、乳酸、フマル酸、マレイン酸またはグルコン酸などの有機酸、エタノールまたはプロパノールなどのアルコールなどが挙げられる。また、所望によりノルマルパラフィンなどの炭化水素なども用いることができる。炭素源は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
これら炭素源の培地における濃度は通常約0.1〜10%(wt)程度である。
窒素源としては、窒素化合物、例えば塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、酢酸アンモニウムなどの無機もしくは有機アンモニウム化合物、尿素、アンモニア水、硝酸ナトリウムまたは硝酸カリウムなどが挙げられるが、これらに限定されない。また、コーンスティープリカー、肉エキス、ペプトン、NZ−アミン、蛋白質加水分解物またはアミノ酸などの含窒素有機化合物なども使用可能である。窒素源は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
窒素源の培地濃度は、使用する窒素化合物によっても異なるが、通常約0.1〜10%(wt)程度である。
無機塩類としては、例えばリン酸第一カリウム、リン酸第二カリウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硝酸第一鉄、硫酸マンガン、硫酸亜鉛、硫酸コバルトまたは炭酸カルシウムなどが挙げられる。これら無機塩は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
無機塩類の培地濃度は、使用する無機塩によっても異なるが、通常約0.01〜1.0%(wt)程度である。
栄養物質としては、例えば肉エキス、ペプトン、ポリペプトン、酵母エキス、乾燥酵母、コーンスティープリカー、脱脂粉乳、脱脂大豆塩酸加水分解物または動植物若しくは微生物菌体のエキスやそれらの分解物などが挙げられる。
栄養物質の培地濃度は、使用する栄養物質によっても異なるが、通常約0.1〜10%(wt)程度である。
培地のpHは約5.0〜8.0程度が好ましい。
好ましい微生物培養培地としては、LB(Luria−Bertani培地;トリプトン10g/L、酵母エキス5g/L、食塩10g/L)、NZYM培地、Terrific Broth、SOB培地、2xYT培地、AHC培地、χ1776培地、M9培地、YPD培地、SD培地、YPAD培地またはSuper broth培地などが挙げられる。
緩衝液としては、例えばリン酸バッファー、トリスバッファー、リン酸緩衝食塩水、酢酸緩衝液などが挙げられる。緩衝液のpHは、通常約5〜10、さらに約6.5〜8.5が好ましい。
また、L−スレオ型高立体選択性L−スレオニンアルドラーゼを産生する変異株を上述の遺伝子ライブラリーから選択するためのスクリーニングは、例えば96穴あるいは24穴のディープウェルプレートなどを用いて、少量の培養で迅速に行なうことができる。即ち、前述の変異遺伝子ライブラリーのコロニーを、例えばコロニーピッカーなどにより選抜し、該コロニーの菌体(微生物)を、例えば96穴のプレートを用いて約50〜200μg/mL、好ましくは約100μg/mLのアンピシリンを含む微生物培養培地(例えばLB培地)約0.1〜0.5mL、好ましくは約0.25mLの培養液量で約20〜40℃、好ましくは約30℃、一晩培養を行ない約2000〜3000rpm、約5〜20分間の遠心分離により菌体を得る。この菌体と約0.1〜0.5mL、好ましくは約0.25mLのL−スレオニン(約1〜5mg/mL、好ましくは約2mg/mL)を含む反応液を約30〜50℃、約10〜60分、好ましくは約30分間反応後、生成したアセトアルデヒドを発色剤(例えば、約15W/V%酢酸アンモニウム、約0.5V/V%酢酸、約20V/V%アセチルアセトン)と約30〜50℃、約10〜60分、好ましくは約30分間反応させ黄色の発色により、L−スレオニンアルドラーゼ活性の確認を行なう。この一次スクリーニングで活性の確認されたコロニーの菌体(微生物)のみを次の二次スクリーニングに供する。
二次スクリーニングは、例えば24穴のディープウェルプレートを用いて、一次スクリーニングで活性が確認されたコロニーの菌体(微生物)を、約1〜3mL、好ましくは約2mLの約50〜200μg/mL、好ましくは約100μg/mLのアンピシリンを含む微生物培養培地(例えばLB培地)で約20〜40℃、好ましくは約30℃、約1〜48時間培養を行なう。遠心分離により得られた菌体と約50〜500mg/mL、好ましくは約200mg/mLのグリシンと約5〜50mg/mL、好ましくは約20mg/mLの3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒドを含む約0.1〜0.5mL、好ましくは約0.2mLの反応液中(pH約5〜10、特に好ましくは約6.5〜8.5)で、温度約5〜60℃、好ましくは約20〜40℃で約1時間〜48時間、静置若しくは攪拌下に反応させL−threo−DOPSの合成反応を進行せしめるのが好ましい。生成したL−threo−DOPSはODSカラムを用いたHPLC法により分析し、スレオ体とエリスロ体の割合を測定することができる。選択性の計算は以下の計算式で計算できる。
Figure 2007054012
親株の場合の上記立体選択性はおおよそ15%d.e.であるが、前述のスクリーニングにより立体選択性が親株より5%d.e.以上向上したL−スレオ高立体選択性L−スレオニンアルドラーゼを産生する形質転換微生物を得ることができる。この形質転換微生物を約50〜200μg/mL、好ましくは約100μg/mLのアンビシリンを含む微生物培養培地(例えばLB培地)で、約20〜40℃、好ましくは約30℃約1時間〜48時間培養し、その培養液から遠心分離により菌体を回収する。回収された菌体からプラスミドDNAを抽出する。プラスミドDNAの抽出は、公知の方法で行なうことができ、また市販のDNA抽出キットを用いてプラスミドDNAを簡便に抽出できる。市販のプラスミドDNA抽出キットとしては、例えば例えばQIAquick plasmid purification kit(Qiagen社製)などが挙げられる。この抽出されたプラスミドDNAの塩基配列を決定することにより、本発明のL−スレオ高立体選択性L−スレオニンアルドラーゼをコードする全DNAを決定することができる。
得られたDNA断片の塩基配列は、例えばジデオキシヌクレオチド酵素法など、公知の方法により決定することができる。また、キャピラリー電気泳動システムを用い、検出には多色蛍光技術を使用して塩基配列を決定することもできる。また、DNAシークエンサー、例えば、ABI PRISM 3700 DNA ANALYZER(アプライドバイオシステム社製)などを使用して自動的に分析して塩基配列を決定することもできる。
上記のようにして、L−スレオ型高立体選択性L−スレオニンアルドラーゼをコードするDNAの塩基配列を決定し、本発明に用いられる遺伝子として、例えば、配列番号3〜6に示す塩基配列を決定し得る。該遺配列番号3で示される遺伝子は、変異が導入される基となる配列番号11に示される塩基配列の117番目のシトシンがチミンに、256番目のグアニンがアデニンに、721番目のシトシンがチミンに、配列番号4で示される遺伝子は、同配列番号11で示される塩基配列の71番目のアデニンがグアニンに、配列番号5で示される遺伝子は、同配列番号11で示される塩基配列の525番目のシトシンがチミンに、721番目のシトシンがチミンに、860番目のシトシンがチミンに、配列番号6で示される遺伝子は、同配列番号11で示される塩基配列の429番目のシトシンがチミンに、962番目のアデニンがグアニンにそれぞれ変化したものである。
なお、前記配列番号3〜6で示される塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつL−スレオ型高立体選択性L−スレオニンアルドラーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNAを含む遺伝子も、本発明に用いられる遺伝子である。「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列」とは、例えば配列番号4に示す塩基配列をプローブとして、コロニー・ハイブリダイゼーション法またはプラーク・ハイブリダイゼーション法などを用いることにより得られるDNAを意味する。なお、ここでいう「ストリンジェントな条件」とは、いわゆる特異的なハイブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが形成されない条件をいう。この条件を明確に数値化することは困難であるが、例えば相同性が高いDNA同士、少なくとも配列番号4で示される塩基配列と約50%以上、好ましくは約60%以上、より好ましくは約80%以上の相同性を有するDNA同士がハイブリダイズし、それより相同性が低いDNA同士がハイブリダイズしない条件、あるいは、約0.1〜2倍程度の濃度のSSC溶液(1倍濃度のSSC溶液の組成は、150mM塩化ナトリウム、15mMクエン酸ナトリウムよりなる。)、温度約65℃程度でのハイブリダイズ条件をいう。なお、相同性は塩基配列解析ソフト、例えばEMBOSSなどにより計算され得る。
次いで前記配列番号3〜6で示される塩基配列をアミノ酸配列に翻訳して解析し、例えば、配列番号7〜10に示すL−スレオ型高立体選択性L−スレオニンアルドラーゼの全アミノ酸配列を決定することができる。該配列番号7で示されるアミノ酸配列は、変異が導入される基となる配列番号12に示されるアミン酸配列の86番目のバリンがイソロイシンに、241番目のアルギニンがシステインに変化したものであり、配列番号8で示されるアミノ酸配列は、同配列番号12に示されるアミン酸配列の24番目のチロシンがシステインに変化したものであり、配列番号9で示されるアミノ酸配列は、同配列番号12に示されるアミン酸配列の241番目のアルギニンがシステインに、287番目のアラニンがバリンに変化したものであり、配列番号10で示されるアミノ酸配列は、同配列番号12に示されるアミン酸配列の321番目のチロシンがシステインに変化したものである。
本発明のL−スレオ型高立体選択性L−スレオニンアルドラーゼとしては、例えば配列番号7〜10に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質が好ましく挙げられる。また、本発明のL−スレオ型高立体選択性L−スレオニンアルドラーゼには、配列番号7に示すアミノ酸配列の86番目のイソロイシンおよび241番目のシステイン、配列番号8に示すアミノ酸配列の24番目のシステイン、配列番号9に示すアミノ酸配列の241番目のシステインおよび287番目のバリン、配列番号10に示すアミノ酸配列の321番目のシステインが保持され、当核アミノ酸配列7、8、9または10で示されるアミノ酸配列において1乃至数個(約2〜20個、好ましくは約2〜10個程度)のアミノ酸が付加、欠失若しくは置換されたアミノ酸配列からなり、かつ高立体選択性L−スレオニンアルドラーゼ活性を有するタンパク質が含まれる。
上述のL−スレオ型高立体選択性L−スレオニンアルドラーゼをコードする遺伝子を含む発現ベクターにて形質転換された微生物(以下、変異遺伝子導入微生物という。)を培養し、得られる変異遺伝子導入微生物を下記する反応に用いるのが好ましい。培養は、上記形質転換微生物の培養条件と同様に行うことができる。例えば好気条件下で約12〜24時間程度実施するのが好ましい。また培養温度は例えばエシェリキア・コリJM109株形質転換体の場合、ポリペプトンや酵母エキス等の炭素源や窒素源、食塩等の無機物を含む培地を用いて、好ましくは約20〜40℃、より好ましくは30〜37℃である。
得られた変異遺伝子導入微生物またはその調製物を、3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒドとグリシンを含有する液(合成反応液)と接触させ、目的のL−threo−DOPS一段階合成反応を行い生成蓄積せしめる。該合成反応液の基礎となる溶液は、上記した分解反応液および合成反応液の基礎となる溶液と同様のものを用いることができる。
すなわち、本発明のL−threo−DOPSの製造方法において、変異遺伝子導入微生物またはその調製物を用いて、グリシンと3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒドから一段階で収率よくL−threo−DOPSを得ることができる。
変異遺伝子導入微生物は、培養液中に存在する状態や培養液から該微生物を分離・濃縮などして使用することもできる。また、変異遺伝子導入微生物の調製物としては、例えばアクリルアミドやカラギーナンなどの担体上に変異遺伝子導入微生物を固定化した固定化微生物、あるいは、凍結乾燥やアセトン処理などによる乾燥微生物などの調製物などが挙げられる。また、前記調製物には変異遺伝子導入微生物に生成蓄積した酵素を抽出し、好ましくは精製などして樹脂担体などに固定化した固定化酵素も含まれる。酵素の精製法は、微生物を超音波やガラスビーズで破砕した後、硫安沈殿、イオン交換およびゲルろ過カラムクロマトといった通常酵素精製に用いられる精製法を組み合わせて行なうことができる。
又、変異遺伝子導入微生物は、紫外線、エックス線または薬品などを用いる人工的な変異手段でさらに変異しうるが、このように得られるどのような変異株であっても本発明の対象とするL−スレオ型高立体選択性L−スレオニンアルドラーゼ生産能を有するかぎり、本発明の変異遺伝子導入微生物として使用することができる。
合成反応液中に含まれる3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒドは、L−スレオニンアルドラーゼの酵素活性を阻害しない程度の濃度で用いられ、通常、合成反応液の約0.1〜10%(wt)程度である。またその供給方法としては分割添加や連続的に添加する方法などで行うことが出来る。
合成反応液中に含まれる他方の反応基質であるグリシンは、通常約0.1〜30%(wt)程度を反応系に存在せしめて使用されるが、3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒドに対しては等モル以上で使用することが好ましい。グリシンは、3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒドと同様に合成反応液に添加できる。
合成反応液と変異遺伝子導入微生物またはその調製物との接触は、例えば培養した変異遺伝子導入微生物を遠心分離機やろ過などで集め、3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒドとグリシンを含有する合成反応液に加えて接触せしめてもよく、また集めた変異遺伝子導入微生物を例えば水媒体中で超音波やガラスビーズなどで破砕した後のL−スレオニンアルドラーゼを含む遠心分離上清または該上清から精製したL−スレオニンアルドラーゼを合成反応液に加える方法であってもよい。また、固定化微生物や固定化酵素を合成反応液と接触させても良い。
合成反応液と変異遺伝子導入微生物またはその調製物との接触方法は、公知の方法、例えばバッチ方式または連続方式(例えば、カラム法、固定化微生物、固定化酵素法等)など、いずれの方法も用いることができる。
また、合成反応液と変異遺伝子導入微生物をフィルターなどにより分離し、変異遺伝子導入微生物を連続的に回収し、繰り返し再使用することもできる。
本発明の反応は、pH約5〜10、特に好ましくは約6.5〜8.5において、温度約5〜60℃、特に約10〜50℃で静置若しくは攪拌下に反応を進行せしめるのが好ましい。反応時間としては、通常約1時間〜48時間の範囲が好ましい。
また、本発明の反応は、好気、嫌気いずれの条件でも行なうことができる。また、合成反応液と変異遺伝子導入微生物の反応は、変異遺伝子導入微生物が生存できる条件、例えば上記微生物の培養における条件と同様の条件で実施することが好ましい。
本酵素系には補酵素としてビタミンB6が要求されるため、合成反応液には、例えばピリドキシン、ピリドキサールまたはピリドキサール−5’−リン酸などを添加することが好ましい。該補酵素を添加することにより反応が高められ得る。
また。合成反応液には、所望により例えば2−メルカプトエタノールのような還元剤を添加することもできる。
かくして反応せしめた反応混合物中には、3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒドとグリシンから両化合物の反応生成物であるL−threo−DOPSが高選択的にかつ高収率(反応条件により一概にはいえないが、約15%d.e.以上、好ましくは約20%d.e.以上、より好ましくは約20〜80%d.e.程度である。)に生成し得る。
合成されたL−threo−DOPSの精製は、公知の方法、例えばイオン交換樹脂、吸着樹脂やシリカゲルなどのクロマト分離、酢酸エチルやトルエンなどの有機溶媒を用いた溶媒抽出、溶解度の差を利用した分別結晶化などを組み合わせて行なうことができる。
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、本発明において配列中、Aはアデニン、Gはグアニン、Cはシトシン、Tはチミンを示す。本明細書において%は特に断らない限り質量%を意味する。
L−スレオニンアルドラーゼ産生株DNAの取得
Streptomyces coelicolor A3(2)からのゲノムDNA抽出には、PUREGENE DNA Isolation Kit(Gentra社製)を用いた。まず、斜面培養したStreptomyces coelicolor A3(2)のコロニーから白金耳を用いて採取した菌体を、ポリペプトン1.0%、酵母エキス0.2%および硫酸マグネシウム0.1%を含む液体培地10mL(pH7.0)に植菌し、30℃、2日間振騰培養した。この5mLの培養液を15mLのファルコンチューブへ移し、10,000rpmで5分間遠心した。上清を捨て、得られたペレットをキットに添付のCell Lysis Solution 3mLに懸濁した。80℃、5分間の熱処理により細胞を溶菌させた。その後、15μLのRNase A Solutionを添加し、溶液を良く混合の後、37℃、30分間処理を行なった。次に1mLのProtein Precipitation Solutionを添加し、溶液を激しく混合した後、15,000×g、3分間の遠心分離によりゲノムDNAを含む溶液を上清として回収した。更に、回収した溶液に3mLのIsopropanolを添加し混合の後、15,000×g、1分間の遠心分離によりゲノムDNAを白いペレットとして回収した。得られたDNAは、DNA Hydration Solution 500μLに溶解し、1μLをアガロース電気泳動してDNAの存在を確認後、4℃または−20℃で保存した。
L−スレオニンアルドラーゼをコードする遺伝子の増幅
実施例1で取得したStreptomyces coelicolor A3(2)のゲノムDNAよりL−スレオニンアルドラーゼをコードする遺伝子をPCR反応より増幅するためのプライマーを合成した。即ち、Streptomyces coelicolor A3(2)のゲノム解析の結果得られたL−スレオニンアルドラーゼをコードする遺伝子塩基配列はすでに公開されている(GenBank Accession no.AL645882)。この遺伝子のオープンリーディングフレーム(ORF)のN末端およびC末端部分の塩基配列を利用し制限酵素の認識配列として、N末端の前にEcoRI認識配列を追加したDNAプライマー配列;
5’プライマー:5’-ATATACCATGGAATTCAACCCTCCTAAGACCGACG-3’(配列番号1)
とC末端の後にBamHI認識配列を追加したDNAプライマー配列;
3’プライマー:5’-ATCTAGAGGATCCTCAGCGCGCCATCTCTTCCTTG-3’(配列番号2)
を合成した。
これらのDNAプライマー(配列番号1と配列番号2)を用いて実施例1で得たゲノムDNAを鋳型としてPCRにより増幅を行なった。PCRには、Takara社のLA−PCRキットを用い、2種類のHigh GCバッファーで反応を行った。PCRの条件は以下の通りである。
PCR条件:1μL鋳型ゲノムDNA(387.5ng/μL)、0.5μL(5U/μL)TaKaRa LA Taq DNA polymerase、25μL LA−Taq DNA polymerase添付のHigh GCバッファー(I)(1X)、8μLdNTP(各2.5mM)、0.5μL 5’プライマー(配列番号1)25pmol/mLおよび0.5μL 3’プライマー(配列番号2)25pmol/mLの混合物に水を加え、総量50μLの溶液を作製し、94℃で2分間熱処理後、94℃で40秒、60℃で30秒、72℃で2分の条件で30サイクルのプログラムで増幅を行い、その後72℃で5分間処理した。また、増幅の確認は1%のアガロース電気泳動を行った。その結果、制限酵素部位を含む1種類のL−スレオニンアルドラーゼをコードする遺伝子が増幅された(1097bp)。
組換えL−スレオニンアルドラーゼ発現ベクターの作製
PCRにより増幅されたL−スレオニンアルドラーゼをコードする遺伝子を、制限酵素EcoRIおよびBamHIで切断して分離し、発現ベクターpTrc99A(アマシャムバイオサイエンス製)に挿入することにより発現させた。即ち、実施例2におけるPCRにより増幅されたL−スレオニンアルドラーゼをコードする遺伝子断片を含むPCR溶液をQIAquick PCR purification kit(Qiagen社製)にて精製し、各々10Uの制限酵素EcoRIおよびBamHIを用いて37℃で3時間切断反応を行った。反応後の溶液を1%(W/V)濃度のアガロースゲル電気泳動より分離し、1081bpに相当するバンドをゲルより切り出してQIAquick Gel extraction kit(Qiagen社製)により精製した。
次に1μgのpTrc99A(アマシャムバイオサイエンス製)を各10Uの制限酵素EcoRIおよびBamHIを用いて37℃で一晩静置し、pTrc99Aの制限酵素部位の切断反応を行った。反応後の溶液を0.7%(W/V)濃度のアガロースゲル電気泳動より切断を確認し、QIAquick PCR purification kit(Qiagen社製)により精製し、30μLのトリス−塩酸緩衝液(10mM、pH8.5)により溶解した。
制限酵素EcoRIおよびBamHIで切断して得た1081bpのL−スレオニンアルドラーゼをコードする遺伝子断片を含む溶液8μLとEcoRIおよびBamHIで切断して得たpTrc99Aの溶液8μLをLigation high(TOYOBO社製)と混合し、16℃で5時間連結反応を行った。反応後の溶液5μLを用いて大腸菌JM109を形質転換した。形質転換した大腸菌JM109を含む溶液を、100μg/mLのアンピシリン、0.1mMのIPTGおよび0.004%のX−galを含むLB寒天培地上に塗布し、37℃で一晩培養してコロニーを形成させた。それぞれについて白色の陽性コロニーを選択し、3mLの100μg/mLのアンピシリンを含んだLB液体培地に植菌し、37℃で一晩培養した。培養液を遠心分離して集菌後、QIAquick plasmid purification kit(Qiagen社製)により約2μgのプラスミドDNAを精製した。そのうち約0.5μgのプラスミドDNAをEcoRIおよびBamHIで切断し、1%(W/V)濃度のアガロースゲル電気泳動より1081bpに相当する挿入断片の存在を確認した。さらに挿入断片の塩基配列をシークエンス反応により確認したところ、変異は認められなかった。この発現プラスミドをplth−SCA3(2)とした。
組換えL−スレオニンアルドラーゼの大腸菌での発現および活性測定
挿入断片が確認されたplth−SCA3(2)を挿入した大腸菌JM109株(この形質転換体は、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに寄託されている。寄託番号:受託番号NITE P−111)を、100μg/mLのアンピシリンを含む3mLのLB培地に植菌し、一晩37℃で培養した。この培養液のうち、0.1mLを10mLのLB培地(100μg/mLのアンピシリンを含む)に接種した。約3時間後、培地のOD600が0.4〜0.7に上昇したことを確認後、最終濃度で2mMになるように1MのIPTG(イソプロピル−β−チオガラクトピラノシド)を培地に添加し組換えL−スレオニンアルドラーゼの大腸菌での発現を誘導させた。その培養液をさらに、一晩37℃で培養し、培養液を10000×g、5分間の遠心操作により細胞を沈殿させ、上清を除いた後、0.85%のNaClで1回洗浄した。遠心操作により細胞を沈殿させた後、ビーズ衝撃法細胞破砕装置Beads Homogenizer Model BC−20(4℃、3分、セントラル科学貿易製)でその菌体を2回破壊した。20000×gで10分間遠心した後、その上清を粗酵素液としてL−スレオニンアルドラーゼの分解活性を調べた。反応液の組成は100μLのL−threo−DOPS(1mg/mL)、25μLのピリドキサール−5’−リン酸(0.6μg/mL)および1μLのメルカプトエタノール(2−Mercaptoethanol)を水で150μLとし、この反応液に50μLの粗酵素液(多段階希釈により許容範囲に合わせた)を加え50℃で10分間酵素反応を行い、3倍量のメタノールを加えることにより反応を停止させた。L−threo−DOPSの分解産物であるグリシンの生成量はHPLC(日立L2000シリーズ、日立製作所製)でポストカラム分析法を用いて定量した。HPLC分析は、COSMOSIL 5C18−MS(Φ4.6×150mm)カラム、カラムおよび反応コイル温度20℃、移動相は0.1% 1−ヘプタンスルポン酸Na/メタノール[10:1(V/V)]、ポスト反応液組成は、ミリ−Q水1Lに対しホウ酸21.64g、水酸化ナトリウム12g、2−メルカプトエタノール 2mL、OPA(オルトフタルアルデヒド;800mg/15mLエタノール)、Briji−35(ポリオキシエチレンラウリルエーテル;0.25g/2mLエタノール)を添加し行った。HPLCの流速は移動相および反応液共に0.75mL/分で、分離産物の検出はλex/em=340/450nmの蛍光で分析した。このHPLCによるグリシンの分析範囲は0.1μg/mL以下である。酵素活性は50℃における1分間あたり1μmolのグリシンの生成量を1単位とした。その結果、Streptomyces coelicolor A3(2)のゲノムDNAよりクローニングしたL−スレオニンアルドラーゼは、粗酵素1mgあたり154単位のL−スレオニンアルドラーゼ分解活性を示すことがわかった。
また、分解活性が確認されたStreptomyces coelicolor A3(2)由来のL−スレオニンアルドラーゼによる合成反応の目的物質であるL−threo−DOPSの合成活性を調べた。即ち、plth−SCA3(2)を含む大腸菌JM109株を100μg/mLのアンピシリンを含む3mLのLB液体培地に植菌し、一晩37℃で培養した。この培養液のうち、0.5mLを50mLのLB培地(100μg/mLのアンピシリンを含む)に接種した。約3時間後、培地のOD600が0.4〜0.7に上昇したことを確認後、最終濃度で2mMになるように1MのIPTGを添加し組換えL−スレオニンアルドラーゼの大腸菌での発現を誘導させた。その培養液をさらに、一晩37℃で培養し、培養液を10000×g、10分間の遠心操作により細胞を沈殿させ、上清を除いた後、0.85%のNaCl水溶液で1回洗浄した。遠心操作により細胞を沈殿させた後、その菌体を用い合成反応を行った。反応液の組成は1gのグリシン、100mgの3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド、10μLのメルカプトエタノール(2−Mercaptoethanol)、250μLのピリドキシサール−5’−リン酸(PLP、0.6mg/mL)、4.74mL 0.1Mリン酸緩衝液(pH7.5)、0.0158gの亜硫酸ナトリウム、0.0375gのTriton X−100に溶解し、1N塩酸で最終pHを6.5にした。この反応液に−80℃で凍結保存しておいた上記遠心分離操作により得た菌体を加え15℃で5時間酵素反応を開始させ、3倍量のメタノールを加えることにより反応を停止させた。合成産物であるL−threo−DOPSの合成量はHPLC(日立L2000シリーズ、日立製作所製)で測定した。HPLC分析は、COSMOSIL 5C18−MS(Φ4.6×150mm)カラム、カラム温度30℃、移動相は0.1% 1−ヘプタンスルホン酸(pH2.5)/メタノール/1,4−ジオキサン=[500:50:15(V/V/V)]で行った。HPLCの移動相流速は0.75mL/分で、分離産物の検出はUV=220nmの吸光で分析した。その結果、Streptomyces coelicolor A3(2)のゲノムDNAよりクローニングしたL−スレオニンアルドラーゼは、菌体培養液1Lあたり0.4gのL−threo−DOPSの合成活性能を有することがわかった。なお反応液1Lあたりの合成量は4gであった。
ランダム変異導入法による変異遺伝子ライブラリーの作製
作製したplth−SCA3(2)を用いてGeneMorph Random Mutagenesis Kit(Stratagene製)のプロトコールに従いランダムに変異を導入することにより変異遺伝子ライブラリーを構築した。このKitに含まれているMutazyme DNA polymeraseは従来のTaq DNA polymeraseと比べ非常に高い頻度で変異を導入することができ、さらに初期のベクターの濃度を制御することにより導入される変異の頻度を制御できる。そこで、実施例3で作製したplth−SCA3(2)を鋳型としてPCRを行うことにより導入される変異を制御した。このときplth−SCA3(2)の濃度を50ng/μL、250ng/μL、さらに500ng/μLの三つの濃度でPCRを行なった。プライマーはクローニングの時と同様にN末端の前にEcoRI認識配列を追加した5’プライマー(配列番号1)とC末端の後にBamHI認識配列を追加した3’プライマー(配列番号2)を用いて行った。変異PCRの条件は以下の通りである。
変異PCR条件:1μL鋳型DNA 50ng/μL(250ng/μL、500ng/μL)、1μLMutazyme DNA polymerase(2.5U/μL)、25μL GeneMorph Random Mutagenesis Kitに添付の反応バッファー(1X)、8μL dNTP 0.2mM、0.5μL 5’プライマー(配列番号1)25pmol/mLおよび0.5μL 3’プライマー(配列番号2)25pmol/mLの混合物に水を加え、総量50μLの溶液を作製し、96℃で30秒間熱処理後、96℃で30秒、60℃で30秒、72℃で1分15秒、30サイクルのプログラムで増幅を行い、その後72℃で10分間処理した。増幅反応後の溶液10μLを1%濃度のアガロースゲル電気泳動を行った結果、目的とした約1kbpの変異型L−スレオニンアルドラーゼをコードするDNA断片が増幅されていることを確認した。
次に、ランダム変異導入法により増幅した変異PCR産物を大腸菌JM109に挿入し、変異遺伝子ライブラリーを構築した。即ち、変異型L−スレオニンアルドラーゼをコードする遺伝子を含むPCR溶液をQIAquick PCR purification kitにより精製(Qiagen社製)し、精製した変異PCR産物全量を各々20Uの制限酵素EcoRIおよびBamHIを用いて37℃で一晩切断反応を行った後、1%(W/V)濃度のアガロースゲル電気泳動により分離し、約1kbpに相当するバンドをゲルより切り出してQIAquick Gel extraction kit(Qiagen社製)により該バンド部分のDNAを精製後、30μLのトリス−塩酸緩衝液(10mM、pH8.5)に溶解した。次に1μgのpTrc99Aを各10Uの制限酵素EcoRIおよびBamHIを用いて37℃で一晩静置し、pTrc99Aの制限酵素部位の切断反応を行い、反応後の溶液をQIAquick PCR purification kitにより精製(Qiagen社製)し、30μLのトリス−塩酸緩衝液(10mM、pH8.5)により溶解した。精製したEcoRIとBamHIで切断した約1kbpに相当するバンド部分のDNA溶液8μLと2μLの EcoRIとBamHIで切断したベクターpTrc99Aを5μLのLigation high(TOYOBO製)と混合し、16℃で一晩連結反応を行った。連結反応後の溶液5μLを用いて大腸菌JM109を形質転換させ変異遺伝子ライブラリー作製した。
L−スレオ型高立体選択性L−スレオニンアルドラーゼのハイスループットスクリーニング
変異遺伝子ライブラリーのコロニーをコロニーピッカー(GENETIX、ビーエム機械社製)によりランダムに約12592株を選抜し、一次スクリーニングへ供した。一次スクリーニングは2mL容量の96穴の角型ディープウエルプレート(Whatman製)を用い、100μg/mLのアンピシリンを含む250μLのLB液体培地に植菌し、96穴の角型プレート振動機(Titramax 1000、HEIDOLPH社製)で一晩培養した(30℃、600rpm)。96穴の角型ディープウェルプレートを2500rpmで10分間遠心することにより菌体を分離し、−80℃の冷凍庫で1時間保存した。菌体を用いての酵素反応は、凍結菌体を冷凍庫から取り出し、その凍結菌体に250μLのL−スレオニン(2mg/mL)を添加し50℃で30分間振動させながら反応を行った。この菌体反応によりL−スレオニンはグリシンとアセトアルデヒドに分解される。活性を有する変異酵素の選別は反応後の液と同量の発色剤(Nash’s試薬:15%(W/V)酢酸アンモニウム、0.5%(V/V)酢酸および20%(V/V)アセチルアセトン)を添加し50℃で30分間振動させながら行った。酵素活性を有するコロニーはL−スレオニンの分解によりアセトアルデヒドが生成する。発色剤はそのアセトアルデヒドと反応し黄色に発色する。発色反応の結果、2769のコロニーについて黄色(吸光度:388nm)の発色が観察された。
一次スクリーニングの結果、活性を示した2769株を対象に、グリシンと3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒドとの合成反応(2次スクリーニング)へ供した。HPLCにより、合成された立体異性体の割合の変化をDiastereoselectivity(%d.e.で表わす)として算出し%d.e.が向上しているコロニーを選択した。即ち、一次スクリーニングの結果、L−スレオニン分解活性を示している2769株を24穴の角型ディープウエルプレート(Whatman製)の100μg/mLのアンピシリンを含む2000μLのLB液体培地に植菌し、24穴の角型プレート振動機(Titramax 1000、HEIDOLPH社製)で一晩培養した(30℃、600rpm)。24穴の角型ディープウェルプレートを2500rpmで10分間遠心することにより菌体を分離した。その菌体を−80℃の冷凍庫で30分間凍結処理した後、冷凍庫から取り出し培養液量の10%となる200μLの反応液を添加し30℃で3時間振動させながら合成反応を行った。反応液は1gのグリシン、100mgの3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド、10μLのメルカプトエタノール(2−Mercaptoethanol)、250μLのピリドキシサール−5’−リン酸(PLP、0.6mg/mL)、4.74mL 0.1Mリン酸緩衝液(pH7.5)、0.0158gの亜硫酸ナトリウムおよび0.0375gのTriton X−100を混合溶解し、1N塩酸で最終pHを6.5にした。合成活性の測定および%d.e.の算出はすべて3回行いその平均値で示した。その結果、4種のコロニーについて%d.e.が向上していることが観察された。表1で明らかなように、Streptomyces coelicolor A3(2)のL−スレオニンアルドラーゼが、同じ反応条件で平均15%d.e.の選択性しか示さないのに対し、本発明の変異酵素(mut2−2、mut2−4、mut3−2およびmut3−3)は、それぞれ20.5%d.e.、26.2%d.e.、21%d.e.および40%d.e.のL−スレオ型選択性を示した。これらの結果を表1に示した。
Figure 2007054012
これら変異遺伝子およびその発現変異酵素を有する大腸菌形質転換体はそれぞれ独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに寄託されている。寄託番号:受託番号NITE P−112、NITE P−113、NITE P−114およびNITE P−115)
L−スレオ型高立体選択性L−スレオニンアルドラーゼをコードする遺伝子の単離および塩基配列の解析
2次スクリーニングの結果高いL−スレオ型選択性活性を示したL−スレオ型高立体選択性L−スレオニンアルドラーゼをコードする遺伝子をもつ大腸菌JM109をLB液体培地3mLで培養し、プラスミドをQIAprep plasmid purification Kit(キアゲン製)で抽出した。シークエンス反応は、GeneAmp PCR System 9700(アプライドバイオシステム社製)、Dyeterminator Cycle Sequencing FS Ready Reaction Kit (アプライドバイオシステム社製)を用い、96℃ 10秒、50℃ 5秒、60℃ 4分、25サイクルで行った。反応生成物のシークエンスは全自動シークエンサー ABI Prism 3100 DNA Analyzer(アプライドバイオシステム社製)にて解析することにより決定した。
その結果高い立体選択性を示したL−スレオ型高立体選択性L−スレオニンアルドラーゼをコードする遺伝子は、配列番号11で示される親株のL−スレオニンアルドラーゼをコードする遺伝子に比べ、mut2−2では配列番号11の塩基配列の117番目のシトシンがチミンに(アミノ酸配列変化なし)、配列番号11の塩基配列の256番目のグアニンがアデニンに(アミノ酸配列:配列番号12のアミノ酸配列の86番目のバリンがイソロイシンに変化)、配列番号11の塩基配列の721番目のシトシンがチミンに(アミノ酸配列:配列番号12のアミノ酸配列の241番目のアルギニンがシステインに変化)、mut2−4では配列番号11の塩基配列の71番目のアデニンがグアニンに(アミノ酸配列:配列番号12のアミノ酸配列の24番目のチロシンがシステインに変化)、mut3−2では配列番号11の塩基配列の525番目のシトシンがチミンに(アミノ酸配列変化なし)、配列番号11の塩基配列の721番目のシトシンがチミンに(アミノ酸配列:配列番号12のアミノ酸配列の241番目のアルギニンがシステインに変化)、配列番号11の塩基配列の860番目のシトシンがチミンに(アミノ酸配列:配列番号12のアミノ酸配列の287番目のアラニンがバリンに変化)、mut3−3では配列番号11の塩基配列の429番目のシトシンがチミンに(アミノ酸配列変化なし)、配列番号11の塩基配列の962番目のアデニンがグアニンに(アミノ酸配列:配列番号12のアミノ酸配列の321番目のチロシンがシステインに変化)それぞれ変化していた。この高い立体選択性を示したL−スレオ型高立体選択性L−スレオニンアルドラーゼをコードする遺伝子の配列を配列番号3〜6に示す。
(配列番号3はMut2−2、配列番号4はMut2−4、配列番号5はMut3−2そして配列番号6はMut3−3にそれぞれ対応している。)
本発明の遺伝子は、L−スレオ型高立体選択性L−スレオニンアルドラーゼをコードする遺伝子として有用である。該遺伝子を挿入した微生物を用いる本発明のL−threo−DOPSの製造法は、医薬品として有用なL−threo−DOPSを煩雑な分離精製工程を行うこともなく工業的に有利に製造できる。
親株のL−スレオニンアルドラーゼをコードする遺伝子導入微生物を用いて合成したL−threo−DOPSのHPLCの結果を示す図である。(a)はL−erythro−DOPSを、(b)はL−threo−DOPSを示す。 高い立体選択性を示したL−スレオ型高立体選択性L−スレオニンアルドラーゼをコードする遺伝子(mut3−3)導入微生物を用いて合成したL−threo−DOPSのHPLCの結果を示す図である。(a)はL−erythro−DOPSを、(b)はL−threo−DOPSを示す。

Claims (7)

  1. 下記の(1)、(2)、(3)または(4)に示す遺伝子:
    (1)配列番号3、4、5または6に示す塩基配列のDNAからなる遺伝子:
    (2)配列番号3、4、5または6に示す塩基配列のDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつL−スレオ型高立体選択性L−スレオニンアルドラーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNAからなる遺伝子:
    (3)配列番号7、8、9または10に示すアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子:
    (4)配列番号7に示すアミノ酸配列の86番目のイソロイシンおよび241番目のシステイン、配列番号8に示すアミノ酸配列の24番目のシステイン、配列番号9に示すアミノ酸配列の241番目のシステインおよび287番目のバリン、または配列番号10に示すアミノ酸配列の321番目のシステインが保持され、当核アミノ酸配列7、8、9または10で示されるアミノ酸配列において1乃至数個のアミノ酸が付加、欠失若しくは置換されたアミノ酸配列からなり、かつL−スレオ型高立体選択性L−スレオニンアルドラーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子。
  2. 下記の(1)または(2)に示すタンパク質:
    (1)配列番号7、8、9または10に示すアミノ酸配列からなるタンパク質:
    (2)配列番号7に示すアミノ酸配列の86番目のイソロイシンおよび241番目のシステイン、配列番号8に示すアミノ酸配列の24番目のシステイン、配列番号9に示すアミノ酸配列の241番目のシステインおよび287番目のバリン、または配列番号10に示すアミノ酸配列の321番目のシステインが保持され、当核アミノ酸配列7、8、9または10で示されるアミノ酸配列において1乃至数個のアミノ酸が付加、欠失若しくは置換されたアミノ酸配列からなり、かつL−スレオ型高立体選択性L−スレオニンアルドラーゼ活性を有するタンパク質。
  3. 請求項1に記載の遺伝子を含有する組換えベクター。
  4. 請求項3に記載の組換えベクターを含む微生物。
  5. 宿主が大腸菌である請求項4に記載の微生物。
  6. 受託番号NITE P−112、NITE P−113、NITE P−114およびNITE P−115として、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに寄託された微生物。
  7. 請求項4、5または6に記載の微生物またはその調製物を、3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒドおよびグリシンを含有する液と接触せしめ、前記液中にL−スレオ−3,4−ジヒドロキシフェニルセリンを生成蓄積せしめ、これを採取することを特徴とするL−スレオ−3,4−ジヒドロキシフェニルセリンの製造法。

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